実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その説明の繰り返しは省略する。
また、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、発明の理解を容易とするため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。例えば、実際の製造工程において、エッチングなどの処理によりレジストマスクなどが意図せずに目減りすることがあるが、理解を容易とするため図に反映しないことがある。
また、上面図(「平面図」ともいう)や斜視図などにおいて、図面をわかりやすくするために、一部の構成要素の記載を省略する場合がある。
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
また、本明細書等において、電気回路における「端子」とは、電流の入力または出力、電圧の入力または出力、もしくは、信号の受信または送信が行なわれる部位を言う。よって、配線または電極の一部が端子として機能する場合がある。
なお、本明細書等において「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上または直下で、かつ、直接接していることを限定するものではない。例えば、「絶縁層A上の電極B」の表現であれば、絶縁層Aの上に電極Bが直接接して形成されている必要はなく、絶縁層Aと電極Bとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、直接接続している場合と、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。よって、「電気的に接続する」と表現される場合であっても、現実の回路においては、物理的な接続部分がなく、配線が延在しているだけの場合もある。
また、本明細書などにおいて、「平行」とは、例えば、二つの直線が-10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、-5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」および「直交」とは、例えば、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、85°以上95°以下の場合も含まれる。
なお、本明細書などにおいて、計数値および計量値に関して「同一」、「同じ」、「等しい」または「均一」などと言う場合は、明示されている場合を除き、プラスマイナス20%の誤差を含むものとする。
また、電圧は、ある電位と、基準の電位(例えば接地電位またはソース電位)との電位差のことを示す場合が多い。よって、電圧と電位は互いに言い換えることが可能な場合が多い。本明細書などでは、特段の明示が無いかぎり、電圧と電位を言い換えることができるものとする。
なお、「半導体」と表記した場合でも、例えば、導電性が十分低い場合は「絶縁体」としての特性を有する。よって、「半導体」を「絶縁体」に置き換えて用いることも可能である。この場合、「半導体」と「絶縁体」の境界は曖昧であり、両者の厳密な区別は難しい。したがって、本明細書に記載の「半導体」と「絶縁体」は、互いに読み換えることができる場合がある。
また、「半導体」と表記した場合でも、例えば、導電性が十分高い場合は「導電体」としての特性を有する。よって、「半導体」を「導電体」に置き換えて用いることも可能である。この場合、「半導体」と「導電体」の境界は曖昧であり、両者の厳密な区別は難しい。したがって、本明細書に記載の「半導体」と「導電体」は、互いに読み換えることができる場合がある。
なお、本明細書等における「第1」、「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、工程順または積層順など、なんらかの順番や順位を示すものではない。また、本明細書等において序数詞が付されていない用語であっても、構成要素の混同を避けるため、特許請求の範囲において序数詞が付される場合がある。また、本明細書等において序数詞が付されている用語であっても、特許請求の範囲において異なる序数詞が付される場合がある。また、本明細書等において序数詞が付されている用語であっても、特許請求の範囲などにおいて序数詞を省略する場合がある。
なお、本明細書等において、トランジスタの「オン状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に短絡しているとみなせる状態(「導通状態」ともいう。)をいう。また、トランジスタの「オフ状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に遮断しているとみなせる状態(「非導通状態」ともいう。)をいう。
また、本明細書等において、「オン電流」とは、トランジスタがオン状態の時にソースとドレイン間に流れる電流をいう場合がある。また、「オフ電流」とは、トランジスタがオフ状態である時にソースとドレイン間に流れる電流をいう場合がある。
また、本明細書等において、高電源電位VDD(以下、単に「VDD」、「H電位」、または「H」ともいう)とは、低電源電位VSS(以下、単に「VSS」、「L電位」、または「L」ともいう)よりも高い電位の電源電位を示す。また、VSSとは、VDDよりも低い電位の電源電位を示す。また、接地電位(以下、単に「GND」、または「GND電位」ともいう)をVDDまたはVSSとして用いることもできる。例えばVDDが接地電位の場合には、VSSは接地電位より低い電位であり、VSSが接地電位の場合には、VDDは接地電位より高い電位である。
また、本明細書等に示すトランジスタは、明示されている場合を除き、エンハンスメント型(ノーマリーオフ型)のnチャネル型電界効果トランジスタとする。よって、そのしきい値電圧(「Vth」ともいう。)は、0Vより大きいものとする。また、明示されている場合を除き、「トランジスタのゲートにH電位を供給する。」とは、「トランジスタをオン状態にする。」と同義の場合がある。また、明示されている場合を除き、「トランジスタのゲートにL電位を供給する。」とは、「トランジスタをオフ状態にする。」と同義の場合がある。
また、本明細書等において、ゲートとは、ゲート電極およびゲート配線の一部または全部のことをいう。ゲート配線とは、少なくとも一つのトランジスタのゲート電極と、別の電極や別の配線とを電気的に接続させるための配線のことをいう。
また、本明細書等において、ソースとは、ソース領域、ソース電極、およびソース配線の一部または全部のことをいう。ソース領域とは、半導体層のうち、抵抗率が一定値以下の領域のことをいう。ソース電極とは、ソース領域に接続される部分の導電層のことをいう。ソース配線とは、少なくとも一つのトランジスタのソース電極と、別の電極や別の配線とを電気的に接続させるための配線のことをいう。
また、本明細書等において、ドレインとは、ドレイン領域、ドレイン電極、及びドレイン配線の一部または全部のことをいう。ドレイン領域とは、半導体層のうち、抵抗率が一定値以下の領域のことをいう。ドレイン電極とは、ドレイン領域に接続される部分の導電層のことをいう。ドレイン配線とは、少なくとも一つのトランジスタのドレイン電極と、別の電極や別の配線とを電気的に接続させるための配線のことをいう。
また、ソースおよびドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合など、動作条件などによって互いに入れ替わるため、いずれがソースまたはドレインであるかを限定することが困難である。このため、本明細書においては、ソースおよびドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。よって、本発明の一態様に係る記載を理解し易くするため、本明細書等において、ソースまたはドレインの一方を「ソース」と呼び、ソースまたはドレインの他方を「ドレイン」と呼ぶ場合がある。
また、図面などにおいて、配線および電極などの電位をわかりやすくするため、配線および電極などに隣接してH電位を示す“H”、またはL電位を示す“L”を付記する場合がある。また、電位変化が生じた配線および電極などには、“H”または“L”を囲み文字で付記する場合がある。また、トランジスタがオフ状態である場合、当該トランジスタに重ねて“×”記号を付記する場合がある。
また、本明細書等において、「抵抗素子」とは、例えば、0Ωよりも高い抵抗値を有する回路素子、配線などとすることができる。そのため、本明細書等において、「抵抗素子」は、抵抗値を有する配線、ソース-ドレイン間に電流が流れるトランジスタ、ダイオード、コイルなどを含むものとする。そのため、「抵抗素子」という用語は、「抵抗」「負荷」「抵抗値を有する領域」などの用語に言い換えることができ、逆に「抵抗」「負荷」「抵抗値を有する領域」という用語は、「抵抗素子」などの用語に言い換えることができる。抵抗値としては、例えば、好ましくは1mΩ以上10Ω以下、より好ましくは5mΩ以上5Ω以下、更に好ましくは10mΩ以上1Ω以下とすることができる。また、例えば、1Ω以上1×109Ω以下としてもよい。
また、本明細書等において、「容量素子」とは、例えば、0Fよりも高い静電容量の値を有する回路素子、静電容量の値を有する配線の領域、寄生容量、トランジスタのゲート容量などとすることができる。そのため、本明細書等において、「容量素子」は、1対の電極と、当該電極の間に含まれている誘電体と、を含む回路素子だけでなく、配線と配線との間に現れる寄生容量、トランジスタのソースまたはドレインの一方とゲートとの間に現れるゲート容量などを含むものとする。また、「容量素子」「寄生容量」「ゲート容量」などという用語は、「容量」などの用語に言い換えることができ、逆に、「容量」という用語は、「容量素子」「寄生容量」「ゲート容量」などの用語に言い換えることができる。また、「容量」の「1対の電極」という用語は、「一対の導電体」「一対の導電領域」「一対の領域」などに言い換えることができる。なお、静電容量の値としては、例えば、0.05fF以上10pF以下とすることができる。また、例えば、1pF以上10μF以下としてもよい。
(実施の形態1)
図1(A)に、本発明の一態様に係る記憶装置100の回路図を示す。記憶装置100は、トランジスタ131とトランジスタ132の間に、複数の記憶素子110を含む構成を有する。図1(B)に、記憶素子110の回路図を示す。記憶素子110は、トランジスタ111およびトランジスタ112を有する。トランジスタ112はバックゲートを備える。
本実施の形態などでは、1番目の記憶素子110を記憶素子110[1]と示し、n番目(nは3以上の整数)の記憶素子110を記憶素子110[n]と示す。また、i番目(iは2以上n未満の整数)の記憶素子110を記憶素子110[i]と示す。なお、記憶素子110[1]乃至記憶素子110[n]に共通の事柄について説明する場合は、単に「記憶素子110」と示す場合がある。
また、本実施の形態などでは、記憶素子110[1]に含まれるトランジスタ111をトランジスタ111[1]と示し、記憶素子110[i]に含まれるトランジスタ111をトランジスタ111[i]と示し、記憶素子110[n]に含まれるトランジスタ111をトランジスタ111[n]と示す。なお、トランジスタ111[1]乃至トランジスタ111[n]に共通の事柄について説明する場合は、単に「トランジスタ111」と示す場合がある。トランジスタ112および後述するノード113なども、トランジスタ111と同様に表記する。
<記憶装置の構成例>
図1(A)に示す記憶装置100の回路構成例について詳細に説明する。記憶素子110[1]に含まれるトランジスタ111[1]のソースまたはドレインの一方は、配線WBLと電気的に接続され、他方はノード113[1]と電気的に接続される。トランジスタ111[1]のゲートは、端子121[1]と電気的に接続される。トランジスタ112[1]のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ131と電気的に接続され、他方はトランジスタ112[2]のソースまたは、ドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ112[1]のゲートは、ノード113[1]と電気的に接続される。トランジスタ112[1]のバックゲートは、端子122[1]と電気的に接続される。
また、トランジスタ131のソースまたはドレインの一方は、配線RBLと電気的に接続され、他方はトランジスタ112[1]のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ131のゲートは端子133と電気的に接続される。
記憶素子110[2]に含まれるトランジスタ111[2]のソースまたはドレインの一方は、ノード113[1]と電気的に接続され、他方はノード113[2]と電気的に接続される。トランジスタ111[2]のゲートは、端子121[2]と電気的に接続される。トランジスタ112[2]のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ112[1]のソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、ゲートは、ノード113[2]と電気的に接続される。トランジスタ112[2]のバックゲートは、端子122[2]と電気的に接続される。
記憶素子110[i]に含まれるトランジスタ111[i]のソースまたはドレインの一方はノード113[i-1](図示せず。)と電気的に接続され、他方はノード113[i](図示せず。)と電気的に接続される。トランジスタ111[i]のゲートは端子121[i]と電気的に接続される。トランジスタ112[i]のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ112[i-1](図示せず。)のソースまたはドレインの一方もしくは他方と電気的に接続される。トランジスタ112[i]のゲートはノード113[i]と電気的に接続され、トランジスタ112[i]のバックゲートは、端子122[i]と電気的に接続される。
記憶素子110[n]に含まれるトランジスタ111[n]のソースまたはドレインの一方は、ノード113[n-1](図示せず。)と電気的に接続される。トランジスタ111[n]のソースまたはドレインの他方は、ノード113[n]と電気的に接続される。トランジスタ111[n]のゲートは端子121[n]と電気的に接続される。
また、トランジスタ112[n]のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ112[n-1](図示せず。)のソースまたはドレインのいずれかと電気的に接続される。トランジスタ112[n]のソースまたはドレインの他方は、トランジスタ132のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ112[n]のゲートはノード113[n]と電気的に接続され、トランジスタ112[n]のバックゲートは、端子122[n]と電気的に接続される。
また、トランジスタ132のソースまたはドレインの他方は配線SLと電気的に接続される。トランジスタ132のゲートは端子134と電気的に接続される。
図1(A)に示す記憶装置100は、トランジスタ131とトランジスタ132の間にn個の記憶素子110を有し、トランジスタ111[1]乃至トランジスタ111[n]において、隣接トランジスタ間で一方のトランジスタのソースと他方のトランジスタのドレインを共用(電気的に接続)しながら直列に接続している。また、トランジスタ112[1]乃至トランジスタ112[n]においても、隣接トランジスタ間で一方のトランジスタのソースと他方のトランジスタのドレインを共用(電気的に接続)しながら直列に接続している。
より具体的には、トランジスタ111[i]のソースがトランジスタ111[i-1]のドレインと電気的に接続し、トランジスタ111[i]のドレインがトランジスタ111[i+1]のソースと電気的に接続している。また、トランジスタ112[i]のソースがトランジスタ112[i-1]のドレインと電気的に接続し、トランジスタ112[i]のドレインがトランジスタ112[i+1]のソースと電気的に接続している。
また、本明細書などにおいて、トランジスタのゲートを第1端子、ソースまたはドレインの一方を第2端子、ソースまたはドレインの他方を第3端子、バックゲートを第4端子と呼ぶ場合がある。例えば、トランジスタ111[i]の第2端子がトランジスタ111[i-1]の第3端子と電気的に接続し、トランジスタ111[i]の第3端子がトランジスタ111[i+1]の第2端子と電気的に接続し、トランジスタ111[i]の第3端子がトランジスタ112[i]の第1端子と電気的に接続していると言うことができる。
このように、1つの記憶素子110に含まれるトランジスタが、隣接する記憶素子110に含まれるトランジスタと直列接続して複数の記憶素子110が連なる構造を「ストリング」、「セルストリング」、または「メモリセルストリング」と呼ぶ場合がある。例えば、1つの記憶装置100を「1つのストリング」、または単に「ストリング」と言う場合がある。なお、「ストリング」、「セルストリング」、および「メモリセルストリング」を単位として呼称する場合もある。
〔記憶素子〕
記憶素子110(図1(B)参照。)は、ノード113に書き込まれた電位(電荷)を保持する機能を有する。具体的には、トランジスタ111のゲートにトランジスタ111をオン状態にする電圧を供給し、トランジスタ111のソースおよびドレインを介して、ノード113に、ノード113を所定の電圧にするための電荷を供給する。その後、トランジスタ111のゲートにトランジスタ111をオフ状態にする電圧を供給する。トランジスタ111をオフ状態にすることで、ノード113に書き込まれた電荷を保持できる。
トランジスタ111およびトランジスタ112の半導体層は、単結晶半導体、多結晶半導体、微結晶半導体、または非晶質半導体などを、単体でまたは組み合わせて用いることができる。半導体材料としては、例えば、シリコンや、ゲルマニウムなどを用いることができる。また、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ヒ化ガリウム、酸化物半導体、窒化物半導体などの化合物半導体を用いてもよい。トランジスタ131の半導体層およびトランジスタ132の半導体層も同様の半導体材料を用いることができる。
なお、トランジスタに用いる半導体層は積層してもよい。半導体層を積層する場合は、それぞれ異なる結晶状態を有する半導体を用いてもよいし、それぞれ異なる半導体材料を用いてもよい。
特に、トランジスタ111は、OSトランジスタであることが好ましい。酸化物半導体はバンドギャップが2eV以上であるため、オフ電流が著しく少ない。トランジスタ111にOSトランジスタを用いると、ノード113に書き込まれた電荷を長期間保持することができる。トランジスタ111にOSトランジスタを用いた場合、記憶素子110を「OSメモリ」と呼ぶことができる。
OSメモリは、電力の供給を停止しても、1年以上、さらには10年以上の期間で書き込まれた情報を保持することができる。よって、OSメモリを不揮発性メモリと見なすこともできる。
また、OSメモリは書き込まれた電荷量が長期間変化しにくいため、OSメモリは2値(1ビット)に限らず、多値(マルチビット)の情報を保持可能である。
また、OSメモリはOSトランジスタを介してノードに電荷を書き込む方式であるため、従来のフラッシュメモリで必要であった高電圧が不要であり、高速な書き込み動作も実現できる。また、フラッシュメモリで行われるデータ書き換え前の消去動作が、OSメモリでは不要である。また、フローティングゲートまたは電荷捕獲層への電荷注入および電荷の引き抜きも行われないため、OSメモリは実質的に無制限回のデータの書き込みおよび読み出しが可能である。OSメモリは、従来のフラッシュメモリと比較して劣化が少なく、高い信頼性が得られる。
また、OSメモリは磁気抵抗メモリ(MRAM)あるいは抵抗変化型メモリ(ReRAM)などのように原子レベルでの構造変化を伴わない。よって、OSメモリは、磁気抵抗メモリおよび抵抗変化型メモリよりも書き換え耐性に優れている。
また、OSトランジスタは高温環境下でもオフ電流がほとんど増加しない。具体的には室温以上200℃以下の環境温度下でもオフ電流がほとんど増加しない。また、高温環境下でもオン電流が低下しにくい。OSメモリを含む記憶装置は、高温環境下においても動作が安定し、高い信頼性が得られる。また、OSトランジスタは、ソースとドレイン間の絶縁耐圧が高い。半導体装置を構成するトランジスタにOSトランジスタを用いることで、高温環境下においても動作が安定し、信頼性の良好な半導体装置が実現できる。
また、図1(C)に示すように、記憶素子110に含まれるトランジスタ111にバックゲートを有するトランジスタを用いてもよい。図1(C)では、トランジスタ111のゲートとバックゲートを電気的に接続する例を示している。
また、図1(D)に示すように、ノード113と端子123の間に容量125を設けてもよい。容量125を設ける場合は、端子123に固定電位を供給することが好ましい。容量125を設けることで、ノード113の電位変動を抑制し、記憶装置100の信頼性を高めることができる。特に、記憶素子110に多値の情報を記憶させる場合は、記憶素子110に容量125を設けることが好ましい。
また、図1(E)に示すように、トランジスタ131および/またはトランジスタ132にバックゲートを有するトランジスタを用いてもよい。図1(E)では、トランジスタのゲートとバックゲートを電気的に接続する例を示している。
なお、記憶装置100は、2個の記憶素子110と、トランジスタ131と、トランジスタ132と、を備える構成であってもよい。すなわち、nは2であってもよい。図2に、nが2である場合の記憶装置100の回路構成例を示す。
また、トランジスタ111のゲートを配線WLと電気的に接続してもよい。または、トランジスタ111のゲートを、端子121を介して配線WLと電気的に接続してもよい。また、トランジスタ112のバックゲートを配線CLと電気的に接続してもよい。または、トランジスタ112のバックゲートを、端子122を介して配線CLと電気的に接続してもよい。配線WLには、後述する書き込み動作を制御する信号が供給される。配線CLには、後述する読み出し動作を制御する信号が供給される。
図3では、トランジスタ111[1]のゲートを配線WL[1]と電気的に接続し、トランジスタ111[2]のゲートを配線WL[2]と電気的に接続し、トランジスタ111[i]のゲートを配線WL[i]と電気的に接続し、トランジスタ111[n]のゲートを配線WL[n]と電気的に接続する例を示している。
また、図3では、トランジスタ112[1]のバックゲートを配線CL[1]と電気的に接続し、トランジスタ112[2]のバックゲートを配線CL[2]と電気的に接続し、トランジスタ112[i]のバックゲートを配線CL[i]と電気的に接続し、トランジスタ112[n]のバックゲートを配線CL[n]と電気的に接続する例を示している。
また、複数の記憶装置100を用いることで、記憶装置100を含む半導体装置の記憶容量を増やすことができる。言い換えると、ストリングの数を増やすことで、半導体装置の記憶容量を増やすことができる。
一例として、図4に3つの記憶装置100(3つのストリング)を並列に接続する斜視回路図を示す。図4では、1つ目の記憶装置100を記憶装置100_1、2つ目の記憶装置100を記憶装置100_2、3つ目の記憶装置100を記憶装置100_3と示している。
1つの記憶装置100がn個の記憶素子110を有する場合、配線RBLと、配線SLと、n本の配線WLのそれぞれと、n本の配線CLのそれぞれは、複数の記憶装置100間で共通配線として用いることができる。
例えば、図4において、記憶装置100_1に含まれるトランジスタ131のソースまたはドレインの一方、記憶装置100_2に含まれるトランジスタ131のソースまたはドレインの一方、および記憶装置100_3に含まれるトランジスタ131のソースまたはドレインの一方は、配線RBLと電気的に接続される。また、記憶装置100_1に含まれるトランジスタ132のソースまたはドレインの他方、記憶装置100_2に含まれるトランジスタ132のソースまたはドレインの他方、および記憶装置100_3に含まれるトランジスタ132のソースまたはドレインの他方は、配線SLと電気的に接続される。
また、記憶装置100_1に含まれるトランジスタ111[1]のゲート、記憶装置100_2に含まれるトランジスタ111[1]のゲート、および記憶装置100_3に含まれるトランジスタ111[1]のゲートは、配線WL[1]と電気的に接続される。また、記憶装置100_1に含まれるトランジスタ112[n]のバックゲート、記憶装置100_2に含まれるトランジスタ112[n]のバックゲート、および記憶装置100_3に含まれるトランジスタ112[n]のバックゲートは、配線CL[n]と電気的に接続される。
また、記憶装置100_1乃至記憶装置100_3は、それぞれが個別の配線RBLと電気的に接続してもよい。図5は、図4に示した斜視回路図の変形例である。図5に示す斜視回路図では、記憶装置100_1に含まれるトランジスタ131のソースまたはドレインの一方が配線RBL[1]と電気的に接続され、記憶装置100_2に含まれるトランジスタ131のソースまたはドレインの一方が配線RBL[2]と電気的に接続され、記憶装置100_3に含まれるトランジスタ131のソースまたはドレインの一方が配線RBL[3]と電気的に接続している。
この場合、記憶装置100_1乃至記憶装置100_3のそれぞれに含まれるトランジスタ131のゲートは、配線RSLと電気的に接続される。なお、トランジスタ131のゲートは、端子133を介して配線RSLと電気的に接続してもよい。
