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JP7613838B2 - 封止フィルム、電極リード線部材及び電池 - Google Patents
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JP7613838B2 - 封止フィルム、電極リード線部材及び電池 - Google Patents

封止フィルム、電極リード線部材及び電池 Download PDF

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Description

本発明は、封止フィルム、電極リード線部材及び電池に関する。
近年、電気エネルギーを貯蔵するための蓄電池として、リチウムイオン電池などの2次電池やキャパシタが注目されている。
一例として、これらの2次電池やキャパシタには、防水性や遮光性に優れた電池外装用積層体を用いて作成された収納容器が使用されている。電池外装用積層体は、例えば、ポリアミドやポリエステルからなる基材層とアルミニウム箔とが積層された積層体である。2次電池やキャパシタが有する電極リード線は、収容容器の内部と外部とを接続し、収容容器から一端を外部に突出させて封止される。
このような2次電池やキャパシタの構成として、収容容器と電極リード線との間に、樹脂の積層体である封止フィルムを介在させる構成が知られている。封止フィルムは、電極リード線の周囲における隙間の形成を抑制する。これにより、電極リード線の周囲から2次電池やキャパシタの内部への水分侵入を抑制している。
特開2003-7268号公報
2次電池やキャパシタにおいては、容器内部に水分が侵入すると、水と電解液とが反応して劣化することが知られている。2次電池やキャパシタの信頼性を向上させるため、現状の水分侵入の技術よりも高い効果が得られる技術が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、封止しやすく水分の侵入を抑制しやすい封止フィルムを提供することを目的とする。また、このような封止フィルムを有する電極リード線部材を提供することをあわせて目的とする。さらに、このような電極リード線部材を有する電池を提供することをあわせて目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、以下の態様を包含する。
[1]電極接着層と、シーラント層と、前記電極接着層と前記シーラント層との間に設けられた中間層とを有する封止フィルムであって、前記電極接着層及び前記シーラント層は、無水マレイン酸変性ポリオレフィンを含み、前記中間層は、フッ素樹脂を含み、前記中間層の厚さは、前記封止フィルムの全体の厚さに対して30%以上75%以下である封止フィルム。
[2]前記中間層の厚さは、前記電極接着層の厚さ以上である[1]に記載の封止フィルム。
[3]前記中間層の厚さは、前記シーラント層の厚さ以上である[1]または[2]に記載の封止フィルム。
[4]前記フッ素樹脂は、ポリクロロトリフルオロエチレンである[1]から[3]のいずれか1項に記載の封止フィルム。
[5]前記シーラント層は、無水マレイン酸変性ポリエチレンと無水マレイン酸変性ポリプロピレンとの少なくともいずれか一方を含む[1]から[4]のいずれか1項に記載の封止フィルム。
[6]一方向に延在する電極リード線と、[1]から[5]のいずれか1項に記載の封止フィルムと、を有する電極リード線部材。
[7]前記電極リード線を挟持する一対の前記封止フィルムを有し、前記一対の封止フィルムは、互いの前記電極接着層が対向して接すると共に、前記電極リード線の周方向の全周に接して前記電極リード線を覆っている[6]に記載の電極リード線部材。
[8]前記電極リード線は、リード線本体と、前記リード線本体の表面に形成された表面処理層と、を有し、前記封止フィルムは、前記電極接着層において前記表面処理層に接して設けられている[6]または[7]に記載の電極リード線部材。
[9][6]から[8]のいずれか1項に記載の電極リード線部材を備える電池。
