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JP7611100B2 - コンクリート部材の施工方法 - Google Patents
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Description

本発明は、コンクリート部材の施工方法に関する。
水中においてコンクリートの養生を行うことがコンクリートの強度、緻密性、ひび割れ抵抗性、耐久性を高めるのに適していることが知られている。そのため、コンクリートの養生に際しては、乾燥を防ぎ、水中養生に近い環境を作ることを目的とした養生方法が採用されている。
本出願人等は、特許文献1に示すように、型枠本体と、型枠本体の内側面を覆う保水部と、保水部の内側面を覆い当該型枠内に打設されたコンクリートに面する表面部とを備えるコンクリート養生型枠を開発し、実用化に至っている。この養生型枠によれば、打設初期の余剰水を排出することができるとともに、凝結後に保水部に貯水することで水中養生に近い環境を形成することができる。
比較的大きなコンクリート部材を構築する場合には、コンクリートを複数回(層)に分けて打設する必要がある。コンクリートを複数層に分けて打設すると、打重ね面に沿って変色した部分が生じ、コンクリート部材の表面に色むらが生じる場合がある。表面に色むらがあると、美観を損ねてしまう。
特許5565921号公報
このような観点から、本発明は、コンクリート部材の表面に生じる色むらを抑制することを可能としたコンクリート部材の施工方法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するための本発明のコンクリート部材の施工方法は、コンクリート養生型枠を設置する型枠設置工程と、前記コンクリート養生型枠内にコンクリートを打設する打設工程と、前記コンクリート養生型枠内において前記コンクリートを養生する養生工程とを備え、前記打設工程の前にコンクリート養生型枠の表面部に水酸化カルシウムを付着させるものである。
本発明者らは、コンクリート表面部に存在する水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの量が色むらに関係することを見出した。本発明に係るコンクリート養生型枠によれば、表面部に予め付着された水酸化カルシウムがコンクリートの表面に供給されることで、水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの量が調整され、コンクリート部材の表面に生じる色むらが抑制される。つまり、本発明に係るコンクリート養生型枠を使用すると、コンクリート部材の美観を向上させることができる。
なお、前記水酸化カルシウムは、1cmあたり0.30g~0.35gの飽和水酸化カルシウムを前記表面部に噴霧することで、前記表面部に付着させるのが望ましい。
また、前記打設工程において、前記コンクリート中に挿入した棒状バイブレータで締め固めるとともに、前記せき板の外面から型枠バイブレータにより締め固めれば、コンクリート部材の表面に生じる色むらの抑制効果がより向上する。
さらに、前記コンクリート養生型枠のせき板が、水分を貯留可能な保水部と前記保水部の外面に設けられた補強部とを備えている場合には、前記養生工程において前記保水部に水分を供給することで、前記保水部から前記表面部に浸透した前記水分が前記コンクリートの表面に供給されるため、水中養生に近い環境が形成されて、コンクリートの強度、緻密性、ひび割れ抵抗性、耐久性が向上する。
本発明のコンクリート部材の施工方法によれば、コンクリート部材の表面に生じる色むらを抑制し、美観を向上させることが可能となる。
本発明の実施形態に係るコンクリート部材の施工方法を示すフローチャートである。 コンクリート養生型枠の断面図である。 コンクリート養生型枠の拡大断面図である。 保水部の分解斜視図である。 打設工程を示す平面図である。 (a)はコンクリート打ち込み後の様子を示す断面図、(b)は養生工程を示す断面図である。 実験時の締固め状況を示す概略平面図であって、(a)は実施例、(b)および(c)は比較例である。 コンクリート部材の表面における炭酸カルシウム量と水酸化カルシウム量を示すグラフである。
本実施形態では、複数回(層)に分けてコンクリートを打設することによりコンクリート部材を製造する場合において、コンクリートの打重ね面Jに沿ってコンクリート部材の表面に生じる色むらを抑制するコンクリート部材の施工方法について説明する。図1に本実施形態のコンクリート部材の施工方法のフローチャートを示す。図1に示すように、コンクリート部材の施工方法は、型枠設置工程S1と、打設工程S2と、養生工程S3と、脱型工程S4とを備えている。
