JP7626706B2 - レクチン結合性物質測定方法及びレクチン結合性物質測定キット、並びに、これらに用いる捕捉担体 - Google Patents
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Description
(1)試料中のレクチン結合性物質を測定する方法であり、
非水溶性担体及び前記非水溶性担体に固定された分子を備え、かつ、前記分子がレクチン結合性物質を捕捉可能な分子である捕捉担体と、前記試料と、を接触させ、前記レクチン結合性物質を前記捕捉担体に捕捉させる捕捉工程と、
前記捕捉担体に結合していない夾雑物を除去する洗浄工程と、
前記捕捉担体から前記レクチン結合性物質を遊離させて調製試料を得る遊離工程と、
前記調製試料中の前記レクチン結合性物質をレクチンを用いて測定する測定工程と、
を含むことを特徴とする、レクチン結合性物質測定方法。
(2)前記測定工程が、標識物質及びレクチンを備える標識化レクチンと、前記調製試料と、を接触させる工程を含む、(1)に記載のレクチン結合性物質測定方法。
(3)前記測定工程が、第1の水溶性高分子からなる水溶性担体と前記水溶性担体に固定された標識物質及びレクチンとを備えるブロック化標識レクチンと、前記調製試料と、を接触させる工程を含む、(1)又は(2)に記載のレクチン結合性物質測定方法。
(4)第2の水溶性高分子の存在下で前記測定工程を実施する、(1)~(3)のうちのいずれかに記載のレクチン結合性物質測定方法。
(5)(1)~(4)のうちのいずれかに記載のレクチン結合性物質測定方法に用いるための、非水溶性担体及び前記非水溶性担体に固定された分子を備え、かつ、前記分子がレクチン結合性物質を捕捉可能な分子である、捕捉担体。
(6)試料中のレクチン結合性物質を測定するためのキットであり、(5)に記載の捕捉担体を含む、レクチン結合性物質測定キット。
(7)標識物質及びレクチンを備える標識化レクチンをさらに含む、(6)に記載のレクチン結合性物質測定キット。
(8)第1の水溶性高分子からなる水溶性担体と前記水溶性担体に固定された標識物質及びレクチンとを備えるブロック化標識レクチンをさらに含む、(6)又は(7)に記載のレクチン結合性物質測定キット。
(9)第2の水溶性高分子をさらに含む、(6)~(8)のうちのいずれかに記載のレクチン結合性物質測定キット。
本発明のレクチン結合性物質測定方法に用いられる「試料」としては、レクチン結合性物質が存在し得る試料である限り特に制限はない。一般的には、診断対象等、目的のレクチン結合性物質を測定する対象(好ましくはヒト)から採取された血清、血漿、及び全血等の血液試料;尿;便;口腔粘膜;咽頭粘膜;腸管粘膜;並びに各種生検試料等が挙げられる。本発明に係る試料として好ましくは、水性試料であり、血清又は血漿である。これらの試料は、必要に応じて希釈したものであってもよい。
本発明において、「レクチン結合性物質」とは、レクチンに結合可能な糖鎖(レクチン結合性糖鎖構造を有する糖鎖)又は前記糖鎖を有する物質のことを示し、より具体的には、レクチンに結合可能な糖鎖を有する糖タンパク質、前記糖鎖を有する糖脂質、及び前記糖鎖を含む炭水化物が挙げられる。
本発明において、「捕捉担体」とは、非水溶性担体と前記非水溶性担体に固定された分子とを備える複合体であって、前記分子がレクチン結合性物質を捕捉可能な分子であり、前記非水溶性担体と前記分子とが直接的又は間接的に結合した結合体である。
