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JP7613153B2 - 熱可塑性樹脂粒子、及びそれを用いて粉末床溶融結合方式によって3次元造形物を製造する方法 - Google Patents
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JP7613153B2 - 熱可塑性樹脂粒子、及びそれを用いて粉末床溶融結合方式によって3次元造形物を製造する方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂粒子、及びそれを用いて粉末床溶融結合方式によって3次元造形物を製造する方法 Download PDF

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本発明は、熱可塑性樹脂粒子、及びそれを用いて粉末床溶融結合方式によって3次元造形物を製造する方法子に関するものである。
3次元造形物(以下、造形物と称する場合がある)を製造する3Dプリント技術として、粉末床溶融結合方式が知られている。係る方式では、熱可塑性樹脂粒子の層を設けた後に、物体の断面に対応する位置に選択的にレーザー照射することで、熱可塑性樹脂粒子を溶融させ、熱可塑性樹脂粒子の層同士を接着、積層する他、断面対応する位置に電磁放射線の吸収剤や抑制剤を印刷し、選択的に赤外線等の熱エネルギーを吸収させることで、熱可塑性樹脂粒子を溶融させ、熱可塑性樹脂粒子の層同士を接着、積層し、3次元造形物を形成(以下、造形と称する場合がある)させる。係る方式は、他の3次元造形物の作成方法と比較して高強度な樹脂を造形できる利点を有していることから、近年は本方式で得られた造形物を、最終製品として活用する動きが活発化している。
このような背景から高強度な造形物に対する需要が高まっており、そのような造形物を得るためには、内部に欠陥の要因となる空孔を形成させないことが重要である。すなわち原料の熱可塑性樹脂粒子間隙に存在している気体を、造形物内にできるだけ残さないよう、熱可塑性樹脂粒子の層を設ける際に、高密度で積層する粒子を用意することが必要である。
上記の課題に対して、特許文献1では、1mm未満の第1のD50(小粒径側からの累積カーブが50%となるとなる粒径)を有する粒子と、前記第1のD50の0.414倍のD50を有する、非晶性樹脂からなる二峰性粒子が開示されており、高充填する粒子により望まない空隙を予防できるとしている。また、特許文献2では一次粒子径が1.50μm以下の樹脂粒子を含む、30μm以上100μm以下の樹脂粉末が開示されており、積層時の内部の空隙発生を防止できるとしている。
特許第6552727号公報 特開2020-189965号公報
しかし、特許文献1では、理論的に高充填となる2種類の粒径比が記載されているが、粒子間付着力等の相互作用は考慮されていなかった。つまり、一般的に粒子の充填性が上がるほど流動性は低下する傾向にあり、粒子充填率は高いものの、流動性は課題があった。
また、特許文献2では、微細な樹脂粒子を滑剤として使用することで、帯電を防止でき、優れた流動性を発現する。一方で、積層した粒子の密度については十分な検討がなされておらず、粒子充填率を高めることは不十分であった。
そこで、本発明は、粉末床溶融結合方式の3次元造形において高充填の造形物を得るために、粒子充填率が高く、かつ流動性に優れた熱可塑性樹脂粒子を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の粉末床溶融結合方式に使用される熱可塑性樹脂粒子は以下のとおりである。すなわち、
D50粒子径が10μm以上100μm以下の真球形状の熱可塑性樹脂粒子であって、体積基準の粒子径分布が二峰性であり、体積基準の粒子径分布のうち粒子径が大きい方のピークのモード径をS1、小さい方のピークのモード径をS2としたときに、S2/S1が0.10以上0.45以下であって、熱可塑性樹脂粒子のタップ密度を、熱可塑性樹脂粒子を構成する樹脂の真密度で除した値が0.72以上0.9以下であることを特徴とする、熱可塑性樹脂粒子。
本発明の3次元造形物を製造する方法は、前記熱可塑性樹脂粒子を用いて、粉末床溶融結合方式によって3次元造形物を製造する方法である。
本発明は、粉末床溶融結合方式の3次元造形において高充填の造形物を得るために、粒子充填率が高く、かつ流動性に優れた熱可塑性樹脂粒子を提供することを目的とするものである。
以下、本発明について詳細を説明する。
粉末床溶融結合方式における造形においては、原料である熱可塑性樹脂粒子の層を形成し、その後に所望する造形物の断面に対応する位置の粒子を熱源によって溶融、溶着させる。熱可塑性樹脂粒子の層を形成する際には、粒子間隙に必ず気体が存在するため、空孔の存在しない高密度な造形物を得るためには、溶融、溶着させる際に気体が系外に排出される必要がある。しかし、従来の熱可塑性樹脂粒子においては充填時の密度が低く、熱可塑性樹脂粒子の層を形成した際に比較的多くの気体が存在するため、溶融、溶着時に完全に気体を排出することができず、得られた造形物内に空孔が存在し、密度が造形原料の熱可塑性樹脂の真密度に比べて低かった。これに対して上述した熱可塑性樹脂粒子、すなわち、1mm未満の第1のD50を有する粒子と、前記第1のD50の0.414倍のD50を有する、非晶性樹脂からなる二峰性粒子を用いて最密充填することにより粒子状態での空隙を最小化できる方法が知られている。また、該粒子は高充填する粒子により造形物内の望まない空孔を予防できるとしている。
しかしながら、ランダムに混合している粒子系においては、理想的な最密充填構造を取ることはない。また一般的に充填率が高くなるほど、粉体の流動性が低下し、熱可塑性樹脂粒子の層を均一に形成することが困難であった。このため良好な熱可塑性樹脂粒子の層形成性(粉敷性)と、高密度な造形物を両立できなかった。
発明者らは、この課題に対して鋭意検討した結果、特定の粒径比の二峰性ピークを有し、タップ密度が高い熱可塑性樹脂粒子が、良好な流動性(粉敷性)と高充填性を併せ持ち、本粒子を用いると、高密度な造形物を得られることを発見した。
すなわち本発明における粉末床溶融結合方式に使用される熱可塑性樹脂粒子は、粉末床溶融結合方式によって3次元造形物を製造するための熱可塑性樹脂粒子であって、体積基準の粒子径分布が二峰性であり、体積基準の粒子径分布のうち粒子径が大きい方のピークのモード径をS1、小さい方のピークのモード径をS2としたときに、S2/S1が0.1以上0.45以下であって、熱可塑性樹脂粒子のタップ密度を、熱可塑性樹脂を構成する樹脂の真密度で除した値が0.6以上0.9以下であることを特徴とする、熱可塑性樹脂粒子である。
本発明における粉末床溶融結合方式とは、原料である熱可塑性樹脂粒子の層を形成し、所望の造形物の断面に対応する位置を熱源によって溶融、溶着させ、その上にさらに熱可塑性樹脂粒子の層を形成する操作を繰り返すことにより、3次元造形物を得る方式の3Dプリント手法である。この際、熱源としては電磁放射線が好ましく用いられ、より好ましくはコヒーレントな電磁放射線(いわゆるレーザー光)が用いられる。電磁放射線としてハロゲンランプなどの非コヒーレント光を用いる場合には、光エネルギー吸収剤や、光エネルギー吸収抑制剤などを所望する造形物の断面に対応する位置に印刷して、効率的に電磁放射線のエネルギーを活用しても良い。光エネルギー吸収剤は、電磁放射線を吸収する物質である。このような物質としては、カーボンブラック、炭素繊維、銅ヒドロキシホスフェート、近赤外線吸収性染料、近赤外線吸収性顔料、金属ナノ粒子、ポリチオフェン、ポリ(p-フェニレンスルフィド)、ポリアニリン、ポリ(ピロール)、ポリアセチレン、ポリ(p-フェニレンビニレン)、ポリパラフェニレン、ポリ(スチレンスルホネート)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンホスホネート)p-ジエチルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン、又はこれらの組み合わせからなる共役ポリマーなどが例示でき、これらは単体で用いても良く複数組み合わせて用いても良い。光エネルギー吸収抑制剤は、電磁放射線を吸収しにくい物質である。このような物質としてはチタンなどの電磁放射線を反射する物質、雲母粉末、セラミック粉末などの断熱性の粉末、水などが例示でき、これらは単体で用いても良く複数組み合わせて用いても良い。これら光エネルギー吸収剤または光エネルギー吸収抑制剤は、それぞれ単独で用いても良いし、組み合わせて使用することも可能である。光エネルギー吸収剤または光エネルギー抑制剤を所望する造形物の断面形状に対応する形状に印刷する工程においては、インクジェットなどの既知の手法を用いることができる。この場合、光エネルギー吸収剤や光エネルギー吸収抑制剤はそのまま用いても良いし、溶媒中に分散又は溶解して用いてもよい。
