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JP7619176B2 - 伝搬光学系、虚像表示装置及びヘッドマウントディスプレイ - Google Patents
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JP7619176B2 - 伝搬光学系、虚像表示装置及びヘッドマウントディスプレイ - Google Patents

伝搬光学系、虚像表示装置及びヘッドマウントディスプレイ Download PDF

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本発明は、伝搬光学系、虚像表示装置及びヘッドマウントディスプレイに関する。
2次元の画像を拡大し、拡大された虚像を観察者に観察させるように表示する虚像表示装置が知られている。例えば特許文献1に、この種の虚像表示装置の一例として導光タイプの虚像表示装置が記載されている。
特許文献1に記載されるように、導光タイプの虚像表示装置は、画像表示素子からの光(以下「画像光」と記す。)を伝搬光学系により導光部材に伝搬し、伝搬光学系から伝搬された画像光を導光部材で導光し、導光された画像光を観察者に向けて射出し、射出された画像光を観察者が拡大された虚像として観察できるように構成される。
特許第5421285号公報
導光タイプの虚像表示装置において広い画角を確保するには例えば伝搬光学系を大きな径で構成することが考えられる。しかし、伝搬光学系の径を大きくすると虚像表示装置が大型化するため望ましくない。特に、ヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブルデバイスでは、大型化によって装用者が装用し難くなったり重量が重くなって装用者の負担が増加したりする。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小型に構成することが可能な伝搬光学系、このような伝搬光学系を備える虚像表示装置及びヘッドマウントディスプレイを提供することである。
本発明の一実施形態に係る伝搬光学系は、画像を表示する画像表示素子からの光を虚像表示装置の導光部材に伝搬する光学系であり、画像表示素子側から導光部材側に向かって順に、第1の光学系、第2の光学系を配してなり、画像の中間像が第1の光学系と第2の光学系との間に結像する構成となっている。第1の光学系内に絞りが配される。伝搬光学系に含まれる光学素子のうち絞りよりも導光部材側に配された光学素子による、物体である絞りの結像位置を、絞り結像位置とし、第2の光学系に含まれる各光学素子の各光学面のうち最も導光部材側の光学面から絞り結像位置までの空気換算間隔をTLSとし、第1の光学系に含まれる各光学素子の各光学面のうち最も画像表示素子側の光学面から第2の光学系に含まれる各光学素子の各光学面のうち最も導光部材側の光学面までの間隔をTLとしたとき、伝搬光学系は、次式
0.0<TLS/TL<0.3
を満たす。
本発明の一実施形態によれば、小型に構成することが可能な伝搬光学系、このような伝搬光学系を備える虚像表示装置及びヘッドマウントディスプレイが提供される。
本発明の一実施形態に係る、虚像表示装置の一例であるヘッドマウントディスプレイを装用者に装用した状態を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る伝搬光学系の光学構成例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る導光部材の概略構成を示す斜視図である。 本発明の数値実施例1に係る伝搬光学系の光学構成を示す図である。 本発明の数値実施例1に係る伝搬光学系の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 本発明の数値実施例1に係る伝搬光学系の横収差図である。 本発明の数値実施例2に係る伝搬光学系の光学構成を示す図である。 本発明の数値実施例2に係る伝搬光学系の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 本発明の数値実施例2に係る伝搬光学系の横収差図である。 本発明の数値実施例3に係る伝搬光学系の光学構成を示す図である。 本発明の数値実施例3に係る伝搬光学系の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 本発明の数値実施例3に係る伝搬光学系の横収差図である。 本発明の数値実施例4に係る伝搬光学系の光学構成を示す図である。 本発明の数値実施例4に係る伝搬光学系の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 本発明の数値実施例4に係る伝搬光学系の横収差図である。
