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JP7619766B2 - 自動車の損傷を検出するための方法及び装置 - Google Patents
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JP7619766B2 - 自動車の損傷を検出するための方法及び装置 - Google Patents

自動車の損傷を検出するための方法及び装置 Download PDF

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Description

本明細書には、自動車の損傷を検出するための、特に、自動車が非常に低い速度範囲で移動していた場合又は停止している場合に自動車に生じた損傷を検出するための方法及び装置が記載される。
自動車の損傷は運転している場合又は停止状態で起こる場合がある。自動車を運転している場合には、他の車両、物体、及び人との接触によって、自ら能動的に損傷を引き起こす可能性がある。自車両が停止している場合には、むしろ他の車両によって損傷が引き起こされる。例えば、他の自動車のパーキング操作時に衝突が発生することもあり、又は破壊行為によって損傷が引き起こされ、この場合には、特に引っかき傷をつけられたドア又は環境の影響(例えば、ひょう)が問題となる。
高速の場合には、衝突によって自動車の乗員又は事故相手の乗員に負傷の危険が生じる。事故相手は、例えば、衝突する他の自動車である。
事故(衝突)の場合に乗員を保護するために、自動車ではパッシブセーフティシステムが使用される。このようなシステムは、自動車の制御に自ら介入して、例えば(回避操作などによって)事故回避を行うことはできず、発生する事故事象に受動的にのみ対応する全てのシステムである。
事故事象の発生時にパッシブセーフティシステムをトリガすることができるように、事故事象のタイプ及び範囲を検出することができるセンサが必要とされる。そして、このようなセンサによって決定されたデータを使用して、パッシブセーフティシステムを適切にトリガすることができる。パッシブセーフティシステムのトリガは、一般に、トリガの原因を与える単に1つの外部センサシステムに基づいて実行されるわけではない。一般に、複数のセンサシステムからなる複合システムが存在し、これらのセンサシステムには、正のセンサ信号がパッシブセーフティシステムをトリガする正の経路が存在する。このようなシステムでは、通常、生じた信号が正の経路でトリガを行う場合でさえも、負のセンサ信号がパッシブセーフティシステムのトリガを妨げる負の経路も存在する。
上記に基づき、車両の損傷を検出するための特に有利な方法及び特に有利な装置を説明する。これらの方法及び装置は、自動車の事故を検出するためのセンサシステムの一部であってもよい。これらの方法及び装置は、特に、非常に低い速度範囲で使用され得るが、原則としてあらゆる速度範囲に適している。
本明細書では、自動車の損傷を検出する方法であって、
a)少なくとも1つの外部マイクロホンによって決定される少なくとも1つの外部マイクロホン信号を検出するステップと、
b)少なくとも1つの内部マイクロホンによって決定される少なくとも1つの内部マイクロホン信号を検出する検出ステップと、
c)外部マイクロホン信号と内部マイクロホン信号との比較を実行して、外部マイクロホン信号と内部マイクロホン信号との間のずれを表す比較関数を決定するステップと、
d)比較関数に基づいて車両の損傷を分類するための損傷分類を決定するステップと
を含む方法が記載される。
従来技術によれば、これまでのシステムは、一般に所定の低い値のパラメータ、例えば、特定の低い速度又は加速度からしか車両の損傷を検出しない。ここに記載される方法及び装置によれば、非常に低い速度範囲又は停止状態でも損傷を検出することができる。なぜならば、ここに使用されるマイクロホンは、音響センサ及び電気信号への変換器として機能し、この場合に速度は関連しないからである。