本発明における熱可塑性樹脂粒子とは、熱可塑性樹脂からなる球状または略球状の粒子である。ここで熱可塑性樹脂としては既知のものを必要に応じて用いることができる。具体的に例示すると、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエステル、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアリーレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトンやポリエテールイミド、ポリエーテルスルホンなどのポリエーテル、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリメチルメタクリレートを初めとするビニル系ポリマー、およびこれらのアロイ、共重合体などが挙げられる。中でも粉末床溶融結合方式においては、用いる熱可塑性樹脂の結晶化温度以上、融点以下で造形を行うと精緻な造形物を得られることから、結晶性の熱可塑性樹脂粒子が好ましく、ポリアセタール、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。耐溶剤性に優れることから、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミドがより好ましく、優れた耐熱性を有しながら汎用の3Dプリンタで造形できることから、ポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトンがさらに好ましく、靭性に優れる点でポリアミドが最も好ましい。これらは単独で用いられても、複数組み合わせて用いられても良い。例えば、異なる種類の熱可塑性樹脂が共重合されていても良く、粒子中でアロイとなっていてもよく、また異なる熱可塑性樹脂の粒子が混合されていても良い。
本発明におけるポリエステルとは、繰り返し構造にエステル結合が含まれるポリマーであって、多塩基酸または多塩基酸ジアルキルエステルと、多価アルコールを主原料として重縮合することにより得られる。ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリへキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリプロピレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート/ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート/ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレート、ポリエチレンテレフタレート/シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート/ポリエチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート/ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート/イソフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート/サクシネート、ポリプロピレンテレフタレート/サクシネート、ポリブチレンテレフタレート/サクシネート、ポリエチレンテレフタレート/アジペート、ポリプロピレンテレフタレート/アジペート、ポリブチレンテレフタレート/アジペート、ポリエチレンテレフタレート/セバケート、ポリプロピレンテレフタレート/セバケート、ポリブチレンテレフタレート/セバケート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート/アジペート、ポリプロピレンテレフタレート/イソフタレート/アジペート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/サクシネート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/アジペート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/セバケート、ビスフェノールA/テレフタル酸、ビスフェノールA/イソフタル酸、ビスフェノールA/テレフタル酸/イソフタル酸、などが挙げられる。
これらのポリエステル樹脂の中でも、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)が好適に使用される。PBT樹脂とは、80重量%以上、好ましくは85重量%以上がポリブチレンテレフタレートからなるものであり、PBT樹脂以外の他の樹脂を、共重合または混合したものであっても良い。
本発明におけるポリアミドとは、繰り返し構造にアミド結合が含まれるポリマーである。このようなポリアミドは、例えばアミノ酸の重縮合反応、ラクタム類と開始剤によるアニオン開環重合、カチオン開環重合や水などによる加水分解後の開環重合、ジカルボン酸とジアミン、またはそれらの塩の重縮合反応、またはこれらの組み合わせなどの公知の方法によって製造される。このようなポリアミドを具体的に例示すると、ポリアミド4、ポリアミド5、ポリアミド6、ポリアミド8、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド44、ポリアミド46、ポリアミド410、ポリアミド411、ポリアミド412、ポリアミド56、ポリアミド510、ポリアミド511、ポリアミド512、ポリアミド64、ポリアミド65、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド611、ポリアミド612、ポリアミド104、ポリアミド106、ポリアミド1010、ポリアミド1011、ポリアミド1012、ポリアミド124、ポリアミド125、ポリアミド126、ポリアミド1210、ポリアミド1212、ポリアミド6T、ポリアミド10T、ポリアミド12T、ポリアミド6I、ポリアミド10I、ポリアミド12Iなど、また例えばポリアミド6/ポリアミド66共重合体のような、これらのポリアミドをさらに共重合したものなどが挙げられる。比較的安価に製造できることから、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド106、ポリアミド1010、ポリアミド1011、ポリアミド1012、ポリアミド1212、ポリアミド6T、ポリアミド6I、またはこれらから選ばれる組み合わせからなる共重合体が好ましい。3Dプリンタ向け材料として適した融点と結晶化温度を持つ観点で、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド1212、ポリアミド6T、ポリアミド6I、またはこれらから選ばれる組み合わせからなる共重合体がより好ましい。弾性率と靭性のバランスに優れる観点で、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド6T、ポリアミド6I、またはこれらから選ばれる組み合わせからなる共重合体がさらに好ましく、耐溶剤性に優れる観点で、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド6T、ポリアミド6I、またはこれらから選ばれる組み合わせからなる共重合体が著しく好ましく、最も好ましくはポリアミド6である。
