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JP7609801B2 - 運動データ収集方法、運動データ解析システム、運動診断支援システム、及び、解析プログラム - Google Patents
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運動データ収集方法、運動データ解析システム、運動診断支援システム、及び、解析プログラム Download PDF

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Description

本発明は、運動データ収集方法、運動データ解析システム、運動診断支援システム、及び、解析プログラムに関する。特に、四つ這い運動時又は寝返り運動時の運動データに関する。
高齢社会を迎え、パーキンソン病、アルツハイマー型を含む認知症、がん、高血圧に伴う循環器系疾患、糖尿病等と診断される高齢者が増えてきている。さらに、高齢社会に加えストレス社会も相まって、非運動症状である、認知症に起因する脱抑制(怒りやすさ)、アパシー(やる気の低下)、社会的障害、注意欠陥障害等の診断を受ける高齢者や若者が増えてきている。
近年の診断技術や医学の進歩により、専門家による上記診断は容易になってきているものの、特にパーキンソン病は、首が折れ下がり腰が曲がり歩行に支障が出るといった深刻な要介護状態になるにも関わらず、健常状態から要介護状態になるまでの中間状態や病状の進行を、立位や二足歩行姿勢から評価することは非常に難しい。このため、介護負担が大きくなってから病状の進行に気づき、ますます介護負担が増すという問題があった。
また、非運動症状の脱抑制や注意欠陥障害等の病状の診断は、専門家においても難しい面があった。特に、非運動症状は無意識であることが多く、同様に立位や二足歩行姿勢から評価することも難しい。このため、予防や診断ができず介護負担が増すという問題があった。
特開2012-240935号公報 特表2010-526820号公報
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、乳幼児が無意識で獲得する寝返り運動及び四つ這い運動の動きを、高齢者、若者、小児等から測定し数値化する運動データ収集方法、収集した運動データを解析する運動データ解析システム、収集された運動データを診断に適した方法で表示して運動診断支援を行う運動診断支援システム、及び、該運動データ解析システムの解析プログラムの提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の運動データ収集方法は、四つ這い運動時又は寝返り運動時の運動データ収集方法であって、四つ這い運動時は踵部、腰部、手のいずれか1か所以上の部位、寝返り運動時は頭部、両膝、両肩のいずれか1か所以上の部位の動きを測定するステップと、前記動きを測定するステップによって測定した動きを、数値化するステップと、を含むことを特徴とする。
前記四つ這い運動は、前進運動及び後進運動を含んでもよい。
前記四つ這い運動は踵押さえをさらに含んでもよい。
前記寝返り運動は膝押さえをさらに含んでもよい。
前記四つ這い運動時又は寝返り運動時に、外部から特定のリズム信号をさらに与えることが望ましい。
前記動きを測定するステップは、測定する部位にマークを付した計測による測定、体の揺れに反応して音が発生する部材を体に付した録音による測定、写真撮影による測定、動画撮影による測定、又は、それら2以上の組み合わせにより行われることが望ましい。
本発明の運動データ解析システムは、運動データ収集方法で収集した、数値化された運動データを入力する、運動データ入力部と、前記運動データ入力部に入力された運動データ収集時の運動条件を入力する、運動条件入力部と、前記入力された運動条件それぞれに対応して設定された所定の閾値と、前記入力された運動データを比較し、運動データが前記所定の閾値内に含まれるか、あるいは、前記所定の閾値以上であるかを解析する、運動データ解析部と、前記解析された運動データが、前記所定の閾値に含まれている場合に、あるいは、前記所定の閾値以上の場合に、報知する、解析結果報知部と、を含むことを特徴とする。
