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JP7626578B2 - 断熱防水構造、施工方法 - Google Patents
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Description

本発明は、屋上や屋根、ベランダ等に用いる防水シートを用いた断熱防水構造、施工方法に関する。
従来、建築物の屋上や屋根、ベランダ、バルコニーなどの防水構造において、屋根材の上に断熱材を敷設する断熱工法が多く採用されている。近年では屋上の軽量化や施工期間の短縮のために、デッキプレートやルーフデッキ、折板屋根などの屋根材を使用する建物が増加しており、このような屋根材の防水構造では特に断熱工法が多く採用されている。
断熱工法において、防水シートを固定する工法として、いわゆる機械的固定工法が用いられている。この工法では、断熱材の上から固定用ディスクを固定用ビスで屋根材に固定し、防水シートも固定用ディスクと固定用ビスで固定される。固定用ディスクで防水シートを固定する方法としては、防水シートを先に断熱材の上に敷設し、その上に固定用ディスクを載せ固定用ビスを打ち込む方法や、断熱材の上に接着層を有する固定用ディスクを固定し、その上に防水シートを敷設し防水シートの上から電磁誘導加熱装置で接着層を溶融させ防水シートの裏面と固定用ディスクを接合する方法などが用いられている。
しかし、機械的固定工法は、このように下地に対し部分的に固定用ビスと固定ディスクで防水シートが留めつけられている。そのため、施工部位を風が吹きぬけるときの負圧による防水シートに生じる揚力(フラッタリング現象)や、強弱をともなって吹く風により防水シートに対する応力も強弱を伴う振動として作用することがある。このため固定用ビスがこれらの振動により緩むことが懸念されている。また、建物自体に生じる微振動で固定用ビスに連続的に負荷がかかることで固定用ビスが緩むことも懸念されている。さらに、固定用ビスが緩み抜けが発生することで、防水シートが破損、飛散する可能性が懸念される。
これに対し、特許文献1では、金属薄板からなる下地の上に、板状の断熱材が敷設してあり、断熱材の上に、固定部材を介して防水シートが取り付けてある防水シート固定構造であって、固定部材は、断熱材を貫通する貫通部と、貫通部の上端部に備えられて防水シートを取り付ける第1取付部と、貫通部の下端部に備えられて下地に取り付ける第2取付部とを備えて構成してあり、第2取付部は、下地に対して横方向に揺動を許容する状態に取り付けてある防水シート固定構造が開示されている。
特許文献2では、防水下地上に断熱板を載置し、断熱板の上面に沿って防水シートを設け、防水シートを防水下地に固定する固定板を、防水シートと防水下地との間に設けて、固定板によって防水シートを防水下地に固定してある防水シート固定構造であって、固定板は、防水シートの裏面を接着自在な接着部と、防水下地に締結固定自在な締結部とを一体的に備えて構成してあり、締結部は、接着部より防水下地側に位置させて防水下地に締結固定してある防水シート固定構造が開示されている。
特開2013-044107号公報 特開2015-048690号公報
特許文献1、2の場合には、ビスの緩みを抑制することは可能と考えられるが、施工時に使用する部材の増加や工数増による工期の延長につながり、施工コストが膨らんでしまう問題があった。
さらに厚さの薄い金属製屋根下地(例えば、金属板の厚みが0.8mm~1.0mm)においては、風による繰り返しの揚力や微振動によりビス抜けの傾向が高いため、より簡易に短時間で防水施工ができ、ビスの緩みが生じにくい防水構造が必要である。
このように、金属製屋根材の上に機械的固定工法で防水シートを敷設固定する際に、特別な部材を追加し用いることなく、固定板と固定具を用いて、より簡易に短時間で防水施工ができ、風による振動の影響により固定具の緩みを低減する断熱防水構造を得ることを目的とする。
前述の課題を解決するために本発明が用いた手段は、断熱材の上下に固定具の緩みを低減する手段を設けることを要旨とする。
金属製屋根の上に敷設された断熱材と、断熱材の上に敷設された防水シートと、防水シートを金属製屋根材の上に固定するために断熱材の上に配置される貫通孔を有する固定板と、固定板の上から貫通孔を通して、金属製屋根材に固定されている固定具と、を備え、固定板の上面には樹脂被覆層を有し、固定具が貫通孔の周縁部である貫通孔周縁部の樹脂被覆層と接触され、固定具に金属製屋根材との接触部分での緩みを低減する緩み低減手段を有し、前記緩み低減手段が前記固定具のねじ部に設けられた前記金属製屋根材へ引っ掛かる部分であり、前記ねじ部に設けられた切り欠き部である、断熱防水構造、とすることができる。また、一度目の防水構造の施工の後で2回目の防水構造としても同様の断熱防水構造とすることができる。
ここで、固定板の上面には樹脂被覆層を有し、固定具が貫通孔の周縁部である貫通孔周縁部の樹脂被覆層と接触された部分が断熱材より上部での固定具の緩み低減手段であり、 固定具において金属製屋根材との接触部分での緩みを低減する部分が断熱材より下側での固定具の緩み低減手段とすることで断熱材の上下で固定具の緩み低減手段を備えることとなる
た、施工方法としては、金属製屋根の上に断熱材を敷設し、断熱材の上に防水シートを敷設し、防水シートを金属製屋根材の上に固定するために断熱材の上に貫通孔を有する固定板を配置し、固定板の上から貫通孔を通して、金属製屋根材に固定具を固定し、固定板の上面には樹脂被覆層を有し、固定具を貫通孔の周縁部である貫通孔周縁部の樹脂被覆層と接触させ、固定具に金属製屋根材との接触部分での緩みを低減する緩み低減手段を有し、前記緩み低減手段が前記固定具のねじ部に設けられた前記金属製屋根材へ引っ掛かる部分であり、前記ねじ部に設けられた切り欠き部である、断熱防水構造の施工方法、を用いることができる。また、一度目の防水構造の施工の後で2回目の防水構造についても同様の施工方法を用いることができる。


金属製屋根材の上に機械的固定工法で防水シートを敷設固定する際に、特別な部材等を用いることなく、固定板と固定具を用いて防水シートを金属製屋根材の上で固定し、風などによる防水シートの振動による固定具の緩みを防止することができる。
本発明の一実施形態であって先付けによる防水構造の部分断面図である。 固定板、固定具と金属製屋根材、断熱材以外を省略した断面の概略図である。 固定板と固定具の一部を拡大した部分断面図である。 金属製屋根材と固定具の一部を拡大した部分断面図である。 金属製屋根材と固定具の一部を拡大した部分断面図である。 本発明の一実施形態であって後付けによる防水構造の部分断面図である。 金属製屋根材における固定板の配置を示した概略平面図である。 本発明の一実施形態であって先付けによる防水構造の部分断面図である。 本発明の一実施形態であって後付けによる防水構造の部分断面図である。 本発明の一実施形態であって2回目の施工における先付けによる防水構造の部分断面図である。 本発明の一実施形態であって2回目の施工における後付けによる防水構造の部分断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1、図6を用いて本発明の断熱防水構造を構成する固定板40と防水シート50の位置により大別される2つの構造について説明する。
