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JP7628532B2 - 止血器具 - Google Patents
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JP7628532B2 - 止血器具 - Google Patents

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Description

本発明は、止血器具に関する。
従来から、患者の手や腕等の肢体の血管に形成した穿刺部位を介して各種の医療用長尺体(例えば、カテーテル)を血管内に導入し、病変部位に対する処置や治療を行う手技が知られている。このような手技を行った場合、術者等は、穿刺部位から医療用長尺体を抜去する際、穿刺部位を止血する。
穿刺部位の止血に使用される止血器具として、肢体に巻き付けるように構成された帯体を備える固定部材と、帯体に連結されており、流体を注入することにより拡張して、穿刺部位を圧迫するバルーン等の拡張部材と、を有するものが提案されている(特許文献1を参照)。
特開2010-131296号公報
特許文献1の止血器具を使用した止血方法では、術者等は、止血器具を患者の肢体に固定した状態で拡張部材の内部に流体を注入して拡張させることにより、穿刺部位に対して圧迫力を付与する。術者等は、バルーンを利用して穿刺部位に対して所定期間に亘って圧迫力を付与することにより、穿刺部位を圧迫止血することができる。
例えば、肢体に形成した穿刺部位を止血する処置において、特許文献1に記載された止血器具を使用した圧迫止血を実施しつつ、各種の薬効を発現する薬剤を利用することにより、穿刺部位を効果的に止血することが可能になると考えられる。また、そのような止血方法を実現するための方策として、拡張部材の肢体に向かい合わせて配置される表面に薬剤を配置することが考えられる。
しかしながら、止血器具の拡張部材の表面に薬剤を配置する場合、穿刺部位に止血器具を配置する際に拡張部材の表面が他の部材や物品等と接触し、薬剤の一部が擦過等で拡張部材の表面から剥れる可能性がある。また、拡張部材の表面に配置された薬剤は、穿刺部位からの出血量が少ない場合、穿刺部位に適切に徐放されず、薬効を十分に発現できない可能性がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、親水性ポリマー層が含有する金属イオンや薬剤によって傷口修復効果や止血効果の向上を図ることができ、かつ、金属イオンや薬剤を含有する親水性ポリマー層が拡張部材から剥がれることを抑制できる止血器具を提供することを目的とする。
上記目的を達成する止血器具は、肢体の止血すべき部位に配置するように構成された拡張部材と、前記拡張部材を前記肢体に固定するように構成された固定部材と、を備え、前記拡張部材は、前記止血すべき部位に配置するように構成された第1表面を有し、前記第1表面は、前記固定部材の外面側に窪む凹部と、前記凹部に位置する親水性材料領域と、を有し、前記親水性材料領域は、金属イオン及び薬剤の少なくとも一方を含有する親水性ポリマー層であり、前記凹部は、前記拡張部材の中央部に位置する第1凹部と、前記第1凹部よりも外形が小さな複数の第2凹部と、を有し、前記第2凹部の外形は、前記第1凹部から前記第1表面の周縁部に近づくにつれて小さくなる。また、上記目的を達成する止血器具は、肢体の止血すべき部位に配置するように構成された拡張部材と、前記拡張部材を前記肢体に固定するように構成された固定部材と、を備え、前記拡張部材は、前記止血すべき部位に配置するように構成された第1表面を有し、前記第1表面は、前記固定部材の外面側に窪む凹部と、前記凹部に位置する親水性材料領域と、を有し、前記親水性材料領域は、金属イオン及び薬剤の少なくとも一方を含有する親水性ポリマー層であり、前記凹部から前記第1表面の周縁部に向かって延在する誘導溝を有し、前記誘導溝は、親水性ポリマー層を備える。
上記のように構成した止血器具は、親水性ポリマー層が、拡張部材の第1表面が有する凹部に設けられているため、拡張部材の第1表面が他の部材等と接触して擦過した場合においても、親水性ポリマー層が拡張部材から剥がれることを抑制できる。また、上記のように構成した止血器具は、水と馴染みやすい親水性ポリマー層が、金属イオンや薬剤を含有するため、穿刺部位から漏れ出る血液が少量であった場合でも、親水性ポリマー層全体が濡れやすく、穿刺部位に効率的に金属イオンや薬剤を放出することができる。加えて、止血器具は、穿刺部位に拡張部材の凹部を配置した状態で拡張部材を拡張させることにより、穿刺部位を圧迫止血しつつ、凹部に配置した親水性ポリマー層が含有する金属イオンや薬剤を穿刺部位周辺に放出することができる。そのため、止血器具は、金属イオンや薬剤の薬効により、穿刺部位の傷口の修復を早めたり、穿刺部位の止血効果を向上させたりすることができる。
