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JP7617551B2 - 3次元印刷装置および3次元印刷方法 - Google Patents
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JP7617551B2 - 3次元印刷装置および3次元印刷方法 - Google Patents

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本開示は、3次元印刷装置および3次元印刷方法に関する。
3次元印刷(3D印刷)とは、一般的に、層ごとに材料を堆積するプロセスを通じて、3次元の造形物を製造する技法を指す。3次元印刷技法では、多くの態様において、ステージ上に、2次元(2D)印刷画像を形成するための既知のプロセスと同様に考えられる、1つまたは複数のプロセスを利用する。
3次元印刷技法に2次元印刷プロセスと同様のプロセスが利用されている場合があるにもかかわらず、3次元印刷技法と2次元印刷プロセスとには、以下のような2つの顕著な差がある。1つ目は、造形物の形成に使用される堆積材料の組成である。2つ目は、堆積材料の多数の層を堆積する際に、ステージの上方で堆積材料を吐出するノズルを多数回移動させることである。
いくつかの3次元印刷技法では、例えば、選択的レーザ溶融または焼結のような技法を使用することによって、堆積材料を溶融または軟化させて層を生成する。他の3次元印刷技法では、ステレオリソグラフィのような液体材料を堆積するための技術を使用して、液体材料を硬化させる。これらとは別の3次元印刷技法では、例えば、薄膜積層法においては、紙、ポリマーまたは金属の薄層を切断して層状に接合することによって、造形物を形成する。
3次元印刷装置は、概して、広範囲を異なる堆積材料で印刷することができる。これらの堆積材料として、高濃度の固形成分を溶液中に含有する紫外線(UV)光硬化可能インクを用いた技法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、3次元印刷装置に適用できる堆積材料として、例えば、押出プラスチック、サーモプラスチック、高密度ポリエチレン、特定の金属(焼結金属、金属粉末および/または金属合金を含む)、接着粉末混合物、セラミック材料、セラミック基複合材、モデリング粘土、石膏、ならびに、高濃度の固形成分を溶液中に含有する光硬化可能インクを含む特定のインク状材料が挙げられる。3次元印刷装置は、さらには、食料品を生成するための可食材料の組成物の層を堆積するのにも使用することができる。
特開2016-159629号公報
通常の2次元印刷では、塗布層と印刷対象物との密着性が重要となる。3次元印刷においては、層状に材料を堆積するため、各層間の密着性が重要となる。しかし、各層の界面の密着強度は、層内の材料のバルク強度に比較して弱くなる。そのため、一般的な3次元印刷装置を用いて製作した構造物は、通常、材料の堆積方向と比較して、堆積方向に直交する方向の衝撃強度が低くなる。そのため、全方位からの衝撃に対して一定の強度が必要となる一般的な用途においては、使用不可となり、3次元印刷の用途拡大を阻む一因となっている。
本開示はこのような状況に鑑み、造形物を構成する層間の強度を高くすることができる3次元印刷装置および3次元印刷方法を提供することを目的とする。
本開示の3次元印刷装置は、光硬化型インクの複数の層によって構成された造形物を形成する3次元印刷装置であって、前記複数の層を堆積させる塗布部と、前記複数の層が堆積されるごとに、当該堆積された層の表層領域を半硬化させるとともに、当該表層領域以外の内部領域を完全硬化させる光を照射する光照射部と、前記光が照射される前の前記層の表面に凹凸を形成する凹凸形成部と、を備える。
また、本開示の3次元印刷装置は、光硬化型インクの複数の層によって構成された造形物を形成する3次元印刷装置であって、前記複数の層を堆積させる塗布部と、前記複数の層が堆積されるごとに、当該堆積された層の表層領域を半硬化させるとともに、当該表層領域以外の内部領域を完全硬化させる光を照射する光照射部と、照射制御部と、を備え、前記光照射部は、複数の光源を備え、前記照射制御部は、前記複数の光源を2つ以上のグループに分け、当該2つ以上のグループごとに異なる光強度の光を照射させることによって、前記表層領域における前記異なる光強度の光が照射された領域の半硬化状態を異ならせ、前記半硬化状態が異なる第1の表層分割領域と第2の表層分割領域とを前記複数の層の堆積方向に直交する方向に沿って交互に形成する。
また、本開示の3次元印刷装置は、光硬化型インクの複数の層によって構成された造形物を形成する3次元印刷装置であって、前記複数の層を堆積させる塗布部と、前記複数の層が堆積されるごとに、当該堆積された層の表層領域を半硬化させるとともに、当該表層領域以外の内部領域を完全硬化させる光を照射する光照射部と、を備え、前記光照射部は、水平方向に交互に第1のインクと第2のインクが吐出されて前記複数の層が堆積されるごとに、前記第1のインクからなる第1の領域に光を照射して前記第1の領域の表層領域を半硬化させるとともに、当該表層領域以外の前記第1の領域の内部領域を完全硬化させ、前記第2のインクからなる第2の領域に光を照射して、前記第2の領域全体を完全硬化させる。
また、本開示の3次元印刷装置は、光硬化型インクの複数の層によって構成された造形物を形成する3次元印刷装置であって、前記複数の層を堆積させる塗布部と、前記複数の層が堆積されるごとに、当該堆積された層の表層領域を半硬化させるとともに、当該表層領域以外の内部領域を完全硬化させる光を照射する光照射部と、を備え、前記光照射部は、造形物の外枠、前記外枠の内部の製品部、および前記外枠と前記製品部とを接続する接続部を形成する際、前記複数の層が堆積されるごとに、当該堆積された層の前記外枠と前記製品部とに対応する表層領域を半硬化させるとともに、当該表層領域以外の内部領域を完全硬化させて前記外枠および前記製品部を形成し、前記複数の層が堆積されるごとに、当該堆積された層の前記接続部に対応する領域を完全硬化させて前記接続部を形成する。