ここで、金属製屋根材10を基準として、金属製屋根材10に近い側を下側、下面とし、金属製屋根材10から離れた側を上側、上面とする。
1つの目の構造として図1において、金属製屋根材10の上に断熱材20が敷設され、断熱材20の上に固定板40が配置され固定板40の上から固定具30が金属製屋根材10に打ち込まれている。そして、断熱材20、固定板40の上を覆うように防水シート50が敷設され、固定板40と防水シート50とが接合されることで防水シート50が金属製屋根材10に対して固定された断熱防水構造となっている。このように、固定板40の上に防水シート50が敷設固定される構造を先付け構造と記載し、先付け構造を施工するための施工方法を先付け工法と記載する場合がある。
2つの目の構造として図6において、金属製屋根材10の上に断熱材20が敷設され、さらに断熱材20の上に防水シート50が敷設され、断熱材の上から固定板40が配置され、固定板40の上から固定具30が金属製屋根材10に打ち込まれ、防水シート50が金属製屋根材10に対して固定された断熱防水構造となっている。さらに、固定板40の上を覆うように防水用補強シート90が敷設され防水用補強シート90は固定板40、防水シート50と接合される。なお、防水補強用シート90は固定板40と接合しなくてもよいが、接合することで固定板40が振動等により動くのを低減できるため固定具30をより緩みにくくすることができる。
このように防水シート50の上に固定板40を配置し防水シート50を固定する構造を後付け構造と記載し、後付け構造を施工するための施工方法を後付け工法と記載する場合がある。
ここで、図2には図1、図6に共通する、金属製屋根材10、断熱材20、固定板40、固定具30のみを表し、その他の部材は省略し、固定具30と固定板40、金属製屋根材10との関連について説明する。固定具30は固定板40と金属製屋根材10の2か所で固定されている。固定具30には、固定板40、金属製屋根材10との固定を向上させ固定具30の緩みを低減する緩み低減手段が上側部分U、下側部分Lの2か所に設けられている。
図2の固定板40と固定具30とが固定されている上側部分Uの拡大図を図3に示し、上側部分Uでの緩み低減手段について説明する。固定板40の金属製屋根材10に対しての上面には樹脂被覆層41が形成されている。そして、固定板40には固定具30を通すための貫通孔42が設けられている。貫通孔42の周縁を貫通孔周縁部43とすると、固定具30と固定板40の貫通孔周縁部43とは接触されている。固定具30が金属製屋根材10に打ち込まれた際に、固定具30は貫通孔周縁部43と接触することで貫通孔周縁部43に設けられた樹脂被覆層41と押し付けられ、固定具30は固定板40とより強く固定され、振動等による緩みが生じにくくなる。
図2、図3の実施態様では、固定具30はビス頭31とねじ部32とねじ先を有し、ビス頭31はねじ部32よりも径が大きく、ビス頭31の上面には、ドライバー等のビットを掛ける凹部が設けられている。ねじ部32はらせん状にねじ山が形成されている。固定板40は固定具30のビス頭31を収納するような凹部が貫通孔周縁部43に設けられ、固定板40の上面とビス頭31の上面が略同一面となるように形成されている。
ここで、図1や図6のように固定板40の上から固定具30を貫通させ、固定具30をドライバ等で回転させながら金属製屋根材10に打ち込むと、固定具30のビス頭31の下側面31aが凹部として形成された貫通孔周縁部43の樹脂被覆層41と接触し、かつ互いに押し付けられることで摩擦による力でより強く固定され、振動等による緩みが生じにくくなる。
貫通孔周縁部43には樹脂被覆層41が形成されることで、固定具30のビス頭31の下側面31aとは固定具30が打ち込まれる際の力で樹脂被覆層43が変形しながら貫通孔周縁部43とビス頭31とが密着されている。
さらにビス頭31の形状に対応してビス頭31が収納され、ビス頭31の上面と固定板40の上面とが略同一平面となるように貫通孔周縁部43が凹部として形成されることで、凹部として形成された貫通孔周縁部43とビス頭31の下側面31aとがより強く押し付けられる。これにより摩擦力も大きくなりさらに振動等による緩みが生じにくくなる。
次に、図2において金属製屋根材10に固定具30が貫通された下側部分Lについて説明する。下側部分Lは金属製屋根材10に固定具30が打ち込まれ、固定具30と金属製屋根材10とがかみ合って固定されている。ここで、固定具30には金属製屋根材10とのかみ合わせを向上させ、固定具30の緩みを低減する「緩み低減手段」が設けられている。緩み低減手段は、金属製屋根材10と固定具30との密着性を上げることや、固定具30と金属製屋根材10との引っ掛かりを強固にする等の手段を用いることができる。
金属製屋根材10と固定具30との密着を上げる手段について、図4を用いて説明する。金属製屋根材10と固定具30との間に樹脂層を設けることで、金属製屋根材10と固定具30とが強く押し付けられ、摩擦力が大きくなることで緩みが生じにくくなる。
より具体的には、図4に示したようにねじ部32の周囲に樹脂被覆層41を設けている。金属製屋根材10と接する部分のみに樹脂被覆層41を設けてもよいが、ねじ部32の全体に樹脂被覆層41を設けてもよい。また、ねじ先には樹脂被覆層41を設けないことが好ましい。
固定具30と金属製屋根材10との引っ掛かりを強固にする手段について、図5を用いて説明する。図5-2に示すように固定具30のねじ部32のねじ山32Sに切り欠き部32Vを設け、固定具30が金属製屋根材10に打ち込まれた際に、切り欠き部32Vが金属製屋根材10との引っ掛かりを形成し、固定具30を金属製屋根材10に強固に固定することで振動等による固定具30の緩みを防止することができる。切り欠き部32Vは振動等による逆回転するのを防止したり、固定具30が引き抜かれにくくすることができればよい。図5-1の例では、金属製屋根材10の下側部において、切り欠き部32Vが金属製屋根材10の下端面との引っ掛かりとなり、ねじ山32Sを含めて深く金属製屋根材10に掛かるようになり、振動等による固定具30の緩みを防止することができる。
本発明の実施態様においては、図2のように、一つの固定具30に対し、断熱材を挟んで上下の位置で緩みを防止する手段を用いている。これにより1か所での緩み止めを強くするよりもより効果的に固定具30の緩みを防止することができる。また、断熱材の厚さに応じた距離を隔てて2か所で緩み止めを行うこともより有効に緩み止め効果を得ることができる。