また、図5に示すように、記憶装置100_1乃至記憶装置100_3のそれぞれに含まれるトランジスタ132のゲートを、配線SSLと電気的に接続してもよい。なお、トランジスタ132のゲートは、端子134を介して配線SSLと電気的に接続してもよい。
記憶装置100毎に配線RBLを設けることで、それぞれの記憶装置100が保持している情報を同時に読み出すことができる。よって、複数の記憶装置100を有する半導体装置において、情報の読み出し速度を高めることができる。
なお、1つのストリングは1方向に延在して設けられる場合が多い。また、情報の書き込みまたは読み出しを制御する配線(例えば、配線WLおよび配線CL)は、ストリングの延在方向と直交する方向に延在する場合が多い。
<変形例1>
図6に記憶装置100の変形例である記憶装置100Aを示す。記憶装置100Aの記憶装置100と異なる点は、トランジスタ111[1]のソースまたはドレインの一方を、トランジスタ131のソースまたはドレインの他方と電気的に接続している点と、配線WBLを省略している点である。配線WBLを省略することで、記憶装置100の構造が簡略化され、記憶装置100の占有面積を低減することができる。
<変形例2>
図7に記憶装置100の変形例である記憶装置100Bを示す。記憶装置100Bの記憶装置100と異なる点は、トランジスタ131とトランジスタ132にバックゲートを有するトランジスタを用いる点である。図7では、トランジスタ131および/またはトランジスタ132のゲートとバックゲートを電気的に接続する例を示している。
<記憶装置の動作例>
記憶装置100の動作例について図面を用いて説明する。本実施の形態では、4つの記憶素子110を備える記憶装置100を例示して説明する。
〔書き込み動作〕
本実施の形態では、記憶素子110[1]、記憶素子110[2]、および記憶素子110[4]にH電位を書き込み、記憶素子110[3]にL電位を書き込む場合の動作例を説明する。図8(A)は記憶装置100の書き込み動作を説明するタイミングチャートである。図9(A)、図9(B)、図10(A)、図10(B)、および図11は記憶装置100の書き込み動作を説明するための回路図である。
初期状態として、記憶素子110[1]乃至記憶素子110[4]にL電位が書き込まれているものとする。つまり、ノード113[1]乃至ノード113[4]の電位がL電位であるものとする。また、配線WL[1]乃至配線WL[4]、配線CL[1]乃至配線CL[4]、端子133、端子134、配線SL、配線WBL、および配線RBLにL電位が供給されているものとする。
[期間T1]
期間T1において、配線WL[1]乃至配線WL[4]、および配線WBLにH電位を供給する(図9(A)参照。)。すると、ノード113[1]乃至ノード113[4]の電位がH電位になる。よって、トランジスタ112[1]乃至トランジスタ112[4]がオン状態になる。
期間T1において配線WBLの電位を変化させる場合は、トランジスタ112[1]乃至トランジスタ112[4]がオン状態になった後に配線WBLの電位を変化させることが好ましい。
[期間T2]
期間T2において、配線WL[4]にL電位を供給する(図9(B)参照。)。すると、トランジスタ111[4]がオフ状態になり、ノード113[4]に書き込まれた電荷が保持される。ここでは、H電位に相当する電荷が保持される。また、配線WBLにL電位を供給する。
期間T2において配線WBLの電位を変化させる場合は、トランジスタ111[4]をオフ状態にした後に配線WBLの電位を変化させる。配線WBLにL電位を供給すると、ノード113[1]乃至ノード113[3]の電位がL電位になる。よって、トランジスタ112[1]乃至トランジスタ112[3]がオフ状態になる。
[期間T3]
期間T3において、配線WL[3]にL電位を供給する(図10(A)参照。)。すると、トランジスタ111[3]がオフ状態になり、ノード113[3]に書き込まれた電荷が保持される。ここでは、L電位に相当する電荷が保持される。また、配線WBLにH電位を供給する。
期間T3において配線WBLの電位を変化させる場合は、トランジスタ111[3]がオフ状態になった後に配線WBLの電位を変化させる。配線WBLにH電位を供給すると、ノード113[1]およびノード113[2]の電位がH電位になる。よって、トランジスタ112[1]およびトランジスタ112[2]がオン状態になる。
[期間T4]
期間T4において、配線WL[2]にL電位を供給する(図10(B)参照。)。すると、トランジスタ111[2]がオフ状態になり、ノード113[2]に書き込まれた電荷が保持される。ここでは、H電位に相当する電荷が保持される。
本実施の形態では、期間T5においてノード113[1]にH電位を書き込むため、配線WBLの電位はH電位のままである。期間T4において配線WBLの電位を変化させる場合は、トランジスタ111[2]がオフ状態になった後に配線WBLの電位を変化させる。
[期間T5]
期間T5において、配線WL[1]にL電位を供給する(図11参照。)。すると、トランジスタ111[1]がオフ状態になり、ノード113[1]に書き込まれた電荷が保持される。ここでは、H電位に相当する電荷が保持される。このようにして、記憶素子110[1]乃至記憶素子110[4]に情報を書き込むことができる。
期間T5において配線WBLの電位を変更させる場合は、トランジスタ111[1]がオフ状態になった後に配線WBLの電位を変化させる。
前述した通り、本発明の一態様に係る記憶装置100は、フラッシュメモリで行われるデータ書き換え前の消去動作が不要である。よって、データの書き換えは上記の書き込み動作と同様に行うことができる。
また、配線WBLに近い記憶素子110に情報を書き込む場合は、当該記憶素子110よりも遠い位置にある記憶素子110への情報の書き込み動作を省略することができる。例えば、記憶素子110[1]に情報を書き込む場合は、記憶素子110[2]乃至記憶素子110[4]への情報の書き込み動作を省略することができる。また、記憶素子110[2]に情報を書き込む場合は、記憶素子110[3]および記憶素子110[4]への情報の書き込み動作を省略することができる。よって、書き換え頻度の高い情報は、配線WBLに近い記憶素子110に記憶することで、情報の書き込み(書き換え)に必要な時間を短縮することができる。すなわち、情報の書き込み(書き換え)速度を高めることができる。
〔読み出し動作〕
本実施の形態では、記憶素子110[1]乃至記憶素子110[4]に保持されている情報のうち、記憶素子110[2]に保持されている情報の読み出し動作例について説明する。記憶素子110[2]にはH電位が保持されているものとする。図8(B)は読み出し動作を説明するタイミングチャートである。図12(A)、図12(B)、図13(A)、および図13(B)は読み出し動作を説明するための回路図である。
[期間T6]
期間T6において、配線CL[1]乃至配線CL[4]および端子133にH電位を供給し、トランジスタ112[1]乃至トランジスタ112[4]、およびトランジスタ131をオン状態にする。また、配線RBLにH電位をプリチャージする(図12(A)参照。)。具体的には、配線RBLにH電位を供給した後、配線RBLをフローティング状態にする。
[期間T7]
期間T7において、配線CL[2]にL電位を供給する(図12(B)参照。)。ノード113[2]にはH電位が保持されているため、トランジスタ112[2]はオン状態のままである。
[期間T8]
期間T8において、端子134にH電位を供給し、トランジスタ132をオン状態にする(図13(A)参照。)。トランジスタ112[1]乃至トランジスタ112[4]は全てオン状態であるため、配線RBLと配線SLが導通状態になり、配線RBLの電位がL電位に変化する。
なお、ノード113[2]の電位がL電位だった場合は、配線CL[2]にL電位を供給するとトランジスタ112[2]はオフ状態になる。この場合、トランジスタ132がオン状態になっても配線RBLの電位はH電位のままである。配線RBLの電位変化を知ることで、記憶素子110に保持されている情報を知ることができる。
すなわち、期間T8において、読み出したい記憶素子110に対応する配線CLの電位をL電位にすることで、当該記憶素子110に保持されている情報を読み出すことができる。
[期間T9]
期間T9において、配線CL[1]乃至配線CL[4]、端子133、および端子134にL電位を供給する(図13(B)参照。)。すると、トランジスタ112[1]、トランジスタ112[2]、トランジスタ112[4]、トランジスタ131、およびトランジスタ132がオフ状態になる。
本実施の形態などに示す記憶装置100は、NAND型の記憶装置として機能する。
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態に示した記憶装置100の他の構成例および動作例について説明する。
<記憶装置の構成例>
図14に記憶装置100Cの回路図を示す。図15に記憶装置100Dの回路図を示す。記憶装置100Cおよび記憶装置100Dは、上記実施の形態に示した記憶装置100の変形例である。説明の繰り返しを減らすため、本実施の形態では、記憶装置100Cおよび記憶装置100Dの記憶装置100と異なる点について主に説明する。
記憶装置100Cおよび記憶装置100Dは、記憶装置100にトランジスタ116を加えた構成を有する。
図14に示す記憶装置100Cでは、トランジスタ111[1]のソースまたはドレインの一方は、配線WBL1と電気的に接続される。また、トランジスタ116のソースまたはドレインの一方はノード113[n]と電気的に接続され、他方は配線WBL2と電気的に接続される。トランジスタ116のゲートは端子136と電気的に接続される。
図15に示す記憶装置100Dは、記憶装置100Cの変形例である。記憶装置100Dでは、トランジスタ111[1]のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ131のソースまたはドレインの他方と電気的に接続される。また、トランジスタ116のソースまたはドレインの他方は、トランジスタ132のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。
また、記憶装置100C及び記憶装置100Dでは、記憶装置100と同様に、トランジスタ111のゲートを配線WLと電気的に接続してもよい。または、トランジスタ111のゲートを、端子121を介して配線WLと電気的に接続してもよい。また、トランジスタ112のバックゲートを配線CLと電気的に接続してもよい。または、トランジスタ112のバックゲートを、端子122を介して配線CLと電気的に接続してもよい。また、トランジスタ116のゲートを後述する配線WSLと電気的に接続してもよい。または、トランジスタ116のゲートを、端子136を介して配線WSLと電気的に接続してもよい。
トランジスタ116は、トランジスタ111と同じトランジスタを用いることができる。トランジスタ116としてOSトランジスタを用いることが好ましい。また、トランジスタ116は、バックゲートを有するトランジスタであってもよい。
<記憶装置の動作例>
記憶装置100Cの動作例を、図16、図17(A)、図17(B)、および図18を用いて説明する。ここでは、4つの記憶素子110を備える記憶装置100Cを例示して説明する。また、当該記憶装置100Cは、トランジスタ111[1]のゲートが配線WL[1]と電気的に接続され、トランジスタ111[2]のゲートが配線WL[2]と電気的に接続され、トランジスタ111[3]のゲートが配線WL[3]と電気的に接続され、トランジスタ111[4]のゲートが配線WL[4]と電気的に接続され、トランジスタ116のゲートが配線WSLと電気的に接続されているものとする。
また、当該記憶装置100Cは、トランジスタ112[1]のバックゲートが配線CL[1]と電気的に接続され、トランジスタ112[2]のバックゲートが配線CL[2]と電気的に接続され、トランジスタ112[3]のバックゲートが配線CL[3]と電気的に接続され、トランジスタ112[4]のバックゲートが配線CL[4]と電気的に接続されているものとする。
〔書き込み動作〕
本実施の形態では、記憶素子110[1]、乃至記憶素子110[3]にH電位を書き込み、記憶素子110[4]にL電位を書き込む場合の動作例を説明する。図16は記憶装置100Cの書き込み動作を説明するタイミングチャートである。図17(A)、図17(B)、および図18は記憶装置100Cの書き込み動作を説明するための回路図である。
初期状態として、記憶素子110[1]乃至記憶素子110[4]にL電位が書き込まれているものとする。つまり、ノード113[1]乃至ノード113[4]の電位がL電位であるものとする。また、配線WL[1]乃至配線WL[4]、配線CL[1]乃至配線CL[4]、端子133、端子134、配線SL、配線RBL、配線WSL、配線WBL1、および配線WBL2にL電位が供給されているものとする。
[期間T11]
期間T11において、配線WL[1]、配線WL[2]、配線WL[4]、配線WSL、配線WBL1、および配線WBL2にH電位を供給する(図17(A)参照。)。配線WL[3]はL電位のままにする。すると、トランジスタ111[1]、トランジスタ111[2]、トランジスタ111[4]、およびトランジスタ116がオン状態になり、ノード113[1]乃至ノード113[4]の電位がH電位になる。よって、トランジスタ112[1]乃至トランジスタ112[4]がオン状態になる。
期間T11において配線WBL1の電位を変化させる場合は、トランジスタ112[1]およびトランジスタ112[2]がオン状態になった後に配線WBLの電位を変化させることが好ましい。また、期間T11において配線WBL2の電位を変化させる場合は、トランジスタ112[4]およびトランジスタ116がオン状態になった後に配線WBL2の電位を変化させることが好ましい。
[期間T12]
期間T12において、配線WL[2]および配線WL[4]にL電位を供給する(図17(B)参照。)。すると、トランジスタ111[2]およびトランジスタ111[4]がオフ状態になり、ノード113[2]およびノード113[3]に書き込まれた電荷が保持される。本実施の形態では、H電位に相当する電荷が保持される。また、配線WBL2にL電位を供給する。
期間T12において配線WBL1の電位を変化させる場合は、トランジスタ111[2]をオフ状態にした後に配線WBL1の電位を変化させる。また、期間T12において配線WBL2の電位を変化させる場合は、トランジスタ111[3]をオフ状態にした後に配線WBL2の電位を変化させる。配線WBL2にL電位を供給すると、ノード113[4]の電位がL電位になる。よって、トランジスタ112[4]がオフ状態になる。
[期間T13]
期間T13において、配線WL[1]および配線WSLにL電位を供給する(図18参照。)。すると、トランジスタ111[1]およびトランジスタ116がオフ状態になり、ノード113[1]およびノード113[4]に書き込まれた電荷が保持される。本実施の形態では、ノード113[1]にH電位に相当する電荷が保持され、ノード113[4]にL電位に相当する電荷が保持される。
配線WBL1の電位を変更する場合は、トランジスタ111[1]がオフ状態になった後に行う。また、配線WBL2の電位を変更する場合は、トランジスタ116がオフ状態になった後に行う。
記憶装置100Cでは、配線WBL1および配線WBL2の双方から情報を書き込むことができるため、書き込み動作に必要な時間を記憶装置100よりも短くすることができる。
記憶装置100Dも記憶装置100Cと同様に動作することができる。ただし、記憶装置100Dでは、書き込み動作時に配線RBLが配線WBL1として機能し、配線SLが配線WBL2として機能する。記憶装置100Dでは、書き込み動作時にトランジスタ131およびトランジスタ132をオン状態にする。この時、複数の配線CLの少なくとも1つにL電位を供給することで、配線RBLと配線SLの短絡を防ぐことができる。
記憶装置100Cおよび記憶装置100Dでは、nは偶数が好ましい。nが偶数の時、期間T11でオフ状態にするトランジスタ111は、n/2+1番目のトランジスタ111である。
〔読み出し動作〕
記憶装置100Cおよび記憶装置100Dの読み出し動作は、記憶装置100と同様に行うことができる。よって、本実施の形態での説明は省略する。
<変形例>
記憶装置100Cの変形例を記憶装置100Eとして図19に示す。記憶装置100Dの変形例を記憶装置100Fとして図20に示す。記憶装置100Eおよび記憶装置100Fは、記憶装置100Cおよび記憶装置100Dが有するトランジスタ116を設けず、トランジスタ111[k]とトランジスタ111[k+1]が電気的に分離された構成を有する。
記憶装置100Eおよび記憶装置100Fは、nが偶数であることが好ましい。nが偶数のとき、kはn/2とすればよい。
記憶素子110[k+1]において、トランジスタ111[k+1]のソースまたはドレインの一方はトランジスタ112[k+1]のゲートと電気的に接続され、他方はトランジスタ111[k+2]のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。
また、記憶素子110[n]において、トランジスタ111[n]のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ112[n]のゲート、およびトランジスタ111[n-1](図示せず。)のソースまたはドレインの他方と電気的に接続される。
記憶素子110[k+1]乃至記憶素子110[n]において、トランジスタ111のソースまたはドレインの一方と、トランジスタ112のゲートが電気的に接続する節点が、ノード113として機能する。
記憶装置100Eおよび記憶装置100Fの書き込み動作は、期間T11でオフ状態にするトランジスタ111(例えば、上記の書き込み動作説明におけるトランジスタ111[3]。)が無いこと以外は、記憶装置100Cおよび記憶装置100Dと同様に行うことができる。読み出し動作も記憶装置100Cおよび記憶装置100Dと同様に行うことができる。
また、記憶装置100Eおよび記憶装置100Fでは、記憶素子110[1]乃至記憶素子110[k]の書き込み動作と、記憶素子110[k+1]乃至記憶素子110[n]の書き込み動作を分けて行うことができる。よって、書き込み動作に必要な消費電力を低減することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、記憶装置100を含む半導体装置200の構成例について説明する。
図21に、本発明の一態様である半導体装置200の構成例を示すブロック図を示す。図21に示す半導体装置200は、駆動回路210と、メモリアレイ220と、を有する。メモリアレイ220は、1以上の記憶装置100を有する。図21では、メモリアレイ220がマトリクス状に配置された複数の記憶装置100(複数のストリング)を有する例を示している。
駆動回路210は、PSW241(パワースイッチ)、PSW242、および周辺回路215を有する。周辺回路215は、周辺回路211、コントロール回路212(Control Circuit)、および電圧生成回路228を有する。
半導体装置200において、各回路、各信号および各電圧は、必要に応じて、適宜取捨することができる。あるいは、他の回路または他の信号を追加してもよい。信号BW、CE、GW、CLK、WAKE、ADDR、WDA、PON1、PON2は外部からの入力信号であり、信号RDAは外部への出力信号である。信号CLKはクロック信号である。
また、信号BW、CE、および信号GWは制御信号である。信号CEはチップイネーブル信号であり、信号GWはグローバル書き込みイネーブル信号であり、信号BWはバイト書き込みイネーブル信号である。信号ADDRはアドレス信号である。信号WDAは書き込みデータ信号であり、信号RDAは読み出しデータ信号である。信号PON1、PON2は、パワーゲーティング制御用信号である。なお、信号PON1、PON2は、コントロール回路212で生成してもよい。
コントロール回路212は、半導体装置200の動作全般を制御する機能を有するロジック回路である。例えば、コントロール回路は、信号CE、信号GWおよび信号BWを論理演算して、半導体装置200の動作モード(例えば、書き込み動作、読み出し動作)を決定する。または、コントロール回路212は、この動作モードが実行されるように、周辺回路211の制御信号を生成する。
電圧生成回路228は負電圧を生成する機能を有する。信号WAKEは、信号CLKの電圧生成回路228への入力を制御する機能を有する。例えば、信号WAKEにHレベルの信号が与えられると、信号CLKが電圧生成回路228へ入力され、電圧生成回路228は負電圧を生成する。
周辺回路211は、記憶装置100に対するデータの書き込みおよび読み出しをするための回路である。周辺回路211は、行デコーダ221(Row Decoder)、列デコーダ222(Column Decoder)、行ドライバ223(Row Driver)、列ドライバ224(Column Driver)、入力回路225(Input Cir.)、出力回路226(Output Cir.)、センスアンプ227(Sense Amplifier)を有する。
行デコーダ221および列デコーダ222は、信号ADDRをデコードする機能を有する。行デコーダ221は、アクセスする行を指定するための回路であり、列デコーダ222は、アクセスする列を指定するための回路である。行ドライバ223は、行デコーダ221が指定する配線WLを選択する機能を有する。列ドライバ224は、データを記憶装置100に書き込む機能、記憶装置100からデータを読み出す機能、読み出したデータを保持する機能等を有する。
入力回路225は、信号WDAを保持する機能を有する。入力回路225が保持するデータは、列ドライバ224に出力される。入力回路225の出力データが、記憶装置100に書き込むデータ(Din)である。列ドライバ224が記憶装置100から読み出したデータ(Dout)は、出力回路226に出力される。出力回路226は、Doutを保持する機能を有する。また、出力回路226は、Doutを半導体装置200の外部に出力する機能を有する。出力回路226から出力されるデータが信号RDAである。
PSW241は周辺回路215へのVDDの供給を制御する機能を有する。PSW242は、行ドライバ223へのVHMの供給を制御する機能を有する。ここでは、半導体装置200の高電源電圧がVDDであり、低電源電圧はGND(接地電位)である。また、VHMは、ワード線を高レベルにするために用いられる高電源電圧であり、VDDよりも高い。信号PON1によってPSW241のオン・オフが制御され、信号PON2によってPSW242のオン・オフが制御される。図21では、周辺回路215において、VDDが供給される電源ドメインの数を1としているが、複数にすることもできる。この場合、各電源ドメインに対してパワースイッチを設ければよい。
駆動回路210とメモリアレイ220は同一平面上に設けてもよい。また、図22(A)に示すように、駆動回路210とメモリアレイ220を重ねて設けてもよい。駆動回路210とメモリアレイ220を重ねて設けることで、信号伝搬距離を短くすることができる。また、図22(B)に示すように、駆動回路210上にメモリアレイ220を複数層重ねて設けてもよい。
また、図22(C)に示すように、駆動回路210の上層および下層に、メモリアレイ220を設けてもよい。図22(C)では、駆動回路210の上層および下層にそれぞれ1層のメモリアレイ220を設ける例を示している。複数のメモリアレイ220で駆動回路210を挟むように配置することで、信号伝搬距離をさらに短くすることができる。なお、駆動回路210の上層に積層されるメモリアレイ220と、駆動回路210の下層に積層されるメモリアレイ220の層数は、それぞれ1層以上であればよい。駆動回路210の上層に積層されるメモリアレイ220の数と、駆動回路210の下層に積層されるメモリアレイ220の数は等しいことが好ましい。
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、記憶装置100の具体的な構成例および作製方法について、図面を用いて説明する。
<記憶装置の構成例>
図23(A)、図23(B)、図24(A)、図24(B)、図25、図26(A)、および図26(B)を用いて、記憶装置100の構成例を説明する。図23(A)は、記憶装置100の上面図である。図23(B)は、図23(A)にA1-A2の一点鎖線で示す部位の断面図である。図24(A)は、図23(A)にB1-B2の一点鎖線で示す部位の断面図である。図24(B)は、図23(A)にC1-C2の一点鎖線で示す部位の断面図である。図25は、図23(B)に示すトランジスタ112[1]の拡大図である。図26(A)は、図23(A)にD1-D2の一点鎖線で示す部位の断面図である。図26(B)は、図23(A)にA1-A2の一点鎖線で示す部位に相当する断面図であり、図23(B)の変形例である。
図23(B)、図25、図26(A)、および図26(B)は、トランジスタのチャネル長方向の断面を示している。図24(A)および図24(B)は、トランジスタのチャネル幅方向の断面を示している。なお、図23(A)の上面図では、図の明瞭化のため一部の要素を省いている。
