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JP7630240B2 - 自立袋形成用複合フィルム及び自立袋 - Google Patents
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JP7630240B2 - 自立袋形成用複合フィルム及び自立袋 - Google Patents

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Description

本発明は、構造体形成用複合フィルム及び自立袋に関する。
液体、固液混合体、粘体、粉体、粒体等の内容物を充填した自立袋(スタンディングパウチ等)は、圧縮性やフレキシブル性に優れることから、ビンやペットボトルに替わる容器として、広い分野で利用が拡大されている。
このような自立袋の中でも、口栓付きパウチ形式の自立袋は、パウチに取りつけられた口栓(スパウト)を通して、パウチに充填された内容物を排出する。
しかしながら、従来の自立袋では、剛性が不足していることから、商品陳列時の自立性が不足していたり、内容物の注出過程において収納部を手で掴んだ際に内容物が飛び出したり、容器を傾けて注出している途中に容器全体が折れ曲がって注出口が定まらないという問題があった。
これに対して、特許文献1においては、袋胴部を形成する外縁シール部内に、取っ手機能を有する独立気室を設けた自立袋(エアホールドパウチ)が提案されている。特許文献1に記載の自立袋によれば、商品陳列時の自立性や、内容物の注出の際のハンドリング性等が向上するとされている。
また、自立袋には、自立性やハンドリング性以外にも、使用感、破裂強度等の様々な要求特性が存在している。
特開2006-036213号公報
これに関して、本発明者らは、多孔質フィルム、不織布等の多孔質層に、熱可塑性樹脂を含浸又は塗布した機能材層を、自立袋を構成する積層体に適用することで、様々な要求性能に対応させることに想到した。
しかしながら、自立袋に多孔質層を有する機能材層を存在させると、製袋時にピンホールが生じやすく、特に、口栓付きパウチ形式の自立袋の場合には、スパウト取付け時の応力やシールによる熱によりピンホールが生じてしまい、内容物が漏れてしまう場合があった。
本発明は、上記の背景に鑑みてなされたものであり、多孔質層を有する機能材層を有していても、自立袋を形成する製袋時にピンホールを発生させず、特に、口栓付きパウチ形式の自立袋等を形成する場合であっても、ピンホールを生じさせることなく製袋充填が可能となる、構造体形成用複合フィルム、及び当該構造体形成用複合フィルムを用いて作製された自立袋を提供することを目的とする。
本発明らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を行った。そして、自立袋等の構造体を形成するための複合フィルムの構成材料として、多孔質層に熱可塑性樹脂を含浸又は塗布した層を適用するとともに、当該層とヒートシール層との間に、中間層を配置した複合フィルムとすれば、スパウト取付け時等の応力によってもピンホールが生じず、製袋充填が可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
《態様1》
機能材層と、中間層と、ヒートシール層とが、この順で積層されており、かつ、
前記機能材層は、多孔質層に、熱可塑性樹脂が含浸又は塗布されたものである、
構造体形成用複合フィルム。
《態様2》
前記多孔質層は、多孔質フィルム又は不織布である、態様1の構造体形成用複合フィルム。
《態様3》
前記中間層は、二軸延伸フィルムである、態様1又は2の構造体形成用複合フィルム。
《態様4》
前記熱可塑性樹脂は、融点が40~80℃である態様1~3のいずれか一態様の構造体形成用複合フィルム。
《態様5》
前記熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が40~80℃である態様1~3のいずれか一態様の構造体形成用複合フィルム。
《態様6》
前記熱可塑性樹脂は、ポリカプロラクトンである、態様4又は5いずれかの構造体形成用複合フィルム。
《態様7》
30℃における損失正接tanδ30℃に対する80℃における損失正接tanδ80℃の比であるtanδ80℃/tanδ30℃が、1.04~5.00である、態様1~6のいずれか一態様の構造体形成用複合フィルム。
