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JP7620466B2 - 二次電池の開路電圧の算出装置、及び蓄電システム - Google Patents
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JP7620466B2 - 二次電池の開路電圧の算出装置、及び蓄電システム - Google Patents

二次電池の開路電圧の算出装置、及び蓄電システム Download PDF

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Description

本発明は、二次電池の開路電圧の算出装置、及び蓄電システムに関する。
二次電池の充放電電流および該二次電池の端子電圧の検出値を入力とし、該二次電池の内部抵抗値情報に基づいて該二次電池の開路電圧を算出する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、二次電池の内部抵抗に充放電電流が流れることに起因した電圧降下を端子電圧に減算し、且つ、二次電池の温度と充放電電流とに基づいて算出する補正量を端子電圧に加算することにより、二次電池の開路電圧を算出する。
特開2013-126258号公報
二次電池の内部抵抗は、電池温度、充電率(SOC:State of Charge)、劣化率(SOH:State of Health)等の様々な要因で変化する。このような内部抵抗の変化に追従して高精度に内部抵抗を算出することは困難であり、それに伴って、二次電池の開路電圧の算出値に誤差が生じる可能性があった。
充電率を変化させて充電率毎に無負荷状態で二次電池の端子電圧を計測することにより、二次電池の充電率毎の開路電圧を取得する方法が考えられる。しかしながら、この取得方法では、二次電池の開路電圧を高精度に取得するためには、充電率をより細かく分割して無負荷状態での計測回数をより多くする必要があるので、蓄電システムの運転を停止して無負荷状態にする回数が多くなり、蓄電システムの運転の妨げになるという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑み、蓄電システムを支障なく運転しながら、二次電池の開路電圧を高精度に算出することができる二次電池の開路電圧の算出装置、及び蓄電システムを提供することを目的とする。
本発明の二次電池の開路電圧の算出装置は、電動車の減速時に前記電動車の充電部から前記電動車の二次電池に供給される充電電流にパルス電流を重畳する電流重畳回路と、前記電流重畳回路により前記パルス電流が重畳された前記充電電流の電流値の前記パルス電流の周期に応じた増減量と、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記二次電池の端子電圧の前記パルス電流の周期に応じた増減量とに基づいて、前記二次電池の充電時の内部抵抗を算出し、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記端子電圧と、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記電流値と算出した前記二次電池の充電時の前記内部抵抗とに基づいて、前記二次電池の開路電圧を算出する算出部とを備え、前記算出部は、下記(I)式に基づいて、前記二次電池の充電時の前記内部抵抗を前記パルス電流の周期毎に算出し、算出した前記二次電池の充電時の前記内部抵抗を用いて、前記二次電池の前記開路電圧を前記パルス電流の周期毎に算出する。
r(t)=(V 2C (t)-V 1C (t))/(I 2C (t)-I 1C (t))…(I)
但し、r(t)は、前記二次電池の充電時の前記内部抵抗であり、I 2C (t)は、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記電流値の最大値であり、I 1C (t)は、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記電流値の最小値であり、V 2C (t)は、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記端子電圧の最大値であり、V 1C (t)は、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記端子電圧の最小値である。
また、本発明の二次電池の開路電圧の算出装置は、電動車の加速時に前記電動車の二次電池から前記電動車の負荷に供給される放電電流にパルス電流を重畳する電流重畳回路と、前記電流重畳回路により前記パルス電流が重畳された前記放電電流の電流値の前記パルス電流の周期に応じた増減量と、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記二次電池の端子電圧の前記パルス電流の周期に応じた増減量とに基づいて、前記二次電池の放電時の内部抵抗を算出し、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記端子電圧と、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記電流値と、算出した前記二次電池の放電時の前記内部抵抗とに基づいて、前記二次電池の開路電圧を算出する算出部とを備え、前記算出部は、下記(II)式に基づいて、前記二次電池の放電時の前記内部抵抗を前記パルス電流の周期毎に算出し、算出した前記二次電池の放電時の前記内部抵抗を用いて、前記二次電池の前記開路電圧を前記パルス電流の周期毎に算出する。
