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JP7621166B2 - 接合部評価方法、評価用抵抗器、及び接合部評価装置 - Google Patents
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JP7621166B2 - 接合部評価方法、評価用抵抗器、及び接合部評価装置 - Google Patents

接合部評価方法、評価用抵抗器、及び接合部評価装置 Download PDF

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Description

本発明は、接合部評価方法、評価用抵抗器、及び接合部評価装置に関する。
特許文献1には、はんだ接合状態の評価方法が開示されている。はんだ接合状態の評価方法は、チップ部品を基板に接合するはんだ接合部分のクラックを評価する。
このはんだ接合状態の評価方法は、チップ部品を研磨した後、研磨した断面を観察して評価を行う。
特開2010-133830号公報
前述したはんだ接合状態の評価方法は、破壊検査によって行われる。このため、はんだ接合状態の評価方法で評価を行う場合、評価対象を元の状態に維持することができない。
したがって、はんだ接合状態の評価方法で評価を行った評価対象を、再度利用することはできない。
そこで本開示は、評価対象の評価を非破壊で行うことを可能とすることを目的とする。
本開示のある態様によれば、抵抗器と前記抵抗器が実装された基板との接合部を評価する接合部評価方法であって、前記抵抗器に通電した状態で得られる前記抵抗器の温度を取得する温度取得工程と、前記温度取得工程において取得される前記抵抗器の温度、及び基準となる前記接合部の状態において前記抵抗器に通電した状態で前記抵抗器が示す温度に基づいて、前記接合部の接合状態を評価する評価工程と、前記接合状態の基準となる基準状態において前記抵抗器に通電した状態で得られる前記抵抗器の温度を示す基準値を取得する基準取得工程と、を含む接合部評価方法。前記温度取得工程は、前記基準状態を基準として前記接合部を比較する比較状態において、前記抵抗器に通電した状態で得られる前記抵抗器の温度を示す比較値を取得し、前記評価工程は、前記基準値及び前記比較値に基づいて前記接合部の状態を評価する。そして前記基準取得工程は、前記基準値を用いて前記基準状態における前記接合部の基準熱抵抗を求め、前記温度取得工程は、前記比較値を用いて前記比較状態における前記接合部の比較熱抵抗を求め、前記評価工程は、前記基準熱抵抗と前記比較熱抵抗とに基づいて前記接合部の前記接合状態を評価する。
基板に実装した抵抗器に通電すると、抵抗器の抵抗体で熱が発生する。発生した熱は、抵抗器を基板に接合する接合部を介して基板に放散される。抵抗器の温度は、抵抗体の発熱量と基板への放熱量とが均衡した状態で安定する。
ここで、接合部の接合状態が変化すると基板への放熱量が変化する。このため、温度取得工程において取得される抵抗器の温度と、基準となる接合部の状態において抵抗器に通電した状態で抵抗器が示す温度とを用いることで、接合部に生じた接合状態の変化を評価することができる。
したがって、評価対象の評価を非破壊で行うことが可能となる。これにより、この接合部評価方法で評価した評価対象の再利用が可能となる。
図1は、接合部評価方法の基本原理の説明に用いる評価対象の断面図である。 図2は、第一実施形態に係る接合部評価方法で用いられる評価用抵抗器と基板とを示す斜視図である。 図3は、第一実施形態に係る接合部評価方法で用いられる評価用抵抗器が基板に実装された状態を示す斜視図である。 図4は、第一実施形態に係る接合部評価方法で用いられる評価対象の断面図である。 図5は、第一実施形態に係る接合部評価方法の各工程を示す図である。 図6は、第一実施形態に係る評価用抵抗器に通電して電圧を測定する様子を示す説明図である。 図7は、第一実施形態に係る評価用抵抗器に定電流を流した場合の評価用抵抗器の温度及び抵抗値の変化を示す線図である。 図8は、第一実施形態に係る評価用抵抗器に定電流を流した場合の電圧の変化を示す線図である。 図9は、第一実施形態に係る評価対象の熱特性を示す概念図であり、信頼性試験前の状態を示す断面図である。 図10は、第一実施形態に係る評価対象の熱特性を示す概念図であり、信頼性試験後の状態を示す断面図である。 図11は、第一実施形態に係る評価対象の評価用抵抗器の温度、発熱量、及び熱抵抗の関係式を示す説明図である。 図12は、第一実施形態に係る評価対象の接合部におけるクラック率と熱抵抗の変化率との関係を示す図である。 図13は、第二実施形態に係る接合部評価装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。 図14は、第二実施形態に係る接合部評価装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
電子機器の内部には、基板が設けられている。基板としては、配線及びランドが一体的に形成されたプリント配線基板が用いられる。この基板には、IC、コンデンサ、抵抗器などの電子部品が実装され、電子回路が構成される。
この基板は、電子部品が実装された状態で信頼性試験が実施される。信頼性試験としては、電子部品に定格電圧を超える電圧の印加を所定回数繰り返す過負荷試験、及び無通電状態で基板を低温と高温との間で所定回数急変させる温度急変試験が挙げられる。また、信頼性試験としては、通電状態で多湿環境に一定時間放置する耐湿試験、通電状態で端子部を定格温度の最高値にして一定時間保持する定格端子部温度試験、及び無通電状態で一定時間高温環境に放置する高温放置試験が挙げられる。
これらの信頼性試験には、電子部品と基板とが熱膨張及び熱収縮を繰り返すものがあり、熱膨張及び熱収縮を繰り返す試験では、熱膨張及び熱収縮によって、電子部品を基板に接合する接合部の接合状態が変化することがある。
接合部の接合状態の変化としては、一例として、クラックの発生が挙げられる。このため、信頼性試験後において、接合部に発生し得るクラックの状態について評価が行われる。
クラックの評価方法としては、評価対象を研磨して断面を検査する方法が知られている。この評価方法では、測定対象が破壊される。このため、同一の測定対象に対して継続した信頼性試験が実施できない。
