JP7629751B2 - ワイピングシート - Google Patents
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Description
前記ワイピングシートは、パルプ及びバインダを含む繊維シートに水性薬剤が含浸されていることが好ましい。
前記水性薬剤は、B型粘度計で測定される回転速度0.3rpmにおける25℃の粘度が2000mPa・s以上であることが好ましく、且つ
B型粘度計で測定される回転速度60rpmにおける25℃の粘度が1000mPa・s以下であることが好ましい。
前記ワイピングシートは、水分散可能であることが好ましい。
水性薬剤を含浸させた湿式のシートに関して、繊維汚れの捕集性能とシートの感触とを両立して向上させるべく本発明者が鋭意検討したところ、ワイピングシートの清掃動作中又は清掃動作終了時におけるシートの動作と、粘度計の回転数に応じた粘度の変化とが相関することを見出し、これに伴って、繊維汚れの捕集性能とシートの感触とを両立して向上できることを見出した。
一方、ワイピングシートの清掃動作終了時には、該シートは静止しているか、又は清掃動作中よりも低速で移動しているので、この際に水性薬剤の粘度を高くなるように構成することで、該シートを清掃対象面から離間させる際に、該シートと清掃対象面との間に存在する毛髪などの繊維汚れを、水性薬剤が有する粘性を利用してシート側に吸着させるようにして、効率的に捕集することができる。
すなわち、水性薬剤は、外力を付与したときに粘度が低下し、外力付与を解除したときに粘度が増加する性質を有しており、本技術分野で従来知られているものよりもチキソトロピー性が高い点に特徴の一つを有する。上述した粘度の変化は、非線形であってもよく、線形であってもよい。
B型粘度計(例えばTVB-10形粘度計、東機産業社製)を用いて、ローターNo.M2、M3、M4とし、ローターの回転数を0.3rpm又は60rpmで回転させて測定を開始したときに、測定開始90秒後の値を得る。この測定を同一の試料を用いて各条件にて5回行い、得られた値の算術平均値を本発明の各条件における粘度とする。水性薬剤の粘度の測定はいずれも、液温を25℃とし、測定環境は24℃、40%RHとする。粘度の測定に供される水性薬剤の試料は、例えばワイピングシートを絞る、押圧する、又は固液分離するなどの方法でワイピングシートから抽出した抽出液を用いる。
水性薬剤の粘度を上述の範囲とするためには、例えば水性薬剤中の水の含有量を変更したり、後述する添加剤の有無、種類及び含有量を変更したりすることで適宜調整することができる。
また後述する実施例に示すように、シートの水解性を十分に発現させる観点から、水性薬剤はポリエチレングリコールを非含有とすることも好ましい。
イオン性界面活性剤としては、例えばセチルリン酸ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウムといった第四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤や、アルキルベンゼンスルホン酸等の陰イオン性界面活性剤が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルグルコシド等が挙げられる。両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン等が挙げられる。
バインダとしてCMC等のアニオン性バインダを用いる場合、架橋剤は、好ましくは多価金属の水溶性塩であり、更に好ましくは2価金属の水溶性塩を用いることが更に好ましい。多価金属としては、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属、マンガン、亜鉛、コバルト及びニッケルからなる群から選択される1種又は2種以上の金属を用いることができ、好ましくはカルシウム及び亜鉛の水溶性塩である。これらの金属塩としては、上述した金属の水酸化物、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、ギ酸塩、酢酸塩等が挙げられる。
上述した架橋剤は、アニオン性バインダにおけるカルボキシ基1モルに対して、架橋剤由来の金属イオンが好ましくは0.25モル以上、更に好ましくは0.5モル以上となるように添加される。
また、水性薬剤における上述の粘度特性が発現するように調整されていることによって、従来の湿式のシートでは捕集しにくかった毛髪などの繊維汚れをシート側に吸着するように効率的に捕集できるようになる。その結果、塵や綿ほこり等の微細汚れの捕集性と、毛髪等の繊維汚れの捕集性とが優れたものとなる。