r(t)=-(V 2C (t)-V 1C (t))/(I 2C (t)-I 1C (t))…(II)
但し、r(t)は、前記二次電池の放電時の前記内部抵抗であり、I 2C (t)は、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記電流値の最大値であり、I 1C (t)は、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記電流値の最小値であり、V 2C (t)は、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記端子電圧の最大値であり、V 1C (t)は、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記端子電圧の最小値である。
本発明の蓄電システムは、電動車の充電部から充電電流を供給され、前記電動車の負荷に放電電流を供給する前記電動車の二次電池と、前記電動車の減速時に前記充電部から前記二次電池に供給される前記充電電流にパルス電流を重畳する電流重畳回路と、前記電流重畳回路により前記パルス電流が重畳された前記充電電流の電流値を検出する電流センサと、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳されている時の前記二次電池の端子電圧を検出する電圧センサと、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳されている時に前記電流センサにより検出された前記電流値の前記パルス電流の周期に応じた増減量と、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳されている時に前記電圧センサにより検出された前記端子電圧の前記パルス電流の周期に応じた増減量とに基づいて、前記二次電池の充電時の内部抵抗を算出し、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳されている時の前記端子電圧と、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳されている時の前記電流値と算出した前記二次電池の充電時の前記内部抵抗とに基づいて、前記二次電池の開路電圧を算出する算出部とを備え、前記算出部は、下記(I)式に基づいて、前記二次電池の充電時の前記内部抵抗を前記パルス電流の周期毎に算出し、算出した前記二次電池の充電時の前記内部抵抗を用いて、前記二次電池の前記開路電圧を前記パルス電流の周期毎に算出する。
r(t)=(V 2C (t)-V 1C (t))/(I 2C (t)-I 1C (t))…(I)
但し、r(t)は、前記二次電池の充電時の前記内部抵抗であり、I 2C (t)は、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記電流値の最大値であり、I 1C (t)は、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記電流値の最小値であり、V 2C (t)は、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記端子電圧の最大値であり、V 1C (t)は、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記端子電圧の最小値である。
また、本発明の蓄電システムは、電動車の充電部から充電電流を供給され、前記電動車の負荷に放電電流を供給する前記電動車の二次電池と、前記電動車の加速時に前記二次電池から前記負荷に供給される前記放電電流にパルス電流を重畳する電流重畳回路と、前記電流重畳回路により前記パルス電流が重畳された前記放電電流の電流値を検出する電流センサと、前記二次電池の端子電圧を検出する電圧センサと、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳されている時に前記電流センサにより検出された前記電流値の前記パルス電流の周期に応じた増減量と、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳されている時に前記電圧センサにより検出された前記端子電圧の前記パルス電流の周期に応じた増減量とに基づいて、前記二次電池の放電時の内部抵抗を算出し、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳されている時の前記端子電圧と、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳されている時の前記電流値と、算出した前記二次電池の放電時の前記内部抵抗とに基づいて、前記二次電池の開路電圧を算出する算出部とを備え、前記算出部は、下記(II)式に基づいて、前記二次電池の放電時の前記内部抵抗を前記パルス電流の周期毎に算出し、算出した前記二次電池の放電時の前記内部抵抗を用いて、前記二次電池の前記開路電圧を前記パルス電流の周期毎に算出する。
r(t)=-(V 2C (t)-V 1C (t))/(I 2C (t)-I 1C (t))…(II)