一方、評価対象を破壊しない非破壊検査としては、X線CTを利用した評価方法が考えられる。しかし、X線CTを利用した評価方法では、評価に時間がかかるとともに、基板の中央部に配置された部品の評価が困難となる。
このため、これらの少なくとも一つを解決するための一例を次に示す。以下、図面を参照しながら説明する。
<基本原理>
初めに接合部評価方法の基本原理を図面に従って説明する。
図1は、接合部評価方法の基本原理の説明に用いる評価対象の断面図である。図1を用いて、接合部評価方法の基本的な原理について説明する。
図1に示すように、接合部評価方法で用いる評価対象10は、基板12と、基板12に実装された抵抗器14とを備える。基板12の表面16には、プリント配線18が一体的に形成されており、プリント配線18の端部には、第一ランド20及び第二ランド22が形成されている。
抵抗器14は、横長の板状に形成された基体24と、基体24の一端に設けられた第一端子26と、基体24の他端に設けられた第二端子28と、基体24の上面に設けられた薄膜の抵抗体30と、抵抗体30を覆う被覆部32とを備える。
基体24は、絶縁体であるセラミックで構成される。第一端子26及び第二端子28は、導体で構成される。被覆部32は、絶縁体で構成される。
第一端子26及び第二端子28は、基体24の端部を沿って屈曲された金属板で構成される。第一端子26は、基体24の上面に密着して延在する第一上面部34と、第一上面部34より延出し基体24の一端面に密着して延在する第一端面部36と、第一端面部36より延出し基体24の下面に密着して延在する第一下面部38とを有する。
第二端子28は、基体24の上面に密着して延在する第二上面部40と、第二上面部40より延出し基体24の他端面に密着して延在する第二端面部42と、第二端面部42より延出し基体24の下面に密着して延在する第二下面部44とを有する。
第一端子26の第一上面部34は、抵抗体30の一端部に電気的に接続される。第二端子28の第二上面部40は、抵抗体30の他端部に電気的に接続される。被覆部32は、抵抗体30の全面を覆うとともに、抵抗体30と各端子26、28との接続部分を覆う。
抵抗器14の各端子26、28は、接合部(46、48)によって基板12に固定される。この接合部(46、48)は、導電性の部材で構成される。導電性の部材としては、導電性接着剤又ははんだが挙げられる。本実施形態では、接合部(46、48)をはんだで構成した場合を例に挙げて説明する。
具体的に説明すると、第一端子26は、第一接合部46によって基板12の第一ランド20に接合される。第二端子28は、第二接合部48によって基板12の第二ランド22に接合される。
第一接合部46は、第一端子26の第一端面部36と第一ランド20との間に形成された第一フィレット50と、第一端子26の第一下面部38と第一ランド20との間に介在する第一介在層52とを有する。また、第二接合部48は、第二端子28の第二端面部42と第二ランド22との間に形成された第二フィレット54と、第二端子28の第二下面部44と第二ランド22との間に介在する第二介在層56とを有する。
このような評価対象10において、抵抗器14に通電すると、抵抗器14の抵抗体30において熱が発生する。発生した熱は、抵抗器14を基板12に接合する各接合部46、48を介して基板12に放散される。そして、抵抗器14の温度は、抵抗体30の発熱量と基板12への放熱量とが均衡した状態で安定する。
ここで、各接合部46、48の接合状態が変化すると、基板12への放熱量が変化する。各接合部46、48の接合状態としては、一例として、各接合部46、48におけるクラックの発生状態が挙げられる。
具体的に説明すると、各接合部46、48にクラックが発生すると、基板12への放熱経路が狭まり、放熱量が減少する。すると、各接合部46、48にクラックが発生した状態で抵抗器14の温度は、各接合部46、48にクラックが発生する前の抵抗器14の温度よりも高くなる。また、各接合部46、48に発生するクラックが大きくなるほど、放熱経路が狭くなり、抵抗器14の温度が高くなる。
このため、抵抗器14の通電時における抵抗器14の温度を測定することで、クラックの有無、及びクラックの大きさを評価することができる。
後述する実施形態では、評価装置が各接合部46、48の接合状態をクラックの量という指標を用いて評価する。クラックの量は、クラック率(%)で示し、両接合部46、48にクラックが無い場合、クラック率を、0%とする。また、両接合部46、48にクラックが発生し、抵抗器14の各端子26、28と基板12の各ランド20、22とが切り離された断線状態において、クラック率を、100%とする。
図1には、第二接合部48にクラックが発生した状態が示されている。図1には、発生するクラックの例として、第二ランド22に沿って延在する第一クラック60と、第二ランド22に対して斜め方向に延在する第二クラック62と、第二端面部42に沿って延在する第三クラック64とが示されている。
クラック率について、第二接合部48に第一クラック60が発生した場合を例に挙げて説明する。
一例として、第二接合部48に第一クラック60が発生した状態において、第二接合部48と第二ランド22との接合面積をS0とし、第一クラック60の面積をScとした場合、クラック率はSc/S0とする。このクラック率で示されるクラックの量を用いて接合部(46、48)の接合状態を評価する。
このため、クラックの発生により抵抗器14の各端子26、28と基板12の各ランド20、22とが切り離された断線状態と、両者が切り離されていない状態との比較によってクラック率を設定してもよい。
<第一実施形態>
第一実施形態に係る接合部評価方法及び評価用抵抗器について、図2から図11を用いて説明する。初めに、接合部評価方法で用いる評価対象100について説明する。
図2は、第一実施形態に係る接合部評価方法で用いられる評価用抵抗器102と基板12とを示す斜視図である。図3は、第一実施形態に係る接合部評価方法で用いられる評価用抵抗器102が基板12に実装された状態を示す斜視図である。図4は、第一実施形態に係る接合部評価方法で用いられる評価対象100の断面図である。
図2及び図3に示すように、接合部評価方法で用いる評価対象100は、長方形状の基板12と、基板12に実装された評価用抵抗器102と備える。
基板12の表面には、プリント配線が一体的に形成されている。プリント配線は、基板12の長さ方向に延在する第一電流経路104と、第二電流経路106と、第一電圧検出経路108と、第二電圧検出経路110とを備える。