本発明によれば、封止しやすく水分の侵入を抑制しやすい封止フィルムを提供できる。また、このような封止フィルムを有する電極リード線部材を提供できる。さらに、このような電極リード線部材を有する電池を提供できる。
図1は、実施形態の封止フィルム1を示す概略断面図である。 図2は、実施形態の電極リード線部材を示す概略斜視図である。 図3は、実施形態の電池100を示す概略斜視図である。 図4は、図3の線分IV-IVにおける矢視断面図である。 図5は、実施例で用いた試験片の製造方法を示す説明図である。 図6は、実施例で用いた試験片の製造方法を示す説明図である。 図7は、実施例で用いた試験片の断面図である。
以下、図1~図4を参照しながら、本実施形態に係る封止フィルム、電極リード線部材、電池について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
<封止フィルム、電極リード線部材>
図1は、本実施形態の封止フィルム1を示す概略断面図である。図2は、本実施形態の電極リード線部材を示す概略斜視図である。
封止フィルム1は、電極接着層2と、シーラント層3と、中間層4とを有する。
電極リード線部材10は、電極リード線11と、封止フィルム1とを有する。
以下、順に説明する。
(電極接着層)
電極接着層2は、電極リード線11に加熱加圧されて融着する層である。電極接着層2の表面は、封止フィルム1の一方の表面1aである。
電極接着層2は、酸変性ポリオレフィンを主として含む。本明細書において電極接着層2が「酸変性ポリオレフィンを主として含む」とは、電極接着層2を構成する樹脂のなかで、酸変性ポリオレフィンの含有率が最も高いことを意味する。電極接着層2は、電極接着層2の全量に対して酸変性ポリオレフィンを50質量%以上含むことが好ましい。電極接着層2は、電極接着層2の全量に対して酸変性ポリオレフィンを80質量%以上含むことが好ましい。
電極接着層2において、酸変性ポリオレフィン以外の任意成分としては、公知の安定剤、帯電防止剤、着色料などの添加物を挙げることができる。
酸変性ポリオレフィンとしては、耐熱性に優れることから、酸変性ポリプロピレンが好ましい。以下、ポリプロピレンを「PP」と略称することがある。
酸変性PPは、ポリプロピレンまたはエチレン-プロピレン共重合体に、カルボキシ基を有するモノマーをグラフト共重合させた重合体である。エチレン-プロピレン共重合体は、ランダム共重合体やブロック共重合体が好ましい。
カルボキシ基を有するモノマーは、アクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸、アクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル、無水マレイン酸などの酸無水物などが挙げられる。
酸変性PPは、ポリプロピレンの酸変性重合体またはエチレン-プロピレン共重合体の酸変性重合体が有するカルボン酸基を、金属水酸化物、アルコキシド、低級脂肪酸塩などで中和したアイオノマーを含む。
酸変性PPの酸基は、無水マレイン酸基が好ましい。すなわち、酸変性PPとしては、無水マレイン酸変性PPが好ましい。
電極接着層2を構成する樹脂の融点は、100℃以上160℃以下であると好ましい。「電極接着層2を構成する樹脂」が2種以上の樹脂のポリマーアロイである場合、「電極接着層2を構成する樹脂の融点」は、電極接着層2を構成するポリマーアロイの融点を意味する。
電極接着層2を形成する酸変性ポリオレフィンのメルトフローレート(Melt Flow Rate、MFR)は、3g/10分以上30g/10分以下であることが好ましく、5g/10分以上10g/10分以下であるとより好ましい。
電極接着層2を形成する酸変性ポリオレフィンのMFRが3g/10分以上であると、熱圧着時に電極リード線11の周囲に酸変性ポリオレフィンが十分に回り込み、電極リード線11の周囲を封止しやすい。
電極接着層2を形成する酸変性ポリオレフィンのMFRが30g/10分以下であると、熱圧着時に電極接着層2が過度に薄くなりにくく、接着強度を確保しやすい。