記憶装置100は、基板(図示せず)上の絶縁体312と、絶縁体312上の絶縁体314と、絶縁体314上の絶縁体316と、絶縁体316に埋め込まれるように配置された導電体305(導電体305a、導電体305b、および導電体305c)と、を有する。また、記憶装置100は、絶縁体316上および導電体305上の絶縁体322と、絶縁体322上の絶縁体324と、絶縁体324上の酸化物330a_1と、酸化物330a_1上の酸化物330b_1と、を有する。なお、本明細書などにおいて、酸化物330a_1および酸化物330b_1を併せて酸化物330_1と呼ぶ場合がある。
また、記憶装置100は、酸化物330b_1上の酸化物343a、酸化物343b、および絶縁体350と、酸化物343a上の導電体342aと、酸化物343b上の導電体342bと、を有する。本明細書などにおいて、酸化物343aおよび酸化物343bを併せて酸化物343と呼ぶ場合がある。また、導電体342aと導電体342bを併せて導電体342と呼ぶ場合がある。
また、記憶装置100は、絶縁体350を介して酸化物330b_1の一部と重なる導電体360(導電体360aおよび導電体360b)と、導電体342を覆って配置される絶縁体375と、絶縁体375上の絶縁体380と、を有する。絶縁体380および絶縁体375には、酸化物330b_1に達する開口が設けられる。当該開口内に、絶縁体350、および導電体360が配置されている。また、当該開口は、導電体342aおよび酸化物343aと、導電体342bおよび酸化物343bと、の間に設けられている。よって、導電体360は、導電体342aおよび酸化物343aと、導電体342bおよび酸化物343bと、の間に設けられている。ここで、絶縁体350は、当該開口と重なる酸化物330b_1の上面と、酸化物343の側面と、導電体342の側面と、絶縁体375の側面と、絶縁体380の側面に接して設けられることが好ましい。また、導電体360は、絶縁体350に接して設けられることが好ましい。図23(B)および図25に示すように、導電体360の上面、絶縁体350の上面、および絶縁体380の上面は、後述する絶縁体335と接する。
また、記憶装置100は、絶縁体380上の酸化物330a_2と、酸化物330a_2上の酸化物330b_2と、を有する。なお、本明細書などにおいて、酸化物330a_2および酸化物330b_2を併せて酸化物330_2と呼ぶ場合がある。
また、説明の繰り返しを減らすため、本明細書などにおいて、酸化物330_1と酸化物330_2に共通の事柄を説明する場合は、単に「酸化物330」と記す場合がある。同様に、酸化物330a_1と酸化物330a_2に共通の事柄を説明する場合は、単に「酸化物330a」と記す場合がある。同様に、酸化物330b_1と酸化物330b_2に共通の事柄を説明する場合は、単に「酸化物330b」と記す場合がある。
酸化物330は、酸化物330aと酸化物330bを有することが好ましい。酸化物330b下に酸化物330aを有することで、酸化物330aよりも下方に形成された構造物から、酸化物330bへの不純物の拡散を抑制することができる。
また、記憶装置100は、酸化物330b_2上の酸化物345および絶縁体351と、酸化物345上の導電体344と、を有する。また、記憶装置100は、絶縁体351を介して酸化物330b_2の一部と重なる導電体361(導電体361aおよび導電体361b)と、導電体344を覆って配置される絶縁体335と、絶縁体335上の絶縁体384と、を有する。
絶縁体384、絶縁体335、導電体344、および酸化物345には、酸化物330b_2に達する開口が設けられる。当該開口内に、絶縁体351、および導電体361が配置されている。ここで、絶縁体351は、当該開口と重なる酸化物330b_2の上面と、酸化物345の側面と、導電体344の側面と、絶縁体335の側面と、絶縁体384の側面に接して設けられることが好ましい。また、導電体361は、絶縁体351に接して設けられることが好ましい。図23(B)に示すように、導電体361の上面、絶縁体351の上面、および絶縁体384の上面は、後述する絶縁体385に接する。
また、記憶装置100は、導電体361、絶縁体351、および絶縁体384上に絶縁体385を有し、絶縁体385上に絶縁体378を有する。また、記憶装置100は、ストリングの端部もしくはストリングの外側の領域において、絶縁体385、絶縁体384、絶縁体335、絶縁体380、絶縁体375、導電体342、酸化物343、酸化物330_1、絶縁体324、絶縁体322、絶縁体316、および絶縁体314などの一部が除去された領域を有する。図23(B)では、当該領域において、絶縁体378の一部が絶縁体312の一部と接している。
また、記憶装置100は、絶縁体378の上に導電体338および導電体339を有する。導電体338は、絶縁体378、絶縁体385、絶縁体384、絶縁体335、絶縁体380、および絶縁体375に埋め込まれたコンタクトプラグ340を介して、トランジスタ131のソース電極またはドレイン電極の一方と電気的に接続される。コンタクトプラグ340の側面に絶縁体337が設けられている。導電体339は、絶縁体378、絶縁体385、絶縁体384、および絶縁体335に埋め込まれたコンタクトプラグ341を介して、トランジスタ111[1]のソース電極またはドレイン電極の一方と電気的に接続される。また、記憶装置100は、絶縁体378、導電体338、および導電体339上に絶縁体379を有する。
酸化物330aおよび酸化物330bは、半導体層として機能する。なお、本実施の形態では、酸化物330が、酸化物330aおよび酸化物330bの2層を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、酸化物330bの単層、または3層以上の積層構造を設ける構成にしてもよいし、酸化物330a、および酸化物330bのそれぞれが積層構造を有していてもよい。また、酸化物330bの上に、酸化物330aまたは酸化物330bと同様の酸化物を積層する場合、絶縁体350のように、開口の底面および側面に沿う形状にして当該酸化物を設けてもよい。
本実施の形態などにおいて、導電体338は配線RBLとして機能し、導電体339は配線WBLとして機能する。また、導電体360は、トランジスタ112のゲート電極(「第1のゲート」または「第1のゲート電極」ともいう。)として機能し、導電体305は、トランジスタ112のバックゲート電極「第2のゲート」または「第2のゲート電極」ともいう。)として機能する。また、導電体361は、トランジスタ111のゲート電極として機能する。
また、トランジスタ112[1]を構成する導電体305は配線CL[1]として機能する。また、トランジスタ111[1]を構成する導電体361は、配線WL[1]として機能する。
同様に、トランジスタ112[i]を構成する導電体305は配線CL[i]として機能する。トランジスタ111[i]を構成する導電体361は配線WL[i]として機能する(図26(A)参照。)。
また、絶縁体350および絶縁体351は、ゲート絶縁体(「第1のゲート絶縁体」ともいう。)として機能する。絶縁体324および絶縁体322は、バックゲート絶縁体(「第2のゲート絶縁体」ともいう。)として機能する。導電体342および導電体344は、ソース電極またはドレイン電極として機能する。
また、酸化物330_1の導電体360と重畳する領域の少なくとも一部はチャネル形成領域として機能する。同様に、酸化物330_2の導電体361と重畳する領域の少なくとも一部はチャネル形成領域として機能する。
図25に示すように、酸化物330_1は、トランジスタのチャネル形成領域として機能する領域333cと、ソース領域またはドレイン領域として機能する領域333sdと、を有する。領域333cは、少なくとも一部が導電体360と重畳している。言い換えると、領域333cは、導電体342aと導電体342bの間の領域に設けられている。領域333sdは、導電体342に重畳して設けられている。なお、図25はトランジスタ112の拡大図であるが、トランジスタ111が含む酸化物330_2も酸化物330_1と同様である。
チャネル形成領域として機能する領域333cは、領域333sdよりも、酸素欠損が少なく、または不純物濃度が低いため、キャリア濃度が低い高抵抗領域である。また、ソース領域またはドレイン領域として機能する領域333sdは、酸素欠損が多く、または、水素、窒素、金属元素などの不純物濃度が高いことでキャリア濃度が増加し、低抵抗化した領域である。すなわち、領域333sdは、領域333cと比較して、キャリア濃度が高く、低抵抗な領域である。
ここで、チャネル形成領域として機能する領域333cのキャリア濃度は、1×1018cm-3以下であることが好ましく、1×1017cm-3未満であることがより好ましく、1×1016cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1013cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1012cm-3未満であることがさらに好ましい。なお、チャネル形成領域として機能する領域333cのキャリア濃度の下限値については、特に限定は無いが、例えば、1×10-9cm-3とすることができる。
また、領域333cと領域333sdとの間に、キャリア濃度が、領域333sdのキャリア濃度と同等、またはそれより低く、領域333cのキャリア濃度と同等、またはそれより高い、領域が形成されていてもよい。つまり、当該領域は、領域333cと領域333sdとの接合領域として機能する。当該接合領域は、水素濃度が、領域333sdの水素濃度と同等、またはそれよりも低く、領域333cの水素濃度と同等、またはそれよりも高くなる場合がある。また、当該接合領域は、酸素欠損が、領域333sdの酸素欠損と同等、またはそれよりも少なく、領域333cの酸素欠損と同等、またはそれよりも多くなる場合がある。
また、酸化物330において、各領域の境界を明確に検出することが困難な場合がある。各領域内で検出される金属元素、ならびに水素、および窒素などの不純物元素の濃度は、領域ごとの段階的な変化に限らず、各領域内でも連続的に変化していてもよい。つまり、チャネル形成領域に近い領域であるほど、金属元素、ならびに水素、および窒素などの不純物元素の濃度が減少していればよい。
ここで、領域333cは各トランジスタ112にそれぞれ形成されているが、導電体342aと重なる領域333sdおよび導電体342aは、隣接する二つのトランジスタ112で共有されている。例えば、導電体342aは、トランジスタ112[i]のソース電極またはドレイン電極の一方として機能すると同時に、トランジスタ112[i-1]のソース電極またはドレイン電極の他方として機能する。また、例えば、導電体342bは、トランジスタ112[i]のソース電極およびドレイン電極の他方として機能すると同時に、トランジスタ112[i+1]のソース電極およびドレイン電極の一方として機能する。
また、導電体342aと重なる領域333sdは、トランジスタ112[i]のソースまたはドレインの一方として機能すると同時に、トランジスタ112[i+1]のソースまたはドレインの他方として機能する。このように、複数のトランジスタ112は、ソースとドレインが直列に接続されている。なお、トランジスタ111もトランジスタ112と同様にソースとドレインが直列に接続されている。
隣接するトランジスタ間でソースとドレインを共用することで、記憶装置100の占有面積を低減することができる。よって、単位面積当たりの記憶容量を高めることができる。
チャネル形成領域を含む酸化物330に、半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう。)を用いることが好ましい。また、半導体として機能する金属酸化物は、バンドギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
トランジスタ111のオフ電流を低減することで、配線RBLと配線SLの間のリーク電流を極めて少なくすることができる。これにより、当該記憶装置の消費電力を著しく低減することができる。また、トランジスタ112のオフ電流を低減することで、記憶素子110の情報の保持時間を著しく長くすることができる。
酸化物330_1および酸化物330_2として、例えば、インジウム、元素Mおよび亜鉛を有するIn-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、錫、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、コバルトまたはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。例えば、酸化物330として、In-Ga-Zn酸化物を用いればよく、In-Ga-Zn酸化物に錫を添加した酸化物(In-Ga-Zn-Sn酸化物)を用いてもよい。また、酸化物330_1および酸化物330_2として、In-Ga酸化物、In-Zn酸化物、インジウム酸化物を用いてもよい。
上記金属酸化物は、スパッタリング法などを用いて基板上に成膜することができる。よって、シリコン基板に形成した駆動回路などの周辺回路の上に重ねてメモリセルアレイを設けることができる。これにより、1チップに設けられる周辺回路の占有面積を低減し、メモリセルアレイの占有面積を増やすことができるので、半導体装置の記憶容量を大きくすることができる。さらに、上記金属酸化物膜を複数積層して成膜することで、メモリセルアレイを積層して設けることができる。これにより、メモリセルアレイの占有面積を増やすことなく、セルを集積して配置することができる。つまり、3Dセルアレイを構成することができる。よって、メモリセルの高集積化を図り、記憶容量の大きい半導体装置を提供することができる。
ここで、酸化物330bに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物330aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。
このように、酸化物330bの下に酸化物330aを配置することで、酸化物330aよりも下方に形成された構造物からの、酸化物330bに対する、不純物および酸素の拡散を抑制することができる。
また、酸化物330aおよび酸化物330bが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、酸化物330aと酸化物330bの界面における欠陥準位密度を低くすることができる。酸化物330aおよび酸化物330bとの界面における欠陥準位密度を低くすることができるため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さく、高いオン電流が得られる。
酸化物330aおよび酸化物330bは、それぞれ結晶性を有することが好ましい。特に、酸化物330b_1(酸化物330b_2)として、CAAC-OS(c-axis aligned crystalline oxide semiconductor)を用いることが好ましい。
CAAC-OSは、結晶性の高い、緻密な構造を有しており、不純物や欠陥(例えば、酸素欠損(VO:oxygen vacancyともいう)など)が少ない金属酸化物である。特に、金属酸化物の形成後に、金属酸化物が多結晶化しない程度の温度(例えば、400℃以上600℃以下)で加熱処理することで、CAAC-OSをより結晶性の高い、緻密な構造にすることができる。このようにして、CAAC-OSの密度をより高めることで、当該CAAC-OS中の不純物または酸素の拡散をより低減することができる。
一方、CAAC-OSは、明確な結晶粒界を確認することが難しいため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。したがって、CAAC-OSを有する金属酸化物は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する金属酸化物は熱に強く、信頼性が高い。
酸化物半導体を用いたトランジスタは、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域に不純物および酸素欠損が存在すると、電気特性が変動しやすく、信頼性が悪くなる場合がある。また、酸素欠損近傍の水素が、酸素欠損に水素が入った欠陥(以下、VOHと呼ぶ場合がある。)を形成し、トランジスタのゲート電極に電圧が印加されていない状態でもキャリアとなる電子を生成する場合がある。このため、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域に酸素欠損が含まれていると、トランジスタはノーマリーオン特性(ゲート電極に電圧を印加しなくてもチャネルが存在し、トランジスタに電流が流れる特性)となりやすい。したがって、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域では、不純物、酸素欠損、およびVOHはできる限り低減されていることが好ましい。言い換えると、トランジスタのゲート電極に電圧が印加されていない状態において、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域は、キャリア濃度が低減され、i型(真性)または実質的にi型であることが好ましい。
これに対して、酸化物半導体の近傍に、加熱により脱離する酸素(以下、過剰酸素と呼ぶ場合がある。)を含む絶縁体を設け、熱処理を行うことで、当該絶縁体から酸化物半導体に酸素を供給し、酸素欠損、およびVOHを低減することができる。ただし、ソース領域またはドレイン領域に過剰な量の酸素が供給されると、トランジスタのオン電流の低下、または電界効果移動度の低下を引き起こすおそれがある。さらに、ソース領域またはドレイン領域に供給される酸素が基板面内でばらつくことで、トランジスタを有する半導体装置の特性にばらつきが出ることになる。
よって、酸化物半導体中において、チャネル形成領域として機能する領域333cは、キャリア濃度が低減され、i型または実質的にi型であることが好ましいが、ソース領域またはドレイン領域として機能する領域333sdは、キャリア濃度が高く、n型であることが好ましい。つまり、酸化物半導体の領域333cの酸素欠損、およびVOHを低減し、領域333sdには過剰な量の酸素が供給されないようにすることが好ましい。
例えば、トランジスタ112の作製において、絶縁体380および絶縁体375の一部に開口を形成して酸化物330b_1の一部を露出した状態で、酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行い、領域333cの酸素欠損、およびVOHの低減を図る。ここで、マイクロ波処理とは、例えばマイクロ波を用いて高密度プラズマを発生させる電源を有する装置を用いた処理のことを指す。なお、マイクロ波処理は、絶縁体350の形成後に行ってもよい。
酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行うことで、マイクロ波、またはRF等の高周波を用いて酸素ガスをプラズマ化し、当該酸素プラズマを作用させることができる。このとき、マイクロ波、またはRF等の高周波を領域333cに照射することもできる。プラズマ、マイクロ波などの作用により、領域333cのVOHを分断し、水素Hを領域333cから除去し、酸素欠損VOを酸素で補填することができる。つまり、領域333cにおいて、「VOH→H+VO」という反応が起きて、領域333cの水素濃度を低減することができる。よって、領域333c中の酸素欠損、およびVOHを低減し、キャリア濃度を低下させることができる。
また、酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行う際、マイクロ波、またはRF等の高周波、酸素プラズマなどの作用は、導電体342aおよび導電体342bに遮蔽され、領域333sdには及ばない。さらに、酸素プラズマの作用は、絶縁体375および絶縁体380によって、低減することができる。これにより、マイクロ波処理の際に、領域333sdではVOHの低減、および過剰な量の酸素供給が発生せず、領域333sdにおけるキャリア濃度の低下を防ぐことができる。
このようにして、酸化物半導体の領域333cで選択的に酸素欠損、およびVOHを除去して、領域333cをi型または実質的にi型とすることができる。さらに、ソース領域またはドレイン領域として機能する領域333sdに過剰な酸素が供給されるのを抑制し、n型化を維持することができる。これにより、トランジスタ112の電気特性の変動を抑制し、基板面内でトランジスタ112の電気特性のばらつきを抑制することができる。
トランジスタ111の形成の際も、トランジスタ112と同様にマイクロ波処理を行うことができる。
トランジスタ111およびトランジスタ112を上記のような構成にすることで、トランジスタ特性のばらつきが少ない半導体装置を提供することができる。また、良好な電気特性を有する半導体装置を提供することができる。また、信頼性が良好な半導体装置を提供することができる。
なお、図23(B)などにおいて、導電体360等を埋め込む開口の側面、および/または導電体361等を埋め込む開口の側面が、酸化物330bの被形成面に対して概略垂直となっているが、本実施の形態はこれに限られるものではない。例えば、当該開口の底部が緩やかな曲面を有する、U字型の形状となってもよい。また、例えば、当該開口の側面が酸化物330bの被形成面に対して傾斜していてもよい。
また、図24(A)に示すように、トランジスタ112のチャネル幅方向の断面視において、酸化物330b_1の側面と酸化物330b_1の上面との間に、湾曲面を有してもよい。つまり、当該側面の端部と当該上面の端部は、湾曲してもよい(ラウンド状ともいう。)。同様に、図24(B)に示すように、トランジスタ111のチャネル幅方向の断面視において、酸化物330b_2の側面と酸化物330b_2の上面との間に、湾曲面を有してもよい。
上記湾曲面での曲率半径は、0nmより大きく、導電体342(または導電体344)と重なる領域の酸化物330b_1(または酸化物330b_2)の膜厚より小さい、または、酸化物330b_1(または酸化物330b_2)の上面の、上記湾曲面を有さない領域の長さの半分より小さいことが好ましい。上記湾曲面での曲率半径は、具体的には、0nmより大きく20nm以下、好ましくは1nm以上15nm以下、さらに好ましくは2nm以上10nm以下とする。このような形状にすることで、絶縁体350(または絶縁体351)および導電体360(または導電体361)の、酸化物330b_1(または酸化物330b_2)への被覆性を高めることができる。
酸化物330は、化学組成が異なる複数の酸化物層の積層構造を有することが好ましい。具体的には、酸化物330aに用いる金属酸化物において、主成分である金属元素に対する元素Mの原子数比が、酸化物330bに用いる金属酸化物における、主成分である金属元素に対する元素Mの原子数比より、大きいことが好ましい。また、酸化物330aに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物330bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物330bに用いる金属酸化物において、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物330aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。
また、酸化物330bは、CAAC-OSなどの結晶性を有する酸化物であることが好ましい。CAAC-OSなどの結晶性を有する酸化物は、不純物や欠陥(酸素欠損など)が少なく、結晶性の高い、緻密な構造を有している。よって、ソース電極またはドレイン電極による、酸化物330bからの酸素の引き抜きを抑制することができる。これにより、熱処理を行っても、酸化物330bから酸素が引き抜かれることを低減できるので、OSトランジスタは、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対して安定である。
ここで、酸化物330aと酸化物330bの接合部において、伝導帯下端はなだらかに変化する。換言すると、酸化物330aと酸化物330bの接合部における伝導帯下端は、連続的に変化または連続接合するともいうことができる。このようにするためには、酸化物330aと酸化物330bとの界面に形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
具体的には、酸化物330aと酸化物330bが、酸素以外に共通の元素を主成分として有することで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物330bがIn-M-Zn酸化物の場合、酸化物330aとして、In-M-Zn酸化物、M-Zn酸化物、元素Mの酸化物、In-Zn酸化物、インジウム酸化物などを用いてもよい。
例えば、酸化物330aとして、In:M:Zn=1:3:4[原子数比]もしくはその近傍の組成、またはIn:M:Zn=1:1:0.5[原子数比]もしくはその近傍の組成の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物330bとして、In:M:Zn=1:1:1[原子数比]もしくはその近傍の組成、またはIn:M:Zn=4:2:3[原子数比]もしくはその近傍の組成の金属酸化物を用いればよい。なお、近傍の組成とは、所望の原子数比の±30%の範囲を含む。また、元素Mとして、ガリウムを用いることが好ましい。
なお、金属酸化物をスパッタリング法により成膜する場合、上記の原子数比は、成膜された金属酸化物の原子数比に限られず、金属酸化物の成膜に用いるスパッタリングターゲットの原子数比であってもよい。