但し、r(t)は、前記二次電池の放電時の前記内部抵抗であり、I 2C (t)は、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記電流値の最大値であり、I 1C (t)は、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記電流値の最小値であり、V 2C (t)は、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記端子電圧の最大値であり、V 1C (t)は、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記端子電圧の最小値である。
本発明によれば、蓄電システムを支障なく運転しながら、二次電池の開路電圧を高精度に算出することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る蓄電システムの充電時の構成の概略を示す図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る蓄電システムの放電時の構成の概略を示す図である。 図3は、二次電池の充電時における充電電流と端子電圧との変化を示す図である。 図4は、二次電池の放電時における放電電流と端子電圧との変化を示す図である。 図5は、走行中の電動車における二次電池の充放電電流と端子電圧との変化を示す図である。 図6は、本発明の一実施形態の二次電池の開路電圧の算出方法の効果を確認するために実施した試験の結果を示すグラフである。 図7は、試験で連続するデータとして得られた開路電圧の正規分布を示すヒストグラムである。
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾点が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用される。
図1は、本発明の一実施形態に係る蓄電システム1の充電時の構成の概略を示す図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る蓄電システム1の放電時の構成の概略を示す図である。これらの図に示すように、本実施形態の蓄電システム1は、二次電池10と、MCU(Micro Control Unit)20と、電流重畳回路30と、電圧センサ40と、電流センサ50とを備える。図1に示すように、二次電池10は、充電時には充電器60から供給される充電電流により充電される。他方で、図2に示すように、二次電池10は、放電時には負荷70に放電電流を供給する。
二次電池10は、リチウムイオン電池等の二次電池であり、例えば、車載用や定置用やスマート機器用の二次電池である。二次電池10が車載用の場合の負荷70としては、駆動用のモータ、エアコン、各種車載電装品等を例示できる。また、二次電池10が定置用の場合の負荷70としては、家庭内の電気機器、商用電源系統等を例示できる。さらに、二次電池10がスマート機器用の場合の負荷70としては、液晶表示ユニット、通信モジュール等を例示できる。
また、二次電池10が電動車用の場合、走行時に駆動用のモータに走行に応じた力行電力が発生することにより、二次電池10は放電状態となる。それに対して、電動車の減速時に駆動用のモータが発電機となって回生電力が発生することにより、二次電池10は充電状態となる。即ち、二次電池10が電動車用の場合、充電器60としては、駆動用のモータを例示できる。他方で、二次電池10が定置用の場合、充電器60としては、商用電源系統、太陽光等を利用した発電システム等を例示できる。
MCU20は、電圧センサ40や電流センサ50等の各種センサの出力を解析して二次電池10の開路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)の特性を推定するOCV解析部21を備える。
図1に示すように、電流重畳回路30は、二次電池10の充電時に充電器60から二次電池10に供給される充電電流にパルス電流を重畳させる。また、図2に示すように、電流重畳回路30は、二次電池10の放電時に二次電池10から負荷70に供給される放電電流にパルス電流を重畳させる。
電圧センサ40は、二次電池10の端子電圧を測定してMCU20に出力する。また、図1に示すように、電流センサ50は、充電時には充電器60から二次電池10に供給される充電電流に上記パルス電流が重畳された電流を測定してMCU20に出力する。さらに、図2に示すように、電流センサ50は、放電時に二次電池10から負荷70に供給される放電電流に上記パルス電流が重畳された電流を測定してMCU20に出力する。
MCU20のOCV解析部21と、電流重畳回路30と、電圧センサ40と、電流センサ50とは、二次電池10の開路電圧の算出装置100を構成する。この算出装置100は、二次電池10の充電時に電流重畳回路30により充電電流にパルス電流を重畳させて充電電流のCレートを1Cと2Cとに交互に変化させることにより、電圧センサ40により検出される二次電池10の端子電圧を変動させる。また、算出装置100は、二次電池10の放電時に電流重畳回路30により放電電流にパルス電流を重畳させて放電電流のCレートを1Cと2Cとに交互に変化させることにより、電圧センサ40により検出される二次電池10の端子電圧に変動を生じさせる。