低速で衝突した場合には高速の場合に比べて振動が比較的弱いことにより乗員が知覚することが困難である。特に、停止状態で乗員が車両に不在の場合には、どのようにして損傷を早期に決定することができるかという問題が生じる。人間の聴覚の代わりに、音響センサ及び電気信号への変換器として機能する1つ以上のマイクロホンを使用して自動車を24時間絶えず監視することができる。さらに、マイクロホンは、従来のセンサシステムと比較して、ハードウェア的な取り組みを必要としない。
このようにして損傷を早期に確認し、運転者の逃走を防止し、有罪か無罪かの問題を明確にし、修理の手配を行い、保険会社に報告することができる。特に、上記の方法及び装置は、損傷が検出された直後に自動運転車両を停止させ、状況を判断し、並びに明確化及び/又は説明することを可能にするものである。
車体への損傷又は衝撃は、一般に、弾性媒体(例えば、空気又は車体)内の圧力及び密度の変動として音波の形態で伝播し得る特徴的な振動を生成する。したがって、車内でも振動を感じることができるが、車両の種類や諸条件に応じて振動の強度が減衰される。
マイクロホンは機械的振動を検出し得、それに対応する電圧変化によってマイクロホン信号に変換することができる。このように変換された電気信号は、さらに多様な目的のための信号処理で使用され得る。
上記の方法のステップa)において、「外部マイクロホン」との用語は、特に、車両の外部に取り付けられ、外部の振動を検出する役割を果たすマイクロホンを意味する。「外部マイクロホン信号」との用語は、外部マイクロホンによって変換された電気信号に相当するものである。複数の外部マイクロホン、例えば、自動車のそれぞれの側面に対して単数または複数の外部マイクロホンが設けられて、評価されてもよい。
上記の方法のステップb)において、「内部マイクロホン」との用語は、特に、車両の内部に取り付けられ、外部から伝播した振動を内部で検出する役割を果たすマイクロホンを意味する。「内部マイクロホン信号」との用語は、内部マイクロホンによって変換された電子信号に相当するものである。複数の内部マイクロホン、例えば、自動車のそれぞれの側面に対して1つ以上の内部マイクロホンが設けられ、評価されてもよい。
少なくとも1つの外部マイクロホン信号及び少なくとも1つの内部マイクロホン信号は、好ましくは、上記の方法を実施するように定められ、設定された制御器により受信される。
上記の方法のステップc)において、ステップa)にしたがって検出された少なくとも1つの外部マイクロホン信号と、ステップb)にしたがって検出された少なくとも1つの内部マイクロホン信号とを比較することによって、外部マイクロホン信号と内部マイクロホン信号との間のずれを表す比較関数が決定される。
信号の比較を実行でき、この比較を後に損傷分類をの評価と決定の基礎として使用できるという物理的基盤は、以下の通りである。
外部から内部へ音が伝播するには、様々な物理的メカニズムが作用することができる。ここで関連する第1の物理的伝播メカニズムは、空気伝播音もしくは空気伝播音伝達である。この伝播メカニズムは、外部から内部への経路が空気もしくは気体媒体を通るあらゆる場所で働く。ここで関連する第2の物理的伝播メカニズムは、固体伝播音もしくは固体伝播音伝達である。この伝播メカニズムは、外部から内部への経路が固体を通るあらゆる場所で起こる。
外部から内部への音の伝播経路は、例示的/観念的に多数の個々の部分伝播区間に分割することができ、これらの部分伝播区間は部分的に互いに並列に接続され、部分的に直列に接続されている。これらの部分伝播区間のそれぞれで、特定の物理的条件が作用し、それぞれ個々の比較関数を有する。全体として、これらの比較関数は総合比較関数を形成する。
外部から内部に亘るこの総合比較関数は、音源が存在するそれぞれの位置に依存していてもよい。自動車の前部で起こる音の事象の場合、総合比較関数は、自動車の後部で起こる音の事象の場合とは異なる。この比較関数は、例えば車両の車体に変更を加えることによって、例えば、車体の窓が開いているか閉じているかによって、さらに影響を受ける。開いた窓は、むしろ空気伝播音の伝達を増幅させる。閉じた窓は、むしろ固体伝播音の伝達を増幅させる。
したがって、時間領域及び/又は周波数領域における音響伝播の様々な影響要因を考慮して信号比較を行うことが特に好ましい。さらに、比較の際にパラメータ関数として少なくとも部分的に影響要因を考慮することが好ましい。