以下、本発明の一実施形態に係る伝搬光学系、虚像表示装置及びヘッドマウントディスプレイについて図面を参照しながら説明する。以下の説明において、共通の又は対応する要素については、同一又は類似の符号を付して、重複する説明を適宜簡略又は省略する。
図1は、虚像表示装置の一例であるヘッドマウントディスプレイ1を装用者に装用した状態を示す概略図である。図1中、符号EYは装用者の左眼を示す。
なお、図1では単眼タイプのヘッドマウントディスプレイを示すが、両眼タイプのヘッドマウントディスプレイも本発明の範疇である。両眼タイプのヘッドマウントディスプレイは、例えば、顔の正中線を挟んで右眼側にも図1の単眼タイプのヘッドマウントディスプレイ1と同様の構成を備える。両眼タイプのヘッドマウントディスプレイの一例として、眼鏡型のウェアラブルデバイスであるスマートグラスが挙げられる。なお、虚像表示装置を片眼側にのみ備える単眼タイプのスマートグラスも本発明の範疇である。また、本発明を適用可能な他の虚像表示装置として、例えばヘッドアップディスプレイが挙げられる。
図1に示されるように、ヘッドマウントディスプレイ1は、画像表示素子10、伝搬光学系20及び導光部材30を備える。画像表示素子10からの光が伝搬光学系20により伝搬され、伝搬された光が導光部材30により導光されて虚像表示のために射出される。すなわち、画像表示素子10、伝搬光学系20及び導光部材30は、導光タイプの虚像表示装置を構成する。
なお、図1では、本実施形態の説明に必要な主たる構成要素を図示しており、例えばこれら主たる構成要素を保持する筐体(スマートグラスの場合、例えば眼鏡型のフレーム)など、一部の構成要素については、その図示を適宜省略する。
ヘッドマウントディスプレイ1には、装用者が広い画角の虚像を観察できるようにすることが求められる。広い画角を確保するためには、伝搬光学系20を大きな径で構成することが考えられる。しかし、人が装用するが故のサイズ面の制約があるため、伝搬光学系20を大きな径で構成することには限界がある。例えばスマートグラスの場合、伝搬光学系20は、フレームのテンプル(別の呼称では「つる」)に内蔵される。伝搬光学系20の大径化によりテンプルが太くなると、装用者がスマートグラスを装用し難くなったり、重量が重くなって装用者の負担が増加したりする。
そこで、本実施形態に係る伝搬光学系20は、広い画角を確保することに伴う伝搬光学系20の大型化が抑えられる構成となっている。言い換えると、伝搬光学系20は、広い画角を確保しつつ小型に構成することが可能となっている。
以下の説明において、画像表示素子10と伝搬光学系20が並ぶ第1の水平方向をz方向とし、z方向と直交する第2の水平方向をy方向とし、y方向とz方向の双方に直交する鉛直方向をx方向とする。互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向は、右手系をなす。なお、方向の呼称は、構成要素の相対的な位置関係を説明するために便宜上用いる呼称であり、絶対的な方向を示すものではない。ヘッドマウントディスプレイ1を装用する装用者の姿勢によっては、例えば、z方向が必ずしも水平方向とは限らず、鉛直方向になることもある。
画像表示素子10は、虚像として観察すべき画像を表示する素子であり、例示的には、OLED(Organic Light Emitting Diode)アレイ、LD(laser diode)アレイ、LED(Light Emitting Diode)アレイ、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、DMD(Digital Micromirror Device)等である。画像表示素子10をOLEDアレイで構成した場合、例えば、画像表示領域(画素配列領域)のサイズは3mm×4mmであり、画素数は1万画素程度である。
画像表示素子10の各画素から発せられた光(すなわち画像光)は、伝搬光学系20に入射される。
図2は、伝搬光学系20の光学構成例を示す図である。図2に示されるように、伝搬光学系20は、画像表示素子10側から導光部材30側に向かって順に、第1の光学系であるリレー光学系RL、第2の光学系であるコリメータ光学系LCを配してなる。リレー光学系RL及びコリメータ光学系LCは、光軸AXに対して回転対称で正のパワーを有する。
