以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
第1実施形態について説明する。本実施形態に係る半導体記憶装置2は、NAND型フラッシュメモリとして構成された不揮発性の記憶装置である。図1には、半導体記憶装置2を含むメモリシステムの構成例がブロック図として示されている。このメモリシステムは、メモリコントローラ1と、半導体記憶装置2とを備える。尚、半導体記憶装置2は、図1のメモリシステムにおいて実際には複数設けられているのであるが、図1においてはそのうちの1つのみが図示されている。半導体記憶装置2の具体的な構成については後に説明する。このメモリシステムは、不図示のホストと接続可能である。ホストは、例えば、パーソナルコンピュータや携帯端末等の電子機器である。
メモリコントローラ1は、ホストからの書き込みリクエストに従って半導体記憶装置2へのデータの書き込みを制御する。また、メモリコントローラ1は、ホストからの読み出しリクエストに従って半導体記憶装置2からのデータの読み出しを制御する。
メモリコントローラ1と半導体記憶装置2との間では、チップイネーブル信号/CE、レディービジー信号R/B、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号/WE、リードイネーブル信号/RE、RE、ライトプロテクト信号/WP、データである信号DQ<7:0>、データストローブ信号DQS、/DQS、の各信号が送受信される。
チップイネーブル信号/CEは、半導体記憶装置2をイネーブルにするための信号である。レディービジー信号R/Bは、半導体記憶装置2がレディ状態であるか、ビジー状態であるかを示すための信号である。「レディ状態」とは、外部からの命令を受け付ける状態である。「ビジー状態」とは、外部からの命令を受け付けない状態である。コマンドラッチイネーブル信号CLEは、信号DQ<7:0>がコマンドであることを示す信号である。アドレスラッチイネーブル信号ALEは、信号DQ<7:0>がアドレスであることを示す信号である。ライトイネーブル信号/WEは、受信した信号を半導体記憶装置2に取り込むための信号である。シングルデータレート(Single Data Rate、SDR)モードにおいて、信号/WEの立ち上がりエッジ(rising edge)で半導体記憶装置2に送信されるコマンド、アドレス又はデータとしての信号DQ<7:0>を取り込むことを指示する。また、ダブルデータレート(Double Data Rate、DDR)モードにおいて、信号/WEの立ち上がりエッジで半導体記憶装置2に送信されるコマンド又はアドレスとしての信号DQ<7:0>を取り込むことを指示する。メモリコントローラ1によりコマンド、アドレス、及びデータを受信する都度アサートされる。
リードイネーブル信号/REは、メモリコントローラ1が、半導体記憶装置2からデータを読み出すための信号である。信号REは信号/REの相補信号である。これらは例えば、信号DQ<7:0>を出力する際の半導体記憶装置2の動作タイミングを制御するために使用される。より具体的には、シングルデータレートモードにおいて、信号/REの立ち下がりエッジ(falling edge)で半導体記憶装置2にデータとしての信号DQ<7:0>を出力すること指示する。また、ダブルデータレートモードにおいて、信号/REの立ち下がりエッジ及び立ち上がりエッジで半導体記憶装置2にデータとしての信号DQ<7:0>を出力すること指示する。ライトプロテクト信号/WPは、データ書き込み及び消去の禁止を半導体記憶装置2に指示するための信号である。信号DQ<7:0>は、半導体記憶装置2とメモリコントローラ1との間で送受信されるデータの実体であり、コマンド、アドレス、及びデータを含む。データストローブ信号DQSは、信号DQ<7:0>の入出力のタイミングを制御するための信号である。信号/DQSは信号DQSの相補信号である。より具体的には、ダブルデータレートモードにおいて、信号DQSの立ち下がりエッジ及び立ち上がりエッジで半導体記憶装置2にデータとしての信号DQ<7:0>を取り込むことを指示する。また、信号DQSは、ダブルデータレートモードにおいて、信号/REの立ち下がりエッジ及び立ち上がりエッジに基づいて生成され、半導体記憶装置2からデータとしての信号DQ<7:0>とともに出力される。
メモリコントローラ1は、RAM11と、プロセッサ12と、ホストインターフェイス13と、ECC回路14と、メモリインターフェイス15と、を備える。RAM11、プロセッサ12、ホストインターフェイス13、ECC回路14、及びメモリインターフェイス15は、互いに内部バス16で接続されている。
ホストインターフェイス13は、ホストから受信したリクエスト、ユーザデータ(書き込みデータ)等を内部バス16に出力する。また、ホストインターフェイス13は、半導体記憶装置2から読み出されたユーザデータ、プロセッサ12からの応答等をホストへ送信する。
メモリインターフェイス15は、プロセッサ12の指示に基づいて、ユーザデータ等を半導体記憶装置2へ書き込む処理、及び、半導体記憶装置2から読み出す処理を制御する。
プロセッサ12は、メモリコントローラ1を統括的に制御する。プロセッサ12は、例えばCPUやMPU等である。プロセッサ12は、ホストからホストインターフェイス13経由でリクエストを受けた場合に、そのリクエストに従った制御を行う。例えば、プロセッサ12は、ホストからのリクエストに従って、半導体記憶装置2へのユーザデータ及びパリティの書き込みをメモリインターフェイス15へ指示する。また、プロセッサ12は、ホストからのリクエストに従って、半導体記憶装置2からのユーザデータ及びパリティの読み出しをメモリインターフェイス15へ指示する。
プロセッサ12は、RAM11に蓄積されるユーザデータに対して、半導体記憶装置2上の格納領域(メモリ領域)を決定する。ユーザデータは、内部バス16経由でRAM11に格納される。プロセッサ12は、メモリ領域の決定を、書き込み単位であるページ単位のデータ(ページデータ)に対して実施する。半導体記憶装置2の1ページに格納されるユーザデータのことを、以下では「ユニットデータ」とも称する。ユニットデータは、一般的には符号化されて、符号語として半導体記憶装置2に格納される。本実施形態では、符号化は必須ではない。メモリコントローラ1は、符号化せずにユニットデータを半導体記憶装置2に格納してもよいが、図1では、一構成例として符号化を行う構成を示している。メモリコントローラ1が符号化を行わない場合には、ページデータはユニットデータと一致する。また、1つのユニットデータに基づいて1つの符号語が生成されてもよいし、ユニットデータが分割された分割データに基づいて1つの符号語が生成されてもよい。また、複数のユニットデータを用いて1つの符号語が生成されてもよい。
プロセッサ12は、ユニットデータごとに書き込み先の半導体記憶装置2のメモリ領域を決定する。半導体記憶装置2のメモリ領域には物理アドレスが割当てられている。プロセッサ12は、ユニットデータの書き込み先のメモリ領域を、物理アドレスを用いて管理する。プロセッサ12は、決定したメモリ領域(物理アドレス)を指定してユーザデータを半導体記憶装置2へ書き込むようメモリインターフェイス15へ指示する。プロセッサ12は、ユーザデータの論理アドレス(ホストが管理する論理アドレス)と物理アドレスとの対応を管理する。プロセッサ12は、ホストからの論理アドレスを含む読み出しリクエストを受信した場合は、論理アドレスに対応する物理アドレスを特定し、物理アドレスを指定してユーザデータの読み出しをメモリインターフェイス15へ指示する。
ECC回路14は、RAM11に格納されたユーザデータを符号化して、符号語を生成する。また、ECC回路14は、半導体記憶装置2から読み出された符号語を復号する。ECC回路14は、例えばユーザデータに付与されたチェックサム等を利用することで、データにおけるエラーの検出、及び当該エラーの訂正を行う。
RAM11は、ホストから受信したユーザデータを半導体記憶装置2へ記憶するまでに一時格納したり、半導体記憶装置2から読み出したデータをホストへ送信するまでに一時格納したりする。RAM11は、例えば、SRAMやDRAM等の汎用メモリである。
図1では、メモリコントローラ1が、ECC回路14とメモリインターフェイス15をそれぞれ備える構成例が示されている。しかしながら、ECC回路14がメモリインターフェイス15に内蔵されていてもよい。また、ECC回路14が、半導体記憶装置2に内蔵されていてもよい。図1に示される各要素の具体的な構成や配置は、特に限定されない。
ホストから書き込みリクエストを受信した場合、図1のメモリシステムは次のように動作する。プロセッサ12は、書き込み動作の対象となるデータをRAM11に一時記憶させる。プロセッサ12は、RAM11にストアされたデータを読み出し、ECC回路14に入力する。ECC回路14は、入力されたデータを符号化し、符号語をメモリインターフェイス15に入力する。メモリインターフェイス15は、入力された符号語を半導体記憶装置2に書き込む。
ホストから読み出しリクエストを受信した場合、図1のメモリシステムは次のように動作する。メモリインターフェイス15は、半導体記憶装置2から読み出した符号語をECC回路14に入力する。ECC回路14は、入力された符号語を復号し、復号されたデータをRAM11にストアする。プロセッサ12は、RAM11にストアされたデータを、ホストインターフェイス13を介してホストに送信する。
図2を主に参照しながら、半導体記憶装置2の構成について説明する。同図に示されるように、半導体記憶装置2は、2つのプレーンPL1、PL2と、入出力回路21と、ロジック制御回路22と、シーケンサ41と、レジスタ42と、電圧生成回路43と、入出力用パッド群31と、ロジック制御用パッド群32と、電源入力用端子群33と、を備えている。
プレーンPL1は、メモリセルアレイ110と、センスアンプ120と、ロウデコーダ130と、を備えている。また、プレーンPL2は、メモリセルアレイ210と、センスアンプ220と、ロウデコーダ230と、を備えている。プレーンPL1の構成とプレーンPL2の構成とは互いに同一である。つまり、メモリセルアレイ110の構成とメモリセルアレイ210の構成とは互いに同一であり、センスアンプ120の構成とセンスアンプ220の構成とは互いに同一であり、ロウデコーダ130の構成とロウデコーダ230の構成とは互いに同一である。半導体記憶装置2に設けられているプレーンの数は、本実施形態のように2つであってもよいが、1つでもよく、3つ以上であってもよい。
メモリセルアレイ110及びメモリセルアレイ210は、データを記憶する部分である。メモリセルアレイ110及びメモリセルアレイ210のそれぞれは、ワード線及びビット線に関連付けられた複数のメモリセルトランジスタを含んでいる。これらの具体的な構成については後に説明する。
入出力回路21は、メモリコントローラ1との間で、信号DQ<7:0>、及び、データストローブ信号DQS、/DQSを送受信する。入出力回路21は、信号DQ<7:0>内のコマンド及びアドレスをレジスタ42に転送する。また、入出力回路21は、書き込みデータ及び読み出しデータを、センスアンプ120やセンスアンプ220との間で送受信する。入出力回路21は、メモリコントローラ1からのコマンド等を受信する「入力回路」としての機能と、メモリコントローラ1にデータを出力する「出力回路」としての機能と、の両方を有している。このような態様に替えて、入力回路と出力回路とが互いに別の回路として構成されている態様としてもよい。
ロジック制御回路22は、メモリコントローラ1からチップイネーブル信号/CE、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号/WE、リードイネーブル信号RE、/RE、及びライトプロテクト信号/WPを受信する。また、ロジック制御回路22は、レディービジー信号R/Bをメモリコントローラ1に転送して、半導体記憶装置2の状態を外部に通知する。
入出力回路21及びロジック制御回路22は、いずれも、メモリコントローラ1との間で信号が入出力される部分として構成された回路である。つまり、入出力回路21及びロジック制御回路22は、半導体記憶装置2のインターフェイス回路として設けられている。
シーケンサ41は、メモリコントローラ1から半導体記憶装置2へと入力された制御信号に基づいて、プレーンPL1、PL2や電圧生成回路43等の各部の動作を制御する。シーケンサ41は、メモリセルアレイ110、210等の動作を制御する「制御回路」に該当する。シーケンサ41とロジック制御回路22の両方を上記の「制御回路」と見なすこともできる。
レジスタ42は、コマンドやアドレスを一時的に保持する部分である。レジスタ42は、プレーンPL1、PL2のそれぞれの状態を示すステータス情報をも保持する部分となっている。ステータス情報は、メモリコントローラ1からの要求に応じて、状態信号として入出力回路21からメモリコントローラ1へと出力される。
電圧生成回路43は、シーケンサ41からの指示に基づき、メモリセルアレイ110、210におけるデータの書き込み動作、読み出し動作、及び、消去動作のそれぞれに必要な電圧を生成する部分である。このような電圧には、例えば、後述のワード線WLに対し印加されるVPGMやVPASS_PGM、VPASS_READのような電圧や、後述のビット線BLに印加される電圧等が含まれる。電圧生成回路43は、プレーンPL1及びプレーンPL2が互いに並列動作し得るように、各ワード線WLやビット線BL等のそれぞれに対し個別に電圧を印加することが可能となっている。
入出力用パッド群31は、メモリコントローラ1と入出力回路21との間で各信号の送受信を行うための、複数の端子(パッド)が設けられた部分である。それぞれの端子は、信号DQ<7:0>、及び、データストローブ信号DQS、/DQSのそれぞれに対応して個別に設けられている。
ロジック制御用パッド群32は、メモリコントローラ1とロジック制御回路22との間で各信号の送受信を行うための、複数の端子(パッド)が設けられた部分である。それぞれの端子は、チップイネーブル信号/CE、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号/WE、リードイネーブル信号RE、/RE、ライトプロテクト信号/WP、及び、レディービジー信号R/Bのそれぞれに対応して個別に設けられている。
電源入力用端子群33は、半導体記憶装置2の動作に必要な各電圧の印加を受けるための、複数の端子が設けられた部分である。それぞれの端子に印加される電圧には、電源電圧Vcc、VccQ、Vpp、及び接地電圧Vssが含まれる。
電源電圧Vccは、動作電源として外部から与えられる回路電源電圧であり、例えば3.3V程度の電圧である。電源電圧VccQは、例えば1.2Vの電圧である。電源電圧VccQは、メモリコントローラ1と半導体記憶装置2との間で信号を送受信する際に用いられる電圧である。電源電圧Vppは、電源電圧Vccよりも高圧の電源電圧であり、例えば12Vの電圧である。