これに加えて、水性薬剤における上述の粘度特性が発現するように調整されていることによって、使用時にはシートが手指に触れたときのぬめりや粘つきを低減してシートの触感を良好にしつつ、清掃対象面に対するシートの滑りを良好にして、操作性を更に向上させることができる。
更に、ワイピングシートを水分散可能な構成とすることによって、使用後のワイピングシートをそのまま下水に流して容易に廃棄することができ、周囲環境の清潔感が向上する。
まず、パルプを含む分散液からシート状のパルプ集合体を湿式抄紙して、該パルプ集合体をプレス脱水或いは半乾燥する。次いで、バインダを塗工して乾燥或いは塗工乾燥して、パルプ及びバインダを含む繊維シートを得る。必要に応じて、繊維シートに対してエンボス加工等を施して、凹凸賦形させてもよい。続いて、この繊維シートに、所定の粘度特性を発現するように調整された水性薬剤を含浸させることによって製造することができる。この水性薬剤は、粘度調整剤や界面活性剤などの各種添加剤の種類及びその添加量を調整することが好ましい。
湿式抄紙に用いられる湿式抄紙機としては、例えば短網抄紙機、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、オントップ抄紙機、ハイブリッド抄紙機、丸網抄紙機等が挙げられる。
シートの乾燥に用いられる乾燥装置としては、例えばスルーエアードライヤーやヤンキードライヤー等が挙げられる。
繊維シートへの水性薬剤の含浸方法は、例えばグラビアコーターやダイコーター、スプレー等による塗布や、液中への浸漬等が挙げられる。
パルプとしてNBKPを用いた。このパルプを水に分散させて、繊維濃度が2質量%のスラリーを得た。このスラリーを短網抄紙機に導入し湿式抄紙して得られた湿紙の一方の面に、バインダとしてCMCナトリウム塩(日本製紙株式会社製、サンローズ(登録商標)、エーテル化度:0.9)の5質量%水溶液をスプレーによって噴霧塗布した。この湿紙をドライヤーで乾燥し、バインダが一方の面に塗布された単層構造の紙を得た。得られた単層構造の紙の坪量は40g/m2であった。得られた単層紙を、それらのバインダの塗布面どうしが対向するように重ね合わせ、その状態でエンボス加工を施し、坪量80g/m2の水分散可能な繊維シートを得た。得られた繊維シートは、長さ250mm×幅250mmの寸法を有していた。バインダの含有量は、繊維シートの合計質量に対して5質量%であった。この繊維シートは水分散可能であった。
水性薬剤は、上述した粘度調整剤に加えて、0.2質量%の非イオン性界面活性剤(アルキルグルコシド)、3質量%の架橋剤(Ca,Zn等を含む水溶性の2価金属塩)を含み、これらの成分が清掃対象面に放出されるように調整された水溶液である。
粘度調整剤を含まない水性薬剤を繊維シートに含浸させたほかは、実施例1と同様にして、目的とするワイピングシートを得た。
実施例1で用いたキサンタンガムを以下の表1に示す量が放出されるように調整した水性薬剤を繊維シートに含浸させたほかは、実施例1と同様にして、目的とするワイピングシートを得た。各比較例の水性薬剤の25℃における粘度は、以下の表1で示すとおりであった。
キサンタンガムに代えて、ポリエチレングリコール(明成化学工業社製、アルコックスE-45(商品名)、重合度60万)を用いて、以下の表1に示す量が放出されるように調整した水性薬剤を繊維シートに含浸させたほかは、実施例1と同様にしてワイピングシートを得た。
実施例及び比較例のワイピングシートを人手で絞って抽出液を得て、ローター回転数を0.3rpm(低速条件)又は60rpm(高速条件)としたときの25℃での粘度を上述した条件で測定した。結果を以下の表1に示す。
フローリング床(北恵社製、商品名:DAGフロアー、寸法:長さ900mm×900mm)の床面上のうち、長さ150mm×幅150mmの範囲に、繊維汚れとして10cmの毛髪を10本散布した。次いで、毛髪の散布範囲全域を覆うように実施例及び比較例のワイピングシートを1枚配し、該シートに60g/cm2の荷重を負荷した状態で、毛髪の散布範囲全域を含む長さ400mm×幅150mmの範囲を長さ方向に沿って1往復清掃した。その後、シートを床面から垂直に持ち上げ、該シートに捕集された毛髪の本数を計測し、毛髪の散布本数に対する毛髪の捕集本数の百分率を捕集率(%)とした。この操作を独立して8回行って得られた捕集率の算術平均値を算出し、該算術平均値に基づいて以下の基準にて評価した。結果を以下の表1に示す。
A:捕集率の算術平均値が50%以上であり、繊維汚れの捕集性が良好である。