なお、本実施形態において「配してなる」との表現は、本発明の技術的思想の範囲において別の光学素子を追加する構成例を排除するものではない。排除されない構成例としては、例えば、伝搬光学系20の光学性能に実質的に寄与しない平行平板を追加する構成例や、本実施形態に係る伝搬光学系20の構成及び効果を維持しつつ別の光学素子を付加する構成例が挙げられる。すなわち、このような構成の光学素子を第1の光学系(リレー光学系RL)と第2の光学系(コリメータ光学系LC)よりなる伝搬光学系20に追加した構成も本発明の範疇である。
リレー光学系RLは、リレー光学系RLとコリメータ光学系LCとの間に、画像表示素子10より入射された画像光の中間像INを結像する。
中間像INは、ヘッドマウントディスプレイ1の装用者が観察する虚像に対する物体となる。すなわち、装用者は、中間像INと導光部材30との間にあるコリメータ光学系LCの作用により、画像表示素子10の後方に形成される拡大虚像を、導光部材30を介して観察することになる。
ここで、例えばスマートグラスにおいて画像表示素子と導光部材が一体化したタイプが知られている。このタイプのスマートグラスでは、重量の大部分がレンズ部分に集中する。そのため、装用時に装用者の鼻に大きな荷重がかかり、装用者がスマートグラスを長時間装用することが難しい。
これに対し、導光タイプのスマートグラスは、画像表示素子と導光部材との間に伝搬光学系を配置することにより、画像表示素子と導光部材とを物理的に離した構成となっている。導光タイプのスマートグラスにおいて、画像表示素子は、例えばテンプル(より詳細にはこめかみ付近の位置)に内蔵される。そのため、装用者にかかる荷重が鼻と両耳の3点に分散されて、装用者がスマートグラスを長時間装用しやすくなる。
このように、伝搬光学系には、画像表示素子と導光部材とを物理的に離すため、ある程度の全長が必要となる。これと同時に、伝搬光学系には、径を小さく抑えることも要求される。
良好な光学性能(画角が広い、収差が良好に補正されている、など)でありながら、ある程度の全長を確保しつつコリメータ光学系LCの径を小さく抑えるため、本実施形態に係る伝搬光学系20は、リレー光学系RLにより画像光の中間像INを結像する構成となっている。
なお、リレー光学系RLは、像を転送するだけの光学系である。そのため、例えばスマートグラスのテンプルに内蔵できる程度にリレー光学系RLを小径に構成することは難しくない。また、伝搬光学系20をリレー光学系RLを備える構成とすることにより、例えば機構上又は電気系統上の都合で画像表示素子10と伝搬光学系20との間隔を確保する必要がある場合にも対応できる。
図3は、導光部材30の概略構成を示す斜視図である。図3に示されるように、導光部材30は、第1導光部材31及び第2導光部材32を備える。
第1導光部材31には、伝搬光学系20により伝搬された画像光が入射される。図3では、便宜上、伝搬光学系20より入射される画像光に符号L1を付す。
第1導光部材31の内部には複数の第1ミラー31aがy方向に並べて配置される。伝搬光学系20により伝搬された画像光L1は、複数の第1ミラー31aのうち最もy方向負側に位置する第1ミラー31aに入射される。なお、概略図である図3では、便宜上、第1ミラー31aを6つしか示していない。第1ミラー31aの数は、実際にはこれよりも多い。
第1ミラー31aは、特定の反射率及び透過率のコーティングが施されたミラーであり、入射した画像光L1の一部を反射させるとともに画像光L1の一部を透過させる。第1導光部材31内に入射された画像光L1は、各第1ミラー31aにて反射と透過によって振り分けられる。反射と透過による画像光L1の振り分けが繰り返されることにより、画像光L1は、y方向に広がった光となる。
以下においては、便宜上、y方向に広がった画像光に符号L2を付して説明を行う。また、図3では、便宜上、画像光L2の各光線に符号L3を付す。
画像光L2は、第2導光部材32内に入射される。第2導光部材32の内部には第2ミラー32a及び複数の第3ミラー32bが配置される。複数の第3ミラー32bは、x方向に並べて配置される。
第2ミラー32aは、第1導光部材31より入射した画像光L2(言い換えると各光線L3)をx方向負側に反射させる。これにより、画像光L2は、第2導光部材32内をx方向負側に導光されて、第3ミラー32bに入射される。
