JP7620428B2 - 金属張積層板及びフレキシブル回路基板 - Google Patents
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Description
平坦な状態と比べて形状が変化していない第1の非屈曲部及び第2の非屈曲部、並びに該第1の非屈曲部と該第2の非屈曲部の間に位置して湾曲変形した屈曲部を含む形状になるように、第1の非屈曲部に対して第2の非屈曲部が180度反転して折り曲げられる動作が繰り返される電子部品用のフレキシブル回路基板用金属張積層板であり、
該金属張積層板の試験片のループスティフネス値(幅12.7mm、ループ長60mm、押し潰し距離15mm)が1N/m以上6N/m以下であり、
前記ポリイミド絶縁層の主たる層を構成するポリイミドがテトラカルボン酸残基及びジアミン残基を含み、全ジアミン残基の100モル部に対して、下記一般式(1)で表されるジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が20モル部以上であることを特徴とする金属張積層板を提供する。
したがって、本発明の金属張積層板を用いると、絶縁層の裂けや金属層の屈曲疲労による断線を生じさせること無く、180°の折り曲げ動作を繰り返すことが可能となる。よって、例えばフォルダブルデバイスのヒンジ部等のように折り曲げ動作が繰り返され、折り曲げ角が180°に至る場合もある電子部品の用途に好適なフレキシブル回路基板を得ることができる。
<全体構成>
本発明の金属張積層板は、単層又は複数層のポリイミド層を含むポリイミド絶縁層の一方の面に金属層が積層されたフレキシブル回路基板用金属張積層板である。この金属張積層板は、通常、長尺のフィルム形状に形成される。金属張積層板の金属層に配線加工が施されることによりFPCが作製される。
金属張積層板を構成するポリイミド絶縁層は単層又は複数層のポイリミド絶縁層から形成される。ポイリミド絶縁層の厚み(複数層の場合には合計厚み)は、好ましくは6~18μm、より好ましくは6~10μmである。本発明におけるポリイミド絶縁層は、後述するように特定のポリイミド組成を有しているため、ポリイミド絶縁層の厚みが6μmに満たないと、ポリイミド絶縁層の剛性が低すぎるためにFPCの耐屈曲性が低下し、FPCの加工時の取り扱いが困難となる。一方、ポリイミド絶縁層の厚みが18μmを超えるとFPCの剛性が高くなりすぎ、耐屈曲性が低下しやすくなる。
ポリイミド絶縁層のポリイミド組成は、該ポリイミド絶縁層の主たる層を構成するポリイミドが、テトラカルボン酸残基及びジアミン残基を含み、全ジアミン残基の100モル部に対して、下記一般式(1)で表されるジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が20モル部以上である。ここで、主たる層とは、ポリイミド絶縁層が複数のポリイミド層から形成されている場合に、ポリイミド層全体の層厚の5割以上を占める層をいう。
m―TB:2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル 及び
TFMB:2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン
を、ポリイミド絶縁層を構成するジアミン化合物の20モル%以上とすることが好ましい。また、ポリイミド絶縁層が複数層からなる場合、上記m―TB及びTFMBがポリイミド絶縁層全体のポリイミド絶縁層を構成するジアミン化合物の50モル%以上含まれることが好ましい。
本発明の金属張積層板を構成する金属層の材質としては、特に制限はないが、例えば、銅、ステンレス、鉄、ニッケル、ベリリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム、銀、金、スズ、ジルコニウム、タンタル、チタン、鉛、マグネシウム、マンガン及びこれらの合金等が挙げられる。この中でも、特に銅又は銅合金が好ましい。
本発明の金属張積層板において、金属層の厚みに対するポリイミド絶縁層(式(1)のジアミン化合物から形成されるものに限られない)の厚みの比が0.3~2.0が好ましく、0.3~1.0がより好ましく、0.4~1.0が更に好ましい。この比が0.3未満であるとFPCの回路で送受信される電気容量が不足し、またループスティフネス値を特定の範囲として、優れた耐屈曲性を発現させることが困難となる。一方に、この比が2.0を超える場合にも耐屈曲性が低下する。
ポリイミド絶縁層(式(1)のジアミン化合物から形成されるものに限られない)と金属層の合計厚みは15μm以上~36μm以下が好ましく、16μm以上~24μm以下がより好ましい。金属張積層板の厚みが15μm未満であると、剛性が低すぎるためにFPCの製造時にハンドリングが困難となる。一方、36μmを超えると剛性が高すぎるためにFPCが屈曲した際に配線層に大きな応力が加わる部分が発生し、折り曲げが連続的に行われる場合の屈曲耐性が低下する。
金属層に配線加工が施されることによりFPCが形成される。配線パターンに特に制限はなく、配線加工は常法により行うことができる。
本発明は、かかるFPCも包含する。
配線加工された金属層上にはカバーレイを積層してもよい。カバーレイとしてはポリイミドフィルムに接着剤層が積層されている市販品を使用することができる。
カバーレイの厚みは35~40μmの範囲内が好ましく、引張弾性率は2.0~3.5GPaの範囲のものを用いることが好ましい。このようなカバーレイとしては、有沢製作所社製、CEA0525(商品名)などが挙げられる。