メモリセルアレイ110、210へデータを書き込んだり、データを消去したりする際には、20V程度の高い電圧(VPGM)が必要となる。この際に、約3.3Vの電源電圧Vccを電圧生成回路43の昇圧回路で昇圧するよりも、約12Vの電源電圧Vppを昇圧するほうが、高速かつ低消費電力で所望の電圧を生成することができる。一方で、例えば、高電圧を供給することができない環境において半導体記憶装置2が用いられる場合、電源電圧Vppには電圧が供給されなくともよい。電源電圧Vppが供給されない場合であっても、半導体記憶装置2は、電源電圧Vccが供給されていれば、各種の動作を実行することができる。すなわち、電源電圧Vccは、半導体記憶装置2に標準的に供給される電源であり、電源電圧Vppは、例えば使用環境に応じて追加的・任意的に供給される電源である。
プレーンPL1、PL2の構成について説明する。尚、先に述べたように、プレーンPL1の構成とプレーンPL2の構成とは互いに同一である。このため、以下ではプレーンPL1の構成についてのみ説明し、プレーンPL2の構成については図示及び説明を省略する。
図3には、プレーンPL1に設けられたメモリセルアレイ110の構成が、等価回路図として示されている。メモリセルアレイ110は複数のブロックBLKにより構成されているのであるが、図3においては、これらのうちの1つのブロックBLKのみが図示されている。メモリセルアレイ110が有する他のブロックBLKの構成も、図3に示されるものと同じである。
図3に示されるように、ブロックBLKは、例えば4つのストリングユニットSU(SU0~SU3)を含む。また各々のストリングユニットSUは、複数のNANDストリングNSを含む。NANDストリングNSの各々は、例えば8個のメモリセルトランジスタMT(MT0~MT7)と、選択トランジスタST1、ST2とを含む。
尚、メモリセルトランジスタMTの個数は8個に限られず、例えば、32個、48個、64個、96個でもよい。例えばカットオフ特性を高めるために、選択トランジスタST1、ST2のそれぞれが、単一ではなく複数のトランジスタにより構成されていてもよい。さらに、メモリセルトランジスタMTと選択トランジスタST1、ST2との間には、ダミーセルトランジスタが設けられていてもよい。
メモリセルトランジスタMTは、選択トランジスタST1と選択トランジスタST2との間において、直列接続されるようにして配置されている。一端側のメモリセルトランジスタMT7が、選択トランジスタST1のソースに接続され、他端側のメモリセルトランジスタMT0が、選択トランジスタST2のドレインに接続されている。
ストリングユニットSU0~SU3の各々の選択トランジスタST1のゲートは、それぞれセレクトゲート線SGD0~SGD3に共通接続されている。選択トランジスタST2のゲートは、同一のブロックBLK内にある複数のストリングユニットSU間で同一のセレクトゲート線SGSに共通接続されている。同一のブロックBLK内にあるメモリセルトランジスタMT0~MT7のゲートは、それぞれワード線WL0~WL7に共通接続される。すなわち、ワード線WL0~WL7及びセレクトゲート線SGSは、同一ブロックBLK内の複数のストリングユニットSU0~SU3間で共通となっているのに対し、セレクトゲート線SGDは、同一ブロックBLK内であってもストリングユニットSU0~SU3毎に個別に設けられている。
メモリセルアレイ110には、m本のビット線BL(BL0、BL1、・・・、BL(m-1))が設けられている。上記の「m」は、1つのストリングユニットSUに含まれるNANDストリングNSの本数を表す整数である。それぞれのNANDストリングNSのうち、選択トランジスタST1のドレインは、対応するビット線BLに接続されている。選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに接続されている。ソース線SLは、ブロックBLKが有する複数の選択トランジスタST2のソースに対し、共通接続されている。
同一のブロックBLK内にある複数のメモリセルトランジスタMTに記憶されているデータは、一括して消去される。一方、データの読み出し及び書き込みは、1つのワード線WLに接続され、かつ1つのストリングユニットSUに属する複数のメモリセルトランジスタMTに対して一括して行われる。それぞれのメモリセルは、上位ビット、中位ビット、及び下位ビットからなる3ビットのデータを保持することができる。
つまり、本実施形態に係る半導体記憶装置2は、メモリセルトランジスタMTへのデータの書き込み方式として、1つのメモリセルトランジスタMTに3ビットデータを記憶させるTLC方式を採用している。このような態様に替えて、メモリセルトランジスタMTへのデータの書き込み方式としては、1つのメモリセルトランジスタMTに2ビットデータを記憶させるMLC方式等を採用してもよい。1つのメモリセルトランジスタMTに記憶されるデータのビット数は特に限定されない。
尚、以下の説明では、1つのワード線WLに接続され、かつ1つのストリングユニットSUに属する複数のメモリセルトランジスタMTが記憶する1ビットデータの集合のことを「ページ」と称する。図3では、上記のような複数のメモリセルトランジスタMTからなる集合の一つに、符号「MG」が付してある。
本実施形態のように、1つのメモリセルトランジスタMTに3ビットのデータが記憶される場合、1つのストリングユニットSU内で共通のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTの集合は、3ページ分のデータを記憶することができる。これらのうち、下位ビットデータの集合からなるページのことを以下では「下位ページ」とも称し、下位ページのデータのことを以下では「下位ページデータ」とも称する。同様に、中位ビットデータの集合からなるページのことを以下では「中位ページ」とも称し、中位ページのデータのことを以下では「中位ページデータ」とも称する。上位ビットデータの集合からなるページのことを以下では「上位ページ」とも称し、上位ページのデータのことを以下では「上位ページデータ」とも称する。
図4には、メモリセルアレイ110の構成が、模式的な断面図として示されている。同図に示されるように、メモリセルアレイ110では、半導体基板300のp型ウェル領域(P-well)上に複数のNANDストリングNSが形成されている。
p型ウェル領域の上方には、セレクトゲート線SGSとして機能する複数の配線層333、ワード線WLとして機能する複数の配線層332、及びセレクトゲート線SGDとして機能する複数の配線層331が積層されている。積層された配線層333、332、331のそれぞれの間には、不図示の絶縁層が配置されている。
メモリセルアレイ110には複数のメモリホール334が形成されている。メモリホール334は、上記の配線層333,332,331、及びこれらの間にある不図示の絶縁層を上下方向に貫通しており、且つ、p型ウェル領域に達するように形成された穴である。メモリホール334の側面には、ブロック絶縁膜335、電荷蓄積層336、及びゲート絶縁膜337が順次形成され、更にその内側に半導体柱338が埋め込まれている。半導体柱338は、例えばポリシリコンからなり、NANDストリングNSに含まれるメモリセルトランジスタMT並びに選択トランジスタST1及びST2の動作時にチャネルが形成される領域として機能する。このように、メモリホール334の内側には、ブロック絶縁膜335、電荷蓄積層336、ゲート絶縁膜337、及び半導体柱338からなる柱状体が形成されている。この柱状体のことを、以下では「メモリピラーMP」とも称する。
メモリホール334の内側に形成されたメモリピラーMPのうち、積層された配線層333、332、331のそれぞれと交差している各部分は、トランジスタとして機能する。これら複数のトランジスタのうち、配線層331と交差している部分にあるものは、選択トランジスタST1として機能する。複数のトランジスタのうち、配線層332と交差している部分にあるものは、メモリセルトランジスタMT(MT0~MT7)として機能する。複数のトランジスタのうち、配線層333と交差している部分にあるものは、選択トランジスタST2として機能する。このような構成により、各メモリホール334の内側に形成されたメモリピラーMPのそれぞれは、図3を参照しながら説明したNANDストリングNSとして機能する。
半導体柱338よりも上側には、ビット線BLとして機能する配線層が形成される。半導体柱338の上端には、半導体柱338とビット線BLとを接続するコンタクトプラグ339が形成されている。
更に、p型ウェル領域の表面内には、n+型不純物拡散層及び不図示のp+型不純物拡散層が形成されている。n+型不純物拡散層上にはコンタクトプラグ340が形成され、コンタクトプラグ340上には、配線層341が形成されている。配線層341は、ソース線SLの電位を調整するための配線であり、読み出し時にセレクトゲート線SGS直下のp型ウェル領域に形成される反転層を通してNANDストリングNSに接続される。不図示のp+型不純物拡散層はp型ウェル領域の電位を調整するための配線である。
図4に示される構成と同様の構成が、図4の紙面の奥行き方向に沿って複数配列されている。図4の紙面の奥行き方向に沿って一列に並ぶ複数のNANDストリングNSの集合によって、1つのストリングユニットSUが形成されている。
尚、本実施形態では、上記のように、半導体基板300のp型ウェル領域がソース線SLとして用いられる。このような態様に替えて、半導体基板300よりも上方側となる位置に形成された導体層が、ソース線SLとして用いられる構成としてもよい。この場合、半導体基板300と上記導体層との間の部分に、センスアンプ120等の周辺回路を配置した構成としてもよい。
図2に戻って説明を続ける。先に述べたように、プレーンPL1には、上記のメモリセルアレイ110に加えて、センスアンプ120とロウデコーダ130とが設けられている。
センスアンプ120は、ビット線BLに印加される電圧を調整したり、ビット線BLの電圧を読み出してデータに変換したりするための回路である。センスアンプ120は、データの読み出し時には、メモリセルトランジスタMTからビット線BLに読み出された読み出しデータを取得し、取得した読み出しデータを入出力回路21に転送する。センスアンプ120は、データの書き込み時には、ビット線BLを介して書き込まれる書き込みデータをメモリセルトランジスタMTに転送する。
ロウデコーダ130は、ワード線WLのそれぞれに電圧を印加するための、不図示のスイッチ群として構成された回路である。ロウデコーダ130は、レジスタ42からブロックアドレス及びロウアドレスを受け取り、当該ブロックアドレスに基づいて対応するブロックBLKを選択するとともに、当該ロウアドレスに基づいて対応するワード線WLを選択する。ロウデコーダ130は、選択されたワード線WLに対して電圧生成回路43からの電圧が印加されるよう、上記のスイッチ群の開閉を切り換える。
図5には、センスアンプ120の構成例が示されている。センスアンプ120は、複数のビット線BLのそれぞれに関連付けられた複数のセンスアンプユニットSAUを含む。図5には、これらのうちの1つのセンスアンプユニットSAUの詳細な回路構成が抽出して示されている。
図5に示されるように、センスアンプユニットSAUは、センスアンプ部SAと、ラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、XDLとを含んでいる。センスアンプ部SA、ラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、XDLは、互いにデータを送受信可能なように、バスLBUSによって接続されている。
センスアンプ部SAは、例えば読み出し動作において、対応するビット線BLに読み出されたデータをセンスして、読み出したデータが“0”であるか“1”であるかを判定する。センスアンプ部SAは、例えば、pチャネルMOSトランジスタであるトランジスタTR1と、nチャネルMOSトランジスタであるトランジスタTR2~TR9と、キャパシタC10とを含んでいる。
トランジスタTR1の一端は電源線に接続されており、トランジスタTR1の他端はトランジスタTR2に接続されている。トランジスタTR1のゲートは、ラッチ回路SDL内のノードINVに接続されている。トランジスタTR2の一端はトランジスタTR1に接続されており、トランジスタTR2の他端はノードCOMに接続されている。トランジスタTR2のゲートには信号BLXが入力される。トランジスタTR3の一端はノードCOMに接続されており、トランジスタTR3の他端はトランジスタTR4に接続されている。トランジスタTR3のゲートには信号BLCが入力される。トランジスタTR4は、高耐圧のMOSトランジスタである。トランジスタTR4の一端はトランジスタTR3に接続されている。トランジスタTR4の他端は対応するビット線BLに接続されている。トランジスタTR4のゲートには信号BLSが入力される。
トランジスタTR5の一端はノードCOMに接続されており、トランジスタTR5の他端はノードSRCに接続されている。トランジスタTR5のゲートはノードINVに接続されている。トランジスタTR6の一端は、トランジスタTR1とトランジスタTR2との間に接続されており、トランジスタTR6の他端はノードSENに接続されている。トランジスタTR6のゲートには信号HLLが入力される。トランジスタTR7の一端はノードSENに接続されており、トランジスタTR7の他端はノードCOMに接続されている。トランジスタTR7のゲートには信号XXLが入力される。
トランジスタTR8の一端は接地されており、トランジスタTR8の他端はトランジスタTR9に接続されている。トランジスタTR8のゲートはノードSENに接続されている。トランジスタTR9の一端はトランジスタTR8に接続されており、トランジスタTR9の他端はバスLBUSに接続されている。トランジスタTR9のゲートには信号STBが入力される。キャパシタC10の一端はノードSENに接続されている。キャパシタC10の他端にはクロックCLKが入力される。
信号BLX、BLC、BLS、HLL、XXL、及びSTBは、例えばシーケンサ41によって生成される。また、トランジスタTR1の一端に接続された電源線には、例えば半導体記憶装置2の内部電源電圧である電圧Vddが印加され、ノードSRCには、例えば半導体記憶装置2の接地電圧である電圧Vssが印加される。
ラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、XDLは、読み出しデータを一時的に保持する。ラッチ回路XDLは入出力回路21に接続され、センスアンプユニットSAUと入出力回路21との間のデータの入出力に使用される。読み出しデータは、ラッチ回路XDLに保持されることで、入出力回路21からメモリコントローラ1へと出力可能な状態となる。例えば、センスアンプユニットSAUによって読み出されたデータは、ラッチ回路ADL、BDL、CDLのいずれかに格納された後、ラッチ回路XDLへ転送され、ラッチ回路XDLから入出力回路21に出力される。また、例えば、メモリコントローラ1から入出力回路21に入力されたデータは、入出力回路21からラッチ回路XDLへ転送され、ラッチ回路XDLからラッチ回路ADL、BDL、CDLのいずれかに転送される。