この場合、比較関数は、少なくとも1つの外部マイクロホン信号と少なくとも1つの内部マイクロホン信号との間のずれを表し、空気伝播音の伝達の減衰関数及び/又は体伝播音の伝達の伝達関数を含む。
上記の方法のステップd)において、車両の損傷を分類するための損傷分類が、ステップc)において決定された比較関数に基づいて決定される。
このことは、例えば、発生した損傷により自動車の対応する構成要素/システムが一般にもはや所定の特性を持たなくなることが生じるので、可能である。少なくとも部分的に自動車の特性に依存する当該決定された比較関数を分析することによって、損傷を検出し、損傷箇所及び損傷レベルなどを分類することができる。
本方法の好ましい実施形態では、ステップc)における比較は、外部から内部へ音が伝播するための伝達関数を決定することを含む。
工学システム理論では、伝達関数は、システムの特性によって決定される、時間領域/周波数領域における線形動的システムの入力信号と出力信号との間の関係を数学的に記述するものである。これは、特に、音波が車体内の固体伝播音を介して外部から内部へ伝達される場合に、車体の機械的特性に依存する伝達関数が作用することを意味する。
伝達関数により、任意の外部マイクロホン信号に対して、車体が無傷の場合に予想される内部マイクロホン信号を決定することができる。あるいは逆に、外部マイクロホン信号を内部マイクロホン信号と比較することによって伝達関数を決定することができる。
例えば、車体の損傷は、エラーのない状態とは異なる機械的特性を示すので、変化した伝達関数を示す。この場合、決定した伝達関数を、エラーのない状況下で実験によって予め決定された伝達関数と比較することによって損傷を検出することができる。エラーのない状況下で存在するこの遷移関数は、以下では「モデル関数」又は「モデル伝達関数」とも呼ばれる。
この方法のさらに好ましい実施形態では、ステップc)における比較は、外部から内部への音の伝播に対する減衰関数を決定することを含む。
減衰関数の決定は、場合によっては、外部から内部への音の信号伝達を数学的に正確に記述する上述の完全な伝達関数を決定することよりも数学的に単純である。好ましい実施形態では、比較のために、より複雑で数学的に正確な伝達関数ではなく、減衰関数「のみ」が決定される。この場合、上記の方法をより効率的に(すなわち、より少ない計算量によって)実行することができる。
音が空気中又は気体中を伝播する場合、その音は空気伝播音であり、減衰関数が作用するものである。減衰関数は、温度、相対湿度、音の周波数、及び音源からの距離に依存する、空気伝播音の吸収による音伝播を阻害することを記述するものである。空気伝播音と固体伝播音はしばしば相互に移行する。例えば、音波は空気を介して伝播する(空気伝播音)。空気伝播の音波は物体(車体)に衝突した場合に振動(固体伝播音)に変化する。固体伝播音は、物体の表面で再び空気伝播音に移行することがあるので、伝達関数に関連して、及び/又は伝達関数の部分関数として、減衰関数を考慮することが好ましい。
空気伝播音の減衰は、原則として、例えば温度や湿度などの特定のパラメータを有する数式によって記述されることができる。したがって、減衰関数は、例えば、内部マイクロホン信号及び外部マイクロホン信号のリアルタイムパラメータの入力に基づいた数学的モデリングによって決定され得る。
この方法のさらに好ましい実施形態では、ステップc)において、時間領域における相関によって比較関数が決定され、当該相関は、外部マイクロホン信号と内部マイクロホン信号との間の関係を記述するものである。
この場合、相関とは、特に相互相関を意味する。外部マイクロホン信号が内部マイクロホン信号と異なる場合、2つの信号は時間変数(t)によって相互相関され、2つの信号の類似性が相互相関積分を使用して調べられる。時間ベースの信号の相互もしくは相関関係は、それぞれの電子機器(例えば、FPGA、信号プロセッサ)のハードウェア又はソフトウェアで実装されることが多い。
相関もしくは相互相関により、好ましくは、無関係なノイズ、すなわち、障害を検出もしくは除去することができる。無関係なノイズは、例えば、車内における人間の会話とすることができる。
