以下、図面を参照しながら、造形装置及び造形方法の実施形態について説明する。以下では、物体の一例であるワークWに対する加工を行うことが可能な造形装置SYSを用いて、造形装置及び造形方法の実施形態を説明する。特に、以下では、レーザ肉盛溶接法(LMD:Laser Metal Deposition)に基づく付加加工を行う造形装置SYSを用いて、造形装置及び造形方法の実施形態を説明する。レーザ肉盛溶接法に基づく付加加工は、ワークWに供給した造形材料Mを造形光EL(つまり、光の形態を有するエネルギビーム)で溶融することで、ワークWと一体化された又はワークWから分離可能な造形物を造形する付加加工である。但し、造形装置SYSは、レーザ肉盛溶接法とは異なる方法に基づく付加加工を行ってもよい。或いは、造形装置SYSは、付加加工とは異なる任意の加工(例えば、除去加工)を行ってもよい。
尚、レーザ肉盛溶接法(LMD)は、ダイレクト・メタル・デポジション、ディレクテッド・エナジー・デポジション、レーザクラッディング、レーザ・エンジニアード・ネット・シェイピング、ダイレクト・ライト・ファブリケーション、レーザ・コンソリデーション、シェイプ・デポジション・マニュファクチャリング、ワイヤ-フィード・レーザ・デポジション、ガス・スルー・ワイヤ、レーザ・パウダー・フージョン、レーザ・メタル・フォーミング、セレクティブ・レーザ・パウダー・リメルティング、レーザ・ダイレクト・キャスティング、レーザ・パウダー・デポジション、レーザ・アディティブ・マニュファクチャリング、レーザ・ラピッド・フォーミングと称してもよい。
また、以下の説明では、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸から定義されるXYZ直交座標系を用いて、造形装置SYSを構成する各種構成要素の位置関係について説明する。尚、以下の説明では、説明の便宜上、X軸方向及びY軸方向のそれぞれが水平方向(つまり、水平面内の所定方向)であり、Z軸方向が鉛直方向(つまり、水平面に直交する方向であり、実質的には上下方向)であるものとする。また、X軸、Y軸及びZ軸周りの回転方向を、それぞれ、θX方向、θY方向及びθZ方向と称する。ここで、Z軸方向を重力方向としてもよい。また、XY平面を水平方向としてもよい。
(1)造形装置SYSの構造
初めに、図1から図3を参照しながら、本実施形態の造形装置SYSの構造について説明する。図1は、本実施形態の造形装置SYSのシステム構成を示すシステム構成図である。図2及び図3のそれぞれは、本実施形態の造形装置SYSの構造を模式的に示す断面図である。
造形装置SYSは、ワークWに対して付加加工を行うことが可能である。造形装置SYSは、ワークWに対して付加加工を行うことで、ワークWと一体化された(或いは、分離可能な)造形物を造形可能である。この場合、ワークWに対して行われる付加加工は、ワークWと一体化された(或いは、分離可能な)造形物をワークWに付加する加工に相当する。尚、本実施形態における造形物は、造形装置SYSが造形する任意の物体を意味していてもよい。例えば、造形装置SYSは、造形物の一例として、3次元構造物(つまり、3次元方向のいずれの方向においても大きさを持つ3次元の構造物であり、立体物、言い換えると、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向において大きさを持つ構造物)STを造形可能である。
ワークWが後述するステージ31である場合には、造形装置SYSは、ステージ31に対して付加加工を行うことが可能である。ワークWがステージ31に載置されている物体である載置物である場合には、造形装置SYSは、載置物に対して付加加工を行うことが可能である。ステージ31に載置される載置物は、造形装置SYSが造形した別の3次元構造物ST(つまり、既存構造物)であってもよい。尚、図1は、ワークWが、ステージ31によって保持されている既存構造物である例を示している。また、以下でも、ワークWがステージ31によって保持されている既存構造物である例を用いて説明を進める。
ワークWは、欠損箇所がある要修理品であってもよい。この場合、造形装置SYSは、欠損個所を補填するための造形物を造形する付加加工を行うことで、要修理品を補修する補修加工を行ってもよい。つまり、造形装置SYSが行う付加加工は、欠損箇所を補填するための造形物をワークWに付加する付加加工を含んでいてもよい。
上述したように、造形装置SYSは、レーザ肉盛溶接法に基づく付加加工を行うことが可能である。つまり、造形装置SYSは、積層造形技術を用いて物体を造形する3Dプリンタであるとも言える。尚、積層造形技術は、ラピッドプロトタイピング(Rapid Prototyping)、ラピッドマニュファクチャリング(Rapid Manufacturing)、又は、アディティブマニュファクチャリング(Additive Manufacturing)とも称されてもよい。
造形装置SYSは、造形光ELを用いて造形材料Mを加工することで付加加工を行う。造形材料Mは、所定強度以上の造形光ELの照射によって溶融可能な材料である。このような造形材料Mとして、例えば、金属性の材料及び樹脂性の材料の少なくとも一方が使用可能である。但し、造形材料Mとして、金属性の材料及び樹脂性の材料とは異なるその他の材料が用いられてもよい。造形材料Mは、粉状の又は粒状の材料である。つまり、造形材料Mは、粉粒体である。但し、造形材料Mは、粉粒体でなくてもよい。例えば、造形材料Mとして、ワイヤ状の造形材料及びガス状の造形材料の少なくとも一方が用いられてもよい。
付加加工を行うために、造形装置SYSは、図1から図3に示すように、材料供給源1と、造形ユニット2と、ステージユニット3と、計測装置4と、光源5と、気体供給源6と、制御装置7とを備える。造形ユニット2と、ステージユニット3とは、筐体8の内部空間に収容されていてもよい。
材料供給源1は、造形ユニット2に造形材料Mを供給する。材料供給源1は、付加加工を行うために単位時間あたりに必要とする分量の造形材料Mが造形ユニット2に供給されるように、当該必要な分量に応じた所望量の造形材料Mを供給する。
造形ユニット2は、材料供給源1から供給される造形材料Mを加工して造形物を造形する。造形物を造形するために、造形ユニット2は、造形ヘッド21と、ヘッド駆動系22とを備える。尚、造形ヘッド21は、「造形部」と称されてもよい。更に、造形ヘッド21は、ビーム照射部211と、材料ノズル(つまり造形材料Mを供給する供給系)212とを備えている。尚、図1から図3に示す例では、造形ヘッド21が単一の材料ノズル212を備えているが、造形ヘッド21は、複数の材料ノズル212を備えていてもよい。
ビーム照射部211は、造形光ELをワークWに照射する。ビーム照射部211は、造形光ELをワークWに照射するために、照射光学系2111を備える。照射光学系2111は、造形光ELを射出するための光学系(例えば、集光光学系)である。具体的には、照射光学系2111は、造形光ELを発する光源5と、光ファイバやライトパイプ等の光伝送部材51を介して光学的に接続されている。照射光学系2111は、光伝送部材51を介して光源5から伝搬してくる造形光ELを射出する。照射光学系2111は、照射光学系2111から下方(つまり、-Z側)に向けて造形光ELを照射する。照射光学系2111の下方には、ステージ31が配置されている。ステージ31にワークWが載置されている場合には、照射光学系2111は、ワークWに向けてエネルギビームである造形光ELを照射する。具体的には、照射光学系2111は、造形光ELが射出される領域としてワークW上に又はワークWの近傍に設定される(或いは、後述する造形面MS上に又は造形面MSの近傍に設定される)照射目標位置EPに向けて造形光ELを射出可能である。更に、照射光学系2111の状態は、制御装置7の制御下で、照射目標位置EPに向けて造形光ELを射出する状態と、照射目標位置EPに向けて造形光ELを射出しない状態との間で切替可能である。尚、照射光学系2111から射出される造形光ELの方向は真下(つまり、-Z軸方向と一致)には限定されず、例えば、Z軸に対して所定の角度だけ傾いた方向であってもよい。
材料ノズル212には、供給アウトレット214が形成されている。材料ノズル212は、供給アウトレット214から造形材料Mを供給する(例えば、射出する、噴射する、噴出する、又は、吹き付ける)。このため、材料ノズル212は、材料供給部と称されてもよい。材料ノズル212は、供給管11及び混合装置12を介して造形材料Mの供給源である材料供給源1と物理的に接続されている。材料ノズル212は、供給管11及び混合装置12を介して材料供給源1から供給される造形材料Mを供給する。材料ノズル212は、供給管11を介して材料供給源1から供給される造形材料Mを圧送してもよい。即ち、材料供給源1からの造形材料Mと搬送用の気体(つまり、圧送ガスであり、例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス)とは、混合装置12で混合された後に供給管11を介して材料ノズル212に圧送されてもよい。その結果、材料ノズル212は、搬送用の気体と共に造形材料Mを供給する。搬送用の気体として、例えば、気体供給源6から供給されるパージガスが用いられる。但し、搬送用の気体として、気体供給源6とは異なる気体供給源から供給される気体が用いられてもよい。尚、図1において材料ノズル212は、チューブ状に描かれているが、材料ノズル212の形状は、この形状に限定されない。材料ノズル212は、材料ノズル212から下方(つまり、-Z側)に向けて造形材料Mを供給する。材料ノズル212の下方には、ステージ31が配置されている。ステージ31にワークWが搭載されている場合には、材料ノズル212は、ワークW又はワークWの近傍に向けて造形材料Mを供給する。尚、材料ノズル212から供給される造形材料Mの進行方向はZ軸方向に対して所定の角度(一例として鋭角)だけ傾いた方向であるが、-Z側(つまり、真下)であってもよい。
本実施形態では、材料ノズル212は、照射光学系2111からの造形光ELが照射される部位に造形材料Mを供給する。例えば、材料ノズル212は、照射光学系2111が造形光ELを射出する照射目標位置EPに向けて造形材料Mを供給してもよい。例えば、材料ノズル212は、照射光学系2111が造形光ELを実際に照射する実照射位置AP(後述する図6(a)及び図6(b)参照)に向けて造形材料Mを供給してもよい。例えば、材料ノズル212は、照射光学系2111から射出された造形光ELによって形成される溶融池MP(後述する図4等参照)に向けて造形材料Mを供給してもよい。但し、材料ノズル212は、溶融池MPに造形材料Mを供給しなくてもよい。例えば、造形装置SYSは、材料ノズル212からの造形材料MがワークWに到達する前に当該造形材料Mを造形光ELによって溶融させ、溶融した造形材料MをワークWに付着させてもよい。
ヘッド駆動系22は、造形ヘッド21を移動させる。ヘッド駆動系22は、例えば、X軸、Y軸、Z軸、θX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿って造形ヘッド21を移動させる。図2から図3に示す例では、ヘッド駆動系22は、X軸、Y軸及びZ軸のそれぞれに沿って造形ヘッド21を移動させる。この場合、ヘッド駆動系22は、ヘッド駆動系22Xと、ヘッド駆動系22Yと、ヘッド駆動系22Zとを備えていてもよい。ヘッド駆動系22Xは、X軸に沿って造形ヘッド21を移動させる。ヘッド駆動系22Yは、Y軸に沿って造形ヘッド21を移動させる。ヘッド駆動系22Zは、Z軸に沿って造形ヘッド21を移動させる。
ヘッド駆動系22Yは、筐体8の底面(或いは、筐体8の底面に配置される定盤)に空気ばね等の防振装置を介して設置される支持フレーム224に接続され且つY軸に沿って延びるYガイド部材221Yと、Yガイド部材221Yに沿って移動可能なYスライド部材222Yと、Yスライド部材222Yを移動させる不図示のモータとを備える。ヘッド駆動系22Xは、Yスライド部材222Yに接続され且つX軸に沿って延びるXガイド部材221Xと、Xガイド部材221Xに沿って移動可能なXスライド部材222Xと、Xスライド部材222Xを移動させる不図示のモータとを備える。ヘッド駆動系22Zは、Xスライド部材222Xに接続され且つZ軸に沿って延びるZガイド部材221Zと、Zガイド部材221Zに沿って移動可能なZスライド部材222Zと、Zスライド部材222Zを移動させる不図示のモータとを備える。Zスライド部材222Zには、造形ヘッド21が接続されている。Yスライド部材222YがYガイド部材221Yに沿って移動すると、ヘッド駆動系22X及び22Zを介してYスライド部材222Yに接続されている造形ヘッド21がY軸に沿って移動する。Xスライド部材222XがXガイド部材221Xに沿って移動すると、ヘッド駆動系22Zを介してXスライド部材222Xに接続されている造形ヘッド21がX軸に沿って移動する。Zスライド部材222ZがZガイド部材221Zに沿って移動すると、Zスライド部材222Zに接続されている造形ヘッド21がZ軸に沿って移動する。
ヘッド駆動系22が造形ヘッド21を移動させると、造形ヘッド21とステージ31及びステージ31に載置されたワークWのそれぞれとの相対位置が変わる。このため、ヘッド駆動系22は、造形ヘッド21とステージ31及びワークWのそれぞれとの相対的な位置関係を変更するための位置変更装置として機能してもよい。更に、造形ヘッド21とステージ31及びワークWのそれぞれとの相対位置が変わると、照射目標位置EP(更には、溶融池MP)がワークWに対して相対的に移動する。このため、ヘッド駆動系22は、照射目標位置EPを移動させるための移動装置として機能しているとみなしてもよい。
ステージユニット3は、ステージ31と、ステージ駆動系32とを備えている。
ステージ31には、物体であるワークWが載置される。具体的には、ステージ31の上面の少なくとも一部である載置面311には、ワークWが載置される。通常、載置面311はXY平面に沿った面であり、ワークWの表面WSもまたXY平面に沿った面である。ステージ31は、ステージ31に載置されたワークWを支持可能である。ステージ31は、ステージ31に載置されたワークWを保持可能であってもよい。この場合、ステージ31は、ワークWを保持するために、機械的なチャック、静電チャック及び真空吸着チャック等の少なくとも一つを備えていてもよい。或いは、ステージ31は、ステージ31に載置されたワークWを保持可能でなくてもよい。この場合、ワークWは、クランプレスでステージ31に載置されていてもよい。上述した照射光学系2111は、ステージ31にワークWが載置されている期間の少なくとも一部において造形光ELを射出する。更に、上述した材料ノズル212は、ステージ31にワークWが載置されている期間の少なくとも一部において造形材料Mを供給する。
本実施形態では、ステージ31は、ステージ31θXと、ステージ31θZとを含む。ステージ31がステージ31θXとステージ31θZとを含む理由は、後に詳述するように、後述するステージ駆動系32によってステージ31をθX方向及びθZ方向のそれぞれに沿って移動させるためである。ワークWは、ステージ31θZに載置される。このため、ステージ31θZの上面の少なくとも一部が、ワークWが載置される載置面311として用いられる。ステージ31θXは、後述するように、ステージ駆動系32によってθX方向に沿って移動可能(つまり、X軸に沿った回転軸周りに回転可能)である。ステージ31θZは、ステージ31θXの回転に合わせてステージ31θXと共にX軸に沿った回転軸周りに回転可能となるように、ステージ31θXに形成された凹部に配置されている。ステージ31θZは、後述するように、ステージ31θXの回転とは無関係にステージ駆動系32によってθZ方向に沿って移動可能(つまり、Z軸に沿った回転軸周りに回転可能)となるように、ステージ31θXに形成された凹部に配置されている。尚、ステージ31の構成は、図2及び図3に示した構成には限定されない。一例として、ステージ31θZがステージ31θXに形成された凹部に配置されていなくてもよい。
ステージ駆動系32は、ステージ31を移動させる。ステージ駆動系32は、例えば、X軸、Y軸、Z軸、θX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿ってステージ31を移動させる。尚、θX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿ってステージ31を移動させる動作は、X軸に沿った回転軸、Y軸に沿った回転軸及びZ軸に沿った回転軸の少なくとも一つの周りにステージ31を回転させることで、造形ヘッド21に対するステージ31の姿勢(更には、ステージ31に載置されているワークWの姿勢)を変更する動作と等価である。このため、ステージ駆動系32は、姿勢変更装置と称されてもよい。図2から図3に示す例では、ステージ駆動系32は、θX方向及びθZ方向のそれぞれに沿ってステージ31を移動させる。つまり、ステージ駆動系32は、X軸に沿った回転軸周りにステージ31を回転させ、Z軸に沿った回転軸周りにステージ31を回転させる。この場合、ステージ駆動系32は、ステージ駆動系32θXと、ステージ駆動系32θZとを備えていてもよい。ステージ駆動系32θXは、X軸に沿った回転軸周りにステージ31(特に、ステージ31θX)を回転させる。ステージ駆動系32θZは、Z軸に沿った回転軸周りにステージ31(特に、ステージ31θZ)を回転させる。ステージ駆動系32θXは、筐体8の底面(或いは、筐体8の底面に配置される定盤)に空気ばね等の防振装置を介して設置される一対の支持フレーム323にそれぞれ回転可能に接続される一対の回転シャフト321θXと、一対の回転シャフト321θXをX軸に沿った回転軸周りに回転させる駆動装置であるモータ322θXとを備える。一対の回転シャフト321θXは、X軸方向に沿って延びる。一対の回転シャフト321θXは、X軸方向に沿ってステージ31θXを挟み込むように、ステージ31θXに接続されている。ステージ駆動系32θZは、Z軸方向に沿って延び且つステージ31θZの底面(具体的には、ステージ31θXに対向する面)に接続される回転シャフト321θZと、回転シャフト321θZをZ軸に沿った回転軸周りに回転させるモータ322θZとを備える。一対の回転シャフト321θXが回転すると、ステージ31θXがX軸に沿った回転軸周りに回転する。その結果、ステージ31θXが支持するステージ31θZ(更には、ステージ31θZが支持するワークW)もまた、X軸に沿った回転軸周りに回転する。回転シャフト321θZが回転すると、ステージ31θZ(更には、ステージ31θZが支持するワークW)もまた、Z軸に沿った回転軸周りに回転する。尚、図2及び図3に示したステージ31は、ステージ31θXが支持フレーム323によって両側から支持される両持ち構造を有している。しかしながら、ステージ31は、ステージ31θXが支持フレーム323によって片側から支持される片持ち構造を有していてもよい。
ステージ駆動系32がステージ31を移動させると、造形ヘッド21とステージ31及びステージ31に載置されたワークWのそれぞれとの相対位置が変わる。このため、ステージ駆動系32は、造形ヘッド21とステージ31及びワークWのそれぞれとの相対的な位置関係を変更するための位置変更装置として機能してもよい。更に、造形ヘッド21とステージ31及びワークWのそれぞれとの相対位置が変わると、照射目標位置EP(更には、溶融池MP)がワークWに対して相対的に移動する。このため、ステージ駆動系32は、照射目標位置EPを移動させるための移動装置として機能しているとみなしてもよい。
ステージ31を回転軸周りに回転させる動作は、実質的には、ステージ31の姿勢を変更する(例えば、造形ヘッド21に対するステージ31の相対的な姿勢を変更する)動作と等価であるとみなしてもよい。このため、ステージ駆動系32は、造形ヘッド21に対するステージ31の相対的な姿勢を変更することで、造形ヘッド21とステージ31及びワークWのそれぞれとの相対的な位置関係を変更するための位置変更装置として機能してもよい。
光源5は、例えば、赤外光、可視光及び紫外光のうちの少なくとも一つを、造形光ELとして射出する。但し、造形光ELとして、その他の種類の光が用いられてもよい。造形光ELは、複数のパルス光(つまり、複数のパルスビーム)を含んでいてもよい。造形光ELは、レーザ光であってもよい。この場合、光源5は、レーザ光源(例えば、レーザダイオード(LD:Laser Diode)等の半導体レーザを含んでいてもよい。レーザ光源としては、ファイバ・レーザやCO2レーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ等であってもよい。但し、造形光ELはレーザ光でなくてもよい。光源5は、任意の光源(例えば、LED(Light Emitting Diode)及び放電ランプ等の少なくとも一つ)を含んでいてもよい。
