JP7622673B2 - 品質要因解析装置及び製鉄所の操業方法 - Google Patents
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Description
製品の品質特性を表す品質因子、前記品質特性を得るための製造プロセスの操作量を表す操作因子、及び、前記操作量と前記品質特性との関係に影響し得る中間的な因子を表す中間因子を含む因子を用いて前記品質特性の要因を解析する品質要因解析装置であって、
過去に製造された前記製品における前記品質因子、前記操作因子及び前記中間因子に関する製造データを蓄積するデータベースと、
前記製造データから前記品質因子、前記操作因子及び前記中間因子の値の範囲を表す初期の確率分布を算出する初期化部と、
前記因子の一部に対して計測又は設定によって確定された条件を読み取る条件読取部と、
前記確定された条件、前記初期の確率分布及び前記因子の間の関係に基づいて条件付確率を算出し、前記条件付確率に基づいて前記因子の確率分布を更新する因果推論部と、
前記因子の少なくとも1つについて、前記初期の確率分布及び更新された確率分布を表示させる表示制御部と、を備える。
前記製品を鋼材とする、上記の品質要因解析装置が更新した前記操作因子の確率分布に基づいて、前記鋼材の製造条件を決定することを含む。
図1は、本実施形態に係る品質要因解析装置10の構成例を示す図である。ここで、図1には、品質要因解析装置10の他に、品質要因解析装置10の使用者40と、解析結果などを使用者40に表示する表示装置20と、使用者40から入力を受け付ける入力装置30が示されている。
図2は、演算処理部101の処理を示すフローチャートである。演算処理部101は、概要として、初期化(ステップS201)、条件読取(ステップS202)、因果推論(ステップS203)、結果表示(ステップS204)及び終了判定(ステップS205)の処理を実行する。初期化(ステップS201)の処理は初期化部106で実行される。条件読取(ステップS202)の処理は条件読取部107で実行される。因果推論(ステップS203)の処理は因果推論部108で実行される。結果表示(ステップS204)及び終了判定(ステップS205)の処理は表示制御部109で実行される。演算処理部101は、入力装置30を介して使用者40からの開始指示を受け取ると、品質要因解析の処理を開始する。
初期化部106は、図3に記載のフローチャートに基づき処理(ステップS201-1からステップS201-4)を実行し、因子の値の範囲を表す初期の確率分布を算出する。
条件読取部107は、因子の一部に対して計測又は設定によって確定された条件を読み取る。本実施形態において、条件読取部107は、条件読取の処理(図2のステップS202)として、入力装置30から入力された因子の観測情報を読み込む。観測情報(確定情報)は、例えば、因子Aの値が1.0であるというような確定された因子の値についての情報である。条件読取部107は、1つ以上の因子についての観測情報を読み込む。条件読取部107が、全ての因子についての観測情報を読み込む必要はない。ここで、複数の因子についての観測情報が読み込まれた場合に、各因子についてステップS202からステップS204の処理が実行される。
因果推論部108は、条件読取部107が読み取った確定された条件、初期化部106によって算出された初期の確率分布及び因子の間の関係に基づいて条件付確率を算出し、条件付確率に基づいて因子の確率分布を更新する。本実施形態において、因果推論部108は、図2のステップS203に対応する処理として、ステップS202で読み込んだ観測情報に基づいて、以下に説明する式に従うベイズ推論によって、S201で算出した確率分布を更新する。
表示制御部109は、因子の少なくとも1つについて、初期の確率分布及び更新された確率分布を表示させる。本実施形態において、表示制御部109は、図2のステップS204に対応する処理として、ステップS203で更新された各因子の確率分布を、因果ダイアグラムとともに、表示装置20に表示させる。つまり、本実施形態において、表示制御部109は、因果ダイアグラムの表示によって因子の間の関係を視覚的に示し、使用者40が容易に因子の間の関係を把握できるようにする。
表示制御部109は、図2のステップS205に対応する分岐処理として、入力装置30から使用者40の終了指示があった場合に一連の処理を終了させる。そうでない場合に、再び図2のステップS202の処理が行われる。例えば使用者40の終了指示がなく、複数の因子についての観測情報が読み込まれた場合に、再度のステップS202の処理において別の因子についての観測情報が読み込まれる。
品質要因解析装置10は、鋼材の機械的特性(例えば強度など)並びに内部及び表面の性質(例えば疵及び欠陥の有無など)の少なくとも1つを表す品質因子と、鋼材の製造条件である操作因子と、中間因子との間の関係を解析できる。品質要因解析装置10は、解析結果(更新した操作因子の確率分布)を上位システムに出力してよい。上位システムは、例えば鋼材の製造を管理するプロセスコンピュータを備えて構成され、製鉄所の操業方法を実行する。例えば品質因子に対して所望の結果を観測情報として与えた場合に、品質要因解析装置10が原因となる操作因子を特定して、確率分布を更新することができる。上位システムは、所望の品質の鋼材を製造するために、品質要因解析装置10が更新した操作因子の確率分布に基づいて、鋼材の製造条件を決定してよい。