《態様8》
更に基材層を含み、
前記基材層と、前記機能材層と、前記中間層と、前記ヒートシール層とは、この順で積層されている、態様1~7いずれか一態様の構造体形成用複合フィルム。
《態様9》
少なくとも一部が、態様1~8のいずれか一態様の構造体形成用複合フィルムで構成されている、自立袋。
《態様10》
少なくとも胴部が、態様1~8のいずれか一態様の構造体形成用複合フィルムで構成されている、自立袋。
《態様11》
口栓付きパウチ形式である、態様9又は10の自立袋。
《態様12》
ホット充填方式に用いられる、態様9~11のいずれか一態様の自立袋。
本発明の構造体形成用複合フィルムによれば、多孔質層を有する機能材層を有していても、自立袋を形成する製袋時にピンホールを発生させず、特に、口栓付きパウチ形式の自立袋等を形成する場合であっても、ピンホールを生じさせることなく製袋充填が可能となる。
更に、30℃における損失正接tanδ30℃に対する80℃における損失正接tanδ80℃の比であるtanδ80℃/tanδ30℃が特定の範囲となるようにすれば、ホット充填方式による内容物の充填時には柔らかく、使用時に内容物が減少していく際には自立性を維持することのできる、自立袋を作製することができる。
本発明の構造体形成用複合フィルムの一実施形態を示す概略断面図である。 実施例及び比較例で作製したスタンディングパウチの写真である。 実施例及び比較例で作製したスタンディングパウチに取り付けた口栓(スパウト)の写真である。
《構造体形成用複合フィルム》
本発明の構造体形成用複合フィルムは、機能材層と、中間層と、ヒートシール層とを、必須の構成層として含み、これらがこの順で積層された態様となっている。そして、機能材層は、多孔質層に、熱可塑性樹脂が含浸又は塗布された態様となっている。
本発明の構造体形成用複合フィルムは、上記の態様となっていることで、多孔質層を有する機能材層を有していても、自立袋を形成する製袋時にピンホールを発生させず、特に、口栓付きパウチ形式の自立袋等を形成する場合であっても、ピンホールを生じさせることなく製袋充填が可能となる。
更に、本発明の構造体形成用複合フィルムは、構造体形成用複合フィルム全体の特定温度における損失正接tanδの比が、特定の範囲にあることで、ホット充填方式による内容物の充填時には柔らかく、使用時に内容物が減少していく際には自立性を維持することのできる、自立袋を実現することができる。
<構造体形成用複合フィルムの構成>
以下に、図面を参照しながら、本発明の構造体形成用複合フィルムの構成について説明する。図1に、本発明の構造体形成用複合フィルムの一実施形態に係る概略断面図を示す。
図1に示される本発明の構造体形成用複合フィルムの一実施形態に係る構造体形成用複合フィルム100は、基材層10と、基材層10の内側に積層配置された機能材層20と、機能材層20の内側に積層配置された中間層30と、中間層30の内側に積層配置されたヒートシール層40と、を備える。機能材層20は、多孔質層21と、多孔質層21に含浸又は塗布された熱可塑性樹脂22とからなり、熱可塑性樹脂22が含浸又は塗布された面が、中間層30に接触するよう積層されている。
本発明の構造体形成用複合フィルムは、機能材層と、中間層と、ヒートシール層と、を必須の構成として含み、これらがこの順で積層されている。本発明においては、機能材層、中間層、ヒートシール層以外に、任意の層を備えていてもよく、任意の層としては、例えば、基材層や、接着層等が挙げられる。
図1に示される構造体形成用複合フィルム100は、本発明において必須の構成層となる機能材層20と、中間層30と、ヒートシール層40とを有し、任意の層として、基材層10を備える。
なお、本発明の構造体形成用複合フィルムが、任意の層として基材層を備える場合には、基材層、機能材層、中間層、及びヒートシール層は、この順で積層されている態様となっていることが好ましい。
本発明の構造体形成用複合フィルムの厚さや形状等は、形成する構造体における適用部位や、形成する構造体の用途等に応じて適宜決定することができる。
<構造体形成用複合フィルムの作用>
本発明の構造体形成用複合フィルムは、特定の機能材層とヒートシール層との間に、中間層が配置されていることにより、多孔質層を有する機能材層を有していても、自立袋を形成する製袋時にピンホールを発生させず、特に、口栓付きパウチ形式の自立袋等を形成する場合であっても、ピンホールを生じさせることなく製袋充填が可能となる。