型枠設置工程S1は、コンクリート養生型枠1を設置する工程である。図2にコンクリート養生型枠1を示す。型枠設置工程S1では、コンクリート部材の構築が予定された位置に、コンクリート部材の厚み分の隙間を空け状態で、せき板2を配設することによりコンクリート養生型枠1を組み立てる。図2に示すように、コンクリート養生型枠1は、せき板2と、せき板2と打設コンクリートC1,C2との間に介設される表面部3と、水抜き孔4を備えている。
図3は養生型枠の拡大図である。図3に示すように、せき板2は、水分を貯留可能な保水部5と、保水部5を補強する補強部6とを有している。
保水部5は、複数の中空凸部52,52,…が形成された2枚の熱可塑性樹脂シート(以下、「突起付きシート51,51」という)を、互いの中空凸部52,52同士を突き合わせた状態で熱融着してなる芯材50と、芯材50の両面にそれぞれ積層された面材53,53とを有する所謂ツインコーンタイプの樹脂製中空構造板により構成されている。図4は、保水部5の分解斜視図である。
本実施形態の突起付きシート51,51の中空凸部52,52,…は、図4に示すように、円錐台状であり、同一の寸法を有している。突起付きシート51の複数の中空凸部52,52,…は、一方の面に規則的に設けられたものである。中空凸部52は、その下底側が開口しており、中空円錐台状を呈している。各中空凸部52は、外周面が先端から根元にかけて直径が次第に増大するテーパー面の円錐台状に形成され、かつ、各中空凸部52は、同一形状、大きさに形成されている。各中空凸部52のテーパー角度(各凹部内面の立ち上がり角度)θは、45~80°の範囲内とし、好ましくは50~70°の範囲内とする。中空凸部52の下底部52aの直径は3~16mmの範囲内に設定することが好ましく、中空凸部52の上底部52bの直径は下底部52aよりも小さな値で、かつ、1.5~4mmの範囲内にあることが好ましい。また、中空凸部52の高さは3~13mmの範囲内で設定することが好ましい。また、隣り合う中空凸部52,52同士の下底部52aの間隔は、10mm以下に設定されている。なお、複数の中空凸部52,52,…は、間隔をあけて配置されているので、図3に示すように、芯材50の内部には、連続した空間54が形成される。突起付きシート51に用い得る熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロック状ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂が、生産性、コスト面、物性、耐低温性、耐熱性等の特性とのバランス等の観点から好ましい。
芯材50の両面に積層された面材53,53は、熱可塑性樹脂により構成された板材またはシート(熱可塑性樹脂シート)からなる。面材53の材質は限定されるものではないが、芯材50との相溶性があり熱融着が可能であること、コスト面、物性、耐低温性、耐熱性等の特性とのバランス等に優れる等の観点から、例えば、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロック状ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂が好ましい。また、保水部5に高い耐熱性や剛性を求められる場合は、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂シートで面材53を形成するとよい。
芯材50と面材53,53との貼り合わせは、例えば、少なくとも芯材50側又は面材53側のいずれかの接触面を溶融軟化させた状態で接触させて圧着することにより行えばよい。
保水部5の側端面および底面は、シール材(図示せず)により封止(シール)されている。本実施形態では、シール材(封止材)を熱溶着することにより封止するが、封止方法は限定されるものではなく、例えば目止め材により封止してもよい。なお、封止材を構成する材料は限定されないが、本実施形態では、面材53と同じ材質からなる。保水部5は、側面と底面が封止されているので、内部の空間54に水を通水したとしても漏水することがない。そのため、保水部5は、打設コンクリートの養生時に、水中養生に近い環境を形成することができる。
図3に示すように、保水部5のコンクリート打設面側(図3において下側)の突起付きシート51および面材53には、複数の貫通孔55,55,…が形成されている。貫通孔55は、突起付きシート51および面材53を貫通しており、いくつかの貫通孔55は、空間54に至る。
