以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。各図において同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
また、各図においてX、Y、Zは、互いに直交する3つの空間軸を表している。本明細書では、これらの軸に沿った方向をX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向とする。向きを特定する場合には、正の方向を「+」、負の方向を「-」として、方向表記に正負の符合を併用し、各図の矢印が向かう向きを+方向、矢印の反対方向を-方向として説明する。またZ軸方向は、重力方向を示し、+Z方向は鉛直下向き、-Z方向は鉛直上向きを示す。また、X軸,Y軸を含む平面をX-Y面、X軸,Z軸を含む平面をX-Z面、Y軸,Z軸を含む平面をY-Z面として説明する。また、X-Y面は水平面となる。さらに、正方向及び負方向を限定しない3つのX、Y、Zの空間軸については、X軸、Y軸、Z軸として説明する。
1.実施形態1
実施形態1に係る成形体製造装置500の構成について説明する。成形体製造装置500は、例えば、原料としての使用済みの古紙を乾式で解繊して繊維化した後、加圧、加熱、切断することによって、新しい紙を製造するのに好適な装置である。繊維化された原料に、さまざまな添加物を混合することによって、用途に合わせて、紙製品の結合強度や白色度を向上したり、色、香り、難燃などの機能を付加したりしてもよい。また、紙の密度や厚さ、形状をコントロールして成形することで、A4やA3のオフィス用紙、名刺用紙など、用途に合わせて、さまざまな厚さ・サイズの紙や、液体吸収などに使用する成形体を製造することができる。
図1に示すように、成形体製造装置500は、原料供給部10と、粗砕部12と、解繊部20と、選別部40と、第1ウェブ形成部45と、回転体49と、搬送部50と、篩部60と、第2ウェブ形成部70と、第1供給部100と、第2供給部200と、第3供給部300と、第4供給部400と、移送部79と、成形体形成部80と、切断部90と、受け部96と、を備える。
成形体製造装置500が備える原料供給部10、粗砕部12、解繊部20、選別部40、第1ウェブ形成部45、回転体49、搬送部50、篩部60、第2ウェブ形成部70、第1供給部100、第2供給部200、第3供給部300、および第4供給部400は、ウェブ形成装置1を構成する。換言すると、成形体製造装置500は、ウェブ形成装置1と、移送部79と、成形体形成部80と、切断部90と、受け部96と、を備える。
さらに、成形体製造装置500は、例えば、原料に対する加湿、および原料が移動する空間を加湿する目的で、加湿部31,32,33,34,35,36を含む。加湿部31,32,33,34,35,36は、加湿により、静電気による原料の付着等を抑制する。加湿部31,32,33,34は、例えば、気化式または温風気化式の加湿器で構成される。加湿部35,36は、例えば、超音波式加湿器で構成される。
さらに、成形体製造装置500は、制御部450をさらに備える。制御部450は、原料供給部10、粗砕部12、解繊部20、選別部40、第1ウェブ形成部45、回転体49、搬送部50、篩部60、第2ウェブ形成部70、第1供給部100、第2供給部200、第3供給部300、第4供給部400、移送部79、成形体形成部80、切断部90、受け部96、および加湿部31,32,33,34,35,36の駆動を制御する。
原料供給部10は、粗砕部12に原料を供給する。粗砕部12に供給される原料は、繊維を含むものであればよく、例えば、紙、パルプ、パルプシート、不織布、布、あるいは織物等が挙げられる。以下では、成形体製造装置500が古紙を原料とする構成を例示する。原料供給部10は、例えば、古紙を重ねて蓄積するスタッカーと、スタッカーから古紙を粗砕部12に送り出す自動投入装置と、を有する。
粗砕部12は、原料供給部10によって供給された原料を粗砕刃14によって裁断して、粗砕片にする。粗砕刃14は、大気中等の気中で原料を裁断する。粗砕部12は、例えば、原料を挟んで裁断する一対の粗砕刃14と、粗砕刃14を回転させる駆動部と、を有し、いわゆるシュレッダーと同様の構成とすることができる。粗砕片の形状や大きさは、任意であり、解繊部20における解繊処理に適していればよい。粗砕部12は、原料を、例えば1cm~数cm四方またはそれ以下のサイズの紙片に裁断する。粗砕部12によって裁断された粗砕片は、シュート9を介して管2を通り、解繊部20に搬送される。
解繊部20は、粗砕部12で裁断された粗砕片を解繊する。より具体的には、解繊部20は、粗砕部12によって裁断された原料を解繊処理し、解繊物を生成する。ここで、「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる原料を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20は、原料に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる機能を有する。
解繊部20を通過したものを解繊物という。解繊物には、解きほぐされた解繊物繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した樹脂粒、すなわち複数の繊維同士を結着させるための樹脂粒や、インク、トナーなどの色材や、にじみ防止剤、紙力増強剤等の添加剤を含んでいる場合もある。解きほぐされた解繊物の形状は、ひも状や平ひも状である。解きほぐされた解繊物は、他の解きほぐされた繊維と絡み合っていない状態、すなわち独立した状態で存在してもよいし、他の解きほぐされた解繊物と絡み合って塊状となった状態、すなわちダマを形成している状態で存在してもよい。
解繊部20は、乾式で解繊を行う。ここで、液体中ではなく、大気中等の気中において、解繊等の処理を行うことを乾式と称する。解繊部20は、例えば、インペラーミルを用いて構成されている。具体的には、解繊部20は、図示しないが、高速回転するローターと、ローターの外周に位置するライナーと、を有している。粗砕部12で裁断された粗砕片は、解繊部20のローターとライナーとの間に挟まれて解繊される。
解繊部20は、ローターの回転により気流を発生させる。この気流により、解繊部20は、原料である粗砕片を管2から導入口22を介して吸引し、解繊物を排出口24へと搬送できる。解繊物は、排出口24から管3に送り出され、管3を介して選別部40に搬送される。図示の例では、成形体製造装置500は、気流発生装置である解繊ブロアー26を備え、解繊ブロアー26が発生する気流により解繊物が選別部40に搬送される。
選別部40には、管3から解繊部20により解繊された解繊物が気流とともに流入する導入口42が設けられている。選別部40は、導入口42から導入された解繊物を、繊維の長さによって選別する。詳細には、選別部40は、解繊部20により解繊された解繊物のうち、予め定められたサイズ以下の解繊物を第1選別物とし、第1選別物より大きい解繊物を第2選別物として、選別する。第1選別物は、繊維または粒子等を含み、第2選別物は、例えば、大きい繊維、未解繊片、十分に解繊されていない粗砕片、解繊された繊維が凝集し、あるいは絡まったダマ等を含む。選別部40は、例えば、ドラム部41と、ドラム部41を収容するハウジング部43と、を有する。