更に、構造体形成用複合フィルム全体の特定温度における損失正接tanδの比が特定の範囲にある場合には、上記の作用に加えて、ホット充填方式による内容物の充填時には柔らかく、使用時に内容物が減少していく際には、剛性を有するため自立性を維持できる、自立袋を実現することができる。
具体的には、本発明の構造体形成用複合フィルムが、30℃における損失正接tanδ30℃に対する80℃における損失正接tanδ80℃の比であるtanδ80℃/tanδ30℃が、1.04~5.00の範囲にある場合には、ホット充填方式による内容物の充填時である60~90℃付近では、袋が柔らかいため膨らみ易いことから、必要量の内容物の充填を容易に実施することができ、使用時である30℃以下の環境にて、使用に伴い内容物が減少していく際には、剛性を有するため自立性を維持することができる。
30℃における損失正接tanδ30℃に対する80℃における損失正接tanδ80℃の比であるtanδ80℃/tanδ30℃は、1.05~4.00の範囲であることが好ましく、1.18~3.50の範囲であることが更に好ましい。
<機能材層>
機能材層は、本発明の構造体形成用複合フィルムにおいて、必須の構成層である。本発明の構造体形成用複合フィルムは、機能材層を有することで、自立性やハンドリング性、使用感、破裂強度等の様々な要求特性に対応することができる。
本発明においては、機能材層の構成を調整することにより、構造体形成用複合フィルム全体の物性を制御することができ、例えば上記した、特定温度における損失正接tanδの比を特定の範囲とすることが可能となる。その結果、ホット充填方式による内容物の充填時には柔らかく、使用時に内容物が減少していく際には自立性を維持することのできる、自立袋を実現することができる。
(機能材層の構成)
本発明の構造体形成用複合フィルムを構成する機能材層は、多孔質層に熱可塑性樹脂が含浸又は塗布された構成である。
機能材層においては、多孔質層の全体に熱可塑性樹脂が充填された状態であっても、あるいは、熱可塑性樹脂の一部が多孔質層の内部に配置され、一部が多孔質層の表面に積層された状態となっていても、いずれでもよい。
図1に示される構造体形成用複合フィルム100は、熱可塑性樹脂22の一部が多孔質層21の内部に配置され、一部が多孔質層21の表面に積層された状態の機能材層20となっている。
図1に示される本発明の構造体形成用複合フィルムの一実施形態に係る構造体形成用複合フィルム100においては、機能材層20は、基材層10と中間層30との間に配置されている。機能材層20は、多孔質層21と、多孔質層21に含浸又は塗布された熱可塑性樹脂22とからなり、熱可塑性樹脂22が含浸又は塗布された面が、中間層30に面し、中間層30に隣接するように、ヒートシール層40が配置されている。
図1に示される構造体形成用複合フィルムの一実施形態に係る構造体形成用複合フィルム100における機能材層20は、熱可塑性樹脂22が含浸又は塗布された面が、中間層30に面している態様であるが、本発明においては、熱可塑性樹脂が含浸又は塗布された面が、中間層の側に位置する態様であっても、基材層の側に位置する態様であっても、いずれでもよい。
{多孔質層}
機能材層を構成する多孔質層は、多数の空隙を有する層である。空隙は、層の厚み方向に貫通していても、不連続に存在していても、いずれでもよい。本発明においては、機能材層を構成する層を多孔質層とすることで、層に存在する多数の空隙に、後述する熱可塑性樹脂を含浸又は塗布して、充填することができる。
多孔質層の形態としては、特に限定されるものではないが、多孔質フィルム又は不織布であることが好ましい。
多孔質層を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸等のポリエステル、又はナイロン-6、ナイロン-66等のポリアミド(PA)等の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、あるいは、パルプ等の天然材料であってもよい。
また、多孔質層が繊維からなる不織布である場合には、ニードルパンチ不織布、ウォータージェットパンチ不織布、スパンボンド不織布等のいずれも使用することができる。
