JP7615436B2 - 白金担持触媒、空気浄化システムおよび空気浄化方法 - Google Patents
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Description
例えば、半導体製造工程においては、ウェハが化学物質に汚染されると、レジストの塗工性に影響を及ぼし、レジストの膜厚やレジストとウェハとの密着性が変化し、所望の加工精度が達成できなくなり、歩留まりが低下する場合がある。
1.見かけ体積5mm3以上の多孔質担体の表面に、粒径10nm以下の白金ナノ粒子が均一に担持されていることを特徴とする白金担持触媒。
2.白金の担持量が、0.005重量%以上1.2重量%以下であることを特徴とする1.に記載の白金担持触媒。
3.前記多孔質担体の、窒素吸着によるBET比表面積が20m2/g以上であることを特徴とする1.または2.に記載の白金担持触媒。
4.前記多孔質担体が、光触媒能を備える二酸化チタンであることを特徴とする1.~3.のいずれかに記載の白金担持触媒。
5.空気中の化学物質を中間生成物に変換する1.~4.のいずれかに記載の白金担持触媒を備える浄化装置を有することを特徴とする空気浄化システム。
6.前記浄化装置が、イソプロピルアルコール、または、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを処理することを特徴とする5.に記載の空気浄化システム。
7.前記中間生成物を、二酸化炭素と水を含む最終生成物に分解する光触媒を備える第二浄化装置を有することを特徴とする5.または6.に記載の空気浄化システム。
8.1.~4.のいずれかに記載の白金担持触媒を用いて、空気中の化学物質を他の化学物質に変換するステップを有することを特徴とする空気浄化方法。
白金担持触媒は、見かけ体積5mm3以上の多孔質担体の表面に、粒径10nm以下の白金ナノ粒子が均一に担持されている。見かけ体積とは、多孔質担体の多孔質部分を含む体積を意味する。見かけ体積が5mm3以上の多孔質担体は、粉末ほど細かくないため、取り扱い性に優れており、空調ユニット等に組み込んだり、使用後に回収したりすることが容易である。また、見かけ体積が5mm3以上であると、粉塵が発生しにくいため、クリーンルームへの清浄空気の供給に好適に用いることができる。見かけ体積は5mm3以上であれば特に限定されないが、10mm3以上であることが好ましい。見かけ体積が大きすぎると担体間の空隙が大きくなり、また、多孔質担体の内部まで気体が到達しにくくなる。そのため、多孔質担体の見かけ体積は、8000mm3以下であることが好ましく、4000mm3以下であることがより好ましい。
多孔質担体の材質は特に制限されず、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化鉄等の金属酸化物、炭素等が挙げられる。光触媒能を備える二酸化チタンを用いることにより、白金を活性点とする触媒能に加えて、光触媒能を発揮することもできる。
本発明の白金担持触媒は、多孔質担体の細孔内に化学物質が吸着するため、細孔内に化学物質が濃縮される。そして、本発明の白金担持触媒は、表面のみならず、細孔内にも白金ナノ粒子が担持されているが、細孔内に担持された白金ナノ粒子が、細孔内に濃縮された化学物質に作用するため、低濃度の化学物質と効率的に反応することができる。
本発明の白金担持触媒は、多孔質担体の表面に、粒径10nm以下の白金ナノ粒子が均一に担持されている。このような白金担持触媒は、例えば、放射線法により製造することができる。放射線法とは、担体を分散させた金属イオン水溶液(本発明の場合は白金イオン水溶液)に、放射線を照射し、水の放射線分解により生成した還元種により、金属イオンを還元し、ナノ粒子を析出させ、析出したナノ粒子を担体に担持させる方法である。放射線法により均一にナノ粒子が析出し、析出したナノ粒子は担体表面に均一に担持される。
本発明の空気浄化システムは、空気中の化学物質を中間生成物に変換する白金担持触媒を備える浄化装置を有する。本発明の空気浄化システムは、白金担持触媒を備える浄化装置の下流に、この浄化装置で生成した中間生成物を二酸化炭素と水を含む最終生成物に分解する光触媒を備える第二の浄化装置を有することができる。
第二の浄化装置に使用する光触媒は、従来公知のものを特に制限することなく使用することができるが、二酸化チタンの多孔質体であることが好ましい。多孔質体は、細孔内に中間生成物を吸着、濃縮することができるため、効率的に分解することができる。二酸化チタンの多孔質体は、白金担持触媒の多孔質担体と同じく、見かけ体積が5mm3以上であることが好ましく、その上限は8000mm3以下であることが好ましく、4000mm3以下であることがより好ましい。また、窒素吸着によるBET比表面積が20m2/g以上であることが好ましく、30m2/g以上であることがより好ましく、200m2/g以下であることが好ましく、100m2/g以下であることがより好ましい。また、本発明の空気浄化システムは、白金担持触媒の多孔質担体として光触媒能を備える二酸化チタンを用いることにより、白金を活性点とする浄化装置と光触媒による第二の浄化装置とを一体化することもできる。
一実施態様である空気浄化システム1は、クリーンルームの空調システムに設置されている。
クリーンルーム内のイソプロピルアルコール(IPA)を含む空気は、換気ダクト(RA)から取り込まれ、一部が排気され、残りは空調機(AHU)で外気と混合されて温湿度等が調整された後、空気浄化システム1で浄化される。空気浄化システム1は、白金担持触媒を備える第一の浄化装置11と、光触媒を備える第二の浄化装置12とを有する。IPAは、第一の浄化装置11でアセトン(ACT)に変換され、アセトンは第二の浄化装置12で二酸化炭素と水とに分解される。空気浄化システム1でIPAが取り除かれた空気は、HEPAフィルタで異物が取り除かれた後に、還気ダクト(SA)からクリーンルーム内へ戻される。