ラッチ回路SDLは、例えば、インバータIV11、IV12と、nチャネルMOSトランジスタであるトランジスタTR13、TR14とを含んでいる。インバータIV11の入力ノードはノードLATに接続されている。インバータIV11の出力ノードはノードINVに接続されている。インバータIV12の入力ノードはノードINVに接続されている。インバータIV12の出力ノードはノードLATに接続されている。トランジスタTR13の一端はノードINVに接続されており、トランジスタTR13の他端はバスLBUSに接続されている。トランジスタTR13のゲートには信号STIが入力される。トランジスタTR13の一端はノードLATに接続されており、トランジスタTR14の他端はバスLBUSに接続されている。トランジスタTR14のゲートには信号STLが入力される。例えば、ノードLATにおいて保持されるデータがラッチ回路SDLに保持されるデータに相当する。また、ノードINVにおいて保持されるデータは、ノードLATに保持されるデータの反転データに相当する。ラッチ回路ADL、BDL、CDL、XDLの回路構成は、例えば、ラッチ回路SDLの回路構成と同様のため、説明を省略する。
図6は、メモリセルトランジスタMTの閾値分布等を模式的に示す図である。図6の中段にある図は、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧(横軸)と、メモリセルトランジスタMTの個数(縦軸)との対応関係を表している。
本実施形態のようにTLC方式を採用した場合においては、複数のメモリセルトランジスタMTは、図6の中段に示されるように、8つの閾値分布を形成する。この8個の閾値分布(書き込みレベル)のことを、閾値電圧の低い方から順に“ER”レベル、“A”レベル、“B”レベル、“C”レベル、“D”レベル、“E”レベル、“F”レベル、“G”レベルと称する。
図6の上段にある表は、閾値電圧の上記各レベルのそれぞれに対応して、割り当てられるデータの例を表している。同表に示されるように、“ER”レベル、“A”レベル、“B”レベル、“C”レベル、“D”レベル、“E”レベル、“F”レベル、及び“G”レベルには、例えば以下に示すような、それぞれ異なる3ビットデータが割り当てられる。
“ER”レベル:“111”(“下位ビット/中位ビット/上位ビット”)
“A”レベル:“011”
“B”レベル:“001”
“C”レベル:“000”
“D”レベル:“010”
“E”レベル:“110”
“F”レベル:“100”
“G”レベル:“101”
互いに隣り合う一対の閾値分布の間には、それぞれ書き込み動作で使用されるベリファイ電圧が設定される。具体的には、“A”レベル、“B”レベル、“C”レベル、“D”レベル、“E”レベル、“F”レベル、及び“G”レベルにそれぞれ対応して、ベリファイ電圧VfyA、VfyB、VfyC、VfyD、VfyE、VfyF、及びVfyGが設定される。
ベリファイ電圧VfyAは、“ER”レベルにおける最大の閾値電圧と“A”レベルにおける最小の閾値電圧との間に設定される。ワード線WLにベリファイ電圧VfyAが印加されると、当該ワード線WLに繋がるメモリセルトランジスタMTのうち、閾値電圧が“ER”レベルに含まれるメモリセルトランジスタMTがオン状態になり、閾値電圧が“A”レベル以上の閾値分布に含まれるメモリセルトランジスタMTがオフ状態になる。
その他のベリファイ電圧VfyB、VfyC、VfyD、VfyE、VfyF、及びVfyGも、上記のベリファイ電圧VfyAと同様に設定される。ベリファイ電圧VfyBは、“A”レベルと“B”レベルとの間に設定され、ベリファイ電圧VfyCは、“B”レベルと“C”レベルとの間に設定され、ベリファイ電圧VfyDは、“C”レベルと“D”レベルとの間に設定され、ベリファイ電圧VfyEは、“D”レベルと“E”レベルとの間に設定され、ベリファイ電圧VfyFは、“E”レベルと“F”レベルとの間に設定され、ベリファイ電圧VfyGは、“F”レベルと“G”レベルとの間に設定される。
例えば、ベリファイ電圧VfyAは0.8Vに、ベリファイ電圧VfyBは1.6Vに、ベリファイ電圧VfyCは2.4Vに、ベリファイ電圧VfyDは3.1Vに、ベリファイ電圧VfyEは3.8Vに、ベリファイ電圧VfyFは4.6Vに、ベリファイ電圧VfyGは5.6Vに、それぞれ設定してもよい。しかし、これに限定されることなく、ベリファイ電圧VfyA、VfyB、VfyC、VfyD、VfyE、VfyF、及びVfyGは、例えば、0V~7.0Vの範囲で、適宜、段階的に設定してもよい。
また、隣り合う閾値分布の間には、それぞれ読み出し動作で使用される読み出し電圧が設定される。「読み出し電圧」とは、読み出し動作時において、読み出し対象となるメモリセルトランジスタMTに繋がるワード線WL、すなわち選択ワード線に対し印加される電圧である。読み出し動作では、読み出し対象となるメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が、印加された読み出し電圧よりも高いか否かの判定結果に基づいてデータが決定される。
図6の下段の図において模式的に示されるように、具体的には、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧が“ER”レベルに含まれるのか“A”レベル以上に含まれるのかを判定する読み出し電圧VrAは、“ER”レベルにおける最大の閾値電圧と“A”レベルにおける最小の閾値電圧との間に設定される。
その他の読み出し電圧VrB、VrC、VrD、VrE、VrF、及びVrGも、上記の読み出し電圧VrAと同様に設定される。読み出し電圧VrBは、“A”レベルと“B”レベルとの間に設定され、読み出し電圧VrCは、“B”レベルと“C”レベルとの間に設定され、読み出し電圧VrDは、“C”レベルと“D”レベルとの間に設定され、読み出し電圧VrEは、“D”レベルと“E”レベルとの間に設定され、読み出し電圧VrFは、“E”レベルと“F”レベルとの間に設定され、読み出し電圧VrGは、“F”レベルと“G”レベルとの間に設定される。
そして、最も高い閾値分布(例えば“G”レベル)の最大の閾値電圧よりも高い電圧に、読み出しパス電圧VPASS_READが設定される。読み出しパス電圧VPASS_READがゲートに印加されたメモリセルトランジスタMTは、記憶するデータに依らずにオン状態になる。
尚、ベリファイ電圧VfyA、VfyB、VfyC、VfyD、VfyE、VfyF、及びVfyGは、例えば、読み出し電圧VrA、VrB、VrC、VrD、VrE、VrF、及びVrGよりもそれぞれ高い電圧に設定される。つまり、ベリファイ電圧VfyA、VfyB、VfyC、VfyD、VfyE、VfyF、及びVfyGは、それぞれ“A”レベル、“B”レベル、“C”レベル、“D”レベル、“E”レベル、“F”レベル、及び“G”レベルの閾値分布の下裾近傍に設定される。
以上に説明したようなデータの割り付けが適用された場合、読み出し動作において下位ビットの1ページデータ(下位ページデータ)は、読み出し電圧VrA及びVrEを用いた読み出し結果によって確定させることができる。中位ビットの1ページデータ(中位ページデータ)は、読み出し電圧VrB、VrD、及びVrFを用いた読み出し結果によって確定させることができる。上位ビットの1ページデータ(上位ページデータ)は、読み出し電圧VrC及びVrGを用いた読み出し結果によって確定させることができる。このように、下位ページデータ、中位ページデータ、及び上位ページデータがそれぞれ、2回、3回、及び2回の読み出し動作によって確定するため、以上のようなデータの割り付けは“2-3-2コード”と称される。
尚、以上で説明したようなデータの割り付けはあくまで一例であり、実際のデータの割り付けはこれに限定されない。例えば、2ビット又は4ビット以上のデータが1つのメモリセルトランジスタMTに記憶されてもよい。また、データが割り付けられる閾値分布の数は7以下であってもよく、9以上であってもよい。例えば、“2-3-2コード”に代えて、“1-3-3コード”又は“1-2-4コード”を用いてもよい。また、例えば、下位ビット/中位ビット/上位ビットの割り当てを変更してもよい。より具体的には、例えば、“2-3-2コード”において、下位ページデータを読み出し電圧VrC及びVrBを用いた読み出し結果によって確定させ、中位ページデータを読み出し電圧VrB、VrD、及びVrFを用いた読み出し結果によって確定させ、上位ページデータを読み出し電圧VrA及びVrEを用いた読み出し結果によって確定させるようにデータを割り当ててもよい。すなわち、例えば、下位ビットと上位ビットの割り当てを入れ替えてもよい。この場合、閾値電圧の各レベルのそれぞれに対応して、以下のようにデータが割り当てられる。
“ER”レベル:“111”(“下位ビット/中位ビット/上位ビット”)
“A”レベル:“110”
“B”レベル:“100”
“C”レベル:“000”
“D”レベル:“010”
“E”レベル:“011”
“F”レベル:“001”
“G”レベル:“101”
半導体記憶装置2において行われる書き込み動作について説明する。書き込み動作では、プログラム動作及びベリファイ動作が行われる。「プログラム動作」とは、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層336に電子を注入することにより、当該メモリセルトランジスタMTの閾値電圧を上昇させる動作のことである。尚、プログラム動作には、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層336に対する電子の注入を禁止することにより、当該メモリセルトランジスタMTの閾値電圧を維持させることも含まれる。
「ベリファイ動作」とは、書き込み動作において、上記のプログラム動作の後、データを読み出すことで、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧がターゲットレベルまで達したか否かを判定する動作である。閾値電圧がターゲットレベルまで達したメモリセルトランジスタMTは、その後、書き込み禁止とされる。閾値電圧がターゲットレベルまで達しなかったメモリセルトランジスタMTには、その後、再度の書き込みが実行される。
書き込み動作では、以上のプログラム動作とベリファイ動作の組み合わせが繰り返される。これにより、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧がターゲットレベルまで上昇する。
図7は、プログラム動作時における各配線の電位変化を示している。以下では、プレーンPL1においてプログラム動作が行われる場合の例について説明するが、プレーンPL2におけるプログラム動作も、以下のようなプレーンPL1の場合と同様に行われる。
プログラム動作では、センスアンプ120が、プログラムデータに対応して各ビット線BLの電位を変化させる。プログラム対象の(閾値電圧を上昇させるべき)メモリセルトランジスタMTに繋がるビット線BLには、“L”レベルとして接地電圧Vss(例えば0V)が印加される。プログラム対象ではない(閾値電圧を維持すべき)メモリセルトランジスタMTに繋がるビット線BLには、“H”レベルとして、例えば2.5Vが印加される。前者のビット線BLは、図7においては「BL(0)」と表記されている。後者のビット線BLは、図7においては「BL(1)」と表記されている。
ロウデコーダ130は、書き込み動作の対象としていずれかのブロックBLKを選択し、更にいずれかのストリングユニットSUを選択する。より具体的には、選択されたストリングユニットSUにおけるセレクトゲート線SGD(選択セレクトゲート線SGDsel)には、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えば5Vが印加される。これにより、選択トランジスタST1はオン状態となる。他方で、セレクトゲート線SGSには、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えば電圧Vssが印加される。これにより、選択トランジスタST2はオフ状態となる。
また、選択ブロックBLKにおける非選択ストリングユニットSUのセレクトゲート線SGD(非選択セレクトゲート線SGDusel)には、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えば電圧5Vが印加される。これにより、選択トランジスタST1がオン状態となる。なお、各ブロックBLKに含まれるストリングユニットSUにおいて、セレクトゲート線SGSは共通に接続されている。従って、非選択ストリングユニットSUにおいても、選択トランジスタST2はオフ状態となる。
更に、非選択ブロックBLKにおけるセレクトゲート線SGD及びセレクトゲート線SGSには、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えば電圧Vssが印加される。これにより、選択トランジスタST1及び選択トランジスタST2はオフ状態となる。
ソース線SLは、セレクトゲート線SGSの電位よりも高い電位とされる。当該電位は、例えば1Vである。
その後、選択ブロックBLKにおける選択セレクトゲート線SGDselの電位を、例えば2.5Vとする。この電位は、上記の例で0Vが与えられたビット線BL(0)に対応する選択トランジスタST1はオンさせるが、2.5Vが与えられたビット線BL(1)に対応する選択トランジスタST1はカットオフさせる電圧である。これにより、選択ストリングユニットSUにおいては、ビット線BL(0)に対応する選択トランジスタST1はオンされ、2.5Vが与えられたビット線BL(1)に対応する選択トランジスタST1はカットオフされる。一方で、非選択セレクトゲート線SGDuselの電位を、例えば電圧Vssとする。これにより、非選択ストリングユニットSUにおいては、ビット線BL(0)及びビット線BL(1)の電位に関わらず、選択トランジスタST1はカットオフされる。
そしてロウデコーダ130は、選択ブロックBLKにおいて、書き込み動作の対象としていずれかのワード線WLを選択する。書き込み動作の対象となるワード線WL(選択ワード線WLsel)に、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えば電圧VPGMが印加される。一方で、その他のワード線WL(非選択ワード線WLusel)に、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えば電圧VPASS_PGMが印加される。電圧VPGMは、トンネル現象により電子を電荷蓄積層336に注入するための高電圧である。電圧VPASS_PGMは、ワード線WLに繋がるメモリセルトランジスタMTをONとする一方で、閾定電圧は変化させない程度の電圧である。VPGMはVPASS_PGMよりも高い電圧である。
プログラム対象のビット線BL(0)に対応するNANDストリングNSでは、選択トランジスタST1がオン状態となる。そのため、選択ワード線WLselに接続されたメモリセルトランジスタMTのチャネル電位は0Vとなる。制御ゲートとチャネルとの間の電位差が大きくなり、その結果、電子が電荷蓄積層336に注入されるので、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧が上昇される。
