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JP7618966B2 - 気液接触装置 - Google Patents
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JP7618966B2 - 気液接触装置 - Google Patents

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Description

本開示は、気液接触装置に関する。
従来、化学プラントや火力発電所等において、様々な種類のガスを含む排ガス等の被処理ガスから、気液接触を利用して特定のガスを分離、除去または回収するガス分離回収システムが使用されている。例えば、二酸化炭素分離回収システムは、モノエタノールアミン水溶液等の吸収液に二酸化炭素を含むガスを接触させることによって二酸化炭素を吸収分離し、吸収した後の吸収液を加熱しながら気液接触させることによって二酸化炭素を気相に放出させて回収する。
一般的に、ガス分離回収システムに採用される気液接触装置は、液体とガスとの接触面積を増大させるための充填材を有する気液接触部を備える。充填材の表面で液体とガスとが気液接触すると、ガス中の特定ガス成分や熱が液体に吸収される。また、気液接触装置は、このような気液接触部を鉛直方向に複数配列させることで、気液間の接触面積をより増加させ、接触効率を高めている。特に、並列する複数の鉛直な平板を充填材とした気液接触部では、ガスの流通抵抗による圧力損失が少ないので、複数の気液接触部が多段階に積層されても、気液接触処理における消費エネルギーが低く抑えられる。しかし、複数の気液接触部を鉛直方向に積層させた多段階構造では、段数を増やして接触効率を高めるには限界がある。また、吸収塔のような気液接触装置では、気液接触部の容積率を高めるにも限界がある。
これに対して、特許文献1は、それぞれ板状の充填材が設置された複数の気液接触部を水平方向に配列させた多段階構造を有する気液接触装置を開示している。このような気液接触装置によれば、気液接触部を増設しようとする場合、水平方向への拡張となるため、鉛直方向での増段となる気液接触装置と比べて増設しやすい。
また、複数の気液接触部を鉛直方向に積層させた気液接触装置では、気液接触部において液体とガスとが対向流となる。これに対して、特許文献1に開示されている気液接触装置では、気液接触部において、液体は鉛直方向に沿って流れ、ガスは水平方向に沿って流れるので、圧力減少に伴って運転不能となる、いわゆるフラッディング現象が生じづらい。したがって、特許文献1に開示されている気液接触装置では、複数の気液接触部を鉛直方向に積層させた気液接触装置よりも液体の流量を増加させやすくなる。
特開2018-86635号公報
特許文献1に開示されている気液接触装置は、複数の気液接触部を鉛直方向に積層させた気液接触装置よりも上記の点で有利であるが、例えば、気液接触効率をより向上させるなど、更なる改良の余地がある。
そこで、本開示は、気液接触効率を向上させるまたは製造コストを抑えるのに有利な気液接触装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様の気液接触装置は、互いに水平方向で連通し、各々が充填材を設置している複数の領域を有する気液接触部と、複数の領域の配列に沿って複数の領域に液体を順次流通させながら、領域ごとに鉛直方向の上方から充填材に液体を供給する液体供給システムと、複数の領域の配列に沿って複数の領域にガスを順次流通させて、領域ごとに液体と接触させるガス供給システムと、を備え、充填材は、各々が当該充填材への液体の供給方向とガスの供給方向とに平行な板状で、かつ、交互に重ね合わされる第1充填部材と第2充填部材とを含み、第1充填部材および第2充填部材は、少なくとも一部が波板であり、第1充填部材の波板の波打ち方向と、第2充填部材の波板の波打ち方向とは、鉛直方向に対して互いに反対方向に傾斜しており、波板における波形のピッチは、複数の領域の各々に設置されている充填材ごとに異なり、液体供給システムは、複数の領域ごとに、充填材の鉛直方向の下方に一時的に貯留された液体を充填材の鉛直方向の上方へ供給するポンプを備え、ポンプの容量は、波板のピッチの相違に合わせて、複数の領域ごとに異なる。
上記の気液接触装置では、第1充填部材および第2充填部材の全体が、波板であってもよい。第1充填部材および第2充填部材は、それぞれ、鉛直方向の上方側に波板である波板部を有し、鉛直方向の下方側に平板部を有してもよい
本開示によれば、気液接触効率を向上させるまたは製造コストを抑えるのに有利な気液接触装置を提供することができる。
第1実施形態に係る気液接触装置の構成を示す概略図である。 第1実施形態に係る気液接触装置をYZ平面に沿って切断した断面図である。 第1実施形態における一部分解図を含む第3充填材の斜視図である。 第1実施形態における第3充填材をZ方向の上方から見た平面図である。 第1実施形態における充填材の代替品を例示する概略側面図である。 第2実施形態に係る気液接触装置の構成を示す概略図である。 第2実施形態に係る気液接触装置をYZ平面に沿って切断した断面図である。 第2実施形態における一部分解図を含む第3充填材の斜視図である。
以下、いくつかの例示的な実施形態について、図面を参照して説明する。ここで、実施形態に示す寸法、材料、その他、具体的な数値等は例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。図面において、液体が流通する配管系は、実線で簡略的に示されている。また、実質的に同一の機能および構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、本開示に直接関係のない要素については図示を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る気液接触装置1の構成を示す概略図である。気液接触装置1は、液体LとガスGとを接触させることで、ガスGに含まれる特定ガス成分を吸収液としての液体Lに吸収させる。
ガスGとしては、例えば、化学プラントや火力発電所等の設備内で発生した排ガスや反応ガスが挙げられる。この場合、気液接触装置1では、二酸化炭素や、窒素酸化物または硫黄酸化物等の酸性ガスが特定成分として処理される。
液体Lは、ガスGから除去する特定成分に応じて選択される。二酸化炭素を回収・除去する場合には、液体Lとして、環状アミン化合物、アルカノール系アミンやフェノール系アミン、アルカリ金属塩等のアルカリ剤の水溶液が用いられてもよい。硫黄酸化物を除去する場合には、液体Lとして、カルシウム化合物、マグネシウム化合物等のアルカリ剤の水性液が用いられてもよい。例えば、二酸化炭素を回収・除去する場合の液体Lとしてモノエタノールアミン(MEA)水溶液が採用されたとすると、二酸化炭素との反応によって、カルバミン酸塩・アミン塩(カーバメート)、炭酸塩、重炭酸塩等が生じる。