第一電流経路104は、基板12の長さ方向中心部より一端側へ延びている。第二電流経路106は、基板12の長さ方向中心部より他端側へ延びている。
第一電流経路104の他端部には、矩形状の第一ランド20が形成されている。第二電流経路106の一端部には、矩形状の第二ランド22が形成されている。第一ランド20と第二ランド22とは、評価用抵抗器102の長さ寸法に合わせて離間している。
第一電圧検出経路108の幅寸法は、第一電流経路104の幅寸法より狭い。第二電圧検出経路110の幅寸法は、第二電流経路106の幅寸法より狭い。
第一電圧検出経路108は、第一ランド20から第二ランド22へ向けて延出した後、基板12の幅法方向へ延出する。第二電圧検出経路110は、第二ランド22から第一ランド20へ向けて延出した後、基板12の幅法方向へ延出する。第一電圧検出経路108と第二電圧検出経路110とは、平行に延在する。
評価用抵抗器102は、図4に示すように、横長の板状に形成された基体24と、基体24の一端に設けられた第一端子26とを備える。また、評価用抵抗器102は、基体24の他端に設けられた第二端子28と、第一端子26及び第二端子28を接続する抵抗体30と、抵抗体30を覆う被覆部32とを備える。
抵抗体30は、第一端子26に近い位置に配置され第一端子26に接続される第一抵抗体112と、第二端子28に近い位置に配置され第二端子28に接続される第二抵抗体114とを備ええる。また、抵抗体30は、第一抵抗体112及び第二抵抗体114を電気的に接続する接続部116を備える。
基体24は、一例として、絶縁体であるセラミックで構成される。第一端子26及び第二端子28は、導体で構成される。第一抵抗体112及び第二抵抗体114は、一例として、基体24の上面に設けられた薄膜で構成される。接続部116は、基体24の上面に設けられた導体で構成される。被覆部32は、絶縁体で構成されている。
評価用抵抗器102を構成する第一抵抗体112及び第二抵抗体114の抵抗温度係数(TCR)は、一般的な抵抗器よりも大きな所定値に設定される。これにより、評価用抵抗器102の温度変化に応じて変化する抵抗値の変化量を大きくする。
一例として、第一抵抗体112及び第二抵抗体114の抵抗温度係数(TCR)は、500ppm/℃以上とする。
抵抗温度係数(TCR)が、4000ppm/℃を超える抵抗体は、製造が難しい。このため、第一抵抗体112及び第二抵抗体114の抵抗温度係数(TCR)は、500ppm/℃以上4000ppm/℃以下の範囲で定める。
また、抵抗体の抵抗温度係数(TCR)が、3000ppm/℃を超えると、精度管理が難しくなる。このため、第一抵抗体112及び第二抵抗体114の抵抗温度係数(TCR)は、500ppm/℃以上3000ppm/℃以下とすることが好ましい。
ここで、抵抗温度係数(TCR)は、温度変化に伴う抵抗値の変化の割合を示す。抵抗温度係数(TCR)は、抵抗値の変化率と温度変化量とに基づいて求められる。
例えば、第一温度T1で第一抵抗値R1を示し、第二温度T2で第二抵抗値R2を示す物体において、抵抗温度係数TCR[ppm/℃]は、次の演算式を用いて求められる。
TCR={(R2-R1)/R1}/{(T2-T1)×1000000}
第一端子26及び第二端子28は、基体24の端部を沿って屈曲された金属板で構成される。第一端子26は、基体24の上面に密着して延在する第一上面部34と、第一上面部34より延出し基体24の一端面に密着して延在する第一端面部36と、第一端面部36より延出し基体24の下面に密着して延在する第一下面部38とを有する。
第二端子28は、基体24の上面に密着して延在する第二上面部40と、第二上面部40より延出し基体24の他端面に密着して延在する第二端面部42と、第二端面部42より延出し基体24の下面に密着して延在する第二下面部44とを有する。
第一端子26の第一上面部34は、第一抵抗体112の一端部に電気的に接続される。第一抵抗体112の他端部は、接続部116の一端部に電気的に接続される。接続部116の他端部は、第二抵抗体114の一端部に電気的に接続される。第二抵抗体114の他端部は、第二端子28の第二上面部40に電気的に接続される。被覆部32は、両抵抗体112、114及び接続部116の全面を覆うとともに、各抵抗体112、114と各端子26、28との接続部分を覆う。
評価用抵抗器102の各端子26,28は、第一接合部46及び第二接合部48によって基板12に固定される。各接合部46、48は、導電性の部材で構成される。導電性の部材としては、導電性接着剤又ははんだが挙げられる。本実施形態では、各接合部46、48をはんだで構成した場合を例に挙げて説明する。
具体的に説明すると、第一端子26は、第一接合部46によって基板12の第一ランド20に接合される。第二端子28は、第二接合部48によって基板12の第二ランド22に接合される。
第一接合部46は、第一端子26の第一端面部36と第一ランド20との間に形成された第一フィレット50と、第一端子26の第一下面部38と第一ランド20との間に介在する第一介在層52とを有する。また、第二接合部48は、第二端子28の第二端面部42と第二ランド22との間に形成された第二フィレット54と、第二端子28の第二下面部44と第二ランド22との間に介在する第二介在層56とを有する。
このような評価対象100において、評価用抵抗器102に通電すると、評価用抵抗器102の各抵抗体112、114で熱が発生する。発生した熱は、評価用抵抗器102を基板12に接合する各接合部46、48及び各接合部46、48が接合された各ランド20、22を介して基板12に放散される。
各ランド20、22は、基板12の中央部に配置されている。このため、各ランド20、22に伝達された熱を基板12の中央部から周囲部へ放射状に放散できる。
そして、評価用抵抗器102の温度は、抵抗体30の発熱量と基板12への放熱量とが均衡した状態で安定する。
評価用抵抗器102の抵抗体30は、第一抵抗体112と第二抵抗体114とに分割され、評価用抵抗器102の中央部は、発熱し難い導体からなる接続部116で構成される。また、通電時に発熱する第一抵抗体112と第二抵抗体114とは、両端の各端子26、28に近い位置に配置される。
