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JP7619484B2 - 電解液分析用試験片、電解液分析装置および電解液分析方法 - Google Patents
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電解液分析用試験片、電解液分析装置および電解液分析方法 Download PDF

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Description

この発明は電解液分析用試験片に関し、より詳しくは、電解液に含まれたイオンの濃度を測定するためのイオン感応電極を搭載した試験片に関する。また、この発明は、そのような電解液分析用試験片を備えて、電解液に含まれたイオンの濃度を測定する電解液分析装置および電解液分析方法に関する。
従来、この種の電解液分析用試験片としては、例えば特許文献1(特許第6127460号明細書)に開示されているように、基板上に、第1のイオン種を選択して、その第1のイオン種の濃度に応じた電位を発生させる第1のイオン選択電極と、第2のイオン種を選択して、その第2のイオン種の濃度に応じた電位を発生させる第2のイオン選択電極とを有するセンサヘッドが知られている。電解液分析装置の本体(CPUを搭載している)に上記センサヘッドが装着された状態で、上記センサヘッドのうち第1、第2のイオン選択電極が設けられた領域に電解液(濃度比が既知である標準液、または、尿などの測定対象液)が「接触」され、上記CPUによって、上記第1のイオン選択電極と第2のイオン選択電極との間の電位差が、上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比として算出される。同文献では、上記第1、第2のイオン選択電極に対して液を「接触」させる場合、液を上記第1、第2のイオン選択電極に対して振り掛けてもよいし、液に上記第1、第2のイオン選択電極を浸漬してもよい、とされている。電解液を上記第1、第2のイオン選択電極に対して振り掛ける使用態様であれば、ユーザは、使用の都度、液を入れるべき容器を用意する必要が無い。したがって、ユーザにとって便利である。
特許第6127460号明細書
ところで、ユーザは、上記センサヘッドのうち第1、第2のイオン選択電極が設けられた領域に電解液を接触させるとき、正しい測定結果を得るためには、上記電解液が上記第1、第2のイオン選択電極を一体に覆うように接触させる必要がある。
ここで、上記センサヘッドは、使い捨てされることを予定して小型に構成されている。特許文献1では、上記基板の寸法は、例えば、面方向に関してX方向50mm×Y方向20mmに設定され、厚さは200μm程度に設定されている。このため、例えば、ユーザが、上記センサヘッドのうち第1、第2のイオン選択電極が設けられた領域に電解液を振り掛ける使用態様では、上記電解液が上記第1、第2のイオン選択電極(以下、「イオン感応電極」と総称する。)に接触しているか否かを、目視では判別し難い、という問題がある。このように電解液がイオン感応電極に接触しているか否か不明な状態で測定された場合、測定結果の信頼度に疑問が生ずる。
そこで、この発明の課題は、電解液に含まれたイオンの濃度を測定するためのイオン感応電極を搭載した電解液分析用試験片であって、上記電解液が上記イオン感応電極を覆うように接触しているか否かを判定可能になっているものを提供することにある。また、この発明の課題は、そのような電解液分析用試験片を備えて、上記電解液が上記イオン感応電極を覆うように接触していることを確認した上で、上記電解液に含まれたイオンの濃度を測定する電解液分析装置および電解液分析方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、第1の局面では、この開示の電解液分析用試験片は、
電解液に含まれたイオンの濃度を測定するための電解液分析用試験片であって、
一端から他端まで一方向に延在する基板と、
上記基板の主面において、上記一方向に関して上記一端の側の特定領域に設けられた、上記イオンの濃度を測定するためのイオン感応電極と、
上記イオン感応電極から上記他端の側へ延在する主引出電極と、
上記主面において、上記一方向に関して上記特定領域と上記他端との間に相当する近位領域に、上記主引出電極から離間して設けられた、上記電解液に接触したか否かを検知するための液検知電極と、
上記主引出電極から離間して、上記液検知電極から上記他端の側へ延在する補助引出電極と
を備え、
上記液検知電極は、
上記近位領域に設けられた近位部分電極を含むとともに、
上記主面において、上記一方向に関して上記特定領域と上記一端との間に相当する遠位領域に設けられた、上記電解液に接触したか否かを検知するための遠位部分電極を含み、
上記補助引出電極は、上記遠位部分電極、上記近位部分電極からそれぞれ上記他端の側へ互いに離間して延在している
ことを特徴とする。
ここで、「電解液」は、少なくとも1つのイオン種を含む液を広く指す。
基板の「主面」とは、空間的に広がる板面を指し、端面とは異なる。
「一端の側」とは、上記一方向に関して一端と他端のうち上記一端に近い側を指す。また、「他端の側」とは、上記一方向に関して一端と他端のうち上記他端に近い側を指す。
上記電解液分析用試験片(特に、上記液検知電極)に電解液を「接触」させるには、ユーザ(典型的には、被験者)が、上記電解液分析用試験片の上記一端から上記近位領域までを一体に覆うように上記電解液を振り掛けてもよいし、上記電解液に上記電解液分析用試験片の上記一端から上記近位領域までを浸漬してもよい。
この開示の電解液分析用試験片は、使用に際して、上記一方向に関して上記他端の側が、後述する電解液分析装置の本体のコネクタに挿入される。この状態(これを「装着状態」と呼ぶ。)で、ユーザは、測定のために、上記電解液分析用試験片のうち上記一端から、上記イオン感応電極が設けられている上記特定領域を含んで、上記液検知電極が設けられている上記近位領域までを一体に覆うように、電解液を接触させるものとする(これを「電解液接触操作」と呼ぶ。)。すると、上記イオン感応電極と上記液検知電極を一体に覆うように上記電解液が接触する。これにより、上記液検知電極に上記電解液が接触したことが、上記補助引出電極を介して、上記電解液分析装置の本体が備える要素(例えば、後述する液検知処理部)によって検知され得る。例えば、上記液検知電極上記イオン感応電極との間のインピーダンスが低下する。このインピーダンスの低下は、例えば、上記主引出電極と上記補助引出電極とを介して、上記電解液分析装置の本体が備える要素によって検知され得る。上記液検知電極(上記近位領域に設けられている)に上記電解液が接触したことが検知されたとき、上記電解液接触操作によれば上記電解液分析用試験片の上記一端から上記近位領域までを一体に覆うように上記電解液が接触されるという前提の下で、上記電解液が上記イオン感応電極を覆うように接触していると判定される。
さらに、この電解液分析用試験片では、上記液検知電極は、上記近位領域に設けられた近位部分電極を含むとともに、上記主面において、上記一方向に関して上記特定領域と上記一端との間に相当する遠位領域に設けられた、上記電解液に接触したか否かを検知するための遠位部分電極を含んでいる。したがって、上記装着状態でユーザが上記電解液接触操作を行うと、上記遠位部分電極と上記イオン感応電極と上記近位部分電極を一体に覆うように上記電解液が接触する。これにより、上記遠位部分電極と上記近位部分電極との間のインピーダンスが低下する。このインピーダンスの低下は、上記遠位部分電極、上記近位部分電極からそれぞれ上記他端の側へ互いに離間して延在している上記補助引出電極を介して、上記電解液分析装置の本体が備える要素(例えば、後述する液検知処理部)によって検知され得る。これにより、上記電解液が上記イオン感応電極を覆うように接触していると判定され得る。しかも、この電解液分析用試験片では、上記一方向に関して上記遠位部分電極と上記近位部分電極との間に上記イオン感応電極が配置されているので、上記遠位部分電極と上記近位部分電極との間のインピーダンスが低下したとき、上記電解液が上記イオン感応電極を覆うように接触していると言える。したがって、上記電解液が上記イオン感応電極を覆うように接触しているか否かを判定することができる。
また、上記電解液が上記イオン感応電極を覆うように接触していると判定されたとき、その判定されたことをトリガとして、上記イオン感応電極の電位変化が、上記主引出電極を介して、上記電解液分析装置の本体が備える要素によって検知され得る。この電位変化に基づいて、上記電解液に含まれたイオンの濃度が測定され得る。このようにして上記電解液が上記イオン感応電極を覆うように接触していると確認した上で測定が行われた場合、測定結果(イオン濃度)の信頼度を高めることができる。
一実施形態の電解液分析用試験片では、
上記近位部分電極、上記イオン感応電極、および上記遠位部分電極は、上記一方向に沿って1列に並んでいる
ことを特徴とする。
第2の局面では、この開示の電解液分析用試験片は、
電解液に含まれたイオンの濃度を測定するための電解液分析用試験片であって、
一端から他端まで一方向に延在する基板と、
上記基板の主面において、上記一方向に関して上記一端の側の特定領域に設けられた、上記イオンの濃度を測定するためのイオン感応電極と、
上記イオン感応電極から上記他端の側へ延在する主引出電極と、
上記主面において、上記一方向に関して上記特定領域と上記他端との間に相当する近位領域に、上記主引出電極から離間して設けられた、上記電解液に接触したか否かを検知するための液検知電極と、
上記主引出電極から離間して、上記液検知電極から上記他端の側へ延在する補助引出電極と
を備え、
上記液検知電極は、上記近位領域に互いに離間して設けられた第1の近位部分電極と第2の近位部分電極とを含み、
上記補助引出電極は、上記第1、第2の近位部分電極からそれぞれ上記他端の側へ互いに離間して延在している
ことを特徴とする。
この開示の電解液分析用試験片では、上記液検知電極は、上記近位領域に互いに離間して設けられた第1の近位部分電極と第2の近位部分電極とを含んでいる。上記第1の近位部分電極と上記第2の近位部分電極との間のインピーダンスの変化は、上記第1、第2の近位部分電極からそれぞれ上記他端の側へ互いに離間して延在している上記補助引出電極を介して、上記電解液分析装置の本体が備える要素(例えば、後述する液検知処理部)によって検知され得る。したがって、上記電解液接触操作によれば上記電解液分析用試験片の上記一端から上記近位領域までを一体に覆うように上記電解液が接触されるという前提の下で、上記第1の近位部分電極と上記第2の近位部分電極との間のインピーダンスの変化に応じて、上記電解液が上記イオン感応電極を覆うように接触しているか否かが判定され得る。
一実施形態の電解液分析用試験片では、
上記第1の近位部分電極と上記第2の近位部分電極とは、上記一方向に関して互いに離間している
ことを特徴とする。
この一実施形態の電解液分析用試験片では、上記第1の近位部分電極と上記第2の近位部分電極とは、上記一方向に関して互いに離間している。したがって、2種類の電解液(これらを「第1の電解液」、「第2の電解液」と呼ぶ。例えば、第1の電解液は濃度比が既知である標準液とし、第2の電解液は測定対象としての尿とすることができる。)についてそれぞれ上記一方向に関して上記一端から接触される範囲を予め異ならせて設定しておけば、上記第1、第2の近位部分電極によって、上記2種類の電解液を区別して検知することが可能となる。具体的には、上記一方向に関して上記第1の近位部分電極が上記第2の近位部分電極よりも上記一端に近い位置に配置されているものとする。この場合、例えば、予め、上記電解液接触操作によって上記第1の電解液が上記一方向に関して接触される範囲を、上記一端から上記第1の近位部分電極までを一体に覆う範囲とし、上記第2の近位部分電極には達しないように調整しておく。また、予め、上記電解液接触操作によって上記第2の電解液が上記一方向に関して浸漬される範囲を、上記一端から上記第1の近位部分電極を越えて上記第2の近位部分電極までを一体に覆う範囲に調整しておく。すると、上記第1の近位部分電極に或る電解液が接触し、かつ、上記第2の近位部分電極にその電解液が接触していないことが、上記補助引出電極を介して、上記電解液分析装置の本体が備える要素(例えば、後述する液検知処理部)によって検知されたとき、上記一端から上記第1の近位部分電極までを覆うように現在接触しているのが第1の電解液であることを知ることができる。また、上記第1の近位部分電極に或る電解液が接触し、かつ、上記第2の近位部分電極にその電解液が接触していることが、上記補助引出電極を介して、電解液分析装置の本体が備える要素(例えば、後述する液検知処理部)によって検知されたとき、上記一端から上記第2の近位部分電極までを覆うように現在接触しているのが第2の電解液であることを知ることができる。これにより、上述のように、上記2種類の電解液を区別して検知することが可能となる。
一実施形態の電解液分析用試験片では、
上記電解液は、互いに異なる第1のイオン種と第2のイオン種を含み、
上記イオン感応電極は、上記特定領域に互いに離間して設けられた、上記電解液と接触して上記第1のイオン種の濃度に応じた第1の電位を発生させる第1のイオン感応電極と、上記電解液と接触して上記第2のイオン種の濃度に応じた第2の電位を発生させる第2のイオン感応電極とを含み、
上記主引出電極は、上記第1、第2のイオン感応電極からそれぞれ上記他端の側へ互いに離間して延在する第1、第2の主引出電極を含む
ことを特徴とする。
この一実施形態の電解液分析用試験片では、上記イオン感応電極は、上記特定領域に互いに離間して設けられた、上記電解液と接触して上記第1のイオン種の濃度に応じた第1の電位を発生させる第1のイオン感応電極と、上記電解液と接触して上記第2のイオン種の濃度に応じた第2の電位を発生させる第2のイオン感応電極とを有する。上記第1、第2の電位は、それぞれ上記第1、第2の主引出電極を介して上記他端の側へ伝えられる。上記他端の側へ伝えられた上記第1、第2の電位は、上記電解液分析装置の本体が備える要素(例えば、後述する演算部)によって検知され得る。これにより、上記第1、第2の電位の間の電位差に基づいて、上記電解液に含まれた上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比が算出され得る。
