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JP7620274B2 - 防音室の天井構造 - Google Patents
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Description

本発明は、防音室の天井構造に関し、詳しくは、屋内や屋外に設置して使用可能な可搬式の防音室の天井構造に関する。
室内を静粛に保つための遮音性を有した防音室は、従来から、家庭や企業など様々な場所に設置され、種々の目的に使用されてきた。近年では、各企業におけるテレワークへの関心の高まりを受けて、テレワーカを対象とする防音室が検討されている。そこで、機密情報への第三者のアクセス防止の観点から、不特定多数の人が通る場所に設置されるテレワーカ向けの防音室において、室内に入れる人を制限可能な防犯機能を備えた防音室が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2019-28995号公報
不特定多数の人が通る場所に防音室を設置する場合、防犯に加えて、防災対策も欠かせず、特に火災においては、地震などの自然災害によって生じる場合だけでなく、室内に持ち込まれた物品に起因して生じる場合も想定され、防音室を使用するユーザの安全をいかにして確保するかが課題である。そこで、防音室に防災設備として自動消火装置を設けることが考えられるが、消火剤容器や導管の設置など周辺工事に手間を要する。そうだからといって、これらの機器を防音室内に設置するのでは、空間利用効率を低下させる要因になるばかりか、かえって防音室の大型化につながり、設置場所に対して搬入・搬出が容易な小型の防音室の利点が損なわれてしまう。
そこで本発明は、設置の容易化を図りつつ、非常時には優れた防災機能を発揮可能な防音室の天井構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の防音室の天井構造は、建物内空間に、床と、側壁と、天井と、前記側壁に設けられた出入口を開閉可能な扉とを有する筐体によって閉じた執務空間を形成し、前記天井に、電源を要しない消火設備を取り付けた可搬式の防音室の天井構造であって、前記消火設備は、火災の発生による熱を感知する熱感知部と、前記天井の高さ方向を縦方向として該縦の寸法が横の寸法よりも小さく形成された消火剤容器と、該消火剤容器の下端に固着され、前記熱感知部に使用される低融点金属の溶解によって前記消火剤容器内の消火剤を前記執務空間に放出可能な放出ノズルと、を一体的に備えた自動消火装置であり、前記自動消火装置は、前記天井に対し室外側から着脱可能に設置されていることを特徴としている。
また、前記防音室は、前記建物内空間に設けられた電源コンセントに接続される電源プラグと、ユーザが持ち込んだ電子機器に前記電源プラグを介して取得した電力を供給する接続ポートとを備えていることを特徴としている。さらに、前記自動消火装置は、取付位置を確定する取付部を備え、前記取付部は、互いに着脱可能な固定具の対の一方を前記消火剤容器に設けてなり、前記固定具の対の一方を他方に定着させた状態で、前記取付位置にて前記消火剤容器の全重量を受け持つことを特徴としている。
また、前記自動消火装置は、互いに着脱可能な固定具の対の一方を前記消火剤容器に、他方を消火装置カバーにそれぞれ設けてなり、前記固定具の対の一方を他方に定着させた状態で、前記天井に対し、前記消火装置カバーと一体で着脱可能に設けられ、前記消火装置カバーは、前記固定具を介して前記自動消火装置の全重量を受け持つことを特徴としている。
また、前記天井には、前記消火装置カバーとは別体として形成された平坦状のカバー部材が設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、建物内空間に設置される防音室の天井に、電源を要しない消火設備として、消火剤容器を含む一体型の自動消火装置を設けているので、設置の容易化を図りつつ、非常時には優れた防災機能を発揮可能な防音室が達成され、もって、防音室が設置される多様な環境において、その安全な利用を促進し得るものとなる。
