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JP7616116B2 - 車両接近通報装置 - Google Patents
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JP7616116B2 - 車両接近通報装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載されたスピーカから通報音を出力させることにより、車両の接近を通報する車両接近通報装置に関するものである。
従来より、車両接近通報装置により、車両に搭載されたスピーカから通報音を出力させることで車両の接近を通報し、電気自動車やハイブリッドカーのような走行音が静かな車両の接近を周囲に報知することが行われている。
この車両接近通報装置において、車両の起動スイッチ(イグニッションスイッチまたはスタートスイッチ)のオン時に「ポン」あるいは「ポツッ」という「ポップノイズ」が発生し、商品性を低下させるという課題がある。この課題に対し、特許文献1では、パワーアンプ(以下、AMPという)の出力を切り替えるような回路を追加しなくても、ポップノイズを低減できる構成を提案している。具体的には、基準電圧を生成している複数の抵抗の接続点と接地端子間に、電源端子への電力供給開始時における基準電圧の立ち上り時間を遅延させるためのコンデンサを設けている。そして、電源端子への電力供給開始時における基準電圧と発音信号の電圧の電位差の変化量が予め定められた範囲内となるように発音信号を基準電圧と同レベルに立ち上げている。
特開2013-203209号公報
近年、車両接近通報装置を起動スイッチのオン時に駆動するスイッチオン駆動からバッテリからの直接の電力供給に基づいて駆動するバッテリ駆動制御へ変更することが考えられている。例えば、車両コスト低減という要望があり、車両接近通報装置にブザーを統合させ、車両のアンサーバックブザー音の吹鳴に用いるという要求があるが、この場合にはバッテリ駆動制御を行うことになる。これにより、車両の暗電流仕様としてAMPの消費電流を抑えるために、AMPの電源をオンオフさせる制御が必要になった。
しかしながら、AMPの電源のオンオフを繰り返す制御において、AMPの電源をオンするタイミングによっては、車両接近通報装置内のAMP出力からスピーカ入力の間に接続しているACカップリングコンデンサに充電電流が流れる。このタイミングでポップノイズが発生し、商品性を低下させてしまうという問題が生じた。
なお、ここでは車両接近通報装置にブザーを統合させる場合において、バッテリ駆動制御とする場合を例に挙げているが、ブザーを統合させない場合でも、バッテリ駆動制御とする場合に上記と同様の問題が生じる。
本発明は上記点に鑑みて、バッテリ駆動制御とする場合において、ポップノイズを低減できる車両接近通報装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車両に搭載された発音体(2)から通報音を出力させることにより、車両の接近を通報する車両接近通報装置であって、
発音要求に基づいて発音信号を出力する制御部(10)と、
電源電圧(V)に基づいて入力される正電源電圧(Vin)を複数の抵抗(13a、13b)で分圧して基準電圧(Vref)を生成する基準電圧生成回路(13)と、
正電源電圧に加えて負電源電圧が入力されることに基づいて作動し、基準電圧と発音信号の電圧との電位差を増幅した信号を出力するAMP(14)と、
AMPの出力と発音体が接続される出力端子(Vout)との間に設けられたカップリングコンデンサ(15)と、を備え、
AMPにおける正電源電圧が入力される部位と負電源電圧が入力される部位との間に配置されたバイパスコンデンサ(17)と、
バイパスコンデンサに対して並列接続された放電用抵抗(20)と、を備えている。
このように、AMPのバイパスコンデンサに対して並列接続した放電用抵抗を備えている。このため、バイパスコンデンサから放電用抵抗を通じる経路でバイパスコンデンサを素早く放電することができ、バッテリ駆動制御とする場合において、ポップノイズを低減できる車両接近通報装置にできる。
請求項2に記載の発明では、AMPにおける非反転入力端子(IN+)と負電源電圧が入力される部位との間に、電源電圧に基づく電力供給開始時における基準電圧の立ち上り時間を遅延させるコンデンサ(16)を接続している。