ドラム部41は、モーターによって回転駆動される円筒の篩である。ドラム部41は、網を有し、篩として機能する。この網の目により、ドラム部41は、解繊物を、網の目開きの大きさより小さい第1選別物と、網の目開きより大きい第2選別物と、に選別する。
導入口42から導入された解繊物は、気流とともにドラム部41の内部に送り込まれ、ドラム部41の回転によって第1選別物がドラム部41の網の目から下方に落下する。ドラム部41の網の目を通過できない第2選別物は、導入口42からドラム部41に流入する気流により流されて排出口44に導かれ、管8に送り出される。管8は、ドラム部41の内部と管2とを連結する。管8を通って流される第2選別物は、解繊部20に戻されて、解繊処理される。
ドラム部41により選別される第1選別物は、ドラム部41の網の目を通って空気中に分散し、ドラム部41の下方に位置する第1ウェブ形成部45のメッシュベルト46に向けて降下する。
第1ウェブ形成部45は、メッシュベルト46と、ローラー47と、吸引部48と、を有している。メッシュベルト46は、無端形状のベルトであって、3つのローラー47に懸架され、ローラー47の動きにより、図中矢印で示す方向に搬送される。メッシュベルト46の表面は、所定サイズの開口が並ぶ網で構成される。選別部40から降下する第1選別物のうち、網の目を通過するサイズの微粒子は、メッシュベルト46の下方に落下し、網の目を通過できないサイズの繊維がメッシュベルト46に堆積し、第1ウェブW1が形成される。メッシュベルト46に形成された第1ウェブW1は、メッシュベルト46とともに矢印方向に搬送される。メッシュベルト46から落下する微粒子は、解繊物の中で比較的小さいものや密度の低いもの、すなわち、繊維と繊維との結着に不要な樹脂粒や色材や添加剤などを含み、成形体製造装置500がシートSの製造に使用しない除去物である。
メッシュベルト46は、シートSを製造する通常動作中には、一定の速度V1で移動する。ここで、通常動作中とは、成形体製造装置500の始動制御、および停止制御の実行中を除く動作中であり、より詳細には、成形体製造装置500が望ましい品質のシートSを製造している間を指す。
吸引部48は、メッシュベルト46の下方から空気を吸引する。吸引部48は、管23を介して集塵部27に連結される。集塵部27は、フィルター式あるいはサイクロン式の集塵装置であり、微粒子を気流から分離する。集塵部27の下流には捕集ブロアー28が設置され、捕集ブロアー28は、集塵部27から空気を吸引する集塵用吸引機構として機能する。また、捕集ブロアー28が排出する空気は、管29を経て成形体製造装置500の外に排出される。
メッシュベルト46の搬送経路において、選別部40の下流側には、加湿部35によって、ミストを含む空気が供給される。加湿部35が生成する水の微粒子であるミストは、第1ウェブW1に向けて降下し、第1ウェブW1に水分を供給する。これにより、第1ウェブW1が含む水分量が調整され、静電気によるメッシュベルト46への繊維の吸着等を抑制できる。
成形体製造装置500は、メッシュベルト46に堆積した第1ウェブW1を分断する回転体49を有している。第1ウェブW1は、メッシュベルト46がローラー47により折り返す位置で、メッシュベルト46から剥離して、回転体49により分断される。
回転体49は、板状の羽根を有し回転する回転羽形状を有している。回転体49は、メッシュベルト46から剥離する第1ウェブW1と羽根とが接触する位置に配置される。回転体49の回転、例えば図中矢印Rで示す方向への回転により、メッシュベルト46から剥離して搬送される第1ウェブW1が羽根に衝突して分断され、細分体Pが生成される。細分体Pは、後述する第2ウェブW2、シートSを形成する際の主原料である繊維の一例である。回転体49によって分断された細分体Pは、管7の内部を下降して、管7の内部を流れる気流によって搬送部50へ搬送される。
搬送部50は、樹脂を含む添加物を供給する添加物供給部52と、管7に連通し、細分体Pを含む気流が流れる搬送管54と、搬送管54に設けられる混合ブロアー53と、を有している。搬送管54は搬送路の一例である。また、図1、図2に示すように、搬送部50は、搬送管54の搬送方向下流側と連通し、X軸方向に延びる搬送管55と、搬送管55の+X方向側と連通し、+Z方向に延びる搬送管56と、搬送管56に設けられる第2供給部200と、搬送管56において第2供給部200の下流側となる+Z方向側に設けられるブロアー57と、を有している。また、搬送部50は、搬送管55の-X方向側と連通し、+Z方向に延びる搬送管58と、搬送管58に設けられる第2供給部200と、搬送管58において第2供給部200の下流側となる+Z方向側に設けられるブロアー59と、を有している。搬送管55,56,58は搬送路の一例である。なお、図2では、搬送管56,58の一部と、篩部60のハウジング61内を断面で示している。
搬送部50は、搬送管54中において、混合ブロアー53によって気流を発生させ、細分体Pと樹脂を含む添加物とを、混合させながら篩部60に向かって搬送する。
添加物供給部52は、添加物を蓄積する図示しない添加物カートリッジに接続され、添加物カートリッジ内部の添加物を搬送管54に供給する。添加物供給部52は、添加物カートリッジからの添加物を貯留する。添加物供給部52は、貯留した添加物を搬送管54に送る排出部52aを有している。
添加物供給部52が供給する添加物は、複数の繊維を結着させるための結合剤としての樹脂を含む。添加物に含まれる樹脂は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂であり、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、などである。これらの樹脂は、単独又は適宜混合して用いてもよい。すなわち、添加物は、単一の物質を含んでもよいし、混合物であってもよく、それぞれ単一または複数の物質で構成される、複数種類の粒子を含んでもよい。また、添加物は、繊維状であってもよく、粉末状であってもよい。
添加物に含まれる樹脂は、加熱により溶融して複数の繊維同士を結着させる。したがって、樹脂を繊維と混合させた状態で、樹脂が溶融する温度まで加熱されていない状態では、繊維同士は結着されない。
混合ブロアー53が発生する気流により、管7を降下する細分体P、および添加物は、搬送管54の内部に吸引され、混合ブロアー53内部、搬送管55を通過し、篩部60に向かって搬送される。混合ブロアー53が発生する気流、および混合ブロアー53が有する羽根等の回転部の作用により、細分体Pと添加物とが混合され、この混合物、すなわち細分体Pと添加物との混合物は、搬送管56,58中において、必要に応じて第2供給部200から供給される粉体と共に、搬送管56,58を通過し、篩部60における後述するドラム部62の収容室66に向かって搬送される。
図2、図3に示すように、本実施形態では、第2供給部200は、搬送管56,58中に粉体を供給可能に二つ設けられる。第2供給部200が供給する粉体は、粉末状の機能性材料を含む。機能性材料については後述する。第2供給部200は、収容体201と、貯留室202と、接続管路204と、を備える。