第3ミラー32bも第1ミラー31aと同様に、特定の反射率及び透過率のコーティングが施されたミラーであり、入射した画像光L2の一部を反射させるとともに画像光L2の一部を透過させる。第2ミラー32aにて反射された画像光L2は、各第3ミラー32bにて反射と透過によって振り分けられる。反射と透過による画像光L2の振り分けが繰り返されることにより、画像光L2は、y方向に加えてx方向にも広がった光となって、第2導光部材32から外部に(具体的には装用者の眼EYに向けて)射出される。なお、概略図である図3では、便宜上、第3ミラー32bを5つしか示していない。第3ミラー32bの数は、実際にはこれよりも多い。
以下においては、便宜上、x方向とy方向の2次元方向に広がった画像光に符号L4を付して説明を行う。また、図3では、便宜上、画像光L4の各光線に符号L5を付す。なお、図面を明瞭にするため、一部の光線L5にのみ符号を付す。
画像光L4が眼EYに入射されると、網膜に虚像の共役像として結像する。これにより、装用者は、画像表示素子10に表示された画像の拡大虚像を見ることになる。
このように、導光部材30は、x方向とy方向の2次元方向にアイボックス(虚像が視認される範囲)を拡張する構成となっている。
リレー光学系RLは、絞りAを有する。リレー光学系RL内に絞りAを配置することにより、リレー光学系RL内で光路を適切に設定することによる不要光の発生が抑えられ、フレアやゴーストが抑えられる。
ここで、物体である絞りAの結像位置を「絞り結像位置P」と記す。絞り結像位置Pは、伝搬光学系20に含まれる光学素子のうち絞りAよりも導光部材30側に配された光学素子による絞りAの結像位置である。
図1に示されるように、コリメータ光学系LCに含まれる各光学素子の各光学面のうち最も導光部材30側の光学面OP2から絞り結像位置Pまでの空気換算間隔をTLSとし、リレー光学系RLに含まれる各光学素子の各光学面のうち最も画像表示素子10側の光学面OP1から光学面OP2までの間隔をTLとしたとき、伝搬光学系20は、次式(1)
0.0<TLS/TL<0.3・・・(1)
を満たす。
なお、絞り結像位置Pが光学面OP2よりも導光部材30側にあると間隔TLSがプラスの値となり、絞り結像位置Pが光学面OP2よりも画像表示素子10側にあると間隔TLSがマイナスの値となる。
絞り結像位置P付近では、光軸AX上で軸上の主光線と軸外の主光線とが交差する。そのため、絞り結像位置P付近では光束(画像光L1)の有効範囲を小さくすることができる。そのため、上記式(1)を満たす場合、伝搬光学系20により伝搬された画像光L1が入射される第1導光部材31の入射部を小さくすることができる。
上記式(1)においてTLS/TLが上限値を超えると、間隔TLSが大きすぎるため、第1導光部材31の入射部付近で光速の有効範囲を小さくすることが難しい。そのため、第1導光部材31の入射部を大きく設計する必要が出てくる。
上記式(1)においてTLS/TLが下限値を下回ると、絞り結像位置Pが光学面OP2よりも画像表示素子10側になるため、第1導光部材31の入射部付近で光速の有効範囲を小さくすることが難しい。そのため、第1導光部材31の入射部を大きく設計する必要が出てくる。
伝搬光学系20は、次式(2)を満たすことがより好適である。
0.0<TLS/TL<0.2・・・(2)
リレー光学系RLは、画像表示素子10側から導光部材30側に向かって順に、前群G1、後群G2を配してなる。ここで、リレー光学系RLに含まれる各光学素子同士の各間隔のうち最も広い間隔に符号TLRaと付す。前群G1は、間隔TLRaよりも画像表示素子10側に配された光学素子よりなる。後群G2は、間隔TLRaよりも導光部材30側に配された光学素子よりなる。
間隔TLRaを適切に設定することにより、伝搬光学系20の全長を適切な長さ(スマートグラスの例では、上述したように画像表示素子10をテンプル(こめかみ付近)に設置できる程度の長さ)に設定しつつ各種収差を良好に補正することが可能となる。
図2に示されるように、前群G1と後群G2との間(言い換えると間隔TLRa)に絞りAが配置される。なお、絞りAの位置は前群G1と後群G2との間に限らない。後述する数値実施例3又は4に示されるように、絞りAは、前群G1内に配置されてもよい。
絞りAを前群G1付近又は前群G1内に配置することにより、リレー光学系RLの径を小さく抑えつつ各種収差を良好に補正することが可能となる。
リレー光学系RLの全長をTLRとしたとき、伝搬光学系20は、次式(3)
0.3<TLRa/TLR<0.6・・・(3)