この方法のさらに好ましい実施形態では、ステップc)において当該比較は、周波数領域における分割を行うことを含む。
この実施形態では、当該比較は、それぞれの信号の周波数領域を使用して行われる。周波数領域で比較を行うことができるようにするためには、信号(内部マイクロホン信号及び外部マイクロホン信号)の両方を周波数領域もしくは周波数スペクトルに変換する必要がある。内部マイクロホン信号及び外部マイクロホン信号はいずれも受信時に時間変数(t)に関して分布している。周波数領域における、又は周波数スペクトルによるこれらの信号の記述は、このような経時的なマイクロホン信号が異なる周波数の複素指数関数の和又は積分として構成できることに基づいている。
ここでは、複素指数関数を、「構造関数」と呼ぶ。当該周波数スペクトルは、信号全体におけるそれぞれの周波数に関連付けられた構造関数の重み付け(すなわち強度)を記述するものである。言い換えると、これは、マイクロホン信号を多数の高調波に分解することができ、それぞれの高調波が固有の周波数を有することを意味する。個々の高調波の全ての周波数を横軸にまとめると周波数スペクトルが得られ、縦軸は高調波の振幅に対応する。
周波数領域で分割することにより、時間領域では明らかでない信号に含まれている情報をより容易に観察できることが特に有利である。また、分割することにより、1つ以上の信号(ここでは、内部マイクロホン信号及び外部マイクロホン信号)の合成もしくは分解が容易となり、これにより、信号の比較が簡単になる。特に、このようにして内部マイクロホン信号及び外部マイクロホン信号から周波数依存の部分信号を合成することができ、これらの部分信号を、ステップd)における損傷分類を可能にするために個別に互いに比較することができる。技術的に実現する場合には、スペクトルアナライザを使用して、周波数領域の信号を検出し、表示することができる。
この方法のさらに好ましい実施形態では、ステップc)における比較関数の決定が機械学習によって行われる。
マイクロホンが適切に動作しない場合、このマイクロホンによって検出される信号は、もはや正しく動作するマイクロホンの信号と同様ではなく(非対称)、検出された個々の信号はもはや同じ事象(事故事象又は損傷事象)を記述することができない。この場合、相関係数(積率相関)は、ステップc)で比較関数が決定される場合にゼロに近づく。ここで、機械学習(MLやDNNのアルゴリズム)と組み合わせて比較を実行することは、信号パターが検出される場合に、優れた精度及び恒常的な自動的改善の可能性を有するので、特に有利である。
検出された外部マイクロホン信号と内部マイクロホン信号とは、まず上述した比較方法によって前処理され、例えば、時間領域から周波数領域への変換によって変換され、機械学習における以下の分析を簡略化することができる。
次に、前処理された外部マイクロホン信号及び内部マイクロホン信号は人工ニューラルネットワーク(略して、ANN)に入力される。ANNでは、個々の信号を分類するために、個々の外部及び内部マイクロホン信号がデータベースに記憶された信号パターンと比較される。外部マイクロホン信号及び内部マイクロホン信号が同じ分類に属さない場合、これは、2つの信号が同じ事象を記述しないことを示す。これにより、事故事象もしくは損傷事象が生じていないことを検出することができる。なぜならば、事故事象もしくは損傷事象は、通常、外部マイクロホン信号及び内部マイクロホン信号の両方を生成するからである。このようにして、事故事象又は損傷事象に起因しない信号を検出することができる。このような信号は「アーチファクト信号」と呼ぶこともできる。好ましくは、ステップd)において、機械学習によって、損傷事象又は事故事象に起因しないものとして検出される信号が、損傷分類において「損傷していない」又は「損傷ではない」として分類される。
さらに、ステップc)において再帰型(リカレント)ニューラルネットワークが使用される場合、特に有利である。このようなニューラルネットワークは、分類された比較関数から専門知識を構成することを可能とし、これらは、比較関数の新たな生成(ステップc)及び損傷分類(ステップd)に使用される。このことは、好ましくは、ステップd)(損傷分類)からの結果をフィードバックすることによって行われる。これにより、例えば、各出力信号をサンプル信号としてANNのデータベースに格納することができ、ANNの「経験」に基づいて自動的にデータベースを拡張することができる。このようにして、入力信号を次に入力する場合にANNは常に高速で効率的に、かつ正確に結果を出力することができる。このプロセスを「トレーニング」ともいう。