係るポリアミドは、本発明を損なわない範囲であれば、他の共重合可能な成分を含んでいても構わない。共重合可能な成分としては、柔軟性を付与するポリオレフィンやポリアルキレングリコールなどのエラストマー成分、耐熱性や強度を向上する剛直な芳香族成分など適宜選択できる。また、安息香酸やヘキサン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ベンジルアミンやアニリン、ヘキシルアミン、p-ジアミノベンゼン、m-ジアミノベンゼンといった物質により、末端が封止されていても構わない。
本発明の熱可塑性樹脂粒子は、造形性の向上、粒子の耐熱性向上、造形物の耐熱性や難燃性、耐候性を向上する目的で、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、流動改質剤などが含まれていても良い。これらは2種以上を併用しても構わない。
係る酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系、硫黄系、ラクトン系、ホスファイト類などの有機系酸化防止剤、例えば、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、酢酸銅、銅アセチルアセトナート、炭酸銅、ほうふっ化銅、クエン酸銅、水酸化銅、硝酸銅、硫酸銅、蓚酸銅などの銅塩、マンガン塩などの無機塩系酸化防止剤が挙げられる。これらを主たる成分として含む市販の酸化防止剤を適宜用いても良い。
係る難燃剤としては、メラミンシアヌレートなどの窒素系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物難燃剤、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、ホスフィン酸金属塩、赤リンなどのリン系難燃剤、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂などのハロゲン系難燃剤が挙げられる。これらを主たる成分として含む市販の難燃剤を適宜用いても良い。
係る流動改質剤としては、脂肪酸金属塩が好ましく用いられ、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸などが挙げられる。
さらに本発明における熱可塑性樹脂粒子は、流動性を改善するための滑剤を含んでいても良い。係る滑剤は、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アモルファスシリカなどのシリカ(二酸化ケイ素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、アルミナコロイド(アルミナゾル)、アルミナホワイトなどのアルミナ、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、微粉化炭酸カルシウム、特殊炭酸カルシウム系充填剤などの炭酸カルシウム、霞石閃長石微粉末、モンモリロナイト、ベントナイト等の焼成クレー、シラン改質クレーなどのクレー(ケイ酸アルミニウム粉末)、タルク、ケイ藻土、ケイ砂などのケイ酸含有化合物、軽石粉、軽石バルーン、スレート粉、雲母粉などの天然鉱物の粉砕品、硫酸バリウム、リトポン、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、グラファイト(黒鉛)などの鉱物、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、発泡ガラスビーズなどのガラス系フィラー、フライアッシュ球、火山ガラス中空体、合成無機中空体、単結晶チタン酸カリ、カーボンナノチューブ、炭素中空球、フラーレン、無煙炭粉末、人造氷晶石(クリオライト)、酸化チタン、酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、チタン酸カリウム、亜硫酸カルシウム、マイカ、アスベスト、ケイ酸カルシウム、硫化モリブデン、メラミン樹脂およびベンゾグアナミン樹脂などの熱硬化性樹脂微細粒子などが挙げられる。さらに好ましくは、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム粉末、酸化チタンである。特に好ましくは、硬質で強度向上に寄与できるという点で、シリカ、アルミナが挙げられる。
係るシリカの市販品としては、日本アエロジル株式会社製フュームドシリカ“AEROSIL”(登録商標)シリーズ、株式会社トクヤマ製乾式シリカ“レオロシール”(登録商標)シリーズ、信越化学工業株式会社製ゾルゲルシリカパウダーX-24シリーズなどが挙げられる。
係る滑剤の平均粒径は、20nm以上1μm以下のものが好ましく用いられる。滑剤の平均粒径の上限は、1μmが好ましく、さらに好ましくは500nmであり、より好ましくは400nmであり、特に好ましくは300nmであり、著しく好ましくは200nmである。下限は、20nmが好ましく、さらに好ましくは30nmであり、より好ましくは50nmであり、特に好ましくは100nmである。滑剤の平均粒径が上記範囲にあれば、熱可塑性樹脂粒子の流動性を向上させるとともに、熱可塑性樹脂粒子に対し、滑剤を均一に分散させることができる。
本発明における滑剤の平均粒径とは、動的光散乱法によりレーザーの散乱光を解析して得られる微粒子の総体積を100%として累積カーブを求め、小粒径側からの累積カーブが50%となるとなる粒径(D50粒子径)である。
係る滑剤の配合量は、熱可塑性樹脂粒子100質量部に対し、0.01質量部超5質量部未満が好ましい。配合量の上限は、3質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましく、0.5質量部以下がさらに好ましく、0.3質量部以下が特に好ましく、0.1質量部以下が著しく好ましい。また、配合量の下限は、0.02質量部超が好ましく、0.03質量部超がより好ましく、0.04質量部超がさらに好ましい。滑剤の配合量が0.01質量部超であれば、熱可塑性樹脂粒子の流動性がさらに向上し、造形物した際の充填性が増すため、機械特性で欠陥となる空孔が発生しにくく、得られる造形物は高い強度を発現する。また、滑剤の配合量が5質量部未満であれば、熱可塑性樹脂粒子の表面を滑剤が被覆することによる焼結の阻害が発生せず、強度の高い造形物が得られる。
本発明における熱可塑性樹脂粒子を構成する樹脂の重量平均分子量の範囲は、8,000以上、300,000以下が好ましい。重量平均分子量が8,000を下回る場合、作製した造形物の物性が劣る可能性があるため、8,000以上が好ましく、10,000以上がより好ましく、30,000以上がさらに好ましく、40,000以上が著しく好ましい。また、重量平均分子量が300,000を上回る場合、粒子を溶融・溶着させる際に粘度が高すぎて、粒子同士がうまく溶着しないことから、300,000以下が好ましく、200,000以下がより好ましく、150,000以下がさらに好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂の分子量分布の範囲は、造形時に望まない空孔の形成を抑制できる観点から、3.0以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、2.0以下がさらに好ましい。定義からその下限は1である。
なお、本発明における重量平均分子量とは、ヘキサフルオロイソプロパノールを溶媒にゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した値をポリメチルメタクリレートで換算した重量平均分子量を示す。熱可塑性樹脂がヘキサフルオロイソプロパノールに溶解しない場合、ペンタフルオロフェノールに溶解して測定した値を用いる。また、分子量分布とはゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、ポリメチルメタクリレートで換算した、重量平均分子量を、数平均分子量で除した値である。