このように、AMPにおける非反転入力端子(IN+)と負電源電圧が入力される部位との間にコンデンサを備える場合には、特に基準電圧生成回路を通じる経路での放電に限界がある。このような構成の場合に、特に放電用抵抗を備えるのが好ましい。
請求項3に記載の発明では、放電用抵抗は、バイパスコンデンサおよび基準電圧生成回路に対して並列接続されている複数の並列接続回路それぞれに備えられている。
このように、バイパスコンデンサおよび基準電圧生成回路に対して並列接続させた並列接続回路を複数備え、複数の並列接続回路それぞれに放電用抵抗を備える構成とすることもできる。その場合、複数の並列接続回路にそれぞれ備えられた放電用抵抗の抵抗値を同じにすることもできるが、請求項4に記載したように異ならせるようにする場合、抵抗値の選択自由度が高くなるため瞬断特性を満たすための調整が容易に行うことができる。
請求項5に記載の発明では、制御部によってオンオフが制御され、発音要求が入力されるとオンされると共に発音要求が解除されるとオフされるスイッチ(12)を有している。
このように、車両接近通報装置にスイッチを備え、制御部によってスイッチをオンオフすることで、バッテリ駆動制御を行うことができる。
請求項6に記載の発明では、制御部は、電源電圧に基づく電力供給開始時における基準電圧と発音信号の電圧との電位差の変化量が予め定められた範囲内となるように発音信号の電圧を立ち上げる。
これにより、発音信号の電圧と基準電圧との電位差が無くなるように制御される。このようにすることで、電源オン直後の過渡期において、カップリングコンデンサの充電電流を最低可聴範囲外の周波数変化に制御でき、ポップノイズを抑制できる。しかしながら、このような制御が行われる場合であっても、放電用抵抗を備えなければ、電源オン後に電源オフに切り替えられAMPがシャットダウンしてイマジナリーショートができなくなったときに、AMPの反転入力端子(IN-)の電圧と非反転入力端子(IN+)の電圧との電位差が生じた状態が長時間継続する。このため、放電用抵抗を備えるようにするのが好ましい。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態にかかる車両接近通報装置などの概略構成を示す図である。 バイパスコンデンサに並列に放電用抵抗を備えていない場合のタイムチャートである。 バイパスコンデンサに並列に放電用抵抗を備えた場合のタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態に係る車両接近通報装置の回路構成を図1に示す。本車両接近通報装置1は、車両に搭載されたスピーカ2から通報音を出力させることにより、車両の接近を周囲の歩行者などに通報するものである。加えて、本実施形態の車両接近通報装置1は、アンサーバック、つまり図示しないが電子キーを用いて車両に備えられるドアの開錠もしくは施錠の操作が行われたときに、音声を発してその操作が行われたことをユーザに報知する機能を備えている。
車両接近通報装置1は、制御部10、ローパスフィルタ(以下、LPFという)11、スイッチ12、基準電圧生成回路13、AMP14、カップリングコンデンサ15および各種コンデンサ16~19を備えている。加えて、本実施形態の車両接近通報装置1は、抵抗20を備えている。
制御部10は、バッテリ制御駆動、つまり車両の起動スイッチのオンオフに関係なくバッテリBattからの直接の電力供給に基づいて駆動される。制御部10は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えたマイクロコンピュータなどによって構成され、スピーカ2から発音を行わせるための発音信号を出力し、出力した発音信号をLPF11へ出力する発音信号出力部10aを備えた構成とされている。そして、制御部10は、CAN(Controller Area Network)通信などによる通信回線3を通じて発音要求が伝えられると、ウェイクアップ状態になってスイッチ12をオンすると共にその発音要求の内容に応じてスピーカ2から発音を行わせるための発音信号を出力する。また、制御部10は、発音要求が解除されるとスイッチ12をオフに切り替えると共にスリープ状態に切り替わる。
具体的には、制御部10は、車両が走行を開始した際など、低速走行しているときには、車両の走行状態に応じて伝えられる車両接近通報音の発音要求に基づいて、車両接近通報音の発音を行うために、その走行状態に応じた発音信号を出力する。