実施形態に係る止血器具を示す図であり、固定部材のベルト部の内面側から見た平面図である。 図1に示す矢印2A-2A線に沿う断面図である。 図2に示す3A部分の拡大図である。 図2に示す矢印4A方向から見た拡張部材の第1表面の平面図である。 図4に示す矢印5A-5A線に沿う断面図である。 実施形態に係る止血器具を患者の肢体に装着した際の様子を示す図である。 変形例1に係る拡張部材を示す平面図である。 図7に示す矢印8A-8A線に沿う断面図である。 変形例2に係る拡張部材を示す平面図である。 図9に示す矢印10A-10A線に沿う断面図である。 変形例3に係る拡張部材を示す平面図である。 変形例4に係る拡張部材を示す平面図である。 図12に示す矢印13A-13A線に沿う断面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態及び変形例を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1~図5は、実施形態に係る止血器具100を説明するための図、図6は、止血器具100を患者の前腕部(「肢体」に相当)Aに装着した状態を示す図である。
<止血器具>
止血器具100は、図6に示すように、治療や検査等を行うカテーテル等を血管(例えば、橈骨動脈)内に挿入する目的で前腕部Aに形成した穿刺部位(「止血すべき部位」に相当)pに留置していたイントロデューサーのシースチューブ(図示省略)を、穿刺部位pから抜去する際、穿刺部位pを止血する医療器具として構成している。
止血器具100は、図1、図2、図3、図6を参照して概説すると、前腕部Aの穿刺部位pに配置するように構成された拡張部材110と、拡張部材110を前腕部Aに固定するように構成された固定部材170と、を備える。
<固定部材>
固定部材170は、図1、図2、図6に示すように、患者の前腕部Aに巻き付けるように構成されたベルト部171と、ベルト部171に配置された連結部172a、172bと、を備える。
図1にはベルト部171の内面171a側から見た止血器具100の平面図を示している。ベルト部171の内面171aは、止血器具100を患者の前腕部Aに装着した際、患者の前腕部Aの皮膚表層に向い合うように配置される側の面である。ベルト部171の外面171b(図2を参照)は、内面171aの反対側の面である。
ベルト部171は、例えば、可撓性を備える部材で構成することができる。ベルト部171を構成する材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)を用いることができる。
図1に示すように、第1連結部172aは、ベルト部171の長手方向の一端部173a付近に配置している。また、第1連結部172aは、ベルト部171の内面171aに配置している。図1、図2、図4において、ベルト部171の長手方向を矢印X1-X2で示す。
第2連結部172bは、ベルト部171の長手方向の他端部173b付近に配置している。また、第2連結部172bは、ベルト部171の外面171bに配置している。
第1連結部172aと第2連結部172bは、互いに連結分離可能な構成を有する。各連結部172a、172bは、例えば、面ファスナーで構成することができる。本実施形態では、第1連結部172aを面ファスナーの雌側で構成しており、第2連結部172bを面ファスナーの雄側で構成している。
術者等は、止血器具100を患者の前腕部Aに装着する際、拡張部材110が接続されたベルト部171の内面171a側を患者の前腕部Aの皮膚表層に向かい合わせるようにして、ベルト部171を患者の前腕部Aに巻き付ける。術者等は、ベルト部171を患者の前腕部Aに巻き付けた状態で、ベルト部171に配置された各連結部172a、172b同士を接触させて連結する。術者等は、各連結部172a、172b同士を連結することにより、拡張部材110を穿刺部位pに配置した状態で止血器具100を患者の前腕部Aに固定することができる。
各連結部172a、172bの構造は、止血器具100を患者の前腕部Aに装着した状態を維持することが可能であれば、特に限定されない。各連結部172a、172bは、例えば、面ファスナー以外で構成してもよい。また、本実施形態のように各連結部172a、172bを面ファスナーで構成する場合においても、雌側や雄側は任意に入れ替えることができる。また、ベルト部171において各連結部172a、172bを配置する位置や連結部の個数等も特に限定されない。
図2に示すように、ベルト部171には、支持部175を設けている。支持部175は、ベルト部171の長手方向の中央付近に配置された保持部材175aと、保持部材175aとベルト部171との間に保持された支持板175bと、を有する。
保持部材175aは、ベルト部171の外面171bに接続している。保持部材175aは、ベルト部171の外面171bとの間に支持板175bを保持可能にする隙間部を形成している。支持板175bは、支持板175bの長手方向(図2の上下方向)の少なくとも一部に形成された平坦な形状の部分と、ベルト部171の内面171a側に凹状に湾曲した湾曲部と、を有する。支持板175bは、例えば、ベルト部171よりも硬質な材料で構成することができる。なお、支持板175bの具体的な断面形状や材質等は特に限定されない。
支持板175bは、拡張部材110を拡張させた際、拡張部材110が患者の前腕部Aから離れる方向へ拡張することを抑制する。そのため、止血器具100は、拡張部材110が拡張した際、拡張部材110が固定された患者の前腕部Aに対して圧迫力を集中させることができる。
ベルト部171、保持部材175a、及び支持板175bは、術者等がベルト部171の外面171b側から拡張部材110を目視した際に、後述するマーカー部125(図3、図5を参照)を視認できるようにするために、マーカー部125と重ねて配置される部部が透明、半透明、有色透明等で構成されていることが好ましい。
<拡張部材>
拡張部材110は、流体の注入により拡張されるバルーンで構成してる。拡張部材110は、図3に示すように、流体が注入可能な内部空間113を有する。
