<説明における留意点>
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略および構成の簡略化がなされるものである。また、図面に示される構成の大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。
また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。
また、以下に記載される説明において、「第1」または「第2」などの序数が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、これらの序数によって生じ得る順序などに限定されるものではない。
相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば「一方向に」「一方向に沿って」「平行」「直交」「中心」「同心」「同軸」など)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」「均質」など)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。形状を示す表現(例えば、「四角形状」または「円筒形状」など)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば凹凸や面取りなどを有する形状も表すものとする。一の構成要素を「備える」「具える」「具備する」「含む」または「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。「A,BおよびCの少なくともいずれか一つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A,BおよびCのうち任意の2つ、ならびに、A,BおよびCの全てを含む。
<1-1.基板処理装置の構成例>
図1は、基板処理装置20の概略構成の一例を示す模式的な平面図である。図1において紙面に垂直な方向が、基板処理装置20についての鉛直方向に相当する。基板処理装置20は、例えば、基板Wの表面に対して処理液を供給して枚葉式処理を行う。以下では基板Wとして、半導体基板(ウエハ)が用いられた場合を例にとって説明される。
以下では基板処理として、処理液を用いて異物や除去対象物を除去する洗浄処理が用いられた場合を例にとって説明される。当該洗浄処理に採用される処理液として、アンモニアと過酸化水素水との混合液(いわゆるRCA洗浄で採用されるStandard Cleaning 1に利用される;以下「処理液SC1」と称される)、フッ化水素酸(HF)を純水で希釈した希フッ酸(dilute hydrofluoric acid;以下「処理液DHF」と称される)、イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol;以下「処理液IPA」と称される)が例示される。
当該例示の他、洗浄処理において他の処理液を採用してもよい。当該例示の他、洗浄処理に代えて、あるいは洗浄処理と共に、例えば、エッチャントを用いたエッチング処理、水で洗い流すリンス処理、例えばレジストを塗布する塗布処理が採用されてもよい。
基板処理装置20はロードポートLP1,LP2,LP3,LP4を含む。ロードポートの個数は4に限定されない。ロードポートLP1,LP2,LP3,LP4の各々は、キャリアCを保持する収容器保持機構として機能する。キャリアCは複数枚(例えば25枚)の基板Wを収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)として機能する。
ロードポートLP1,LP2,LP3,LP4には、例えば、キャリア置き場40から搬送装置30によってキャリアCが搬送されて載置される。基板処理装置20が複数設けられるときには、例えば、搬送装置30はキャリアCを基板処理装置20同士の間で搬送する。
基板処理装置20は、6台の処理ユニット21を含む。処理ユニット21の台数は6に限定されない。図1における例示では、3台の処理ユニット21が一組となって鉛直方向に積層して配置される。以下、一組の処理ユニット21(ここでは鉛直方向に積層して配置される3台の処理ユニット21)は1つのタワー21tとして説明されることがある。平面視上では2つのタワー21tが現れる。
基板処理装置20は、更に、例えば、インデクサロボット91と、センタロボット92と、本体制御ユニット22と、貯留槽261,262,263,264と、液管理制御ユニット24と、処理液供給部28を含む。
インデクサロボット91は、例えば、ロードポートLP1,LP2,LP3,LP4とセンタロボット92との間で基板Wを搬送する。センタロボット92は、例えば、インデクサロボット91と処理ユニット21との間で基板Wを搬送する機能を有する。インデクサロボット91とセンタロボット92とは、キャリアCに収容されている複数枚の基板WをキャリアCから各々の処理ユニット21に向けて搬出する、搬送部93として機能する。
本体制御ユニット22は例えば、基板処理装置20に備えられた各部の動作およびバルブの開閉などを制御する。本体制御ユニット22は例えば、液管理制御ユニット24との間で各種の信号の送受信を行う。
貯留槽261,262,263,264は、処理ユニット21に対して後述されるようにして供給される処理液を貯留する。例えば貯留槽261には処理液DHFが貯留され、貯留槽262には処理液SC1が貯留され、貯留槽263には処理液IPAが貯留され、貯留槽264には処理液DHF,SC1,IPAのいずれかが貯留される。以下では貯留槽264には処理液DHFが貯留される場合が例示される。
貯留槽261,262,263,264のそれぞれには、例えば、センサ27が設けられる。センサ27は処理液の状態、例えば濃度、水素イオン指数(pH:power of hydrogen)および温度を示す物理量を測定する。貯留槽261,262,263,264のそれぞれには、例えば、それぞれが貯留する処理液を攪拌するための機構が設けられてもよい。
液管理制御ユニット24は、例えば、貯留槽261,262,263,264に設けられる各部の動作を制御することで、貯留槽261,262,263,264が貯留する処理液の状態を管理する。具体的には、液管理制御ユニット24は、例えば、貯留槽261,262,263,264のそれぞれに対応するセンサ27から、処理液の状態を示す物理量に係る信号を得る。
液管理制御ユニット24は、例えば、本体制御ユニット22との間で各種の信号の送受信を行う。例えば、液管理制御ユニット24は、センサ27から得た信号あるいは該信号から認識される物理量を示す数値を、本体制御ユニット22に送信する。
二つの処理液供給部28は、二つのタワー21tにそれぞれ対応する。貯留槽261,262,263,264内の処理液は、いずれかの処理液供給部28によって流量が制御される。処理液供給部28の各々は、自身に対応するタワー21tに含まれる全ての処理ユニット21に、配管群35を介して処理液を供給する。処理液供給部28は液管理制御ユニット24による制御の下、処理液の流量を後述されるように制限する。
ロードポートLP1,LP2,LP3,LP4は、基板処理装置20と基板処理装置20の外部との間で、基板群の搬入および搬出を行うための部分(以下「搬出入部」とも称される)としての機能を有する。ここで「基板群」とは1つのロットを構成する複数枚の基板を指す。
図1の例では、ロードポートLP1,LP2,LP3,LP4は鉛直方向に直交する(換言すれば「水平な」)第1方向DR1に沿って配列される。ロードポートLP1,LP2,LP3,LP4と処理ユニット21の各々とは、第1方向DR1に直交して水平な(従って鉛直方向にも直交する)第2方向DR2において間隔を空けて配置される。
例えば搬送装置30は、ロードポートLP1,LP2,LP3,LP4に複数の基板群を搬送する。図1の例では、搬送装置30は、例えば、第1方向DR1および第2方向DR2に沿って移動可能である。例えば、1つの基板群を成す複数枚の基板Wをそれぞれ収容するキャリアCが、キャリア置き場40内から搬送されてロードポートLP1,LP2,LP3,LP4の何れかに載置される。
インデクサロボット91は、キャリアCからセンタロボット92に複数枚の基板Wを一枚ずつ搬送する機能を有する。インデクサロボット91は、センタロボット92からキャリアCに複数枚の基板Wを一枚ずつ搬送する機能を有する。
センタロボット92は、インデクサロボット91から各処理ユニット21に複数枚の基板Wを一枚ずつ搬入する機能を有する。センタロボット92は、各処理ユニット21からインデクサロボット91に複数枚の基板Wを一枚ずつ搬送する機能を有する。また、例えば、センタロボット92は、必要に応じて複数の処理ユニット21の間において基板Wを搬送する機能を有する。
例えばインデクサロボット91は、4つのハンド(図示省略)を有する。ハンドの各々は、基板Wを水平な姿勢で支持する機能を有する。インデクサロボット91は、ハンドを水平方向および鉛直方向に移動させる機能を有する。インデクサロボット91は、鉛直方向に沿った軸を中心として回転(自転)し、当該回転によってハンドの向きを変更する機能を有する。
インデクサロボット91は、受渡位置を通る経路201において第1方向DR1に沿って移動する。受渡位置は、平面視上、インデクサロボット91とセンタロボット92とが第2方向DR2において対向する位置である。