本発明に用いられる多孔質層の目付や厚みについては、特に限定されるものではなく、含浸又は塗布する熱可塑性樹脂の種類や量によって、適宜選択することができる。
{熱可塑性樹脂}
多孔質層に含浸又は塗布される熱可塑性樹脂は、熱可塑性を有する材料であれば、特に限定されるものではない。本発明でいう「熱可塑性樹脂」には、熱可塑性樹脂のみならず、熱可塑性エラストマーも含む。
熱可塑性樹脂としては、例えば、パラフィンワックス、ポリカプロラクトン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ乳酸、熱可塑性エラストマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明においては、多孔質層に含浸又は塗布する熱可塑性樹脂の種類、及び量等を調整することによって、構造体形成用複合フィルム全体の物性を制御することができ、例えば上記した、損失正接tanδの比についても制御することができる。
本発明の構造体形成用複合フィルムが、上記した、30℃における損失正接tanδ30℃に対する80℃における損失正接tanδ80℃の比であるtanδ80℃/tanδ30℃が、1.04~5.00の範囲にあるものとする方法としては、例えば、熱可塑性樹脂として、特定範囲の融点を有する材料を用いることが挙げられる。すなわち機能材層は、特定範囲の融点を有する熱可塑性樹脂を含むことになる。
具体的には、多孔質層に、融点が40~80℃の範囲である熱可塑性樹脂を含浸又は塗布することが好ましい。熱可塑性樹脂の融点は、40~70℃の範囲であることが更に好ましく、40~60℃の範囲であることが特に好ましい。
上記範囲の融点を有する物質としては、例えば、ポリカプロラクトン飽和脂肪酸、又は脂肪酸トリグリセリド等の油脂、高級アルコール、ワックス、界面活性剤(アニオン、カチオン、ノニオン)等が挙げられる。
また別の、30℃における損失正接tanδ30℃に対する80℃における損失正接tanδ80℃の比であるtanδ80℃/tanδ30℃が、1.04~5.00の範囲にあるものとする方法としては、熱可塑性樹脂として、特定範囲のガラス転移温度(Tg)を有する材料を、多孔質層に含浸又は塗布することが好ましい。すなわち機能材層は、特定範囲のガラス転移温度(Tg)を有する熱可塑性樹脂を含むことになる。
具体的には、多孔質層に、ガラス転移温度(Tg)が40~80℃である熱可塑性樹脂を含浸又は塗布することが好ましい。熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40~70℃の範囲であることが更に好ましく、40~60℃の範囲であることが特に好ましい。
上記範囲のガラス転移温度(Tg)を有する物質としては、例えば、ポリカプロラクトン、特定グレードの形状記憶ポリマー(SMP)、ポリアミド、又は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂等が挙げられる。形状記憶樹脂(SMP)としては、熱可塑性であることが好ましい。
(含浸又は塗布方法)
多孔質層に熱可塑性樹脂を含浸又は塗布する方法としては、特に限定されるものではない。公知の方法を採用することができ、例えば、グラビア塗工、浸漬、吸引、エアーナイフコート、ダイコート、コンマコート、ファウンテンコート、グラビアオフセット等が挙げられる。
(含浸又は塗布量)
多孔質層に含浸又は塗布する熱可塑性樹脂の量は、特に限定されるものではなく、多孔質層の目付や孔径、厚み、熱可塑性樹脂の種類、更には、形成したい構造体形成用複合フィルムの物性等によって、適宜選択することができる。
<中間層>
中間層は、本発明の構造体形成用複合フィルムにおいて、必須の構成層である。中間層は、機能材層とヒートシール層との間に配置され、多孔質層を含む機能材層の強度を補強する役割を果たす。
本発明の構造体形成用複合フィルムは、機能材層とヒートシール層との間に、中間層が存在することにより、多孔質層を有する機能材層を有していても、自立袋を形成する製袋時にピンホールを発生させず、特に、口栓付きパウチ形式の自立袋等を形成する場合であっても、ピンホールを生じさせることなく製袋充填を実施することができる。
図1に示される本発明の構造体形成用複合フィルムの一実施形態に係る構造体形成用複合フィルム100においては、中間層30は、機能材層20とヒートシール層40との間に配置されている。