本発明において、「レクチン結合性物質を捕捉可能な分子」とは、レクチン結合性物質と結合可能であり、該レクチン結合性物質を対象物質として捕捉可能な分子(以下、場合により「対象物質捕捉分子」という)である。前記対象物質捕捉分子としては、前記レクチン結合性物質への結合能を有する限り特に制限はなく、抗体、結合タンパク質(プロテインA、プロテインG、プロテインL等)、レセプタータンパク質、核酸等が挙げられる。前記抗体としては、ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよい。また、本発明において、「抗体」には、完全な抗体の他、抗体断片(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、単鎖抗体、ダイアボディー等)や抗体の可変領域を結合させた低分子化抗体も含まれる。なお、精製処理においては、特に対象物質以外の糖鎖含有成分を洗浄除去することが望ましいため、前記対象物質捕捉分子からは、糖鎖結合性を有するレクチンは除くことが好ましい。
本発明の捕捉担体に含まれる非水溶性担体は、主に前記対象物質捕捉分子を担持し、固相化する担体として機能するものであり、非水溶性の物質である。本発明において、「非水溶性の物質」とは、常温常圧下において水に不溶(水に対する溶解度が0.001g/mL以下、好ましくは0.0001g/mL以下、以下同様)である物質を示す。
本発明の捕捉担体において、前記対象物質捕捉分子の含有量としては特に制限されず、該対象物質捕捉分子とレクチン結合性物質との結合のしやすさ等に応じて適宜調整することができるが、例えば、前記非水溶性担体(好ましくは粒子)の質量(非水溶性担体が2種以上の組み合わせである場合にはそれらの合計)100質量部に対する対象物質捕捉分子の質量(対象物質捕捉分子が2種以上の組み合わせである場合にはそれらの合計)が、0.1~10質量部であることが好ましく、1~5質量部であることがより好ましい。
本発明のレクチン結合性物質測定方法においては、試料中のレクチン結合性物質をレクチンを用いて測定する前に、上記本発明の捕捉担体を用い、前記試料に対して下記の精製処理を施す。
本発明に係る精製処理は、前記捕捉担体と、前記試料と、を接触させ、前記レクチン結合性物質を前記捕捉担体に捕捉させる捕捉工程と、前記捕捉担体に結合していない夾雑物を除去する洗浄工程と、前記捕捉担体から前記レクチン結合性物質を遊離させて調製試料を得る遊離工程と、を含む。
前記捕捉工程においては、前記捕捉担体と前記試料とを接触させ、前記レクチン結合性物質と前記対象物質捕捉分子との結合を介して前記レクチン結合性物質を前記捕捉担体に捕捉させる。前記捕捉担体と前記試料とを接触させる方法としては、特に制限されず、適宜従来公知の方法又はそれに準じた方法を採用することができ、例えば、前記非水溶性担体がプレートで前記捕捉担体が対象物質捕捉分子固定化プレートである場合にはこれに前記試料を注入する方法や、前記非水溶性担体が粒子で前記捕捉担体が対象物質捕捉分子固定化粒子である場合には前記試料中に前記対象物質捕捉分子固定化粒子を添加する方法が挙げられる。
前記洗浄工程においては、前記捕捉担体に結合した対象物質(試料中にレクチン結合性物質が含まれる場合には少なくともこれを含む)と、それ以外の前記捕捉担体に結合していない(捕捉されていない)夾雑物とを分離し、前記夾雑物を除去する。前記夾雑物を除去する方法としては、特に制限されず、適宜従来公知の方法又はそれに準じた方法を採用することができ、例えば、前記非水溶性担体がプレートで前記捕捉担体が対象物質捕捉分子固定化プレートである場合には前記捕捉工程の後にプレート上から液相(上清)を除去する方法や、前記非水溶性担体が粒子で前記捕捉担体が対象物質捕捉分子固定化粒子である場合には前記捕捉工程の後に前記粒子を遠心や集磁によって回収して液相(上清)を除去する方法が挙げられる。また、前記洗浄工程においては、次いで、必要に応じて、洗浄液の注入及び除去を繰り返してもよい。前記洗浄液としては、例えば、中性(好ましくは、pH6~9)の公知の緩衝液(ナトリウムリン酸バッファー、MES、Tris、CFB、MOPS、PIPES、HEPES、トリシンバッファー、ビシンバッファー、グリシンバッファー等)が挙げられ、また、BSA等の安定化蛋白や界面活性剤等が添加されたものであってもよい。