さらに断熱材の上側において固定具3と固定板40との接触部分での密着性を高め摩擦により振動等による固定具30の緩みを防止するのに加え、金属製屋根材10と固定具30との引っ掛かりを強化し逆回転を抑制することで振動等による緩みを防止する場合もある。この場合、上下で異なる緩み防止の手段を用いることで、一方が緩みやすい状況となっても他方は有効に緩み止め低減の機能を発現することが期待でき、より有効に緩みを低減することができるため好ましい態様である。
次に、先付け構造および後付け構造についてより具体的に本発明の実施形態を説明する。
図1、図8には先付け構造の実施形態を示している。金属製屋根材10である折板屋根11の上に板状の断熱材20が敷設され、断熱材20の上に金属製の固定板40が配置され固定板40の上から固定具30として固定用ビス35が折板屋根11に打ち込まれている。そして、断熱材20、固定板40の上を覆うように防水シートである熱可塑性樹脂製の防水シート50´が敷設され、固定板40と防水シート50´とが接合されることで防水シート50´が折板屋根11に対して固定された断熱防水構造となっている。固定板40の上面には樹脂被覆層41が設けられており、樹脂被覆層41が防水シート50´の下面の熱可塑性樹脂層と接合されている。本実施形態では、樹脂被覆層41と防水シート50´の裏面の熱可塑性樹脂層とは同種の熱可塑性樹脂層で形成され、加熱によって樹脂被覆層41と防水シート50´の裏面の熱可塑性樹脂層とが熱融着することで、固定板40の上面に防水シート50´が接合し固定されている。
固定具30は断熱材20の上側部分Uと下側部分L(図2)の2か所で緩み低減手段が設けられている。本実施態様において、図3のように固定板40の上面には樹脂被覆層41が設けられ、固定板40の上面から固定具30を通すための貫通孔42が設けられている。貫通孔42の周縁である貫通孔周縁部43は固定用ビス35のビス頭31の形状に応じて凹部として形成され、貫通孔周縁部43にも樹脂被覆層41が被覆されている。固定用ビス35がドライバ等で回転させながら打ち込まれることで、貫通孔周縁部43の樹脂被覆層41と固定用ビス35とがより隙間なく密着し摩擦が生じる状態で固定されている。
また、固定用ビス35には図5に示すようにねじ山32sに切り欠き部32vを有している。下側部分L(図2)では、切り欠き部32Vが金属製屋根材10の下面側で引っ掛かりとなり、固定用ビス35が緩みやすくなるのを防止している。
図8には図1の実施形態の変形例を示している。図1とは異なる点を図8を用いて説明する。断熱材20と防水シート50の裏面との間に、緩衝シート70が設けられ、緩衝シート70と固定板40との間には固定板緩衝材80が設けられている。
次に、図6、図9には後付け構造の実施形態を示している。金属製屋根材10である折板屋根11の上に板状の断熱材20が敷設され、断熱材20の上に防水シートである熱可塑性樹脂製の防水シート50´が敷設されている。そして、防水シート50´の上に金属製の固定板40が配置され固定板40の上から固定具30として固定用ビス35が防水シート50´を貫通して折板屋根11に打ち込まれている。固定板40の上から防水用補強シート90が固定板40の形状に対応し、固定板40の全体を覆うように敷設され、固定板40と上面と防水補強用シート90の下面とが接合されている。このように、防水シート50´の上から固定板40と固定具30である固定用ビス35で金属製屋根材10に対し固定されている。
また、防水用補強シート90は固定板40全体を覆うように固定板40より大きく形成され、防水用補強シート90の端縁部は防水シート50´と接し、防水用補強シート90の端縁部と防水シート50´とは接合されている。
本実施形態では、固定板40の上面には樹脂被覆層41が設けられており、樹脂被覆層41が防水補強用シート90の下面の熱可塑性樹脂層と接合されている。さらに、樹脂被覆層41と防水補強用シート90の裏面の熱可塑性樹脂層とは同種の熱可塑性樹脂層で形成され、加熱によって樹脂被覆層41と防水補強用シート90の裏面の熱可塑性樹脂層とが熱融着することで、固定板40の上面に防水補強用シート90が接合し固定されている。同様に、防水用補強シート90と防水シート50´とは熱可塑性樹脂層で形成され互いを熱融着により接合されている。より強く接合するために防水用補強シート90と防水シート50´とは同種の熱可塑性樹脂系で構成されていることが好ましい。
さらに本実施形態では、防水シート50´と固定板40との間に固定板補強用シート60が設けられている。固定板補強用シート60は適度な柔軟性があり、本実施形態では熱可塑性樹脂層で形成され固定板40と固定具30で金属製屋根材10に固定する際に、防水シート50´が傷つくのを防止し、さらに固定板40が防水シート50´により密着し摩擦が大きくなることで振動等により固定板40が動き、固定具30が緩みやすくなることを防止することができる。
また、本実施形態では固定板補強用シート60と防水シート50´とは接合されており、これにより固定板40の動きを抑制しやすくなり固定具30が緩むのをより防止することができる。固定板補強用シート60と防水シート50´とは熱可塑性樹脂組成物で構成され熱融着により接合されている。固定板補強用シート60と防水シート50´との接合は液溶着を用いることもできる。
ここで、固定板40と防水補強用シート90の接合、防水補強用シート90と防水シート50´との接合、固定板補強用シート60と緩衝用シート70との接合は、熱による熱融着でもよいし、溶剤による液溶着でもよい。
固定具30は断熱材20の上側部分Uと下側部分L(図2)の2か所で緩み低減手段を設けられている。本実施態様において、図3のように固定板40の上面には樹脂被覆層41が設けられ、固定板40の上面から固定具30を通すための貫通孔42が設けられている。貫通孔42の周縁である貫通孔周縁部43は固定用ビス35のビス頭31の形状に応じて凹部として形成され、貫通孔周縁部43にも樹脂被覆層41が被覆されている。固定用ビス35をドライバ等で回転させながら打ち込まれることで、貫通孔周縁部43の樹脂被覆層41とビス35とがより隙間なく密着し摩擦が生じる状態で固定されている。
また、固定用ビス35には図4に示すようにねじ部32に樹脂被覆層41を有している。下側部分L(図2)では、ねじ部32の樹脂被覆層41が金属製屋根材10に強く密着させれることで摩擦力が大きくなり、固定用ビス35が緩みやすくなるのを防止している。
図1を用いて先付け構造の施工方法である先付け工法について説明する。金属製屋根材10の上に断熱材20を敷設し、断熱材20の上に固定板40を配置し固定板40の上から固定具30を金属製屋根材10に打ち込む。そして、断熱材20、固定板40の上を覆うように防水シート50を敷設し、固定板40と防水シート50と接合する。先付け工法により防水シート50が金属製屋根材10に対して固定された断熱防水構造となっている。