気体供給源6は、筐体8の内部空間をパージするためのパージガスの供給源である。パージガスは、不活性ガスを含む。不活性ガスの一例として、窒素ガス又はアルゴンガスがあげられる。気体供給源6は、気体供給源6と筐体8とを接続する供給管61を介して、筐体8の内部空間にパージガスを供給する。その結果、筐体8の内部空間は、パージガスによってパージされた空間となる。尚、気体供給源6は、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスが格納されたボンベであってもよい。不活性ガスが窒素ガスである場合には、気体供給源6は、大気を原料として窒素ガスを発生する窒素ガス発生装置であってもよい。
上述したように、材料ノズル212がパージガスと共に造形材料Mを供給する場合には、気体供給源6は、材料供給源1からの造形材料Mが供給される混合装置12にパージガスを供給してもよい。具体的には、気体供給源6は、気体供給源6と混合装置12とを接続する供給管62を介して混合装置12と接続されていてもよい。その結果、気体供給源6は、供給管62を介して、混合装置12にパージガスを供給する。この場合、材料供給源1からの造形材料Mは、供給管62を介して気体供給源6から供給されたパージガスによって、供給管11内を通って材料ノズル212に向けて供給(具体的には、圧送)されてもよい。つまり、気体供給源6は、供給管62、混合装置12及び供給管11を介して、材料ノズル212に接続されていてもよい。その場合、材料ノズル212は、供給アウトレット214から、造形材料Mを圧送するためのパージガスと共に造形材料Mを供給することになる。
制御装置7は、造形装置SYSの動作を制御する。制御装置7は、造形装置SYSの動作を制御することで、3次元構造物STの造形を制御する。その結果、造形装置SYSは、制御装置7の制御下で、ワークWに対して付加加工を行うことで3次元構造物STを造形する。このため、制御装置7は、造形制御部と称されてもよい。具体的には、例えば、制御装置7は、ワークWに対して付加加工を行うように、造形装置SYSが備える造形ユニット2(例えば、造形ヘッド21及びヘッド駆動系22の少なくとも一方)を制御してもよい。例えば、制御装置7は、ワークWに対して付加加工を行うように、造形装置SYSが備えるステージユニット3(例えば、ステージ駆動系32)を制御してもよい。
制御装置7は、例えば、演算装置と、記憶装置とを備えていてもよい。演算装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)の少なくとも一方を含んでいてもよい。記憶装置は、例えば、メモリを含んでいてもよい。制御装置7は、演算装置がコンピュータプログラムを実行することで、造形装置SYSの動作を制御する装置として機能する。このコンピュータプログラムは、制御装置7が行うべき後述する動作を演算装置に行わせる(つまり、実行させる)ためのコンピュータプログラムである。つまり、このコンピュータプログラムは、造形装置SYSに後述する動作を行わせるように制御装置7を機能させるためのコンピュータプログラムである。演算装置が実行するコンピュータプログラムは、制御装置7が備える記憶装置(つまり、記録媒体)に記録されていてもよいし、制御装置7に内蔵された又は制御装置7に外付け可能な任意の記憶媒体(例えば、ハードディスクや半導体メモリ)に記録されていてもよい。或いは、演算装置は、実行するべきコンピュータプログラムを、ネットワークインタフェースを介して、制御装置7の外部の装置からダウンロードしてもよい。
制御装置7は、ビーム照射部211による造形光ELの射出態様を制御してもよい。射出態様は、例えば、造形光ELの強度及び造形光ELの射出タイミングの少なくとも一方を含んでいてもよい。造形光ELが複数のパルス光を含む場合には、射出態様は、例えば、パルス光の発光時間、パルス光の発光周期、及び、パルス光の発光時間の長さとパルス光の発光周期との比(いわゆる、デューティ比)の少なくとも一つを含んでいてもよい。更に、制御装置7は、ヘッド駆動系22による造形ヘッド21の移動態様を制御してもよい。制御装置7は、ステージ駆動系32によるステージ31の移動態様を制御してもよい。移動態様は、例えば、移動量、移動速度、移動方向及び移動タイミング(移動時期)の少なくとも一つを含んでいてもよい。更に、制御装置7は、材料ノズル212による造形材料Mの供給態様を制御してもよい。供給態様は、例えば、供給量(特に、単位時間当たりの供給量)及び供給タイミング(供給時期)の少なくとも一方を含んでいてもよい。
制御装置7は、造形装置SYSの内部に設けられていなくてもよい。例えば、制御装置7は、造形装置SYS外にサーバ等として設けられていてもよい。この場合、制御装置7と造形装置SYSとは、有線及び/又は無線のネットワーク(或いは、データバス及び/又は通信回線)で接続されていてもよい。有線のネットワークとして、例えばIEEE1394、RS-232x、RS-422、RS-423、RS-485及びUSBの少なくとも一つに代表されるシリアルバス方式のインタフェースを用いるネットワークが用いられてもよい。有線のネットワークとして、パラレルバス方式のインタフェースを用いるネットワークが用いられてもよい。有線のネットワークとして、10BASE-T、100BASE-TX及び1000BASE-Tの少なくとも一つに代表されるイーサネット(登録商標)に準拠したインタフェースを用いるネットワークが用いられてもよい。無線のネットワークとして、電波を用いたネットワークが用いられてもよい。電波を用いたネットワークの一例として、IEEE802.1xに準拠したネットワーク(例えば、無線LAN及びBluetooth(登録商標)の少なくとも一方)があげられる。無線のネットワークとして、赤外線を用いたネットワークが用いられてもよい。無線のネットワークとして、光通信を用いたネットワークが用いられてもよい。この場合、制御装置7と造形装置SYSとはネットワークを介して各種の情報の送受信が可能となるように構成されていてもよい。また、制御装置7は、ネットワークを介して造形装置SYSにコマンドや制御パラメータ等の情報を送信可能であってもよい。造形装置SYSは、制御装置7からのコマンドや制御パラメータ等の情報を、上記ネットワークを介して受信する受信装置を備えていてもよい。造形装置SYSは、制御装置7に対してコマンドや制御パラメータ等の情報を、上記ネットワークを介して送信する送信装置(つまり、制御装置7に対して情報を出力する出力装置)を備えていてもよい。或いは、制御装置7が行う処理のうちの一部を行う第1制御装置が造形装置SYSの内部に設けられている一方で、制御装置7が行う処理のうちの他の一部を行う第2制御装置が造形装置SYSの外部に設けられていてもよい。
制御装置7内には、演算装置がコンピュータプログラムを実行することで、機械学習によって構築可能な演算モデルが実装されてもよい。機械学習によって構築可能な演算モデルの一例として、例えば、ニューラルネットワークを含む演算モデル(いわゆる、人工知能(AI:Artificial Intelligence))があげられる。この場合、演算モデルの学習は、ニューラルネットワークのパラメータ(例えば、重み及びバイアスの少なくとも一つ)の学習を含んでいてもよい。制御装置7は、演算モデルを用いて、造形装置SYSの動作を制御してもよい。つまり、造形装置SYSの動作を制御する動作は、演算モデルを用いて造形装置SYSの動作を制御する動作を含んでいてもよい。尚、制御装置7には、教師データを用いたオフラインでの機械学習により構築済みの演算モデルが実装されてもよい。また、制御装置7に実装された演算モデルは、制御装置7上においてオンラインでの機械学習によって更新されてもよい。或いは、制御装置7は、制御装置7に実装されている演算モデルに加えて又は代えて、制御装置7の外部の装置(つまり、造形装置SYSの外部に設けられる装置に実装された演算モデルを用いて、造形装置SYSの動作を制御してもよい。
尚、制御装置7が実行するコンピュータプログラムを記録する記録媒体としては、CD-ROM、CD-R、CD-RWやフレキシブルディスク、MO、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD-R、DVD+R、DVD-RW、DVD+RW及びBlu-ray(登録商標)等の光ディスク、磁気テープ等の磁気媒体、光磁気ディスク、USBメモリ等の半導体メモリ、及び、その他プログラムを格納可能な任意の媒体の少なくとも一つが用いられてもよい。記録媒体には、コンピュータプログラムを記録可能な機器(例えば、コンピュータプログラムがソフトウェア及びファームウェア等の少なくとも一方の形態で実行可能な状態に実装された汎用機器又は専用機器)が含まれていてもよい。更に、コンピュータプログラムに含まれる各処理や機能は、制御装置7(つまり、コンピュータ)がコンピュータプログラムを実行することで制御装置7内に実現される論理的な処理ブロックによって実現されてもよいし、制御装置7が備える所定のゲートアレイ(FPGA、ASIC)等のハードウェアによって実現されてもよいし、論理的な処理ブロックとハードウェアの一部の要素を実現する部分的ハードウェアモジュールとが混在する形式で実現してもよい。
(2)造形装置SYSの動作
続いて、造形装置SYSの動作について説明する。
(2-1)付加加工の基本動作
初めに、造形装置SYSがワークWに対して行う付加加工の基本動作について説明する。ワークWに対して行われる付加加工は、ワークWと一体化された(或いは、分離可能な)造形物をワークWに付加するように造形物を造形する動作に相当する。以下では、説明の便宜上、所望形状を有する造形物である3次元構造物STを造形する付加加工について説明する。上述したように、造形装置SYSは、レーザ肉盛溶接法に基づく付加加工を行うことで、3次元構造物STを造形する。このため、造形装置SYSは、レーザ肉盛溶接法に準拠した既存の付加加工を行うことで、3次元構造物STを造形してもよい。以下、レーザ肉盛溶接法を用いて3次元構造物STを造形する動作の一例について簡単に説明する。
造形装置SYSは、造形するべき3次元構造物STの3次元モデルデータ(例えば、CAD(Computer Aided Design)データ)等に基づいて、ワークW上に3次元構造物STを造形する。3次元モデルデータとして、造形装置SYS内に設けられた不図示の計測装置及び造形装置SYSとは別に設けられた3次元形状計測機の少なくとも一方で計測された立体物の計測データが用いられてもよい。造形装置SYSは、3次元構造物STを造形するために、例えば、Z軸方向に沿って並ぶ複数の層状の部分構造物(以下、“構造層”と称する)SLを順に造形していく。例えば、造形装置SYSは、3次元構造物STの3次元モデルをZ軸方向に沿って輪切りにすることで得られる複数の層のデータに基づいて複数の構造層SLを1層ずつ順に造形していく。その結果、複数の構造層SLが積層された積層構造体である3次元構造物STが造形される。尚、構造層SLは、必ずしも層状の形状を有する造形物でなくてもよい。以下、複数の構造層SLを1層ずつ順に造形していくことで3次元構造物STを造形する動作の流れについて説明する。
まず、各構造層SLを造形する動作について図4(a)から図4(e)を参照して説明する。造形装置SYSは、制御装置7の制御下で、ワークW又は造形済みの構造層SL(或いは、任意の造形物、以下同じ)の第1所望位置に照射目標位置EPが設定されるように、造形ヘッド21及びステージ31の少なくとも一方を移動させる。その後、造形装置SYSは、照射目標位置EPに向けて照射光学系2111から造形光ELを射出する。その結果、図4(a)に示すように、造形装置SYSは、ワークWの表面又は造形済みの構造層SLの表面に相当する造形面MS上の第2所望位置に造形光ELを照射する。尚、造形面MSに造形光ELが照射されるがゆえに、造形面MSは、典型的には、造形光ELを射出する照射光学系2111の光軸AXに交差する面(例えば、XY平面に沿った面)となる。
ここで、照射目標位置EPについて、図5(a)から図5(b)及び図6(a)から図6(b)を用いて説明する。照射目標位置EPは、ビーム照射部211からの造形光ELが照射されるべき位置である。図5(a)に示すように、照射目標位置EPは、ビーム照射部211からの造形光ELが集光されるべき位置を意味していてもよい。つまり、照射目標位置EPは、ビーム照射部211からの造形光ELのベストフォーカス部分(つまり、造形光ELが最も収斂している部分)CPが位置するべき位置を意味していてもよい。この場合、照射目標位置EPは、集光目標位置と称されてもよい。或いは、図5(b)に示すように、照射目標位置EPは、ビーム照射部211からの造形光ELのベストフォーカス位置部分とは異なる部分が位置するべき位置を意味していてもよい。つまり、照射目標位置EPは、ビーム照射部211からの造形光ELのうちのデフォーカス量が所望量となる部分が位置するべき位置を意味していてもよい。尚、照射目標位置EPは、照射光学系2111の光軸AXに交差する面内での位置(例えば、XY平面内の位置)と、光軸AXの方向における位置(例えば、Z方向の位置)との双方を含むものである。以下の説明では、説明の便宜上、照射目標位置EPが、ビーム照射部211からの造形光ELが集光されるべき位置である例について説明する。
制御装置7は、図6(a)に示すように、照射目標位置EPを、ワークWの表面又は造形済みの構造層SLの表面に相当する造形面MS上に設定してもよい。つまり、制御装置7は、図6(a)に示すように、照射目標位置EPを、造形面MS上の位置に設定してもよい。例えば、ワークWの表面が造形面MSを含む場合には、制御装置7は、照射目標位置EPを、ワークWの表面に設定してもよい。例えば、構造層SLの表面が造形面MSを含む場合には、制御装置7は、照射目標位置EPを、構造層SLの表面に設定してもよい。上述したように、ビーム照射部211は、造形面MSに造形光ELを照射する。このため、照射目標位置EPが造形面MS上に設定される場合には、造形面MS上で実際に造形光ELが照射される実照射位置APは、照射目標位置EPと一致していてもよい。
制御装置7は、図6(b)に示すように、照射目標位置EPを、表面が造形面MSとなるワークW又は造形済みの構造層SLの内部に設定してもよい。つまり、制御装置7は、照射目標位置EPを、表面が造形面MSとなるワークW又は造形済みの構造層SLの内部の位置に設定してもよい。照射目標位置EPがワークW又は造形済みの構造層SLの内部に設定される場合には、ワークW、造形済みの構造層SL又は溶融池MPによって造形光ELが遮られる(例えば、吸収される、反射される又は散乱される)がゆえに、造形光ELが照射目標位置EPまで到達しない可能性がある。つまり、ビーム照射部211が照射目標位置EPに向けて造形光ELを射出しても、造形光ELが照射目標位置EPに実際には照射されない可能性がある。この場合、造形面MS上で実際に造形光ELが照射される実照射位置APは、照射目標位置EPと一致していなくてもよい。例えば、実照射位置APは、照射光学系2111の光軸AXが延びる光軸方向(図6(b)に示す例では、Z軸方向)に沿って照射目標位置EPから離れた位置に位置していてもよい。具体的には、実照射位置APは、光軸AXと造形面MSとの交点を含む造形面MS上の領域に位置していてもよい。但し、造形光ELが照射目標位置EPまで到達する場合には、実照射位置APは、照射目標位置EPと一致していてもよい。
照射目標位置EPと実照射位置APとの位置関係が一定のルールに従って規定可能であることを考慮すれば、照射目標位置EPを設定する動作は、実質的には、実照射位置APを設定する動作と等価であるとみなしてもよい。後述する照射目標位置EPが設定される位置に関する条件は、実質的には、実目標位置EPが設定される位置に関する条件と等価であるとみなしてもよい。
このように、ワークW又は造形済みの構造層SLの第1所望位置に照射目標位置EPを設定する動作は、ワークWの表面又は造形済みの構造層SLの表面に相当する造形面MS上の位置に照射目標位置EPを設定する動作と、表面が造形面MSとなるワークW又は造形済みの構造層SLの内部の位置に照射目標位置EPを設定する動作との少なくとも一つを含んでいてもよい。
再び図4(a)において、造形面MSに造形光ELが照射されると、造形光ELが照射された造形面MS上の実照射位置APを含む領域に溶融池(つまり、造形光ELによって溶融した金属等のプール)MPが形成される。更に、造形装置SYSは、制御装置7の制御下で、材料ノズル212から造形材料Mを供給する。その結果、溶融池MPに造形材料Mが供給される。溶融池MPに供給された造形材料Mは、溶融池MPに照射されている造形光ELによって溶融する。或いは、材料ノズル212から供給された造形材料Mは、溶融池MPに到達する前に造形光ELによって溶融し、溶融した造形材料Mが溶融池MPに供給されてもよい。その後、造形ヘッド21及びステージ31の少なくとも一方の移動に伴って溶融池MPに造形光ELが照射されなくなると、溶融池MPにおいて溶融した造形材料Mは、冷却されて固化(つまり、凝固)する。その結果、図4(c)に示すように、固化した造形材料Mから構成される造形物が造形面MS上に堆積される。
造形装置SYSは、このような造形光ELの照射による溶融池MPの形成、溶融池MPへの造形材料Mの供給、供給された造形材料Mの溶融及び溶融した造形材料Mの固化を含む一連の造形処理を、図4(d)に示すように、造形面MSに対して造形ヘッド21を、X軸方向及びY軸方向の少なくとも一方に沿って移動させながら繰り返す。この際、造形装置SYSは、造形面MS上において造形物を造形したい領域に造形光ELを照射する一方で、造形面MS上において造形物を造形したくない領域に造形光ELを照射しない。つまり、造形装置SYSは、造形面MSに対して所定の移動軌跡に沿って照射目標位置EPを移動させながら、造形物を造形したい領域の分布の態様に応じたタイミングで造形光ELを造形面MSに照射する。その結果、溶融池MPもまた、照射目標位置EPの移動軌跡に応じた移動軌跡に沿って造形面MS上を移動することになる。具体的には、溶融池MPは、造形面MS上において、照射目標位置EPの移動軌跡に沿った領域のうち造形光ELが照射された部分に順次形成される。その結果、図4(e)に示すように、造形面MS上に、溶融した後に固化した造形材料Mの集合体である造形物に相当する構造層SLが造形される。つまり、溶融池MPの移動軌跡に応じたパターンで造形面MS上に造形された造形物の集合体に相当する構造層SL(つまり、平面視において、溶融池MPの移動軌跡に応じた形状を有する構造層SL)が造形される。尚、造形物を造形したくない領域に照射目標位置EPが設定されている場合、造形装置SYSは、造形光ELを照射目標位置EPに照射するとともに、造形材料Mの供給を停止してもよい。また、造形物を造形したくない領域に照射目標位置EPが設定されている場合に、造形装置SYSは、造形材料Mを照射目標位置EPに供給するとともに、溶融池MPができない強度の造形光ELを照射目標位置EPに照射してもよい。
造形装置SYSは、このような構造層SLを造形するための動作を、制御装置7の制御下で、3次元モデルデータに基づいて繰り返し行う。具体的には、まず、制御装置7は、構造層SLを造形するための動作を行う前に、3次元モデルデータを積層ピッチでスライス処理してスライスデータを作成する。造形装置SYSは、ワークWの表面に相当する造形面MS上に1層目の構造層SL#1を造形するための動作を、構造層SL#1に対応するスライスデータに基づいて行う。具体的には、制御装置7は、構造層SL#1に対応するスライスデータに基づいて、1層目の構造層SL#1を造形するように造形ユニット2及びステージユニット3を制御するための加工制御情報を生成する。加工制御情報は、例えば、造形光ELの照射目標位置EPの移動軌跡(例えば、造形面MSに対する移動軌跡)を示す加工パスを含む加工パス情報を含んでいてもよい。その後、制御装置7は、加工制御情報に基づいて、1層目の構造層SL#1を造形するように造形ユニット2及びステージユニット3を制御する。その結果、造形面MS上には、図7(a)に示すように、構造層SL#1が造形される。尚、造形装置SYSが付加加工を開始する前に、加工制御情報が予め生成されていてもよい。この場合、制御装置7は、加工制御情報を生成することに代えて、予め生成されている加工制御情報を取得し、取得した加工制御情報に基づいて構造層SLを造形するように、造形ユニット2及びステージユニット3を制御してもよい。その後、造形装置SYSは、構造層SL#1の表面(つまり、上面)を新たな造形面MSに設定した上で、当該新たな造形面MS上に2層目の構造層SL#2を造形する。構造層SL#2を造形するために、制御装置7は、まず、ステージ31に対して造形ヘッド21がZ軸に沿って移動するように、ヘッド駆動系22及びステージ駆動系32の少なくとも一方を制御する。具体的には、制御装置7は、ヘッド駆動系22及びステージ駆動系32の少なくとも一方を制御して、照射目標位置EPが構造層SL#1の表面(つまり、新たな造形面MS)又は構造層SL#1の内部に設定されるように、+Z側に向かって造形ヘッド21を移動させる及び/又は-Z側に向かってステージ31を移動させる。その後、造形装置SYSは、制御装置7の制御下で、構造層SL#1を造形する動作と同様の動作で、構造層SL#2に対応するスライスデータに基づいて、構造層SL#1上に構造層SL#2を造形する。その結果、図7(b)に示すように、構造層SL#2が造形される。以降、同様の動作が、ワークW上に造形するべき3次元構造物STを構成する全ての構造層SLが造形されるまで繰り返される。その結果、図7(c)に示すように、複数の構造層SLが積層された積層構造物によって、3次元構造物STが造形される。