損傷分類は、最も単純な場合には2つの異なる状態、すなわち、「損傷していない/正常」状態及び「損傷した」状態のみを設定することができる。次に、ステップd)において、比較関数に基づいて、これら2つの状態への分類が行われる。さらなる実施形態では、損傷分類をより詳細にすることもでき、例えば、損傷の異なるタイプ(例えば、あられによる損傷、ひっかき傷、駐車時の衝突、投石などによる破壊行為)を設けることもできる。ステップd)では、比較関数に基づいてこれらの損傷のクラスへの分類が行われる。
この方法のさらなる好ましい実施形態では、ステップc)における比較は、変換を含む。
信号は、任意の変換によって、より容易に(もしくはより少ない計算量によって)時間領域から周波数領域に変換することができるので、信号の比較が簡単になる。
この場合、検出された信号は、破壊行為及び/もしくはあられ、又は振幅の異なる周波数領域内の他の典型的な損傷事象のノイズパターンなどの信号パターンと比較することもできる。
ここで、フーリエ変換と比較すると、時間窓関数を検査対象の信号に適用することで検査対象の信号を「さざ波のよう」(ウェーブレット)とみなすことができるウェーブレット変換を使用することが特に有利である。ウェーブレット変換は、良好な時間分解能と周波数領域における良好な分解能との間の比較的優れた妥協を保証し、非周期的な音響信号処理に特に有利である。このタイプの変換は、より精度が高いだけでなく、より少ない計算量しか必要としない。
この方法のさらに好ましい実施形態では、外部マイクロホン信号の振幅に対して内部マイクロホン信号の振幅に予期しないずれが生じた場合に、ステップd)で損傷の分類が行われる。
特に、内部マイクロホン信号の振幅が大きい場合には、損傷の分類が行われる。これは、特に、損傷が通常の状況、すなわち損傷のない状態よりも振動の振幅が大きいことを意味する。
この方法のさらに好ましい実施形態では、ステップd)で、比較関数が、車両用に記憶されたモデル関数と比較される。
モデル関数が、外部から内部への空気経路を介した音波の伝達を記述する減衰関数もしくは車両固有の減衰係数を含む場合は、特に好ましい。
モデル関数が、車体の機械的特性に依存した伝達関数を含み、この伝達関数が、車体内の固体伝播音を介した外部から内部への音波の伝達を記述することはさらに好ましい。
モデル関数は、通常、損傷を受けていない自動車の場合、特に損傷を受けていない自動車の車体の場合に生じる、いわゆる「通常の場合」を記述するものである。モデル関数からのずれに基づいて損傷を検出することができる。
自動車には、例えばエンジンなどのノイズ発生部品がある。このようなノイズ発生部品に損傷が生じた場合には、自動車の対応する損傷部品/システムは、通常、正常動作時のような所定の特性をもはや有しておらず、したがって、ノイズが変化する。例えば、エンジンの動作の欠陥、例えばピストン又はクランクシャフトの欠陥は、エンジンノイズのわずかな変化を引き起こす場合がある。この場合に共振が生じる。部品が正常に動作しない場合にはエンジン全体の共振周波数が変化する。様々な物体に様々な速度で衝突した場合にも特徴的なノイズが生じる。破壊行為又はあられなどの事象においても特定のノイズが存在する。
これらの典型的な全てのノイズは、サンプル信号として、検出された少なくとも1つの外部マイクロホン信号、検出された少なくとも1つの内部マイクロホン信号、及び決定された比較関数と比較できる。これにより、損傷、及び必要に応じて損傷のタイプを検出することができる。
さらなる態様として、本明細書では、記載された方法を実施するように設定された自動車用の制御器が提示される。この方法について上述した特別な利点及び構成の特徴は、制御器にも適用可能及び転用可能である。
