JP7621095B2 - 脂環式化合物の製造方法及び脂環式化合物 - Google Patents
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Description
[1] 一般式(1)
で表される化合物とシクロペンタジエンとをディールス・アルダー反応に付すことを特徴とする、一般式(2)
で表される脂環式化合物の製造方法。
で表される化合物とシクロペンタジエンとをディールス・アルダー反応に付して、一般式(2)
で表される脂環式化合物を得る工程を含むことを特徴とする、一般式(4)
で表される脂環式化合物の製造方法。
で表される脂環式化合物を得る工程と、該一般式(3)で表される脂環式化合物を還元反応に付して、前記一般式(4)で表される脂環式化合物を得る工程とを更に含む[2]に記載の脂環式化合物の製造方法。
本発明の一般式(2)で表される脂環式化合物の製造方法は、前記一般式(1)で表される化合物とシクロペンタジエンとをディールス・アルダー反応に付すことを要する。このように、一般式(1)で表される化合物を原料として用いることにより、選択的に一般式(2)で表される脂環式化合物が得られるため好ましい。
また、還元反応としては、金属触媒存在下、前記一般式(3)で表される脂環式化合物を水素添加反応に付すことが、より好ましい。
本実施形態の工程1において化合物(2)は、化合物(1)とシクロペンタジエンとをディールス・アルダー反応に付すことにより製造することができる。
化合物(1)は、化合物(11)又は化合物(12)であるか、それらの混合物であってもよい。
(式中、R13及びR14は、一方はホルミル基を表し、他方は水素原子を表し、R15及びR16は、一方はヒドロキシメチル基を表し、他方は水素原子を表す。)
前記化合物(5)をヒドロホルミル化反応に付して得られる化合物は、化合物(1)のR11及びR12の少なくとも一方がホルミル基である前記の化合物(11)となり、他方が水素原子として得られる。このため、化合物(11)はR13及びR14の水素原子の置換位置が異なる構造異性体として得られる。構造異性体は、単一でも混合物でもよい。化合物(12)についても、同様の構造異性体として得られ、単一でも混合物でもよい。本実施形態では、前記化合物(5)の特定の位置の炭素-炭素二重結合に対し、ヒドロホルミル化反応が進行し、他方の炭素-炭素二重結合が残存することにより、工程1のディールス・アルダー反応の結果物である化合物(2)が、前記の特定の環構造となるため、好ましい。
本実施形態の工程1において化合物(12)をディールス・アルダー反応に付すことにより、化合物(22)としてもよく、又は化合物(11)をディールス・アルダー反応に付した後に、得られた化合物(21)を前記と同様の還元反応に付すことにより、化合物(22)としてもよい。
本実施形態の工程1に使用するシクロペンタジエンの純度は、脂環式化合物を純度よく得られる観点から、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましく、98%以上がさらに好ましい。
シクロペンタジエンの使用量は、化合物(1)1モルに対して0.05~2.0モルが好ましく、0.1~1.8モルがより好ましく、0.2~1.5モルがさらに好ましい。0.05モル以上では化合物(2)の生成量が増加するため好ましい。また、2.0モル以下では副生物が減少するため好ましい。
本実施形態の工程1の温度は、100~250℃が好ましく、120~240℃がより好ましく、140~230℃がさらに好ましい。100℃以上の温度では反応効率が上がるため好ましい。また、250℃以下の温度では高沸点成分等の副生物が減少するため好ましい。
本実施形態の工程2において化合物(3)は、化合物(2)と一酸化炭素(以下、「CO」と記載することもある。)及び水素(以下、「H2」と記載することもある。)との混合ガス(以下、合成ガスという。)を、触媒及び必要により溶媒の存在下でヒドロホルミル化反応に付することにより製造することができる。