(2-2)傾斜面SSを備える3次元構造物STの造形動作
本実施形態では、造形装置SYSは、制御装置7の制御下で、ワークWに対して上述した付加加工を行うことで、傾斜面SSを備える3次元構造物STを造形してもよい。以降の説明では、説明の便宜上、傾斜面SSを含む3次元構造物STを、“傾斜構造物SST”と称する。傾斜構造物SSTの一例が図8(a)及び図8(b)に示されている。図8(a)は、傾斜構造物SSTの一例を示す斜視図であり、図8(b)は、傾斜構造物SSTの一例を示す断面図である。図8(a)及び図8(b)に示すように、傾斜面SSは、ワークWの表面WS(図8(a)及び図8(b)に示す例では、XY平面に沿った面)に対して傾斜した面を含んでいてもよい。図8(a)及び図8(b)に示すように、傾斜面SSは、ワークWの表面WSの法線(図8(a)及び図8(b)に示す例では、Z軸方向に沿って延びる線)に対して傾斜した面を含んでいてもよい。図8(a)及び図8(b)に示すように、傾斜面SSは、ワークWの表面WSに対して傾斜した面を含んでいてもよい。傾斜面SSは、Z軸方向(つまり、重力方向)に対して傾斜した面を含んでいてもよい。照射光学系2111の光軸AXがZ軸に平行な軸であるため、傾斜面SSは、照射光学系2111の光軸AXが延びる光軸方向に対して傾斜した面を含んでいてもよい。傾斜面SSは、ワークWの表面WSとの間に空間が形成される面を含んでいてもよい。傾斜面SSは、その下方が空間となる面を含んでいてもよい。
図8(a)及び図8(b)は、傾斜構造物SSTが、傾斜面SSとして、+Z側を向いた傾斜面SS#1と、-Z側を向いた傾斜面SS#2とを備える薄板状の構造物である例を示している。傾斜面SS#1及びSS#2の夫々は、ワークWの表面WSと傾斜構造物SSTとの接続部Cから上方(具体的には、+Z側)に離れるにつれて、接続部Cから厚み方向(具体的には、Y軸方向)に沿って離れる形状を有している。尚、本実施形態では、接続部Cから延びるワークWの表面WSの法線Nから傾斜面SSが離れていく方向(つまり、傾斜面SSが倒れていく方向)を、便宜上、倒れ方向と称する。図8(a)及び図8(b)に示す例では、ワークWの表面WSの法線NがZ軸方向に沿って延びており、傾斜面SSが法線NからY軸方向に沿って離れていくため、Y軸方向が倒れ方向となる。典型的には、倒れ方向は、光軸方向に交差する方向となる。このため、倒れ方向は、交差方向と称されてもよい。但し、傾斜構造物SSTの形状が図8(a)及び図8(b)に示す例に限定されることはない。尚、傾斜構造物SSTの傾斜面SS#1及びSS#2の夫々の傾きがワークWの表面WSから離れるにつれて変化していてもよい。
傾斜構造物SSTを造形する場合においても、造形装置SYSは、Z軸方向に積層される複数の構造層SLを順に造形していく(つまり、Z軸方向に沿って複数の構造層SLを積層させる)ことで、複数の構造層SLを含む傾斜構造物SSTを造形する。但し、傾斜構造物SSTを造形装置SYSが造形する場合には、造形装置SYSは、3次元構造物STを構成する複数の構造層STのそれぞれを造形するために、一の造形物を造形した後に、他の造形物を少なくとも造形してもよい。つまり、造形装置SYSは、各構造層STを造形するために、一の造形物を造形するための図4(a)から図4(e)に示す一連の造形処理を行った後に、他の造形物を造形するための図4(a)から図4(e)に示す一連の造形処理を少なくとも行ってもよい。この場合、後に詳述するように、各構造層STを造形するために一の造形物を造形する一方で他の造形物を造形しない場合と比較して、傾斜構造物SSTが適切に造形可能となる。
以下、傾斜構造物SSTを造形するための造形動作の具体例について更に説明する。尚、以下では、図8(a)及び図8(b)に示す傾斜構造物SSTを造形するための造形動作について説明する。しかしながら、造形装置SYSは、以下に説明する造形動作と同様の動作を行うことで、図8(a)及び図8(b)に示す傾斜構造物SSTとは異なる形状を有する他の傾斜構造物SSTを造形してもよい。また、上述したように、造形装置SYSは、制御装置7の制御下で傾斜構造物SSTを造形する。このため、以下の造形動作の説明は、実質的には、傾斜構造物SSTを造形するように制御装置7が造形装置SYSを制御する動作の説明と等価であるとみなしてもよい。
(2-2-1)傾斜構造物SSTを造形するための第1造形動作
初めに、ワークWに傾斜構造物SSTを造形するための造形動作の第1具体例(第1造形動作)について説明する。上述したように、傾斜構造物SSTを造形する場合には、造形装置SYSは、造形面MSに各構造層SLを造形するために、一の造形物を造形した後に他の造形物を少なくとも造形する。特に、造形装置SYSは、造形面MSの一の位置に照射目標位置EPを設定した上で造形面MSに造形光ELを照射することで一の造形物を造形し、その後、一の造形物の他の位置に照射目標位置EPを設定した上で一の造形物に造形光ELを照射することで他の造形物を造形する。第1造形動作は、倒れ方向(交差方向)において、一の造形物を造形するための照射目標位置EPが設定される一の位置と、他の造形物を造形するための照射目標位置EPが設定される他の位置とが同じ位置になるように、一の造形物及び他の造形物を造形することで、傾斜構造物SSTを造形する動作である。以下、第1造形動作の流れについて、図8から図21を参照しながら説明する。
まず、造形装置SYSは、造形面MSに設定されたワークWの表面WSに、傾斜構造物SSTを構成する1層目の構造層SL#1を造形する。具体的には、造形装置SYSは、構造層SL#1を造形するために、一の造形物としての造形物BO#11(後述する図10参照)を造形し、その後、他の造形物としての造形物BO#12(後述する図14参照)を造形する。具体的には、造形装置SYSは、光軸方向及び倒れ方向に交差する走査方向に沿って延びる造形物BO#11及びBO#12を造形する。例えば、図8(a)及び図8(b)に示す傾斜構造物SSTを造形する場合には、造形装置SYSは、光軸方向であるZ軸方向及び倒れ方向であるY軸方向に交差する走査方向(つまり、X軸方向)に沿って延びる造形物BO#11及びBO#12を造形する。
造形装置SYSは、まず、造形物BO#11を造形するために、図9(a)及び図9(b)に示すように、ワークWの表面WS又は内部に照射目標位置EPが設定可能となるように、造形ヘッド21及びステージ31の少なくとも一つを移動させる。その後、造形装置SYSは、加工制御情報(特に、造形物BO#11を造形するための加工パスPP#11を含む加工パス情報)に基づいて、造形面MSに対して照射目標位置EPを移動させる。その結果、ワークWの表面WS又は内部において、加工パスPP#11が示す位置P#11に照射目標位置EPが順次設定される。尚、図9(a)及び図9(b)に示す例では、加工パスPP#11は、走査方向であるX軸方向に沿って延びる移動軌跡を示している。つまり、加工パスPP#11は、走査方向であるX軸方向に沿って延びる造形物BO#11を造形するための照射目標位置EPの移動軌跡を示している。
造形装置SYSは、造形面MSに対して照射目標位置EPを移動させながら、造形面MSのうちの造形物BO#11を造形すべき領域に造形光ELを照射する。その結果、図9(b)に示すように、造形面MS上において造形物BO#11を造形すべき領域に、溶融池MPが形成される。更に、造形面MSに溶融池MPが形成された場合には、溶融池MPに対して材料ノズル212から造形材料Mが供給される。尚、図9(b)における溶融池MPはあくまで一例であり、図9(b)に示す位置とは異なる位置に、図9(b)に示す形状とは異なる形状の溶融池MPが形成されてもよい。
その後、造形ヘッド21及びステージ31の少なくとも一方の移動に伴って溶融池MPに造形光ELが照射されなくなると、溶融池MPにおいて溶融した造形材料Mは、冷却されて固化(つまり、凝固)する。その結果、図10(a)及び図10(b)に示すように、固化した造形材料Mから構成される造形物BO#11が造形面MS上に造形される。尚、図10(b)における造形物BO#11はあくまで一例であり、図10(b)に示す位置とは異なる位置に、図10(b)に示す形状とは異なる形状の造形物BO#11が形成されてもよい。
尚、図10(b)は、造形物BO#11が造形面MS(図10(b)に示す例では、ワークWの表面WS)上に造形される例を示している。つまり、図10(b)は、造形物BO#11が、ワークWの内部に進入しない形状を有する例を示している。一方で、ワークWの表面WSに設定された造形面MSに溶融池MPが形成される場合には、溶融池MPには、ワークWの一部を構成していた材料(例えば、溶融金属)が含まれている可能性がある。この場合、図11に示すように、造形物BO#11は、ワークWの内部に進入する形状を有していてもよい。尚、図10(b)及び図11は、図面の見やすさのために、造形物BO#11とワークWとの境界を明示している。しかしながら、造形物BO#11とワークWとの境界が、その断面において視認可能な境界でなくてもよい。例えば、造形材料MとワークWを構成する材料とが同一種類の材料である場合には、造形物BO#11とワークWとの境界は、その断面において視認可能な境界とならない可能性がある。一方で、造形材料MとワークWを構成する材料とが異なる種類の材料である場合には、造形物BO#11とワークWとの境界は、その断面において視認可能な境界となっていてもよい。以下の説明においても同様である。
その後、造形装置SYSは、造形物BO#12を造形する。このため、造形装置SYSは、まず、図12(a)及び図12(b)に示すように、造形済みの造形物BO#11の表面又は内部に照射目標位置EPが設定可能となるように、造形ヘッド21及びステージ31の少なくとも一つを移動させる。但し、造形ヘッド21及びステージ31を移動させなくても造形物BO#11の表面WS又は内部に照射目標位置EPが設定可能である場合には、造形装置SYSは、造形ヘッド21及びステージ31の少なくとも一つを移動させなくてもよい。その後、造形装置SYSは、加工制御情報(特に、造形物BO#12を造形するための加工パスPP#12を示す加工パス情報)に基づいて、造形面MSに対して照射目標位置EPを移動させる。その結果、造形物BO#11の表面又は内部において、加工パスPP#12が示す位置P#12に照射目標位置EPが順次設定される。
図12(a)及び図12(b)に示す例では、加工パスPP#12は、加工パスPP#11と同様に、走査方向であるX軸方向に沿って延びる移動軌跡を示している。つまり、加工パスPP#12は、走査方向であるX軸方向に沿って延びる造形物BO#12を造形するための照射目標位置EPの移動軌跡を示している。このように、ある構造層SLを造形するために造形される少なくとも二つの造形物を夫々造形するための少なくとも二つの加工パスは、同じ形状を有する移動軌跡を示してもよい。ある構造層SLを造形するために造形される少なくとも二つの造形物を夫々造形するための少なくとも二つの加工パスは、合同な関係にある形状の移動軌跡を示していてもよい。
本実施形態では、図12(b)に示すように、造形装置SYSは、倒れ方向であるY軸方向において、造形物BO#12を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#12(図12(b)の上側の図参照)と、造形物BO#11を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#11(図12(b)の下側の図参照)とが同じ位置になるように、照射目標位置EPを設定する。尚、図12(b)の上側の図は、造形物BO#12を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#12を示しており、図12(b)の下側の図は、造形物BO#11を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#11を示している。このため、造形装置SYSは、倒れ方向において加工パスPP#11が示す位置P#11と同じ位置P#12を示す加工パスPP#12を含む加工パス情報に基づいて、照射目標位置EPを設定してもよい(つまり、移動させてもよい)。
更に、図12(b)に示すように、造形装置SYSは、光軸方向であるZ軸方向において、位置P#12(図12(b)の上側の図参照)と位置P#11(図12(b)の下側の図参照)とが同じ位置になるように、照射目標位置EPを設定してもよい。この場合、造形装置SYSは、光軸方向において加工パスPP#11が示す位置P#11と同じ位置P#12を示す加工パスPP#12を含む加工パス情報に基づいて、照射目標位置EPを設定してもよい(つまり、移動させてもよい)。
或いは、造形装置SYSは、光軸方向において、位置P#12と位置P#11とが異なる位置になるように、照射目標位置EPを設定してもよい。この場合、造形装置SYSは、光軸方向において加工パスPP#11が示す位置P#11と異なる位置P#12を示す加工パスPP#12を含む加工パス情報に基づいて、照射目標位置EPを設定してもよい(つまり、移動させてもよい)。例えば、図13に示すように、造形装置SYSは、光軸方向において、位置P#12が位置P#11よりも上方(つまり、+Z側)に位置するように、照射目標位置EPを設定してもよい。
造形装置SYSは、造形面MSに対して照射目標位置EPを移動させながら、造形物BO#11のうちの造形物BO#12を造形すべき領域に造形光ELを照射する。その結果、図12(b)に示すように、造形物BO#11上において造形物BO#12を造形すべき領域に、溶融池MPが形成される。更に、造形面MSに溶融池MPが形成された場合には、溶融池MPに対して材料ノズル212から造形材料Mが供給される。尚、図12(b)における溶融池MPはあくまで一例であり、図12(b)に示す位置とは異なる位置に、図12(b)に示す形状とは異なる形状の溶融池MPが形成されてもよい。
その後、造形ヘッド21及びステージ31の少なくとも一方の移動に伴って溶融池MPに造形光ELが照射されなくなると、溶融池MPにおいて溶融した造形材料Mは、冷却されて固化(つまり、凝固)する。その結果、図14(a)及び図14(b)に示すように、固化した造形材料Mから構成される造形物BO#12が造形される。図14(a)及び図14(b)に示す例では、造形物BO#11上に造形物BO#12が造形される。尚、図14(b)における造形物BO#12はあくまで一例であり、図14(b)に示す位置とは異なる位置に、図14(b)に示す形状とは異なる形状の造形物BO#14が形成されてもよい。
このように、造形物BO#11及びBO#12を含む構造層SL#1が造形される。この場合、構造層SL#1の高さ(つまり、Z軸方向のサイズ)h_SL#1は、構造層SL#1を構成する造形物BO#11の高さh_BO#11より高くなる。このため、第1造形動作によれば、造形物BO#11を含む一方で造形物BO#12を含まない構造層SL#1が造形される場合と比較して、高さがより高い構造層SL#1が造形可能となる。但し、構造層SL#1の高さh_SL#1は、造形物BO#11の高さh_BO#11より高くなくてもよい。例えば、構造層SL#1の高さh_SL#1は、造形物BO#11の高さh_BO#11と同じであってもよい。
また、構造層SL#1の幅(つまり、XY平面に沿った方向のサイズであり、図14(b)に示す例では、Y軸方向のサイズ)w_SL#1は、構造層SL#1を構成する造形物BO#11の幅w_BO#11よりも大きくなる。このため、第1造形動作によれば、造形物BO#11を含む一方で造形物BO#12を含まない構造層SL#1が造形される場合と比較して、幅がより大きい構造層SL#1が造形可能となる。但し、構造層SL#1の幅w_SL#1は、構造層SL#1を構成する造形物BO#11の幅w_BO#11よりも大きくなくてもよい。例えば、構造層SL#1の幅w_SL#1は、構造層SL#1を構成する造形物BO#11の幅w_BO#11と同じであってもよい。
尚、造形装置SYSは、造形物BO#11及びBO#12を造形した後に、構造層SL#1を構成する少なくとも一つの別の造形物を造形してもよい。例えば、造形装置SYSは、造形済みの造形物BO#12の表面又は内部に照射目標位置EPを新たに設定することで、造形物BO#11及びBO#12とは異なる不図示の造形物BO#13を更に造形してもよい。この場合、造形物BO#11及びBO#12に加えて少なくとも一つの別の造形物を含む構造層SL#1が造形される。構造層SL#1とは異なる構造層SLを造形する場合においても同様のことが言える。
また、図14(b)は、造形物BO#12が、造形物BO#12が造形される前の造形物BO#11の内部に進入しない形状を有する例を示している。一方で、造形物BO#11に溶融池MPが形成される場合には、溶融池MPには、造形物BO#11の少なくとも一部を構成していた材料(例えば、溶融金属)が含まれている可能性がある。この場合、図15(a)及び図15(b)に示すように、造形物BO#12は、造形物BO#12が造形される前の造形物BO#11の内部に少なくとも部分的に進入する形状を有していてもよい。例えば、図15(a)は、造形物BO#11に溶融池MPが形成されることで造形物BO#11の一部が溶融した場合に造形される造形物BO#12の一例を示している。この場合、図15(a)に示すように、造形物BO#12は、造形物BO#12が造形される前の造形物BO#11の内部に部分的に進入する形状を有していてもよい。この場合、造形物BO#11に溶融池MPが形成されることで造形物BO#11の一部が溶融したとしても、造形物BO#11の他の一部が溶融しない。このため、造形物BO#11が部分的に残っている。一方で、例えば、図15(b)は、造形物BO#11に溶融池MPが形成されることで造形物BO#11の全体が溶融した場合に造形される造形物BO#12の一例を示している。この場合、図15(b)に示すように、造形物BO#12は、造形物BO#12が造形される前の造形物BO#11の内部に全体的に進入する形状を有していてもよい。この場合、造形物BO#11に溶融池MPが形成されることで造形物BO#11の全部が溶融するがゆえに、造形物BO#12が造形された後に、造形物BO#11が部分的に残らなくてもよい。つまり、造形物BO#11は、実質的に造形物BO#12に吸収されていてもよい。この場合、構造層SL#1は、造形物BO#12を含む一方で、造形物BO#11を含んでいないとみなしてもよい。或いは、この場合であっても、元々造形物BO#11を構成していた材料を造形物BO#12が含んでいるがゆえに、構造層SL#1は、造形物BP#11及びBO#12を含んでいるとみなしてもよい。尚、造形物BO#12に限らず、一の造形物上に他の造形物が造形される場合においても同様に、他の造形物は、一の造形物の内部に進入しない形状を有していてもよいし、一の造形物の内部に少なくとも部分的に進入する形状を有していてもよい。
尚、ここで、「第1の造形物が、第1の造形物が造形される前の第2の造形物の内部に進入しない」状態は、「第1の造形物の造形前及び造形後の双方において、第2の造形物の形状が変わらない状態」を意味していてもよい。「第1の造形物が、第1の造形物が造形される前の第2の造形物の内部に進入しない」状態は、「第1の造形物の造形前には第2の造形物が存在していた領域に、第1の造形物の少なくとも一部が存在しない状態」を意味していてもよい。逆に、「第1の造形物が、第1の造形物が造形される前の第2の造形物の内部に進入する」状態は、「第1の造形物の造形前及び造形後の双方において、第2の造形物の形状が変わる状態」を意味していてもよい。「第1の造形物が、第1の造形物が造形される前の第2の造形物の内部に進入する」状態は、「第1の造形物の造形前には第2の造形物が存在していた領域に、第1の造形物の少なくとも一部が存在する状態」を意味していてもよい。また、上述した「造形物が、造形物が造形される前のワークWの内部に進入する又は進入しない」状態についても、同様のことが言える。
更に、図11を参照しながら説明したように、造形物BO#11がワークWの内部に進入する形状を有していてもよいことは上述したとおりである。この場合においても、造形物BO#12は、造形物BO#12が造形される前の造形物BO#11の内部に進入しない形状を有していてもよい。或いは、図16(a)から図16(b)に示すように、造形物BO#12は、造形物BO#12が造形される前の造形物BO#11の内部に少なくとも部分的に進入する形状を有していてもよい。例えば、図16(a)は、造形物BO#12が、造形物BO#11のうちのワークWの内部に進入していない非進入部分E1の内部には進入する一方で、造形物BO#11のうちのワークWの内部に進入した進入部分E2の内部には進入しない例を示している。例えば、図16(b)は、造形物BO#12が、造形物BO#11のうちのワークWの内部に進入していない非進入部分E1の内部に進入し、且つ、造形物BO#11のうちのワークWの内部に進入した進入部分E2の内部にも部分的に進入している例を示している。例えば、図16(c)は、造形物BO#12が、造形物BO#11のうちのワークWの内部に進入していない非進入部分E1の内部に進入し、且つ、造形物BO#11のうちのワークWの内部に進入した進入部分E2の内部にも全体的に進入している例を示している。つまり、図16(b)及び図16(c)は、造形物BO#12がワークWの内部に進入している例を示している。