粉体を収容する収容体201は、貯留室202の-Z方向に装着される。貯留室202は収容体201からの粉体を貯留する。貯留室202には、送り機構203が設けられており、貯留室202内の粉体を、攪拌しながら、接続管路204を介して搬送管56,58中に供給する。
接続管路204は、貯留室202の+Z方向側に設けられ、貯留室202と、搬送管56,58における貯留室202より+Z方向側となる位置と、を接続する。また、二つの第2供給部200が設けられる搬送管56,58は、篩部60に向かって+Z方向に延びている。このため、第2供給部200から搬送管56,58中に供給される粉体は、搬送管56,58中を、落下しやすい。これにより、ブロアー57,59の吸引力は、混合ブロアー53の吸引力と比較して小さくてもよい。また、これにより、例えば、第2供給部200が設けられる搬送管56,58がX軸方向に延びる場合と比較して、粉体が搬送管56,58の内面に接触することによる粉体の変質や、搬送管56,58の内面の損傷の程度を低減できる。
図2から図4に示すように、篩部60は、ドラム部62と、ドラム部62を収容するハウジング61と、を有している。ドラム部62は、円筒形状の収容室66を有する。収容室66は、搬送管56と連通する導入口63、搬送管58と連通する導入口64から導入される細分体P、添加物、および第2供給部200から供給される粉体を収容可能である。また、収容室66は、後述する第1供給部100から供給される粉体を収容可能である。ドラム部62は、モーターによって回転駆動される円筒形状の篩である。ドラム部62は、円筒形状の中心軸がX軸に沿うように、ハウジング61に保持される。ドラム部62は、円筒形状の中心軸を回転中心として回転可能に、ハウジング61に保持される。この場合、ドラム部62は、ハウジング61に設けられる導入口63,64によって、回転可能に保持されてもよい。
ドラム部62は、網65を有し、篩として機能する。網65は、収容室66を画定する周面の一例である。この網65の網目67により、ドラム部62は、網の目開きのより小さい繊維や粒子を通過させ、ドラム部62から+Z方向に落下させる。網目67は貫通孔の一例である。ドラム部62の構成は、例えば、ドラム部41の構成と同じである。ドラム部62の網65としては、例えば、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で貫通孔を形成したパンチングメタルを用いることができる。
搬送部50を通過した細分体Pと添加物との混合物、および第2供給部200から供給される粉体が、図2に白抜きの矢印で示すように、導入口63,64から収容室66に導入されると、篩部60は、絡み合った混合物をほぐして、空気中で分散させながら降らせる。さらに、篩部60は、添加物供給部52から供給される添加物の樹脂が繊維状である場合、絡み合った樹脂をほぐす。また、篩部60には、後述する第1供給部100の排出部108から供給される粉体が、網65の網目67を介して、収容室66に導入される。これにより、篩部60は、第2ウェブ形成部70のメッシュベルト72に、細分体P、添加物、第2供給部200から供給される粉体、および第1供給部100から供給される粉体の混合物を篩い、均一性よく堆積させることができる。
第1供給部100は、ドラム部62の収容室66に粉体を供給可能に設けられる。第1供給部100は、供給部の一例である。第1供給部100が供給する粉体は、粉末状の機能性材料を含む。なお、第1供給部100が供給する粉体は、第2供給部200が供給する粉体と同じであってもよいし、異なっていてもよい。機能性材料については後述する。
図2から図4に示すように、第1供給部100は、収容体101と、供給機構102と、を備える。供給機構102は、収容体101を保持する収容体保持部105と、貯留室106と、排出部108と、ローラー109と、ドクターブレード111と、掻き落としブレード113と、クリーニングブレード116と、投入ブレード114と、を有する。
収容体101は、第1供給部100がドラム部62の収容室66に供給する粉体を収容する。収容体101が収容体保持部105に保持された状態において、収容体101が収容する粉体は、貯留室106の上方となる-Z方向側に位置する。また、収容体101が収容体保持部105に保持された状態において、収容体101の+Z方向側の面である底面には、収容する粉体を導出する導出口103が設けられる。また、収容体101は、収容する粉体を攪拌可能な攪拌機構104を備える。
収容体保持部105の下方となる+Z方向側には、貯留室106が設けられる。貯留室106は、図4に破線の矢印で示すように、収容体101の導出口103から導出される粉体を貯留する。貯留室106を画定する-Z方向側の面である上面には、導出口103から導出される粉体が貯留室106内に導入される導入口107が設けられる。貯留室106は、貯留する粉体を攪拌可能な攪拌機構112を備える。
貯留室106を画定する+Z方向側の面である下面には、貯留室106が貯留する粉体を、下方となる+Z方向に排出可能な排出部108が設けられる。本実施形態の排出部108は、貯留室106の下面に設けられる貫通穴と、ローラー109とにより形成される。排出部108の貫通穴は、貯留室106とハウジング61との間を連通させる。排出部108の貫通穴は、貯留室106とドラム部62の網65に対して鉛直上方となる-Z方向側に設けられる。また、排出部108の貫通穴のX軸方向における開口寸法は、第2ウェブW2のX軸方向の寸法と同じかそれより長く設定されていることが好ましい。
排出部108のローラー109は、モーターによって回転駆動される円筒形状のローラーである。ローラー109は、回転軸110がX軸に沿うように、設けられる。ローラー109は、外周面115を有する。外周面115のX軸方向における寸法は、第2ウェブW2のX軸方向の寸法と同じかそれより長く設定されていることが好ましい。ローラー109は、Y軸方向において、排出部108の貫通穴の中央より-Y方向寄りとなる位置に設けられる。その結果、排出部108には、ローラー109の外周面115の+Y方向側に隙間が形成される。この隙間のX軸方向における寸法は、排出部108の貫通穴のX軸方向の寸法と同じである。
ローラー109は、図4に白抜きの矢印で示す方向に回転することで、外周面115が、貯留室106内の粉体と接触する位置と、Z軸方向において、排出部108の貫通穴とドラム部62の網65との間となる位置と、の間を移動する位置に設けられる。これにより、ローラー109は、回転軸110中心に、図4に白抜きの矢印で示す向きに回転することで、外周面115に付着する貯留室106内の粉体を、外周面115の+Y方向側に形成される前述の隙間を介して、ドラム部62の網65に向けて移動させることが可能となる。
ドクターブレード111は、貯留室106に設けられる。掻き落としブレード113と、クリーニングブレード116と、投入ブレード114と、は、ハウジング61内に設けられる。掻き落としブレード113は、Z軸方向において、ローラー109とドラム部62の網65との間に設けられる。