より具体的な本発明の実施形態を図8で説明する。図8の実施形態の施工方法は、金属製屋根材10である折板屋根11の上に板状の断熱材20を敷設し、断熱材20の上に緩衝シート70を敷設する。緩衝シート70の固定板40を設置する位置に固定板緩衝材80を配置し、固定板緩衝材80の上に固定板40を配置し、固定板40の上から固定具30である固定用ビス35を金属製屋根材10に打ち込んでいる。そして、断熱材20、固定板40の上を覆うように防水シートである熱可塑性樹脂製の防水シート50´を敷設し、固定板40と防水シート50´とを接合する。ここで、固定板40の上面には樹脂被覆層41が設けられており、樹脂被覆層41が防水シート50´の下面の熱可塑性樹脂層と接合されている。本実施形態では、樹脂被覆層41と防水シート50´の裏面の熱可塑性樹脂層とは同種の熱可塑性樹脂層で形成されている。防水シート50´の固定板40の対応する位置に電磁誘導加熱装置を置き、発振することで金属製の固定板40が加熱され、樹脂被覆層41と防水シート50´の裏面の熱可塑性樹脂層とを熱融着する。
固定具30は断熱材20の上側部分Uと下側部分L(図2)の2か所で緩み低減手段を設けられている。本実施態様において、図3のように固定板40の上面には樹脂被覆層41が設けられ、固定板40の上面から固定具30を通すための貫通孔42が設けられている。貫通孔42の周縁である貫通孔周縁部43は固定用ビス35のビス頭31の形状に応じて凹部として形成され、貫通孔周縁部43にも樹脂被覆層41が被覆されている。固定用ビス35をドライバ等で回転させながら打ち込むことで、貫通孔周縁部43の樹脂被覆層41とビス35とがより隙間なく密着し摩擦が生じる状態で固定されている。
また、固定用ビス35には図5に示すようにねじ山32sに切り欠き部32vを有している。下側部分L(図2)では、固定用ビス35をドライバ等で回転させながら打ち込むことで、切り欠き部32Vが金属製屋根材10の下面側で引っ掛かるため、固定用ビス35が緩みやすくなるのを防止している。
図6を用いて後付け構造の施工方法である後付け工法について説明する。金属製屋根材10の上に断熱材20を敷設し、断熱材20の上に防水シート50を敷設する。断熱材20の上から固定板40を配置し、固定板40の上から固定具30を金属製屋根材10に打ち込む。これにより、防水シート50が金属製屋根材10に対して固定された断熱防水構造となっている。さらに、固定板40の上を覆うように防水用補強シート90を敷設し防水用補強シート90を固定板40、防水シート50に接合する。なお、防水補強用シート90は固定板40と接合しなくてもよいが、接合することで固定板40が振動等により動くのを低減できるため固定具30をより緩みにくくすることができる。
具体的な本発明の実施形態を図9を用いて説明する。金属製屋根材10である折板屋根11の上に板状の断熱材20を敷設し、断熱材20の上に緩衝シート70を敷設し、緩衝シート70の上に防水シートである熱可塑性樹脂製の防水シート50´を敷設する。防水シート50´の上であって、固定板40を配置する位置に固定板補強用シート60を配置する。固定板補強用シート60は適度な柔軟性があり、本実施形態では熱可塑性樹脂層で形成され固定板40と固定具30で金属製屋根材10に固定する際に、防水シート50´が傷つくのを防止し、さらに固定板40が防水シート50´により密着し摩擦が大きくなることで振動等により固定板40が動き、固定具30が緩みやすくなることを防止することができる。
そして、防水シート50´の上であって固定板補強用シート60の上に金属製の固定板40を配置し固定板40の上から固定具30として固定用ビス35を防水シート50´を貫通して折板屋根11に打ち込む。固定板40の上から防水用補強シート90が固定板40の形状に対応し、固定板40の全体を覆うように敷設し、固定板40の上面と防水補強用シート90の下面とを接合する。このように、防水シート50´は、固定板40と固定具30である固定用ビス35とで金属製屋根材10に対し固定されている。また、防水用補強シート90は固定板40全体を覆うように固定板40より大きく形成され、防水用補強シート90の端縁部は防水シート50´と接し、防水用補強シート90の端縁部と防水シート50´とを接合する。
本実施形態では、固定板40の上面には樹脂被覆層41が設けられており、樹脂被覆層41が防水補強用シート90の下面の熱可塑性樹脂層に接合する。さらに、樹脂被覆層41と防水補強用シート90の裏面の熱可塑性樹脂層とは同種の熱可塑性樹脂層で形成され、加熱によって樹脂被覆層41と防水補強用シート90の裏面の熱可塑性樹脂層とが熱融着することで、固定板40の上面に防水補強用シート90が接合し固定されている。同様に、防水用補強シート90と防水シート50´とは熱可塑性樹脂層で形成され互いを熱融着により接合する。より強く接合するために防水用補強シート90と防水シート50´とは同種の熱可塑性樹脂系で構成されていることが好ましい。
また、本実施形態では固定板補強用シート60と防水シート50´とを接合することで固定板40の動きを抑制しやすくなり固定具30が緩むのをより防止することができる。固定板補強用シート60と防水シート50´とは熱可塑性樹脂組成物で構成され熱融着により接合されている。
ここで、固定板40と防水補強用シート90の接合、防水補強用シート90と防水シート50´との接合、固定板補強用シート60と緩衝用シート70との接合は、熱による熱融着でもよいし、溶剤による液溶着でよい。
固定具30は断熱材20の上側部分Uと下側部分L(図2)の2か所で緩み低減手段を設けられている。本実施態様において、図3のように固定板40の上面には樹脂被覆層41が設けられ、固定板40の上面から固定具30を通すための貫通孔42が設けられている。貫通孔42の周縁である貫通孔周縁部43は固定用ビス35のビス頭31の形状に応じて凹部として形成され、貫通孔周縁部43にも樹脂被覆層41が被覆されている。固定用ビス35をドライバ等で回転させながら打ち込まれることで、貫通孔周縁部43の樹脂被覆層41とビス35とがより隙間なく密着し摩擦が生じる状態で固定されている。
また、固定用ビス35には図4に示すようにねじ部32に樹脂被覆層41を有している。下側部分L(図2)では、ねじ部32の樹脂被覆層41が金属製屋根材10に強く密着させれることで摩擦力が大きくなり、固定用ビス35が緩みやすくなるのを防止している。
一度目の防水構造の施工の後、二度目以降の施工の場合でも本発明を用いることができる。先付け構造と後付け構造をどのような順で施工しても良く、先付け構造の後に先付け構造、先付け構造の後に後付け構造、後付け構造の後に先付け構造、先付け構造の後に後に先付け構造の組み合わせで用いることができる。