前記遊離工程においては、前記捕捉担体に結合したレクチン結合性物質を、前記捕捉担体から遊離させ、測定工程に供するための試料として、再遊離したレクチン結合性物質を含有する調製試料を得る。前記捕捉担体から前記レクチン結合性物質を遊離させる方法としては、特に制限されず、例えば、反応系を酸性又はアルカリ性にする方法;前記リンカーとして光切断型リンカーを用いた場合には、光照射によってこれを切断する方法;界面活性剤を用いた方法;タンパク質変性剤を用いた方法;熱を加える方法;上記の方法を複合的に用いた方法等が挙げられる。
本発明のレクチン結合性物質測定方法においては、前記精製処理で得られた調製試料について、該調製試料中のレクチン結合性物質をレクチンを用いて測定する。本発明において、「測定」には、レクチン結合性物質の存在の有無の確認をする検出の他、レクチン結合性物質の量の定量又は半定量が含まれる。本発明において、レクチン結合性物質の測定は、標識物質によって生じるシグナルを検出し、必要に応じてこれを定量することによって行われる。前記「シグナル」には、呈色(発色)、反射光、発光、蛍光、放射性同位体による放射線等が含まれ、肉眼で確認できるものの他、シグナルの種類に応じた測定方法・装置によって確認できるものも含まれる。
本発明のレクチン結合性物質測定方法の第1の形態においては、前記測定工程が、第1の水溶性高分子からなる水溶性担体と前記水溶性担体に固定された標識物質及びレクチンとを備えるブロック化標識レクチンと、前記調製試料と、を接触させる工程を含む。
本発明のブロック化標識レクチンに含まれる水溶性担体は、主に前記標識物質及びレクチンを担持する担体として機能するものであり、水溶性高分子からなる。本発明に係る水溶性担体を構成する水溶性高分子(以下、「第1の水溶性高分子」という)としては、前記標識物質及びレクチンを固定させて担持できる水溶性高分子である限り特に制限はない。本発明において、「水溶性高分子」とは、常温常圧下で水に対する溶解度が0.01g/mLを超える、好ましくは0.05g/mL以上である、より好ましくは0.1g/mL以上である高分子化合物を示す。
本発明のブロック化標識レクチンに含まれる標識物質は、主に前記ブロック化標識レクチンの標識として機能するものであり、公知の免疫学的測定において標識物質として用いられているものを特に制限なく用いることができる。
本発明のブロック化標識レクチンに含まれるレクチンとしては、例えば、上記のレクチン結合性物質において挙げたレクチンが挙げられ、特に制限されず、被測定物質であるレクチン結合性物質の種類に応じて適宜選択することができ、1種を単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。これらの中でも、本発明のブロック化標識レクチンに含まれるレクチンとしては、タンパク質上に現れるがん特異的な糖鎖型に基づく糖タンパク質の測定を悪性腫瘍の診断補助に用いる観点からは、レンズマメレクチン(LCA)、イヌエンジュレクチンI(MAM)、ヒイロチャワンタケレクチン(AAL)、及びノダフジレクチン(WFA)からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、これらのうちのいずれか1種であることがより好ましい。
本発明のブロック化標識レクチンにおいて、前記標識物質の含有量としては特に制限されず、測定機構等に応じて適宜調整することができるが、測定感度をより向上させるために、第1の水溶性高分子1分子に結合する標識物質の分子数ができるだけ多くなるように設定することが好ましく、例えば、前記標識物質が酵素である場合、第1の水溶性高分子の質量(第1の水溶性高分子が2種以上の組み合わせである場合にはそれらの合計、以下同じ)100質量部に対する標識物質の質量(標識物質が2種以上の組み合わせである場合にはそれらの合計)が、100~1,000質量部であることが好ましく、300~800質量部であることがより好ましい。