酸化物330aおよび酸化物330bを上述の構成とすることで、酸化物330aと酸化物330bとの界面における欠陥準位密度を低くすることができる。そのため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さくなり、OSトランジスタは、大きい電界効果移動度、大きいオン電流、および高い周波数特性を得ることができる。このようなトランジスタをトランジスタ111に用いることで、書き込み速度の向上を図ることができる。また、このようなトランジスタをトランジスタ112に用いることで、読み出し速度の向上を図ることができる。
絶縁体312、絶縁体314、絶縁体385、および絶縁体378の少なくとも一は、水、水素などの不純物が、基板側から、または、トランジスタ111の上方からトランジスタ111およびトランジスタ112などに拡散することを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。したがって、絶縁体312、絶縁体314、絶縁体385、および絶縁体378の少なくとも一は、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(N2O、NO、NO2など)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい)絶縁性材料を用いることが好ましい。または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)絶縁性材料を用いることが好ましい。また、絶縁体375および/または絶縁体335に、不純物の拡散を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いてもよい。また、絶縁体375および/または絶縁体335に、酸素の拡散を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いてもよい。
なお、本明細書において、バリア絶縁膜とは、バリア性を有する絶縁膜のことを指す。本明細書において、バリア性とは、対応する物質の拡散を抑制する機能(透過性が低いともいう)とする。または、対応する物質を、捕獲、および固着する(ゲッタリングともいう)機能とする。
絶縁体312、絶縁体314、絶縁体385、絶縁体378、絶縁体375、および絶縁体335としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウム、インジウムガリウム亜鉛酸化物、窒化シリコン、または窒化酸化シリコンなどを用いることができる。例えば、絶縁体312、および絶縁体378として、より水素バリア性が高い、窒化シリコンなどを用いることが好ましい。また、例えば、絶縁体314、絶縁体375、絶縁体335、および絶縁体385として、水素を捕獲および水素を固着する機能が高い、酸化アルミニウムなどを用いることが好ましい。これにより、水、水素などの不純物が絶縁体312、および絶縁体314を介して、基板側からトランジスタ111およびトランジスタ112側へ拡散するのを抑制できる。または、水、水素などの不純物が絶縁体378よりも外側に配置されている層間絶縁膜などから、トランジスタ111およびトランジスタ112側へ拡散するのを抑制できる。または、絶縁体324などに含まれる酸素が、絶縁体312、および絶縁体314を介して基板側に、拡散することを抑制できる。または、絶縁体380および絶縁体384などに含まれる酸素が、絶縁体378などを介してトランジスタ111より上方に、拡散するのを抑制することができる。この様に、トランジスタ111およびトランジスタ112などを、水、水素などの不純物、および酸素の拡散を抑制する機能を有する絶縁体312、絶縁体314、絶縁体385、および絶縁体378で取り囲む構造とすることが好ましい。
絶縁体312、絶縁体314、絶縁体385、絶縁体378、絶縁体375、および絶縁体335の成膜は、例えば、スパッタリング法を用いて行えばよい。スパッタリング法は、成膜ガスに水素を用いなくてよいので、絶縁体312、絶縁体314、絶縁体385、絶縁体378、絶縁体375、および絶縁体335の水素濃度を低減することができる。なお、成膜方法は、スパッタリング法に限られるものではなく、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、パルスレーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法などを適宜用いてもよい。
また、絶縁体312、および絶縁体378の抵抗率を低くすることが好ましい場合がある。例えば、絶縁体312、および絶縁体378の抵抗率を概略1×1013Ωcmとすることで、半導体装置作製工程のプラズマ等を用いる処理において、絶縁体312、および絶縁体378が、導電体305、導電体342、導電体360、導電体344、または導電体361のチャージアップを緩和することができる場合がある。絶縁体312、および絶縁体378の抵抗率は、好ましくは、1×1010Ωcm以上1×1015Ωcm以下とする。
また、絶縁体316、絶縁体380、および絶縁体384は、絶縁体314よりも誘電率が低いことが好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体316、絶縁体380、および絶縁体384として、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンなどを適宜用いればよい。特に、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、空孔を有する酸化シリコンなどの材料は、加熱により脱離する酸素を含む領域を容易に形成することができるため好ましい。
なお、本明細書中において、材料名に含まれる「酸化窒化」とは、その材料の組成において、窒素よりも酸素の含有量が多いことを指す。また、材料名に含まれる「窒化酸化」とは、その材料の組成において、酸素よりも窒素の含有量が多いことを示す。
導電体305は、導電体305a、導電体305b、および導電体305cを有する。導電体305aは、開口の底面および側壁に接して設けられる。導電体305bは、導電体305aに形成された凹部に埋め込まれるように設けられる。ここで、導電体305bの上面は、導電体305aの上面および絶縁体316の上面より低くなる。導電体305cは、導電体305bの上面、および導電体305aの側面に接して設けられる。ここで、導電体305cの上面の高さは、導電体305aの上面の高さおよび絶縁体316の上面の高さと略一致する。つまり、導電体305bは、導電体305aおよび導電体305cに包み込まれる構成になる。
ここで、導電体305aおよび導電体305cは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(N2O、NO、NO2など)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。
導電体305aおよび導電体305cに、水素の拡散を低減する機能を有する導電性材料を用いることにより、導電体305bに含まれる水素などの不純物が、絶縁体324等を介して、酸化物330に拡散するのを防ぐことができる。また、導電体305aおよび導電体305cに、酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることにより、導電体305bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。したがって、導電体305aとしては、上記導電性材料を単層または積層とすればよい。例えば、導電体305aは、窒化チタンを用いればよい。
また、導電体305bは、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。例えば、導電体305bは、タングステンを用いればよい。
導電体305をバックゲート電極として機能する場合がある。その場合、導電体305に印加する電位を、導電体360に印加する電位と、連動させず、独立して変化させることで、トランジスタ112のしきい値電圧(Vth)を制御することができる。また、導電体305に負の電位を印加することにより、トランジスタ112のVthをより大きくし、オフ電流を低減することが可能となる。したがって、導電体305に負の電位を印加したほうが、印加しない場合よりも、導電体360に印加する電位が0Vのときのドレイン電流を小さくすることができる。
また、導電体305の電気抵抗率は、導電体305に印加する電位を考慮して設計され、導電体305の膜厚は当該電気抵抗率に合わせて設定される。また、絶縁体316の膜厚は、導電体305とほぼ同じになる。ここで、導電体305の設計が許す範囲で導電体305および絶縁体316の膜厚を薄くすることが好ましい。絶縁体316の膜厚を薄くすることで、絶縁体316中に含まれる水素などの不純物の絶対量を低減することができるので、当該不純物が酸化物330に拡散するのを低減することができる。
導電体305は、酸化物330_1の導電体342aおよび導電体342bと重ならない領域と、重なるように設けられる。また、導電体305は、当該領域よりも、大きく設けることが好ましい。言い換えると、導電体305は、後述する領域333cと重なり、領域333cよりも大きく設けることが好ましい。特に、図24(A)に示すように、導電体305は、酸化物330_1のチャネル幅方向と交わる端部よりも外側の領域においても、延伸していることが好ましい。つまり、酸化物330_1のチャネル幅方向における側面の外側において、導電体305と導電体360は、絶縁体を介して重畳していることが好ましい。当該構成を有することで、ゲート電極(「第1のゲート電極」ともいう。)として機能する導電体360の電界と、バックゲート電極(「第2のゲート電極」ともいう。)として機能する導電体305の電界によって、酸化物330_1のチャネル形成領域を電気的に取り囲むことができる。本明細書において、第1のゲート電極、および第2のゲート電極の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(S-channel)構造とよぶ。
なお、本明細書等において、S-channel構造のトランジスタとは、一対のゲート電極の一方および他方の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を表す。また、本明細書等で開示するS-channel構造は、Fin型構造およびプレーナ型構造とは異なる。S-channel構造を採用することで、短チャネル効果に対する耐性を高める、別言すると短チャネル効果が発生し難いトランジスタとすることができる。
また、図24(A)に示すように、導電体305はチャネル幅方向に延伸させて、配線としても機能させている。ただし、これに限られることなく、導電体305の下に、配線として機能する導電体を設ける構成にしてもよい。
なお、トランジスタ112では、導電体305を、導電体305a、導電体305b、および導電体305cの積層で構成する場合について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体305を、単層、2層または4層以上の積層構造としてもよい。
絶縁体322は、水素(例えば、水素原子、水素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。また、絶縁体322は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。例えば、絶縁体322は、絶縁体324よりも水素および酸素の一方または双方の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。
絶縁体322は、絶縁性材料であるアルミニウムおよびハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁体を用いるとよい。当該絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。このような材料を用いて絶縁体322を形成した場合、絶縁体322は、酸化物330から基板側への酸素の放出や、トランジスタ112の周辺部から酸化物330への水素等の不純物の拡散を抑制する層として機能する。よって、絶縁体322を設けることで、水素等の不純物が、トランジスタ112の内側へ拡散することを抑制し、酸化物330中の酸素欠損の生成を抑制できる。また、導電体305が、絶縁体324や、酸化物330が有する酸素と反応することを抑制できる。
または、上記絶縁体に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。または、これらの絶縁体を窒化処理してもよい。また、絶縁体322は、これらの絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは窒化シリコンを積層して用いてもよい。
また、絶縁体322は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、(Ba,Sr)TiO3(BST)などのいわゆるhigh-k材料を含む絶縁体を単層または積層で用いてもよい。トランジスタの微細化、および高集積化が進むと、ゲート絶縁体の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合がある。ゲート絶縁体として機能する絶縁体にhigh-k材料を用いることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。
酸化物330_1と接する絶縁体324は、過剰酸素を含む(加熱により酸素を脱離する)ことが好ましい。例えば、絶縁体324は、酸化シリコン、酸化窒化シリコンなどを適宜用いればよい。酸素を含む絶縁体を酸化物330_1に接して設けることにより、酸化物330_1中の酸素欠損を低減し、トランジスタの信頼性を向上できる。
絶縁体324として、具体的には、加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料、別言すると、過剰酸素領域を有する絶縁体材料を用いることが好ましい。加熱により酸素を脱離する酸化物とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)分析にて、酸素分子の脱離量が1.0×1018molecules/cm3以上、好ましくは1.0×1019molecules/cm3以上、さらに好ましくは2.0×1019molecules/cm3以上、または3.0×1020molecules/cm3以上である酸化膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、または100℃以上400℃以下の範囲が好ましい。
また、トランジスタの作製工程中において、酸化物330の表面が露出した状態で、加熱処理を行うと好適である。当該加熱処理は、例えば、100℃以上600℃以下、より好ましくは350℃以上550℃以下で行えばよい。なお、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気、または酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、もしくは10%以上含む雰囲気で行う。例えば、加熱処理は酸素雰囲気で行うことが好ましい。これにより、酸化物330に酸素を供給して、酸素欠損(VO)の低減を図ることができる。また、加熱処理は減圧状態で行ってもよい。または、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために、酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、または10%以上含む雰囲気で行ってもよい。または、酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、または10%以上含む雰囲気で加熱処理した後に、連続して窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理を行っても良い。
なお、酸化物330に加酸素化処理を行うことで、酸化物330中の酸素欠損を、供給された酸素により修復させる、別言すると「VO+O→null」という反応を促進させることができる。さらに、酸化物330中に残存した水素に供給された酸素が反応することで、当該水素をH2Oとして除去する(脱水化する)ことができる。これにより、酸化物330中に残存していた水素が酸素欠損に再結合してVOHが形成されるのを抑制することができる。
なお、絶縁体322、および絶縁体324が、2層以上の積層構造を有していてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。また、絶縁体324は、酸化物330aと重畳して島状に形成してもよい。この場合、絶縁体375が、絶縁体324の側面および絶縁体322の上面に接する構成になる。
酸化物343が、酸化物330b_1上に設けられる。なお、酸化物343は、導電体342と重畳して設けられることが好ましく、酸化物330_1上に直線状に配列して設ければよい。同様に、酸化物345が、酸化物330b_2上に設けられる。なお、酸化物345は、導電体344と重畳して設けられることが好ましく、酸化物330_2上に直線状に配列して設ければよい。
酸化物343および酸化物345は、酸素の透過を抑制する機能を有することが好ましい。導電体342と酸化物330b_1との間に酸素の透過を抑制する機能を有する酸化物343を配置することで、導電体342と、酸化物330b_1との間の電気抵抗が低減されるので好ましい。同様に、導電体344と酸化物330b_2との間に酸素の透過を抑制する機能を有する酸化物345を配置することで、導電体344と、酸化物330b_2との間の電気抵抗が低減されるので好ましい。
このような構成とすることで、トランジスタ111およびトランジスタ112の、電気特性および信頼性を向上させることができる。なお、導電体342と酸化物330b_1の間の電気抵抗を十分低減できる場合、酸化物343を設けない構成にしてもよい。導電体344と酸化物330b_2の間の電気抵抗を十分低減できる場合、酸化物345を設けない構成にしてもよい。
酸化物343および酸化物345として、元素Mを有する金属酸化物を用いてもよい。特に、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、または錫を用いるとよい。酸化物343および酸化物345は、酸化物330bよりも元素Mの濃度が高いことが好ましい。また、酸化物343および酸化物345として、酸化ガリウムを用いてもよい。また、酸化物343および酸化物345として、In-M-Zn酸化物等の金属酸化物を用いてもよい。具体的には、酸化物343および酸化物345に用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物330bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物343および酸化物345の膜厚は、0.5nm以上5nm以下が好ましく、より好ましくは1nm以上3nm以下、さらに好ましくは1nm以上2nm以下である。また、酸化物343および酸化物345は、結晶性を有すると好ましい。酸化物343および酸化物345が結晶性を有する場合、酸化物330中の酸素の放出を好適に抑制することが出来る。例えば、酸化物343および酸化物345としては、六方晶などの結晶構造であれば、酸化物330中の酸素の放出を抑制できる場合がある。
導電体342および導電体344としては、例えば、タンタルを含む窒化物、チタンを含む窒化物、モリブデンを含む窒化物、タングステンを含む窒化物、タンタルおよびアルミニウムを含む窒化物、チタンおよびアルミニウムを含む窒化物などを用いることが好ましい。本発明の一態様においては、タンタルを含む窒化物が特に好ましい。また、例えば、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物などを用いてもよい。これらの材料は、酸化しにくい導電性材料、または、酸素を吸収しても導電性を維持する材料であるため、好ましい。
なお、酸化物330bなどに含まれる水素が、導電体342または導電体344に拡散する場合がある。特に、導電体342および導電体344に、タンタルを含む窒化物を用いることで、酸化物330bなどに含まれる水素は、導電体342または導電体344に拡散しやすく、拡散した水素は、導電体342または導電体344が有する窒素と結合することがある。つまり、酸化物330bなどに含まれる水素は、導電体342または導電体344に吸い取られる場合がある。
また、導電体342の側面と上面との間、および導電体344の側面と上面との間に、湾曲面が形成されないことが好ましい。当該湾曲面が形成されない導電体とすることで、図24(A)に示すような、チャネル幅方向の断面における、導電体344の断面積を大きくすることができる。これにより、導電体344の抵抗値が小さくなり、トランジスタ111のオン電流を大きくすることができる。同様に、図24(B)に示すような、チャネル幅方向の断面における、導電体342の断面積を大きくすることができる。これにより、導電体342の抵抗値が小さくなり、トランジスタ112のオン電流を大きくすることができる。
絶縁体375は、絶縁体324、酸化物330_1、酸化物343および導電体342を覆って設けられており、絶縁体350、および導電体360などが設けられる領域に開口が形成されている。絶縁体375は、絶縁体324の上面、酸化物330_1の側面、酸化物343の側面、導電体342の側面、および導電体342の上面に接して設けられることが好ましい(図24(B)参照。)。また、絶縁体375は、酸素の透過を抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。また、絶縁体375は、水、水素などの不純物が、上方から酸化物330_1、または絶縁体324に拡散するのを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましく、水素などの不純物を捕獲する機能を有することが好ましい。
絶縁体335は、絶縁体380、酸化物330_2、酸化物345および導電体344を覆って設けられており、絶縁体351、および導電体361などが設けられる領域に開口が形成されている。絶縁体335は、絶縁体380の上面、酸化物330_2の側面、酸化物345の側面、導電体344の側面、および導電体344の上面に接して設けられることが好ましい(図24(A)参照。)。また、絶縁体335は、酸素の透過を抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。また、絶縁体335は、水、水素などの不純物が、上方から酸化物330_2、または絶縁体380に拡散するのを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましく、水素などの不純物を捕獲する機能を有することが好ましい。
絶縁体375および絶縁体335としては、例えば、酸化アルミニウム、または窒化シリコンなどの絶縁体を用いればよい。
上記のような絶縁体375および絶縁体335を設けることで、酸素に対するバリア性を有する絶縁体で導電体342および導電体344を包み込むことができる。つまり、絶縁体380に含まれる酸素が、導電体342および導電体344に拡散するのを防ぐことができる。これにより、絶縁体380に含まれる酸素などによって、導電体342が直接酸化されて抵抗率が増大し、電界効果移動度、およびオン電流が低減するのを抑制することができる。また、絶縁体384に含まれる酸素などによって、導電体344が直接酸化されて抵抗率が増大し、電界効果移動度、およびオン電流が低減するのを抑制することができる。このように、トランジスタ111の電界効果移動度、およびオン電流を大きくすることで、記憶装置100の書き込み速度を向上させることができる。また、トランジスタ112の電界効果移動度、およびオン電流を大きくすることで、記憶装置100の読み出し速度を向上させることができる。
絶縁体312と絶縁体378に挟まれた領域内で、絶縁体380に接して、水素などの不純物を捕獲する機能を有する絶縁体375を設けることで、絶縁体380などに含まれる水素などの不純物を捕獲し、当該領域内における、水素の量を一定値にすることができる。また、絶縁体384に接して、水素などの不純物を捕獲する機能を有する絶縁体335を設けることで、絶縁体384などに含まれる水素などの不純物を捕獲し、当該領域内における、水素の量を一定値にすることができる。この場合は、絶縁体375および絶縁体335として、酸化アルミニウムなどを用いることが好ましい。
ゲート絶縁体として機能する絶縁体350および絶縁体351は、酸化物330bの上面に接して配置することが好ましい。絶縁体350および絶縁体351は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンなどを用いることができる。特に、酸化シリコン、および酸化窒化シリコンなどのシリコンを含む酸化物は熱に対し安定であるため好ましい。
絶縁体324と同様に、絶縁体350および絶縁体351中の水、水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。絶縁体350および絶縁体351の膜厚は、1nm以上20nm以下とするのが好ましい。