プログラム対象ではないビット線BL(1)に対応するNANDストリングNSでは、選択トランジスタST1がカットオフ状態となる。そのため、選択ワード線WLselに接続されたメモリセルトランジスタMTのチャネルは電気的にフローティングとなり、ワード線WL等との容量カップリングによりチャネル電位は電圧VPGM近くまで上昇される。制御ゲートとチャネルとの間の電位差が小さくなり、その結果、電子は電荷蓄積層336に注入されないので、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧は維持される。正確にいうと、閾値分布レベルがより高い分布に遷移するほどには、閾値電圧は変動しない。
書き込み動作では、データが正しく書き込まれたことが確認されるまで、プログラム動作とベリファイ動作とが繰り返される。図8では、プログラム動作とベリファイ動作との組み合わせが19回繰り返されることによって、データが書き込まれる場合を例に示している。このように繰り返される各動作のことを、以下では「ループ」とも称する。
図8には、各ループにおいて行われるベリファイ動作のターゲットレベルが示されている。図示するように、1回目及び2回目のループでは、ベリファイ動作は“A”レベルのみを対象にして行われる。つまり、ベリファイ動作時に選択ワード線WLselには電圧VfyAが印加され、電圧VfyB~VfyGは印加されない。続く3回目及び4回目のループでは、ベリファイ動作は“A”レベルと“B”レベルとを対象にして行われる。つまり、ベリファイ動作時に選択ワード線WLselにはベリファイ電圧VfyA及びVfyBが順次印加され、ベリファイ電圧VfyC~VfyGは印加されない。
5回目及び6回目のループでは、ベリファイ動作は“A”レベル、“B”レベル、及び“C”レベルを対象にして行われる。つまり、ベリファイ動作時に選択ワード線WLselにはベリファイ電圧VfyA、VfyB、及びVfyCが順次印加され、ベリファイ電圧VfyD~VfyGは印加されない。そして、“A”レベルを対象としたベリファイ動作は、6回目のループで完了する。これは、例えば6回のループ回数で“A”レベルへのプログラムはほぼ完了するということが経験的に求められるからである。
また、7回目及び8回目のループでは、ベリファイ動作は“B”レベル、“C”レベル、及び“D”レベルを対象にして行われる。つまり、ベリファイ動作時に選択ワード線WLselにはベリファイ電圧VfyB、VfyC、及びVfyDが順次印加される。そして、“B”レベルを対象としたベリファイ動作は、8回目の書き込み動作で完了する。更に、9回目及び10回目のループでは、ベリファイ動作は“C”レベル、“D”レベル、及び“E”レベルを対象にして行われる。つまり、ベリファイ動作時に選択ワード線WLselにはベリファイ電圧VfyC、VfyD、及びVfyEが順次印加される。そして、“C”レベルを対象としたベリファイ動作は、10回目のループで完了する。
以降、同様にして“G”レベルの書き込みまで行われ、ループは最大で19回、繰り返される。
以上のような書き込み動作時における、各配線の電位の様子を図9に示す。図9は、1回目から6回目のループにおける、選択ワード線WLselの電位、“Er”レベルを維持すべきメモリセルトランジスタMTに対応するビット線BL(図9ではBL(“Er”)と表記)の電位、及び“A”~“G”レベル内の値に閾値を上昇させるべきメモリセルトランジスタMTに対応するビット線BL(図9ではそれぞれBL(“A”)、BL(“B”)、BL(“C”)、BL(“D”)、BL(“E”)、BL(“F”)、及び、BL(“G”)と表記)の電位の時間変化を示している。
図示するように、1回目のループでは、ビット線BL(“A”)~BL(“G”)のそれぞれに繋がるメモリセルトランジスタMTを対象として、プログラム動作が行われる。具体的には、選択ワード線WLselには電圧VPGMが印加され、ビット線BL(“Er”)には例えば2.5Vが印加され、ビット線BL(“A”)~BL(“G”)には、例えば電圧VSS(=0V)が印加される。これにより、ビット線BL(“A”)~BL(“G”)のそれぞれに繋がる選択メモリセルトランジスタMTの閾値電圧が上昇する。
このようなプログラム動作に続いて、“A”レベルについてのベリファイ動作が行われる。具体的には、ビット線BL(“A”)が例えば0.7Vにプリチャージされ、選択ワード線WLselにはベリファイ電圧VfyAが印加される。その他のビット線BL(“Er”)、BL(“B”)~BL(“G”)は、例えば0V等に固定され、ベリファイ対象から外される。その結果、図8を参照しながら先に述べたように、1回目のループでは“A”レベルのみを対象にしてベリファイ動作が行われることとなる。
2回目のループでは、1回目の“A”レベルについてのベリファイ動作をフェイルしたビット線BL(“A”)及びビット線BL(“B”)~BL(“G”)、のそれぞれに繋がるメモリセルトランジスタMTを対象として、プログラム動作が行われる。このとき、選択ワード線WLselに印加される電圧VPGMは、1回目のループにおける電圧VPGMよりも僅かに大きくなるようにステップアップされる。その後、1回目と同様に“A”レベルについてのベリファイ動作が実行される。つまり、2回目のループでも“A”レベルのみを対象にしてベリファイ動作が行われる。
3回目のループでは、2回目と同様に、“A”レベルについてのベリファイ動作をフェイルしたビット線BL(“A”)及びビット線BL(“B”)~BL(“G”)、のそれぞれに繋がるメモリセルトランジスタMTを対象として、プログラム動作が行われる。このとき選択ワード線WLselに印加される電圧VPGMは、2回目のループにおける電圧VPGMよりも僅かに大きくなるように更にステップアップされる。その後、1回目及び2回目と同様に、まず“A”レベルについてのベリファイ動作が実行される。
続いて、“B”レベルについてのベリファイ動作が実行される。具体的には、ビット線BL(“A”)及びBL(“B”)が例えば0.7Vにプリチャージされ、選択ワード線WLselにはベリファイ電圧VfyA及びVfyBが順次印加される。その他のビット線BL(“Er”)及びBL(“C”)~BL(“G”)は、例えば0V等に固定され、ベリファイ対象から外される。その結果、図8を参照しながら先に述べたように、3回目のループでは“A”レベルと“B”レベルとを対象にしてベリファイ動作が行われることとなる。
4回目のループでは、電圧VPGMが更にステップアップされて、3回目のループと同様の動作が行われる。
5回目のループでは、ビット線BL(“A”)、BL(“B”)、及びBL(“C”)、のそれぞれに繋がるメモリセルトランジスタMTを対象として、プログラム動作が行われる。続いて、“A”レベル、“B”レベル、及び“C”レベルについてベリファイ動作が行われる。6回目のループでは、電圧VPGMがステップアップされて、5回目のループと同様の動作が行われる。
7回目のループ以降においても、上記と同様のプログラム動作及びベリファイ動作が繰り返し行われて行く。その結果、選択ワード線WLselには、電圧VPGMの印加と、ベリファイ電圧VfyA等の印加とが交互に繰り返されて行く。
図9に示されるように、それぞれのループにおいて、電圧VPGMの印加に続いて行われるベリファイ電圧VfyA等の印加は、1回もしくは複数回繰り返して行われる。それぞれのループ内において繰り返されるベリファイ電圧VfyA等の印加回数は、図9の例では1回から3回までの範囲となっているのであるが、この例とは異なる回数であってもよい。図10のグラフには、選択ワード線WLselに対する電圧VPGMの印加、及びベリファイ電圧VfyA等の印加、が繰り返し行われる様子が模式的に表されている。
読み出し動作(ベリファイ動作)の概要について説明する。図11は、読み出し動作時における各配線の電位変化を示している。以下では、プレーンPL1において読み出し動作が行われる場合の例について説明するが、プレーンPL2における読み出し動作も、以下のようなプレーンPL1の場合と同様に行われる。
読み出し動作では、読み出し動作の対象となるメモリセルトランジスタMT、を含むNANDストリングNSが選択される。あるいは、読み出し動作の対象となるページを含むストリングユニットSUが選択される。
まず、選択セレクトゲート線SGDsel、非選択セレクトゲート線SGDusel及びセレクトゲート線SGSには、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えば5Vが印加される。これにより、選択ブロックBLKに含まれる選択トランジスタST1及び選択トランジスタST2はオン状態となる。また、選択ワード線WLsel及び非選択ワード線には、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えば読み出しパス電圧VPASS_READが印加される。読み出しパス電圧VPASS_READは、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧にかかわらず、メモリセルトランジスタMTをONとすることができ、かつ、閾定電圧は変化させない程度の電圧である。これにより、選択ストリングユニットSUであるか非選択ストリングユニットSUであるかにかかわらず、選択ブロックBLKに含まれる全てのNANDストリングNSにおいて、電流が導通する。
次に、読み出し動作の対象となるメモリセルトランジスタMTに繋がるワード線WL(選択ワード線WLsel)に対し、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えばVrAのような読み出し電圧Vrが印加される。それ以外のワード線WL(非選択ワード線WLusel)に対しては、読み出しパス電圧VPASS_READが印加される。
また、選択セレクトゲート線SGDsel及びセレクトゲート線SGSに印加する電圧は維持しつつ、非選択セレクトゲート線SGDuselには、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えば電圧Vssが印加される。これにより、選択ストリングユニットSUに含まれる選択トランジスタST1はオン状態を維持するが、非選択ストリングユニットSUに含まれる選択トランジスタST1はオフ状態となる。なお、選択ストリングユニットSUであるか非選択ストリングユニットSUであるかにかかわらず、選択ブロックBLKに含まれる選択トランジスタST2はオン状態となる。
これにより、非選択ストリングユニットSUに含まれるNANDストリングNSは、少なくとも選択トランジスタST1がオフ状態となるため、電流パスを形成しない。一方で、選択ストリングユニットSUに含まれるNANDストリングNSは、選択ワード線WLselに印加される読み出し電圧VrとメモリセルトランジスタMTの閾値電圧との関係に応じて、電流パスが形成され、または、形成されない。
センスアンプ120は、選択されたNANDストリングNSに繋がるビット線BLに対して電圧を印加する。この状態で、センスアンプ120は、当該ビット線BLを流れる電流の値に基づいてデータの読み出しを行う。具体的には、読み出し動作の対象となるメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が、当該メモリセルトランジスタMTに印加された読み出し電圧よりも高いか否かを判定する。尚、データの読み出しは、ビット線BLを流れる電流の値に基づくのではなく、ビット線BLにおける電位の時間変化に基づいて行われてもよい。後者の場合、ビット線BLは、予め所定の電位となるようにプリチャージされる。
先に述べたベリファイ動作も、上記のような読み出し動作と同様に行われる。ベリファイ動作では、ベリファイの対象となるメモリセルトランジスタMTに繋がるワード線WLに対し、例えばVfyAのようなベリファイ電圧が電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して印加されることとなる。
以上に説明した図11の例は、理解を容易にするために、読み出し電圧Vrとして単一の電圧を印加した場合の例となっている。実際の読み出し動作においては、読み出し電圧Vrとして複数の電圧が段階的に印加される。すなわち、読み出し電圧Vrが複数の値を経るように切り替えられていく。
本実施形態においては、先に述べたように、下位ビットの1ページデータ(下位ページデータ)は、読み出し電圧VrA及びVrEを用いた読み出し結果によって確定させることができる。従って、下位ページデータを対象とした読み出し動作においては、読み出し電圧Vrは、VrA及びVrEの2つの値をとるように、順次切り替られることとなる。
図12には、下位ページの読み出し動作において選択ワード線WLselに印加される電圧と、センスアンプユニットSAUの信号STBとの関係の一例が示されている。信号STBは、センスアンプユニットSAUに対応するビット線BLを流れる電流の値に基づいてデータの読み出しを行わせるための制御信号である。
図11の例でも説明したように、選択ワード線WLselには、先ず読み出しパス電圧VPASS_READが印加される。続いて、選択ワード線WLselに印加される電圧は、読み出し電圧VrA、及びVrEへと順次切り替えられる。選択ワード線WLselの電圧が読み出し電圧VrA、VrEとなっている期間のそれぞれにおいて、信号STBが入力されたタイミングでデータの読み出しが行われ、メモリセルトランジスタMTがONとなっているか否かが確認される。選択ワード線WLselの電圧は、最終的には0V(接地電圧Vss)に戻される。
このように、選択ワード線WLselに印加される電圧は、最初の期間T1において読み出しパス電圧VPASS_READとされ、続く期間T2において読み出し電圧VrA、VrEとされ、更に続く期間T3において0Vとされる。期間T1における読み出しパス電圧VPASS_READの印加は、NANDストリングNSに含まれるメモリセルトランジスタMTの全てをONとすることで、半導体柱338内の電位ムラを予め除去しておくために行われる。これにより、各メモリセルトランジスタMTにおける閾値電圧の誤判定を抑制することができる。
中位ページ、及び上位ページの読み出し動作も、上記と同様に行われる。中位ページの読み出し動作においては、図12の期間T2において、選択ワード線WLselの電圧が読み出し電圧VrB、VrD、VrFと順に切り替えられることとなる。また、上位ページの読み出し動作においては、図12の期間T2において、選択ワード線WLselの電圧が読み出し電圧VrC、VrGと順に切り替えられることとなる。
図12に示される例のように、読み出し動作は、一群のメモリセルトランジスタMTが記憶する複数ページの中から、特定のページ(例えば下位ページ)のみを対象として行うことができる。
半導体記憶装置2が読み出し動作を行う方法としては、種々の方法が用意されている。図12の例のように、特定のページを指定して当該ページのみからデータの読み出しを行うような読み出し方法としては、次に説明する「ノーマルリード」と称される方法や、「キャッシュリード」と称される方法が用意されている。また、複数のページから連続してデータの読み出しを行うような読み出し方法として、後に説明する「シーケンシャルリード」と称される方法も用意されている。
