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JP7621587B2 - 磁気探査方法およびそのシステム - Google Patents
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Description

本発明は、地球上又は宇宙において、目視できない探査対象物、例えば土中もしくは水中などに埋没された磁性体を含む探査対象物を、その磁気成分から探査する磁気探査方法およびその磁気探査システムに関する。
地中に埋没された又は水中(海中も含む)に沈下した磁性体を含む探査対象物の位置や大きさを探査する磁気探査方法として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1の磁気探査方法は、第1コイルとその第1コイル軸線方向に離間して配置され、この第1コイルとは巻き方向が逆向きの第2コイルを有する磁界センサの出力波形を合成するものである。特許文献1の装置による磁気探査方法は、特許文献1の図6に示されているように、作業者が探査領域を磁界センサを担いで、地中に存在する磁性体を含む探査対象物を探査している。
特開2023-007073号公報
しかし、特許文献1の磁気探査方法では、探査対象物以外の磁性体があるとその影響を受けてしまい、探査対象物を正確に探査することができないことがある。
そこで、本発明は、より正確に探査対象物を探査する磁気探査方法およびそのシステムを提供することを目的とする。
本実施形態の磁性体を含む探査対象物を探査する磁気探査方法である。磁気探査方法は、探査対象物が存在すると推定される探査領域に座標系を設定し、該座標系における複数の計測点の磁界ベクトルを移動可能な第1磁界センサにより計測する工程と、探査領域で座標系における参照磁界ベクトルを計測する工程と、計測点で計測した各磁界ベクトルと参照磁界ベクトルとのベクトル差分を計算する工程と、計測点ごとのベクトル差分に基づいて、探査対象物の位置を推定する工程と、を有する。
この参照磁界ベクトルを計測する工程は、探査領域及び/又はその近傍に参照磁界ベクトルを計測する参照磁界センサを一つもしくは二つ以上を設置する工程を備え、
一つの参照磁界センサが計測した参照磁界ベクトルを参照磁界ベクトルとみなす、もしくは二つ以上の参照磁界センサが計測した参照磁界ベクトルの平均値を参照磁界ベクトルとみなすことが好ましい。
またベクトル差分を計算する工程は、第1磁界センサにより複数の計測点の磁界ベクトルを計測したそれぞれの時刻と、参照磁界センサが参照磁界ベクトルを計測した時刻とが同期することが好ましい。
本実施形態の磁性体を含む探査対象物を探査する磁気探査方法である。磁気探査方法は、探査対象物が存在すると推定される探査領域に座標系を設定し、該座標系における複数の計測点の探査磁界ベクトルを移動可能な第1磁界センサにより計測する工程と、第1磁界センサで計測された探査磁界ベクトルに基づいて参照磁界ベクトルを計算する工程と、計測点で計測した各探査磁界ベクトルと参照磁界ベクトルとのベクトル差分を計算する工程と、計測点ごとのベクトル差分に基づいて、探査対象物の位置を推定する工程と、を有する。
移動可能な第2磁界センサによって、探査領域の磁界ベクトルを複数点計測して、複数点の磁界ベクトルの平均値を参照磁界ベクトルとみなしてもよい。また、第1磁界センサと第2磁界センサとが同一の磁界センサであってもよい。
探査対象物の位置を推定する工程は、計測点ごとに、ベクトル差分を合成する探査対象物のS極によるS磁界ベクトルとN極によるN磁界ベクトルとを計算し、計測点と別の計測点との間の距離を計算し、計測点及び別の計測点のS磁界ベクトルの交差角度、計測点及び別の計測点のN磁界ベクトルの交差角度、及び距離に基づき、探査対象物の位置を推定しても良い。また、探査対象物の位置を推定する工程は、計測点及び別の計測点のS磁界ベクトルの交差角度と距離とに基づき、探査対象物のS極の位置を推定し、計測点及び別の計測点のN磁界ベクトルの交差角度と距離とに基づき、探査対象物のN極の位置を推定し、S極とN極との位置に基づいて、探査対象物の大きさを推定しても良い。
本実施形態の磁性体を含む探査対象物を探査する磁気探査システムは、探査対象物が存在すると推定される探査領域に座標系における複数の計測点の探査磁界ベクトルを計測する、移動可能な第1磁界センサと、探査領域で座標系における参照磁界ベクトルを計測する参照磁界センサと、計測点で計測した各探査磁界ベクトルと参照磁界ベクトルとのベクトル差分を計算する差分計算部と、計測点ごとのベクトル差分に基づいて、探査対象物の位置を推定する推定部と、を有する。
また本実施形態の磁性体を含む探査対象物を探査する磁気探査システムは、探査対象物が存在すると推定される探査領域に三次元直交座標系における複数の計測点の探査磁界ベクトルを計測する、移動可能な第1磁界センサと、第1磁界センサの探査磁界ベクトルに基づいて、探査領域の参照磁界ベクトルを計算する計算部と、計測点で計測した各探査磁界ベクトルと参照磁界ベクトルとのベクトル差分を計算する差分計算部と、計測点ごとのベクトル差分に基づいて、探査対象物の位置を推定する推定部と、を有する。