本発明の第1の形態としては、前記検出体として前記ブロック化標識レクチンを用いる方法であることが好ましい。本発明の第1の形態において、前記測定工程、つまり、ブロック化標識レクチンとレクチン結合性物質との反応において、前記ブロック化標識レクチン及びレクチン結合性物質を含む反応液中の、ブロック化標識レクチンの含有量(終濃度)(ブロック化標識レクチンが2種以上の組み合わせである場合にはそれらの合計、以下同じ)としては、特に制限されず、試料の種類、濃度等に応じて適宜調整されるものであるため特に制限されないが、過剰に用いると高いバックグラウンドシグナルを生じる可能性がある観点から、例えば、0.001~10μg/mLであることが好ましく、0.01~5μg/mLであることがより好ましく、0.1~1μg/mLであることがさらに好ましい。
本発明のレクチン結合性物質測定方法の第2の形態においては、前記測定工程が、標識物質及びレクチンを備える標識化レクチンと、前記調製試料と、を接触させる工程を含む。
本発明の第2の形態としては、前記検出体として前記標識化レクチンを用いる方法であることが好ましい。本発明の第2の形態において、前記測定工程、つまり、標識化レクチンとレクチン結合性物質との反応において、前記標識化レクチン及びレクチン結合性物質を含む反応液中の、標識化レクチンの含有量(終濃度)(標識化レクチンが2種以上の組み合わせである場合にはそれらの合計、以下同じ)としては、特に制限されず、試料の種類、濃度等に応じて適宜調整されるものであるため特に制限されないが、過剰に用いると高いバックグラウンドシグナルを生じる可能性がある観点から、例えば、0.001~10μg/mLであることが好ましく、0.01~5μg/mLであることがより好ましく、0.1~1μg/mLであることがさらに好ましい。
本発明のレクチン結合性物質測定方法の第3の形態においては、前記測定工程が、前記ブロック化標識レクチン及び前記標識化レクチンと、前記調製試料と、を接触させる工程を含む。本発明のレクチン結合性物質の測定方法の第3の形態では、前記測定工程において前記ブロック化標識レクチンと前記標識化レクチンとを共存させることにより、測定感度をさらに向上させることが可能となる。これは、反応系に標識されたレクチンが余剰に存在することによって、レクチン結合性物質とブロック化標識レクチンとの反応が結合方向により促進されるため、また、高分子体であるブロック化標識レクチンが立体障害によって結合できないレクチン結合性物質に対してでも低分子である標識化レクチンでは結合が可能となるため、であると本発明者らは推察する。
本発明の第1~第3の形態において、前記測定工程、すなわち、前記ブロック化標識レクチン及び/又は標識化レクチンとレクチン結合性物質との反応は、水溶性高分子の存在下で行うこと、つまり、該水溶性高分子と前記ブロック化標識レクチン及び/又は標識化レクチンと前記調製試料(レクチン結合性物質)とが共存する条件下で行うことが好ましい。
本発明の第1~第3の形態において、前記測定工程、すなわち、前記ブロック化標識レクチン及び/又は標識化レクチンとレクチン結合性物質との反応は、遊離レクチンの存在下で行うこと、つまり、該遊離レクチンと前記ブロック化標識レクチン及び/又は標識化レクチンと前記調製試料(レクチン結合性物質)とが共存する条件下で行うことも好ましい。
本発明のレクチン結合性物質測定キットは、構成試薬として、少なくとも、本発明の捕捉担体を備える。また、前記ブロック化標識レクチン、前記標識化レクチン、第2の水溶性高分子、及び前記遊離レクチンからなる群から選択される少なくとも1種をさらに備えることが好ましい。これらは、それぞれ独立に、固体(粉末)状であっても緩衝液に溶解された液体状であってもよい。液体状である場合、各溶液(標品)におけるブロック化標識レクチン、前記標識化レクチン、及び前記捕捉担体の濃度は、特に限定されないが、過剰に添加すると場合により非特異的なシグナルが増加する傾向にある観点から、それぞれ独立に、0.01~10μg/mLであることが好ましく、0.1~5.0μg/mLであることがより好ましく、0.5~3.0μg/mLであることがさらに好ましい。また、第2の水溶性高分子の濃度は、0.01~10.0w/v%であることが好ましく、0.1~5.0w/v%であることがより好ましく、0.5~3.0w/v%であることがさらに好ましい。さらに、遊離レクチンの濃度は、1μg/mL以上であることが好ましく、10~500μg/mLであることがより好ましく、50~250μg/mLであることがさらに好ましい。