これにより、第一抵抗体112の発熱部の中心であるホットスポットHS1を第一端子26に近づけることができる。また、第二抵抗体114の発熱部の中心であるホットスポットHS2を第二端子28に近づけることができる。
そして、抵抗体のホットスポットが第一端子26から離れた位置にある場合と比較して、第一抵抗体112のホットスポットHS1から第一端子26の第一端面部36までの離間距離と、第一下面部38までの離間距離との差を小さくすることができる。
また、抵抗体30のホットスポットが第二端子28から離れた位置にある場合と比較して、第二抵抗体114のホットスポットHS2から第二端面部42までの離間距離200と、第二下面部44までの離間距離202との差を小さくすることができる。
ここで、評価用抵抗器102を基板12に接合する各接合部46、48の接合状態が変化すると、基板12への放熱量が変化する。各接合部46、48の接合状態は、一例として、各接合部46、48におけるクラックの発生状態が挙げられる。
(接合部評価方法)
次に、本実施形態に係る接合部評価方法を図面に従って説明する。図5は、第一実施形態に係る接合部評価方法の各工程を示す図である。
[実装工程]
図5に示した実装工程P1では、図4に示したように、基板12に評価用抵抗器102を実装する。
基板12は、接合部評価方法で使用する専用の基板12を用いたり、電子機器に搭載する搭載基板を用いたりすることができる。搭載基板を用いる場合、実際に使用する抵抗器の代わりに評価用抵抗器102を搭載基板に実装する。本実施形態では、専用の基板12を用いる場合を例に挙げて説明する。
基板12に実装する抵抗器は、基本原理で示したように単一の抵抗体30で構成された抵抗器14を用いたり、前述した評価用抵抗器102を用いたりすることができる。本実施形態では、評価用抵抗器102を用いる場合を例に挙げて説明する。
[基準取得工程]
図5に示した基準取得工程P2では、接合状態の基準となる基準状態において評価用抵抗器102に通電した状態で得られる評価用抵抗器102の温度を示す基準値を取得する。
ここで、評価用抵抗器102の温度を示す基準値を取得するとは、測定によって基準値を取得したり、演算によって基準値を取得したり、シミュレーションによって基準値を取得したりする例が挙げられる。
基準段階は、各接合部46、48の接合状態の変化を評価する際に基準となる基準値を取得する段階である。基準段階としては、各接合部46、48に負荷を掛ける前の段階が挙げられる。本実施形態では、基準段階が信頼性試験を実施する前の段階の場合を例に挙げて説明する。
基準取得工程P2は、この基準段階において評価用抵抗器102に通電した状態で評価用抵抗器102にかかる電圧を用いて基準熱抵抗を求める。具体的に基準取得工程P2は、基準値を用いて基準段階の各接合部46、48の基準熱抵抗を求める。
さらに具体的に基準取得工程P2は、基準段階において評価用抵抗器102に通電した状態で、評価用抵抗器102に流れる電流、評価用抵抗器102にかかる電圧、及び評価用抵抗器102の抵抗温度係数(TCR)から基準値を求める。
この基準取得工程P2について、図面を用いて具体的に説明する。
図6は、第一実施形態に係る評価用抵抗器102に通電して電圧を測定する様子を示す説明図である。図7は、第一実施形態に係る評価用抵抗器102に定電流を流した場合の評価用抵抗器102の温度及び抵抗値の変化を示す線図である。図8は、第一実施形態に係る評価用抵抗器102に定電流を流した場合の電圧の変化を示す線図である。
図6に示すように、基板12の第一電流経路104と第二電流経路106とに接続された定電流回路によって、基板12上の評価用抵抗器102に定電流である電流I0を通電する。この状態において、第一電圧検出経路108及び第二電圧検出経路110に接続された電圧計によって、評価用抵抗器102にかかる電圧V0を測定する。
なお、本実施形態では、評価用抵抗器102に定電流を通電して評価用抵抗器102にかかる電圧の変化を観測する場合について説明するが、これに限定されるものではない。一例として、評価用抵抗器102に定電圧を印加して評価用抵抗器102を流れる電流の変化を観測してもよい。
評価用抵抗器102の各抵抗体112、114は、通電によって発熱する。図7に示すように、評価用抵抗器102の温度T0が上昇すると、評価用抵抗器102の抵抗値R0は、抵抗温度係数(TCR)の特性に従って大きくなる。すると、図8に示すように、抵抗値R0が大きくなるに従って評価用抵抗器102にかかる電圧V0が大きくなる。
そして、評価用抵抗器102の温度T0は、各抵抗体112、114の発熱量と基板12への放熱量とが均衡した状態で安定し、評価用抵抗器102にかかる電圧V0も安定する。この安定した電圧V0と評価用抵抗器102に通電した電流I0との積から評価用抵抗器102の抵抗値R0を算出する。
ここで、評価用抵抗器102の抵抗温度係数(TCR)は所定値に設定されており、評価用抵抗器102の抵抗温度係数(TCR)の特性は既知である。このため、この抵抗温度係数(TCR)の特性と、電圧V0及び電流I0から算出した抵抗値R0とを用いて評価用抵抗器の温度T0を算出する。
これにより、基準段階において評価用抵抗器102に通電した状態で評価用抵抗器102に流れる電流I0、評価用抵抗器102にかかる電圧V0、及び評価用抵抗器102の抵抗温度係数(TCR)から基準値を示す温度T0が求められる。
図9は、第一実施形態に係る評価対象100の熱特性を示す概念図であり、信頼性試験前の状態を示す断面図である。図10は、第一実施形態に係る評価対象100の熱特性を示す概念図であり、信頼性試験後の状態を示す断面図である。図11は、第一実施形態に係る評価対象100の評価用抵抗器102の温度T0、発熱量Q0、及び熱抵抗の関係式を示す説明図である。
図9及び図10には、評価対象100の基板12が恒温板120に密着して配置された状態が示されている。恒温板120は、温度Taに保たれる。温度Taは、一例として、周囲温度と等しい温度に設定される。
図9を用いて評価対象100の熱特性について説明する。ここで、熱抵抗は、物体において熱が流れるのを防ぐ力の大きさを示す。熱抵抗は、任意の二点間の温度差を、二点間を流れる熱流量で除算した値となる。
すなわち、任意の第一点の温度をT1、任意の第二点の温度をT2、両点間を流れる熱流量をPとした場合、熱抵抗Rthは、次式で求められる。
Rth=(T1-T2)/P
評価用抵抗器102が基板12に実装された評価対象100は、図9に示すように、発熱する抵抗体30と抵抗体30の熱が放出される恒温板120との間に熱抵抗が存在する。