運動データ解析システムは、運動内容を指示する、運動指示部と、前記運動データ収集方法で、運動データを収集する、運動データ収集部と、をさらに含んでもよい。
運動データ解析システムは、サーバをさらに含み、必要に応じ前記サーバを介してデータ、指示や結果が送受信され、遠隔操作可能であってもよい。
本発明の運動診断支援システムは、運動データ収集方法で収集した、数値化された運動データを入力する、運動データ入力部と、前記運動データ入力部に入力されたデータ収集時の運動条件を入力する、運動条件入力部と、前記入力された運動データ及び前記入力された運動条件を、診断に適した方法で表示する、運動条件及び運動データ表示部と、を含み、運動診断支援を行うことを特徴とする。
運動診断支援システムは、前記運動条件及び前記運動データに基づき疾病や症状の種類を分類する、AI解析部をさらに含み、運動診断支援を行ってもよい。
運動診断支援システムは、サーバをさらに含み、必要に応じ前記サーバを介してデータや結果が送受信され、遠隔操作可能であってもよい。
本発明の解析プログラムは、運動データ解析システムの解析プログラムであって、コンピュータに、前記運動データ収集方法で収集した、四つ這い運動時又は寝返り運動時の動きを数値化した運動データを受信させ、前記運動データ収集時の運動条件を受信させ、前記運動条件それぞれに対応して設定された所定の閾値と、前記運動データを用い、運動データが前記所定の閾値内に含まれるか、あるいは、前記所定の閾値以上であるかを比較して解析させ、前記解析された運動データが、前記所定の閾値に含まれている場合に、又は、前記所定の閾値以上の場合に、報知させることを含むことを特徴とする。
本発明の運動データ収集方法によれば、四つ這い運動時又は寝返り運動時の動きを簡便に測定でき、数値化できる。四つ這い運動も寝返り運動もベッド上やマット上で可能であり、高齢者や脳卒中後のリハビリ中の人でも、また、健常な高齢者、若者、小児等でも安全に実施することができる。
また、四つ這い運動や寝返り運動の動きの測定や数値化は、特殊なセンサや高価な測定機器を使うことなく、身近なスマートフォンやビデオカメラ、カメラ、ICレコーダー、メジャーや定規等を用いて簡便に行うことができる。さらに、動きの測定の精度もミリメートルや1cmといった細かい単位を要求されない点においても、簡便に動きの測定が可能である。
本発明の運動データ収集方法、運動データ解析システム、運動診断支援システム、及び、制御プログラムによれば、各種疾病、とりわけパーキンソン病、アルツハイマー型認知症等において健常状態から要介護状態になるまでの中間状態や病状の進行の診断を支援することができ、さらには、非運動症状の脱抑制、アパシー、遂行機能障害、注意欠陥障害等の各種症状の診断を支援することができる。
さらには、寝返り運動及び四つ這い運動の動きは乳幼児が無意識で獲得する運動であり、いずれの世代においても運動者自身が楽しく運動をすることができる。
四つ這い運動(正常)の一例を示す。 四つ這い運動(正常)の他の一例を示す。 四つ這い運動(足背接地不全)の一例を示す。 四つ這い運動(足背接地不全)の他の一例を示す。 四つ這い運動(骨盤左右動揺)の一例を示す。 四つ這い運動(骨盤左右動揺)の他の一例を示す。 寝返り運動(正常)の一例を示す。 寝返り運動(頭部先行)の一例を示す。 寝返り運動(右膝先行)の一例を示す。 寝返り運動(右膝屈曲代償)の一例を示す。 運動データ解析システムの一例を示す。 運動診断支援システムの一例を示す。
本発明の運動データ収集方法は、四つ這い運動時又は寝返り運動時の体の部位の動きを測定するステップと、測定した動きを数値化するステップと、を含むものである。
(四つ這い運動データ収集方法)
四つ這い運動は一般的にはハイハイとも呼ばれ、乳幼児が無意識に獲得する運動の一つである。健常状態の四つ這い運動は、両手と両足背(膝から下。爪先は寝かせた状態)を交互に床面に接触させながらまっすぐに前進又は後進(後ずさり)する。
しかしながら、パーキンソン病、認知症や脱抑制等の非運動症状の運動者は、体幹異常を代償しようとするため、特に四つ這い運動においては足背、腰、手の動きに特徴が見られる。そこで、踵部、腰部、手のいずれか1か所以上の部位の動きを測定し、測定した動きを数値化し、運動データとして収集する。
