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JP7629293B2 - 炉内壁の支持構造 - Google Patents
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金属製の外壁の内側に複数の耐火レンガを敷設してなる内壁が設けられた焼却炉あるいは溶融炉において、内壁を外壁から脱離させないように支持するための支持構造に関するものである。
焼却炉・溶融炉には、金属製の外壁の内側に、多数の耐火レンガを敷設する(固着させながら組み付ける)ことによって耐熱性の内壁が設けられることが多い。ところが、そのような焼却炉・溶融の炉壁においては、使用を継続することによって熱膨張等に起因して耐火レンガが内側にせり出してくる不具合が発生する。それゆえ、そのような不具合を解消すべく、特許文献1の如く、外壁の内面に水平方向に連続的に延びた支持金具を、鉛直方向に所定の間隔で溶接するとともに、逆U字状に形成されたアンカー(引張金具)の片方の先端を、その取付金具に係合させるとともに、アンカーの他方の先端を、耐火レンガ(アンカーレンガ)に穿設された挿入孔に係合させる炉内壁の支持構造が知られている。
ところが、ボイラー式の炉は、水冷パイプと金属板とによって外壁が構成されるため、特許文献1の炉内壁支持装置を利用して築炉する場合には、挿入孔を穿設した耐火レンガ(アンカーレンガ)を外壁から一定の距離を隔てた位置に設置することができないため、外壁に溶接された支持金具とアンカーレンガとの距離に合わせた複数種類の引張金具を用意しなければならないので、作業が面倒なものとなる。また、通常の炉は使用すると熱により外壁が変形してしまうため、特許文献1の炉内壁支持装置を利用して補修する場合も、複数種類の引張金具を用意しなければならないので、作業が面倒なものとなる。
上記の如く、引張金具によって金属製の外壁とアンカーレンガとを係合する際に、外壁に溶接された支持金具とアンカーレンガとの間隔にバラツキが生じる事態に対応できるように、特許文献2の如く、片方の先端にネジ山を螺刻したL字状の2つの金具を、ネジ溝を螺刻した筒状のソケットで連結することによって、長さを調節できるようにした引張金具も開発されている。
特開平2-192590号公報 特開平6-11269号公報
上記特許文献2の引張金具は、外壁に溶接された支持金具とアンカーレンガとの間隔にバラツキが生じる場合でも、長さを調整することによって当該バラツキに対応させることができるものの、製造に手間がかかるため、築炉や補修のコストが大きくなってしまう。その上、特許文献2の引張金具は、ネジ機構によって長さを調整するものであり、ある程度の長さが必要であるため、一体的に設けられた水冷パイプによって外壁が冷却されるボイラー式の炉の如く、外壁と耐火レンガとの間に断熱層が存在せず両者の距離が近い炉の築炉や補修においては、使用することができない。
本発明の目的は、上記従来の炉内壁の支持構造および支持金具が有する問題点を解消し、外壁とアンカーレンガとの距離が一定していない炉を施工(築炉や補修)する場合や、ボイラー式の炉等の外壁とアンカーレンガとの距離が近い炉を施工する際でも、問題なく用いることができ、安価かつ容易に築炉作業を行うことができる上、高い支持強度を発現させることが可能な炉内壁の支持構造を提供することにある。
本発明の内、請求項1に記載された発明は、金属製の外壁の内側に、複数の耐火レンガを敷設することによって内壁を設けてなる炉において、内壁が外壁から脱離しないように支持するための支持構造であって、外壁の内面に筒状体が付設されているとともに、外壁の内側であって筒状体の付近に敷設される耐火レンガに挿入孔が穿設されており、第一のL字状金具(引張金具)の屈曲部分が筒状体に挿入されており、第二のL字状金具(引張金具)の屈曲部分が耐火レンガの挿入孔に挿入されているとともに、それらの第一のL字状金具と第二のL字状金具とが固着されており、かつ、前記挿入孔を穿設した耐火レンガに、前記第二のL字状金具の屈曲部分以外の部分を嵌め込むための凹状部が、前記挿入孔を頂点とする略三角形状に形成されていることを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記凹状部の周縁がテーパ状になっていることを特徴とするものである。