一実施形態の電解液分析用試験片では、さらに、
上記特定領域に、上記第1、第2のイオン感応電極から離間して設けられた、上記電解液と接触して基準電位を発生させる基準電極と、
上記第1、第2の主引出電極から離間して、上記基準電極から上記他端の側へ延在する基準引出電極と
を備えたことを特徴とする。
この一実施形態の電解液分析用試験片では、上記基準電位は、上記基準電極から上記基準引出電を介して上記他端の側へ伝えられる。上記他端の側へ伝えられた上記基準電位は、電解液分析装置の本体が備える要素(例えば、後述する演算部)によって検知され得る。これにより、上記基準電位と上記第1の電位との間の電位差に基づいて、上記電解液に含まれた上記第1のイオン種の濃度が算出され得る。また、上記基準電位と上記第2の電位との間の電位差に基づいて、上記電解液に含まれた上記第2のイオン種の濃度が算出され得る。
第3の局面では、この開示の電解液分析装置は、
電解液に含まれた第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比を測定する電解液分析装置であって、
電解液分析用試験片と、
本体とを備え、
上記電解液分析用試験片は、
一端から他端まで一方向に延在する基板と、
上記基板の主面において、上記一方向に関して上記一端の側の特定領域に設けられたイオン感応電極と、
上記イオン感応電極から上記他端の側へ延在する主引出電極と、
上記主面において、上記一方向に関して上記特定領域と上記他端との間に相当する近位領域に、上記主引出電極から離間して設けられた、上記電解液に接触したか否かを検知するための液検知電極と、
上記主引出電極から離間して、上記液検知電極から上記他端の側へ延在する補助引出電極と
を備え、
上記イオン感応電極は、上記特定領域に互いに離間して設けられた、上記電解液と接触して上記第1のイオン種の濃度に応じた第1の電位を発生させる第1のイオン感応電極と、上記電解液と接触して上記第2のイオン種の濃度に応じた第2の電位を発生させる第2のイオン感応電極とを含み、
上記主引出電極は、上記第1、第2のイオン感応電極からそれぞれ上記他端の側へ互いに離間して延在する第1、第2の主引出電極を含み、
上記本体は、
上記電解液分析用試験片の上記他端の側が挿入されたとき、上記第1の主引出電極、上記第2の主引出電極、上記補助引出電極にそれぞれ対応して接触する接触電極を有するコネクタと、
上記電解液分析用試験片の上記他端の側が上記コネクタに挿入された装着状態で、上記液検知電極に上記電解液が接触したとき、上記補助引出電極を介して、上記液検知電極に上記電解液が接触したことを検知する液検知処理部と、
上記液検知電極に上記電解液が接触したことが検知されたことをトリガとして、上記第1の主引出電極を通して得られた上記第1の電位と上記第2の主引出電極を通して得られた上記第2の電位との間の電位差に基づいて、上記電解液に含まれた上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を算出する演算部と
を備えたことを特徴とする。
この開示の電解液分析装置では、ユーザは、この電解液分析装置の使用に際して、上記電解液分析用試験片の上記他端の側を上記本体のコネクタに挿入する(これを「装着操作」と呼ぶ。)。この装着操作によって、上記電解液分析用試験片の上記第1の主引出電極、上記第2の主引出電極、上記補助引出電極に、それぞれ上記コネクタの接触電極が対応して接触する。この状態(装着状態)で、ユーザは、測定のために、上記電解液分析用試験片のうち上記一端から、上記第1、第2のイオン感応電極が設けられている上記特定領域を含んで、上記液検知電極が設けられている上記近位領域までを一体に覆うように、電解液を接触させるものとする(既述のように、これを「電解液接触操作」と呼ぶ。)。すると、上記第1、第2のイオン感応電極と上記液検知電極を一体に覆うように上記電解液が接触する。これにより、上記液検知電極に上記電解液が接触したことが、上記補助引出電極(および上記コネクタの対応する接触電極)を介して、上記本体が備える液検知処理部によって検知され得る。例えば、上記液検知電極と上記第1、第2のイオン感応電極との間のインピーダンスが低下する。このインピーダンスの低下は、上記第1、第2の主引出電極と上記補助引出電極(および上記コネクタの対応する接触電極)を介して、上記液検知処理部によって検知され得る。上記液検知電極に上記電解液が接触したことが検知されたとき、上記電解液接触操作によれば上記電解液分析用試験片の上記一端から上記近位領域までを一体に覆うように上記電解液が接触されるという前提の下で、上記電解液が上記第1、第2のイオン感応電極を一体に覆うように接触していると判定される。そこで、上記電解液が上記第1、第2のイオン感応電極に接触したことが検知されたことをトリガとして、上記演算部は、上記第1の主引出電極を通して得られた上記第1の電位と上記第2の主引出電極を通して得られた上記第2の電位との間の電位差に基づいて、上記電解液に含まれた上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を算出する。このようにして上記電解液が上記第1、第2のイオン感応電極を一体に覆うように接触していると確認した上で測定を行うことによって、測定結果(上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比)の信頼度を高めることができる。
一実施形態の電解液分析装置では、
上記本体は、さらに、
上記電解液分析用試験片の上記他端の側が上記コネクタに挿入された装着状態になったことを検知する装着検知部と、
上記装着状態になったことが検知されたことをトリガとして、上記本体の電源をオンする電源制御部と
を備えたことを特徴とする。
「本体の電源をオンする」とは、上記本体の各部(上記液検知処理部、上記演算部を含む)に電力を供給して、各部を動作可能な状態にすることを意味する。なお、上記本体の電源がオフされた状態であれば、上記装着検知部は動作可能であるが、上記本体のうち上記装着検知部以外の部分には電力が供給されず、動作しない状態になっている。
この一実施形態の電解液分析装置では、ユーザは、この電解液分析装置の使用に際して、上記電解液分析用試験片の上記他端の側を上記本体のコネクタに挿入する装着操作を行う。すると、上記装着検知部は、上記電解液分析用試験片の上記他端の側が上記コネクタに挿入された装着状態になったことを検知する。上記装着状態になったことが検知されたことをトリガとして、上記電源制御部は、上記本体の電源をオンする。したがって、ユーザは、この電解液分析装置の使用に際して、上記装着操作とは別に、上記本体の電源をオンする操作を行う必要が無い。したがって、ユーザの利便性を高めることができる。また、上記本体に電源スイッチを設ける必要が無くなる。
一実施形態の電解液分析装置では、
上記電解液分析用試験片は、上記一方向に関して上記他端の側に、上記第1、第2の主引出電極および上記補助引出電極から離間して設けられた導電層を有し、
上記コネクタは、上記電解液分析用試験片の上記他端の側が挿入されたとき、上記導電層に対応して接触する追加の接触電極を有し、
上記装着検知部は、上記コネクタの上記追加の接触電極が上記導電層に接触したのに応じて、上記装着状態になったことを検知する
ことを特徴とする。
この一実施形態の電解液分析装置では、上記装着検知部は、上記コネクタの上記追加の接触電極が上記導電層に接触したのに応じて、上記装着状態になったことを検知する。これにより、簡単な構成で、上記装着状態になったことを検知できる。
一実施形態の電解液分析装置では、
上記本体は、この本体が備える要素を収容した外周壁を有し、
上記外周壁は、上記演算部によって制御された情報を表示する表示画面と、上記コネクタが上記電解液分析用試験片を受け入れるためのスロットとを露出させる一方、操作用要素無しで、上記表示画面および上記スロットが占める領域以外の残りの領域を覆っている
ことを特徴とする。
「本体が備える要素」とは、上記コネクタ、上記液検知処理部、上記演算部、上記装着検知部、上記電源制御部、および、上記表示画面をなす表示器を含む。
「操作用要素」とは、ユーザによる指示を入力するためのボタンスイッチなどの要素を指す。
この一実施形態の電解液分析装置では、上記本体は、この本体が備える要素を収容した外周壁を有する。上記外周壁は、上記演算部によって制御された情報を表示する表示画面と、上記コネクタが上記電解液分析用試験片を受け入れるためのスロットとを露出させる一方、操作用要素無しで、上記表示画面および上記スロットが占める領域以外の残りの領域を覆っている。このように上記本体の外周壁に操作用要素が設けられていないので、上記本体の構成が簡素化される。
第4の局面では、この開示の電解液分析方法は、
上記第3の局面の電解液分析装置を用いて、上記電解液に含まれた上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を測定する電解液分析方法であって、
上記電解液分析装置の上記演算部は、上記液検知電極に上記電解液が接触したことが検知されたことをトリガとして、上記第1、第2の主引出電極を通して得られた上記第1、第2の電位の間の電位差が収束するのを待ち、収束した上記第1、第2の電位の間の電位差に基づいて校正を行った後、上記校正によって求めたパラメータを用いて上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を算出するようになっており、
上記電解液分析方法は、
上記電解液分析用試験片の上記他端の側を上記コネクタに挿入して装着状態にし、
上記装着状態で、上記電解液分析用試験片の上記主面のうち上記一端から上記近位領域までを一体に覆うように、上記第1のイオン種と上記第2のイオン種とを予め定められた濃度比で含む標準液を接触させる操作を行うことによって、上記液検知処理部に、上記補助引出電極を介して、上記液検知電極に上記電解液が接触したことを検知させ、さらに、上記液検知電極に上記標準液が接触したことが検知されたことをトリガとして、上記演算部に、上記標準液について得られた上記第1、第2の電位の間の電位差に基づいて上記校正を行わせる
ことを特徴とする。
「校正」とは、濃度比が既知である標準液について得られた上記第1、第2の電位の間の電位差に基づいて、測定対象液についての上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を算出するのに必要なパラメータを求める処理を意味する。
この開示の電解液分析方法では、ユーザは、上記電解液分析用試験片の上記他端の側を上記コネクタに挿入して装着状態にし、上記装着状態で、上記電解液分析用試験片の上記主面のうち上記一端から上記近位領域までを一体に覆うように、上記電解液として、上記第1のイオン種と上記第2のイオン種とを予め定められた濃度比で含む標準液を接触させる操作を行う。これによって、上記液検知処理部に、上記補助引出電極を介して、上記液検知電極に上記電解液が接触したことを検知させ、さらに、上記液検知電極に上記標準液が接触したことが検知されたことをトリガとして、上記演算部に、上記標準液について得られた上記第1、第2の電位の間の電位差に基づいて上記校正を行わせる。このようにして上記標準液が上記第1、第2のイオン感応電極に接触していると確認した上で校正が行われた場合、上記校正の信頼度を高めることができる。また、ユーザは、校正開始に際して、上記標準液を接触させる操作とは別に、校正スイッチをオンするなどの操作を行う必要が無い。したがって、ユーザの利便性を高めることができる。また、上記本体に校正スイッチを設ける必要が無くなる。
一実施形態の電解液分析方法では、
上記電解液分析装置は、
上記電解液分析用試験片の上記他端の側が上記コネクタに挿入された装着状態になったことを検知する装着検知部と、
上記装着状態になったことが検知されたことをトリガとして、上記本体の電源をオンする電源制御部と
を備え、
上記電解液分析方法は、
上記電解液分析用試験片の上記他端の側を、上記本体のコネクタに挿入する装着操作を行うことによって、上記装着検知部に、上記電解液分析用試験片の上記他端の側が上記コネクタに挿入された装着状態になったことを検知させ、上記装着状態になったことが検知されたことをトリガとして、上記電源制御部に上記本体の電源をオンさせる
ことを特徴とする。
この一実施形態の電解液分析方法では、ユーザは、この電解液分析装置の使用開始に際して、上記電解液分析用試験片の上記他端の側を上記本体のコネクタに挿入する装着操作を行う。これにより、上記装着検知部に、上記装着状態になったことを検知させ、上記装着状態になったことが検知されたことをトリガとして、上記電源制御部に上記本体の電源をオンさせる。このようにした場合、ユーザは、この電解液分析装置の使用開始に際して、上記装着操作とは別に、上記本体の電源をオンする操作を行う必要が無い。したがって、ユーザの利便性を高めることができる。また、上記本体に電源スイッチを設ける必要が無くなる。
一実施形態の電解液分析方法では、
上記電解液分析装置の上記演算部は、上記校正に続いて、上記第1、第2の主引出電極を通して得られた上記第1、第2の電位の間の電位差が予め定められた閾値を超える変化を示すか否かを判定し、上記第1、第2の電位の間の電位差が上記閾値を超える変化を示したことをトリガとして、上記第1、第2の電位の間の電位差が再び収束するまで待ち、収束した上記第1、第2の電位の間の電位差に基づいて、上記校正によって求めたパラメータを用いて上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を算出するようになっており、
上記電解液分析方法は、
上記演算部に上記校正を行わせた後、