気液接触装置1は、気液接触部2と、液体供給システム3と、ガス供給システム4と、内部に気液接触部2を構成する容器21とを備える。図1以下の各図では、一例としてZ方向を鉛直方向と規定し、以下の説明では、Z方向の上方を単に「上」と、Z方向の下方を単に「下」と、それぞれ簡略して示す場合がある。
容器21は、水平方向に長く伸長した横長形状を有する。図1以下の各図では、一例としてX方向を容器21の長手方向と規定する。容器21は、例えば、X方向に沿った天板21t、底板21bおよび1対の側壁21sと、X方向両端の第1端壁21aおよび第2端壁21dとを有する。つまり、容器21の形状は、より具体的には、X方向に垂直なYZ平面と平行な断面が略長方形になる略四角柱状である。
気液接触部2は、X方向に沿って横方向に配列するように割り当てられる複数の領域として、第1領域2a、第2領域2b、第3領域2cおよび第4領域2dとの4つの領域を有する。気液接触部2の各領域は、従来の一段の気液接触部又は気液接触相に相当する。
また、気液接触部2は、それぞれの領域に充填材22を設置する。以下、第1領域2aに設置される充填材22を第1充填材22aと表記する。同様に、第2領域2bに設置される充填材22を第2充填材22bと、第3領域2cに設置される充填材22を第3充填材22cと、第4領域2dに設置される充填材22を第4充填材22dと、それぞれ表記する。なお、充填材22の具体的形状等については、以下で詳説する。
また、容器21は、気液接触部2において互いに隣り合う2つの領域の境界に、上部仕切り壁23と、上部仕切り壁23とZ方向で対向する下部仕切り壁24とを有する。
複数の上部仕切り壁23は、それぞれ天板21tから底板21bに向かって突出している。複数の上部仕切り壁23のうち、第1領域2aと第2領域2bとの境界に設置されているものが、第1上部仕切り壁23aである。同様に、第2領域2bと第3領域2cとの境界に設置されているものが、第2上部仕切り壁23bである。第3領域2cと第4領域2dとの境界に設置されているものが、第3上部仕切り壁23cである。
複数の下部仕切り壁24は、それぞれ底板21bから天板21tに向かって突出している。複数の下部仕切り壁24のうち、第1領域2aと第2領域2bとの境界に設置されているものが、第1下部仕切り壁24aである。同様に、第2領域2bと第3領域2cとの境界に設置されているものが、第2下部仕切り壁24bである。第3領域2cと第4領域2dとの境界に設置されているものが、第3下部仕切り壁24cである。
上部仕切り壁23と、上部仕切り壁23とZ方向で対向する下部仕切り壁24との間は、開口25である。第1領域2aと第2領域2bとは、第1上部仕切り壁23aと第1下部仕切り壁24aとで挟まれた第1開口25aを介してX方向で連通している。同様に、第2領域2bと第3領域2cとは、第2上部仕切り壁23bと第2下部仕切り壁24bとで挟まれた第2開口25bを介してX方向で連通している。第3領域2cと第4領域2dとは、第3上部仕切り壁23cと第3下部仕切り壁24cとで挟まれた第3開口25cを介してX方向で連通している。
なお、本実施形態では、気液接触部2に4つの領域が割り当てられているが、割り当てられる領域の数は、2つ以上のいずれの数であってもよい。また、本実施形態では、気液接触部2に4つの領域が均等に割り当てられているが、例えば、各領域のX方向の長さがそれぞれ異なっていてもよい。
液体供給システム3は、気液接触部2の複数の領域に配置されているそれぞれの充填材22に液体Lを供給する。液体供給システム3は、液体Lを容器21内に導入する液導入口31aと、液体Lを容器21内から導出する液導出口31bと、複数の領域ごとに設けられる循環システム33とを有する。
本実施形態では、ガス供給システム4に関する説明でも触れるが、容器21には、ガス導入部41と第4領域2dとの間、および、ガス排出部42と第1領域2aとの間に、それぞれ空間領域が設けられている。この場合、液導入口31aは、ガス排出部42と第1領域2aとの間の空間領域に連通するように、容器21の底板21bに設置されてもよい。液導出口31bは、ガス導入部41と第4領域2dとの間の空間領域に連通するように、容器21の底板21bに設置されてもよい。
また、容器21には、複数の下部仕切り壁24の1つとして、第4領域2dと、ガス導入部41と第4領域2dとの間の空間領域との境界に、第4下部仕切り壁24dが設置されている。
循環システム33は、気液接触部2における1つの領域に対して、下側に設けられる液回収口34と、上側に設けられる液分配器35と、液回収口34と液分配器35とを接続する還流管36とを有する。以下、第1領域2a用の循環システム33を第1循環システム33aと表記する。同様に、第2領域2b用の循環システム33を第2循環システム33bと、第3領域2c用の循環システム33を第3循環システム33cと、第4領域2d用の循環システム33を第4循環システム33dと、それぞれ表記する。これらの表記に合わせて、第1循環システム33aに含まれる液回収口34、液分配器35および還流管36を、それぞれ、第1液回収口34a、第1液分配器35aおよび第1還流管36aと表記する。同様に、第2循環システム33bに含まれる液回収口34、液分配器35および還流管36を、それぞれ、第2液回収口34b、第2液分配器35bおよび第2還流管36bと表記する。第3循環システム33cに含まれる液回収口34、液分配器35および還流管36を、それぞれ、第3液回収口34c、第3液分配器35cおよび第3還流管36cと表記する。第4循環システム33dに含まれる液回収口34、液分配器35および還流管36を、それぞれ、第4液回収口34d、第4液分配器35dおよび第4還流管36dと表記する。
ここで、容器21の底板21bは、気液接触部2の領域ごとに、例えば中央が最も低くなるように傾斜した凹型、いわゆる漏斗状に形成されている。複数の液回収口34は、それぞれ、対応する底板21bの凹型の底部に接続される。
液分配器35は、還流管36を通じて供給された液体Lを下方に向けて分散させる。液分配器35としては、例えば、ドリップポイントの密度(面積当たりの液体の供給点数)が100~3000点/m程度、より望ましくは500~3000点/m程度である、いわゆるシャワーヘッド式の液分配器を採用可能である。シャワーヘッド式の液分配器は、例えば、液体Lを各ドリップポイントへ誘導して分配するための分配管を主体として構成される。