拡張部材110の第1表面111aには、後述する凹部120を設けている(図5を参照)。拡張部材110の第1表面111aは、拡張部材110を患者の前腕部Aに配置した際、前腕部Aに形成した穿刺部位pに配置される部分の外表面である。
図2、図3に示すように、拡張部材110の第2表面111bには、拡張部材110よりも外形が小さく、かつ、変形可能な補助部材180が接続されている。補助部材180は、流体の注入により拡張されるバルーンで構成している。なお、拡張部材110の第2表面111bは、第1表面111aの反対側に位置する部分の外表面である。
補助部材180は、流体が注入可能な内部空間183を有する。補助部材180の拡張部材110側に位置する第1表面181aは、拡張部材110の第2表面111bに接続している。補助部材180の第1表面181aと反対側に位置する第2表面181bは、ベルト部171の内面171aに接続している。
補助部材180は、例えば、図2に示すように、ベルト部171の長手方向の他端部173b寄りの任意の位置に配置することができる。補助部材180は、補助部材180の端部(図3の右側の端部)付近がベルト部171と接続されている。
図3に示すように、拡張部材110の内部空間113と補助部材180の内部空間183は連通部190を介して連通している。連通部190は、拡張部材110に形成された孔部と補助部材180に形成された孔部により構成している。
拡張部材110は、連通部190の周囲で補助部材180と接続している。また、補助部材180は、前述したようにベルト部171と接続している。そのため、拡張部材110は、補助部材180を介してベルト部171と接続されている。補助部材180とベルト部171及び拡張部材110と補助部材180の各々は、例えば、融着や接着剤により接続することができる。
拡張部材110及び補助部材180は、例えば、略矩形形状に形成された二つのシート状の部材の間に各内部空間113、183を形成した状態で、二つのシート状の部材の周縁部を接合することにより形成することができる。本実施形態では、シート状の部材として、拡張部材110の第1表面111aが図4に示すような長方形の物を利用している。
拡張部材110及び補助部材180の構成材料としては、例えば、ベルト部171の材料として例示したものと同一の材料を用いることができる。
拡張部材110及び補助部材180は、例えば、平面視における外形を略矩形に形成することができる。ただし、拡張部材110及び補助部材180の具体的な外形は特に限定されない。
拡張部材110の内部空間113は、後述する注入部200(図1を参照)が備えるチューブ203の内腔と連通している。なお、チューブ203は、補助部材180の内部空間183に接続してもよい。
術者等がチューブ203を介して拡張部材110の内部空間113内へ流体(例えば、空気)を注入することにより、拡張部材110及び補助部材180を拡張させることができる。
術者等は、止血器具100を患者の前腕部Aに装着した状態(図6を参照)で、拡張部材110を拡張させることにより、穿刺部位pに対して圧迫力を付与することができる。また、術者等が拡張部材110とともに補助部材180を拡張させると、補助部材180によって拡張部材110が付与する圧迫力の方向を、穿刺部位pに向かう方向に調整することができる。そのため、術者等は、拡張部材110から穿刺部位pに対して効果的に圧迫力を付与することができる。
なお、止血器具100は、補助部材180を備えていなくてもよい。また、止血器具100が補助部材180を備える場合においても、補助部材180は、例えば、拡張変形可能なバルーン以外の部材で構成することが可能である。
<注入部>
図1に示すように、止血器具100は、拡張部材110に流体を注入するための注入部200を有する。
注入部200は、逆止弁(図示せず)を内蔵するコネクタ201と、内部に空間が形成された可撓性を備える袋部202と、袋部202と拡張部材110の内部空間113を連通するチューブ203と、を有する。
コネクタ201の逆止弁が閉じている間は、コネクタ201の内部と袋部202の内部との連通が遮断される。術者等は、拡張部材110を拡張させる際、コネクタ201にシリンジ(図示せず)の先筒部を挿入して逆止弁を開く。術者等は、コネクタ201の逆止弁を開いた状態で、シリンジの押し子を押すことにより、シリンジ内の空気を拡張部材110の内部空間113内に注入することができる。
術者等は、拡張部材110の内部空間113内に空気を注入することにより、拡張部材110を拡張させることができる。また、術者等が拡張部材110の内部空間113に空気を注入すると、空気が連通部190を介して補助部材180の内部空間183に流入する。これにより、術者等は、補助部材180を拡張させることができる。術者等が拡張部材110及び補助部材180を拡張させると、チューブ203を介して拡張部材110と連通している袋部202が膨張する。術者等は、袋部202が膨張することを目視により確認することにより、拡張部材110及び補助部材180が拡張したことを確認することできる。
術者等は、拡張部材110及び補助部材180を収縮させる際、コネクタ201にシリンジの先筒部を挿入して、シリンジの押し子を引く。術者等は、上記の操作を行うことにより、拡張部材110及び補助部材180からシリンジへ空気を移動させることができる。術者等が拡張部材110及び補助部材180からシリンジへ空気を移動させると、袋部202が収縮する。