を満たすことが望ましい。
上記式(3)においてTLRa/TLRが上限値を超えると、リレー光学系RLの全長に対して前群G1と後群G2との間隔TLRaが占める割合が過大となり、前群G1と後群G2を配置するためのスペースが小さくなって、各種収差を良好に補正することが難しくなる。
上記式(3)においてTLRa/TLRが下限値を下回ると、前群G1と後群G2との間隔TLRaが小さくなりすぎて、伝搬光学系20の全長を確保しつつリレー光学系RL内において各種収差を良好に補正することが難しくなる。
好ましくは、前群G1は、画像表示素子10側から導光部材30側に向かって順に、正レンズL11、負レンズL12、正レンズL13を配してなる。
このように前群G1を構成することにより、色収差を良好に補正し、特に球面収差やコマ収差等を良好に補正することができる。収差をより良好に補正するため、正レンズL11、負レンズL12、正レンズL13の各レンズ面を非球面で構成することが望ましい。
好ましくは、後群G2は、画像表示素子10側から導光部材30側に向かって順に、正レンズL21、負レンズL22を配してなる。
このように後群G2を構成することにより、前群G1やコリメータ光学系LCにおける残存収差を正負2枚のレンズで補正することができ、各種収差をより一層良好に抑えることができる。収差をより良好に補正するため、正レンズL21、負レンズL22の各レンズ面を非球面で構成することが望ましい。
光学面OP1から絞りAまでの間隔をTLAとし、画像表示素子10の画像表示領域の対角長をYとしたとき、伝搬光学系20は、次式(4)
2<TLA/Y<5・・・(4)
を満たすことが望ましい。
ここで、画像表示素子10より発せられる画像光は光軸AXと平行な光が最も強い。そのため、伝搬光学系20は、光軸AXと平行な光を取り込めるほど、より多くの光を取り込めることとなる。上記式(4)を満たすことにより、リレー光学系RLの径を小さく抑えつつ、伝搬光学系20がより多くの光(特に光軸AXと平行な光)を取り込むことができる。
上記式(4)においてTLA/Yが上限値を超えると、画像表示素子10から絞りAまでの間隔が大きくなりすぎるため、リレー光学系RLの径を小さく抑えつつ伝搬光学系20が多くの光を取り込むことが難しくなる。
上記式(4)においてTLA/Yが下限値を下回ると、光軸AXに対する軸外の主光線の角度が大きくなりすぎて、周辺の光量を多く取り込むことが難しくなる。
絞りAの対角方向の開口の大きさをAPとしたとき、伝搬光学系20は、次式(5)
0.5<AP/Y<2.0・・・(5)
を満たすことが望ましい。
上記式(5)においてAP/Yが上限値を超えると、絞りAが大きくなりすぎて、リレー光学系RLの径を小さく抑えることが難しくなる。
上記式(5)においてAP/Yが下限値を下回ると、絞りAが小さくなりすぎて、伝搬光学系20が多くの光を取り込むことが難しくなる。
リレー光学系RLの横倍率をβ_relayとしたとき、伝搬光学系20は、次式(6)
-2.0<β_relay<-1.0・・・(6)
を満たすことが望ましい。
画像表示素子10の画像表示領域が大きくなると、PCB(Printed Circuit Board)等の電気系統の部品等も大きくなり、小型化が難しくなる。一方、画角を広くするためには中間像INは比較的大きい必要がある。このような観点から、上記式(6)は、リレー光学系RLの横倍率β_relayの好適な範囲を規定するものとなっている。
コリメータ光学系LCは、画像表示素子10側から導光部材30側に向かって順に、レンズL31、レンズL32を配してなる。また、これまで説明したように、伝搬光学系20は、リレー光学系RLとコリメータ光学系LCを配してなる。
伝搬光学系20をリレー光学系RLとコリメータ光学系LCで構成することにより、コリメータ光学系LCがシンプルな構成(具体的には2枚構成)であるにも拘わらず各種収差を良好に補正することが可能となる。
レンズL31が正レンズであり、コリメータ光学系LCの焦点距離をfcとし、レンズL31の焦点距離をfc1としたとき、伝搬光学系20は、次式(7)
0.5<fc1/fc<1.0・・・(7)
を満たすことが望ましい。
上記式(7)が満たされない場合、絞り結像位置Pを適切な位置にしつつ各種収差を良好に補正することが難しくなる。
次に、伝搬光学系20の具体的な数値実施例1~4を示す。数値実施例1~4の共通事項は次の通りである。
《数値実施例1~4の共通事項》
・対角長Y :6mm
・表の番号1~2 :画像表示素子10の面(番号2は画素配列面)