化合物(3)は化合物(31)であっても、化合物(32)であっても、又はそれらの混合物であってもよい。
本実施形態の工程2において化合物(21)をヒドロホルミル化反応に付すことにより、化合物(31)としてもよく、又は化合物(22)をヒドロホルミル化反応に付すことにより、化合物(32)としてもよい。
本実施形態の工程2に使用する触媒は、一般的なヒドロホルミル化反応に用いられる触媒、例えば、コバルト系触媒、ロジウム系触媒、白金系触媒等の公知の金属触媒が使用可能である。中でも、反応速度及び収率等の点からロジウム系触媒が好ましい。ロジウム系触媒は、ロジウム化合物及び有機リン化合物を組み合わせて用いることがより好ましい。
本実施形態の工程3において化合物(4)は、化合物(3)を還元反応に付すことにより製造することが好ましい。還元反応は、水素化ホウ素ナトリウム等のヒドリドを発生する還元試薬と化合物(3)とを反応させる(ヒドリド還元反応)ことによって行ってもよいが、工業的には、金属触媒存在下、水素ガスと化合物(3)とを反応させる(水素添加反応)ことが有利である。
化合物(1)、化合物(2)、化合物(3)及び化合物(4)は、それぞれいかなる立体構造を有していてもよく、単一の立体構造を有するものであってもよく、またそれらの混合物であってもよい。
最終的に化合物(4)を得るにあたって、R11又はR12のホルミル基のヒドロキシメチル基への還元は、化合物(1)、化合物(2)及び化合物(3)のいずれの段階で行ってもよい。
ヒドリド還元反応の温度は、0~160℃が好ましく、10~130℃がより好ましく、15~100℃がさらに好ましく、外部から加熱及び冷却せず行ってもよい。
反応装置は、特に制限はなく適宜選び得る。
[水素炎イオン検出器付ガスクロマトグラフィー]
<測定条件>
・ 装置:島津製作所社製 ガスクロマトグラフGC-2014
・ カラム:アジレント・テクノロジー社製DB-1(カラム長30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
・ 試料注入部の温度:320℃
・ 検出器の温度:330℃
化合物(1)~(4)の純度はGCのピーク面積から次式により算出した。
純度(%)=(A/B)×100
ここで、Aは目的生成物のピーク面積、Bは全ピーク面積の合計を表す。
また、収率は次式により算出した。
ここで、Cは目的生成物のモル数(不純物を含む目的生成物の重量に純度を乗じ、目的生成物の分子量で除して算出)、Dは基準となる原料のモル数を表す。
<測定条件>
・ 装置:アジレント・テクノロジー社製 ガスクロマトグラフ6890N
・ 装置:日本電子社製質量分析計JMS-K9
・ カラム:アジレント・テクノロジー社製 DB-1(カラム長30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
・ 試料注入部の温度:320℃
・ イオン源:CI又はEI
・ イオン化部の温度:CI 150℃、EI 200℃
<測定条件>
・ 装置:日本電子社製 JNM-ECA500
・ 測定溶媒:クロロホルム-d 99.8% 0.05Vol%テトラメチルシラン含有
・ 共鳴周波数:500MHz
[化合物(11)の製造]
容積1000mlのオートクレーブにジシクロペンタジエン(東京化成工業社製)200g(1.51mol)、トリフェニルホスファイト(関東化学社製)0.47g(1.51mmol)、及びRh(acac)(CO)2(エヌ・イーケムキャット社製)0.0039g(0.0151mmol)を室温で入れ、系内を窒素置換した。系内を50℃に昇温し、この温度を保持しながら10分間撹拌した。その後系内を合成ガス(CO/H2のモル比=0.8)で置換してから7.0MPaに昇圧した後、系内の温度を90℃、内圧を8.0MPaに調節した。この温度と圧力を保持して2時間後に反応を停止し、前記化合物(11)を含む粗生成物を233.8g得た。
ガスクロマトグラフィー質量分析法(CI)での測定の結果、化合物(21)に一致する229[(M+H)+]のピークが確認された。
[工程2:化合物(31)の製造]