車両の走行状態に応じて伝えられる発音要求としては、例えば、図示しない車速センサなどが出力する車速に応じた車速信号そのもの、もしくは車速信号が示す車速が所定の速度以下の場合に出される接近通報音要求信号などが挙げられる。制御部10は、通信回線3を通じて車速信号を入力し、この車速信号が示す車速が所定の速度以下の場合、もしくは接近通報音要求信号が伝えられると発音信号を出力する。例えば、制御部10を構成するマイクロコンピュータには、CPUや、発音の制御プログラムに加えて擬似エンジン音や擬似モータ音などの車両接近通報音の発音データを記憶したメモリもしくはデジタルアナログコンバータ(以下、DACという)が備えられる。制御部10が発音データを記憶したメモリを有した構成とされる場合、入力された車速信号もしくは接近通報音要求信号に対応する所定のサンプリング周期毎に車両接近通報音の発音データを読み出し、発音信号として出力する。制御部10がDACを備えた構成とされる場合、DACにて、入力された車速信号もしくは接近通報音要求信号がそれに対応するデジタル信号に変換され、発音信号として出力される。
一例を挙げると、制御部10が発音データを記憶したメモリを備えた構成とされる場合、メモリに車速に対応付けた音程アップ量や音量のテーブルなどを記憶させている。例えば、車速が大きいほど音程アップ量を大きくしたり、音量を大きくしたりするテーブルとなっている。そして、CPUにて低速走行中と判定した場合、つまり車速信号が示す車速が所定の速度以下であった場合に、メモリに記憶してあるテーブルに基づいて、車速に対応する音程アップ量および音量を演算する。加えて、制御部10より、演算された音程アップ量に対応したサンプリング周期毎に、演算された音量となる出力波形の発音信号を出力する。このような構成とすることで、車速に応じて音程および音量を可変させることができる。また、接近通報音要求信号も、車速に対応する要求となっていることから、その要求に対応する音程アップ量および音量を演算する等、車速信号と同様の扱いをすることができる。
なお、ここでは制御部10にて、車両の走行状態として車速に応じた発音信号を出力する場合を例に挙げたが、車両の他の走行状態、例えばアクセル開度に応じて発音信号を発生させることもできる。また、車速とアクセル開度の両方を加味した発進信号を発生させることもできる。例えば、車速が大きいほど音程アップ量を大きくし、アクセル開度が大きいほど音量が大きくなるようにする。そして、演算された音程アップ量に対応するサンプリング周期毎に発音データを読み込むようにし、演算された音量と対応する大きさの波形の発信信号を出力することができる。
また、制御部10は、ユーザが電子キーを用いて車両におけるドアの開錠もしくは施錠の操作を行ったときに、通信回線3を通じてアンサーバックの発音要求が伝えられるため、その発音要求に基づいてアンサーバックの音声を発音するための発音信号を出力する。例えば、電子キーを用いてドアの開錠もしくは施錠の操作が行われると、ドアの制御を行っている電子制御装置(以下、ECUという)、例えばボデーECUから通信回線3に発音要求が出力されるようになっている。この発音要求が通信回線3から制御部10に伝えられ、制御部10から発音信号が出力されるようになっている。
アンサーバックの発音要求には、例えば、発音を指示することや音量、発音の再生回数に関する情報が含まれる。このアンサーバックの発音要求に対しても、制御部10にアンサーバックの音声の発音データを記憶したメモリもしくはDACを備えることにより、車両接近通報音の発音要求の場合と同様に対応できる。
LPF11は、フィルタ部に相当し、発音信号に含まれる高調波等の高周波成分を除去して低周波成分を通過させる。例えば、LPF11は、図示しない内蔵のコンデンサと抵抗とを用いたRC回路によって構成され、コンデンサに発音信号出力部10aの出力に対応する電圧を蓄え、それをAMP14に出力している。
スイッチ12は、制御部10からの制御信号に基づいてオンオフされ、発音要求が出されて制御部10がウェイクアップ状態の際にはオン、発音要求が解除されて制御部10がスリープ状態に切り替わる際にオフされる。スイッチ12がオンされると、電源電圧Vとして例えばバッテリBattの電圧が電源端子Vtに印加されることでAMP14に正電源電圧Vinが印加され、AMP14が作動するようになっている。