ブロック化標識レクチン及び標識化レクチンを用いたアルファフェトプロテインL3分画(AFP-L3)の測定
(1)ヒドラジン化デキストランの調製
4.8mLの0.1Mリン酸バッファー(pH7.0)に分子量250Kのデキストラン(CarboMer社製)を240.0mg添加し、25℃の暗所で30分間攪拌して、溶解させた。次いで、150mM NaIO4を2.664mL、イオン交換水を0.536mL添加して、25℃の暗所で30分間攪拌した。PD-10カラム(GE Healthcare社製、Sephadex G-25充填カラム)を用いて、0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH6.0)でバッファー交換を行い、20.0mLの溶液を得た。5.04gのNH2NH2・HClを添加し、25℃の暗所で2時間攪拌した。800mgのDMAB(ジメチルアミンボラン)を加え、さらに25℃の暗所で2時間攪拌した。RC50K(分子量5万の再生セルロース)透析膜を用いてイオン交換水4Lによる透析を暗所で3時間行った後、4℃で一晩静置した。0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH6.0)を用いたゲル濾過(Sephadex G-25)でバッファー交換を行い、85.0mLの溶液を得た。デキストランの濃度が1.0mg/mLとなるように調整し、ヒドラジン化デキストランの溶液を得た。
10mg/mLのアルカリフォスファターゼ(オリエンタル酵母社製、ALP-50)30.0mLについて、0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH6.0)を用いたゲル濾過(Sephadex G-25)でバッファー交換を行い、3.0mg/mLの溶液を90.6mL調製した。27mM NaIO4を45.3mL添加して、25℃の暗所で3分間攪拌した。0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH6.0)を用いたゲル濾過(Sephadex G-25)でバッファー交換を行い、0.5mg/mLの溶液を調製した。参考例1の(1)で調製した1.0mg/mLヒドラジン化デキストランをヒドラジド基(アミノ基)の濃度が25μMになるように添加し、25℃の暗所で16時間攪拌した。DMABを85mg添加し、25℃の暗所で2時間攪拌した。次いで、1.5M Trisバッファー(pH9.0)を10.1mL添加し、25℃の暗所で2時間攪拌した。Labscale TFF System(Merck Millipore社製)に限外濾過モジュール(ペリコンXL50、Merck Millipore社製)を取り付け15mLまで濃縮し、0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH7.0)を用いたゲル濾過(Superdex 200pg)を行い、3.0mg/mLのデキストラン-酵素結合体の溶液14mLを得た。