インデクサロボット91は、任意のキャリアCおよびセンタロボット92にそれぞれハンドを対向させる機能を有する。例えば、インデクサロボット91は、ハンドを移動させることにより、キャリアCに基板Wを搬入する搬入動作と、キャリアCから基板Wを搬出する搬出動作とを行う。例えば、インデクサロボット91は、センタロボット92と協働して、インデクサロボット91およびセンタロボット92の一方から他方に基板Wを移動させる受渡動作を受渡位置で行う。
センタロボット92は、インデクサロボット91と同様に、例えば4つのハンド(図示省略)を有する。ハンドの各々は、基板Wを水平な姿勢で支持する機能を有する。センタロボット92は、例えばハンドを水平方向および鉛直方向に移動させる。センタロボット92は、例えば鉛直方向に沿った軸を中心として回転(自転)し、当該回転によってハンドの向きが変更される。
センタロボット92は、任意の処理ユニット21およびインデクサロボット91の何れかにハンドを対向させる機能を有する。例えば、センタロボット92は、ハンドを移動させることにより、各処理ユニット21に基板Wを搬入する搬入動作と、各処理ユニット21から基板Wを搬出する搬出動作とを行う。例えば、センタロボット92は、インデクサロボット91と協働して、インデクサロボット91およびセンタロボット92の一方から他方に基板Wを移動させる受渡動作を行う。
<1-2.処理ユニットの構成例>
図2は、一つの処理ユニット21の構成を例示する概略図である。図2は鉛直方向に垂直な方向から見た図である。処理ユニット21は基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式のユニットである。処理ユニット21は本体制御ユニット22(図1参照)の制御の下で動作する。本体制御ユニット22は処理ユニット21に備えられた各部の動作や処理液供給部28の動作を制御する。
処理ユニット21の各々は、チャンバー4と、スピンチャック5と、ノズル341,342,343,344と、ガード機構7とを含む。チャンバー4は、スピンチャック5と、処理液供給機構6と、ノズル341,342,343,344と、ガード機構7とを格納する。
スピンチャック5は、チャンバー4内で一枚の基板Wを水平な姿勢で保持する基板保持機構として機能する。スピンチャック5は鉛直方向に平行な基板回転軸A1まわりに基板Wを回転させる。例えば基板Wの中心は、基板回転軸A1上に配置される。ガード機構7は基板回転軸A1まわりにスピンチャック5を取り囲む。
ノズル341,342,343は、スピンチャック5に保持された基板Wの鉛直上方の表面(以下「上面」とも称される)Wuに処理液を供給する。ノズル344は、スピンチャック5に保持された基板Wの鉛直下方の表面(以下「下面」とも称される)Wbに処理液を供給する。
スピンチャック5は、スピンベース11と、スピン軸14と、スピンモータ15とを含む。スピンベース11は円板状であって水平な姿勢で保持される。スピンベース11の外径は、基板Wの直径よりも小さい。スピンベース11は例えば真空チャック(不図示)を用いて基板Wを吸着して保持する機能を有する。基板Wの下面Wbがスピンベース11の上面に吸着した状態で、基板Wが水平に保持される。
スピンベース11の中心線は基板回転軸A1上に位置する。スピンベース11は基板回転軸A1まわりに基板Wを回転させる。
スピン軸14はスピンベース11の中央部から鉛直下方に延びる。ノズル344は例えばスピン軸14の内側に設けられる。
スピンモータ15はスピン軸14を回転させ、ひいてはスピンベース11を基板回転軸A1まわり、例えば鉛直下方に沿って見て反時計回りの方向RDrに回転させる。基板Wがスピンベース11に吸着された状態でスピンモータ15がスピン軸14を回転させることにより、基板Wはスピンベース11と共に基板回転軸A1まわりに回転する。
ノズル341は配管351に接続される。ノズル342は配管352に接続される。ノズル343は配管353に接続される。ノズル344は配管354に接続される。配管351,352,353,354は配管群35(図1参照)を構成する。
配管351にはバルブ361が介挿される。配管352にはバルブ362が介挿される。配管353にはバルブ363が介挿される。配管354にはバルブ364が介挿される。バルブ361,362,363,364は処理液供給部28に収納される。一つの処理液供給部28は一つのタワー21tを構成する3台の処理ユニット21を担当する。よって処理液供給部28のそれぞれには、バルブ361,362,363,364が3個ずつ収納される。
配管351はバルブ361を介して貯留槽261に接続される。配管352はバルブ362を介して貯留槽262に接続される。配管353はバルブ363を介して貯留槽263に接続される。配管354はバルブ364を介して貯留槽264に接続される。
バルブ361が開かれると配管351からノズル341に供給された処理液DHFが、ノズル341から下方に吐出される。バルブ361が閉じられると、ノズル341からの処理液DHFの吐出が停止される。
バルブ362が開かれると、配管352からノズル342に供給された処理液SC1が、ノズル342から下方に吐出される。バルブ362が閉じられると、ノズル342からの処理液SC1の吐出が停止される。
バルブ363が開かれると、配管353からノズル343に供給された処理液IPAが、ノズル343から下方に吐出される。バルブ363が閉じられると、ノズル343からの処理液IPAの吐出が停止される。
バルブ364が開かれると、配管354からノズル344に供給された処理液DHFが、ノズル344から上方に吐出される。バルブ364が閉じられると、ノズル344からの処理液DHFの吐出が停止される。
処理ユニット21はノズル移動装置371,372,373を含む。ノズル移動装置371はノズル341を移動させ、ノズル移動装置372はノズル342を移動させ,ノズル移動装置373はノズル343を移動させる。
例えばノズル341は、処理液DHFの着液位置が上面Wuにおける中央部と周縁との間を移動しながら処理液DHFを吐出するスキャンノズルとして機能する。ノズル341は、上面Wuにおける着液位置が固定されて処理液DHFを吐出してもよい。
例えばノズル342は、処理液SC1の着液位置が上面Wuにおける中央部と周縁との間を移動しながら処理液SC1を吐出するスキャンノズルとして機能する。ノズル342は、上面Wuにおける着液位置が固定されて処理液SC1を吐出してもよい。
例えばノズル343は、処理液IPAの着液位置が上面Wuにおける中央部と周縁との間を移動しながら処理液IPAを吐出するスキャンノズルとして機能する。ノズル343は、上面Wuにおける着液位置が固定されて処理液IPAを吐出してもよい。
処理ユニット21は下面ノズル44と、パージ配管45と、パージバルブ46とを含む。下面ノズル44は下面Wbの周縁近傍に向けて気体、例えば窒素ガスを吐出する。パージ配管45は下面ノズル44に接続される。パージバルブ46はパージ配管45に介挿される。窒素ガスは、例えば基板処理システム1が設置される工場に設けられた給気設備(図示省略)によってパージ配管45へ供給される。
下面ノズル44が下面Wbへ窒素ガスを吐出することは、上面Wuに吐出された処理液DHF,SC1,IPAが下面Wbへ回り込むことの回避に寄与する。
処理ユニット21は、膜厚計を含んでもよい。膜厚計は、上面Wuにおける所定の膜厚を計測する。膜厚計には例えば光干渉式の膜厚計が採用される。膜厚計は例えば基板Wの上方において、ノズル移動装置371と類似した構成によって移動される。
処理ユニット21はガード昇降装置55およびガード機構7を含む。ガード機構7は、スピンチャック5に保持された基板Wよりも外方(基板回転軸A1から離れる方向)に位置し、処理液DHF,SC1,IPAが基板Wから飛散する範囲を限定する。例えばガード機構7は、ガード71,72,73と、壁74,75,76と、底77とを含む。
壁76はスピンチャック5を囲む。壁75はスピンチャック5および壁76を囲む。壁74は壁75,76およびスピンチャック5を囲む。底77は壁74,75,76のそれぞれの鉛直下方側の端と、スピンチャック5の外周とを連結して固定する。
ガード71は壁74,75に挟まれつつ鉛直方向に可動である。ガード72は壁75,76に挟まれつつ鉛直方向に可動である。ガード73は壁76とスピンチャック5とに挟まれつつ鉛直方向に可動である。ガード昇降装置55は、ガード71,72,73を鉛直方向へ移動させる機能を有する。
例えばガード71の基板回転軸A1側の端は鉛直下方へ延びて、ガード72の基板回転軸A1側の端よりも基板回転軸A1側において、ガード73の基板回転軸A1側の端に対して鉛直方向に沿って対向する。
カップ70はプリ処理において、ノズル341から処理液DHFを、ノズル342から処理液SC1を、ノズル343から処理液IPAを、それぞれ受ける。ノズル移動装置371,372,373は、それぞれノズル341,342,343をカップ70の鉛直上方へ移動させて、カップ70への処理液DHF,SC1,IPAを吐出させる動作に寄与する。カップ70への処理液DHFの吐出は、以下において処理液DHFの排出とも表現される。処理液SC1,IPAについても同様である。