基準電圧生成回路13は、第1抵抗13aおよび第2抵抗13bを有し、電源端子Vtに印加される電源電圧V、ここではバッテリBattの電圧を第1抵抗13aおよび第2抵抗13bで分圧した基準電圧Vrefを生成する。基準電圧Vrefは、AMP14の非反転入力端子IN+に入力されるようになっており、ニュートラル電圧、ここではAMP14の正電源電圧Vinの中間電圧レベルとされている。例えば、第1抵抗13aと第2抵抗13bを同じ抵抗値とすることで、基準電圧生成回路13にて、電源電圧Vの1/2の電圧値で基準電圧Vrefを生成している。
AMP14は、非反転入力端子IN+に印加される基準電圧Vrefと反転入力端子IN-に印加される電圧の電位差を増幅する差動増幅器として構成されている。AMP14は、電源端子Vtから印加される電源電圧Vに基づいて作動し、反転入力端子IN-に印加される電圧に対応する出力をスピーカ出力として発生させる。スピーカ2が発音する音圧は、AMP14の出力の大きさ、例えば出力電流の大きさ、つまり振幅に応じて決まり、AMP14の出力の大きさは、制御部10から出力される発音信号に対応するLPF11の出力波形によって決まる。このため、通信回線3を通じて伝えられる車速などに対応して制御部10から出力される発音信号に基づいて、AMP14の出力を変化させられ、スピーカ2の発音を調整することができるようになっている。
カップリングコンデンサ15は、AMP14とスピーカ2の間を交流結合するもので、AMP14の出力信号に含まれるDC成分をカットし、AC成分のみを通過させるものである。このカップリングコンデンサ15により、AMP14とスピーカ2との間は交流結合される。
コンデンサ16は、AMP14の非反転入力端子IN+と接地電位点との間に接続され、スイッチ12がオフからオンに切り替わって電源電圧Vに基づく電力供給が開始された時(以下、電力供給開始時という)に充電される。コンデンサ16の容量は、電力供給開始時における基準電圧Vrefの立ち上がり時間がスピーカ共振周波数fより十分低い周波数に対応する値よりも長くなるようにするために設けられている。これにより、車両接近通報装置1の電源オン直後、AMP14の非反転入力端子IN+の電圧をニュートラル電位、つまり発音信号の最大振幅最大値の中間電圧レベルに立ち上げる際に、その上昇カーブを最低可聴範囲外で立ち上げるようにしている。例えば、最低可聴範囲外となるように、基準電圧の立ち上がり時間が20Hz以下、換言すれば半周期が25ms以下となるようにコンデンサ16の容量が設定されている。
コンデンサ17は、AMP14へ正電源電圧Vinが入力される部位と負電源電圧が入力される部位との間に配置されるAMP14のバイパスコンデンサである。このコンデンサ16によって、ノイズなどの交流成分が接地電位点に流されることで、アンプ14の正電源電圧Vinの安定化が図られている。
コンデンサ18、19は、LPF11の両側、つまり制御部10とLPF11との間とLPF11とAMP14との間にそれぞれ配置されている。これらコンデンサ18、19は、制御部10から入力される発音信号の電圧とAMP14の駆動電圧とを合せるためのカップリングコンデンサである。例えば、制御部10が5V電源に基づいて駆動される場合、発音信号は中間電位である2.5Vを基準として出力されてLPF11に入力されることになる。このため、LPF11の出力の電圧をバッテリ電圧、例えば12Vを駆動電圧とするAMP14側への入力電圧と基準を合せるためにコンデンサ18、19を備えてある。
抵抗20は、AMP14の正電源電圧Vinが印加される部位と負電源電圧が印加される部位との間、ここでは正電源電圧Vinが印加される電源ラインと接地電位点との間に配置された放電用抵抗である。抵抗20は、コンデンサ17や基準電圧生成回路13に対して並列接続されており、第1抵抗13aや第2抵抗13bと比較して抵抗値が小さくされている。この抵抗20が車両接近通報装置1の駆動が停止される際に、より速くコンデンサ17を放電して基準電圧Vrefを低下させる役割を果たすことで、AMP14がシャットダウンしてイマジナリーショートができなくなる時間を短くする。これにより、後述するようにポップノイズの低減を図っている。
スピーカ2は、発音体であり、カップリングコンデンサ15を介してAMP14より入力される信号に応じた音声の車両接近通報音やアンサーバックの音声を出力する。
続いて、上記のように構成された車両接近通報装置1の作動について説明する。
まず、通信回線3を通じて車両接近通報装置1に発音要求が入力されると、スリープ状態であった制御部10がウェイクアップ状態に切り変わってスイッチ12をオンする。これにより、電源電圧Vに基づいてAMP14に正電源電圧Vinとなるが印加されると共に、電源電圧Vが第1抵抗13aと第2抵抗13bとによって分圧されることで基準電圧Vrefが生成されてAMP14の非反転入力端子IN+に入力される。