本発明の一形態例を示す防音室の正面図である。 同じく側面図である。 同じく平面図である。 図1のIV-IV断面図である。 図1のV-V断面図である。 図2のVI-VI断面図である。 図1のVII-VII断面図である。 同じく要部拡大断面図である。
図1乃至図8は、本発明の防音室の一形態例を示すもので、防音室11は、図1乃至図7に示すように、筐体12と扉13とによって形成され、人が入ることができる空間を有し、例えば、駅構内、空港、商業施設、展示場、屋外の広場、店舗の内部、ホテル、共同住宅、又はオフィス内のように、さまざまな人が通行する場所に設置される。また、防音室11は、インターネットなどのネットワークを介して外部機器との間でデータを送受信することができる。防音室11を利用するユーザは、例えば、防音室11に設置されたテレビ会議用端末を用いて、テレビ会議機能を有する外部機器を利用するユーザとの間でテレビ会議を行うことができる。
筐体12は、金属、木材又は樹脂などの部材からなり、全体として高さ寸法の大きい直方体に形成され、その一側面である正面(図1)に、ユーザが出入りするための開口が設けられている。また、筐体12の底面の四隅にはキャスター14及びアジャスター15がそれぞれ設けられている。防音室11の設置者は、キャスター14を使って設置場所に防音室11を移動した後に、アジャスター15の長さが防音室11の底面と床面との距離に等しくなるように調整することで、防音室11を定位置に固定することができる。
筐体12の内側には吸音材12aが設けられており、防音室11の内部でユーザが話した声、及び外部機器を使用するユーザが発した声が防音室11の外部に漏れにくい。したがって、防音室11が、不特定多数の人が通る公共場所に設置されている場合であっても、ユーザは、機密性が高い内容を安心して話すことができる。また、床材の仕様には、複数の梁が介在されることによって上下床板の間に空間が形成された二重床の構造となっており、人の出入りやソファ16などの支持に必要な強度が確保されている。
扉13は、筐体12の開口を塞ぐことができるように筐体12に結合されており、ハンドル13aを操作することにより、筐体12との結合部位を軸にして開閉可能に構成されている。扉13には扉ガラス13bが設けられており、外部から防音室11の内部を視認することが可能になっている。
筐体12と扉13との間には錠(図示せず)が設けられており、筐体12に組み込まれた制御部(CPU)の制御により、扉13を開くことができる開錠状態と扉13を開くことができない閉錠状態とを切り替える。錠は、筐体12の内側からユーザが操作することによって開錠状態と閉錠状態とを切り替えたり、遠隔操作によって切り替えたりすることで、防音室11を解錠又は施錠するように制御がなされる。
また、筐体12の正面側には、ユーザの操作を受け付ける操作受付部17が設けられている。操作受付部17は、例えば、タッチパネル付きのディスプレイであり、ユーザにより入力された使用予定時間を受け付ける。ユーザは、例えば、30分、60分、90分のいずれか一つの使用予定時間を選択することができる。決済される料金は、使用予定時間に応じて決定されており、決済が完了してから使用予定時間が経過するまでの間、防音室11の内部に設けた電子機器への電力の供給が開始される。
前記電子機器は、常設されたテレビ会議用の設備18、筐体12の天井12bに設置された照明19、監視カメラ20、スピーカ21及び空調設備、並びにユーザが持ち込んだコンピュータ又は携帯端末などである。空調設備は、防音室の内部空間を換気するとともに、内部温度を調整するもので、例えば、室内の空気を吸引して外部に放出可能なファン22が挙げられる。ファン22は、作動によって上昇気流を形成させ、室内の空気を床から天井に向かわせる。
前記空調設備は、制御部による制御に基づいて、決済が完了してから使用予定時間が経過するまでの間、動作する。これらの電子機器は、例えば、屋内又は屋外に設けられた電源コンセントから電源プラグを介して電力の供給を受けるようになっている。また、ユーザは、必要に応じて、室内に設けられた電子機器の接続ポート23を使用することができる。
ところで、防音室11には、防災上の観点から、内壁面の吸音材12aや床面に敷き詰めたタイル材12cについて不燃性のものを使用しているが、通常、建物内に壁などによって囲まれた空間が新たに構成される場合には、密閉の程度に応じて、防災設備の増設が必要となる場合がある。このような事情から、防音室11の天井12bには、室内の火災において、早期に異常を検知でき、被害を最小限に抑えるための自動消火装置24を設けている。