カップ70は処理液DHF,SC1,IPA毎に設けられてもよい。例えばノズル341,342,343は、それぞれ上面Wuへ処理液DHF,SC1,IPAを吐出しない状況において、平面視上でスピンチャック5から離れて互いに異なる位置に待機する。例えば処理液DHF,SC1,IPAのそれぞれに対応するカップ70が、ノズル341,342,343のそれぞれの当該待機の位置の鉛直下方へ配置される。
<1-3.処理液供給部の構成例>
図3は処理液供給部28の構成を模式的に例示する概略図である。処理液供給部28は配管331,332,333,334と、ポンプ81,82,83,84と、バルブ361,362,363,364を備える。図3には処理液供給部28と配管群35によって接続され、タワー21tに含まれる三台の処理ユニット21と、貯留槽261,262,263,264とが併記される。
バルブ361,362,363,364は、それぞれ処理ユニット21毎に設けられる。配管群35は、三台の処理ユニット21の配管351,352,353,354を含み、タワー21tと処理液供給部28との間に接続される(図1も参照)。
配管331は貯留槽261に接続され、処理液DHFは配管331を経由して貯留槽261を流入出する。配管331にはポンプ81が介挿される。ポンプ81は処理液DHFを配管331において矢印の方向へ流し、処理液DHFを配管331と貯留槽261との間で循環させる。
配管332は貯留槽262に接続され、処理液SC1は配管332を経由して貯留槽262を流入出する。配管332にはポンプ82が介挿される。ポンプ82は処理液SC1を配管332において矢印の方向へ流し、処理液SC1を配管332と貯留槽262との間で循環させる。
配管333は貯留槽263に接続され、処理液IPAは配管333を経由して貯留槽263を流入出する。配管333にはポンプ83が介挿される。ポンプ83は処理液IPAを配管333において矢印の方向へ流し、処理液IPAを配管333と貯留槽263との間で循環させる。
配管334は貯留槽264に接続され、処理液DHFは配管334を経由して貯留槽264を流入出する。配管334にはポンプ84が介挿される。ポンプ84は処理液SC1を配管334において矢印の方向へ流し、処理液DHFを配管334と貯留槽264との間で循環させる。
上述された処理液DHFの配管331,334を介した循環、処理液SC1の配管332を介した循環、処理液IPAの配管333を介した循環はいずれも、以下において「タワー循環」と称されることがある。
いずれの処理ユニット21の配管351も配管331に接続される。いずれの処理ユニット21の配管352も配管332に接続される。いずれの処理ユニット21の配管353も配管333に接続される。いずれの処理ユニット21の配管354も配管334に接続される。図3において配管同士の接続は黒丸で示される。黒丸が配置されずに交差して図示される配管同士は、接続されない。
開いたバルブ361が介挿された配管351を介して、配管331内におけるタワー循環から分岐した処理液DHFが、ノズル341へ供給される。開いたバルブ362が介挿された配管352を介して、配管332内におけるタワー循環から分岐した処理液SC1が、ノズル342へ供給される。開いたバルブ363が介挿された配管353を介して、配管333内におけるタワー循環から分岐した処理液IPAが、ノズル343へ供給される。開いたバルブ364が介挿された配管354を介して、配管334内におけるタワー循環から分岐した処理液DHFが、ノズル344へ供給される。
タワー循環の有無は、バルブ361,362,363,364の開閉に依存しない。処理ユニット21において配管351,352,353,354の温度が低下しても、タワー循環している処理液DHF,SC1,IPAの温度は適切に維持される。
バルブ361,362,363,364が閉じると、それぞれ配管351,352,353,354における処理液の滞留が発生する。かかる滞留が長時間に亘ると、処理液の劣化が招来される。例えば処理液の温度変化、濃度変化、成分変化が招来される可能性がある。
プリ処理の要否は、あるノズルにおいて処理液が滞留する期間に基づいて判断される。例えばノズル341,344のいずれもが処理液DHFを吐出する機能を担う場合であっても、ノズル341,344のそれぞれにおいて処理液DHFが吐出されない期間に基づいて、プリ処理の要否が判断される。かかる観点から、説明の煩雑を避けるため、以下ではノズル344からの処理液DHFの吐出について無視して説明される。
<1-4.基板処理システムの構成例>
図4は、基板処理システム1の概略構成の一例を示す図である。基板処理システム1は上述された基板処理装置20および搬送装置30の他、ホストコンピュータ10をも備える。ホストコンピュータ10と、基板処理装置20と、搬送装置30とは例えば通信回線50を介して通信可能に接続される。通信回線50には、例えば、有線回線および無線回線の一方もしくは両方が採用される。
基板処理装置20は複数設けられてもよい。このときホストコンピュータ10は、複数の基板処理装置20を統括的に管理する機能を担う。
<1-5.ホストコンピュータの構成例>
図5は、ホストコンピュータ10の電気的な構成の一例を示すブロック図である。ホストコンピュータ10は、例えば、コンピュータで実現され、バスラインBu1を介して接続された、通信部101、入力部102、出力部103、記憶部104、制御部105およびドライブ106を備える。
通信部101は、例えば、通信回線50を介して各基板処理装置20および搬送装置30に対して信号を送信可能な送信部としての機能を有する。通信部101は、例えば、通信回線50を介して各基板処理装置20および搬送装置30からの信号を受信可能な受信部としての機能を有する。
入力部102には、例えば、ホストコンピュータ10を使用するユーザの動作などに応じた信号が入力され得る。入力部102には、例えば、操作部、マイクおよび各種センサなどが含まれ得る。
出力部103は、例えば、各種情報を出力する機能を有する。出力部103には、例えば、表示部およびスピーカなどが含まれ得る。
記憶部104は、例えば、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部104は、例えば、ハードディスクおよびフラッシュメモリなどの記憶媒体で構成される。記憶部104には、例えば、プログラムPg1および処理計画についての情報PP1を含む各種の情報が記憶される。情報PP1は、例えば基板群に係る複数の連続した基板処理を実行するタイミングを示す。記憶部104には、後述するメモリ105bが含まれてもよい。
制御部105は、例えば、プロセッサとして働く演算処理部105aおよび情報を一時的に記憶するメモリ105bなどを含む。演算処理部105aには、例えば、中央演算部(CPU)が採用される。メモリ105bには、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)が採用される。演算処理部105aにおいて、例えば、記憶部104に記憶されているプログラムPg1が読み込まれて実行されることで、ホストコンピュータ10の機能が実現される。制御部105における各種の情報処理によって一時的に得られる各種情報は、例えば適宜にメモリ105bに記憶される。
ドライブ106には、例えば、可搬性の記憶媒体RM1が脱着される。ドライブ106では、例えば、記憶媒体RM1が装着されている状態で、この記憶媒体RM1と制御部105との間におけるデータの授受が行われる。例えば、プログラムPg1が記憶された記憶媒体RM1がドライブ106に装着されることで、記憶媒体RM1から記憶部104内にプログラムPg1が読み込まれて記憶される。
<1-6.本体制御ユニットの構成例>
図6は、本体制御ユニット22の電気的な構成の一例を示すブロック図である。本体制御ユニット22は、例えば、コンピュータで実現され、バスラインBu2を介して接続された、通信部221、入力部222、出力部223、記憶部224、制御部225およびドライブ226を備える。
通信部221は、例えば、通信回線50を介してホストコンピュータ10に対して信号を送信可能な送信部としての機能を有する。通信部221は、例えば、通信回線50を介してホストコンピュータ10からの信号を受信可能な受信部としての機能を有する。通信部221は、例えば更に、ケーブルなどの配線を介して、液管理制御ユニット24との間で信号の送受信を行うことができる。
入力部222には、例えば、基板処理装置20を使用するユーザの動作などに応じた信号が入力され得る。入力部222には、例えば、上記入力部102と同様に、操作部、マイクおよび各種センサなどが含まれ得る。
出力部223は、例えば、各種情報を出力する機能を有する。出力部223には、例えば、上記出力部103と同様に、表示部およびスピーカなどが含まれ得る。
記憶部224は、例えば、各種情報を記憶する機能を有する。この記憶部224は、例えば、ハードディスクおよびフラッシュメモリなどの記憶媒体で構成され得る。記憶部224には、例えば、プログラムPg2および各種情報Dt2が記憶され得る。記憶部224には、後述するメモリ225bが含まれてもよい。
プログラムPg2は、例えばフローレシピを含む。フローレシピは、基板処理の内容を定めたプロセスレシピと、プリ処理の内容を定めたプリレシピとを含む。フローレシピは一纏まりの複数の基板W、例えば同じキャリアCに収容された複数の基板Wに対して共通に設定される。