なお、図9では、説明の都合上、第二抵抗体114側のみを図示する。以下において抵抗体30については、第二抵抗体114についてのみ説明する。また、接合部については、第二接合部48についてのみ説明する。
この評価用抵抗器102の熱抵抗は、基体24が有する熱抵抗Rthaと、第二接合部48が有する熱抵抗Rth1と、基板12が有する熱抵抗Rthbとに分けることができる。基体24が有する熱抵抗Rtha及び基板12が有する熱抵抗Rthbは定常である。一方、第二接合部48が有する熱抵抗Rth1は、信頼性試験の前後において第二接合部48の接合状態が変化した場合に変化する。
この第二接合部48の熱抵抗Rth1は、基準熱抵抗を示す。基準熱抵抗を示す熱抵抗Rth1は、基準段階において評価用抵抗器102に通電した状態で評価用抵抗器102にかかる電圧V1を用いて求められた基準熱抵抗を示す。
評価用抵抗器102の表面の温度T0及び恒温板120の温度Taと、各熱抵抗との関係は、図11に示す第一式130で表される。この第一式130を用いて評価用抵抗器102の温度T0と恒温板120の温度Taとの温度差から第二接合部48の熱抵抗Rth1を算出する。
ここで、本実施形態では、第二接合部48の熱抵抗Rth1を第一式130によって算出したが、これに限定されるものではない。一例として、過渡熱測定法によって第二接合部48の熱抵抗Rth1を求めてもよい。
過渡熱測定法による測定としては、一例として、シーメンス社製の「過渡熱試験装置T3Ster」を用いた測定が挙げられる。過渡熱試験装置T3Sterを用いることによって、JEDEC(米国合同電子デバイス委員会)の規格である過渡熱測定法(JESD51-14)に適合した測定が行われる。
[信頼性試験工程]
図5に示した信頼性試験工程P3では、基準取得工程P2で基準値である温度T0を取得した評価対象100に対して信頼性試験を実施する。信頼性試験は、評価対象100に負荷を掛ける試験であり、各接合部46、48にも負荷が掛けられる。なお、信頼性試験としては、前述した試験が挙げられる。
この信頼性試験の結果に基づいて、評価対象100の設計を見直したり、各接合部46、48の材質や接合方法を見直したりする。
[温度取得工程]
図5に示した温度取得工程P4では、比較段階において評価用抵抗器102に通電した状態で得られる評価用抵抗器102の温度を比較値として取得する。
ここで、評価用抵抗器102の温度を比較値として取得するとは、測定によって基準値を取得したり、演算によって基準値を取得したり、シミュレーションによって基準値を取得したりする例が挙げられる。
比較段階は、各接合部46、48の接合状態が基準段階から変化したか否かを判断する段階である。基準段階としては、各接合部46、48に負荷を掛けた後の段階が挙げられる。本実施形態では、比較段階が信頼性試験を実施した後の段階の場合を例に挙げて説明する。
温度取得工程P4は、比較段階において評価用抵抗器102に通電した状態で評価用抵抗器102にかかる電圧を用いて比較熱抵抗を求める。具体的に温度取得工程P4は、比較値を用いて比較段階の各接合部46、48の比較熱抵抗を求める。さらに具体的に温度取得工程P4は、比較段階において評価用抵抗器102に通電した状態で評価用抵抗器102に流れる電流、評価用抵抗器102にかかる電圧、及び評価用抵抗器102の抵抗温度係数から比較値を求める。
この温度取得工程P4では、図6に示したように、基板12の第一電流経路104と第二電流経路106とに接続された定電流回路によって、信頼性試験を終えた基板12上の評価用抵抗器102に定電流である電流I0を通電する。この状態において、第一電圧検出経路108及び第二電圧検出経路110に接続された電圧計によって、評価用抵抗器102にかかる電圧Vcを測定する。
このとき、評価用抵抗器102の各抵抗体112、114は、通電によって発熱する。図7に示すように、評価用抵抗器102の温度Tcが上昇すると、評価用抵抗器102の抵抗値Rcは、抵抗温度係数(TCR)の特性に従って大きくなる。すると、図8に示すように、抵抗値Rcが大きくなるに従って評価用抵抗器102にかかる電圧Vcが大きくなる。
そして、評価用抵抗器102の温度Tcは、各抵抗体112、114の発熱量と基板12への放熱量とが均衡した状態で安定し、評価用抵抗器102にかかる電圧Vcも安定する。この安定した電圧Vcと評価用抵抗器102に通電した電流I0との積から評価用抵抗器102の抵抗値Rcを算出する。
ここで、評価用抵抗器102の抵抗温度係数(TCR)は所定値に設定されており、評価用抵抗器102の抵抗温度係数(TCR)の特性は既知である。このため、この抵抗温度係数(TCR)の特性と、電圧Vc及び電流I0から算出した抵抗値Rcとを用いて評価用抵抗器102の温度Tcを算出する。
これにより、比較段階において評価用抵抗器102に通電した状態で評価用抵抗器102に流れる電流I0、評価用抵抗器102にかかる電圧Vc、及び評価用抵抗器102の抵抗温度係数(TCR)から比較値を示す温度Tcが求められる。
評価用抵抗器102が基板12に実装された評価対象100は、図10に示すように、発熱する第二抵抗体114と第二抵抗体114の熱が放出される恒温板120との間に熱抵抗が存在する。
なお、図10では、説明の都合上、第二抵抗体114側のみを図示する。
この評価用抵抗器102は、基体24が有する熱抵抗Rthaと、第二接合部が有する熱抵抗Rth2と、基板12が有する熱抵抗Rthbとに分けることができる。基体24が有する熱抵抗Rtha及び基板12が有する熱抵抗Rthbは定常である。
ここで、信頼性試験の前後において第二接合部48の接合状態が変化すると、第二接合部48の熱抵抗も変化する。図10には、第二接合部48の熱抵抗が、信頼性試験の前後において、熱抵抗Rth1から熱抵抗Rth2に変化した状態が示されている。
この第二接合部48の熱抵抗Rth2は、比較熱抵抗を示す。比較熱抵抗を示す熱抵抗Rth2は、比較段階において評価用抵抗器102に通電した状態で評価用抵抗器102にかかる電圧Vcを用いて求めた比較熱抵抗を示す。
評価用抵抗器102の表面の温度Tc及び基板12の温度である周囲温度Taと、各熱抵抗との関係は、図11に示す第二式132で表される。このため、この第二式132を用いて評価用抵抗器102の温度Tcと恒温板120の温度Taとの温度差から第二接合部48の熱抵抗Rth2を算出する。