掻き落としブレード113は、ドラム部62の網65に対して鉛直上方となる-Z方向側に設けられる。掻き落としブレード113は、外周面115に付着する粉体を掻き落とす。掻き落としブレード113のX軸方向における寸法は、ローラー109の外周面115のX軸方向の寸法と同じかそれより長く設定されていることが好ましい。
クリーニングブレード116は、ローラー109の回転する方向において、掻き落としブレード113の後方となる位置に設けられる。クリーニングブレード116は、ローラー109の外周面115に接触することで、外周面115を清掃する。クリーニングブレード116のX軸方向における寸法は、ローラー109の外周面115のX軸方向の寸法と同じかそれより長く設定されていることが好ましい。
投入ブレード114は、Z軸方向において、ドラム部62の回転中心に対して、上方となる-Z方向側に設けられる。また、投入ブレード114は、図4に白抜きの矢印で示すドラム部62の回転方向において、掻き落としブレード113の後方となる位置に設けられる。投入ブレード114は、ドラム部62の網65に接触することで、網65に付着した粉体を、網目67を介して収容室66に投入する。投入ブレード114のX軸方向における寸法は、ドラム部62の網65のX軸方向の寸法と同じかそれより長く設定されていることが好ましい。
ドクターブレード111は、+Z方向側の端部である接触端部と、ローラー109の外周面115と、の間の間隔が所定の寸法となるように設けられる。これにより、ドクターブレード111は、回転するローラー109の外周面115に余分に付着する粉体に接触することで、外周面115に付着する粉体の量を規制する。外周面115に付着する粉体の量は、ドクターブレード111の接触端部の位置を変更することで調整可能である。このため、ドクターブレード111は、接触端部の位置を、ローラー109の外周面115に対して調整可能に設けられてもよい。
ローラー109の外周面115に付着した粉体は、ドクターブレード111によって外周面115に付着する量を調整された後、ローラー109が回転することで、上述の隙間を通過する。そして、ローラー109の外周面115に付着する粉体は、粉体に作用する重力によって鉛直下方となる+Z方向に落下するか、ローラー109の+Z方向側に設けられる掻き落としブレード113によって外周面115から掻き落とされることで、ドラム部62の網65に向けて降下する。
ドラム部62の網65に向けて降下した粉体は、網65の網目67を通過し、図4に破線の矢印で示すように、収容室66に進入するか、ドラム部62の網65に付着する。ドラム部62の網65に付着した粉体は、ドラム部62が図4に白抜きの矢印で示す向きに回転することで、投入ブレード114に接触し、網目67を介して、図4に破線の矢印で示すように、収容室66に進入する。
換言すると、第1供給部100は、貯留室106内の粉体を、排出部108から落下させることで、ドラム部62における網65の網目67を介して収容室66に供給する。この場合、搬送部50を経由して粉体を収容室66に搬送する場合と異なり、落下によって収容室66に粉体を供給することができるため、搬送管54,55,56,58の内面の損傷を低減できる。さらに、搬送管56,58内では、粉体は、ブロアー57,59が発生する気流によって搬送されるため、粉体どうしが接触することによる摩擦が起こりやすい。これに対して、第1供給部100は、粉体を落下させることで収容室66に供給するので、粉体どうしの摩擦が起こり難く、収容室66に供給される粉体が変質することを抑制できる。
また、貯留室106内の粉体をドラム部62の網65を介さずに収容室66に供給する場合と比較して、第1供給部100は、排出部108から落下してから、ドラム部62の網65に接触することなく、収容室66内を落下し、網65の内面に到達する粉体を少なくしやすい。これによれば、第1供給部100から供給される粉体が、収容室66の内面に接触することで、収容室66の内面を損傷する程度を低減することができる。
また、ドラム部62における網65の網目67を介して収容室66に供給された粉体は、実線の矢印で示すように、網65の網目67を通過し、+Z方向に位置するメッシュベルト72に向かって落下する。換言すると、第1供給部100は、貯留室106内の粉体を、排出部108から落下させることで、ドラム部62における網65の網目67を2回通過させて、篩うことができる。なお、掻き落としブレード113を通過した外周面115は、クリーニングブレード116によって清掃される。
図1から図3に示すように、ドラム部62の下方となる+Z方向側には第2ウェブ形成部70が配置される。第2ウェブ形成部70は、ウェブ形成部の一例である。第2ウェブ形成部70は、篩部60を通過した細分体P、添加物、第2供給部200から供給される粉体、および第1供給部100から供給される粉体の混合物を、メッシュベルト72に堆積させて、第2ウェブW2を形成する。第2ウェブW2はウェブの一例である。このため、ドラム部62における網65のX軸方向の寸法は、第2ウェブW2のX軸方向の寸法と同じかそれより長く設定されていることが好ましい。第2ウェブ形成部70は、メッシュベルト72と、ローラー74と、サクション機構76と、を有している。
メッシュベルト72は、無端形状のベルトであって、複数のローラー74に懸架され、ローラー74の動きにより、図1に実線の矢印で示す方向に搬送される。メッシュベルト72は、例えば、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等である。メッシュベルト72の表面は、所定サイズの開口が並ぶ網で構成されている。
図2から図4に実線の矢印で示すように、ドラム部62から落下する上述の混合物のうち、網の目を通過するサイズの微粒子は、メッシュベルト72の下方となる+Z方向側に落下し、網の目を通過できないサイズの細分体P、添加物、第2供給部200から供給される粉体、および第1供給部100から供給される粉体の混合物がメッシュベルト72に堆積し、メッシュベルト72とともに、図1に実線の矢印で示す方向に搬送される。メッシュベルト72は、シートSを製造する通常動作中には、一定の速度V2で移動する。
メッシュベルト72の網の目は、微細であり、ドラム部62から落下する上述の混合物の大半を通過させないサイズとすることができる。
図1に示すように、サクション機構76は、メッシュベルト72の下方となる+Z方向側に設けられる。サクション機構76は、吸引流路78にサクションブロアー77を備え、サクションブロアー77の吸引力によって、サクション機構76に下方となる+Z方向に向かう気流を発生させることができる。
サクション機構76は、篩部60により空気中に分散された混合物をメッシュベルト72上に吸引する。これにより、メッシュベルト72上における第2ウェブW2の形成を促進し、篩部60からの排出速度を大きくすることができる。さらに、サクション機構76によって、混合物の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に細分体Pや繊維状の添加物が絡み合うことを防ぐことができる。