上記第1、第2の電位の間の電位差に上記閾値を超える変化を引き起こすように、上記電解液分析用試験片の上記主面のうち上記一端から上記近位領域までを一体に覆うように測定対象液を接触させる操作を行うことによって、上記演算部に、上記測定対象液について得られた上記第1、第2の電位の間の電位差に基づいて、上記校正によって求めたパラメータを用いて上記濃度比の算出を行わせる
ことを特徴とする。
この一実施形態の電解液分析方法では、ユーザは、上記演算部に上記校正を行わせた後、測定開始に際して、上記第1、第2の電位の間の電位差に上記閾値を超える変化を引き起こすように、上記電解液分析用試験片の上記主面のうち上記一端から上記近位領域までを一体に覆うように測定対象液を接触させる操作を行う。ここで、上記演算部は、上記第1、第2の主引出電極を通して得られた上記第1、第2の電位の間の電位差が予め定められた閾値を超える変化を示すか否かを判定する。上記第1、第2の電位の間の電位差が上記閾値を超える変化を示したとき、上記第1、第2のイオン感応電極に接触している上記標準液が測定対象液に置き換わったと判定される。このとき、上記演算部は、上記第1、第2の電位の間の電位差が上記閾値を超える変化を示しことをトリガとして、上記第1、第2の電位の間の電位差が再び収束するまで待ち、収束した上記第1、第2の電位の間の電位差に基づいて、上記校正によって求めたパラメータを用いて上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を算出する。このようにして上記第1、第2のイオン感応電極に接触している上記標準液が測定対象液に置き換わったことを確認した上で上記濃度比を算出することによって、算出された上記濃度比の信頼度を高めることができる。また、ユーザは、測定対象液の測定開始に際して、上記測定対象液を接触させる操作とは別に、測定スイッチをオンするなどの操作を行う必要が無い。したがって、ユーザの利便性を高めることができる。また、上記本体に測定ボタンスイッチを設ける必要が無くなる。
第5の局面では、この開示の電解液分析装置は、
電解液に含まれたイオンの濃度を測定する電解液分析装置であって、
電解液分析用試験片と、
本体とを備え、
上記電解液分析用試験片は、
一端から他端まで一方向に延在する基板と、
上記基板の主面において、上記一方向に関して上記一端の側の特定領域に設けられた、上記イオンの濃度を測定するためのイオン感応電極と、
上記イオン感応電極から上記他端の側へ延在する主引出電極と、
上記主面において、上記一方向に関して上記特定領域と上記他端との間に相当する近位領域に、上記主引出電極から離間して設けられた、上記電解液に接触したか否かを検知するための液検知電極と、
上記主引出電極から離間して、上記液検知電極から上記他端の側へ延在する補助引出電極と
を備え、
上記本体は、
上記電解液分析用試験片の上記他端の側が挿入されたとき、上記主引出電極、上記補助引出電極にそれぞれ対応して接触する接触電極を有するコネクタと、
上記電解液分析用試験片の上記他端の側が上記コネクタに挿入された装着状態で、上記液検知電極に上記電解液が接触したとき、上記補助引出電極を介して、上記液検知電極に上記電解液が接触したことを検知する液検知処理部と、
上記液検知電極に上記電解液が接触したことが検知されたことをトリガとして、上記主引出電極を通して得られた電位に基づいて、上記電解液に含まれたイオンの濃度を算出する演算部と
を備えたことを特徴とする。
一実施形態の電解液分析装置では、
上記電解液分析用試験片は、
上記特定領域に、上記イオン感応電極から離間して設けられた、上記電解液と接触して基準電位を発生させる基準電極と、
上記主引出電極から離間して、上記基準電極から上記他端の側へ延在する基準引出電極と
を備えたことを特徴とする。
以上より明らかなように、この開示の電解液分析用試験片によれば、電解液がイオン感応電極に接触しているか否かが判定され得る。また、この開示の電解液分析装置および電解液分析方法によれば、上記電解液が上記イオン感応電極に接触していることを確認した上で、上記電解液に含まれたイオンの濃度を測定することができる。
図1(A)は、この発明の第1実施形態の電解液分析装置としての電気化学的センサの概略構成を示す図である。図1(B)は、上記電解液分析装置の本体を斜めから見たところを模式的に示す図である。 図2(A)は、上記電気化学的センサが含む電解液分析用試験片の平面レイアウトを示す図である。図2(B)は、図2(A)におけるIIB-IIB線矢視断面(端面)を示す図である。 上記電気化学的センサのブロック構成を示す図である。 ユーザとしての被験者が、上記電気化学的センサを用いて、電解液としての尿中におけるナトリウムイオン、カリウムイオンの間の濃度比を測定する電解液分析方法のフローを示す図である。 図5(A)~図5(D)は、上記電解液分析方法の手順(前半部)を模式的に示す図である。 図6(A)~図6(E)は、上記電解液分析方法の手順(後半部)を模式的に示す図である。 図7(A)~図7(C)は、上記電解液分析方法の手順の一部(図5(D)~図6(A)に相当)を、より具体的に示す図である。 上記電解液分析用試験片が有する液検知電極に電解液が接触したとき、液検知電極の直流抵抗値の変化に応じて、上記本体で観測される出力の変化を例示する図である。 上記電解液分析用試験片が有するナトリウムイオン感応電極とカリウムイオン感応電極との間の電位差の変化を例示する図である。 図10(A)は、変形例の電解液分析用試験片の平面レイアウトを示す図である。図10(B)~図10(C)は、図10(A)の電解液分析用試験片を用いた測定手順を説明する図である。 図11(A)は、さらに別の変形例の電解液分析用試験片の平面レイアウトを示す図である。図11(B)は、図11(A)におけるXIB-XIB線矢視断面(端面)を示す図である。 図12(A)は、さらに別の変形例の電解液分析用試験片の平面レイアウトを示す図である。図12(B)は、図12(A)におけるXIIB-XIIB線矢視断面(端面)を示す図である。 図13(A)は、さらに別の変形例の電解液分析用試験片の平面レイアウトを示す図である。図13(B)は、さらに別の変形例の電解液分析用試験片の平面レイアウトを示す図である。 図14(A)は、別の実施形態の電解液分析用試験片の平面レイアウトを示す図である。図14(B)は、図14(A)の電解液分析用試験片に対応した本体を斜めから見たところを模式的に示す図である。 図14(A)の電解液分析用試験片と図14(B)の本体とを含む、第2実施形態の電解液分析装置としての電気化学的センサのブロック構成を示す図である。 ユーザとしての被験者が、図14(A)の電気化学的センサを用いて、電解液としての尿中におけるナトリウムイオン、カリウムイオンの間の濃度比を測定する電解液分析方法のフローを示す図である。 図17(A)~図17(D)は、上記電解液分析方法の手順(前半部)を模式的に示す図である。 図18(A)~図18(E)は、上記電解液分析方法の手順(後半部)を模式的に示す図である。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
(電気化学的センサの概略構成)
図1(A)は、この発明の第1実施形態の電解液分析装置としての電気化学的センサ90の概略構成を示している。
この電気化学的センサ90は、大別して、一実施形態の電解液分析用試験片(以下、単に「試験片」と呼ぶ。)30と、この試験片30が装着されるべき本体10とを備えている。なお、理解の容易のために、後述の幾つかの図では、適宜XYZ直交座標系が併せて図示されている。この試験片30は、測定対象の電解液に含まれた第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比を測定するために用いられる。この例では、測定対象の電解液は尿であり、第1のイオン種はナトリウムイオンであり、また、第2のイオン種はカリウムイオンであるものとする。
(試験片の構成)
図2(A)は試験片30の平面レイアウトを示している。また、図2(B)は、図2(A)におけるIIB-IIB線矢視断面(端面)を示している。これらの図によって分かるように、試験片30は、一方向としてのX方向に一端31eから他端31fまで細長く延在する1枚の基板31と、基板31の主面である表面31aにおいて、X方向に関して一端31eの側の円形の特定領域51w1に設けられた第1のイオン感応電極としてのナトリウムイオン感応電極41と、特定領域51w1よりも他端31fに近い円形の別の特定領域51w2に設けられた第2のイオン感応電極としてのカリウムイオン感応電極42と、これらのナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42から他端31fの側へそれぞれ延在する第1、第2の主引出電極43,44とを備えている。
なお、「一端31eの側」とは、X方向に関して一端31eと他端31fのうち一端31eに近い側を指す。また、「他端31fの側」とは、X方向に関して一端31eと他端31fのうち他端31fに近い側を指す。
第1の主引出電極43は、特定領域51w1に設けられた円形のベース部43aと、このベース部43aから他端31fの側へ細長く延在するリード部43bと、このリード部43bに連なって他端31fの側に設けられた、リード部43bよりも幅広の電極パッド部43cとを有している。第2の主引出電極44は、特定領域51w2に設けられた円形のベース部44aと、このベース部44aから他端31fの側へ細長く延在するリード部44bと、このリード部44bに連なって他端31fの側に設けられた、リード部44bよりも幅広の電極パッド部44cとを有している。
図2(B)によって分かるように、ナトリウムイオン感応電極41は、第1の主引出電極43のベース部43aと、このベース部43a上に電気的に接触して設けられた、第1のイオン感応膜としてのナトリウムイオン感応膜41iとからなっている。カリウムイオン感応電極42は、第2の主引出電極44のベース部44aと、このベース部44a上に電気的に接触して設けられた、第2のイオン感応膜としてのカリウムイオン感応膜42iとからなっている。ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42は、測定対象の電解液(この例では、尿)と接触して、それぞれナトリウムイオンの濃度に応じた第1の電位(これをEとする。)、カリウムイオンの濃度に応じた第2の電位(これをEとする。)を発生させる。
さらに、試験片30は、図2(A)に示すように、基板31の表面31aに、電解液に接触したか否かを検知するための液検知電極をなす近位部分電極45および遠位部分電極46を備えている。近位部分電極45は、X方向に関して特定領域51w2と他端31fとの間に相当する円形の近位領域51w3に、第1、第2の主引出電極43,44から離間して設けられている。遠位部分電極46は、X方向に関して特定領域51w1と一端31eとの間に相当する円形の遠位領域51w4に設けられている。近位部分電極45、遠位部分電極46の形状は、この例では、それぞれ近位領域51w3、遠位領域51w4に略対応した円形になっている。さらに、基板31の表面31aには、近位部分電極45から他端31fの側へ延在する第1の補助引出電極47と、遠位部分電極46から他端31fの側へ延在する第2の補助引出電極48とが設けられている。
第1の補助引出電極47は、近位部分電極45から他端31fの側へ細長く延在するリード部47bと、このリード部47bに連なって他端31fの側に設けられた、リード部47bよりも幅広の電極パッド部47cとを有している。第2の補助引出電極48は、遠位部分電極46から他端31fの側へ延在するリード部48bと、このリード部48bに連なって他端31fの側に設けられた、リード部48bよりも幅広の電極パッド部48cとを有している。
この例では、基板31の表面31aにおいて、+Y側から-Y側へ向かって、リード部43b,47b,44b,48bがこの順に互いに離間して並んでいる。これに対応して、基板31の他端31fに沿って、電極パッド部43c,47c,44c,48cがこの順に互いに離間して並んでいる。
基板31の表面31aには、保護層としての絶縁膜51が設けられている。絶縁膜51は、X方向に関して、一端31eから、概ね電極パッド部43c,47c,44c,48cに達するところまでを覆っている。したがって、リード部43b,47b,44b,48bは、それぞれ絶縁膜51によって保護されている。一方、電極パッド部43c,47c,44c,48cは、絶縁膜51から露出しており、後述の本体のコネクタと電気的に接続されるようになっている。
基板31の表面31a上で、絶縁膜51は、この例ではそれぞれ上述の特定領域51w1,51w2、近位領域51w3、遠位領域51w4を画定する、厚さ方向(Z方向)に貫通した4つの円形の開口(それぞれが画定する領域と同じ符号51w1,51w2,51w3,51w4で表す。)を有している。ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42の有効な領域(機能する領域)は、それぞれ開口51w1,51w2のサイズ(この例では、それぞれ直径約4mm)によって画定されている。この例では、開口51w3,51w4のサイズはそれぞれ直径約5mmに設定されている。
基板31は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ガラス、シリコン、ポリイミドフィルム、ガラスエポキシ、ポリカーボネートまたはアクリルなどの絶縁性材料からなっている。したがって、表面31a(および裏面31b)も、絶縁性をもつ。基板31のサイズとして、この例では、X方向(長手方向)寸法が60~100mm程度、Y方向(幅方向)寸法が15~30mm程度、Z方向(厚さ方向)寸法が200μm程度に設定されている。
第1の主引出電極43、第2の主引出電極44、第1の補助引出電極47、第2の補助引出電極48は、いずれも、Pt、Ag、Au、Ir、CまたはIrOなどの導電性材料からなっている。第1の主引出電極43、第2の主引出電極44、第1の補助引出電極47、第2の補助引出電極48の厚さは、いずれも10μm程度になっている。