参考例1の(2)で調製したデキストラン-酵素結合体に0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH7.0)を加えて2mg/mLデキストラン-酵素結合体を750μL調製した。これにDMSO中に溶解した250mMのSM(PEG)4(Thermo Fisher Scientific社製、SM(PEG)4)を8.35μL添加、混合し、25℃の暗所で1時間転倒混和した。反応後、PD-10カラム(Sephadex G-25)を用いて20mM EDTA・2Na、0.5% CHAPSを含む0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH6.3)にバッファー交換を行った。バッファー交換後に遠心式フィルター(Merck社製、Amicon Ultra 50K)を用いてマレイミド-PEG化デキストラン-酵素結合体の濃縮を行い、最終濃度を2mg/mLに調製した。
5mgのレンズマメレクチン(LCA;J-ケミカル社製)を2.5mLの0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH7.0)中に溶解し、2mg/mL LCA溶液を得た。2.5mLのLCA溶液に100μLの0.5M EDTA・2Na(pH8.0)を添加して混和し、次いで75μLの10mg/mL 2-イミノチオラン塩酸塩溶液を添加し、25℃の暗所で1時間転倒混和した。反応後、PD-10カラム(Sephadex G-25)を用いて20mM EDTA・2Na、0.5% CHAPSを含む0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH6.3)にバッファー交換を行った。バッファー交換後のLCAは650μg/mLに調製した。
参考例1の(4)で得たチオール化して650μg/mLに調製したLCA 2mLに対して、10μLの1M Glucoseを添加し、25℃の暗所で30分間転倒混和した。次いで、参考例1の(3)で得たマレイミド-PEG化デキストラン-酵素結合体の溶液(2mg/mL)を500μL添加し、25℃の暗所で1時間転倒混和し、LCAとデキストラン-酵素結合体とをカップリングさせた。反応後、25μLの200mM 3-Mercapto-1,2-propanediolを添加し、25℃の暗所で30分間転倒混和した。さらにその後、50μLの200mM 2-Iodoacetamideを添加し、25℃の暗所で30分間転倒混和した。反応後の溶液は遠心式フィルター(Merck社製、Amicon Ultra 50K)を用いて濃縮した後にφ0.22μmフィルターを通過させ、ゲル濾過クロマトグラフィー(カラム:Superose 6 Increase 10/300 GL、バッファー:0.1M MES、0.5M NaCl、1mM MgCl2、0.1mM ZnCl2、5mM Glucose、0.05% CHAPS、pH6.8)によって精製し、最終的に167.4μg/mLのブロック化標識レクチン1(デキストラン-酵素-LCA結合体)の溶液を2mL得た。
5mgのレンズマメレクチン(LCA;J-ケミカル社製)を1mLの0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH7.0)中に溶解し、5mg/mL LCA溶液を得た。1mLのLCA溶液に41μLの10mg/mL Sulfo-EMCS(同仁化学研究所社製)を添加し、25℃の暗所で1時間転倒混和した。反応後、NAP-10カラム(GE Healthcare社製、Sephadex G-25充填カラム)を用いて0.5%CHAPSを含む0.1Mナトリウムリン酸バッファー(pH6.0)にバッファー交換を行い、回収したマレイミド化LCAを濃度2.5mg/mLに調製した。
磁性粒子(富士レビオ社製)と抗AFPモノクローナル抗体F(ab’)2断片(富士レビオ社製)とを反応させて抗体断片を粒子上に固相化した。抗体断片を固相化した粒子を、粒子濃度が0.01%となるように粒子希釈液(50mM Tris、100mM KCl、0.5% BSA、pH7.2)で希釈して、抗AFP抗体F(ab’)2断片結合粒子液を調製した。
ブロック化標識レクチン及び標識化レクチンを用いた前立腺がん細胞由来PSAの測定
