本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、特に断りがない限り、図1、図3、図4に示す矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」とする。また、図5に示す矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。また、図1に示す矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
また、以下の説明においては、特に断りがない限り、図8~図14に示す矢印Nの方向を「北」、矢印Sの方向を「南」、矢印Eの方向を「東」、矢印Wの方向を「西」とする。
〔コンバインの全体構成〕
図1に示すように、普通型のコンバイン1(本発明に係る「農作業機」に相当)は、機体10、刈取部H、脱穀装置13、穀粒タンク14、搬送部16、穀粒排出装置18、衛星測位モジュール80を備えている。また、機体10は、クローラ式の走行装置11、運転部12、エンジンEGを有している。
走行装置11は、コンバイン1における下部に備えられている。また、走行装置11は、エンジンEGからの動力によって駆動する。そして、コンバイン1は、走行装置11によって自走可能である。
また、運転部12、脱穀装置13、穀粒タンク14は、走行装置11の上側に備えられている。運転部12には、コンバイン1の作業を監視するオペレータが搭乗可能である。
穀粒排出装置18は、穀粒タンク14の上側に設けられている。また、衛星測位モジュール80は、運転部12の上面に取り付けられている。
刈取部Hは、コンバイン1における前部に備えられている。そして、搬送部16は、刈取部Hの後側に設けられている。また、刈取部Hは、刈刃15及びリール17を含んでいる。
刈刃15は、圃場の植立穀稈を刈り取る。また、リール17は、機体左右方向に沿うリール軸芯17b周りに回転駆動しながら収穫対象の植立穀稈を掻き込む。刈刃15により刈り取られた刈取穀稈は、搬送部16へ送られる。
この構成により、刈取部Hは、圃場の穀物を収穫する。そして、コンバイン1は、刈刃15によって圃場の植立穀稈を刈り取りながら走行装置11によって走行する刈取走行が可能である。
刈取部Hにより収穫された刈取穀稈は、搬送部16によって機体後方へ搬送される。これにより、刈取穀稈は脱穀装置13へ搬送される。
脱穀装置13において、刈取穀稈は脱穀処理される。脱穀処理により得られた穀粒は、穀粒タンク14に貯留される。穀粒タンク14に貯留された穀粒は、必要に応じて、穀粒排出装置18によって機外に排出される。
即ち、コンバイン1は、刈取部Hによって収穫された穀物を貯留する穀粒タンク14を備えている。
また、図1に示すように、運転部12には、通信端末4(本発明に係る「設定部」に相当)が配置されている。通信端末4は、種々の情報を表示可能に構成されている。本実施形態において、通信端末4は、運転部12に固定されている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、通信端末4は、運転部12に対して着脱可能に構成されていても良いし、通信端末4は、コンバイン1の機外に位置していても良い。
ここで、コンバイン1は、手動操舵走行及び自動操舵走行を行うことができるように構成されている。手動操舵走行とは、オペレータの手動操舵によって走行を行うことを意味する。また、自動操舵走行とは、前進走行を自動で行うことを意味する。特に、本実施形態において、自動操舵走行とは、αターンやUターン等の大きな方向転換のない前進走行を自動で行うことを意味する。
また、運転部12には、主変速レバー19が設けられている。コンバイン1が手動操舵走行または自動操舵走行を行っているとき、オペレータが主変速レバー19を操作すると、コンバイン1の車速が変化する。即ち、コンバイン1が手動操舵走行または自動操舵走行を行っているとき、オペレータは、主変速レバー19を操作することにより、コンバイン1の車速を変更することができる。
また、運転部12には、操舵操作具41が設けられている。コンバイン1が手動操舵走行を行っているとき、オペレータが操舵操作具41を操作すると、走行装置11における左右のクローラの間に速度差が生じるように構成されている。これにより、コンバイン1が旋回する。即ち、コンバイン1が手動操舵走行を行っているとき、オペレータは、操舵操作具41を操作することにより、コンバイン1の操舵を行うことができる。
即ち、コンバイン1は、操舵のための操舵操作具41を備えている。
尚、コンバイン1は、操舵操作具41への操作力が走行装置11へ伝達されないように構成されている。即ち、操舵操作具41は、走行装置11に機械的に連動するものではない。オペレータが操舵操作具41を操作すると、操舵操作具41の動きが電気的に検知され、この検知に基づいて、走行装置11における左右のクローラが制御される。これにより、左右のクローラの間に速度差が生じると、コンバイン1は旋回する。また、左右のクローラの間に速度差がない状態では、コンバイン1は直進する。
〔動力伝達に関する構成〕
図2に示すように、コンバイン1は、脱穀クラッチC1及び刈取クラッチC2を備えている。エンジンEGから出力された動力は、走行装置11及び脱穀クラッチC1に分配される。
走行装置11は、主変速装置11a及び副変速装置11bを有している。本実施形態において、主変速装置11aは、静油圧式無段変速装置により構成されている。また、副変速装置11bは、ギヤ切替式の変速装置により構成されており、高速状態と低速状態との間で切替可能に構成されている。尚、高速状態は移動用(非作業用)の変速状態であり、低速状態は作業用の変速状態である。
エンジンEGから走行装置11に入力された動力は、主変速装置11a及び副変速装置11bにより変速される。そして、変速された動力によって、走行装置11のクローラが駆動することにより、コンバイン1が走行する。
図3に示すように、主変速レバー19は、前後方向に揺動操作可能に構成されている。主変速レバー19の可動域は、前進用操作位置FP、中立位置NP、後進用操作位置RPの3つに区画されている。そして、主変速レバー19が操作されることにより、主変速装置11aの変速状態が変化する。
主変速レバー19が前進用操作位置FPに位置しているとき、主変速装置11aは、前進用の変速状態である。このとき、主変速レバー19を前側に倒すほど、主変速装置11aから出力される動力は高速となる。
主変速レバー19が中立位置NPに位置しているとき、主変速装置11aは、中立状態である。このとき、主変速装置11aは、動力を出力しない。
主変速レバー19が後進用操作位置RPに位置しているとき、主変速装置11aは、後進用の変速状態である。このとき、主変速レバー19を後側に倒すほど、主変速装置11aから出力される動力は高速となる。
また、図3に示すように、主変速レバー19に、副変速スイッチ42が設けられている。副変速スイッチ42が押し操作されるたびに、副変速装置11bの変速状態は、高速状態と低速状態との間で切り替わる。
図2に示す脱穀クラッチC1は、動力を伝達する入状態と、動力を伝達しない切状態と、の間で状態変更可能に構成されている。
脱穀クラッチC1が入状態であるとき、エンジンEGからの動力は、脱穀装置13及び刈取クラッチC2へ伝達される。これにより、脱穀装置13は駆動する。
また、脱穀クラッチC1が切状態であるとき、エンジンEGからの動力は、脱穀装置13及び刈取クラッチC2の何れにも伝達されない。このとき、脱穀装置13は駆動しない。
また、刈取クラッチC2は、動力を伝達する入状態と、動力を伝達しない切状態と、の間で状態変更可能に構成されている。
脱穀クラッチC1と刈取クラッチC2との両方が入状態であるとき、エンジンEGからの動力は、刈取部Hへ伝達される。これにより、刈取部Hは駆動する。
また、刈取クラッチC2が切状態であるとき、エンジンEGからの動力は、刈取部Hへ伝達されない。このとき、刈取部Hは駆動しない。
また、脱穀クラッチC1が切状態であるときも、エンジンEGからの動力は、刈取部Hへ伝達されない。このとき、刈取部Hは駆動しない。
図2及び図4に示すように、コンバイン1は、刈取脱穀レバー43を備えている。刈取脱穀レバー43は、運転部12に設けられている。図4に示すように、刈取脱穀レバー43は、前後方向に揺動操作可能に構成されている。そして、刈取脱穀レバー43は、第1操作位置M1、第2操作位置M2、第3操作位置M3の間で、操作位置を択一的に切り替えることができるように構成されている。刈取脱穀レバー43が操作されることにより、脱穀クラッチC1及び刈取クラッチC2の入切状態が変化する。