鋼材商品の強度は、鉄鋼ミクロ組織の特徴である炭窒化物の析出形態、固相の種類等によって決まる。鉄鋼ミクロ組織の特徴は、製造の冷却過程おける鋼材温度変化量[℃]に影響される。ここで、様々に条件を振った実験データを製造データとして用いて、冷却時の鋼材温度変化量・析出物の大きさ・強度の関係性を解析する実験が行われた。
本実施例では、厚板鋼材の強度・靱性の不良リスクを例として、製造プロセスの不良原因の解析と改善の方法が説明される。本実施例における因子は、図15の因果ダイアグラムで示されるように、圧延条件の因子として、鋼材の仕上幅[mm]、仕上厚[mm]、制御圧延中の圧延材の厚み[mm]を含み得る。また、本実施例における因子は、温度条件の因子として、加熱炉抽出温度、制御圧延温度、仕上温度、冷却温度を含み得る。また、本実施例における因子は、スラブの化学成分濃度の因子として、炭素、シリコン、マンガン、リン、サルファ-、銅、ニッケル、クロム、モリブテン、ニオブ、バナジウム、チタン、ボロン、アルミ、窒素、水素、酸素、カルシウムを含み得る。また、本実施例における因子は、製品の金属学因子として、炭化物析出量、鉄組織への元素固溶量、マルテンサイト分率を含み得る。また、本実施例における因子は、材質の因子として、引張強度、靱性を意味するシャルビー試験により算出される遷移温度、試験片ばらつき及び試験条件ばらつきを除いた引張強度と遷移温度を含み得る。また、本実施例における因子は、材質要求値の因子として、引張強度の上限値、引張強度の下限値、遷移温度の下限値を含み得る。また、本実施例における因子は、不良リスク因子として、引張強度の要求割れリスク、遷移温度の要求割れリスクを含み得る。ここで、図15において、黒塗りの四角は各因子の確率分布を簡略化して示したものである。
品質不良リスク診断は、圧延条件、温度条件、スラブの化学成分濃度の全ての条件が与えられたとき、その条件下で製造するとどれくらいの確率で不良が発生しそうか、というリスクを算出することである。上記の実施形態における初期化の処理の後に、条件読取の処理として、圧延条件、温度条件、スラブの化学成分濃度の各因子の条件が入力される。因子の値は1つの確定値ではなく、操業バラツキを考慮した分布として与えられる。上記の実施形態における因果推論の処理によって、金属学因子、材質の因子、材質要求値の因子、不良リスク因子が推論され、各因子の確率分布が更新される。図15は、このような推論によって、不合格の確率(NG)及び合格の確率(OK)が表示された様子を示す。
不良要因の推定では、不良要因を特定するために、条件読取の処理として、不良率が100%であると設定する。図16はこのような設定を行った場合を示す図である。上記の実施形態における因果推論の処理によって、入力された条件に基づき各因子の確率分布が更新される。結果表示の処理によって、各因子について、更新の前後の確率分布が表示される。
不良率ゼロの操業アクションでは、合格率が100%であるように、換言すると不良率がゼロであると設定する。図18はこのような設定を行った場合を示す図である。上記の実施形態における因果推論の処理によって、入力された条件に基づき各因子の確率分布が更新される。結果表示の処理によって、各因子について、更新の前後の確率分布が表示される。
20 表示装置
30 入力装置
40 使用者
101 演算処理部
102 品質要因解析プログラム
103 ROM
104 RAM
105 バス
106 初期化部
107 条件読取部
108 因果推論部
109 表示制御部
110 データベース
Claims (6)
- 製品の品質特性を表す品質因子、前記品質特性を得るための製造プロセスの操作量を表す操作因子、及び、前記操作量と前記品質特性との因果関係に影響し得る中間的な因子を表す中間因子を含む因子を用いて前記品質特性の要因を解析する品質要因解析装置であって、
過去に製造された前記製品における前記品質因子、前記操作因子及び前記中間因子に関する製造データと前記因子の間の因果関係を表現した因果接続表を蓄積するデータベースと、
前記因果接続表を読み込み、前記製造データから前記品質因子、前記操作因子及び前記中間因子の値の範囲を表す初期の確率分布を算出する初期化部と、
前記因子の一部に対して計測又は設定によって確定された条件を読み取る条件読取部と、
前記確定された条件、前記初期の確率分布及び前記因子の間の因果関係に基づいて条件付確率を算出し、前記条件付確率に基づいて前記因子の確率分布を更新する因果推論部と、
前記因子の少なくとも1つについて、前記初期の確率分布及び更新された確率分布を表示させる表示制御部と、を備える、品質要因解析装置。 - 前記表示制御部は前記因子の間の因果関係を視覚的に表示させる、請求項1に記載の品質要因解析装置。
- 前記製品は鋼材であって、
前記因子の間の因果関係は、前記鋼材の機械的特性並びに内部及び表面の性質の少なくとも1つを表す前記品質因子と、前記鋼材の製造条件である前記操作因子と、前記中間因子との間の因果関係である、請求項1又は2に記載の品質要因解析装置。 - 前記品質因子は、前記鋼材の強度、延性、靱性、表面疵、介在物及び内質の少なくとも1つを表す、請求項3に記載の品質要因解析装置。
- 前記操作因子は、前記鋼材の製造条件のうち加熱条件、圧延条件、冷却条件及び素材の化学成分の少なくとも1つである、請求項3又は4に記載の品質要因解析装置。
- 請求項3から5のいずれか一項に記載の品質要因解析装置が更新した前記操作因子の確率分布に基づいて、前記鋼材の製造条件を決定することを含む、製鉄所の操業方法。
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