絶縁膜51は、光硬化型若しくは熱硬化型の絶縁性レジスト、または、絶縁性を有するシール、シート、テープなどからなっている。絶縁膜51の厚さは、30μm~100μm程度になっている。
ナトリウムイオン感応膜41i形成のための材料液として、この例では、Bis(12-corwn-4)、ポリ塩化ビニル(PVC)、2-ニトロフェニルオクチルエーテル(NPOE)、テトラキス(4-クロロフェニル)ほう酸カリウム(K-TCPB)を、テトラヒドロフラン(THF)に溶解してなる溶液が用いられる。カリウムイオン感応膜42i形成のための材料液として、この例では、Bis(benzo-15-crown-5)、PVC、NPOE、K-TCPBをTHFに溶解してなる溶液が用いられる。これらの材料液は、製造段階で乾燥されて硬化されている。
試験片30の製造工程は、例えば次のようなものである。まず、基板31の表面31a上に例えばスクリーン印刷法によって第1の主引出電極43、第2の主引出電極44、近位部分電極45およびそれに連なる第1の補助引出電極47、並びに、遠位部分電極46およびそれに連なる第2の補助引出電極48を同時に形成する。次に、その上に、例えばスクリーン印刷法によって、絶縁膜51を形成する。このとき、絶縁膜51は、電極パッド部43c,47c,44c,48cを露出させるとともに、4つの開口51w1,51w2,51w3,51w4を有して第1の主引出電極43のベース部43a、第2の主引出電極44のベース部44a、近位部分電極45、遠位部分電極46をそれぞれ露出させる状態に形成される。次に、基板31の表面31aの開口51w1に、第1のイオン感応膜としてのナトリウムイオン感応膜41i形成のための材料液を、例えばインクジェット印刷法によって塗布する。そして、塗布した材料液を乾燥して硬化させて、開口51w1に対応する領域にナトリウムイオン感応膜41iを形成する。ベース部43aとナトリウムイオン感応膜41iとで、ナトリウムイオン感応電極41が構成される。次に、基板31の表面31aの開口51w2に、カリウムイオン感応膜42i形成のための材料液を、例えばインクジェット印刷法によって塗布する。そして、塗布した材料液を乾燥して硬化させて、開口51w2に対応する領域にカリウムイオン感応膜42iを形成する。ベース部44aとカリウムイオン感応膜42iとで、カリウムイオン感応電極42が構成される。
(本体の構成)
図1(B)は、電気化学的センサ90の本体10を斜めから見たところを模式的に示している。本体10は、この例では、ユーザの手で把持されるべき細長い角柱状の外形を有している。この結果、この電気化学的センサ90は、ユーザが本体10を手に持って使用する手持ちタイプの装置として構成されている。
本体10は、略角柱状の外周壁をなす筐体10sと、この筐体10sの前面(+Z側の面)10fの略中央に設けられた表示画面としての表示部20と、前面10f上で表示部20よりも+X側の位置に設けられた操作部13と、筐体10sの-X側の端面10tに設けられたコネクタ21とを備えている。表示部20は、この例ではLCD(液晶表示素子)からなり、後述の制御部11(図3参照)による演算結果などの各種情報を表示する。操作部13は、この例では3つの押しボタンスイッチ、すなわち、電気化学的センサ90の電源をオン、オフするための電源スイッチ13aと、ナトリウムイオン、カリウムイオンの間の既知の濃度比をもつ電解液(標準液)による校正開始の指示を入力するための校正スイッチ13bと、測定対象液としての尿中のナトリウムイオン、カリウムイオンの間の濃度比の算出開始の指示を入力するための測定スイッチ13cとを含んでいる。
コネクタ21は、試験片30を着脱可能に受け入れるために-X側に向かって開いたスロット22を有している。スロット22内には、試験片30の電極パッド部43c,47c,44c,48cにそれぞれ対応する位置に、L字状に屈曲した板ばねからなる接触電極21a,21b,21c,21dが設けられている。図1(A)中に示すように、ユーザが試験片30の他端31fを矢印X1で示す向きにスロット22内に挿入すると、
電極パッド部43c,47c,44c,48cがそれぞれ接触電極21a,21b,21c,21dと接触して導通する。この結果、試験片30のナトリウムイオン感応電極41が発生した第1の電位E、カリウムイオン感応電極42が発生した第2の電位Eが、それぞれ第1、第2の主引出電極43,44を介して接触電極21a,21cに伝わり、本体10に入力され得る。また、液検知電極をなす近位部分電極45と遠位部分電極46が、それぞれ第1、第2の補助引出電極47,48を介して接触電極21b,21dと導通する。したがって、近位部分電極45と遠位部分電極46との間のインピーダンスを、本体10側から接触電極21b,21dを介して検出可能となる。
図3に示すように、本体10には、上述の表示部20、操作部13、コネクタ21に加えて、制御部11と、電位差計測部12と、インピーダンス計測部14と、記憶部18と、通信部19と、電源部25とが搭載されて収容されている。制御部11は、ソフトウェアによって動作するCPU(Central Processing Unit)を含むMCU(Micro Controller Unit)からなり、後述するように電気化学的センサ90全体の動作を制御する。電位差計測部12は、試験片30のナトリウムイオン感応電極41とカリウムイオン感応電極42との間の電位差ΔEを接触電極21a,21cを介して受けて増幅し、制御部11に入力する。インピーダンス計測部14は、接触電極21b,21dを介して近位部分電極45と遠位部分電極46との間のインピーダンスを計測し、制御部11に入力する。記憶部18は、半導体メモリからなり、電気化学的センサ90を制御するためのプログラムのデータ、電気化学的センサ90の各種機能を設定するための設定データ、および測定値のデータなどを記憶する。また、記憶部18は、プログラムが実行されるときのワークメモリなどとして用いられる。通信部19は、制御部11からの情報(この例では、測定値データ)を、ネットワーク900を介して他の装置(例えば、サーバ)へ送信する。また、他の装置からの情報を、ネットワーク900を介して受信して制御部11に受け渡す。電源部25は、制御部11、表示部20、電位差計測部12、インピーダンス計測部14、記憶部18、通信部19、その他の本体10内の各部に電力を供給する。
特に、制御部11は液検知処理部として働いて、遠位部分電極46から近位部分電極45までを一体に覆うように電解液が接触しているか否かを判定する。図8に示すように、電解液が接触しておらず、遠位部分電極46と近位部分電極45との間がオープンである場合は、インピーダンス計測部14の出力は、遠位部分電極46と近位部分電極45との間の直流抵抗値(略∞)に応じて、略電源電圧(この例では、3.3V)に近い電圧Vo(≒3.2V)のレベルとなる。一方、近位部分電極45から遠位部分電極46までを一体に覆うように電解液が接触している場合は、インピーダンス計測部14の出力は、遠位部分電極46と近位部分電極45との間の直流抵抗値に応じて、略ゼロに近い電圧Vc(≒0.1V)のレベルとなる(この例では、時刻tcにて電解液が接触した。)。したがって、制御部11は、インピーダンス計測部14の出力レベルに応じて、遠位部分電極46から近位部分電極45までを一体に覆うように電解液が接触しているか否かを判定することができる。近位部分電極45から遠位部分電極46までを一体に覆うように電解液が接触していれば、それらの遠位部分電極46と近位部分電極45との間に配置されているナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42を一体に覆うように電解液が接触していると言える。したがって、制御部11は、インピーダンス計測部14の出力レベルに応じて、ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42を一体に覆うように電解液が接触しているか否かを判定することができる。
また、制御部11は演算部として働いて、本体10に入力された第1の電位Eと第2の電位Eとの間の電位差ΔEを用いて、測定対象の電解液(この例では、尿)に含まれたナトリウムイオンの濃度Cと、カリウムイオンの濃度Cと間の濃度比(C/C)を算出する。
この電気化学的センサ90では、測定対象液に含まれたナトリウムイオンの濃度Cと、カリウムイオンの濃度Cと間の濃度比(C/C)が、次のような原理によって求められる。ここで、ナトリウムイオン感応電極41の感度S、選択性kを、それぞれカリウムイオン感応電極42の感度S、選択性kと揃えたものとする。つまり、S-S≒0であり、かつ、k-k≒0とする。その場合、特許文献1(特許第6127460号公報)に開示されているように、ナトリウムイオン感応電極41とカリウムイオン感応電極42との間の電位差ΔEは、次式(Eq.1)のように簡略化して表される。
ΔE=E -E +Slog(C/C) …(Eq.1)
ここで、E -E は定数であり、予め求められているものとする。したがって、ナトリウムイオン、カリウムイオンの間の既知の濃度比をもつ電解液(標準液)についてΔEを測定して、パラメータとしての感度Sを求めれば、測定対象の電解液について電位差ΔEを測定することにより、式(Eq.1)に基づいて測定対象の電解液におけるナトリウムイオン、カリウムイオンの間の濃度比Ms(=C/C)を算出できる。
(電解液分析方法)
図4は、ユーザとしての被験者が、電気化学的センサ90を用いて、電解液としての尿中におけるナトリウムイオン、カリウムイオンの間の濃度比を測定する電解液分析方法のフローを示している。次に、図4に加えて、図5(A)~図5(D)、図6(A)~図6(E)を参照しながら、ユーザによる測定手順を説明する。
まず、図5(A)に示すように、ユーザは、本体10のスロット22に矢印X1で示すように試験片30の他端31fを挿入して、装着する(図4のステップS101)。これを「装着操作」と呼ぶ。この装着操作によって、試験片30の電極パッド部43c,47c,44c,48cがそれぞれコネクタ21の接触電極21a,21b,21c,21dと接触して導通する。
次に、この状態(装着状態)で、図5(B)中に矢印P1で示すように、ユーザは、電源スイッチ13aを押下してオンする(図4のステップS102)。すると、制御部11は、図5(B)中に示すように、表示部20に、電源がオンされたことを示す文字列として「ON」を表示させる。
次に、図5(C)中に矢印P2で示すように、ユーザは、校正スイッチ13bを押下してオンする(図4のステップS103)。すると、制御部11は、図5(C)中に示すように、表示部20に、校正処理を待っていることを表す文字列として「CAL」を表示させる。
校正スイッチ13bがオンされたことをトリガとして、制御部11は液検知処理部として働いて、既述のインピーダンス計測部14の出力レベルの観測を開始し(図4のステップS104)、インピーダンス計測部14の出力レベルに応じて、試験片30のうち近位部分電極45から遠位部分電極46までを一体に覆うように電解液(ここでは、標準液)が接触しているか否かを判定する(ステップS105)。ここで、標準液は、ナトリウムイオンの濃度とカリウムイオンの濃度との間での既知の濃度比Mrを有するものとする。電解液が接触したことが検知されなければ(ステップS105でNO)、制御部11は、ステップS104に戻ってインピーダンス計測部14の出力レベルを観測しながら、所定時間(この例では、3分間)が経過するまで待つ(ステップS106でNO)。この例では、インピーダンス計測部14の出力レベルを観測している間に、図5(D)に示すように、ユーザが、試験片30のうち一端31eから、遠位領域51w4、特定領域51w1,51w2、近位領域51w3にわたる領域A1(破線のハッチングで示す)を一体に覆うように、電解液としての標準液98を接触させるものとする(これを「電解液接触操作」と呼ぶ。)。すると、制御部11は液検知処理部として働いて、インピーダンス計測部14の出力レベルに応じて、遠位部分電極46から近位部分電極45までを一体に覆うように電解液が接触した(したがって、ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42を一体に覆うように電解液が接触した)と判定する。電解液が接触したことが検知されれば(図4のステップS105でYES)、電解液が接触したことが検知されたことをトリガとして、制御部11は、後述するステップS108へ進んで校正処理を開始する。なお、電解液が接触したことが検知されないまま所定時間(この例では、3分間)が経過したら(ステップS106でYES)、制御部11はエラーが発生したと判定して(ステップS107)、電気化学的センサ90の電源をオフする(ステップS119)。また、電解液接触操作自体は、校正スイッチ13bがオンされる前に行われてもよい。
ここで、試験片30の領域A1を一体に覆うように標準液98を接触させる電解液接触操作は、試験片30の領域A1を一体に覆うように標準液98を振りかけることによって、行うことができる。また、次のようにして行うこともできる。例えば図7(A)に示すように、所定の容器80に、予め標準液98を含侵させたスポンジ81を入れて用意しておく。ユーザは、矢印X2で示すように、試験片30の一端31eの側をスポンジ81に挿入する。これにより、図7(B)に示すように、試験片30の領域A1を一体に覆うように標準液98を接触させることができる。
図4のステップS105で、ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42に標準液98が接触されると(ステップS105でYES)、ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42は、それぞれナトリウムイオンの濃度に応じた第1の電位(これをE1rとする。)、カリウムイオンの濃度に応じた第2の電位(これをE2rとする。)を発生させる。