刈取脱穀レバー43の操作位置が第1操作位置M1であるとき、脱穀クラッチC1及び刈取クラッチC2は、何れも入状態である。
刈取脱穀レバー43の操作位置が第2操作位置M2であるとき、脱穀クラッチC1は入状態であり、刈取クラッチC2は切状態である。
刈取脱穀レバー43の操作位置が第3操作位置M3であるとき、脱穀クラッチC1及び刈取クラッチC2は、何れも切状態である。
〔操舵操作具の構成〕
図2及び図5に示すように、コンバイン1は、人為操作具45を備えている。本実施形態において、人為操作具45は、操舵操作具41である。
図5に示すように、操舵操作具41は、右第3操作位置R3と左第3操作位置L3との間で、左右方向に揺動操作可能に構成されている。操舵操作具41の可動範囲の中央に、中央操作位置CPが位置している。
中央操作位置CPと右第3操作位置R3との間に、右第1操作位置R1及び右第2操作位置R2が位置している。右第2操作位置R2は、右第1操作位置R1よりも右側に位置している。
中央操作位置CPと左第3操作位置L3との間に、左第1操作位置L1及び左第2操作位置L2が位置している。左第2操作位置L2は、左第1操作位置L1よりも左側に位置している。
本実施形態において、操舵操作具41の操作量は、中央操作位置CPからの揺動角度である。
中央操作位置CPから右第1操作位置R1までの操作量は、第1操作量A1である。また、中央操作位置CPから右第2操作位置R2までの操作量は、第2操作量A2である。そして、上述の通り、操舵操作具41は、右側へ右第3操作位置R3まで操作可能である。即ち、操舵操作具41は、右側へ第2操作量A2よりも大きく操作可能である。
また、図5には図示されていないが、左側についても同様である。即ち、中央操作位置CPから左第1操作位置L1までの操作量は、第1操作量A1である。また、中央操作位置CPから左第2操作位置L2までの操作量は、第2操作量A2である。そして、上述の通り、操舵操作具41は、左側へ左第3操作位置L3まで操作可能である。即ち、操舵操作具41は、左側へ第2操作量A2よりも大きく操作可能である。
このように、操舵操作具41の可動範囲は、第1操作量A1よりも大きな操作量である第2操作量A2よりも大きく操舵操作具41を操作可能であるように設定されている。
〔制御部に関する構成〕
図2に示すように、コンバイン1は、制御部20を備えている。制御部20は、自車位置算出部21及び走行制御部24を有している。
ここで、本実施形態においては、RTK-GPS(Real Time Kinematic GPS)が採用されている。図1に示す衛星測位モジュール80は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)で用いられる人工衛星GSからのGPS信号と、既知位置に設置された基準局(図示せず)から送信された測位データと、を受信する。そして、図2に示すように、衛星測位モジュール80は、受信したGPS信号に基づく測位データと、基準局から受け取った測位データと、を自車位置算出部21へ送る。
自車位置算出部21は、衛星測位モジュール80から受け取った測位データに基づいて、コンバイン1の位置座標を経時的に算出する。算出されたコンバイン1の経時的な位置座標は、走行制御部24へ送られる。
一般に、RTK-GPS測位においては、GPS衛星とGPS受信機との距離をN×λ+φ×λ+c×dT+c×dtとして、整数値バイアスと呼ばれるNを求める。これにより、高精度な測位が可能となる。尚、λは搬送波の波長である。また、φはGPS衛星とGPS受信機との間の波数の小数部である。また、cは電波伝搬速度、dTはGPS衛星の時計誤差、dtはGPS受信機の時計誤差である。
そして、このNが整数解として定まった状態は、FIXと呼ばれる。また、このときの測位結果は、FIX解と呼ばれる。
また、Nが整数解として定まっていない状態は、FLOATと呼ばれる。このときの測位結果は、FLOAT解と呼ばれる。FIX解はセンチメータ精度であるのに対して、FLOAT解は数十センチから数メータの精度となる。
尚、本発明はこれに限定されない。衛星測位モジュール80は、GPSを利用するものでなくても良い。例えば、衛星測位モジュール80は、GPS以外のGNSS(GLONASS、Galileo、みちびき、BeiDou等)を利用するものであっても良い。
また、図2に示すように、コンバイン1は、慣性計測装置81を備えている。また、制御部20は、自車方位算出部25を有している。
慣性計測装置81は、機体10のヨー角度の角速度、及び、互いに直交する3軸方向の加速度を経時的に検知する。慣性計測装置81による検知結果は、自車方位算出部25へ送られる。
自車方位算出部25は、自車位置算出部21から、コンバイン1の位置座標を受け取る。そして、自車方位算出部25は、慣性計測装置81による検知結果と、コンバイン1の位置座標と、に基づいて、コンバイン1の姿勢方位を算出する。
より具体的には、まず、コンバイン1の走行中に、現在のコンバイン1の位置座標、及び、直前に走行していた地点におけるコンバイン1の位置座標に基づいて、自車方位算出部25は、初期姿勢方位を算出する。次に、初期姿勢方位が算出されてからコンバイン1が一定時間走行すると、自車方位算出部25は、その一定時間の走行の間に慣性計測装置81により検知された角速度を積分処理することにより、姿勢方位の変化量を算出する。
そして、このように算出された姿勢方位の変化量を初期姿勢方位に足し合わせることによって、自車方位算出部25は、姿勢方位の算出結果を更新する。その後、一定時間毎に、姿勢方位の変化量が同様に算出されると共に、順次、姿勢方位の算出結果が更新されていく。
ところで、慣性計測装置81により検知される角速度には、計測誤差(ドリフト)が含まれている。この計測誤差は時間経過と共に増大していくため、姿勢方位の変化量を算出する度に、算出された姿勢方位の変化量に含まれる誤差が大きくなっていく。
そこで、自車方位算出部25は、慣性計測装置81による検知結果に基づいて算出された姿勢方位を、コンバイン1の位置座標の変化に基づき算出される方位情報によって補正するように構成されている。尚、コンバイン1の位置座標の変化に基づき算出される方位情報は、衛星測位モジュール80及び自車位置算出部21によるRTK-GPS測位においてFIX解が得られており、且つ、コンバイン1が数メートル以上に亘って直進した場合に、高精度となる。そのため、自車方位算出部25は、コンバイン1の位置座標の変化に基づき算出される方位情報による補正を、衛星測位モジュール80及び自車位置算出部21によるRTK-GPS測位においてFIX解が得られており、且つ、コンバイン1が数メートル以上に亘って直進した場合にのみ行う。
尚、本明細書において、衛星測位モジュール80及び自車位置算出部21によるRTK-GPS測位においてFIX解が得られており、且つ、コンバイン1が数メートル以上に亘って直進した状態、及び、コンバイン1の位置座標の変化に基づいて高精度な方位情報が算出される状態を、高精度方位算出状態と呼称する。
以上で説明した構成により、自車方位算出部25は、コンバイン1の姿勢方位を高精度に算出することができる。自車方位算出部25により算出されたコンバイン1の姿勢方位は、走行制御部24へ送られる。
走行制御部24は、走行装置11を制御可能に構成されている。走行制御部24は、走行装置11を制御することにより、機体10の走行を制御する。
即ち、コンバイン1は、走行装置11を有する機体10の走行を制御する走行制御部24を備えている。
尚、制御部20、及び、制御部20に含まれる自車位置算出部21等の各要素は、マイクロコンピュータ等の物理的な装置であっても良いし、ソフトウェアにおける機能部であっても良い。
また、通信端末4は、図2に示すように、自車位置算出部21からコンバイン1の位置座標を受け取る。これにより、通信端末4は、通信端末4のディスプレイ4bに、コンバイン1の現在位置を表示可能である。
〔刈取部の昇降操作に関する構成〕
図1に示すように、コンバイン1は、刈取シリンダ15Aを備えている。また、図2に示すように、コンバイン1は、刈取昇降操作具44を備えている。
刈取昇降操作具44は、運転部12に設けられている。制御部20は、オペレータによる刈取昇降操作具44の操作に応じて、刈取シリンダ15Aの伸縮を制御するように構成されている。
刈取シリンダ15Aが伸びると、搬送部16及び刈取部Hは、一体的に、刈取部Hが上昇する方向に揺動する。これにより、刈取部Hは、機体10に対して上昇する。