自動消火装置24は、下方放出型の消火装置(スプリンクラー)であって、図8に示すように、消火剤が充填された消火剤容器25と、該消火剤容器25の下端中央に設けられ、内蔵される熱感知部(図示せず)の感知を受けて消火剤を室内に放出可能な放出ノズル26とを一体的に備えている。また、放出ノズル26を挟んで両側部には、一方側に圧力充填口27が、他方側に圧力計(ゲージ)28がそれぞれ取り付けられている。熱感知部には低融点金属が使用され、放出ノズル26の下端にある集熱板26aが火災源からの熱を感知すると、低融点金属が融けるとともに、容器内の加圧されたガスが密閉栓及び集熱板26aを吹き飛ばし、消火剤の放出が始まる。
ここで、自動消火装置24は、防音室11の機能性を失わないように、その取付位置が照明19や、スピーカ21、ファン22、各種カバー部材29などの配置を考慮して設定されている(図3)。特に、放出ノズル26の位置、つまり熱検知部の位置とファン22の位置とは、ファン22の作動によって形成した上昇気流で、火災源からの熱の上昇を促進させるように、互いに横並びの関係になるように設けられている。また、図4及び図6にも示すように、放出ノズル26を天井12bの高さ位置に、すなわち、天井12bの開口12d位置に対応して配置することによって消火剤容器25が天井12bの外側に設けられている。消火剤容器25は、箱状の消火装置カバー30によって覆われており、消火装置カバー30の上板30aに設けた取付部31に対して、消火剤容器25が着脱可能になっている。
取付部31は、上下方向に当接する合わせ面を有した一対の固定金具であり、上金具31aが上板30aの下面に、下金具31bが消火剤容器25の上面にそれぞれ固着されている。これにより、下金具31bのフック31cを上金具31aの合わせ面に設けた係合孔に差し込むとともに、消火剤容器25を消火装置カバー30に対して水平方向に回転させることより、フック31cが上金具31aに係合し、消火装置カバー30内に自動消火装置24が固定される。
消火装置カバー30は、筐体12の外壁面の位置に対して内側に引き込んだ位置に設けられている(図3)。消火装置カバー30の高さ寸法は、上板30aに自動消火装置24を固定した状態で、放出ノズル26が防音室11の天井12bの高さ位置に揃うように極力小さい寸法で形成されている。一方、幅寸法も同様にして、消火剤容器25の外径寸法に対応させるように極力小さい寸法で形成されている。
このように、防音室11が天井12bに消火剤容器25を含む一体型の自動消火装置24を設けているので、人の操作に依存せずに初期火災を素早く鎮圧することができる。しかも、天井12bには自動消火装置24と同じ高さ位置に設けたファン22が、その作動によって防音室11内に上昇気流を形成するので、火災源からの熱の上昇が促進され、迅速かつ確実な熱検知が可能となる。
また、自動消火装置24を天井12bに設けた状態のままで防音室11を運搬できることから、防音室11の設置に伴う工事をなんら必要とすることなく即座に使用状態にすることができる。すなわち、設置の容易化を図りつつ、非常時には優れた防災機能を発揮可能な防音室11の構造が得られ、もって、防音室11が設置される多様な環境において、その安全な利用を促進し得るものとなる。
さらに、自動消火装置24に備わる放出ノズル26を天井12bの高さ位置に対応して配置することによって消火剤容器25を天井12bの外側に設けているので、防音室11内の空間利用効率を高めることができる。しかも、自動消火装置24が有する一体型構造と相俟って、消火装置カバー30を小さく形成できることから、防音室11の外観上の美観を損ねることはなく、天井12b全域に亘って厚みが増すという不都合もなくなる。
加えて、消火装置カバー30に消火剤容器25が着脱可能な取付部31を設けているので、自動消火装置24を天井12b位置に安定的に保持できる。しかも、取付部31が上下方向に当接する合わせ面を有した一対の固定金具であるため、たとえ取付スペースに制限がある場合であっても、その着脱を容易に行うことができる。