(1)AALを用いたブロック化標識レクチンの調製
レンズマメレクチン(LCA)に代えてヒイロチャワンタケレクチン(AAL;VECTOR社製)を用いたこと以外は、参考例1の(1)~(5)と同様にして、87.8μg/mLのブロック化標識レクチン2(デキストラン-酵素-AAL結合体)の溶液を2.0mL得た。
レンズマメレクチン(LCA)に代えてヒイロチャワンタケレクチン(AAL;VECTOR社製)を用いたこと以外は、参考例1の(6)と同様にして、34.4μg/mLの標識化レクチン2(ALP-AAL結合体)の溶液を2.0mL得た。
磁性粒子(富士レビオ社製)と抗PSAモノクローナル抗体F(ab’)2断片(富士レビオ社製)とを反応させて抗体断片を粒子上に固相化した。抗体断片を固相化した粒子を、粒子濃度が0.01%となるように粒子希釈液(50mM Tris、100mM KCl、0.5% BSA、pH7.2)で希釈して、抗PSA抗体F(ab’)2断片結合粒子液を調製した。
血清中のAFP-L3測定における試料の精製処理
試料として、L3型抗原を200ng/mL含むCFB(B1、バッファー検体)、L3抗原を200ng/mL添加した健常人血清(S1、血清検体)、L3型抗原を添加しない健常人血清(S2、血清検体)を、それぞれ調製した。
40μLの抗AFP抗体結合粒子(富士レビオ社製)と300μLの各血清検体(S1又はS2)とを混合し、室温で40秒間撹拌振とうを行った。磁性粒子を集磁して上清を除去した後、300μLのルミパルス(登録商標)洗浄液で3回洗浄した。溶出液(0.1M Glycine、0.3M NaCl、0.2% TritonX-100、1×CFB、pH2.1)を200μL加え、室温で20秒間撹拌振とうを行った。上清を別の容器に移し替え、10μLの中和液(2M Tris、pH10.0)を加えて中和した後、90μLのCFBを加え、各精製処理済み試料を調製した。
参考例1の(5)で得られたブロック化標識レクチン1、又は参考例1の(6)で得られた標識化レクチン1を、標識体希釈液(30mM MES、360mM NaCl、1.5%アルギニン、0.06mM ZnCl2、0.6mM MgCl2、30μg/mL Inactivated ALP、30μg/mL Mouse KLG、2.4% C14APS、0.15% Tween 20、1×CFB、1% Tergitol 15-s-7、2%遊離デキストラン2000K、0.0005% Antiform SI)に0.5μg/mLとなるようにそれぞれ希釈し、ブロック化標識レクチン1液、及び標識化レクチン1液の各標識体液をそれぞれ調製した。
血清中の前立腺がん細胞由来PSA測定における試料の精製処理
試料として、LNCap-PSAを50ng/mL含むCFB(B2、バッファー検体)、LNCap-PSAを50ng/mL添加した健常人血清(S3、血清検体)、LNCap-PSAを添加しない健常人血清(S4、血清検体)を、それぞれ調製した。
40μLの抗PSA抗体結合粒子(富士レビオ社製)と300μLの各血清検体(S3又はS4)とを混合し、室温で40秒間撹拌振とうを行った。磁性粒子を集磁して上清を除去した後、300μLのルミパルス(登録商標)洗浄液で3回洗浄した。溶出液(0.1M Glycine、0.15M NaCl、1×CFB、pH1.0)を200μL加え、室温で20秒間撹拌振とうを行った。上清を別の容器に移し替え、20μLの2M Tris(pH10.0)を加えて中和した後、80μLのCFBを加え、各精製処理済み試料を調製した。
参考例2の(1)で得られたブロック化標識レクチン2、又は参考例2の(2)で得られた標識化レクチン2を、標識体希釈液(1.0% BSA、2.0%遊離デキストラン2000K、0.0005% Antiform SIを含むPBS、pH7.4)で0.5μg/mLとなるようにそれぞれ希釈し、ブロック化標識レクチン2液、及び標識化レクチン2液の各標識体液をそれぞれ調製した。