また、刈取シリンダ15Aが縮むと、搬送部16及び刈取部Hは、一体的に、刈取部Hが下降する方向に揺動する。これにより、刈取部Hは、機体10に対して下降する。
この構成により、オペレータは、刈取昇降操作具44を操作することによって、刈取部Hの昇降操作を行うことができる。
〔自動操舵走行に関する構成〕
図2に示すように、制御部20は、自動操舵制御部30を有している。自動操舵制御部30は、走行制御部24の制御モードを、第1モードと第2モードとの間で切り替えることができるように構成されている。
走行制御部24の制御モードが第1モードであるとき、走行制御部24は、コンバイン1が自動操舵走行を行うように、走行装置11を制御する。
また、走行制御部24の制御モードが第2モードであるとき、走行制御部24に、操舵操作具41の操作に応じた信号が入力される。そして、走行制御部24は、この信号に応じて、機体10の走行を制御する。
即ち、走行制御部24の制御モードが第2モードであるとき、走行制御部24は、操舵操作具41の操作に応じて機体10の走行を制御する。
この構成により、走行制御部24の制御モードが第2モードであるとき、機体10は、操舵操作具41の操作に応じて走行する。これにより、コンバイン1は、走行制御部24の制御モードが第2モードであるとき、手動操舵走行を行う。
以下では、自動操舵走行に関する構成について詳述する。
図2に示すように、自動操舵制御部30は、方位決定部31、経路算出部32、モード切替部33、直進判定部34を備えている。
直進判定部34は、走行制御部24の制御モードが第2モードであるとき、機体10が所定距離D1に亘って直進したか否かを判定する。
詳述すると、操舵操作具41の操作状態を示す信号が、操舵操作具41から自動操舵制御部30へ送られる。直進判定部34は、この信号に基づいて、操舵操作具41が操作されているか否かを経時的に判定する。
そして、直進判定部34は、自車位置算出部21から受け取ったコンバイン1の位置座標に基づいて、操舵操作具41が操作されていない間のコンバイン1の移動距離を算出する。算出された移動距離が所定距離D1に達した場合、直進判定部34は、機体10が所定距離D1に亘って直進したと判定する。また、算出された移動距離が所定距離D1に達しない場合、直進判定部34は、機体10が所定距離D1に亘って直進していないと判定する。
そして、方位決定部31は、所定の開始条件が満たされており、且つ、直進判定部34により機体10が所定距離D1に亘って直進したと判定された場合、所定距離D1に亘って行われた直進の方向に基づいて基準方位TA(図8参照)を決定する。
より具体的には、方位決定部31は、自車位置算出部21から受け取ったコンバイン1の位置座標に基づいて、操舵操作具41が操作されていない間のコンバイン1の位置座標の推移を記憶する。そして、直進判定部34により、機体10が所定距離D1に亘って直進したと判定されたとき、方位決定部31は、記憶している位置座標のうちの2地点を、第1登録地点Q1及び第2登録地点Q2として決定する。
このとき、方位決定部31は、直進判定部34によって機体10が所定距離D1に亘って直進したと判定された時点でのコンバイン1の位置座標を、第2登録地点Q2として決定する。また、所定距離D1に亘って行われた直進の開始時点でのコンバイン1の位置座標を、第1登録地点Q1として決定する。
言い換えれば、所定距離D1に亘って行われた直進の始点及び終点が、それぞれ、第1登録地点Q1及び第2登録地点Q2として決定される。
そして、方位決定部31は、第1登録地点Q1と第2登録地点Q2とに基づいて、自動操舵のための基準方位TAを決定する。より具体的には、方位決定部31は、第1登録地点Q1から第2登録地点Q2へ向かう直線の方向を算出する。
ここで、第1登録地点Q1から第2登録地点Q2へ向かう直線の方向は、所定距離D1に亘って行われた直進の方向に等しい。即ち、方位決定部31は、所定距離D1に亘って行われた直進の方向を算出する。そして、方位決定部31は、算出された方向を、基準方位TAとして決定する。
基準方位TAの形式は、特に限定されないが、例えば、東西南北を基準とした形式(例えば、「北」や「北27度東」等)であっても良いし、座標系における単位ベクトルであっても良い。
また、基準方位TAは、一方から他方への向きを有するものでなくても良い。例えば、基準方位TAは、座標系における直線の傾き(例えば、第1登録地点Q1と第2登録地点Q2とを通る直線の傾き)を示すものであっても良いし、座標系における直線そのもの(例えば、第1登録地点Q1と第2登録地点Q2とを通る直線そのもの)を示すものであっても良いし、東西南北を基準として方向を示すもの(例えば、「南北方向」や「東西方向」等)であっても良い。
以上で説明した方法により、方位決定部31は、所定距離D1に亘って行われた直進の方向に基づいて基準方位TAを決定する。
尚、本発明はこれに限定されない。直進判定部34は、走行制御部24の制御モードが第2モードであるとき、機体10が所定時間に亘って直進したか否かを判定するように構成されていても良い。そして、この場合、方位決定部31は、所定の開始条件が満たされており、且つ、直進判定部34により機体10が所定時間に亘って直進したと判定された場合、所定時間に亘って行われた直進の方向に基づいて基準方位TAを決定するように構成されていても良い。
即ち、コンバイン1は、走行制御部24の制御モードが第2モードであるとき、機体10が所定距離D1または所定時間に亘って直進したか否かを判定する直進判定部34を備えている。また、方位決定部31は、直進判定部34により機体10が所定距離D1または所定時間に亘って直進したと判定された場合、所定距離D1または所定時間に亘って行われた直進の方向に基づいて基準方位TAを決定する。
尚、所定距離D1は、特に限定されないが、例えば1メートルであっても良い。また、所定時間は、特に限定されないが、例えば1秒であっても良い。
方位決定部31が基準方位TAを決定した後、経路算出部32は、平面視で衛星測位モジュール80の位置を通ると共に基準方位TAに沿う方向の走行ラインを常時算出する。即ち、この走行ラインは、基準方位TAに基づいて算出される。尚、経路算出部32により算出される走行ラインは、刈取部Hの刈幅中心を通るように算出されても良い。そして、オペレータが自動操舵開始終了ボタン(図示せず)を操作すると、モード切替部33は、走行制御部24の制御モードを第2モードから第1モードに切り替える。
走行制御部24の制御モードが第2モードから第1モードに切り替わると、経路算出部32は、制御モードが第2モードから第1モードに切り替わった時点で算出されていた走行ラインを固定する。固定された走行ラインは、自動操舵目標ラインGL(本発明に係る「走行経路」に相当)(図8参照)となり、自動操舵制御部30から走行制御部24へ送られる。即ち、経路算出部32は、制御モードが第2モードから第1モードに切り替わったタイミングで、そのときに算出していた走行ラインを自動操舵目標ラインGLとして決定する。
走行制御部24の制御モードが第1モードであるとき、走行制御部24は、自車位置算出部21から受け取ったコンバイン1の位置座標と、自車方位算出部25から受け取ったコンバイン1の姿勢方位と、自動操舵制御部30から受け取った自動操舵目標ラインGLと、に基づいて、コンバイン1の走行を制御する。より具体的には、走行制御部24は、自動操舵目標ラインGLに沿った自動操舵走行によって刈取走行が行われるように、機体10の走行を制御する。
尚、このように、基準方位TAは、自動操舵のためのものである。即ち、コンバイン1は、自動操舵のための基準方位TAを決定する方位決定部31を備えている。
また、本発明は、以上で説明した構成に限定されない。走行制御部24の制御モードが第1モードであるとき、走行制御部24は、自動操舵目標ラインGLに代えて、基準方位TAに基づいて機体10の走行を制御しても良い。この場合、走行制御部24は、コンバイン1の姿勢方位が基準方位TAに合うように、または、基準方位TAに対して平行となるように、機体方位を制御しても良い。
即ち、走行制御部24の制御モードが第1モードであるとき、走行制御部24は、基準方位TA、または、基準方位TAに基づいて算出された自動操舵目標ラインGLに基づいて機体10の走行を制御する。
尚、本実施形態において、走行制御部24の制御モードが第1モードであるとき、オペレータが自動操舵開始終了ボタンを操作すると、モード切替部33は、走行制御部24の制御モードを第1モードから第2モードに切り替える。
即ち、コンバイン1は、走行制御部24の制御モードを第1モードと第2モードとの間で切り替えるモード切替部33を備えている。