以上のように、篩部60および第2ウェブ形成部70を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態の第2ウェブW2が形成される。メッシュベルト72に堆積された第2ウェブW2は、成形体形成部80に向けて搬送される。
図1、図3に示すように、メッシュベルト72の搬送経路において、篩部60の+Y方向側となる搬送方向下流側には、第3供給部300が設けられる。第3供給部300は、収容体301と、貯留室302と、篩室304と、供給室307と、を備える。第3供給部300は、第2ウェブW2の-Z方向側の表面に、粉体を供給する。
第3供給部300が供給する粉体は、粉末状の機能性材料を含む。なお、第3供給部300が供給する粉体は、第2供給部200、および第1供給部100のうちいずれかが供給する粉体と同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、第1供給部100が供給する粉体と、第2供給部200が供給する粉体と、第3供給部300が供給する粉体と、が互いに異なっていてもよい。機能性材料については後述する。
粉体を収容する収容体301は、貯留室302の-Z方向側に装着される。貯留室302は収容体301からの粉体を貯留する。貯留室302は、篩室304の-Z方向側に設けられる。貯留室302には、攪拌機構303が設けられており、貯留室302内の粉体を、攪拌しながら、篩室304に設けられる篩305に供給する。
篩室304は、供給室307の-Z方向側に設けられる。篩室304には、貯留室302から供給される粉体を篩う篩305が設けられる。篩305は、篩部60のドラム部62と同じ構造である。よって、第3供給部300は、貯留室302内の粉体を、篩305の鉛直上方となる-Z方向から落下させることで、篩305の網の網目を2回通過させて、篩うことができる。篩305の鉛直下方となる+Z方向側には、篩室304と供給室307とを連通する連通口306が設けられる。
供給室307は、篩室304の+Z方向側に設けられる。篩305に供給された粉体は、篩305に篩われながら、連通口306を介して、連通口306の下方となる+Z方向側に搬送される第2ウェブW2の-Z方向側の表面に、落下する。換言すると、第3供給部300は、貯留室302内の粉体を、連通口306から落下させることで、第2ウェブW2の-Z方向側の表面に供給する。
メッシュベルト72の搬送経路において、第3供給部300の+Y方向側となる搬送方向下流側には、第4供給部400が設けられる。第4供給部400は、第2ウェブW2に液体を付与する。第4供給部400は、液体付与部の一例である。第4供給部400が第2ウェブW2に付与する液体については、後述する。第4供給部400は、収容体401と、貯留室402と、ノズル405と、供給室408と、を備える。
液体を収容する収容体401は、貯留室402の-Z方向側に装着される。貯留室402は収容体401から供給される液体を貯留する。貯留室402には、攪拌機構403が設けられており、貯留室402内の液体を、攪拌する。
ノズル405は、ノズル口と連通する内部混合室を有し、内部混合室に空気流路406を介して供給される加圧空気の流れを利用して、内部混合室と供給チューブ404によって接続される貯留室402内の液体を微粒化し、微粒化された液体と空気との混合流体をノズル口から噴射する。本実施形態のノズル405は、所謂、内部混合室を有する二流体ノズルである。
空気流路406には、加圧した空気を内部混合室に供給する加圧ポンプ407が設けられる。ノズル405は、第2ウェブW2の幅方向となるX軸方向に間隔を置いて複数のノズル口を有する。これにより、第4供給部400は、第2ウェブW2の幅方向にわたって、微粒化された液体を付与する。また、第4供給部400は、ノズル405をX軸方向に移動させるノズル移動機構を備えてもよい。また、第4供給部400は、ノズル405に、Y軸方向に間隔を置いて複数のノズル口を有してもよい。
ノズル405のノズル口は、供給室408内において、+Z方向に開口するように設けられる。第4供給部400は、加圧ポンプ407を駆動することで、供給室408内に搬送される第2ウェブW2の-Z方向側の表面に向けて、微粒化された液体と空気との混合流体をノズル口から噴射する。
図1に示すように、メッシュベルト72の搬送経路において、第4供給部400の+Y方向側となる搬送方向下流側には、加湿部36が設けられている。加湿部36は、ミストを含む空気を第2ウェブW2に供給可能である。加湿部36が生成するミストが第2ウェブW2に供給されることで、第2ウェブW2が含む水分量が調整される。これにより、静電気によるメッシュベルト72への繊維の吸着等を抑制できる。
成形体製造装置500は、メッシュベルト72上の第2ウェブW2を、成形体形成部80に搬送する移送部79を有している。移送部79は、例えば、メッシュベルト79aと、ローラー79bと、サクション機構79cと、を有している。
サクション機構79cは、図示しない吸引ポンプを備え、吸引ポンプの吸引力によってメッシュベルト79aに上向きの気流を発生させる。この気流は、第2ウェブW2を吸引し、第2ウェブW2は、メッシュベルト72から離れてメッシュベルト79aに吸着される。メッシュベルト79aは、ローラー79bの自転により移動し、第2ウェブW2を成形体形成部80に搬送する。
このように、移送部79は、メッシュベルト72に形成された第2ウェブW2を、メッシュベルト72から剥がして搬送する。
成形体形成部80は、第2ウェブ形成部70で形成された堆積物からシートSを形成する。より具体的には、成形体形成部80は、メッシュベルト72に堆積され、移送部79により搬送された第2ウェブW2を、加圧および加熱してシートSを成形する。成形体形成部80では、第2ウェブW2が含む細分体P、繊維を結着させるための結合剤に対して熱を加えることにより、混合物中の複数の繊維を、互いに樹脂を介して結着させる。
成形体形成部80は、第2ウェブW2を加圧する加圧部82と、加圧部82により加圧された第2ウェブW2を加熱する加熱部84と、を有している。
加圧部82は、一対のカレンダーローラー85で構成され、第2ウェブW2を所定のニップ圧で挟んで加圧する。第2ウェブW2は、加圧されることによりその厚さが小さくなり、第2ウェブW2の密度が高められる。一対のカレンダーローラー85の一方は、図示しないモーターにより駆動される駆動ローラーであり、他方は従動ローラーである。カレンダーローラー85は、モーターの駆動力により回転して、加圧により高密度になった第2ウェブW2を、加熱部84に向けて搬送する。
加熱部84は、例えば、加熱ローラー、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロアー、赤外線加熱器、フラッシュ定着器などによって構成されている。図示の例では、加熱部84は、一対の加熱ローラー86を備える。加熱ローラー86は、内部または外部に設置されるヒーターによって、予め設定された温度に加温される。加熱ローラー86は、カレンダーローラー85によって加圧された第2ウェブW2を挟んで熱を与え、シートSを形成する。
一対の加熱ローラー86の一方は、図示しないモーターにより駆動される駆動ローラーであり、他方は従動ローラーである。加熱ローラー86は、モーターの駆動力により回転して、加熱したシートSを、切断部90に向けて搬送する。