電極接着層2の厚さは、電極リード線11との熱圧着が可能な厚さにおいて、できるだけ薄いことが好ましい。例えば、電極接着層2の厚さは、20μm以上30μm以下であることが好ましい。電極接着層2の厚さが20μm以上であると、電極接着層2と電極リード線11との接着強度を十分に確保できる。電極接着層2の厚さが30μm以下であると、封止フィルム1の耐熱性を確保しやすくなる。
(シーラント層)
シーラント層3は、例えば電池の収容容器と加熱加圧されて融着する層である。収容容器については後述する。シーラント層3の表面は、封止フィルム1の他方の表面1bである。
シーラント層3は、酸変性ポリオレフィンを主として含む。本明細書においてシーラント層3が「酸変性ポリオレフィンを主として含む」とは、シーラント層3を構成する樹脂のなかで、酸変性ポリオレフィンの含有率が最も高いことを意味する。シーラント層3は、シーラント層3の全量に対して酸変性ポリオレフィンを50質量%以上含むことが好ましい。シーラント層3は、シーラント層3の全量に対して酸変性ポリオレフィンを80質量%以上含むことが好ましい。
シーラント層3において、酸変性ポリオレフィン以外の任意成分としては、公知の安定剤、帯電防止剤、着色料などの添加物を挙げることができる。
酸変性ポリオレフィンとしては、耐熱性に優れることから、酸変性PPが好ましい。酸変性PPとしては、上述の電極接着層2の材料として例示した酸変性PPが好適に用いられる。中でも、柔軟性に優れることから、酸変性PPは、エチレンとプロピレンのランダム共重合体を酸変性した重合体が好ましい。
また、シーラント層3を構成する酸変性ポリオレフィンは、酸変性PPと酸変性ポリエチレンとの少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。
シーラント層3は、電池の収容容器との融着箇所の強度を高めるために酸変性PPを含有することが好ましい。一方、シーラント層3が酸変性PPを含む場合、酸変性PPの含有率が高くなるにしたがって、シーラント層3の融点が高くなる。そのため、シーラント層3における酸変性PPの含有率が高すぎると、シーラント層3を融着する際の加熱温度(ヒートシール温度)が高くなりすぎ、電極接着層2が劣化するおそれがある。
したがって、シーラント層3は、酸変性PPと酸変性ポリエチレンとの両方を含むことがより好ましい。これにより、シーラント層3の融点を下げ、シーラント層3を融着する際の加熱温度を下げることができ、電極接着層2の劣化を抑制できる。
酸変性ポリエチレンの酸基は、無水マレイン酸基が好ましい。すなわち、酸変性ポリエチレンは、無水マレイン酸変性ポリエチレンが好ましい。
シーラント層3を構成する樹脂において、酸変性PPと酸変性ポリエチレンとの合計に対する酸変性PPの割合は、20質量%以上80質量%以下が好ましい。
シーラント層3を形成する樹脂の融点は、100℃以上160℃以下であると好ましい。「シーラント層3を構成する樹脂」が2種以上の樹脂のポリマーアロイである場合、「シーラント層3を構成する樹脂の融点」は、シーラント層3を構成するポリマーアロイの融点を意味する。
シーラント層3を形成する樹脂のMFRは、3g/10分以上30g/10分以下であることが好ましく、5g/10分以上10g/10分以下であるとより好ましい。シーラント層3を形成する樹脂のMFRが上記範囲内であると、封止フィルム1を製造しやすく好ましい。
シーラント層3の厚さは、収容容器との熱圧着が可能な厚さにおいて、できるだけ薄いことが好ましい。例えば、シーラント層3の厚さは、20μm以上40μm以下であることが好ましい。シーラント層3の厚さ20μm以上であると、シーラント層3と収容容器との融着強度が低くなることがある。シーラント層3の厚さがこれらの範囲より大きいと封止フィルム1の耐熱性が乏しくなることがある。
シーラント層3は、電極接着層2と同じ厚さであることが好ましい。
(中間層)
中間層4は、電極接着層2とシーラント層3との間に設けられている。