ところで、図2に示すように、コンバイン1は、報知部53を備えている。走行制御部24の制御モードが第2モードから第1モードへ切り替わったとき、自動操舵制御部30は、所定の信号を報知部53へ送る。この信号に応じて、報知部53は、走行制御部24の制御モードが第2モードから第1モードへ切り替わったことをオペレータへ知らせるための報知を行う。
また、走行制御部24の制御モードが第1モードから第2モードへ切り替わったとき、自動操舵制御部30は、所定の信号を報知部53へ送る。この信号に応じて、報知部53は、走行制御部24の制御モードが第1モードから第2モードへ切り替わったことをオペレータへ知らせるための報知を行う。
本実施形態において、報知部53は、音声を出力するスピーカーである。ただし、本発明はこれに限定されず、報知部53は、ランプや表示装置等であっても良い。
以上で説明した通り、モード切替部33は、オペレータが自動操舵開始終了ボタンを操作することに応じて、走行制御部24の制御モードを第1モードと第2モードとの間で切り替える。
ここで、モード切替部33は、自動操舵開始終了ボタンが操作されなくとも、状況に応じて、走行制御部24の制御モードを第1モードと第2モードとの間で自動的に切り替えるように構成されている。以下では、制御モードの自動的な切り替えについて詳述する。
〔第2モードから第1モードへの切り替えについて〕
モード切替部33は、所定の開始条件が満たされており、且つ、直進判定部34により機体10が所定距離D1に亘って直進したと判定された場合、走行制御部24の制御モードを第1モードに切り替えるように構成されている。また、モード切替部33は、開始条件が満たされていない場合には走行制御部24の制御モードを第1モードに切り替えないように構成されている。
尚、本発明はこれに限定されない。モード切替部33は、所定の開始条件が満たされており、且つ、直進判定部34により機体10が所定時間に亘って直進したと判定された場合、走行制御部24の制御モードを第1モードに切り替えるように構成されていても良い。
即ち、モード切替部33は、所定の開始条件が満たされており、且つ、直進判定部34により機体10が所定距離D1または所定時間に亘って直進したと判定された場合、走行制御部24の制御モードを第1モードに切り替えるように構成されていると共に、開始条件が満たされていない場合には走行制御部24の制御モードを第1モードに切り替えないように構成されている。
そして、図6に示す第1判定ルーチンによって、この開始条件が満たされているか否かが判定される。この第1判定ルーチンは、自動操舵制御部30に格納されている。自動操舵制御部30は、この第1判定ルーチンを、走行制御部24の制御モードが第2モードであるときに、一定時間毎に繰り返し実行する。
以下では、図2及び図6を参照し、第1判定ルーチンについて説明する。
第1判定ルーチンが開始されると、まず、ステップS01の処理が実行される。ステップS01では、図2に示すように、自動操舵制御部30が、主変速レバー19の操作位置を示す情報を取得する。そして、取得した情報に基づいて、主変速レバー19が前進用操作位置FPに位置しているか否かが判定される。
主変速レバー19が前進用操作位置FPに位置していない場合、ステップS01でNoと判定され、処理は一旦終了する。また、主変速レバー19が前進用操作位置FPに位置している場合、ステップS01でYesと判定され、処理はステップS02へ移行する。
ここで、図2に示すように、自動操舵制御部30は、副変速スイッチ42の操作信号を受け取るように構成されている。そして、自動操舵制御部30は、この操作信号に基づいて、副変速装置11bの変速状態を判定可能に構成されている。
ステップS02では、副変速装置11bが作業用の変速状態であるか否かが判定される。より具体的には、副変速装置11bが低速状態であるか否かが判定される。
副変速装置11bが低速状態でない場合、ステップS02でNoと判定され、処理は一旦終了する。また、副変速装置11bが低速状態である場合、ステップS02でYesと判定され、処理はステップS03へ移行する。
ステップS03では、図2に示すように、自動操舵制御部30が、自車位置算出部21から、上述のFIX解が得られているか否かを示す情報を取得する。そして、取得した情報に基づいて、機体位置の測位状態が所定の高精度状態であるか否かが判定される。より具体的には、衛星測位モジュール80及び自車位置算出部21によるRTK-GPS測位においてFIX解が得られているか否かが判定される。
衛星測位モジュール80及び自車位置算出部21によるRTK-GPS測位においてFIX解が得られていない場合、ステップS03でNoと判定され、処理は一旦終了する。また、衛星測位モジュール80及び自車位置算出部21によるRTK-GPS測位においてFIX解が得られている場合、ステップS03でYesと判定され、処理はステップS04へ移行する。
ステップS04では、図2に示すように、自動操舵制御部30が、刈取脱穀レバー43の操作位置を示す情報を取得する。そして、取得した情報に基づいて、刈取クラッチC2が入状態であるか否かが判定される。
刈取脱穀レバー43の操作位置が第2操作位置M2または第3操作位置M3である場合、ステップS04でNoと判定され、処理は一旦終了する。また、刈取脱穀レバー43の操作位置が第1操作位置M1である場合、ステップS04でYesと判定され、処理はステップS05へ移行する。
ここで、図2に示すように、コンバイン1は、昇降検知部54を備えている。昇降検知部54は、刈取シリンダ15Aの伸縮状態を検知する。昇降検知部54による検知結果は、自動操舵制御部30へ送られる。そして、自動操舵制御部30は、昇降検知部54による検知結果に基づいて、刈取部Hが作業位置に位置しているか否かを判定可能に構成されている。
尚、本実施形態においては、刈取部Hの最上昇位置からの下降量が所定値以上であることが、刈取部Hが作業位置に位置していることに相当する。
ステップS05では、刈取部Hが作業位置に位置しているか否かが判定される。刈取部Hが作業位置に位置していない場合、ステップS05でNoと判定され、処理は一旦終了する。また、刈取部Hが作業位置に位置している場合、ステップS05でYesと判定され、処理はステップS06へ移行する。
ステップS06では、機体10が所定距離D1に亘って直進したか否かが判定される。この判定は、上述のように、直進判定部34により行われる。
機体10が所定距離D1に亘って直進していない場合、ステップS06でNoと判定され、処理は一旦終了する。また、機体10が所定距離D1に亘って直進した場合、ステップS06でYesと判定され、処理はステップS07へ移行する。
ステップS07では、所定距離D1に亘って行われた直進の方向に基づいて、基準方位TAが決定される。この決定は、上述のように、方位決定部31により行われる。そして、処理はステップS08へ移行する。
ステップS08では、モード切替部33によって、走行制御部24の制御モードが第2モードから第1モードに切り替えられる。そして、処理はステップS09へ移行する。
ステップS09では、報知部53は、走行制御部24の制御モードが第2モードから第1モードへ切り替わったことをオペレータへ知らせるための報知を行う。その後、処理は一旦終了する。
以上の説明から理解されるように、本実施形態において、上述の開始条件には、ステップS01からステップS05の全てにおいてYesと判定されることが含まれている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、ステップS01からステップS05のうちの一部が設けられていなくても良い。
即ち、開始条件には、主変速レバー19が前進用操作位置FPに位置していること、副変速装置11bが作業用の変速状態であること、機体位置の測位状態が所定の高精度状態であること、刈取部Hへの動力伝達のためのクラッチが入状態となっていること、刈取部Hが作業位置に位置していること、のうちの少なくとも一つが含まれている。
尚、図6に示すように、本実施形態において、方位決定部31は、所定の開始条件が満たされており、且つ、直進判定部34により機体10が所定距離D1に亘って直進したと判定された場合、所定距離D1に亘って行われた直進の方向に基づいて基準方位TAを決定する。また、方位決定部31は、開始条件が満たされていない場合には基準方位TAを決定しない。
しかしながら、本発明はこれに限定されず、方位決定部31は、所定の開始条件が満たされているか否かとは無関係に、直進判定部34により機体10が所定距離D1または所定時間に亘って直進したと判定された場合、所定距離D1または所定時間に亘って行われた直進の方向に基づいて基準方位TAを決定するように構成されていても良い。