容積1000mlのオートクレーブに実施例1と同様にして得られた化合物(21)を含む粗生成物265.5g(化合物(21)含有量16.5g、0.07mol)、トリフェニルホスファイト(関東化学社製)0.53g(1.70mmol)、及びRh(acac)(CO)2(エヌ・イーケムキャット社製)0.0044g(0.0170mmol)を室温で入れ、系内を窒素置換した。系内を50℃に昇温し、この温度を保持しながら10分間撹拌した。その後系内を合成ガス(CO/H2のモル比=0.8)で置換してから7.0MPaに昇圧した後、系内の温度を90℃、内圧を8.0MPaに調節した。この温度と圧力を保持して2時間後に反応を停止し、前記化合物(31)を含む粗生成物を268.0g得た。
ガスクロマトグラフィー質量分析法(CI)での測定の結果、化合物(31)に一致する259[(M+H)+]のピークが確認された。
容積1000mlのオートクレーブに上記工程2で得られた化合物(31)を含む粗生成物268.0g(化合物(31)含有量12.3g、0.05mol)、2-プロパノール(富士フイルム和光純薬社製)200g、水2.0g及び還元ニッケル担持触媒6.0gを入れ、系内を水素置換し、水素ガスで系内の圧力を3.0MPaGに昇圧した後、系内の温度を150℃、内圧を5.0MPaに調節した。この温度と圧力を保持して2時間後に反応を停止し、加圧ろ過で還元ニッケル担持触媒を除去して、前記化合物(4)を含む粗生成物を441.7g得た。得られた粗生成物から、蒸留(内部温度105~190℃の範囲で0.1kPa{絶対圧}の圧力)により、溶媒及び低沸分を除去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、及び蒸留(内部温度200~220℃の範囲で0.03kPa{絶対圧}の圧力)を行うことで、化合物(4)を2.4g得た。
ガスクロマトグラフィー質量分析法(EI)での測定の結果、化合物(4)に一致する262[M+]のピークが確認された。
1H-NMR(CDCl3, δppm); 3.53(2H),3.40-3.22(4H),2.78-0.76(20H)
参考までに、1H-NMRスペクトルを図1に示す。
[化合物(12)の製造]
容積1000mlのオートクレーブにジシクロペンタジエン(東京化成工業社製)200g(1.51mol)、2-プロパノール(富士フイルム和光純薬社製)100g、トリフェニルホスファイト(関東化学社製)0.47g(1.51mmol)、及びRh(acac)(CO)2(エヌ・イーケムキャット社製)0.0039g(0.0151mmol)を室温で入れ、系内を窒素置換した。系内を50℃に昇温し、この温度を保持しながら10分間撹拌した。その後系内を合成ガス(CO/H2のモル比=0.8)で置換してから7.0MPaに昇圧した後、系内の温度を90℃、内圧を8.0MPaに調節した。この温度と圧力を保持して2時間後に反応を停止し、化合物(11)を含む反応液を335.1g得た。これを容積1000mlのガラス製反応器に移し、そこに2-プロパノール(富士フイルム和光純薬社製)100gを入れ、系内を窒素置換した。その後水素化ホウ素ナトリウム(東京化成工業社製)57.1g(1.51mol)を系内の温度を20~75℃に保ちながら加え、4.5時間後に水を400g加えて反応を停止した。得られた液を酢酸エチルと水で抽出し、前記化合物(12)を含む有機層から溶媒を除去し、化合物(12)を含む粗生成物を239.2g得た。