中間層は、特に限定されるものではないが、中実の樹脂フィルムであることが好ましく、中でも、二軸延伸フィルムであることが好ましい。
また、中間層を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸等のポリエステル、又はナイロン-6、ナイロン-66等のポリアミド(PA)等であってもよい。
本発明においては、中間層の厚み等についても特に限定されるものではなく、組み合わせて用いる機能材層の強度等に応じて、適宜設定することができる。
<ヒートシール層>
ヒートシール層は、本発明の構造体形成用複合フィルムにおいて、必須の構成層である。ヒートシール層は、例えば自立袋等の構造体を形成する際に、熱融着される層となる。このため、ヒートシール層は、構造体形成用複合フィルムの最内層となるように配置する。
ヒートシール層を構成する材料としては、熱接着が可能であり、成形された構造体に十分なシール強度を付与できるものであれば、特に限定されるものではない。公知の材料を適用することができ、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-プロピレン共重合体(EP)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、アイオノマー樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等が挙げられる。
例えば、内容物が充填される自立袋等の構造体を形成する場合には、本発明の構造体形成用複合フィルムを構成するヒートシール層は、内容物を充填するための空間を形成する層となる。このため、耐内容物性を付与したい場合には、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等を用いることが好ましい。
ヒートシール層は、上記の材料から予め成形されたフィルムを用いて形成してもよいし、機能材層、中間層、及び必要に応じてその他の層が積層された積層体の表面に、ヒートシール層を形成するための材料を溶融して押出し、冷却固化させて形成してもよい。
また、ヒートシール層を構成する樹脂等は、1種のみならず、2種以上がブレンドされていてもよく、必要に応じて、機能性等を付与するための添加剤等が配合されていてもよい。
<基材層>
基材層は、本発明の構造体形成用複合フィルムにおいて、任意の構成層である。本発明の構造体形成用複合フィルムは、機能材層と、中間層と、ヒートシール層と、を必須の構成層とするが、これらの他に、基材層を含む構成であってもよい。
本発明の構造体形成用複合フィルムが基材層を備える場合には、基材層、機能材層、中間層、及びヒートシール層は、この順で積層されている態様となっていることが好ましい。
基材層、機能材層、中間層、及びヒートシール層が、この順で積層されている態様であれば、基材層は、例えば自立袋等の構造体を形成したときに、袋体の外層となる。このため、最内層となるヒートシール層を熱融着して構造体を形成する時の保護層となりうる。また、内容物の表示等のための印刷を施すための印刷層ともなりうる。
基材層を構成する材料としては、樹脂等、特に保護層となり、印刷が可能となる樹脂等であれば、特に限定されるものではない。一般的に用いられている樹脂を用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ-ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等のポリオレフィン、ナイロン-6、ナイロン-66等のポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。
基材層を構成する樹脂等は、1種のみならず、2種以上がブレンドされていてもよく、必要に応じて、機能性等を付与するための添加剤等が配合されていてもよい。
なお、基材層は、予め成形されたフィルムから作製されることが好ましい。基材層となるフィルムは、上記の樹脂等から形成されたフィルムであればよく、未延伸であっても、一軸又は二軸延伸が施されていてもよい。中では、二軸延伸フィルムであることが好ましい。
また、基材層となるフィルムには、アルミニウム等の金属や、酸化珪素、酸化アルミニウム等の酸化物が蒸着されていてもよい。
<その他の層>