還流管36には、液回収口34と液分配器35との間に、送液エネルギーを供給する動力源としてのポンプ37が設置される。液回収口34に集められた液体Lは、ポンプ37の駆動により、液分配器35へ供給される。ポンプ37は、作業者による駆動調節により、還流管36を流れる液体Lの流量を調整することができる。以下、第1領域2a用のポンプ37を第1ポンプ37aと表記する。同様に、第2領域2b用のポンプ37を第2ポンプ37bと、第3領域2c用のポンプ37を第3ポンプ37cと、第4領域2d用のポンプ37を第4ポンプ37dと、それぞれ表記する。
また、還流管36には、液体Lの温度を調整する熱交換器38が設置されてもよい。以下で詳説するが、本実施形態では、液導入口31aから気液接触部2に導入された液体Lは、第1領域2aから順次、隣り合う領域に移動していく。ここで、各領域間を順次移動する間の気液接触により液体Lに温度変化が生じる場合には、熱交換器38を用いて液体Lの温度変化を抑えることができる。以下、第1領域2a用の熱交換器38を第1熱交換器38aと表記する。同様に、第2領域2b用の熱交換器38を第2熱交換器38bと、第3領域2c用の熱交換器38を第3熱交換器38cと、第4領域2d用の熱交換器38を第4熱交換器38dと、それぞれ表記する。
液体供給システム3では、まず、液体Lは、液導入口31aから気液接触部2内の第1領域2aに導入される。液導入口31aは、容器21の底板21bに接続されているので、導入された液体Lは、第1領域2a内の第1液回収口34aに向かう。次に、第1ポンプ37aが駆動すると、第1液回収口34aで回収された液体Lは、第1還流管36aを通じて第1液分配器35aに供給される。そして、第1液分配器35aは、供給された液体Lを下方に向けて散布する。第1液分配器35aの下方には第1充填材22aが配置されているので、第1液分配器35aによる液体Lの散布により、第1充填材22aが液体Lで濡らされる。第1充填材22aに付着した液体Lは、いずれ、第1領域2a内の底板21bに向かって流れ落ちる。底板21bには、第1液回収口34aが接続されているので、液体Lは、第1領域2a内で循環することになる。
一方、容器21の底板21bにおける第1領域2aと第2領域2bとの境界には、第1下部仕切り壁24aが設置されている。そのため、液導入口31aからの液体Lの導入と、第1充填材22aからの液体Lの流下とが行われていても、第1領域2a内の底板21b上には、ある一定量の液体Lが一時的に貯留される。しかし、液導入口31aからの液体Lの導入が進むにつれて、第1領域2a内で貯留される液体Lの量が徐々に増加する。そして、貯留されている液体Lの液面レベルが第1下部仕切り壁24aの高さを超えると、新たな導入量に対応する分の液体Lは、第1下部仕切り壁24aを乗り越えて、隣の第2領域2bへ流入する。
第2領域2bに流入した液体Lは、第2領域2b内の第2液回収口34bに向かう。第2ポンプ37bが駆動すると、第2液回収口34bで回収された液体Lは、第2還流管36bを通じて第2液分配器35bに供給され、第2液分配器35bから下方に向けて散布される。第2液分配器35bによる液体Lの散布により、第2液分配器35bの下方に配置されている第2充填材22bが液体Lで濡らされる。第2充填材22bに付着した液体Lは、いずれ、第2領域2b内の底板21bに向かって流れ落ち、第2液回収口34bで再度回収される。つまり、液体Lは、第2領域2b内でも循環することになる。一方、底板21bにおける第2領域2bと第3領域2cとの境界には、第2下部仕切り壁24bが設置されている。そのため、第1領域2aと同様に、第2領域2b内の底板21b上には、ある一定量の液体Lが一時的に貯留される。しかし、貯留されている液体Lの液面レベルが第2下部仕切り壁24bの高さを超えると、第1領域2aからの新たな流入量に対応する分の液体Lは、第2下部仕切り壁24bを乗り越えて、隣の第3領域2cへ流入する。
第3領域2cに流入した液体Lは、第3領域2c内の第3液回収口34cに向かう。第3ポンプ37cが駆動すると、第3液回収口34cで回収された液体Lは、第3還流管36cを通じて第3液分配器35cに供給され、第3液分配器35cから下方に向けて散布される。第3液分配器35cによる液体Lの散布により、第3液分配器35cの下方に配置されている第3充填材22cが液体Lで濡らされる。第3充填材22cに付着した液体Lは、いずれ、第3領域2c内の底板21bに向かって流れ落ち、第3液回収口34cで再度回収される。つまり、液体Lは、第3領域2c内でも循環することになる。一方、底板21bにおける第3領域2cと第4領域2dとの境界には、第3下部仕切り壁24cが設置されている。そのため、第1領域2aと同様に、第3領域2c内の底板21b上には、ある一定量の液体Lが一時的に貯留される。しかし、貯留されている液体Lの液面レベルが第3下部仕切り壁24cの高さを超えると、第2領域2bからの新たな流入量に対応する分の液体Lは、第3下部仕切り壁24cを乗り越えて、隣の第4領域2dへ流入する。
第4領域2dに流入した液体Lは、第4領域2d内の第4液回収口34dに向かう。第4ポンプ37dが駆動すると、第4液回収口34dで回収された液体Lは、第4還流管36dを通じて第4液分配器35dに供給され、第4液分配器35dから下方に向けて散布される。第4液分配器35dによる液体Lの散布により、第4液分配器35dの下方に配置されている第4充填材22dが液体Lで濡らされる。第4充填材22dに付着した液体Lは、いずれ、第4領域2d内の底板21bに向かって流れ落ち、第4液回収口34dで再度回収される。つまり、液体Lは、第4領域2d内でも循環することになる。容器21の底板21bにおける第4領域2dと、ガス導入部41と第4領域2dとの間の空間領域との境界には、第4下部仕切り壁24dが設置されている。そのため、第1領域2aと同様に、第4領域2d内の底板21b上には、ある一定量の液体Lが一時的に貯留される。しかし、貯留されている液体Lの液面レベルが第4下部仕切り壁24dの高さを超えると、第3領域2cからの新たな流入量に対応する分の液体Lは、第4下部仕切り壁24dを乗り越えて、ガス導入部41と第4領域2dとの間の空間領域へ流入する。
そして、ガス導入部41と第4領域2dとの間の空間領域に流入した液体Lは、液導出口31bに向かい、容器21内から外部に導出される。
ガス供給システム4は、気液接触部2にガスGを流通させる。ガス供給システム4は、管状のガス導入部41と、管状のガス排出部42とを有する。本実施形態では、ガスGを、第4領域2d、第3領域2c、第2領域2bそして第1領域2aの順に流通させる。つまり、各領域において、液体供給システム3により液体Lが散布される方向と、ガス供給システム4によりガスGが供給される方向とは、互いに交差している。