本発明の金属張積層板は、その金属層に配線が形成されていない部分から試験片を切り取った場合に、試験片のループスティフネス値が1N/m以上6N/m以下、好ましくは1N/m以上3N/m以下、より好ましくは2.2N/m以下、さらに好ましくは2.1N/m以下である。
以下に説明するように実施例1~実施例3及び参考例1~参考例4の銅張積層板及びFPCを作製し、ループスティフネス値を測定すると共に連続折り曲げ試験により耐屈曲性を評価した。結果を表1に示す。
配線加工をしていない金属張積層板から試験片(長さ165mm、幅12.7mm)を切り取り、ループスティフネステスタ(東洋精機社製)を用いて、ループ長60mm、押し潰し距離15mm、押し潰し速度3.3mm/秒の条件でMD方向(長手方向)のループスティフネス値を測定た。
特開2019-113482号公報に記載の耐屈曲性試験装置と同様の耐屈曲性試験装置を用いて次のように試験した。
実施例及び参考例の銅張積層板を形成するポリイミドフィルムについて、セイコーインスツルメンツ製のサーモメカニカルアナライザーを使用し、250℃まで昇温し、更にその温度で10分保持した後、5℃/分の速度で冷却し、240℃から100℃までの平均熱膨張係数(線熱膨張係数)を求めた。
(4-1)ポリアミド酸溶液の合成
(合成例1)
熱電対及び撹拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N-ジメチルアセトアミドを入れ、さらに、この反応容器に2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)を投入して容器中で撹拌しながら溶解させた。次に、ピロメリット酸二無水物(PMDA)をモノマーの投入総量が12wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸aの樹脂溶液を得た。ポリアミド酸aから形成された厚み25μmのポリイミドフィルムの熱膨張係数(CTE)は、55×10-6/Kであった。
熱電対及び撹拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N-ジメチルアセトアミドを入れ、さらに、この反応容器に2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(m-TB)を投入して容器中で撹拌しながら溶解させた。次に、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)およびピロメリット酸二無水物(PMDA)をモノマーの投入総量が15wt%、各酸無水物のモル比率(BPDA:PMDA)が20:80となるように投入した。その後、3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸bの樹脂溶液を得た。ポリアミド酸bから形成された厚み25μmのポリイミドフィルムの熱膨張係数(CTE)は、22×10-6/Kであった。
銅箔1(圧延銅箔、長尺状、厚み;12μm)の上に、合成例1で調製したポリアミド酸aの樹脂溶液を硬化後の厚みが1.6μmとなるように均一に塗布した後、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。次に、この塗布面側に合成例2で調製したポリアミド酸bの樹脂溶液を硬化後の厚みが5.0μmとなるように均一に塗布し、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、この塗布面側にポリアミド酸aの樹脂溶液を硬化後の厚みが1.6μmとなるように均一に塗布し、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。この長尺状の積層体1を130℃から360℃まで段階的に熱処理し、片面銅張積層板(ポリイミド層の厚み;約8μm)を得た。
銅箔1(圧延銅箔、長尺状、厚み;12μm)の上に、合成例1で調製したポリアミド酸aの樹脂溶液を硬化後の厚みが2.3μmとなるように均一に塗布した後、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。次に、この塗布面側に合成例2で調製したポリアミド酸bの樹脂溶液を硬化後の厚みが7.5μmとなるように均一に塗布し、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、この塗布面側にポリアミド酸aの樹脂溶液を硬化後の厚みが2.3μmとなるように均一に塗布し、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。この長尺状の積層体1を130℃から360℃まで段階的に熱処理し、片面銅張積層板(ポリイミド層の厚み;約12μm)を得た。
実施例2における銅箔1の代わりに、銅箔2(電解銅箔、長尺状、厚み;12μm)を使用したこと以外、実施例2と同様にして、片面銅張積層板3(ポリイミド層の厚み;12μm)、両面銅張積層板3、片面フレキシブル銅張積層板3(ポリイミド層の厚み;12μm、ループスティフネス値;2.37N/m)及びフレキシブル回路基板3を得た。フレキシブル回路基板3を評価したところ、平均屈曲回数は86,311回(故障率;10/10)であった。
市販の両面フレキシブル銅張積層板4(圧延銅箔、長尺状、銅箔の厚み;12μm、ポリイミド層の厚み;25μm)の片面の銅箔層をエッチング除去し、片面フレキシブル銅張積層板4(ポリイミド層の厚み;25μm、ループスティフネス値;6.38N/m)とし、銅箔層を配線回路加工して銅配線を形成し、フレキシブル回路基板4を得た。フレキシブル回路基板4を評価したところ、平均屈曲回数は14,547回(故障率;10/10)であった。