〔第1モードから第2モードへの切り替えについて〕
モード切替部33は、走行制御部24の制御モードが第1モードであるとき、所定の解除条件が満たされた場合に、走行制御部24の制御モードを第2モードに切り替えるように構成されている。
そして、図7に示す第2判定ルーチンによって、この解除条件が満たされているか否かが判定される。この第2判定ルーチンは、自動操舵制御部30に格納されている。自動操舵制御部30は、この第2判定ルーチンを、走行制御部24の制御モードが第1モードであるときに、一定時間毎に繰り返し実行する。
以下では、図2及び図7を参照し、第2判定ルーチンについて説明する。
第2判定ルーチンが開始されると、まず、ステップS11の処理が実行される。ステップS11では、図2に示すように、自動操舵制御部30が、主変速レバー19の操作位置を示す情報を取得する。そして、取得した情報に基づいて、主変速レバー19が前進用操作位置FP以外の操作位置に操作されたか否かが判定される。より具体的には、主変速レバー19が中立位置NPまたは後進用操作位置RPに位置しているか否かが判定される。
主変速レバー19が中立位置NPまたは後進用操作位置RPに位置している場合、ステップS11でYesと判定され、処理はステップS19へ移行する。また、主変速レバー19が中立位置NPまたは後進用操作位置RPに位置していない場合、ステップS11でNoと判定され、処理はステップS12へ移行する。
ステップS12では、副変速装置11bが作業用の変速状態でなくなったか否かが判定される。より具体的には、副変速装置11bが高速状態であるか否かが判定される。
副変速装置11bが高速状態である場合、ステップS12でYesと判定され、処理はステップS19へ移行する。また、副変速装置11bが高速状態でない場合、ステップS12でNoと判定され、処理はステップS13へ移行する。
ステップS13では、図2に示すように、自動操舵制御部30が、自車位置算出部21から、上述のFIX解が得られているか否かを示す情報を取得する。そして、取得した情報に基づいて、機体位置の測位状態が所定の高精度状態でなくなったか否かが判定される。より具体的には、衛星測位モジュール80及び自車位置算出部21によるRTK-GPS測位においてFIX解が得られない状態であるか否かが判定される。言い換えれば、衛星測位モジュール80及び自車位置算出部21によるRTK-GPS測位の状態がFLOATであるか否かが判定される。
衛星測位モジュール80及び自車位置算出部21によるRTK-GPS測位においてFIX解が得られていない場合、ステップS13でYesと判定され、処理はステップS19へ移行する。また、衛星測位モジュール80及び自車位置算出部21によるRTK-GPS測位においてFIX解が得られている場合、ステップS13でNoと判定され、処理はステップS14へ移行する。
ステップS14では、図2に示すように、自動操舵制御部30が、刈取脱穀レバー43の操作位置を示す情報を取得する。そして、取得した情報に基づいて、刈取クラッチC2が切状態になったか否かが判定される。
刈取脱穀レバー43の操作位置が第2操作位置M2または第3操作位置M3である場合、ステップS14でYesと判定され、処理はステップS19へ移行する。また、刈取脱穀レバー43の操作位置が第1操作位置M1である場合、ステップS14でNoと判定され、処理はステップS15へ移行する。
ステップS15では、刈取部Hが非作業位置に移動したか否かが判定される。尚、本実施形態においては、刈取部Hの最上昇位置からの下降量が所定値以下であることが、刈取部Hが非作業位置に位置していることに相当する。刈取部Hが非作業位置に位置している場合、ステップS15でYesと判定され、処理はステップS19へ移行する。また、刈取部Hが非作業位置に位置していない場合、ステップS15でNoと判定され、処理はステップS16へ移行する。
ここで、図2に示すように、自動操舵制御部30は、刈取昇降操作具44の操作信号を受け取るように構成されている。そして、自動操舵制御部30は、この操作信号に基づいて、刈取部Hを非作業位置に移動させるための操作が行われたか否かを判定可能に構成されている。
ステップS16では、刈取部Hを非作業位置に移動させるための操作が行われたか否かが判定される。より具体的には、刈取部Hが上昇操作されたか否かが判定される。
刈取部Hが上昇操作された場合、ステップS16でYesと判定され、処理はステップS19へ移行する。また、刈取部Hが上昇操作されていない場合、ステップS16でNoと判定され、処理はステップS17へ移行する。
ステップS17では、操舵操作具41から自動操舵制御部30へ送られる操舵操作具41の操作状態を示す信号に基づいて、操舵操作具41が第2操作量A2よりも大きく操作されたか否かが判定される。操舵操作具41が第2操作量A2よりも大きく操作された場合、ステップS17でYesと判定され、処理はステップS19へ移行する。また、操舵操作具41が第2操作量A2よりも大きく操作されていない場合、ステップS17でNoと判定され、処理は一旦終了する。
ステップS19では、モード切替部33によって、走行制御部24の制御モードが第1モードから第2モードに切り替えられる。その後、処理は一旦終了する。
即ち、モード切替部33は、走行制御部24の制御モードが第1モードであるとき、操舵操作具41の操作量が第2操作量A2より大きい場合、走行制御部24の制御モードを第2モードに切り替える。
尚、ステップS19において、制御モードが切り替わった後、報知部53により、走行制御部24の制御モードが第1モードから第2モードへ切り替わったことをオペレータへ知らせるための報知が行われても良い。
以上の説明から理解されるように、本実施形態において、上述の解除条件は、ステップS11からステップS17の何れかにおいてYesと判定されることである。しかしながら、本発明はこれに限定されず、ステップS11からステップS17のうちの一部が設けられていなくても良い。
この場合、解除条件には、主変速レバー19が前進用操作位置FP以外の操作位置に操作されること、副変速装置11bが作業用の変速状態でなくなること、機体位置の測位状態が所定の高精度状態でなくなること、刈取部Hへの動力伝達のためのクラッチが切状態になること、刈取部Hが非作業位置に移動すること、刈取部Hを非作業位置に移動させるための操作が行われること、操舵操作具41が第2操作量A2よりも大きく操作されること、のうちの少なくとも一つが含まれている。
また、以上で説明したように、モード切替部33は、解除条件に含まれる複数の条件のうち、少なくとも一つが満たされた場合に、走行制御部24の制御モードを第2モードに切り替えるように構成されている。
しかしながら、本発明はこれに限定されない。モード切替部33は、解除条件に含まれる複数の条件のうち、二つ以上の所定個数の条件が満たされた場合に走行制御部24の制御モードを第2モードに切り替えるように構成されていても良い。
ここで、第1判定ルーチンによって、基準方位TAが決定されると共に、走行制御部24の制御モードが第2モードから第1モードに切り替わる場合について、例を挙げて説明する。
図8及び図9に示す例では、コンバイン1は、圃場における外周側を走行している。図8において、コンバイン1は、まず、圃場の北東部の第1地点P1から圃場に進入する。このとき、走行制御部24の制御モードは第2モードである。また、このとき、基準方位TAは、まだ決定されていないものとする。そして、コンバイン1は、圃場の北端において、西へ向かって走行する。
次に、コンバイン1は、第2地点P2を通過する。この時点で、オペレータが、操舵操作具41を直進状態に操作するものとする。これにより、コンバイン1は、第2地点P2から直進する。
この例では、コンバイン1が第2地点P2を通過してから第3地点P3に到達するまでの間、オペレータは、操舵操作具41を操作しないものとする。また、第2地点P2から第3地点P3までの距離が、所定距離D1であるとする。また、コンバイン1が第3地点P3に到達した時点で、図6に示した第1判定ルーチンのステップS01からステップS05でYesと判定される状態であるとする。
この場合、コンバイン1が第3地点P3に到達した時点で、第1判定ルーチンのステップS06においてYesと判定される。これにより、方位決定部31は、基準方位TAを決定する。