本開示の3次元印刷方法は、造形物を形成する3次元印刷方法であって、光硬化型インクの複数の層を堆積させる工程と、前記複数の層が堆積されるごとに、当該堆積された層の表層領域を半硬化させるとともに、当該表層領域以外の内部領域を完全硬化させる光を照射する工程と、前記光が照射される前の前記層の表面に凹凸を形成する工程と、を含む。
本開示の3次元印刷装置および3次元印刷方法によれば、造形物を構成する層間の強度を高くすることができる。
本開示の第1の実施の形態に係る3次元印刷装置の側面図 本開示の第2の実施の形態に係る3次元印刷装置の側面図 本開示の第2の実施の形態に係るメタルハライドランプの照射光の波長と強度分布との関係を示すグラフ 本開示の第3の実施の形態に係る3次元印刷装置の側面図 本開示の第4の実施の形態に係る3次元印刷装置の側面図 本開示の第5の実施の形態に係る3次元印刷装置の側面図 本開示の第6の実施の形態に係る3次元印刷装置の要部の平面図 本開示の第7の実施の形態に係る3次元印刷装置の側面図 本開示の第8の実施の形態に係る3次元印刷装置の側面図 本開示の第9の実施の形態に係る造形物の造形後の状態を示す側面図 本開示の第10の実施の形態に係る造形物の側面図
以下、本開示の一実施の形態について説明する。なお、以下に示す第1~第10の実施の形態の構成は、実現可能な範囲で組み合わせることができる。
[第1の実施の形態]
まず、本開示の第1の実施の形態について説明する。図1は、本開示の第1の実施の形態に係る3次元印刷装置の側面図である。
<3次元印刷装置の構成>
図1に示すように、3次元印刷装置1は、塗布部101と、光照射部102と、ステージ103と、温度制御部104と、を備える。塗布部101、光照射部102、ステージ103、および、温度制御部104は、印刷室100の内部に配置されている。
塗布部101は、光硬化型インク(以下、「インク」という場合がある)150を塗布するノズル101Aを備える。塗布部101としては、インクジェットヘッド、ディスペンサ、静電塗布機、スプレー、ダイコーターを適用することができる。なお、本第1の実施の形態および後述する第2~第10の実施の形態において使用するインクは、UV光および熱により硬化するが、第5の実施の形態以外の実施の形態で用いるインクは、UV光のみで硬化するものであってもよい。
光照射部102は、光の一例であるUV光(紫外線)L1として出射する光源102Aを備える。光源102Aとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプなどのUVランプを適用することができる。
ステージ103は、塗布部101および光照射部102の下方に配置されている。ステージ103は、図示しないステージ駆動部の駆動によって、水平方向および上下方向に移動する。ステージ103は、塗布部101から吐出されたインク150をステージ103または造形物170の所定の位置に着弾させるために、塗布部101の吐出タイミングに同期させて、水平方向に移動する。ステージ103は、造形物170の形成の進捗に応じて、造形物170と塗布部101との隙間を調整するために、塗布部101から離れるように移動する。なお、ステージ103およびステージ駆動部は、ベルトコンベアやロボットハンドなどで代用されてもよい。また、3次元印刷装置1を、ステージ103を固定して塗布部101を移動させるように構成してもよいし、ステージ103と塗布部101の両方を移動させるように構成してもよい。
温度制御部104は、ステージ103上に堆積されたインク150の層の表層領域151の硬化状態と、表層領域151以外の領域(内部領域)152の硬化状態とが、印刷室100内部の温度によって再現性を失わないように、印刷室100内部の温度、特にインク150の層の周囲の温度をコントロールする。温度制御部104は、温度センサ104Aにおいて検出された印刷室100内部の温度と設定温度との差が、閾値以上の場合、当該温度差をなくすように、冷風または温風を印刷室100内に供給する。
<3次元印刷方法>
まず、一般的な3次元印刷方法について説明する。塗布部101にインク150をステージ103上に連続的にあるいは断続的に吐出させるとともに、ステージ駆動部をステージ103を矢印Y1に示す方向に移動させることによって、ステージ103上に未硬化のインク150の層を堆積させる。このインク150の層を堆積しているときに、光照射部102は、当該層にUV光L1を照射し、未硬化のインク150を完全硬化させる。なお、完全硬化とは、硬化率が100%の状態のことである。インク150としては、例えば、アクリル系の紫外線硬化型の樹脂を選択することができる。このような未硬化のインク150の層の形成、未硬化のインク150の完全硬化を繰り返すことによって、3次元の造形物170が形成される。しかし、このような3次元印刷方法では、上述したように、各層の密着性が不十分となる。
そこで、第1の実施の形態では、光照射部102は、インク150の流動性がなくなり、かつ、タック性が残る程度の硬化状態になるように、UV光L1の光強度を制御する。このような光強度のUV光L1が照射されたときのインク150の硬化率は、インク150の特性によって異なるが、40%以上95%以下であることが望ましく、50%以上70%以下であることがさらに望ましい。
インク150は、周囲の空気Aに含まれる酸素によって硬化が阻害される。そのため、インク150の層(インク層)160の表層領域151の硬化率を、内部領域152の硬化率よりも低くすることができる。ここで、表層領域151は、図1に示すインク150の層(インク層)160の上面と側面に形成される。硬化率が低い表層領域151は、故意に外力を加えなければ流動しない状態になっており、重力加速度程度の力では流動しない。表層領域151は、触れたときに粘着を感じるタック性が残った状態になっている。このような状態は、半硬化と呼ばれることもある。この半硬化の状態の表層領域151上に未硬化のインク150を堆積させると、硬化率が低い表層領域151の官能基と未硬化のインク150の官能基が強固に結合された界面153を形成することができる。この界面153に、表層領域151を半硬化させるUV光L1が照射された場合、周囲の空気Aの中の酸素に触れずに界面の反応が進むため、界面が完全硬化する。