また、絶縁体350と導電体360との間に金属酸化物を設けてもよい。当該金属酸化物は、絶縁体350から導電体360への酸素の拡散を抑制することが好ましい。酸素の拡散を抑制する金属酸化物を設けることで、絶縁体350から導電体360への酸素の拡散が抑制される。つまり、酸化物330へ供給する酸素量の減少を抑制することができる。また、絶縁体350の酸素による導電体360の酸化を抑制することができる。同様に、絶縁体351と導電体361との間に金属酸化物を設けてもよい。例えば、当該金属酸化物として、酸化ハフニウムなどを用いることができる。
なお、上記金属酸化物は、第1のゲート電極の一部としての機能を有する構成にしてもよい。例えば、酸化物330として用いることができる金属酸化物を、上記金属酸化物として用いることができる。その場合、導電体360aおよび/または導電体361aをスパッタリング法で成膜することで、上記金属酸化物の電気抵抗値を低下させて導電体とすることができる。これをOC(Oxide Conductor)電極と呼ぶことができる。
上記金属酸化物を有することで、導電体360からの電界の影響を弱めることなく、トランジスタ112のオン電流の向上を図ることができる。また、絶縁体350と、上記金属酸化物との物理的な厚みにより、導電体360と、酸化物330との間の距離を保つことで、導電体360と酸化物330との間のリーク電流を抑制することができる。また、絶縁体350、および上記金属酸化物との積層構造を設けることで、導電体360と酸化物330との間の物理的な距離、および導電体360から酸化物330へかかる電界強度を、容易に適宜調整することができる。なお、絶縁体351と導電体361においても同様である。
導電体360は、導電体360aと、導電体360aの上に配置された導電体360bと、を有することが好ましい。導電体361は、導電体361aと、導電体361aの上に配置された導電体361bと、を有することが好ましい。例えば、導電体360aは、導電体360bの底面および側面と重なるように配置されることが好ましい。導電体361aは、導電体361bの底面および側面と重なるように配置されることが好ましい。
なお、本実施の形態などでは、導電体360を導電体360aと導電体360bの2層構造として示し、導電体361を導電体361aと導電体361bの2層構造として示しているが、導電体360および導電体361は、単層構造でもよいし、3層以上の積層構造であってもよい。
導電体360aおよび導電体361aは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。
また、導電体360aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、絶縁体350に含まれる酸素により、導電体360bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。導電体361aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、絶縁体351に含まれる酸素により、導電体361bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。
また、導電体360および導電体361は、配線としても機能するため、導電性が高い導電体を用いることが好ましい。例えば、導電体360bおよび導電体361bは、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電体360bおよび導電体361bは積層構造としてもよく、例えば、チタン、または窒化チタンと上記導電性材料との積層構造としてもよい。
また、トランジスタ112では、導電体360は、絶縁体380などに形成されている開口を埋めるように自己整合的に形成される。トランジスタ111では、導電体361は、絶縁体384などに形成されている開口を埋めるように自己整合的に形成される。導電体360をこのように形成することにより、導電体342aと導電体342bとの間の領域に、位置合わせをしなくても導電体360を配置することができる。なお、導電体361も同様である。
また、図24(A)に示すように、トランジスタ112のチャネル幅方向において、絶縁体322の底面を基準面としたとき、導電体360と酸化物330bとが重ならない領域の、基準面から導電体360の底面までの高さは、基準面から酸化物330bの底面までの高さより低いことが好ましい。ゲート電極として機能する導電体360が、絶縁体350などを介して、酸化物330b_1のチャネル形成領域の側面および上面を覆う構成とすることで、導電体360の電界を酸化物330b_1のチャネル形成領域全体に作用させやすくなる。よって、トランジスタ112のオン電流を増大させ、周波数特性を向上させることができる。絶縁体322の底面を基準面としたとき、酸化物330_1と導電体360が、重ならない領域における基準面から導電体360の底面までの高さと、基準面から酸化物330b_1の底面までの高さとの差は、0nm以上100nm以下、好ましくは、3nm以上50nm以下、より好ましくは、5nm以上20nm以下とする。
絶縁体380は、絶縁体375上に設けられ、絶縁体350、および導電体360が設けられる領域に開口が形成されている。絶縁体384は、絶縁体335上に設けられ、絶縁体351、および導電体361が設けられる領域に開口が形成されている。また、絶縁体380および絶縁体384の上面は、平坦化されていてもよい。
絶縁体380および絶縁体384は、絶縁体324と同様に、過剰酸素領域または過剰酸素を有することが好ましい。また、絶縁体380および絶縁体384中の水、水素などの不純物濃度は低減されていることが好ましい。例えば、絶縁体380および絶縁体384は、酸化シリコン、酸化窒化シリコンなどのシリコンを含む酸化物を適宜用いればよい。過剰酸素を有する絶縁体を酸化物330の近傍に設けることにより、酸化物330中の酸素欠損を低減し、トランジスタの信頼性を向上させることができる。
絶縁体385は、導電体361、絶縁体351、および絶縁体384のそれぞれの上面と接して配置される。絶縁体385は、水、水素などの不純物が、上方から絶縁体384に拡散するのを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましく、水素などの不純物を捕獲する機能を有することが好ましい。また、絶縁体385は、酸素の透過を抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。絶縁体385としては、例えば、酸化アルミニウムなどの絶縁体を用いればよい。絶縁体312と絶縁体378に挟まれた領域内で、絶縁体384に接して、水素などの不純物を捕獲する機能を有する絶縁体385を設けることで、絶縁体384などに含まれる水素などの不純物を捕獲し、当該領域内における、水素の量を一定値にすることができる。
絶縁体378は、水、水素などの不純物が、上方から絶縁体384に拡散するのを抑制するバリア絶縁膜として機能する。絶縁体378は、絶縁体384の上に配置される。絶縁体378としては、窒化シリコンまたは窒化酸化シリコンなどの、シリコンを含む窒化物を用いることが好ましい。例えば、絶縁体378としてスパッタリング法で成膜された窒化シリコンを用いればよい。絶縁体378をスパッタリング法で成膜することで、密度が高く、鬆などが形成されにくい窒化シリコン膜を形成することができる。また、絶縁体378として、スパッタリング法で成膜された窒化シリコンの上に、さらに、CVD法で成膜された窒化シリコンを積層してもよい。
トランジスタ131およびトランジスタ132も、トランジスタ111またはトランジスタ112と同様の構造にすることができる。例えば、トランジスタ131にバックゲートを設ける場合は、トランジスタ131に導電体305を設ければよい(図26(B)参照。)。
〔半導体装置の構成材料〕
以下では、記憶装置100に用いることができる構成材料について説明する。
[基板]
記憶装置100を形成する基板としては、例えば、絶縁体基板、半導体基板、または導電体基板を用いればよい。絶縁体基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化ジルコニア基板(イットリア安定化ジルコニア基板など)、樹脂基板などがある。また、半導体基板としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムを材料とした半導体基板、または炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムからなる化合物半導体基板などがある。さらには、前述した半導体基板内部に絶縁体領域を有する半導体基板、例えば、SOI(Silicon On Insulator)基板などがある。導電体基板としては、黒鉛基板、金属基板、合金基板、導電性樹脂基板などがある。または、金属の窒化物を有する基板、金属の酸化物を有する基板などがある。さらには、絶縁体基板に導電体または半導体が設けられた基板、半導体基板に導電体または絶縁体が設けられた基板、導電体基板に半導体または絶縁体が設けられた基板などがある。または、これらの基板に素子が設けられたものを用いてもよい。基板に設けられる素子としては、容量素子、抵抗素子、スイッチ素子、発光素子、記憶素子などがある。
[絶縁体]
絶縁体としては、絶縁性を有する酸化物、窒化物、酸化窒化物、窒化酸化物、金属酸化物、金属酸化窒化物、金属窒化酸化物などがある。
例えば、トランジスタの微細化、および高集積化が進むと、ゲート絶縁体の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合がある。ゲート絶縁体として機能する絶縁体に、high-k材料を用いることで物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時の低電圧化が可能となる。一方、層間膜として機能する絶縁体には、比誘電率が低い材料を用いることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。したがって、絶縁体の機能に応じて、材料を選択するとよい。
また、比誘電率の高い絶縁体としては、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化物、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化窒化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化窒化物、またはシリコンおよびハフニウムを有する窒化物などがある。
また、比誘電率が低い絶縁体としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコン、または樹脂などがある。
また、金属酸化物を用いたトランジスタは、水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体で囲うことによって、トランジスタの電気特性を安定にすることができる。水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウム、またはタンタルを含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。具体的には、水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化酸化シリコン、窒化シリコンなどの金属窒化物を用いることができる。
また、ゲート絶縁体として機能する絶縁体は、加熱により脱離する酸素を含む領域を有する絶縁体であることが好ましい。例えば、加熱により脱離する酸素を含む領域を有する酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを酸化物330と接する構造とすることで、酸化物330が有する酸素欠損を補償することができる。
[導電体]
導電体としては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウム、イリジウム、ストロンチウム、ランタンなどから選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いることが好ましい。例えば、窒化タンタル、窒化チタン、タングステン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物などを用いることが好ましい。また、窒化タンタル、窒化チタン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物は、酸化しにくい導電性材料、または、酸素を吸収しても導電性を維持する材料であるため、好ましい。また、リン等の不純物元素を含有させた多結晶シリコンに代表される、電気伝導度が高い半導体、ニッケルシリサイドなどのシリサイドを用いてもよい。
また、上記の材料で形成される導電層を複数積層して用いてもよい。例えば、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。また、前述した金属元素を含む材料と、窒素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。また、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、窒素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。
なお、トランジスタのチャネル形成領域に酸化物を用いる場合において、ゲート電極として機能する導電体には、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造を用いることが好ましい。この場合は、酸素を含む導電性材料をチャネル形成領域側に設けるとよい。酸素を含む導電性材料をチャネル形成領域側に設けることで、当該導電性材料から離脱した酸素がチャネル形成領域に供給されやすくなる。
特に、ゲート電極として機能する導電体として、チャネルが形成される金属酸化物に含まれる金属元素および酸素を含む導電性材料を用いることが好ましい。また、前述した金属元素および窒素を含む導電性材料を用いてもよい。例えば、窒化チタン、窒化タンタルなどの窒素を含む導電性材料を用いてもよい。また、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、シリコンを添加したインジウム錫酸化物を用いてもよい。また、窒素を含むインジウムガリウム亜鉛酸化物を用いてもよい。このような材料を用いることで、チャネルが形成される金属酸化物に含まれる水素を捕獲することができる場合がある。または、外方の絶縁体などから混入する水素を捕獲することができる場合がある。
[金属酸化物]
酸化物330として、半導体として機能する金属酸化物(酸化物半導体)を用いることが好ましい。以下では、本発明に係る酸化物330に適用可能な金属酸化物について説明する。
金属酸化物は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特に、インジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、前述した元素Mから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。ここでは、金属酸化物が、インジウム、前述した元素Mおよび亜鉛を有するIn-M-Zn酸化物である場合を考える。
なお、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
〔結晶構造の分類〕
まず、酸化物半導体における、結晶構造の分類について、図27(A)を用いて説明を行う。図27(A)は、酸化物半導体、代表的にはIGZO(Inと、Gaと、Znと、を含む金属酸化物)の結晶構造の分類を説明する図である。
図27(A)に示すように、酸化物半導体は、大きく分けて「Amorphous(無定形)」と、「Crystalline(結晶性)」と、「Crystal(結晶)」と、に分類される。また、「Amorphous」の中には、completely amorphousが含まれる。また、「Crystalline」の中には、CAAC(c-axis-aligned crystalline)、nc(nanocrystalline)、及びCAC(cloud-aligned composite)が含まれる。なお、「Crystalline」の分類には、single crystal、poly crystal、及びcompletely amorphousは除かれる。また、「Crystal」の中には、single crystal、及びpoly crystalが含まれる。
なお、図27(A)に示す太枠内の構造は、「Amorphous(無定形)」と、「Crystal(結晶)」との間の中間状態であり、新しい境界領域(New crystalline phase)に属する構造である。すなわち、当該構造は、エネルギー的に不安定な「Amorphous(無定形)」や、「Crystal(結晶)」とは全く異なる構造と言い換えることができる。
なお、膜または基板の結晶構造は、X線回折(XRD:X-Ray Diffraction)スペクトルを用いて評価することができる。ここで、「Crystalline」に分類されるCAAC-IGZO膜のGIXD(Grazing-Incidence XRD)測定で得られるXRDスペクトルを図27(B)に示す。なお、GIXD法は、薄膜法またはSeemann-Bohlin法ともいう。以降、図27(B)に示すGIXD測定で得られるXRDスペクトルを、単にXRDスペクトルと記す。なお、図27(B)に示すCAAC-IGZO膜の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]近傍である。また、図27(B)に示すCAAC-IGZO膜の厚さは、500nmである。
図27(B)に示すように、CAAC-IGZO膜のXRDスペクトルでは、明確な結晶性を示すピークが検出される。具体的には、CAAC-IGZO膜のXRDスペクトルでは、2θ=31°近傍に、c軸配向を示すピークが検出される。なお、図27(B)に示すように、2θ=31°近傍のピークは、ピーク強度が検出された角度を軸に左右非対称である。
また、膜または基板の結晶構造は、極微電子線回折法(NBED:Nano Beam Electron Diffraction)によって観察される回折パターン(極微電子線回折パターンともいう。)にて評価することができる。CAAC-IGZO膜の回折パターンを、図27(C)に示す。図27(C)は、電子線を基板に対して平行に入射するNBEDによって観察される回折パターンである。なお、図27(C)に示すCAAC-IGZO膜の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]近傍である。また、極微電子線回折法では、プローブ径を1nmとして電子線回折が行われる。
図27(C)に示すように、CAAC-IGZO膜の回折パターンでは、c軸配向を示す複数のスポットが観察される。
[酸化物半導体の構造]
なお、酸化物半導体は、結晶構造に着目した場合、図27(A)とは異なる分類となる場合がある。例えば、酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、上述のCAAC-OS、及びnc-OSがある。また、非単結晶酸化物半導体には、多結晶酸化物半導体、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、非晶質酸化物半導体、などが含まれる。
ここで、上述のCAAC-OS、nc-OS、及びa-like OSの詳細について、説明を行う。
[CAAC-OS]
CAAC-OSは、複数の結晶領域を有し、当該複数の結晶領域はc軸が特定の方向に配向している酸化物半導体である。なお、特定の方向とは、CAAC-OS膜の厚さ方向、CAAC-OS膜の被形成面の法線方向、またはCAAC-OS膜の表面の法線方向である。また、結晶領域とは、原子配列に周期性を有する領域である。なお、原子配列を格子配列とみなすと、結晶領域とは、格子配列の揃った領域でもある。さらに、CAAC-OSは、a-b面方向において複数の結晶領域が連結する領域を有し、当該領域は歪みを有する場合がある。なお、歪みとは、複数の結晶領域が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。つまり、CAAC-OSは、c軸配向し、a-b面方向には明らかな配向をしていない酸化物半導体である。
なお、上記複数の結晶領域のそれぞれは、1つまたは複数の微小な結晶(最大径が10nm未満である結晶)で構成される。結晶領域が1つの微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の最大径は10nm未満となる。また、結晶領域が多数の微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の大きさは、数十nm程度となる場合がある。
また、In-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、スズ、チタンなどから選ばれた一種、または複数種)において、CAAC-OSは、インジウム(In)、及び酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛(Zn)、及び酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能である。よって、(M,Zn)層にはインジウムが含まれる場合がある。また、In層には元素Mが含まれる場合がある。なお、In層にはZnが含まれる場合もある。当該層状構造は、例えば、高分解能TEM像において、格子像として観察される。
CAAC-OS膜に対し、例えば、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut-of-plane XRD測定では、c軸配向を示すピークが2θ=31°またはその近傍に検出される。なお、c軸配向を示すピークの位置(2θの値)は、CAAC-OSを構成する金属元素の種類、組成などにより変動する場合がある。
また、例えば、CAAC-OS膜の電子線回折パターンにおいて、複数の輝点(スポット)が観測される。なお、あるスポットと別のスポットとは、試料を透過した入射電子線のスポット(ダイレクトスポットともいう。)を対称中心として、点対称の位置に観測される。
上記特定の方向から結晶領域を観察した場合、当該結晶領域内の格子配列は、六方格子を基本とするが、単位格子は正六角形とは限らず、非正六角形である場合がある。また、上記歪みにおいて、五角形、七角形などの格子配列を有する場合がある。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリー)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向において酸素原子の配列が稠密でないことや、金属原子が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
なお、明確な結晶粒界が確認される結晶構造は、いわゆる多結晶(polycrystal)と呼ばれる。結晶粒界は、再結合中心となり、キャリアが捕獲されトランジスタのオン電流の低下、電界効果移動度の低下などを引き起こす可能性が高い。よって、明確な結晶粒界が確認されないCAAC-OSは、トランジスタの半導体層に好適な結晶構造を有する結晶性の酸化物の一つである。なお、CAAC-OSを構成するには、Znを有する構成が好ましい。例えば、In-Zn酸化物、及びIn-Ga-Zn酸化物は、In酸化物よりも結晶粒界の発生を抑制できるため好適である。
CAAC-OSは、結晶性が高く、明確な結晶粒界が確認されない酸化物半導体である。よって、CAAC-OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、酸化物半導体の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC-OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。従って、CAAC-OSを有する酸化物半導体は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する酸化物半導体は熱に強く、信頼性が高い。また、CAAC-OSは、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対しても安定である。したがって、OSトランジスタにCAAC-OSを用いると、製造工程の自由度を広げることが可能となる。
[nc-OS]
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。別言すると、nc-OSは、微小な結晶を有する。なお、当該微小な結晶の大きさは、例えば、1nm以上10nm以下、特に1nm以上3nm以下であることから、当該微小な結晶をナノ結晶ともいう。また、nc-OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。例えば、nc-OS膜に対し、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut-of-plane XRD測定では、結晶性を示すピークが検出されない。また、nc-OS膜に対し、ナノ結晶よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折(制限視野電子線回折ともいう。)を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc-OS膜に対し、ナノ結晶の大きさと近いかナノ結晶より小さいプローブ径(例えば1nm以上30nm以下)の電子線を用いる電子線回折(ナノビーム電子線回折ともいう。)を行うと、ダイレクトスポットを中心とするリング状の領域内に複数のスポットが観測される電子線回折パターンが取得される場合がある。
