JP7627776B2 - 液体クロマトグラフ質量分析装置の制御方法 - Google Patents
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Description
本開示は、質量分析装置の制御方法に関する。
液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)による測定において使用する移動相溶媒は、溶媒瓶、合成樹脂系のチューブ類、フィルタ類などと接触している。溶媒瓶、チューブ類、フィルタ類の構成物またはそれらの表面に付着している物質は、時間が経過するにつれて徐々に移動相溶媒に溶解し、移動相溶媒を汚染する夾雑物となり得る。移動相溶媒が夾雑物で汚染されると、本来イオン化したい測定対象物質のイオン化が抑制される現象(イオンサプレッション)が発生し、測定対象物質の測定感度が低下する。
下記特許文献1においては、移動相溶媒に内部標準物質を添加して測定を実施し、この内部標準物質の強度が基準より小さくなったらイオンサプレッションが発生していると判定している(要約参照)。
特許文献1のように、内部標準物質を添加する従来技術においては、内部標準物質自体が、移動相溶媒を汚染する夾雑物となり得る。したがって、夾雑物となり得る物質を添加することなく移動相溶媒の汚染を検出することができる技術が求められる。
本開示は、上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、内部標準物質を用いることなく夾雑物による移動相溶媒の汚染を検出することが可能な液体クロマトグラフ質量分析装置の制御方法を提供することを目的とする。
本開示に係る液体クロマトグラフ質量分析装置の制御方法は、第1移動相溶媒を用いた測定時において第1時刻と第2時刻それぞれの信号強度の第1比率を計算し、さらに第2移動相溶媒を用いた測定時において前記第1時刻と前記第2時刻それぞれの信号強度の第2比率を計算し、前記第1比率と前記第2比率との間の絶対差分にしたがって、前記第2移動相溶媒が汚染されているか否かを判定する。
本開示に係る液体クロマトグラフ質量分析装置の制御方法によれば、内部標準物質を用いることなく夾雑物による移動相溶媒の汚染を検出することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
<実施の形態1>
図1は、本開示の実施形態1に係る質量分析装置5の装置構成を示す。液体クロマトグラフ等のポンプより送液された測定試料を、イオン源500によってイオン化する。イオン源500は大気圧下であり質量分析装置5は真空で動作するので、大気と真空のインターフェース520を通して、イオン510を質量分析装置内に導入する。
図1は、本開示の実施形態1に係る質量分析装置5の装置構成を示す。液体クロマトグラフ等のポンプより送液された測定試料を、イオン源500によってイオン化する。イオン源500は大気圧下であり質量分析装置5は真空で動作するので、大気と真空のインターフェース520を通して、イオン510を質量分析装置内に導入する。
イオン源から発生するイオンは様々な質量を持っているが、第1の四重極電極部540(内部に四重極電極530あり)に目的のイオンを通過させる交流電圧(高周波電圧)と直流電圧を四重極電源580より印加し、測定試料の由来の目的イオンのみを選択通過させる。第2の四重極電極部541には、目的イオンを解離させるためのコリジョンガス570(窒素ガスやアルゴンガス等)が供給源から、ガスライン571を通して導入されている。
第2の四重極電極531は、通常、四重極電源580より交流電圧のみを印加し質量選択性を無くし、第1の四重極電極部540を通過してきた目的イオンとガスを衝突させることによりフラグメントイオンを生成する。生成したフラグメントイオンは、第2の四重極電極部541を通過し、第3の四重極電極部542に入る。
第3の四重極電極532に、目的のフラグメントイオンを通過させる高周波電圧と直流電圧を四重極電源580より印加すると、目的のフラグメントイオンのみが第3の四重極電極部542を通過する。通過した目的フラグメントイオンを検出器550で検出する。検出信号がデータ処理部560(コントローラ)へ送られ、データ処理部560によって質量分析が実施される。
ここではTripleQMSと呼ばれる、三連四重極型質量分析装置の装置形態を一例として示したが、本開示の技術は内部にQMFを単数設置したSingleQMS、四重極質量分析装置にも適用可能である。また、実施形態ではマスフィルタとして四重極を例に説明するが、本開示の技術は四重極に限らず多重極のマスフィルタに適用可能である。