制御部225は、例えば、プロセッサとして働く演算処理部225aおよび情報を一時的に記憶するメモリ225bなどを含む。演算処理部225aには、例えば、CPUが採用される。メモリ225bには、例えば、RAMが採用される。演算処理部225aにおいて、例えば、記憶部224に記憶されているプログラムPg2が読み込まれて実行されることで、本体制御ユニット22の機能が実現される。制御部225における各種の情報処理によって一時的に得られる各種情報は、例えば適宜にメモリ225bに記憶される。
ドライブ226は、例えば、可搬性の記憶媒体RM2の脱着される部分である。ドライブ226では、例えば、記憶媒体RM2が装着されている状態で、この記憶媒体RM2と制御部225との間におけるデータの授受が行われ得る。例えば、プログラムPg2が記憶された記憶媒体RM2がドライブ226に装着されることで、記憶媒体RM2から記憶部224内にプログラムPg2が読み込まれて記憶される。
<1-7.液管理制御ユニットの構成例>
図7は、液管理制御ユニット24の電気的な構成の一例を示すブロック図である。液管理制御ユニット24は、例えば、上述した本体制御ユニット22と同様に、コンピュータなどで実現され、バスラインBu3を介して接続された、通信部241、入力部242、出力部243、記憶部244、制御部245およびドライブ246を備える。
通信部241は、例えば、ケーブルなどの配線を介して、本体制御ユニット22との間で信号の送受信を行うことができる。
入力部242には、例えば、基板処理装置20を使用するユーザの動作などに応じた信号が入力され得る。入力部242には、例えば、上記入力部102と同様に、操作部、マイクおよび各種センサなどが含まれ得る。
出力部243は、例えば、各種情報を出力する機能を有する。出力部243には、例えば、上記出力部103と同様に、表示部およびスピーカなどが含まれ得る。
記憶部244は、例えば、各種情報を記憶する機能を有する。この記憶部244は、例えば、上記記憶部224と同様に、ハードディスクおよびフラッシュメモリなどの記憶媒体で構成され得る。記憶部244には、例えば、プログラムPg3および各種情報Dt3が記憶され得る。記憶部244には、後述するメモリ245bが含まれてもよい。
プログラムPg3は、例えばプロセスレシピと、プリレシピとを含む。例えばプログラムPg3は、プロセスレシピ毎に吐出が必要となる処理液の種類およびその吐出する所定量や、プリレシピ毎に吐出が必要となる処理液の種類およびその吐出する所定量を含む。
制御部245は、例えば、プロセッサとして働く演算処理部245aおよび情報を一時的に記憶するメモリ245bなどを含む。演算処理部245aには、例えば、CPUが適用される。メモリ245bには、例えば、RAMが適用される。演算処理部245aにおいて、例えば、記憶部244に記憶されているプログラムPg3が読み込まれて実行されることで、液管理制御ユニット24の機能が実現される。制御部245における各種情報処理によって一時的に得られる各種情報は、例えば適宜にメモリ245bに記憶される。
ドライブ246は、例えば、可搬性の記憶媒体RM3の脱着が可能な部分である。ドライブ246では、例えば、記憶媒体RM3が装着されている状態で、この記憶媒体RM3と制御部245との間におけるデータの授受が行われ得る。例えば、プログラムPg3が記憶された記憶媒体RM3がドライブ246に装着されることで、記憶媒体RM3から記憶部244内にプログラムPg3が読み込まれて記憶される。
<1-8.処理ユニットを用いた処理>
<1-8-1.全体的処理>
図8は、処理ユニット21を用いた処理の一例を示す図である。図8は、同種類の基板処理の複数と、一つのプリ処理とに対応する。図8は、一纏まりの複数の基板W、例えば同じキャリアCに収容された複数の基板Wに対して実行される基板処理およびプリ処理を例示する。図8に例示された処理はステップS1~S6を含む。
当該基板処理およびプリ処理は、本体制御ユニット22および液管理制御ユニット24によって各部の動作が制御されることで実現される。ここでは、基板処理装置20のうちの1つの処理ユニット21に着目して説明される。
ステップS1において基板Wが処理ユニット21に搬入される。具体的には、センタロボット92によって、基板Wがチャンバー4に搬入され、スピンベース11に載置される。本体制御ユニット22は、真空チャックによって、基板Wを略水平姿勢でスピンベース11に保持させる。
基板Wがスピンベース11において保持された後、ステップS2において上面Wuに対する薬液処理が実行される。当該薬液処理は、例えば処理液DHF,SC1を順次に上面Wuへ吐出する洗浄処理(以下「第1洗浄処理」と称される)である。あるいは当該薬液処理は、例えば処理液SC1を上面Wuへ吐出する洗浄処理(以下「第2洗浄処理」と称される)である。あるいは当該薬液処理は、例えば処理液DHF,IPAを順次に上面Wuへ吐出する洗浄処理(以下「第3洗浄処理」と称される)である。
第1洗浄処理において、処理液DHFが吐出されてから処理液SC1を吐出するまでの間にリンス処理が行われてもよい。第1洗浄処理および第2洗浄処理のいずれかまたは両方において、処理液SC1が吐出されてからリンス処理が行われてもよい。第3洗浄処理において、処理液DHFが吐出されてから処理液IPAを吐出するまでの間にリンス処理が行われてもよい。第3洗浄処理において、処理液IPAが吐出されてからリンス処理が行われてもよい。
これらのリンス処理には、例えば洗浄用の純水(de-ionized water:以下「純水DIW」と称される)の上面Wuへの吐出、または上面Wuおよび下面Wbへの吐出が利用される。純水DIWの吐出するに利用されるノズルは、例えばノズル341,342,343,344と兼用され、あるいは併設され、あるいは独立して設けられる。本実施の形態では説明を簡単にするためにリンス処理は省略して説明される。
当該薬液処理において本体制御ユニット22は、スピンモータ15を制御して、基板回転軸A1を中心としてスピンベース11を回転させる。当該回転によって基板Wが回転する。ステップS2が実行されるとき、スピンベース11の回転速度が変動してもよいし、回転が停止してもよい。
ステップS2において第1洗浄処理が実行される場合、本体制御ユニット22は、ノズル移動装置371,372を制御して、ノズル341,342へ所定の移動を行わせる。液管理制御ユニット24は、バルブ361,362を制御して、ノズル341,342からそれぞれ処理液DHF,SC1の所定量を、上面Wuに向けてこの順に吐出させる。
第1洗浄処理が実行される際、本体制御ユニット22はノズル移動装置373を制御して、ノズル343を待機位置へ移動させる。第1洗浄処理が実行される際、液管理制御ユニット24は、バルブ363を閉じる。
ステップS2において第2洗浄処理が実行される場合、本体制御ユニット22は、ノズル移動装置372を制御して、ノズル342へ所定の移動を行わせる。液管理制御ユニット24は、バルブ362を制御して、ノズル342から処理液SC1の所定量を、上面Wuに向けて吐出させる。
第2洗浄処理が実行される際、本体制御ユニット22はノズル移動装置371,373を制御して、ノズル341,343をそれぞれの待機位置へ移動させる。第2洗浄処理が実行される際、液管理制御ユニット24は、バルブ361,363を閉じる。
ステップS2において第3洗浄処理が実行される場合、本体制御ユニット22は、ノズル移動装置371,373を制御して、ノズル341,343へ所定の移動を行わせる。液管理制御ユニット24は、バルブ361,363を制御して、ノズル341,343からそれぞれ処理液DHF,IPAの所定量を、上面Wuに向けてこの順に吐出させる。
第3洗浄処理が実行される際、本体制御ユニット22はノズル移動装置372を制御して、ノズル342を待機位置へ移動させる。第3洗浄処理が実行される際、液管理制御ユニット24は、バルブ362を閉じる。
ステップS2が実行される際、本体制御ユニット22が、パージバルブ46を制御して、下面ノズル44から下面Wbへ窒素ガスを吐出させてもよい。当該窒素ガスにより、上面Wuに吐出された処理液DHF,SC1が下面Wbへ回り込むことが低減もしくは抑制される。
例えば、第1洗浄処理および第3の洗浄処理において、上面Wuへ処理液DHFが吐出されると共に、下面Wbへ処理液DHFが吐出される。この際、液管理制御ユニット24は、バルブ361,364を制御して、ノズル341,344から処理液DHFの所定量を、それぞれ上面Wu、下面Wbに向けて吐出させる。
ステップS2が実行されるとき、本体制御ユニット22は、ガード昇降装置55を制御して、ガード71,72,73の、基板Wに対する上下方向における相対的な位置を変化させる。
例えばガード71,72,73の全ての天板が上面Wuよりも上方に位置し、水平方向においてガード71の側面が上面Wuと対向するとき、上面Wuに吐出されて上面Wuから飛散する処理液は、壁76とスピンチャック5との間において底77へ導かれる。
例えばガード71,72の全ての天板が上面Wuよりも上方に位置し、ガード73の天板が下面Wbよりも下方に位置し、水平方向においてガード72の側面が上面Wuと対向するとき、上面Wuに吐出されて上面Wuから飛散する処理液は、壁75と壁76との間において底77へ導かれる。
例えばガード71の天板が上面Wuよりも上方に位置し、ガード72,73のいずれの天板も下面Wbよりも下方に位置し、水平方向においてガード71の側面が上面Wuと対向するとき、上面Wuに吐出されて上面Wuから飛散する処理液は、壁74と壁75との間において底77へ導かれる。
