JP7617773B2 - フランジ締結サポートシステム、その方法、プログラムおよび装置 - Google Patents
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Description
このガスケットの締付けに関し、締付けトルクを把握するため、ガスケットや内部流体の種類に対応する締付け面圧、複数の締付け力、ボルトに関する情報などを用いるシステムが知られている(たとえば、特許文献1)。
このボルトの締付けに関し、ボルトに発生するひずみをデータ化し、ボルトの締付け状態を視認化することが知られている(たとえば、特許文献2)。
a)ボルトから取得したトルク値や軸力値はボルトに関する情報であり、ガスケットが受ける荷重を測定していない。
b)ガスケットがフランジから受ける荷重に対し、ボルトのトルク値や軸力値は間接的な情報にすぎず、ガスケットが受ける荷重の目安にすぎない。
c)ボルトのトルク値や軸力値はボルトやフランジの締付け状態の影響を受け、この影響を無視できない。
二以上のボルトにより締結されるフランジ間に設置されるガスケットと、フランジ締結時、フランジ間からの荷重による前記ガスケットの変形を検出し、前記荷重が閾値以上であるとき、接点間が導通となる接点機構を含む二以上のセンサーと、各センサーから前記接点機構の導通情報または非導通情報の一方または双方を取得し、隣接する少なくとも二つのセンサーから得た導通情報同士の組合せ、非導通情報同士の組合せ、または、導通情報および非導通情報の組合せを以て各ボルトの締結状態を判定する締結判定部と、ボルトの位置情報に関係付けてフランジ締結の判定結果を提示する情報提示部とを含む。
このフランジ締結サポートシステムにおいて、さらに、前記接点機構の接点間は、前記荷重が前記閾値以上で前記接点間が非導通から導通となる接点間隔に設定されている。
このフランジ締結サポートシステムにおいて、前記締結判定部は、フランジ締結時、各センサーから前記導通情報または前記非導通情報を定期または不定期に取得してよい。
このフランジ締結サポートシステムにおいて、前記締結判定部は、判定指示操作を受けてボルトの締結状態を判定し、この締結状態の判定結果情報を含む告知情報を生成してよい。
(1) フランジ締結でフランジ間から荷重を受けて変形するガスケットからその変形情報を導通情報または非導通情報によって取得し、締結状態を表す判定結果を可視化してフランジ締結をサポートできる。
(2) ガスケットの変形をガスケットに設置されたセンサーを以てガスケットから直接取得でき、少なくとも二つのセンサーの出力情報である導通情報同士の組合せ、非導通情報同士の組合せ、または、導通情報および非導通情報の組合せを以て各ボルトの締結状態を判定でき、その判定結果をボルトの位置情報に関係付けて提示でき、フランジ締結の精度を高めることができる。
(3) 施工者や管理者は、フランジ締結途上でタイムリーに判定結果情報を参照してボルトの締付けの過不足を認識して調整でき、フランジ締結の最適化とともに、各フランジ締結の均一化を図ることができる。
(4) フランジ締結の締結状態の可視化によってフランジ締結の管理精度を高めることができる。
図1は、本開示の第一の実施の形態に係るフランジ締結サポートシステム2を示している。このフランジ締結サポートシステム2の構成は一例であり、斯かる構成に本開示が限定されるものではない。図1において、Oは部材中心であり、X、YおよびZは三次元座標軸である。
このガスケット4はたとえば、円形の透孔12を形成した円環状のガスケット本体部14を備え、このガスケット本体部14の周縁部にX軸方向およびY軸方向に突出部16が形成され、各突出部16に貫通孔18が形成されている。これら突出部16および貫通孔18はX軸方向またはY軸方向の何れかの2箇所に形成してもよい。
非拘束部22にはフランジ締結時、荷重によるガスケット4の変形を取り出すための複数のインナーカット部24が形成されている。各インナーカット部24はガスケット4に形成された切欠き部の一例である。各インナーカット部24はたとえば、透孔12と同心円状の円弧をなす貫通孔または凹部である。各インナーカット部24は、貫通孔18と交互に配置されているが、これに限定されない。
この中継部8にはケーブル28によりフランジ締結サポート部10が接続されており、中継部8の集積情報がフランジ締結サポート部10に取り込まれる。