二次電池10の充放電時における端子電圧の変動は、パルス電流の周期に応じて生じる。OCV解析部21は、電圧センサ40により検出される端子電圧のパルス電流の周期に応じた増減量、及び電流センサ50により検出される充放電電流のパルス電流の周期に応じた増減量に基づいて、二次電池10の内部抵抗を算出する。そして、OCV解析部21は、算出した内部抵抗を用いて、二次電池10の開路電圧を算出する。
図3は、二次電池10の充電時における充電電流と端子電圧との変化を示す図である。この図には、電流重畳回路30により充電電流にパルス電流を重畳して充電電流のCレートを1Cと2Cとに交互に変化させた様子を示している。また、この図には、Cレートが1Cと2Cとに交互に変化する充電電流に応じて端子電圧が変化する様子を示している。なお、Cレートを1Cと2Cとに交互に変化させることは一例であり、他のレートにしてもよい。
図中のI1C(t)は、Cレートが1Cに低下したときの充電電流であり、下記(1)式で定義される。
1C(t)=I(t)+I‘(t) …(1)
但し、I(t)は、充電器60から出力された時間tでの電流値であり、I‘(t)は、電流重畳回路30から出力された時間tでの電流値である。
図中のI2C(t)は、Cレートが2Cに上昇したときの充電電流であり、下記(2)式で定義される。
2C(t)=I(t+1)+I‘(t+1) …(2)
但し、I(t+1)は、充電器60から出力された時間t+1での電流値であり、I‘(t+1)は、電流重畳回路30から出力された時間t+1での電流値である。
図中のV1C(t)は、充電電流のCレートが1Cに低下したときの端子電圧であり、下記(3)式で定義される。
1C(t)=V(t) …(3)
但し、V(t)は、時間tでの電圧である。
図中のV2C(t)は、充電電流のCレートが2Cに上昇したときの端子電圧であり、下記(4)式で定義される。
2C(t)=V(t+1) …(4)
但し、V(t+1)は、時間t+1での電圧である。
ここで、端子電圧がV1C(t)とV2C(t)との間で変動する主要因は、二次電池10の内部抵抗r(t)による電圧降下である。この二次電池10の時間tでの内部抵抗r(t)は、下記(5)式で定義される。
r(t)=(V2C(t)-V1C(t))/(I2C(t)-I1C(t)) …(5)
二次電池10の時間tでの内部抵抗r(t)が明らかになることにより、二次電池10の開路電圧VOC(t)は、下記(6)~(8)式の何れかにより算出できる。
OC(t)=V1C(t)-r(t)×I1C(t) …(6)
OC(t)=V2C(t)-r(t)×I2C(t) …(7)
OC(t)=((V1C(t)-r(t)×I1C(t))+(V2C(t)-r(t)×I2C(t)))/2 …(8)
MCU20のOCV解析部21は、二次電池10の充電時に、上記(5)式に基づいて二次電池10の内部抵抗r(t)を算出し、算出した内部抵抗r(t)を用いて、上記(6)~(8)式の何れかに基づいて、二次電池10の開路電圧VOC(t)を算出する。
図4は、二次電池10の放電時における放電電流と端子電圧との変化を示す図である。この図には、電流重畳回路30により放電電流にパルス電流を重畳して放電電流のCレートを1Cと2Cとに交互に変化させた様子を示している。また、この図には、Cレートが1Cと2Cとに交互に変化する放電電流に応じて端子電圧が変化する様子を示している。
図中のI1C(t)は、Cレートが1Cに低下したときの放電電流であり、上記(1)式で定義される。但し、上記(1)式におけるI(t)を、二次電池10から出力された時間tでの電流と読み替える。
図中のI2C(t)は、Cレートが2Cに上昇したときの放電電流であり、上記(2)式で定義される。但し、上記(2)式におけるI(t+1)は、二次電池10から出力された時間t+1での電流と読み替える。
図中のV1C(t)は、放電電流のCレートが1Cに低下したときの端子電圧であり、上記(3)式で定義される。また、図中のV2C(t)は、放電電流のCレートが2Cに上昇したときの端子電圧であり、上記(4)式で定義される。
ここで、端子電圧がV1C(t)とV2C(t)との間で変動する主要因は、二次電池10の内部抵抗r(t)による電圧降下である。この二次電池10の時間tでの内部抵抗r(t)は、下記(9)式で定義される。
r(t)=-(V2C(t)-V1C(t))/(I2C(t)-I1C(t)) …(9)
二次電池10の時間tでの内部抵抗r(t)が明らかになることにより、二次電池10の開路電圧VOC(t)は、下記(10)~(12)式の何れかにより算出できる。
OC(t)=V1C(t)-r(t)×I1C(t) …(10)
OC(t)=V2C(t)-r(t)×I2C(t) …(11)
OC(t)=((V1C(t)-r(t)×I1C(t))+(V2C(t)-r(t)×I2C(t)))/2 …(12)
MCU20のOCV解析部21は、二次電池10の放電時に、上記(9)式に基づいて二次電池10の内部抵抗r(t)を算出し、算出した内部抵抗r(t)を使用し、上記(10)~(12)式の何れかに基づいて、二次電池10の開路電圧VOC(t)を算出する。
図5は、走行中の電動車における二次電池10の充放電電流と端子電圧との変化を示す図である。この図に示すように、二次電池10が搭載された電動車が加減速する際に二次電池10の充放電電流と端子電圧とが変化する。具体的には、電動車の加速時に電流値が正の方向に変化し端子電圧が徐々に低下する。ここで、図中の負の電流が放電電流である。他方で、電動車の減速時に電流値が正の方向に変化し端子電圧が徐々に上昇する。ここで、図中の正の電流が充電電流である。