容積1000mlのオートクレーブに[化合物(12)の製造]と同様にして得られた化合物(12)を含む粗生成物235.0g(化合物(12)含有量193.4g、1.18mol)を室温で入れ、系内を窒素置換した。系内を窒素で0.9MPaに昇圧した後、系内を200℃に昇温し、この温度を保持し、攪拌しながら、ジシクロペンタジエン(東京化成工業社製)100g(0.76mol、シクロペンタジエン1.51mol相当)とメチルシクロヘキサン(富士フイルム和光純薬社製)50gの混合液を3.5時間かけて系内に添加し、添加を終えた時点で反応を停止した。その後、この反応液にトリフェニルホスファイト(関東化学社製)0.47g(1.51mmol)、及びRh(acac)(CO)2(エヌ・イーケムキャット社製)0.0039g(0.0151mmol)を室温で入れ、系内を窒素置換した。系内を50℃に昇温し、この温度を保持しながら10分間撹拌した。その後系内を合成ガス(CO/H2のモル比=0.8)で置換してから7.0MPaに昇圧した後、系内の温度を90℃、内圧を8.0MPaに調節した。この温度と圧力を保持して2時間後に反応を停止した。その後、この反応液に2-プロパノール(富士フイルム和光純薬社製)163g、水2.0g及び還元ニッケル担持触媒6.0gを入れ、系内を水素置換し、水素ガスで系内の圧力を3.0MPaに昇圧した後、系内の温度を150℃、内圧を5.0MPaに調節した。この温度と圧力を保持して2時間後に反応を停止し、加圧ろ過で還元ニッケル担持触媒を除去し、溶媒を留去することで、前記化合物(4)を含む粗生成物を337.5g得た。
Claims (9)
- 一般式(1)
(式中、R11及びR12は、一方はホルミル基又はヒドロキシメチル基を表し、他方は水素原子を表す。)
で表される化合物とシクロペンタジエンとをディールス・アルダー反応に付すことを特徴とする、一般式(2)
(式中、R11及びR12は、それぞれ前記と同義である。)
で表される脂環式化合物の製造方法。 - 一般式(1)
(式中、R11及びR12は、一方はホルミル基又はヒドロキシメチル基を表し、他方は水素原子を表す。)
で表される化合物とシクロペンタジエンとをディールス・アルダー反応に付して、一般式(2)
(式中、R11及びR12は、それぞれ前記と同義である。)
で表される脂環式化合物を得る工程と、
前記一般式(2)で表される脂環式化合物をヒドロホルミル化反応に付して、一般式(3)
(式中、R11及びR12は、それぞれ前記と同義であり、R33及びR34は、一方はホルミル基を表し、他方は水素原子を表す。)
で表される脂環式化合物を得る工程と、
該一般式(3)で表される脂環式化合物を還元反応に付して、一般式(4)で表される脂環式化合物を得る工程と
を含むことを特徴とする、一般式(4)
(式中、R41及びR42は、一方はヒドロキシメチル基を表し、他方は水素原子を表し、R43及びR44は、一方はヒドロキシメチル基を表し、他方は水素原子を表す。)
で表される脂環式化合物の製造方法。 - 一般式(2)で表される脂環式化合物をヒドロホルミル化反応に付す際の触媒として、ロジウム化合物及び有機リン化合物を用いる請求項2に記載の脂環式化合物の製造方法。
- 還元反応が、金属触媒存在下、前記一般式(3)で表される脂環式化合物を水素添加反応に付す工程である請求項2又は3に記載の脂環式化合物の製造方法。
- 式(5)
で表される化合物をヒドロホルミル化反応に付す工程を含む、前記一般式(1)で表される化合物を得る工程、を更に含む請求項1~4のいずれか1項に記載の脂環式化合物の製造方法。 - 一般式(1)におけるR11及びR12の一方がホルミル基であり、他方が水素原子である請求項1~5のいずれか1項に記載の脂環式化合物の製造方法。
- 一般式(2)で表される脂環式化合物を得る工程において、シクロペンタジエンの使用量が、一般式(1)で表される化合物1モルに対して0.05~2.0モルである請求項1~6のいずれか1項に記載の脂環式化合物の製造方法。
- 一般式(2)で表される脂環式化合物を得る工程において、あらかじめ一般式(1)で表される化合物を入れた反応器に、温度100~250℃で、シクロペンタジエンを供給する請求項1~7のいずれか1項に記載の脂環式化合物の製造方法。
- 一般式(2)で表される脂環式化合物。
(式中、R11及びR12は、一方はホルミル基又はヒドロキシメチル基を表し、他方は水素原子を表す。)
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|---|
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