ステップS108では、制御部11は校正処理部として働いて、電位差計測部12を介して、試験片30のナトリウムイオン感応電極41とカリウムイオン感応電極42との間の電位差ΔE(=E1r-E2r)を観測する。ここで、図9中の「校正中」の期間に示すように、電位差ΔEは、標準液98が有するナトリウムイオン、カリウムイオンの間の濃度比に応じた値(この例では、Er)に収束する(例えば、5秒間で2mV以内の変動となる)。この例では、図9中に示す時刻t1に電位差ΔEがErに収束したものとする。制御部11は、電位差ΔEがErに収束すると(図4のステップS109でYES)、標準液98についての電位差ΔEをErとして決定し、この電位差Erと、濃度比Mrとを用いて、既述の式(Eq.1)に基づいて、感度Sを求める(校正完了)。そして、校正が完了した旨をユーザに報知する。この例では、制御部11は、図5(D)中に示すように、表示部20に、校正が完了した旨を表す文字列として「OK」を表示させる(図4のステップS110)。
次に、制御部11は、図6(A)中に示すように、表示部20に、尿測定を待っている旨を表す文字列として「MES」を表示させる(図4のステップS111)。この表示を見て、ユーザは、領域A1を一体に覆うように接触している電解液を、標準液98から測定対象液としての尿99に置換する操作を行う。ここで、領域A1に接触している電解液を、標準液98から尿99に置換する操作は、試験片30の領域A1を一体に覆うように尿99を振りかけることによって、行うことができる。また、図7(C)に示すように、標準液98が入っている容器80に尿99を溢れるように注ぎ込むことによって、スポンジ81に含侵されている電解液を標準液98から尿99に置換してもよい(この容器80は、典型的には、測定完了後に使い捨てされる。)。
このとき、ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42は、尿99と接触して、それぞれナトリウムイオンの濃度に応じた第1の電位E、カリウムイオンの濃度に応じた第2の電位Eを発生させる。
次に、図6(A)中に矢印P3で示すように、ユーザは、測定スイッチ13cを押下して、尿99中のナトリウムイオン、カリウムイオンの間の濃度比Ms(=C/C)の測定開始を指示する(図4のステップS112)。すると、制御部11は、尿測定処理を開始する。すなわち、制御部11は演算部として働いて、電位差計測部12を介して、試験片30のナトリウムイオン感応電極41とカリウムイオン感応電極42との間の電位差ΔE(=E-E)を観測する(ステップS113)。ここで、図9中の「尿測定待ち」の期間に示すように、電位差ΔEは、電解液の置換に伴って一旦変動する。しかし、電位差ΔEは、一旦変動した後、図9中の「尿測定中」の期間に示すように、次第に尿99が有するナトリウムイオン、カリウムイオンの間の濃度比に応じた値(この例では、Es)に再び収束する(例えば、5秒間で2mV以内の変動となる)。この例では、図9中に示す時刻t3に電位差ΔEがEsに収束したものとする。制御部11は、電位差ΔEがEsに収束すると(図4のステップS114でYES)、尿99についての電位差ΔEをEsとして決定する(図4のステップS115)。これとともに、制御部11は、図6(B)中に示すように、表示部20に、電位差ΔEが決定したした旨を表す文字列として「OK」を表示させる。
続いて、制御部11は演算部として働いて、図4のステップS110で求めた感度Sと、この電位差Esとを用いて、既述の式(Eq.1)に基づいて、尿99についての濃度比Ms(=C/C)(すなわち、Na/K比)を算出する(図4のステップS116)。
続いて、制御部11は、表示部20に、測定結果(この例では、Na/K比)を表示させる(図4のステップS117)。例えば、測定結果としてのNa/K比が4.0であったものとする。その場合、図6(C)中に示すように、表示部20に、測定結果を表す文字列として「Na/K=4.0」を表示させる。これとともに、この例では、制御部11は、通信部19を動作させて、測定値データ(すなわち、Na/K比)を表す情報を、ネットワーク900を介して他の装置(この例では、サーバ)へ送信する。その場合、制御部11は、図6(D)中に示すように、表示部20に、測定値データを送信中であることを表す文字列として「CONNECT」を表示させる。
この後、制御部11は、ユーザによって操作部13を介して何らかの指示が入力されるのを待つ(図4のステップS118)。指示が入力されないまま所定時間(この例では、3分間)が経過したら(ステップS118でYES)、電気化学的センサ90の電源をオフする(ステップS119)。これにより、図6(E)中に示すように、表示部20が消灯される。
このように、この電解液分析方法のフローでは、図4のステップS105で、インピーダンス計測部14の出力レベルに応じて、試験片30のうち遠位部分電極46から近位部分電極45までを一体に覆うように電解液が接触したか否かを判定している。したがって、ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42を一体に覆うように電解液が接触していることを確認することができる。このようにして電解液がナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42を一体に覆うように接触していると確認した上で測定を行うことによって、測定結果(この例では、Na/K比)の信頼度を高めることができる。
(試験片の変形例1)
上の例では、試験片30は、液検知電極として、近位領域51w3に設けられた近位部分電極45を含むとともに、遠位領域51w4に設けられた遠位部分電極46を含むものとした。しかしながら、これに限られるものではない。遠位部分電極46(および第2の補助引出電極48)を省略して、遠位部分電極46(および第2の補助引出電極48)に代えて、例えばナトリウムイオン感応電極41(および第1の主引出電極43)を用いて液検知を行ってもよい。すなわち、ナトリウムイオン感応電極41と近位部分電極45との間のインピーダンスが低下したか否かに応じて、ナトリウムイオン感応電極41から近位部分電極45までを一体に覆うように電解液が接触したか否かを判定する。これにより、ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42を一体に覆うように電解液が接触したか否かを判定することができる。
このようにした場合、液検知電極の個数を減らすことができる。これにより、試験片30(基板31)のX方向寸法、Y方向寸法を小さくすることが可能となる。
(試験片の変形例2)
上の例では、試験片30において、液検知電極をなす近位部分電極45の数を1個としたが、これに限られるものではない。例えば図10(A)に示すように、近位部分電極45の数を2個としてもよい。なお、以下の図に置いて、上の例におけるのと同じ構成要素には同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
図10(A)に示す試験片30Aは、基板31の表面31aに、近位部分電極45として第1の近位部分電極45-1と第2の近位部分電極45-2とを有している。第1の近位部分電極45-1は、X方向に関してカリウムイオン感応電極42と他端31fとの間に相当する円形の近位領域51w3-1に、第1、第2の主引出電極43,44から離間して設けられている。第2の近位部分電極45-2は、近位領域51w3-1と他端31fとの間に相当する円形の近位領域51w3-2に、第1、第2の主引出電極43,44から離間して設けられている。この例では、第1の近位部分電極45-1と第2の近位部分電極45-2とは、X方向に関して互いに離間して配置されている。
さらに、第1の近位部分電極45-1、第2の近位部分電極45-2から、それぞれ補助引出電極47-1,47-2が他端31fの側へ互いに離間して延在している。補助引出電極47-1は、第1の近位部分電極45-1から他端31fの側へ細長く延在するリード部47b-1と、このリード部47b-1に連なって他端31fの側に設けられた、リード部47b-1よりも幅広の電極パッド部47c-1とを有している。補助引出電極47-2は、第2の近位部分電極45-2から他端31fの側へ細長く延在するリード部47b-2と、このリード部47b-2に連なって他端31fの側に設けられた、リード部47b-2よりも幅広の電極パッド部47c-2とを有している。
この例では、基板31の表面31aにおいて、+Y側から-Y側へ向かって、リード部43b,47b-1,47b-2,44b,48bがこの順に互いに離間して並んでいる。これに対応して、基板31の他端31fに沿って、電極パッド部43c,47c-1,47c-2,44c,48cがこの順に互いに離間して並んでいる。
この試験片30Aを用いる場合、本体10のコネクタ21は、既述の接触電極20bに代えて、電極パッド部47c-1,47c-2にそれぞれ対応して接触する接触電極(図示せず)を有するものとする。また、本体10のインピーダンス計測部14は、コネクタ21の接触電極(図示せず)を介して、第1の近位部分電極45-1と遠位部分電極46との間のインピーダンスを検出できるとともに、第2の近位部分電極45-2と遠位部分電極46との間のインピーダンスを検出できるものとする。
この試験片30Aでは、第1の近位部分電極45-1と第2の近位部分電極45-2とは、X方向に関して互いに離間している。したがって、2種類の電解液(これらを「第1の電解液」、「第2の電解液」と呼ぶ。例えば、第1の電解液は濃度比が既知である標準液98とし、第2の電解液は測定対象としての尿99とすることができる。)についてそれぞれX方向に関して一端31eから接触される範囲を予め異ならせて設定しておけば、第1、第2の近位部分電極45-1,45-2によって、2種類の電解液を区別して検知することが可能となる。
具体的には、例えば図10(B)に示すように、予め、電解液接触操作によって第1の電解液がX方向に関して接触される範囲を、一端31eから第1の近位部分電極45-1までを一体に覆う範囲B1とし、第2の近位部分電極45-2には達しないように調整しておく。このことは、例えば図7(A)中に示したスポンジ81の寸法を、この範囲B1に対応させて設定しておくことで容易に実現できる。また、予め、電解液接触操作によって第2の電解液がX方向に関して浸漬される範囲を、一端31eから第1の近位部分電極45-1を越えて第2の近位部分電極45-2までを一体に覆う範囲B2に調整しておく。このことは、容器80の寸法(図7(C)における横方向寸法)を、この範囲B2に対応させて設定しておくことで容易に実現できる。
すると、試験片30Aが本体10に装着された装着状態で、第1の近位部分電極45-1に或る電解液が接触し、かつ、第2の近位部分電極45-2にその電解液が接触していないことが、本体10のインピーダンス計測部14によって検知されたとき、一端31eから第1の近位部分電極45-1までを覆うように現在接触しているのが第1の電解液(例えば、標準液98)であることを知ることができる。また、第1の近位部分電極45-1に或る電解液が接触し、かつ、第2の近位部分電極45-2にその電解液が接触していることが、補助引出電極を介して、本体10のインピーダンス計測部14によって検知されたとき、一端31eから第2の近位部分電極45-2までを覆うように現在接触しているのが第2の電解液(例えば、尿99)であることを知ることができる。これにより、上述のように、2種類の電解液を区別して検知することが可能となる。
これにより、標準液98がナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42を一体に覆うように接触していると確認した上で校正処理(図4中のステップS108~S110)を行い、さらに、尿99がナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42を一体に覆うように接触していると確認した上で尿測定処理(図4中のステップS113~S117)を行うことができる。これにより、測定結果(この例では、Na/K比)の信頼度をさらに高めることができる。
(試験片の変形例3)
上の例では、試験片30において、液検知電極をなす近位部分電極45と遠位部分電極46とがいずれも絶縁膜51の開口51w3,51w4を通して露出しているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、図11(A)、図11(B)に示す試験片30Bのように、遠位部分電極46が絶縁膜51によって覆われている態様であってもよい。ここで、図11(A)は試験片30Bの平面レイアウトを示している。図11(B)は、図11(A)におけるXIB-XIB線矢視断面(端面)を示している。
この試験片30Bを用いる場合、本体10のインピーダンス計測部14は、近位部分電極45と遠位部分電極46との間のインピーダンスを、本体10側からコネクタ21の接触電極21b,21dを介して、例えば交流電圧を印加することによって検出することができる。
この試験片30Bでは、遠位部分電極46が絶縁膜51によって覆われているので、遠位部分電極46を保護して、遠位部分電極46が劣化するのを防止できる。なお、遠位部分電極46だけでなく、近位部分電極45も絶縁膜51によって覆われている態様であってもよい。それにより、近位部分電極45を保護して、近位部分電極45が劣化するのを防止できる。
(試験片の変形例4)
上の例では、試験片30において、液検知電極をなす近位部分電極45と遠位部分電極46とがいずれも円形であるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、図12(A)、図12(B)に示す試験片30Cのように、近位部分電極45は矩形に形成されている態様であってもよい。ここで、図12(A)は試験片30Cの平面レイアウトを示している。図12(B)は、図12(A)におけるXIIB-XIIB線矢視断面(端面)を示している。