袋部202には、例えば、コネクタ201へのシリンジの挿入方向を示す矢印状のマーカーを設けることができる。
<拡張部材の凹部>
図3、図4、図5に示すように、拡張部材110の第1表面111aは、固定部材170(ベルト部171)の外面側に窪む凹部120と、凹部120に位置する親水性材料領域130と、を有する。
図4は、図2の矢印4A方向から見た拡張部材110の第1表面111a及びベルト部171の内面171aの平面図である。図5は、図4の矢印5A-5A線に沿う拡張部材110の断面図である。
凹部120の窪む方向を指す「固定部材の外面側」とは、拡張部材110の第1表面111aと反対側に位置する第2表面111b側(図3を参照)である。
凹部120は、図4に示すように、拡張部材110の第1表面111aの中央部Cに位置するように配置される。拡張部材110の中央部Cは、図4に示す平面視上における中央である。本実施形態に係る拡張部材110のように第1表面111aが長方形の平面形状を有する場合、拡張部材110の中央部Cは、対向する各頂点同士を結ぶ対角線L1、L2の交点である。
凹部120は、図4に示すように、例えば、円形の平面形状を有するように形成することができる。ただし、凹部120の平面形状は円形のみに限定されず、例えば、正方形、長方形、楕円、菱形、その他の形状でもよい。
凹部120は、図5に示すように、例えば、凹部120の深さ方向(図5の左右方向)に沿って略一定の幅(図中の上下方向の寸法)を備える矩形の断面形状で形成することができる。ただし、凹部120の断面形状は矩形のみに限定されず、例えば、半円形状及びU字形状等で形成してもよい。また、凹部120の深さや幅についても特に制限はない。
親水性材料領域130は、金属イオン及び薬剤の少なくとも一方を含有する親水性ポリマー層131で構成している。
親水性ポリマー層131は、凹部120の少なくとも一部に配置されていればよい。本実施形態では、凹部120には親水性ポリマー層131及び後述するマーカー部125を配置している。親水性ポリマー層131はマーカー部125を覆うように凹部120に配置している。親水性ポリマー層131は、図4に示す平面視で親水性ポリマー層131とマーカー部125とが重なり、かつ、親水性ポリマー層131がマーカー部125よりも大きい場合、又は、マーカー部125が無色透明、有色透明、半透明等の穿刺部位pを視認できる部分を有する場合、マーカー部125の視認性を低下させることのないように、無色透明、有色透明、半透明等で形成することが好ましい。
親水性ポリマー層131は公知の材料及び公知の方法で形成することができる。親水性ポリマー層は、例えば、水膨潤性を持つハイドロゲル層であり、そのハイドロゲル層が金属イオンや薬剤を固定化又は保持するように構成される。一例として、親水性ポリマー層131は、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド、ポリグリシジルメタクリレート-ジメチルアクリルアミド(PGMA-DMAA)のブロック共重合体)、ポリビニルピロリドン、ヒアルロン酸などにより形成することができる。なお、親水性ポリマー層131は、凹部120の少なくとも一部に設けられていればよい。
親水性ポリマー層131に含有させる薬剤としては、公知の金属イオンや公知の止血剤を使用することができる。金属イオンとしては、例えば、早期の創傷治癒や止血に効果を有する公知の金属イオンを使用できる。また、薬剤としては、アスコルビン酸やアルギン酸ナトリウム等の止血に効果を有する公知の止血剤を使用できる。
図5に示すように、第1表面111aには、マーカー部125が配置されている。また、マーカー部125は、所定の色が付されており、凹部120に配置されている。マーカー部125は、術者等が親水性ポリマー層131の位置を把握し、穿刺部位p又は穿刺部位p周辺に親水性ポリマー層131を位置合わせできるように構成される。
本実施形態では、拡張部材110の第1表面111aにおいて凹部120の底部をなす部分にマーカー部125を配置している。マーカー部125は、例えば、第1表面111aに色を付すことで構成することができる。マーカー部125の色は、例えば、緑や青色である。なお、マーカー部125の具体的な形状、色、形成方法等は特に限定されない。例えば、マーカー部125は、凹部120の底部全体に形成されていなくてもよい。一例として、マーカー部125は、透明な中央部と、その中央部を囲む有色の線状の枠部とから構成されてもよい。また、マーカー部125は、穿刺部位pの視認性を高めつつ、穿刺部位pに確実に親水性ポリマー層131を配置しやすいように、親水性ポリマー層131の中央部のみ(凹部120の中央部のみ)に有色の四角の印を設けてもよい。
マーカー部125は、例えば、凹部120に配置した親水性ポリマー層131に色を付すことで構成してもよい。このようにマーカー部125を形成する場合、親水性ポリマー層131を形成する材料に所定の色の顔料を加えることで、親水性ポリマー層131をマーカー部125として構成することができる。
図4、図5に示すように、拡張部材110の第1表面111aの凹部120が設けられていない領域には、撥水性被覆層140を配置している。