貫通孔55は、モルタル分や細骨材等により目詰まりしないように、直径1mm以上とすることが好ましい。なお、貫通孔55の大きさは、通水性を確保する観点からは、中空凸部52の上底部の直径よりも大きな直径であるのが望ましく、保水部5の強度を維持する観点からは、中空凸部52の下底部の直径よりも小さい直径であるのが望ましい。貫通孔55の配置は限定されるものではないが、本実施形態では、貫通孔55同士の間隔(隣り合う貫通孔55,55の間の距離)を10mm以上とする。
また、貫通孔55の形成方法は限定されるものではないが、本実施形態では、保水部5の一面側から、多数の針状部材が植設された板材を押し当て、針状部材を刺し込むことにより、貫通孔55を形成する。
補強部6は、保水部5のコンクリート打設面の反対側の面(図3において上側の面)に添設されている。補強部6は、打設コンクリートの圧力(側圧)に対して、せき板2が変形(撓み等)することない強度・剛性を確保することが可能な強度を有している。本実施形態では、木材を格子状に組み合わせることにより補強部6を形成するものとする。
表面部3は、透水性を有したシート材である。表面部3は、水分の通水を許容し、セメント粒子の通過を抑止することが可能な材料により構成されている。本実施形態の表面部3は、図3に示すように、織布からなる打設コンクリート側(図3において下側)の第一層31と、不織布からなる保水部側の第二層32との2層構造である。なお、第一層31および第二層32を構成する材料は限定されるものではなく、例えば、自然有機繊維あるいは合成繊維の他、吸水性ポリマーを内包させた織布や不織布等により構成すればよい。表面部3は、型枠組立時に保水部5の表面に設置してもよいし、型枠組立前に保水部5に固定しておいてもよい。
コンクリート養生型枠1を組み立てたら、表面部3に飽和水酸化カルシウムを噴霧して、表面部3の表面(コンクリートとの当接面)全体に水酸化カルシウムを付着させる。表面部に噴霧する水酸化カルシウムには、1cmあたり0.30g~0.35gの飽和水酸化カルシウム溶液を使用する。すなわち、表面部3の表面積に0.30g~0.35gを乗じた量の飽和水酸化カルシウム溶液を、ムラが生じないよう表面部3に向けて噴霧する。
水抜き孔4は、図1に示すように、空間54に連通するようにせき板2に形成されている。水抜き孔4は、外側(表面部3の反対側)の面材53および補強部6に管材を貫通させることにより形成している。水抜き孔4の配置や数は限定されるものではない。水抜き孔4には、図示しないバルブが設けられていて、バルブを操作することにより、水抜き孔4の閉塞可能に構成されている。
打設工程S2は、コンクリート養生型枠1内にコンクリートを打設する工程である。まず、コンクリート養生型枠1内にコンクリートC1,C2を流し込む(図2参照)。コンクリートC1,C2は、表面部に噴霧した飽和水酸化カルシウムが乾燥してから流し込む。図2に示すように、コンクリートC1,C2は、複数の層に分けて打込むものとする。後から打込む後行コンクリートC2は、先に打ち込んだ先行コンクリートC1を締め固めてから、先行コンクリートC1の上面に打ち込む。コンクリート養生型枠1内にコンクリートC1,C2を流し込んだら、コンクリートC1,C2を締め固める。図5にコンクリートC1,C2の締固め状況を示す。本実施形態では、コンクリートC1,C2中に挿入した棒状バイブレータB1で締め固めるとともに、せき板2の外面から型枠バイブレータB2により締め固める。
棒状バイブレータB1は、コンクリートC1,C2の打ち込み後に、コンクリート養生型枠1の中央部(対向するせき板2同士の中間付近)に挿入した状態で、例えば10秒間締め固める。型枠バイブレータB2は、各面(せき板2の外面)に対して、コンクリートC1,C2の打ち込み後、コンクリートC1,C2の打重ね面J(図2参照)付近に当接させた状態で、例えば20秒間締め固める。
図6(a)に示すように、コンクリートC1,C2の打設後に発生するブリージング水を含む余剰水Wsは、表面部3に浸透する。なお、図6(a)は、コンクリート打ち込み後を示す断面図である。表面部3に浸透した余剰水Wsは、貫通孔55を通過して保水部5の空間24に流出する。空間24に溜まった余剰水Wsは、養生工程S3において打設コンクリートの表面に供給する水分W(図6(b)参照)として使用してもよいし、水抜き孔4から排水してもよい。
養生工程S3は、コンクリート養生型枠1内においてコンクリートC1,C2を養生する工程である。図6(b)に養生工程S3を示す。
養生工程S3では、図6(b)に示すように、保水部5の空間に水分Wを供給し、水中養生に近い環境で打設コンクリートの養生を行う。空間への水分Wの供給は、水抜き孔4を閉塞した状態で、保水部5の上方から水Wを流し込むことで行う。
保水部5に供給された水分Wは、貫通孔55を介して表面部3に浸透する。表面部3に浸透した水分Wは、毛細管現象により表面部3の全体に浸透し、その結果、打設コンクリートの表面全体にむらなく供給される。
