JP7622560B2 - タイヤの設計方法及び製造方法 - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態のタイヤの設計方法及び製造方法(以下、それぞれ「設計方法」及び「製造方法」ということがある。)を実行するためのコンピュータ1の一例を示す斜視図である。コンピュータ1は、例えば、本体1a、キーボード1b、マウス1c及びディスプレイ装置1dを含んで構成されている。本体1aには、例えば、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリ、磁気ディスクなどの記憶装置、及び、ディスクドライブ装置1a1、1a2が設けられている。記憶装置には、本実施形態の設計方法及び製造方法を実行するためのソフトウェア等が予め記憶されている。したがって、コンピュータ1は、タイヤの設計装置及び製造装置として構成される。
図2は、本実施形態のタイヤの設計方法で設計されるタイヤ2の一例を示す部分断面図である。本実施形態では、乗用車用の空気入りタイヤが例示されるが、トラック・バスなどの重荷重用タイヤ、及び、エアレスタイヤ等、他のカテゴリーのタイヤであってもよい。
本実施形態の設計方法は、以下に説明する処理手順に基づいて、陸部4の接地圧の局所的な集中を防ぎつつ、走行性能を維持しうる面取り14の形状を直接取得している。これにより、本実施形態の設計方法は、タイヤ2の試作等を繰り返す従来の設計方法に比べて、面取りの設計に必要なコストを低減させている。図3は、タイヤの設計方法及びタイヤの製造方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の設計方法では、先ず、コンピュータ1(図1に示す)に、コーナ部13に実質的な面取り14が形成されていないタイヤ2(図2で二点鎖線で示す)を、複数の節点を有する要素を用いてモデリングした第1タイヤモデルが入力される(工程S1)。ここで、「実質的な面取り」とは、陸部4の接地圧の局所的な集中を防ぐことを目的として形成された面取り14(図2に示す)を意味している。このため、当該目的として形成されていないもの(例えば、美観の向上等を目的とした形式的な面取り(面取り状に形成されたもの))は、実質的な面取り14に含まれない。
次に、本実施形態の設計方法では、コンピュータ1(図1に示す)に、路面(図示省略)をモデリングした路面モデル23が入力される(工程S2)。本実施形態の工程S2では、図示しない路面に関する情報に基づいて、路面が、数値解析法(本実施形態では、有限要素法)により取り扱い可能な有限個の要素G(i)(i=1、2、…)を用いて離散化される。これにより、工程S2では、路面モデル23が設定される。
次に、本実施形態の設計方法では、コンピュータ1(図1に示す)が、第1タイヤモデル21を路面モデル23の上で転動させて、図5に示した複数の節点24のうち、第1タイヤモデル21の踏面29上に位置する節点24の物理量が計算される(工程S3)。
次に、本実施形態の設計方法では、コンピュータ1が、第1タイヤモデル21のコーナ部31に、面取りが形成された第2タイヤモデル22を作成する(工程S4)。工程S4では、工程S3で計算された物理量に基づいて、第1タイヤモデル21の踏面29上の節点24を移動させることにより、コーナ部31に面取りが形成された第2タイヤモデル22が作成される。図6(a)は、節点24が移動する前の状態の一例を説明する図である。図6(b)は、節点24が移動した後の状態の一例を説明する図である。
ところで、第2タイヤモデル22に形成された面取り33の形状(図7に示す)により、陸部4の接地圧の局所的な集中を防ぐことができたとしても、踏面29の物理量の分布が不均一になると、走行性能(例えば、制動性能など)等が低下するおそれがある。このような走行性能の低下を防ぐために、本実施形態の設計方法では、コンピュータ1が、第2タイヤモデル22の踏面29上での物理量の分布が均一か否かを判断する(工程S5)。
[タイヤ製造工程]
タイヤ2を製造する工程S6では、先ず、図7に示した第2タイヤモデル22の形状(面取り33の形状を含む)に基づいて、タイヤ2の金型(図示省略)が設計される。そして、設計された金型を用いて、未加硫の生タイヤ(図示省略)が加硫成形される。これにより、本実施形態の製造方法では、陸部4の接地圧の局所的な集中を防ぎつつ、走行性能を維持しうる面取り14を備えたタイヤ2を製造することができる。