ガス導入部41は、最初に流通する第4領域2dに連通するように、容器21の第2端壁21dの略中央に設けられる。ガス排出部42は、最後に流通する第1領域2aに連通するように、容器21の第1端壁21aの略中央に設けられる。容器21には、ガス導入部41と第4領域2dとの間、および、ガス排出部42と第1領域2aとの間に、それぞれ空間領域が設けられている。
また、ガス供給システム4には、ガス排出部42から排出されるガスGに微小液滴が同伴排出されるのを抑えるために、ガス排出部42と第1領域2aとの間の空間領域にデミスター43が設置されてもよい。デミスター43としては、金網、多孔板等の網状または多孔質の部材が使用可能である。
なお、本実施形態では、ガス供給システム4におけるガスGの供給は、外部から供給されるガスGの流圧を利用して行うものとし、図中、ガス供給用の動力源は記載されていない。ただし、必要に応じて、ポンプやファン等の送気手段が用いられてもよい。
ガス供給システム4では、まず、ガスGは、ガス導入部41から気液接触部2内の第4領域2dに導入される。第4領域2dには第4充填材22dが配置されているので、ガスGは、第4充填材22dの内部空間等を通過し、第3開口25cに向かう。次に、ガスGは、第3開口25cを介して第4領域2dから第3領域2cに導入される。第3領域2cには第3充填材22cが配置されているので、ガスGは、第3充填材22cの内部空間等を通過し、第2開口25bに向かう。次に、ガスGは、第2開口25bを介して第3領域2cから第2領域2bに導入される。第2領域2bには第2充填材22bが配置されているので、ガスGは、第2充填材22bの内部空間等を通過し、第1開口25aに向かう。次に、ガスGは、第1開口25aを介して第2領域2bから第1領域2aに導入される。第1領域2aには第1充填材22aが配置されているので、ガスGは、第1充填材22aの内部空間等を通過し、ガス排出部42に向かう。そして、ガスGは、ガス排出部42を介して容器21内から外部に導出される。
ここで、天板21t側にある複数の上部仕切り壁23の高さは、その下端が充填材22に接するように設定される。これにより、上部仕切り壁23は、ガスGが充填材22の内部空間を回避してその上方を流れることを抑えることができる。一方、底板21b側にある複数の下部仕切り壁24の高さは、充填材22の下端より高く、かつ、液体Lの貯留が一定レベルで維持できるように設定される。換言すれば、気液接触部2における各領域で貯留される液体Lの液面レベルは、充填材22の下端に達する程度に、つまり、充填材22の下端は、貯留されている液体Lに接触する程度に設定される。これにより、下部仕切り壁24は、ガスGが充填材22の内部空間を回避してその下方を流れることを抑えることができる。
次に、本実施形態で採用される充填材22について詳説する。気液接触部2には、4つの充填材、すなわち、第1充填材22a、第2充填材22b、第3充填材22cおよび第4充填材22dが存在する。本実施形態では、これらの充填材の形状等は、互いに同一である。そこで、以下の充填材22の説明では、代表として第3充填材22cを取り上げる。
図2は、図1に示す気液接触部2の第3領域2cに設定されたII-II断面に相当し、気液接触装置1をYZ平面に沿って切断した断面図である。図3は、一部分解図を含む第3充填材22cの斜視図である。
第3充填材22cは、複数の充填部材を組み合わせて構成される。複数の充填部材は、それぞれ波板である。また、本実施形態では、それぞれの充填部材は、互いに波打ち方向が異なる2種類の充填部材、すなわち、第1充填部材50または第2充填部材51のいずれかに分類される。本実施形態では、第1充填部材50および第2充填部材51の波形のピッチおよび板厚は、互いに同一である。なお、第1充填部材50と第2充填部材51とにおけるピッチは、互いに異なっていてもよい。また、第1充填部材50と第2充填部材51とにおける板厚は、互いに異なっていてもよい。
また、第1充填部材50および第2充填部材51をそれぞれ全体として1つの平板体とみなした場合、これらの平板体の主平面は、XZ平面と平行となる。つまり、第1充填部材50および第2充填部材51は、第3充填材22cにおいてXZ平面に沿った姿勢に維持される。ここで、X方向は、第3充填材22cへのガスGの導入方向に相当する。Z方向は、第3液分配器35cから第3充填材22cへの液体Lの散布方向に相当する。また、本実施形態では、第1充填部材50と第2充填部材51とのX方向、Y方向およびZ方向の各寸法は、おおよそ、互いに同一である。
第1充填部材50は、Y方向に沿って突出する複数の第1山部50aと、第1山部50aとは反対側に突出する複数の第1谷部50bとを有する。つまり、第1充填部材50の波形は、第1山部50aと第1谷部50bとの交互の組み合わせで形成される。第1山部50aおよび第1谷部50bの延伸方向は、図3に示すように、Z方向に対してX方向マイナス側に第1角度θ1分傾斜している。なお、第1充填部材50の波打ち方向は、第1山部50aおよび第1谷部50bの延伸方向とはXZ平面上で直角に交差する方向となる。
第2充填部材51は、Y方向に沿って突出する複数の第2山部51aと、第2山部51aとは反対側に突出する複数の第2谷部51bとを有する。つまり、第2充填部材51の波形は、第2山部51aと第2谷部51bとの交互の組み合わせで形成される。第2山部51aおよび第2谷部51bの延伸方向は、図3に示すように、Z方向に対してX方向プラス側に第2角度θ2分傾斜している。なお、第2充填部材51の波打ち方向は、第2山部51aおよび第2谷部51bの延伸方向とはXZ平面上で直角に交差する方向となる。
このように、第1角度θ1と第2角度θ2とがZ方向に対して傾斜する方向は、X方向の互いに反対側となる。つまり、第1充填部材50の波板の波打ち方向と、第2充填部材51の波板の波打ち方向とは、Z方向に対して互いに反対方向に傾斜している。また、本実施形態では、第1角度θ1および第2角度θ2は、それぞれ45°である。この場合、第1充填部材50の波打ち方向と第2充填部材51の波打ち方向とは、XZ平面上で互いに直交することになる。なお、第1角度θ1および第2角度θ2は、45°以外の値であってもよいが、少なくとも、1°~89°の範囲内にある。また、第1角度θ1と第2角度θ2との値は、互いに異なっていてもよい。
また、第3充填材22cでは、第1充填部材50と第2充填部材51とは、Y方向に沿って交互に重ね合わされる。本実施形態では、第3充填材22cは、一例として、4つの第1充填部材50と、4つの第2充填部材51とを含む。つまり、第3充填材22cは、8つの充填部材が組み合わされて構成されることになる。8つの充填部材は、それぞれ概略形状が同一である平板体とみなすことができるので、第3充填材22cの概略形状は、直方体状となる。