さらに、一度目の防水構造において、防水シートを固定する際に接着剤により固定する接着工法を用いた後に本発明の先付け方法、後付け工法を適応することもできる?。
ここで、改修工法においては既設の防水構造の上に新たに防水構造を設けるものである。そのため、金属製屋根材10に近い部分に固定具30の緩みを低減する措置を設けることが困難である。既存の防水層の一部、全部を除去し金属製屋根材10に近い位置に固定具30の緩みを低減する措置を設けることも可能だが、工数、部材、廃棄物の増加により時間とコスト面で現実手的には採用しがたい方法である。
そこで、本発明の緩み低減手段を断熱材20を挟んで上下に設ける構造は固定具30の緩みを低減するとともに、工数、部材、廃棄物の増加をもたらすことがないとの効果を有する。さらに、断熱材20の下側部分での緩み低減手段は、固定具30に設けた手段のため、2回目以降の改修工法においても、金属製屋根材10に対し緩み低減を行えるため好ましい。
一度目の防水構造の施工後に、二度目以降に先付け構造を設ける場合の防水構造について図10を用いて説明する。一度目の先付け構造は図1、図8と同様とすることができるが、異なる構成、構造を用いても良い。図10のように一度目の施工において先付け構造とした場合においては、金属製屋根材10である折板屋根11の上に断熱材20を敷設し、断熱材20の上に固定板である第1固定板46を配置し固定板40の上から固定具である第1固定用ビス36を折板屋根11に打ち込む。そして、断熱材20、第1固定板46の上を覆うように防水シートである第1防水シート51を敷設し、第1固定板46と第1防水シート51と接合する。
なお、1回目の施工時に第1緩衝シート71、第1固定板緩衝材61を用いていなくても良い。また、一度目の先付け工法においては、第1固定具として用いられた第1固定用ビス36に緩み低減手段を用いていなくても良いが、いずれか一方または両方の手段を用いることは好ましい。
その後の二度目の先付け構造について説明する。第1防水シート51の上に、緩衝シートとして第2緩衝シート72を敷設する。第2緩衝シート72の上であって、第2固定板47を配置する位置に第2固定板緩衝材82を配置し、第2固定板緩衝材82の上に金属製の第2固定板47が配置する。第2固定板47の上から固定具30として第2固定用ビス37を折板屋根11に打ち込む。
ここで、折板屋根11の山部の対応する位置に固定板を配置し、第1固定板46とは重ならない山部に第2固定板47を配置する。図7には、折板屋根11の平面図に固定板40を配置する位置を示している。なお、図7は折板屋根11に対し固定板40の配置を図示したものであり、折板屋根11の上に直接、固定板40を配置したものではない。図7のように第1固定板46と第2固定板47を交互となるように配置しても良く、折板屋根11の長手方向と垂直な方向の一断面において、折板屋根11の山部11aの上に交互に第1固定板46と第2固定板47を交互に配置している。
第2固定板47の上を覆うように防水シートである熱可塑性樹脂製の第2防水シート52´を敷設し、第2固定板47と第2防水シート52´とを接合する。ここで、第2固定板47の上面には樹脂被覆層41が設けられており、樹脂被覆層41が第2防水シート52´の下面の熱可塑性樹脂層と接合されている。本実施形態では、樹脂被覆層41と第2防水シート52´の裏面の熱可塑性樹脂層とは同種の熱可塑性樹脂層で形成されている。第2防水シート52´の第2固定板47の対応する位置に電磁誘導加熱装置を置き、発振することで金属製の第2固定板47が加熱され、樹脂被覆層41と第2防水シート52´の裏面の熱可塑性樹脂層とを熱融着されている。
固定具30は固定用ビスとして第2固定用ビス37が用いられている。
第2固定用ビス37は断熱材20の上側部分Uと下側部分L(図2)の2か所で緩み低減手段を設けられている。本実施態様において、図3のように第2固定板47の上面には樹脂被覆層41が設けられ、第2固定板47の上面から第2固定用ビス37を通すための貫通孔42が設けられている。貫通孔42の周縁である貫通孔周縁部43は第2固定用ビス37のビス頭31の形状に応じて凹部として形成され、貫通孔周縁部43にも樹脂被覆層41が被覆されている。第2固定用ビス37をドライバ等で回転させながら打ち込まれることで、貫通孔周縁部43の樹脂被覆層41と第2固定用ビス37とがより隙間なく密着し摩擦が生じる状態で固定されている。
また、第2固定用ビス37には図5に示すようにねじ山32sに切り欠き部32vを有している。下側部分L(図2)では、切り欠き部32Vが金属製屋根材10の下面側で引っ掛かりとなり、第2固定用ビス37が緩みやすくなるのを防止している。
後付け構造の後に先付け構造を行う場合も図10の2回目の後付け構造と同様の構造とすることができる。この場合も、図7のように固定板40の位置を後付け構造の第1固定板と先付け工法の第2固定板との位置をずらして配置する。
一度目の防水構造の施工に後、二度目以降に後付け構造を設ける場合の防水構造について図11を用いて説明する。一度目の後付け構造は図6、図9と同様とすることができるが、異なる構成、構造を用いても良い。図11のように一度目に後付け構造とした場合においては、金属製屋根材10である折板屋根11の上に断熱材20が敷設され、さらに断熱材20の上に防水シート50である第1防水シート51が敷設され、断熱材20の上から固定板40である第1固定板46が配置され、第1固定板46の上から固定具30である第1固定用ビス36が金属製屋根材10に打ち込まれている。第1固定板46の上を覆うように第1防水補強用シート91が敷設され第1防水補強用シート91は第1固定板46、第1防水シート51と接合される。
なお、一度目の後付け構造においては、第1固定具として用いられた第1固定用ビス36に緩み低減手段を用いていなくても良いが、上側部分か下側部分の一方または両方においての緩み低減手段を用いることは好ましい。
その後の二度目の後付け構造について説明する。
既に敷設された第1防水シート51の上に緩衝シートとして第2緩衝シート72を敷設し、第2緩衝シート72の上に防水シートである熱可塑性樹脂製の第2防水シート52´を敷設する。そして、第2防水シート52´の上であって第1固定板46と重ならないように第2固定板47を配置する位置に第2固定板補強用シート62を配置し、第2固定板補強用シート62と第2防水シート52´とは接合されている。第2固定板補強用シート62の上に第2固定板47を配置し固定具である第2固定用ビス37が第2固定板47を貫通して折板屋根11に打ち込まれている。第2固定板47を覆うように第2防水用補強シート92を敷設されている。
ここで第1固定板46と第2固定板47は、重ならないようにずらして配置し、図7のように第1固定板46と第2固定板47を交互となるように配置しても良く、図11では折板屋根11の長手方向と垂直な方向の一断面において、折板屋根11の山部の上に交互に第1固定板46と第2固定板47を交互に配置されている。