図2は、クロマトグラム信号の計測結果を例示するグラフである。ここでは第1移動相溶媒と第2移動相溶媒ともに、A液(純水)とB液(メタノール)の混合液であるものとする。移動相溶媒内のB液比率が図2上段のように経時変化するとき、質量分析装置5を用いてブランク試料をグラジエント溶出法によって測定した。図2の横軸は溶出開始からの経過時間である。図2下段の縦軸は、質量分析装置5がブランク試料を計測することによって取得したイオン信号強度である。
質量分析装置5は、まず第1移動相溶媒を用いてイオン信号強度を測定する。第1移動相溶媒は、汚染されていない移動相溶媒である。例えば以下のものを第1移動相溶媒として用いることができる:(a)調製して間もない移動相溶媒;(b)調製から使用時まで温湿度が管理された条件下(冷蔵庫など)で保管されていた移動相溶媒。質量分析装置5は、第1移動相溶媒を用いた溶出を開始した時刻を時刻0として、時刻t1におけるイオン信号強度I1,t1と、時刻t2におけるイオン信号強度I1,t2を、それぞれ測定する。時刻t1と時刻t2は、溶媒の組成比(図2においてはB液比率)が互いに異なる時点とする。質量分析装置5は、各イオン信号強度の比率R1を以下のように計算する:I1,t2/I1,t1=R1。
質量分析装置5は次に、第2移動相溶媒を用いてイオン信号強度を測定する。第2移動相溶媒は、汚染されているか否かを判定する判定対象である。第2移動相溶媒は、少なくとも第1移動相溶媒ではない移動相溶媒であり、例えば第1移動相溶媒を質量分析装置5に対して設置してそのまま時間経過したものなどを含む。質量分析装置5は、第2移動相溶媒を用いた溶出を開始した時刻を時刻0として、第1移動相溶媒と同じ時刻t1とt2それぞれにおけるイオン信号強度I2,t1、I2,t2をそれぞれ測定する。質量分析装置5は、各イオン信号強度の比率R2を以下のように計算する:I2,t2/I2,t1=R2。
第2移動相溶媒が汚染されて夾雑物が多く含まれていると、その影響によってB液比率の上昇にともなってイオン信号強度が非汚染時よりも大きく上昇すると考えられる。このことを利用して、R1とR2を比較することにより、第2移動相溶媒が汚染されているか否かを判定することができる。具体的には、R2/R1またはR2-R1が閾値以上の場合(すなわち両者が大きく乖離しており、両者の絶対差分が閾値以上である場合)、R2の測定に使用した移動相溶媒が汚染されていると判定する。
B液比率の経時変化(すなわちグラジエント法におけるグラジエントの掛け方)や、移動相溶媒の性質などによっては、第2移動相溶媒が汚染されているときのほうが、イオン信号強度の上昇率が小さい(すなわちR2<R1)可能性も考えられる。この場合であっても、R1/R2またはR1-R2が閾値以上であるか否かによって、同様の判定を実施できる。
汚染時においてR1とR2いずれが大きいかは、移動相溶媒の種類などに応じてあらかじめ把握できるので、(a)R2/R1またはR2-R1、(b)R1/R2またはR1-R2、いずれの計算式を用いればよいかもあらかじめ把握できる。何らかの事情によっていずれが大きいか不明である場合は、絶対差分|R2-R1|が閾値以上であるか否かによって、同様の判定を実施してもよい。
時刻t1とt2は、質量分析装置5が測定する対象物質の溶出時間として想定されている時刻を避けてセットすることが望ましい。図2の測定はブランク試料を用いて実施するとはいえ、以前測定した際の対象物質がキャリーオーバーし、対象物質の溶出時間が経過したときそのキャリーオーバーした対象物質のイオン信号が重畳されてしまう可能性があるからである。なおここでいう対象物質とは、図2上段に示すようなB液比率の経時変化を用いて、質量分析装置5が測定することを予定している物質のことである。
図2に示す測定を実施する手法について補足する。質量分析装置5を例えば選択イオンモニタリング(SIM)モード、多重反応モニタリング(MRM)モードなどで動作させた上で、任意のm/z値のイオンのみを測定する。この測定によって得られるマスクロマトグラム信号値(イオン信号)から、図2のような測定結果を得ることができる。
図3Aは、第2移動相溶媒が汚染されているか否かを判定する手順を説明するフローチャートである。ステップS301において、質量分析装置5は、図2で説明した手順により、第1移動相溶媒を用いてR1を計算し、その結果を記憶装置などに保存する。S301の後、第2移動相溶媒の汚染を判定する時点において、ステップS302を開始する。S302において、質量分析装置5は、図2で説明した手順により、第2移動相溶媒を用いてR2を計算し、その結果をR1と比較する。