さらに、上記方法の全てのステップを実行するように設定されたコンピュータプログラムが提示される。さらに、上記コンピュータプログラムが記憶されている機械読み取り可能な記憶媒体が提示される。この方法及び制御器について上述した特別な利点及び構成の特徴は、コンピュータプログラム及び機械読み取り可能な記憶媒体にも適用可能及び転用可能である。
本明細書には、自動車の損傷を検出するための装置であって、
外部マイクロホン信号を検出するための少なくとも1つの外部マイクロホンと、
内部マイクロホン信号を検出するための少なくとも1つの内部マイクロホンと、
内部マイクロホン信号と外部マイクロホン信号とを比較するように設定された制御器と
を備えた装置も記載される。この制御器は、特に、先行するいずれか1つの請求項に記載の方法を実行するように設定されている。
この方法に関連して上述した構成の特徴及び利点は、本明細書に記載した装置にも適用可能もしくは転用可能である。同じことが、上述の方法に適用化のもしくは転用可能な装置の構成の以下に説明する構成の特徴及び利点についてもいえる。
この装置は、好ましくは、対応する必要な数の外部マイクロホン及び内部マイクロホンを有する。外部マイクロホンは、自動車の外部の振動を外部マイクロホンによって効果的に検出できるように、車両の適切な箇所に取り付けられる。これに対応して、内部マイクロホンが、車両の外部から内部へ伝播する振動を効果的に検出することができるように車両の内部に設置される。
外部マイクロホン及び内部マイクロホンは、制御ユニットに接続されたデータ読取り、データ処理及び記憶ユニットと結合することができる。外部マイクロホン信号及び内部マイクロホン信号は、無線で、及び/又はCANバスを用いて伝送できる。
以下に図面を参照しつつ、上記の方法及びその技術的環境を詳細に説明する。
自動車の損傷を検出するための方法の基本原理を示す図である。 音伝播経路を示す図である。 音伝播経路をモデル化した図である。 比較関数を決定するための概略図である。
図1は、上記の方法の基本原理を表す。外部マイクロホン2は、自動車1の外部に取り付けられており、a(t),A(ω)及びA(x)の形の外部マイクロホン信号4を記録する役割を果たす。内部マイクロホン3は自動車1の内部に取り付けられており、a(t),A(ω)及びA(x)の形の内部マイクロホン信号5を記録する役割を果たす。外部マイクロホン信号4及び内部マイクロホン信号5は、制御装置8により受信され、制御装置8は、上記の方法を実施することを目的して設定されたものである。外部マイクロホン信号4と内部マイクロホン信号5とを比較することによって、a(t),A(ω)及びA(x)の形の比較関数7が決定され、この比較関数7は、外部マイクロホン信号4と内部マイクロホン信号5との間のずれを表すものである。決定された比較関数7に基づいて損傷が検出され、分類される。a(t),A(ω)及びA(x)の形の残留信号6は損傷に起因するものではない。
図2は、音伝播経路を示す。自動車1の車体10の損傷箇所9は、音伝播経路12が空気を経由して又は車体を介して外部から内部に通じているところのあらゆる個所で起こる音を発生させる。音伝播経路12が空気を経由しているか、又は固体を介しているかに応じて、空気伝播音と固体伝播音とが区別される。空気伝播音と固体伝播音はしばしば相互に移行する。
窓11が開いている場合、音は、一方では、自動車1の外部から内部へ空気を経由して直接に伝播し得、他方では、並行して車体10を介して振動により伝播し得る。
窓11が閉じられている場合、空気伝播音は窓11に衝突して固体伝播音に変化する。固体伝播音は、窓11もしくは車体10の表面で再び空気伝播音に戻り得る。
図3は、音伝播経路の一例をモデルとして示す。空気伝播音と固体伝播音とはしばしば相互に移行するので、外部から内部への音伝播経路12は、多数の個々の部分伝播区間にモデル化/概念的に分割することができ、これらの部分伝播区間は、部分的に互いに並列に、部分的に直列に接続されている。これら部分伝播区間のそれぞれで、特定の物理的条件が作用し、それぞれV(I0),V(I1),V(I2),V(In+1),V(k0),V(k1),V(kn)の形の個別の比較関数を有する。全体として、これらの比較関数は総合比較関数を形成する。