この試験片30Cは、図10(A)の試験片30Aにおけるのと同様に、基板31の表面31aに、近位部分電極45として第1の近位部分電極45-1と第2の近位部分電極45-2とを有している。第1の近位部分電極45-1と第2の近位部分電極45-2とは、X方向に関して互いに離間して配置されている。この試験片30Cでは、図10(A)の試験片30Aにおけるのと異なり、第1の近位部分電極45-1、第2の近位部分電極45-2は、いずれも矩形に形成されている。さらに、第1の近位部分電極45-1、第2の近位部分電極45-2は、絶縁膜51の1つの矩形の開口(近位領域を確定する)51w3′を通して露出している。
さらに、第1の近位部分電極45-1、第2の近位部分電極45-2から、それぞれ補助引出電極47-1,47-2が他端31fの側へ互いに離間して延在している。補助引出電極47-1は、第1の近位部分電極45-1から他端31fの側へ細長く延在するリード部47b-1と、このリード部47b-1に連なって他端31fの側に設けられた、リード部47b-1よりも幅広の電極パッド部47c-1とを有している。補助引出電極47-2は、第2の近位部分電極45-2から他端31fの側へ細長く延在するリード部47b-2と、このリード部47b-2に連なって他端31fの側に設けられた、リード部47b-2よりも幅広の電極パッド部47c-2とを有している。
この例では、基板31の表面31aにおいて、+Y側から-Y側へ向かって、リード部43b,47b-2,47b-1,44bがこの順に互いに離間して並んでいる。これに対応して、基板31の他端31fに沿って、電極パッド部43c,47c-2,47c-1,44cがこの順に互いに離間して並んでいる。
この試験片30Cを用いる場合、本体10のコネクタ21は、電極パッド部43c,47c-2,47c-1,44cにそれぞれ対応して接触する接触電極(図示せず)を有するものとする。本体10の電位差計測部12(および制御部11)は、電極パッド部43c,44cに対応するコネクタ21の接触電極(図示せず)を介して、ナトリウムイオン感応電極41とカリウムイオン感応電極42との間の電位差ΔEを測定するものとする。また、本体10のインピーダンス計測部14(および制御部11)は、電極パッド部47c-1,47c-2に対応するコネクタ21の接触電極(図示せず)を介して、第1の近位部分電極45-1と第2の近位部分電極45-2との間のインピーダンスを検出できるものとする。
この試験片30Cは、ユーザによる電解液接触操作によって、一端31eから近位領域51w3′までを一体に覆うように電解液が接触されるという前提の下で用いられる。この前提の下では、第1の近位部分電極45-1と第2の近位部分電極45-2との間のインピーダンスが低下したとき(具体的には、図8に示したように、インピーダンス計測部14の出力レベルが低下したとき)、一端31eから近位領域51w3′までを一体に覆うように電解液が接触されたと判定される。このとき、電解液がナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42を一体に覆うように接触していると言える。したがって、第1の近位部分電極45-1と第2の近位部分電極45-2との間のインピーダンスの変化に応じて、電解液がナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42を一体に覆うように接触しているか否かを判定できる。
この試験片30Cでは、第1の近位部分電極45-1、第2の近位部分電極45-2は、いずれも矩形であり、絶縁膜51の1つの矩形の開口(近位領域を確定する)51w3′に配置されている。しかも、遠位部分電極46が省略されている。したがって、試験片30C(基板31)のX方向寸法、Y方向寸法を小さくすることが可能となる。
なお、第1の近位部分電極45-1と第2の近位部分電極45-2との間のインピーダンスの変化に応じて、電解液がナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42を覆うように接触しているか否かを判定する場合、例えば図13(A)に示す試験片30Dのように、基板31の表面31aにおいて、第1の近位部分電極45-1と第2の近位部分電極45-2は、Y方向に並べて配置されてもよい。この試験片30Dでは、基板31の表面31aにおいて、円形の第1の近位部分電極45-1と、円形の第2の近位部分電極45-2が、Y方向に関して互いに離間して配置されている。第1の近位部分電極45-1、第2の近位部分電極45-2は、それぞれ絶縁膜51の円形の開口(近位領域を確定する)51w3-1,51w3-2を通して露出している。この例では、基板31の表面31aにおいて、+Y側から-Y側へ向かって、リード部47b-1,44b,47b-2,43bがこの順に互いに離間して並んでいる。これに対応して、基板31の他端31fに沿って、電極パッド部47c-1,44c,47c-2,43cがこの順に互いに離間して並んでいる。この試験片30Dは、試験片30Cにおけるのと同様の作用効果を奏する。
(試験片の変形例5)
上の例では、試験片30において、電解液中のイオンの濃度を検出するのに用いられる電極は、ナトリウムイオン感応電極41とカリウムイオン感応電極42との2個であるものとした。しかしながら、これに限られるものではない。例えば図13(B)に示す試験片30Eのように、イオンの濃度を検出するための基準電位を発生する基準電極55を備えた態様であってもよい。
この試験片30Eでは、基板31の表面31aにおいて、カリウムイオン感応電極42と近位部分電極45との間に、円形の基準電極55が配置されている。基準電極55から、基準引出電極56が他端31fの側へ延在している。基準引出電極56は、基準電極55から他端31fの側へ細長く延在するリード部56bと、このリード部56bに連なって他端31fの側に設けられた、リード部56bよりも幅広の電極パッド部56cとを有している。この例では、基板31の表面31aにおいて、+Y側から-Y側へ向かって、リード部43b,56b,47b,44b,48bがこの順に互いに離間して並んでいる。これに対応して、基板31の他端31fに沿って、電極パッド部43c,56c,47c,44c,48cがこの順に互いに離間して並んでいる。基準電極55と基準引出電極56は、例えば既述のスクリーン印刷法によって、他の電極(近位部分電極45、遠位部分電極46等)と同時に形成され得る。
この試験片30Eを用いる場合、本体10のコネクタ21は、電極パッド部43c,56c,47c,44c,48cにそれぞれ対応して接触する接触電極(図示せず)を有するものとする。本体10の電位差計測部12(および制御部11)は、電極パッド部43c,56cに対応するコネクタ21の接触電極(図示せず)を介して、ナトリウムイオン感応電極41が示す電位と基準電極55が示す基準電位との間の電位差ΔEを測定するとともに、電極パッド部44c,56cに対応するコネクタ21の接触電極(図示せず)を介して、カリウムイオン感応電極42が示す電位と基準電極55が示す基準電位との間の電位差ΔEを測定するものとする。これにより、電解液中のナトリウムイオンの濃度とカリウムイオンの濃度とをそれぞれ単独で測定することが可能となる。
なお、上の例では、ナトリウムイオン感応電極41は、金属材料からなるベース部43aと硬化されたナトリウムイオン感応膜41iとの2層からなり、また、カリウムイオン感応電極42は、金属材料からなるベース部44aと硬化されたカリウムイオン感応膜42iとした。しかしながら、これに限られるものではない。ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42は、それぞれ内部液を有するタイプの電極であってもよい。
(第2実施形態)
図14(A)は、別の実施形態の試験片30Fの平面レイアウトを示している。図14(B)は、図14(A)の試験片30Fに対応した本体10Aを斜めから見たところを模式的に示している。これらの試験片30Fと本体10Aとは、図15に示す第2実施形態の電解液分析装置としての電気化学的センサ90Aを構成する。
(試験片の構成)
試験片30Fは、図2(A)の試験片30におけるのと同様に、X方向に一端31eから他端31fまで細長く延在する1枚の基板31と、基板31の表面31aにおいて、X方向に関して一端31eの側の円形の特定領域51w1に設けられた第1のイオン感応電極としてのナトリウムイオン感応電極41と、特定領域51w1よりも他端31fに近い円形の別の特定領域51w2に設けられた第2のイオン感応電極としてのカリウムイオン感応電極42と、これらのナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42から他端31fの側へそれぞれ延在する第1、第2の主引出電極43,44とを備えている。
試験片30Fは、図13(A)の試験片30Dにおけるのと同様に、基板31の表面31aに、近位部分電極45として円形の第1の近位部分電極45-1と円形の第2の近位部分電極45-2とを有している。第1の近位部分電極45-1と第2の近位部分電極45-2は、Y方向に関して互いに離間して配置されている。第1の近位部分電極45-1、第2の近位部分電極45-2は、絶縁膜51の1つの長円形の開口(近位領域を確定する)51w3″を通して露出している。
さらに、第1の近位部分電極45-1、第2の近位部分電極45-2から、それぞれ補助引出電極47-1,47-2が他端31fの側へ互いに離間して延在している。補助引出電極47-1は、第1の近位部分電極45-1から他端31fの側へ細長く延在するリード部47b-1と、このリード部47b-1に連なって他端31fの側に設けられた、リード部47b-1よりも幅広の電極パッド部47c-1とを有している。補助引出電極47-2は、第2の近位部分電極45-2から他端31fの側へ細長く延在するリード部47b-2と、このリード部47b-2に連なって他端31fの側に設けられた、リード部47b-2よりも幅広の電極パッド部47c-2とを有している。
この例では、基板31の表面31aにおいて、+Y側から-Y側へ向かって、リード部44b,47b-1,47b-2,43bがこの順に互いに離間して並んでいる。X方向に関して近位領域51w3″よりも他端31fの側で、かつ、Y方向に関して、リード部47b-1とリード部47b-2との間に相当する領域に、導電層としての略U字状のパターンを有する導電配線58aが設けられている。導電配線58aの両端は他端31fの側に向けられている。導電配線58aの両端にそれぞれ連なって、他端31fの側に、一対の電極パッド部58b,58cが設けられている。これに対応して、基板31の他端31fに沿って、電極パッド部44c,47c-1,58b,58c,47c-2,43cがこの順に互いに離間して並んでいる。導電配線58a、電極パッド部58b,58cは、例えば既述のスクリーン印刷法によって、他の電極(第1の近位部分電極45-1、第2の近位部分電極45-2等)と同時に形成され得る。
この試験片30Fは、図12(A)、図12(B)の試験片30Cにおけるのと同様に、ユーザによる電解液接触操作によって、試験片30Fのうち一端31eから近位領域51w3″までを一体に覆うように電解液が接触されるという前提の下で用いられる。この前提の下では、第1の近位部分電極45-1と第2の近位部分電極45-2との間のインピーダンスが低下したとき(具体的には、図8に示したように、インピーダンス計測部14の出力レベルが低下したとき)、試験片30Fのうち一端31eから近位領域51w3″までを一体に覆うように電解液が接触されたと判定される。このとき、電解液がナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42を一体に覆うように接触していると言える。したがって、第1の近位部分電極45-1と第2の近位部分電極45-2との間のインピーダンスの変化に応じて、電解液がナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42を一体に覆うように接触しているか否かを判定できる。
(本体の構成)
図14(B)に示すように、本体10Aは、略角柱状の外周壁をなす筐体10Asと、この筐体10Asの前面(+Z側の面)10Afの略中央に設けられた表示画面としての表示部20と、筐体10Asの-X側の端面10Atに設けられたコネクタ21Aとを備えている。コネクタ21Aは、試験片30Fを着脱可能に受け入れるために-X側に向かって開いたスロット22Aを有している。筐体10Asは、表示部20とスロット22Aとを露出させる一方、操作用要素(図1(B)中に示した操作部13)無しで、表示部20とスロット22Aが占める領域以外の残りの領域を覆っている。このように本体10Aの外周壁に操作用要素が設けられていないので、本体10Aの構成が簡素化される。
コネクタ21Aのスロット22A内には、試験片30Fの電極パッド部44c,47c-1,58b,58c,47c-2,43cにそれぞれ対応する位置に、L字状に屈曲した板ばねからなる接触電極21e,21f,21g,21h,21i,21jが設けられている。ユーザが試験片30Fの他端31fをスロット22A内に挿入すると、電極パッド部44c,47c-1,58b,58c,47c-2,43cがそれぞれ接触電極21e,21f,21g,21h,21i,21jと接触して導通する。この結果、試験片30Fのナトリウムイオン感応電極41が発生した第1の電位E、カリウムイオン感応電極42が発生した第2の電位Eが、それぞれ第1、第2の主引出電極43,44を介して接触電極21j,21eに伝わり、本体10Aに入力され得る。また、液検知電極をなす第1の近位部分電極45-1と第2の近位部分電極45-2が、それぞれ補助引出電極47-1,47-2を介して接触電極21f,21iと導通する。したがって、第1の近位部分電極45-1と第2の近位部分電極45-2との間のインピーダンスを、本体10A側から接触電極21f,21iを介して検出可能となる。さらに、導電配線58aの両端に連なる電極パッド部58b,58cがそれぞれ接触電極(追加の接触電極)21g,21hと接触する。したがって、試験片30Fの他端31fの側がコネクタ21Aのスロット22Aに挿入された装着状態になったことを、本体10A側から接触電極21g,21hを介して検出可能となる。これにより、簡単な構成で、装着状態になったことを検知できる。