本発明の構造体形成用複合フィルムは、機能材層と、中間層と、ヒートシール層とを、必須の構成層として含んでいれば、これら以外の層が含まれていてもよい。その他の層は、必須の構成層となる機能材層、中間層、ヒートシール層の間や、これらの層を含む積層体の外側等に配置することができる。
その他の層としては、特に限定されるものではなく、例えば、作製する構造体にバリア性を付与するためのバリア層や、構造体の強度を補強するための補強層、あるいは、層と層との間を接着するための接着層等が挙げられる。
作製する構造体にバリア性を付与するためのバリア層としては、例えば、酸素や水蒸気等のガスを遮断する機能を発現する、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ナイロン(NY)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、又はポリアクリロニトリル(PAN)からなる層等が挙げられる。
作製する構造体の強度を補強するための補強層の材料としては、例えば、紙、合成紙、不織布等が挙げられる。これらには、隣接する層との接着性を付与するための粘着剤が塗布されていてもよい。
層と層との間を接着するための接着層としては、例えば、エチレン-アクリル酸共重合体(EEA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、アイオノマーからなる層等が挙げられる。
接着層は、機能材層、中間層、ヒートシール層等を、ドライラミネート又はホットメルトラミネートする際に使用する、接着剤からなる層であってもよい。
その他の層を構成する樹脂等は、1種のみならず、2種以上がブレンドされていてもよい。また、必要に応じて、機能性等を付与するための添加剤等が配合されていてもよい。
《構造体形成用複合フィルムの製造方法》
本発明の構造体形成用複合フィルムの製造方法は、特に限定されるものではなく、積層された複合フィルムを形成することのできる方法であればよい。公知の方法を採用することができ、例えば、ドライラミネーション法、ホットメルトラミネーション法、エクストルージョンラミネーション法、及びサンドイッチラミネーション方法等が挙げられる。
《構造体》
本発明の構造体形成用複合フィルムを用いて形成される構造体は、特に限定されるものではない。本発明の構造体形成用複合フィルムは、最内層がヒートシール層となっているため、熱融着させることにより、様々な形状の構造体を形成することができる。
例えば、三方シール袋、四方シール袋、ガセット包装袋、ピロー包装袋、ゲーベルトップ型の有底容器、テトラクラシック(登録商標)、ブリックパック(登録商標)、チューブ容器、蓋材等が挙げられる。また、ヒートシール層にチャックを設けて、チャック付き包装袋とすることもできる。
本発明においては、中でも、少なくとも一部が、本発明の構造体形成用複合フィルムで構成されている、自立袋であることが好ましい。中でも特に、少なくとも胴部が、本発明の構造体形成用複合フィルムで構成されている、自立袋であることが好ましい。
更には、本発明の構造体形成用複合フィルムを用いて形成される構造体は、口栓付きパウチ形式の自立袋、すなわち、スパウト付き自立袋であることが好ましい。
本発明の構造体形成用複合フィルムは、機能材層とヒートシール層との間に、中間層が存在することにより、多孔質層を有する機能材層を有していても、自立袋を形成する製袋時にピンホールを発生させず、特に、口栓付きパウチ形式の自立袋等を形成する場合であっても、ピンホールを生じさせることなく製袋充填を実施することができる。
また、本発明の構造体形成用複合フィルムが、30℃における損失正接tanδ30℃に対する80℃における損失正接tanδ80℃の比であるtanδ80℃/tanδ30℃が、1.04~5.00である場合には、ホット充填方式に用いられる自立袋であることが好ましい。
本発明の構造体形成用複合フィルムが、上記の物性を有する場合には、得られる自立袋は、ホット充填方式による内容物の充填時には柔らかく、使用時に内容物が減少していく際には、自立性を維持することができる。したがって、内容物を充填する際には袋が膨らみ易いことから、必要量の内容物の充填を容易に実施することができ、一方で、内容物を使用していく際には剛性を有するため、その自立性を維持することができる。
《適用できる内容物》