図1~図6に、四つ這い運動の例を示す。図1及び図2は正常状態の四つ這いの例であり、足背が接地し、骨盤動揺も見られない。図3及び図4は足背接地不全の例であり、図5及び図6は骨盤が体の中心線から左右に動揺する例である。
また、写真には表れないが、正常状態の四つ這い運動に比べ、四つ這い運動自体の制御がうまくいかず、前進運動後に後進運動ができない、後進運動が緩慢になるといった特徴が観測されることがある。さらには、後進運動時に骨盤が上下に動揺する例もある。
足背接地の度合い(足背の「ウキ」)は、運動者の踵部の動きを測定し、床面から踵部までの高さを数値化することにより運動データとすることができる。
骨盤動揺の度合い(骨盤の左右動揺の「フリ」、上下動揺の「オレ」)は、運動者の腰部の動きを測定し、頭から背骨を通る体の中心軸から腰部の中心までの左右の距離及び上下の距離を数値化することにより運動データとすることができる。
四つ這い運動の制御の度合い(正確性)は、運動者の手の動きを測定し、左右の手と床面が順次接触する床面の各位置、又は、運動開始から各接触までの時間を数値化することにより運動データとすることができる。左右の手と床面が順次接触する床面の各位置により、四つ這い運動ができているかを把握することができる。運動開始から各接触までの時間を測定することにより、運動速度、運動速度の変化、運動開始の困難性等を把握することができる。
なお、上記運動データの収集方法は例示にすぎず、数値化可能であれば、これらの方法に限定されない。
動きを測定するステップは、踵部、腰部、手のいずれか1か所以上の測定する部位にマークを付し、メジャーや定規等で計測してデータとして記録してもよい。また、体の揺れに反応して音が発生する鈴等の部材を運動者に付し、ICレコーダー等で録音して運動速度を測定してもよい。さらには、身近なスマートフォンやビデオカメラ、カメラ等を用いて写真撮影、動画撮影を行ってもよい。又は、それら2以上の組み合わせにより行ってもよい。
四つ這い運動は、前進運動のみでもよいが、前進運動及び後進運動(後ずさり)を交互に行うことが好ましい。前進運動と後進運動の切り替え時の動きの運動データも併せて取得することができるからである。
四つ這い運動は、第三者や器具等で踵部を上から床面に向かって押さえた上で行ってもよい。踵部を床面から上げることで体幹異常を代償していた場合、骨盤動揺の度合いがより大きくなる、あるいは、後進始動が困難となる等の、腰部又は手の動きの運動データも併せて取得することができるからである。
四つ這い運動時に、外部から特定のリズム信号をさらに与えることができる。かかるリズム信号は、運動のリズムを一定に維持しやすくするとともに、四つ這い運動のリズム信号からのずれも判断しやすい。
特定のリズム信号は、メトロノームのようなテンポのみを示す信号でも、音楽CDのような信号でもよい。また、掛け声との組み合わせでもよい。なかでも、左右の手が床面に接触するテンポに合わせた4拍子が好ましい。4拍子の中でも誰でも調子が取りやすいリズムがよく、337拍子がより好ましい。337拍子とは、/と/の間を1小節とすると、 /前進3歩(1拍休み)/後進3歩(1拍休み)/前進3歩(1拍停止)/後進3歩(1拍休み)/ で表されるリズムであり、幼少の頃より慣れ親しんでいるためノリやすく、四つ這い運動がより楽しくなると考えられる。さらに、3小節目の前進3歩後の1拍停止時に、止まれない、後進始動が遅れるといった動きの運動データも併せて取得することができるからである。
さらに、特定のリズム信号は、同様な四つ這い運動を行う他人から発せられる声や、該他人の運動のリズムに合わせた手拍子、声、打楽器音等であってもよい。同様な四つ這い運動を行う1人又は複数の他人のリズム信号は、四つ這い運動に対しより同調を促すものであり、心地よく楽しく四つ這い運動を行うことができる。1人又は複数の他人のリズム信号による四つ這い運動は、リハビリテーション施設やデイサービス等で実施しやすく、本発明の四つ這い運動の実施機会を増やしやすく、また、運動の効果も向上すると考えられる。
(寝返り運動データ収集方法)