なお、各センサー6-1、6-2、6-3、6-4の測定出力はガスケット4の変形を表すたとえば、導通(ON)または非導通(OFF)を表す物理情報である。この物理情報はガスケット4の変形を表すON情報、OFF情報の他、インピーダンス情報、電圧情報または電流情報の何れでもよい。
図2は、ガスケット4のインナーカット部24およびセンサー6-1の一例を示している。
インナーカット部24は、フランジ締結時、ガスケット4に現れる変形を取り出すため、変形取出し部36および一対のスリット部38-1、38-2を備える。
変形取出し部36は、円弧状壁部40-1、40-2と、スリット部38-1で分断された垂直壁部42-11、42-12、スリット部38-2で分断された垂直壁部42-21、42-22とを備えている。各円弧状壁部40-1、40-2は、ガスケット4の透孔12またはガスケット本体部14の周縁44と同心円状である。垂直壁部42-11、42-12、42-21、42-22は、透孔12の半径方向の垂直面またはガスケット本体部14の周縁44の接線に直交する垂直面を備える。
図3は、接点機構48を分解して示している。
各接点46-1、46-2はりん青銅などの導電性および弾性を備える導体板で形成される。各接点46-1、46-2にはたとえば、長方形状に加工された導体板に山型の接点部54が形成され、この接点部54の両側に平坦な固定部56が形成されている。各固定部56には長方形状の固定孔58が形成され、一方の固定部56にはリード引出し部60が形成されている。接点46-1にはセンサーリード26-1、接点46-2にはセンサーリード26-2が接続される。
各支持壁部62-1、62-2は接点46-1、46-2間を電気的に絶縁するたとえば、絶縁性合成樹脂などの絶縁材料で形成されている。インナーカット部24の変形に対する追従性を高めるため、支持壁部62-1、62-2に弾性を備えてもよい。
弾性支持部64は、インナーカット部24に現れるガスケット4の変形に接点46-1、46-2間の間隔dを追従させるため、接点46-1、46-2を弾性支持するために弾性合成樹脂などの弾性材料で形成される。
そして、支持壁部62-1には接点46-1を固定する一対のフック部66、同様に、支持壁部62-2には接点46-2を固定する一対のフック部66が形成されている。
接点46-1は、固定孔58にフック部66を係合させて支持壁部62-1側に固定されるとともに、接点46-2は、固定孔58に支持壁部62-2側のフック部66を係合させて固定される。
図5は、接点46-1、46-2間に設定される間隔dを示している。
接点機構48には、ガスケット4が受ける荷重Fが閾値Fth以上に到達したとき、接点46-1、46-2間が接するように、接点部54間の間隔dを設定ないし調整する。この間隔dの設定ないし調整には、主として接点部54間の間隔調整を行うが、支持壁部62-1、62-2および弾性支持部64を含む接点支持機構50が持つ弾性係数などの物理情報を参照し、最適化する。この間隔dの調整を行えば、支持壁部62-1、62-2および弾性支持部64を含む接点支持機構50が持つ弾性係数などを吸収することも可能である。
図6は、ガスケット4を用いるフランジ締結部68の一例を示している。
このフランジ締結部68は、管路70-1の端部にフランジ72-1、管路70-2の端部にフランジ72-2を備える。各フランジ72-1、72-2の対向面部にはガスケット座74が形成されている。各ガスケット座74は、フランジ72-1、72-2の円孔76を包囲して突出させた円環凸部である。これらガスケット座74間にガスケット4が設置される。したがって、ガスケット4に設定された拘束部20(図1)は、フランジ72-1、72-2と接触するエリア(接触部)であるのに対し、非拘束部22(図1)は、フランジ72-1、72-2と接触しないエリア(非接触部)である。
フランジ締結時、フランジ72-1、72-2間にガスケット4を挟み込み、フランジ72-1、72-2の各貫通孔78およびガスケット4の貫通孔18を合わせ、ボルト80-1、80-2、80-3(図示せず)、80-4を貫通させる。各ボルト80-1、80-2、80-3、80-4にはフランジ72-1、72-2を挟んで個別に一対のナット82およびワッシャ84が取り付けられる。
図7は、フランジ締結部68のセンサー6-1部分での切断断面を示している。
フランジ72-1、72-2から荷重Fがガスケット4に加えられると、この荷重Fの大きさに応じてガスケット4が変形する。この変形はガスケット4の周縁方向に現れる。この変形は、拘束部20から非拘束部22に波及し、インナーカット部24の間隔Dを変化させる。