中間層4は、フッ素樹脂を主として含む。本明細書において中間層4が「フッ素樹脂を主として含む」とは、中間層4を構成する樹脂のなかで、フッ素樹脂の含有率が最も高いことを意味する。中間層4は、中間層4の全量に対してフッ素樹脂を50質量%以上含むことが好ましい。中間層4は、中間層4の全量に対してフッ素樹脂を80質量%以上含むことが好ましい。
中間層4がフッ素樹脂を含むことにより、封止フィルム1は、水分の侵入を抑制しやすくなる。
中間層4に用いるフッ素樹脂は、フッ素樹脂のなかでも機械的強度、ガスバリア性、成形性等に優れたポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)が好ましい。
中間層4の厚さは、封止フィルム1の全体の厚さの30%以上75%以下である。中間層4の厚さは、封止フィルム1の全体の厚さの33%以上であることが好ましい。また、中間層4の厚さは、封止フィルム1の全体の厚さの73%以下であることが好ましい。
中間層4の厚さは、電極接着層2の厚さ以上であると好ましい。
中間層4の厚さは、シーラント層3の厚さ以上であると好ましい。
具体的には、中間層4の厚さは、30μm以上120μm以下であることが好ましい。
<電極リード線部材>
図2に示すように、電極リード線部材10は、電極リード線11と、上述の封止フィルム1とを有する。図2に示す電極リード線部材10は、一対の封止フィルム1を有している。
一対の封止フィルム1は、互いの電極接着層2が対向して接している。図2では、電極接着層2側の表面1a同士が接している。
また、一対の封止フィルム1は、電極リード線11の周方向の全周に接して電極リード線11を覆っている。
[電極リード線]
電極リード線11は、リード線本体111と、表面処理層112とを有する。
(リード線本体)
リード線本体111は、導電性を有し、電池内部と電池外部とを通電させる。リード線本体111の材料としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、金、白金や各種合金など、公知の金属を用いることができる。これらの材料うち、導電性に優れ、コスト的にも有利なことから、アルミニウムや銅が好ましい。
リード線本体111は、表面がニッケルめっきされていてもよい。リード線本体111のニッケルめっきは、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硼酸等を主成分とするワット浴を用いて電気メッキしてもよい。また、リード線本体111のニッケルめっきは、スルファミン酸ニッケルと硼酸を主成分とするスルファミン酸ニッケルめっき浴を用いて行うと好ましい。この方法で形成されるめっき被膜は、柔軟性に優れ、めっき被膜の割れが生じにくくなる。
リード線本体111は、アルミニウム板またはニッケルめっき銅板が好ましい。
(表面処理層)
リード線本体111の表面において、耐食性を有する表面処理層112がリード線本体111に形成されていてもよい。本明細書において「耐食性」とは、電池内部の電解液による腐食を受けにくい性質のことを指す。
表面処理層112としては、例えばリン酸塩、クロム酸塩、フッ化物またはトリアジンチオール化合物等を形成材料とする耐酸性被膜を挙げることができる。これら耐酸性被膜は、リード線本体111に化成処理を施すことで形成可能である。
耐酸性被膜である表面処理層112は、リード線本体111と封止フィルム1との間のデラミネーションを防止する。また、耐酸性被膜である表面処理層112は、電池に用いられる電解液と水分が反応しフッ化水素が生じた場合に、リード線本体111の表面の溶解または腐食を抑制する。特に、表面処理層112は、リード線本体111の形成材料がアルミニウムである場合に、リード線本体111の表面に存在する酸化アルミの溶解、腐食を抑制する。
表面処理層112は、フェノール樹脂、三フッ化クロム、リン酸の3成分を用いたリン酸クロメート処理により形成する被膜が好ましい。
または、表面処理層112は、少なくともフェノール樹脂を含む樹脂成分に、モリブデン、チタン、ジルコニウム等の金属、またはモリブデン、チタン、ジルコニウムの金属塩を含む化成処理剤を用いた処理により形成する被膜が好ましい。