MCU20は、電動車の減速時に、電流重畳回路30により充電電流にパルス電流を重畳し、OCV解析部21は、電圧センサ40により検出される二次電池10の端子電圧V1C(t),V2C(t)と、電流センサ50により検出される充電電流I1C(t),I2C(t)とに基づいて二次電池10の内部抵抗r(t)を算出し、算出した内部抵抗r(t)に基づいて二次電池10の開路電圧VOC(t)を算出する。
他方で、MCU20は、電動車の加速時に、電流重畳回路30により放電電流にパルス電流を重畳し、OCV解析部21は、電圧センサ40により検出される二次電池10の端子電圧V1C(t),V2C(t)と、電流センサ50により検出される放電電流I1C(t),I2C(t)とに基づいて二次電池10の内部抵抗r(t)を算出し、算出した内部抵抗r(t)に基づいて二次電池10の開路電圧VOC(t)を算出する。
ところで、上記(1)~(12)式により算出される二次電池10の開路電圧VOC(t)は時系列データであることから、時間tの経過に伴って多数の開路電圧VOC(t)が連続するデータとして得られる。例えば10ms/回程度のサンプリングを行う場合には100秒間で10000の開路電圧VOC(t)のデータが得られる。
ここで、二次電池の開路電圧は短期間では大きく変化しない特性があるので、短期間では、算出される開路電圧VOC(t)のデータは電流センサと電圧センサのノイズによるバラツキの影響のみを受け、算出される開路電圧VOC(t)の正規分布の中央値は、信頼性の高い値となる。そこで、本実施形態では、OCV解析部21が、所定期間(例えば100秒間)毎に、連続するデータとして得られる(例えば10000)の開路電圧VOC(t)を正規分布化し、その正規分布の中央値を、二次電池10の開路電圧VOCとして算出する。
図6は、本実施形態の二次電池10の開路電圧VOCの算出方法の効果を確認するために実施した試験の結果を示すグラフである。この試験では、試験用の二次電池セルから所定の負荷に放電される放電電流に電流重畳回路30により0Aと1Aのパルス電流を重畳させて放電電流を変化させて内部抵抗r(t)を取得し、取得した内部抵抗r(t)を用いて二次電池セルの開路電圧VOC(t)を算出した。本試験では、10ms/回でのサンプリングを実施した。そして、算出した開路電圧VOC(t)と開路電圧の真値とを比較した。図6の横軸に示す50000回から60000回までの時間が100秒間に相当する。
図7は、本試験で連続するデータとして得られた開路電圧VOC(t)の正規分布を示すヒストグラムである。このヒストグラムに示すように、開路電圧VOC(t)のデータの正規分布の中心は3.788Vの付近である。そこで、この3.788Vを開路電圧VOCとして抽出することにより、高精度な開路電圧VOCの算出結果が得られる。
以上説明したように、本実施形態の蓄電システム1では、電流重畳回路30により、充電器60から二次電池10に供給される充電電流、及び、二次電池10から負荷70に供給される放電電流にパルス電流を重畳する。MCU20のOCV解析部21は、電流重畳回路30によりパルス電流が重畳された電流値I1C(t),I2C(t)のパルス電流の周期に応じた増減量と、二次電池10の端子電圧V1C(t),V2C(t)のパルス電流の周期に応じた増減量とに基づいて、二次電池10の内部抵抗r(t)を算出し、二次電池10の端子電圧V1C(t),V2C(t)とパルス電流が重畳された電流値I1C(t),I2C(t)と算出した内部抵抗r(t)とに基づいて、二次電池10の開路電圧VOC(t),VOCを算出する。これによって、無負荷状態を必要とせず、二次電池10の充放電を継続しながら、即ち、蓄電システム1の運転を停止することなく、二次電池10の内部抵抗r(t)を算出し、算出した内部抵抗r(t)を用いて二次電池10の開路電圧VOC(t),VOCを算出することができる。
また、電流値I1C(t),I2C(t)と二次電池10の端子電圧V1C(t),V2C(t)との計測、及び二次電池10の内部抵抗r(t)、開路電圧VOC(t),VOCの算出を、二次電池10の充電状態や車両の走行状態に応じて繰り返し行うことによって、充電率や走行状態に応じたOCV特性を連続するデータとして取得できる。このようにして取得したOCV特性は、リアルタイムで計測した電流値I1C(t),I2C(t)、端子電圧V1C(t),V2C(t)を利用して算出した内部抵抗r(t)に基づいて算出されたものである。そのため、本実施形態で取得するOCV特性は、二次電池10の電池温度、充電率、劣化率等の様々な誤差要因による変動を加味した高精度なものとなる。
本実施形態の蓄電システム1では、上記(5)式に基づいて、二次電池10の充電時の内部抵抗r(t)をパルス電流の周期毎に算出し、算出した内部抵抗r(t)を用いて、二次電池10の充電時の開路電圧VOC(t)をパルス電流の周期毎に算出する。また、本実施形態の蓄電システム1では、上記(9)式に基づいて、二次電池10の放電時の内部抵抗r(t)をパルス電流の周期毎に算出し、算出した内部抵抗r(t)を用いて、二次電池10の放電時の開路電圧VOC(t)をパルス電流の周期毎に算出する。これによって、二次電池10の内部抵抗r(t)、開路電圧VOC(t)の算出を、二次電池10の充電状態や車両の走行状態に応じて繰り返し行うことができ、充電率や走行状態に応じたOCV特性を連続するデータとして取得できる。
さらに、本実施形態の蓄電システム1では、連続するデータとして取得した開路電圧VOC(t)を正規分布化し、正規分布の中央値を二次電池10の開路電圧として算出する。ここで、二次電池10の開路電圧は短時間では大きく変動しないので、より高精度なOCV特性の取得が可能となる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、適宜公知や周知の技術を組み合わせてもよい。