図15に示すように、本体10Aには、上述の表示部20、コネクタ21Aに加えて、制御部11と、電位差計測部12と、インピーダンス計測部14と、記憶部18と、通信部19と、装着検知部として働く挿抜検知部24と、電源部25とが搭載されて収容されている。第1実施形態における本体10とは異なり、本体10Aには、操作部13は搭載されていない。制御部11は、ソフトウェアによって動作するCPU(Central Processing Unit)を含むMCU(Micro Controller Unit)からなり、後述するように電気化学的センサ90A全体の動作を制御する。電位差計測部12は、試験片30Fのナトリウムイオン感応電極41とカリウムイオン感応電極42との間の電位差ΔEを接触電極21j,21eを介して受けて増幅し、制御部11に入力する。インピーダンス計測部14は、接触電極21f,21iを介して第1の近位部分電極45-1と第2の近位部分電極45-2との間のインピーダンスを計測し、制御部11に入力する。挿抜検知部24は、接触電極21g,21h間がオープンであるか、または、導電配線58aによって短絡されたかに応じて、試験片30Fの他端31fの側がコネクタ21Aのスロット22Aに挿入された装着状態になったか否かを検知する。電源部25は、制御部11、表示部20、電位差計測部12、インピーダンス計測部14、記憶部18、通信部19、挿抜検知部24、その他の本体10A内の各部に電力を供給する。記憶部18、通信部19は、第1実施形態におけるのと同様に働く。
(電解液分析方法)
図16は、ユーザとしての被験者が、電気化学的センサ90Aを用いて、電解液としての尿中におけるナトリウムイオン、カリウムイオンの間の濃度比を測定する電解液分析方法のフローを示している。次に、図16に加えて、図17(A)~図17(D)、図18(A)~図18(E)を参照しながら、ユーザによる測定手順を説明する。
ユーザによる使用開始前には、本体10Aはスタンバイ状態にあるものとする(図16のステップS201)。スタンバイ状態では、図17(A)中に示すように、表示部20は消灯された状態にある。本体10A内では、電源部25から挿抜検知部24のみへ電力(電圧)が供給され、挿抜検知部24以外の他の各部への電力供給は停止されている。
電気化学的センサ90Aの使用に際して、まず、図17(A)に示すように、ユーザは、本体10Aのスロット22Aに矢印X1で示すように試験片30Fの他端31fを挿入して、装着する(図16のステップS202でYES)。これを「装着操作」と呼ぶ。この装着操作によって、試験片30Fの電極パッド部44c,47c-1,58b,58c,47c-2,43cがそれぞれコネクタ21Aの接触電極21e,21f,21g,21h,21i,21jと接触して導通する。
すると、本体10Aの挿抜検知部24は装着検知部として働いて、接触電極21g,21hの間がオープンから短絡状態になり、試験片30Fの他端31fの側がコネクタ21Aのスロット22Aに挿入された装着状態になったことを検知する。この装着状態になったことをトリガとして、制御部11は電源制御部として働いて、本体10Aの電源をオンする。すなわち、電源部25から本体10A内の各部に電力を供給する。また、制御部11は、図17(B)中に示すように、表示部20に、電源がオンされたことを示す文字列として「ON」を表示させる。
このようにした場合、ユーザは、この電気化学的センサ90Aの使用開始に際して、装着操作とは別に、本体10Aの電源をオンする操作を行う必要が無い。したがって、ユーザの利便性を高めることができる。また、本体10Aに電源スイッチを設ける必要が無くなる。
電源部25から本体10A内の各部に電力が供給されて、本体10Aの各部が動作可能状態になると(典型的には、「ON」を表示してから数秒後に)、制御部11は、図17(C)中に示すように、表示部20に、校正処理を待っていることを表す文字列として「CAL」を表示させる(図16のステップS203)。これとともに、制御部11は液検知処理部として働いて、既述のインピーダンス計測部14の出力レベルの観測を開始し、インピーダンス計測部14の出力レベルに応じて、試験片30Fのうち一端31eから近位領域51w3″までを一体に覆うように電解液(ここでは、標準液)が接触しているか否かを判定する(図16のステップS204)。ここで、標準液は、ナトリウムイオンの濃度とカリウムイオンの濃度との間での既知の濃度比Mrを有するものとする。電解液が接触したことが検知されなければ(ステップS204でNO)、制御部11は、ステップS203に戻ってインピーダンス計測部14の出力レベルを観測しながら、所定時間(この例では、3分間)が経過するまで待つ(ステップS205でNO)。この例では、インピーダンス計測部14の出力レベルを観測している間に、図17(D)に示すように、ユーザが、試験片30Fのうち一端31eから近位領域51w3″にわたる領域A2(破線のハッチングで示す)を一体に覆うように、電解液としての標準液98を接触させるものとする(これを「電解液接触操作」と呼ぶ。)。すると、制御部11は液検知処理部として働いて、インピーダンス計測部14の出力レベルに応じて、試験片30Fのうち一端31eから近位領域51w3″までを一体に覆うように電解液が接触した(したがって、ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42を一体に覆うように電解液が接触した)と判定する。電解液が接触したことが検知されれば(図16のステップS204でYES)、電解液が接触したことが検知されたことをトリガとして、制御部11は、後述するステップS206へ進んで校正処理を開始する。なお、電解液が接触したことが検知されないまま所定時間(この例では、3分間)が経過したら(ステップS205でYES)、制御部11は電解液接触操作が行われなかったと判定して、表示部20を消灯し(ステップS218)、本体10Aをスタンバイ状態(ステップS201)に戻す。
このようにした場合、ユーザは、校正開始に際して、標準液98を接触させる操作とは別に、校正スイッチをオンするなどの操作を行う必要が無い。したがって、ユーザの利便性を高めることができる。また、本体10Aに校正スイッチを設ける必要が無くなる。
図16のステップS204で、ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42に標準液98が接触されると(ステップS204でYES)、ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42は、それぞれナトリウムイオンの濃度に応じた第1の電位(これをE1rとする。)、カリウムイオンの濃度に応じた第2の電位(これをE2rとする。)を発生させる。
ステップS206では、制御部11は校正処理部として働いて、電位差計測部12を介して、試験片30Fのナトリウムイオン感応電極41とカリウムイオン感応電極42との間の電位差ΔE(=E1r-E2r)を観測する。ここで、図9中の「校正中」の期間に示したように、電位差ΔEは、標準液98が有するナトリウムイオン、カリウムイオンの間の濃度比に応じた値(この例では、Er)に収束する(例えば、5秒間で2mV以内の変動となる)。この例では、図9中に示す時刻t1に電位差ΔEがErに収束したものとする。制御部11は、電位差ΔEがErに収束すると(図16のステップS207でYES)、標準液98についての電位差ΔEをErとして決定し、この電位差Erと、濃度比Mrとを用いて、既述の式(Eq.1)に基づいて、感度Sを求める(校正完了)。これとともに、校正が完了した旨をユーザに報知する。この例では、制御部11は、図17(D)中に示すように、表示部20に、校正が完了した旨を表す文字列として「OK」を表示させる(図16のステップS208)。
次に、制御部11は、図18(A)中に示すように、表示部20に、尿測定を待っている旨を表す文字列として「MES」を表示させる(図16のステップS209)。この表示を見て、ユーザは、領域A2を一体に覆うように接触している電解液を、標準液98から測定対象液としての尿99に置換する操作を行う。
このとき、ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42は、尿99と接触して、それぞれナトリウムイオンの濃度に応じた第1の電位E、カリウムイオンの濃度に応じた第2の電位Eを発生させる。
ここで、図9中の「尿測待ち」の期間に示すように、電位差ΔEは、電解液の置換に伴って一旦変動する。この例では、制御部11は演算部として働いて、試験片30Fのナトリウムイオン感応電極41とカリウムイオン感応電極42との間の電位差ΔE(=E1r-E2r)が図9中に示す予め定められた閾値Eth(この例では、Eth=Er±5mVとする。)を超える変化を示すか否かを判定する(図16のステップS210)。ここで、電位差ΔEが閾値Ethを超える変化を示したとき(ステップS210でYES)、制御部11は、電解液が標準液98から尿99に置換されたと判定する。この例では、図9中に示す時刻t2に電位差ΔEが閾値Ethを超える変化を示したと判定されたものとする。この電位差ΔEが閾値Ethを超える変化を示したことをトリガとして、制御部11は、後述する図16のステップS212へ進んで尿測定処理を開始する。なお、電位差ΔEが閾値Ethを超えたことが検知されないまま所定時間(この例では、3分間)が経過したら(ステップS211でYES)、制御部11は電解液を置換する操作が行われなかったと判定して、表示部20を消灯し(ステップS218)、本体10Aをスタンバイ状態(ステップS201)に戻す。
このようにした場合、ユーザは、測定対象液の測定開始に際して、測定対象液を接触させる操作とは別に、測定スイッチをオンするなどの操作を行う必要が無い。したがって、ユーザの利便性を高めることができる。また、本体10Aに測定スイッチを設ける必要が無くなる。
図16のステップS212では、制御部11は演算部として働いて、電位差計測部12を介して、試験片30Fのナトリウムイオン感応電極41とカリウムイオン感応電極42との間の電位差ΔE(=E-E)を観測する。ここで、図9中の「尿測定中」の期間に示すように、電位差ΔEは、尿99が有するナトリウムイオン、カリウムイオンの間の濃度比に応じた値(この例では、Es)に再び収束する(例えば、5秒間で2mV以内の変動となる)。この例では、図9中に示す時刻t3に電位差ΔEがEsに収束したものとする。制御部11は、電位差ΔEがEsに収束すると(図16のステップS213でYES)、尿99についての電位差ΔEをEsとして決定する(図16のステップS214)。これとともに、制御部11は、図18(B)中に示すように、表示部20に、電位差ΔEが決定したした旨を表す文字列として「OK」を表示させる。
続いて、制御部11は演算部として働いて、図16のステップS208で求めた感度Sと、この電位差Esとを用いて、既述の式(Eq.1)に基づいて、尿99についての濃度比Ms(=C/C)(すなわち、Na/K比)を算出する(図16のステップS215)。
続いて、制御部11は、表示部20に、測定結果(この例では、Na/K比)を表示させる(図16のステップS216)。例えば、測定結果としてのNa/K比が4.0であったものとする。その場合、図18(C)中に示すように、表示部20に、測定結果を表す文字列として「Na/K=4.0」を表示させる。これとともに、この例では、制御部11は、通信部19を動作させて、測定値データ(すなわち、Na/K比)を表す情報を、ネットワーク900を介して他の装置(この例では、サーバ)へ送信する。その場合、制御部11は、図18(D)中に示すように、表示部20に、測定値データを送信中であることを表す文字列として「CONNECT」を表示させる。
この後、制御部11は、所定時間(この例では、3分間)が経過するのを待ち、所定時間が経過したら(ステップS217でYES)、表示部20を消灯し(ステップS218)、本体10Aをスタンバイ状態(ステップS201)に戻す。
このように、この電解液分析方法のフローでは、図16のステップS204で、インピーダンス計測部14の出力レベルに応じて、試験片30Fのうち一端31eから近位領域51w3″までを一体に覆うように標準液98が接触しているか否かを判定している。したがって、ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42を一体に覆うように標準液98が接触しているかことを確認することができる。さらに、この電解液分析方法のフローでは、図16のステップS210で、電解液が標準液98から尿99に置換されたか否かを判定している。したがって、ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42に接触しているのが測定対象液としての尿99であることを確認することができる。このように標準液98が接触していることを確認した上で校正処理(図16のステップS206~S208)を行い、さらに、電解液が標準液98から尿99に置換されたことを確認した上で尿測定処理(図16のステップS212~S216)を行うことによって、測定結果(この例では、Na/K比)の信頼度を高めることができる。
上述の実施形態では、第1、第2のイオン種としてナトリウムイオンとカリウムイオンとの間の濃度比を測定する場合について説明したが、それに限られるものではない。この発明の電解液分析用試験片およびそれを備えた電解液分析装置によれば、ナトリウムイオン、カリウムイオン以外に、例えばカルシウムイオン、塩化物イオン、リチウムイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、ヨウ化物イオン、マグネシウムイオン、臭化物イオン、過塩素酸イオン、水素イオンなどの、様々なイオンの間の濃度比を測定するのに適用できる。ただし、基準電極無しで、上記第1、第2のイオン感応膜が発生する電位差のみに基づいて算出するためには、上記第1、第2のイオン種のイオン価数が揃っている必要がある。さらに、試験片の基板の主面において、イオンの濃度を測定するためのイオン感応電極を1個のみとし、基準電位を発生させる基準電極を設けることによって、電解液中の上記イオンの濃度を単独で測定することもできる。