請求項1に記載の炉内壁の支持構造は、外壁の筒状体に係合させた第一のL字状金具(引張金具)とアンカーレンガの挿入孔に係合させた第二のL字状金具(引張金具)とを固着させることによって、外壁と内壁とを連結するものであるので、外壁とアンカーレンガとの距離が一定していない炉を施工する場合や、ボイラー等の外壁とアンカーレンガとの距離が近い炉を施工する際でも、問題なく用いることができ、安価かつ容易に築炉作業を行うことができる上、高い支持強度を発現させることができる。
請求項1に記載の炉内壁の支持構造は、第二のL字状金具の屈曲部分以外の部分を嵌め込むための凹状部が挿入孔を頂点とする三角形状に形成されており、屈曲部分を外壁の筒状体内に挿入させた第一のL字状金具と、屈曲部分をアンカーレンガの挿入孔に挿入させた第二のL字状金具とを凹状部内に嵌め込む際のレイアウトの自由度が大きい。すなわち、外壁の筒状体に対するアンカーレンガの相対位置が若干ずれている場合でも、第一のL字状金具および第二のL字状金具を凹状部内に収納することができる。それゆえ、請求項2に記載の炉内壁の支持構造によれば、炉の施工・メンテナンスを非常に容易なものとすることができる。
請求項2に記載の炉内壁の支持構造は、凹状部の周縁がテーパ状になっているため、炉の施工・メンテナンスの際に、L字状金具との衝突によって凹状部の周縁(稜線)が欠損したり、クラックが発生したりする事態が生じにくい。
炉内壁の支持構造を採用した炉の内部を示す説明図(炉の一部を内側から見た概略図)である。 炉内壁の支持構造を採用した炉の水平断面(図1におけるA-A線断面)である。 炉内壁の支持構造を採用した炉の鉛直断面(図2におけるB-B線断面)である。 炉内壁の支持構造に用いられる耐火レンガ(アンカーレンガ)を示す説明図である(aは正面図であり、bは平面図であり、cは左側面図である)。 炉内壁の支持構造に用いられる金具(引張金具)を示す説明図である(aは正面図であり、bは平面図である)。 アンカーレンガの凹状部内への金具の収納態様を示す説明図(平面図)である(aは筒状体と挿入孔との距離が短い場合を示したものであり、bは筒状体と挿入孔との距離が長い場合を示したものである)。
以下、本発明に係る炉内壁の支持構造の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
<炉内壁の支持構造>
図1~3は、本発明に係る炉内壁の支持構造を、炉(焼却炉)に適用した一例を示したものである。ボイラー式の焼却炉1は、中空な四角柱状に形成されており、外周が金属(鋼鉄)製の外壁2によって覆われている.当該外壁2は、上下に配置された筒状で多数の水管(冷却用の水管)C,C・・同士の間を板材で繋いだ形状を有している。また、その外壁2の内側には、直方体状に形成された多数の耐火レンガ3,3・・が、所定の厚みの円筒状になるように敷設されることによって(組み付けられてモルタルによって固着されることによって)、一定の幅の内壁4が形成されている。さらに、外壁2と内壁4の間も、モルタルによって、内壁4が外壁2に固着された状態になっている。
そして、焼却炉1の外壁2と内壁4とからなる壁面には、外壁2の内面に散点状に固着された筒状体5,5・・、それらの筒状体5,5・・の付近に位置した耐火レンガであるアンカーレンガ(図1において斜線で示した耐火レンガ)3a,3a・・、および、引張金具として機能するL字状金具6,6・・を用いた内壁の支持構造Sが構築されている。
筒状体5は、所定の厚み(2.0mm)の金属板(鋼板)によって所定の内径(φ16mm)および所定の長さ(40mm)を有する筒状に形成されている。そして、当該筒状体5は、鋼鉄製で筒状の水管C,C・・同士の間を板材で繋いだ外壁2の内面(外向きに膨出した部分)に、長手方向を鉛直にした状態で散点状に固着されている(溶接されている)。
そして、それらの筒状体5,5・・と隣接した外壁2の内側には、表面に加工を施したアンカーレンガ3a,3a・・が配置されている。図4は、アンカーレンガ3aを示したものであり、アンカーレンガ3aは、他の耐火レンガ3,3・・と同様に、耐火材(アルミナ-クロミア質材)によって、所定の大きさ(縦×横×高さ=230mm×180mm×98mm)を有する直方体状に形成されている。
そして、アンカーレンガ3aの上面には、L字状金具6の屈曲部分を挿入させるための所定の内径(φ16.0mm)の円柱状の挿入孔11が穿設されている。さらに、アンカーレンガ3aの上面には、その挿入孔11を頂点とするように略二等辺三角形状の凹状部12が形成されており、その凹状部を形成している2つの辺が約90°の角度を成した状態になっている(図4(b)におけるθ)。また、凹状部12の底面は、フラットになっており、凹状部12以外の表面と所定の距離(16.0mm)を隔てて平行に配置した状態になっている。