ノズル341,342,343からそれぞれ吐出される処理液が吐出されるタイミングと、ガード71,72,73の基板Wに対する上下方向における相対的な位置とを適宜に組み合わせることにより、処理液がその種類毎に異なる領域へ案内される。かかる案内は種類毎の処理液の回収に寄与する。
ステップS2は基板W毎に処理される。ステップS2において薬液処理が施された基板Wは、ステップS3において搬出される。具体的には、本体制御ユニット22はスピンベース11における真空チャックを解除する。センタロボット92によって、処理済みの基板Wがスピンベース11から外され、チャンバー4から搬出される。
ステップS3が実行された後、ステップS4が実行される。ステップS4においては、処理ユニット21における処理の対象となる次の基板Wがあるか否かが判定される。例えば本体制御ユニット22がフローレシピを参照して、一つのキャリアCに収容された複数枚の基板に、「次の基板」が存在するか否かを判断する。
ステップS4の判断結果が肯定的であれば(「次の基板W」が存在していれば)ステップS1に処理が戻る。ステップS4の判断結果が否定的であれば(「次の基板W」が存在しなければ)、処理がステップS5へ進む。
ステップS5において、プリ処理が必要か否かが判断される。後述されるように、フローレシピにおいては原則としてプリ処理が実行されるが、例外としてプリ処理が省略される。プリ処理の要否を判断するためのフローチャートは後述される。
ステップS5における判断の結果が肯定的であるとき(つまりプリ処理が必要と判断されるとき)、ステップS6においてプリ処理が実行される。ステップS5における判断の結果が否定的であるとき(つまりプリ処理が不要と判断されるとき)およびステップS6が実行されたのち、図8に示された処理が終了する。
<1-8-2.フローレシピの一例>
図9はフローレシピをタイミングチャートとして概念的に例示する。当該フローレシピはプロセスレシピ群J1,J2,J3と、プリレシピPr1,Pr2,Pr3とを含む。当該フローレシピに基づいて、同一のキャリアCに格納された複数枚、ここでは25枚の基板Wに対する処理が実行される。
プロセスレシピ群J1はプロセスレシピJ1(1)~J1(25)を含む。プロセスレシピ群J2はプロセスレシピJ2(1)~J2(25)を含む。プロセスレシピ群J3はプロセスレシピJ3(1)~J3(25)を含む。丸括弧で囲まれた数字は1から25の整数のいずれかであって、同一のキャリアCに格納された25枚の基板Wのそれぞれに対応する。以下では、基板W(k)は同一のキャリアCに格納されたk番目の基板Wを指す(k=1~25)。k番目の基板はプロセスレシピJ1(k),J2(k),J3(k)に基づく基板処理の対象となる。
フローレシピは下記の順序での処理を指定する:プリレシピPr1、プロセスレシピJ1(1),…J1(25)、プリレシピPr2、プロセスレシピJ2(1),…J2(25)、プリレシピPr3、プロセスレシピJ3(1),…J3(25)。
図10はプロセスレシピJ1(k)の内容を経時的に例示するタイミングチャートである。プロセスレシピJ1(k)は基板W(k)に対する第1洗浄処理の内容を設定する。プロセスレシピJ1(k)は、搬入レシピJ10(k)、吐出レシピJ11(k),J12(k)、搬出レシピJ14(k)を含む。搬入レシピJ10(k)、吐出レシピJ11(k),J12(k)、搬出レシピJ14(k)がこの順に採用され、それぞれによって設定される処理が実行される。
搬入レシピJ10(k)は、基板W(k)を搬入する処理を設定する。搬入レシピJ10(k)に従って基板W(k)がキャリアCから取り出され、スピンチャック5に載置される。基板W(k)がスピンチャック5に載置された後、吐出レシピJ11(k)によって設定される処理が実行される。
吐出レシピJ11(k)は、基板W(k)の上面Wuに対して処理液DHFを吐出する処理を設定する。以下では処理液DHFの吐出は吐出P(1)とも称される。
吐出レシピJ11(k)による吐出P(1)が終了した後、吐出レシピJ12(k)によって設定される処理が実行される。吐出レシピJ12(k)は、基板W(k)の上面Wuに対して処理液SC1を吐出する処理を設定する。以下では処理液SC1の吐出は吐出P(2)とも称される。
吐出レシピJ12(k)による吐出P(2)が終了した後、搬出レシピJ14(k)によって設定される処理が実行される。搬出レシピJ14(k)は、基板W(k)を搬出する処理を設定する。搬出レシピJ14(k)に従って基板W(k)がスピンチャック5から取り出され、キャリアCへ搬入される。
図11はプロセスレシピJ2(k)の内容を経時的に例示するタイミングチャートである。プロセスレシピJ2(k)は基板W(k)に対する第2洗浄処理の内容を設定する。プロセスレシピJ2(k)は、搬入レシピJ20(k)、吐出レシピJ22(k)、搬出レシピJ24(k)を含む。搬入レシピJ20(k)、吐出レシピJ22(k)、搬出レシピJ24(k)がこの順に採用され、それぞれによって設定される処理が実行される。
搬入レシピJ20(k)は、基板W(k)を搬入する処理を設定する。搬入レシピJ20(k)に従って基板W(k)がキャリアCから取り出され、スピンチャック5に載置される。基板W(k)がスピンチャック5に載置された後、吐出レシピJ22(k)によって設定される処理が実行される。
吐出レシピJ22(k)は、基板W(k)の上面Wuに対する吐出P(2)を設定する。以下では処理液DHFの吐出は吐出P(2)とも称される。
吐出レシピJ22(k)による吐出P(2)が終了した後、搬出レシピJ24(k)によって設定される処理が実行される。搬出レシピJ24(k)は、基板W(k)を搬出する処理を設定する。搬出レシピJ24(k)に従って基板W(k)がスピンチャック5から取り出され、キャリアCへ搬入される。
図12はプロセスレシピJ3(k)の内容を経時的に例示するタイミングチャートである。プロセスレシピJ3(k)は基板W(k)に対する第3洗浄処理の内容を設定する。プロセスレシピJ3(k)は、搬入レシピJ30(k)、吐出レシピJ31(k),J33(k)、搬出レシピJ34(k)を含む。搬入レシピJ30(k)、吐出レシピJ31(k),J33(k)、搬出レシピJ34(k)がこの順に採用され、それぞれによって設定される処理が実行される。
搬入レシピJ30(k)は、基板W(k)を搬入する処理を設定する。搬入レシピJ30(k)に従って基板W(k)がキャリアCから取り出され、スピンチャック5に載置される。基板W(k)がスピンチャック5に載置された後、吐出レシピJ31(k)によって設定される処理が実行される。
吐出レシピJ31(k)は、基板W(k)の上面Wuに対する吐出(1)を設定する。吐出レシピJ31(k)による吐出P(1)が終了した後、吐出レシピJ33(k)によって設定される処理が実行される。吐出レシピJ33(k)は、基板W(k)の上面Wuに対して処理液IPAを吐出する処理を設定する。以下では処理液IPAの吐出は吐出P(3)とも称される。
吐出レシピJ33(k)による吐出P(3)が終了した後、搬出レシピJ34(k)によって設定される処理が実行される。搬出レシピJ34(k)は、基板W(k)を搬出する処理を設定する。搬出レシピJ34(k)に従って基板W(k)がスピンチャック5から取り出され、キャリアCへ搬入される。
図8に示されたステップS1は、搬入レシピJ10(1)~J10(25),J20(1)~J20(25),J30(1)~J30(25)に相当する。図8に示されたステップS2は、吐出レシピJ11(1)~J11(25),J12(1)~J12(25),J22(1)~J22(25),J31(1)~J31(25),J33(1)~J33(25)に相当する。図8に示されたステップS3は、搬出レシピJ14(1)~J14(25),J24(1)~J24(25),J34(1)~J34(25)に相当する。
例えば、後述するようにプリ処理が省略される場合を考慮しなければ、図8のフローチャートからステップS5が除外して考えられる。このとき、例えばステップS1が搬入レシピJ10(k)に従って実行され、ステップS2が吐出レシピJ11(k),J12(k)に従って実行され、ステップS3が搬出レシピJ14(k)に従って実行される。k<25であればステップS4を経由して更にステップS1が実行される。k=25であればステップS4を経由してステップS6がプリレシピPr2に従って実行される。
あるいはステップS1が搬入レシピJ20(k)に従って実行され、ステップS2が吐出レシピJ22(k)に従って実行され、ステップS3が搬出レシピJ24(k)に従って実行される。k<25であればステップS4を経由して更にステップS1が実行される。k=25であればステップS4を経由してステップS6がプリレシピPr3に従って実行される。
プリレシピPr1は、プロセスレシピ群J1において行われる吐出P(1),P(2)に対する予備的な動作を設定する。プリレシピPr2は、プロセスレシピ群J2において行われる吐出P(2)に対する予備的な動作を設定する。プリレシピPr3は、プロセスレシピ群J3において行われる吐出P(1),P(3)に対する予備的な動作を設定する。これらの予備動作は、上述のプリ動作に相当する。