これにより、比較段階の接合部(46、48)の比較熱抵抗である熱抵抗Rth2は、比較値を示す温度Tcを用いて求められる。
ここで、本実施形態では、第二接合部48の熱抵抗Rth2を第二式132によって算出したが、これに限定されるものではない。一例として、過渡熱測定法によって第二接合部48の熱抵抗Rth2を求めてもよい。この過渡熱測定法による測定としては、一例として、シーメンス社製の「過渡熱試験装置T3Ster」を用いた測定が挙げられる。
[評価工程]
図5に示したように評価工程P5では、基準熱抵抗を示す熱抵抗Rth1と比較熱抵抗を示す熱抵抗Rth2とを用いて各接合部46、48の接合状態を評価する。
ここで、各接合部46、48の接合状態は、一例として、各接合部46、48におけるクラックの発生状態が挙げられる。
基準熱抵抗を示す熱抵抗Rth1は、前述したように基準値である温度T0を用いて求められる。比較熱抵抗を示す熱抵抗Rth2は、前述したように比較値である温度Tcを用いて求められる。このため、評価工程P5は、基準値である温度T0及び比較値である温度Tcを用いて各接合部46、48の接合状態を評価する。
この評価工程P5では、各接合部46、48の熱抵抗の変化と、各接合部46,48の接合状態との関係を示すデータに基づいて各接合部46、48の接合状態を評価する。
図12は、第一実施形態に係る評価対象100の各接合部46、48におけるクラック率と熱抵抗の変化率との相関関係を示す相関図140である。
各接合部46、48におけるクラック率は、各接合部46、48の接合状態を示す。このクラック率は、図1を用いて説明したように、各接合部46、48と各ランド20、22との接合面積をS0とし、クラックの面積をScとした場合、クラック率をSc/S0とする。また、熱抵抗の変化率は、基準熱抵抗を示す熱抵抗Rth1と比較熱抵抗を示す熱抵抗Rth2との差を示す。
この相関を示す相関図140は、予め実施されたシミュレーションにより得られる。また、実験により得られた結果を用いて相関を示す相関図140を作成してもよい。
この相関を示す相関図140を用いることで、信頼性試験の前後の熱抵抗の変化率から、信頼試験によって各接合部46、48に発生したクラックの量を評価することができる。あるいは、信頼試験によって各接合部46、48のクラックが、どの程度進行したかを評価することができる。
(作用及び効果)
次に、第一実施形態による作用効果について説明する。
本実施形態の接合部評価方法は、抵抗器(14、102)と抵抗器(14、102)が実装された基板12との接合部(46、48)を評価する接合部評価方法である。接合部評価方法は、抵抗器(14、102)に通電した状態で得られる抵抗器(14、102)の温度を取得する温度取得工程P4と、評価工程P5とを含む。評価工程P5は、温度取得工程P4において取得した抵抗器(14、102)の温度、及び基準となる接合部(46、48)の状態において抵抗器(14、102)に通電した状態で抵抗器(14、102)が示す温度に基づいて接合状態を評価する。
この構成において、基板12に実装した抵抗器(14、102)に通電すると、抵抗器(14、102)の抵抗体30で熱が発生する。発生した熱は、抵抗器(14、102)を基板12に接合する接合部(46、48)を介して基板12に放散される。そして、抵抗器(14、102)の温度は、抵抗体30の発熱量と基板12への放熱量とが均衡した状態で安定する。
ここで、接合部(46、48)の接合状態が変化すると基板12への放熱量が変化する。このため、温度取得工程P4で取得した抵抗器(14、102)の温度と、基準となる接合部(46、48)の状態において抵抗器(14、102)が示す温度とを用いることで、接合部(46、48)に生じた接合状態の変化を評価することができる。
したがって、評価対象10、100の評価を非破壊で行うことが可能となる。これにより、この接合部評価方法で評価した評価対象10、100の再利用が可能となる。
また、接合部評価方法は、接合状態の基準となる基準状態において抵抗器(14,102)に通電した状態で得られる抵抗器(14、102)の温度T0を示す基準値を取得する基準取得工程P2をさらに含む。温度取得工程P4は、基準状態を基準として接合部(46、48)を比較する比較状態において、抵抗器(14、102)に通電した状態で得られる抵抗器(14、102)の温度Tcを示す比較値を取得する。評価工程P5は、基準値及び比較値に基づいて接合部(46、48)の状態を評価する。
この構成において、基準状態である基準段階における抵抗器(14、102)の温度T0を示す基準値と、比較段階における抵抗器(14、102)の温度Tcを示す比較値とを評価に用いる。これにより、基準段階と比較段階とで生じた接合部(46、48)の接合状態の変化を評価することができる。
具体的に本実施形態の接合部評価方法を用いることで、信頼性試験によって接合部(46、48)に生じ得るクラックの状態を評価することができる。これにより、一例として、接合部(46、48)の材質や接合方法の見直しを行うことができる。
また、異なる信頼性試験を行う度に接合部(46、48)の接合状態を評価することができる。これにより、どのような信頼性試験において、接合部(46、48)の接合状態が悪化したか等の把握が可能となる。
また、本実施形態の接合部評価方法において、基準取得工程P2は、基準値(T0)を用いて基準状態における接合部(46、48)の基準熱抵抗(Rth1)を求める。温度取得工程P4は、比較値(Tc)を用いて比較状態における接合部(46、48)の比較熱抵抗(Rth2)を求める。評価工程P5は、基準熱抵抗(Rth1)と比較熱抵抗(Rth2)とに基づいて接合部(46、48)の接合状態を評価する。
この構成によれば、接合部(46、48)に生ずる熱抵抗の変化から接合部(46、48)の接合状態を評価することができる。
さらに、本実施形態の接合部評価方法において、基準取得工程P2は、基準状態において抵抗器(14、102)に通電した状態で抵抗器(14、102)にかかる電圧を用いて基準熱抵抗(Rth1)を求める。温度取得工程P4は、比較状態において抵抗器(14、102)に通電した状態で抵抗器(14、104)にかかる電圧を用いて比較熱抵抗(Rth2)を求める。
この構成によれば、抵抗器(14、102)に通電する電流I0と電圧V0、Vcとから抵抗器(14、102)の発熱量Q0、Qcを算出することができる。これにより、算出した発熱量Q0、Qcを用いた演算により熱抵抗(Rth1、Rth2)の算出が可能となる。