本発明における熱可塑性樹脂粒子は、体積基準の粒子径分布が二峰性であることを特徴とする。体積基準の粒子径分布とは、体積で重みづけされた粒子径の分布であり、体積基準の粒子径分布が二峰性であるとは、横軸に粒子径、縦軸に体積基準の頻度を取った座標系に粒子径分布をプロットした際、そのグラフが2つの極大値を持つことを指す。熱可塑性樹脂粒子の粒子径分布は、レーザー回折式粒径分布計にて測定することができる。本発明において、体積基準の粒子径分布のグラフにて、粒子径が大きい方のピークの粒子径をS1、小さい方のピークの粒子径をS2とした際、S2/S1が0.10以上0.45以下である。S2/S1が0.45を超える場合、熱可塑性樹脂粒子が十分に充填せず、高密度の造形物を得る目的が達成できない。充填率を向上させるために、S2/S1は0.4以下が好ましく、0.35以下がより好ましく、0.30以下がさらに好ましい。S2/S1が0.10未満の場合、やはり、熱可塑性樹脂粒子が十分に充填せず、高密度の造形物を得られない。充填率を向上させるために、S2/S1は0.15以上が好ましく、0.20以上がより好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂粒子の大きい方のピークの粒子径S1は30μm以上、120μm以下であることが好ましい。S1が120μmを超える場合、粉末床溶融結合方式で熱可塑性樹脂粒子の層を形成する際、層の厚みを薄くできず、高精細な造形物が得られない傾向にある。より高精細な造形物を得られる観点から、S1は好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下である。またS1が30μmを下回る場合、熱可塑性樹脂粒子全体において微細な粒子が増えるため、凝集が発生しやすく流動性が低下するため、熱可塑性樹脂粒子の層をうまく形成できない場合がある。凝集の発生を抑制する観点からS1は40μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂粒子の小さい方のピークの粒子径S2は、5μm以上40μm以下であることが好ましい。S2が40μmよりも大きい場合、熱可塑性樹脂粒子全体において粗大粒子の量が多くなり、粉末床溶融結合方式で熱可塑性樹脂粒子の層を形成する際、層の厚みを薄くできず、高精細な造形物が得られない。高精細な造形物を得られる観点から30μm以下が好ましい。S2が5μmよりも小さい場合、熱可塑性樹脂粒子に凝集が発生しやすく流動性が低下するため、熱可塑性樹脂粒子の層をうまく形成できない。凝集の発生を抑制する観点からS2は10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂粒子は、D50粒子径が10μm以上100μm以下であることが好ましい。D50粒子径が10μm以下の場合、熱可塑性樹脂粒子全体において微細な粒子が増えるため、凝集が発生しやすく流動性が低下するため、熱可塑性樹脂粒子の層をうまく形成できない場合がある。凝集の発生を抑制する観点から、D50粒子径は20μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましい。D50粒子径が100μmよりも大きい場合、粉末床溶融結合方式で熱可塑性樹脂粒子の層を形成する際、層の厚みを薄くできず、高精細な造形物が得られない場合がある。高精細な造形物を得られる観点から、D50粒子径は70μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましい。
また、本発明はD10粒子径が1μm以上30μm以であることが好ましい。D10粒子径が1μmを下回る場合、やはり熱可塑性樹脂粒子の凝集が発生しやすく流動性が低下するため、熱可塑性樹脂粒子の層をうまく形成できない場合がある。凝集の発生を抑制する観点から、D10粒子径は3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。D10粒子径が30μm以上の場合、やはり可塑性樹脂粒子全体において粗大な粒子が増えるため、粉末床溶融結合方式で熱可塑性樹脂粒子の層を形成する際、層の厚みを薄くできず、高精細な造形物が得られない。高精細な造形物を得られる観点からD10粒子径は25μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、15μm以下がさらに好ましい。D10粒子径が1μmを下回る場合、やはり熱可塑性樹脂粒子の凝集が発生しやすく流動性が低下するため、熱可塑性樹脂粒子の層をうまく形成できない場合がある。凝集の発生を抑制する観点から、D10粒子径は3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。
さらに本発明はD90粒子径が50μm以上120μm以下であることが好ましい。D90粒子径が120μm以上の場合、粗大な粒子が増えるため、粉末床溶融結合方式で熱可塑性樹脂粒子の層を形成する際、層の厚みを薄くできず、高精細な造形物が得られない場合がある。高精細な造形物を得られる観点からD90粒子径は100μm以下が好ましく、90μm以下がより好ましい。D90粒子径が50μmを下回る場合、やはり熱可塑性樹脂粒子全体で微粒が増えるため凝集が発生しやすく流動性が低下するため、熱可塑性樹脂粒子の層をうまく形成できない場合がある。凝集の発生を抑制する観点から、D90粒子径は55μm以上が好ましく、60μm以上がより好ましい。
なお、熱可塑性樹脂粒子のD10、D50、D90粒子径は、レーザー回折式粒径分布計にて測定される粒径分布の小粒径側からの累積度数が、それぞれ10%、50%、90%となる粒径である。
本発明における熱可塑性樹脂粒子の体積基準の粒子径分布の、粒子径S1の頻度をF1、S2の頻度をF2とした時に、F2/F1が0.15以上2以下であることが好ましい。この範囲に入る際に粒子の充填性と流動性を両立しやすくなる。下限としてはF2/F1が0.2以上であることがより好ましく、上限としては1以下がより好ましく、0.75以下がさらに好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂粒子は、熱可塑性樹脂粒子のタップ密度を、熱可塑性樹脂粒子を構成する樹脂の真密度で除した値が0.6以上0.9以下であることを特徴とする。粉末床溶融結合方式において熱可塑性樹脂粒子の層を形成する際には、粒子が圧縮されタップされた状態に近くなる。このため高密度な造形物を得るうえでは、タップ状態での充填率、すなわち、熱可塑性樹脂粒子を構成する樹脂の真密度で除した値(タップ充填率)が重要となる。熱可塑性樹脂粒子を構成する樹脂の真密度で除した値が0.6以上0.9以下である熱可塑性樹脂粒子は、造形物の空孔率を少なくするうえで十分に高密度に充填され、また良好な流動性(粉敷性)も確保される。熱可塑性樹脂粒子のタップ密度を、熱可塑性樹脂粒子を構成する樹脂の真密度で除した値が0.6より小さい場合には、粉末床溶融結合方式の造形の際に形成する熱可塑性樹脂粒子の層の粒子充填率が十分でなく、目的とする造形物中の空孔を十分に減少させることができない。一方、熱可塑性樹脂粒子のタップ密度を、熱可塑性樹脂粒子を構成する樹脂の真密度で除した値が0.9より大きい場合には、あまりに充填性が高いため、熱可塑性樹脂粒子の層を作るのに十分な流動性を確保できない。熱可塑性樹脂粒子のタップ密度を、熱可塑性樹脂粒子を構成する樹脂の真密度で除した値は、造形物の空孔を減らす観点から、0.65以上が好ましく、0.7以上がより好ましく、0.75以上がさらに好ましく、熱可塑性樹脂粒子の流動性を挙げる観点から0.85未満が好ましい。
係る熱可塑性樹脂粒子のタップ密度は、粉末を容器に静かに充填した後、タッピングによって密充填させたときの単位体積当たりの質量のことを示し、日本工業規格(JIS規格)JIS K 7370(2000)「固め見掛けかさ密度の求め方」に準じ、測定したものである。また熱可塑性樹脂粒子を構成する樹脂の真密度は、日本工業規格(JIS規格)JIS Z 8807(2012)「固体の密度及び比重の測定方法」に準じて測定したものである。