本発明の構造体形成用複合フィルムから成形される構造体に充填が可能な内容物は、ジェルやゲル、更にはペースト等を含む液体物であれば、特に限定されるものではない。液状物としては、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品、洗剤、食品、塗料等が挙げられる。
医薬品及び医薬部外品としては、例えば、注射薬、点滴薬、輸液薬、灌流薬、煎剤等が挙げられる。化粧品としては、例えば、シャンプー、コンディショナー、整髪料(例えば、ヘアウォーター、ヘアリキッド、グリース等)等が挙げられる。洗剤としては、例えば、中性洗剤、アルカリ性洗剤、及び酸性洗剤が挙げられる。食品としては、例えば、飲料、食用油、スープ、クリーム、液体調味料(例えば、醤油、酢、麺つゆ、割下、みりん、ウスターソース、ケチャップ、タバスコ、甘味料等)等が挙げられる。塗料としては、例えば、ペンキ、ニス、オイルステイン等が挙げられる。
なお、ジェル状やゲル状、又はペースト状の内容物であってもよく、例えば、歯磨き粉、ワサビ、ゼリー、ジャム、味噌等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例等により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《実施例1~4、比較例1~5》
<材料>
層を構成する材料として、以下を準備した。
(1)基材層
・PET#12:PETフィルム(エンブレット(登録商標)PET-12、ユニチカ株式会社、厚み:12μm)
・Ny#15:ナイロンフィルム(RX、興人フィルム&ケミカルズ株式会社、厚み:15μm)
(2)機能材層
多孔質層
・ポリ乳酸不織布(テラマック(登録商標)L0303、ユニチカ株式会社、目付:30g/m
・紙40g:純白ロール紙(坪量:40g/m
熱可塑性樹脂
・PCL:ポリカプロラクトン(プラクセル(登録商標)H1P、株式会社ダイセル)
(3)中間層
・NY:2軸延伸ナイロンフィルム(ボニール(登録商標)、興人フィルム&ケミカルズ株式会社、厚み:15μm)
・VM-PET#12:アルミ蒸着PETフィルム(VM-PET BR-1012、東レフィルム加工株式会社、厚み:12μm)
(4)ヒートシール層
・LL♯50:LLDPEフィルム(SE625L、タマポリ株式会社、厚み:50μm)
・LL♯80:LLDPEフィルム(SE625L、タマポリ株式会社、厚み:80μm)
・LL♯95:LLDPEフィルム(SE620A、タマポリ株式会社、厚み:95μm)
・LL♯100:LLDPEフィルム(SE625L、タマポリ株式会社、厚み:100μm)
・LL♯45:[押出PE#15/LL#30]積層フィルム(厚み:45μm)
(押出PE:サンテック(登録商標)L1850K、旭化成株式会社
LL#30:LLDPEフィルム(SE625L、タマポリ株式会社、厚み:30μm)
・LL♯65:[押出PE#15/LL#50]積層フィルム(厚み:65μm)
(押出PE:サンテック(登録商標)L1850K、旭化成株式会社
LL#50:LLDPEフィルム(SE625L、タマポリ株式会社、厚み:50μm)
<機能材層の製造>
表1に記載した積層順となるように、基材層に、多孔質層となるポリ乳酸不織布又は紙40gを、ドライラミネートにより貼り合わせた。ドライラミネート用接着剤としては、2液硬化型ドライラミネート接着剤(タケラックA525/タケネートA52、三井化学株式会社)を用いた。
表1において、ドライラミネートで貼り合わせた部分は、「//」で示している。
熱可塑性樹脂であるポリカプロラクトン(PCL)を、トルエンに溶解して塗工液を作製した。作製した塗工液を、多孔質層となるポリ乳酸不織布に、塗工量が5g/mとなるようにグラビア塗工することで、基材層に積層された、実施例1~3及び比較例1~3の機能材層を作製した。また、塗工量が10g/mとなるようにグラビア塗工することで、基材層に積層された、実施例4の機能材層を作製した。
同様に、作製した塗工液を、紙40gに、塗工量が4.4g/mとなるようにグラビア塗工することで、比較例4で用いる機能材層を作製した。
<構造体形成用複合フィルムの製造>
表1に記載した積層順となるように、ドライラミネートにより、中間層及び/又はヒートシール層を貼り合わせることで、構造体形成用複合フィルムを作製した。なお、ドライラミネート用接着剤としては、2液硬化型ドライラミネート接着剤(タケラックA525/タケネートA52、三井化学株式会社)を用いた。