本発明の磁気探査方法は、より正確に探査対象物の位置を探査することができる。
空中を飛ぶ無人飛行機を使って探査対象物を探査する磁気探査システム100を示す図である。 磁性体を含む探査対象物がある場合と無い場合との地磁気のイメージ断面図である。 陸上を走る車両により探査対象物を探査する磁気探査システム110を示す図である。 参照磁界センサ20又は探査磁界センサ30の概念斜視図である。 (A)は磁気探査方法1のフローチャートである。(B)は探査磁界ベクトルから参照磁界ベクトルを計算する第1例である。(C)は探査磁界ベクトルから参照磁界ベクトルを計算する第2例である。 磁気探査方法2のフローチャートである。 計測された探査磁界ベクトルEF、参照磁界ベクトルRF、探査対象物MMの磁界ベクトルMF、N極によって生じる磁界ベクトルMN及びS極によって生じる磁界ベクトルMSの関連性を示す概念図である。なお、図7は東京都の位置を東側から見た概念図である。 (A)は探査対象物MMによる磁束線上に探査対象物MMによる磁界ベクトルMFが存在する概念図である。(B)は計測点SU1及びSU2での磁界ベクトルMS及び磁界ベクトルMNに基づいて、探査対象物MMの位置と大きさを推定する概念図である。なお、(A)(B)は東京都の位置を東側から見た概念図である。
以下、出願人は、本発明に係る実施の形態を、図を参照しながら詳しく説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また各図面では実際の寸法通りに描かれていない。
<第1実施形態>
<磁気探査システムの概要1>
図1は、第1実施形態の磁気探査システム100の概念図であり、水中WAに沈下した磁性体を含む探査対象物MMを空中を飛ぶ無人飛行機(一般に空中ドローンと呼ばれる。)45を使って 探査している状態を示している。磁気探査システム100は、1つ以上の探査磁界センサ30と、探査磁界センサ30からの三次元直交座標系(以下、座標系と言う。)の探査磁界ベクトル(以下、探査磁界という。)等を演算するコンピュータ50とを含んでいる。探査磁界センサ30は、探査対象物MMが存在すると推定される探査領域の上空で移動できるように、無人飛行機45に搭載される。探査磁界センサ30の詳細は後述する。
なおコンピュータ50は、地表SEに配置されたコンピュータである必要はなく、作業者が携帯するスマートフォンであっても、クラウド上の仮想コンピュータであってもよい。また探査磁界センサ30が探査磁界を演算するコンピュータ50を含んでいても良い。
無人飛行機45は、参照磁界ベクトル(以下、参照磁界という。)用と探査磁界用とで、異なる高さの探査領域を飛行することが好ましい。探査対象物MMを探査するときには、無人飛行機45は、水面又は地表より高さh0で探査領域の面39を飛行し、探査磁界センサ30は、探査磁界(DX,DY、DZ)を出力する。高さh0は、作業者もしくは障害物等がなければ、水面もしくは地表より0.5mから2m上であればよい。できるだけ探査対象物MMに近い高さで飛行する方が好ましい。なぜなら、探査対象物MMに近い方が探査対象物MMの磁界の影響を受けやすいからである。図1では高さh0の探査領域39に24点の計測点(探査点)SUが描かれているが、例えば1秒ごとのサンプリング周期で探査磁界センサ30が探査磁界を出すのであれば、何万点の計測点に達する。
探査磁界センサ30の探査磁界は、有線通信もしくは無線通信で、コンピュータ50に送信される。探査磁界センサ30に通信機能がなくても、探査磁界センサ30から探査磁界を携帯可能な記録媒体(SD(登録商標)カード、USBメモリ等)に記憶させて、作業者がその記録媒体をコンピュータ50に接続しても良い。
参照磁界用に無人飛行機45が飛行するときは、水面又は地表より高さh5で探査領域35を飛行し、探査磁界センサ30は参照磁界用の探査磁界を出力することが好ましい。高さh5は、探査対象物MMによる磁界のひずみが小さくなるようにするため、できるだけ高い上空、例えば20m以上上空を飛行することが好ましい。高さh5の探査領域35で24点の計測点SUが描かれているが、実際には何万点の計測点に達する。なお、図1では探査領域35及び探査領域39も1つの領域として描かれているが、非常に広い探査領域であれば複数の探査領域に分割してもよい。
コンピュータ50は探査磁界に基づいて参照磁界を計算する参照磁界計算部51と、計測点で計測した各探査磁界と参照磁界とのベクトル差分を計算する差分計算部53と、計測点ごとのベクトル差分に基づいて、探査対象物の位置と大きさとを推定する位置推定部55とを有している。さらにコンピュータ50は通信部などを有していても良い。
(地磁気に関して)