図8は、本発明の他の実施形態のタイヤの設計方法及びタイヤの製造方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。この実施形態において、これまでの実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略することがある。
この実施形態の設計方法には、面取り14(図2に示す)に関する予め定められた制約条件を、コンピュータ1に入力する工程S7がさらに含まれる。本実施形態の工程S7は、第2タイヤモデルを作成する工程S4に先立って行われる。そして、第2タイヤモデルを作成する工程S4では、制約条件を満足するように、図6(a)に示した踏面29上の節点24が移動される。
移動量Mの最大値は、踏面29上の節点24の移動が許容される範囲を定めるためのもの(制約条件)である。このような移動量Mの最大値は、例えば、タイヤ2の走行性能の維持に必要なランド比などに基づいて設定される。
移動対象の節点24は、踏面29上の全ての節点24のうち、移動可能な節点24を定めるためのもの(制約条件)である。このような移動対象の節点24は、例えば、タイヤ2の走行性能の維持に必要なランド比などに基づいて、コーナ部31側に配置された節点24が設定される。
これまでの実施形態の設計方法では、踏面29上の節点24を移動させるための物理量として、摩耗エネルギーである場合が例示されたが、接地圧でもよいし、摩耗エネルギーの計算に用いられる剪断力や滑り量であってもよい。さらに、摩耗エネルギー、接地圧、剪断力及び滑り量の少なくとも2つを組み合わせた(例えば、乗じた)物理量に基づいて、踏面29上の節点24が移動させられてもよい。これらの物理量は、いずれも、陸部4の接地圧の局所的な集中や、陸部4の偏摩耗に関係している。したがって、これらの物理量に基づいて、図6(a)、(b)に示されるように、踏面上の節点24を移動せることにより、陸部4の接地圧の局所的な集中を防ぐことが可能な面取り14(図7に示した面取り33)の形状を得ることができる。
内圧:250kPa
荷重:5kN
S2 路面モデルを入力する工程
S3 第1タイヤモデルの物理量を計算する工程
S4 面取りが形成された第2タイヤモデルを作成する工程
Claims (6)
- トレッド部に複数の陸部を有し、前記複数の陸部の少なくとも1つには、踏面と側壁面とが交わるコーナ部に面取りが形成されたタイヤを設計するための方法であって、
コンピュータに、前記コーナ部に実質的な面取りが形成されていないタイヤを、複数の節点を有する要素を用いてモデリングした第1タイヤモデルを入力する工程と、
前記コンピュータに、路面をモデリングした路面モデルを入力する工程と、
前記コンピュータが、前記第1タイヤモデルを前記路面モデルの上で転動させ、前記複数の節点のうち、前記第1タイヤモデルの踏面上に位置する節点の物理量を計算する工程と、
前記コンピュータが、前記物理量に基づいて、前記踏面上の節点を移動させ、前記コーナ部に面取りが形成された第2タイヤモデルを作成する工程とを含む、
タイヤの設計方法。 - 前記第2タイヤモデルを作成する工程は、前記物理量が、予め定められた閾値よりも大きい節点のみを移動させる、請求項1に記載のタイヤの設計方法。
- 前記面取りに関する予め定められた制約条件を、前記コンピュータに入力する工程をさらに含み、
前記第2タイヤモデルを作成する工程は、前記制約条件を満足するように、前記節点を移動させる、請求項1又は2に記載のタイヤの設計方法。 - 前記物理量を計算する工程での前記転動が、制動、駆動及び旋回の少なくとも1つを含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤの設計方法。
- 前記物理量は、摩耗エネルギー又は接地圧であり、
前記第2タイヤモデルを作成する工程は、前記踏面上での前記物理量の分布が均一に近づくように前記踏面上の節点を移動させる、請求項4に記載のタイヤの設計方法。 - 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のタイヤの設計方法で作成された前記第2タイヤモデルに基づいて、前記タイヤを製造する工程を含む、
タイヤの製造方法。
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