<損失正接tanδの測定>
動的粘弾性装置(DMA Q800、TA Instruments株式会社)を用いて、表1に記載の各実施例で作成した構造体形成用複合フィルムについて、80℃及び30℃における損失正接tanδを計測し、30℃における損失正接tanδ30℃に対する80℃における損失正接tanδ80℃の比であるtanδ80℃/tanδ30℃を算出した。
具体的には、25~100℃において損失正接tanδの測定を実施し、30℃での値を30℃におけるtanδ30℃とし、80℃での値を80℃におけるtanδ80℃とし、これらの比であるtanδ80℃/tanδ30℃を算出した。30℃におけるtanδ30℃、80℃におけるtanδ80℃、及びこれらの比であるtanδ80℃/tanδ30℃を、表1に示す。
<自立袋の作製>
製袋充填機(OnPack13000US、オリヒロ株式会社)を用いて、水が充填された、図2に示される口栓(スパウト)付きスタンディングパウチを作製した。パウチ寸法は、高さ(H)135mm×幅(W)90mm×ガゼット深さ25mmとした。
パウチに取り付けたスパウトは、ポリエチレン系樹脂を材料として成形されたものであり、図3に示される形状を有する。図3(a)は、スパウトの正面写真、図3(b)は底面写真、図3(c)は上面写真である。なお、口栓(スパウト)付きスタンディングパウチの作製条件は、ヒートシール温度135℃、超音波出力250J、圧力0.55Mpaとした。
<製袋充填適性の評価>
作製したスタンディングパウチの製袋充填適正につき、以下の評価基準で評価した。結果を表1に示す。
〇:スタンディングパウチから液漏れがない
×:スタンディングパウチから液漏れがある
<自立性の評価>
内容物が室温まで冷却した後に内容物を一気に排出した後の、スタンディングパウチの自立性について、以下の評価基準で評価した。結果を表1に示す。
〇:自立する
×:自立しない
Figure 0007630240000001
表1に示されるように、実施例1~4の構造体形成用複合フィルムによる自立袋は、機能材層とヒートシール層との間に中間層が配置されているため、自立性に加え、スパウト取り付け適正に優れており、作成したパウチから液漏れがなく、製袋充填性に優れていた。
一方で比較例1~4の構造体形成用複合フィルムによる自立袋は、機能材層を有するため自立性には優れるものの、製袋充填時、特にスパウト取り付け部分にピンホールが発生し、パウチから液漏れがみられた。
また、機能材層を有していない比較例5の自立袋は、自立性を有していなかった。
100 構造体形成用複合フィルム
10 基材層
20 機能材層
21 多孔質層
22 熱可塑性樹脂
30 中間層
40 ヒートシール層

Claims (8)

  1. 基材層と、機能材層と、中間層と、ヒートシール層とが、この順で積層されており、かつ、
    前記機能材層は、多孔質層に、熱可塑性樹脂が含浸又は塗布されたものであり、
    前記多孔質層は、多孔質フィルム又は不織布であり、
    前記熱可塑性樹脂は、融点が40~80℃であり、
    前記中間層は、中実の樹脂フィルムであり、かつ
    30℃における損失正接tanδ 30℃ に対する80℃における損失正接tanδ 80℃ の比であるtanδ 80℃ /tanδ 30℃ が、1.04~5.00である、
    自立袋形成用複合フィルム。
  2. 前記中間層は、二軸延伸フィルムである、請求項1に記載の自立袋形成用複合フィルム。
  3. 前記熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が40~80℃である、請求項1又は2に記載の自立袋形成用複合フィルム。
  4. 前記熱可塑性樹脂は、ポリカプロラクトンである、請求項1~3のいずれか1項に記載の自立袋形成用複合フィルム。
  5. 少なくとも一部が、請求項1~のいずれか1項に記載の自立袋形成用複合フィルムで構成されている、自立袋。
  6. 少なくとも胴部が、請求項1~のいずれか1項に記載の自立袋形成用複合フィルムで構成されている、自立袋。
  7. 口栓付きパウチ形式である、請求項又はに記載の自立袋。
  8. ホット充填方式に用いられる、請求項のいずれか1項に記載の自立袋。
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