出願人は、ここで図2を使って、探査対象物MMにより生じる地磁気の変化について説明する。図1と同様に、探査対象物MMが水中WAに沈下した状態を描いているが、図2ではその断面イメージ図を描いている。図2中、斜めに引いた平行な点線が探査対象物MMの影響が小さい状態(もしくは探査対象物MMが無い状態)の地磁気で、実線の曲線は探査対象物MMによる磁界の歪みを示している。
無人飛行機45に搭載された探査磁界センサ30は、高さh0の探査領域の面39内の計測点SUで探査磁界を計測し、その探査磁界を出力する。探査対象物MMが無い状態では、点線で描かれる矢印(ベクトル)のような出力信号RFであり、方向及び大きさがほぼ一定のベクトルである。但し厳密には地磁気は時間・場所等で変化する。一方、探査対象物MMが存在する状態では、実線で描かれるような出力信号EFであり、出力信号EFの方向及び大きさが探査対象物MMに引っ張られるようなベクトルなる。本実施形態では、探査対象物MMの影響がほぼ無い状態又は探査対象物MMの影響を小さくした状態の参照磁界RFと探査対象物MMがある状態の探査磁界EFとのベクトル差分に基づいて、探査対象物MMの位置及び/又は大きさを推定する。
参照磁界RFと探査磁界EFとのベクトル差分の計測点SUが多い方が、探査対象物MMの位置及び/又は大きさを推定する精度が向上する。高さh0の探査領域の面39は1層だけでなく,高さh1の探査領域の面38を含む2層にしたりして、層を増やせば計測点が多くなり、より探査対象物MMの位置及び/又は大きさを推定する精度が向上する。なお、図1及び図2では、探査領域の面の計測点SUの高さが一定である前提で説明されているが、探査領域の高さが計測点ごと変動しても良い。また無人飛行機45が飛行中、ロール軸、ピッチ軸又はヨー軸を中心に回転することがあり、その際、探査磁界センサ30もロール軸、ピッチ軸又はヨー軸を中心に回転する。後述するように、設定される座標系に合致するように、探査磁界センサ30の三軸の出力信号(DX,DY、DZ)は、補正されることが好ましい。
なお、第1実施形態では、高さh5の探査領域35で複数の計測点での探査磁界に基づいて、参照磁界RFを計算していたが、高さh0の探査領域の面39での探査磁界に基づいて、参照磁界RFを計算することも可能である。
また第1実施形態では、以下の第2実施形態で説明される参照磁界センサ20が用意されていないが、参照磁界センサ20が1つ以上用意されてもよい。この参照磁界センサ20を使って、参照磁界が計測されてもよい。さらに参照磁界センサ20の参照磁界と、無人飛行機45に搭載された探査磁界センサ30の探査磁界との両方に基づいて、参照磁界を計算するようにしても良い。
<第2実施形態>
<磁気探査システムの概要2>
図3は、第2実施形態の磁気探査システム110の概念図であり、地中に埋没された磁性体を含む探査対象物MMを陸上を走る車両47を使って探査している状態を示している。磁気探査システム110は、1つ以上の参照磁界センサ20と、1つ以上の探査磁界センサ30と、参照磁界センサ20の参照磁界又は探査磁界センサ30の探査磁界に基づいて探査対象物MMの位置を推定するコンピュータ50とを含んでいる。探査磁界センサ30は、探査対象物MMが存在すると推定される探査領域を移動できるように、車両47に搭載される。つまり、第2実施形態では、第1実施形態で用意されていなかった参照磁界センサ20が用意されている。コンピュータ50は第1実施形態と同様に、スマートフォンもしくはクラウドコンピュータ等であってもよい。
参照磁界センサ20は、例えば1秒ごとに参照磁界(DX,DY、DZ)を出力する。参照磁界センサ20は、車両47に搭載された探査磁界センサ30により探査している間、例えば地表SEに設置される。探査領域が狭い場合には、1つの参照磁界センサ20が設置されれば足り、探査領域が広い場合には、複数の参照磁界センサ20が設置されてもよい。図3において、地面SEに参照磁界センサ20-1から参照磁界センサ20-4の4つが、例えば100m間隔の正方形の頂点に設置されている。なお、参照磁界センサ20は、車両47が移動する探査領域内に配置されても良いし、探査領域外の近傍に配置されても良い。またいくつかの参照磁界センサ20が探査領域内で、残りの参照磁界センサ20が探査領域外であってもよい。
参照磁界センサ20が地面SEに設置される際、地表の形状によって傾いて設置されたりしてもよい。後述するように、設定される座標系に合致するように、4つの参照磁界センサ20の三軸の出力信号(DX,DY、DZ)は、補正される。4つの参照磁界センサ20の出力信号(DX,DY、DZ)は、有線通信もしくは無線通信で、コンピュータ50に送信される。参照磁界センサ20に通信機能がなくても、参照磁界センサ20から出力信号を携帯可能な記録媒体に転送させて、作業者がその携帯可能な記録媒体をコンピュータ50に接続しても良い。
参照磁界センサ20は、探査磁界センサ30と同じ構成であってもよく、一定時間ごと(例えば1秒ごと)に出力信号(DX,DY、DZ)を出力する。探査磁界センサ30は、車両47に2以上搭載されてもよく、複数搭載される場合には、探査磁界センサ30は、できるだけ離れた方が好ましい。なお第1実施形態では、車両47はラジコンカーを想定しているが、車両47の代わりに、作業者が探査磁界センサ30を持って歩いても良い。