センサー6-1は、フランジ72-1、72-2間より受ける荷重Fが閾値Fth以上であるか否かにより、接点46-1、46-2間が非導通(OFF)状態または導通(ON)状態となり、ON・OFFの二値化情報が得られる。
図8のAは、接点46-1、46-2のOFF状態を示している。
各ボルト80-1、80-2、80-3、80-4の仮止め状態など、その締付け力が小さく、またはフランジ72-1、72-2間からガスケット4に加えられる荷重Fが閾値Fth未満であれば(F=FL)、インナーカット部24に現れる間隔Dの変化は小さい。このとき、接点部54間は非接触状態であり、接点46-1、46-2がOFF状態となる。
各ボルト80-1、80-2、80-3、80-4の締付け力が大きいために、フランジ72-1、72-2間からガスケット4に加えられる荷重Fが閾値Fth以上であれば(F=FH)、インナーカット部24に現れる間隔Dの変化が大きく、縮小状態となる。このとき、接点部54間は非接触状態から接触状態に遷移し、接点46-1、46-2がOFF状態からON状態に切り替えられる。
このようなインナーカット部24の変形検出は、他のセンサー6-2、6-3、6-4についても同様であるので、その説明を割愛する。
図9は、フランジ締結サポートシステム2のハードウェアを示している。図9において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
センサー6-1、6-2、6-3、6-4は、インナーカット部24内に着脱可能に設置されてガスケット4と一体化されている。
中継処理部94はプロセッサや記憶部を備え、各センサー6-1、6-2、6-3、6-4の出力情報を保持し、サーバー30からの指示を受けて各センサー6-1、6-2、6-3、6-4の各出力情報をサーバー30に対して送出する。
記憶部98は、フランジ締結サポートプログラムなどのプログラムやプログラムの実行に用いられるサポート情報などのデータを格納する記録媒体の一例である。記憶部98はROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)などの記憶素子で構成される。ROMはOSやフランジ締結サポートプログラムなど、各種のプログラム、後述のサポート情報データベース(DB)120、判定情報を格納するセンサー出力情報テーブル122、ボルト締結判定ロジックテーブル124、ボルト締結情報テーブル126などの記憶に用いられる。RAMは、情報処理の作業域に用いられる。
タイマー100は時間情報の出力手段の一例であり、フランジ締結の測定タイミングの生成など、時間情報を生成する。
I/O102は、プロセッサ96の制御により、中継部8からのデータの取得、記憶部98とプロセッサ96のデータの授受、タイマー100からの計時情報の取り込み、情報提示部32への提示情報の出力、情報入力部34からの操作入力情報など、情報の入出力に用いられる。
このフランジ締結サポート部10は筐体部104を備え移動可能であり、筐体部104には電池や蓄電池を用いた電源部106を備える。中継部8が必要とする給電は、電源部106で行なってもよい。
筐体部104は測定ボックスの一例であり、一定の強度たとえば、堅牢性、耐薬品性または耐水性などが必要である。したがって、筐体部104はたとえば、ポリカーボネイトなどの硬質合成樹脂材料で構成される。
フランジ締結サポートシステム2で実行するソフトウェアには次の機能が含まれる。
(a) センサー出力情報のパターン化(センサー出力情報テーブル122)
(b) フランジ締結判定ロジック(ボルト締結判定ロジックテーブル124)を用いたフランジ締結情報のパターン化(ボルト締結情報テーブル126)
(c) センサー出力情報およびフランジ締結情報などの可視化
(d) これらの情報処理
このソフトウェアにはフランジ締結情報取得部108、センサー出力情報取得部110、センサー出力情報テーブル生成部112、ボルト締結判定部114、ボルト締結情報テーブル生成部116、提示情報生成部118、サポート情報DB120、センサー出力情報テーブル122、ボルト締結判定ロジックテーブル124、ボルト締結情報テーブル126、可視化された提示情報128が含まれる。
センサー出力情報テーブル生成部112は、パターン情報および各センサー6-1、6-2、6-3、6-4の出力情報を用いてセンサー出力情報テーブル122(図12のB)を生成する。