気液接触装置1を構成する各部は、ガスGの成分や液体Lに含まれる化学薬剤に対して耐性を有する素材で製造される。そのような素材として、例えば、ステンレス綱、アルミニウム、ニッケル、チタン、炭素鋼、真鍮、銅、モネル、銀、スズ、ニオブ等の金属や、ポリエチレン、ポリプロピレン、PTFE等の樹脂が挙げられる。また、充填材22を構成する第1充填部材50や第2充填部材51等の充填部材も、少なくとも表面がガスGまたは液体Lとの反応(腐食)を生じない耐食性の素材で構成される。充填部材の素材は、やすりがけ、サンドブラスト処理、紫外線オゾン処理、プラズマ処理などの表面加工によって表面に微小な凹凸を形成して表面粗さを付与したものであってもよい。または、充填部材の素材は、コーティング等による表面の改質によって、使用条件に合うように調製したものであってもよい。
次に、気液接触装置1の作用について説明する。
まず、気液接触装置1は、液体供給システム3を動作させて、液体Lを気液接触部2に供給する。これにより、気液接触部2内の第1領域2a、第2領域2b、第3領域2cおよび第4領域2dでは、領域ごとに配置されている各充填材22に、液体Lが順次散布される。
図4は、複数の充填材22の代表としての第3充填材22cをZ方向の上方から見た平面図である。第3充填材22cをはじめとする各充填材22では、第1充填部材50と第2充填部材51とが、交互に、かつ、互いに接触して組み合わされている。ここで、第1充填部材50および第2充填部材51は、それぞれ波板である。したがって、第1充填部材50と第2充填部材51とが組み合わされている状態では、第1谷部50bの一部と第2山部51aの一部、および、第2谷部51bの一部と第1山部50aの一部が、それぞれ接触することになる。
また、第1充填部材50および第2充填部材51では、波形を形成する各壁部間が空間部となる。一方、第1充填部材50における第1山部50aおよび第1谷部50bの延伸方向は、Z方向に対して第1角度θ1分傾斜している。同様に、第2充填部材51における第2山部51aおよび第2谷部51bの延伸方向は、Z方向に対して第2角度θ2分傾斜している。したがって、図4に示すようにZ方向の上方から第3充填材22cを見た場合、第1充填部材50および第2充填部材51に存在する空間部を通じて、第1充填部材50または第2充填部材51のいずれかの壁部の一部が視認されることになる。換言すれば、Z方向の上方から第3充填材22cを見た場合、第1充填部材50および第2充填部材51に存在する空間部を貫通して第3充填材22cの奥側を視認することができない。
したがって、例えば、図2に示すように、第3領域2cにおいて第3液分配器35cから第3充填材22cに向けて散布された液体Lは、第3充填材22cの下方にある底板21b上の貯留部分に到達するまでの間に、第3充填材22cのいずれかの部分に接触する。第3充填材22cに到達した液体Lは、第1充填部材50の第1角度θ1で傾斜している壁面、または、第2充填部材51の第2角度θ2で傾斜している壁面を伝って流れることで、各壁面に液膜を形成する。最終的に、液体Lは、底板21bに向かって流れ落ちる。
一方、液体Lは、当初、第3液分配器35cから第3充填材22cに向かうようにZ方向に沿って散布される。しかし、液体Lが第3充填材22cに到達した後では、各充填部材の波形の傾斜に伴って、液体Lの進行方向が変化する。ここで、もし、充填材22を構成する複数の充填部材の波形が、X方向プラス側またはX方向マイナス側のいずれかに傾くように偏っているとすると、充填材22内で液体Lが流れ落ちる方向が偏る。したがって、この場合、充填材22は、液体Lで濡らされやすい領域と、液体Lで濡らされづらい領域とに大きく分かれるおそれがある。
これに対して、本実施形態では、第3充填材22cでは、波形がX方向マイナス側に傾いている第1充填部材50と、波形がX方向プラス側に傾いている第2充填部材51とが交互に重ね合わされている。したがって、第3充填材22cは、液体Lで濡らされやすい領域と、液体Lで濡らされづらい領域とに大きく分かれづらいので、結果として、第1充填部材50および第2充填部材51の各壁面の可能な限り広い範囲に液体Lの液膜を形成することができる。
なお、図4を参照した説明では、複数の充填材22の代表として第3充填材22cに着目したが、その他の第1充填材22a、第2充填材22b及び第4充填材22dについても、同様に液体Lに濡らされる。また、気液接触部2における液体Lの移動については、上記の液体供給システム3の説明のとおりである。
次に、気液接触装置1は、ガス供給システム4を動作させて、ガスGを気液接触部2に供給する。まず、ガス導入部41から気液接触部2に導入されたガスGは、第4領域2d内の第4充填材22dに向かう。第4充填材22dは、上記説明した第3充填材22cと同様に、第1充填部材50と第2充填部材51とが交互に重ね合わされている。したがって、ガスGは、第1充填部材50と第2充填部材51とのいずれかの空間部に進入しても、互いに向かい合う第1充填部材50と第2充填部材51との双方の波形の影響を受けて、全体として、おおよそX方向に沿って第4充填材22dから導出される。引き続き、第4充填材22dから導出されたガスGは、同様に第3領域2c、第2領域2bそして第1領域2aの順に流通する。これにより、各領域では、各充填材22に形成されている液体Lの液膜と、ガス供給システム4から供給されたガスGとが接触し、ガスG中の特定ガス成分等が液体Lに吸収される。そして、特定ガス成分等を吸収した液体Lは、いずれ、液導出口31bから容器21の外部へ導出される。
本実施形態では、液体供給システム3によって供給される液体Lが各領域を流通する順序は、ガス供給システム4によって供給されるガスGが各領域を流通する順序と逆であるので、気液接触部2全体では対向流接触が実施されることになる。これに対して、気液接触装置1は、ガス導入部41とガス排出部42との設置位置を逆にし、液体LおよびガスGを同じ順序で各領域に供給させれば、並行流接触を実施することができる。
ここで、ガスGと液体Lとを接触させる際のガスGの流通抵抗は、気液接触装置1の動作時の消費エネルギーに影響する。そこで、1つの充填材22における充填部材の大きさや構成枚数、各充填部材の板厚、または、各充填部材の波形を規定するピッチの寸法などは、充填材22における単位容積当たりの濡れ面積(気液接触面積)などを考慮して設定される。
また、上記説明では、気液接触部2の各領域に設置される各充填材22の形状等は、互いに同一であるものとしたが、領域ごとに充填材22の形状を異ならせてもよい。
図5は、気液接触部2において、第1充填材22a、第2充填材22b、第3充填材22cおよび第4充填材22dに代替することができる、第1充填材122a、第2充填材122b、第3充填材122cおよび第4充填材122dを例示する概略側面図である。