このとき、方位決定部31は、第2地点P2を第1登録地点Q1として決定する。また、方位決定部31は、第3地点P3を第2登録地点Q2として決定する。そして、方位決定部31は、第1登録地点Q1から第2登録地点Q2へ向かう直線の方向を算出し、この方向を基準方位TAとして決定する。図8において、基準方位TAは、西の方角に一致する。
その後、経路算出部32は、平面視で衛星測位モジュール80の位置を通ると共に基準方位TAに沿う方向の走行ラインを常時算出する。この例において、経路算出部32は、東西方向に延びる走行ラインを算出することとなる。
ただし、この例では、基準方位TAが算出された直後に、走行制御部24の制御モードが第2モードから第1モードに切り替わる。そのため、基準方位TAが算出された直後に、走行ラインが固定され、自動操舵目標ラインGLとなる。また、この自動操舵目標ラインGLは、第2地点P2と第3地点P3とを通ることとなる。また、この自動操舵目標ラインGLは、圃場の北端部において、東西方向に延びている。
そして、図8に示すように、コンバイン1は、第3地点P3から、自動操舵走行を開始する。これにより、コンバイン1は、圃場の北端において西へ向かって自動操舵走行を行う。
その後、コンバイン1が圃場の西端に到達すると、オペレータは、操舵操作具41を左側へ第2操作量A2よりも大きく操作して、コンバイン1の進行方向を南方へ変更する。これにより、図7に示した第2判定ルーチンのステップS17においてYesと判定され、走行制御部24の制御モードが第1モードから第2モードに切り替わる。
この時点で、経路算出部32により算出された走行ラインの固定は解除される。そして、この時点から、経路算出部32は、平面視で衛星測位モジュール80の位置を通ると共に基準方位TAに沿う方向の走行ラインを常時算出する。この例において、経路算出部32は、東西方向に延びる走行ラインを算出することとなる。
そして、図9に示すように、コンバイン1は、第4地点P4を通過する。この時点で、オペレータが、操舵操作具41を直進状態に操作するものとする。これにより、コンバイン1は、第4地点P4から直進する。
この例では、コンバイン1が第4地点P4を通過してから第5地点P5に到達するまでの間、オペレータは、操舵操作具41を操作しないものとする。また、第4地点P4から第5地点P5までの距離が、所定距離D1であるとする。また、コンバイン1が第5地点P5に到達した時点で、図6に示した第1判定ルーチンのステップS01からステップS05でYesと判定される状態であるとする。
この場合、コンバイン1が第5地点P5に到達した時点で、第1判定ルーチンのステップS06においてYesと判定される。これにより、方位決定部31は、新たな基準方位TAを決定することにより、基準方位TAを更新する。
このとき、方位決定部31は、既に決定されていた基準方位TAを破棄する。即ち、図8に示した西向きの基準方位TAは、この時点で破棄される。そして、方位決定部31は、第4地点P4を第1登録地点Q1として決定する。また、方位決定部31は、第5地点P5を第2登録地点Q2として決定する。そして、方位決定部31は、第1登録地点Q1から第2登録地点Q2へ向かう直線の方向を算出し、この方向を基準方位TAとして決定する。図9において、基準方位TAは、南の方角に一致する。
その後、経路算出部32は、平面視で衛星測位モジュール80の位置を通ると共に基準方位TAに沿う方向の走行ラインを常時算出する。この例において、経路算出部32は、南北方向に延びる走行ラインを算出することとなる。
ただし、この例では、基準方位TAが算出された直後に、走行制御部24の制御モードが第2モードから第1モードに切り替わる。そのため、基準方位TAが算出された直後に、走行ラインが固定され、自動操舵目標ラインGLとなる。また、この自動操舵目標ラインGLは、第4地点P4と第5地点P5とを通ることとなる。また、この自動操舵目標ラインGLは、圃場の西端部において、南北方向に延びている。
そして、図9に示すように、コンバイン1は、第5地点P5から、自動操舵走行を開始する。これにより、コンバイン1は、圃場の西端において南へ向かって自動操舵走行を行う。
〔方位変更処理について〕
方位決定部31は、方位変更処理を実行可能に構成されている。方位変更処理とは、走行制御部24の制御モードが第1モードであるとき、人為操作具45の操作に応じて、基準方位TA、または、自動操舵目標ラインGLの方向を変更する処理である。
即ち、方位決定部31は、走行制御部24の制御モードが第1モードであるとき、人為操作具45の操作に応じて、基準方位TA、または、自動操舵目標ラインGLの方向を変更する処理である方位変更処理を実行する。
以下では、方位決定部31により方位変更処理が実行される場合について、例を挙げて説明する。
図10から図12に示す例と、図13及び図14に示す例と、では、コンバイン1は、圃場の東端において、北へ向かって走行している。また、この圃場の東端における境界OBは、図10に示す第6地点P6において折れ曲がっている。圃場の境界OBのうち、第6地点P6よりも南側の部分は南北方向に沿って延びている。また、圃場の境界OBのうち、第6地点P6よりも北側の部分は、第6地点P6から北東方向へ延びている。
まず、図10から図12に示す例について説明する。
図10において、コンバイン1は、南北方向に延びる第1目標ラインGL1に沿って自動操舵走行を行っている。第1目標ラインGL1は、自動操舵目標ラインGLである。このとき、走行制御部24の制御モードは第1モードである。また、このときの基準方位TAは、北向きであるものとする。
この例においては、図11に示すように、コンバイン1が第6地点P6に到達した時点で、オペレータが、操舵操作具41を右第1操作位置R1と右第2操作位置R2との間の位置まで操作したものとする。これにより、操舵操作具41は、右側へ第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下の操作量で操作されたこととなる。
この操作に応じて、方位決定部31は、方位変更処理を実行する。本実施形態における方位変更処理では、自動操舵目標ラインGLの方向が、操舵操作具41の操作方向に従って変更されるものとする。この例では操舵操作具41が右側へ操作されたため、自動操舵目標ラインGLの方向が、平面視で右回りに所定角度だけ変更される。
これにより、新たな自動操舵目標ラインGLである第2目標ラインGL2が算出される。
このように、方位決定部31は、走行制御部24の制御モードが第1モードであるとき、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下である場合、方位変更処理を実行する。
尚、仮に、操舵操作具41が左側へ第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下の操作量で操作された場合は、自動操舵目標ラインGLの方向が、平面視で左回りに所定角度だけ変更される。
また、このときの所定角度は、任意に設定することが可能である。所定角度は、例えば0.5度である。
また、仮に、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1未満である場合は、方位決定部31は、方位変更処理を実行しない。
即ち、方位決定部31は、走行制御部24の制御モードが第1モードであるとき、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1未満である場合、方位変更処理を実行しない。
また、方位変更処理によって方向が変更された後の自動操舵目標ラインGLは、平面視で衛星測位モジュール80の位置を通るように算出されても良いし、衛星測位モジュール80から機体前方に予め決められた距離だけ離れた位置を通るように算出されても良いし、刈取部Hの刈幅中心を通るように算出されても良い。
また、この例では、新たな自動操舵目標ラインGLである第2目標ラインGL2が算出されると同時に、古い自動操舵目標ラインGLである第1目標ラインGL1は破棄される。しかしながら、本発明はこれに限定されない。新たな自動操舵目標ラインGLが算出されたとき、古い自動操舵目標ラインGLは破棄されず、記憶されたままでも良い。
図12に示すように、方位変更処理の実行後は、コンバイン1は、第2目標ラインGL2に沿って自動操舵走行を行う。尚、図10に示す状態から、図12に示す状態まで、走行制御部24の制御モードは第1モードであり続ける。
また、以上で説明した例では、方位変更処理により、自動操舵目標ラインGLの方向が変更されたが、本発明はこれに限定されない。方位変更処理により、基準方位TAが変更されても良い。例えば、図11に示す状態において、北向きの基準方位TAが、方位変更処理によって北東向きの基準方位TAに変更されても良い。この場合、経路算出部32が、変更後の基準方位TAに沿う自動操舵目標ラインGLを算出することにより、新たな自動操舵目標ラインGLが算出される。