尚、造形物BO#11及びBO#12の少なくとも一つがワークWの内部に進入する形状を有する場合には、造形物BO#11及びBO#12のうちのワークWの内部に進入した部分を含む構造物STa(図16(a)から図16(c)参照)を、構造層SL#1と称してもよい。或いは、造形物BO#11及びBO#12のうちのワークWの内部に進入した部分を含まない構造物STb(図16(a)から図16(c)参照)を、構造層SL#1と称してもよい。
構造層SL#1が造形された後、造形装置SYSは、構造層SL#1の表面を新たな造形面MSに設定した上で、構造層SL#1上に、傾斜構造物SSTを構成する2層目の構造層SL#2を造形する。具体的には、造形装置SYSは、構造層SL#2を造形するために、一の造形物としての造形物BO#21を造形し、その後、他の造形物としての造形物BO#22を造形する。具体的には、造形装置SYSは、光軸方向及び倒れ方向に交差する走査方向に沿って延びる造形物BO#21及びBO#22を造形する。例えば、図8(a)及び図8(b)に示す傾斜構造物SSTを造形する場合には、造形装置SYSは、光軸方向であるZ軸方向及び倒れ方向であるY軸方向に交差する走査方向(つまり、X軸方向)に沿って延びる造形物BO#21及びBO#22を造形する。
造形装置SYSは、まず、造形物BO#21を造形するために、図17(a)及び図17(b)に示すように、造形済みの構造層SL#1の表面又は内部に(例えば、構造層SL#1を構成する造形物BO#12の表面又は内部に、以下同じ)照射目標位置EPが設定可能となるように、造形ヘッド21及びステージ31の少なくとも一つを移動させる。但し、造形ヘッド21及びステージ31を移動させなくても構造層SL#1の表面又は内部に照射目標位置EPが設定可能である場合には、造形装置SYSは、造形ヘッド21及びステージ31の少なくとも一つを移動させなくてもよい。その後、造形装置SYSは、加工制御情報(特に、造形物BO#21を造形するための加工パスPP#21を示す加工パス情報)に基づいて、造形面MSに対して照射目標位置EPを移動させる。その結果、構造層SL#1の表面又は内部において、加工パスPP#21が示す位置P#21に照射目標位置EPが順次設定される。
本実施形態では、図17(b)に示すように、造形装置SYSは、倒れ方向であるY軸方向において、造形物BO#21を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#21(図17(b)の上側の図参照)と、上述した位置P#11及びP#12(図17(b)の下側の図参照)とが異なる位置になるように、照射目標位置EPを設定する。尚、図17(b)の上側の図は、造形物BO#21を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#21を示しており、図17(b)の下側の図は、造形物BO#11及びBO#12を造形するための照射目標位置EPがそれぞれ設定される位置P##11及びP#12を示している。具体的には、造形装置SYSは、倒れ方向であるY軸方向において、位置P#21が位置P#11及びP#12から、ワークWと傾斜構造物SSTとの接続部C(図8(a)及び図8(b)参照)から延びるワークWの法線Nに対して傾斜面SSが倒れていく方向(図17(a)及び図17(b)に示す例では、+Y側に向かう方向)に第1所定量だけ離れるように、照射目標位置EPを設定してもよい。このため、造形装置SYSは、倒れ方向において加工パスPP#11が示す位置P#11及び加工パスPP#12が示す位置P#12と異なる位置P#21を示す加工パスPP#21を含む加工パス情報に基づいて、照射目標位置EPを設定してもよい(つまり、移動させてもよい)。
ここで、図12(b)を参照しながら上述したように、倒れ方向において位置P#11と位置P#12とは同じ位置である。このため、造形装置SYSは、倒れ方向における位置P#11と位置P#12との間の距離が、倒れ方向における位置P#21と位置P#11及びP#12の少なくとも一方との間の距離よりも短くなるように、照射目標位置EPを設定しているとみなしてもよい。造形装置SYSは、倒れ方向における位置P#11と位置P#12との間の距離が、第1所定距離よりも短くなる一方で、倒れ方向における位置P#21と位置P#11及びP#12の少なくとも一方との間の距離が、第1所定距離よりも長くなるように、照射目標位置EPを設定しているとみなしてもよい。
また、本実施形態では、図17(b)に示すように、造形装置SYSは、光軸方向であるZ軸方向において、位置P#21(図17(b)の上側の図参照)と位置P#11及びP#12(図17(b)の下側の図参照)とが異なる位置になるように、照射目標位置EPを設定する。このため、造形装置SYSは、光軸方向において加工パスPP#11が示す位置P#11及び加工パスPP#12が示す位置P#12と異なる位置P#21を示す加工パスPP#21を含む加工パス情報に基づいて、照射目標位置EPを設定してもよい(つまり、移動させてもよい)。
ここで、上述したように、光軸方向において位置P#11と位置P#12とは同じ位置であってもよいし、異なる位置であってもよい。この場合、造形装置SYSは、光軸方向における位置P#11と位置P#12との間の距離が、光軸方向における位置P#21と位置P#11及びP#12の少なくとも一方との間の距離よりも短くなるように、照射目標位置EPを設定してもよい。造形装置SYSは、光軸方向における位置P#11と位置P#12との間の距離が、第2所定距離よりも短くなる一方で、光軸方向における位置P#21と位置P#11及びP#12の少なくとも一方との間の距離が、第2所定距離よりも長くなるように、照射目標位置EPを設定してもよい。
造形装置SYSは、ワークWに対して照射目標位置EPを移動させながら、構造層SL#1(例えば、造形物BO#12)のうちの造形物BO#21を造形すべき領域に造形光ELを照射する。その結果、図17(b)に示すように、構造層SL#1(例えば、造形物BO#12)上において造形物BO#21を造形すべき領域に、溶融池MPが形成される。更に、造形面MSに溶融池MPが形成された場合には、溶融池MPに対して材料ノズル212から造形材料Mが供給される。尚、図17(b)における溶融池MPはあくまで一例であり、図9(b)に示す位置とは異なる位置に、図17(b)に示す形状とは異なる形状の溶融池MPが形成されてもよい。
その後、造形ヘッド21及びステージ31の少なくとも一方の移動に伴って溶融池MPに造形光ELが照射されなくなると、溶融池MPにおいて溶融した造形材料Mは、冷却されて固化(つまり、凝固)する。その結果、図18(a)及び図18(b)に示すように、固化した造形材料Mから構成される造形物BO#21が造形される。図18(a)及び図18(b)に示す例では、構造層SL#1(例えば、造形物BO#12)上に造形物BO#21が造形される。尚、図18(b)における造形物BO#21はあくまで一例であり、図18(b)に示す位置とは異なる位置に、図18(b)に示す形状とは異なる形状の造形物BO#21が形成されてもよい。
ここで、上述したように、倒れ方向であるY軸方向において、造形物BO#21を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#21が、構造層SL#1を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#11及びP#12から離れているため、図18(b)に示すように、倒れ方向における造形物BO#21の中心は、倒れ方向における構造層SL#1の中心から離れる。その結果、造形物BO#21は、光軸方向であるZ軸方向(つまり、重力方向)に対して傾斜した方向に向かって構造層SL#1から延びるように造形される。その結果、造形物BO#21は、構造層SL#1と共に、倒れ方向であるY軸方向に沿って倒れるように傾斜した傾斜面SSを形成可能となる。つまり、造形物BO#21は、構造層SL#1と共に、重力方向(光軸方向又はワークWの表面WSの法線N)に対して傾斜した方向に延びる(広がる)傾斜面SSを形成可能となる。
尚、図18(b)は、造形物BO#21が、造形物BO#21の下方に位置する構造層SL#1の内部に進入しない形状を有する例を示している。一方で、構造層SL#1の表面に設定された造形面MSに溶融池MPが形成される場合には、溶融池MPには、構造層SL#1の少なくとも一部を構成していた材料(例えば、溶融金属)が含まれている可能性がある。この場合、造形物BO#21は、構造層SL#1の内部に少なくとも部分的に進入する形状を有していてもよい。尚、造形物BO#21の下方に位置する構造層SL#1の内部に造形物BO#21が少なくとも部分的に進入する状態は、造形物BO#11の下方に位置するワークWの内部に造形物BO#11が進入する状態(図11参照)及び造形物BO#12の下方に位置する造形物BO#11の内部に造形物BO#12が進入する状態(図15(a)から図15(b)及び図16(a)から図16(c)参照)の少なくとも一つと同じであってもよい。このため、造形物BO#21の下方に位置する構造層SL#1の内部に造形物BO#21が少なくとも部分的に進入する状態についての詳細な説明は省略する。
その後、造形装置SYSは、造形物BO#22を造形する。このため、造形装置SYSは、まず、図19(a)及び図19(b)に示すように、造形済みの造形物BO#21の表面又は内部に照射目標位置EPが設定可能となるように、造形ヘッド21及びステージ31の少なくとも一つを移動させる。但し、造形ヘッド21及びステージ31を移動させなくても造形物BO#21の表面WS又は内部に照射目標位置EPが設定可能である場合には、造形装置SYSは、造形ヘッド21及びステージ31の少なくとも一つを移動させなくてもよい。その後、造形装置SYSは、加工制御情報(特に、造形物BO#22を造形するための加工パスPP#22を示す加工パス情報)に基づいて、造形面MSに対して照射目標位置EPを移動させる。その結果、造形物BO#21の表面又は内部において、加工パスPP#22が示す位置P#22に照射目標位置EPが順次設定される。
本実施形態では、図19(b)に示すように、造形装置SYSは、倒れ方向であるY軸方向において、造形物BO#22を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#22(図19(b)の上側の図参照)と、造形物BO#21を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#21(図19(b)の下側の図参照)とが同じ位置になるように、照射目標位置EPを設定する。尚、図19(b)の上側の図は、造形物BO#22を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#22を示しており、図19(b)の下側の図は、造形物BO#21を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#21を示している。このため、造形装置SYSは、倒れ方向において加工パスPP#21が示す位置P#21と同じ位置P#22を示す加工パスPP#22を含む加工パス情報に基づいて、照射目標位置EPを設定してもよい(つまり、移動させてもよい)。
この場合、造形装置SYSは、倒れ方向における位置P#21と位置P#22との間の距離が、倒れ方向における位置P#21及びP#22の少なくとも一方と位置P#11及びP#12の少なくとも一方との間の距離よりも短くなるように、照射目標位置EPを設定しているとみなしてもよい。造形装置SYSは、倒れ方向における位置P#21と位置P#22との間の距離が、第1所定距離よりも短くなる一方で、倒れ方向における位置P#21及びP#22の少なくとも一方と位置P#11及びP#12の少なくとも一方との間の距離が、第1所定距離よりも長くなるように、照射目標位置EPを設定しているとみなしてもよい。
更に、図19(b)に示すように、造形装置SYSは、光軸方向であるZ軸方向において、位置P#22と位置P#21とが同じ位置になるように、照射目標位置EPを設定してもよい。この場合、造形装置SYSは、光軸方向において加工パスPP#21が示す位置P#21と同じ位置P#22を示す加工パスPP#22を含む加工パス情報に基づいて、照射目標位置EPを設定してもよい(つまり、移動させてもよい)。或いは、造形装置SYSは、光軸方向において、位置P#22と位置P#21とが異なる位置になるように、照射目標位置EPを設定してもよい。この場合、造形装置SYSは、光軸方向において加工パスPP#21が示す位置P#21と異なる位置P#22を示す加工パスPP#22を含む加工パス情報に基づいて、照射目標位置EPを設定してもよい(つまり、移動させてもよい)。
この場合、造形装置SYSは、光軸方向における位置P#21と位置P#22との間の距離が、光軸方向における位置P#21及びP#22の少なくとも一方と位置P#11及びP#12の少なくとも一方との間の距離よりも短くなるように、照射目標位置EPを設定してもよい。造形装置SYSは、光軸方向における位置P#21と位置P#22との間の距離が、第2所定距離よりも短くなる一方で、光軸方向における位置P#21及びP#22の少なくとも一方と位置P#11及びP#12の少なくとも一方との間の距離が、第2所定距離よりも長くなるように、照射目標位置EPを設定してもよい。
造形装置SYSは、造形面MSに対して照射目標位置EPを移動させながら、造形物BO#21のうちの造形物BO#22を造形すべき領域に造形光ELを照射する。その結果、図19(b)に示すように、造形物BO#21上において造形物BO#22を造形すべき領域に、溶融池MPが形成される。更に、造形面MSに溶融池MPが形成された場合には、溶融池MPに対して材料ノズル212から造形材料Mが供給される。尚、図19(b)における溶融池MPはあくまで一例であり、図19(b)に示す位置とは異なる位置に、図19(b)に示す形状とは異なる形状の溶融池MPが形成されてもよい。
その後、造形ヘッド21及びステージ31の少なくとも一方の移動に伴って溶融池MPに造形光ELが照射されなくなると、溶融池MPにおいて溶融した造形材料Mは、冷却されて固化(つまり、凝固)する。その結果、図20(a)及び図20(b)に示すように、固化した造形材料Mから構成される造形物BO#22が造形される。図20(a)及び図20(b)に示す例では、造形物BO#21上に造形物BO#22が造形される。尚、図20(b)における造形物BO#22はあくまで一例であり、図20(b)に示す位置とは異なる位置に、図20(b)に示す形状とは異なる形状の造形物BO#22が形成されてもよい。
このように、造形物BO#21及びBO#22を含む構造層SL#2が造形される。この場合、構造層SL#2の高さ(つまり、Z軸方向のサイズ)h_SL#2は、構造層SL#2を構成する造形物BO#21の高さh_BO#21より高くなる。このため、第1造形動作によれば、造形物BO#21を含む一方で造形物BO#22を含まない構造層SL#2が造形される場合と比較して、高さがより高い構造層SL#2が造形可能となる。但し、構造層SL#2の高さh_SL#2は、造形物BO#21の高さh_BO#21より高くなくてもよい。例えば、構造層SL#2の高さh_SL#2は、造形物BO#21の高さh_BO#21と同じであってもよい。
また、構造層SL#2の幅(つまり、XY平面に沿った方向のサイズであり、図20(b)に示す例では、Y軸方向のサイズ)w_SL#2は、構造層SL#2を構成する造形物BO#21の幅w_BO#21よりも大きくなる。このため、第1造形動作によれば、造形物BO#21を含む一方で造形物BO#22を含まない構造層SL#2が造形される場合と比較して、幅がより大きい構造層SL#2が造形可能となる。但し、構造層SL#2の幅w_SL#2は、構造層SL#2を構成する造形物BO#21の幅w_BO#21よりも大きくなくてもよい。例えば、構造層SL#2の幅w_SL#2は、構造層SL#2を構成する造形物BO#21の幅w_BO#21と同じであってもよい。
ここで、上述したように、倒れ方向であるY軸方向において、造形物BO#22を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#22が、構造層SL#1を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#11及びP#12から離れているため、図20(b)に示すように、倒れ方向における造形物BO#22の中心は、倒れ方向における造形物BO#21の中心と同様に、倒れ方向における構造層SL#1の中心から離れる。その結果、造形物BO#22は、光軸方向であるZ軸方向(つまり、重力方向)に対して傾斜した方向に向かって構造層SL#1から延びるように造形される。その結果、造形物BO#22は、構造層SL#1と共に、倒れ方向であるY軸方向に沿って倒れるように傾斜した傾斜面SSを形成可能となる。つまり、造形物BO#21及びBO#22を含む構造層SL#2は、構造層SL#1と共に、重力方向(光軸方向又はワークWの表面WSの法線N)に対して傾斜した方向に延びる(広がる)傾斜面SSを形成可能となる。
尚、造形装置SYSは、造形物BO#21及びBO#22を造形した後に、構造層SL#2を構成する少なくとも一つの別の造形物を造形してもよい。例えば、造形装置SYSは、造形済みの造形物BO#22の表面又は内部に照射目標位置EPを新たに設定することで、造形物BO#21及びBO#22とは異なる不図示の造形物BO#23を更に造形してもよい。この場合、造形物BO#21及びBO#22に加えて少なくとも一つの別の造形物を含む構造層SL#2が造形される。構造層SL#2とは異なる構造層SLを造形する場合においても同様のことが言える。
また、図20(b)は、造形物BO#22が、造形物BO#22が造形される前の造形物BO#21の内部に進入しない形状を有する例を示している。一方で、造形物BO#21に溶融池MPが形成される場合には、溶融池MPには、造形物BO#21の少なくとも一部を構成していた材料(例えば、溶融金属)が含まれている可能性がある。この場合、造形物BO#22は、造形物BO#22が造形される前の造形物BO#21の内部に少なくとも部分的に進入する形状を有していてもよい。尚、造形物BO#22の下方に位置する造形物B#21の内部に造形物BO#22が少なくとも部分的に進入する状態は、造形物BO#22の下方に位置する造形物BO#21の内部に造形物BO#22が進入する状態(図15(a)から図15(b)及び図16(a)から図16(c)参照)と同じであってもよい。このため、造形物BO#22の下方に位置する造形物BO#21の内部に造形物BO#22が少なくとも部分的に進入する状態についての詳細な説明は省略する。
尚、造形物BO#21及びBO#22の少なくとも一つが構造層SL#1の内部に進入する形状を有する場合には、造形物BO#21及びBO#22のうちの構造層SL#1の内部に進入した部分を含む構造物(図16(a)から図16(c)に示す構造物STaと同様の構造物)を、構造層SL#2と称してもよい。或いは、造形物BO#21及びBO#22のうちの構造層SL#1の内部に進入した部分を含まない構造物(図16(a)から図16(c)に示す構造物STaと同様の構造物)を、構造層SL#2と称してもよい。
その後、造形装置SYSは、傾斜構造物SSTを構成する全ての構造層SLが形成されるまで、構造層SLを形成する動作を繰り返す。尚、構造層SL#m(尚、mは、1以上の整数を示す変数)上に構造層SL#n(尚、nは、mより1大きい整数を示す変数)を造形する動作は、構造層SL#1上に構造層SL#2を造形する動作と同様である。つまり、構造層SL#1上に構造層SL#2を造形する動作に関する説明は、「#1」及び「#2」という符号を「#m」及び「#n」という符号に置き換えることで、構造層SL#m上に構造層SL#nを造形する動作に関する説明として流用可能である。
その結果、図21(a)及び図21(b)に示すように、複数の構造層SLから構成され且つ傾斜面SSを含む傾斜構造物SSTが造形される。
(2-2-2)傾斜構造物SSTを造形するための第2造形動作
続いて、ワークWに傾斜構造物SSTを造形するための造形動作の第2具体例(第2造形動作)について、図22から図26を参照しながら説明する。第2造形動作は、上述した倒れ方向(交差方向)において一の造形物を造形するための照射目標位置EPが設定される一の位置と、他の造形物を造形するための照射目標位置EPが設定される他の位置とが異なる位置になるように、一の造形物及び他の造形物を造形することで、一の造形物及び他の造形物を含む傾斜構造物SSTを造形する動作であるという点で、上述した第1造形動作とは異なる。このため、以下では、第1造形動作と第2造形動作との間で異なる工程について主として説明する。特段の説明がない第2造形動作の工程は、第1造形動作の工程と同一であってもよい。