S301は、例えば質量分析装置5が備えるユーザインターフェース(例:装置上のボタン、画面インターフェース上の操作部品、など)を操作したとき、実施すればよい。S302は、ユーザが第2移動相溶媒の汚染を判定したいとき実施すればよい。例えば対象物質を測定中にS302以降を実施してもよいし、対象物質を測定していない空き時間においてS302のみ(必要に応じてS303以降)を単独で実施してもよい。
ステップS303において、質量分析装置5は、R1とR2の比較結果に基づき、第2移動相溶媒が汚染されているか否かを判定する。汚染されていない場合は、分析対象試料を測定する(S304)。汚染されている場合は、その旨をユーザに対して通知し、分析対象試料の測定はキャンセルする(S305)。
図3Bは、第2移動相溶媒が汚染されているか否かを判定する別手順を説明するフローチャートである。S301~S304は図3Aと同じである。図3Bにおいては、S305に代えてS306を実施する。S306において、質量分析装置5は、使用する溶媒を第2移動相溶媒から別の移動相溶媒に切り替える。切替方法としては、例えば以下のような例が考えられる。
(図3B:ステップS306:切替方法の例1)
A液を収容した容器とB液を収容した容器の組み合わせが、バルブを介して、質量分析装置5に対して複数セット接続されている場合がある。例えば図3Bの例1に示すようにA液とB液のセットが2つ、バルブを介して接続されているようなケースである。この場合は、バルブの接続先(すなわち移動相溶媒を取得する液体経路)を、A1とB1のセットからA2とB2のセットへ切り替えればよい。
A液を収容した容器とB液を収容した容器の組み合わせが、バルブを介して、質量分析装置5に対して複数セット接続されている場合がある。例えば図3Bの例1に示すようにA液とB液のセットが2つ、バルブを介して接続されているようなケースである。この場合は、バルブの接続先(すなわち移動相溶媒を取得する液体経路)を、A1とB1のセットからA2とB2のセットへ切り替えればよい。
(図3B:ステップS306:切替方法の例2)
質量分析装置5が、容器内の移動相溶媒を置き換える機構を備えている場合、その機構を用いて、容器内の第2移動相溶媒を別の移動相溶媒へ置き換えてもよい。図3Bに示す例においては、第2移動相溶媒のA1液をA1’液へ置き換え、第2移動相溶媒のB1液をB1’液へ置き換える。
質量分析装置5が、容器内の移動相溶媒を置き換える機構を備えている場合、その機構を用いて、容器内の第2移動相溶媒を別の移動相溶媒へ置き換えてもよい。図3Bに示す例においては、第2移動相溶媒のA1液をA1’液へ置き換え、第2移動相溶媒のB1液をB1’液へ置き換える。
第2移動相溶媒を別の移動相溶媒へ切り替えた後、切換後の移動相溶媒について、改めて時刻t1とt2においてイオン信号強度を計測するとともにR2を計算し、改めて第2移動相溶媒の汚染判定を実施してもよい。さらに、切換後の移動相溶媒が第1移動相溶媒に相当する新鮮なものである場合は、第1移動相溶媒を再導入したものとみなし、改めて時刻t1とt2においてイオン信号強度を計測するとともにR1を再計算してもよい。
<実施の形態1:まとめ>
本実施形態1に係る質量分析装置5は、第1移動相溶媒を用いてブランク試料を測定した際の時刻t1とt2それぞれにおけるイオン信号強度の比率R1と、第2移動相溶媒を用いてブランク試料を測定した際の時刻t1とt2それぞれにおけるイオン信号強度の比率R2とを計算し、これらの差分または比率を閾値と比較することにより、第2移動相溶媒が汚染されているか否かを判定する。これにより、内部標準物質を添加することなく汚染の有無を判定することができるので、内部標準物質自体が夾雑物として作用することを回避できる。
本実施形態1に係る質量分析装置5は、第1移動相溶媒を用いてブランク試料を測定した際の時刻t1とt2それぞれにおけるイオン信号強度の比率R1と、第2移動相溶媒を用いてブランク試料を測定した際の時刻t1とt2それぞれにおけるイオン信号強度の比率R2とを計算し、これらの差分または比率を閾値と比較することにより、第2移動相溶媒が汚染されているか否かを判定する。これにより、内部標準物質を添加することなく汚染の有無を判定することができるので、内部標準物質自体が夾雑物として作用することを回避できる。