また、本実施形態においては、図2に示すように、方位変更処理の実行に際して、自動操舵制御部30は、所定の信号を報知部53へ送る。この信号に応じて、報知部53は、方位変更処理の実行をオペレータへ知らせるための報知を行う。
尚、この報知は、方位変更処理の実行前に行われても良いし、方位変更処理の実行と同時に行われても良いし、方位変更処理の実行後に行われても良い。
次に、図13及び図14に示す例について説明する。
図13に示す状態では、図11と同様に、コンバイン1が第6地点P6に到達した時点で、オペレータが、操舵操作具41を右第1操作位置R1と右第2操作位置R2との間の位置まで操作したものとする。これにより、上記で説明した方位変更処理が実行される。
しかしながら、図13に示す状態では、図11とは異なり、第2目標ラインGL2が算出された時点で、圃場の傾斜等の影響により、既に、コンバイン1の機体10の向きが第2目標ラインGL2に沿っているものとする。
このように、方位変更処理により新たな自動操舵目標ラインGLが算出された際、既に、機体10の向きがその自動操舵目標ラインGLに沿っている場合、走行制御部24は、図14に示すように、応答旋回制御を実行する。応答旋回制御とは、走行制御部24の制御モードが第1モードであるとき、人為操作具45の操作に応じて、人為操作具45の操作方向への一時的な旋回動作が行われるように機体10の走行を制御することである。
即ち、走行制御部24は、走行制御部24の制御モードが第1モードであるとき、人為操作具45の操作に応じて、人為操作具45の操作方向への一時的な旋回動作が行われるように機体10の走行を制御する応答旋回制御を実行可能である。
図14では、応答旋回制御の一例が示されている。この例においては、上述の通り、オペレータが操舵操作具41を右側へ操作したため、走行制御部24は、右側への一時的な旋回動作が行われるように機体10の走行を制御する。
これにより、図14に示すように、コンバイン1は、第2目標ラインGL2に対して右側へ一時的に旋回する。その後、走行制御部24は、第2目標ラインGL2に沿う自動操舵走行が行われるように、機体10の走行を制御する。
尚、この一時的な旋回動作は、微小な旋回動作であることが好ましい。そのため、図14に示す例では、この一時的な旋回動作によって、第2目標ラインGL2に対して右方向へはほとんど移動しない。
以上で説明した構成であれば、走行制御部24の制御モードが第1モードであるとき、機体10は自動操舵走行を行うこととなる。そして、自動操舵走行中に、オペレータが人為操作具45を操作すると、方位変更処理が実行される。これにより、基準方位TA、または、自動操舵目標ラインGLの方向が変更される。その結果、自動操舵走行での進行方向が変化することとなる。
従って、以上で説明した構成であれば、自動操舵走行中に、自動操舵走行での進行方向を変更可能なコンバイン1を実現できる。
〔角度シフト量の設定について〕
コンバイン1に備わる通信端末4は、ディスプレイ4bに、角度シフト量設定画面を表示可能に構成されている。図16及び図17に示す通信端末4のディスプレイ4bには、角度シフト量設定画面が表示されている。
通信端末4は、人為的な操作入力を受け付けるように構成されている。詳述すると、ディスプレイ4bは、タッチ操作可能に構成されている。オペレータは、ディスプレイ4bにタッチ操作を行うことにより、通信端末4への操作入力を行うことができる。
図16に示すように、角度シフト量設定画面には、角度シフト量表示部70、プラスボタン71、マイナスボタン72が表示されている。角度シフト量表示部70には、角度シフト量が表示される。尚、角度シフト量とは、方位変更処理における基準方位TAまたは自動操舵目標ラインGLの方向の変更量である。
図16に示す例では、角度シフト量表示部70に、「0.5°」と表示されている。これにより、角度シフト量が0.5°に設定されていることが示されている。
尚、図16に示すように、角度シフト量設定画面においては、角度シフト量表示部70の他に、種々のパラメータを表示する一つまたは複数の表示部が設けられていても良い。図16では、このような表示部が、角度シフト量表示部70よりも下側に設けられている。
プラスボタン71及びマイナスボタン72は、タッチ操作可能なボタンである。オペレータがプラスボタン71をタッチ操作する度に、所定の信号が方位決定部31へ送られる。この信号は、プラスボタン71がタッチ操作されたことを示す信号である。
ここで、方位決定部31は、現在設定されている角度シフト量を記憶している。そして、方位決定部31は、プラスボタン71がタッチ操作されたことを示す信号を受け取ると、角度シフト量を所定角度だけ増加させる。そして、方位決定部31は、増加後の角度シフト量を記憶する。
この構成により、オペレータがプラスボタン71をタッチ操作する度に、角度シフト量が所定角度刻みで増加する。
また、オペレータがマイナスボタン72をタッチ操作する度に、所定の信号が方位決定部31へ送られる。この信号は、マイナスボタン72がタッチ操作されたことを示す信号である。
方位決定部31は、マイナスボタン72がタッチ操作されたことを示す信号を受け取ると、角度シフト量を所定角度だけ減少させる。そして、方位決定部31は、減少後の角度シフト量を記憶する。
この構成により、オペレータがマイナスボタン72をタッチ操作する度に、角度シフト量が所定角度刻みで減少する。
以上で説明した構成により、通信端末4は、操作入力によって、方位変更処理における基準方位TAまたは自動操舵目標ラインGLの方向の変更量を所定角度刻みで変更可能に構成されている。また、コンバイン1は、人為的な操作入力を受け付けると共に、方位変更処理における基準方位TAまたは自動操舵目標ラインGLの方向の変更量を、操作入力によって設定可能な通信端末4を備えている。
本実施形態において、この所定角度は、0.1°である。即ち、通信端末4は、操作入力によって、方位変更処理における基準方位TAまたは自動操舵目標ラインGLの方向の変更量を0.1°刻みで変更可能に構成されている。ただし、本発明はこれに限定されず、この所定角度は、0.1°以外のいかなる角度であっても良い。
また、本実施形態において、通信端末4は、機体10の走行中には、ディスプレイ4bに角度シフト量設定画面を表示しないように構成されている。また、ディスプレイ4bに角度シフト量設定画面が表示された状態で機体10が走行を開始した場合、プラスボタン71及びマイナスボタン72は、タッチ操作を受け付けない状態となる。
このように、通信端末4は、機体10の走行中には、基準方位TAまたは自動操舵目標ラインGLの方向の変更量を設定するための操作入力を受け付けないように構成されている。
尚、角度シフト量には、上限値が設けられていても良い。角度シフト量の上限値は、特に限定されないが、例えば2.0°であっても良い。
通信端末4は、方位決定部31の制御モードを、許可モードと禁止モードとの間で切り替えることができるように構成されている。許可モードとは、方位変更処理の実行が許可されるモードである。禁止モードとは、方位変更処理の実行が禁止されるモードである。
即ち、方位決定部31の制御モードは、方位変更処理の実行が許可される許可モードと、方位変更処理の実行が禁止される禁止モードと、の間で切り替え可能である。
詳述すると、通信端末4は、角度シフト量を減少させる操作入力に応じて、方位決定部31の制御モードを、許可モードから禁止モードへ切り替える。より具体的には、角度シフト量が0.1°に設定されている状態で、オペレータがマイナスボタン72をタッチ操作すると、通信端末4は、方位決定部31の制御モードを、許可モードから禁止モードへ切り替える。方位決定部31の制御モードが禁止モードである場合、図17に示すように、角度シフト量表示部70に、「なし」と表示される。
また、通信端末4は、角度シフト量を増加させる操作入力に応じて、方位決定部31の制御モードを、禁止モードから許可モードへ切り替える。より具体的には、方位決定部31の制御モードが禁止モードである状態で、オペレータがプラスボタン71をタッチ操作すると、通信端末4は、方位決定部31の制御モードを、禁止モードから許可モードへ切り替える。方位決定部31の制御モードが許可モードである場合、図16に示すように、角度シフト量表示部70に、現在設定されている角度シフト量が表示される。
このように、通信端末4は、操作入力によって方位決定部31の制御モードを切り替え可能に構成されている。