化成処理の方法としては、公知の技術を使用可能である。例えば、上述の化成処理剤に金属を浸漬することによって、金属表面で金属と化成処理剤との反応を生じさせ、金属表面に固着性のある不溶性の生成物を生成させる。生じる不溶性の生成物は、上述の耐酸性被膜として機能する。
上述のような電極リード線部材10が有する封止フィルム1の端部1cにおいては、封止フィルム1の厚さ全体の30%以上75%以下に、水分を透過しにくいフッ素樹脂を有する中間層4が露出している。すなわち、封止フィルム1の端部1c全体の30%以上75%以下の領域では、封止フィルム1内への水分の侵入が抑制される。
また、封止フィルム1の端部1cにおいて、中間層4に対応する領域を除く67%以下の領域では、封止フィルム1内への水分の侵入が生じ得る。ここで、中間層4は、電極接着層2とシーラント層3との間に位置しているため、封止フィルム1内への水分の侵入が可能な領域が2つに分割され、狭くなる。そのため、封止フィルム1の端部1cから、符号Xで示す矢印方向に水分が侵入し難い。
さらに、封止フィルム1は、電極接着層2の形成材料として酸変性ポリオレフィンを含む。そのため、電極接着層2は電極リード線11と熱融着しやすく、電極リード線11と封止フィルム1との界面を封止しやすい。
そして、封止フィルム1は、シーラント層3の形成材料として酸変性ポリオレフィンを含む。そのため、シーラント層3は電池の収容容器を構成する樹脂材料と熱融着しやすく、収容容器と封止フィルム1との界面を封止しやすい。
これらにより、本実施形態の封止フィルム1は、封止しやすく水分の侵入を抑制しやすい封止フィルムとなる。
また、本実施形態の電極リード線部材10は、上記封止フィルム1を備えるため、封止しやすく水分の侵入を抑制しやすい電極リード線部材となる。
<電池>
図3は、本実施形態の電池100を示す概略斜視図である。電池100は、上述した本実施形態の電極リード線部材10と、収容容器20と、リチウムイオン電池30とを有する。
収容容器20は、容器本体21と蓋22とを有する。
容器本体21は、電池外装用積層体を絞り成形して得られる。容器本体21は、リチウムイオン電池30を収容する凹部21aを有する。
電池外装用積層体については後述する。
蓋22は、電池外装用積層体を形成材料とし、容器本体21と同等の平面視面積を有する。
収容容器20は、容器本体21と蓋22とを重ね合わせ、四方の縁部25をヒートシールして形成される。
なお、容器本体21と蓋22とは一体的に成形されてもよい。具体的には、矩形の電池外装用積層体を用意し、長手方向の中央に対して一端側に絞り成形を施して凹部を形成することで、容器本体21と蓋22とが一体的に成形された部材とすることができる。このような部材は、長手方向の中央から凹部を塞ぐように電池外装用積層体を折り曲げ、四方の縁部をヒートシールすることで、収容容器20を形成可能である。
図4は、図3の線分IV-IVにおける矢視断面図である。
容器本体21と蓋22との材料である電池外装用積層体は、金属箔201、金属箔201の一方の面に設けられたシーラント層202、金属箔201の他方の面に設けられたフィルム基材203を有する。
すなわち、容器本体21及び蓋22は、それぞれ金属箔201、シーラント層202、フィルム基材203を有する。
金属箔201としては、アルミニウム箔、ステンレス箔、銅箔、鉄箔などがある。金属箔201は、化成処理等の下地処理が施されていてもよい。
シーラント層202は、封止フィルム1のシーラント層3と接し熱融着している。
シーラント層202を形成する樹脂は、封止フィルム1と融着可能な樹脂が選ばれる。シーラント層202を形成する樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂が挙げられ、ポリプロピレンの単独重合体やポリプロピレンとエチレンの共重合体等を用いることができる。
ポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン等を用いることができる。