例えば、上記実施形態では、連続するデータとして取得した開路電圧VOC(t)の正規分布の中央値を二次電池10の開路電圧として算出したが、連続するデータとして取得した開路電圧VOC(t)の平均値を二次電池10の開路電圧として算出してもよい。また、二次電池10の充電時の開路電圧と二次電池10の放電時の開路電圧との双方を取得することは必須ではなく、少なくとも一方を取得すればよい。
1 :蓄電システム
10 :二次電池
20 :MCU(算出部)
21 :OCV解析部(算出部)
30 :電流重畳回路
40 :電圧センサ
50 :電流センサ
60 :充電器(充電部)
70 :負荷
100 :算出装置(二次電池の開路電圧の算出装置)
r(t) :内部抵抗
1C(t) :電流値(充放電電流)
2C(t) :電流値(充放電電流)
1C(t) :端子電圧
2C(t) :端子電圧
OC :開路電圧
OC(t) :開路電圧

Claims (5)

  1. 電動車の減速時に前記電動車の充電部から前記電動車の二次電池に供給される充電電流にパルス電流を重畳する電流重畳回路と、
    前記電流重畳回路により前記パルス電流が重畳された前記充電電流の電流値の前記パルス電流の周期に応じた増減量と、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記二次電池の端子電圧の前記パルス電流の周期に応じた増減量とに基づいて、前記二次電池の充電時の内部抵抗を算出し、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記端子電圧と、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記電流値と算出した前記二次電池の充電時の前記内部抵抗とに基づいて、前記二次電池の開路電圧を算出する算出部と
    を備え
    前記算出部は、下記(I)式に基づいて、前記二次電池の充電時の前記内部抵抗を前記パルス電流の周期毎に算出し、算出した前記二次電池の充電時の前記内部抵抗を用いて、前記二次電池の前記開路電圧を前記パルス電流の周期毎に算出する二次電池の開路電圧の算出装置。
    r(t)=(V 2C (t)-V 1C (t))/(I 2C (t)-I 1C (t))…(I)
    但し、r(t)は、前記二次電池の充電時の前記内部抵抗であり、I 2C (t)は、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記電流値の最大値であり、I 1C (t)は、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記電流値の最小値であり、V 2C (t)は、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記端子電圧の最大値であり、V 1C (t)は、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記端子電圧の最小値である。
  2. 電動車の加速時に前記電動車の二次電池から前記電動車の負荷に供給される放電電流にパルス電流を重畳する電流重畳回路と、
    前記電流重畳回路により前記パルス電流が重畳された前記放電電流の電流値の前記パルス電流の周期に応じた増減量と、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記二次電池の端子電圧の前記パルス電流の周期に応じた増減量とに基づいて、前記二次電池の放電時の内部抵抗を算出し、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記端子電圧と、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記電流値と算出した前記二次電池の放電時の前記内部抵抗とに基づいて、前記二次電池の開路電圧を算出する算出部と
    を備え
    前記算出部は、下記(II)式に基づいて、前記二次電池の放電時の前記内部抵抗を前記パルス電流の周期毎に算出し、算出した前記二次電池の放電時の前記内部抵抗を用いて、前記二次電池の前記開路電圧を前記パルス電流の周期毎に算出する二次電池の開路電圧の算出装置。
    r(t)=-(V 2C (t)-V 1C (t))/(I 2C (t)-I 1C (t))…(II)
    但し、r(t)は、前記二次電池の放電時の前記内部抵抗であり、I 2C (t)は、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記電流値の最大値であり、I 1C (t)は、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記電流値の最小値であり、V 2C (t)は、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記端子電圧の最大値であり、V 1C (t)は、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記端子電圧の最小値である。
  3. 前記算出部は、前記パルス電流の周期毎に算出した前記開路電圧を正規分布化し、正規分布の中央値を前記開路電圧として算出する請求項又はに記載の二次電池の開路電圧の算出装置。