ここで、自動操舵制御部30(図2参照)は、走行制御部24の制御モードが第1モードであるとき、図18に示す第3判定ルーチンに従って、方位変更処理を実行するか否かを決定する。この第3判定ルーチンは、自動操舵制御部30に格納されている。自動操舵制御部30は、この第3判定ルーチンを、走行制御部24の制御モードが第1モードであるときに、一定時間毎に繰り返し実行する。
以下では、図18を参照し、第3判定ルーチンについて説明する。
第3判定ルーチンが開始されると、まず、ステップS21の処理が実行される。ステップS21では、操舵操作具41から自動操舵制御部30へ送られる操舵操作具41の操作状態を示す信号に基づいて、操舵操作具41が操作されたか否かが判定される。操舵操作具41が操作されていない場合、ステップS21でNoと判定され、処理は一旦終了する。また、操舵操作具41が操作されている場合、ステップS21でYesと判定され、処理はステップS22へ移行する。
ステップS22では、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1よりも小さいか否かが判定される。操舵操作具41の操作量が第1操作量A1よりも小さい場合、ステップS22でYesと判定され、処理は一旦終了する。また、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上である場合、ステップS22でNoと判定され、処理はステップS23へ移行する。
尚、本発明はこれに限定されず、操舵操作具41は、操作量が第1操作量A1よりも小さいときには、操舵操作具41の操作による信号が走行制御部24及び自動操舵制御部30へ送られないように構成されていても良い。言い換えれば、コンバイン1は、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1よりも小さいときには、操舵操作具41が操作されていないときと同じ状態となるように構成されていても良い。この場合、ステップS22が設けられておらず、且つ、ステップS21において、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1よりも小さい場合はNoと判定され、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上である場合はYesと判定される構成であっても良い。
ステップS23では、操舵操作具41の操作量が第2操作量A2以下であるか否かが判定される。操舵操作具41の操作量が第2操作量A2よりも大きい場合、ステップS23でNoと判定され、処理は一旦終了する。また、操舵操作具41の操作量が第2操作量A2以下である場合、ステップS23でYesと判定され、処理はステップS24へ移行する。
尚、ステップS23でNoと判定された場合は、上述の第2判定ルーチン(図7参照)のステップS17でYesと判定されることとなる。その結果、モード切替部33によって、走行制御部24の制御モードが第1モードから第2モードに切り替えられる。
ステップS24では、方位決定部31の制御モードが許可モードであるか否かが判定される。方位決定部31の制御モードが禁止モードである場合、ステップS24でNoと判定され、処理は一旦終了する。
即ち、方位決定部31は、走行制御部24の制御モードが第1モードであるとき、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下であっても、方位決定部31の制御モードが禁止モードである場合は、方位変更処理を実行しない。
尚、ステップS24でNoと判定された場合、モード切替部33によって、走行制御部24の制御モードが第1モードから第2モードに切り替えられるように構成されていても良い。
方位決定部31の制御モードが許可モードである場合、ステップS24でYesと判定され、処理はステップS25へ移行する。
ステップS25では、上述の応答旋回制御が実行される。尚、上記の応答旋回制御についての説明では、「方位変更処理により新たな自動操舵目標ラインGLが算出された際、既に、機体10の向きがその自動操舵目標ラインGLに沿っている場合、走行制御部24は、図14に示すように、応答旋回制御を実行する。」と説明したが、これは単なる例示に過ぎず、本発明はこれに限定されない。例えば、応答旋回制御は、方位変更処理の実行前に行われても良いし、方位変更処理の実行と同時に行われても良い。また、方位変更処理により新たな自動操舵目標ラインGLが算出された際、機体10の向きがその自動操舵目標ラインGLに沿っているか否かにかかわらず、応答旋回制御が実行されても良い。
ステップS25の後、処理はステップS26へ移行する。ステップS26では、上述の方位変更処理が実行される。その後、処理は一旦終了する。
〔その他の実施形態〕
(1)走行装置11は、ホイール式であっても良いし、セミクローラ式であっても良い。
(2)人為操作具45は、操舵操作具41とは異なる部材であっても良い。例えば、図15に示すように、ステアリングホイール51が備えられると共に、ステアリングホイール51に左右の人為操作具45が設けられていても良い。この例において、人為操作具45は、ボタンである。また、ステアリングホイール51は、本発明に係る「操舵操作具」に相当する。また、この場合のステアリングホイール51の操作量は、ステアリングホイール51の回転角度である。
(3)自車位置算出部21、走行制御部24、自車方位算出部25、自動操舵制御部30、方位決定部31、経路算出部32、モード切替部33、直進判定部34のうち、一部または全てがコンバイン1の外部に備えられていても良いのであって、例えば、コンバイン1の外部に設けられた管理施設や管理サーバに備えられていても良い。
(4)方位決定部31は、走行制御部24の制御モードが第1モードであるとき、操舵操作具41の操作量が第2操作量A2より大きい場合、方位変更処理を実行しても良い。また、方位決定部31は、走行制御部24の制御モードが第1モードであるとき、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1未満である場合、方位変更処理を実行しても良い。
(5)操舵操作具41と刈取昇降操作具44とは同一の操作具であっても良く、例えば、操作レバーであっても良い。
(6)上述の開始条件に、機体方位の算出状態が所定の高精度状態であることが含まれていても良い。より具体的には、開始条件に、高精度方位算出状態であることが含まれていても良い。
(7)上述の開始条件に、「機体方位が基準方位TAに対して所定角度以内であるか、または、機体方位が基準方位TAに180°を加えた方位に対して所定角度以内であること」が含まれていても良い。
(8)直進判定部34は、機体10が所定距離D1に亘って直進したか否かを判定すると共に、機体10が所定時間に亘って直進したか否かを判定するように構成されていても良い。
(9)第1登録地点Q1及び第2登録地点Q2が手動で決定可能であると共に、上記実施形態にて説明した処理による基準方位TAの決定の機能を、有効と無効との間で切り替え可能に構成されていても良い。
例えば、コンバイン1が第1登録ボタン(図示せず)及び第2登録ボタン(図示せず)を備えると共に、第1登録ボタンが操作された時点でのコンバイン1の位置座標が第1登録地点Q1として決定され、第2登録ボタンが操作された時点でのコンバイン1の位置座標が第2登録地点Q2として決定されても良い。この場合、方位決定部31は、上記実施形態と同様に、第1登録地点Q1から第2登録地点Q2へ向かう直線の方向を、基準方位TAとして決定しても良い。
(10)モード切替部33は、走行制御部24の制御モードを第2モードから第1モードに自動的に切り替えることができないように構成されていても良い。この場合、直進判定部34により機体10が所定距離D1または所定時間に亘って直進したと判定された場合に基準方位TAが決定され、且つ、第2モードから第1モードへの切り替えは行われない構成であっても良い。
(11)モード切替部33は、走行制御部24の制御モードを第1モードから第2モードに自動的に切り替えることができないように構成されていても良い。
(12)モード切替部33は、直進判定部34により機体10が所定距離D1または所定時間に亘って直進したと判定された場合、開始条件が満たされているか否かとは無関係に、走行制御部24の制御モードを第1モードに切り替えるように構成されていても良い。
尚、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。