本実施形態では、拡張部材110の第1表面111aにおいて凹部120が設けれた位置を除いた全ての領域に撥水性被覆層140を設けている。なお、撥水性被覆層140は、第1表面111aの凹部120以外の部分の少なくとも一部に設けられていればよい。ただし、撥水性被覆層140は、第1表面111aにおいて凹部120の周囲を囲む位置に少なくとも配置することが好ましい。このように撥水性被覆層140を配置することにより、止血器具100を使用して止血を実施した際、穿刺部位pから出血が生じて血液が撥水性被覆層140に接触した場合に、止血器具100は、撥水性被覆層140に接触した血液を凹部120へ容易に移動させることが可能になる。
撥水性被覆層140は公知の材料及び公知の方法で形成することができる。一例として、撥水性被覆層140は、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などにより形成することができる。なお、撥水性被覆層140の厚さについて特に制限はない。
図6には、穿刺部位pを形成した患者の前腕部Aに止血器具100を装着した状態を示す。
図6では、イントロデューサーの図示を省略しているが、術者等は、穿刺部位pにイントロデューサーのシースチューブを挿入した状態で拡張部材110を穿刺部位pに配置することができる。また、術者等は、止血器具100を患者の前腕部Aに装着した状態で穿刺部位pからシースチューブを抜去することができる。
術者等は、拡張部材110を穿刺部位pに配置する際、凹部120に配置したマーカー部125を目安にして、拡張部材110の凹部120を穿刺部位pに位置合わせする。それにより、術者等は親水性ポリマー層131が配置された凹部120を穿刺部位pに容易に配置することができる。
また、止血器具100は、図4に示す平面視で、親水性ポリマー層131とマーカー部125とが重なり、かつ、親水性ポリマー層131がマーカー部125よりも大きい場合、又は、マーカー部125が無色透明、有色透明、半透明等の穿刺部位pを視認できる部分を有する場合、凹部120においてマーカー部125に重ねて配置された親水性ポリマー層131を無色透明、有色透明、無色透明等で形成することにより、マーカー部125の視認性が低下することを抑制できる。
術者等は、拡張部材110の凹部120を穿刺部位pに配置した状態で、穿刺部位pからシースチューブを抜去する。この際、シースチューブの抜去に伴い、患者の穿刺部位pから血液が漏れ出すため、穿刺部位pから漏れ出した血液は、拡張部材110の凹部120に配置した親水性ポリマー層131と接触する。親水性ポリマー層131は、金属イオンや薬剤を含有するように構成される。そのため、親水性ポリマー層131は、親水性ポリマー層131と血液が接触し、親水性ポリマー層131が膨潤すると、金属イオンや薬剤を放出する。親水性ポリマー層131は、穿刺部位に金属イオンを徐放することにより、穿刺部位pにおける瘢痕組織の形成を抑制して早期に傷口を修復したり、穿刺部位pに止血剤を徐放すことにより、穿刺部位pにおける血液凝固を促進し、止血時間を短縮したりすることができる。
なお、拡張部材110の凹部120に配置した親水性ポリマー層131は、止血方法としてPatent Hemostasis Techniqueを使用した場合、拡張部材110の減圧に伴う再出血でも、穿刺部位pから漏れ出した血液と接触する。
拡張部材110の第1表面111aに設けれられた撥水性被覆層140は、撥水性被覆層140に血液が接触した際、血液を弾くように構成される。本実施形態では、撥水性被覆層140を、凹部120の周囲を囲むように配置しているため、撥水性被覆層140に接触した血液を凹部120へ向けて誘導することができる。止血器具100は、撥水性被覆層140から凹部120へ血液を誘導することにより、凹部120に配置した親水性ポリマー層131に血液をより確実に接触させることができる。そのため、凹部120に配置した親水性ポリマー層131に含有された金属イオンや薬剤を効果的に放出することが可能になる。
以上のように、本実施形態に係る止血器具100は、患者の前腕部Aに配置するように構成された拡張部材110と、拡張部材110を患者の前腕部Aに固定するように構成された固定部材170と、を備える。拡張部材110は、穿刺部位pに配置される第1表面111aを有する。第1表面111aは、固定部材170の外面側に窪む凹部120と、凹部120に位置する親水性材料領域130と、を有し、親水性材料領域130は、金属イオン及び薬剤の少なくとも一方を含有する親水性ポリマー層131である。
上記のように構成した止血器具100は、親水性ポリマー層131が、拡張部材110の第1表面111aが有する凹部120に設けられているため、拡張部材110の第1表面111aが他の部材等と接触して擦過した場合においても、親水性ポリマー層131が拡張部材110から剥がれることを抑制できる。また、止血器具100は、水と馴染みやすい親水性ポリマー層131が、金属イオンや薬剤を含有するため、穿刺部位pから漏れ出る血液が少量であった場合でも、親水性ポリマー層131全体が濡れやすく、穿刺部位pに効率的に金属イオンや薬剤を放出することができる。加えて、止血器具100は、穿刺部位pに拡張部材110の凹部120を配置した状態で拡張部材110を拡張させることにより、穿刺部位pを圧迫止血しつつ、凹部120に配置した親水性ポリマー層131が含有する金属イオンや薬剤を穿刺部位p周辺に放出することができる。そのため、止血器具100は、金属イオンや薬剤の薬効により、穿刺部位pの傷口の修復を早めたり、穿刺部位pの止血効果を向上させたりすることができる。