このように、第2ウェブ形成部70で形成された第2ウェブW2は、成形体形成部80で加圧および加熱されて、シートSとなる。シートSは、繊維を含む成形体の一例である。
切断部90は、成形体形成部80によって成形されたシートSを切断する。切断部90は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断する第1切断部92と、第1切断部92を通過したシートSを切断する第2切断部94と、を有する。第2切断部94は、例えば、シートSをシートSの搬送方向と交差する方向および平行な方向に切断可能に設けられる。
以上により、所定のサイズの単票のシートSが成形される。切断された単票のシートSは、受け部96へと排出される。受け部96は、所定サイズのシートSを載せるトレイあるいはスタッカーを有している。
次に、第1供給部100、第2供給部200、および第3供給部300が供給する粉体が含む機能性材料について説明する。
機能性材料は、植物の栽培に利用する材料であってもよい。具体的には、機能性材料として、肥料および土質改良材を用いることができる。肥料としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム等の窒素肥料が挙げられる。また、過リン酸石灰、重過リン酸石灰、熔成リン肥等のリン酸肥料の粒子を用いてもよい。また、塩化カリウム、硝酸カリウム等のカリ肥料の粒子を用いてもよい。また、機能性材料は、これらの肥料のうち複数種類を混合した混合肥料であってもよい。土質改良材は、例えばPH調整剤であり、具体的には、例えば、有機石灰、草木灰、生石灰、消石灰等を採用できる。この場合、前述の機能性材料を含む粉体をドラム部62の収容室66や第2ウェブW2に供給することで、シートSに、植物の栽培に利用可能な機能を付与することができる。
機能性材料は、害虫忌避剤や殺虫剤として利用する材料であってもよい。忌避剤や殺虫剤としては、樟脳、ナフタレン等の化学的に合成された公知の薬剤のほか、クスノキの木粉やヒノキの木粉等の天然材料が挙げられる。これらの忌避剤や殺虫剤は、混合して用いることも可能である。この場合、前述の機能性材料を含む粉体をドラム部62の収容室66や第2ウェブW2に供給することで、シートSに、防虫シートとしての機能を付与することができる。
機能性材料は、消臭剤、臭気吸着材、臭気分解材等の消臭機能材料であってもよい。臭気吸着材としては、例えば、活性炭や多孔質セラミックスの粒子が挙げられる。臭気分解材としては、例えば、酸化チタンが挙げられる。これらの消臭剤や臭気吸着材は、混合して用いることも可能である。この場合、前述の機能性材料を含む粉体をドラム部62の収容室66や第2ウェブW2に供給することで、シートSに、消臭用シートや抗菌シートとしての機能を付与することができる。
機能性材料は、吸湿材料であってもよい。吸湿材料としては、例えば、シリカゲル等の乾燥剤の粒子が挙げられる。また、複数種類の吸湿材料を混合して用いることも可能である。この場合、前述の機能性材料を含む粉体をドラム部62の収容室66や第2ウェブW2に供給することで、シートSに、除湿シートとしての機能を付与することができる。
機能性材料は、保温性や発熱性を発揮する材料であってもよい。この種の機能性材料としては、例えば、カプサイシンを含む粉末や粒子が挙げられる。この粒子には、副材料として、ブラックシリカの粒子を混合してもよい。また、複数種類の機能性材料を混合して用いることも可能である。この場合、前述の機能性材料を含む粉体をドラム部62の収容室66や第2ウェブW2に供給することで、シートSに、保温発熱シートとしての機能を付与することができる。
機能性材料は、含水性を有する材料であってもよい。この種の機能性材料としては、例えば、吸水性ポリマーの粒子が挙げられる。また、複数種類の機能性材料を混合して用いることも可能である。この場合、前述の機能性材料を含む粉体をドラム部62の収容室66や第2ウェブW2に供給することで、シートSに、保湿シートや除湿シートとしての機能を付与することができる。
機能性材料は、芳香性を有する材料であってもよい。この種の機能性材料としては、公知の香料のほか、ヒノキ粉末などの天然材料が挙げられる。また、複数種類の芳香性材料を混合して用いることも可能である。この場合、前述の機能性材料を含む粉体をドラム部62の収容室66や第2ウェブW2に供給することで、シートSに、芳香シートとしての機能を付与することができる。
機能性材料は、防塵のために利用される材料であってもよい。この種の機能性材料としては、アクリルやウレタン等の樹脂が挙げられる。また、用途に応じ、樹脂に、導電剤を混合して用いることも可能である。この場合、前述の機能性材料を含む粉体をドラム部62の収容室66や第2ウェブW2に供給することで、シートSに、防塵シートとしての機能を付与することができる。
機能性材料は、耐水性を付与するために利用される材料であってもよい。この種の機能性材料としては、パラフィン、シリコン等が挙げられる。この場合、前述の機能性材料を含む粉体をドラム部62の収容室66や第2ウェブW2に供給することで、シートSに、耐水シートとしての機能を付与することができる。
機能性材料は、耐油性を付与するために利用される材料であってもよい。この種の機能性材料としては、フッ素等が挙げられる。この場合、前述の機能性材料を含む粉体をドラム部62の収容室66や第2ウェブW2に供給することで、シートSに、耐油シートとしての機能を付与することができる。
機能性材料は、放射線を遮断するために利用される材料であってもよい。この種の機能性材料としては、鉛粉、チタン粉、タングステン粉、フェライト粉、アモルファス金属粉体等の金属粉が挙げられる。この場合、前述の機能性材料を含む粉体をドラム部62の収容室66や第2ウェブW2に供給することで、シートSに、放射線シールドシートやノイズフィルターとしての機能を付与することができる。
機能性材料は、難燃剤として利用される材料であってもよい。難燃剤としては、水酸化アルミニウム、酸化アンチモン、ホウ素化合物、臭素化合物、塩素化パラフィン、非ハロゲン化リン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステル等が挙げられる。この場合、前述の機能性材料を含む粉体をドラム部62の収容室66や第2ウェブW2に供給することで、シートSに、防炎シートとしての機能を付与することができる。
機能性材料は、脱酸素剤として利用される材料であってもよい。脱酸素剤としては、三菱ガス化学株式会社性の鉄系脱酸素剤「エージレス(登録商標)」等が挙げられる。また、鉄系脱酸素剤に、活性炭を混合して用いることも可能である。この場合、前述の機能性材料を含む粉体をドラム部62の収容室66や第2ウェブW2に供給することで、シートSに、脱酸素剤シートとしての機能を付与することができる。
機能性材料は、植物粉や木粉であってもよい。前述の機能性材料を含む粉体をドラム部62の収容室66や第2ウェブW2に供給することで、シートSに、例えば障子等の和紙のような風合いを付与することができる。