・表の番号3~13 :リレー光学系RLの各光学素子の各光学面
・表の番号14~17:コリメータ光学系LCの各光学素子の各光学面
・表の番号18~19:平行平板(具体的には導光部材30)
・アイレリーフ :15mm
・収差図 :焦点距離17mmの理想レンズで結像する場合で計算
[数値実施例1]
図4は、本発明の数値実施例1に係る伝搬光学系20の光学構成を示す図である。図4に示されるように、伝搬光学系20は、画像表示素子10側から順に、リレー光学系RL、コリメータ光学系LCを配してなる。リレー光学系RLの前群G1は、画像表示素子10側から順に、導光部材30側に凸のメニスカスレンズ(正レンズL11)、両凹レンズ(負レンズL12)、両凸レンズ(正レンズL13)を配してなる。リレー光学系RLの後群G2は、画像表示素子10側から順に、導光部材30側に凸のメニスカスレンズ(正レンズL21)、両凹レンズ(負レンズL22)を配してなる。絞りAは、前群G1と後群G2との間(言い換えると間隔TLRa)に配置される。コリメータ光学系LCは、画像表示素子10側から順に、正のパワーを有する両凸レンズ(レンズL31)、正のパワーを有する、導光部材30側に凸のメニスカスレンズ(レンズL32)を配してなる。
数値実施例1に係る伝搬光学系20の具体的数値構成は、表1に示される。表1の番号は、画像表示素子10側から順に、画像表示素子10、伝搬光学系20、導光部材30の各面に付されたものである。表1中、R(単位:mm)は光学素子の各面の曲率半径を示し、D(単位:mm)は光軸上の光学素子の厚さ又は光学素子の間隔を示し、Ndはd線(波長587.56nm)の屈折率を示し、νdはd線のアッベ数を示す。アッベ数の右蘭には、光学素子の材質の商品名及び製造者を記す。なお、数値実施例1では、虚像の対角の画角が40.5度であり、最大物体高さが3mmである。
[表1]
表1中、「*」印が付された番号の面は、非球面である。表2に、各非球面のデータを示す。表2中、標記Eは、10を基数、Eの右の数字を指数とする累乗を示す。非球面素子における曲率半径Rは、光軸上での曲率半径(近軸曲率半径)を示す。非球面形状は、サグ量をZとし、近軸曲率(1/R)をCとし、光軸からの高さをh(単位:mm)とし、円錐係数をKとし、4次以上の偶数次の非球面係数をA、A、・・・とした場合に、次式で示される。
Z=Ch/{1+√(1-(1+K)Ch)}+A・h+A・h+A・h+A10・h10
なお、表の記載形式は、以降の数値実施例2~4においても同じである。
[表2]
図5は、数値実施例1に係る伝搬光学系20の各種収差図(球面収差、非点収差及び歪曲収差)である。図5の球面収差図は、d線、g線(435.84nm)における球面収差を示す。実線はd線における球面収差を示し、点線はg線における球面収差を示す。図5の非点収差図は、d線における非点収差(すなわち、サジタル像面とメリディオナル像面との差)を示す。実線はサジタル方向の収差を示し、破線はメリディオナル方向の収差を示す。球面収差図及び非点収差図の縦軸は像高を示し、横軸は収差量を示す。図5の歪曲収差図の縦軸は像高を示し、横軸はd線における歪曲率を示す。
図6は、数値実施例1に係る伝搬光学系20の横収差図である。横収差図は、各像高におけるd線、g線での横収差を示す。実線はd線における横収差を示し、点線はg線における横収差を示す。横収差は、X方向とY方向について測定される。図6左図(上欄に「Y-FAN」が付記された図)は、Y方向における横収差を示し、図6右図(上欄に「X-FAN」が付記された図)は、X方向における横収差を示す。
下記の通り、数値実施例1では、上記式(1)~(7)が全て満たされる。
TLS/TL : 0.11(式(1)及び(2)参照)
TLRa/TLR: 0.46(式(3)参照)
TLA/Y : 3.81(式(4)参照)
AP/Y : 1.00(式(5)参照)
β_relay :-1.46(式(6)参照)
fc1/fc : 0.79(式(7)参照)
数値実施例1に係る伝搬光学系20は、各種収差が良好に補正されるとともに(図5及び図6参照)、広い画角(対角方向に40度を超える画角)が確保され、良好な像性能が達成される。また、数値実施例1に係る伝搬光学系20では、上記式(1)~(7)を満たすことによる各種効果が奏される。
[数値実施例2]