第2実施形態では、参照磁界センサ20が4つ用意された例を示しているが、第1実施形態のように参照磁界センサ20が無くてもよい。参照磁界センサ20が無い場合には、車両47で探査領域の地表を動き回ることで得られた1つの探査磁界センサ30の探査磁界に基づいて、参照磁界を求めることもできる。
<参照磁界センサ(探査磁界センサ)>
参照磁界センサ20と探査磁界センサ30とは、基本的に同じ構造で良いため、出願人は、参照磁界センサ20を代表して説明する。
図4に示される参照磁界センサ20は、土台部23と土台部23に取り付けられた棒状部21とから構成される。棒状部21は直交座標系に向くように3本の棒が交差する形状に形成されている。参照磁界センサ20は、さらに図示しない保護カバー又は地表に設置するための固定杭等を備えても良い。棒状部21及び土台部23は、合成樹脂などの非磁性体の材料で製作されることが好ましい。
参照磁界センサ20は、特定の軸方向の感度を有する磁界センサ22として例えばソレノイドコイルを用い、三軸方向に配置されたソレノイドコイルを組み合わせている。つまり、X軸方向に伸びた棒状部21にはX軸ソレノイドコイル22Xが、Y軸方向に伸びた棒状部21にはY軸ソレノイドコイル22Yが、Z軸方向に伸びた棒状部21にはZ軸ソレノイドコイル22Zが配置されている。特に磁界センサはソレノイドコイルに限られず、フラックスゲート型磁界センサ等が用いられても良い。これら各軸の磁界センサ22からアナログ信号は、ローパスフィルタ及びA/D変換器等を介して、デジタル信号に変換され、出力信号(DX,DY、DZ)として出力される。なお、出力信号は計測された時刻とともに出力されることが好ましい。
参照磁界センサ20は、さらに位置・方位検出部24、通信部26、時計、電池等を有している。参照磁界センサ20は、磁界センサ22の参照磁界の出力を、設定される座標系に補正する演算部(CPU)を有していてもよい。
位置・方位検出部24は、参照磁界センサ20の位置を特定する。また位置・方位検出部24は、磁界センサ22の方向が変動したりもしくは傾いたりした場合に、座標系に補正するため、参照磁界センサ20の方位等を検出する。地表SE等に設置された参照磁界センサ20は、例えば傾いた地表SEに設置されることがある。また車両47もしくは無人飛行機45に搭載された探査磁界センサ30は、移動中に振動などによって方向が変動したり回転したりする。このため、磁界センサ22の各軸方向は、必ずしもXYZ軸方向に向いていないため、この各軸方向の出力信号を設定される座標系に補正することが望ましい。位置・方位検出部24は、参照磁界センサ20の位置・方位を検出する。位置・方位検出部24は、具体的にはGNSS(Global Navigation Satellite System)、カメラ計測、又はレーザー計測等の自己位置特定装置が含まれる。さらに慣性装置(加速度センサもしくはジャイロセンサからなるモーションセンサ等)等の自己位置特定装置が含まれても良い。なお、参照磁界センサ20が、位置・方位検出部24を有さない場合には、不図示の測量器等で参照磁界センサ20の位置・方位を測量して、参照磁界センサ20の位置・方位を特定してもよい。つまり測量器が位置・方位検出部24の代わりになる。位置・方位の信号は計測された時刻とともに出力されることが望ましい。
通信部26は、磁界センサ22の出力信号、位置・方位検出部24の位置及び方位信号をコンピュータ50に有線・無線で送信する。なお、参照磁界センサ20が、通信部28を有さない場合には、作業者が参照磁界センサ20から参照磁界の出力を携帯可能な記録媒体に転送させて、その携帯可能な記録媒体をコンピュータ50に接続させても良い。
第1実施形態及び第2実施形態の参照磁界センサ20(探査磁界センサ30)は地磁気に対してきわめて小さい磁界の強度を検出するため、磁界センサの三軸方向の感度特性は正確に補正されることが好ましい。このため、三軸方向の磁界センサ22の感度、オフセット、軸ズレを等しくすることが好ましい。これら磁界センサの感度、オフセット、軸ズレを等しくするため、参照磁界センサ20に所定の補正係数を組み込むことが望ましい。補正係数は、参照磁界センサ20のソレノイドコイル22を回転台(図示しない)の回転軸に一致させて回転台に載置する。そして回転台を回転させて、参照磁界センサ20の出力を求め、その出力の変動を一定にする補正係数を求め、その補正係数をメモリなどに記憶させれば良い。
<磁気探査方法1>
図5(A)は、第1実施形態及び第2実施形態の磁気探査システムで使用される磁気探査方法を示したフローチャートである。図5(A)は、磁気探査システム100又は磁気探査システム110が参照磁界センサ20を含まない場合の例である。このため、参照磁界センサ20が描かれていない図1を必要に応じて参酌する。