寝返り運動も、乳幼児が無意識に獲得する運動の一つである。健常状態の寝返り運動は、上肢が先行し、両肩のほうが頭部より先に回旋して行われ、膝が浮いたり屈曲したりすることはない。
しかしながら、パーキンソン病や遂行機能障害、脱抑制等の非運動症状の運動者は、体幹異常を代償しようとするため、寝返り運動で頭部のほうが両肩より先に回旋する動きや、膝が浮いたり屈曲したりする動きが見られる。そこで、頭部、両膝、両肩のいずれか1か所以上の部位の動きを測定し、測定した動きを数値化し、運動データとして収集する。
図7~図10に、寝返り運動の例を示す。本発明において寝返り運動は、仰向けで腕組みを行い、右肩を床面から離し→右肩を床面に戻し→左肩を床面から離し→左肩を床面に戻す、を繰り返すものが例示される。右肩を床面から離した場合は左回旋しようとする体勢となるが、実際には回旋しないで元の体勢に戻る。同様に、左肩を床面から離した場合は右回旋しようとする体勢となるが、実際には回旋しないで元の体勢に戻る。図7は正常状態の寝返り運動の例であり、頭部が両肩より先に回旋せず、膝の浮きや屈曲もない。図8は頭部が両肩より先に回旋する例である。
頭部が両肩より先に回旋する度合い(頭部の「クビ」)は、運動者の頭部の動きを測定し、上面視において体の中心点から頭部の中心点までの距離を数値化し、かつ、運動者の両肩の動きを測定し、床面から肩までの距離、又は、運動開始から各時点での床面から肩までの距離を数値化することにより運動データとすることができる。運動開始から各時点での床面から肩までの距離を数値化することにより、運動速度、運動速度の変化、運動開始の困難性等を把握することができる。
図9は下肢、特に右膝が床面から浮いて先行して回旋する例であり、図10は右膝が屈曲して回旋する例である。
膝が両肩より先に回旋する度合いは、運動者の両膝の動きを測定し、床面から膝までの高さを数値化することにより運動データとすることができる。
なお、上記運動データの収集方法は例示にすぎず、数値化可能であれば、これらの方法に限定されない。
動きを測定するステップは、頭部、両膝、両肩の測定する部位にマークを付し、メジャーや定規等で計測してデータとして記録してもよい。また、体の揺れに反応して音が発生する鈴等の部材を運動者に付し、ICレコーダー等で録音して運動速度を測定してもよい。さらには、身近なスマートフォンやビデオカメラ、カメラ等を用いて写真撮影、動画撮影を行ってもよい。又は、それら2以上の組み合わせにより行ってもよい。
寝返り運動は、第三者や器具等で膝を上から床面に向かって押さえた上で行ってもよい。寝返り運動時に膝を床面から上げることで体幹異常を代償していた場合、頭部が両肩より先に回旋する度合いがより大きくなる等の、運動データも併せて取得することができるからである。さらに膝を押さえた場合に比し、押さえない場合には、膝の屈曲が先行し足を床面に押しつけて下肢先行で寝返りする代償の動きが見られることがあり、これを運動開始から各時点での床面から膝までの距離を数値化することにより運動データとすることができる。図9及び図10は下肢の代償で寝返る例であり、両肩より先に下肢(膝)が浮き、あるいは屈曲している。
寝返り運動時に、外部から特定のリズム信号をさらに与えることができる。かかるリズム信号は、運動のリズムを一定に維持しやすくするとともに、寝返り運動のリズム信号からのずれも判断しやすい。
特定のリズム信号は、メトロノームのようなテンポのみを示す信号でも、音楽CDのような信号でもよい。掛け声との組み合わせでもよい。なかでも、左右の手が床面に接触するテンポに合わせた4拍子が好ましい。4拍子の中でも誰でも調子が取りやすいリズムがよく、337拍子がより好ましい。337拍子とは、/と/の間を1小節とすると、 /2拍で右肩を床面から離す→1拍で右肩を床面に戻す(1拍休み)/2拍で左肩を床面から離す→1拍で左肩を床面に戻す(1拍休み)/2拍で右肩を床面から離す→1拍で右肩を床面に戻す(1拍停止)/2拍で左肩を床面から離す→1拍で左肩を床面に戻す(1拍休み)/ で表されるリズムであり、幼少の頃より慣れ親しんでいるためノリやすく、寝返り運動がより楽しくなると考えられる。