まず、造形装置SYSは、造形面MSに設定されたワークWの表面WSに、傾斜構造物SSTを構成する1層目の構造層SL#1を造形する。このため、造形装置SYSは、造形物BO#11を造形し、その後、造形物BO#12を造形する。
第2造形動作では、図22(a)及び図22(b)に示すように、造形装置SYSは、造形物BO#12を造形するために、倒れ方向であるY軸方向において、造形物BO#12を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#12(図22(b)の上側の図参照)と、造形物BO#11を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#11(図22(b)の上側の図参照)とが異なる位置になるように、照射目標位置EPを設定する。尚、図22(b)の上側の図は、造形物BO#12を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#12を示しており、図22(b)の下側の図は、造形物BO#11を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#11を示している。具体的には、造形装置SYSは、倒れ方向であるY軸方向において、位置P#12が位置P#11から、ワークWと傾斜構造物SSTとの接続部C(図8(a)及び図8(b)参照)から延びるワークWの法線Nに対して傾斜面SSが倒れていく方向(図22(a)及び図22(b)に示す例では、+Y側に向かう方向)に第2所定量だけ離れるように、照射目標位置EPを設定してもよい。
ここで、第2造形動作において、第1造形動作と同様に、造形装置SYSは、倒れ方向における位置P#11と位置P#12との間の距離(上述した第2所定量)が、倒れ方向における位置P#21と位置P#12との間の距離(上述した第1所定量)よりも短くなるように、照射目標位置EPを設定する。つまり、造形装置SYSは、倒れ方向における位置P#11と位置P#12との間の距離が、第1所定距離よりも短くなる一方で、倒れ方向における位置P#21と位置P#12との間の距離が、第1所定距離よりも長くなるように、照射目標位置EPを設定する。
その後、造形装置SYSは、造形面MSに対して照射目標位置EPを移動させながら、造形物BO#11のうちの造形物BO#12を造形すべき領域に造形光ELを照射する。その結果、図22(b)に示すように、造形物BO#11上において造形物BO#12を造形すべき領域に、溶融池MPが形成される。更に、造形面MSに溶融池MPが形成された場合には、溶融池MPに対して材料ノズル212から造形材料Mが供給される。尚、図22(b)における溶融池MPはあくまで一例であり、図22(b)に示す位置とは異なる位置に、図22(b)に示す形状とは異なる形状の溶融池MPが形成されてもよい。その結果、図23(a)及び図23(b)に示すように、造形物BO#12が造形される。ここで、上述したように、倒れ方向であるY軸方向において位置P#12が位置P#11から離れているため、図23(b)に示すように、倒れ方向であるY軸方向において、倒れ方向における造形物BO#12の中心は、倒れ方向における造形物BO#11の中心から離れる。その結果、図23(b)に示すように、造形物BO#11及びBO#12を含む構造層SL#1の幅w_SL#1は、構造層SL#1を構成する造形物BO#11の幅w_BO#11よりも大きくなる。このため、第2造形動作によれば、造形物BO#11を含む一方で造形物BO#12を含まない構造層SL#1が造形される場合と比較して、幅がより大きい構造層SL#1が造形可能となる。但し、構造層SL#1の幅w_SL#1は、構造層SL#1を構成する造形物BO#11の幅w_BO#11よりも大きくなくてもよい。例えば、構造層SL#1の幅w_SL#1は、構造層SL#1を構成する造形物BO#11の幅w_BO#11と同じであってもよい。
また、図23(b)に示すように、構造層SL#1の高さh_SL#1は、構造層SL#1を構成する造形物BO#11の高さh_BO#11より高くなる。このため、第2造形動作によれば、造形物BO#11を含む一方で造形物BO#12を含まない構造層SL#1が造形される場合と比較して、高さがより高い構造層SL#1が造形可能となる。但し、構造層SL#1の高さh_SL#1は、造形物BO#11の高さh_BO#11より高くなくてもよい。例えば、構造層SL#1の高さh_SL#1は、造形物BO#11の高さh_BO#11と同じであってもよい。
構造層SL#1が造形された後、造形装置SYSは、構造層SL#1の表面を新たな造形面MSに設定した上で、構造層SL#1上に、傾斜構造物SSTを構成する2層目の構造層SL#2を造形する。具体的には、造形装置SYSは、構造層SL#2を造形するために、造形物BO#21を造形し、その後、造形物BO#22を造形する。
第2造形動作では、図24(a)及び図24(b)に示すように、造形装置SYSは、造形物BO#22を造形するために、倒れ方向であるY軸方向において、造形物BO#22を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#22(図22(b)の上側の図参照)と、造形物BO#21を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#21(図22(b)の下側の図参照)とが異なる位置になるように、照射目標位置EPを設定する。尚、図24(b)の上側の図は、造形物BO#22を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#22を示しており、図24(b)の下側の図は、造形物BO#21を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#21を示している。具体的には、造形装置SYSは、倒れ方向であるY軸方向において、位置P#22が位置P#21から、ワークWと傾斜構造物SSTとの接続部C(図8(a)及び図8(b)参照)から延びるワークWの法線Nに対して傾斜面SSが倒れていく方向(図24(a)及び図24(b)に示す例では、+Y側に向かう方向)に第2所定量だけ離れるように、照射目標位置EPを設定してもよい。
ここで、第2造形動作において、第1造形動作と同様に、造形装置SYSは、倒れ方向における位置P#21と位置P#22との間の距離(上述した第2所定量)が、倒れ方向における位置P#21と位置P#12との間の距離(上述した第1所定量)よりも短くなるように、照射目標位置EPを設定する。つまり、造形装置SYSは、倒れ方向における位置P#21と位置P#22との間の距離が、第1所定距離よりも短くなる一方で、倒れ方向における位置P#21と位置P#12との間の距離が、第1所定距離よりも長くなるように、照射目標位置EPを設定する。
その後、造形装置SYSは、造形面MSに対して照射目標位置EPを移動させながら、造形物BO#21のうちの造形物BO#22を造形すべき領域に造形光ELを照射する。その結果、図24(b)に示すように、造形物BO#21上において造形物BO#22を造形すべき領域に、溶融池MPが形成される。更に、造形面MSに溶融池MPが形成された場合には、溶融池MPに対して材料ノズル212から造形材料Mが供給される。尚、図24(b)における溶融池MPはあくまで一例であり、図24(b)に示す位置とは異なる位置に、図24(b)に示す形状とは異なる形状の溶融池MPが形成されてもよい。その結果、図25(a)及び図25(b)に示すように、造形物BO#22が造形される。ここで、上述したように、倒れ方向であるY軸方向において、位置P#22が位置P#21から離れているため、図25(b)に示すように、倒れ方向であるY軸方向において、倒れ方向における造形物BO#22の中心は、倒れ方向における造形物BO#21の中心から離れる。その結果、図25(b)に示すように、造形物BO#21及びBO#22を含む構造層SL#2の幅w_SL#2は、構造層SL#2を構成する造形物BO#21の幅w_BO#21よりも大きくなる。このため、第2造形動作によれば、造形物BO#21を含む一方で造形物BO#22を含まない構造層SL#2が造形される場合と比較して、幅がより大きい構造層SL#2が造形可能となる。但し、構造層SL#2の幅w_SL#2は、構造層SL#2を構成する造形物BO#21の幅w_BO#21よりも大きくなくてもよい。例えば、構造層SL#2の幅w_SL#2は、構造層SL#2を構成する造形物BO#21の幅w_BO#21と同じであってもよい。
また、図25(b)に示すように、構造層SL#2の高さh_SL#2は、構造層SL#2を構成する造形物BO#21の高さh_BO#21より高くなる。このため、第2造形動作によれば、造形物BO#21を含む一方で造形物BO#22を含まない構造層SL#2が造形される場合と比較して、高さがより高い構造層SL#2が造形可能となる。但し、構造層SL#2の高さh_SL#2は、造形物BO#21の高さh_BO#21より高くなくてもよい。例えば、構造層SL#2の高さh_SL#2は、造形物BO#21の高さh_BO#21と同じであってもよい。
その後、造形装置SYSは、傾斜構造物SSTを構成する全ての構造層SLが形成されるまで、構造層SLを形成する動作を繰り返す。その結果、図26(a)及び図26(b)に示すように、複数の構造層SLから構成され且つ傾斜面SSを含む傾斜構造物SSTが造形される。
(3)技術的効果
以上説明したように、造形装置SYSは、傾斜構造物SSTを適切に造形することができる。特に、造形装置SYSは、傾斜構造物SSTを構成する構造層SL#m(尚、1は、2以上の整数を示す変数)を造形するために、造形物BO#m1を造形した後に、造形物BO#m2を造形する。このため、造形装置SYSは、造形物BO#m1を造形する一方で造形物BO#m2を造形することなく構造層SL#mが造形される場合と比較して、高さがより高い及び/又は幅がより大きい構造層SL#mを造形可能となる。ここで、構造層SL#mの高さが高くなるほど及び/又は構造層SL#mの幅が大きくなるほど、構造層SL#mが大きくなる。このため、構造層SL#mは、構造層SL#mから光軸方向に対して傾斜する方向に沿って延びるように構造層SL#m上に造形される構造層SL#n(尚、nは、mより1大きい整数を示す変数)を、下方から適切に支持することができる。このため、構造層SL#mから光軸方向に対して傾斜する方向に沿って延びる構造層SL#nが構造層SL#m上に造形されたとしても、土台としての構造層SL#m及び構造層SL#mによって支持される構造層SL#nが崩れにくくなる。このため、造形装置SYSは、重力方向に対して傾斜角度が所望の角度となる傾斜面SSを備える傾斜構造物SSTを、相対的に精度よく造形することができる。
(4)変形例
続いて、造形装置SYSの変形例について説明する。
(4-1)第1変形例
上述したように、造形装置SYSは、高さがより高い及び/又は幅がより大きい構造層SL#mを造形するために、造形物BO#m1を造形した後に、造形物BO#m2を造形している。第1変形例では、造形装置SYSは、造形物BO#m1を造形する一方で造形物BO#m2を造形することなく、高さがより高い及び/又は幅がより大きい構造層SL#mを造形する。つまり、造形装置SYSは、造形物BO#m1を造形する一方で造形物BO#m2を造形することなく、重力方向に対して傾斜角度が所望の角度となる傾斜面SSを備える傾斜構造物SSTを、相対的に精度よく造形する。
例えば、造形装置SYSは、単位面積当たり又は単位時間当たりの造形光ELの照射回数を制御することで、高さがより高い及び/又は幅がより大きい構造層SL#mを造形してもよい。具体的には、単位面積当たり又は単位時間当たりに造形面MSに造形光ELが照射される回数が増えれば増えるほど、単位面積当たり又は単位時間当たりに造形光ELから造形面MSに伝達されるエネルギ量が増える。単位面積当たり又は単位時間当たりに造形光ELから造形面MSに伝達されるエネルギ量が増えるほど、造形面MSで溶融する造形材料Mの分量が増える。造形面MSで溶融する造形材料Mの分量が増えるほど、造形面MSに形成される溶融池MPが大きくなる。造形面MSに形成される溶融池MPが大きくなるほど、造形面MSに造形される造形物BO#m1が大きくなる。造形面MSに造形される造形物BO#m1が大きくなるほど、造形物BO#m1を含む構造層SL#mが大きくなる。つまり、構造層SL#mの高さが高くなる及び/又は構造層SL#mの幅が大きくなる。従って、造形装置SYSは、造形光ELの照射回数を制御することで、構造層SL#mの高さ及び幅の少なくとも一方を制御することができる。つまり、造形装置SYSは、造形光ELの照射回数を制御することで、高さがより高い及び/又は幅がより大きい構造層SL#mを造形することができる。その結果、造形装置SYSは、造形光ELの照射回数を制御することで、重力方向に対して傾斜角度が所望の角度となる傾斜面SSを備える傾斜構造物SSTを、相対的に精度よく造形することができる。
例えば、造形装置SYSは、造形光ELの特性を制御することで、高さがより高い及び/又は幅がより大きい構造層SL#mを造形してもよい。具体的には、造形光ELの特性が変わると、単位面積当たり又は単位時間当たりに造形光ELから造形面MSに伝達されるエネルギ量が変わる可能性がある。例えば、造形光ELの特性の一例である造形光ELの強度が高くなるほど、単位面積当たり又は単位時間当たりに造形光ELから造形面MSに伝達されるエネルギ量が増える。このため、造形装置SYSは、造形光ELの照射回数を制御する場合と同様に、造形光ELの特性(例えば、造形光ELの強度)を制御することで、構造層SL#mの高さ及び幅の少なくとも一方を制御することができる。つまり、造形装置SYSは、造形光ELの特性(例えば、造形光ELの強度)を制御することで、高さがより高い及び/又は幅がより大きい構造層SL#mを造形することができる。その結果、造形装置SYSは、造形光ELの特性(例えば、造形光ELの強度)を制御することで、重力方向に対して傾斜角度が所望の角度となる傾斜面SSを備える傾斜構造物SSTを、相対的に精度よく造形することができる。
例えば、造形装置SYSは、照射光学系2111が造形光ELを射出する照射目標位置EPの造形面に対する移動態様を制御することで、高さがより高い及び/又は幅がより大きい構造層SL#mを造形してもよい。具体的には、照射目標位置EPの移動態様が変わると、単位面積当たり又は単位時間当たりに造形光ELから造形面MSに伝達されるエネルギ量が変わる可能性がある。例えば、移動態様の一例である移動速度(つまり、照射目標位置EPの移動速度)が遅くなるほど、造形面MSのある領域に造形光ELが照射される時間が長くなる。造形面MSのある領域に造形光ELが照射される時間が長くなるほど、造形面MSのある領域に造形光ELから造形面MSに伝達されるエネルギ量が増える。このため、造形装置SYSは、造形光ELの照射回数を制御する場合と同様に、照射目標位置EPの移動態様(例えば、照射目標位置EPの移動速度)を制御することで、構造層SL#mの高さ及び幅の少なくとも一方を制御することができる。つまり、造形装置SYSは、照射目標位置EPの移動態様(例えば、照射目標位置EPの移動速度)を制御することで、高さがより高い及び/又は幅がより大きい構造層SL#mを造形することができる。その結果、造形装置SYSは、照射目標位置EPの移動態様(例えば、照射目標位置EPの移動速度)を制御することで、重力方向に対して傾斜角度が所望の角度となる傾斜面SSを備える傾斜構造物SSTを、相対的に精度よく造形することができる。
例えば、造形装置SYSは、材料ノズル212からの造形材料Mの供給態様を制御することで、高さがより高い及び/又は幅がより大きい構造層SL#mを造形してもよい。具体的には、造形材料Mの供給態様が変わると、造形面MSで溶融する造形材料Mの分量が変わる可能性がある。例えば、供給態様の一例である供給量(特に、単位時間当たりの供給量)が多くなるほど、造形面MSで溶融する造形材料Mの分量が増える。このため、造形装置SYSは、造形光ELの照射回数を制御する場合と同様に、造形材料Mの供給態様(例えば、造形材料Mの供給量)を制御することで、構造層SL#mの高さ及び幅の少なくとも一方を制御することができる。つまり、造形装置SYSは、造形材料Mの供給態様(例えば、造形材料Mの供給量)を制御することで、高さがより高い及び/又は幅がより大きい構造層SL#mを造形することができる。その結果、造形装置SYSは、造形材料Mの供給態様(例えば、造形材料Mの供給量)を制御することで、重力方向に対して傾斜角度が所望の角度となる傾斜面SSを備える傾斜構造物SSTを、相対的に精度よく造形することができる。
(4-2)第2変形例
上述したように、造形装置SYSは、傾斜面SSを備える傾斜構造物SSTを相対的に精度よく造形するために、傾斜構造物SSTを構成する構造層SL#mを造形するための造形動作として、造形物BO#m1を造形した後に造形物BO#m2を造形する造形動作を採用している。
一方で、傾斜面SSを備えていない3次元構造物STを造形装置SYSが造形してもよいことは、上述したとおりである。この場合、造形装置SYSは、傾斜面SSを備えていない3次元構造物STを構成する構造層SL#mを造形するために、造形物BO#m1を造形した後に造形物BO#m2を造形する造形動作を行う必要性は高くない。
また、構造層SL#mを造形するために造形物BO#m1を造形した後に造形物BO#m2を造形する造形動作が行われる場合には、構造層SL#mを造形するために造形物BO#m1を造形する一方で造形物BO#m2を造形しなくてもよい造形動作が行われる場合と比較して、構造層SL#mの造形に関するスループットが悪化する。その結果、傾斜構造物SSTの造形に関するスループットが悪化する。つまり、上述した傾斜構造物SSTを造形するための造形動作は、傾斜構造物SSTの造形に関するスループットの悪化を許容することで、傾斜構造物SSTの造形の精度の向上を優先していると言える。しかしながら、造形装置SYSのユーザの中には、傾斜構造物SSTの造形の精度よりも、傾斜構造物SSTの造形に関するスループットを優先するユーザが存在する可能性がある。この場合、造形装置SYSは、構造層SL#mを造形するために、造形物BO#m1を造形した後に造形物BO#m2を造形する造形動作を行う必要性は高くない。
また、重力方向(つまり、Z軸方向)に対する傾斜面SSの傾斜角度θが相対的に小さい場合(例えば、傾斜角度θが、後述する図27(b)に示す相対的に小さい第2角度θ2である場合)には、造形装置SYSは、構造層SL#mを造形するために造形物BO#m1を造形した後に造形物BO#m2を造形する造形動作を行わなくても、傾斜構造物SSTを相対的に精度よく造形することができる可能性がある。なぜならば、傾斜面SSの傾斜角度θが相対的に小さい場合には、傾斜面SSの傾斜角度θが相対的に大きい場合(例えば、傾斜角度θが、後述する図27(b)に示す相対的に大きい第1角度θ1である場合)と比較して、構造層SL#mから光軸方向に対して傾斜する方向に沿って延びる構造層SL#nが構造層SL#m上に造形されたとしても、土台としての構造層SL#m及び構造層SL#mによって支持される構造層SL#nが崩れにくいからである。このため、重力方向に対する傾斜面SSの傾斜角度θが相対的に小さい場合には、造形装置SYSは、構造層SL#mを造形するために、造形物BO#m1を造形した後に造形物BO#m2を造形する造形動作を行う必要性は高くはない。
尚、重力方向に対する傾斜面SSの傾斜角度θは、図27(a)及び図27(b)に示すように、重力方向に沿って延びる軸と傾斜面SSとがなす角度を意味していてもよい。また、ワークWの表面WSがXY平面に平行である場合には、ワークWの表面WSの法線Nは、重力方向に沿って延びる。このため、重力方向に対する傾斜面SSの傾斜角度θは、ワークWの表面WSの法線Nと傾斜面SSとがなす角度を意味していてもよい。図27(a)は、傾斜角度θが相対的に大きい第1角度θ1となる傾斜面SSを示している。一方で、図27(b)は、傾斜角度θが相対的に小さい第2角度θ2(尚、θ2<θ1)となる傾斜面SSを示している。
そこで、第2変形例では、造形装置SYSは、造形装置SYSの動作モードを、第1動作モードと第2動作モードとの間で切り替えてもよい。第1動作モードは、図28に示すように、構造層SL#mを造形するために造形物BO#m1を造形した後に造形物BO#m2を造形する動作モード(例えば、上述した傾斜構造物SSTを造形するための第1又は第2造形動作を行う動作モード)である。つまり、第1動作モードは、構造層SL#mを造形するために造形するべき造形物の数が相対的に多くなる動作モードである。一方で、第2動作モードは、図28に示すように、構造層SL#mを造形するために造形物BO#m1を造形する一方で造形物BO#m2を造形しなくてもよい動作モード(例えば、上述した付加加工の基本動作を行う動作モード)である。つまり、第2動作モードは、構造層SL#mを造形するために造形するべき造形物の数が相対的に少なくなる動作モードである。
造形装置SYSは、傾斜面SSを備える傾斜構造物SSTを造形する場合に、造形装置SYSの動作モードを第1動作モードに設定してもよい。一方で、造形装置SYSは、傾斜面SSを備えていない3次元構造物STを造形する場合に、造形装置SYSの動作モードを第2動作モードに設定してもよい。