次に、第1実施の形態における3次元印刷方法について説明する。上記一般的な3次元印刷方法と同様に、図1に示すように、塗布部101およびステージ駆動部は、ステージ103にインク150のインク層160を堆積させる。この堆積時において、光照射部102は、未硬化のインク層160に、当該インク層160の表層領域151を半硬化させるとともに、内部領域152を完全硬化させるUV光L1を照射する。
次に、塗布部101およびステージ駆動部は、半硬化の表層領域151の上に、未硬化のインク150のインク層161を堆積させる。この堆積時において、半硬化の表層領域151の官能基と未硬化のインク層161の官能基が強固に結合された界面153が形成される。また、光照射部102は、未硬化のインク層161に、当該インク層161の表層領域151を半硬化させるとともに、内部領域152を完全硬化させるUV光L1を照射する。このUV光L1の照射によって、最表層の未硬化のインク層161に、半硬化の表層領域151と、完全硬化の内部領域152とが形成される。さらに、当該完全硬化の内部領域152の形成に伴い、当該内部領域152に接するインク層160の半硬化の表層領域151も完全硬化し、上述の官能基が強固に結合された界面153も完全硬化する。その結果、造形物170を構成する層間の強度が高くなる。その後、未硬化のインク150の層の堆積と、当該インク150の表層領域151を半硬化させるUV光L1の照射とを繰り返すことによって、所定形状の造形物170が形成される。なお、第1~第10の実施の形態ではインクジェットによるインクの塗布方法について説明するが、インクの塗布方法はインクジェット以外の方法も使用可能である。
[第2の実施の形態]
次に、本開示の第2の実施の形態について説明する。図2は、本開示の第2の実施の形態に係る3次元印刷装置の側面図である。第2の実施の形態の3次元印刷装置2は、光照射部102の代わりに光照射部202を備えること以外は、第1の実施の形態の3次元印刷装置1と同じ構成を有している。光照射部202は、UV光を照射するLEDを備える点で、第1の実施の形態の光照射部102と相違する。
従来、一般的に、3次元印刷装置における堆積材料の硬化用の光源として、UVランプが用いられている。中でも、メタルハライドランプは、広帯域光を照射することができる。一般的なメタルハライドランプの照射する光の波長を図3に示す。メタルハライドランプでは、主となるピークが365nmであったとしても300nm以下や500nm以上にもピークがあり、波長分布が広範囲となる。このように波長分布が広範囲な光が照射されると、未硬化のインク150の層は、表層領域151も含めて全体が硬化率が高い状態になる。このような波長分布が広範囲な光の光強度を制御して、インク150の硬化率をコントロールしようとした場合、UVランプの立ち上がり時の温度や劣化などの出力バラツキの影響によって硬化率を所望の状態にコントロールできないおそれがある。
そこで、第2の実施の形態では、未硬化のインク150を効率よく完全硬化させるためには幅広い波長の光が必要であることに鑑み、限られた波長の光によって安定して表層領域151を半硬化状態にコントロールする。具体的には、例えば光照射部202の光源として、それぞれUV-LEDで構成された複数の光源202Aを用いることによってUV光L2の波長の幅を限定することができる。複数の光源202Aは、図2の紙面の直交方向に並んで配置されており、紙面の直交方向に延びる線状の領域にUV光L2を照射できるように構成されている。光源202Aは、ピーク強度が異なる発光素子を複数備える。発光素子は、UV-LED素子で構成されている。発光素子のピーク波長は、365nm、375nm、385nm、395nm、405nmなどのように、素子毎に決まっている。光源202Aでは、これらの発光素子の出力をそれぞれ調整することができる。例えば、光源202Aは、UV光L2の波長を、300nmから450nmの範囲にし、光強度のピークを385nmにし、光強度が半減する範囲をピークの±10nmにすることができる。このような波長範囲の狭いUV光L2を未硬化のインク150のインク層161に照射することで、表層領域151を均一な半硬化状態にコントロールすることができる。
UV光L2の波長の範囲は、インクに依存するが、150nm(=450nm-300nm)以下の範囲であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。また、光源202Aは、堆積材料の光硬化特性に合わせて、光強度のピークを所定の値、例えば365nmまたは395nmから選択し、かつ、光強度分布を適切に調整することができる。また、光源202AにUV-LEDを使用することで、UVランプを用いる方法と比較して、装置のサイズを小型化することもできる。
[第3の実施の形態]
次に、本開示の第3の実施の形態について説明する。図4は、本開示の第3の実施の形態に係る3次元印刷装置の側面図である。なお、第2の実施の形態の3次元印刷装置2と同じ構成については、同一符号を付し、説明を省略する。
<3次元印刷装置の構成>
図4に示すように、3次元印刷装置3は、塗布部101と、光照射部202と、ステージ103と、追硬化処理部305と、を備える。塗布部101、光照射部202、および、ステージ103は、図示しない印刷室の内部に配置されている。印刷室の内部には、第1の実施の形態の温度制御部104も配置されている。追硬化処理部305は、メタルハライドランプ305Aを備える。なお、以下の第3~第10の実施の形態においても、図示はしていないが、各3次元印刷装置には、温度制御部104と印刷室とが設けられている。
<3次元印刷方法>
塗布部101、光照射部202、および、ステージ駆動部は、第2の実施の形態と同様の動作によって、所定形状の造形物170を形成する。この造形完了時において、造形物170の内部領域172は、完全硬化した光硬化型インク(インク)で構成されているが、内部領域172の上面および側面に位置する表層領域171は、UV光L2の照射時に酸素による硬化の阻害を受けるため、半硬化の状態になっている。そこで、第3の実施の形態では、造形完了後に、追硬化工程を行う。追硬化工程では、ステージ駆動部がステージ103を矢印Y1に示す方向に移動させ、造形物170が追硬化処理部305の下を通過するタイミングで、追硬化処理部305がメタルハライドランプ305AからのUV光L3を造形物170に照射する。