機能性材料は、防錆剤として利用される材料であってもよい。防錆剤としては、クロム酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、亜硝酸塩、重合リン酸塩、亜鉛塩、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、アルカノールアミン、脂肪酸塩、アルキルアミンエチレンオキシド付加物、アルキルリン酸エステル塩、石油スルホネート、ソルビタンエステル、アルケニルコハク酸無水物、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。この場合、前述の機能性材料を含む粉体をドラム部62の収容室66や第2ウェブW2に供給することで、シートSに、防錆シートとしての機能を付与することができる。
次に、第4供給部400が第2ウェブW2に付与する液体について説明する。
第4供給部400が第2ウェブW2に付与する液体は、水であってもよい。これによれば、例えば、第2ウェブW2に含まれる機能性材料の加湿、成形体形成部80における第2ウェブW2の加熱の効率向上、第3供給部300から付与される粉体の第2ウェブW2からの飛散の抑制等の効果が期待できる。
第4供給部400が第2ウェブW2に付与する液体は、水に芳香剤や消臭剤を加えたものであってもよい。これによれば、シートSに、芳香シートや消臭シートとしての機能を付与することができる。
第4供給部400が第2ウェブW2に付与する液体は、水に液体糊や結合剤を加えたものであってもよい。これによれば、添加物供給部52によって供給された結合剤が、第2ウェブW2における+Z方向側に偏在しているような場合であっても、成形体形成部80における第2ウェブW2の加熱において、混合物に含まれる繊維どうしが良好に結着される。
第4供給部400が第2ウェブW2に付与する液体は、水に染料系の色材を加えたものであってもよい。これによれば、シートSを着色することができる。
第4供給部400が第2ウェブW2に付与する液体は、水にウレタン樹脂やアクリル樹脂の粒子を分散させたエマルジョンであってもよい。これによれば、シートSにインクジェットプリンター用印刷用紙としての品質を付与することができる。
第4供給部400が第2ウェブW2に付与する液体は、水にフッ素の粒子を分散させたエマルジョンであってもよい。これによれば、シートSに耐油シートとしての機能を付与することができる。
第4供給部400が第2ウェブW2に付与する液体は、油であってもよい。これによれば、シートSに耐水シートとしての機能を付与することができる。
第4供給部400が第2ウェブW2に付与する液体は、防虫剤であってもよい。これによれば、シートSに防虫シートとしての機能を付与することができる。
第4供給部400が第2ウェブW2に付与する液体は、防カビ剤であってもよい。これによれば、シートSに防カビシートとしての機能を付与することができる。
以上述べたように、実施形態1に係るウェブ形成装置1、および成形体製造装置500によれば、以下の効果を得ることができる。
ウェブ形成装置1は、粉体を供給する第1供給部100と、細分体Pと、第1供給部100から供給される前記粉体と、を収容可能な収容室66を有するドラム部62と、ドラム部62から落下する細分体Pと前記粉体とを含む混合物を堆積させ、第2ウェブW2を形成する第2ウェブ形成部70と、を備え、第1供給部100は、前記粉体を貯留する貯留室106と、貯留室106の下方に設けられ、前記粉体を貯留室106から排出する排出部108と、を有し、ドラム部62は、収容室66を画定する網65に、前記粉体が通過可能な網目67を有し、排出部108は、ドラム部62の網65の鉛直上方に設けられ、第1供給部100は、前記粉体を、排出部108から落下させることで、網目67を介して収容室66に供給する。これによれば、第1供給部100が有する粉体を、排出部108から落下させることで、ドラム部62の収容室66に網目67を介して供給することができる。これにより、粉体の搬送に搬送路を使用する場合と比較して、搬送路内面の損傷や粉体の変質を抑えることができる。また、第1供給部100から粉体を収容室66に供給することで、第1供給部100から付与される粉体による機能を有する第2ウェブW2を形成することができる。
ウェブ形成装置1は、前記繊維をドラム部62の収容室66に搬送する搬送管56,58をさらに備える。これによれば、繊維をドラム部62の収容室66に搬送することができる。
ウェブ形成装置1は、搬送管56,58において、ドラム部62よりも前記繊維の搬送方向の上流側となる位置に、前記粉体および粉体のいずれかを供給する第2供給部200をさらに備える。これによれば、第2供給部200から供給される粉体を、ドラム部62の収容室66に搬送することができる。また、第2供給部200から粉体を収容室66に供給することで、第2供給部200から付与される粉体による機能を有する第2ウェブW2を形成することができる。
ウェブ形成装置1は、第2ウェブW2の表面に対して、前記粉体および粉体のいずれかを付与する第3供給部300をさらに備える。これによれば、第2ウェブW2の表面に対して、第3供給部300から粉体を付与することで、第3供給部300から付与される粉体による機能を表面に有する第2ウェブW2を形成することができる。
ウェブ形成装置1は、第2ウェブW2に液体を付与する第4供給部400をさらに備える。これによれば、第2ウェブW2に、第4供給部400から液体を付与することで、第4供給部400から付与される液体による機能を有する第2ウェブW2を形成することができる。また、第2ウェブW2が含む繊維、添加物、粉体が、飛散することを抑制できる。
第1供給部100は、外周面115を有するローラー109を備え、ローラー109は、回転することで、外周面115に付着する前記粉体を、ドラム部62に向けて移動させる。これによれば、粉体の搬送に搬送路を使用する場合と比較して、搬送路内面の損傷や粉体の変質を抑えることができ、ドラム部62に向けて、粉体を搬送する構成として好ましい。
第1供給部100は、ローラー109の外周面115に付着する前記粉体に接触することで、前記粉体の外周面115に付着する量を規制するドクターブレード111を備える。これによれば、ドラム部62に供給する粉体の量の適量に調整することができる。
前記粉体は金属を含んでもよい。粉体が金属を含む場合、例えば、樹脂の粉体と比較して、比重が大きいため、粉体が落下しやすい。また、粉体が金属を含む場合、例えば、樹脂の粉体と比較して、硬度が高い場合が多い。この点、第1供給部100、第2供給部200、および第3供給部300は、粉体をドラム部62の収容室66や第2ウェブW2に供給する場合に、粉体に作用する重力を利用して、粉体を移動させる。これによれば、例えば、金属を含む粉体を、水平方向に延びる搬送路によって移動させる場合と比較して、粉体が搬送路の内面に接触することによる粉体の変質や、搬送路の内面の損傷の程度を低減できる。
成形体製造装置500は、ウェブ形成装置1と、形成された第2ウェブW2を加圧および加熱することで、前記繊維を含むシートSを形成する成形体形成部80と、を備える。これによれば、成形体製造装置500は、ウェブ形成装置1を備えるので、第1供給部100から粉体を収容室66に供給することで、第1供給部100から付与される粉体による機能を有するシートSを形成することができる。