[a-like OS]
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。a-like OSは、鬆又は低密度領域を有する。即ち、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。また、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、膜中の水素濃度が高い。
[酸化物半導体の構成]
次に、上述のCAC-OSの詳細について、説明を行う。なお、CAC-OSは材料構成に関する。
[CAC-OS]
CAC-OSとは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つまたは複数の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
さらに、CAC-OSとは、第1の領域と、第2の領域と、に材料が分離することでモザイク状となり、当該第1の領域が、膜中に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。つまり、CAC-OSは、当該第1の領域と、当該第2の領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。
ここで、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSを構成する金属元素に対するIn、Ga、およびZnの原子数比のそれぞれを、[In]、[Ga]、および[Zn]と表記する。例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSにおいて、第1の領域は、[In]が、CAC-OS膜の組成における[In]よりも大きい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、CAC-OS膜の組成における[Ga]よりも大きい領域である。または、例えば、第1の領域は、[In]が、第2の領域における[In]よりも大きく、且つ、[Ga]が、第2の領域における[Ga]よりも小さい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、第1の領域における[Ga]よりも大きく、且つ、[In]が、第1の領域における[In]よりも小さい領域である。
具体的には、上記第1の領域は、インジウム酸化物、インジウム亜鉛酸化物などが主成分である領域である。また、上記第2の領域は、ガリウム酸化物、ガリウム亜鉛酸化物などが主成分である領域である。つまり、上記第1の領域を、Inを主成分とする領域と言い換えることができる。また、上記第2の領域を、Gaを主成分とする領域と言い換えることができる。
なお、上記第1の領域と、上記第2の領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、Inを主成分とする領域(第1の領域)と、Gaを主成分とする領域(第2の領域)とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC-OSをトランジスタに用いる場合、第1の領域に起因する導電性と、第2の領域に起因する絶縁性とが、相補的に作用することにより、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OSに付与することができる。つまり、CAC-OSとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。導電性の機能と絶縁性の機能とを分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。よって、CAC-OSをトランジスタに用いることで、高いオン電流(Ion)、高い電界効果移動度(μ)、および良好なスイッチング動作を実現することができる。
酸化物半導体は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、CAC-OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
〔酸化物半導体を有するトランジスタ〕
続いて、上記酸化物半導体をトランジスタに用いる場合について説明する。
上記酸化物半導体をトランジスタに用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
トランジスタのチャネル形成領域には、キャリア濃度の低い酸化物半導体を用いることが好ましい。例えば、酸化物半導体のチャネル形成領域のキャリア濃度は、1×1018cm-3以下であることが好ましく、1×1017cm-3未満であることがより好ましく、1×1016cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1013cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1012cm-3未満であることがさらに好ましい。なお、酸化物半導体膜のキャリア濃度を低くする場合においては、酸化物半導体膜中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性又は実質的に高純度真性と言う。なお、キャリア濃度の低い酸化物半導体を、高純度真性又は実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ場合がある。
また、高純度真性又は実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、酸化物半導体のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体にチャネル形成領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
従って、トランジスタの電気特性を安定にするためには、酸化物半導体中の不純物濃度を低減することが有効である。また、酸化物半導体中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
〔不純物〕
ここで、酸化物半導体中における各不純物の影響について説明する。
酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸化物半導体において欠陥準位が形成される。このため、酸化物半導体のチャネル形成領域におけるシリコンや炭素の濃度と、酸化物半導体のチャネル形成領域との界面近傍のシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体にアルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。従って、アルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体のチャネル形成領域中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
また、酸化物半導体において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア濃度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を半導体に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。または、酸化物半導体において、窒素が含まれると、トラップ準位が形成される場合がある。この結果、トランジスタの電気特性が不安定となる場合がある。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体のチャネル形成領域中の窒素濃度を、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下にする。
また、酸化物半導体に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体のチャネル形成領域における中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体のチャネル形成領域において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは5×1019atoms/cm3未満、より好ましくは1×1019atoms/cm3未満、さらに好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満にする。
不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
〔その他の半導体材料〕
酸化物330に用いることができる半導体材料は、上述の金属酸化物に限られない。酸化物330として、バンドギャップを有する半導体材料(ゼロギャップ半導体ではない半導体材料)を用いてもよい。例えば、シリコンなどの単体元素の半導体、ヒ化ガリウムなどの化合物半導体、半導体として機能する層状物質(原子層物質、2次元材料などともいう。)などを半導体材料に用いることが好ましい。特に、半導体として機能する層状物質を半導体材料に用いると好適である。
ここで、本明細書等において、層状物質とは、層状の結晶構造を有する材料群の総称である。層状の結晶構造は、共有結合やイオン結合によって形成される層が、ファンデルワールス力のような、共有結合やイオン結合よりも弱い結合を介して積層している構造である。層状物質は、単位層内における電気伝導性が高く、つまり、2次元電気伝導性が高い。半導体として機能し、かつ、2次元電気伝導性の高い材料をチャネル形成領域に用いることで、オン電流の大きいトランジスタを提供することができる。
層状物質として、グラフェン、シリセン、カルコゲン化物などがある。カルコゲン化物は、カルコゲンを含む化合物である。また、カルコゲンは、第16族に属する元素の総称であり、酸素、硫黄、セレン、テルル、ポロニウム、リバモリウムが含まれる。また、カルコゲン化物として、遷移金属カルコゲナイド、13族カルコゲナイドなどが挙げられる。
酸化物330として、例えば、半導体として機能する遷移金属カルコゲナイドを用いることが好ましい。酸化物330として適用可能な遷移金属カルコゲナイドとして、具体的には、硫化モリブデン(代表的にはMoS2)、セレン化モリブデン(代表的にはMoSe2)、モリブデンテルル(代表的にはMoTe2)、硫化タングステン(代表的にはWS2)、セレン化タングステン(代表的にはWSe2)、タングステンテルル(代表的にはWTe2)、硫化ハフニウム(代表的にはHfS2)、セレン化ハフニウム(代表的にはHfSe2)、硫化ジルコニウム(代表的にはZrS2)、セレン化ジルコニウム(代表的にはZrSe2)などが挙げられる。
<記憶装置100の作製方法>
次に、記憶装置100の作製方法の一例として、トランジスタ112の作製方法を、図28(A)乃至図34(A)、図28(B)乃至図34(B)、図28(C)乃至図34(C)、および図28(D)乃至図34(D)を用いて説明する。
図28(A)乃至図34(A)のそれぞれは上面図を示す。また、図28(B)乃至図34(B)のそれぞれは、図28(A)乃至図34(A)に示すA1-A2の一点鎖線で示す部位に対応する断面図であり、トランジスタ112のチャネル長方向の断面図でもある。また、図28(C)乃至図34(C)のそれぞれは、図28(A)乃至図34(A)にA3-A4の一点鎖線で示す部位に対応する断面図であり、トランジスタ112のチャネル幅方向の断面図でもある。また、図28(D)乃至図34(D)のそれぞれは、図28(A)乃至図34(A)にA5-A6の一点鎖線で示す部位の断面図である。なお、図28(A)乃至図34(A)のそれぞれの上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いている。
以下において、絶縁体を形成するための絶縁性材料、導電体を形成するための導電性材料、または半導体を形成するための半導体材料は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、ALD法などを適宜用いて成膜することができる。
なお、スパッタリング法にはスパッタリング用電源に高周波電源を用いるRFスパッタリング法、直流電源を用いるDCスパッタリング法、さらにパルス的に電極に印加する電圧を変化させるパルスDCスパッタリング法がある。RFスパッタリング法は主に絶縁膜を成膜する場合に用いられ、DCスパッタリング法は主に金属導電膜を成膜する場合に用いられる。また、パルスDCスパッタリング法は、主に、酸化物、窒化物、炭化物などの化合物をリアクティブスパッタリング法で成膜する際に用いられる。
なお、CVD法は、プラズマを利用するプラズマCVD(PECVD:Plasma Enhanced CVD)法、熱を利用する熱CVD(TCVD:Thermal CVD)法、光を利用する光CVD(Photo CVD)法などに分類できる。さらに用いる原料ガスによって金属CVD(MCVD:Metal CVD)法、有機金属CVD(MOCVD:Metal Organic CVD)法に分けることができる。
プラズマCVD法は、比較的低温で高品質の膜が得られる。また、熱CVD法は、プラズマを用いないため、被処理物へのプラズマダメージを小さくすることが可能な成膜方法である。例えば、半導体装置に含まれる配線、電極、素子(トランジスタ、容量素子など)などは、プラズマから電荷を受け取ることでチャージアップする場合がある。このとき、蓄積した電荷によって、半導体装置に含まれる配線、電極、素子などが破壊される場合がある。一方、プラズマを用いない熱CVD法の場合、こういったプラズマダメージが生じないため、半導体装置の歩留まりを高くすることができる。また、熱CVD法では、成膜中のプラズマダメージが生じないため、欠陥の少ない膜が得られる。
また、ALD法としては、プリカーサ及びリアクタントの反応を熱エネルギーのみで行う熱ALD(Thermal ALD)法、プラズマ励起されたリアクタントを用いるPEALD(Plasma Enhanced ALD)法などを用いることができる。
また、ALD法は、原子の性質である自己制御性を利用し、一層ずつ原子を堆積することができるので、極薄の成膜が可能、アスペクト比の高い構造への成膜が可能、ピンホールなどの欠陥の少ない成膜が可能、被覆性に優れた成膜が可能、低温での成膜が可能、などの効果がある。PEALD(Plasma Enhanced ALD)法では、プラズマを利用することで、より低温での成膜が可能となり好ましい場合がある。なお、ALD法で用いるプリカーサには炭素などの不純物を含むものがある。このため、ALD法により設けられた膜は、他の成膜法により設けられた膜と比較して、炭素などの不純物を多く含む場合がある。なお、不純物の定量は、X線光電子分光法(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy)を用いて行うことができる。
CVD法およびALD法は、ターゲットなどから放出される粒子が堆積する成膜方法とは異なり、被処理物の表面における反応により膜が形成される成膜方法である。したがって、被処理物の形状の影響を受けにくく、良好な段差被覆性を有する成膜方法である。特に、ALD法は、優れた段差被覆性と、優れた厚さの均一性を有するため、アスペクト比の高い開口部の表面を被覆する場合などに好適である。ただし、ALD法は、比較的成膜速度が遅いため、成膜速度の速いCVD法などの他の成膜方法と組み合わせて用いることが好ましい場合もある。
CVD法およびALD法は、原料ガスの流量比によって、得られる膜の組成を制御することができる。例えば、CVD法およびALD法では、原料ガスの流量比によって、任意の組成の膜を成膜することができる。また、例えば、CVD法およびALD法では、成膜しながら原料ガスの流量比を変化させることによって、組成が連続的に変化した膜を成膜することができる。原料ガスの流量比を変化させながら成膜する場合、複数の成膜室を用いて成膜する場合と比べて、搬送や圧力調整に掛かる時間を要さない分、成膜に掛かる時間を短くすることができる。したがって、半導体装置の生産性を高めることができる場合がある。
まず、基板(図示しない。)を準備し、当該基板上に絶縁体312を成膜する(図28(A)乃至図28(D)参照。)。絶縁体312の成膜は、スパッタリング法を用いて行うことが好ましい。成膜ガスに水素を用いなくてもよいスパッタリング法を用いることで、絶縁体312中の水素濃度を低減することができる。ただし、絶縁体312の成膜は、スパッタリング法に限られるものではなく、CVD法、MBE法、PLD法、ALD法などを適宜用いてもよい。
本実施の形態では、絶縁体312として、窒素ガスを含む雰囲気でシリコンターゲットを用いて、パルスDCスパッタリング法で窒化シリコンを成膜する。パルスDCスパッタリング法を用いることで、ターゲット表面のアーキングによるパーティクルの発生を抑制することができるので、膜厚分布をより均一にすることができる。また、パルス電圧を用いることで、高周波電圧より、放電の立ち上がり、立ち下がりを急峻にすることができる。これにより、電極に、電力をより効率的に供給しスパッタレート、および膜質を向上することができる。
窒化シリコンのように水、水素などの不純物が透過しにくい絶縁体を用いることにより、絶縁体312より下層に含まれる水、水素などの不純物の拡散を抑制することができる。また、絶縁体312として、窒化シリコンなどの銅が透過しにくい絶縁体を用いることにより、絶縁体312より下層(図示しない。)の導電体に銅など拡散しやすい金属を用いても、当該金属が絶縁体312を介して上方に拡散するのを抑制することができる。
次に、絶縁体312上に絶縁体314を成膜する。絶縁体314の成膜は、スパッタリング法を用いて行うことが好ましい。成膜ガスに水素を用いなくてもよいスパッタリング法を用いることで、絶縁体314中の水素濃度を低減することができる。ただし、絶縁体314の成膜は、スパッタリング法に限られるものではなく、CVD法、MBE法、PLD法、ALD法などを適宜用いてもよい。
本実施の形態では、絶縁体314として、酸素ガスを含む雰囲気でアルミニウムターゲットを用いて、パルスDCスパッタリング法で酸化アルミニウムを成膜する。パルスDCスパッタリング法を用いることで、膜厚分布をより均一にし、スパッタレート、および膜質を向上することができる。
絶縁体314として、水素を捕獲および水素を固着する機能が高い、酸化アルミニウムを用いることで、絶縁体314上に成膜される絶縁体316などに含まれる水素を捕獲または固着し、当該水素が酸化物330に拡散するのを防ぐことができる。
次に、絶縁体314上に絶縁体316を成膜する。絶縁体316の成膜は、スパッタリング法を用いて行うことが好ましい。成膜ガスに水素を用いなくてもよいスパッタリング法を用いることで、絶縁体316中の水素濃度を低減することができる。ただし、絶縁体316の成膜は、スパッタリング法に限られるものではなく、CVD法、MBE法、PLD法、ALD法などを適宜用いてもよい。
本実施の形態では、絶縁体316として、酸素ガスを含む雰囲気でシリコンターゲットを用いて、パルスDCスパッタリング法で酸化シリコンを成膜する。パルスDCスパッタリング法を用いることで、膜厚分布をより均一にし、スパッタレート、および膜質を向上することができる。
絶縁体312、絶縁体314、および絶縁体316は、大気に暴露することなく連続して成膜することが好ましい。例えば、マルチチャンバー方式の成膜装置を用いればよい。これにより、絶縁体312、絶縁体314、および絶縁体316を、膜中の水素を低減して成膜し、さらに、各成膜工程の合間に膜中に水素が混入するのを低減することができる。
次に、絶縁体316に絶縁体314に達する開口を、A3-A4方向に延伸して形成する。当該開口は、トランジスタ112の配列に合わせて適宜設ければよい。なお、開口とは、例えば、溝やスリットなども含まれる。また、開口が形成された領域を指して開口部とする場合がある。開口の形成はウェットエッチングを用いてもよいが、ドライエッチングを用いるほうが微細加工には好ましい。また、絶縁体314は、絶縁体316をエッチングして溝を形成する際のエッチングストッパ膜として機能する絶縁体を選択することが好ましい。例えば、溝を形成する絶縁体316に酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを用いた場合は、絶縁体314は窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウムを用いるとよい。
ドライエッチング装置としては、平行平板型電極を有する容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)エッチング装置を用いることができる。平行平板型電極を有する容量結合型プラズマエッチング装置は、平行平板型電極の一方の電極に高周波電圧を印加する構成でもよい。または平行平板型電極の一方の電極に複数の異なった高周波電圧を印加する構成でもよい。または平行平板型電極それぞれに同じ周波数の高周波電圧を印加する構成でもよい。または平行平板型電極それぞれに周波数の異なる高周波電圧を印加する構成でもよい。または高密度プラズマ源を有するドライエッチング装置を用いることができる。高密度プラズマ源を有するドライエッチング装置は、例えば、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)エッチング装置などを用いることができる。
開口の形成後に、導電体305aとなる導電膜を成膜する。導電体305aとなる導電膜は、酸素の透過を抑制する機能を有する導電体を含むことが望ましい。例えば、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタンなどを用いることができる。または、酸素の透過を抑制する機能を有する導電体と、タンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、モリブデンタングステン合金との積層膜とすることができる。導電体305aとなる導電膜の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、ALD法などを用いて行うことができる。
本実施の形態では、導電体305aとなる導電膜として窒化チタンを成膜する。このような金属窒化物を後述する導電体305bの下層に用いることにより、絶縁体316などによって、導電体305bが酸化されるのを抑制することができる。また、導電体305bとして銅などの拡散しやすい金属を用いても、当該金属が導電体305aから外に拡散するのを防ぐことができる。
次に、導電体305bとなる導電膜を成膜する。導電体305bとなる導電膜としては、タンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、モリブデンタングステン合金などを用いることができる。該導電膜の成膜は、メッキ法、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、ALD法などを用いて行うことができる。本実施の形態では、導電体305bとなる導電膜として、タングステンを成膜する。
次に、CMP処理を行うことで、導電体305aとなる導電膜および導電体305bとなる導電膜の一部を除去し、絶縁体316を露出する。その結果、開口部のみに、導電体305aおよび導電体305bが残存する。なお、当該CMP処理により、絶縁体316の一部が除去される場合がある。
次に、エッチングを行って、導電体305bの上部を除去する。これにより、導電体305bの上面は、導電体305aの上面および絶縁体316の上面より低くなる。導電体305bのエッチングには、ドライエッチングまたはウェットエッチングを用いればよいが、ドライエッチングを用いるほうが微細加工には好ましい。
次に、絶縁体316、導電体305a、および導電体305bの上に、導電体305cとなる導電膜を成膜する。導電体305cとなる導電膜は、導電体305aとなる導電膜と同様に、酸素の透過を抑制する機能を有する導電体を含むことが望ましい。
本実施の形態では、導電体305cとなる導電膜として窒化チタンを成膜する。このような金属窒化物を導電体305bの上層に用いることにより、絶縁体322などによって、導電体305bが酸化されるのを抑制することができる。また、導電体305bとして銅などの拡散しやすい金属を用いても、当該金属が導電体305cから外に拡散するのを防ぐことができる。
次に、CMP処理を行うことで、導電体305cとなる導電膜の一部を除去し、絶縁体316を露出する。その結果、開口部のみに、導電体305a、導電体305b、および導電体305cが残存する。これにより、上面が平坦な、導電体305を形成することができる。さらに、導電体305bが、導電体305aおよび導電体305cに包みこまれる構成になる。よって、導電体305bから水素などの不純物が導電体305aおよび導電体305cの外に拡散するのを防ぎ、かつ導電体305aおよび導電体305cの外から酸素が混入し、導電体305bを酸化するのを防ぐことができる。なお、当該CMP処理により、絶縁体316の一部が除去される場合がある。