ボルト締結情報テーブル生成部116は、パターン情報とともにボルト80-1、80-2、80-3、80-4を用いてボルト締結情報テーブル126を生成する。
図11は、サポート情報DB120の一例を示している。このサポート情報DB120にはサポート情報を格納するサポート情報ファイル130が含まれる。
このサポート情報ファイル130には、計測日時部132、計測データ番号部134、フランジ部136、ガスケット部138、ボルト部140、センサー部142、センサー出力情報部144、ボルト締結情報部146、提示情報部148が設定されている。
計測データ番号部134には、サポート情報ファイル130などを特定するためのデータ番号を含む識別情報が格納される。
フランジ部136には、フランジ締結部68のフランジ72-1、72-2の属性情報など、フランジ72-1、72-2を特定するためのフランジ情報が格納される。
ガスケット部138には、フランジ締結部68のガスケット4の識別情報が格納される。この識別情報には、ガスケット4の仕様情報、製造者情報などの属性情報が含まれる。
センサー部142には、ガスケット4に設置されたセンサー6-1、6-2、6-3、6-4を表すセンサー情報が格納される。
センサー出力情報部144にはパターン部144-1、センサー番号部144-2が設定されている。パターン部144-1には、出力パターンを特定するための識別番号などの識別情報が格納される。センサー番号部144-2には、センサー6-1、6-2、6-3、6-4を特定するためのセンサー番号S1、S2、S3、S4が設定されている。したがって、センサー出力情報部144にはパターン部144-1の出力パターンおよびセンサー番号S1、S2、S3、S4で特定されるセンサー出力を表す出力情報が格納される。
そして、提示情報部148には判定結果などを含む提示情報が格納されている。
図12のAは、センサー6-1、6-2、6-3、6-4およびボルト80-1、80-2、80-3、80-4の配置の一例を示している。この配置を基準にセンサー出力情報テーブル122(図12のB)、ボルト締結情報テーブル126(図12のC)を作成しているが、これらは一例であって、本開示がこの提示に限定されるものではない。
図12のBは、センサー出力情報テーブル122を示している。このセンサー出力情報テーブル122は各センサー6-1、6-2、6-3、6-4の各センサー出力情報を集合させ、このセンサー出力情報をパターン化したデータファイルである。
このセンサー出力情報テーブル122にはパターン部150、センサー出力情報部152が設定されている。パターン部150にはパターン番号などのパターン情報が格納されている。つまり、4組のセンサー6-1、6-2、6-3、6-4では16通りのパターン情報を識別するための番号情報が格納される。
センサー6-1、6-2、6-3、6-4の出力情報はON情報、OFF情報の2情報であるから、その組合せは「ON、ON、ON、ON」、「ON、ON、ON、OFF」、・・・、「OFF、OFF、OFF、OFF」の16通りとなり、このON、OFF状態がパターン番号で特定される。
サーバー30は、各センサー6-1、6-2、6-3、6-4の出力情報である導通情報または非導通情報の一方または双方を取得する。
フランジ締結の評価には、ガスケット4の周回方向に隣接する少なくとも二つのセンサー間の出力情報を用いる。センサー6-1とセンサー6-2の出力情報、センサー6-2とセンサー6-3の出力情報、センサー6-3とセンサー6-4の出力情報、センサー6-4とセンサー6-1の出力情報の組合せである。
このような関係は、ボルト80-2、80-3、80-4の締結状態の判定も同様である。
図12のCは、ボルト締結判定ロジックテーブル124を示している。このボルト締結判定ロジックテーブル124はフランジ締結判定に用いる論理情報を格納している。
このボルト締結判定ロジックテーブル124には出力情報組合せ部154、判定種別部156が設定されている。出力情報組合せ部154にはセンサー番号部154-1、154-2が設定されている。センサー番号部154-1にはセンサー6-1、6-2、6-3、6-4のセンサー番号S1、S2、S3、S4で表されるセンサー情報Siが格納される。センサー番号部154-2にはセンサー番号部154-1に格納されるセンサー番号S1、S2、S3、S4と異なるセンサー情報Sjが格納される。Si、Sjにおいて、i、jはセンサー番号S1、S2、S3、S4を特定するための添字であり、Si≠Sjの関係にある。