第2防水用補強シート92は第2固定板47全体を覆うように第2固定板47より大きく形成され、第2防水用補強シート92の端縁部は第2防水シート52´と接し、第2防水用補強シート92の端縁部と第2防水シート52´とは接合されている。
本実施形態では、第2固定板47の上面には樹脂被覆層41が設けられており、樹脂被覆層41が第2防水用補強シート92の下面の熱可塑性樹脂層とは熱融着により接合されている。同様に、第2防水用補強シート92と第2防水シート52´とは熱可塑性樹脂層で形成され互いを熱融着により接合されている。より強く接合するために第2固定板47の樹脂被覆層41、第2防水用補強シート92と第2防水シート52´とは同種の熱可塑性樹脂系組成物で構成されていることが好ましい。
第2固定板補強用シート62と第2防水シート52´とは、熱可塑性樹脂層で構成されており接合は熱溶着でもよいし、液溶着でも可能である。
ここで、第2固定板47と第2防水用補強シート92の接合、第2防水用補強シート92と第2防水シート52´との接合、第2防水用補強シート92と第2緩衝シート72との接合は、熱による熱融着でもよいし、溶剤による液溶着でよい。
固定具30は断熱材20の上側部分Uと下側部分L(図2)の2か所で緩み低減手段を設けられている。本実施態様において、図3のように第2固定板47の上面には樹脂被覆層41が設けられ、第2固定板47の上面から第2固定用ビス37を通すための貫通孔42が設けられている。貫通孔42の周縁である貫通孔周縁部43は第2固定用ビス37のビス頭31の形状に応じて凹部として形成され、貫通孔周縁部43にも樹脂被覆層41が被覆されている。第2固定用ビス37をドライバ等で回転させながら打ち込まれることで、貫通孔周縁部43の樹脂被覆層41と第2固定用ビス37とがより隙間なく密着し摩擦が生じる状態で固定されている。
また、固定用ビス35には図4に示すようにねじ部32に樹脂被覆層41を有している。下側部分L(図2)では、ねじ部32の樹脂被覆層41が金属製屋根材10に強く密着させれることで摩擦力が大きくなり、固定用ビス35が緩みやすくなるのを防止している。
第1回目を先付け構造とした場合も、図11の2回目の後付け構造と同様の構造とすることができる。この場合も、図7のように固定板40の位置を後付け構造の第1固定板と先付け構造の第2固定板との位置をずらして配置する。
一度目の施工の後で二度目に先付け工法を行う場合の施工方法を説明する。
一度目の先付け工法を用いる場合は図1、図8の態様と同様に行うことができる。その後、二度目の先付け工法について、図10を用いて説明する。なお、一度目を後付け工法で行った場合も以下と同様な施工方法を行うことができる。
第1防水シート51の上に緩衝シートである第2緩衝シート72を敷設し、第2緩衝シート72の上に新たに設置する固定板40として第2固定板47を配置する。なお、第2固定板47を配置する位置であって、第2緩衝シート72の上には予め第2固定板緩衝材82を配置しておく。ここで、第2固定板47は第1固定板46の位置をずらして設置する。図10の態様では金属製屋根材10である折板屋根の長手方向に対し垂直な一方向の断面において、第1固定板46を配置した山部とは別の山部の上に第2固定板47を配置している。第2固定板47の上から固定具である第2固定具37を折板屋根11に打ち込む。そして、第2固定板40の上を覆うように熱可塑性樹脂系の防水シートである第2防水シート52´を敷設する。
ここで、第2固定板47の上面には樹脂被覆層41が設けられており、樹脂被覆層41が第2防水シート52´の下面の熱可塑性樹脂層と接合する。本実施形態では、樹脂被覆層41と第2防水シート52´の裏面の熱可塑性樹脂層とは同種の熱可塑性樹脂層で形成されている。第2防水シート52´の第2固定板47の対応する位置に電磁誘導加熱装置を置き、発振することで金属製の第2固定板47が加熱され、樹脂被覆層41と第2防水シート52´の裏面の熱可塑性樹脂層とを熱融着する。
第2固定板補強用シート62と第2防水シート52´とは、熱可塑性樹脂層で構成されており接合は熱溶着でもよいし、液溶着でも可能である。
固定具30は固定用ビスとして第2固定用ビス37´が用いられている。
第2固定用ビス37´は断熱材20の上側部分Uと下側部分L(図2)の2か所で緩み低減手段を設けられている。本実施態様において、図3のように第2固定板47の上面には樹脂被覆層41が設けられ、第2固定板47の上面から第2固定用ビス37´を通すための貫通孔42が設けられている。貫通孔42の周縁である貫通孔周縁部43は第2固定用ビス37´のビス頭31の形状に応じて凹部として形成され、貫通孔周縁部43にも樹脂被覆層41が被覆されている。第2固定用ビス37´をドライバ等で回転させながら打ち込まれることで、貫通孔周縁部43の樹脂被覆層41と第2固定用ビス37´とがより隙間なく密着し摩擦が生じる状態で固定されている。
また、第2固定用ビス37´には図5に示すようにねじ山32sに切り欠き部32vを有している。下側部分L(図2)では、切り欠き部32Vが金属製屋根材10の下面側で引っ掛かりとなり、第2固定用ビス37´が緩みやすくなるのを防止している。
一度目の防水構造の施工に後、二度目以降に後付け工法を用いる場合について図11を用いて説明する。一度目に後付け工法を行う場合には図6、図9と同様とすることができるが、異なる構成、工法を用いても良い。
一度目の先付け工法において敷設していた第1防水シート51の上に第2緩衝シート72を敷設し、第2緩衝シート72の上に防水シートである熱可塑性樹脂製の第2防水シート52´を敷設する。そして、第2防水シート52´の上に第2固定板補強用シート62を設ける。第2固定板補強用シート62は、固定板を配置する位置に置き、第2固定板補強用シート62の上に金属製の固定板である第2固定板47を配置する。そして、第2固定板47の上から固定具30として第2固定用ビス37を第2防水シート52´を貫通して折板屋根11に打ち込む。第2固定板47の上から第2防水用補強シート92が第2固定板47の形状に対応し、第2固定板47の全体を覆うように敷設され、第2固定板47と上面と第2防水補強用シート92の下面とが接合されている。このように、第2防水シート52´の上から第2固定板47と固定具30である第2固定用ビス37で金属製屋根材10である折板屋根11に対し固定されている。
第2固定板47の上面には樹脂被覆層41が設けられており、樹脂被覆層41が第2防水用補強シート92の下面の熱可塑性樹脂層と接合されている。本実施形態では、樹脂被覆層41と第2防水用補強シート92の裏面の熱可塑性樹脂層とは同種の熱可塑性樹脂層で形成され、加熱によって樹脂被覆層41と第2防水用補強シート92の裏面の熱可塑性樹脂層とが熱融着することで、第2固定板47の上面に第2防水用補強シート92が接合し固定されている。