また、本発明は、熱可塑性樹脂粒子のタップ嵩密度を見掛け嵩密度で除した値であるHausner比が1以上1.5以下であることを特徴とする。ここで見掛け嵩密度は熱可塑性樹脂粒子を容器に充填したときの単位体積当たりの質量のことを示す。ここで、見掛け嵩密度は、日本工業規格(JIS規格)JIS K 7365(1999)「規定漏斗から注ぐことができる材料の見掛け密度の求め方」に準じ、測定したものである。一般的にタップ嵩密度を見掛け嵩密度で除した値はHausner比と呼ばれ、粉体の流動性を表す指標であり、値が小さいほど流動性が高いことを示す。原理上タップ嵩密度は見掛け嵩密度よりも小さくなることがないため、熱可塑性樹脂粒子のタップ嵩密度を見掛け嵩密度で除した値の下限は1である。熱可塑性樹脂粒子のタップ嵩密度を見掛け嵩密度で除した値が1.5を超える場合、流動性が低いため、熱可塑性樹脂粒子の層をきれいに形成できない。得られる造形物の表面を精緻にする観点で、1.3以下が好ましく、1.25以下がより好ましく、1.2以下がさらに好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂粒子の真球度は、80以上であることが好ましい。真球度とは粒子を電子顕微鏡などにより観察した際、1つの粒子の中で最も長い径(長径)と、長径と直交する径のうち最大のもの(短径)から、100×短径/長径によって表される値である。すなわちこの値が100に近いほど真球形状であることを示し、算出方法からその最大値は100である。真球形状に近いほど流動性が良くなる観点から、熱可塑性樹脂粒子の真球度は、85以上がより好ましく、90以上がさらに好ましく、95以上が特に好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂粒子は、流動性が向上するため、表面が平滑であるものが好ましい。表面平滑性は、単位重量当たりの粒子がアマニ油吸油量で評価することが可能である。即ち、表面が平滑であるほど表面に凹凸の少ない粒子となり、アマニ油の吸収量を示すアマニ油吸油量が少なくなる。本発明のポリアミド微粒子のアマニ油吸油量は、100mL/100g以下であることが好ましく、80mL/100g以下がより好ましく、70mL/100g以下がさらに好ましく、60mL/100g以下が特に好ましい。アマニ油吸油量の下限はその定義から0mL/100gである。係るアマニ油吸油量は、日本工業規格(JIS規格)JIS K 5101「顔料試験方法 精製あまに油法」に準じて測定される。また表面の平滑性は、ガス吸着によるBET比表面積によっても表すことが可能であり、表面が平滑であるほど、BET比表面積は小さくなる。具体的には、10m/g以下であることが好ましく、より好ましくは5m/g以下であり、さらに好ましくは3m/g以下であり、特に好ましくは1m/g以下であり、最も好ましくは0.5m/g以下である。なお、BET比表面積の下限は、その定義から0m/gである。なおBET比表面積は、日本工業規格(JIS規格)JIS R1626(1996)「気体吸着BET法による比表面積の測定方法」に準じて測定される。
本発明における熱可塑性樹脂粒子は、異なる2種類の粒子径分布を有する熱可塑性樹脂粒子を混合することによって作製することができる。混合前のそれぞれの熱可塑性樹脂粒子はどのような方法により製造されていてもよく、既存の手法を任意に用いることができる。このような手法を例示するならば、予め作製した熱可塑性樹脂を物理的に粉砕する方法、予め作製した熱可塑性樹脂を良溶媒に溶解した溶液を降温する、または貧溶媒に添加するなどの方法で粉体として析出させる化学的粉砕法、熱可塑性樹脂粒子を構成する熱可塑性樹脂と、それとは相溶性のない樹脂を溶融混練し海島構造を形成した後に、海相を溶解する混練法、熱可塑性樹脂粒子を構成する熱可塑性樹脂を良溶媒に溶解した溶液を分散相とするエマルションを形成した後に、粒子を析出させるエマルション法、溶融した熱可塑性樹脂または良溶媒に溶解した熱可塑性樹脂をスプレーにより微細化し、粒子を作製するアトマイズ法、水に不溶なモノマーあるいはモノマーの溶液を水媒体中に分散した状態で重合を行う懸濁重合、水媒体中で界面活性剤などを用いてミセルを形成し、そのミセル内部で重合粒子化を行う乳化重合、モノマーは溶媒に可溶だが、ポリマーは不溶である媒体中で重合する沈殿重合、種粒子にモノマーを吸収させたのちに、重合により粒径を拡大するシード重合、モノマーとは相溶するがポリマーとは相溶しない高分子系媒体中で重合を行い重合完了後にポリマー粒子を析出させる方法などが挙げられる。重合と同時に真球状の粒子を1~300μm程度の粒子径で得られることから、モノマーとは相溶するがポリマーとは相溶しない高分子系媒体中で重合を行い重合完了後にポリマー粒子を析出させる方法が好ましい。これらの手法により熱可塑性樹脂粒子を作製した後に、篩などの粒子分別機を用いて、粒子径分布を適宜調整しても良い。また、混合前の粒子は市販のものを購入して混合してもよく、混合前に適宜さらなる粉砕、分級等を行っても構わない。
本発明における熱可塑性樹脂粒子は、異なる2種類の粒子径分布を有する熱可塑性樹脂粒子を混合することによって作製する場合、それぞれの熱可塑性樹脂粒子は混合後に目的とする化学的組成が得られるなら、どのような化学的組成のものを用いても良い。
本発明における熱可塑性樹脂粒子は、異なる2種類の粒子径分布を有する熱可塑性樹脂粒子を混合することによって作製する場合、混合前の熱可塑性樹脂粒子のD50粒子径は5μm以上、120μm以下である。この範囲から外れる場合、混合後の熱可塑性樹脂粒子の粒子径分布が目的の範囲に入らない。好ましくは10μm以上、100μm以下である。
本発明における熱可塑性樹脂粒子は、異なる2種類の粒子径分布を有する熱可塑性樹脂粒子を混合することによって作製する場合、混合後の熱可塑性樹脂粒子の粒子径分布を容易にコントロールできる観点から、混合前の熱可塑性樹脂粒子の体積基準の粒子径分布が単分散であることが好ましい。体積基準の粒子径分布が単分散であるとは、横軸に粒子径、縦軸に体積基準の頻度を取った座標系に粒子径分布をプロットした際、そのグラフが1つの極大値を持つことを指す。
本発明における熱可塑性樹脂粒子は、異なる2種類の粒子径分布を有する熱可塑性樹脂粒子を混合することによって作製する場合、混合後の熱可塑性樹脂粒子のタップ嵩密度が高くなる観点から、好ましくは混合前の熱可塑性樹脂粒子の粒子径分布指数が3.0以下である。より好ましくは2.5以下である。その下限は理論上1である。ここで粒子径分布指数とは、レーザー回折式粒径分布計にて測定される体積平均粒子径を、数平均粒子径で除した値である。
本発明における熱可塑性樹脂粒子は、異なる2種類の粒子径分布を有する熱可塑性樹脂粒子を混合することによって作製する場合、混合後の熱可塑性樹脂粒子の流動性を向上させる観点で、真球度は80以上が好ましく、85以上がより好ましく、90以上がさらに好ましく、95以上が著しく好ましい。真球度の上限はその定義から100である。
本発明における熱可塑性樹脂粒子は、異なる2種類の粒子径分布を有する熱可塑性樹脂粒子を混合することによって作製する場合、混合後の熱可塑性樹脂粒子の流動性を向上させる観点で、表面が平滑であることが好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂粒子は、異なる2種類の粒子径分布を有する熱可塑性樹脂粒子を混合することによって作製する場合、粒子の混合方法はドライブレンドや湿式ブレンドなど既存の任意の手法を選択することができる。ドライブレンドの手法としては、容器回転型や容器固定で攪拌を行うものなどが挙げられる。容器回転型の混合器としては水平円筒型、傾斜円筒型、V字型、二重円錐型、正立方体型、S字型、連続V字型などの任意の形状を粒子性状に応じて選択できる。容器固定で攪拌を行う混合器としては、リボン型、スクリュー型、ロッド型、やこれらの組み合わせによる攪拌翼を備えたものなどが挙げられ、回転軸が水平のものや垂直のものを任意に選択できる。そのほか、振動ミル、振動ふるいなどの混合器を使用することができ、これらの混合方法は複数組み合わせて使用することができる。さらに湿式で混合を行っても良く、熱可塑性樹脂粒子が溶解しない、水などの媒体でスラリーを作製し、スクリューなどの混合装置を用いて全体を均質化した後に、乾燥する方法などが挙げられる。