Si=S1の場合:Sj=S4またはSj=S2
Si=S2の場合:Sj=S1またはSj=S3
Si=S3の場合:Sj=S2またはSj=S4
Si=S4の場合:Sj=S3またはSj=S1
Si=ONまたはOFF、Sj=ONまたはOFFを想定した場合、この組合せ判定では次のa)、b)、c)およびd)の判定結果が得られる。
a) Si=ONおよびSj=ONの場合: Si、Sj間のボルト締結が合格(=評価A)
b) Si=OFFおよびSj=ONの場合: Si、Sj間のボルト締結が不合格(=評価B)
c) Si=ONおよびSj=OFFの場合: Si、Sj間のボルト締結が不合格(=評価B)
d) Si=OFFおよびSj=OFFの場合: Si、Sj間のボルトが未締結(=評価C)
この判定結果では、SiおよびSjの何れかがOFFとなる場合には締結はされているが、締結状態が不良で不合格とし、評価Bとした。これに対し、SiおよびSjが共にOFFとなる場合には、締結が不完全ないし未締結とし、評価Cとした。
図13は、ボルト締結情報テーブル126を示している。このボルト締結情報テーブル126にはパターン部158、ボルト締結情報部160が設定されている。
パターン部158にはパターン部150に合致するパターン情報が格納される。つまり、4組のボルト80-1、80-2、80-3、80-4では16通りのパターン情報を識別するための番号情報が格納される。
ボルト80-1、80-2、80-3、80-4の締結評価情報は合格(=A)、不合格(=B)、未締結(=C)の3情報であるから、その組合せは「A、A、A、A」、「B、A、A、B」、・・・、「C、C、C、C」の16通りとなり、これらからボルト番号b1、b2、b3、b4で特定される各ボルト80-1、80-2、80-3、80-4の締結評価が行われる。
センサー出力情報テーブル122のパターン部150の「2」(図12のB)を抽出すると、センサー出力情報はS1=ON、S2=ON、S3=ON、S4=OFFである。これらの出力情報から、S3=ONとS4=OFFとをボルト締結判定ロジックテーブル124に当てはめると、ボルト締結情報テーブル126のパターン部158の「2」に示すように、ボルト番号b4(=ボルト80-4)は、締結状態が評価Bとなる。同様に、S4=OFFとS1=ONをボルト締結判定ロジックテーブル124に当てはめると、ボルト番号b1(=ボルト80-1)は、締結状態が評価Bとなる。
このようにボルト締結と評価を反復することにより、S1=OFF、S2=OFF、S3=OFFおよびS4=OFFから、S1=ON、S2=ON、S3=ONおよびS4=ONの成立により、ボルト番号b1ないしb4で特定される全てのボルト80-1、80-2、80-3、80-4の締結状態の全ての判定に対して評価Aが得られたとき、締結完了となる。
このフランジ締結サポートの処理手順は、本開示のフランジ締結サポート方法またはそのプログラムの一例である。
このフランジ締結サポートの処理手順にはセンサー出力情報取得工程(S101)、ボルト締結判定工程(S102)、提示情報生成工程(S103)が含まれる。
図14は、フランジ締結サポート部10の情報提示部32および情報入力部34を示している。
フランジ締結サポート部10には筐体部104の前面パネル162に情報提示画面164、情報入力部34に含まれる判定ボタン165、選択ボタン166、指示ボタン168、170が設置されている。
情報提示画面164には、ボルト締結作業中、計測情報提示画面172が提示される。この計測情報提示画面172には計測日提示部174、計測データ番号提示部176、ガスケット情報提示部178、操作指示提示部180、センサー情報提示部182、ボルト締結合否提示部184が含まれる。
ガスケット情報提示部178にはガスケット4、ボルト番号b1、b2、b3、b4およびセンサー番号S1、S2、S3、S4で特定されるボルト80-1、80-2、80-3、80-4やセンサー6-1、6-2、6-3、6-4の形態や位置を表す図形情報が提示される。
センサー情報提示部182にはセンサー番号S1、S2、S3、S4で特定されるセンサー出力情報を表すON情報表示、OFF情報表示が提示される。
ボルト締結合否提示部184にはボルト番号b1、b2、b3、b4で特定されるボルト締結状態の評価情報として合格表示、不合格表示または未締結表示が提示される。