メタルハライドランプ305AからのUV光L3は、第2の実施の形態で述べた通り波長が広帯域であるため、半硬化の表層領域171の反応していない官能基を反応させることができる。その結果、表層領域171が完全硬化し、造形物170の上面と側面に残ったタック性がなくなる。なお、工程上の理由で、3次元印刷装置3とは別の装置として、追硬化処理部305を有する追硬化装置を設けることもできる。
[第4の実施の形態]
次に、本開示の第4の実施の形態について説明する。図5は、本開示の第4の実施の形態に係る3次元印刷装置の側面図である。なお、第2の実施の形態の3次元印刷装置2と同じ構成については、同一符号を付し、説明を省略する。
<3次元印刷装置の構成>
図5に示すように、3次元印刷装置4は、塗布部101と、光照射部202と、ステージ103と、酸素濃度制御部405と、を備える。
酸素濃度制御部405は、ガス供給部405Aと、酸素濃度計405Bと、混合ガス組成決定部405Cと、を備える。
ガス供給部405Aは、混合器405Dと、酸素発生器405Eと、窒素発生器405Fと、ガスノズル405Gと、を備える。混合器405Dの導入部には、酸素発生器405Eと窒素発生器405Fとが並列に接続されている。混合器405Dの導出部には、ガスノズル405Gが接続されている。混合器405Dは、酸素発生器405Eから導入される酸素と、窒素発生器405Fから導入される窒素とを混合した混合ガスG4を、塗布部101と光照射部202との間に配置されたガスノズル405Gから排出する。混合器405Dは、酸素と窒素の比率が0:100から100:0までの任意の状態の混合ガスG4を生成することができる。
酸素濃度計405Bは、光照射部202の近傍に配置され、計測した酸素濃度のデータを混合ガス組成決定部405Cに送信する。
混合ガス組成決定部405Cは、酸素濃度計405Bから光照射部202の周辺における空気の酸素濃度データを取得する。混合ガス組成決定部405Cは、取得した酸素濃度データに基づいて、酸素発生器405Eと窒素発生器405Fを制御して、光照射部202周辺における空気の酸素濃度を所望の濃度にコントロールするような組成の混合ガスG4を、印刷室に供給する。
<3次元印刷方法>
塗布部101、光照射部202、および、ステージ駆動部は、第2の実施の形態と同様の動作によって、所定形状の造形物170を形成する。第4の実施の形態の3次元印刷方法は、造形物170の形状精度を向上させるために内部領域152の硬化速度を上げるなどの理由で、UV光L2の光強度を強くする必要がある場合に特に有用である。UV光L2の光強度を強くし、かつ、表層領域151を半硬化状態にしておきたい場合、酸素濃度制御部405は、酸素濃度を高めた混合比の混合ガスG4を供給し、表層領域151周囲の空気の酸素濃度を積極的に高める。このように表層領域151周囲の酸素濃度を高めることによって、表層領域151の硬化が酸素により阻害(抑制)されるため、UV光L2の光強度を強くしても表層領域151の半硬化状態が維持される。また、最終的に、造形物170における半硬化状態の表層領域を完全硬化させる工程では、表層領域151を半硬化させたときの光強度のUV光L2を照射しつつ、酸素濃度を低下させた混合比の混合ガスG4を供給する。これにより、造形物170の表層領域が硬化するときの酸素による阻害を低減させることができ、表層領域を完全硬化させることができる。第4の実施の形態の3次元印刷方法を実施する場合、3次元印刷装置4の外部の酸素濃度が低くなる可能性があるので、3次元印刷装置4自体をブースで囲い密閉することが好ましい。
[第5の実施の形態]
次に、本開示の第5の実施の形態について説明する。図6は、本開示の第5の実施の形態に係る3次元印刷装置の側面図である。なお、第2の実施の形態の3次元印刷装置2と同じ構成については、同一符号を付し、説明を省略する。
<3次元印刷装置の構成>
図6に示すように、3次元印刷装置5は、塗布部101と、光照射部202と、塗布ステージ503と、硬化ステージ504と、ステージ駆動部505と、移載部506と、追硬化処理部507と、を備える。
塗布ステージ503上には、プレート508が載置される。このプレート508上に、造形物170が形成される。硬化ステージ504上には、プレート508を介して造形物170が載置される。硬化ステージ504は、追硬化処理部305における追硬化工程に利用される。ステージ駆動部505は、塗布ステージ503を、塗布部101および光照射部202の下方において移動させる。ステージ駆動部505は、硬化ステージ504を、追硬化処理部507の熱硬化炉で構成された加熱部507Aの内部で水平方向に移動させる。移載部506は、吸着パッド506Aを有し、真空吸着等の方法で、塗布ステージ503上のプレート508を介して造形物170を保持し、硬化ステージ504上に移載する。
<3次元印刷方法>
塗布部101、光照射部202、および、ステージ駆動部505は、第2の実施の形態と同様の動作によって、塗布ステージ503上に載置されたプレート508上に、所定形状の造形物170を形成する。造形完了後、3次元印刷装置5は、追硬化工程を行う。
まず、造形物170の造形完了後、ステージ駆動部505が塗布ステージ503を移載部506の下方に移動させると、移載部506は、塗布ステージ503上のプレート508を保持して持ち上げる。加熱部507Aの入口シャッタ507Bが開くと、ステージ駆動部505は、塗布ステージ503を加熱部507Aから離れる方向に移動させるとともに、加熱部507A内の硬化ステージ504を移載部506の下方に移動させる。移載部506は、プレート508を硬化ステージ504に載置することにより、造形物170を硬化ステージ504に移載する。