加えて、アンカーレンガ3aの凹状部12の周囲には、テーパ面13が一定幅(挿入孔11の内径と同一幅)の帯状に形成されており、当該テーパ面13が表面に対して45°傾斜した状態になっている。さらに、テーパ面13は、挿入孔11の基端際の周囲を、円弧を描くように覆った状態になっている。
上記の如きアンカーレンガ3a,3a・・は、外壁2の内面に散点状に配置(溶接)された筒状体5,5・・と隣接するように配置されている。そして、それらのアンカーレンガ3a,3a・・の各挿入孔11と外壁2に溶接された筒状体5との間が、2個のL字状金具(引張金具)6,6を利用して連結されている。図5は、L字状金具6を示したものであり、L字状金具6は、所定の径(φ12mm)を有する金属(鋼鉄)からなる丸棒を直角に屈曲させることによって形成されている(なお、L字状金具6の屈曲部分6aの長さは40mmになっており、水平状のベース部6bの長さは80mmになっている。
外壁2の内側のアンカーレンガ3a,3a・・の設置部分においては、図2の如く、1つのL字状金具6が、外壁2の内面に溶接された筒状体5内に屈曲部分6aを挿入させて、ベース部6bをアンカーレンガ3aの凹状部12の底面上に配置させた状態になっている。また、別のL字状金具6が、アンカーレンガ3aの挿入孔11内に屈曲部分6aを挿入させて、ベース部6bをアンカーレンガ3aの凹状部12の底面上に配置させた状態になっている。そして、それらの2つのL字状金具6,6のベース部6b,6b同士が溶接されることによって、2つの連結金具6,6が一体になって、外壁2の内面に溶接された筒状体5とアンカーレンガ3aとを結合した状態になっている。
<炉内壁の支持構造の効果>
炉内壁の支持構造Sは、上記の如く、外壁2の内面に筒状体5,5・・が付設されているとともに、外壁2の内側であって筒状体5,5・・の付近に敷設されるアンカーレンガ3a,3a・・に挿入孔11が穿設されており、第一のL字状金具6の屈曲部分が筒状体5に挿入されており、第二のL字状金具6の屈曲部分がアンカーレンガ3aの挿入孔11に挿入されているとともに、それらの第一のL字状金具6と第二のL字状金具6とが溶接されたものである。したがって、かかる炉内壁の支持構造Sは、外壁とアンカーレンガとの距離が一定していない炉を施工する場合や、ボイラー等の外壁とアンカーレンガとの距離が近い炉を施工する際でも、問題なく用いることができ、安価かつ容易に築炉作業を行うことができる上、高い支持強度を発現させることができる。加えて、焼却炉1は、ボイラー式の炉であるため、築炉や補修時に外壁2へ直接的に溶接を行った場合には、耐火レンガ3,3・・の組み付け前の外壁2を視認できる状態での水圧検査が必要であるが、上記の如く、炉内壁の支持構造Sを利用して築炉や補修を行った場合には、L字状金具6,6・・を外壁2へ溶接しないため、溶接後に水圧検査を必要がないので、作業を短時間で効率的に進めることができる。
また、炉内壁の支持構造Sは、挿入孔11を穿設したアンカーレンガ3aに、L字状金具6の屈曲部分以外の部分を嵌め込むための凹状部12が、挿入孔11を頂点とする略三角形状に形成されているため、屈曲部分6aを外壁2の筒状体5内に挿入させた第一のL字状金具6と、屈曲部分6aをアンカーレンガ3aの挿入孔11に挿入させた第二のL字状金具6とを凹状部12内に嵌め込む(収納する)際のレイアウトの自由度が大きい。すなわち、図6(b)の如く、外壁2の筒状体5に対するアンカーレンガ3aの相対位置(左右方向の位置)が、アンカーレンガ3aの縦方向(図4(b)における上下方向)の長さの1/3程度ずれている場合でも、第一のL字状金具6および第二のL字状金具6凹状部12内に収納することができる。それゆえ、炉内壁の支持構造Sによれば、炉の施工・メンテナンスを非常に容易なものとすることができる。
さらに、炉内壁の支持構造Sは、凹状部12の周縁がテーパ状になっているため、炉の施工・メンテナンスの際に、L字状金具6との衝突によって凹状部12の周縁(稜線)が欠損したり、クラックが発生したりする事態が生じにくい。
<炉内壁の支持構造の変更例>