また、消火装置カバー30を筐体12の外壁面の位置に対して内側に引き込んだ位置に設けているので、防音室11の設置時に、他の構造物に対して接触させるおそれがなくなる。とりわけ、建屋内の間口が狭い場所など、防音室11を傾斜状態にして通過せざるを得ない状況であっても、消火装置カバー30の位置を低く抑えて安全かつ迅速な運搬が行える。
さらに、上述のように、防音室11の天井12bに設けたファン22によって自動消火装置24の信頼性を向上させることができるが、これに加えて、ファン22から排出された煙により、防音室11内での火災の発生を外部の人間が認知できることから、非常時に初動として求められる迅速かつ的確な対応を可能にするものである。
なお、本発明は、前記形態例に限定されるものでなく、防音室には消火設備の他に、防災上必要な各種設備を備えることができ、設置場所については鉄道車両、バス、タクシー又は飛行機などの移動体であってもよい。また、筐体の形状は、直方体に限られず、円柱体形状であってもよく、機動的な可搬式防音室の利点が損なわれない範囲で、一人だけでなく二人以上の収容が可能な空間を有して形成することができる。さらに、自動消火装置は、コンパクトな一体型のものを天井に備える構成であれば、仕様や取付位置など適宜に変更することができる。加えて、消火装置カバーや取付部の形状も任意であり、放出ノズルが位置する天井面の開口を化粧板などで覆ってもよい。また、ファンは、天井面に、つまり自動消火装置が取り付けられる面と同一面に設けることで顕著な効果を奏するものであるが、これに限られず、防音室が設置される環境に応じて側壁面の上部に設けるなど適宜に変更することができる。
11…防音室、12…筐体、12a…吸音材、12b…天井、12c…タイル材、12d…開口、13…扉、13a…ハンドル、13b…扉ガラス、14…キャスター、15…アジャスター、16…ソファ、17…操作受付部、18…設備、19…照明、20…監視カメラ、21…スピーカ、22…ファン、23…接続ポート、24…自動消火装置、25…消火剤容器、26…放出ノズル、26a…集熱板、27…圧力充填口、28…圧力計、29…カバー部材、30…消火装置カバー、30a…上板、31…取付部、31a…上金具、31b…下金具、31c…フック

Claims (5)

  1. 建物内空間に、床と、側壁と、天井と、前記側壁に設けられた出入口を開閉可能な扉とを有する筐体によって閉じた執務空間を形成し、前記天井に、電源を要しない消火設備を取り付けた可搬式の防音室の天井構造であって、
    前記消火設備は、火災の発生による熱を感知する熱感知部と、前記天井の高さ方向を縦方向として該縦の寸法が横の寸法よりも小さく形成された消火剤容器と、該消火剤容器の下端に固着され、前記熱感知部に使用される低融点金属の溶解によって前記消火剤容器内の消火剤を前記執務空間に放出可能な放出ノズルと、を一体的に備えた自動消火装置であり、
    前記自動消火装置は、前記天井に対し室外側から着脱可能に設置されていることを特徴とする防音室の天井構造。
  2. 前記防音室は、前記建物内空間に設けられた電源コンセントに接続される電源プラグと、ユーザが持ち込んだ電子機器に前記電源プラグを介して取得した電力を供給する接続ポートとを備えていることを特徴とする請求項1記載の防音室の天井構造。
  3. 前記自動消火装置は、取付位置を確定する取付部を備え、
    前記取付部は、互いに着脱可能な固定具の対の一方を前記消火剤容器に設けてなり、前記固定具の対の一方を他方に定着させた状態で、前記取付位置にて前記消火剤容器の全重量を受け持つことを特徴とする請求項1又は2記載の防音室の天井構造。
  4. 前記自動消火装置は、互いに着脱可能な固定具の対の一方を前記消火剤容器に、他方を消火装置カバーにそれぞれ設けてなり、前記固定具の対の一方を他方に定着させた状態で、前記天井に対し、前記消火装置カバーと一体で着脱可能に設けられ
    前記消火装置カバーは、前記固定具を介して前記自動消火装置の全重量を受け持つことを特徴とする請求項1又は2記載の防音室の天井構造。
  5. 前記天井には、前記消火装置カバーとは別体として形成された平坦状のカバー部材が設けられていることを特徴とする請求項記載の防音室の天井構造。
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