そして、情報提示画面164には選択ボタン166の選択により、センサー出力情報提示画面186(図15のA)または判定結果情報提示画面188(図15のB)などが選択的に提示される。
図15のAは、センサー出力情報提示画面186を示している。このセンサー出力情報提示画面186にはパターン情報とともにセンサー出力情報を含むセンサー出力情報テーブル122を表すテーブル情報190が提示される。このテーブル情報190にはON情報表示192、OFF情報表示194がON、OFFに代えて提示される。これにより、センサー出力情報のON、OFFを表す提示情報128の視認性が高められる。
図15のBは、判定結果情報提示画面188を示している。この判定結果情報提示画面188にはパターン情報とともにボルト締結情報を含むボルト締結情報テーブル126を表すテーブル情報196が提示される。このテーブル情報196には評価Aを表す合格表示198、評価Bを表す不合格表示200、評価Cを表す未締結表示202が提示される。これにより、ボルト締結状態を表す提示情報128の視認性が高められる。
この第一の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) フランジ締結でガスケット4に生じる形状変形をセンサー6-1、6-2、6-3、6-4で直接に検知でき、各センサー6-1、6-2、6-3、6-4から得られるON、OFFの二値化情報で取得できる。
(2)ガスケット4の周回方向に隣接するセンサーから出力される二値化情報をそれぞれ突き合わせてガスケット4の締結状態を評価し、その評価結果を可視化情報で提示できる。それにより、フランジ締結をサポートでき、シール施工の信頼性を高めることができる。
(4) ガスケット4に付与すべき荷重Fをセンサー6-1、6-2、6-3、6-4の接点間の間隔dで調整ないし規制を行うことができ、ガスケット4に付与すべき荷重Fを適正荷重にすることができる。
(5) ガスケット4に形成したインナーカット部24の画一的な位置にセンサー6-1、6-2、6-3、6-4を設定できるので、センサー出力情報の出力精度を高めることができる。
(7) フランジ締結時、たとえば、10秒間隔など、一定の時間間隔でセンサー6-1、6-2、6-3、6-4からの出力情報を取得してフランジ締結をボルト80-1、80-2、80-3、80-4ごとに評価し、タイムリーにその評価情報を施工者や管理者に提示できる。
(8) 施工者や管理者はフランジ締結の評価結果を提示情報128で認識でき、その認識結果に基づいて締結継続ないし締結完了を判断することができ、結果として締結作業の迅速化を図ることができる。
図16は、第二の実施の形態に係るフランジ締結サポートシステム2を示している。図16において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
第一の実施の形態では、4本のボルト80-1、80-2、80-3、80-4に対し、4組のセンサー6-1、6-2、6-3、6-4を設置し、ボルト数とセンサー数を同一に設定したシステムについて記載したが、ボルト数とセンサー数を一致させる必要はない。
フランジ締結サポート部10は第一の実施形態(図1)と同様の構成であり、同一部分には同一符号を付し、その説明を割愛する。
このように、センサー数をボルト数より低減しても、隣接するボルト締結の状態を既述の判定原理によってセンサーの出力情報で判定することが可能である。
この第二の実施の形態によれば、第一の実施の形態と同様の効果に加え、ボルト本数に対してセンサー数を低減してフランジ締結の評価を行い、その評価結果の可視化を実現できる。
(1) 上記実施の形態では、ガスケット4に加わる荷重Fが閾値Fth以上でON、閾値Fth未満でOFFのセンサー情報が得られるセンサー6-1、6-2、6-3、6-4を例示したが、荷重Fが閾値Fth以上でOFF、閾値Fth未満でONのセンサー情報が得られるセンサーを用いてもよい。
(2) 上記実施の形態では、接点46-1、46-2を導体板で構成したセンサー6-1、6-2、6-3、6-4を例示したが、半導体スイッチなどの電子スイッチを備えるセンサーを用いてもよく、本開示は機械式のセンサーに限定されない。
(3) 上記実施の形態では、ガスケット4に合成樹脂製のガスケットを例示したが、本開示は合成樹脂ガスケットに限定されない。