ステップS51では、無人航空機45又は車両47に搭載された探査磁界センサ30が、所定時間ごと(サンプリング周期)に、三軸方向(X,Y,Z)の探査磁界を計測する。この計測に合わせて、位置・方位検出部24が探査磁界センサ30の位置を検出するとともに、設定される座標系から探査磁界センサ30の三軸方向がどれだけズレているか(三軸方向のロール軸、ピッチ軸又はヨー軸も含む)を検出する。なお設定される座標系は、例えば地球の東方向(+y方向)、北方向(+x方向)及び東西南北を含む面の法線方向(z方向)を三次元直交座標としてもよい。その他任意の座標系が設定されてもよい。
図1を参酌すると、無人航空機45に搭載された探査磁界センサ30が、高さh5の探査領域35で複数の計測点SU(時間t0、t1……t99)で探査磁界を計測する。さらに無人航空機45は高さh0に移動し、高さh0で探査領域の面39を飛行し、探査磁界センサ30は複数の計測点SU(時間t100、t101……t199)で探査磁界を計測する。なお、先に無人航空機45が高さh0で探査領域の面39を飛行し、その後高さh5の探査領域35を飛行して、探査磁界を計測しても良い。参照磁界用に別の無人飛行機に搭載された探査磁界センサが探査磁界を計測しても良い。
ステップS52では、ステップS51で計測された探査磁界(時間t0、t1……t100、……t199)が、探査磁界センサ30に設けられた位置・方位検出部24で検出された位置・方位に基づいて、設定される座標系に補正される。つまり、ステップS51及びS52で、座標系における計測点の探査磁界を計測することになる。
ステップS53では、補正された探査磁界から参照磁界が計算される。その計算方法は、図5(B)及び(C)で詳細が説明される。
ステップS54では、差分計算部53が、ステップS52を経た探査磁界EF(座標補正済)と、ステップS53の参照磁界RF(座標補正済)とのベクトル差分を計算する。このベクトル差分は、探査対象物MMにより生じる対象磁界ベクトルとみなすことができる。この探査対象物MMのみにより生じる磁界ベクトルを対象磁界ベクトル(以下、対象磁界と言う。)MFと呼ぶ。また磁性体を含む探査対象物MMは、地磁気によりS極とN極とを有する。
ステップS55では、ステップS54で求められたベクトル差分(対象磁界MF)に基づいて、位置推定部55が、探査対象物MMのN極によって生じるN磁界ベクトル(以下、N磁界と言う。)MN及びS極によって生じる磁界ベクトル(以下、S磁界と言う。)MSを計算する。さらに位置推定部55は、ある計測点SUと別の計測点SUとの距離LLを計算する。複数の計測点のN磁界MN、S磁界MS及びそれら複数の計測点間の距離LLが計算されることで、位置推定部55は、探査対象物MMの位置及び/又は大きさを推定することができる。探査対象物MMの位置及び大きさの推定計算については図7及び図8で後述される。
なお、上記説明では、無人航空機45に搭載された探査磁界センサ30が、高さh0の探査領域39と高さh5の探査領域35とで探査磁界を計測した。しかし、高さh5の探査領域35で計測せず、高さh0の探査領域39での計測で得られた探査磁界で参照磁界を計算するようにしても良い。但し、この参照磁界は、探査対象物MMにより生じる磁界の影響を受けやすくなる。またステップS51のみを探査磁界センサ30で行い、ステップS52-S55をコンピュータ50で計算するようにしてもよいし、ステップS51-S55を探査磁界センサ30内で計算しても良い。
(時間的な平均による参照磁界の計算)
図5(B)は、探査磁界センサ30が計測した探査磁界に基づいて、参照磁界計算部51が参照磁界を計算する第1例である。第1例は、異なる時間(t0―t99)に計測された探査磁界を平均し、その平均値を参照磁界とする方法である。例えば図1において、無人航空機45は高さh5で探査領域35の全領域を時間t0から時間t99まで飛行して、時間ごとに探査磁界を計測する。参照磁界計算部51は、計測された100個の探査磁界を平均することで、参照磁界とする。なお、計測されたすべての探査磁界を平均化する以外に、明らかに異常信号を含む探査磁界と判断できる場合には、参照磁界計算部51は、それらの探査磁界を除いて平均化したり、時間t0、t9、t19……t99と離散的な探査磁界を平均化しても良い。
(空間的な平均による参照磁界の計算)
図5(C)は、探査磁界センサ30が計測した探査磁界に基づいて、参照磁界計算部51が参照磁界を計算する第2例である。参照磁界計算部51は、異なる位置で計測された探査磁界を平均し、その平均値を参照磁界とする。例えば、参照磁界計算部51は図1に示された高さh5の探査領域35の24点での探査磁界を平均化することで、参照磁界とする。
(その他の方法による参照磁界の計算)
特に図示しないが、特に無人航空機45のように地表又は水面から高く離れることができる場合(例えば100m)には、100m上で探査磁界センサ30が計測した探査磁界の1計測のみで、参照磁界とすることも可能である。100m以上の高度になれば地中又は水中に埋没された埋探査対象物MMの磁界の影響をあまり受けないからである。