造形装置SYSは、傾斜構造物SSTの造形に関するスループットの向上よりも、傾斜構造物SSTの造形の精度の向上を優先する場合に、造形装置SYSの動作モードを第1動作モードに設定してもよい。一方で、造形装置SYSは、傾斜構造物SSTの造形の精度の向上よりも、傾斜構造物SSTの造形に関するスループットの向上を優先する場合に、造形装置SYSの動作モードを第2動作モードに設定してもよい。
造形装置SYSは、傾斜角度θが所定の第1の角度θ1となる傾斜面SSを備える傾斜構造物SSTを造形する場合に、造形装置SYSの動作モードを第1動作モードに設定してもよい。傾斜角度θが所定の第1の角度θ1となる状態は、傾斜角度θが所定の角度閾値よりも大きい状態を含んでいてもよい。この場合、造形装置SYSは、傾斜角度θが所定の角度閾値よりも大きい傾斜面SSを備える傾斜構造物SSTを造形する場合に、造形装置SYSの動作モードを第1動作モードに設定してもよい。一方で、造形装置SYSは、傾斜角度θが所定の第2の角度θ2となる傾斜面SSを備える傾斜構造物SSTを造形する場合に、造形装置SYSの動作モードを第2動作モードに設定してもよい。傾斜角度θが所定の第2の角度θ2となる状態は、傾斜角度θが所定の角度閾値よりも小さい状態を含んでいてもよい。この場合、造形装置SYSは、傾斜角度θが所定の角度閾値よりも小さい傾斜面SSを備える傾斜構造物SSTを造形する場合に、造形装置SYSの動作モードを第2動作モードに設定してもよい。
造形装置SYSは、3次元構造物STの第1部分を造形する場合に、造形装置SYSの動作モードを第1動作モードに設定し、同じ3次元構造物STの第1部分とは異なる第2部分を造形する場合に、造形装置SYSの動作モードを第2動作モードに設定してもよい。つまり、造形装置SYSは、ある3次元構造物STを造形している期間中に、造形装置SYSの動作モードを、第1動作モードから第2動作モードへと又は第2動作モードから第1動作モードへと切り替えてもよい。第1動作モードの造形装置SYSによって造形される第1部分は、傾斜構造物SSTのうちの傾斜面SSを備える部分を含んでいてもよい。一方で、第2動作モードの造形装置SYSによって造形される第2部分は、傾斜構造物SSTのうちの傾斜面SSを備えていない部分を含んでいてもよい。或いは、第1部分は、傾斜構造物SSTのうちの造形に関するスループットの向上よりも造形の精度の向上を優先する部分を含んでいてもよい。一方で、第2部分は、傾斜構造物SSTのうちの造形の精度の向上よりも造形に関するスループットの向上を優先する部分を含んでいてもよい。或いは、第1部分は、傾斜構造物SSTのうちの傾斜角度θが第1の角度θ1となる傾斜面SSを備える部分を含んでいてもよい。一方で、第2部分は、傾斜構造物SSTのうちの傾斜角度θが第2の角度θ2となる傾斜面SSを備える部分を含んでいてもよい。
第1変形例で説明したように、造形装置SYSは、造形物BO#m1を造形する一方で造形物BO#m2を造形することなく、傾斜構造物SSTを相対的に精度よく造形することができる。この場合、第1動作モード及び第2動作モードは、構造層SL#mを造形するために造形するべき造形物の数とは異なる観点から区別される二つの動作モードであってもよい。
例えば、図29に示すように、第1動作モード及び第2動作モードは、造形光ELの照射回数が異なる二つの動作モードであってもよい。より具体的には、第1動作モードは、第2動作モードと比較して、造形光ELの照射回数が多い動作モードであってもよい。
例えば、図29に示すように、第1動作モード及び第2動作モードは、造形光ELの特性(例えば、造形光ELの強度)が異なる二つの動作モードであってもよい。より具体的には、第1動作モードは、第2動作モードと比較して、造形光ELの強度が高い動作モードであってもよい。
例えば、図31に示すように、第1動作モード及び第2動作モードは、照射目標位置EPの移動態様が異なる二つの動作モードであってもよい。より具体的には、第1動作モードは、第2動作モードと比較して、照射目標位置EPの移動速度が遅い動作モードであってもよい。
例えば、図32に示すように、第1動作モード及び第2動作モードは、造形材料Mの供給態様が異なる二つの動作モードであってもよい。より具体的には、第1動作モードは、第2動作モードと比較して、造形材料Mの供給量が多い動作モードであってもよい。
(4-3)第3変形例
上述した説明では、造形装置SYSは、図8(a)及び図8(b)に示すように、倒れ方向であるY軸方向における厚みが相対的に薄い薄板状の傾斜構造物SSTを造形している。一方で、造形装置SYSは、図33(a)及び図33(b)に示すように、倒れ方向であるY軸方向における厚みが相対的に厚い厚板状の傾斜構造物SSTを造形してもよい。厚板状の傾斜構造物SSTは、例えば、走査方向であるX軸方向に延びる造形物を倒れ方向であるY軸方向に沿って複数造形することで造形される構造層SLが、Z軸方向に沿って複数積層された構造物であってもよい。厚板状の傾斜構造物SSTは、例えば、夫々が走査方向であるX軸方向に延びる照射目標位置EPの移動軌跡を示し且つ倒れ方向であるY軸方向に沿って並ぶ複数の加工パスを示す加工制御情報に基づいて造形される構造層SLが、Z軸方向に沿って複数積層された構造物であってもよい。
この場合、造形装置SYSは、厚板状の傾斜構造物SSTを構成する構造層SL#mを造形するための造形動作として、造形物BO#m1を造形した後に造形物BO#m2を造形する造形動作を採用してもよい。或いは、第2変形例で説明したように、造形装置SYSは、厚板状の傾斜構造物SSTを構成する構造層SL#mのうちの第1部分を造形する場合に、造形装置SYSの動作モードを第1動作モードに設定し、厚板状の傾斜構造物SSTを構成する構造層SL#mのうちの第2部分を造形する場合に、造形装置SYSの動作モードを第2動作モードに設定してもよい。以下、厚板状の傾斜構造物SSTを造形するために造形装置SYSの動作モードを第1動作モードと第2動作モードとの間で切り替える動作の具体例について説明する。
図33(a)から図33(b)に示す厚板状の傾斜構造物SSTを構成する構造層SL#mを示す平面図である図34に示すように、造形装置SYSは、構造層SL#mのうちの外壁面OS(つまり、外縁)を構成する外壁部分SL_owを造形する場合に、造形装置SYSの動作モードを第1動作モードに設定してもよい。例えば、造形装置SYSは、造形物BO#m1を造形した後に造形物BO#m2を造形することで、外壁部分SL_owを造形してもよい。一方で、図34に示すように、構造層SL#mのうちの外壁部分SL_owによって囲まれる内部部分SL_iを造形する場合に、造形装置SYSの動作モードを第2動作モードに設定してもよい。例えば、造形装置SYSは、造形物BO#m1を造形する一方で造形物BO#m2を造形することなく、内部部分SL_iを造形してもよい。この場合、傾斜面SSを構成する外壁部分SL_owが相対的に高精度に造形される。このため、造形装置SYSは、重力方向に対して傾斜角度が所望の角度となる傾斜面SSを備える厚板状の傾斜構造物SSTを、相対的に精度よく造形することができる。
図33(a)から図33(b)厚板状の傾斜構造物SSTを構成する構造層SL#mを示す平面図である図35に示すように、外壁部分SL_owは、傾斜面SSを含む第1外壁部分SL_ow1と、傾斜面SSとは異なる面を含む第2外壁部分SL_ow2とを含んでいる。この場合、造形装置SYSは、第1外壁部分SL_ow1を造形する場合に、造形装置SYSの動作モードを第1動作モードに設定してもよい。例えば、造形装置SYSは、造形物BO#m1を造形した後に造形物BO#m2を造形することで、第1外壁部分SL_ow1を造形してもよい。一方で、外壁部分SL_oのうちの第2外壁部分SL_ow2を造形する場合に、造形装置SYSの動作モードを第2動作モードに設定してもよい。例えば、造形装置SYSは、造形物BO#m1を造形する一方で造形物BO#m2を造形することなく、第2外壁部分SL_ow2を造形してもよい。この場合、傾斜面SSを含む第1外壁部分SL_ow1が相対的に高精度に造形される。このため、造形装置SYSは、重力方向に対して傾斜角度が所望の角度となる傾斜面SSを備える厚板状の傾斜構造物SSTを、相対的に精度よく造形することができる。更には、外壁部分SL_owの全体が第1動作モードで動作する造形装置SYSによって造形される場合と比較して、傾斜構造物SSTの造形に関するスループットが向上する。
(4-4)第4変形例
上述した第3変形例では、造形装置SYSは、外壁面が傾斜面SSとなる厚板状の傾斜構造物SSTを造形している。一方で、第4変形例では、造形装置SYSは、図36(a)及び図36(b)に示すように、外壁面OS及び内壁面ISの双方が傾斜面SSとなる厚板状の傾斜構造物SSTを造形してもよい。この場合においても、造形装置SYSは、厚板状の傾斜構造物SSTを構成する構造層SL#mを造形するための造形動作として、造形物BO#m1を造形した後に造形物BO#m2を造形する造形動作を採用してもよい。或いは、造形装置SYSは、第3変形例と同様に、厚板状の傾斜構造物SSTを構成する構造層SL#mのうちの第1部分を造形する場合に、造形装置SYSの動作モードを第1動作モードに設定し、厚板状の傾斜構造物SSTを構成する構造層SL#mのうちの第2部分を造形する場合に、造形装置SYSの動作モードを第2動作モードに設定してもよい。例えば、外壁面OS及び内壁面ISの双方が傾斜面SSとなる厚板状の傾斜構造物SSTを構成する構造層SL#mを示す平面図である図37に示すように、造形装置SYSは、構造層SL#mのうちの外壁面OS(つまり、外縁)を構成する外壁部分SL_ow及び構造層SL#mのうちの内壁面IS(つまり、内縁)を構成する内壁部分SL_iwを造形する場合に、造形装置SYSの動作モードを第1動作モードに設定してもよい。例えば、造形装置SYSは、造形物BO#m1を造形した後に造形物BO#m2を造形することで、外壁部分SL_ow及び内壁部分SL_iwを造形してもよい。一方で、図37に示すように、造形装置SYSは、構造層SL#mのうちの外壁部分SL_owと内壁部分SL_iwとによって囲まれる内部部分SL_iを造形する場合に、造形装置SYSの動作モードを第2動作モードに設定してもよい。例えば、造形装置SYSは、造形物BO#m1を造形する一方で造形物BO#m2を造形することなく、内部部分SL_iを造形してもよい。
但し、外壁面OSと内壁面ISとの間の間隔D(尚、この間隔Dを、“傾斜構造物SSTの厚み”と称してもよい)が短くなりすぎる場合には、外壁部分SL_owと内壁部分SL_iwとが少なくとも部分的にオーバーラップしてしまう(つまり、少なくとも部分的に結合してしまう)可能性がある。その結果、外壁部分SL_ow及び内壁部分SL_iwの高さが、必要以上に高くなってしまう可能性がある。そこで、造形装置SYSは、間隔Dが所定の第1間隔閾値THD1よりも小さい場合には、間隔Dが所定の第1間隔閾値THD1よりも大きい場合と比較して、第1動作モードで造形される造形物BO#m1及びBO#m2の高さを低くしてもよい。例えば、造形装置SYSは、間隔Dが所定の第1間隔閾値THD1よりも小さい場合には、間隔Dが所定の第1間隔閾値THD1よりも大きい場合と比較して、第1動作モードで造形される造形物BO#m1及びBO#m2の高さを半分にしてもよい。その結果、外壁部分SL_owと内壁部分SL_iwとが少なくとも部分的にオーバーラップしてしまう可能性がある状況下においても、外壁部分SL_ow及び内壁部分SL_iwの高さが必要以上に高くなってしまうことはない。或いは、例えば、造形装置SYSは、間隔Dが所定の第1間隔閾値THD1よりも小さい場合には、外壁部分SL_ow及び内壁部分SL_iwを造形する場合であっても、造形装置SYSの動作モードを第2動作モードに設定してもよい。つまり、造形システムSYSは、構造層SL#mのうちの外壁部分SL_ow及び内壁部分SL_iwを造形するために、造形物BO#m1を造形する一方で、造形物BO#m2を造形しなくてもよい。
第1間隔閾値THD1は、上述した構造層SL#mを造形するために造形される造形物BO#m1及びSL#m2のオーバーラップ量と、造形物BO#m1及びSL#m2のそれぞれの線幅とに基づいて設定されてもよい。造形物BO#m1及びSL#m2のオーバーラップ量は、走査方向であるX軸方向に交差する方向(つまり、倒れ方向であるY軸方向)における造形物BO#m1及びSL#m2のオーバーラップ量を意味していてもよい。造形物BO#m1及びSL#m2のそれぞれの線幅は、走査方向であるX軸方向に交差する方向(つまり、倒れ方向であるY軸方向)における造形物BO#m1及びSL#m2のそれぞれのサイズを意味していてもよい。一例として、第1間隔閾値THD1は、オーバーラップ量と線幅とを加算した値(或いは、当該値よりも大きい値)に設定されてもよい。
尚、外壁部分SL_owと内壁部分SL_iwとの間の間隔Dが造形物BO#m1及びSL#m2のそれぞれの線幅よりも小さい傾斜構造物SSTは、造形装置SYSにとって造形不可能な構造物である。このため、外壁部分SL_owと内壁部分SL_iwとの間の間隔Dが線幅以下である場合には、造形装置SYSは、このような傾斜構造物SSTを造形することができない警告を出力してもよい。
(4-5)第5変形例
上述した説明では、造形装置SYSは、図8(a)及び図8(b)に示すように、走査方向であるX軸方向に交差する倒れ方向(つまり、Y軸方向)に沿って倒れるように傾斜した傾斜面SSを備える傾斜構造物SSTを造形している。つまり、上述した説明では、造形装置SYSは、構造層SL#mを造形するために造形される造形物BO#m1及びBO#m2の夫々が延びる走査方向とは異なる倒れ方向に沿って倒れるように傾斜した傾斜面SSを備える傾斜構造物SSTを造形している。一方で、第5変形例では、造形装置SYSは、図38(a)及び図38(b)に示すように、走査方向に沿って倒れる(つまり、走査方向と同じ方向である倒れ方向に沿って倒れる)ように傾斜した傾斜面SSを備える傾斜構造物SSTを造形してもよい。つまり、造形装置SYSは、光軸方向の上方ほど走査方向に沿って離れる部位を含む傾斜した傾斜面SSを備える傾斜構造物SSTを造形してもよい。
以下、走査方向に沿って倒れるように傾斜した傾斜面SSを備える傾斜構造物SSTを構成する構造層SL#mを造形する動作の流れについて説明する。尚、以下では、上述した第1及び第2造形動作と第5変形例における造形動作との間で異なる工程について主として説明する。特段の説明がない第5変形例における造形動作の工程は、第1及び第2造形動作の工程と同一であってもよい。
まず、造形装置SYSは、造形面MSに設定されたワークWの表面WSに、傾斜構造物SSTを構成する1層目の構造層SL#1を造形する。具体的には、図39(a)及び図39(b)に示すように、造形装置SYSは、第1造形動作と行う場合と同様に造形物BO#11及びBO#12を造形することで、構造層SL#1を造形する。
その後、構造層SL#1が造形された後、造形装置SYSは、構造層SL#1の表面を新たな造形面MSに設定した上で、構造層SL#1上に、傾斜構造物SSTを構成する2層目の構造層SL#2を造形する。具体的には、造形装置SYSは、第1造形動作と行う場合と同様に造形物BO#21及びBO#22を造形することで、構造層SL#2を造形する。
但し、第5変形例では、造形装置SYSは、倒れ方向であるY軸方向において、造形物BO#21及びBO#22を造形するための照射目標位置EPが夫々設定される位置P#21及びP#22のそれぞれと、造形物BO#11及びBO#12を造形するための照射目標位置EPがそれぞれ設定される位置P#11及びP#12のそれぞれとが異なる位置になるように、照射目標位置EPを設定しなくてもよい。例えば、造形装置SYSは、倒れ方向であるY軸方向において、位置P#21及びP#22のそれぞれと位置P#11及びP#12のそれぞれとが同じ位置になるように、照射目標位置EPを設定してもよい。
一方で、第5変形例では、図40(a)及び図40(b)に示すように、造形装置SYSは、走査方向であるX軸方向において、造形物BO#21及びBO#22を造形するための照射目標位置EPがそれぞれ設定される二つの領域の端部AE#21及びAE#22のそれぞれ(図40(b)の上側の図参照)と、造形物BO#11及びBO#12を造形するための照射目標位置EPがそれぞれ設定される二つの領域の端部AE#11及びAE#12のそれぞれ(図40(b)の下側の図参照)とが異なる位置になるように、照射目標位置EPを設定する。つまり、造形装置SYSは、走査方向であるX軸方向において、端部AE#21及びAE#22のそれぞれと端部AE#11及びAE#12のそれぞれとが離れるように、照射目標位置EPを設定する。尚、端部AE#21は、造形物BO#21を造形するための照射目標位置EPが設定される領域の走査方向における端部である。特に、端部AE#21は、造形物BO#21を造形するための照射目標位置EPが設定される領域の走査方向における二つの端部(両端)のうちの、傾斜面SS側(図40(a)及び図40(b)に示す例では、+X側)に位置する一の端部である。端部AE#11及びEE#12並びにEE#22についても同様である。
造形物BO#21を造形するための照射目標位置EPが設定された後、造形装置SYSは、造形面MSに対して照射目標位置EPを移動させながら、構造層SL#1のうちの造形物BO#21を造形すべき領域に造形光ELを照射する。その結果、構造層SL#1上において造形物BO#21を造形すべき領域に、溶融池MPが形成される。更に、造形面MSに溶融池MPが形成された場合には、溶融池MPに対して材料ノズル212から造形材料Mが供給される。その結果、造形物BO#21が造形される。その後、造形物BO#22を造形するための照射目標位置EPが設定される。その後、造形装置SYSは、造形面MSに対して照射目標位置EPを移動させながら、造形物BO#21のうちの造形物BO#22を造形すべき領域に造形光ELを照射する。その結果、図40(b)に示すように、造形物BO#21上において造形物BO#22を造形すべき領域に、溶融池MPが形成される。更に、造形面MSに溶融池MPが形成された場合には、溶融池MPに対して材料ノズル212から造形材料Mが供給される。尚、図40(b)における溶融池MPはあくまで一例であり、図40(b)に示す位置とは異なる位置に、図40(b)に示す形状とは異なる形状の溶融池MPが形成されてもよい。その結果、造形物BO#22が造形される。その結果、図41(a)及び図41(b)に示すように、造形物BO#21及びBO#22を含む構造層SL#2が造形される。図41(a)及び図41(b)に示すように、走査方向(X軸方向)における造形物BO#21の端部BE#21(特に、傾斜面SS側である+X側の端部)及び走査方向における造形物BO#22の端部BE#22(特に、傾斜面SS側である+X側の端部)のそれぞれと、走査方向における造形物BO#11の端部BE#11(特に、傾斜面SS側である+X側の端部)及び走査方向における造形物BO#12の端部BE#12(特に、傾斜面SS側である+X側の端部)とは、異なる位置に位置する。つまり、走査方向であるX軸方向において、端部BE#21及びBE#22のそれぞれと端部BE#11及びBE#12のそれぞれとが離れる。その結果、端部BE#21及びBE#22が、光軸方向であるZ軸方向(つまり、重力方向)に対して傾斜した方向に向かって構造層SL#1から延びるように、造形物BO#21及びBO#22が造形される。その結果、造形物BO#21及びBO#22(特に、端部BE#21及びBE#22)は、構造層SL#1と共に、走査方向であるX軸方向に沿って倒れるように傾斜した傾斜面SSを形成可能となる。
その後、造形装置SYSは、傾斜構造物SSTを構成する全ての構造層SLが形成されるまで、構造層SLを形成する動作を繰り返す。尚、構造層SL#m(尚、mは、1以上の整数を示す変数)上に構造層SL#n(尚、nは、mより1大きい整数を示す変数)を造形する動作は、構造層SL#1上に構造層SL#2を造形する動作と同様である。その結果、図42(a)及び図42(b)に示すように、複数の構造層SLから構成され且つ傾斜面SSを含む傾斜構造物SSTが造形される。
(4-6)第6変形例
第6変形例では、造形システムSYSは、上述した傾斜構造物SSTを造形するための造形動作を行うことで、内部に空隙SPが形成された3次元構造物STを造形してもよい。以降の説明では、説明の便宜上、内部に空隙SPが形成された3次元構造物STを、“空隙構造物PST”と称する。以下、空隙構造物PSTを造形する動作について説明する。尚、以下では、空隙構造物PSTの一例を示す断面図である図43に示すように、ベース部材PSTbと、ベース部材PSTbからZ軸方向に突き出ており且つ空隙SPが内部に形成された(つまり、空隙SPを取り囲む内壁が形成された)筒状の壁部材PSTwと、壁部材PSTwの上部に空隙SPを少なくとも部分的にふさぐように形成される天井部材PSTcとを備える空隙構造物PSTを造形する動作について説明する。尚、ベース部材PSTb、壁部材PSTw及び天井部材PSTcは、説明の便宜上区別されているに過ぎず、ベース部材PSTb、壁部材PSTw及び天井部材PSTcは、典型的には一体化されている。