さらに本発明の効果を損なわない範囲内で、異なる2種類の粒子径分布を有する熱可塑性樹脂粒子を混合する際や混合後に、流動性改善のための滑剤や、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、流動改質剤などを追加で添加しても良い。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[測定方法]
実施例中、用いる測定は下記の通りである。
(1)熱可塑性樹脂粒子の見掛け嵩密度およびタップ嵩密度、Hausner比
熱可塑性樹脂粒子の見掛け密度は、日本工業規格(JIS規格)JIS Z 7365(1999)に従い、50gの熱可塑性樹脂粒子をロートから100cmのメスシリンダーに落下させ、体積を読み取り、ポリマー粉末の重量を当該体積で除した値とした。また熱可塑性樹脂粒子のタップ密度は、日本工業規格(JIS規格)JIS Z 7370(2000)に従い、50gの熱可塑性樹脂粒子をロートから100cmのメスシリンダーに落下させ、タッピングを行った後の体積を読み取り、熱可塑性樹脂粒子の重量を当該体積で除した値とした。さらにタップ嵩密度を見掛け嵩密度で除した値をHausner比とした。
(2)熱可塑性樹脂粒子の真密度
熱可塑性樹脂粒子の真密度は、日本工業規格(JIS規格)JIS Z 8807(2012)に従い、ゲーリュサック型比重瓶(ピクノメーター)にポリマー粉末10g程度とポリマー粉末より比重が小さい溶媒を導入し、比重瓶のみ、比重瓶粉末、比重瓶+粉末+溶媒、比重瓶+溶媒の重量をそれぞれ測定し、下記数式に従い算出した。
Figure 0007613153000001
なお、d:粉末真密度、d0:溶媒密度、Wa:比重瓶重量、Wb:比重瓶+粉末重量、Wc:比重瓶+粉末+溶媒重量、Wd:比重瓶+溶媒重量とする。
(3)タップ充填率
(1)の手法で得られたタップ嵩密度を、(2)の手法で得られた樹脂の真密度から、数式2に従って計算を行い、タップ充填率とした。
Figure 0007613153000002
なお、Pr:タップ充填率、Dtap:タップ嵩密度、Dpolym:樹脂の真密度である。
(4)熱可塑性樹脂粒子のD10、D50、D90粒子径、モード径
日機装株式会社製レーザー回折式粒径分布計測定装置(マイクロトラックMT3300EXII)に、予め100mg程度の熱可塑性樹脂粒子を5mL程度の脱イオン水で分散させた分散液を測定可能濃度になるまで添加し、測定装置内で30Wにて60秒間の超音波分散を行った後、測定時間10秒で測定される粒径分布の小粒径側からの累積度数が10%、50%、90%となる粒径をそれぞれD10、D50、D90粒子径とした。また、最頻値を示す粒子径をモード径とした。なお測定時の屈折率は1.52、媒体(脱イオン水)の屈折率は1.333を用いた。
(5)熱可塑性樹脂粒子の真球度
熱可塑性樹脂粒子の真球度は、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製走査型電子顕微鏡JSM-6301NF)写真から無作為に30個の粒子を観察し、その短径と長径から下記数式3に従い算出した。
Figure 0007613153000003
なお、S:真球度、a:長径、b:短径、n:30(測定数)とする。
(6)熱可塑性樹脂粒子のアマニ油吸油量
日本工業規格(JIS規格)JIS K 5101“顔料試験方法 精製あまに油法”に準じ、熱可塑性樹脂粒子約100mgを時計皿の上に精秤し、精製アマニ油(関東化学株式会社製)をビュレットで1滴ずつ徐々に加え、パレットナイフで練りこんだ後に、試料の塊ができるまで滴下と練りこみを繰り返し、ペーストが滑らかな硬さになった点を終点とし、滴下に使用した精製アマニ油の量から吸油量(mL/100g)を算出した。
(7)熱可塑性樹脂粒子の結晶化温度と融点
TAインスツルメント社製示差走査熱量計(DSCQ20)を用いて、窒素雰囲気下、30℃からポリマーの融点を示す吸熱ピークから30℃高い温度まで20℃/分の昇温速度で1回昇温させた後に1分間保持し、その後20℃/分で30℃まで降温させて1分間保持したときの溶融に伴う吸熱ピークおよび結晶化に伴う発熱ピークの頂点を指す。測定に要したポリマー粉末は約8mgである。
(8)熱可塑性樹脂粒子を構成する熱可塑性樹脂の分子量
ポリアミドの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用い、ポリメチルメタクリレートによる校正曲線と対比させて分子量を算出した。測定サンプルは、ポリアミド微粒子約3mgをヘキサフルオロイソプロパノール約3gに溶解し調整した。
装置:Waters e-Alliance GPC system
カラム:昭和電工株式会社製HFIP-806M×2
移動相:5mmol/Lトリフルオロ酢酸ナトリウム/ヘキサフルオロイソプロパノール
流速:1.0mL/min
温度:30℃
検出:示差屈折率計。
(9)造形物の空隙率
Sartorius社製精密天秤(CP225D)と比重/密度測定キット(YDK01)、を用いて、数式4に従って算出した。なお水と空気の密度は、化学便覧に従って温度に応じて補正を行った。
Figure 0007613153000004
なお、Ds:造形物の密度、Wa:造形物の空気中での重量、Ww:造形物の水中での重量、Pw:水の密度、Pa:空気の密度である。
[粒子1の作製]
3Lのオートクレーブにε-カプロラクタム(富士フイルム和光純薬株式会社製試薬特級)360g、ポリエチレングリコール(和光純薬工業株式会社製試薬1級ポリエチレングリコール6,000)240g、酸化防止剤としてIRGANOX1098(BASFジャパン株式会社製)2.5g、脱イオン水50gを加え密封後、窒素で1MPaまで加圧し0.1MPaまで放圧する工程を3回繰り返し、容器内を窒素置換した後、圧力を0.1MPaに調整し容器を密閉した。その後、撹拌速度を62rpmに設定し、温度を230℃まで昇温した。この際系内の圧力は1.4MPaであり、圧力と温度を維持しながら3時間62rpmで攪拌を続けた。次に、0.2MPa・分の速度で放圧を行い、内圧を0MPaとした。その後重合温度210℃とし窒素を5L/分の速度で流して1時間重合を行った。最後に、2000gの水浴に吐出しスラリーを得た。スラリーを撹拌により十分に均質化させた後に、ろ過を行い、ろ上物に水2000gを加え、80℃で洗浄を行った。その後100μmの篩を通過させた凝集物を除いたスラリー液を、再度ろ過して単離したろ上物を80℃で12時間乾燥させ、ポリアミド6粒子を得た。得られたポリアミド6粒子の融点は217℃、結晶化温度は173℃であり、重量平均分子量は35,000、であった。またモード径は54μm、D90/D10は2.5、真球度は96、アマニ油吸油量は35mL/100gであった。樹脂の真密度を測定したところ1.13であった。
[粒子2の作製]
攪拌速度を32rpmにした以外は粒子1と同様に粒子化を行い、ポリアミド6粒子を得た。得られたポリアミド6粒子の融点は218℃、結晶化温度は174℃であり、重量平均分子量は32,000、であった。またモード径は70μm、D90/D10は2.7、真球度は93、アマニ油吸油量は26mL/100gであった。樹脂の真密度を測定したところ1.13であった。
[粒子3の作製]
攪拌速度を85rpmにした以外は粒子1と同様に粒子化を行い、ポリアミド6粒子を得た。得られたポリアミド6粒子の融点は215℃、結晶化温度は172℃であり、重量平均分子量は39,000、であった。またモード径は23μm、D90/D10は2.6、真球度は93、アマニ油吸油量は55mL/100gであった。樹脂の真密度を測定したところ1.13であった。
[粒子4の作製]
攪拌速度を90rpmにした以外は粒子1と同様に粒子化を行い、ポリアミド6粒子を得た。得られたポリアミド6粒子の融点は216℃、結晶化温度は170℃であり、重量平均分子量は46,000、であった。またモード径は23μm、D90/D10は2.5、真球度は98、アマニ油吸油量は60mL/100gであった。樹脂の真密度を測定したところ1.13であった。