本発明の上記実施形態に係るウェブ形成装置1、および成形体製造装置500は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。また、上記実施形態および以下に説明する他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。以下、他の実施形態について説明する。
上記実施形態において、成形体製造装置500は、最初に粗砕部12が原料を粗砕し、粗砕された原料からシートSを製造するものとしたが、例えば、成形体製造装置500を、原料として繊維を用いてシートSを製造する構成としてもよい。
例えば、解繊部20が解繊処理した解繊物と同等の繊維を原料として、ドラム部41に投入可能な構成であってもよい。また、解繊部20が解繊物から分離された細分体Pと同等の繊維を原料として、搬送管54に投入可能な構成であってもよい。この場合、古紙やパルプ等を加工した繊維を成形体製造装置500に供給することで、シートSを製造できる。
上記実施形態において、成形体製造装置500は、単票のシートSを受ける受け部96を備えなくてもよい。例えば、成形体製造装置500は、長尺のシートSをロール状に形成する構成であってもよい。
上記実施形態において、成形体製造装置500の成形体形成部80は、加圧部82、加熱部84、カレンダーローラー85、および加熱ローラー86を有するが、図5に示すように、成形体製造装置500の成形体形成部80は、加圧部82、加熱部84、カレンダーローラー85、および加熱ローラー86に代えて、押圧部87と、ベース部88と、を有してもよい。押圧部87は、図5に白抜きの矢印で示すように、Z軸方向に昇降可能に構成される。ベース部88は、ベース部88の上方となる-Z方向側に、第2ウェブW2が搬送されるように設けられる。
成形体形成部80は、ベース部88と、昇降可能に構成される押圧部87とで、搬送される第2ウェブW2を挟み、第2ウェブW2を加圧しつつ加熱するホットプレスになっている。ベース部88、および押圧部87には、ヒーターが内蔵されており、成形体形成部80は、ベース部88と押圧部87との間に挟まれる第2ウェブW2を加熱することが可能に構成される。この場合、例えば、図5に示すように、ベース部88は凹部を有し、押圧部87は凸部を有する。そして、成形体形成部80が、ベース部88と、押圧部87とで、搬送される第2ウェブW2を挟み、第2ウェブW2を加圧しつつ加熱することで、凹部を有する容器Bを形成してもよい。容器Bは、成形体の一例である。また、例えば、成形体形成部80が、ベース部88と、凹凸部を有する押圧部87とで、搬送される第2ウェブW2を挟み、第2ウェブW2を加圧しつつ加熱することで、シートSを形成してもよい。これにより、シートSに厚さが他の部分より薄い部分を設けることで透かし状の模様を形成してもよい。
上記実施形態において、メッシュベルト72の搬送経路において、篩部60と第3供給部300との間となる領域と、第3供給部300と第4供給部400との間となる領域と、に、搬送される第2ウェブW2の-Z方向側を覆うカバーを設けてもよい。これによれば、第2ウェブW2に付与された添加物や粉体が飛散することを抑制することができる。
上記実施形態において、搬送管56,58中に粉体を供給可能に設けられる第2供給部200の数は二つでなくてもよい。例えば、第2供給部200を、各搬送管56,58に複数設けてもよいし、搬送管56,58のいずれか一方に複数設けてもよい。あるいは、第2供給部200を、搬送管56,58のいずれか一方に粉体を供給可能に一つ設けてもよい。
上記実施形態において、添加物供給部52を備えなくてもよい。この場合、添加物供給部52から供給する添加物を、第2供給部200から供給してもよい。
上記実施形態において、第1供給部100は、ローラー109を備えなくてもよい。この場合、第1供給部100は、ドクターブレード111、掻き落としブレード113、クリーニングブレード116を備えなくてもよい。さらに、第1供給部100は、投入ブレード114を備えなくてもよい。
上記実施形態において、篩部60のドラム部62は、円筒形状の中心軸を回転中心として回転可能に、ハウジング61に保持されなくてもよい。例えば、ドラム部62は、円筒形状の中心軸を揺動中心として揺動可能に、ハウジング61に保持されてもよい。この場合、ドラム部62は、モーターによって揺動駆動される篩である。また、この場合、ドラム部62は、ハウジング61に設けられる導入口63,64によって、揺動可能に保持されてもよい。
上記実施形態において、篩部60のドラム部62は、回転可能に、ハウジング61に保持されなくてもよい。例えば、ドラム部62は、X軸方向およびY軸方向のいずれかに往復移動可能に、ハウジング61に保持されていてもよい。また、例えば、ドラム部62は、第1供給部100の排出部108の鉛直下方となる+Z方向側となる位置に、第1供給部100が供給する粉体が通過可能な導入孔を備えてもよい。これにより、第1供給部100は、粉体を、排出部108から落下させることで、ドラム部62の導入孔を介して収容室66に供給することができる。
上記実施形態において、ウェブ形成装置1は、第3供給部300を二つ備えてもよい。例えば、第3供給部300を、メッシュベルト72の搬送経路において、篩部60の+Y方向側となる搬送方向下流側と、篩部60の-Y方向側となる搬送方向上流側と、に設けてもよい。この場合、制御部450は、篩部60の搬送方向上流側に設けられる第3供給部300を制御して、予め、第3供給部300からの粉体を堆積させたメッシュベルト72の上に、細分体P、添加物供給部52の添加物、第2供給部200の粉体、および第1供給部100の粉体の混合物を、堆積させて第2ウェブW2を形成してもよい。これによれば、第2ウェブW2の+Z方向側の表面に、第3供給部300からの粉体を付与することができる。
上記実施形態において、第3供給部300は、篩305を備えなくてもよい。また、第3供給部300は、噴射ノズルを有し、粉体を噴射ノズルから噴射することで、第2ウェブW2の-Z方向側の表面に供給してもよい。
上記実施形態において、予め第1供給部100から供給される粉体を堆積させた第2ウェブ形成部70のメッシュベルト72の上に、細分体P、添加物供給部52の添加物、第2供給部200の粉体、および第1供給部100の粉体の混合物を、堆積させて第2ウェブW2を形成してもよい。この場合、制御部450は、第1供給部100、および篩部60を制御することで、第1供給部100からの粉体を、ドラム部62の収容室66に供給し、ドラム部62を介して、メッシュベルト72に堆積させる。そして、制御部450は、搬送部50、および第1供給部100を制御することで、細分体P、添加物供給部52の添加物、第2供給部200の粉体、および第1供給部100の粉体を、ドラム部62の収容室66に供給する。そして、第1供給部100から供給された粉体を堆積させたメッシュベルト72の上に、制御部450は、篩部60を制御することで、細分体P、添加物供給部52の添加物、第2供給部200の粉体、および第1供給部100の粉体の混合物を堆積させて、第2ウェブW2を形成する。これによれば、第2ウェブW2の+Z方向側の表面に、第1供給部100からの粉体を付与することができる。