図4は、比較関数7を決定するための概略図を示す。外部マイクロホン信号4及び内部マイクロホン信号5は、当然ながら時間変数(t)に関して分布する時間信号であり、異なる時刻で対応する振幅を有するものである。時間領域13では、相関又は相互相関16によって外乱(例えば、車内での人間の会話)が除去され、次いで、当該信号4,5がウェーブレット変換15によって周波数領域14又は周波数スペクトルに変換されて、当該比較関数が決定される。
1 自動車
2 外部マイクロホン
3 内部マイクロホン
4 外部マイクロホン信号
5 内部マイクロホン信号
6 残留信号
7 比較信号
8 制御器
9 損傷箇所
10 車体
11 窓
12 音伝播経路

Claims (19)

  1. 自動車(1)の損傷を検出する方法であって、
    a)少なくとも1つの外部マイクロホン(2)によって決定される少なくとも1つの外部マイクロホン信号(4)を検出するステップと、
    b)少なくとも1つの内部マイクロホン(3)によって決定される少なくとも1つの内部マイクロホン信号(5)を検出するステップと、
    c)前記少なくとも1つの外部マイクロホン信号(4)と前記少なくとも1つの内部マイクロホン信号(5)との比較を実行して、前記外部マイクロホン信号(4)と前記内部マイクロホン信号(5)との間のずれを表す比較関数(7)を決定するステップと、
    d)前記比較関数(7)に基づいて前記自動車(1)の損傷を分類するための損傷分類を決定するステップと
    を備え、
    前記ステップc)における当該比較が、外部から内部への音が伝播するための伝達関数を決定することを含む、方法。
  2. 自動車(1)の損傷を検出する方法であって、
    a)少なくとも1つの外部マイクロホン(2)によって決定される少なくとも1つの外部マイクロホン信号(4)を検出するステップと、
    b)少なくとも1つの内部マイクロホン(3)によって決定される少なくとも1つの内部マイクロホン信号(5)を検出するステップと、
    c)前記少なくとも1つの外部マイクロホン信号(4)と前記少なくとも1つの内部マイクロホン信号(5)との比較を実行して、前記外部マイクロホン信号(4)と前記内部マイクロホン信号(5)との間のずれを表す比較関数(7)を決定するステップと、
    d)前記比較関数(7)に基づいて前記自動車(1)の損傷を分類するための損傷分類を決定するステップと
    を備え、
    前記ステップc)における当該比較が、外部から内部への音の伝播に対する減衰関数を決定することを含む、方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、前記ステップc)における当該比較が、外部から内部への音の伝播に対する減衰関数を決定することを含む、方法。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法であって、前記ステップc)で、時間領域における相関によって前記比較関数(7)が決定される、方法。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法であって、前記ステップc)で、前記比較が、周波数領域における分割を行うことを含む、方法。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法であって、前記ステップc)で、機械学習によって前記比較関数(7)がステップd)で決定される、方法。
  7. 請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法であって、前記ステップc)における当該比較が、
    前記少なくとも1つの外部マイクロホン信号(4)に時間領域から周波数領域への変換を施して第1の周波数領域信号を生成することと、
    前記少なくとも1つの内部マイクロホン信号(5)に時間領域から周波数領域への変換を施して第2の周波数領域信号を生成することと、
    前記第1の周波数領域信号と前記第2の周波数領域信号との比較を実行することと
    を含む、方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、前記変換は、ウェーブレット変換である、方法。