<磁気探査方法2>
図6は、第1実施形態及び第2実施形態の磁気探査システムで使用される磁気探査方法を示したフローチャートである。図6は、磁気探査システム100又は磁気探査システム110が参照磁界センサ20を含む場合の例である。このため、参照磁界センサ20が描かれている図3を必要に応じて参酌する。
ステップS61では、地表などに設置された参照磁界センサ20が所定時間(サンプリング周期(t0-t99))ごとに、三軸方向(X,Y,Z)の参照磁界を計測することが好ましい。この計測に合わせて、位置・方位検出部24が参照磁界センサ20の位置を検出するとともに、設定される座標系から参照磁界センサ20の三軸方向がどれだけズレているか(三軸方向のロール軸、ピッチ軸又はヨー軸も含む)を検出する。なお参照磁界センサ20は地表SEに設置されているため、位置・方位検出部24はサンプリング周期毎に検出する必要はなく、一度だけ検出しても良い。図3を参酌すると、車両47が走行する探査領域外の近傍に参照磁界センサ20が4つ設置されているが、参照磁界センサ20が探査領域内に設置されてもよい。
ステップS62では、ステップS61で計測された参照磁界(時間t0、t1……t99)は、参照磁界センサ20の位置・方位検出部24で検出された位置・方位に基づいて、設定される座標系に補正される。つまりステップS61及びS62で、設定される座標系の参照磁界が計測されることになる。
ステップS63では、4つの参照磁界センサ20から出力された参照磁界(座標補正済)がサンプリング周期毎に平均化され、参照磁界とみなされる。なお、1つの参照磁界センサ20しか設置されなかった場合には、その1つの参照磁界(座標補正済)がサンプリング周期毎の参照磁界とみなされる。サンプリング周期とは関係なく、すべてのサンプリング周期の参照磁界を平均化して、それを参照磁界とみなすことも可能である。
ステップS64では、無人航空機45又は車両47に搭載された探査磁界センサ30が、所定時間(サンプリング周期(t0-t99))ごとに、三軸方向(X,Y,Z)の探査磁界を計測する。この計測に合わせて、位置・方位検出部24が探査磁界センサ30の位置を検出するとともに、設定される座標系から探査磁界センサ30の三軸方向がどれだけズレているか(三軸方向のロール軸、ピッチ軸又はヨー軸も含む)を検出する。説明の都合上、ステップS64はステップS61の後に説明されているが、地磁気は時間により変動するので、ステップS64はステップS61に同期して(1秒未満の計測時刻の違いは、同期とする)探査磁界を計測することが好ましい。
ステップS65では、ステップS64で計測された探査磁界(時間t0、t1……t99)が、位置・方位検出部24で検出された位置・方位に基づいて、設定される座標系に補正される。つまりステップS64及びS65で、座標系における計測点の探査磁界が計測されることになる。
ステップS66では、差分計算部53は、ステップS63の参照磁界RFとステップS65を経た探査磁界EFとのベクトル差分を時間(t0-t99)ごとに計算することが好ましい。厳密には地磁気は時間ごとに変化するため、ベクトル差分が時間ごとに計算されると、良い精度のベクトル差分を得ることができる。このベクトル差分は、探査対象物MMにより生じる対象磁界ベクトルとみなすことができる。
ステップS67では、ステップS66で求められたベクトル差分(対象磁界MF)に基づいて、位置推定部55は、探査対象物MMのN極によって生じるN磁界MN及びS極によって生じるS磁界MSを計算する。さらに位置推定部55は、ある計測点SUと別の計測点SUとの距離LLを計算する。複数の計測点のN磁界MN、S磁界MS及びそれら複数の計測点間の距離LLが計算されることで、位置推定部55は、探査対象物MMの位置及び大きさを推定することができる。探査対象物MMの位置及び大きさの推定計算については図7及び図8で後述される。
なお、図6で示された磁気探査方法2では、探査磁界センサ30から出力された探査磁界は参照磁界用に使用されなかった。しかし、参照磁界センサ20からの参照磁界と探査磁界センサ30からの探査磁界の平均値とを合成して、参照磁界とすることも可能である。
(探査対象物MMの位置及び大きさ)
ステップS55及びS67で推定される探査対象物MMの位置及び/又は大きさを推定する方法が、図7及び図8を使って説明される。
図7及び図8は、東京都の位置で磁気探査をする場合の例で、東から西方向を見た概念図である。東京都では地磁気が伏角49°であり、図7及び図8は、地磁気が伏角49°で偏角0°で描かれた平面図である。伏角及び偏角は、図7の左下図で説明されている。
図7及び図8では、2つの計測点SU1、SU2で探査磁界EFが計測された例が示される。また磁性体を含む探査対象物MMは、地表SEからある深さに埋没した地中にあり、地磁気によるS極とN極とを有している。参照磁界RFは、図5又は図6のフローチャートで説明した通り、探査磁界EFに基づいて算出された参照磁界、及び/又は参照磁界センサ20から出力された参照磁界の少なくとも一方である。