フィルム基材203を構成する樹脂は、特に制限はないが、強度の大きいポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、フェノール樹脂、ポリプロピレン等が好適に用いられる。
図3,4に示すように、電池100において電極リード線部材10は、収容容器20の内部(凹部21a)から収容容器20の外部に引き出されている。また、電極リード線部材10は、封止フィルム1において収容容器20のシーラント層202と融着している。
以上のような構成の電池100によれば、電極リード線部材10が上述の封止フィルム1を有するため、電極リード線11の周囲から収容容器20の内部への水分の侵入が抑制される。そのため、劣化しにくく信頼性が高い電池100となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
後述する樹脂を用い、電極接着層、中間層、シーラント層が順に積層された封止フィルムを作製した。各層の原料となる樹脂をそれぞれ別々に加熱溶融し、同時多層押出成形が可能な押出機を用いて同時多層製膜を行った。さらに、得られた積層体の幅方向の端部を、スリット加工して切り落とすことで、各実施例、比較例の封止フィルムの原反を製造した。封止フィルムの原反の幅は250mmであった。
電極接着層:無水マレイン酸変性ポリプロピレン(MFR7.5g/10分、融点135℃)
中間層:PCTFE(ポリクロロテトラフルオロエチレン)
シーラント層:無水マレイン酸ポリエチレンと無水マレインポリプロピレンの1:1(質量比)ブレンド
無水マレイン酸変性ポリプロピレンは、エチレンとプロピレンのランダム共重合体に無水マレイン酸をグラフト重合した重合体である。
以下の実施例及び比較例においては、以下の樹脂を用いた。
無水マレイン酸変性ポリプロピレン:アドマーQF060(三井化学株式会社製)
無水マレイン酸変性ポリエチレン:アドマーNF518(三井化学株式会社製)
PCTFE:DF0050-C1(ダイキン工業株式会社製)
作製した封止フィルムの各層の厚さを、表1,2に示す。
Figure 0007613838000001
Figure 0007613838000002
得られた各封止フィルム原反から、以下のように封止フィルムを切り出し、各評価を行った。
<電極リード線部材の作製>
電極リード線として正方形のアルミニウム箔及び銅箔を用いた。アルミニウム箔及び銅箔の寸法は、いずれも幅50mm×長さ50mm×厚さ300μmであった。
銅箔には、Ni(NHSO・4HO:500g/l、NiCl・6HO:30g/l、HBO:50g/l及びラウリル硫酸ナトリウム5ml/lの組成のめっき浴を用いて、メッキを行った。メッキの条件は、浴温50℃、電流密度10A/dmとした。
2種類の電極リード線の表面にグリセリルキトサンを水に溶解した表面処理剤を塗布して乾燥させることで、グリセリルキトサン製の表面処理層を形成した。表面処理層の厚さは、0.8μmとした。
各封止フィルム原反から、幅15mm×長さ60mmの長方形の封止フィルムを二枚切り出した。封止フィルムを切り出す際には、封止フィルム原反の幅方向と、切り出す封止フィルムの幅方向とを一致させた。
図5に示すように、一組の封止フィルム1Aを電極リード線11Aに重ねて配置し、ヒートシーラーを用いて190℃、2kgf/cm、5秒間の条件で熱圧着した。封止フィルム1Aは、電極接着層を電極リード線11A側に向ける姿勢とした。用いたヒートシーラーが備える2本一対のシールバーのうち、一本は、弾性体で被覆されていた。
熱圧着の後、得られた積層体の表面と裏面とを替えて、再度上記条件で熱圧着して、電極リード線部材10Aを作製した。
電極リード線11Aとしてアルミニウム箔を用いた電極リード線部材をサンプルAとした。
また、電極リード線11Aとしてニッケルメッキを施した銅箔を用いた電極リード線部材をサンプルBとした。
<電池外装用積層体の作製>
厚さ12μmの二軸延伸PETフィルム、厚さ40μmのアルミニウム箔、厚さ40μmのエチレンとプロピレンのランダム共重合体フィルムをドライラミネートで積層し、一辺が100mmの正方形に切断して電池外装用積層体200を作製した。