図7は、本発明の数値実施例2に係る伝搬光学系20の光学構成を示す図である。図7に示されるように、数値実施例2に係る伝搬光学系20に配された各レンズの形状タイプ(すなわち「両凹」、「両凸」、「メニスカス」等)は、数値実施例1と同一である。数値実施例2に係る伝搬光学系20の具体的数値構成は、表3に示される。数値実施例2の各非球面のデータは、表4に示される。なお、数値実施例2では、虚像の対角方向の画角が50.4度であり、最大物体高さが3mmである。
[表3]
[表4]
図8は、数値実施例2に係る伝搬光学系20の各種収差図(球面収差、非点収差及び歪曲収差)である。図9は、数値実施例2に係る伝搬光学系20の横収差図である。
下記の通り、数値実施例2においても上記式(1)~(7)が全て満たされる。
TLS/TL : 0.09(式(1)及び(2)参照)
TLRa/TLR: 0.48(式(3)参照)
TLA/Y : 3.68(式(4)参照)
AP/Y : 1.17(式(5)参照)
β_relay :-1.52(式(6)参照)
fc1/fc : 0.88(式(7)参照)
数値実施例2に係る伝搬光学系20においても、各種収差が良好に補正されるとともに(図8及び図9参照)、広い画角(特に対角方向に50度を超える画角)が確保され、良好な像性能が達成される。また、数値実施例2に係る伝搬光学系20においても、上記式(1)~(7)を満たすことによる各種効果が奏される。
[数値実施例3]
図10は、本発明の数値実施例3に係る伝搬光学系20の光学構成を示す図である。図10に示されるように、数値実施例3では、正レンズL11及び正レンズL21が両凸レンズとなっている。数値実施例3において、正レンズL11及び正レンズL21以外の各レンズの形状タイプは、数値実施例1と同一である。また、数値実施例3では、絞りAが前群G1内(具体的には、負レンズL12と正レンズL13との間)に配置されている。数値実施例3に係る伝搬光学系20の具体的数値構成は、表5に示される。数値実施例3の各非球面のデータは、表6に示される。なお、数値実施例3では、虚像の対角方向の画角が40.3度であり、最大物体高さが3mmである。
[表5]
[表6]
図11は、数値実施例3に係る伝搬光学系20の各種収差図(球面収差、非点収差及び歪曲収差)である。図12は、数値実施例3に係る伝搬光学系20の横収差図である。
下記の通り、数値実施例3においても上記式(1)~(7)が全て満たされる。
TLS/TL : 0.10(式(1)及び(2)参照)
TLRa/TLR: 0.45(式(3)参照)
TLA/Y : 3.28(式(4)参照)
AP/Y : 0.93(式(5)参照)
β_relay :-1.34(式(6)参照)
fc1/fc : 0.81(式(7)参照)
数値実施例3に係る伝搬光学系20においても、各種収差が良好に補正されるとともに(図11及び図12参照)、広い画角(対角方向に40度を超える画角)が確保され、良好な像性能が達成される。また、数値実施例3に係る伝搬光学系20においても、上記式(1)~(7)を満たすことによる各種効果が奏される。
[数値実施例4]
図13は、本発明の数値実施例4に係る伝搬光学系20の光学構成を示す図である。図13に示されるように、数値実施例4では、正レンズL11が両凸レンズとなっている。数値実施例4において、正レンズL11以外の各レンズの形状タイプは、数値実施例1と同一である。また、数値実施例4でも数値実施例3と同様に、絞りAが負レンズL12と正レンズL13との間に配置されている。数値実施例4に係る伝搬光学系20の具体的数値構成は、表7に示される。数値実施例4の各非球面のデータは、表8に示される。なお、数値実施例4では、虚像の対角方向の画角が45.4度であり、最大物体高さが3mmである。
[表7]
[表8]
図14は、数値実施例4に係る伝搬光学系20の各種収差図(球面収差、非点収差及び歪曲収差)である。図15は、数値実施例4に係る伝搬光学系20の横収差図である。
下記の通り、数値実施例4においても上記式(1)~(7)が全て満たされる。
TLS/TL : 0.11(式(1)及び(2)参照)
TLRa/TLR: 0.44(式(3)参照)
TLA/Y : 2.79(式(4)参照)
AP/Y : 0.93(式(5)参照)
β_relay :-1.23(式(6)参照)
fc1/fc : 0.81(式(7)参照)
数値実施例4に係る伝搬光学系20においても、各種収差が良好に補正されるとともに(図14及び図15参照)、広い画角(対角方向に40度を超える画角)が確保され、良好な像性能が達成される。また、数値実施例4に係る伝搬光学系20においても、上記式(1)~(7)を満たすことによる各種効果が奏される。