[粒子5の作製]
攪拌速度を100rpmにした以外は粒子1と同様に粒子化を行い、ポリアミド6粒子を得た。得られたポリアミド6粒子のモード径は10μm、真球度は95であった。樹脂の真密度を測定したところ1.13であった。
[粒子6の作製]
攪拌速度を73rpmにした以外は粒子1と同様に粒子化を行い、ポリアミド6粒子を得た。得られたポリアミド6粒子のモード径は35μm、真球度は93であった。樹脂の真密度を測定したところ1.13であった。
[粒子7の作製]
攪拌速度を25rpmにした以外は粒子1と同様に粒子化を行い、ポリアミド6粒子を得た。得られたポリアミド6粒子のモード径は92μm、真球度は90であった。樹脂の真密度を測定したところ1.13であった。
[実施例1]
作製した粒子1を1500gと粒子4を250gとを乳鉢内で十分に混合したのち、300μmの目開きの篩を3回通すことで全体を均一にした。さらに滑剤として平均粒径170nmのトリメチルシリル化非晶質シリカ(信越化学工業株式会社製X-24-9500)を5.3g添加したのち、さらに全体を混合し、300μmの目開きの篩を3回通すことで全体を均一にした。こうして得られた混合粒子の体積基準の粒子径分布を測定したところ二峰性であり、それぞれのピークの粒子径は70μmと15μmであった。また混合粒子の真球度は95であった。混合粒子の嵩密度の測定を行ったところ、見掛け嵩密度は0.70、タップ嵩密度は0.86であり、これらから算出されるHausner比は1.23であり、タップ充填率は0.76と計算された。
本混合粒子1500gを用いて、株式会社アスペクト製粉末床溶融結合装置(RaFaEl ΙΙ 150C-HT)を使用し、立体造形物の製造を行った。造形中の粉敷性は良好で、粉面荒れ等は見られなかった。得られた造形物の密度は1.125であり、造形物の空隙率は0.5%であった。特性を表1に示す。
[実施例2]
作製した粒子1を1200gと粒子4を400g、滑剤として平均粒径170nmのトリメチルシリル化非晶質シリカ(信越化学工業株式会社製X-24-9500)を4.8gとして、実施例1と同様に混合粒子を作製した。得られた混合粒子の体積基準の粒子径分布を測定したところ二峰性であり、それぞれのピークの粒子径は70μmと15μmであった。また混合粒子の真球度は97であった。混合粒子の嵩密度の測定を行ったところ、見掛け嵩密度は0.74、タップ嵩密度は0.91であり、これらから算出されるHausner比は1.23であり、タップ充填率は0.81と計算された。
本混合粒子1500gを用いて、株式会社アスペクト製粉末床溶融結合装置(RaFaEl ΙΙ 150C-HT)を使用し、立体造形物の製造を行った。造形中の粉敷性は良好で、粉面荒れ等は見られなかった。得られた造形物の密度は1.127であり、造形物の空隙率は0.3%であった。特性を表1に示す。
[実施例3]
作製した粒子1を1000gと粒子4を500g、滑剤として平均粒径170nmのトリメチルシリル化非晶質シリカ(信越化学工業株式会社製X-24-9500)を4.5gとして、実施例1と同様に混合粒子を作製した。得られた混合粒子の体積基準の粒子径分布を測定したところ二峰性であり、それぞれのピークの粒子径は70μmと15μmであった。また混合粒子の真球度は97であった。混合粒子の嵩密度の測定を行ったところ、見掛け嵩密度は0.65、タップ嵩密度は0.81であり、これらから算出されるHausner比は1.25であり、タップ充填率は0.72と計算された。
本混合粒子1500gを用いて、株式会社アスペクト製粉末床溶融結合装置(RaFaEl ΙΙ 150C-HT)を使用し、立体造形物の製造を行った。造形中の粉敷性は良好で、粉面荒れ等は見られなかった。得られた造形物の密度は1.122であり、造形物の空隙率は0.7%であった。特性を表1に示す。
[実施例4]
作製した粒子1を1500gと粒子3を250g、滑剤として平均粒径170nmのトリメチルシリル化非晶質シリカ(信越化学工業株式会社製X-24-9500)を5.3gとして、実施例1と同様に混合粒子を作製した。得られた混合粒子の体積基準の粒子径分布を測定したところ二峰性であり、それぞれのピークの粒子径は70μmと23μmであった。また混合粒子の真球度は94であった。混合粒子の嵩密度の測定を行ったところ、見掛け嵩密度は0.68、タップ嵩密度は0.81であり、これらから算出されるHausner比は1.19であり、タップ充填率は0.72と計算された。
本混合粒子1500gを用いて、株式会社アスペクト製粉末床溶融結合装置(RaFaEl ΙΙ 150C-HT)を使用し、立体造形物の製造を行った。造形中の粉敷性は良好で、粉面荒れ等は見られなかった。得られた造形物の密度は1.120であり、造形物の空隙率は0.9%であった。特性を表1に示す。
[実施例5]
作製した粒子1を1200gと粒子3を400g、滑剤として平均粒径170nmのトリメチルシリル化非晶質シリカ(信越化学工業株式会社製X-24-9500)を4.8gとして、実施例1と同様に混合粒子を作製した。得られた混合粒子の体積基準の粒子径分布を測定したところ二峰性であり、それぞれのピークの粒子径は70μmと23μmであった。また混合粒子の真球度は94であった。混合粒子の嵩密度の測定を行ったところ、見掛け嵩密度は0.69、タップ嵩密度は0.83であり、これらから算出されるHausner比は1.20であり、タップ充填率は0.73と計算された。
本混合粒子1500gを用いて、株式会社アスペクト製粉末床溶融結合装置(RaFaEl ΙΙ 150C-HT)を使用し、立体造形物の製造を行った。造形中の粉敷性は良好で、粉面荒れ等は見られなかった。得られた造形物の密度は1.121であり、造形物の空隙率は0.8%であった。特性を表1に示す。
[実施例6]
作製した粒子2を1500gと粒子4を250g、滑剤として平均粒径170nmのトリメチルシリル化非晶質シリカ(信越化学工業株式会社製X-24-9500)を5.3gとして、実施例1と同様に混合粒子を作製した。得られた混合粒子の体積基準の粒子径分布を測定したところ二峰性であり、それぞれのピークの粒子径は54μmと15μmであった。また混合粒子の真球度は95であった。混合粒子の嵩密度の測定を行ったところ、見掛け嵩密度は0.63、タップ嵩密度は0.84であり、これらから算出されるHausner比は1.33であり、タップ充填率は0.74と計算された。
本混合粒子1500gを用いて、株式会社アスペクト製粉末床溶融結合装置(RaFaEl ΙΙ 150C-HT)を使用し、立体造形物の製造を行った。造形中の粉敷性は良好で、粉面荒れ等は見られなかった。得られた造形物の密度は1.123であり、造形物の空隙率は0.6%であった。特性を表1に示す。
[実施例7]
作製した粒子2を1200gと粒子4を400g、滑剤として平均粒径170nmのトリメチルシリル化非晶質シリカ(信越化学工業株式会社製X-24-9500)を4.8gとして、実施例1と同様に混合粒子を作製した。得られた混合粒子の体積基準の粒子径分布を測定したところ二峰性であり、それぞれのピークの粒子径は54μmと15μmであった。また混合粒子の真球度は96であった。混合粒子の嵩密度の測定を行ったところ、見掛け嵩密度は0.70、タップ嵩密度は0.85であり、これらから算出されるHausner比は1.21であり、タップ充填率は0.75と計算された。
本混合粒子1500gを用いて、株式会社アスペクト製粉末床溶融結合装置(RaFaEl ΙΙ 150C-HT)を使用し、立体造形物の製造を行った。造形中の粉敷性は良好で、粉面荒れ等は見られなかった。得られた造形物の密度は1.124であり、造形物の空隙率は0.5%であった。特性を表1に示す。
比較例4
作製した粒子2を1500gと粒子3を250g、滑剤として平均粒径170nmのトリメチルシリル化非晶質シリカ(信越化学工業株式会社製X-24-9500)を5.3gとして、実施例1と同様に混合粒子を作製した。得られた混合粒子の体積基準の粒子径分布を測定したところ二峰性であり、それぞれのピークの粒子径は54μmと23μmであった。また混合粒子の真球度は93であった。混合粒子の嵩密度の測定を行ったところ、見掛け嵩密度は0.65、タップ嵩密度は0.79であり、これらから算出されるHausner比は1.22であり、タップ充填率は0.70と計算された。