また、本実施形態の接合部評価方法において、基準取得工程P2は、次に示す値を用いて抵抗器(14、102)の基準温度(T0)を求める。基準段階において、抵抗器(14、102)に通電した状態で抵抗器(14、102)に流れる電流I0、抵抗器(14、102)にかかる電圧V0、及び抵抗器(14、102)の抵抗温度係数(TCR)。温度取得工程P4は、比較段階において抵抗器(14、102)に通電した状態で抵抗器(14、102)に流れる電流I0、抵抗器(14、102)にかかる電圧Vc、及び抵抗器(14、102)の抵抗温度係数(TCR)から比較値(Tc)を求める。
この構成によれば、抵抗器(14、102)に流れる電流I0、抵抗器(14、102)にかかる電圧V0、Vc、及び抵抗器(14、102)の抵抗温度係数(TCR)から基準値(T0)及び比較値(Tc)を求める。このため、抵抗器(14、102)の温度測定が不要となる。
これにより、抵抗器(14、102)の温度を測定する温度センサの削減が可能となる。
さらに、本実施形態の接合部評価方法において、基準取得工程P2は、接合部(46、48)に負荷を掛ける前に実施され、温度取得工程P4は、接合部(46、48)に負荷を掛けた後に実施される。
この構成によれば、接合部(46、48)に負荷を掛ける前後において、接合部(46、48)に生ずる変化を評価することができる。
そして、本実施形態の評価用抵抗器102は、接合部評価方法で用いられる評価用抵抗器102である。評価用抵抗器102は、接合部(46)によって基板12に接合される第一端子26と、接合部(48)によって基板12に接合される第二端子28と、第一端子26及び第二端子28を接続する抵抗体30とを備える。抵抗体30は、第一端子26に近い位置に配置され第一端子26に接続される第一抵抗体112と、第二端子28に近い位置に配置され第二端子28に接続される第二抵抗体114とを備える。また、抵抗体30は、第一抵抗体112及び第二抵抗体114を電気的に接続する接続部116を備える。
この構成によれば、単一の抵抗体30を備えた抵抗器14と比較して、各抵抗体112、114からの熱が対応する端子(26、28)に伝達された状態において、各端子26、28の場所によって生じ得る温度差を小さくすることができる。
また、本実施形態の評価用抵抗器102は、抵抗温度係数(TCR)が、500ppm/℃以上である。
この構成によれば、抵抗温度係数(TCR)が、50ppm/℃未満に設定された一般的な抵抗器と比較して、温度変化に応じた抵抗値の変化を大きくすることができる。これにより、抵抗値の変化を利用した評価の精度を高めることが可能となる。
<第二実施形態>
第二実施形態に係る接合部評価方法を実施する接合部評価装置について、図13及び図14を用いて説明する。なお、第一実施形態と同一又は同等部分に関しては、第一実施形態と同符号を付して説明を割愛し、第一実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図13は、第二実施形態に係る接合部評価装置150のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図14は、第二実施形態に係る接合部評価装置150の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
(ハードウエア構成)
接合部評価装置150は、抵抗器(14、102)と抵抗器(14、102)が実装された基板12との接合部(46、48)を評価する装置である。本実施形態では、前述した評価用抵抗器102を使用した場合について説明する。
接合部評価装置150は、図13に示すように、コンピュータを構成するプロセッサ160を中心に構成されている。プロセッサ160には、通電部162と、電流測定部164と、電圧測定部166と、温度測定部168とが接続されている。また、プロセッサ160には、記憶部170と、入力部172と、表示部174と、報知部176と、時計部178と、通信部180とが接続されている。
通電部162は、プロセッサ160からの指示に従って基板12の電流経路104、106に定電流を供給し、評価用抵抗器102に通電する。電流測定部164は、評価用抵抗器102に流れる電流を電流経路104、106で測定してプロセッサ160に出力する。電圧測定部166は、評価用抵抗器102にかかる電圧を両電圧検出経路108、110で測定してプロセッサ160に出力する。温度測定部168は、恒温板120の温度を測定してプロセッサ160に出力する。
記憶部170は、プロセッサ160によってデータを読み出し可能に記憶する。入力部172は、利用者が入力したデータをプロセッサ160に送る。表示部174は、プロセッサ160からのデータに従って表示を行う。
報知部176は、プロセッサ160からのデータに従って報知を行う。時計部178は、現在の年月日及び時刻をプロセッサ160に出力する。通信部180は、プロセッサ160と外部装置との間でデータの送受信を可能とする。
(機能ブロック)
接合部評価装置150は、図14に示すように、基準熱抵抗取得部190と、比較熱抵抗取得部192と、評価部194とを備える。各部190、192、194は、プロセッサ160が記憶部170に記憶されたプログラムに従って動作することで実現される。
基準熱抵抗取得部190は、前述した基準熱抵抗取得工程を実施する。比較熱抵抗取得部192は、前述した比較熱抵抗取得工程を実施する。評価部194は、前述した評価工程P5を実施する。
基準熱抵抗取得部190は、次に示す値を用いて評価用抵抗器102の基準温度(T0)を求める。基準段階において、評価用抵抗器102に通電した状態で評価用抵抗器102に流れる電流I0、評価用抵抗器102にかかる電圧V0、及び評価用抵抗器102の抵抗温度係数(TCR)。基準熱抵抗取得部190は、基準温度(T0)及び基板12が配置される恒温板120の温度(Ta)を用いて接合部(46、48)の基準熱抵抗(Rth1)を取得する。
比較熱抵抗取得部192は、次に示す値を用いて評価用抵抗器102の比較温度(Tc)を求める。比較段階において、評価用抵抗器102に通電した状態で評価用抵抗器102に流れる電流I0、評価用抵抗器102にかかる電圧Vc、及び評価用抵抗器102の抵抗温度係数(TCR)。比較熱抵抗取得部192は、比較温度(Tc)及び基板12が配置される恒温板120の温度(Ta)を用いて接合部(46、48)の比較熱抵抗(Rth2)を取得する。