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本願の実施形態に含まれる。
1 :ヘッドマウントディスプレイ
10 :画像表示素子
20 :伝搬光学系
30 :導光部材
31 :第1導光部材
31a :第1ミラー
32 :第2導光部材
32a :第2ミラー
32b :第3ミラー
A :絞り
G1 :前群
G2 :後群
LC :コリメータ光学系
RL :リレー光学系

Claims (12)

  1. 画像を表示する画像表示素子からの光を虚像表示装置の導光部材に伝搬する伝搬光学系において、
    前記画像表示素子側から前記導光部材側に向かって順に、第1の光学系、第2の光学系を配してなり、前記画像の中間像が前記第1の光学系と前記第2の光学系との間に結像し、
    前記第1の光学系内に絞りが配され、
    前記伝搬光学系に含まれる光学素子のうち前記絞りよりも前記導光部材側に配された光学素子による、物体である前記絞りの結像位置を、絞り結像位置とし、前記第2の光学系に含まれる各光学素子の各光学面のうち最も前記導光部材側の光学面から前記絞り結像位置までの空気換算間隔をTLSとし、前記第1の光学系に含まれる各光学素子の各光学面のうち最も前記画像表示素子側の光学面から前記第2の光学系に含まれる各光学素子の各光学面のうち最も前記導光部材側の光学面までの間隔をTLとしたとき、次式
    0.0<TLS/TL<0.3
    を満たす、
    伝搬光学系。
  2. 前記第1の光学系は、前記画像表示素子側から前記導光部材側に向かって順に、前群、後群を配してなり、
    前記前群は、前記第1の光学系に含まれる各光学素子同士の各間隔のうち最も広い間隔よりも前記画像表示素子側に配された光学素子よりなり、
    前記後群は、前記最も広い間隔よりも前記導光部材側に配された光学素子よりなり、
    前記絞りは、前記前群内又は前記前群と前記後群との間に配置される、
    請求項1に記載の伝搬光学系。
  3. 前記第1の光学系の全長をTLRとし、前記最も広い間隔をTLRaとしたとき、次式
    0.3<TLRa/TLR<0.6
    を満たす、
    請求項2に記載の伝搬光学系。
  4. 前記前群は、前記画像表示素子側から前記導光部材側に向かって順に、正レンズ、負レンズ、正レンズを配してなる、
    請求項2又は請求項3に記載の伝搬光学系。
  5. 前記後群は、前記画像表示素子側から前記導光部材側に向かって順に、正レンズ、負レンズを配してなる、
    請求項2から請求項4の何れか一項に記載の伝搬光学系。
  6. 前記第1の光学系に含まれる各光学素子の各光学面のうち最も前記画像表示素子側の光学面から前記絞りまでの間隔をTLAとし、前記画像表示素子の対角長をYとしたとき、次式
    2<TLA/Y<5
    を満たす、
    請求項1から請求項5の何れか一項に記載の伝搬光学系。
  7. 前記絞りの対角方向の開口の大きさをAPとし、前記画像表示素子の対角長をYとしたとき、次式
    0.5<AP/Y<2.0
    を満たす、
    請求項1から請求項6の何れか一項に記載の伝搬光学系。
  8. 前記第1の光学系の横倍率をβ_relayとしたとき、次式
    -2.0<β_relay<-1.0
    を満たす、
    請求項1から請求項7の何れか一項に記載の伝搬光学系。
  9. 前記第1の光学系はリレー光学系であり、
    前記第2の光学系はコリメータ光学系であり、
    前記第2の光学系は2枚のレンズを配してなる、
    請求項1から請求項8の何れか一項に記載の伝搬光学系。
  10. 前記第2の光学系のうち前記画像表示素子側に配されたレンズが正レンズであり、
    前記第2の光学系の焦点距離をfcとし、前記画像表示素子側に配された正レンズの焦点距離をfc1としたとき、次式
    0.5<fc1/fc<1.0
    を満たす、
    請求項9に記載の伝搬光学系。
  11. 画像を表示する画像表示素子と、
    前記画像表示素子からの光を伝搬させる、請求項1から請求項10の何れか一項に記載の伝搬光学系と、
    前記伝搬光学系により伝搬された光を導光して虚像表示のために射出する導光部材と、
    を備える、
    虚像表示装置。
  12. 請求項11に記載の虚像表示装置を備える、
    ヘッドマウントディスプレイ。
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