第1充填材122aは、上記の第1充填材22aに代わる、第1領域2aに設置される充填材である。図5では、第1充填材122aの一部として、第1山部60aを有する波板の第1充填部材60が描画されている。また、第1山部60a同士の間隔として表される第1充填部材60の波形のピッチは、第1ピッチP1である。なお、不図示であるが、第1充填材122aは、第1充填材22aにおける第2充填部材51と同様に、第2充填部材を含む。
第2充填材122bは、上記の第2充填材22bに代わる、第2領域2bに設置される充填材である。図5では、第2充填材122bの一部として、第1山部62aを有する波板の第1充填部材62が描画されている。また、第1山部62a同士の間隔として表される第1充填部材62の波形のピッチは、第2ピッチP2である。なお、不図示であるが、第2充填材122bは、第2充填材22bにおける第2充填部材51と同様に、第2充填部材を含む。
第3充填材122cは、上記の第3充填材22cに代わる、第3領域2cに設置される充填材である。図5では、第3充填材122cの一部として、第1山部64aを有する波板の第1充填部材64が描画されている。また、第1山部64a同士の間隔として表される第1充填部材64の波形のピッチは、第3ピッチP3である。なお、不図示であるが、第3充填材122cは、第3充填材22cにおける第2充填部材51と同様に、第2充填部材を含む。
第4充填材122dは、上記の第4充填材22dに代わる、第4領域2dに設置される充填材である。図5では、第4充填材122dの一部として、第1山部66aを有する波板の第1充填部材66が描画されている。また、第1山部66a同士の間隔として表される第1充填部材66の波形のピッチは、第4ピッチP4である。なお、不図示であるが、第4充填材122dは、第4充填材22dにおける第2充填部材51と同様に、第2充填部材を含む。
複数の充填材同士で比較した場合、充填部材の波形のピッチが小さく、また、構成枚数が多い充填材の方が、気液接触面積が大きくなるものの、ガスGの流通抵抗が増える。そこで、図5に示すように、ガスGの導入位置に最も近い第4充填材122dから、ガスGの導入位置から最も遠い第1充填材122aに向かって、徐々に波形のピッチが小さくなるように複数の充填部材の形状を設定してもよい。つまり、図5に示す例では、第4ピッチP4>第3ピッチP3>第2ピッチP2>第1ピッチP1の関係が成り立つ。このように各充填材122において複数の充填部材の形状を設定することで、気液接触部2全体において、気液接触面積の大きさとガスGの流通抵抗とのバランスを取り、最も適切な気液接触効率を得ることができる。
一方、図5に示すように、気液接触部2の領域ごとに充填材を構成する充填部材の形状を変化させると、領域ごとに許容される液体LまたはガスGの流量等も異なる。そのため、液体供給システム3の一部として領域ごとに存在する各ポンプ37に要求される容量もそれぞれ異なる。そこで、例えば、気液接触部2のある領域において、充填部材の形状を変化させたことで、ポンプ37の容量を低下させることができるのであれば、必ずしも高容量のポンプ37を採用しなくてもよい。
次に、気液接触装置1の効果について説明する。
本実施形態に係る気液接触装置1は、互いに水平方向で連通し、各々が充填材22を設置している複数の領域、例えば、第1領域2a、第2領域2b、第3領域2cおよび第4領域2dを有する気液接触部2を備える。気液接触装置1は、複数の領域の配列に沿って複数の領域に液体Lを順次流通させながら、領域ごとに鉛直方向の上方から充填材22に液体Lを供給する液体供給システム3を備える。また、気液接触装置1は、複数の領域の配列に沿って複数の領域にガスGを順次流通させて、領域ごとに液体Lと接触させるガス供給システム4を備える。充填材22は、各々が当該充填材22への液体Lの供給方向とガスの供給方向とに平行な板状で、かつ、交互に重ね合わされる第1充填部材50と第2充填部材51とを含む。第1充填部材50および第2充填部材51は、少なくとも一部が波板である。第1充填部材50の波板の波打ち方向と、第2充填部材51の波板の波打ち方向とは、鉛直方向に対して互いに反対方向に傾斜している。
まず、気液接触装置1によれば、気液接触部2では、それぞれ充填材22が設置された複数の領域が水平方向に配列されることになる。したがって、気液接触部を増設しようとする場合、水平方向への拡張となるため、鉛直方向での増段となる気液接触装置と比べて増設しやすい。また、気液接触装置1によれば、気液接触部2では、液体Lはおおよそ鉛直方向に沿って流れ、ガスGはおおよそ水平方向に沿って流れるので、フラッディング現象が生じづらい。したがって、気液接触装置1では、複数の気液接触部を鉛直方向に積層させた気液接触装置よりも、液体Lの流量を増加させやすくなる。ただし、ガスGの流速としては、ガスGの流れで液体Lが充填材22の表面から飛ばされることを抑えることを考慮すると、1.0m/s以下に設定することが望ましい。
また、気液接触装置1では、充填材22を構成する第1充填部材50および第2充填部材51のそれぞれの少なくとも一部が波板である。また、第1充填部材50の波板の波打ち方向と第2充填部材51の波板の波打ち方向とは、鉛直方向に対して互いに反対方向に傾斜している。そして、第1充填部材50と第2充填部材51とは、交互に重ね合わされる。このような条件を踏まえると、充填材22の形状は、図4を用いて説明したとおり、各領域において、液分配器35から充填材22に向けて散布された液体Lは、充填材22の下方に流れ落ちる間に、充填材22のいずれかの部分に接触することになる。したがって、気液接触装置1によれば、充填材22での気液接触面積をより広範囲としつつ、充填材22の壁面に液体Lの液膜をより効率よく形成させることができるので、結果として、気液接触効率を向上させることができる。
なお、比較例として、充填材を構成する複数の充填部材がすべて一定の間隔で互いに離間する平板である場合を考える。この場合、液分配器35から散布された液体Lの中には、直接的に平板に付着して壁面に液膜を形成するものがある一方、平板に付着することなく、そのまま鉛直方向の下方に落下するものもある。つまり、本実施形態と比較すれば、気液接触に利用される液体Lは少ない。
ここで、第1充填部材50および第2充填部材51は、図1以下で例示したように、その全体が波板となっている方が、充填材22においてより広範囲に液体Lの液膜を形成する観点から望ましい。ただし、本実施形態では、これに限らず、第1充填部材50および第2充填部材51の一部が波板ではなく、ある程度の範囲のみが波板であれば、全体が平板である場合に比べて上記の効果を奏し得る。
このように、本実施形態によれば、気液接触効率を向上させるのに有利な気液接触装置1を提供することができる。