固定具30は断熱材20の上側部分Uと下側部分L(図2)の2か所で緩み低減手段を設けられている。本実施態様において、図3のように第2固定板47の上面には樹脂被覆層41が設けられ、第2固定板47の上面から第2固定用ビス37を通すための貫通孔42が設けられている。貫通孔42の周縁である貫通孔周縁部43は第2固定用ビス37のビス頭31の形状に応じて凹部として形成され、貫通孔周縁部43にも樹脂被覆層41が被覆されている。第2固定用ビス37をドライバ等で回転させながら打ち込まれることで、貫通孔周縁部43の樹脂被覆層41と第2固定用ビス37とがより隙間なく密着し摩擦が生じる状態で固定されている。
また、固定用ビス35には図4に示すようにねじ部32に樹脂被覆層41を有している。下側部分L(図2)では、ねじ部32の樹脂被覆層41が金属製屋根材10に強く密着させれることで摩擦力が大きくなり、固定用ビス35が緩みやすくなるのを防止している。
図8の先付け構造、図9の後付け構造において、固定板40に固定具30を打ち込み、固定具30のビス頭31の上面にビス頭31用接着剤Sを塗布してその上から、防水シート50や防水補強用シート90を敷設し固定具30が緩むのをさらに低減することができる。ビス頭用接着剤Sはビス頭31の上面から固定板40の上面の一部にかけて塗布されるため、固定具30の逆回転を低減することができる。
ビス頭用接着剤Sは2回目以降の施工においても用いることができる。
金属製屋根材10は、図1に示したような折板屋根の他、デッキプレートやルーフデッキを用いても良い。また、金属としては、鉄、ステンレス、銅、アルミ等を用いることができ、錆に強いとの点でステンレスを用いるのが好ましい。
金属製屋根材10が金属板により構成されている場合、特に折板屋根のように金属板の厚みが固定具30との接合部分となる場合、金属板の厚みが薄いと固定具30との固定部分が薄いため、より振動による緩みが起こりやすく、緩んだ場合に固定具30が引き抜かれやすくなる。そのため、金属板の厚みが薄い場合には、本発明の緩み低減手段を断熱材20を挟んで上下で用いることが重要となる。すなわち、上側部分、下側部分の両側で緩みを低減することで固定具30が緩むのを効果的に防止することができる。特に下側部分において、金属板の厚みが薄いため、図4のような樹脂被覆層を設けたり、図5のようにねじ部32に切り欠き部32vを設けることでより効果的に緩みを低減することができる。
金属板の厚みが薄いとは、0.8mm~1.5mmが例示できるが、0.8mm~1.2mmの場合や0.8mm~1.0mmの場合はより本発明の緩み低減手段が固定具30の緩みを低減するとの点で有効となる。
断熱材20は、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム、フェノールフォーム等の一般的な材料が使用できる。面材がある断熱材を用いても良くその場合、面材の材質はクラフト紙、アルミはく等のアルミ薄膜、ガラス不織布、ポリエステル不織布等の一般的な材質、もしくはこれらの材料を組み合わせたものでもよい。
断熱材の厚みは、25mm~150mmが用いられる。また、断熱材に厚みが、25mm以上の場合、固定板40の位置が断熱材20が薄い場合よりも離れるため、モーメントによりより固定具30が緩みやすくなるため、本発明の緩み低減手段を断熱材20を挟んで上下に設けることが効果的に固定具30の緩みを低減することができる。
固定板40は、防水シート50を金属製屋根材10に対しより安定的に固定するために用いられる。そのため、適度な剛性と強度を有することが好ましく、金属製、樹脂製、木製等が用いられる。剛性と強度の面から金属製が好ましい。
固定板40の上面には樹脂被覆層41が設けられている。樹脂被覆層41は、熱可塑性樹脂層や接着剤層を用いることができる。熱可塑性樹脂層とする場合には、ポリ塩化ビニル樹脂系、加硫ゴム系、非加硫ゴム系、熱可塑性エラストマー系、エチレン酢酸ビニル樹脂系等を用いることができる。防水シートをポリ塩化ビニル樹脂系防水シートとする場合には、樹脂被覆層41もポリ塩化ビニル樹脂系組成物で構成することが接合強度を向上させ、熱融着や液溶着を容易に行うことができるため好ましい。
固定具30は、ビス、ネジ、ボルト、釘等を用いてもよい。材質としては、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼等の鋼材などが使用できる。
防水シート50は、熱可塑性樹脂系の防水シートが好ましく用いられ、ポリ塩化ビニル樹脂系、加硫ゴム系、非加硫ゴム系、熱可塑性エラストマー系、エチレン酢酸ビニル樹脂系等の防水シートが使用できる。柔軟性、耐候性、防水シート同士または他の部材とを容易かつ充分に接合できるとの点からポリ塩化ビニル樹脂系防水シートが特に好ましく用いられる。
防水シート50は、熱可塑性樹脂層の単層でも良いが、寸法安定性、引張強度に優れるという点からガラスクロス、ガラス不織布、ポリエステルクロス、ポリエステル不織布等の基材層を積層した複層品が好ましい。基材層は最下層に設けても良いが熱可塑性樹脂層の中間に設けても良い。また熱可塑性樹脂層は一層であっても、複数の層であってもよく、それぞれの層の組成を異なるものとしてもよい。
固定板補強用シート60、防水用補強シート90は、熱可塑性樹脂系の防水シートが好ましく用いられ、ポリ塩化ビニル樹脂系、加硫ゴム系、非加硫ゴム系、熱可塑性エラストマー系、エチレン酢酸ビニル樹脂系等の防水シートが使用できる。柔軟性、耐候性、防水シート同士または他の部材とを容易かつ充分に接合できるとの点からポリ塩化ビニル樹脂系防水シートが特に好ましく用いられる。それらの接合は、熱融着や液溶着を用いることができる。
固定板補強用シート60、防水用補強シート90、熱可塑性樹脂層の単層でも良いが、寸法安定性、引張強度に優れるという点からガラスクロス、ガラス不織布、ポリエステルクロス、ポリエステル不織布等の基材層を積層した複層品が好ましい。基材層は最下層に設けても良いが熱可塑性樹脂層の中間に設けても良い。また熱可塑性樹脂層は一層であっても、複数の層であってもよく、それぞれの層の組成を異なるものとしてもよい。
防水シート50、固定板補強用シート60、防水用補強シート90をポリ塩化ビニル樹脂系シートとすることで、柔軟性、耐候性、防水シート同士または他の部材とを容易かつ充分に接合できるため特に好ましい。
緩衝シート70は、防水シートと他の層が直接接触することで相互に組成物の移動により劣化や硬度が変化する等の不具合を防止するために用いられる。特にポリ塩化ビニル樹脂系組成物を用いた層を使用する場合、ポリ塩化ビニル樹脂系防水シートを用いる場合はポリ塩化ビニル樹脂組成物に含まれる可塑剤の他の層、例えば断熱材への移行を防止するために用いられる。