図13はプリレシピPr1の内容を経時的に例示するタイミングチャートである。プリレシピPr1は処理液DHF,SC1に対するプリ処理に相当する。プリレシピPr1は、吐出レシピPr11,Pr12を含み、この順にこれらが採用される。吐出レシピPr11はカップ70への吐出P(1)を設定する。吐出レシピPr12はカップ70への吐出P(2)を設定する。
プリレシピPr2は処理液SC1に対するプリ処理に相当する。プリレシピPr2はカップ70への吐出P(2)を設定する。
図14はプリレシピPr3の内容を経時的に例示するタイミングチャートである。プリレシピPr3は処理液DHF,IPAに対するプリ処理に相当する。プリレシピPr3は、吐出レシピPr31,Pr33を含み、この順にこれらが採用される。吐出レシピPr31はカップ70への吐出P(1)を設定する。吐出レシピPr33はカップ70への吐出P(3)を設定する。
フローレシピに含まれる、搬入レシピJ10(k),J20(k),J30(k)、吐出レシピJ11(k),J12(k),J22(k),J31(k),J33(k),Pr11,Pr12,Pr31,Pr33、搬出レシピJ14(k),J24(k),J34(k)、プリレシピPr2のそれぞれによって設定されるいずれの処理についても、その実行に必要な時間は、それぞれのレシピにおいて予め設定される。
<1-8-3.プリ処理の要否判断>
本実施の形態において、プリ処理の対象となる処理液が吐出されない時間が所定の閾値よりも短いときには、当該プリ処理が不要であると判断される。これにより基板処理に必要な期間が短縮され、かかる短縮は基板処理方法の簡略化に寄与する。
以下、プリレシピPr2によって設定されたプリ処理の要否を判断する工程がまず説明され、その後に、プリレシピPr3によって設定されたプリ処理の要否を判断する工程が説明される。
図15は、フローレシピの一部である、吐出レシピJ11(24)から吐出レシピJ22(1)までをタイミングチャートとして示す。時刻t11e(k)は、吐出レシピJ11(k)によって設定された基板処理が終了する時刻、より具体的には基板W(k)の上面Wuへの吐出P(1)が終了する時刻である。時刻t12s(k)は、吐出レシピJ12(k)によって設定された基板処理が開始する時刻、より具体的には基板W(k)の上面Wuへの吐出P(2)が開始する時刻である。
図15では簡単のために、時刻t11e(k),t12s(k)が同時刻であるように示されるが、正確には時刻t11e(k)は時刻t12s(k)よりも先行する。
時刻t12e(k)は、吐出レシピJ12(k)によって設定された基板処理が終了する時刻、より具体的には基板W(k)の上面Wuへの吐出P(2)が終了する時刻である。時刻t10(k)は、搬入レシピJ10(k)によって設定された処理が開始する時刻、具体的には基板W(k)が搬入される時刻である。
図16はプリ処理の要否を判断するルーチンを例示するフローチャートである。図において、および以下では当該ルーチンは「プリ処理の要否判断ルーチン」と略記される。プリ処理の要否判断ルーチンは、本体制御ユニット22および液管理制御ユニット24によって各部の動作が制御されることで実現される。
プリ処理の要否判断ルーチンによる判断結果が、図8に示されたステップS5の判断結果に利用される。プリ処理の要否判断ルーチンはステップS5に代替するものでもなく、ステップS5の詳細を示すものでもない。
プリ処理の要否判断ルーチンにおいて、ステップS51は吐出P(j)が開始したか否かを判断する工程である。ここでパラメタjは1,2のいずれかであって、プリ処理の要否判断ルーチンはパラメタj毎に採用される。
処理液DHFについてのプリ処理を設定する吐出レシピPr11,Pr31について第1のプリ処理の要否判断ルーチンが実行され、処理液SC1についてのプリ処理を設定する吐出レシピPr12について第2のプリ処理の要否判断ルーチンが実行される。
ステップS51の判断結果が否定的であれば、ステップS55が実行される。ステップS55については後述される。
ステップS51の判断結果が肯定的であればステップS52が実行される。ステップS52は後述されるカウント値M(j)のカウントを終了し、カウント値M(j)をリセットする工程である。
カウント値M(j)はカウント値M(1),M(2)を総括的に示す。カウント値M(j)は、第jのプリ処理の要否判断ルーチンにおけるカウントによって増加する値である。カウント値M(j)は吐出P(j)が終了してからの時間を表す。
図15に即して言えば、時刻t12s(24)は吐出レシピJ12(24)によって設定される吐出P(2)が開始する時刻である。時刻t12s(24)においてステップS51の判断が肯定的となり、ステップS52においてカウント値M(2)がリセットされる。
図15において、破線C2上の四角は、第2のプリ処理の要否判断ルーチンにおいてカウント値M(2)のカウントが終了し、かつカウント値M(2)がリセットされる時点(ステップS52が実行される時点)を示す。
ステップS52が実行された後、ステップS53が実行される。ステップS53は吐出P(j)が終了したか否かを判断する工程である。ステップS53の判断結果が否定的であればステップS53が繰り返し実行される。ステップS53の判断結果が肯定的であればステップS54が実行される。ステップS54はカウント値M(j)のカウントを開始する工程である。
図15に即して言えば、時刻t12e(24)は吐出レシピJ12(24)によって設定される吐出P(2)が終了する時刻である。時刻t12e(24)においてステップS53の判断が肯定的となり、ステップS54においてカウント値M(2)のカウントが開始される。
図15において、破線C2上の黒丸は、第2のプリ処理の要否判断ルーチンにおいてカウント値M(2)のカウントが開始する時点(ステップS54が実行される時点)を示す。
時刻t11e(24)は吐出レシピJ11(24)によって設定される吐出P(1)が終了する時刻である。吐出P(1)は時刻t11e(24)よりも前に実行され、第1のプリ処理の要否判断ルーチンにおいてステップS52は時刻t11e(24)よりも前に実行される。時刻t11e(24)においてステップS53の判断が肯定的となり、ステップS54においてカウント値M(1)のカウントが開始される。
破線C1上の黒丸は、第1のプリ処理の要否判断ルーチンにおいてカウント値M(1)のカウントが開始する時点(ステップS54が実行される時点)を示す。
ステップS54によってカウントが開始した後、ステップS55が実行される。ステップS55はカウント値M(j)が所定値M0(j)未満であるか否かを判断する工程である。所定値M0(j)は、吐出P(j)が行われない状態の持続が許可される期間に相当する。吐出P(j)が行われない状態が、所定値M0(j)に相当する時間よりも短ければ吐出P(j)についてのプリ処理は不要である。
ステップS55における判断結果が否定的であるときはカウント値M(j)が所定値M0(j)以上であり、ステップS50,S59が実行される。ステップS50はカウント値M(j)のカウントを終了し、カウント値M(j)をリセットする工程である。ステップS59においてプリ処理が必要と判断される。ステップS50,S59が実行された後、プリ処理の要否判断ルーチンが終了する。
ステップS55における判断結果が肯定的であるときはカウント値M(j)が所定値M0(j)未満であり、ステップS56が実行される。ステップS56においては基板Weがチャンバー4へ搬入されたか否かが判断される。基板Weは同一のキャリアCに格納された基板Wのうち、同じプロセスレシピ群に属するプロセスレシピのうち、最後のプロセスレシピによって設定される基板処理を受ける基板Wである。ここでは同一のキャリアCには25枚の基板Wが格納されるので、基板Weは基板W(25)を指す。
時刻t10(25)よりも前においてはステップS56の判断結果は否定的となり、プリ処理の要否は判断されずにステップS51が再び実行される。
時刻t10(25)以降においてステップS56が実行されると、ステップS56において判断結果は肯定的となり、ステップS57が実行される。
ステップS57は基板Weに対する吐出P(j)の終了後に再度吐出P(j)が行われるまでの時間を推定し、当該時間と所定値M0(j)に相当する時間とに基づいてプリ処理の要否を判断する。具体的にはカウント値M(j)が値(M0(j)-R(j))未満であるか否かが判断される。
第2のプリ処理の要否判断ルーチンについて、図15に即してステップS57が説明される。フローレシピによれば、時刻t10(25)以降には、搬入レシピJ10(25)、吐出レシピJ11(25),J12(25)、搬出レシピJ14(25)、プリレシピPr2、搬入レシピJ20(1)のそれぞれによって設定される処理が実行されてから、吐出レシピJ22(1)に基づく吐出P(2)が実行される。
時刻t12e(25)以降、所定値M0(2)に対応する時間が経過するまでに、搬出レシピJ14(25)および搬入レシピJ20(1)のそれぞれに対応する処理が実行されると予想されるとき、プリレシピPr2に基づくプリ処理は不要であると想定される。
カウント値M(2)は時刻t12e(24)においてリセットされる。時刻t10(25)におけるカウント値M(2)は、搬出レシピJ14(25)によって設定される処理が実行される時間に相当する。当該時間は時刻t12e(25)において吐出P(2)が終了して以降、搬出レシピJ14(25)による基板Weの搬出が終了するまでの時間に等しいと想定される。