図13を参照しながらノーマルリードについて説明する。図13(A)に示されるのは、半導体記憶装置2のロジック制御用パッド群32からメモリコントローラ1へと送信されるレディービジー信号R/Bの時間変化の例である。レディービジー信号R/Bは、半導体記憶装置2がレディ状態にあるときに「H(High)」となり、半導体記憶装置2がビジーにあるときに「L(Low)」となるものである。図13(A)には更に、「RD1」や「DO1」等のコマンドが、メモリコントローラ1から半導体記憶装置2へと入力されるタイミングについても示されている。
図13(B)に示されるのは、選択ワード線WLselに印加される電圧の時間変化の例である。図13(B)では、読み出し動作において、選択ワード線WLselの電圧が例えば読み出し電圧VrA、VrEと切り替えられて行く様子が示されている。尚、選択ワード線WLselの電圧は、例えば図12の例における期間T1のように、読み出し動作時において予め読み出しパス電圧VPASS_READとされるのであるが、図13(B)においてはそのような電圧の変化の図示が省略されている。
図13(C)に示されるのは、センスアンプユニットSAUのラッチ回路XDLに保持されるデータの時間変化の例である。同図の「L」は、ラッチ回路XDLに下位ページデータが保持されている期間を示しており、「M」は、ラッチ回路XDLに中位ページデータが保持されている期間を示しており、「U」は、ラッチ回路XDLに上位ページデータが保持されている期間を示している。
図13に示される例では、先ず、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドRD1が入力される。コマンドRD1は、下位ページの読み出し動作を指示するコマンドである。例えば、コマンドRD1は、半導体記憶装置2へ読み出し動作の実行を指示するコマンド信号と、読み出し動作の対象となるアドレスを示すアドレス信号と、を含むコマンドセットである。なお、アドレス信号に加えて、プレフィックス(pre-fix)コマンドが用いられてもよい。
入出力回路21にコマンドRD1が入力されると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをHからLに変化させると共に、下位ページの読み出し動作を開始する。図13(B)に示されるように、シーケンサ41は、選択ワード線WLselの電圧を、読み出し電圧VrA、VrEと順に切り替えて行くことで、下位ページデータを確定させる。
尚、図13(B)において「R」が付されている期間は、選択ワード線WLselの電圧が読み出しパス電圧VPASS_READ(不図示)とされ、続いて最初の読み出し電圧(例えばVrA)とされる期間である。当該期間のことを、以下では「セットアップ期間R」とも称する。図13(B)において「RWL」が付されている期間は、選択ワード線WLselの電圧が次の読み出し電圧(例えばVrE)とされる期間である。当該期間のことを、以下では「読み出し期間RWL」とも称する。読み出し期間RWLは、選択ワード線WLselの電圧が予め読み出しパス電圧VPASS_READとはされないので、基本的にはセットアップ期間Rよりも短い期間となる。図13(B)において「RR」が付されている期間は、選択ワード線WLselの電圧が0V(電圧Vss)に戻される期間である。当該期間のことを、以下では「リカバリー期間RR」とも称する。
図13(C)に示されるように、選択ワード線WLselに読み出し電圧VrEが印加され読み出し動作が行われた時点で、下位ページデータは確定する。確定されたデータは、例えば、ラッチ回路XDLに格納される。これにより、下位ページデータを入出力回路21から出力可能な状態となる。
ラッチ回路XDLへ下位ページデータの転送が完了し、且つリカバリー期間RRが終了すると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをLからHに変化させる。なお、半導体記憶装置2がレディービジー信号R/BをLからHに変化させるタイミングは、ラッチ回路XDLへ下位ページデータの転送が完了するタイミング、及び/又は、リカバリー期間RR が終了するタイミングと、厳密に一致している必要はない。例えば、半導体記憶装置2は、ラッチ回路XDLへ下位ページデータの転送が完了するより少し前のタイミング、又は、リカバリー期間RR が終了するより少し前のタイミングで、レディービジー信号R/BをLからHに変化させてもよい。
レディービジー信号R/BがLからHに変化することにより、メモリコントローラ1は、半導体記憶装置2から下位ページデータが出力可能となったことを認識する。このため、レディービジー信号R/BがHに変化した直後に、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドDO1が入力される。例えば、コマンドDO1は、半導体記憶装置2へデータアウト動作の実行を指示するコマンド信号と、データアウト動作の対象となるアドレスを示すアドレス信号を含むコマンドセットである。
入出力回路21にコマンドDO1が入力されると、半導体記憶装置2は、ラッチ回路XDLに保持されている下位ページデータを、入出力回路21からメモリコントローラ1へと出力する処理を行う。その間、レディービジー信号R/BはHのままである。
メモリコントローラ1による下位ページデータの取得が完了すると、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドRD2が入力される。コマンドRD2は、中位ページの読み出し動作を指示するコマンドである。例えば、コマンドRD2は、半導体記憶装置2へ読み出し動作の実行を指示するコマンド信号と、読み出し動作の対象となるアドレスを示すアドレス信号を含むコマンドセットである。
入出力回路21にコマンドRD2が入力されると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをHからLに変化させると共に、中位ページの読み出し動作を開始する。図13(B)に示されるように、シーケンサ41は、選択ワード線WLselの電圧を、読み出し電圧VrB、VrD、VrFと順に切り替えて行くことで、中位ページデータを確定させる。
下位ページデータの読み出し時と同様に、選択ワード線WLselに最初の読み出し電圧VrBが印加される期間は、セットアップ期間Rの一部となっている。また、選択ワード線WLselに読み出し電圧VrD、VrFが印加される期間のそれぞれは読み出し期間RWLとなっており、最後の読み出し期間RWLの後にリカバリー期間RRが続いている。
図13(C)に示されるように、選択ワード線WLselに読み出し電圧VrFが印加され読み出し動作が行われた時点で、中位ページデータは確定する。確定されたデータは、例えば、ラッチ回路XDLに格納される。これにより、中位ページデータを入出力回路21から出力可能な状態となる。尚、図13の例では、入出力回路21にコマンドRD2が入力された時点で、ラッチ回路XDLにおける下位ページデータの保持が解除されている。このような態様に替えて、ラッチ回路XDLに中位ページデータが転送されるまでの間、ラッチ回路XDLにおいて下位ページデータが保持され続ける態様としてもよい。
ラッチ回路XDLへ中位ページデータの転送が完了し、且つリカバリー期間RRが終了すると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをLからHに変化させる。これにより、メモリコントローラ1は、半導体記憶装置2から中位ページデータが出力可能となったことを認識する。このため、レディービジー信号R/BがHに変化した直後に、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドDO2が入力される。例えば、コマンドDO2は、半導体記憶装置2へデータアウト動作の実行を指示するコマンド信号と、データアウト動作の対象となるアドレスを示すアドレス信号を含むコマンドセットである。
入出力回路21にコマンドDO2が入力されると、半導体記憶装置2は、ラッチ回路XDLに保持されている中位ページデータを、入出力回路21からメモリコントローラ1へと出力する処理を行う。その間、レディービジー信号R/BはHのままである。
メモリコントローラ1による中位ページデータの取得が完了すると、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドRD3が入力される。コマンドRD3は、上位ページの読み出し動作を指示するコマンドである。例えば、コマンドRD3は、半導体記憶装置2へ読み出し動作の実行を指示するコマンド信号と、読み出し動作の対象となるアドレスを示すアドレス信号を含むコマンドセットである。
入出力回路21にコマンドRD3が入力されると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをHからLに変化させると共に、上位ページの読み出し動作を開始する。図13(B)に示されるように、シーケンサ41は、選択ワード線WLselの電圧を、読み出し電圧VrC、VrGと順に切り替えて行くことで、上位ページデータを確定させる。
下位ページデータの読み出し時と同様に、選択ワード線WLselに最初の読み出し電圧VrCが印加される期間は、セットアップ期間Rの一部となっている。また、選択ワード線WLselに読み出し電圧VrGが印加される期間は読み出し期間RWLとなっており、最後の読み出し期間RWLの後にリカバリー期間RRが続いている。
図13(C)に示されるように、選択ワード線WLselに読み出し電圧VrGが印加され読み出し動作が行われた時点で、上位ページデータは確定する。確定されたデータは、例えば、ラッチ回路XDLに格納される。これにより、上位ページデータを入出力回路21から出力可能な状態となる。
ラッチ回路XDLへ上位ページデータの転送が完了し、且つリカバリー期間RRが終了すると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをLからHに変化させる。これにより、メモリコントローラ1は、半導体記憶装置2から上位ページデータが出力可能となったことを認識する。このため、レディービジー信号R/BがHに変化した直後に、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドDO3が入力される。例えば、コマンドDO1は、半導体記憶装置2へデータアウト動作の実行を指示するコマンド信号と、データアウト動作の対象となるアドレスを示すアドレス信号を含むコマンドセットである。
入出力回路21にコマンドDO3が入力されると、半導体記憶装置2は、ラッチ回路XDLに保持されている上位ページデータを、入出力回路21からメモリコントローラ1へと出力する処理を行う。その間、レディービジー信号R/BはHのままである。
以上のように、ノーマルリードによる読み出し動作においては、選択ワード線WLselの電圧を切り替えて行きながら、コマンドセットに含まれるアドレス信号に対応した特定のページデータを確定させる動作が先ず行われる。続いて、当該データを入出力回路21からメモリコントローラ1へと出力する動作が行われる。前者の動作のことを、以下では「Core動作」とも称し、後者の動作のことを、以下では「Dout動作」とも称する。
ノーマルリードによる読み出し動作では、コマンドセットで指定されたページのそれぞれについて、Core動作及びDout動作が順に実行されることとなる。また、複数のページからデータを読み出すために、ノーマルリードのコマンドセットが複数入力される場合であっても、1つのページからのデータの読み出し動作が完全に完了するまでは、次のページからのデータの読み出し動作は開始されない。従って、図13の例のように、ノーマルリードによって下位ページ、中位ページ、上位ページのそれぞれからデータを連続して読み出す場合において、全てのデータをメモリコントローラ1が取得するまでに要する期間は比較的長くなってしまう。
これに対し、キャッシュリードでは、一部のCore動作とDout動作とを同時に、つまり並行して実行することで、ノーマルリードよりも短い時間で複数ページデータを読み出すことができる。図14を参照しながらキャッシュリードについて説明する。
図14(A)には、半導体記憶装置2のロジック制御用パッド群32からメモリコントローラ1へと送信されるレディービジー信号R/Bの時間変化の例が、図13(A)と同様の方法で示されている。図14(B)には、選択ワード線WLselに印加される電圧の時間変化の例が、図13(B)と同様の方法で示されている。図14(C)には、センスアンプユニットSAUのラッチ回路XDLに保持されるデータの時間変化の例が、図13(C)と同様の方法で示されている。図14(D)には、センスアンプユニットSAUのラッチ回路ADLに保持されるデータの時間変化の例が、図14(C)と同様の方法で示されている。
図14に示される例でも、図13の例と同様に、先ず、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドRD1が入力される。コマンドRD1に応じて、シーケンサ41は、選択ワード線WLselの電圧を、読み出し電圧VrA、VrEと順に切り替えて行くことで、下位ページデータを確定させる。確定した下位ページデータは、例えば、ラッチ回路ADLに格納され、ラッチ回路XDLに転送される。ラッチ回路XDLへ下位ページデータの転送が完了し、且つリカバリー期間RRが終了すると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをLからHに変化させる。ここまでは、図13に示されるノーマルリードの場合と同じである。
図14の例では、レディービジー信号R/BがHに変化した後、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドRD2’が入力されている。コマンドRD2’は、コマンドRD2と同様に中位ページの読み出し動作を指示するコマンドであるが、キャッシュリードによる読み出し動作を指示するコマンドとなっている。例えば、コマンドRD2’は、半導体記憶装置2へ読み出し動作の実行を指示するコマンド信号と、読み出し動作の対象となるアドレスを示すアドレス信号を含むコマンドセットである。
入出力回路21にコマンドRD2’が入力されると、半導体記憶装置2は、中位ページデータを読み出すためのCore動作を開始する。具体的には、シーケンサ41が、選択ワード線WLselの電圧を、読み出し電圧VrB、VrD、VrFと順に切り替えて行くことで、中位ページデータを確定させる。
入出力回路21にコマンドRD2’が入力されたタイミングで、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをHからLに変化させる。ただし、この時点で下位ページデータは入出力回路21から出力可能となっているので、半導体記憶装置2は、その直後においてレディービジー信号R/Bを再びLからHに変化させる。