さらに、特定のリズム信号は、同様な寝返り運動を行う他人から発せられる声や、該他人の運動のリズムに合わせた手拍子、声、打楽器音等であってもよい。同様な寝返り運動を行う1人又は複数の他人のリズム信号は、寝返り運動に対しより同調を促すものであり、心地よく楽しく寝返り運動を行うことができる。1人又は複数の他人のリズム信号による寝返り運動は、リハビリテーション施設やデイサービス等で実施しやすく、本発明の寝返り運動の実施機会を増やしやすく、また、運動の効果も向上すると考えられる。
(運動データ解析システム)
運動データ解析システムは、運動データ入力部、運動条件入力部、運動データ解析部、及び、解析結果報知部を含む。
運動データ入力部13は、上述した運動データ収集方法で収集した、数値化された運動データが入力される。なお、運動データ収集方法で測定され数値化された運動データは、同じ腰部の動きでも踵部の押さえがあるか、後進運動時か等により異なる。このため、運動条件入力部14は、運動データ収集時の運動条件が入力される。
運動データには、入力された運動条件それぞれに対応して所定の閾値が設定される。運動データ解析部15は、かかる閾値と入力された運動データを比較し、運動データが所定の閾値内に含まれるか、あるいは、所定の閾値以上であるかを解析する。
ここで、所定の閾値とは、たとえば頭から背骨を通る体の中心軸から腰部の中心までの左右の距離を10cm等に設定することができる。なお、同じ運動条件での閾値を段階的に複数設定してもよい。
解析結果報知部16は、解析された運動データが、所定の閾値に含まれている場合に、あるいは、所定の閾値以上の場合に、報知する。報知の方法は、たとえば閾値以上の場合に色を変えて表示させたり、数値や画像をハイライトさせたり、また、チャイム音や警告音を発生させたりする等が挙げられる。閾値以内であるときに色を変えても、音を発生させてもよく、さらには、閾値以上の場合と閾値以内である場合に別の色や音で表示させてもよい。
運動データ解析システム1には、さらに運動指示部11、運動データ収集部12を備えていてもよい。
運動指示部11は、運動内容を指示するものであり、運動の開始や運動内容、運動条件を音声や画面で指示するものが例示される。また、運動に合わせる特定のリズム信号を送ってもよい。特定のリズム信号は、メトロノームのようなテンポのみを示す信号でも、音楽CDのような信号でもよい。掛け声との組み合わせでもよく、337拍子のようなリズムでもよい。
運動データ収集部12は、上述した運動データ収集方法で運動データが収集される。具体的には、写真撮影、動画撮影、録音等が例示される。
運動データ解析システム1は、さらにサーバ17を含んでもよい。必要に応じサーバ17を介してデータ、指示や結果を送受信できる。これにより、遠隔操作が可能となる。
なお、運動指示部11、運動データ収集部12、運動データ入力部13、運動条件入力部14、運動データ解析部15、解析結果報知部は16、有体物であっても、ソフトウェア上のモジュールであってもよい。
図11に、運動データ解析システムの一例を示す。
(運動診断支援システム)
運動診断支援システム2は、運動データ入力部21、運動条件入力部22、運動条件及び運動データ表示部23を含み、運動診断支援を行う。
運動データ入力部21は、上述した運動データ収集方法で収集した、数値化された運動データが入力される。なお、運動データ収集方法で測定され数値化された運動データは、同じ腰部の動きでも踵部の押さえがあるか、後進運動時か等により異なる。このため、運動条件入力部は、運動データ収集時の運動条件が入力される。
運動条件及び運動データ表示部23は、入力された運動データ及び前記入力された運動条件が、診断に適した方法で表示される。診断に適した方法の表示とは、運動データと運動条件を一覧表にしたり、画像の中心を揃えて並べたり、特定のリズムと運動のリズムの差をグラフ化したり等が例示されるが、これらに限られない。
運動診断支援システム2は、AI解析部24をさらに備えてもよい。
AI解析部24は、運動条件及び運動データに基づき、教師有の条件で疾病や症状の種類を分類する。上述した運動データ収集方法で収集した、数値化された運動データは、1か所以上の部位の動きの運動データを含む。このため、運動データ1点の閾値で疾病や症状を判断するよりも、多観点から疾病や症状の種類を分類することが、診断の精度を向上することに繋がる。