図7において、計測点SU1及びSU2の磁界ベクトルが丸で囲まれた範囲に拡大されて示されている。探査対象物MMの対象磁界MFは、探査磁界EFから参照磁界RFを差し引いたベクトル差分(対象磁界MF)である。この対象磁界MFは、探査物MMのS極によるS磁界MS(二点鎖線)とN極によるN磁界MN(一点鎖線)との合成ベクトルである。位置推定部55は、ベクトル差分に基づいてS磁界MSとN磁界MNとを計算する。
図8(A)は、探査対象物MMのS極及びN極を通る一つの磁束線FLを示した概念図である。対象磁界MFは、磁束線FL上に存在する。図8(A)では、理解を助けるために、計測点SU1を通る磁束線と計測点SU2を通る磁束線とが同一磁束線FL上に存在している例が示されている。多くの場合、計測点SUが異なると異なる磁束線を通るのが一般的である。
図8(B)は、N磁界MN及びS磁界MSに基づいて、探査対象物MMの位置と大きさを推定する概念図である。探査磁界センサ30に設けられた位置・方位検出部24を使って、計測点SU1及びSU2の位置(x,y,z)は検出されている。つまり、位置推定部55は、計測点SU1と計測点SU2との間の距離LLを計算できる。また位置推定部55は、計測点SU1のS極によるS磁界MS(二点鎖線)と計測点SU2のS極によるS磁界MS(二点鎖線)との交差角度を計算することができる。交差角度と距離LLとに基づいて、計測点SU1又は計測点SU2からの距離が計算できる。これにより、探査対象物MMのS極の位置(x,y,z)が推定できる。同様に、位置推定部55は、計測点SU1のN極によるN磁界MN(一点鎖線)と計測点SU2のN極によるN磁界MN(一点鎖線)との交差角度及び距離LLに基づいて、計測点SU1又は計測点SU2からの距離が計算できる。これにより、位置推定部55は、探査対象物MMのN極の位置(x,y,z)が推定できる。つまり位置推定部55は、S極の位置とN極の位置とを2分した位置を、探査対象物MMの位置と推定できる。S極の位置とN極の位置とを2分した位置ではなく、S極の位置もしくはN極の位置を探査対象物MMの位置と推定しても良い。
また探査対象物MMのS極の位置とN極の位置との距離が計算できるため、この距離に基づいて探査対象物MMの大きさを推定することができる。
第1実施形態では無人飛行機45を使った磁気探査システムを説明し、第2実施形態では陸上を走る車両47を使った磁気探査システムを説明した。特に深い水中(海中)での探査対象物MMを探査する場合には、無人潜水艦(水中ドローン)を使用すれば良い。水中であっても参照磁界センサ20は参照磁界又は探査磁界センサ30は探査磁界を計測できる。一方、GNSS等の位置・方位検出部24は、水中では使用できないため、音響測位、レーザー計測、慣性装置等を使用する少なくとも一つ以上の自己位置特定が好ましい。GNSSが位置・方位検出部24の場合には、位置・方位検出部24を水上に浮かばせるようにすることが好ましい。また水中の参照磁界センサ20又は探査磁界センサ30の磁界の出力信号は、音響通信もしくは光通信で又はケーブルを使った有線通信等で、出力されることが好ましい。
第1実施形態及び第2実施形態では、地球上での磁性体を含む探査対象物を探査する方法を主として説明してきた。しかし、本実施形態は、月もしくは火星等の宇宙において探査対象物を探査することもできる。例えば衛星もしくは惑星の表面では、第2実施形態で説明したように、衛星もしくは惑星の地表面を移動する探査車(ローバー)に探査磁界センサ30を搭載して、探査磁界を計測することができる。また、衛星や惑星の表面を極めて低い高度で飛ぶことができる探査機(プロペラで浮揚もしくはガス噴射で浮揚)に探査磁界センサ30を搭載して、探査磁界を計測することができる。
なお、衛星もしくは惑星等の宇宙では、位置・方位検出部24としてGNSSは使用できないが、カメラ計測、レーザー計測、慣性装置等の少なくとも1以上の位置・方位検出部24を使用して、参照磁界センサ20もしくは探査磁界センサ30の位置・方位を検出することができる。
第1実施形態及び第2実施形態では、主に土中もしくは水中などに埋没された磁性体を含む探査対象物を探査する方法を主として説明してきた。しかし、これに限られるわけでない。例えば茂った木々で覆われている探査対象物、隙間に落ちて見つけにくい探査対象物など、本実施形態のシステム及び方法は、目視できない探査対象物を探査できる。また、探査磁界センサ30を人体の周辺で移動させて、その探査磁界からカプセル型の胃カメラの位置を探査することも可能である。
100,110 … 磁気探査システム
20 … 参照磁界センサ、 24 …位置・方位検出部、 26 … 通信部
30 … 探査磁界センサ
45 … 無人飛行機、 47 … 車両
50 … コンピュータ
EF … 探査磁界ベクトル、 RF … 参照磁界ベクトル
MM … 探査対象物、 MF … 探査対象物の対象磁界ベクトル、