レディービジー信号R/BがHに変化すると、メモリコントローラ1は入出力回路21にコマンドDO1を入力する。
入出力回路21にコマンドDO1が入力されると、半導体記憶装置2は、ラッチ回路XDLに保持されている下位ページデータを、入出力回路21からメモリコントローラ1へと出力する処理を行う。その間、レディービジー信号R/BはHのままである。このとき、半導体記憶装置2では、中位ページデータを読み出すためのCore動作が行われている。つまり、図14のキャッシュリードにおいては、下位ページデータを出力するためのDout動作と、中位ページデータを読み出すためのCore動作と、が並行して行われる。
メモリコントローラ1による下位ページデータの取得が完了すると、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドRD3’が入力される。コマンドRD3’は、コマンドRD3と同様に上位ページの読み出し動作を指示するコマンドであるが、キャッシュリードによる読み出し動作を指示するコマンドとなっている。例えば、コマンドRD3’は、半導体記憶装置2へ読み出し動作の実行を指示するコマンド信号と、読み出し動作の対象となるアドレスを示すアドレス信号を含むコマンドセットである。
入出力回路21にコマンドRD3’が入力されたタイミングで、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをHからLに変化させる。この時点では、半導体記憶装置2では、中位ページデータを読み出すためのCore動作が行われている。従って、シーケンサ41は、当該Core動作を引き続き行い、上位ページデータを読み出すためのCore動作はこの時点では開始しない。
選択ワード線WLselに読み出し電圧VrFが印加され読み出し動作が行われた時点で、中位ページデータは確定する。確定した中位ページデータは、ラッチ回路ADLに転送され保持される。
中位ページデータを読み出すためのCore動作が完了した時点、すなわち、選択ワード線WLselの電圧が読み出し電圧VrFから0Vに戻った時点において、図14の例では、コマンドDO1に応じた下位ページデータの出力が完了している。このため、半導体記憶装置2は、中位ページデータをラッチ回路ADLからラッチ回路XDLに転送する。中位ページデータがラッチ回路XDLに保持された状態、つまり、中位ページデータを入出力回路21から出力可能な状態になると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをLからHに変化させる。
これにより、メモリコントローラ1は、半導体記憶装置2から中位ページデータが出力可能となったことを認識する。このため、レディービジー信号R/BがHに変化した直後に、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドDO2が入力される。
入出力回路21にコマンドDO2が入力されると、半導体記憶装置2は、ラッチ回路XDLに保持されている中位ページデータを、入出力回路21からメモリコントローラ1へと出力する処理を行う。その間、レディービジー信号R/BはHのままである。
中位ページデータを読み出すためのCore動作が完了した後に、シーケンサ41は、予め入力されていたコマンドRD3’に応じて、上位ページデータを読み出すためのCore動作を開始する。図14(B)に示されるように、シーケンサ41は、選択ワード線WLselの電圧を、読み出し電圧VrC、VrGと順に切り替えて行くことで、上位ページデータを確定させる。このように、図14のキャッシュリードにおいては、中位ページデータを出力するためのDout動作と、上位ページデータを読み出すためのCore動作と、が並行して行われる。
メモリコントローラ1による中位ページデータの取得が完了すると、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドTRが入力される。コマンドTRは、最後の読み出しコマンド(この例ではコマンドRD3’)により読み出されたデータを、ラッチ回路XDLに転送することを指示するコマンドである。
入出力回路21にコマンドTRが入力されると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをHからLに変化させる。この時点では、半導体記憶装置2では、上位ページデータを読み出すためのCore動作が行われている。従って、シーケンサ41は、当該Core動作を引き続き行い、コマンドTRに対応した処理(上位ページデータをラッチ回路XDLに転送する処理)はこの時点では開始しない。
選択ワード線WLselに読み出し電圧VrGが印加され読み出し動作が行われた時点で、上位ページデータは確定する。確定した上位ページデータは、ラッチ回路ADLに転送され保持される。
上位ページデータを読み出すためのCore動作が完了した時点、すなわち、選択ワード線WLselの電圧が読み出し電圧VrGから0Vに戻った時点において、図14の例では、コマンドDO2に応じた中位ページデータの出力が完了している。このため、半導体記憶装置2は、上位ページデータをラッチ回路ADLからラッチ回路XDLに転送する。上位ページデータがラッチ回路XDLに保持された状態、つまり、上位ページデータを入出力回路21から出力可能な状態になると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをLからHに変化させる。
これにより、メモリコントローラ1は、半導体記憶装置2から上位ページデータが出力可能となったことを認識する。このため、レディービジー信号R/BがHに変化した直後に、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドDO3が入力される。
入出力回路21にコマンドDO3が入力されると、半導体記憶装置2は、ラッチ回路XDLに保持されている上位ページデータを、入出力回路21からメモリコントローラ1へと出力する処理を行う。その間、レディービジー信号R/BはHのままである。
以上のように、キャッシュリードによる読み出し動作においては、一部の期間においてCore動作とDout動作とが並行して行われる。従って、下位ページ、中位ページ、上位ページのそれぞれからデータを連続して読み出す場合において、全てのデータをメモリコントローラ1が取得するまでに要する期間は、ノーマルリードの場合に比べると短くなる。
ノーマルリード及びキャッシュリードのいずれにおいても、Core動作は、下位ページからのデータの読み出し、中位ページからのデータの読み出し、及び上位ページからのデータの読み出しに分けて行われる。このため、それぞれのCore動作の間に空き時間が生じ、読み出し動作の全体に要する時間が伸びてしまう。更に、各ページに対応したCore動作のそれぞれにおいて最初にセットアップ期間Rが必要となるので、読み出し動作の全体に要する時間は更に伸びてしまう。
そこで、本実施形態に係る半導体記憶装置2では、複数のページからデータを一括して読み出すための方法として、シーケンシャルリードと称される方法も用意されている。本実施形態に係るシーケンシャルリードの説明に先立ち、従来と同様の比較例に係るシーケンシャルリードの態様を、図15を参照しながら説明する。図15には、比較例のシーケンシャルリードが行われる場合における各部の電圧等の時間変化が、図14と同様の方法で示されている。
図15に示される例では、先ず、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドRDが入力される。コマンドRDは、下位ページ、中位ページ、及び上位ページからのデータの読み出しを、シーケンシャルリードにより行うよう指示するコマンドである。例えば、コマンドRDは、半導体記憶装置2へ読み出し動作の実行を指示するコマンド信号と、読み出し動作の対象となるアドレスを示すアドレス信号を含むコマンドセットである。
入出力回路21にコマンドRDが入力されると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをHからLに変化させると共に、シーケンシャルリードによる読み出し動作を開始する。図15(B)に示されるように、シーケンサ41は、図6に示される7つの読み出し電圧VrA等の全てを経るように、選択ワード線WLselの電圧を、低い方から順に読み出し電圧VrA、VrB、・・・、VrF、VrGと順に切り替えて行く。また、シーケンサ41は、選択ワード線WLselに各読み出し電圧が印加されたそれぞれの場合において、読み出し動作を行うことで選択メモリセルトランジスタMTからデータを取得して行く。
シーケンシャルリードにおいては、選択ワード線WLselに最初の読み出し電圧VrAが印加される期間は、セットアップ期間Rの一部となっている。その後、選択ワード線WLselに読み出し電圧VrB、VrC、・・・、VrGが印加される期間のそれぞれは読み出し期間RWLとなっており、最後の読み出し期間RWLの後にリカバリー期間RRが続いている。このように、シーケンシャルリードにおいてはセットアップ期間Rが1つだけとなっており、リカバリー期間RRも1つだけとなっている。
先に述べたように、下位ページデータは、読み出し電圧VrA及びVrEを用いた読み出し結果によって確定させることができる。このため、図15の比較例においては、選択ワード線WLselに読み出し電圧VrEが印加され読み出し動作が行われた時点で、下位ページデータは確定する。確定されたデータは、例えば、ラッチ回路ADLに格納され、ラッチ回路XDLに当該データが転送される。これにより、下位ページデータを入出力回路21から出力可能な状態となる。
下位ページデータを入出力回路21から出力可能な状態になると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをLからHに変化させる。これにより、メモリコントローラ1は、半導体記憶装置2から下位ページデータが出力可能となったことを認識する。このため、レディービジー信号R/BがHに変化した直後に、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドDO1が入力される。
入出力回路21にコマンドDO1が入力されると、半導体記憶装置2は、ラッチ回路XDLに保持されている下位ページデータを、入出力回路21からメモリコントローラ1へと出力する処理、すなわちDout動作を行う。その間、レディービジー信号R/BはHのままである。図15(A)においては、上記のように下位ページデータのDout動作が行われる期間が「DoutL」と表記されている。
上記のようにDout動作が行われている期間においても、選択ワード線WLselの電圧を切り替えて行く動作は継続して行われている。先に述べたように、中位ページデータは、読み出し電圧VrB、VrD、及びVrFを用いた読み出し結果によって確定させることができる。このため、図15の比較例においては、選択ワード線WLselに読み出し電圧VrFが印加され読み出し動作が行われた時点で、中位ページデータは確定する。確定した中位ページデータは、ラッチ回路ADLに転送され保持される。
また、上位ページデータは、読み出し電圧VrC及びVrGを用いた読み出し結果によって確定させることができる。このため、図15の比較例においては、選択ワード線WLselに読み出し電圧VrGが印加され読み出し動作が行われた時点で、上位ページデータは確定する。確定した上位ページデータは、ラッチ回路ADLに転送され保持される。
尚、図15の例では後に説明するように、上位ページデータがラッチ回路ADLに転送される時点よりも前に、中位ページデータは、ラッチ回路ADLからラッチ回路XDLへと予め転送さる。このため、上位ページデータがラッチ回路ADLに転送されても、中位ページデータが消失することは無い。尚、各ページのDout動作がどのようなタイミングで行われてもよいように、確定した上位ページデータが、ラッチ回路ADLではなくラッチ回路BDL又はラッチ回路CDLに転送されることとしてもよい。
メモリコントローラ1による下位ページデータの取得(図15のDoutL)が完了すると、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドTRが入力される。コマンドTRは、次のページ(この例では中位ページ)のデータをラッチ回路XDLに転送することを、半導体記憶装置2に指示するコマンドとして用いられる。
入出力回路21にコマンドTRが入力されると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをHからLに変化させる。図15の例では、この時点で中位ページデータは確定しており、当該データはラッチ回路ADLに保持されている。シーケンサ41は、中位ページデータをラッチ回路ADLからラッチ回路XDLに転送する。中位ページデータがラッチ回路XDLに保持された状態、つまり、中位ページデータを入出力回路21から出力可能な状態になると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをLからHに変化させる。
これにより、メモリコントローラ1は、半導体記憶装置2から中位ページデータが出力可能となったことを認識する。このため、レディービジー信号R/BがHに変化した直後に、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドDO2が入力される。
入出力回路21にコマンドDO2が入力されると、半導体記憶装置2は、ラッチ回路XDLに保持されている中位ページデータを、入出力回路21からメモリコントローラ1へと出力する処理、すなわちDout動作を行う。その間、レディービジー信号R/BはHのままである。図15(A)においては、上記のように中位ページデータのDout動作が行われる期間が「DoutM」と表記されている。図15の例では、当該期間が完了するよりも前にCore動作が完了している。
メモリコントローラ1による中位ページデータの取得(図15のDoutL)が完了すると、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドTRが入力される。先に述べたように、コマンドTRは、次のページ(この例では上位ページ)のデータをラッチ回路XDLに転送することを、半導体記憶装置2に指示するコマンドとして用いられる。
入出力回路21にコマンドTRが入力されると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをHからLに変化させる。図15の例では、この時点で上位ページデータは確定しており、当該データはラッチ回路ADLに保持されている。シーケンサ41は、上位ページデータをラッチ回路ADLからラッチ回路XDLに転送する。上位ページデータがラッチ回路XDLに保持された状態、つまり、上位ページデータを入出力回路21から出力可能な状態になると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをLからHに変化させる。
これにより、メモリコントローラ1は、半導体記憶装置2から上位ページデータが出力可能となったことを認識する。このため、レディービジー信号R/BがHに変化した直後に、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドDO3が入力される。