なお、第1充填部材50と第2充填部材51とが交互に重ね合わされるとは、必ずしも第1充填部材50と第2充填部材51とが1つずつ交互に重ね合わされる場合に限られない。例えば、2つの第1充填部材50が重ね合わされたユニットと、2つの第2充填部材51が重ね合わされたユニットとが、交互に重ね合わされるものとしてもよい。
また、気液接触装置1では、波板における波形のピッチは、複数の領域の各々に設置されている充填材22ごとに異なってもよい。
このような気液接触装置1によれば、図5を用いて説明したとおり、気液接触部2全体において、気液接触面積の大きさとガスGの流通抵抗とのバランスを取り、最も適切な気液接触効率を得ることができる。
また、気液接触装置1では、液体供給システム3は、複数の領域ごとに、充填材22の鉛直方向の下方に一時的に貯留された液体Lを充填材22の鉛直方向の上方へ供給するポンプ37を備えてもよい。この場合、ポンプ37の容量は、波板のピッチの相違に合わせて、複数の領域ごとに異なってもよい。
このような気液接触装置1によれば、図5を用いて説明したとおり、領域ごとに設置される複数のポンプ37のそれぞれの容量を、ある領域で最も容量を必要とするポンプ37に一律に合わせる必要がない。したがって、ある領域に設置されるポンプ37によっては、低容量のものを採用することができ、結果として、気液接触装置1の製造コストを抑えることができる。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態に係る気液接触装置10の構成を示す概略図である。第1実施形態では、気液接触部2の各領域に配置される充填材22が、全体形状が波形である複数の充填部材を含むものとした。これに対して、本実施形態では、第1実施形態における充填材22に代わる充填材222が、一部の形状が波形である複数の充填部材を含む。第1実施形態と同様に、気液接触部2には、4つの充填材、すなわち、第1充填材222a、第2充填材222b、第3充填材222cおよび第4充填材222dが存在する。本実施形態では、これらの充填材の形状等は、互いに同一である。そこで、以下の充填材222の説明では、代表として第3充填材222cを取り上げる。また、気液接触装置10において、第1実施形態に係る気液接触装置1と同一構成には同一の符号を付し、詳細説明を省略する。
図7は、図6に示す気液接触部2の第3領域2cに設定されたVII-VII断面に相当し、気液接触装置10をYZ平面に沿って切断した断面図である。図8は、一部分解図を含む第3充填材222cの斜視図である。
第3充填材222cは、第1実施形態における第3充填材22cと同様に、複数の充填部材を組み合わせて構成される。具体的には、第3充填材222cは、第1実施形態における第1充填部材50に対応する複数の第1充填部材70と、第1実施形態における第2充填部材51に対応する複数の第2充填部材71とを有する。
第1充填部材70は、Z方向の上方側の第1波板部70aと、Z方向の下方側の第1平板部70bとを含む。第1波板部70aと第1平板部70bとは、溶接や接着などにより、Z方向で対向する端部同士で接続されている。したがって、第1充填部材70は、全体として1つの平板体とみなされる。
第1波板部70aの形状は、第1実施形態における第1充填部材50の形状と同様に規定される。第1波板部70aは、Y方向に沿って突出する複数の第1山部70cと、第1山部70cとは反対側に突出する複数の第1谷部70dとを有する。第1山部70cおよび第1谷部70dの延伸方向は、図8に示すように、Z方向に対してX方向マイナス側に第1角度θ1分傾斜している。一方、第1平板部70bは、主平面がXZ平面と平行となる平板である。第1充填部材70も第3充填材222cにおいてXZ平面に沿った姿勢に維持されるので、第1平板部70bの板厚は、当該姿勢を維持するのに十分な強度を有する程度に設定される。
第2充填部材71は、Z方向の上方側の第2波板部71aと、Z方向の下方側の第2平板部71bとを含む。第2波板部71aと第2平板部71bとは、溶接や接着などにより、Z方向で対向する端部同士で接続されている。したがって、第2充填部材71は、第1充填部材70と同様に、全体として1つの平板体とみなされる。
第2波板部71aの形状は、第1実施形態における第2充填部材51の形状と同様に規定される。第2波板部71aは、Y方向に沿って突出する複数の第2山部71cと、第2山部71cとは反対側に突出する複数の第2谷部71dとを有する。第2山部71cおよび第2谷部71dの延伸方向は、図8に示すように、Z方向に対してX方向プラス側に第2角度θ2分傾斜している。一方、第2平板部71bは、主平面がXZ平面と平行となる平板である。第2充填部材71も第3充填材222cにおいてXZ平面に沿った姿勢に維持されるので、第2平板部71bの板厚は、当該姿勢を維持するのに十分な強度を有する程度に設定される。
本実施形態では、第1波板部70aと第2波板部71aとの全体寸法は、互いに同一である。図7では、第1波板部70aと第2波板部71aとのZ方向の寸法を第1高さH1と表記している。また、第1平板部70bと第2平板部71bとの全体寸法は、互いに同一である。図7では、第1平板部70bと第2平板部71bとのZ方向の寸法を第2高さH2と表記している。この場合、第1高さH2と第2高さH2との和が、第1充填部材70および第2充填部材71のそれぞれのZ方向の寸法となる。
また、第3充填材222cでは、第1充填部材70と第2充填部材71とは、Y方向に沿って交互に重ね合わされる。ただし、本実施形態では、直接的に重ね合わされるのは、第1充填部材70の第1波板部70aと第2充填部材71の第2波板部71aとである。このとき、第1平板部70bと第2平板部71bとは、図7に示すように、一定の間隔で互いに平行に維持される。そして、本実施形態では、第3充填材222cは、一例として、4つの第1充填部材70と、4つの第2充填部材71とを含み、第3充填材22cの概略形状は、直方体状となる。
ここで、第1実施形態では、液体供給システム3ごとに、充填材22に向けて液体Lを散布する液分配器35が設けられている。これに対して、本実施形態における液体供給システム3は、液分配器35を採用しない。そして、本実施形態では、各充填材222に含まれる第1波板部70aと第2波板部71aとの組み合わせが、液分配器35の代替部となる。
この場合、本実施形態における液体供給システム3は、充填材222のZ方向の上方に、充填材222に向けて液体Lを滴下する吐出配管135を有する。以下、第1領域2a用の吐出配管135を第1吐出配管135aと表記する。同様に、第2領域2b用の吐出配管135を第2吐出配管135bと、第3領域2c用の吐出配管135を第3吐出配管135cと、第4領域2d用の吐出配管135を第4吐出配管135dと、それぞれ表記する。吐出配管135は、各液体供給システム3において、還流管36の一端に接続されている。吐出配管135には、不図示であるが、液体Lを吐出可能とする複数の吐出孔が形成されている。