また、第1表面111aの凹部120が設けられていない領域の少なくとも一部には、撥水性被覆層140が配置されている。そのため、止血器具100は、撥水性被覆層140に接触した血液を弾くことで、撥水性被覆層140に接触した血液を凹部120へ誘導することができる。止血器具100は、撥水性被覆層140から凹部120へ血液を誘導することにより、凹部120に配置した親水性ポリマー層131に血液をより確実に接触させることができる。
また、第1表面111aは、マーカー部125を有する。マーカー部125は、所定の色を持ち、凹部120に配置されている。そのため、術者等は、止血器具100を患者の前腕部Aに装着する際、凹部120に配置された親水性ポリマー層131を穿刺部位pに容易に位置合わせすることができる。
次に、上述した実施形態の各変形例を説明する。変形例の説明では、上述した実施形態で既に説明した内容と重複する内容の説明は省略する。また、変形例の説明において特に説明の無い内容は前述した実施形態と同一のものとすることができる。
(変形例1)
図7は、変形例1に係る拡張部材110Aの平面図、図8は、図7に示す矢印8A-8A線に沿う断面図である。
図7に示すように、拡張部材110Aの第1表面111aが有する凹部120は、拡張部材110の中央部Cに位置する第1凹部121と、第1凹部121よりも外形が小さな複数の第2凹部122a、122bと、を有する。
本実施形態では、第1凹部121及び各第2凹部122a、122bは、円形の平面形状を有する。図7で示すように、第1凹部121の直径は、第2凹部122a、122bの各々の直径よりも大きい。また、第2凹部122aの直径は、第2凹部122bの直径よりも大きい。
図7に示すように、拡張部材110の第1表面111aには、第1凹部121から第1表面111aの周縁部115に近づくにつれて外形がより小さな第2凹部が配置されている。すなわち、第2凹部の外形は、第1凹部121から第1表面111aの周縁部115に近づくにつれて小さくなる。そのため、第1表面111aの周縁部115により近い位置に配置された第2凹部122bは、拡張部材110Aの中央部Cにより近い位置に配置された第2凹部122aよりも平面視における外形が小さい。
本実施形態では、図7に示すように、第1凹部121の上下左右方向の位置に4つの第2凹部122aを配置している。また、第2凹部122aの周囲を囲むように8つの第2凹部122bを配置している。各第2凹部122b同士を仮想線Hで繋いで形成される平面形状のパターンは略正方形に表される。
図8に示すように、第1凹部121及び各第2凹部122a、122bには、親水性ポリマー層131とマーカー部125を配置している。
上記のように、拡張部材110Aの中央部Cに配置された第1凹部121は、各第2凹部122a、122bよりも大きく形成されている。また、拡張部材110Aの第1表面111aには、第1凹部121から第1表面111aの周縁部115に近づくにつれて外形がより小さな第2凹部が配置されている。
変形例1に係る拡張部材110Aは、拡張部材110Aの第1表面111aに親水性ポリマー層131が配置された複数の凹部121、122a、122bを有しており、各々の凹部は、その直径が小さくなるように配列することができる。そのため、術者等は、拡張部材110Aを穿刺部位pに位置合わせする際あるいは拡張部材110Aを穿刺部位pに配置した後に、第1表面111aの各凹部121、122a、122bの間の隙間を通して穿刺部位pを視認することにより、穿刺部位pの状況を容易に確認することができる。また、変形例1に係る拡張部材110Aは、複数の凹部121、122a、122bに配置された親水性ポリマー層131が金属イオンや薬剤を含有するため、穿刺部位pの視認性を向上させつつ、穿刺部位pに十分量の金属イオンや薬剤を放出することができる。
また、各凹部121、122a、122bは、拡張部材110の第1表面111aに所定形状のパターンを形成するように配置されている。そのため、術者等は、各凹部121、122a、122bが形成するパターンを穿刺部位pに位置合わせするためのマーカーとして利用することができる。そのため、拡張部材110の中央部Cを穿刺部位pにより一層容易に位置合わせすることできる。また、術者等は、拡張部材110Aを目視した際、第1凹部121が各第2凹部122a、122bと比較して視認し易くなるため、術者等が第1凹部121が第1表面111aの中心であることを認識しやすく、第1凹部121を穿刺部位pに位置合わせし易くなる。
なお、各凹部121、122a、122bの形状は、円形に限定されず、例えば、矩形、楕円形、その他の形状であってもよい。また、第2凹部122a、122bの個数も限定されない。また、第1凹部121と各第2凹部122a、122bは、第1表面111aにおける面積比で第1凹部121が各第2凹部122a、122bよりも大きく形成されていればよい。そのため、第1凹部121と各第2凹部122a、122bは相似形状で形成されていなくてもよい。また、第1表面111aの周縁部115に最も近接した位置に配置された第2凹部(第2凹部122a)を仮想線Hで繋いで表されるパターンは、正方形のみに限定されず、例えば、円形等であってもよい。
(変形例2)
図9は、変形例2に係る拡張部材110Bの平面図、図10は、図9に示す矢印10A-10A線に沿う断面図である。
図9に示すように、拡張部材110Bは、凹部120から拡張部材110Bの第1表面111aの周縁部115に向かって延在する誘導溝150を有する。
誘導溝150は、凹部120の周囲を囲む囲み部151と、囲み部151からベルト部171の長手方向に対して直交する方向に延びる延在部152と、を有する。