まず、図44に示すように、造形装置SYSは、ワークWの表面WSを造形面MSに設定し、造形面MS上にベース部材PSTbを造形する。尚、図43に示す例では、ベース部材PSTbは、ワークWの表面WSが水平になる(つまり、載置面311が水平になる)状態において、重力方向に対して傾斜する傾斜面SSを備えていない。このため、造形装置SYSは、付加加工の基本動作を行うことで、ベース部材PSTbを造形してもよい。但し、ベース部材PSTbが傾斜面SSを備えている場合には、造形装置SYSは、傾斜構造物SSTを造形するための造形動作を行うことで、ベース部材PSTbを造形してもよい。
その後、図45に示すように、造形装置SYSは、ベース部材PSTbの表面を造形面MSに設定し、造形面MS上に壁部材PSTwを造形する。尚、図43に示す例では、壁部材PSTwは、ワークWの表面WSが水平になる(つまり、載置面311が水平になる)状態において、重力方向に対して傾斜する傾斜面SSを備えていない。このため、造形装置SYSは、付加加工の基本動作を行うことで、壁部材PSTwを造形してもよい。但し、壁部材PSTwが傾斜面SSを備えている場合には、造形装置SYSは、傾斜構造物SSTを造形するための造形動作を行うことで、壁部材PSTwを造形してもよい。
その後、造形装置SYSは、壁部材PSTwの表面を造形面MSに設定し、造形面MS上に天井部材PSTcを造形する。但し、ワークWの表面WSが水平になる(つまり、載置面311が水平になる)状態において、天井部材PSTcは、重力方向に直交する面を備えている。このため、ワークWの表面WSが水平になる(つまり、載置面311が水平になる)状態では、造形装置SYSは、天井部材PSTcを造形することが困難になる可能性がある。そこで、図46に示すように、造形装置SYSは、ワークWの表面WS(つまり、載置面311)が非水平になる(具体的には、重力方向であるZ軸方向に対して傾斜する)ように、ステージ31を移動させる。言い換えれば、造形装置SYSは、ワークWの表面WSの法線N(つまり、載置面311の法線)が非水平になる(具体的には、重力方向であるZ軸方向に対して傾斜する)ように、ステージ31を移動させる。その結果、図46に示す状態において、天井部材PSTcは、重力方向に対して傾斜する傾斜面SSを備える傾斜構造物SSTとなる。このため、図47に示すように、造形装置SYSは、ワークWの表面WSに載置されたベース部材PSTb及び壁部材PSTwを含む物体上において、重力方向に対して傾斜する傾斜面SSを備える傾斜構造物SSTを造形することで、天井部材PSTcを造形することができる。つまり、造形装置SYSは、傾斜構造物SSTを造形するための造形動作を行うことで、ワークWの表面WSの上方(つまり、載置面311の上方)に天井部材PSTcを造形する。
この際、造形装置SYSは、天井部材PSTcの下方に、空隙SPに相当する空間が含まれるように、天井部材PSTcを造形する。具体的には、造形装置SYSは、空隙SPに面する傾斜面SSを含む天井部材PSTcを造形する。
尚、造形装置SYSは、一の壁部材PSTw(例えば、図47に示す左側の壁部材PSTw)上に天井部材PSTcを造形することで、一の壁部材PSTwと一の壁部材PSTwとは異なる位置に位置する他の壁部材PStw(例えば、図47に示す右側の壁部材PSTw)とを接続する天井部材PSTcを造形してもよい。或いは、造形装置SYSは、一の壁部材PSTw(例えば、図47に示す左側の壁部材PSTw)上に天井部材PSTcの一部である第1天井部分を造形し、且つ、他の壁部材PStw(例えば、図47に示す右側の壁部材PSTw)上に、天井部材PSTcの他の一部であって且つ第1天井部分に繋がる第2天井部分を造形してもよい。
天井部材PSTcが造形される場合には、ワークWの表面WSの法線N(つまり、ワークWが載置されているステージ31の載置面311の法線)と重力方向とがなす角度θ1と、天井部材PSTcの傾斜面SSに沿った方向と重力方向がなす角度θ2との総和は、90度以上になっていてもよい。図47は、角度θ1と角度θ2との総和が90度になる例を示している。
このように、第6変形例では、空隙構造物PSTが造形される。
(4-7)第7変形例
上述した説明では、造形装置SYSは、構造層SL#1上に構造層#2を造形するために、造形物BO#11を造形し且つ造形物BO#11上に造形物BO#12を造形することで構造層SL#1を造形し、その後、造形物BO#12上に造形物BO#21を造形し且つ造形物BO#21上に造形物BO#22を造形することで構造層SL#2を造形している。
第7変形例では、造形装置SYSは、構造層SL#1上に構造層#2を造形するために、まず、図48に示すように、造形面MS上に、倒れ方向であるY軸方向に沿って並ぶ造形物BO#11及びBO#12を造形してもよい。その結果、造形物BO#11及びBO#12を含む構造層SL#1が造形される。その後、造形装置SYSは、造形物BO#11の表面又は内部に照射目標位置EPを設定した上で、造形物BO#11に造形光ELを照射することで、造形物BO#21を造形してもよい。つまり、造形装置SYSは、造形物BO#11上に造形物BO#21を造形してもよい。更に、造形装置SYSは、造形物BO#12の表面又は内部に照射目標位置EPを設定した上で、造形物BO#12に造形光ELを照射することで、造形物BO#22を造形してもよい。つまり、造形装置SYSは、造形物BO#12上に造形物BO#22を造形してもよい。このように、図49に示すように、造形装置SYSは、構造層SL#1上に、倒れ方向であるY軸方向に沿って並ぶ造形物BO#21及びBO#22を造形してもよい。
この際、第1又は第2造形動作を説明する際に説明したように、造形装置SYSは、倒れ方向であるY軸方向において、造形物BO#21を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#21と、造形物BO#11を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#11とが異なる位置になるように、照射目標位置EPを設定してもよい。更に、造形装置SYSは、倒れ方向であるY軸方向において、造形物BO#22を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#22と、造形物BO#12を造形するための照射目標位置EPが設定される位置P#12とが異なる位置になるように、照射目標位置EPを設定してもよい。その結果、図49に示すように、造形物BO#21及びBO#22を含む構造層SL#2は、構造層SL#1と共に、倒れ方向であるY軸方向に沿って倒れるように傾斜した傾斜面SSを形成可能となる。
尚、構造層SL#m上に構造層#nを造形する場合においても同様に、造形装置SYSは、倒れ方向であるY軸方向に沿って並ぶ造形物BO#m1及びBO#m2を造形することで構造層SL#mを造形してもよい。その後、造形装置SYSは、造形物BO#m1の表面又は内部に照射目標位置EPを設定した上で、造形物BO#m1に造形光ELを照射することで、造形物BO#n1を造形してもよい。更に、造形装置SYSは、造形物BO#m2の表面又は内部に照射目標位置EPを設定した上で、造形物BO#m2に造形光ELを照射することで、造形物BO#n2を造形してもよい。つまり、造形装置SYSは、構造層SL#1上に、倒れ方向であるY軸方向に沿って並ぶ造形物BO#21及びBO#22を造形することで構造層SL#nを造形してもよい。
このような動作を行うことで、造形装置SYSは、上述した傾斜構造物SSTを造形してもよい。
(4-8)第8変形例
ワークW及びステージ31の少なくとも一方の上には、3次元構造物STの造形に用いられなかった造形材料Mが残留する可能性がある。或いは、3次元構造物STの造形に用いられなかった造形材料Mの一部は、ワークWの表面からワークWの外部へと(例えば、ステージ31へと)散乱する又はこぼれ落ちる可能性がある。このため、造形装置SYSは、3次元構造物STの造形に用いられなかった造形材料Mを回収する回収装置を備えていてもよい。回収装置が回収した造形材料Mは、材料ノズル212からワークWへと供給されてもよい。
回収装置が造形材料Mを回収する場合には、図50に示すように、造形装置SYSは、ワークW及びステージ31の少なくとも一方の上に残留している造形材料Mを回収装置に回収させるために、ステージ駆動系32を用いてステージ31を回転させてもよい。例えば、造形装置SYSは、ステージ駆動系32を用いて、ステージ31θXを、ステージ31θXの回転軸RX(典型的には、X軸に沿った回転軸)周りに回転させてもよい。例えば、造形装置SYSは、ステージ駆動系32を用いて、ステージ31θZを、ステージ31θZの回転軸RZ周りに回転させてもよい。その結果、ワークW及びステージ31の少なくとも一方の上に残留していた造形材料Mは、ワークW及びステージ31の少なくとも一方から、ステージ31が回転する遠心力及び重力の少なくとも一方の作用によって取り除かれる。その結果、回収装置は、ワークW上に又はステージ31上に残留している造形材料Mを適切に回収することができる。
或いは、回収装置が造形材料Mを回収しない又は造形装置SYSが回収装置を備えていない場合であっても、造形装置SYSは、ステージ駆動系32を用いてステージ31を回転させてもよい。その結果、ワークW及びステージ31の少なくとも一方の上に残留していた造形材料Mは、ワークW及びステージ31の少なくとも一方から、ステージ31が回転する遠心力及び重力の少なくとも一方の作用によって取り除かれる。このため、ワークW及びステージ31の少なくとも一方の上に残留していた造形材料Mが、ワークZの付加加工(つまり、3次元構造物STの造形)に悪影響を及ぼす可能性が低くなる。
(4-9)その他の変形例
上述した説明では、造形装置SYSは、造形光ELをワークWに照射することでワークWを加工している。しかしながら、造形装置SYSは、任意のエネルギビームをワークWに照射することで、ワークWを加工してもよい。この場合、造形装置SYSは、光源5及び照射光学系2111に加えて又は代えて、任意のエネルギビームを照射可能なビーム照射装置を備えていてもよい。任意のエネルギビームの一例として、荷電粒子ビーム及び電磁波等の少なくとも一方があげられる。荷電粒子ビームの一例として、電子ビーム及びイオンビーム等の少なくとも一方があげられる。
(5)付記
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を記載する。
[付記1]
エネルギビームを射出する光学系を含むビーム照射部と、前記エネルギビームの照射位置に造形材料を供給する材料供給部とを少なくとも備える造形部と、
前記造形部による構造物の造形を制御する造形制御部と
を備える造形装置であって、
前記造形制御部は、
第1位置を前記エネルギビームの照射位置としてエネルギビームを照射して第1造形物を造形し、且つ、前記第1造形物の第2位置を前記エネルギビームの照射位置として前記第1造形物に前記エネルギビームを照射して第2造形物を造形することにより、第1構造層を造形するように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第1構造層の第3位置を前記エネルギビームの照射位置として前記第1構造層に前記エネルギビームを照射して第3造形物を造形し、且つ、前記第3造形物の第4位置を前記エネルギビームの照射位置として前記第3造形物に前記エネルギビームを照射して第4造形物を造形することにより、第2構造層を造形するように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第1位置と前記第2位置の前記光学系の光軸方向に沿った距離、及び、前記第3位置と前記第4位置の前記光軸方向に沿った距離の少なくとも一つが、前記第2位置と前記第3位置の前記光軸方向に沿った距離よりも短くなるように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第1位置と前記第2位置の前記光軸方向と交差する交差方向に沿った距離、及び、前記第3位置と前記第4位置の前記交差方向に沿った距離の少なくとも一つが、前記第2位置と前記第3位置の前記交差方向に沿った距離よりも短くなるように、前記造形部を制御し、且つ、
少なくとも前記第1構造層、及び、前記第2構造層を含み、前記光軸方向に対して傾斜した構造物を造形するように、前記造形部を制御する
造形装置。
[付記2]
前記造形制御部は、前記光軸方向において前記第1位置と前記第2位置とが同じ位置となる、前記交差方向において前記第1位置と前記第2位置とが同じ位置となる、前記光軸方向において前記第3位置と前記第4位置とが同じ位置となる、及び/又は、前記交差方向において前記第3位置と前記第4位置とが同じ位置となるように、前記造形部を制御する
付記1に記載の造形装置。
[付記3]
前記造形制御部は、前記光軸方向に沿った前記第1位置と前記第2位置との間の距離、及び、前記交差方向に沿った前記第1位置と前記第2位置との間の距離、前記光軸方向に沿った前記第3位置と前記第4位置との間の距離、及び、前記交差方向に沿った前記第3位置と前記第4位置との間の距離の少なくとも一つが所定距離よりも短くなるように、前記造形部を制御する
付記1又は2に記載の造形装置。
[付記4]
前記造形制御部は、前記交差方向に沿った前記第2位置と前記第3位置との間の距離が所定距離よりも長くなるように、前記造形部を制御する
付記1から3のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記5]
前記第1構造層の幅は、前記第1造形物の幅よりも大きく、
前記第2構造層の幅は、前記第3造形物の幅よりも大きい
付記1から4のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記6]
前記第1構造層の高さは、前記第1造形物の高さよりも高く
前記第2構造層の高さは、前記第3造形物の高さよりも高い
付記1から5のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記7]
前記造形制御部は、(i)前記交差方向を含む面内において、走査方向に沿って前記照射位置が相対的に移動するように前記造形部を制御し、且つ、(ii)前記走査方向に沿って前記照射位置を相対的に移動させることにより造形された前記第1構造層及び前記第2構造層を含む前記構造物が、前記走査方向に沿って倒れるように傾斜した傾斜面を含むように、前記造形部を制御する
付記1から6のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記8]
前記造形制御部は、前記第1構造層を形成する期間中に前記エネルギビームが照射される領域の第1端部と、前記第1構造層上に形成される前記第2構造層を形成する期間中に前記エネルギビームが照射される領域の第2端部とが、前記走査方向において離れるように、前記造形部を制御する
付記7に記載の造形装置。
[付記9]
前記第3位置は、前記第1構造層の表面上の位置を含み、
前記第4位置は、前記第3造形物の内部の位置、又は、前記第1構造層の表面上の位置を含む
付記1から8のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記10]
前記造形制御部は、前記第2造形物を前記第1造形物上に造形し、前記第3造形物を前記第2造形物上に造形し、且つ、前記第4造形物を前記第3造形物上に造形するように、前記造形部を制御する
付記1から9のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記11]
前記造形制御部は、前記第3造形物を前記第1構造層上に造形するように、前記造形部を制御する
付記1から10のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記12]
前記第1端部と第2端部を含む前記構造物の端面は、前記走査方向に沿って傾く
付記8に記載の造形装置。
[付記13]
前記造形制御部は、前記傾斜面の下方が空間となるよう、前記造形部を制御する
付記7、8又は12に記載の造形装置。
[付記14]
前記エネルギビームの照射位置は、前記エネルギビームの照射目標位置及び前記エネルギームの集光目標位置の少なくとも一つを含む
付記1から13のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記15]
エネルギビームを射出する光学系を含むビーム照射部と、前記エネルギビームの照射位置に造形材料を供給する材料供給部を少なくとも備える造形部と、
前記造形部による構造物の造形を制御する造形制御部と
を備える造形装置であって、
前記造形制御部は、重力方向に対して第1の角度で交差する傾斜面を含む第1構造物を造形するための第1動作モードと、前記重力方向に対して第2の角度で交差する傾斜面を含む第2構造物を造形するための第2動作モードとを、ユーザによる入力に応じて切替え可能である
造形装置。
[付記16]
前記第1構造物及び第2構造物のそれぞれは、積層された複数の構造層を含み、
前記第1動作モードにおいて各構造層を形成する場合の前記エネルギビームの照射回数は、前記第2動作モードにおいて各構造層を形成するための前記エネルギビームの照射回数と異なる
付記15に記載の造形装置。
[付記17]
前記第1角度が前記第2角度よりも大きい場合、前記第1動作モードにおいて各構造層を形成するための前記エネルギビームの照射回数は、前記第2動作モードにおいて各構造層を形成するための前記エネルギビームの照射回数よりも多い
付記16に記載の造形装置。
[付記18]
前記第1角度と前記第2角度とは同一であり、
前記第1動作モードにおいて各構造層を形成するための前記エネルギビームの照射回数は、前記第2動作モードにおいて各構造層を形成するための前記エネルギビームの照射回数よりも多い
付記16に記載の造形装置。
[付記19]
前記第1動作モードで動作する前記造形装置は、第1位置に前記エネルギビームを照射して第1造形物を造形し、且つ、前記第1造形物の第2位置に前記エネルギビームを照射して第2造形物を造形することで、前記第1造形物及び第2造形物を含む各構造層を形成し、
前記第2動作モードで動作する前記造形装置は、第1位置に前記エネルギビームを照射して前記第3造形物を造形する一方で、前記第1造形物の前記第2位置に前記エネルギビームを照射することなく、前記第3造形物を含む各構造層を形成する
付記15から18のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記20]
前記第1構造物及び第2構造物のそれぞれは、積層された複数の構造層を含み、
前記第1動作モードにおいて各構造層を形成するための前記エネルギビームの特性は、前記第2動作モードにおいて各構造層を形成するための前記エネルギビームの特性と異なる
付記15から19のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記21]
前記エネルギビームの特性は、前記エネルギビームの強度を含む
付記20に記載の造形装置。
[付記22]
前記第1角度が前記第2角度よりも大きい場合、前記第1動作モードにおいて各構造層を形成するための前記エネルギビームの強度は、前記第2動作モードにおいて各構造層を形成するための前記エネルギビームの強度よりも高い
付記21に記載の造形装置。
[付記23]
前記エネルギビームの照射位置を移動させる移動装置を更に備え、
前記第1動作モードにおいて各構造層を形成する場合の前記照射位置の移動態様は、前記第2動作モードにおいて各構造層を形成する場合の前記照射位置の移動態様と異なる
付記15から22のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記24]
前記移動態様は、移動速度を含む
付記23に記載の造形装置。
[付記25]
前記第1角度が前記第2角度よりも大きい場合、前記第1動作モードにおいて各構造層を形成する場合の前記移動速度は、前記第2動作モードにおいて各構造層を形成する場合の前記移動速度よりも遅い
付記24に記載の造形装置。
[付記26]
前記第1動作モードにおいて各構造層を形成する場合の前記材料供給部からの前記造形材料の供給態様は、前記第2動作モードにおいて各構造層を形成する場合の前記材料供給部からの前記造形材料の供給態様と異なる
付記15から25のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記27]
前記供給態様は、供給量を含む
付記26に記載の造形装置。
[付記28]
前記第1角度が前記第2角度よりも大きい場合、前記第1動作モードにおいて各構造層を形成する場合の前記供給量は、前記第2動作モードにおいて各構造層を形成する場合の前記供給量よりも多い
付記27に記載の造形装置。
[付記29]
物体に向けてエネルギビームを射出する光学系を含むビーム照射部と、前記エネルギビームの照射位置に造形材料を供給する材料供給部と、前記ビーム照射部に対する前記物体の姿勢を変更可能な姿勢変更装置とを少なくとも備える造形部と、
前記造形部による構造物の造形を制御する造形制御部と