ステージ駆動部505が硬化ステージ504を加熱部507A内に移動させると、加熱部507Aの入口シャッタ507Bが閉じられる。加熱部507Aは、造形物170を加熱する。この加熱によって、半硬化の表層領域171の反応していない官能基が反応し、表層領域171が完全硬化する。表層領域171が完全硬化すると、加熱部507Aの出口シャッタ507Cが開かれ、ロボットや作業者によって、造形物170が取り出される。以上のように、追硬化工程に加熱を用いることによって、UV光を使用する方法と比較して、設備の初期コストを低減することができる。
なお、加熱部507Aに、窒素を導入することによって、表層領域171の完全硬化をより促進することができ、造形物170全体を均一に硬化させることができる。また、造形物170を形成する印刷室と加熱部507Aとの間に、複数の造形物170を保管できるストッカを配置して、加熱部507Aを複数の造形物170を一度に熱処理できる構成にすることによって、造形物170の生産性を向上させることができる。
[第6の実施の形態]
次に、本開示の第6の実施の形態について説明する。図7は、本開示の第6の実施の形態に係る3次元印刷装置の要部の平面図である。
<3次元印刷装置の構成>
図7に示す3次元印刷装置6は、光照射部202の代わりに光照射部602と、照射制御部603とを設けたこと以外は、第2の実施の形態の3次元印刷装置2と同じ構成を有する。光照射部602は、それぞれUV-LEDで構成された複数の光源602Aを備える。複数の光源602Aは、ステージ103の矢印Y1で示す移動方向に対して直交する方向に一列に並んでいる。複数の光源602Aは、同じ波長のUV光を照射する。照射制御部603は、光源602Aのオンオフ、UV光の光強度を個別に制御する。照射制御部603は、複数の光源602Aを2つ以上のグループに分け、当該2つ以上のグループ毎に異なる光強度のUV光を照射させる。なお、第6の実施の形態では、照射制御部603は、後述するように、複数の光源602Aを2つのグループ(第1の光強度のUV光を照射するグループと、第2の光強度のUV光を照射するグループ)に分ける構成を例示するが、3つ以上のグループに分けてもよい。
<3次元印刷方法>
塗布部、照射制御部603、および、ステージ駆動部は、第2の実施の形態と同様の動作によって、ステージ103上に、所定形状の造形物170を形成する。未硬化のインク150の層を半硬化させるとき、照射制御部603は、図7に示すように、UV光の光強度が第1の光強度の光源602A(以下、「第1の光源602B」という場合がある)と、UV光の光強度が第1の光強度よりも強い第2の光強度の光源602A(以下、「第2の光源602C」という場合がある)とが交互に並ぶように、複数の光源602Aの照射状態を制御する。また、照射制御部603は、複数の光源602AのUV光の光強度を同じタイミングで、第1の光強度から第2の光強度に、または、第2の光強度から第1の光強度に切り替える。なお、図7では、第1の光源602Bを丸で表し、第2の光源602Cを二重丸で表している。
以上のように光照射部602を制御しつつ、ステージ103が矢印Y1に示す方向に移動することによって、造形物170に半硬化状態の表層領域151が形成される。このとき、表層領域151のうち、第1の光源602BからのUV光が照射された領域151A(以下、「第1の表層分割領域151A」という場合がある)は、第1の硬化率になり、第2の光源602CからのUV光が照射された領域151B(以下、「第2の表層分割領域151B」という場合がある)は、第1の硬化率よりも高い第2の硬化率になる。第1の表層分割領域151Aおよび第2の表層分割領域151Bは、矢印Y1に示す方向と、矢印Y1に示す方向に直交する方向とに沿って、交互に形成される。つまり、第1の表層分割領域151Aと第2の表層分割領域151Bとが千鳥状に形成される。なお、図7では、第1の表層分割領域151Aを塗りつぶされた四角で表し、第2の表層分割領域151Bを塗りつぶされていない四角で表している。
以上の方法によって完成した造形物170は、硬化率が異なる第1の表層分割領域151Aおよび第2の表層分割領域151Bの上に、未硬化のインク層を堆積させるため、半硬化状態の表層領域151とその上に形成される未硬化のインク層との界面が、さらに明確でなくなり、インク層の堆積方向に直交する方向からの力に対し、破壊起点が形成されにくくなる。そのため、造形物170におけるインク層の堆積方向に直交する方向からの力に対する耐久性を向上させることができる。
なお、光源602AからのUV光の強弱は、光源602Aを明滅させることでも作り出すことができる。また、光源602Aの強弱をランダムに切り替えてもよい。
また、造形物170に加わる力の方向が予め決定しているという理由のために、または、生産上の理由のために、第1の表層分割領域151Aと第2の表層分割領域151Bとを縞状(図7における縦縞状または横縞状)に、形成してもよい。この場合、第1の光源602Bとして機能する光源602Aと、第2の光源602Cとして機能する光源602Aとを固定して、第1の表層分割領域151Aおよび第2の表層分割領域151Bをステージ103の移動方向に平行な縞状(横縞状)に形成する方法や、全ての光源602AからのUV光の光強度を同じタイミングで、第1の光強度と第2の光強度とに繰り返し切り替えることにより、第1の表層分割領域151Aおよび第2の表層分割領域151Bをステージ103の移動方向に直交する縞状(縦縞状)に形成する方法が例示できる。
[第7の実施の形態]
次に、本開示の第7の実施の形態について説明する。図8は、本開示の第7の実施の形態に係る3次元印刷装置の側面図である。なお、第2の実施の形態の3次元印刷装置2と同じ構成については、同一符号を付し、説明を省略する。
<3次元印刷装置の構成>
図8に示すように、3次元印刷装置7は、塗布部101と、光照射部202と、ステージ103と、凹凸形成部704と、を備える。凹凸形成部704は、凹凸形成ローラ704Aと、スクレーパ704Bと、を備える。凹凸形成ローラ704Aは、塗布部101と光照射部202との間に配置されている。凹凸形成ローラ704Aの表面には、複数の突起704Cが設けられている。突起704Cは、例えば点状に形成されている。なお、突起704Cは、線状であってもよい。突起704Cは、例えば1μm以上50μm以下の高さに形成されている。スクレーパ704Bは、凹凸形成ローラ704Aと光照射部202との間に配置されている。スクレーパ704Bは、突起704Cに接触するため、例えばゴムのような弾性素材で形成されることが望ましい。