延在部152の幅(ベルト部171の長手方向に沿う幅)は、例えば、凹部120の幅よりも小さく形成することができる。
図9に示すように、誘導溝150の囲み部151及び延在部152は、親水性ポリマー層133を有する。親水性ポリマー層133には金属イオンや薬剤を含有させていない。ただし、親水性ポリマー層133には金属イオンや薬剤を含有させてもよい。
拡張部材110Bの第1表面111aにおいて、凹部120及び誘導溝150が設けらていない領域には、撥水性被覆層140を配置している。
変形例2に係る拡張部材110Bを備える止血器具は、拡張部材110の周縁部115へ延びる誘導溝150(延在部152)を介して、凹部120から周縁部115へ血液を誘導することができる。そのため、止血器具を使用して止血を実施している間、穿刺部位pから出血が生じた際、凹部120付近に血液が過剰に滞留することを抑制できる。そのため、止血器具は、穿刺部位pから比較的多くの血液が出血した場合においても、穿刺部位p周辺の視認性が低下することを抑制できる。また、誘導溝150は、親水性ポリマー層133を備えるため、誘導溝150に流れ込んだ血液を第1表面111aの周縁部115へ向けて円滑に移動させることができる。
なお、誘導溝150は、少なくとも凹部120から第1表面111aの周縁部115へ延びている限り、具体的な平面形状や断面形状は限定されない。また、誘導溝150の断面形状も特に限定されず、例えば、半円形状及びU字形状等で形成してもよい。
(変形例3)
図11は、変形例3に係る拡張部材110Cの平面図である。
図11に示すように、誘導溝150の延在部152は、例えば、拡張部材110Cの周縁部115に近付くにしたがって、幅が広くなるように形成することができる。
前述した変形例2に係る拡張部材110Bが備える延在部152は、ベルト部171の長手方向に対して直交する方向に延びる直線状のパターンを有している(図9を参照)。このような形状の延在部152が設けられた拡張部材110Bは、延在部152を基点にして、ベルト部171の長手方向に対して直交する方向に折り曲がり易くなる。そのため、術者等が取り扱い時に意図していないにも関わらず、延在部152を基点にして拡張部材110Bが折り曲がるように変形してしまう可能性がある。
変形例3に係る拡張部材110Cは、第1表面111aの凹部120が形成された位置で、ベルト部171の長手方向に対して直交する方向に延びる領域(第1表面111aの中央に位置し、ベルト部171の長手方向に対して直交する方向に延びる領域)に、延在部を持たないため、ベルト部171の長手方向の引張に対し、拡張部材110Cの強度を確保するように構成することができる。また、拡張部材110Cの第1表面111aの周縁部115に近付くにしたがって幅が広くなるため、上記のように拡張部材110Bが延在部152を基点にして折り曲がるように変形することを未然に防止できる。加えて、拡張部材110Cは、延在部152の幅が拡張部材110Cの周縁部115に近付くにしたがって広くなるため、凹部120から周縁部115へ血液をより円滑に移動させることが可能になる。
(変形例4)
図12は、変形例4に係る拡張部材110Dの平面図、図13は、図12に示す矢印13A-13A線に沿う断面図である。
図12に示すように、変形例4に係る拡張部材110Dの第1表面111aは、複数の誘導溝152a、152bを有する。
第1誘導溝152aは、ベルト部171の長手方向に沿って延在している。第2誘導溝152bは、ベルト部171の長手方向に対して直交する方向に延在している。第1誘導溝152aと第2誘導溝152bが交差する箇所には、中央溝153(凹部120に相当する)が配置されている。なお、マーカー部125は、親水性ポリマー層131自体に色を付して形成してもよいし、親水性ポリマー層131の底部に位置する中央溝153(凹部120)の表面に配置してもよい。これにより、術者等は、穿刺部位pに拡張部材110Dを配置する際、マーカー部125を目印として、親水性ポリマー層131の位置を把握しつつ、穿刺部位pを囲むように親水性ポリマー層131を配置することができる。
図12に示すように、金属イオン及び薬剤の少なくとも一方を含有する親水性ポリマー層131は、隣り合う誘導溝152a、152bの間に配置されている。これにより、術者等が拡張部材110Dを穿刺部位pに配置した後で、穿刺部位pから血液が漏れ出した際、穿刺部位pから漏れ出した血液が誘導溝152a、152bに向けて収束するように流れていく過程で、隣り合う誘導溝152a、152bの間に位置する親水性ポリマー層131に集まりやすい。そのため、変形例4に係る拡張部材110Dは、穿刺部位pから血液が漏れ出した際、親水性ポリマー層131と血液が効率的に接触するため、穿刺部位pに親水性ポリマー層131が含有する金属イオンや薬剤を効率的に徐放することができる。本変形例では、隣接する第1誘導溝152aと第2誘導溝152bとの間に、親水性ポリマー層131を1箇所ずつ配置している。具体的には、4つの親水性ポリマー層131が中央溝153(凹部120)に配置されている。
図12、図13に示すように、中央溝153(凹部120)周辺において各誘導溝152a、152bが配置されていない箇所には、凸部160を配置している。凸部160は、例えば、吸水性ポリマーを含む部材や公知の樹脂材料で構成することができる。これにより、凸部160は、穿刺部位pから漏れ出た血液が各誘導溝152a、152bが配置されていない箇所に漏れ出すことを抑制する。