次に、絶縁体316、および導電体305上に絶縁体322を成膜する。絶縁体322として、アルミニウムおよびハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁体を成膜するとよい。なお、アルミニウムおよびハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。アルミニウムおよびハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁体は、酸素、水素、および水に対するバリア性を有する。絶縁体322が、水素および水に対するバリア性を有することで、トランジスタ112の周辺に設けられた構造体に含まれる水素、および水が、絶縁体322を通じてトランジスタ112の内側へ拡散することが抑制され、酸化物330中の酸素欠損の生成を抑制することができる。
絶縁体322の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、ALD法などを用いて行うことができる。本実施の形態では、絶縁体322として、スパッタリング法を用いて、酸化ハフニウムを成膜する。成膜ガスに水素を用いなくてもよいスパッタリング法を用いることで、絶縁体322中の水素濃度を低減することができる。
続いて、加熱処理を行うと好ましい。加熱処理は、250℃以上650℃以下、好ましくは300℃以上500℃以下、さらに好ましくは320℃以上450℃以下で行えばよい。なお、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気、または酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、もしくは10%以上含む雰囲気で行う。例えば、窒素ガスと酸素ガスの混合雰囲気で加熱処理をする場合、酸素ガスを20%程度にすればよい。また、加熱処理は減圧状態で行ってもよい。または、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、または10%以上含む雰囲気で加熱処理を行ってもよい。
また、上記加熱処理で用いるガスは、高純度化されていることが好ましい。例えば、上記加熱処理で用いるガスに含まれる水分量が1ppb以下、好ましくは0.1ppb以下、より好ましくは0.05ppb以下にすればよい。高純度化されたガスを用いて加熱処理を行うことで、絶縁体322などに水分等が取り込まれることを可能な限り防ぐことができる。
本実施の形態では、加熱処理として、絶縁体322の成膜後に、窒素ガスと酸素ガスの流量比を4slm:1slmとして、400℃の温度で1時間の処理を行う。当該加熱処理によって、絶縁体322に含まれる水、水素などの不純物を除去することなどができる。また、絶縁体322として、ハフニウムを含む酸化物を用いる場合、当該加熱処理によって、絶縁体322の結晶性を向上させることができる。また、加熱処理は、絶縁体324の成膜後などのタイミングで行うこともできる。
次に、絶縁体322上に絶縁体324を成膜する。絶縁体324の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、ALD法などを用いて行うことができる。本実施の形態では、絶縁体324として、スパッタリング法を用いて、酸化シリコンを成膜する。成膜ガスに水素を用いなくてもよいスパッタリング法を用いることで、絶縁体324中の水素濃度を低減することができる。絶縁体324は、後の工程で酸化物330aと接するので、このように水素濃度が低減されていることが好適である。
ここで、絶縁体324に過剰酸素領域を形成するために、減圧状態で酸素を含むプラズマ処理を行ってもよい。酸素を含むプラズマ処理は、例えばマイクロ波を用いた高密度プラズマを発生させる電源を有する装置を用いることが好ましい。または、基板側にRF(Radio Frequency)を印加する電源を有してもよい。高密度プラズマを用いることより、高密度の酸素ラジカルを生成することができ、基板側にRFを印加することで、高密度プラズマによって生成された酸素ラジカルを効率よく絶縁体324内に導くことができる。または、この装置を用いて不活性ガスを含むプラズマ処理を行った後に、脱離した酸素を補うために酸素を含むプラズマ処理を行ってもよい。なお、当該プラズマ処理の条件を適宜選択することにより、絶縁体324に含まれる水、水素などの不純物を除去することができる。その場合、加熱処理は行わなくてもよい。
ここで、絶縁体324上に、例えば、スパッタリング法によって、酸化アルミニウムを成膜した後、絶縁体324に達するまで、CMP処理によって酸化アルミニウムの除去を行ってもよい。当該CMP処理を行うことで絶縁体324表面の平坦化および平滑化を行うことができる。当該酸化アルミニウムを絶縁体324上に配置してCMP処理を行うことで、CMP処理の終点検出が容易となる。また、CMP処理によって、絶縁体324の一部が研磨されて、絶縁体324の膜厚が薄くなることがあるが、絶縁体324の成膜時に膜厚を調整すればよい。絶縁体324表面の平坦化および平滑化を行うことで、後に成膜する酸化物の被覆率の悪化を防止し、半導体装置の歩留りの低下を防ぐことができる場合がある。また、絶縁体324上に、スパッタリング法によって、酸化アルミニウムを成膜することにより、絶縁体324に酸素を添加することができるので好ましい。
次に、絶縁体324上に、酸化膜330A、酸化膜330Bを順に成膜する。なお、酸化膜330Aおよび酸化膜330Bは、大気環境にさらさずに連続して成膜することが好ましい。大気開放せずに成膜することで、酸化膜330A、および酸化膜330B上に大気環境からの不純物または水分が付着することを防ぐことができ、酸化膜330Aと酸化膜330Bとの界面近傍を清浄に保つことができる。
酸化膜330A、および酸化膜330Bの成膜はスパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、ALD法などを用いて行うことができる。
例えば、酸化膜330A、および酸化膜330Bをスパッタリング法によって成膜する場合は、スパッタリングガスとして酸素、または、酸素と希ガスの混合ガスを用いる。スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を高めることで、成膜される酸化膜中の過剰酸素を増やすことができる。また、上記の酸化膜をスパッタリング法によって成膜する場合は、上記のIn-M-Zn酸化物ターゲットなどを用いることができる。
特に、酸化膜330Aの成膜時に、スパッタリングガスに含まれる酸素の一部が絶縁体324に供給される場合がある。したがって、当該スパッタリングガスに含まれる酸素の割合は70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは100%とすればよい。
また、酸化膜330Bをスパッタリング法で形成する場合、スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を、30%を超えて100%以下、好ましくは70%以上100%以下として成膜すると、酸素過剰型の酸化物半導体が形成される。酸素過剰型の酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、比較的高い信頼性が得られる。ただし、本発明の一態様はこれに限定されない。酸化膜330Bをスパッタリング法で形成する場合、スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を1%以上30%以下、好ましくは5%以上20%以下として成膜すると、酸素欠乏型の酸化物半導体が形成される。酸素欠乏型の酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られる。また、基板を加熱しながら成膜を行うことによって、当該酸化膜の結晶性を向上させることができる。
本実施の形態では、酸化膜330Aとして、スパッタリング法によって、In:Ga:Zn=1:3:4[原子数比]の酸化物ターゲットを用いて成膜する。また、酸化膜330Bとして、スパッタリング法によって、In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]の酸化物ターゲットを用いて成膜する。なお、各酸化膜は、成膜条件、および原子数比を適宜選択することで、後の工程の加工によって得られる酸化物330a、および酸化物330bに求める特性に合わせて形成するとよい。
次に、酸化膜330B上に酸化膜343Aを成膜する。酸化膜343Aの成膜はスパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、ALD法などを用いて行うことができる。酸化膜343Aは、Inに対するGaの原子数比が、酸化膜330BのInに対するGaの原子数比より大きいことが好ましい。本実施の形態では、酸化膜343Aとして、スパッタリング法によって、In:Ga:Zn=1:3:4[原子数比]の酸化物ターゲットを用いて成膜する。
なお、絶縁体322、絶縁体324、酸化膜330A、酸化膜330B、および酸化膜343Aを、大気に暴露することなく、スパッタリング法で成膜することが好ましい。例えば、マルチチャンバー方式の成膜装置を用いればよい。これにより、絶縁体322、絶縁体324、酸化膜330A、酸化膜330B、および酸化膜343Aを、膜中の水素を低減して成膜し、さらに、各成膜工程の合間に膜中に水素が混入するのを低減することができる。
次に、加熱処理を行うことが好ましい。加熱処理は、酸化膜330A、酸化膜330B、および酸化膜343Aが多結晶化しない温度範囲で行えばよく、250℃以上650℃以下、好ましくは400℃以上600℃以下で行えばよい。なお、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気、または酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、もしくは10%以上含む雰囲気で行う。例えば、窒素ガスと酸素ガスの混合雰囲気で加熱処理をする場合、酸素ガスを20%程度にすればよい。また、加熱処理は減圧状態で行ってもよい。または、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、または10%以上含む雰囲気で加熱処理を行ってもよい。
また、上記加熱処理で用いるガスは、高純度化されていることが好ましい。例えば、上記加熱処理で用いるガスに含まれる水分量が1ppb以下、好ましくは0.1ppb以下、より好ましくは0.05ppb以下にすればよい。高純度化されたガスを用いて加熱処理を行うことで、酸化膜330A、酸化膜330B、および酸化膜343Aなどに水分等が取り込まれることを可能な限り防ぐことができる。
本実施の形態では、加熱処理として、窒素雰囲気にて550℃の温度で1時間の処理を行った後に、連続して酸素雰囲気にて550℃の温度で1時間の処理を行う。当該加熱処理によって、酸化膜330A、酸化膜330B、および酸化膜343A中の水、水素などの不純物を除去することなどができる。さらに、当該加熱処理によって、酸化膜330Bの結晶性を向上させ、より密度の高い、緻密な構造にすることができる。これにより、酸化膜330B中における、酸素または不純物の拡散を低減することができる。
次に、酸化膜343A上に導電膜342Aを成膜する。導電膜342Aの成膜はスパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、ALD法などを用いて行うことができる。例えば、導電膜342Aとして、スパッタリング法を用いて窒化タンタルを成膜すればよい。なお、導電膜342Aの成膜前に、加熱処理を行ってもよい。当該加熱処理は、減圧下で行い、大気に暴露することなく、連続して導電膜342Aを成膜してもよい。このような処理を行うことによって、酸化膜343Aの表面などに吸着している水分および水素を除去し、さらに酸化膜330A、酸化膜330B、および酸化膜343A中の水分濃度および水素濃度を低減させることができる。加熱処理の温度は、100℃以上400℃以下が好ましい。本実施の形態では、加熱処理の温度を200℃とする。
次に、例えば、リソグラフィー法を用いて、酸化膜330A、酸化膜330B、酸化膜343A、および導電膜342AをA1-A2方向に伸長した島状に加工して、酸化物330a、酸化物330b、酸化物層343B、および導電層342Bを形成する(図29(A)乃至図29(D)参照。)。酸化物330a、酸化物330b、酸化物層343B、および導電層342Bは、トランジスタ112の配列に合わせて適宜設ければよい。また、当該加工はドライエッチング法やウェットエッチング法を用いることができる。ドライエッチング法による加工は微細加工に適している。また、酸化膜330A、酸化膜330B、酸化膜343A、および導電膜342Aの加工は、それぞれ異なる条件で加工してもよい。なお、当該工程において、絶縁体324の酸化物330aと重ならない領域の膜厚が薄くなることがある。また、当該工程において、絶縁体324を、酸化物330aと重畳して、島状に加工する構成にしてもよい。
なお、リソグラフィー法では、まず、マスクを介してレジストを露光する。次に、露光された領域を、現像液を用いて除去または残存させてレジストマスクを形成する。次に、当該レジストマスクを介してエッチング処理することで導電体、半導体、または絶縁体などを所望の形状に加工することができる。例えば、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、EUV(Extreme Ultraviolet)光などを用いて、レジストを露光することでレジストマスクを形成すればよい。また、基板と投影レンズとの間に液体(例えば水)を満たして露光する、液浸技術を用いてもよい。また、前述した光に代えて、電子ビームやイオンビームを用いてもよい。なお、電子ビームやイオンビームを用いる場合には、レジストの所望の領域を選択してビームを照射することができるため、マスクは不要となる。なお、レジストマスクは、アッシングなどのドライエッチング処理を行う、ウェットエッチング処理を行う、ドライエッチング処理後にウェットエッチング処理を行う、またはウェットエッチング処理後にドライエッチング処理を行うことで、除去することができる。
さらに、レジストマスクの下に絶縁体や導電体からなるハードマスクを用いてもよい。ハードマスクを用いる場合、導電膜342A上にハードマスク材料となる絶縁膜や導電膜を形成し、その上にレジストマスクを形成し、ハードマスク材料をエッチングすることで所望の形状のハードマスクを形成することができる。導電膜342Aなどのエッチングは、レジストマスクを除去してから行っても良いし、レジストマスクを残したまま行ってもよい。後者の場合、エッチング中にレジストマスクが消失することがある。導電膜342Aなどのエッチング後にハードマスクをエッチングにより除去してもよい。一方、ハードマスクの材料が後工程に影響が無い、あるいは後工程で利用できる場合、必ずしもハードマスクを除去する必要は無い。例えば、ハードマスクを絶縁膜で形成した場合、当該ハードマスクを残存させて、バリア絶縁膜として用いてもよい。
また、酸化物330a、酸化物330b、酸化物層343B、および導電層342Bは、少なくとも一部が導電体305と重なるように形成する。また、酸化物330a、酸化物330b、酸化物層343B、および導電層342Bの側面は、絶縁体322の上面に対し、概略垂直であることが好ましい。酸化物330a、酸化物330b、酸化物層343B、および導電層342Bの側面が、絶縁体322の上面に対し、概略垂直であることで、複数のトランジスタ112を設ける際に、小面積化、高密度化が可能となる。または、酸化物330a、酸化物330b、酸化物層343B、および導電層342Bの側面と、絶縁体322の上面とのなす角が低い角度になる構成にしてもよい。その場合、酸化物330a、酸化物330b、酸化物層343B、および導電層342Bの側面と、絶縁体322の上面とのなす角は60度以上70度未満が好ましい。この様な形状とすることで、これより後の工程において、絶縁体375などの被覆性が向上し、鬆などの欠陥を低減することができる。
また、上記エッチング工程で発生した副生成物が、酸化物330a、酸化物330b、酸化物層343B、および導電層342Bの側面に層状に形成される場合がある。この場合、当該層状の副生成物が、酸化物330a、酸化物330b、酸化物層343B、および導電層342Bと、後に成膜される絶縁体375の間に残存することになる。また、同様に層状の副生成物が、絶縁体324上に残存する場合がある。当該層状の副生成物が絶縁体324上に残存した状態で、絶縁体375を成膜しても、当該層状の副生成物によって、絶縁体324への酸素の添加が妨害されてしまう。よって、絶縁体324の上面に接して形成された当該層状の副生成物は、除去することが好ましい。
次に、絶縁体324、酸化物330a、酸化物330b、酸化物層343B、および導電層342B上に、絶縁体375を成膜する。(図30(A)乃至図30(D)参照。)。絶縁体375の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。絶縁体375は、酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁膜を用いることが好ましい。例えば、絶縁体375として、スパッタリング法によって、酸化アルミニウムを成膜すればよい。スパッタリング法で絶縁体375を成膜することで、絶縁体324に酸素を添加することができる。
次に、絶縁体375上に、絶縁体380となる絶縁膜を成膜する。当該絶縁膜の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、ALD法などを用いて行うことができる。例えば、当該絶縁膜として、スパッタリング法を用いて酸化シリコン膜を成膜すればよい。絶縁体380となる絶縁膜を、酸素を含む雰囲気で、スパッタリング法で成膜することで、過剰酸素を含む絶縁体380を形成することができる。また、成膜ガスに水素を用いなくてもよいスパッタリング法を用いることで、絶縁体380中の水素濃度を低減することができる。なお、当該絶縁膜の成膜前に、加熱処理を行ってもよい。加熱処理は、減圧下で行い、大気に暴露することなく、連続して当該絶縁膜を成膜してもよい。このような処理を行うことによって、絶縁体375の表面などに吸着している水分および水素を除去し、さらに酸化物330a、酸化物330b、酸化物層343B、および絶縁体324中の水分濃度および水素濃度を低減させることができる。当該加熱処理には、上述した加熱処理条件を用いることができる。
次に、上記絶縁体380となる絶縁膜にCMP処理を行い、上面が平坦な絶縁体380を形成する。なお、絶縁体380上に、例えば、スパッタリング法によって窒化シリコンを成膜し、絶縁体380に達するまで、該窒化シリコンにCMP処理を行ってもよい。
次に、絶縁体380の一部、絶縁体375の一部、導電層342Bの一部、酸化物層343Bの一部、酸化物330a、酸化物330b、絶縁体324の一部を加工して、酸化物330bに達する開口を形成する(図31(A)乃至図31(D)参照。)。当該開口は、導電体305と重なるように形成することが好ましい。当該開口の形成によって、導電体342a、導電体342b、酸化物343a、および酸化物343bを形成する。つまり、複数の導電体342、および複数の酸化物343は、当該開口で分断されて、直線状に配列される。ここで、当該開口から酸化物330bの上面が露出する。
上記開口を形成する際に、酸化物330bの上部が除去される。酸化物330bの一部が除去されることで、酸化物330bに溝部が形成される。当該溝部の深さによっては、当該溝部を、上記開口の形成工程で形成してもよいし、上記開口の形成工程と異なる工程で形成してもよい。
また、絶縁体380の一部、絶縁体375の一部、導電層342Bの一部、酸化物層343Bの一部、酸化物330bの一部の加工は、ドライエッチング法、またはウェットエッチング法を用いることができる。ドライエッチング法による加工は微細加工に適している。また、当該加工は、それぞれ異なる条件で加工してもよい。例えば、絶縁体380の一部をドライエッチング法で加工し、絶縁体375の一部をウェットエッチング法で加工し、酸化物層343Bの一部、導電層342Bの一部、および酸化物330bの一部をドライエッチング法で加工してもよい。また、酸化物層343Bの一部および導電層342Bの一部の加工と、酸化物330bの一部の加工とは、異なる条件で行ってもよい。
ここで、酸化物330a、酸化物330bなどの表面に付着または内部に拡散した不純物を除去することが好ましい。また、上記ドライエッチングで酸化物330b表面に形成される、損傷領域を除去することが好ましい。当該不純物としては、絶縁体380、絶縁体375、および導電層342Bに含まれる成分、上記開口を形成する際に用いられる装置に使われている部材に含まれる成分、エッチングに使用するガスまたは液体に含まれる成分などに起因したものが挙げられる。当該不純物としては、例えば、アルミニウム、シリコン、タンタル、フッ素、塩素などがある。
特に、アルミニウム、またはシリコンなどの不純物は、酸化物330bのCAAC-OS化を阻害する。よって、アルミニウム、またはシリコンなどの、CAAC-OS化を阻害する不純物元素が、低減または除去されていることが好ましい。例えば、酸化物330b、およびその近傍における、アルミニウム原子の濃度が、5.0原子%以下とすればよく、2.0原子%以下が好ましく、1.5原子%以下がより好ましく、1.0原子%以下がさらに好ましく、0.3原子%未満がさらに好ましい。
なお、アルミニウム、またはシリコンなどの不純物によりCAAC-OS化が阻害され、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)となった金属酸化物の領域を、非CAAC領域と呼ぶ場合がある。非CAAC領域では、結晶構造の緻密さが低下しているため、VOHが多量に形成され、トランジスタがノーマリーオン化しやすくなる。よって、酸化物330bの非CAAC化領域は、低減または除去されていることが好ましい。
これに対して、酸化物330bに層状のCAAC構造を有していることが好ましい。特に、酸化物330bのドレイン下端部までCAAC構造を有することが好ましい。ここで、トランジスタ112において、導電体342aまたは導電体342b、およびその近傍がドレインとして機能する。つまり、導電体342a(導電体342b)の下端部近傍の、酸化物330bが、CAAC構造を有することが好ましい。このように、ドレイン耐圧に顕著に影響するドレイン端部においても、酸化物330bの損傷領域が除去され、CAAC構造を有することで、トランジスタ112の電気特性の変動をさらに抑制することができる。また、トランジスタ112の信頼性を向上させることができる。
上記の不純物などを除去するために、洗浄処理を行う。洗浄方法としては、洗浄液など用いたウェット洗浄、プラズマを用いたプラズマ処理、熱処理による洗浄などがあり、上記洗浄を適宜組み合わせて行ってもよい。なお、当該洗浄処理によって、上記溝部が深くなる場合がある。
ウェット洗浄としては、アンモニア水、シュウ酸、リン酸、フッ化水素酸などを炭酸水または純水で希釈した水溶液、純水、炭酸水などを用いて洗浄処理を行ってもよい。または、これらの水溶液、純水、または炭酸水を用いた超音波洗浄を行ってもよい。または、これらの洗浄を適宜組み合わせて行ってもよい。
なお、本明細書等では、市販のフッ化水素酸を純水で希釈した水溶液を希釈フッ化水素酸と呼び、市販のアンモニア水を純水で希釈した水溶液を希釈アンモニア水と呼ぶ場合がある。また、当該水溶液の濃度、温度などは、除去したい不純物、洗浄される半導体装置の構成などによって、適宜調整すればよい。希釈アンモニア水のアンモニア濃度は0.01%以上5%以下、好ましくは0.1%以上0.5%以下とすればよい。また、希釈フッ化水素酸のフッ化水素濃度は0.01ppm以上100ppm以下、好ましくは0.1ppm以上10ppm以下とすればよい。
なお、超音波洗浄には、200kHz以上、好ましくは900kHz以上の周波数を用いることが好ましい。当該周波数を用いることで、酸化物330bなどへのダメージを低減することができる。
また、上記洗浄処理を複数回行ってもよく、洗浄処理毎に洗浄液を変更してもよい。例えば、第1の洗浄処理として希釈フッ化水素酸、または希釈アンモニア水を用いた処理を行い、第2の洗浄処理として純水、または炭酸水を用いた処理を行ってもよい。
上記洗浄処理として、本実施の形態では、希釈フッ化水素酸を用いてウェット洗浄を行い、続いて純水、または炭酸水を用いてウェット洗浄を行う。当該洗浄処理を行うことで、酸化物330a、酸化物330bなどの表面に付着または内部に拡散した不純物を除去することができる。さらに、酸化物330bの結晶性を高めることができる。
これまでドライエッチングなどの加工、または上記洗浄処理によって、上記開口と重なり、かつ酸化物330bと重ならない領域の、絶縁体324の膜厚が、酸化物330bと重なる領域の、絶縁体324の膜厚より薄くなる場合がある。
上記エッチング後、または上記洗浄後に加熱処理を行ってもよい。加熱処理は、100℃以上450℃以下、好ましくは350℃以上400℃以下で行えばよい。なお、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気、または酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、もしくは10%以上含む雰囲気で行う。例えば、加熱処理は酸素雰囲気で行うことが好ましい。これにより、酸化物330aおよび酸化物330bに酸素を供給して、酸素欠損VOの低減を図ることができる。また、このような熱処理を行うことで、酸化物330bの結晶性を向上させることができる。また、加熱処理は減圧状態で行ってもよい。または、酸素雰囲気で加熱処理した後に、大気に露出せずに連続して窒素雰囲気で加熱処理を行ってもよい。