<3次元印刷方法>
塗布部101、光照射部202、および、ステージ駆動部は、第2の実施の形態と同様の動作によって、所定形状の造形物170を形成する。未硬化のインク層161が形成されると、凹凸形成ローラ704Aは、矢印Y2に示す方向に回転しながら当該インク層161の表面に接触し、当該表面に突起704Cの形状に対応する微細な凹部151Cを形成する。なお、このとき、凹凸形成ローラ704Aの回転速度は、ステージ103の移動速度よりも十分速くなっている。また、このとき、凹凸形成ローラ704Aは、当該凹凸形成ローラ704Aの表面における突起704C以外の部分において、余分な未硬化のインクを除去して、当該インク層161の表面における凹部151C以外の部分を平坦化する。スクレーパ704Bは、凹凸形成ローラ704Aが除去した余分な未硬化のインクをかき取る。
光照射部202は、凹部151Cが形成されたインク層161に、UV光L2を照射する。これにより、インク層161には、表面に微細な凹部151Cが形成された半硬化状態の表層領域151と、完全硬化状態の内部領域152とが形成される。その後、凹部151Cが形成された半硬化状態の表層領域151の上に、未硬化のインクの層が形成されると、未硬化のインクが表層領域151の凹部151C内に入り込む。表層領域151の表面全体が平坦な場合と比べて、表層領域151の凹部151Cを含む表面と未硬化のインクとの接触面積、つまり界面が大きくなる。その結果、界面において強固に結合する官能基を多くすることができ、造形物170を構成する層間の強度をより高くすることができる。
[第8の実施の形態]
次に、本開示の第8の実施の形態について説明する。図9は、本開示の第8の実施の形態に係る3次元印刷装置の側面図である。なお、第7の実施の形態の3次元印刷装置7と同じ構成については、同一符号を付し、説明を省略する。
<3次元印刷装置の構成>
図9に示すように、3次元印刷装置8は、塗布部101と、光照射部802と、ステージ103と、凹凸形成部804と、を備える。
凹凸形成部804は、凹凸形成ローラ704Aの代わりに凹凸形成ローラ804Aを有すること以外は、凹凸形成部704と同様の構成を有している。凹凸形成ローラ804Aは、UV光を透過させることができる材料、例えば透明な材料により構成されている。凹凸形成ローラ804Aの表面には、複数の突起704Cが設けられている。凹凸形成ローラ804Aは、筒状に形成されている。凹凸形成ローラ804Aの筒状の内部には、回転しない筒状部材805Dが挿通されている。凹凸形成ローラ804Aは、図示しない回転力付与部により回転力が加えられることにより、矢印Y2の方向に回転するように構成されている。筒状部材805Dの外周面には、図9の紙面の直交方向に延びるスリット805Eが形成されている。スクレーパ704Bは、スリット805Eよりも凹凸形成ローラ804Aの回転方向の前方側に設けられている。
光照射部802は、光照射部202と同様の複数の光源202Aを備える。複数の光源202Aは、筒状部材805Dの内部において、図9の紙面の直交方向に並んで配置されている。光源202Aは、スリット805Eを介して、筒状部材805Dの外部にUV光を照射する。光源202AからのUV光は、凹凸形成ローラ804Aを透過して、表層領域151に照射される。
<3次元印刷方法>
塗布部101、光照射部802、凹凸形成部804、および、ステージ駆動部は、第7の実施の形態と同様の動作によって、所定形状の造形物170を形成する。未硬化のインク層161が形成されると、凹凸形成ローラ804Aは、当該インク層161の表面に微細な凹部151Cを形成するとともに、凹部151C以外の部分を平坦化する。なお、このとき、凹凸形成ローラ804Aの回転速度は、ステージ103の移動速度よりも十分速くなっている。凹凸形成ローラ804Aが除去した余分な未硬化のインクは、スクレーパ704Bによりかき取られる。このとき、凹凸形成ローラ804Aにおけるスリット805Eに対向する部分は、常時、インクが除去された状態になる。その結果、光源202AからのUV光は、当該UV光の光強度が低くなることなく、表層領域151に照射される。
光照射部802は、凹部151Cが形成されたインク層161に、UV光を照射する。このように、凹凸形成ローラ804Aによる表面の平坦化と、凹部151Cの形成とが行われた直後に、表層領域151を半硬化させることができるため、凹部151Cの形状のコントロールを正確に行うことができる。さらに、光照射部802を凹凸形成ローラ804Aの内部に配置したため、設備の小型化を図ることができる。
[第9の実施の形態]
次に、本開示の第9の実施の形態について説明する。図10は、本開示の第9の実施の形態に係る造形物の造形後の状態を示す側面図である。
図10に示すように、ステージ103上に造形された造形物900は、3次元印刷法により形成され、堆積方向Y3に沿って堆積された複数のインク層により構成されている。造形物900は、第1の光硬化型インク(第1のインク)で形成された第1の構造部901と、第1のインクと異なる色の第2の光硬化型インク(第2のインク)で形成された第2の構造部902とを備える。第1の構造部901と第2の構造部902とは、水平方向に交互に並んで接続されている。また、造形物900の水平方向の両端は、第2の構造部902で構成されている。
ここで、第1~第8の実施の形態の3次元印刷方法により、小さな底面積で造形された柱状の造形物903における側面視の形状は、上底が下底より短い台形になる傾向がある。その理由は、造形物903の側面の硬化率が低く柔らかい状態である、つまり側面が半硬化の状態であるため、当該側面を構成するインクが垂れやすくなるからである。第1の構造部901と第2の構造部902とが隣接する造形物900においても、第1の構造部901における半硬化状態の表層領域と、第2の構造部902における半硬化状態の表層領域とが接触するため、第1の構造部901と第2の構造部902との境界があいまいになる。その結果、完成した造形物900は、形状精度が低くなってしまう。