本混合粒子1500gを用いて、株式会社アスペクト製粉末床溶融結合装置(RaFaEl ΙΙ 150C-HT)を使用し、立体造形物の製造を行った。造形中の粉敷性は良好で、粉面荒れ等は見られなかった。得られた造形物の密度は1.118であり、造形物の空隙率は1.1%であった。特性を表1に示す。
比較例5
作製した粒子7を1200gと粒子6を400g、滑剤として平均粒径170nmのトリメチルシリル化非晶質シリカ(信越化学工業株式会社製X-24-9500)を4.8gとして、実施例1と同様に混合粒子を作製した。得られた混合粒子の体積基準の粒子径分布を測定したところ二峰性であり、それぞれのピークの粒子径は92μmと35μmであった。また混合粒子の真球度は92であった。混合粒子の嵩密度の測定を行ったところ、見掛け嵩密度は0.60、タップ嵩密度は0.74であり、これらから算出されるHausner比は1.23であり、タップ充填率は0.65と計算された。
本混合粒子1500gを用いて、株式会社アスペクト製粉末床溶融結合装置(RaFaEl ΙΙ 150C-HT)を使用し、立体造形物の製造を行った。造形中の粉敷性は良好で、粉面荒れ等は見られなかった。得られた造形物の密度は1.115であり、造形物の空隙率は1.3%であった。特性を表1に示す。
比較例6
作製した粒子6を1200gと粒子5を400g、滑剤として平均粒径170nmのトリメチルシリル化非晶質シリカ(信越化学工業株式会社製X-24-9500)を4.8gとして、実施例1と同様に混合粒子を作製した。得られた混合粒子の体積基準の粒子径分布を測定したところ二峰性であり、それぞれのピークの粒子径は35μmと10μmであった。また混合粒子の真球度は94であった。混合粒子の嵩密度の測定を行ったところ、見掛け嵩密度は0.55、タップ嵩密度は0.73であり、これらから算出されるHausner比は1.33であり、タップ充填率は0.65と計算された。
本混合粒子1500gを用いて、株式会社アスペクト製粉末床溶融結合装置(RaFaEl ΙΙ 150C-HT)を使用し、立体造形物の製造を行った。造形中わずかに粉面荒れが見られたが造形を妨げるほどではなかった。得られた造形物の密度は1.115であり、造形物の空隙率は1.3%であった。特性を表1に示す。
[比較例1]
作製した粒子1を1200gと粒子6を400g、滑剤として平均粒径170nmのトリメチルシリル化非晶質シリカ(信越化学工業株式会社製X-24-9500)を4.8gとして、実施例1と同様に混合粒子を作製した。得られた混合粒子の体積基準の粒子径分布を測定したところ二峰性であり、それぞれのピークの粒子径は70μmと35μmであった。また混合粒子の真球度は94であった。混合粒子の嵩密度の測定を行ったところ、見掛け嵩密度は0.54、タップ嵩密度は0.67であり、これらから算出されるHausner比は1.24であり、タップ充填率は0.59と計算された。
本混合粒子1500gを用いて、株式会社アスペクト製粉末床溶融結合装置(RaFaEl ΙΙ 150C-HT)を使用し、立体造形物の製造を行った。造形中の粉敷性は良好で、粉面荒れ等は見られなかった。得られた造形物の密度は1.110であり、造形物の空隙率は1.8%であった。特性を表1に示す。
[比較例2]
作製した粒子2を1000gと粒子4を1000g、滑剤として平均粒径170nmのトリメチルシリル化非晶質シリカ(信越化学工業株式会社製X-24-9500)を6.0gとして、実施例1と同様に混合粒子を作製した。得られた混合粒子の体積基準の粒子径分布を測定したところ二峰性であり、それぞれのピークの粒子径は54μmと15μmであった。また混合粒子の真球度は93であった。混合粒子の嵩密度の測定を行ったところ、見掛け嵩密度は0.44、タップ嵩密度は0.72であり、これらから算出されるHausner比は1.64であり、タップ充填率は0.64と計算された。
本混合粒子1500gを用いて、株式会社アスペクト製粉末床溶融結合装置(RaFaEl ΙΙ 150C-HT)を使用し、立体造形物の製造を行った。しかしながら、粉式性が悪く造形途中に粉面荒れが発生し、造形を途中で中断した。
[比較例3]
東レ株式会社性ナイロン6(CM1010)を凍結粉砕によりモード径97μmおよび40μmの2種類の粒子を作製した。それぞれ1200gと400g、滑剤として平均粒径170nmのトリメチルシリル化非晶質シリカ(信越化学工業株式会社製X-24-9500)を9.6gとして、実施例1と同様に混合粒子を作製した。得られた混合粒子の体積基準の粒子径分布を測定したところ二峰性であり、それぞれのピークの粒子径は95μmと43μmであった。また混合粒子の真球度は68であった。混合粒子の嵩密度の測定を行ったところ、見掛け嵩密度は0.54、タップ嵩密度は0.67であり、これらから算出されるHausner比は1.47であり、タップ充填率は0.50と計算された。
本混合粒子1500gを用いて、株式会社アスペクト製粉末床溶融結合装置(RaFaEl ΙΙ 150C-HT)を使用し、立体造形物の製造を行った。造形中粉面荒れが確認された。得られた造形物の密度は1.093であり、造形物の空隙率は3.3%であった。特性を表1に示す。
Figure 0007613153000005
Figure 0007613153000006

Claims (10)

  1. D50粒子径が10μm以上100μm以下の真球形状の熱可塑性樹脂粒子であって、体積基準の粒子径分布が二峰性であり、体積基準の粒子径分布のうち粒子径が大きい方のピークのモード径をS1、小さい方のピークのモード径をS2としたときに、S2/S1が0.10以上0.45以下であって、熱可塑性樹脂粒子のタップ密度を、熱可塑性樹脂粒子を構成する樹脂の真密度で除した値であるタップ充填率が0.72以上0.9以下であることを特徴とする、熱可塑性樹脂粒子。
  2. 体積基準の粒子径分布のうち粒子径が大きい方のピークのモード径S1が40μm以上120μm以下、かつ小さい方のピークのモード径S2が5μm以上40μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂粒子。
  3. タップ嵩密度を見掛け嵩密度で除した値であるHausner比が1以上1.5以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂粒子。
  4. D10粒子径が1μm以上30μm以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂粒子。
  5. D90粒子径が50μm以上120μm以下であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂粒子。
  6. 熱可塑性樹脂粒子を構成する樹脂がポリアミドであることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂粒子。
  7. 真球度が94以上であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂粒子。
  8. 熱可塑性樹脂粒子を構成する樹脂がポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド1212、ポリアミド46、ポリアミド6T、およびポリアミド6Iから選ばれる少なくとも1種またはこれらの共重合体であることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂粒子。
  9. 粉末床溶融結合方式によって3次元造形物を製造するための熱可塑性樹脂粒子であることを特徴とする、請求項1からのいずれかに記載の熱可塑性樹脂粒子。
  10. 請求項1からのいずれか記載の熱可塑性樹脂粒子を用いて、粉末床溶融結合方式によって3次元造形物を製造する方法。
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