(4) 上記実施の形態ではフランジ締結部68における初期締結におけるガスケット4の形状変化の測定およびその評価を例示したが、本開示は初期締結に限定されない。
(5) 上記実施の形態では各センサー6-1、6-2、6-3、6-4と中継部8の接続に有線接続を例示しているが、この有線接続に代え、LPWA、BluetoothまたはWifiなどによる無線接続を用いてもよい。
4 ガスケット
6-1、6-2、6-3、6-4 センサー
8 中継部
10 フランジ締結サポート部
12 透孔
14 ガスケット本体部
16 突出部
18 貫通孔
20 拘束部
22 非拘束部
24 インナーカット部
26-1、26-2 センサーリード
28 ケーブル
30 サーバー
32 情報提示部
34 情報入力部
36 変形取出し部
38-1、38-2 スリット部
40-1、40-2 円弧状壁部
42-11、42-12、42-21、42-22 垂直壁部
44 周縁
46-1、46-2 接点
48 接点機構
50 接点支持機構
52 ストッパ
54 接点部
56 固定部
58 固定孔
60 リード引出し部
62-1、62-2 支持壁部
64 弾性支持部
66 フック部
68 フランジ締結部
70-1、70-2 管路
72-1、72-2 フランジ
74 ガスケット座
76 円孔
78 貫通孔
80-1、80-2、80-3、80-4 ボルト
82 ナット
84 ワッシャ
86 締付け工具
88 嵌合環部
90 ハンドル部
92 センサー回路
94 中継処理部
96 プロセッサ
98 記憶部
100 タイマー
102 入出力部
104 筐体部
106 電源部
108 フランジ締結情報取得部
110 センサー出力情報取得部
112 センサー出力情報テーブル生成部
114 ボルト締結判定部
116 ボルト締結情報テーブル生成部
118 提示情報生成部
120 サポート情報DB
122 センサー出力情報テーブル
124 ボルト締結判定ロジックテーブル
126 ボルト締結情報テーブル
128 提示情報
130 サポート情報ファイル
132 計測日時部
134 計測データ番号部
136 フランジ部
138 ガスケット部
140 ボルト部
142 センサー部
144 センサー出力情報部
144-1 パターン部
144-2 センサー番号部
146 ボルト締結情報部
146-1 パターン部
146-2 ボルト番号部
148 提示情報部
150 パターン部
152 センサー出力情報部
154 出力情報組合せ部
154-1、154-2 センサー番号部
156 判定種別部
158 パターン部
160 ボルト締結情報部
162 前面パネル
164 情報提示画面
165 判定ボタン
166 選択ボタン
168、170 指示ボタン
172 計測情報提示画面
174 計測日提示部
176 計測データ番号提示部
178 ガスケット情報提示部
180 操作指示提示部
180-1 読込みボタン
180-2 保存ボタン
182 センサー情報提示部
184 ボルト締結合否提示部
186 センサー出力情報提示画面
188 判定結果情報提示画面
190 テーブル情報
192 ON情報表示
194 OFF情報表示
196 テーブル情報
198 合格表示
200 不合格表示
202 未締結表示
Claims (7)
- 二以上のボルトにより締結されるフランジ間に設置されるガスケットと、
フランジ締結時、フランジ間からの荷重による前記ガスケットの変形を検出し、前記荷重が閾値以上であるとき、接点間が導通となる接点機構を含む二以上のセンサーと、
各センサーから前記接点機構の導通情報または非導通情報の一方または双方を取得し、隣接する少なくとも二つのセンサーから得た導通情報同士の組合せ、非導通情報同士の組合せ、または、導通情報および非導通情報の組合せを以て各ボルトの締結状態を判定する締結判定部と、
ボルトの位置情報に関係付けてフランジ締結の判定結果を提示する情報提示部と、
を含む、フランジ締結サポートシステム。 - さらに、前記接点機構の接点間は、前記荷重が前記閾値以上で前記接点間が非導通から導通となる接点間隔に設定されている、請求項1記載のフランジ締結サポートシステム。
- さらに、前記締結判定部は、フランジ締結時、各センサーから前記導通情報または前記非導通情報を定期または不定期に取得する、請求項1または請求項2に記載のフランジ締結サポートシステム。
- さらに、前記締結判定部は、判定指示操作を受けてボルトの締結状態を判定し、この締結状態の判定結果情報を含む告知情報を生成する、請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載のフランジ締結サポートシステム。