MN … N極によるN磁界ベクトル、 MS … S極によるS磁界ベクトル
SE … 地表、 SU(SU1、SU2) … 計測点

Claims (10)

  1. 磁性体を含む探査対象物を探査する磁気探査方法であって、
    前記探査対象物が存在すると推定される探査領域に三次元直交座標系(以下、座標系という。)を設定し、該座標系における複数の計測点の磁界ベクトルを移動可能な第1磁界センサにより計測する工程と、
    前記探査領域で前記座標系における参照磁界ベクトルを計測する工程と、
    前記計測点で計測した各磁界ベクトルと前記参照磁界ベクトルとのベクトル差分を計算する工程と、
    前記計測点ごとのベクトル差分に基づいて、前記探査対象物の位置を推定する工程と、
    を有する、磁気探査方法。
  2. 前記参照磁界ベクトルを計測する工程は、前記探査領域及び/又はその近傍に参照磁界ベクトルを計測する参照磁界センサを一つもしくは二つ以上を設置する工程を備え、
    一つの前記参照磁界センサが計測した前記参照磁界ベクトルを前記参照磁界ベクトルとみなす、もしくは二つ以上の前記参照磁界センサが計測した前記参照磁界ベクトルの平均値を前記参照磁界ベクトルとみなす、請求項1に記載の磁気探査方法。
  3. 前記ベクトル差分を計算する工程は、前記第1磁界センサにより複数の計測点の磁界ベクトルを計測したそれぞれの時刻と、前記参照磁界センサが前記参照磁界ベクトルを計測した時刻とが同期する、請求項2に記載の磁気探査方法。
  4. 磁性体を含む探査対象物を探査する磁気探査方法であって、
    前記探査対象物が存在すると推定される探査領域に三次元直交座標系(以下、座標系という。)を設定し、該座標系における複数の計測点の探査磁界ベクトルを移動可能な第1磁界センサにより計測する工程と、
    前記第1磁界センサで計測された探査磁界ベクトルに基づいて参照磁界ベクトルを計算する工程と、
    前記計測点で計測した各探査磁界ベクトルと前記参照磁界ベクトルとのベクトル差分を計算する工程と、
    前記計測点ごとのベクトル差分に基づいて、前記探査対象物の位置を推定する工程と、
    を有する、磁気探査方法。
  5. 移動可能な第2磁界センサによって、前記探査領域の磁界ベクトルを複数点計測して、複数点の前記磁界ベクトルの平均値を前記参照磁界ベクトルとみなす、請求項4に記載の磁気探査方法。
  6. 前記第1磁界センサと前記第2磁界センサとが同一の磁界センサである、請求項5に記載の磁気探査方法。
  7. 前記探査対象物の位置を推定する工程は、
    前記計測点ごとに、前記ベクトル差分を合成する前記探査対象物のS極によるS磁界ベクトルとN極によるN磁界ベクトルとを計算する工程と、
    前記計測点と別の前記計測点との間の距離を計算する工程と、
    前記計測点及び別の前記計測点の前記S磁界ベクトルの交差角度、前記計測点及び別の前記計測点の前記N磁界ベクトルの交差角度、及び前記距離に基づき、前記探査対象物の位置を推定する、請求項1又は請求項4に記載の磁気探査方法。
  8. 前記探査対象物の位置を推定する工程は、
    前記計測点及び別の前記計測点の前記S磁界ベクトルの交差角度と前記距離とに基づき、前記探査対象物のS極の位置を推定し、
    前記計測点及び別の前記計測点の前記N磁界ベクトルの交差角度と前記距離とに基づき、前記探査対象物のN極の位置を推定し、
    前記S極と前記N極との位置に基づいて、前記探査対象物の大きさを推定する、請求項7に記載の磁気探査方法。
  9. 磁性体を含む探査対象物を探査する磁気探査システムであって、
    前記探査対象物が存在すると推定される探査領域に三次元直交座標系(以下、座標系という。)における複数の計測点の探査磁界ベクトルを計測する、移動可能な第1磁界センサと、
    前記探査領域で前記座標系における参照磁界ベクトルを計測する参照磁界センサと、
    前記計測点で計測した各探査磁界ベクトルと前記参照磁界ベクトルとのベクトル差分を計算する差分計算部と、
    前記計測点ごとのベクトル差分に基づいて、前記探査対象物の位置を推定する推定部と、
    を有する、磁気探査システム。
  10. 磁性体を含む探査対象物を探査する磁気探査システムであって、
    前記探査対象物が存在すると推定される探査領域に三次元直交座標系における複数の計測点の探査磁界ベクトルを計測する、移動可能な第1磁界センサと、
    前記第1磁界センサの探査磁界ベクトルに基づいて、前記探査領域の参照磁界ベクトルを計算する計算部と、
    前記計測点で計測した各探査磁界ベクトルと前記参照磁界ベクトルとのベクトル差分を計算する差分計算部と、
    前記計測点ごとのベクトル差分に基づいて、前記探査対象物の位置を推定する推定部と、
    を有する、磁気探査システム。
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