捕捉担体(抗体結合粒子)を用いた精製処理の溶出液量を変更することによって、被測定物質の濃縮が可能かについて、AFPを例に確認した。すなわち、先ず、精製処理前の試料として、L3型抗原を200ng/mL添加した健常人血清(一次検体)を調製した。次いで、300μLの精製処理前の試料に対して、溶出条件を次の条件としたこと以外は実施例1の(1)と同様にして精製処理を行い、各調製試料を得た。溶出条件は、各試料と混合し、集磁して上清を除去、洗浄した後の粒子に対して、溶出液及び中和液の量を、得られる調製試料の液量(最終液量)が300μL、200μL、150μL、又は100μLとなるように変更した条件とした。
Claims (11)
- 試料中のレクチン結合性物質を測定する方法であり、
前記試料が水性試料であり、
非水溶性担体及び前記非水溶性担体に固定された分子を備え、かつ、前記分子がレクチン結合性物質を捕捉可能な分子である捕捉担体と、前記試料と、を接触させ、前記レクチン結合性物質を前記捕捉担体に捕捉させる捕捉工程と、
前記捕捉担体に結合していない夾雑物を除去する洗浄工程と、
前記捕捉担体から前記レクチン結合性物質を遊離させて調製試料を得る遊離工程と、
前記調製試料中の前記レクチン結合性物質をレクチンを用いて測定する測定工程と、
を含む、レクチン結合性物質測定方法。 - 第2の水溶性高分子の存在下で前記測定工程を実施し、かつ、第2の水溶性高分子がデキストランである、請求項1に記載のレクチン結合性物質測定方法。
- 前記測定工程が、標識物質及びレクチンを備える標識化レクチンと、前記調製試料と、を接触させる工程を含む、請求項1又は2に記載のレクチン結合性物質測定方法。
- 前記測定工程が、第1の水溶性高分子からなる水溶性担体と前記水溶性担体に固定された標識物質及びレクチンとを備え、第1の水溶性高分子がデキストランであるブロック化標識レクチンと、前記調製試料と、を接触させる工程を含む、請求項1又は2に記載のレクチン結合性物質測定方法。
- 請求項1~4のうちのいずれか一項に記載のレクチン結合性物質測定方法に用いるための、非水溶性担体及び前記非水溶性担体に固定された分子を備え、かつ、前記分子がレクチン結合性物質を捕捉可能な分子である捕捉担体。
- 試料中のレクチン結合性物質を測定するためのキットであり、前記試料が水性試料であり、請求項5に記載の捕捉担体を含む、レクチン結合性物質測定キット。
- 第2の水溶性高分子をさらに含み、かつ、第2の水溶性高分子がデキストランである、請求項6に記載のレクチン結合性物質測定キット。
- 試料中のレクチン結合性物質を測定するためのキットであり、前記試料が水性試料であり、
請求項1~3のうちのいずれか一項に記載のレクチン結合性物質測定方法に用いるための、非水溶性担体及び前記非水溶性担体に固定された分子を備え、かつ、前記分子がレクチン結合性物質を捕捉可能な分子である捕捉担体、及び
標識物質及びレクチンを備える標識化レクチン
を含む、レクチン結合性物質測定キット。 - 第2の水溶性高分子をさらに含み、かつ、第2の水溶性高分子がデキストランである、請求項8に記載のレクチン結合性物質測定キット。
- 試料中のレクチン結合性物質を測定するためのキットであり、前記試料が水性試料であり、
請求項1、2、4のうちのいずれか一項に記載のレクチン結合性物質測定方法に用いるための、非水溶性担体及び前記非水溶性担体に固定された分子を備え、かつ、前記分子がレクチン結合性物質を捕捉可能な分子である捕捉担体、及び
第1の水溶性高分子からなる水溶性担体と前記水溶性担体に固定された標識物質及びレクチンとを備え、第1の水溶性高分子がデキストランであるブロック化標識レクチン
を含む、レクチン結合性物質測定キット。 - 第2の水溶性高分子をさらに含み、かつ、第2の水溶性高分子がデキストランである、請求項10に記載のレクチン結合性物質測定キット。
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