B:捕集率の算術平均値が50%未満であり、繊維汚れの捕集性が不良である。
実施例及び比較例のワイピングシートを人手で触れたときのシートの感触を以下の基準で評価した。結果を以下の表1に示す。
A:ぬめりやべたつき、糸引き等の粘り気が知覚されず、シートの感触に優れる。
B:ぬめりやべたつき、糸引き等の粘り気の少なくとも一つが知覚され、シートの感触が不良である。
実施例及び比較例のワイピングシートを用いて、清掃対象面(フローリング床)を清掃したときの、清掃時のシートの滑り性及び清掃後の清掃対象面の感触を人手によって以下の基準で評価した。結果を以下の表1に示す。
A:清掃時のシートの滑りが良好であり、且つ清掃後の清掃対象面の感触がさらさらしており、使用感に優れる。
B:清掃時のシートの滑りが不良であるか、又は清掃後の清掃対象面にぬめりやべたつきを感じ、使用感が不良である。
実施例及び比較例のワイピングシートについて、JIS P4501に準じて水分散性(水解性)を評価した。水300mL(水温20±5℃)を入れた300mLのビーカーをマグネチックスターラーに載せ、回転子(直径35mm、厚さ12mmの円盤状)の回転数を600±10回転/分になるように調整した。その中に70mm×60mmの平面寸法を有する繊維シートを投入し、ストップウォッチでの測定を開始した。回転子の回転数が、540回転までに回復した時点でストップウォッチを止め、その時間を1秒単位で測定した。この測定を5回行い、その算術平均値を水解時間(秒)とした。
水解時間が100秒未満であれば、水分散性が良好である(表中、「A」で示す。)と判断し、水解時間が100秒以上であれば、水分散性が不良(表中、「B」で示す。)と判断した。結果を以下の表1に示す。
実施例及び比較例のワイピングシートの湿潤強度を、JIS P8113に準じて以下の方法で測定した。まず、測定対象のワイピングシートを湿潤状態にてダンベルカッターで長さ70mm×幅25mmに裁断し、試験片を得た。次いで、引張試験機(島津製作所製オートグラフAG-1kN)のチャック間距離を50mmとしたチャックに、試験片の長手方向と引張方向が一致するように無張力で取り付ける。そして、チャックに取り付けられた試験片を300mm/分の引張速度で引っ張り、該試験片が破断するまでの最大強度(単位:cN/25mm)を測定する。この測定を1つの測定対象につき10回行い、それらの測定値の算術平均を当該測定対象の湿潤引張強度とする。この湿潤引張強度の値に基づき、湿潤強度を以下の基準で評価した。結果を以下の表1に示す。
A:湿潤引張強度が400cN/25mm以上であり、実使用に十分耐える高い湿潤強度を有する。
B:湿潤引張強度が400cN/25mm未満であり、実使用に不安がある湿潤強度である。
上述した方法で製造した乾燥状態の繊維シート(坪量80g/m2)に、実施例及び比較例で用いた水性薬剤をスポイトで約12mL滴下して、1日静置したときのシートの含浸性を目視及び触感にて以下の基準で評価した。結果を以下の表1に示す。
A:水性薬剤がシート全体に含浸されており、含浸性が良好である。
B:水性薬剤がシート全体に濡れ広がらず含浸状態にムラがあるか、又はシート上に水性薬剤の水滴が存在しており、含浸性が不良である。
Claims (5)
- パルプ及びバインダを含む、湿式抄紙された繊維シートに水性薬剤が含浸されており、
前記繊維シートの乾燥質量に対して前記水性薬剤が100質量%以上500質量%以下含浸されており、
前記水性薬剤は、
B型粘度計で測定される回転速度0.3rpmにおける25℃の粘度が2000mPa・s以上であり、
B型粘度計で測定される回転速度60rpmにおける25℃の粘度が1000mPa・s以下であり、
粘度調整剤としてキサンタンガム又はキサンタンガムの塩を0.20質量%以上0.50質量%以下含み、
界面活性剤を0.05質量%以上3質量%以下含み、
前記界面活性剤は非イオン性界面活性剤を含み、
架橋剤を1質量%以上5質量%以下含み、
JIS P4501:2006に準じて測定されたほぐれやすさの時間が100秒未満である、ワイピングシート。 - 前記バインダは、カルボキシメチルセルロース又はカルボキシメチルセルロースの塩並びにポリビニルアルコールから選ばれる1又は2以上を含む、請求項1に記載のワイピングシート。
- 身体の清拭に用いられる、請求項1又は2に記載のワイピングシート。
- 硬質表面の清掃に用いられる、請求項1又は2に記載のワイピングシート。
- 人手で把持して用いられる、請求項1~4のいずれか一項に記載のワイピングシート。
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