を備える造形装置であって、
前記造形制御部は、前記エネルギビームが照射される前記物体が載置された載置面の法線が重力方向に対して傾斜するように前記物体の姿勢を変更し、前記重力方向に対して傾斜した傾斜方向に延びる傾斜面を含む構造物を、前記載置面の上方に造形するように前記造形部を制御し、
前記構造物の下方には少なくとも空間が含まれる
造形装置。
[付記30]
前記物体には、内壁面によって取り囲まれた空隙が形成されており、
前記造形制御部は、前記空隙に面する前記傾斜面を含む前記構造物を前記載置面の上方に形成するように、前記造形部を制御する
付記29に記載の造形装置。
[付記31]
前記造形制御部は、前記空隙を少なくとも部分的にふさぐ前記構造物を前記載置面の上方に形成するように、前記造形部を制御する
付記30に記載の造形装置。
[付記32]
前記載置面の法線と前記重力方向とがなす角度と、前記傾斜方向と前記重力方向とがなす角度との総和は、90度以上である
付記29から31のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記33]
エネルギビームを射出する光学系を含むビーム照射部と、前記エネルギビームの照射位置に造形材料を供給する材料供給部とを少なくとも備える造形部と、
前記造形部による構造物の造形を制御する造形制御部と
を備える造形装置であって、
前記造形制御部は、
第1位置をエネルギビームの照射位置又は集光位置として第1造形物を造形し、且つ、前記第1造形物の第2位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として第2造形物を造形するように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第2造形物の第3位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として第3造形物を造形し、且つ、前記第3造形物の第4位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として第4造形物を造形するように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第1位置と前記第2位置の重力方向に沿った距離、及び、前記第3位置と前記第4位置の重力方向に沿った距離の少なとも一つが、前記第2位置と前記第3位置の重力方向に沿った距離よりも短くなるように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第1位置と前記第2位置の重力方向と交差する交差方向に沿った距離、及び、前記第3位置と前記第4位置の前記交差方向に沿った距離の少なとも一つが、前記第2位置と前記第3位置の前記交差方向に沿った距離よりも短くなるように、前記造形部を制御する
造形装置。
[付記34]
エネルギビームを射出する光学系を含むビーム照射部と、前記エネルギビームの照射位置に造形材料を供給する材料供給部とを少なくとも備える造形部と、
前記造形部による構造物の造形を制御する造形制御部と
を備える造形装置であって、
前記造形制御部は、
第1位置をエネルギビームの照射位置又は集光位置として第1造形物を造形し、且つ、前記第1造形物の第2位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として第2造形物を造形するように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第2造形物の第3位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として第3造形物を造形し、且つ、前記第3造形物の第4位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として第4造形物を造形するように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第1位置と前記第2位置の前記光学系の光軸方向に沿った距離、及び、前記第3位置と前記第4位置の前記光軸方向に沿った距離の少なくとも一つが、前記第2位置と前記第3位置の前記光軸方向に沿った距離よりも短くなるように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第1位置と前記第2位置の前記光軸方向と交差する交差方向に沿った距離、及び、前記第3位置と前記第4位置の前記交差方向に沿った距離の少なくとも一つが、前記第2位置と前記第3位置の前記交差方向に沿った距離よりも短くなるように、前記造形部を制御する
造形装置。
[付記35]
エネルギビームを射出する光学系を含むビーム照射部と、前記エネルギビームの照射位置に造形材料を供給する材料供給部とを少なくとも備える造形部と、
前記造形部による構造物の造形を制御する造形制御部と
を備える造形装置であって、
前記造形制御部は、第1位置に前記エネルギビームを照射して造形物を造形し、且つ、前記第1位置に前記エネルギビームを照射することにより造形された造形物の第2位置を前記エネルギビームの照射位置として造形物を造形することで構造層を形成する層形成動作を繰り返し、前記構造層が複数積層させることにより、傾斜する傾斜面を含む構造物を形成するように、前記造形部を制御する
造形装置。
[付記36]
エネルギビームを射出する光学系を含むビーム照射部と、前記エネルギビームの照射位置に造形材料を供給する材料供給部とを少なくとも備える造形部と、
前記造形部による構造物の造形を制御する造形制御部と
を備える造形装置であって、
前記造形制御部は、
前記光学系の光軸方向と交差する交差面内における走査方向に沿って、第1位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として、前記エネルギビームを移動させることによって前記走査方向に沿って延びる第1造形物を造形し、前記交差面内における走査方向に沿って、第2位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として、前記エネルギビームを移動させることによって前記走査方向に沿って延びる第2造形物を造形することにより第1構造層を造形するように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第1造形物の少なくとも一部の第3位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として、前記エネルギビームを移動させることによって前記走査方向に沿って延びる第3造形物を造形し、前記第2造形物の少なくとも一部の第4位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として、前記エネルギビームを移動させることによって前記走査方向に沿って延びる第4造形物を造形することにより、第2構造層を造形するよう前記造形部を制御し、且つ、
前記第1造形物と前記第2造形物とは、前記走査方向と交差する方向に並んで造形され、前記第3造形物と前記第4造形物とは、前記走査方向と交差する方向に並んで造形されるよう、前記造形部を制御し、且つ、
少なくとも前記第1構造層及び前記第2構造層を含む構造層を形成することにより前記光軸方向に対して傾斜した構造物を造形するように、前記造形部を制御する
造形装置。
[付記37]
前記造形制御部は、前記走査方向側に傾斜する構造物を造形するよう前記造形部を制御する
付記36に記載の造形装置。
[付記38]
前記傾斜する構造物の傾斜面は、前記光軸方向の上方ほど前記走査方向に沿って離れる部位を含む
付記36又は37に記載の造形装置。
[付記39]
エネルギビームを射出する光学系を含むビーム照射部と、前記エネルギビームの照射位置に造形材料を供給する材料供給部とを少なくとも備える造形部と、
前記造形部による構造物の造形を制御する造形制御部と
を備える造形装置であって、
前記造形制御部は、
重力方向と交差する交差面内における走査方向に沿って、第1位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として、前記エネルギビームを移動させることによって前記走査方向に沿って延びる第1造形物を造形し、前記交差面内における走査方向に沿って、第2位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として、前記エネルギビームを移動させることによって前記走査方向に沿って延びる第2造形物を造形することにより第1構造層を造形するように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第1造形物の少なくとも一部の第3位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として、前記エネルギビームを移動させることによって前記走査方向に沿って延びる第3造形物を造形し、前記第2造形物の少なくとも一部の第4位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として、前記エネルギビームを移動させることによって前記走査方向に沿って延びる第4造形物を造形することにより、第2構造層を造形するよう前記造形部を制御し、
前記第1造形物と前記第2造形物とは、前記走査方向と交差する方向に並んで造形され、前記第3造形物と前記第4造形物とは、前記走査方向と交差する方向に並んで造形されるよう、前記造形部を制御し、且つ、
少なくとも前記第1構造層及び前記第2構造層を含む構造層を形成することにより前記重力方向に対して傾斜した構造物を造形するように、前記造形部を制御する
造形装置。
[付記40]
エネルギビームを射出する光学系を含むビーム照射部と、前記エネルギビームの照射位置に造形材料を供給する材料供給部とを少なくとも備える造形部を用いて、構造物を造形する造形方法であって、
第1位置を前記エネルギビームの照射位置としてエネルギビームを照射して第1造形物を造形し、且つ、前記第1造形物の第2位置を前記エネルギビームの照射位置として前記第1造形物に前記エネルギビームを照射して第2造形物を造形することにより、第1構造層を造形するように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第1構造層の第3位置を前記エネルギビームの照射位置として前記第1構造層に前記エネルギビームを照射して第3造形物を造形し、且つ、前記第3造形物の第4位置を前記エネルギビームの照射位置として前記第3造形物に前記エネルギビームを照射して第4造形物を造形することにより、第2構造層を造形するように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第1位置と前記第2位置の前記光学系の光軸方向に沿った距離、及び、前記第3位置と前記第4位置の前記光軸方向に沿った距離の少なくとも一つが、前記第2位置と前記第3位置の前記光軸方向に沿った距離よりも短くなるように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第1位置と前記第2位置の前記光軸方向と交差する交差方向に沿った距離、及び、前記第3位置と前記第4位置の前記交差方向に沿った距離の少なくとも一つが、前記第2位置と前記第3位置の前記交差方向に沿った距離よりも短くなるように、前記造形部を制御し、且つ、
少なくとも前記第1構造層、及び、前記第2構造層を含み、前記光軸方向に対して傾斜した構造物を造形するように、前記造形部を制御する
造形方法。
[付記41]
エネルギビームを射出する光学系を含むビーム照射部と、前記エネルギビームの照射位置に造形材料を供給する材料供給部とを少なくとも備える造形部を用いて、構造物を造形する造形方法であって、
重力方向に対して第1の角度で交差する傾斜面を含む第1構造物を造形するための第1動作モードと、前記重力方向に対して第2の角度で交差する傾斜面を含む第2構造物を造形するための第2動作モードとを、ユーザによる入力に応じて切替え可能である
造形方法。
[付記42]
物体に向けてエネルギビームを射出する光学系を含むビーム照射部と、前記エネルギビームの照射位置に造形材料を供給する材料供給部と、前記ビーム照射部に対する前記物体の姿勢を変更可能な姿勢変更装置とを少なくとも備える造形部を用いて、構造物を造形する造形方法であって、
前記エネルギビームが照射される前記物体が載置された載置面の法線が重力方向に対して傾斜するように前記物体の姿勢を変更し、前記重力方向に対して傾斜した傾斜方向に延びる傾斜面を含む構造物を、前記載置面の上方に造形するように前記造形部を制御し、
前記構造物の下方には少なくとも空間が含まれる
造形方法。
[付記43]
エネルギビームを射出する光学系を含むビーム照射部と、前記エネルギビームの照射位置に造形材料を供給する材料供給部とを少なくとも備える造形部を用いて、構造物を造形する造形方法であって、
第1位置をエネルギビームの照射位置又は集光位置として第1造形物を造形し、且つ、前記第1造形物の第2位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として第2造形物を造形するように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第2造形物の第3位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として第3造形物を造形し、且つ、前記第3造形物の第4位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として第4造形物を造形するように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第1位置と前記第2位置の重力方向に沿った距離、及び、前記第3位置と前記第4位置の重力方向に沿った距離の少なとも一つが、前記第2位置と前記第3位置の重力方向に沿った距離よりも短くなるように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第1位置と前記第2位置の重力方向と交差する交差方向に沿った距離、及び、前記第3位置と前記第4位置の前記交差方向に沿った距離の少なとも一つが、前記第2位置と前記第3位置の前記交差方向に沿った距離よりも短くなるように、前記造形部を制御する
造形方法。
[付記44]
エネルギビームを射出する光学系を含むビーム照射部と、前記エネルギビームの照射位置に造形材料を供給する材料供給部とを少なくとも備える造形部を用いて、構造物を造形する造形方法であって、
第1位置をエネルギビームの照射位置又は集光位置として第1造形物を造形し、且つ、前記第1造形物の第2位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として第2造形物を造形するように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第2造形物の第3位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として第3造形物を造形し、且つ、前記第3造形物の第4位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として第4造形物を造形するように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第1位置と前記第2位置の前記光学系の光軸方向に沿った距離、及び、前記第3位置と前記第4位置の前記光軸方向に沿った距離の少なくとも一つが、前記第2位置と前記第3位置の前記光軸方向に沿った距離よりも短くなるように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第1位置と前記第2位置の前記光軸方向と交差する交差方向に沿った距離、及び、前記第3位置と前記第4位置の前記交差方向に沿った距離の少なくとも一つが、前記第2位置と前記第3位置の前記交差方向に沿った距離よりも短くなるように、前記造形部を制御する
造形方法。
[付記45]
エネルギビームを射出する光学系を含むビーム照射部と、前記エネルギビームの照射位置に造形材料を供給する材料供給部とを少なくとも備える造形部を用いて、構造物を造形する造形方法であって、
第1位置に前記エネルギビームを照射して造形物を造形し、且つ、前記第1位置に前記エネルギビームを照射することにより造形された造形物の第2位置を前記エネルギビームの照射位置として造形物を造形することで構造層を形成する層形成動作を繰り返し、前記構造層が複数積層させることにより、傾斜する傾斜面を含む構造物を形成するように、前記造形部を制御する
造形方法。
[付記46]
エネルギビームを射出する光学系を含むビーム照射部と、前記エネルギビームの照射位置に造形材料を供給する材料供給部とを少なくとも備える造形部を用いて、構造物を造形する造形方法であって、
前記光学系の光軸方向と交差する交差面内における走査方向に沿って、第1位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として、前記エネルギビームを移動させることによって前記走査方向に沿って延びる第1造形物を造形し、前記交差面内における走査方向に沿って、第2位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として、前記エネルギビームを移動させることによって前記走査方向に沿って延びる第2造形物を造形することにより第1構造層を造形するように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第1造形物の少なくとも一部の第3位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として、前記エネルギビームを移動させることによって前記走査方向に沿って延びる第3造形物を造形し、前記第2造形物の少なくとも一部の第4位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として、前記エネルギビームを移動させることによって前記走査方向に沿って延びる第4造形物を造形することにより、第2構造層を造形するよう前記造形部を制御し、且つ、
前記第1造形物と前記第2造形物とは、前記走査方向と交差する方向に並んで造形され、前記第3造形物と前記第4造形物とは、前記走査方向と交差する方向に並んで造形されるよう、前記造形部を制御し、且つ、
少なくとも前記第1構造層及び前記第2構造層を含む構造層を形成することにより前記光軸方向に対して傾斜した構造物を造形するように、前記造形部を制御する
造形方法。
[付記47]
エネルギビームを射出する光学系を含むビーム照射部と、前記エネルギビームの照射位置に造形材料を供給する材料供給部とを少なくとも備える造形部を用いて、構造物を造形する造形方法であって、
重力方向と交差する交差面内における走査方向に沿って、第1位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として、前記エネルギビームを移動させることによって前記走査方向に沿って延びる第1造形物を造形し、前記交差面内における走査方向に沿って、第2位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として、前記エネルギビームを移動させることによって前記走査方向に沿って延びる第2造形物を造形することにより第1構造層を造形するように、前記造形部を制御し、且つ、
前記第1造形物の少なくとも一部の第3位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として、前記エネルギビームを移動させることによって前記走査方向に沿って延びる第3造形物を造形し、前記第2造形物の少なくとも一部の第4位置を前記エネルギビームの照射位置又は集光位置として、前記エネルギビームを移動させることによって前記走査方向に沿って延びる第4造形物を造形することにより、第2構造層を造形するよう前記造形部を制御し、
前記第1造形物と前記第2造形物とは、前記走査方向と交差する方向に並んで造形され、前記第3造形物と前記第4造形物とは、前記走査方向と交差する方向に並んで造形されるよう、前記造形部を制御し、且つ、
少なくとも前記第1構造層及び前記第2構造層を含む構造層を形成することにより前記重力方向に対して傾斜した構造物を造形するように、前記造形部を制御する
造形方法。
上述の各実施形態の構成要件の少なくとも一部は、上述の各実施形態の構成要件の少なくとも他の一部と適宜組み合わせることができる。上述の各実施形態の構成要件のうちの一部が用いられなくてもよい。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態で引用した全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う造形装置及び造形方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。