また、通信回線3を通じて入力された発音要求に基づいて制御部10の発音信号出力部10aから発音信号が出力される。この発音信号がLPF11を通過することで低周波成分のみ抽出され、AMP14の反転入力端子IN-に入力される。そして、AMP14にて非反転入力端子IN+に印加される基準電圧Vrefと反転入力端子IN-に印加される電圧の電位差が増幅され、それに対応する信号がスピーカ出力として出力される。このスピーカ出力がカップリングコンデンサ15を介してスピーカ2に伝えられ、入力される信号に応じた音声の車両接近通報音もしくはアンサーバックの音声を出力する。
このようにして、通信回線3を通じて入力される発音要求に対応した車両接近通報音もしくはアンサーバックの音声が発生させられるようになっている。
ここで、本実施形態の車両接近通報装置1では、AMP14の正電源電圧Vinが印加される部位と負電源電圧が印加される部位との間に抵抗20を配置しており、ポップノイズの低減が図れるようにしている。この理由について説明する。
まず、コンデンサ16の容量に基づき、車両接近通報装置1の電源オン直後、AMP14の非反転入力端子IN-の電圧となる基準電圧Vrefをニュートラル電位、つまり発音信号の最大振幅最大値の中間電圧レベルに立ち上げる際に、その上昇カーブを最低可聴範囲外で立ち上げるようにしている。さらに、制御部10が無音状態を作るため、その発音信号をニュートラル電位に立ち上げる際、AMP14の非反転入力端子IN+の電圧の過渡期の上昇カーブと合致させるように発音信号を出力している。これにより、発音信号の電圧と基準電圧Vrefとの電位差、つまり反転入力端子IN-の電圧と非反転入力端子IN+の電圧との電位差が無くなるように制御される。
このようにすることで、電源オン直後の過渡期において、カップリングコンデンサ15の充電電流、このときには過渡電流を最低可聴範囲外の周波数変化に制御でき、結果、ポップノイズを聞こえない程度に小さくすることができる。
しかしながら、従来では、電源オン後に電源オフに切り替えられ、AMP14がシャットダウンしてイマジナリーショートができなくなったときに、反転入力端子IN-の電圧と非反転入力端子IN+の電圧との電位差が生じた状態が長時間継続する。例えば、電位差が生じた状態が1分間以上継続することになる。このような電位差が生じた状態において、再び電源がオンされると、反転入力端子IN-の電圧と非反転入力端子IN+の電圧との電位差がAMP14で増幅される。この過渡電圧により、AMP14の出力とスピーカ2との間に配置されたカップリングコンデンサ15に充電電流となる過渡電流が流れこむ。この過渡電流がカップリングコンデンサ15を介してスピーカ2に出力されてポップノイズを発生させてしまう。
これについて、図2および図3に示すタイムチャートを参照して詳述する。なお、図2は、図1中のスイッチ12を備えず、かつ、起動スイッチのオン時に駆動するスイッチオン駆動を行う場合において、コンデンサ17に並列に放電用抵抗となる抵抗20を備えていない場合のタイムチャートである。また、図3は、本実施形態の構成として、コンデンサ17に並列に放電用抵抗となる抵抗20を備えた場合のタイムチャートである。図2および図3中において、車両接近通報装置1の出力端子Voutの電圧値については、制御部10から発音要求に基づく発音信号が出力されていない状態を示しているが、発音信号が出力されているときにはそれに対応する値になる。
図2に示すように、起動スイッチがオンされていてAMP14に正電源電圧Vinが印加されている状態においては、イマジナリーショートできているため、反転入力端子IN-の電圧と非反転入力端子IN+の電圧との電位差がほぼ0になっている。この状態では、時点T1において起動スイッチがオンからオフに切り替えられても、反転入力端子IN-の電圧と非反転入力端子IN+の電圧との電位差がほぼ0の状態になっているため、AMP14で増幅されても出力端子Voutの電圧が殆ど発生しない。
この後、起動スイッチがオフに切り替えられることで電源電圧Vの印加が解除されると、反転入力端子IN-の電圧と非反転入力端子IN+の電圧とが共に低下していく。このとき、コンデンサ17が電源電圧V、ここでは正電源電圧Vinに充電された状態になっているため、反転入力端子IN-の電圧と非反転入力端子IN+の電圧の低下速度が遅くなる。第1抵抗13aと第2抵抗13bを通過する経路を通じて放電されるが、コンデンサ16も充電された状態になっているため、この経路を通じての放電には限界がある。具体的には、コンデンサ16の存在により、非反転入力端子IN+の電荷が抜けにくくなり、放電が緩やかにしか行われない。