入出力回路21にコマンドDO3が入力されると、半導体記憶装置2は、ラッチ回路XDLに保持されている上位ページデータを、入出力回路21からメモリコントローラ1へと出力する処理、すなわちDout動作を行う。その間、レディービジー信号R/BはHのままである。図15(A)においては、上記のように上位ページデータのDout動作が行われる期間が「DoutU」と表記されている。当該期間が完了すると、シーケンシャルリードによる読み出し動作が完了する。
以上のように、比較例に係るシーケンシャルリードでは、シーケンサ41は、選択ワード線WLselの電圧を、低い方から順に読み出し電圧VrA、VrB、・・・、VrF、VrGと順に切り替えて行く。各ページからデータを読み出すためのCore動作が、一まとまりの連続した期間において実行されるので、Core動作の間に空き時間が生じることはない。また、複数ページのデータを読み出すにあたり、セットアップ期間Rは1回でよく、リカバリー期間RRも1回でよい。このため、シーケンシャルリードでは、特にCore動作に要する時間を短縮することが可能となる。
更に、シーケンシャルリードでは、Core動作とDout動作とが、一部の期間において並行して実行される。換言すれば、Dout動作が行われる期間の一部が、Core動作が行われる期間に隠される。このため、キャッシュリードと同様に、読み出し動作に要する全体の期間をノーマルリードよりも短くすることができる。
しかしながら、図15の例におけるシーケンシャルリードにおいては、最初のページデータ(下位ページデータ)を入出力回路21から出力可能となるタイミング、すなわち、読み出し電圧VrEを用いたデータの読み出しが完了するタイミングが、Core動作における終盤のタイミングとなっている。このため、Core動作とDout動作とが並行して実行される期間は比較的短くなっており、Core動作が終了してから比較的長い期間TMが経過した後に、最後のDout動作が終了している。
また、例えば、下位ページからデータを出力するDout動作の期間(DoutL)が図15の例よりも更に長くなると、Core動作が終了した後で、中位ページからデータを出力するDout動作が開始されることとなる。この場合、読み出し動作の全体が完了するまでに要する期間は更に長くなってしまう。
図16には、もう一つの比較例に係るシーケンシャルリードが行われる場合における、各部の電圧等の時間変化が、図15と同様の方法で示されている。この比較例は、シーケンサ41が、図6に示される7つの読み出し電圧VrA等の全てを経るように、選択ワード線WLselの電圧を、高い方から順に読み出し電圧VrG、VrF、・・・、VrB、VrAと順に切り替えて行く例となっている。
この場合、読み出し電圧VrCを用いたデータの読み出しが完了したタイミングで、最初に上位ページデータが確定することとなる。その後、読み出し電圧VrBを用いたデータの読み出しが完了したタイミングで中位ページデータが確定し、読み出し電圧VrAを用いたデータの読み出しが完了したタイミングで下位ページデータが確定する。この例においても、最初のページデータ(上位ページデータ)を入出力回路21から出力可能となるタイミングは、Core動作における終盤のタイミングとなっている。このため、Core動作が終了してから最後のDout動作が終了するまでの期間TMは、図15の例と同様に比較的長くなってしまっている。
そこで、本実施形態において実行されるシーケンシャルリードでは、選択ワード線WLselに印加される電圧の順序を、以上のような比較例の場合とは異なる順序に変更することで、上記の期間TMを短くし、読み出し動作に要する全体の期間を短くすることとしている。
図17を参照しながら、本実施形態において実行されるシーケンシャルリードの態様について説明する。図17(A)には、半導体記憶装置2のロジック制御用パッド群32からメモリコントローラ1へと送信されるレディービジー信号R/Bの時間変化の例が、図15(A)と同様の方法で示されている。図17(B)には、選択ワード線WLselに印加される電圧の時間変化の例が、図15(B)と同様の方法で示されている。図17(C)には、センスアンプユニットSAUのラッチ回路XDLに保持されるデータの時間変化の例が、図15(C)と同様の方法で示されている。図17(D)には、センスアンプユニットSAUのラッチ回路ADLに保持されるデータの時間変化の例が、図15(D)と同様の方法で示されている。図17(E)には、センスアンプユニットSAUのラッチ回路BDLに保持されるデータの時間変化の例が、図17(D)と同様の方法で示されている。図17(F)には、センスアンプユニットSAUのラッチ回路CDLに保持されるデータの時間変化の例が、図17(D)と同様の方法で示されている。
図17の例では、図15の例と同様に、先ず、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドRDが入力される。コマンドRDが入力されると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをHからLに変化させると共に、シーケンシャルリードによる読み出し動作を開始する。図17(B)に示されるように、シーケンサ41は、選択ワード線WLselの電圧を、読み出し電圧VrA、VrE、VrB、VrD、VrF、VrC、VrG、の順で、最終的には図6に示される7つの読み出し電圧VrA等の全てを経るように切り替えて行く。また、シーケンサ41は、選択ワード線WLselに各読み出し電圧が印加されたそれぞれの場合において、読み出し動作を行うことで選択メモリセルトランジスタMTからデータを取得して行く。
図17(B)に示されるように、Core動作が行われる期間、すなわち、選択ワード線WLselの電圧が切り換えられていく期間は、3つの小期間TML、TMM、TMUに分けることができる。最初の小期間TMLでは、選択ワード線WLselの電圧が、読み出し電圧VrA、VrEの順で切り替えられる。次の小期間TMMでは、選択ワード線WLselの電圧が、読み出し電圧VrB、VrD、VrFの順で切り替えられる。最後の小期間TMUでは、選択ワード線WLselの電圧が、読み出し電圧VrC、VrGの順で切り替えられる。
小期間TMLにおいて選択ワード線WLselに印加される読み出し電圧VrA、VrEは、いずれも下位ページデータを確定させるために必要な電圧である。小期間TMLにおいては、下位ページデータを確定させるために必要な全ての読み出し電圧VrA等が選択ワード線WLselに印加される一方で、下位ページデータ以外のデータを確定させるために必要な読み出し電圧VrB等は選択ワード線WLselに印加されない。このため、小期間TMLが終了したタイミングにおいては、下位ページデータが早期に確定する。以上のように、小期間TMLは、下位ページデータの読み出しに必要な電圧が選択ワード線WLselに印加される期間となっており、「下位ページに対応する小期間」ということができる。
小期間TMMにおいて選択ワード線WLselに印加される読み出し電圧VrB、VrD、VrFは、いずれも中位ページデータを確定させるために必要な電圧である。小期間TMMにおいては、中位ページデータを確定させるために必要な全ての読み出し電圧VrB等が選択ワード線WLselに印加される一方で、中位ページデータ以外のデータを確定させるために必要な読み出し電圧VrA等は選択ワード線WLselに印加されない。このため、小期間TMMが終了したタイミングにおいては、下位ページデータに続いて中位ページデータが確定する。以上のように、小期間TMMは、中位ページデータの読み出しに必要な電圧が選択ワード線WLselに印加される期間となっており、「中位ページに対応する小期間」ということができる。
小期間TMUにおいて選択ワード線WLselに印加される読み出し電圧VrC、VrGは、いずれも上位ページデータを確定させるために必要な電圧である。小期間TMUにおいては、上位ページデータを確定させるために必要な全ての読み出し電圧VrC等が選択ワード線WLselに印加される一方で、上位ページデータ以外のデータを確定させるために必要な読み出し電圧VrA等は選択ワード線WLselに印加されない。このため、小期間TMUが終了したタイミングにおいては、下位ページデータ及び中位ページデータに続いて上位ページデータが確定する。以上のように、小期間TMUは、上位ページデータの読み出しに必要な電圧が選択ワード線WLselに印加される期間となっており、「上位ページに対応する小期間」ということができる。
小期間TMLが終了して下位ページデータが確定すると、確定した下位ページデータはラッチ回路ADLに格納される。ラッチ回路ADLに格納された下位ページデータがラッチ回路XDLに転送されると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをLからHに変化させる。これにより、メモリコントローラ1は、半導体記憶装置2から下位ページデータが出力可能となったことを認識する。このため、レディービジー信号R/BがHに変化した直後に、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドDO1が入力される。なお、図17(D)においては、ラッチ回路ADLからラッチ回路XDLへ下位ページデータが転送された後、ラッチ回路ADLのデータが消去される様子が示されているが、ラッチ回路ADLからラッチ回路XDLへ下位ページデータが転送された後も、下位ページデータがラッチ回路ADLに保持されていてもよい。
入出力回路21にコマンドDO1が入力されると、半導体記憶装置2は、ラッチ回路XDLに保持されている下位ページデータを、入出力回路21からメモリコントローラ1へと出力する処理、すなわちDout動作を行う。その間、レディービジー信号R/BはHのままである。このとき、半導体記憶装置2では、小期間TMMにおけるCore動作が引き続き行われている。図17(A)においては、上記のように下位ページデータのDout動作が行われる期間が、図15(A)の場合と同様に「DoutL」と表記されている。
メモリコントローラ1による下位ページデータの取得(DoutL)が完了すると、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドTRが入力される。このコマンドTRは、次のページ(この例では中位ページ)のデータをラッチ回路XDLに転送すること、を半導体記憶装置2に指示するコマンドとして用いられる。
入出力回路21にコマンドTRが入力されると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをHからLに変化させる。図17の例では、この時点で中位ページデータは未だ確定しておらず、小期間TMMの途中となっている。このため、ラッチ回路XDLへの中位ページデータの転送は、この時点では行われない。
その後、小期間TMMが終了して中位ページデータが確定すると、確定した中位ページデータはラッチ回路BDLに保持される。このタイミングで、本実施形態のようにメモリコントローラ1からコマンドTRが既に入力されていた場合には、半導体記憶装置2は、中位ページデータをラッチ回路BDLからラッチ回路XDLに転送する。中位ページデータがラッチ回路XDLに保持された状態、つまり、中位ページデータを入出力回路21から出力可能な状態になると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをLからHに変化させる。なお、図17(E)においては、ラッチ回路BDLからラッチ回路XDLへ中位ページデータが転送された後、ラッチ回路BDLのデータが消去される様子が示されているが、ラッチ回路BDLからラッチ回路XDLへ中位ページデータが転送された後も、中位ページデータがラッチ回路BDLに保持されていてもよい。
これにより、メモリコントローラ1は、半導体記憶装置2から中位ページデータが出力可能となったことを認識する。このため、レディービジー信号R/BがHに変化した直後に、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドDO2が入力される。
入出力回路21にコマンドDO2が入力されると、半導体記憶装置2は、ラッチ回路XDLに保持されている中位ページデータを、入出力回路21からメモリコントローラ1へと出力する処理、すなわちDout動作を行う。その間、レディービジー信号R/BはHのままである。このとき、半導体記憶装置2では、小期間TMUにおけるCore動作が引き続き行われている。図17(A)においては、上記のように中位ページデータのDout動作が行われる期間が、図15(A)の場合と同様に「DoutM」と表記されている。
メモリコントローラ1による中位ページデータの取得(DoutM)が完了すると、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドTRが入力される。このコマンドTRは、次のページ(この例では上位ページ)のデータをラッチ回路XDLに転送すること、を半導体記憶装置2に指示するコマンドとして用いられる。
入出力回路21にコマンドTRが入力されると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをHからLに変化させる。図17の例では、この時点で上位ページデータは未だ確定しておらず、小期間TMUの途中となっている。このため、ラッチ回路XDLへの上位ページデータの転送は、この時点では行われない。
その後、小期間TMUが終了して上位ページデータが確定すると、確定した上位ページデータはラッチ回路CDLに保持される。このタイミングで、本実施形態のようにメモリコントローラ1からコマンドTRが既に入力されていた場合には、半導体記憶装置2は、上位ページデータをラッチ回路CDLからラッチ回路XDLに転送する。上位ページデータがラッチ回路XDLに保持された状態、つまり、上位ページデータを入出力回路21から出力可能な状態になると、半導体記憶装置2は、レディービジー信号R/BをLからHに変化させる。なお、図17(F)においては、ラッチ回路CDLからラッチ回路XDLへ上位ページデータが転送された後、ラッチ回路CDLのデータが消去される様子が示されているが、ラッチ回路CDLからラッチ回路XDLへ上位ページデータが転送された後も、上位ページデータがラッチ回路CDLに保持されていてもよい。
これにより、メモリコントローラ1は、半導体記憶装置2から上位ページデータが出力可能となったことを認識する。このため、レディービジー信号R/BがHに変化した直後に、メモリコントローラ1から入出力回路21にコマンドDO3が入力される。
入出力回路21にコマンドDO3が入力されると、半導体記憶装置2は、ラッチ回路XDLに保持されている上位ページデータを、入出力回路21からメモリコントローラ1へと出力する処理、すなわちDout動作を行う。その間、レディービジー信号R/BはHのままである。図17(A)においては、上記のように上位ページデータのDout動作が行われる期間が、図15(A)の場合と同様に「DoutU」と表記されている。