  9. 請求項7または8に記載の方法であって、前記ステップc)は、前記第1の周波数領域信号及び前記第2の周波数領域信号を人工ニューラルネットワークに入力させることを含む、方法。
  10. 請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法であって、前記ステップd)で、前記外部マイクロホン信号の振幅に対して前記内部マイクロホン信号の振幅に予期しないずれが生じたときに損傷の分類が行われる、方法。
  11. 自動車(1)の損傷を検出する方法であって、
    a)少なくとも1つの外部マイクロホン(2)によって決定される少なくとも1つの外部マイクロホン信号(4)を検出するステップと、
    b)少なくとも1つの内部マイクロホン(3)によって決定される少なくとも1つの内部マイクロホン信号(5)を検出するステップと、
    c)前記少なくとも1つの外部マイクロホン信号(4)と前記少なくとも1つの内部マイクロホン信号(5)との比較を実行して、前記外部マイクロホン信号(4)と前記内部マイクロホン信号(5)との間のずれを表す比較関数(7)を決定するステップと、
    d)前記比較関数(7)に基づいて前記自動車(1)の損傷を分類するための損傷分類を決定するステップと
    を備え、
    前記ステップd)で、前記比較関数(7)と車両用に記憶された少なくとも1つのモデル関数との比較が行われ、
    前記モデル関数は、外部から内部への空気経路を介した音波の伝達を記述する減衰関数もしくは車両固有の減衰係数を含む、方法。
  12. 自動車(1)の損傷を検出する方法であって、
    a)少なくとも1つの外部マイクロホン(2)によって決定される少なくとも1つの外部マイクロホン信号(4)を検出するステップと、
    b)少なくとも1つの内部マイクロホン(3)によって決定される少なくとも1つの内部マイクロホン信号(5)を検出するステップと、
    c)前記少なくとも1つの外部マイクロホン信号(4)と前記少なくとも1つの内部マイクロホン信号(5)との比較を実行して、前記外部マイクロホン信号(4)と前記内部マイクロホン信号(5)との間のずれを表す比較関数(7)を決定するステップと、
    d)前記比較関数(7)に基づいて前記自動車(1)の損傷を分類するための損傷分類を決定するステップと
    を備え、
    前記ステップd)で、前記比較関数(7)と車両用に記憶された少なくとも1つのモデル関数との比較が行われ、
    前記モデル関数は、前記自動車(1)の車体の機械的特性に依存した伝達関数を含み、該伝達関数は、前記車体内の固体伝播音を介した外部から内部への音波の伝達を記述している、方法。
  13. 請求項11に記載の方法であって、前記モデル関数は、前記自動車(1)の車体の機械的特性に依存した伝達関数を含み、該伝達関数は、前記車体内の固体伝播音を介した外部から内部への音波の伝達を記述している、方法。
  14. 請求項11に記載の方法であって、前記ステップc)における当該比較が、外部から内部への音の伝播に対する減衰関数を決定することを含む、方法。
  15. 請求項12又は13に記載の方法であって、前記ステップc)における当該比較が、外部から内部への音が伝播するための伝達関数を決定することを含む、方法。
  16. 自動車(1)用の制御器(8)であって、請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法を実施するように設定された制御器(8)。
  17. 請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法の当該ステップの全てを実行するように設定されたコンピュータプログラム。
  18. 請求項17に記載のコンピュータプログラムが記憶された機械読み取り可能な記憶媒体。
  19. 自動車(1)の損傷を検出するための装置であって、
    なくとも1つの外部マイクロホン(2)と、
    なくとも1つの内部マイクロホン(3)と、
    請求項16に記載の制御器(8)と
    を備える装置。
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