- フランジ締結時、フランジ間からガスケットが受ける荷重が閾値以上であるとき、接点間が導通となる接点機構を含む二以上のセンサーにより、ガスケットの変形を測定する工程と、
締結判定部が、各センサーから導通情報または非導通情報の一方または双方を取得し、隣接する少なくとも二つのセンサーから得た導通情報同士の組合せ、非導通情報同士の組合せ、または、導通情報および非導通情報の組合せを以て各ボルトの締結状態を判定する工程と、
情報提示部が、前記ボルトの位置情報に関係付けてフランジ締結の判定結果を提示する工程と、
を含む、フランジ締結サポート方法。 - コンピュータによりフランジ締結をサポートするためのプログラムであって、
フランジ締結時、フランジ間からガスケットが受ける荷重が閾値以上であるときに接点間が導通となる接点機構を含む二以上のセンサーから、導通情報または非導通情報の一方または双方を取得する機能と、
隣接する少なくとも二つのセンサーから得た導通情報同士の組合せ、非導通情報同士の組合せ、または、導通情報および非導通情報の組合せを以て各ボルトの締結状態を判定する機能と、
前記ボルトの位置情報に関係付けてフランジ締結の判定結果情報を生成する機能と、
を前記コンピュータで実現するためのプログラム。 - ガスケットが挟み込まれたフランジ間のフランジ締結をサポートするフランジ締結サポート装置であって、
フランジ間からの荷重によるガスケットの変形を検出し、前記荷重が閾値以上であるときに接点間が導通となる接点機構を含む二以上のセンサーから、前記接点間の導通情報または非導通情報の一方または双方を取得し、隣接する少なくとも二つのセンサーから得た導通情報同士の組合せ、非導通情報同士の組合せ、または、導通情報および非導通情報の組合せを以て各ボルトの締結状態を判定する締結判定部と、
前記ボルトの位置情報に関係付けられた判定結果を提示する情報提示部と、
を含む、フランジ締結サポート装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2021034036A JP7617773B2 (ja) | 2021-03-04 | 2021-03-04 | フランジ締結サポートシステム、その方法、プログラムおよび装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2021034036A JP7617773B2 (ja) | 2021-03-04 | 2021-03-04 | フランジ締結サポートシステム、その方法、プログラムおよび装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2022134701A JP2022134701A (ja) | 2022-09-15 |
| JP7617773B2 true JP7617773B2 (ja) | 2025-01-20 |
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2021034036A Active JP7617773B2 (ja) | 2021-03-04 | 2021-03-04 | フランジ締結サポートシステム、その方法、プログラムおよび装置 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP7617773B2 (ja) |
Citations (1)
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|---|---|---|---|---|
| JPH09329281A (ja) * | 1996-06-07 | 1997-12-22 | Toshiba Corp | フランジ締結監視装置 |
-
2021
- 2021-03-04 JP JP2021034036A patent/JP7617773B2/ja active Active
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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|---|---|
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