そこで、第9の実施の形態では、まず、塗布部から第1のインクと第2のインクとを交互に吐出することにより1つのインク層を形成し、この形成処理を複数回行うことにより、複数のインク層を堆積させる。
各インク層の堆積時において、光照射部は、第1のインクからなる領域に対して、第1~第8の実施の形態のいずれかの3次元印刷方法を適用し、表層領域を半硬化させるとともに、内部領域を完全硬化させるUV光を照射する。これにより、第1の構造部901を構成するインク層の層間の強度が高くなり、造形物900全体の強度を高くすることができる。この第1の構造部901によって、造形物900全体の強度が決定される。
また、各インク層の堆積時において、光照射部は、第2のインクからなる領域に対して、当該領域全体を完全硬化させるUV光を照射する。このように第2のインクからなる領域全体を完全硬化させる方法として、未硬化のインク層に照射するUV光の光強度を、当該インク層全体を完全硬化させる光強度に設定する方法や、未硬化のインク層にUV光を照射するときに、一時的に酸素濃度を低くする方法や、第1のインクを半硬化させる光強度のUV光で完全硬化するインクを第2のインクとして用い、第2のインクに第1のインクと同じUV光を照射する方法を採用する。これにより、第2の構造部902を構成するインク層の層間の強度が第1の構造部901と比べて弱くなるが、第1の構造部901と比べて形状精度が高い第2の構造部902を形成することができる。また、第1の構造部901と第2の構造部902の境界が明確になり、造形物900全体の形状精度を高めることができる。
なお、第9の実施の形態の方法で造形される造形物は、3種類以上の異なるインクでそれぞれ構成された複数の構造部で構成されてもよく、この場合、多色の造形物を形成することができる。また、第2の構造部902の一つを水または溶媒に溶解するインクで形成して、造形終了後に、当該第2の構造部902を溶解することにより、造形物900を2個以上に分離するようにしてもよい。
[第10の実施の形態]
次に、本開示の第10の実施の形態について説明する。図11は、本開示の第10の実施の形態に係る造形物の側面図である。
図11に示すように、造形物1000は、3次元印刷法により形成され、堆積方向Y3に沿って堆積された複数のインク層により構成されている。造形物1000は、外枠1001と、接続部1002と、製品部1003とを備える。外枠1001には、位置決め穴1001Aが形成されている。接続部1002は、製品部1003が外枠1001の内部で固定されるように、外枠1001と製品部1003とを接続する。外枠1001および製品部1003は、第1~第9の実施の形態のいずれかの3次元印刷方法により、複数のインク層の層間の強度が高くなっており、強度が高い構造体になっている。一方、接続部1002は、複数のインク層の層間の強度が外枠1001および製品部1003と比べて弱くなっており、強度が低い構造体になっている。つまり、造形物1000は、強度が高い部位(外枠1001および製品部1003)と、強度が低い部位(接続部1002)とで構成されている。なお、上述の強度を有する接続部1002を形成する方法としては、第9の実施の形態で例示した第2の構造部902の形成方法を採用することができる。
この造形物1000は、以下のように使用される。例えば外枠1001の位置決め穴1001A内に位置決めされた図示しない位置決め治具を介して、造形物1000を図示しない固定構造体に固定する。そして、固定が完了した後、接続部1002に外力を加えて破壊し、製品部1003を外枠1001から取り外す。このときに加える外力の方向は、堆積方向Y3に対して直交する方向である。このような方向の外力を接続部1002に加えることにより、接続部1002を容易に破壊できる。なお、接続部1002に加える外力の方向を外枠1001に図示すれば、作業者は、接続部1002に加える外力の方向を、容易に認識することができる。このような使用方法は、建設現場などで応用することができる。
なお、製品部1003を、強度が高い部位と、強度が低い部位とで構成してもよい。例えば、製品部1003に、強度が低い部位として破壊起点を故意に作り、製品部1003の故障モードを限定してもよい。このようにすれば、製品部1003が故障する場合に、事前に意図したとおりに、つまり安全に故障させることができる。
本開示に係る3次元印刷装置および3次元印刷方法は、高強度が必要な造形物を造形するときに広く使用される。
1,2,3,4,5,6,7,8 3次元印刷装置
100 印刷室
101 塗布部
101A ノズル
102,202,602,802 光照射部
102A,202A,602A 光源
103 ステージ
104 温度制御部
104A 温度センサ
150,303 光硬化型インク
151,171 表層領域
151A 第1の表層分割領域
151B 第2の表層分割領域
151C 凹部
152,172 内部領域
153 界面
160,161 インク層
170,900,903,1000 造形物
305,507 追硬化処理部
305A メタルハライドランプ
405 酸素濃度制御部
405A ガス供給部
405B 酸素濃度計
405C 混合ガス組成決定部
405D 混合器
405E 酸素発生器
405F 窒素発生器
405G ガスノズル
503 塗布ステージ
504 硬化ステージ
505 ステージ駆動部
506 移載部
506A 吸着パッド
507A 加熱部
507B 入口シャッタ
507C 出口シャッタ
508 プレート
602B 第1の光源
602C 第2の光源
603 照射制御部
704,804 凹凸形成部
704A,804A 凹凸形成ローラ
704B スクレーパ
704C 突起
805D 筒状部材
805E スリット
901 第1の構造部
902 第2の構造部
1001 外枠
1001A 位置決め穴
1002 接続部
1003 製品部
A 空気
G4 混合ガス
L1 UV光
L2 UV光
L3 UV光

Claims (16)

  1. 光硬化型インクの複数の層によって構成された造形物を形成する3次元印刷装置であって、
    前記複数の層を堆積させる塗布部と、
    前記複数の層が堆積されるごとに、当該堆積された層の表層領域を半硬化させるとともに、当該表層領域以外の内部領域を完全硬化させる光を照射する光照射部と、