次に絶縁膜350Aを成膜する(図32(A)乃至図32(D)参照)。絶縁膜350Aの成膜前に加熱処理を行ってもよく、当該加熱処理は、減圧下で行い、大気に暴露することなく、連続して絶縁膜350Aを成膜してもよい。また、当該加熱処理は、酸素を含む雰囲気で行うことが好ましい。このような処理を行うことによって、酸化物330bの表面などに吸着している水分および水素を除去し、さらに酸化物330a、および酸化物330b中の水分濃度および水素濃度を低減させることができる。加熱処理の温度は、100℃以上400℃以下が好ましい。
絶縁膜350Aは、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、ALD法などを用いて成膜することができる。また、絶縁膜350Aは、水素原子が低減または除去されたガスを用いた成膜方法で成膜することが好ましい。これにより、絶縁膜350Aの水素濃度を低減することができる。絶縁膜350Aは、後の工程で酸化物330bと接する絶縁体350となるので、このように水素濃度が低減されていることが好適である。
また、絶縁膜350AはALD法を用いて成膜することが好ましい。微細化されたトランジスタ112の、ゲート絶縁膜として機能する絶縁体350の膜厚は、極めて薄く(例えば、5nm以上30nm以下程度。)、且つバラつきが小さくなるようにする必要がある。これに対して、ALD法は、プリカーサと、リアクタント(酸化剤)を交互に導入して行う成膜方法であり、このサイクルを繰り返す回数によって膜厚を調節することができるため、精密な膜厚調節が可能である。よって、微細化されたトランジスタ112が要求するゲート絶縁膜の精度を達成することができる。また、絶縁膜350Aは、絶縁体380等によって形成される開口の底面および側面に、被覆性良く成膜される必要がある。当該開口の底面および側面において、原子の層を一層ずつ堆積させることができるので、絶縁膜350Aを当該開口に対して良好な被覆性で成膜することができる。
また、例えば、PECVD法を用いて絶縁膜350Aの成膜を行う場合、水素を含む成膜ガスがプラズマ中で分解されて、大量の水素ラジカルが発生する。水素ラジカルの還元反応によって、酸化物330b中の酸素が引き抜かれてVOHが形成されると、酸化物330b中の水素濃度が高くなる。しかしながら、ALD法を用いて絶縁膜350Aを成膜すると、プリカーサの導入時もリアクタントの導入時も、水素ラジカルの発生を抑制することができる。よって、ALD法を用いて絶縁膜350Aを成膜することにより、酸化物330b中の水素濃度が高くなることを防ぐことができる。例えば、絶縁膜350Aとして、ALD法を用いて、シリコン酸化膜を成膜すればよい。
次に、酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行う。ここで、図32(B)、図32(C)、および図32(D)に示す波状の破線矢印は、マイクロ波、RFなどの高周波、酸素プラズマ、または酸素ラジカルなどを示す。マイクロ波処理は、例えばマイクロ波を用いた高密度プラズマを発生させる電源を有する、マイクロ波処理装置を用いることが好ましい。また、マイクロ波処理装置は基板側にRFを印加する電源を有してもよい。高密度プラズマを用いることより、高密度の酸素ラジカルを生成することができる。また、基板側にRFを印加することで、高密度プラズマによって生成された酸素イオンを、効率よく酸化物330b中に導くことができる。また、上記マイクロ波処理は、減圧下で行うことが好ましく、圧力を60Pa以上、好ましくは133Pa以上、より好ましくは200Pa以上、さらに好ましくは400Pa以上とすればよい。また、酸素流量比(O2/O2+Ar)が50%以下、好ましくは10%以上30%以下で行うとよい。また、処理温度は、750℃以下、好ましくは500℃以下、例えば400℃程度で行えばよい。また、マイクロ波処理を行った後に、外気に曝すことなく、連続して熱処理を行ってもよい。
酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行うことで、マイクロ波、またはRF等の高周波を用いて酸素ガスをプラズマ化し、当該酸素プラズマを酸化物330bの導電体342aと導電体342bの間の領域に作用させることができる。このとき、マイクロ波、またはRF等の高周波を領域333cに照射することもできる。つまり、図25に示す領域333cに、マイクロ波、またはRF等の高周波、酸素プラズマなどを作用させることができる。プラズマ、マイクロ波などの作用により、領域333cのVOHを分断し、水素Hを領域333cから除去することができる。つまり、領域333cにおいて、「VOH→H+VO」という反応が起きて、領域333cの水素濃度を低減することができる。よって、領域333c中の酸素欠損、およびVOHを低減し、キャリア濃度を低下させることができる。また、領域333cで形成された酸素欠損に、上記酸素プラズマで発生した酸素ラジカル、または絶縁体350に含まれる酸素を供給することで、さらに、領域333c中の酸素欠損を低減し、キャリア濃度を低下させることができる。
一方、図25に示す領域333sd上には、導電体342aおよび導電体342bが設けられている。図32(B)、図32(C)、および図32(D)に示すように、導電体342aおよび導電体342bは、マイクロ波、またはRF等の高周波、酸素プラズマなどの作用を遮蔽するので、これらの作用は領域333sdには及ばない。これにより、マイクロ波処理によって、領域333sdで、VOHの低減、および過剰な量の酸素供給が発生しないので、キャリア濃度の低下を防ぐことができる。
このようにして、酸化物半導体の領域333cで選択的に酸素欠損、およびVOHを除去して、領域333cをi型または実質的にi型とすることができる。さらに、ソース領域またはドレイン領域として機能する領域333sdに過剰な酸素が供給されるのを抑制し、n型化を維持することができる。これにより、トランジスタ112の電気特性の変動を抑制し、基板面内でトランジスタ112の電気特性がばらつくのを抑制することができる。
よって、トランジスタ特性のばらつきが少ない半導体装置を提供することができる。また、信頼性が良好な半導体装置を提供することができる。また、良好な電気特性を有する半導体装置を提供することができる。
また、マイクロ波処理後に減圧状態を保ったままで、加熱処理を行ってもよい。このような処理を行うことで、絶縁膜350A中、酸化物330b中、および酸化物330a中の水素を効率よく除去することができる。また、水素の一部は、導電体342(導電体342a、および導電体342b)にゲッタリングされる場合がある。または、マイクロ波処理後に減圧状態を保ったままで、加熱処理を行うステップを複数回繰り返して行ってもよい。加熱処理を繰り返し行うことで、絶縁膜350A中、酸化物330b中、および酸化物330a中の水素をさらに効率よく除去することができる。なお、加熱処理温度は、300℃以上500℃以下とすることが好ましい。
また、マイクロ波処理を行って絶縁膜350Aの膜質を改質することで、水素、水、不純物等の拡散を抑制することができる。従って、導電体360となる導電膜の成膜などの後工程、または熱処理などの後処理により、絶縁体350を介して、水素、水、不純物等が、酸化物330b、酸化物330aなどへ拡散することを抑制することができる。
なお、本実施の形態では、絶縁膜350Aの成膜後にマイクロ波処理を行ったが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、絶縁膜350Aの成膜前にマイクロ波処理をおこなってもよいし、上記バリア絶縁膜の成膜前または成膜後にマイクロ波処理をおこなってもよい。また、これらのマイクロ波処理は、一回だけでなく、複数回行ってもよい。また、絶縁膜350A、および上記バリア絶縁膜の成膜をPEALD法で行う場合、上記マイクロ波処理を、PEALD装置のプラズマ励起されたリアクタント(酸化剤)の処理で代替してもよい。ここで、リアクタント(酸化剤)としては、酸素ガスを用いればよい。
次に、導電体360aとなる導電膜360A、導電体360bとなる導電膜360Bを順に成膜する(図33(A)乃至図33(D)参照。)。導電膜360Aおよび導電膜360Bの成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、ALD法などを用いて行うことができる。本実施の形態では、CVD法を用いて、導電膜360Aおよび導電膜360Bを成膜する。
次に、CMP処理によって、絶縁膜350A、導電膜360A、および導電膜360Bを、絶縁体380が露出するまで研磨する。当該研磨工程によって、絶縁体350、導電体360a、および導電体360bが形成される(図34(A)乃至図34(D)参照。)。これにより、絶縁体350が、酸化物330bに達する開口および酸化物330bの溝部の内壁(側壁、および底面)を覆うように形成される。また、導電体360は、絶縁体350を介して、上記開口および上記溝部を埋め込むように形成される。
次に、上記の加熱処理と同様の条件で加熱処理を行ってもよい。本実施の形態では、窒素雰囲気にて400℃の温度で1時間の処理を行う。該加熱処理によって、絶縁体350および絶縁体380中の水分濃度および水素濃度を低減させることができる。なお、上記加熱処理後、大気に曝すことなく連続して、絶縁体385の成膜を行ってもよい。
以上により、トランジスタ112を作製できる。図34(B)では、3つのトランジスタ112の断面を示している。この後、トランジスタ112上にトランジスタ111を設ける。トランジスタ111は、トランジスタ112とほぼ同様の工程で作製することができる。以上により、記憶装置100を作製できる。
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、図35(A)および図35(B)を用いて、本発明の記憶装置が実装された半導体装置の一種であるチップ1200の一例を示す。チップ1200には、複数の回路(システム)が実装されている。このように、複数の回路(システム)を一つのチップに集積する技術を、システムオンチップ(System on Chip:SoC)と呼ぶ場合がある。
図35(A)に示すように、チップ1200は、CPU1211、GPU1212、一または複数のアナログ演算部1213、一または複数のメモリコントローラ1214、一または複数のインターフェース1215、一または複数のネットワーク回路1216等を有する。
チップ1200には、バンプ(図示しない)が設けられ、図35(B)に示すように、プリント基板(Printed Circuit Board:PCB)1201の第1の面と接続する。また、PCB1201の第1の面の裏面には、複数のバンプ1202が設けられており、マザーボード1203と接続する。
マザーボード1203には、DRAM1221、フラッシュメモリ1222等の記憶装置が設けられていてもよい。フラッシュメモリ1222として、先の実施の形態に示す半導体装置を用いることが好ましい。先の実施の形態に示す半導体装置をフラッシュメモリ1222に用いることで、フラッシュメモリ1222の記憶容量を大きくすることができる。
CPU1211は、複数のCPUコアを有することが好ましい。また、GPU1212は、複数のGPUコアを有することが好ましい。また、CPU1211、およびGPU1212は、それぞれ一時的にデータを格納するメモリを有していてもよい。または、CPU1211、およびGPU1212に共通のメモリが、チップ1200に設けられていてもよい。また、GPU1212は、多数のデータの並列計算に適しており、画像処理や積和演算に用いることができる。GPU1212に、画像処理回路や、積和演算回路を設けることで、画像処理、および積和演算を低消費電力で実行することが可能になる。
また、CPU1211、およびGPU1212が同一チップに設けられていることで、CPU1211およびGPU1212間の配線を短くすることができ、CPU1211からGPU1212へのデータ転送、CPU1211、およびGPU1212が有するメモリ間のデータ転送、およびGPU1212での演算後に、GPU1212からCPU1211への演算結果の転送を高速に行うことができる。
アナログ演算部1213はA/D(アナログ/デジタル)変換回路、およびD/A(デジタル/アナログ)変換回路の一、または両方を有する。また、アナログ演算部1213に上記積和演算回路を設けてもよい。
メモリコントローラ1214は、DRAM1221のコントローラとして機能する回路、およびフラッシュメモリ1222のインターフェースとして機能する回路を有する。
インターフェース1215は、表示装置、スピーカー、マイクロフォン、カメラ、コントローラなどの外部接続機器とのインターフェース回路を有する。コントローラとは、マウス、キーボード、ゲーム用コントローラなどを含む。このようなインターフェースとして、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)などを用いることができる。
ネットワーク回路1216は、LAN(Local Area Network)などと接続するためのネットワーク回路を有する。また、ネットワークセキュリティー用の回路を有してもよい。
チップ1200には、上記回路(システム)を同一の製造プロセスで形成することが可能である。そのため、チップ1200に必要な回路の数が増えても、製造プロセスを増やす必要が無く、チップ1200を低コストで作製することができる。
GPU1212を有するチップ1200が設けられたPCB1201、DRAM1221、およびフラッシュメモリ1222が設けられたマザーボード1203は、GPUモジュール1204と呼ぶことができる。
GPUモジュール1204は、SoC技術を用いたチップ1200を有しているため、そのサイズを小さくすることができる。また、画像処理に優れていることから、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップPC、携帯型(持ち出し可能な)ゲーム機などの携帯型電子機器に用いることが好適である。また、GPU1212を用いた積和演算回路により、ディープニューラルネットワーク(DNN)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、再帰型ニューラルネットワーク(RNN)、自己符号化器、深層ボルツマンマシン(DBM)、深層信念ネットワーク(DBN)などの手法を実行することができるため、チップ1200をAIチップ、またはGPUモジュール1204をAIシステムモジュールとして用いることができる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態などに示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、先の実施の形態に示す記憶装置を用いた半導体装置の応用例について説明する。先の実施の形態に示す記憶装置は、メモリカード(例えば、SDカード)、USBメモリ、SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)等の各種のリムーバブル記憶装置に適用することができる。図36(A)乃至図36(E)にリムーバブル記憶装置の幾つかの構成例を模式的に示す。例えば、先の実施の形態に示す半導体装置は、パッケージングされたメモリチップに加工され、様々なストレージ装置、リムーバブルメモリに用いられる。
図36(A)はUSBメモリの模式図である。USBメモリ1100は、筐体1101、キャップ1102、USBコネクタ1103および基板1104を有する。基板1104は、筐体1101に収納されている。例えば、基板1104には、メモリチップ1105、コントローラチップ1106が取り付けられている。メモリチップ1105などに先の実施の形態に示す記憶装置または半導体装置を組み込むことができる。
図36(B)はSDカードの外観の模式図であり、図36(C)は、SDカードの内部構造の模式図である。SDカード1110は、筐体1111、コネクタ1112および基板1113を有する。基板1113は筐体1111に収納されている。例えば、基板1113には、メモリチップ1114、コントローラチップ1115が取り付けられている。基板1113の裏面側にもメモリチップ1114を設けることで、SDカード1110の容量を増やすことができる。また、無線通信機能を備えた無線チップを基板1113に設けてもよい。これによって、ホスト装置とSDカード1110間の無線通信によって、メモリチップ1114のデータの読み出し、書き込みが可能となる。メモリチップ1114などに先の実施の形態に示す記憶装置または半導体装置を組み込むことができる。
図36(D)はSSDの外観の模式図であり、図36(E)は、SSDの内部構造の模式図である。SSD1150は、筐体1151、コネクタ1152および基板1153を有する。基板1153は筐体1151に収納されている。例えば、基板1153には、メモリチップ1154、メモリチップ1155、コントローラチップ1156が取り付けられている。メモリチップ1155はコントローラチップ1156のワークメモリであり、例えばDOSRAMチップを用いればよい。基板1153の裏面側にもメモリチップ1154を設けることで、SSD1150の容量を増やすことができる。メモリチップ1154などに先の実施の形態に示す記憶装置または半導体装置を組み込むことができる。
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態7)
図37(A)乃至図37(G)に、本発明の一態様に係る記憶装置または半導体装置を搭載した電子機器の具体例を示す。
<電子機器・システム>
本発明の一態様に係る記憶装置または半導体装置は、様々な電子機器に搭載することができる。電子機器の例としては、例えば、情報端末、コンピュータ、スマートフォン、電子書籍端末、テレビジョン装置、デジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)、パチンコ機などの大型ゲーム機、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、録画再生装置、ナビゲーションシステム、音響再生装置、などが挙げられる。なお、ここで、コンピュータとは、タブレット型のコンピュータ、ノート型のコンピュータ、デスクトップ型のコンピュータの他、サーバシステムのような大型のコンピュータを含むものである。
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信することで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器がアンテナ及び二次電池を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
本発明の一態様の電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)を有していてもよい。
本発明の一態様の電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出す機能等を有することができる。
[情報端末]
本発明の一態様に係る記憶装置または半導体装置を用いて、マイクロコントローラのプログラム保持用記憶装置を形成することができる。よって、本発明の一態様によれば、マイクロコントローラチップを小型にすることができる。
図37(A)には、情報端末の一種である携帯電話(スマートフォン)が図示されている。情報端末5100は、筐体5101と、表示部5102と、を有しており、入力用インターフェースとして、タッチパネルが表示部5102に備えられ、ボタンが筐体5101に備えられている。本発明の一態様に係る、小型化されたマイクロコントローラを用いることで、携帯電話内部の限られた空間を有効に利用することができる。また、携帯電話のストレージに、本発明の一態様に係る記憶装置を用いてもよい。これにより、当該ストレージの単位面積当たりの記憶容量を大きくすることができる。
図37(B)には、ノート型情報端末5200が図示されている。ノート型情報端末5200は、情報端末の本体5201と、表示部5202と、キーボード5203と、を有する。本発明の一態様に係る、小型化されたマイクロコントローラを用いることで、ノート型情報端末内部の限られた空間を有効に利用することができる。また、ノート型情報端末のストレージに、本発明の一態様に係る記憶装置を用いてもよい。これにより、当該ストレージの単位面積当たりの記憶容量を大きくすることができる。
なお、上述では、電子機器としてスマートフォン、およびノート型情報端末を例として、それぞれ図37(A)、図37(B)に図示したが、スマートフォン、およびノート型情報端末以外の情報端末を適用することができる。スマートフォン、およびノート型情報端末以外の情報端末としては、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、デスクトップ型情報端末、ワークステーションなどが挙げられる。
[ゲーム機]
図37(C)は、ゲーム機の一例である携帯ゲーム機5300を示している。携帯ゲーム機5300は、筐体5301、筐体5302、筐体5303、表示部5304、接続部5305、操作キー5306等を有する。筐体5302、および筐体5303は、筐体5301から取り外すことが可能である。筐体5301に設けられている接続部5305を別の筐体(図示せず)に取り付けることで、表示部5304に出力される映像を、別の映像機器(図示せず)に出力することができる。このとき、筐体5302、および筐体5303は、それぞれ操作部として機能することができる。これにより、複数のプレイヤーが同時にゲームを行うことができる。筐体5301、筐体5302、および筐体5303の基板に設けられているチップなどに本発明の一態様に係る記憶装置または半導体装置などを組み込むことができる。
また、図37(D)は、ゲーム機の一例である据え置き型ゲーム機5400を示している。据え置き型ゲーム機5400には、無線または有線でコントローラ5402が接続されている。
携帯ゲーム機5300、据え置き型ゲーム機5400などのゲーム機に本発明の一態様に係る、小型化されたマイクロコントローラを用いることで、ゲーム機内部の限られた空間を有効に利用することができる。また、携帯ゲーム機のストレージに、本発明の一態様に係る記憶装置または半導体装置などを用いてもよい。これにより、当該ストレージの単位面積当たりの記憶容量を大きくすることができる。
図37(C)、図37(D)では、ゲーム機の一例として携帯ゲーム機、および据え置き型ゲーム機を図示しているが、本発明の一態様のマイクロコントローラを適用するゲーム機はこれに限定されない。本発明の一態様のマイクロコントローラを適用するゲーム機としては、例えば、娯楽施設(ゲームセンター、遊園地など)に設置されるアーケードゲーム機、スポーツ施設に設置されるバッティング練習用の投球マシンなどが挙げられる。
[大型コンピュータ]
本発明の一態様の記憶装置または半導体装置などは、大型コンピュータに適用することができる。
図37(E)は、大型コンピュータの一例である、スーパーコンピュータ5500を示す図である。図37(F)は、スーパーコンピュータ5500が有するラックマウント型の計算機5502を示す図である。
スーパーコンピュータ5500は、ラック5501と、複数のラックマウント型の計算機5502と、を有する。なお、複数の計算機5502は、ラック5501に格納されている。また、計算機5502には、複数の基板5504が設けられ、当該基板上に本発明の一態様に係るマイクロコントローラを搭載することができる。本発明の一態様に係る、小型化されたマイクロコントローラを用いることで、大型コンピュータの限られた空間を有効に利用することができる。また、大型コンピュータのストレージに、本発明の一態様に係る記憶装置または半導体装置などを用いてもよい。これにより、当該ストレージの単位面積当たりの記憶容量を大きくすることができる。
図37(E)、図37(F)では、大型コンピュータの一例としてスーパーコンピュータを図示しているが、本発明の一態様に係るマイクロコントローラを適用する大型コンピュータはこれに限定されない。本発明の一態様に係るマイクロコントローラを適用する大型コンピュータとしては、例えば、サービスを提供するコンピュータ(サーバー)、大型汎用コンピュータ(メインフレーム)などが挙げられる。
[電化製品]
図37(G)は、電化製品の一例である電気冷凍冷蔵庫5800を示している。電気冷凍冷蔵庫5800は、筐体5801、冷蔵室用扉5802、冷凍室用扉5803等を有する。
本発明の一態様に係る記憶装置または半導体装置などは、電気冷凍冷蔵庫5800に適用することもできる。例えば、電気冷凍冷蔵庫5800に本発明の一態様に係る小型化されたマイクロコントローラを適用することによって、電気冷凍冷蔵庫の限られた空間を有効に利用することができる。
電化製品の一例として電気冷凍冷蔵庫について説明したが、その他の電化製品としては、例えば、掃除機、電子レンジ、電気オーブン、炊飯器、湯沸かし器、IH調理器、ウォーターサーバ、エアーコンディショナーを含む冷暖房器具、洗濯機、乾燥機、オーディオビジュアル機器などが挙げられる。
本実施の形態で説明した電子機器、その電子機器の機能、その効果などは、他の電子機器の記載と適宜組み合わせることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。