次に、気液接触装置10の作用について説明する。
気液接触装置10では、液体供給システム3およびガス供給システム4の基本動作は、第1実施形態に係る気液接触装置1と同様であるが、各充填材222の作用が、気液接触装置1の各充填材22と異なる。
まず、気液接触部2の各領域では、液体Lは、吐出配管135から各充填材222に向けて滴下される。吐出配管135は、例えば、複数の吐出孔が形成された単なる単管であるので、滴下される液体Lは、各充填材222に対して満遍なく散布されるわけではない。しかし、各充填材222のZ方向の上方にあり、吐出配管135から滴下された液体Lが直接的に到達する第1波板部70aと第2波板部71aとの組み合わせは、第1実施形態で詳説した第1充填部材50および第2充填部材51と同一形状を有する。したがって、吐出配管135から滴下された液体Lは、充填材222の下方にある底板21b上の貯留部分に到達するまでの間に、第1波板部70aまたは第2波板部71aのいずれかの部分に接触する。そのため、第1波板部70aと第2波板部71aとの組み合わせ部分を通過した液体Lは、第1実施形態における液分配器35により散布されたのと同様に、下方の第1平板部70bや第2平板部71bにむけて広範囲に散布されることになる。そして、第1平板部70bまたは第2平板部71bに散布された液体Lは、第1平板部70bまたは第2平板部71bの壁面を伝って流れることで、各壁面に液膜を形成する。最終的に、液体Lは、底板21bに向かって流れ落ちる。
この場合、充填材222では、主に第1平板部70bまたは第2平板部71bにおいてガスGと液体Lとの気液接触が行われる。一方、充填材222では、第1波板部70aと第2波板部71aとの組み合わせ部分が、第1実施形態における液分配器35の代替として作用する。したがって、第1波板部70aおよび第2波板部71aの第1高さH1は、第1平板部70bおよび第2平板部71bの第2高さH2よりも短くてもよい。
なお、充填材222における第1波板部70aと第2波板部71aとの組み合わせ部分は、必ずしも液分配器35の代替として作用するだけでなく、第1実施形態と同様に、ガスGと液体Lとの気液接触を行わせる部分として作用させるものとしてもよい。また、本実施形態では、液分配器35を採用しない分、気液接触部2内の空間をより確保することができる。そこで、第1高さH2と第2高さH2との和で表される第1充填部材70および第2充填部材71のそれぞれのZ方向の寸法は、第1実施形態における第1充填部材50および第2充填部材51のそれぞれのZ方向の寸法よりも長くてもよい。
このように、気液接触装置10では、第1充填部材70および第2充填部材71は、それぞれ、Z方向の上方側に波板である第1波板部70a等を有し、Z方向の下方側に第1平板部70b等を有してもよい。
このような気液接触装置10によれば、第1波板部70aと第2波板部71aとの組み合わせ部分が、第1実施形態において採用されていた液分配器35の代替として作用するので、液分配器35を設けなくてもよい場合もあり得る。したがって、気液接触装置10の製造コストを、液分配器35を使用する場合よりも下げることができる。
なお、上記の各実施形態に係る気液接触装置1等で示した容器21の具体的形状や、液体供給システム3における液体Lの循環構造などは例示であり、気液接触部2の基本構造を維持させることを条件に、種々変更することができる。
また、上記の各実施形態に係る気液接触装置1等は、特定成分を吸収・分離・除去するための装置に限らず、種々の化学プラントのプロセスに含まれる冷却・加熱・放散等において使用される装置(冷却塔、加熱塔、放散塔(再生塔)等)に適用することもできる。
いくつかの実施形態を説明したが、上記開示内容に基づいて実施形態の修正または変形をすることが可能である。上記の各実施形態のすべての構成要素、および請求の範囲に記載されたすべての特徴は、それらが互いに矛盾しない限り、個々に抜き出して組み合わせてもよい。
1 気液接触装置
2 気液接触部
2a 第1領域
2b 第2領域
2c 第3領域
2d 第4領域
3 液体供給システム
4 ガス供給システム
22a 第1充填材
22b 第2充填材
22c 第3充填材
22d 第4充填材
37a 第1ポンプ
37b 第2ポンプ
37c 第3ポンプ
37d 第4ポンプ
50 第1充填部材
51 第2充填部材
70 第1充填部材
70a 第1波板部
70b 第1平板部
71 第2充填部材
71a 第2波板部
71b 第2平板部
122a 第1充填材
122b 第2充填材
122c 第3充填材
122d 第4充填材
222a 第1充填材
222b 第2充填材
222c 第3充填材
222d 第4充填材
G ガス
L 液体

Claims (3)

  1. 互いに水平方向で連通し、各々が充填材を設置している複数の領域を有する気液接触部と、
    前記複数の領域の配列に沿って前記複数の領域に液体を順次流通させながら、前記領域ごとに鉛直方向の上方から前記充填材に前記液体を供給する液体供給システムと、
    前記複数の領域の配列に沿って前記複数の領域にガスを順次流通させて、前記領域ごとに前記液体と接触させるガス供給システムと、を備え、
    前記充填材は、各々が当該充填材への前記液体の供給方向と前記ガスの供給方向とに平行な板状で、かつ、交互に重ね合わされる第1充填部材と第2充填部材とを含み、
    前記第1充填部材および前記第2充填部材は、少なくとも一部が波板であり、
    前記第1充填部材の前記波板の波打ち方向と、前記第2充填部材の前記波板の波打ち方向とは、鉛直方向に対して互いに反対方向に傾斜しており、
    前記波板における波形のピッチは、前記複数の領域の各々に設置されている前記充填材ごとに異なり、
    前記液体供給システムは、前記複数の領域ごとに、前記充填材の鉛直方向の下方に一時的に貯留された前記液体を前記充填材の鉛直方向の上方へ供給するポンプを備え、
    前記ポンプの容量は、前記波板の前記ピッチの相違に合わせて、前記複数の領域ごとに異なる、気液接触装置。
  2. 前記第1充填部材および前記第2充填部材の全体が、前記波板である、請求項1に記載の気液接触装置。
  3. 前記第1充填部材および前記第2充填部材は、それぞれ、鉛直方向の上方側に前記波板である波板部を有し、鉛直方向の下方側に平板部を有する、請求項1に記載の気液接触装置
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