小期間TMUが終了すると、シーケンサ41は、選択ワード線WLselの電圧を、読み出し電圧VrGから0V(電圧Vss)へと戻す。つまり、小期間TMUの後にリカバリー期間RRが続くこととなる。リカバリー期間RRが終了した後に、メモリコントローラ1による上位ページデータの取得(DoutU)が完了する
以上のように、本実施形態に係る半導体記憶装置2では、入出力回路21がコマンドRDを受信すると、シーケンサ41は、読み出しの対象とされた各ページに対応する小期間TML、TMM、TMUのそれぞれにおいて、選択ワード線WLselの電圧を切り替えることで、当該小期間に対応するページのデータを確定させる処理を行う。それぞれの小期間TML、TMM、TMUにおいて、シーケンサ41は、選択ワード線WLselの電圧を、当該小期間に対応するページのデータを確定させるために必要な全ての電圧を経るように切り替える一方、選択ワード線WLselの電圧を、当該小期間に対応する前記ページとは異なるページのデータを確定させるために必要な電圧には切り替えない。
また、本実施形態においては、下位ページ、中位ページ、上位ページのうちの一部のページのデータが確定する毎に、シーケンサ41は、当該データをラッチ回路XDLに保持することで、入出力回路21から出力可能な状態とする。その結果、シーケンサ41は、データを入出力回路21から出力する処理(つまりDout動作)の少なくとも一部を、選択ワード線WLselの電圧を切り替える処理(つまりCore動作)と並行して行うことができる。
このような方法で行われるシーケンシャルリードにおいては、Core動作が開始されてから比較的早いタイミングで、最初のページデータ(下位ページデータ)を入出力回路21から出力可能な状態とすることができる。
比較例よりも早いタイミングでDout動作が開始されるため、本実施形態では、下位ページからデータを出力するDout動作の期間(DoutL)と、中位ページからデータを出力するDout動作の期間(DoutM)と、の両方が、Core動作が行われる期間に隠されている。その結果、Core動作が終了してから最後のDout動作が終了するまでの期間TMが、比較例よりも短くなるので、読み出し動作の全体に要する時間が短縮されている。
下位ページデータ、中位ページデータ、及び上位ページデータを連続して読み出すために要する時間について、図18を参照しながら説明する。図18(A)には、図13のノーマルリードに要する時間の例が示されている。同図に示される「Core動作」は、ノーマルリードで実行されるCore動作の合計時間である。図13に示されるように、ノーマルリードのCore動作が行われる期間には、3つのセットアップ期間Rと、4つの読み出し期間RWLと、3つのリカバリー期間RRとが含まれる。ノーマルリードが行われる際のCore動作の合計時間は、図18(A)に示されるように、それらの期間の和となる。
図18(A)に示される「Dout動作」は、ノーマルリードで実行されるDout動作のうち、Core動作とは重ならない期間に実行された部分の合計時間である。ノーマルリードでは、Dout動作の全体が、Core動作とは重ならない期間に実行される。このため、図18(A)に示される「Dout動作」は、ノーマルリードで実行されるDout動作の合計時間に等しい。
図18(B)には、図14のキャッシュリードに要する時間の例が示されている。同図に示される「Core動作」及び「Dout動作」の定義は上記と同様である。キャッシュリードのCore動作が行われる期間にも、ノーマルリードの場合と同様に、3つのセットアップ期間Rと、4つの読み出し期間RWLと、1つのリカバリー期間RRとが含まれる。このため、キャッシュリードが行われる際のCore動作の合計時間は、図18(B)に示されるようにそれらの期間の和となる。これは、図18(A)に示されるノーマルリードにおけるCore動作の時間と同等である。
一方で、キャッシュリードで実行されるDout動作は、その一部がCore動作と並行して実行される。従って、図18(B)に示されるように、キャッシュリードに要する時間は、図18(A)のノーマルリードに要する時間より、短くなる。
図18(C)には、図15の比較例に係るシーケンシャルリードに要する時間の例が示されている。図15に示されるように、比較例に係るシーケンシャルリードのCore動作が行われる期間には、1つのセットアップ期間Rと、6つの読み出し期間RWLと、1つのリカバリー期間RRとが含まれる。従って、比較例に係るシーケンシャルリードが行われる際のCore動作の合計時間は、図18(C)に示されるように、図18(A)に示すノーマルリードにおけるCore動作の時間よりも、短くなる。
比較例に係るシーケンシャルリードで実行されるDout動作は、その一部がCore動作と並行して実行される。両動作が並行して実行される期間の長さは条件によって変化し得るが、Core動作とは重ならない期間に実行される部分の合計時間は、図18(C)に示されるように、図18(A)に示すノーマルリードにおけるDout動作の時間よりも、短くなる。
図18(D)には、図17の本実施形態に係るシーケンシャルリードに要する時間の例が示されている。図17に示されるように、本実施形態に係るシーケンシャルリードのCore動作が行われる期間にも、比較例の場合と同様に、1つのセットアップ期間Rと、6つの読み出し期間RWLと、1つのリカバリー期間RRとが含まれる。このため、本実施形態に係るシーケンシャルリードが行われる際のCore動作の合計時間は、図18(D)に示されるように、図18(A)に示すノーマルリードにおけるCore動作の時間よりも、短くなる。
本実施形態に係るシーケンシャルリードでは、3回のうち2回分のDout動作が、Core動作と並行して実行される。その結果、Dout動作のうち、Core動作とは重ならない期間に実行される部分の合計時間は、図18(D)に示されるように、図18(C)に示す比較例に係るシーケンシャルリードにおけるDout動作の時間よりも、短くなる。
以上のように、本実施形態に係るシーケンシャルリードでは、他の方法に比べて、読み出し動作の全体に要する時間を最も短くすることができる。尚、以上に説明した各時間はあくまで一例であって、条件によって変化し得る。ただし、Dout動作に要する時間等の条件を揃えた上でそれぞれの読み出し方法を比較すれば、図18の例のように、本実施形態に係るシーケンシャルリードの所要時間が最も短くなる。
本実施形態においては、メモリコントローラ1からのコマンドRDを入出力回路21が受信すると、シーケンサ41が図17のシーケンシャルリードを実行する。先に述べたように、コマンドRDは、メモリセルトランジスタMTに記憶されている全てのページ、すなわち、下位ページ、中位ページ、及び上位ページデータを連続して読み出すコマンドである。このような態様に替えて、下位ページ、中位ページ、及び上位ページの全てではなく、一部の複数ページを連続して読み出すコマンドを入出力回路21が受信した場合にも、本実施形態と同様のシーケンシャルリードが実行されてもよい。
例えば、下位ページ及び中位ページのみを連続して実行するコマンドを入出力回路21が受信した場合には、シーケンサ41が、選択ワード線WLselに対し読み出し電圧VrA、VrE、VrB、VrD、VrFを順に印加しながら、下位データ及び中位データを順に確定させることとすればよい。また、例えば、中位ページ及び上位ページのみを連続して実行するコマンドを入出力回路21が受信した場合には、シーケンサ41が、選択ワード線WLselに対し読み出し電圧VrB、VrD、VrF、VrC、VrGを順に印加しながら、中位データ及び上位データを順に確定させることとすればよい。いずれの場合であっても、メモリコントローラ1からシーケンシャルリードを指示するコマンドは、メモリセルトランジスタMTから複数のページのデータを連続して読み出す動作、を指示するコマンドであればよい。これにより、Core動作を開始してから従来よりも早いタイミングで、最初のページデータについてのDout動作を開始することが可能となる。
第2実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
図19には、本実施形態のシーケンシャルリードが行われる場合における各部の電圧等の時間変化が、図17と同様の方法で示されている。図19と図17とを対比すると明らかなように、本実施形態は、シーケンシャルリードの際に、選択ワード線WLselに各読み出し電圧VrA等が印加される順序において、第1実施形態と異なっている。
最初の小期間TMLにおいて、シーケンサ41は、選択ワード線WLselに印加される電圧を、読み出し電圧VrE、VrAの順に変化するよう切り替えることで、下位ページデータを確定させる。小期間TMLに続く小期間TMMにおいて、シーケンサ41は、選択ワード線WLselに印加される電圧を、読み出し電圧VrF、VrD、VrBの順に変化するよう切り替えることで、中位ページデータを確定させる。小期間TMMに続く小期間TMUにおいて、シーケンサ41は、選択ワード線WLselに印加される電圧を、読み出し電圧VrG、VrCの順に変化するよう切り替えることで、上位ページデータを確定させる。
このように、小期間TML、TMM、TMUのいずれにおいても、シーケンサ41は、選択ワード線WLselの電圧を段階的に小さくなるように切り替えて行く。
図19(B)においては図示が省略されているが、小期間TMLのうち、最初の読み出し電圧VrEが印加されるセットアップ期間Rにおいては、選択ワード線WLselに読み出しパス電圧VPASS_READが先ず印加された後、これに続いて読み出し電圧VrEが印加される。
読み出しパス電圧VPASS_READは、読み出し電圧VrA~VrGのいずれよりも大きな電圧である。従って、本実施形態のように読み出しパス電圧VPASS_READに続いて読み出し電圧VrEが印加されると、第1実施形態のように読み出しパス電圧VPASS_READに続いて読み出し電圧VrAが印加される場合に比べて、読み出し電圧の値を早期に目標値に到達させることができる。つまり、セットアップ期間Rの長さを、第1実施形態に比べて短くすることができる。
このように、本実施形態では、入出力回路21がコマンドRDを受信してから最初の小期間TMLにおいて、シーケンサ41が、選択ワード線WLselの電圧を段階的に小さくして行くように構成されている。これにより、セットアップ期間Rが短くなるので、読み出し動作の全体を更に短時間で完了させることが可能となる。
第3実施形態について説明する。以下では、上記の第2実施形態と異なる点について主に説明し、第2実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
図20には、本実施形態のシーケンシャルリードが行われる場合における各部の電圧等の時間変化が、図19と同様の方法で示されている。本実施形態も第2実施形態と同様に、シーケンシャルリードの際に、選択ワード線WLselに各読み出し電圧VrA等が印加される順序において、第1実施形態と異なっている。
最初の小期間TMLにおいて、選択ワード線WLselに印加される読み出し電圧の順序は、第2実施形態と同じである。また、小期間TMM、TMUにおいて、選択ワード線WLselに印加される読み出し電圧の順序は、第1実施形態と同じである。
このように、本実施形態では、セットアップ期間Rを含む最初の小期間TMLにおいてのみ、シーケンサ41が、選択ワード線WLselの電圧を段階的に小さくするように構成されている。選択ワード線WLselの電圧が段階的に小さくされる小期間は、本実施形態のように一部の小期間TMLのみであってもよく、第2実施形態のように全ての小期間TML、TMM、TMUであってもよい。ただし、セットアップ期間Rが短くなるという効果を得るためには、少なくとも最初の小期間において、選択ワード線WLselの電圧が段階的に小さくされることが好ましい。
第4実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
図21には、本実施形態のシーケンシャルリードが行われる場合における各部の電圧等の時間変化が、図17と同様の方法で示されている。本実施形態も、シーケンシャルリードの際に、選択ワード線WLselに各読み出し電圧VrA等が印加される順序において、第1実施形態と異なっている。
最初の小期間TMLにおいて、選択ワード線WLselに印加される読み出し電圧の順序は、第2実施形態と同じである。また、小期間TMMにおいて、選択ワード線WLselに印加される読み出し電圧の順序は、第1実施形態と同じである。小期間TMUにおいて、選択ワード線WLselに印加される読み出し電圧の順序は、第2実施形態と同じである。このため、選択ワード線WLselに印加される電圧は、読み出し電圧VrE、VrA、VrB、VrD、VrF、VrG、VrCの順で切り替えられていく。
本実施形態でも第2実施形態と同様に、最初の小期間TMLにおいて、選択ワード線WLselの電圧が段階的に小さくされる。これにより、セットアップ期間Rが短くなるという効果が得られる。
また本実施形態では、セットアップ期間Rが短くなるという上記の効果を得ながらも、読み出し電圧が次第に大きくなっていく期間、すなわち、読み出し電圧がVrA、VrB、VrD、VrF、VrGの順に切り替えられていく期間が、可能な限り長く確保されている。その結果、読み出し電圧を、VrB、VrD、VrF、VrGのそれぞれの値において早期に落ち着かせることができるので、読み出し動作の全体を更に短時間で完了させることが可能となる。
第5実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
図22には、本実施形態のシーケンシャルリードが行われる場合における各部の電圧等の時間変化が、図17と同様の方法で示されている。本実施形態も、シーケンシャルリードの際に、選択ワード線WLselに各読み出し電圧VrA等が印加される順序において、第1実施形態と異なっている。
本実施形態では、選択ワード線WLselに印加される電圧が、読み出し電圧VrG、VrC、VrB、VrD、VrF、VrE、VrAの順で切り替えられていく。本実施形態では、最初の小期間が、上位データを確定させるための小期間TMUとなり、続く小期間が、中位データを確定させるための小期間TMMとなり、最後の小期間が、上位データを確定させるための小期間TMUとなるように、選択ワード線WLselに印加される電圧をシーケンサ41が切り替えて行く構成となっている。
本実施形態では、Core動作において、上位ページ、中位ページ、下位ページの順でデータが確定して行くので、Dout動作によるデータの出力もこの順序で行われる。このように、各ページのデータをどのような順序で読み出すかは、適宜変更してもよい。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。例えば、図23に示すように、図17で示したシーケンシャルリードの動作を、2回以上連続して行ってもよい。この場合、1回目のシーケンシャルリードの動作を指示するコマンドRD1に対して、2回目のシーケンシャルリードの動作を指示するコマンドRD2’を、図14の比較例で示したように、キャッシュリードによる読み出し動作を指示するコマンドとしてもよい。