緩衝シート70は、熱可塑性樹脂製のシートが好適に用いられるが、層間の組成物の移行防止できれば紙や金属薄膜、織物や不織布であてもよい。ポリ塩化ビニル樹脂系防水シートを用いる場合はポリオレフィン系樹脂製が好ましい。
固定板緩衝材80は、先付け工法において固定板40の下側に配置され、固定板40が加熱され固定板40の下に配置された断熱材20が熱により溶融するのを低減するために用いられる。したがって、固定板緩衝材80は、熱が断熱材に伝わるのを低減できればよく、紙製、合成樹脂製、木製や織物や不織布であってもよい。また、固定板緩衝材80は、固定板40を下側の層との密着を向上させ固定板40が回転や振動することを防止できる。
コストと十分な断熱性を有することから紙製が好適に用いられる。
ビス頭用接着剤Sは接着剤や粘着剤、シーラー、シーリング材など、適度な流動性や柔軟性と接着性、粘着性を持つものが用いられる。シーリング材、特には変性シリコーン系シーリング材が好ましい。
実施例1として図8において以下の部材を用いて先付け構造による施工を行った。金属製屋根材10は金属板の厚みが0.8mmである折板屋根11、断熱材20はウレタンフォーム、固定具30は、ねじ部32にポリ塩化ビニル樹脂系組成物からなる樹脂被覆層32aを有する固定用ビス、固定板40はステンレス製であり上面にポリ塩化ビニル樹脂系組成物からなる樹脂被覆層41を有する円形ディスク、防水シート50はポリ塩化ビニル樹脂系組成物からなる層の間に基材を積層したポリ塩化ビニル樹脂系防水シート、緩衝シートは発泡ポリエチレンシートにポリエチレンクロスを積層したポリエチレン系緩衝シート、固定板補強用シートは紙製シート、ビス頭接着剤として変性シリコーン系シーリング材を用いた。
実施例2として図9において以下の部材を用いて後付け構造による施工を行った。実施例1とは異なる部材のみ説明する。折板屋根11の金属板の厚みは1mmであり、固定板用補強シートはポリ塩化ビニル樹脂系組成物からなるポリ塩化ビニル樹脂系シート、防水補強用シートはポリ塩化ビニル樹脂系組成物からなるポリ塩化ビニル樹脂系シートを用いた。
実施例1、2は1回目の施工による防水構造であるが、2回目以降の施工においても実施例1、2と同様の施工による防水構造とすることができる。
本発明によれば、金属デッキ屋根の断熱防水構造において、より少ない材料で高い耐風圧性能を確保した防水構造が得られる。
10 金属製屋根材
20 断熱材
30 固定具
40 固定板
50 防水シート
60 固定板補強用シート
70 緩衝シート
80 固定板緩衝材
90 防水用補強シート

Claims (7)

  1. 金属製屋根の上に敷設された断熱材と、
    前記断熱材の上に敷設された防水シートと、
    前記防水シートを前記金属製屋根材の上に固定するために前記断熱材の上に配置される貫通孔を有する固定板と、
    前記固定板の上から前記貫通孔を通して、前記金属製屋根材に固定されている固定具と、
    を備え、
    前記固定板の上面には樹脂被覆層を有し、前記固定具が前記貫通孔の周縁部である貫通孔周縁部の前記樹脂被覆層と接触され、
    前記固定具に前記金属製屋根材との接触部分での緩みを低減する緩み低減手段を有し、前記緩み低減手段が前記固定具のねじ部に設けられた前記金属製屋根材へ引っ掛かる部分であり、前記ねじ部に設けられた切り欠き部である、断熱防水構造。
  2. 金属製屋根の上に敷設された断熱材とその上に敷設された防水シートを有する一度目の防水構造の上に敷設された防水シートと、
    前記防水シートを前記金属製屋根材の上に固定するために前記一度目の防水構造の上に配置される貫通孔を有する固定板と、
    前記固定板の上から前記貫通孔を通して、前記金属製屋根材に固定されている固定具と、
    を備え、
    前記固定板の上面には樹脂被覆層を有し、前記固定具が前記貫通孔の周縁部である貫通孔周縁部の前記樹脂被覆層と接触され、
    前記固定具に前記金属製屋根材との接触部分での緩みを低減する緩み低減手段を有し、前記緩み低減手段が前記固定具のねじ部に設けられた前記金属製屋根材へ引っ掛かる部分であり、前記ねじ部に設けられた切り欠き部である、二度目に施工された断熱防水構造。
  3. 前記固定板の上面には樹脂被覆層を有し、前記固定具が前記貫通孔の周縁部である貫通孔周縁部の前記樹脂被覆層と接触された部分が前記断熱材より上部での前記固定具の緩み低減手段であり、
    前記固定具において前記金属製屋根材との接触部分での緩みを低減する部分が前記断熱材より下側での前記固定具の緩み低減手段であり、
    前記断熱材の上下で前記固定具の緩み低減手段を備える、請求項1または請求項2に記載の断熱防水構造。
  4. 前記断熱材の上に前記固定板が配置され、前記固定板の上に前記防水シートが敷設固定されている、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の断熱防水構造。
  5. 前記断熱材の上に前記防水シートが敷設され、前記防水シートの上に固定板が配置され前記固定板を覆う防水用補強シートをさらに備える、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の断熱防水構造。
  6. 金属製屋根の上に断熱材を敷設し、
    前記断熱材の上に防水シートを敷設し、
    前記防水シートを前記金属製屋根材の上に固定するために前記断熱材の上に貫通孔を有する固定板を配置し、
    前記固定板の上から前記貫通孔を通して、前記金属製屋根材に固定具を固定し、
    前記固定板の上面には樹脂被覆層を有し、前記固定具を前記貫通孔の周縁部である貫通孔周縁部の前記樹脂被覆層と接触させ、
    前記固定具に前記金属製屋根材との接触部分での緩みを低減する緩み低減手段を有し、前記緩み低減手段が前記固定具のねじ部に設けられた前記金属製屋根材へ引っ掛かる部分であり、前記ねじ部に設けられた切り欠き部である、断熱防水構造の施工方法。
  7. 金属製屋根の上に敷設された断熱材とその上に敷設された防水シートを有する一度目の防水構造の上に防水シートを敷設し、
    前記防水シートを前記金属製屋根材の上に固定するために前記一度目の防水構造の上に貫通孔を有する固定板を配置し、
    前記固定板の上から前記貫通孔を通して、前記金属製屋根材に固定具を固定し、
    前記固定板の上面には樹脂被覆層を有し、前記固定具を前記貫通孔の周縁部である貫通孔周縁部の前記樹脂被覆層と接触させ、
    前記固定具に前記金属製屋根材との接触部分での緩みを低減する緩み低減手段を有し、前記緩み低減手段が前記固定具のねじ部に設けられた前記金属製屋根材へ引っ掛かる部分であり、前記ねじ部に設けられた切り欠き部である、二度目に施工された断熱防水構造の施工方法。
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