本実施形態1に係る質量分析装置5は、イオン信号強度の比率(R1とR2はいずれも、時刻t1とt2それぞれにおけるイオン信号強度の比率として計算される)を用いて、第2移動相溶媒の汚染を判定する。イオン信号強度の値そのものに代えて、異なる時刻それぞれのイオン信号の比率を用いることにより、装置の機差の影響を抑制した上で汚染を判定することができる。
本実施形態1に係る質量分析装置5は、第2移動相溶媒が汚染されていると判定した場合は、その旨をユーザに対して連絡して測定をキャンセルし、あるいは第2移動相溶媒を別の移動相溶媒に置き換えた上で測定を実施する。これにより、汚染された第2移動相溶媒をそのまま用いて誤った測定結果を得ることを回避できる。
<実施の形態2>
実施形態1においては、特定のm/zについてのみイオン信号強度を測定することを1例として説明した。これに代えて、ある範囲のm/zを走査し、そのなかで得られるイオン信号値を用いてもよい。本開示の実施形態2では、その1例を説明する。質量分析装置5の構成は実施形態1と同じである。
実施形態1においては、特定のm/zについてのみイオン信号強度を測定することを1例として説明した。これに代えて、ある範囲のm/zを走査し、そのなかで得られるイオン信号値を用いてもよい。本開示の実施形態2では、その1例を説明する。質量分析装置5の構成は実施形態1と同じである。
図4Aは、質量分析装置5をスキャンモードで動作させることによって得られるトータルイオンクロマトグラムの例である。スキャンモードは、ある範囲のm/zにおいてイオン検出信号を取得する測定動作である。全てのm/zのイオン検出信号を加算することによって、トータルイオンクロマトグラムが得られる。これに対して、実施形態1で説明したSIMモードは、特定のm/zについてのみイオン検出信号を得る測定動作である点がスキャンモードとは異なる。
質量分析装置5は、第1移動相溶媒(図4Aにおいてnewと表記したもの)と第2移動相溶媒(図4AにおいてPPと表記したもの)それぞれについて、実施形態1と同様にブランク試料を用いてイオン検出信号を測定する。溶媒比率は図4A下段のように変化するものとする。質量分析装置5は、実施形態1と同様に、時刻t1とt2それぞれにおけるイオン信号強度を測定し、それらの比率R1とR2を計算する。
図4Bは、図4Aにおけるイオン信号強度の計測結果例を示す。この例において、R1=6.37、R2=94.5であった。R2/R1またはR2-R1が閾値以上の場合、第2移動相溶媒は汚染されていると判定される。図4Bは汚染されている場合における数値例を示した。
<実施の形態3>
実施形態2において、質量分析装置5がスキャンモードを実施することにより、ある範囲のm/zについてトータルイオンクロマトグラムが得られる。このとき得られるイオン信号を縦軸とし、m/zを横軸とすることにより、マススペクトルが同時に得られる。このマススペクトルを用いて、第2移動相溶媒内に含まれている夾雑物の成分組成やその量を分析することができる。質量分析装置5は、汚染判定結果と併せて、その分析結果を提示してもよい。ただしスキャンモードにおける測定精度はSIMモードやMRMモードと比較すると低いので、スキャンモードによって分析した夾雑物の組成やその量は、推定結果として取り扱うことが望ましいと考えられる。
実施形態2において、質量分析装置5がスキャンモードを実施することにより、ある範囲のm/zについてトータルイオンクロマトグラムが得られる。このとき得られるイオン信号を縦軸とし、m/zを横軸とすることにより、マススペクトルが同時に得られる。このマススペクトルを用いて、第2移動相溶媒内に含まれている夾雑物の成分組成やその量を分析することができる。質量分析装置5は、汚染判定結果と併せて、その分析結果を提示してもよい。ただしスキャンモードにおける測定精度はSIMモードやMRMモードと比較すると低いので、スキャンモードによって分析した夾雑物の組成やその量は、推定結果として取り扱うことが望ましいと考えられる。
<実施の形態4>
質量分析装置5のSIMモードまたはMRMモードは、単一のm/zについてのみイオン信号を取得するので、測定時間が短く、かつ多くのデータ点が得られる(すなわち測定結果の解像度が高い)利点がある。ただしマススペクトルを得ることはできない。他方でスキャンモードは、ある程度のm/z範囲にわたってイオン信号を取得するので、測定時間が長いものの、マススペクトルを得ることができる利点がある。これらのモードを組み合わせ、両者の利点を併用することも可能である。