評価部194は、基準熱抵抗(Rth1)と比較熱抵抗(Rth2)と基づいて接合部(46、48)の接合状態を評価する。
(作用及び効果)
本実施形態の接合部評価装置150を用いることで、接合部評価方法を実施することができる。したがって、本実施形態においても、第一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、各実施形態では、信頼性試験の前後の熱抵抗の変化率から接合部(46、48)の接合状態を評価したが、これに限定されるものではない。一例として、信頼性試験の前後で生ずる抵抗器(14、102)の温度変化を、熱電対やサーモグラフィで測定し、その温度変化から接合部(46、48)の接合状態を評価してもよい。
また、本実施形態では、接合部(46、48)がはんだで構成された場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。一例として、接合部(46、48)が導電性接着剤で構成された場合であっても、接合部(46、48)の評価を行うことができる。
10、100 評価対象
14 抵抗器
26 第一端子
28 第二端子
30 抵抗体
46 第一接合部
48 第二接合部
102 評価用抵抗器
112 第一抵抗体
114 第二抵抗体
150 接合部評価装置
160 プロセッサ
190 基準熱抵抗取得部
192 比較熱抵抗取得部
194 評価部
P2 基準取得工程
P4 温度取得工程
P5 評価工程
Rth1 熱抵抗
Rth2 熱抵抗
TCR 抵抗温度係数
T0 温度
Ta 周囲温度
Tc 温度
V0 電圧
V1 電圧

Claims (7)

  1. 抵抗器と前記抵抗器が実装された基板との接合部を評価する接合部評価方法であって、
    前記抵抗器に通電した状態で得られる前記抵抗器の温度を取得する温度取得工程と、
    前記温度取得工程において取得される前記抵抗器の温度、及び基準となる前記接合部の状態において前記抵抗器に通電した状態で前記抵抗器が示す温度に基づいて、前記接合部の接合状態を評価する評価工程と、
    前記接合状態の基準となる基準状態において前記抵抗器に通電した状態で得られる前記抵抗器の温度を示す基準値を取得する基準取得工程と、を含み、
    前記温度取得工程は、前記基準状態を基準として前記接合部を比較する比較状態において、前記抵抗器に通電した状態で得られる前記抵抗器の温度を示す比較値を取得し、
    前記評価工程は、前記基準値及び前記比較値に基づいて前記接合部の状態を評価し、
    前記基準取得工程は、前記基準値を用いて前記基準状態における前記接合部の基準熱抵抗を求め、
    前記温度取得工程は、前記比較値を用いて前記比較状態における前記接合部の比較熱抵抗を求め、
    前記評価工程は、前記基準熱抵抗と前記比較熱抵抗とに基づいて前記接合部の前記接合状態を評価する、
    接合部評価方法。
  2. 請求項に記載の接合部評価方法であって、
    前記基準取得工程は、前記基準状態において前記抵抗器に通電した状態で前記抵抗器にかかる電圧を用いて前記基準熱抵抗を求め、
    前記温度取得工程は、前記比較状態において前記抵抗器に通電した状態で前記抵抗器にかかる電圧を用いて前記比較熱抵抗を求める、
    接合部評価方法。
  3. 請求項に記載の接合部評価方法であって、
    前記基準取得工程は、前記基準状態において前記抵抗器に通電した状態で前記抵抗器に流れる電流、前記抵抗器にかかる電圧、前記抵抗器の抵抗温度係数から前記基準値を求め、
    前記温度取得工程は、前記比較状態において前記抵抗器に通電した状態で前記抵抗器に流れる電流、前記抵抗器にかかる電圧、及び前記抵抗器の抵抗温度係数から前記比較値を求める、
    接合部評価方法。
  4. 請求項から請求項のいずれか一項に記載の接合部評価方法であって、
    前記基準取得工程は、前記接合部に負荷を掛ける前に実施され、
    前記温度取得工程は、前記接合部に負荷を掛けた後に実施される、
    接合部評価方法。
  5. 抵抗器と前記抵抗器が実装された基板との接合部を評価する接合部評価方法において、前記抵抗器に通電した状態で得られる前記抵抗器の温度を取得する温度取得工程と、前記温度取得工程において取得される前記抵抗器の温度、及び基準となる前記接合部の状態において前記抵抗器に通電した状態で前記抵抗器が示す温度に基づいて、前記接合部の接合状態を評価する評価工程と、を含む前記接合部評価方法で用いられる評価用抵抗器であって、
    前記接合部によって前記基板に接合される第一端子と、
    前記接合部によって前記基板に接合される第二端子と、
    前記第一端子及び前記第二端子を接続する抵抗体と、
    を備え、
    前記抵抗体は、前記第一端子に近い位置に配置され前記第一端子に接続される第一抵抗体と、前記第二端子に近い位置に配置され前記第二端子に接続される第二抵抗体と、前記第一抵抗体及び前記第二抵抗体を電気的に接続する接続部とを備える、
    評価用抵抗器。
  6. 請求項に記載の評価用抵抗器であって、
    抵抗温度係数が、500ppm/℃以上である、
    評価用抵抗器。
  7. 抵抗器と前記抵抗器が実装された基板との接合部を評価する接合部評価装置であって、
    前記接合部の接合状態の基準となる基準状態において、前記抵抗器に通電した状態で前記抵抗器に流れる電流、前記抵抗器にかかる電圧、及び前記抵抗器の抵抗温度係数から前記抵抗器の基準温度を求めるとともに、前記基準温度及び前記基板が配置される恒温板の温度を用いて前記接合部の基準熱抵抗を取得する基準熱抵抗取得部と、
    前記基準状態を基準として前記接合部を比較する比較状態において、前記抵抗器に通電した状態で前記抵抗器に流れる電流、前記抵抗器にかかる電圧、及び前記抵抗器の抵抗温度係数から前記抵抗器の比較温度を求めるとともに、前記比較温度及び前記恒温板の温度を用いて前記接合部の比較熱抵抗を取得する比較熱抵抗取得部と、
    前記基準熱抵抗と前記比較熱抵抗とに基づいて前記接合部の状態を評価する評価部と、
    を備えた接合部評価装置。
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