また、変形例4に係る拡張部材110Dは、親水性ポリマー層131が隣り合う誘導溝152a、152bの間に配置されるため、中央溝153(凹部120)の中央に金属イオンや薬剤を含有する親水性ポリマー層131を配置していない。そのため、術者等は、拡張部材110Dを穿刺部位pに位置合わせする際あるいは拡張部材110Dを穿刺部位pに配置した後に、親水性ポリマー層131が配置されていない中央溝153(凹部120)の領域を通して、穿刺部位pの状況を視認することができる。それにより、術者等は、穿刺部位pの状況を容易に確認することができる。
また、本変形に係る拡張部材110Dでは、第1誘導溝152aと第2誘導溝152bに繋がるように中央溝153(凹部120)が配置されているため、中央溝153(凹部120)付近に多くの血液が流れ込んだ場合においても、各誘導溝152a、152bを介して血液を第1表面111aの周縁部115へ円滑に誘導することができる。そのため、止血器具は、穿刺部位pから比較的多くの血液が出血した場合においても、穿刺部位p周辺の視認性が低下することを防止できる。
以上、実施形態および変形例を通じて本発明に係る止血器具を説明したが、本発明は明細書において説明した内容のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
止血器具は、親水性ポリマー層を配置した凹部を備える拡張部材(例えば、バルーン)を備えた構成を有する限り、止血対象となる肢体や具体的な止血方法等は特に限定されない。実施形態の説明では、患者の右前腕部に形成した穿刺部位を止血するための止血器具を例示したが、止血器具は、左前腕部に形成した穿刺部位を止血可能に構成することも可能である。また、止血器具は、患者の前腕部よりも手指側に位置する手の甲や手の掌側を走行する手掌動脈(深掌動脈)の橈骨動脈側(例えば、解剖学上のスナッフボックス周辺の動脈、又は、スナッフボックスよりも指先側を走行する遠位橈骨動脈)に形成された穿刺部位を止血可能に構成してもよい。
また、止血器具の各部の形状、寸法、構造等は、前腕部や手を含む肢体の少なくとも一部に対して止血器具を装着した状態で、拡張部材により穿刺部位に圧迫力を付与することが可能な限り、特に限定されない。
本出願は、2020年3月27日に出願された日本国特許出願第2020-058884号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。
100 止血器具
110、110A、110B、110C、110D 拡張部材
111a 第1表面
115 第1表面の周縁部
120 凹部
121 第1凹部
122a、122b 第2凹部
125 マーカー部
130 親水性材料領域
131 親水性ポリマー層
133 親水性ポリマー層
140 撥水性被覆層
150 誘導溝
151 囲み部
152 延在部
152a 第1誘導溝
152b 第2誘導溝
153 中央溝(凹部)
160 凸部
170 固定部材
171 ベルト部
180 補助部材
200 注入部
A 前腕部(肢体)
C 拡張部材の中央部
p 穿刺部位(止血すべき部位)

Claims (6)

  1. 肢体の止血すべき部位に配置するように構成された拡張部材と、
    前記拡張部材を前記肢体に固定するように構成された固定部材と、を備え、
    前記拡張部材は、前記止血すべき部位に配置するように構成された第1表面を有し、
    前記第1表面は、前記固定部材の外面側に窪む凹部と、前記凹部に位置する親水性材料領域と、を有し、
    前記親水性材料領域は、金属イオン及び薬剤の少なくとも一方を含有する親水性ポリマー層であり、
    前記凹部は、前記拡張部材の中央部に位置する第1凹部と、前記第1凹部よりも外形が小さな複数の第2凹部と、を有し、
    前記第2凹部の外形は、前記第1凹部から前記第1表面の周縁部に近づくにつれて小さくなる、止血器具。
  2. 肢体の止血すべき部位に配置するように構成された拡張部材と、
    前記拡張部材を前記肢体に固定するように構成された固定部材と、を備え、
    前記拡張部材は、前記止血すべき部位に配置するように構成された第1表面を有し、
    前記第1表面は、前記固定部材の外面側に窪む凹部と、前記凹部に位置する親水性材料領域と、を有し、
    前記親水性材料領域は、金属イオン及び薬剤の少なくとも一方を含有する親水性ポリマー層であり、
    前記凹部から前記第1表面の周縁部に向かって延在する誘導溝を有し、
    前記誘導溝は、親水性ポリマー層を備える、止血器具。
  3. 前記凹部から前記第1表面の周縁部に向かって延在する誘導溝を有し、
    前記誘導溝は、親水性ポリマー層を備える、請求項に記載の止血器具。
  4. 前記第1表面は、複数の前記誘導溝を有し、
    金属イオン及び薬剤の少なくとも一方を含有する前記親水性ポリマー層は、隣り合う前記誘導溝の間に配置されている、請求項2又は請求項3に記載の止血器具。
  5. 前記第1表面の前記凹部が設けられていない領域の少なくとも一部には撥水性被覆層が配置されている、請求項1~4のいずれか1に記載の止血器具。
  6. 前記第1表面は、マーカー部を有し、
    前記マーカー部は、所定の色を持ち、前記凹部に配置される、請求項1~5のいずれか1項に記載の止血器具。
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