脱型工程S4は、コンクリート養生型枠1の脱型を行う工程であり、打設コンクリートに所定の強度が発現した後に行われる。脱型工程では、まず、水抜き孔4から空間54に貯留された水分Wを排水し、次に、コンクリート養生型枠1を打設コンクリートの硬化体の表面から取り外す。
本実施形態のコンクリート部材の施工方法によれば、コンクリート表面部に存在する水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの量の違いによりコンクリート表面に生じる色むらを抑制できる。すなわち、コンクリート養生型枠1の表面部に予め付着された水酸化カルシウムがコンクリートの表面に供給されることで、水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの量のバランスが調整されるため、コンクリート部材の表面に生じる色むらが抑制されて、コンクリート部材の美観を向上させることができる。
また、打設工程において、棒状バイブレータB1を利用してコンクリートの中央部に振動を与えるとともに、せき板の外面から型枠バイブレータB2により振動を与えて締め固めることで、コンクリート表面部に存在する水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの量のむらを均等化し、コンクリート部材の表面に生じる色むらの抑制効果がより向上する。
さらに、コンクリート養生型枠1のせき板2が、水分を貯留可能な保水部5と保水部5の外面に設けられた補強部6とを備えているため、養生工程において保水部5に水分を供給することで、保水部5から表面部3に浸透した水分がコンクリートの表面に供給され、水中養生に近い環境が形成される。その結果、コンクリートの強度、緻密性、ひび割れ抵抗性、耐久性が向上する。
次に、本実施形態のコンクリート部材の施工方法について、コンクリート部材の表面に生じる色むらの抑制効果を確認した実験結果について説明する。
本実験では、コンクリート養生型枠1の表面部3に飽和水酸化カルシウムを噴霧した後、コンクリート養生型枠1内にコンクリートを打ち込み、図7(a)に示すように、中央部に棒状バイブレータB1を挿入して締め固めるとともに、型枠バイブレータB2により側面(四方)から締め固めた場合のコンクリート部材の表面を確認した。本実験では、コンクリート養生型枠1を平面視正方形状に組み合わせて型枠10を形成した。
また、本実験と並行して、比較例aとして、図7(b)に示すように、型枠10の中央部において棒状バイブレータB1を挿入して締め固めた場合(型枠バイブレータB2無し)と、比較例bとして、図7(c)に示すように、型枠10内において、中央部と側部(四側面の近傍)に棒状バイブレータB1を挿入して締め固めた場合(型枠バイブレータB2無し)についても、実験を行った。
さらに、比較例c~eとして、コンクリート養生型枠1の表面部に水を噴霧した場合についてもコンクリート部材の表面を確認した。比較例Cでは、型枠の中央に棒状バイブレータを挿入して締め固めるとともに、型枠バイブレータを利用して側面を締め固めた。また、比較例dでは、型枠の中央部において棒状バイブレータを挿入して締め固めた(型枠バイブレータ無し)。そして、比較例eでは、型枠内において、中央部と側部に棒状バイブレータを挿入して締め固めた(型枠バイブレータ無し)。
表1に実験で使用した水酸化カルシウムを示す。また、表2に実験結果を示す。
Figure 0007611100000001
Figure 0007611100000002
表2に示すように、表面部に水を噴霧した比較例c~eでは、締固め方法の違いに関わらず、色むらが目立つ結果となった。一方、実施例(本実施形態のコンクリート養生型枠1及びコンクリート部材の施工方法)によれば、コンクリート部材の表面に生じる色むらを低減できることが確認できた。これは、表面部3に付着させた水酸化カルシウムがコンクリートの表面に供給されることで、コンクリートの表面における水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの量のバランスが改善されたことが要因と考えられる。
また、棒状バイブレータにより型枠内のみでコンクリートを締め固めた比較例a,bでは、色むらが目立つ結果となった。一方、棒状バイブレータにより中央部において締め固めるとともに、型枠バイブレータを利用して、せき板の外側から締め固めた実施例では、色むらが低減する結果となった。したがって、中央部において締め固めるとともに、せき板の外面から型枠バイブレータにより締め固めることで、色むらが改善されることが確認できた。