市販の両面フレキシブル銅張積層板5(電解銅箔、長尺状、銅箔の厚み;12μm、ポリイミド層の厚み;25μm)の片面の銅箔層をエッチング除去し、片面フレキシブル銅張積層板5(ポリイミド層の厚み;25μm、ループスティフネス値;8.31N/m)とし、銅箔層を配線回路加工して銅配線を形成し、フレキシブル回路基板5を得た。フレキシブル回路基板5を評価したところ、平均屈曲回数は16,015回(故障率;10/10)であった。
参考例1のフレキシブル回路基板4の配線側にカバーレイA(有沢製作所社製、商品名;CEA0525、厚み;37.5μm)を貼り付け、フレキシブル回路基板6を得た。フレキシブル回路基板6を評価したところ、平均屈曲回数は151,400回(故障率;3/5)であった。
参考例2のフレキシブル回路基板5の配線側にカバーレイA(厚み;37.5μm)を貼り付け、フレキシブル回路基板7を得た。フレキシブル回路基板7を評価したところ、平均屈曲回数は166,300回(故障率;3/5)であった。
以上の結果をまとめて表1及び図6に示す。なお、表1中のLS値はループスティフネス値を意味し、CLはカバーレイを意味する。
なお、カバーレイを設けた参考例3、4では平均屈曲回数が実施例2、3を上回っているが、本発明によれば、カバーレイを設けなくてもカバーレイを設けた場合と同等以上の平均屈曲回数を達成できることがわかる。
100 試験片、金属張積層板
110 第1の非屈曲部
120 第2の非屈曲部
130 屈曲部
200 試験片、FPC
201 蛇行型配線、配線
220、230 ステージ
220a、230b 凹部
G、G’ ギャップ
L 配線幅
S スペース幅
Claims (7)
- 単層又は複数層のポリイミド層を含むポリイミド絶縁層の一方の面に積層された金属層を備えた金属張積層板であって、
前記ポリイミド絶縁層の合計厚みが6~10μmの範囲内であり、
平坦な状態と比べて形状が変化していない第1の非屈曲部及び第2の非屈曲部、並びに該第1の非屈曲部と該第2の非屈曲部の間に位置して湾曲変形した屈曲部を含む形状になるように、第1の非屈曲部に対して第2の非屈曲部が180°反転して折り曲げられる動作が繰り返される電子部品用のフレキシブル回路基板用金属張積層板であり、
該金属張積層板の試験片のループスティフネス値(幅12.7mm、ループ長60mm、押し潰し距離15mm)が1N/m以上2.1N/m以下であり、
前記ポリイミド絶縁層の主たる層を構成するポリイミドがテトラカルボン酸残基及びジアミン残基を含み、前記テトラカルボン酸残基が、ピロメリット酸二無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基又は3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基の少なくとも1種を全テトラカルボン酸残基の100モル部に対して合計で50モル部以上含むとともに、全ジアミン残基の100モル部に対して、下記一般式(1)で表されるジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が50モル部以上であることを特徴とする金属張積層板。
[式(1)において、連結基Zは単結合又は-COO-を示し、Yは独立にハロゲン若しくはフェニル基で置換されてもよい炭素数1~3の1価の炭化水素又は炭素数1~3のアルコキシ基、又は炭素数1~3のパーフルオロアルキル基、又はアルケニル基を示し、nは1又は2を示し、p及びqは独立に0~4の整数を示す。] - 前記金属層の厚みに対する前記ポリイミド絶縁層の厚みの比が0.3~1.0である請求項1に記載の金属張積層板。
- 前記金属層にL/S=100μm/100μm、長さ110mmの直線部分が並列した蛇行型配線を形成し、該配線の長手方向が2つ折りになるように金属張積層板を屈曲させて第1の非屈曲部、第2の非屈曲部、及び第1の非屈曲部と第2の非屈曲部の間の屈曲部が形成されるように、第1の非屈曲部に対して第2の非屈曲部を180°反転して折り曲げる動作を繰り返す場合において、
第1の非屈曲部及び第2の非屈曲部の厚み方向に平行な軸方向をY軸方向とし、これに直交するとともに非屈曲部の配線の長手方向をX軸方向とし、
該X軸方向及びY軸方向の二次元座標軸において、前記屈曲部のX軸方向の最大長さを1.0mm以上10.0mm以下、前記屈曲部のY軸方向の最大長さを1.0mm以上6.0mm以下としたときに、折り曲げ動作開始前に対して抵抗が10%上昇した時点の折り曲げ回数が8万回以上である請求項1又は2に記載の金属張積層板。 - ポリイミド絶縁層と金属層の合計厚みが15μm以上36μm以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の金属張積層板。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の金属張積層板における前記ポリイミド絶縁層のもう一方の面に金属層を備える両面金属張積層板。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の金属張積層板の金属層が配線加工されているフレキシブル回路基板。
- 前記金属層が内側になるように折り曲げられる状態と、その折り曲げを伸ばした状態の繰り返し折り曲げ動作が行われる回路用の請求項6に記載のフレキシブル回路基板。
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