質量分析装置5のSIMモードまたはMRMモードは、単一のm/zについてのみイオン信号を取得するので、測定時間が短く、かつ多くのデータ点が得られる(すなわち測定結果の解像度が高い)利点がある。ただしマススペクトルを得ることはできない。他方でスキャンモードは、ある程度のm/z範囲にわたってイオン信号を取得するので、測定時間が長いものの、マススペクトルを得ることができる利点がある。これらのモードを組み合わせ、両者の利点を併用することも可能である。
例えば、第2移動相溶媒が汚染されているか否かを判定するために、まずSIMモードまたはMRMモードを実施してクロマトグラム信号強度を取得し、これを用いて図3A~図3Bのフローチャートを実施する。汚染されていると判定した場合は、スキャンモードを実施することによってマススペクトルを取得し、これを用いて、第2移動相溶媒内に含まれている夾雑物の成分組成やその量を分析する。このようなモードの組み合わせによって、通常時は速やかに測定を実施しつつ、汚染時のみスキャンモードによって夾雑物を分析することになるので、測定効率と夾雑物分析を両立することができる。
<本開示の変形例について>
なお、本開示は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
なお、本開示は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
以上の実施形態において、第1移動相溶媒(または第2移動相溶媒を置き換えるときの別の新鮮な移動相溶媒)は、汚染されていないことを前提として説明した。第1移動相溶媒は汚染有無の基準となるので、汚染されていないことが望ましいが、例えば必要とされる判定精度などに応じて、汚染度が所定の基準値未満であることが確保できるのであればその移動相溶媒を第1移動相溶媒として用いてもよい。
以上の実施形態において、各フローチャートは、例えばデータ処理部560などの演算装置が実施することもできるし、オペレータがマニュアル操作によって質量分析装置5を操作することによって実施してもよい。
5:質量分析装置
500:イオン源
510:イオン
520:インターフェース
530:四重極電極
531:第2の四重極電極
532:第3の四重極電極
540:第1の四重極電極部
541:第2の四重極電極部
542:第3の四重極電極部
550:検出器
560:データ処理部
580:四重極電源
570:コリジョンガス
571:ガスライン
500:イオン源
510:イオン
520:インターフェース
530:四重極電極
531:第2の四重極電極
532:第3の四重極電極
540:第1の四重極電極部
541:第2の四重極電極部
542:第3の四重極電極部
550:検出器
560:データ処理部
580:四重極電源
570:コリジョンガス
571:ガスライン
Claims (14)
- 液体クロマトグラフ質量分析装置の制御方法であって、
汚染度が基準値未満の第1移動相溶媒を用いてブランク試料をグラジエント溶出法で測定することにより得られる、異なる2つの時刻におけるクロマトグラム信号強度の第1比率を計算するステップ、
前記第1移動相溶媒と同じ組成の第2移動相溶媒を用いてブランク試料をグラジエント溶出法で測定することにより得られる、異なる2つの時刻におけるクロマトグラム信号強度の第2比率を計算するステップ、
前記第1比率と前記第2比率を用いて、前記第2移動相溶媒が汚染されているか否かを判定するステップ、
を有し、
前記第1比率を計算するステップにおいては、前記第1移動相溶媒を用いた溶出を開始してから第1時間が経過した第1時刻におけるクロマトグラム信号強度と、前記第1時刻とは溶媒比率が異なる第2時間が経過した第2時刻におけるクロマトグラム信号強度との間の比率を、前記第1比率として計算し、
前記第2比率を計算するステップにおいては、前記第2移動相溶媒を用いた溶出を開始してから前記第1時間が経過した時点におけるクロマトグラム信号強度と、前記第2時間が経過した時点におけるクロマトグラム信号強度との間の比率を、前記第2比率として計算し、
前記判定するステップにおいては、前記第1比率と前記第2比率との間の絶対差分が閾値以上である場合は、前記第2移動相溶媒が汚染されていると判定する、
制御方法。 - 前記第1時刻と前記第2時刻はいずれも、前記液体クロマトグラフ質量分析装置が前記第1時刻と前記第2時刻それぞれにおける前記溶媒比率を用いて測定する対象物質の溶出時間が経過することを予定している時点とは異なるようにセットされている
ことを特徴とする請求項1記載の制御方法。 - 前記制御方法はさらに、