以上の実施形態は例示であり、この発明の範囲から離れることなく様々な変形が可能である。上述した複数の実施の形態は、それぞれ単独で成立し得るものであるが、実施の形態同士の組みあわせも可能である。また、異なる実施の形態の中の種々の特徴も、それぞれ単独で成立し得るものであるが、異なる実施の形態の中の特徴同士の組みあわせも可能である。
10,10A 本体
10s,10As 筐体
21,21A コネクタ
22,22A スロット
30,30A,30B,30C,30D,30E,30F 電解液分析用試験片
41 ナトリウムイオン感応電極
41i ナトリウムイオン感応膜
42 カリウムイオン感応電極
42i カリウムイオン感応膜
45 近位部分電極
45-1 第1の近位部分電極
45-2 第2の近位部分電極
46 遠位部分電極
90,90A 電気化学的センサ

Claims (15)

  1. 電解液に含まれたイオンの濃度を測定するための電解液分析用試験片であって、
    一端から他端まで一方向に延在する基板と、
    上記基板の主面において、上記一方向に関して上記一端の側の特定領域に設けられた、上記イオンの濃度を測定するためのイオン感応電極と、
    上記イオン感応電極から上記他端の側へ延在する主引出電極と、
    上記主面において、上記一方向に関して上記特定領域と上記他端との間に相当する近位領域に、上記主引出電極から離間して設けられた、上記電解液に接触したか否かを検知するための液検知電極と、
    上記主引出電極から離間して、上記液検知電極から上記他端の側へ延在する補助引出電極と
    を備え、
    上記液検知電極は、
    上記近位領域に設けられた近位部分電極を含むとともに、
    上記主面において、上記一方向に関して上記特定領域と上記一端との間に相当する遠位領域に設けられた、上記電解液に接触したか否かを検知するための遠位部分電極を含み、
    上記補助引出電極は、上記遠位部分電極、上記近位部分電極からそれぞれ上記他端の側へ互いに離間して延在している
    ことを特徴とする電解液分析用試験片。
  2. 請求項1に記載の電解液分析用試験片において、
    上記近位部分電極、上記イオン感応電極、および上記遠位部分電極は、上記一方向に沿って1列に並んでいる
    ことを特徴とする電解液分析用試験片。
  3. 電解液に含まれたイオンの濃度を測定するための電解液分析用試験片であって、
    一端から他端まで一方向に延在する基板と、
    上記基板の主面において、上記一方向に関して上記一端の側の特定領域に設けられた、上記イオンの濃度を測定するためのイオン感応電極と、
    上記イオン感応電極から上記他端の側へ延在する主引出電極と、
    上記主面において、上記一方向に関して上記特定領域と上記他端との間に相当する近位領域に、上記主引出電極から離間して設けられた、上記電解液に接触したか否かを検知するための液検知電極と、
    上記主引出電極から離間して、上記液検知電極から上記他端の側へ延在する補助引出電極と
    を備え、
    上記液検知電極は、上記近位領域に互いに離間して設けられた第1の近位部分電極と第2の近位部分電極とを含み、
    上記補助引出電極は、上記第1、第2の近位部分電極からそれぞれ上記他端の側へ互いに離間して延在している
    ことを特徴とする電解液分析用試験片。
  4. 請求項3に記載の電解液分析用試験片において、
    上記第1の近位部分電極と上記第2の近位部分電極とは、上記一方向に関して互いに離間している
    ことを特徴とする電解液分析用試験片。
  5. 請求項1から4までのいずれか一つに記載の電解液分析用試験片において、
    上記電解液は、互いに異なる第1のイオン種と第2のイオン種を含み、
    上記イオン感応電極は、上記特定領域に互いに離間して設けられた、上記電解液と接触して上記第1のイオン種の濃度に応じた第1の電位を発生させる第1のイオン感応電極と、上記電解液と接触して上記第2のイオン種の濃度に応じた第2の電位を発生させる第2のイオン感応電極とを含み、
    上記主引出電極は、上記第1、第2のイオン感応電極からそれぞれ上記他端の側へ互いに離間して延在する第1、第2の主引出電極を含む
    ことを特徴とする電解液分析用試験片。
  6. 請求項5に記載の電解液分析用試験片において、さらに、
    上記特定領域に、上記第1、第2のイオン感応電極から離間して設けられた、上記電解液と接触して基準電位を発生させる基準電極と、
    上記第1、第2の主引出電極から離間して、上記基準電極から上記他端の側へ延在する基準引出電極と
    を備えたことを特徴とする電解液分析用試験片。
  7. 電解液に含まれた第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比を測定する電解液分析装置であって、
    電解液分析用試験片と、
    本体とを備え、
    上記電解液分析用試験片は、
    一端から他端まで一方向に延在する基板と、
    上記基板の主面において、上記一方向に関して上記一端の側の特定領域に設けられたイオン感応電極と、
    上記イオン感応電極から上記他端の側へ延在する主引出電極と、
    上記主面において、上記一方向に関して上記特定領域と上記他端との間に相当する近位領域に、上記主引出電極から離間して設けられた、上記電解液に接触したか否かを検知するための液検知電極と、
    上記主引出電極から離間して、上記液検知電極から上記他端の側へ延在する補助引出電極と
    を備え、
    上記イオン感応電極は、上記特定領域に互いに離間して設けられた、上記電解液と接触して上記第1のイオン種の濃度に応じた第1の電位を発生させる第1のイオン感応電極と、上記電解液と接触して上記第2のイオン種の濃度に応じた第2の電位を発生させる第2のイオン感応電極とを含み、
    上記主引出電極は、上記第1、第2のイオン感応電極からそれぞれ上記他端の側へ互いに離間して延在する第1、第2の主引出電極を含み、
    上記本体は、
    上記電解液分析用試験片の上記他端の側が挿入されたとき、上記第1の主引出電極、上記第2の主引出電極、上記補助引出電極にそれぞれ対応して接触する接触電極を有するコネクタと、
    上記電解液分析用試験片の上記他端の側が上記コネクタに挿入された装着状態で、上記液検知電極に上記電解液が接触したとき、上記補助引出電極を介して、上記液検知電極に上記電解液が接触したことを検知する液検知処理部と、
    上記液検知電極に上記電解液が接触したことが検知されたことをトリガとして、上記第1の主引出電極を通して得られた上記第1の電位と上記第2の主引出電極を通して得られた上記第2の電位との間の電位差に基づいて、上記電解液に含まれた上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を算出する演算部と
    を備えたことを特徴とする電解液分析装置。
  8. 請求項7に記載の電解液分析装置において、
    上記本体は、さらに、
    上記電解液分析用試験片の上記他端の側が上記コネクタに挿入された装着状態になったことを検知する装着検知部と、
    上記装着状態になったことが検知されたことをトリガとして、上記本体の電源をオンする電源制御部と
    を備えたことを特徴とする電解液分析装置。
  9. 請求項8に記載の電解液分析装置において、
    上記電解液分析用試験片は、上記一方向に関して上記他端の側に、上記第1、第2の主引出電極および上記補助引出電極から離間して設けられた導電層を有し、
    上記コネクタは、上記電解液分析用試験片の上記他端の側が挿入されたとき、上記導電層に対応して接触する追加の接触電極を有し、
    上記装着検知部は、上記コネクタの上記追加の接触電極が上記導電層に接触したのに応じて、上記装着状態になったことを検知する
    ことを特徴とする電解液分析装置。
  10. 請求項7から9までのいずれか一つに記載の電解液分析装置において、
    上記本体は、この本体が備える要素を収容した外周壁を有し、
    上記外周壁は、上記演算部によって制御された情報を表示する表示画面と、上記コネクタが上記電解液分析用試験片を受け入れるためのスロットとを露出させる一方、操作用要素無しで、上記表示画面および上記スロットが占める領域以外の残りの領域を覆っている
    ことを特徴とする電解液分析装置。
  11. 請求項7に記載の電解液分析装置を用いて、上記電解液に含まれた上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を測定する電解液分析方法であって、
    上記電解液分析装置の上記演算部は、上記液検知電極に上記電解液が接触したことが検知されたことをトリガとして、上記第1、第2の主引出電極を通して得られた上記第1、第2の電位の間の電位差が収束するのを待ち、収束した上記第1、第2の電位の間の電位差に基づいて校正を行った後、上記校正によって求めたパラメータを用いて上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を算出するようになっており、
    上記電解液分析方法は、
    上記電解液分析用試験片の上記他端の側を上記コネクタに挿入して装着状態にし、
    上記装着状態で、上記電解液分析用試験片の上記主面のうち上記一端から上記近位領域までを一体に覆うように、上記第1のイオン種と上記第2のイオン種とを予め定められた濃度比で含む標準液を接触させる操作を行うことによって、上記液検知処理部に、上記補助引出電極を介して、上記液検知電極に上記電解液が接触したことを検知させ、さらに、上記液検知電極に上記標準液が接触したことが検知されたことをトリガとして、上記演算部に、上記標準液について得られた上記第1、第2の電位の間の電位差に基づいて上記校正を行わせる
    ことを特徴とする電解液分析方法。
  12. 請求項11に記載の電解液分析方法において、
    上記電解液分析装置は、
    上記電解液分析用試験片の上記他端の側が上記コネクタに挿入された装着状態になったことを検知する装着検知部と、
    上記装着状態になったことが検知されたことをトリガとして、上記本体の電源をオンする電源制御部と
    を備え、
    上記電解液分析方法は、
    上記電解液分析用試験片の上記他端の側を、上記本体のコネクタに挿入する装着操作を行うことによって、上記装着検知部に、上記電解液分析用試験片の上記他端の側が上記コネクタに挿入された装着状態になったことを検知させ、上記装着状態になったことが検知されたことをトリガとして、上記電源制御部に上記本体の電源をオンさせる
    ことを特徴とする電解液分析方法。
  13. 請求項11または12に記載の電解液分析方法において、
    上記電解液分析装置の上記演算部は、上記校正に続いて、上記第1、第2の主引出電極を通して得られた上記第1、第2の電位の間の電位差が予め定められた閾値を超える変化を示すか否かを判定し、上記第1、第2の電位の間の電位差が上記閾値を超える変化を示したことをトリガとして、上記第1、第2の電位の間の電位差が再び収束するまで待ち、収束した上記第1、第2の電位の間の電位差に基づいて、上記校正によって求めたパラメータを用いて上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を算出するようになっており、
    上記電解液分析方法は、
    上記演算部に上記校正を行わせた後、
    上記第1、第2の電位の間の電位差に上記閾値を超える変化を引き起こすように、上記電解液分析用試験片の上記主面のうち上記一端から上記近位領域までを一体に覆うように測定対象液を接触させる操作を行うことによって、上記演算部に、上記測定対象液について得られた上記第1、第2の電位の間の電位差に基づいて、上記校正によって求めたパラメータを用いて上記濃度比の算出を行わせる
    ことを特徴とする電解液分析方法。
  14. 電解液に含まれたイオンの濃度を測定する電解液分析装置であって、
    電解液分析用試験片と、
    本体とを備え、
    上記電解液分析用試験片は、
    一端から他端まで一方向に延在する基板と、
    上記基板の主面において、上記一方向に関して上記一端の側の特定領域に設けられた、上記イオンの濃度を測定するためのイオン感応電極と、
    上記イオン感応電極から上記他端の側へ延在する主引出電極と、
    上記主面において、上記一方向に関して上記特定領域と上記他端との間に相当する近位領域に、上記主引出電極から離間して設けられた、上記電解液に接触したか否かを検知するための液検知電極と、
    上記主引出電極から離間して、上記液検知電極から上記他端の側へ延在する補助引出電極と
    を備え、
    上記本体は、
    上記電解液分析用試験片の上記他端の側が挿入されたとき、上記主引出電極、上記補助引出電極にそれぞれ対応して接触する接触電極を有するコネクタと、
    上記電解液分析用試験片の上記他端の側が上記コネクタに挿入された装着状態で、上記液検知電極に上記電解液が接触したとき、上記補助引出電極を介して、上記液検知電極に上記電解液が接触したことを検知する液検知処理部と、
    上記液検知電極に上記電解液が接触したことが検知されたことをトリガとして、上記主引出電極を通して得られた電位に基づいて、上記電解液に含まれたイオンの濃度を算出する演算部と
    を備えたことを特徴とする電解液分析装置。
  15. 請求項14に記載の電解液分析装置において、
    上記電解液分析用試験片は、
    上記特定領域に、上記イオン感応電極から離間して設けられた、上記電解液と接触して基準電位を発生させる基準電極と、
    上記主引出電極から離間して、上記基準電極から上記他端の側へ延在する基準引出電極と
    を備えたことを特徴とする電解液分析装置。
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