本発明に係る炉内壁の支持構造は、上記した実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、外壁、耐火レンガ(アンカーレンガ)、筒状体、L字状金具(引張金具)の材質、形状、大きさ等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。また、本発明に係る炉内壁の支持構造を採用する炉の種類や構造等の構成も、上記実施形態の態様に限定されず、必要に応じて適宜変更することができる。
たとえば、本発明に係る炉内壁の支持構造は、上記実施形態の如く、屈曲部分を筒状体に挿入させた第一のL字状金具と屈曲部分を耐火レンガの挿入孔に挿入させた第二のL字状金具とを溶接したものに限定されず、屈曲部分を筒状体に挿入させた第一のL字状金具と屈曲部分を耐火レンガの挿入孔に挿入させた第二のL字状金具とをボルト等を利用してネジ止めしたもの等に変更することも可能である。
また、本発明に係る炉内壁の支持構造は、上記実施形態の如く、L字状金具の屈曲部分以外の部分を嵌め込むための凹状部が90°の頂角(挿入孔を頂点とした頂角)を有する三角形状であるものに限定されず、凹状部の形状を必要に応じて適宜変更することができる。なお、凹状部の形状を頂角(挿入孔を頂点とした頂角)が45°~135°の三角形状とすることによって、第一のL字状金具と第二のL字状金具とを凹状部内に嵌め込む際のレイアウトの自由度を大きく保つことが可能となる。
さらに、本発明に係る炉内壁の支持構造は、上記実施形態の如く、一個のアンカーレンガが外壁に固着された1個の筒状体のみと(2つのL字状金具によって)結合したものに限定されず、一個のアンカーレンガが外壁に固着された2個以上の筒状体と(3つ以上のL字状金具によって)結合したもの(すなわち、第一のL字状金具が2個存在するもの)等に変更することも可能である。加えて、本発明に係る炉内壁の支持構造は、上記実施形態の如く、単一の第二のL字状金具がアンカーレンガに穿設された単一の挿入孔に係合されたものに限定されず、アンカーレンガに2個以上の挿入孔が穿設されており、2個以上の第二のL字状金具がそれぞれ挿入孔に係合されたもの等に変更することも可能である。
さらに、本発明に係る炉内壁の支持構造は、上記実施形態の如く、外壁に溶接する筒状体が円筒状であるものに限定されず、円筒体が四角柱や八角柱等の角柱状であるものや楕円柱状であるもの等に変更することも可能である。
一方、本発明に係る炉内壁の支持構造が採用される炉は、上記実施形態の如く、直方体状の耐火レンガを組み付けることによって内壁が形成されたものに限定されず、外壁の湾曲形状に合わせて内面および外面を湾曲させた耐火レンガを組み付けることによって内壁が形成されたもの等でも良い。
また、本発明に係る炉内壁の支持構造が採用される炉は、上記実施形態の如く、内壁をアルミナ-クロミア質材からなる耐火レンガによって形成し、外壁と内壁とをモルタルで固着したものに限定されず、耐火レンガや外壁と内壁との間に充填する材料の材質を、必要に応じて適宜変更することができる。
本発明に係る炉内壁の支持構造は、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、焼却炉や溶融炉等の各種の炉において耐火レンガからなる内壁が金属製の外壁から脱離しないように支持するための支持構造として、好適に用いることができる。
S・・炉内壁の支持構造
1・・焼却炉
2・・外壁
3・・耐火レンガ
3a・・アンカーレンガ
4・・内壁
5・・筒状体
6・・L字状金具(引張金具)
11・・挿入孔
12・・凹状部
13・・テーパ面

Claims (2)

  1. 金属製の外壁の内側に、複数の耐火レンガを敷設することによって内壁を設けてなる炉において、内壁が外壁から脱離しないように支持するための支持構造であって、
    外壁の内面に筒状体が付設されているとともに、
    外壁の内側であって筒状体の付近に敷設される耐火レンガに挿入孔が穿設されており、
    第一のL字状金具の屈曲部分が筒状体に挿入されており、第二のL字状金具の屈曲部分が耐火レンガの挿入孔に挿入されているとともに、それらの第一のL字状金具と第二のL字状金具とが固着されており、かつ、
    前記挿入孔を穿設した耐火レンガに、
    前記第二のL字状金具の屈曲部分以外の部分を嵌め込むための凹状部が、前記挿入孔を頂点とする略三角形状に形成されていることを特徴とする炉内壁の支持構造。
  2. 前記凹状部の周縁がテーパ状になっていることを特徴とする請求項1に記載の炉内壁の支持構造。
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