図8は、示差熱重量分析装置を用いて炭酸カルシウム(CaCO3)量と水酸化カルシウム(Ca(OH)2)量を測定した結果である。炭酸カルシウム量と水酸化カルシウム量の測定は、コンクリート部材表面の色むらが生じた色むら部(変色した部分)と、打重ね面以外の一般部の色むらが生じていない通常部において行った。また、本実施形態のコンクリート部材の施工方法による対策を行ったコンクリート部材の表面(対策後)についても、測定を行った。色むら部と通常部の測定は、同一のコンクリート部材を利用した。また、「対策後」の測定は、色むら部及び通常部の測定の際に使用したコンクリート部材と同等の配合のコンクリートを利用して、本実施形態のコンクリート部材の施工方法により作成したコンクリート部材を利用した。
図8に示すように、色むら部では、炭酸カルシウム量が多く、炭酸カルシウム量と水酸化カルシウム量との差が大きい。一方、通常部(色むらがない部分)では、色むら部と比較して、炭酸カルシウム量が少なく、炭酸カルシウム量と水酸化カルシウム量との差が小さかった。そして、対策後は、炭酸カルシウム量が大幅に減少し、通常部と同様に、炭酸カルシウム量と水酸化カルシウム量との差が小さかった。したがって、本実施形態のコンクリート養生型枠およびこれを利用したコンクリート部材の施工方法によりコンクリートの表面における水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの量のバランスが改善されることが確認できた。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
前記実施形態では、中空凸部52が円錐台状に形成されている場合について説明したが、中空凸部52の形状はこれに限定されるものではなく、例えば角錐台状であってもよい。また、中空凸部52の大きさや配置も限定されない。
補強部6を構成する材料は、必要な強度を有していれば、木材に限定されるものではなく、例えば、樹脂材や、鋼材等であってもよい。また、補強部6は、必ずしも格子状である必要はなく、例えば、板材であってもよいし、枠材の内側空間に縦材または横材が設けられたはしご状の部材であってもよい。
せき板2は、保水部2と補強部6とで構成される他に、補強部6のみで構成されるようにしても良い。その場合、補強部6の表面(コンクリートが打設される側)に表面部3が配置される。保水部2を設けない場合には、養生工程S3における保水部2の上方から水Wを流し込む工程は省略される。
表面部3は、不織布層と織布層とからなる2層構造のシートだけでなく、不織布層または織布層からなる1層構造のシートでも良い。
水抜き孔4の形成方法は限定されるものではなく、例えば、補強部6および面材53に形成された貫通孔であってもよい。
前記実施形態では、表面部3に水酸化カルシウムを噴霧することにより、表面部3に水酸化カルシウムを付着させるものとしたが、水酸化カルシウムの付着方法は限定されるものではなく、例えば、表面部3に塗布してもよいし、水酸化カルシウムの溶液を表面部3を構成するシートに含浸させてもよい。
1 コンクリート養生型枠
2 せき板
3 表面部
31 第一層
32 第二層
4 水抜き孔
5 保水部
6 補強部

Claims (4)

  1. コンクリート養生型枠を設置する型枠設置工程と、
    前記コンクリート養生型枠内にコンクリートを打設する打設工程と、
    前記コンクリート養生型枠内において前記コンクリートを養生する養生工程と、を備えるコンクリート部材の施工方法であって、
    前記コンクリート養生型枠は、せき板と、前記せき板と前記コンクリートとの間に介設された透水性を有したシート材からなる表面部とを備えており、
    前記打設工程の前に、前記表面部に水酸化カルシウムを付着させることを特徴とする、コンクリート部材の施工方法。
  2. 前記水酸化カルシウムは、1cmあたり0.30g~0.35gの飽和水酸化カルシウム溶液を前記表面部に噴霧することで、前記表面部に付着させることを特徴とする、請求項に記載のコンクリート部材の施工方法。
  3. 前記打設工程において、前記コンクリート中に挿入した棒状バイブレータで締め固めるとともに、前記せき板の外面から型枠バイブレータにより締め固めることを特徴とする、請求項または請求項に記載のコンクリート部材の施工方法。
  4. 前記せき板は、水分を貯留可能な保水部と、前記保水部の外面に設けられた補強部とを備えており、
    前記養生工程では、前記保水部に水分を供給し、前記保水部から前記表面部に浸透した前記水分が前記コンクリートの表面に供給されることを特徴とする、請求項乃至請求項のいずれか1項に記載のコンクリート部材の施工方法。
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