  4. 電動車の充電部から充電電流を供給され、前記電動車の負荷に放電電流を供給する前記電動車の二次電池と、
    前記電動車の減速時に前記充電部から前記二次電池に供給される前記充電電流にパルス電流を重畳する電流重畳回路と、
    前記電流重畳回路により前記パルス電流が重畳された前記充電電流の電流値を検出する電流センサと、
    前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳されている時の前記二次電池の端子電圧を検出する電圧センサと、
    前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳されている時に前記電流センサにより検出された前記電流値の前記パルス電流の周期に応じた増減量と、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳されている時に前記電圧センサにより検出された前記端子電圧の前記パルス電流の周期に応じた増減量とに基づいて、前記二次電池の充電時の内部抵抗を算出し、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳されている時の前記端子電圧と、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳されている時の前記電流値と算出した前記二次電池の充電時の前記内部抵抗とに基づいて、前記二次電池の開路電圧を算出する算出部と
    を備え
    前記算出部は、下記(I)式に基づいて、前記二次電池の充電時の前記内部抵抗を前記パルス電流の周期毎に算出し、算出した前記二次電池の充電時の前記内部抵抗を用いて、前記二次電池の前記開路電圧を前記パルス電流の周期毎に算出する蓄電システム。
    r(t)=(V 2C (t)-V 1C (t))/(I 2C (t)-I 1C (t))…(I)
    但し、r(t)は、前記二次電池の充電時の前記内部抵抗であり、I 2C (t)は、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記電流値の最大値であり、I 1C (t)は、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記電流値の最小値であり、V 2C (t)は、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記端子電圧の最大値であり、V 1C (t)は、前記電流重畳回路により前記充電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記端子電圧の最小値である。
  5. 電動車の充電部から充電電流を供給され、前記電動車の負荷に放電電流を供給する前記電動車の二次電池と、
    前記電動車の加速時に前記二次電池から前記負荷に供給される前記放電電流にパルス電流を重畳する電流重畳回路と、
    前記電流重畳回路により前記パルス電流が重畳された前記放電電流の電流値を検出する電流センサと、
    前記二次電池の端子電圧を検出する電圧センサと、
    前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳されている時に前記電流センサにより検出された前記電流値の前記パルス電流の周期に応じた増減量と、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳されている時に前記電圧センサにより検出された前記端子電圧の前記パルス電流の周期に応じた増減量とに基づいて、前記二次電池の放電時の内部抵抗を算出し、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳されている時の前記端子電圧と、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳されている時の前記電流値と算出した前記二次電池の放電時の前記内部抵抗とに基づいて、前記二次電池の開路電圧を算出する算出部と
    を備え
    前記算出部は、下記(II)式に基づいて、前記二次電池の放電時の前記内部抵抗を前記パルス電流の周期毎に算出し、算出した前記二次電池の放電時の前記内部抵抗を用いて、前記二次電池の前記開路電圧を前記パルス電流の周期毎に算出する蓄電システム。
    r(t)=-(V 2C (t)-V 1C (t))/(I 2C (t)-I 1C (t))…(II)
    但し、r(t)は、前記二次電池の放電時の前記内部抵抗であり、I 2C (t)は、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記電流値の最大値であり、I 1C (t)は、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記電流値の最小値であり、V 2C (t)は、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記端子電圧の最大値であり、V 1C (t)は、前記電流重畳回路により前記放電電流に前記パルス電流が重畳された時の前記パルス電流の周期毎の前記端子電圧の最小値である。
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