しがたって、AI解析部24をさらに備えることにより、専門家の疾病や症状の診断を、より高度に支援することができる。
運動診断支援システムは、さらにサーバ25を含んでもよい。必要に応じサーバを介してデータや表示内容を送受信できる。これにより、遠隔操作が可能となる。
なお、運動データ入力部21、運動条件入力部22、運動条件及び運動データ表示部23、AI解析部24は、有体物であっても、ソフトウェア上のモジュールであってもよい。
図12に、運動診断支援システムの一例を示す。
(解析プログラム)
本発明の運動データ解析システムの解析プログラムは、コンピュータに、上述した運動データ収集方法で収集した、四つ這い運動時又は寝返り運動時の動きを数値化した運動データを受信させ、前記運動データ収集時の運動条件を受信させ、前記運動条件それぞれに対応して設定された所定の閾値と、前記運動データを用い、運動データが所定の閾値内に含まれるか、あるいは、所定の閾値以上であるかを比較して解析させ、前記解析された運動データが、所定の閾値に含まれている場合に、又は、前記所定の閾値以上の場合に、報知させることを含む。
かかる解析プログラムは、上述した運動データ解析システム1に対応するプログラムである。
以下に本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
四つ這い運動において、第三者により踵部を押さえて後進運動させ、運動データを収集した。また、寝返り運動において、仰向けに腕組みさせ、運動データを収集した。
パーキンソン病ですくみの目立つ患者では、手の部位の動きを測定することにより、後進始動が遅れること、及び、後進動作が遅くなることが分かった。加えて、腰部の動きも測定することにより、骨盤の左右動揺が観察される例とされない例があることが分かった。寝返りも同様に困難であり、肩の床からの挙上が緩慢であることが分かった。膝の動きも測定することにより、肩の回旋始動に先行して膝が床より浮き、下肢の力を借りて寝返りを補っていることが分かった。
さらに、寝返り運動において、第三者により膝部を押さえて、運動データを収集した。両肩の部位の動きを測定することにより、両肩の回旋量がさらに不足することが分かった。この様な患者では、アパシー・意欲低下も目立った。
(実施例2)
四つ這い運動において、前進3歩→後進3歩→前進3歩(1拍停止)→後進3歩を、337拍子のリズム信号を与えることにより運動データを収集した。
パーキンソン病の運動症状に加え、脱抑制および衝動的で不注意を呈するパーキンソン病認知症(レビー小体型認知症)を含めた患者では、手の部位の動きを測定することにより、後進始動が遅れること、及び、後進動作が遅くなることが分かったことに加え、前進は後進に比し素早く、前進から後進変更時に停止できないことが分かった。
これらの患者では、ハイハイの腰部の動きも測定することにより、骨盤の左右動揺が観察される例とされない例があることが分かった。骨盤の左右が動揺する幼若なハイハイを呈する場合、易怒性や情動の不安定さが目立った。
(実施例3)
寝返り運動において、仰向けに腕組みさせ、2拍で右肩を床面から離す→1拍で右肩を床面に戻す(1拍休み)→2拍で左肩を床面から離す→1拍で左肩を床面に戻す(1拍休み)→2拍で右肩を床面から離す→1拍で右肩を床面に戻す(1拍停止)→2拍で左肩を床面から離す→1拍で左肩を床面に戻す(1拍休み)を、337拍子のリズム信号を与えることにより運動データを収集した。
遂行機能障害を有するパーキンソン病およびレビー小体型認知症の患者で、首が折れ下がり腰が曲がり歩行に支障が出る場合、頭部及び両肩の動きを測定することにより、両肩の動きがリズム信号より緩慢となるのに加え、頭部が両肩よりも先に回旋することが分かった。さらに、これらの注意の配分・情動処理が苦手な中に、幻視を呈する症例も含まれた。
(実施例4)
四つ這い運動において、特定のリズム信号を与えることなく前進及び後進の運動データを収集した。
パーキンソン病で抑うつ及び自律神経系の身体症状を伴う不安の目立つ患者では、踵部の部位の動きを測定することにより、後進時に足背が床面から離れることが分かった。さらに、踵部、腰部、手の部位の動きを測定することにより、左右協調性が不正確であることが分かった。また、記銘力障害・物忘れに加え、易怒性・苛立ち(攻撃的行動)が目立つアルツハイマー型認知症の患者では、腰部の部位の動きを測定することにより、前進は素早く、かつ、骨盤の左右の動揺が見られることが分かった。