二酸化チタンからなる多孔質担体(Evonik社、Aerolyst7711、見かけ体積11.3mm3(φ1.7mm×5mmの円柱)、BET比表面積35~55m2/g)2.0gを、白金イオン含有の水溶液(H2PtCl6:1mM、イソプロピルアルコール:1vol%)100mLに分散させ、アルゴンガスで15分バブリングした後、真空引きをして細孔内に水溶液を充填させた。その後、撹拌しながらコバルト60γ線源からγ線を(25kGy、2.5時間 → 15kGy、1.5時間)照射し、白金担持触媒1を得た。白金の担持量は、約0.2重量%であった。
酸化チタンからなる多孔質担体(Evonik社、Aerolyst7711)10gを白金イオン含有の水溶液(H2PtCl6:1mM)100mLに分散させ、アルゴンガスで15分バブリングした後、真空引きをして細孔内に水溶液を充填させた。濾過して余分な水溶液を取り除いた後、5%水素ガス雰囲気下で500℃、2時間焼成し、白金担持触媒2を得た。白金の担持量は、約0.2重量%であった。
二酸化チタン粉末からなる担体(CIKナノテック株式会社、Nano Tek TiO2、平均粒子径約50nmの真球状粒子、かさ密度0.33g/cm3、BET比表面積50m2/g)を用いた以外は実施例1と同様にして、白金担持触媒3を得た。白金の担持量は、約1重量%であった。
製造した白金担持触媒1の表面をSEMで観察した。図2にSEM画像を示す。
白金担持触媒1は、多孔質担体の表面に、粒径10nm以下の白金ナノ粒子が均一に担持されていることが確認できた。なお、白金担持触媒3は、白金担持触媒1と同じく放射線法で製造したため、担体表面に粒径10nm以下の白金ナノ粒子が均一に担持されていると推測される。
100ml容のバイアル瓶に、白金担持触媒1~3を0.1g入れ、イソプロピルアルコール(IPA)を65.8μmol/Lとなるように注入した。また、注入して90分経過後に、30分間UV(253.7nm)を照射した。
注入してから30分、60分、90分、3時間、24時間経過後に、バイアル瓶中の気体をシリンジで抜き出し、ガスクロマトグラフ(島津製作所製、GC-2014、検出器FID)によりイソプロピルアルコール(IPA)とアセトン(ACT)の濃度を測定した。結果を図3~5に示す。
白金担持触媒2は、注入3時間後にIPAが検出されなくなった。注入30分後からアセトンは検出されたが、アセトン濃度は実施例1と比較して低く、経時で徐々に高くなったが、実施例1には及ばなかった。
100ml容のバイアル瓶に、白金担持触媒1を0.1g入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を367μmol/Lとなるように注入した。注入してから48時間経過後に、バイアル瓶中の気体をシリンジで抜き出し、ガスクロマトグラフ(島津製作所製、GC-2014、検出器FID)を用いて分析した。結果を図6に示す。
PGMEA以外の低分子化合物が検出された。このことから、白金担持触媒1が、PGMEAを分解でき、何らかの化学物質が生成したことが確認できた。
100ml容のバイアル瓶に、白金担持触媒1を0.1g入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を367μmol/Lとなるように注入した。注入してから48時間分経過後に、超純水3ml入れ、4時間経過後に、高速液体クロマトグラフィー(Waters2965他)により分析したところ、酢酸が検出できた。
白金イオン含有水溶液中の白金イオン濃度を実施例1の1/10(H2PtCl6:0.1mM)とし、アルゴンガスによるバブリングも真空引きも行わない以外は、実施例1と同様にしてガンマ線を照射し、白金担持触媒4を得た。白金の担持量は約0.02重量%であった。
100ml容のバイアル瓶に、白金担持触媒1、4を0.1g入れ、イソプロピルアルコール(IPA)を24.4μmol/Lとなるように注入した。また、注入直後から、UV(253.7nm)を照射した。
注入して2分後から8分間隔で58分まで、その後、90分、120分、150分、180分に、バイアル瓶中の気体をシリンジで抜き出し、ガスクロマトグラフ(島津製作所製、GC-2014、検出器FID)によりイソプロピルアルコール(IPA)とアセトン(ACT)の濃度を測定した。結果を図6、7に示す。
11 第一の浄化装置
12 第二の浄化装置
Claims (8)
- 見かけ体積5mm3以上の多孔質担体の表面に、粒径10nm以下の白金ナノ粒子が担持されており、
前記多孔質担体は、金属酸化物のみからなり、
前記白金ナノ粒子は、電子顕微鏡画像の200nm×200nm以上である任意の3箇所以上の領域に存在する白金ナノ粒子の個数が、その平均値の±20%以内であることを特徴とする白金担持触媒。 - 白金の担持量が、0.005重量%以上1.2重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の白金担持触媒。
- 前記多孔質担体の、窒素吸着によるBET比表面積が20m2/g以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の白金担持触媒。
- 前記多孔質担体が、光触媒能を備える二酸化チタンであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の白金担持触媒。
- 空気中の化学物質を中間生成物に変換する請求項1~4のいずれかに記載の白金担持触媒を備える浄化装置を有することを特徴とする空気浄化システム。
- 前記浄化装置が、イソプロピルアルコール、または、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを処理することを特徴とする請求項5に記載の空気浄化システム。
- 前記中間生成物を、二酸化炭素と水を含む最終生成物に分解する光触媒を備える第二浄化装置を有することを特徴とする請求項5または6に記載の空気浄化システム。
- 請求項1~4のいずれかに記載の白金担持触媒を用いて、空気中の化学物質を他の化学物質に変換するステップを有することを特徴とする空気浄化方法。
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