    前記光が照射される前の前記層の表面に凹凸を形成する凹凸形成部と、を備える3次元印刷装置。
  2. 前記表層領域の周囲の酸素濃度を制御する酸素濃度制御部をさらに備える、請求項1に記載の3次元印刷装置。
  3. 前記酸素濃度制御部は、前記光が照射された前記表層領域が所定の半硬化状態になるように、前記表層領域の周囲の酸素濃度を制御する、請求項2に記載の3次元印刷装置。
  4. 前記酸素濃度制御部は、前記造形物の形成が終了した後に、前記造形物の表層領域が完全硬化状態になるように、前記表層領域の周囲の酸素濃度を制御する、請求項2または3に記載の3次元印刷装置。
  5. 前記造形物の形成が終了した後に、前記造形物の表層領域を完全硬化させる追硬化処理部をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の3次元印刷装置。
  6. 前記追硬化処理部は、前記造形物を加熱する加熱部を備える、請求項5に記載の3次元印刷装置。
  7. 前記光が照射された前記表層領域が所定の半硬化状態になるとともに、前記内部領域が所定の完全硬化状態になるように、前記堆積された層の周囲の温度を制御する温度制御部をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の3次元印刷装置。
  8. 前記光照射部が照射する前記光の波長の範囲は、150nm以下である、請求項1から7のいずれか一項に記載の3次元印刷装置。
  9. 前記光照射部は、出力される光の波長が異なる複数の発光素子を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の3次元印刷装置。
  10. 照射制御部をさらに備え、
    前記光照射部は、複数の光源を備え、
    前記照射制御部は、前記複数の光源を2つ以上のグルーに分け、当該2つ以上のグループごとに異なる光強度の光を照射させることによって、前記表層領域における前記異なる光強度の光が照射された領域の半硬化状態を異ならせる、請求項1から9のいずれか一項に記載の3次元印刷装置。
  11. 前記凹凸形成部は、前記光を透過する材料により筒状に形成され、前記筒状の表面に前記凹凸を形成するための突起が配置された凹凸形成ローラを備え、
    前記光照射部は、前記凹凸形成ローラの筒状の内部に配置されている、請求項1から10のいずれか1項に記載の3次元印刷装置。
  12. 光硬化型インクの複数の層によって構成された造形物を形成する3次元印刷装置であって、
    前記複数の層を堆積させる塗布部と、
    前記複数の層が堆積されるごとに、当該堆積された層の表層領域を半硬化させるとともに、当該表層領域以外の内部領域を完全硬化させる光を照射する光照射部と、
    照射制御部と、を備え、
    前記光照射部は、複数の光源を備え、
    前記照射制御部は、前記複数の光源を2つ以上のグループに分け、当該2つ以上のグループごとに異なる光強度の光を照射させることによって、前記表層領域における前記異なる光強度の光が照射された領域の半硬化状態を異ならせ、前記半硬化状態が異なる第1の表層分割領域と第2の表層分割領域とを前記複数の層の堆積方向に直交する方向に沿って交互に形成する、3次元印刷装置。
  13. 光硬化型インクの複数の層によって構成された造形物を形成する3次元印刷装置であって、
    前記複数の層を堆積させる塗布部と、
    前記複数の層が堆積されるごとに、当該堆積された層の表層領域を半硬化させるとともに、当該表層領域以外の内部領域を完全硬化させる光を照射する光照射部と、を備え、
    前記光照射部は、水平方向に交互に第1のインクと第2のインクが吐出されて前記複数の層が堆積されるごとに、前記第1のインクからなる第1の領域に光を照射して前記第1の領域の表層領域を半硬化させるとともに、当該表層領域以外の前記第1の領域の内部領域を完全硬化させ、前記第2のインクからなる第2の領域に光を照射して、前記第2の領域全体を完全硬化させる、3次元印刷装置。
  14. 光硬化型インクの複数の層によって構成された造形物を形成する3次元印刷装置であって、
    前記複数の層を堆積させる塗布部と、
    前記複数の層が堆積されるごとに、当該堆積された層の表層領域を半硬化させるとともに、当該表層領域以外の内部領域を完全硬化させる光を照射する光照射部と、を備え、
    前記光照射部は、造形物の外枠、前記外枠の内部の製品部、および前記外枠と前記製品部とを接続する接続部を形成する際、前記複数の層が堆積されるごとに、当該堆積された層の前記外枠と前記製品部とに対応する表層領域を半硬化させるとともに、当該表層領域以外の内部領域を完全硬化させて前記外枠および前記製品部を形成し、前記複数の層が堆積されるごとに、当該堆積された層の前記接続部に対応する領域を完全硬化させて前記接続部を形成する3次元印刷装置。
  15. 造形物を形成する3次元印刷方法であって、
    光硬化型インクの複数の層を堆積させる工程と、
    前記複数の層が堆積されるごとに、当該堆積された層の表層領域を半硬化させるとともに、当該表層領域以外の内部領域を完全硬化させる光を照射する工程と、
    前記光が照射される前の前記層の表面に凹凸を形成する工程と、を含む、3次元印刷方法。
  16. 前記造形物は、第1の光硬化型インクで形成された第1の構造部と、当該第1の構造部に接続され、第2の光硬化型インクで形成された第2の構造部と、を含み、
    1つの前記層を堆積させる工程は、前記第1の光硬化型インクと前記第2の光硬化型インクとを異なるタイミングで吐出して前記1つの層を形成する工程を含み、
    前記光を照射する工程は、前記堆積された層のうち、前記第1の光硬化型インクからなる領域に、当該領域の表層領域を半硬化させるとともに、当該表層領域以外の内部領域を完全硬化させる光を照射する工程と、前記堆積された層のうち、前記第2の光硬化型インクからなる領域全体を完全硬化させる光を照射する工程と、を含む、請求項15に記載の3次元印刷方法。
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