(実施例5)
四つ這い運動において、前進運動および後進運動(後ずさり)を交互に行い、前進運動と後進運動の切り替え時の動きの運動データを収集した。さらに、四つ這い運動において、第三者により踵部を押さえて後進運動させ、運動データを収集した。
踵部を押さえても骨盤の左右動揺は観察されず、上下に動揺するパーキンソン病の中で、前進と後進の切り替えが困難な症例の中には、アイオワ・ギャンブリング課題で社会的行動障害を認める患者が存在した。
パーキンソン運動症状や物忘れに関わらず、認知および情動障害の種類により、四つ這い運動時又は寝返り運動時の運動データは複合的に評価される。たとえば、アパシー・すくみの運動者は、四つ這い運動も寝返り運動も緩慢となり、かつ、四つ這い運動の前進開始時は踵部が床面から浮きあがり、後進時は腰部が左右に振れることで分類されることが分かった。脱抑制(怒りやすい)の運動者は、四つ這い運動時も寝返り運動時も素早く、四つ這い運動では前進から後進および後進から前進の変更時に停止できないことが分かった。遂行機能障害の運動者は、寝返り運動時には両肩より頭部の回旋が先行し、四つ這い運動時には踵押さえにより後進始動時に腰部の上下動揺が見られることが分かった。この遂行機能障害に、衝動性(易怒性)や情動処理の不安定さを示す四つ這い運動の後進中に踵部が床面から浮き上がったり、前進時に腰部が左右に振れたり幼若なハイハイが加わると、幻視や姿勢異常が見られることが分かった。
上述したように、パーキンソン病、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症等の高齢者に多い疾病、アパシー(意欲の低下)、脱抑制、衝撃性(易怒性)、遂行機能障害(注意障害)等の非運動症状や情動・認知障害、また、転倒の原因となるすくみ、姿勢異常、痛み等、さらには、幻視、神経症、情緒不安定、抑うつ、自律神経系の身体症状、記銘力障害、物忘れ、苛立ち(攻撃的行動)、社会的行動障害等の症状と、四つ這い運動時又は寝返り運動時の運動データは密接にかつ複雑に関連していることが分かった。同時に、乳幼児期に無意識に獲得する四つ這い運動や寝返り運動はシンプルでありながら、健常状態での動きと疾病や症状を有する状態での動きの差が分かりやすい。
本発明は、四つ這い運動時又は寝返り運動時の運動データを収集することで、また、収集した運動データを解析するシステムや運動の診断を支援するシステム、解析プログラムを提供することで、各種疾病や非運動症状を含む各種症状の複雑な診断を支援することができる。
1 運動データ解析システム
11 運動指示部
12 運動データ収集部
13 運動データ入力部
14 運動条件入力部
15 運動データ解析部
16 解析結果報知部
17 ネットワークサーバ
2 運動診断支援システム
21 運動データ入力部
22 運動条件入力部
23 運動条件及び運動データ表示部
24 AI解析部
25 ネットワークサーバ

Claims (15)

  1. 四つ這い運動時又は寝返り運動時の運動データ収集方法であって、
    四つ這い運動時は踵部、腰部、手のいずれか1か所以上の部位、寝返り運動時は頭部、両膝、両肩のいずれか一か所以上の部位の動きを測定するステップと、
    前記動きを測定するステップによって測定した動きを、数値化するステップと、
    を含み、
    前記寝返り運動は、仰向けで腕組みを行い、右肩を床面から離して戻し、左肩を床面から離して戻す運動を繰り返すことを含む、運動データ収集方法。
  2. 四つ這い運動時の前記数値化するステップにおいて、
    踵部の動きを測定する場合は、床面から踵部までの高さを数値化し、
    腰部の動きを測定する場合は、頭から背骨を通る体の中心軸から腰部の中心までの距離を数値化し、
    手の動きを測定する場合は、左右の手と床面が順次接触する床面の各位置、又は、運動開始から各接触までの時間を数値化し、
    寝返り運動時の前記数値化するステップにおいて、