このため、反転入力端子IN-の電圧と非反転入力端子IN+の電圧とが十分低下していない時点T2でイマジナリーショートが非作動になると、図中ハッチングで示したように、反転入力端子IN-の電圧と非反転入力端子IN+の電圧との間の電位差が大きくなる。そして、この状態で時点T3において再び起動スイッチがオフからオンに切り替わると、反転入力端子IN-の電圧と非反転入力端子IN+の電圧との間の電位差が増幅され、それに基づいて出力端子Voutから大きな電圧が発生させられる。これがポップノイズを発生させる原因となる。
これに対して、本実施形態の車両接近通報装置1では、コンデンサ17に対して並列的に抵抗20を備えている。このため、コンデンサ17から抵抗20を通じる経路でコンデンサ17を素早く放電することができる。つまり、図3に示すように、車両接近通報装置1の駆動が停止され、時点T1でスイッチ12がオンからオフに切り替えられたのち時点T2でAMP14がシャットダウンしてイマジナリーショートができなくなったときに、より速くコンデンサ17を放電して正電源電圧Vinを低下させられる。これにより、反転入力端子IN-の電圧と非反転入力端子IN+の電圧をより速く低下させられ、AMP14がシャットダウンしてイマジナリーショートが非作動になる時間が短くなるようにできる。例えば、図3中の時点T1から時点T2となる正電源電圧VinがAMP14のシャットダウンする電圧まで低下する時間が0.8秒程度、時点T2から正電源電圧Vinや反転入力端子IN-の電圧が0Vになるまでの時間が0.3秒程度になる。これらの時間はコンデンサ17の容量や抵抗20の抵抗値などによって変わるが、抵抗20を備えていない場合と比較して、十分に短時間にすることができる。また、抵抗20を備えても、AMP14のシャットダウン後に反転入力端子IN-の電圧と非反転入力端子IN+の電圧との電位差が若干あるが、その電位差の幅を小さくできる。
したがって、AMP14の電源のオンオフを繰り返す制御が行われたとしても、ポップノイズが発生し得る時間を短時間にすることが可能となる。そして、図3中の時点T3のタイミングにおいては、正電源電圧Vinや非反転入力端子IN+および反転入力端子IN-の電圧が0の状態になっている。このため、ポップノイズの発生を抑制することが可能となる。また、その短時間の間に起動スイッチがオンされるなど、再び発音要求が出されたとしても、反転入力端子IN-の電圧と非反転入力端子IN+の電圧との電位差が小さいため、ポップノイズを小さくできる。よって、バッテリ駆動制御とする場合において、ポップノイズを低減できる車両接近通報装置1とすることが可能になる。換言すれば、制御部10にてAMP14への正電源電圧Vinの印加をオンオフするような制御を行う場合において、オフ時に抵抗20を通る経路を介してコンデンサ17を放電することで、ポップノイズを低減することができる。
以上説明したように、本実施形態の車両接近通報装置1では、コンデンサ17に対して並列接続した抵抗20を備えている。このため、コンデンサ17から抵抗20を通じる経路でコンデンサ17を素早く放電することができ、バッテリ駆動制御とする場合において、ポップノイズを低減できる車両接近通報装置1を提供できる。
(他の実施形態)
本開示は、上記した実施形態に準拠して記述されたが、当該実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
例えば、上記実施形態では、抵抗20をコンデンサ17に対して並列に1つのみ備えた構造を例に挙げたが、コンデンサ17に対して並列接続した並列接続回路を複数備え、複数の並列接続回路それぞれに抵抗20を備えるようにしても良い。その場合、各並列接続回路に備えた抵抗20の抵抗値を等しくしても良いし、異ならせても良い。抵抗20の抵抗値については、コンデンサ17を短時間に放電させるために、第1抵抗13aおよび第2抵抗13bより小さな値にすると好ましい。ただし、素子定格電力の観点と、回路の瞬断特性を満たすように設定するのが望ましい。各並列接続回路に備えられた抵抗20の抵抗値を等しくした場合でも、瞬断特性を満たすことは可能であるが、異なる抵抗値にする場合、抵抗値の選択自由度が高くなるため瞬断特性を満たすための調整が容易に行うことができる。