前記判定するステップにおいて、前記第2移動相溶媒が汚染されていると判定した場合は、その旨をユーザに対して通知するステップ、
前記判定するステップにおいて、前記第2移動相溶媒が汚染されていないと判定した場合は、前記液体クロマトグラフ質量分析装置が測定する対象物質の測定を開始するステップ、
を有する
ことを特徴とする請求項1記載の制御方法。 - 前記制御方法はさらに、
前記判定するステップにおいて、前記第2移動相溶媒が汚染されていると判定した場合は、前記第2移動相溶媒を別の移動相溶媒に切り替えるステップ、
前記判定するステップにおいて、前記第2移動相溶媒が汚染されていないと判定した場合は、前記液体クロマトグラフ質量分析装置が測定する対象物質の測定を開始するステップ、
を有する
ことを特徴とする請求項1記載の制御方法。 - 前記液体クロマトグラフ質量分析装置は、前記第2移動相溶媒と同じ組成の第3移動相溶媒を収容した容器を備え、
前記別の移動相溶媒に切り替えるステップにおいては、移動相溶媒を取得する経路を、前記第2移動相溶媒を収容した容器から前記第3移動相溶媒を収容した容器へ切り替えることにより、前記第2移動相溶媒を前記別の移動相溶媒に切り替える
ことを特徴とする請求項4記載の制御方法。 - 前記液体クロマトグラフ質量分析装置は、前記第2移動相溶媒を収容する容器内の前記第2移動相溶媒を汚染されていない前記第2移動相溶媒へ置き換える機構を備え、
前記別の移動相溶媒に切り替えるステップにおいては、前記機構により、前記第2移動相溶媒を収容した容器内の前記第2移動相溶媒を汚染されていない前記第2移動相溶媒へ置き換えることにより、前記第2移動相溶媒を前記別の移動相溶媒に切り替える
ことを特徴とする請求項4記載の制御方法。 - 前記制御方法は、前記別の移動相溶媒に切り替えるステップの後、前記第2比率を計算するステップおよび前記判定するステップを再実施する
ことを特徴とする請求項4記載の制御方法。 - 前記制御方法は、前記別の移動相溶媒に切り替えるステップの後、前記別の移動相溶媒を用いて前記第1比率を再計算するステップを有する
ことを特徴とする請求項4記載の制御方法。 - 前記制御方法はさらに、特定のm/zのイオン信号のみを測定するステップを有し、
前記第1比率を計算するステップと前記第2比率を計算するステップにおいては、前記特定のm/zのイオン信号のみを測定するステップにおいて得られるクロマトグラム信号を用いて、前記第1比率と前記第2比率をそれぞれ計算する
ことを特徴とする請求項1記載の制御方法。 - 前記制御方法はさらに、特定の範囲内に含まれるm/zのイオン信号を前記範囲内の走査によって測定するステップを有し、
前記第1比率を計算するステップと前記第2比率を計算するステップにおいては、前記走査によって測定するステップにおいて得られるトータルイオンクロマトグラム信号を用いて、前記第1比率と前記第2比率をそれぞれ計算する
ことを特徴とする請求項1記載の制御方法。 - 前記制御方法はさらに、前記走査によって測定するステップにおいて得られるマススペクトルを用いて前記第2移動相溶媒内の夾雑物およびその量を推定するステップを有する ことを特徴とする請求項10記載の制御方法。
- 前記制御方法はさらに、特定のm/zのイオン信号のみを測定するステップを有し、
前記第1比率を計算するステップと前記第2比率を計算するステップにおいては、前記特定のm/zのイオン信号のみを測定するステップにおいて得られるクロマトグラム信号を用いて、前記第1比率と前記第2比率をそれぞれ計算し、
前記制御方法はさらに、前記判定するステップにおいて第2移動相溶媒が汚染されていると判定した場合、特定の範囲内に含まれるm/zのイオン信号を前記範囲内の走査によって測定するステップを有し、
前記制御方法はさらに、前記走査によって測定するステップにおいて得られるマススペクトルを用いて前記第2移動相溶媒内の夾雑物およびその量を推定するステップを有する ことを特徴とする請求項1記載の制御方法。 - 前記制御方法は、前記液体クロマトグラフ質量分析装置が前記第1時刻と前記第2時刻それぞれにおける前記溶媒比率を用いて測定する対象物質を測定していない空き時間において、前記第2比率を計算するステップと前記判定するステップを実施する
ことを特徴とする請求項1記載の制御方法。 - 請求項1記載の制御方法を実施するコントローラを備えた液体クロマトグラフ装置。
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