    頭部の動きは、上面視において体の中心点から頭部の中心点までの距離を数値化し、
    両膝の動きは、床面から膝までの高さを数値化し、
    両肩の動きは、床面から肩までの距離、又は、運動開始から各時点での前記床面から肩までの距離を数値化する、請求項1に記載の運動データ収集方法。
  3. 前記四つ這い運動は、前進運動及び後進運動を含む、請求項1又は2に記載の運動データ収集方法。
  4. 前記四つ這い運動は踵押さえをさらに含み、腰部又は手の部位の動きを測定する、請求項1~3いずれか一項に記載の運動データ収集方法。
  5. 前記寝返り運動は膝押さえをさらに含み、頭部又は両肩の部位の動きを測定する、請求項1又は2に記載の運動データ収集方法。
  6. 前記四つ這い運動時又は寝返り運動時に、外部から特定のリズム信号をさらに与える、請求項1~5いずれか一項に記載の運動データ収集方法。
  7. 前記特定のリズム信号は、前記四つ這い運動又は寝返り運動を同様に行う1人又は複数の他人から発せられる声や、該他人の運動のリズムに合わせた手拍子、声、打楽器音である、請求項6に記載の運動データ収集方法。
  8. 前記動きを測定するステップは、測定する部位にマークを付した計測による測定、体の揺れに反応して音が発生する部材を体に付した録音による測定、写真撮影による測定、動画撮影による測定、又は、それら2以上の組み合わせにより行われる、請求項1~7いずれか一項に記載の運動データ収集方法。
  9. 請求項1~8いずれか一項に記載の運動データ収集方法で収集した、数値化された運動データを入力する、運動データ入力部と、
    前記運動データ入力部に入力された運動データ収集時の運動条件を入力する、運動条件入力部と、
    前記入力された運動条件それぞれに対応して設定された所定の閾値と、前記入力された運動データを比較し、運動データが前記所定の閾値内に含まれるか、あるいは、前記所定の閾値以上であるかを解析する、運動データ解析部と、
    前記解析された運動データが、前記所定の閾値に含まれている場合に、あるいは、前記所定の閾値以上の場合に、報知する、解析結果報知部と、
    を含む、運動データ解析システム。
  10. 運動内容を指示する、運動指示部と、
    前記運動データ収集方法で、運動データを収集する、運動データ収集部と、
    を、さらに含む、請求項9に記載の運動データ解析システム。
  11. サーバをさらに含み、必要に応じ前記サーバを介してデータや指示や結果が送受信される、遠隔操作可能な、請求項9又は10に記載の運動データ解析システム。
  12. 請求項1~8いずれか一項に記載の運動データ収集方法で収集した、数値化された運動データを入力する、運動データ入力部と、
    前記運動データ入力部に入力されたデータ収集時の運動条件を入力する、運動条件入力部と、
    前記入力された運動データ及び前記入力された運動条件を、診断に適した方法で表示する、運動条件及び運動データ表示部と、
    を含み、運動診断支援を行う、運動診断支援システム。
  13. 前記運動条件及び前記運動データに基づき疾病や症状の種類を分類する、AI解析部をさらに含み、運動診断支援を行う、請求項12に記載の運動診断支援システム。
  14. サーバをさらに含み、必要に応じ前記サーバを介してデータや結果が送受信される、遠隔操作可能な、請求項12又は13に記載の運動診断支援システム。
  15. 運動データ解析システムの解析プログラムであって、
    コンピュータに、
    請求項1~8いずれか一項に記載の運動データ収集方法で収集した、四つ這い運動時又は寝返り運動時の動きを数値化した運動データを受信させ、
    前記運動データ収集時の運動条件を受信させ、
    前記運動条件それぞれに対応して設定された所定の閾値と、前記運動データを用い、運動データが前記所定の閾値内に含まれるか、あるいは、前記所定の閾値以上であるかを比較して解析させ、
    前記解析された運動データが、前記所定の閾値に含まれている場合に、又は、前記所定の閾値以上の場合に、報知させることを含む、解析プログラム。
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