時刻t10(25)におけるカウント値M(2)に対して、搬入レシピJ20(1)によって設定される処理に要する時間に相当するカウント値を加算した結果が、所定値M0(2)未満であれば、プリレシピPr2に基づくプリ処理は不要であると想定される。
値R(2)には、搬入レシピJ20(1)によって設定される処理に要する時間に相当するカウント値が採用される。基板Weがチャンバー4へ搬入されてステップS56における判断結果が肯定的となったとき、カウント値M(2)が値(M0(2)-R(2))未満であれば、ステップS57における判断結果は肯定的となる。このとき、ステップS58においてプリ処理、具体的にはプリレシピPr2によって設定されるプリ処理が不要であると判断される。
カウント値M(2)が値(M0(2)-R(2))以上であれば、時刻t12e(25)以降、搬出レシピJ14(25)および搬入レシピJ20(1)のそれぞれに対応する処理が実行されると、所定値M0(2)に対応する時間が経過すると想定される。このとき、ステップS57における判断結果は否定的となり、ステップS59においてプリ処理、具体的にはプリレシピPr2によって設定されるプリ処理が必要であると判断される。
図17は第2のプリ処理の要否判断ルーチンにおいて、ステップS59が実行されるときの基板処理を、プロセスレシピとプリレシピとを用いて示すタイミングチャートである。図8のステップS5において判断結果は肯定的となり、ステップS6に対応してプリレシピPr2によって設定されるプリ処理が実行される。当該プリ処理は時刻t2sに開始し、時刻t2eに終了する。
この後、プロセスレシピ群J2に対応して図8のフローチャートが再び実行され、ステップS5に対応してプリ処理の要否判断ルーチンが改めて実行される。
時刻t22s(k)は、吐出レシピJ22(k)によって設定された基板処理が開始する時刻、より具体的には基板W(k)の上面Wuへの吐出P(2)が開始する時刻である。時刻t22e(k)は、吐出レシピJ22(k)によって設定された基板処理が終了する時刻、より具体的には基板W(k)の上面Wuへの吐出P(2)が終了する時刻である。
時刻t20(25)は、搬入レシピJ20(25)によって設定された処理、具体的には基板W(25)(これは基板Weでもある)が搬入される時刻である。
図18は第2のプリ処理の要否判断ルーチンにおいて、ステップS58が実行されるときの基板処理を、プロセスレシピとプリレシピとを用いて示すタイミングチャートである。図8のステップS5において判断結果は否定的となり、ステップS6は実行されない。搬出レシピJ14(25)に基づいて基板Weが搬出された後、プロセスレシピ群J2に対応して図8のフローチャートが再び実行される。
時刻tr31sは吐出レシピPr31によって設定された吐出P(1)が開始する時刻である。時刻tr31eは吐出レシピPr31によって設定された吐出P(1)が終了する時刻である。時刻tr33sは吐出レシピPr33によって設定された吐出P(3)が開始する時刻である。時刻tr33eは吐出レシピPr33によって設定された吐出P(3)が終了する時刻である。図18では簡単のために、時刻tr31e,tr33sが同時刻であるように示されるが、正確には時刻tr31eは時刻tr33sよりも先行する。
時刻t31s(k)は吐出レシピJ31(k)によって設定された吐出P(1)が開始する時刻である。時刻t31eは吐出レシピJ31(k)によって設定された吐出P(1)が終了する時刻である。時刻t33s(k)は吐出レシピJ33(k)によって設定された吐出P(1)が開始する時刻である。図18では簡単のために、時刻t31e(k),t33s(k)が同時刻であるように示されるが、正確には時刻t31eは時刻t33sよりも先行する。
図15を参照して、第1のプリ処理の要否判断ルーチンにおいては、時刻t11e(24)においてカウント値M(1)のカウントが開始し(図16のステップS54参照)、時刻t10(25)に至ってステップS57における判断がおこなわれる。
図9、図11、図12および図17を参照すると、プリレシピPr3によって設定されるプリ処理を除けば、吐出レシピJ11(25)に基づく吐出P(1)が終了した後、吐出レシピJ31(1)に基づく吐出P(1)が開始するまでの間、吐出P(1)が実行されない状態が持続する。この間には、吐出レシピJ12(25)、搬出レシピJ14(25)、プリレシピPr2、プロセスレシピ群J2、搬入レシピJ30(1)のそれぞれによって設定される処理(以下「第1の中間処理群」と仮称)が実行される。
第1の中間処理群が実行されている間、吐出P(1)は開始しないので、ステップS52は実行されずにステップS51,S55,S56が繰り返し実行され、カウント値M(1)は増大し続ける。
第1の中間処理群が実行されている期間が、吐出P(1)が行われない状態の持続が許可される期間(これは所定値M0(1)に相当する)よりも長いか否かに基づいて、プリレシピPr3によって設定されるプリ処理の要否が判断される。
時刻t11e(24)においてカウント値M(1)のカウントが開始した後(図15の破線C1における黒丸を参照)、時刻t10(25)においてステップS56の判断結果が肯定的となり、ステップS57が実行される。
図17および図18を参照して、時刻t10(25)におけるカウント値M(1)と、プロセスレシピJ1(25)、プリレシピPr2、プロセスレシピ群J2、搬入レシピJ30(1)のそれぞれによって設定される処理(以下「第2の中間処理群」と仮称)が実行される時間に相当するカウント値との和が、所定値M0(1)よりも小さければ、処理液DHFについてのプリ処理は不要である。この観点から、第2の中間処理群が実行される時間の合計に対応するカウント値が値R(1)に採用される。
ステップS57の判断結果が肯定的であれば、ステップS58に処理が進み、プリレシピPr3のうち吐出レシピPr31によって設定されるプリ処理は不要であると判断される。ステップS57の判断結果が否定的であれば、ステップS59に処理が進み、プリレシピPr3によって設定されるプリ処理は必要であると判断される。
第2のプリ処理の要否判断ルーチンで要否が判断されるのは、具体的にはプリレシピPr3によって設定されるプリ処理全体ではない。よって図8におけるステップS5の判断結果は肯定的となり、ステップS6が実行される。ステップS6において実行されるプリ処理は吐出レシピPr33によって設定される吐出P(3)である。これはプリ処理の低減と見ることができる。図19にタイミングチャートとして、吐出レシピPr31が省略される場合の基板処理を、プロセスレシピとプリレシピとを用いて示す。
この場合においても、第2のプリ処理の要否判断ルーチンでステップS57の判断結果が否定的となる場合と比較して、基板処理に必要な期間が短縮され、かかる短縮は基板処理方法の簡略化に寄与する。
<1-8-4.プリ処理の要否判断を行うタイミング>
フローレシピに含まれるいずれのレシピについても、それぞれによって設定される処理の実行に必要な時間が予め設定される。よって、当該フローレシピに基づいた基板処理の最初において、プリ処理の要否が判断されてもよい。当該判断の結果に基づいて、プリ処理の不実行(例えばプリレシピPr2によって設定されるプリ処理の不実行)、あるいはプリ処理の部分的な不実行(プリ処理の低減:例えば吐出レシピPr31によって設定される吐出P(1)の不実行)が実現されてもよい。
しかし、フローレシピを実行中にレシピが変更される場合も想定される。また複数の処理ユニット21同士の処理状況に起因して、フローレシピにおいて設定された時間とは相違して処理が実行される場合も想定される。このように想定される場合には、当該フローレシピに基づいた基板処理の最初において判断されたプリ処理の要否は、適切ではなくなる可能性がある。
上述の例では第1洗浄処理において、基板Weがチャンバー4へ搬入されるタイミング、具体的には時刻t10(25)におけるカウント値を用いて、プリ処理の要否が判断された。このようなタイミングにおけるプリ処理の要否の判断は、上記のように想定される場合にも、プリ処理の要否を適切に判断することに寄与する。
<2.一般的な説明>
上記の実施の形態を一般的に説明すると下記のように記述することができる。本開示におけるフローレシピが予め設定された基板処理方法には、フローレシピが予め設定される。フローレシピは第1のプロセスレシピと、第2のプロセスレシピと、プリレシピとを含む。
実施の形態においては、図9を参照して、第1のプロセスレシピとしてプロセスレシピJ1(1)~J1(25)が例示される。
第2のプロセスレシピとしてプロセスレシピJ2(1)~J2(25)が、プリレシピとしてプリレシピPr2が、それぞれ例示される。あるいは第2のプロセスレシピとしてプロセスレシピJ3(1)~J3(25)が、プリレシピとしてプリレシピPr3が、それぞれ例示される。
第1のプロセスレシピは基板に対して実行される第1の処理の内容を設定する。実施の形態においては図10を参照して、プロセスレシピJ1(k)は基板W(k)に対して実行される吐出P(1),P(2)を設定する。より具体的にはプロセスレシピJ1(k)は吐出レシピJ11(k),J12(k)を含み、それぞれ基板W(k)に対して実行される吐出P(1),P(2)を設定する。第1の処理は基板W(k)に対する処理液DHFの吐出P(1)を含む。第1の処理は基板W(k)に対する処理液SC1の吐出P(2)を含む。