アルミニウム箔は、上述した金属箔201に該当する。ランダム共重合体フィルムは、上述したシーラント層202に該当する。PETフィルムは、上述したフィルム基材203に該当する。
<電極リード線部材と電池外装用積層体との融着>
サンプルA及びサンプルBのそれぞれについて、封止フィルム1Aが有するシーラント層と、電池外装用積層体200が有するランダム共重合体フィルム(シーラント層)とを重ね合わせ、ヒートシールした。
具体的には、図6に示すように、電極リード線部材10Aの電極リード線11Aと、二枚の電池外装用積層体200とを、互いの辺が平行となるように中心を一致させて配置して重ねた。
電極リード線部材10Aの封止フィルム1Aの存在する部分を、電池外装用積層体200の両面からヒートシーラーを用いて190℃、2kgf/cm、5秒間の条件でヒートシールし、電極リード線部材10Aの両面に電池外装用積層体200を融着した積層体を得た。
<接合強度の測定>
得られた積層体を、図6の破線Yで示す位置で切断し、接合強度の試験片とした。図7は、試験片の断面図である。
得られた試験片について、インストロン型引張試験機を用いて180度剥離強度を測定した。測定は、電極リード線11から遠い方の電池外装用積層体200の端部αと、封止フィルム1から遠い方の電極リード線11の端部βとを試験機の把持部で把持し、図7の両矢印Aの方向に10mm/分の速さで引っ張って行った。
また、剥離強度の測定は、二枚の電池外装用積層体200のそれぞれについて行った。
両方の電池外装用積層体200が100N/30mm以上の剥離強度を有する電極リード線部材10Aを良品(〇)、それ以外のものを不良(×)とした。
<封止性の試験>
サンプルA及びBの各サンプルについて、赤色染料を炭化水素系の溶剤に溶解させた浸透液を、電極リード線11Aと封止フィルム1Aとの熱圧着部の端縁に滴下した。浸透液は、封止フィルム1Aの幅方向の両側に滴下した。
浸透液を滴下した後、電極リード線部材10Aの表裏の両面から、封止フィルム1を透して観察した。電極リード線11の端縁から電極リード線11Aと封止フィルム1Aとの界面に浸透液の浸入が認められないサンプルを良品(〇)、認められたサンプルを不良(×)とした。
<硬さの試験>
実施例1~6及び比較例1~4の各電極リード線部材10Aについて、電極リード線11Aの端部から突出している封止フィルム1Aを、電極リード線11の端部に沿って片側に180度に折り曲げ(1度目)、次に反対側に180度に折り曲げて(2度目)、白化の発生を観察した。白化の観察箇所は、封止フィルム1Aを2度目に折り曲げたときに
おもて側となる封止フィルム1Aの表面とした。
封止フィルム1に発生する白化の状態を観察して、以下のように〇、△及び×の評価を行った。白化の状態が〇または△となった封止フィルムを合格とした。
(評価基準)
〇:白化が見られない。
△:折り曲げた部分に白化が認められるが、折り曲げた部分を介して電極リード線を視認できる。
さらに、折り曲げた部分を光学顕微鏡で拡大観察(拡大倍率40倍)したとき、ひび割れが確認できない。
×:以下の(1)または(2)に該当する。
(1)折り曲げた部分が白化し、折り曲げた部分を介して電極リード線を視認できない。
(2)折り曲げた部分を光学顕微鏡で拡大観察(拡大倍率40倍)したとき、折り曲げた部分にひび割れが確認できる。
<バリア性の評価>
JIS K 7129-2「プラスチック-フィルム及びシート-水蒸気透過度の求め方-第2部:赤外線センサ法」に準拠し、各フィルム単体の水蒸気透過量を測定した。フィルムの水蒸気透過量の数値が大きいと、フィルム部分を通じて、電池内部に侵入する水分が多くなる。逆に、水蒸気透過量の通知が小さいと、電池内部に侵入する水分が少なくなる。
本実施例においては、封止フィルムの端面を介した外部環境からの水分の進入については、上記評価方法により評価した。端面からの水分の遮断性能は、封止フィルムの面方向ではなく、端面のバリア性がカギとなる。フッ素樹脂を形成材料とする中間層の端面は、封止フィルム端面からの水分の侵入を抑制できることから、封止フィルム端面からの水分の侵入の程度は、電極接着層とシーラント層のバリア性に影響を受ける。