また、上記実施形態では、電源オン直後、つまり電源端子Vtからの電源電圧Vの印加開始時に、非反転入力端子IN+の電圧の過渡期の上昇カーブに合わせるように発音信号をニュートラル電位まで立ち上げるようにした。しかしながら、必ずしも、電源端子Vtからの電源オン直後における非反転入力端子IN+の電圧の過渡期の上昇カーブに合わせるように、発音信号をニュートラル電位まで立ち上げる必要はない。要するに、電源オン直後における非反転入力端子IN+の電圧となる基準電圧Vrefと発音信号の電圧との電位差の変化量が、ポップノイズが発生しないような範囲内となるように発音信号の電圧を非反転入力端子IN+の電圧の過渡期と同等の電圧レベルに立ち上げるようにすればよい。
さらに、上記実施形態では、正電源電圧Vinを分圧して基準電圧Vrefを生成するのに第1抵抗13aと第2抵抗13bとを備えた構成としたが、複数の抵抗による分圧によって基準電圧Vrefを生成するのであれば、抵抗の数については任意である。また、第1抵抗13aと第2抵抗13bを同じ抵抗値とすることで、電源電圧V、ここでは正電源電圧Vinの中間電圧レベルとして電源電圧Vの1/2の電圧値で基準電圧Vrefを生成する例を示したが、必ずしも1/2にする必要はない。
また、上記実施形態では、電源端子Vtに印加される電源電圧VがAMP14の正電源電圧Vinとされているが、電源電圧Vが一定の電圧降下された電圧が正電源電圧Vinとされても良い。
また、上記実施形態では、AMP14の負電源電圧となる部位が接地電位点に接続されているが、接地電位点である必要は無く、正電源電圧Vinよりも低い所定電圧となる基準電位点であれば良い。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。
1…車両接近通報装置、2…スピーカ、3…通信回線、10…制御部、10a…発音信号出力部、11…LPF、12…スイッチ、13…基準電圧生成回路、14…AMP、15…カップリングコンデンサ、16~19…コンデンサ、20…抵抗

Claims (6)

  1. 車両に搭載された発音体(2)から通報音を出力させることにより、前記車両の接近を通報する車両接近通報装置であって、
    発音要求に基づいて発音信号を出力する制御部(10)と、
    電源電圧(V)に基づいて入力される正電源電圧(Vin)を複数の抵抗(13a、13b)で分圧して基準電圧(Vref)を生成する基準電圧生成回路(13)と、
    前記正電源電圧に加えて負電源電圧が入力されることに基づいて作動し、前記基準電圧と前記発音信号の電圧との電位差を増幅した信号を出力するパワーアンプ(14)と、
    前記パワーアンプの出力と前記発音体が接続される出力端子(Vout)との間に設けられたカップリングコンデンサ(15)と、を備え、
    前記パワーアンプにおける正電源電圧が入力される部位と負電源電圧が入力される部位との間に配置されたバイパスコンデンサ(17)と、
    前記バイパスコンデンサに対して並列接続された放電用抵抗(20)と、を備えている車両接近通報装置。
  2. 前記パワーアンプにおける非反転入力端子(IN+)と負電源電圧が入力される部位との間には、前記電源電圧に基づく電力供給開始時における前記基準電圧の立ち上り時間を遅延させるコンデンサ(16)が接続されている、請求項1に記載の車両接近通報装置。
  3. 前記放電用抵抗は、前記バイパスコンデンサおよび前記基準電圧生成回路に対して並列接続されている複数の並列接続回路それぞれに備えられている、請求項1または2に記載の車両接近通報装置。
  4. 前記複数の並列接続回路にそれぞれ備えられた前記放電用抵抗の抵抗値が異なっている、請求項3に記載の車両接近通報装置。
  5. 前記制御部によってオンオフが制御され、前記発音要求が入力されるとオンされると共に前記発音要求が解除されるとオフされるスイッチ(12)を有している、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両接近通報装置。
  6. 前記制御部は、前記電源電圧に基づく電力供給開始時における前記基準電圧と前記発音信号の電圧との電位差の変化量が予め定められた範囲内となるように前記発音信号の電圧を立ち上げる、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両接近通報装置。
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