第2のプロセスレシピは、基板に対して第1の処理の後に実行される第2の処理の内容を設定する。プリレシピは第2のプロセスレシピについての予備動作の内容を設定する。
実施の形態においては図11を参照して、プロセスレシピJ2(k)は基板W(k)に対して実行される吐出P(2)を設定する。より具体的にはプロセスレシピJ2(k)は吐出レシピJ22(k)を含み、吐出レシピJ22(k)は基板W(k)に対して実行される吐出P(2)を設定する。第2の処理は基板W(k)に対する処理液SC1の吐出P(2)を含む。プリレシピPr2は、プロセスレシピJ2(k)についての予備動作の内容を設定する。当該予備動作は処理液SC1の排出を含む。
実施の形態においては図12を参照して、プロセスレシピJ3(k)は基板W(k)に対して実行される吐出P(1),P(3)を設定する。より具体的にはプロセスレシピJ3(k)は吐出レシピJ31(k),J33(k)を含み、それぞれ基板W(k)に対して実行される吐出P(1),P(3)を設定する。
第2の処理は基板Wに対する処理液DHFの吐出P(1)を含む。第2の処理は基板Wに対する処理液IPAの吐出P(3)を含む。プリレシピPr3は、プロセスレシピ群J3についての予備動作の内容を設定する。プリレシピPr3は吐出レシピPr31を含み、吐出レシピPr31によって設定される予備動作は処理液DHFの排出を含む。プリレシピPr3は吐出レシピPr33を含み、吐出レシピPr33によって設定される予備動作は処理液IPAの排出を含む。
第1の処理および第2の処理のいずれも、基板Wに対する第1の薬液の吐出を含む。ここで第1の薬液として処理液SC1を想定することができ、第1の処理は吐出レシピJ12(1)~J12(25)によって設定され、予備動作は吐出レシピPr12によって設定され、第2の処理は吐出レシピJ22(1)~J22(25)によって設定される。あるいは第1の薬液として処理液DHFを想定することができ、第1の処理は吐出レシピJ11(1)~J11(25)によって設定され、予備動作は吐出レシピPr31によって設定され、第2の処理は吐出レシピJ31(1)~J31(25)によって設定される。
第1の処理の終了から第2の処理の開始までの期間が第1の閾値よりも短いと、予備動作の時間を低減して第2の処理が実行される。第1の薬液として処理液SC1が想定されたとき、吐出レシピJ12(25)の終了によって第1の処理が終了し、吐出レシピJ22(1)の開始によって第2の処理が開始する。吐出P(2)が行われない状態の持続が許可される期間が第1の閾値として想定される。時刻t12e(25)から時刻t22s(1)までの期間が第1の閾値よりも短いと、プリレシピPr2によって設定されるプリ動作は省略される。所定値M0(2)は、第1の閾値に相当するカウント値である。
第1の薬液として処理液SC1が想定されたとき、予備動作の時間は実質的に零まで低減される。
第1の薬液として処理液DHFが想定されたとき、吐出レシピJ11(25)の終了によって第1の処理が終了し、吐出レシピJ31(1)の開始によって第2の処理が開始する。吐出P(1)が行われない状態の持続が許可される期間が第1の閾値として想定される。時刻t11e(25)から時刻t31s(1)までの期間が第1の閾値よりも短いと、プリレシピPr3のうち、吐出レシピPr31によって設定されるプリ動作は省略される。所定値M0(1)は、第1の閾値に相当するカウント値である。
第1の薬液として処理液DHFが想定されたとき、予備動作の時間は吐出レシピPr31によって設定されるプリ動作に必要な時間だけ低減される。
当該基板処理方法は、第1の処理を実行する工程(例えば第1の処理はプロセスレシピ群J1によって設定される)と、第1の処理の終了から第2の処理の開始までの期間が第1の閾値よりも短いか否かの判断を行う工程(かかる判断は例えばステップS55、S56,S57,S58,S59とステップS5とによって実現される)とを備える。当該基板処理方法は更に、当該判断の結果が肯定的であれば、プリ動作の時間を低減して第2の処理を実行する工程を備える。
処理液SC1について考えると、第2の処理は吐出P(2)を含む。このときプリレシピPr2によって設定されるプリ処理の要否が判断され、上記判断の結果が肯定的であるときには当該プリ処理が省略される。当該省略はプリ処理に要する時間の極端な低減ということができる。
処理液DHFについて考えると、第2の処理は吐出P(1)を含む。このとき吐出レシピPr31によって設定されるプリ処理の要否が判断され、上記判断の結果が肯定的であるときには当該プリ処理が省略される。当該省略はプリレシピPr3によって設定されるプリ処理に要する時間の低減ということができる。
但し、第1の薬液として処理液SC1が想定されたとき、実施の形態においては時刻t10(25)において、時刻t12e(25)から時刻t22s(1)までの期間が推定されるので、ステップS57を用いて説明された値R(2)が利用される。処理液DHFが想定されたとき、実施の形態においては時刻t10(25)において、時刻t11e(25)から時刻t31s(1)までの期間が推定されるので、ステップS57を用いて説明された値R(1)が利用される。
別の言い方をすると、フローレシピは、N枚(Nは2以上の整数:実施の形態では整数25)の基板W(1)~W(N)のそれぞれに対応するN個の第1の処理を含む。基板W(1)~W(N-1)に対する第1の処理が終了し、基板W(N)に対する第1の処理が開始する時点で、当該第1の処理の終了から第2の処理の開始までの期間が、第1の閾値よりも短いか否かが判断される。
<3.変形>
<3-1.第1の変形>
第1の処理における第1の薬液の吐出が終了してから第2の処理における第1の薬液の吐出が開始するまでの期間が第1の閾値を超えても、その程度が小さいならば第1の薬液が劣化する程度も低いと考えられる。以下、第1の閾値よりも長い第2の閾値を導入した説明が行われる。
実施の形態に即して言えば、時刻t12e(25)から時刻t22s(1)までの期間が、吐出P(2)が行われない状態の持続が許可される期間を時間δ2(>0)だけ超えると推定される場合、時間δ2が小さければ、処理液SC1の劣化は小さいと考えられる。よって第2の閾値を、吐出P(2)についての第1の閾値よりも大きく設定し、吐出レシピPr12によって設定されるプリ動作の時間を低減してもよい。
あるいは時刻t11e(25)から時刻t31s(1)までの期間が、吐出P(1)が行われない状態の持続が許可される期間を時間δ1(>0)だけ超えると推定される場合、時間δ1が小さければ、処理液DHFの劣化は小さいと考えられる。よって第2の閾値を、吐出P(1)についての第1の閾値よりも大きく設定し、吐出レシピPr31によって設定されるプリ動作の時間を低減してもよい。
このようなプリ動作の時間の低減は、基板処理に必要な期間の短縮に寄与する。このようなプリ動作の時間の低減は、例えばステップS6が実行されるときに、本体制御ユニット22および液管理制御ユニット24によって各部の動作が制御されることで実現される。
<3-2.第2の変形>
第1の処理における第1の薬液の吐出が終了してから第2の処理における第1の薬液の吐出が開始するまでの期間が第1の閾値を超え、その程度が大きいならば第1の薬液が劣化する程度も大きいと考えられる。以下、第2の閾値よりも長い第3の閾値を導入した説明が行われる。
時刻t12e(25)から時刻t22s(1)までの期間が、吐出P(3)が行われない状態の持続が許可される期間を大きく超えると推定される場合、処理液SC1の劣化も大きいと考えられる。よって第3の閾値を、吐出P(2)についての第2の閾値よりも大きく設定し、吐出レシピPr12によって設定されるプリ動作の時間を増大してもよい。
あるいは時刻t11e(25)から時刻t31s(1)までの期間が、吐出P(1)が行われない状態の持続が許可される期間を大きく超えると推定される場合、処理液DHFの劣化も大きいと考えられる。よって第3の閾値を、吐出P(1)についての第2の閾値よりも大きく設定し、吐出レシピPr31によって設定されるプリ動作の時間を増大してもよい。
このようなプリ動作の時間の増大は、第1の薬液の劣化が第2の処理に与える影響を小低減することに寄与する。このようなプリ動作の時間の増大は、例えばステップS6が実行されるときに、本体制御ユニット22および液管理制御ユニット24によって各部の動作が制御されることで実現される。
<3-3.第3の変形>
第1の薬液の吐出が終了してから第1の薬液の吐出が再開されること無く、第1の閾値よりも長い第4の閾値よりも長い時間が経過したとき、第1の薬液の排出が実行されてもよい。
例えば吐出レシピJ12(25)が終了してから、第4閾値よりも長い時間が経過しても吐出P(2)が再開しなければ、処理液SC1の排出が行われる。
例えば吐出レシピJ11(25)が終了してから、第4閾値よりも長い時間が経過しても吐出P(1)が再開しなければ、処理液DHFの排出が行われる。
例えば吐出レシピJ33(25)が終了してから、第4閾値よりも長い時間が経過しても吐出P(3)が再開しなければ、処理液IPAの排出が行われる。
第3の変形にかかる処理液の排出は、薬液の劣化が後の処理に与える影響を、低減する効果を高める。
今回開示された実施の形態および変形は例示であって、この基板処理方法は上述の内容のみに限定されるものではない。例えば実施の形態および変形のそれぞれの全部または一部を適宜に組み合わせることが可能である。