電極接着層とシーラント層は、それぞれの被着体とヒートシールされると、加熱され溶融固化する。この際、電極接着層とシーラント層は、それぞれ厚みが減少し、封止フィルムの厚み全体に対して電極接着層及びシーラント層が占める割合が減少する。そのため、封止フィルム端面からの水分侵入については、中間層の厚みが支配的になると考えられる。
本実施例においては、封止フィルム全体の面方向の水蒸気バリア性能を測定することにより、疑似的に端面方向からの水分の侵入について議論できると考え、上記評価方法を採用した。
評価結果を下記表3,4に示す。
Figure 0007613838000003
Figure 0007613838000004
表1、2から、電極が接合されたラミネートフィルムにおける基本的な接合強度、封止性能は、実施例1~6及び比較例1,3において十分であることが確認された。比較例2,4は電極接着層、シーラント層の厚さが薄いため、接合強度が十分でなかった。
硬さ試験の結果は、白化の状況から判断しているが、白化の多いものはなかった。
また、水蒸気透過量の測定結果から、実施例1~6の封止フィルムは0.16g/m・day未満であり、十分な水蒸気バリア性能を有していることが分かった。
一方、比較例1,3の封止フィルムは水蒸気透過量が0.3g/m・dayを超えており、水蒸気バリア性能が低いことが分かった。すなわち、比較例1,3の封止フィルムは電池内部に多くの水分が侵入する可能性を示唆している。そのため、比較例1,3の封止フィルムは、接合強度や封止性能が良くても、電池の部材としては不適であること判断できる。
以上の結果より、本発明が有用であることが分かった。
1,1A…封止フィルム、1a,1b…表面、2…電極接着層、3,202…シーラント層、4…中間層、10,10A…電極リード線部材、11,11A…電極リード線、100…電池、111…リード線本体、112…表面処理層

Claims (9)

  1. 電極接着層と、
    シーラント層と、
    前記電極接着層と前記シーラント層との間に設けられた中間層とを有する封止フィルムであって、
    前記電極接着層及び前記シーラント層は、無水マレイン酸変性ポリオレフィンを含み、
    前記中間層は、フッ素樹脂を含み、
    前記中間層の厚さは、前記封止フィルムの全体の厚さに対して30%以上75%以下であり、
    前記シーラント層は、無水マレイン酸変性ポリエチレンと無水マレイン酸変性ポリプロピレンとの両方を混合された状態で含む封止フィルム。
  2. 前記中間層の厚さは、前記電極接着層の厚さ以上である請求項1に記載の封止フィルム。
  3. 前記中間層の厚さは、前記シーラント層の厚さ以上である請求項1または2に記載の封止フィルム。
  4. 前記フッ素樹脂は、ポリクロロトリフルオロエチレンである請求項1から3のいずれか1項に記載の封止フィルム。
  5. 前記電極接着層と前記シーラント層とは、材料が異なる請求項1から4のいずれか1項に記載の封止フィルム。
  6. 一方向に延在する電極リード線と、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の封止フィルムと、を有する電極リード線部材。
  7. 前記電極リード線を挟持する一対の前記封止フィルムを有し、
    前記一対の封止フィルムは、互いの前記電極接着層が対向して接すると共に、前記電極リード線の周方向の全周に接して前記電極リード線を覆っている請求項6に記載の電極リード線部材。
  8. 前記電極リード線は、リード線本体と、
    前記リード線本体の表面に形成された表面処理層と、を有し、
    前記封止フィルムは、前記電極接着層において前記表面処理層に接して設けられている請求項6または7に記載の電極リード線部材。
  9. 請求項6から8のいずれか1項に記載の電極リード線部材を備える電池。
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