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JP7631282B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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JP7631282B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置においては、感光ドラム、帯電ローラ、転写ローラ等の回転部材が使用されている。また、繊維糸を有するブラシ部材を回転部材の表面に接触させて回転部材の表面に対して清掃その他の処理を行う技術も一般的である。例えば、特許文献1には、感光ドラムの回転方向で転写部よりも下流側かつ帯電部よりも上流側の位置で感光ドラム表面に当接するブラシ部材を設け、感光ドラム表面の転写残トナーの極性を制御する技術が開示されている(特許文献1参照)。転写残トナーはブラシ部材で散らされ帯電ローラの放電によって正規極性に帯電される。この後、感光ドラムと現像ローラとの電位差で現像装置に回収され感光ドラム表面はリフレッシュされる。
特開2001-183905号公報
ブラシ部材によって回転部材表面の清掃や転写残トナーの帯電制御を行うためには、感光ドラムに対するブラシ部材の当接圧を高めることが有効と考えられる。しかしながら、特許文献1に記載のブラシ部材は、感光ドラムの表面に当接した状態で装置本体に固定されている。そのため、製造時のブラシ部材の取付状態や感光ドラムとの接触による経時的な状態変化等により、ブラシを構成する繊維糸の向きが不揃いになり、図10に示すように、当接位置における繊維密度に粗密ができる可能性がある。図10は、位置Aにおいて繊維密度が疎になっている状態を模式的に示している。繊維密度に粗密ができると繊維密度が密な箇所では侵入してくるトナーが堰き止められ、これらのトナーは繊維密度が疎な部分に流れ込むため繊維密度が疎な部分ではより多くのトナーが侵入してくる。侵入してくるトナー量の長手方向での差から縦スジ状のすり抜けムラが発生し、回転部材の回転方向下流側において帯電不良や転写不良等の縦スジ状の画像不良が発生する可能性がある。
本発明は、回転部材に対し少なくとも一部が当接可能なブラシ部材を有する画像形成装置において、画像不良の発生を抑制することを目的とする。
本発明は、回転可能な感光ドラムと、
支持部材と、前記感光ドラムの表面に接触する繊維糸と、を有し、前記繊維糸を前記支持部材に支持する回転不能なブラシ部材と
前記支持部材を支持し、前記繊維糸が前記感光ドラムの表面から離間する第1位置と、前記繊維糸が前記感光ドラムの表面に当接する第2位置と、前記繊維糸が前記感光ドラムの表面からすべて離間する前記第1位置とは異なる第3位置と、前記ブラシ部材を移動させる移動機構と
を有し、
前記第1位置から前記第2位置に前記ブラシ部材が移動する場合において、前記ブラシ部材の前記感光ドラムの接近方向は、前記感光ドラムの回転方向の下流側から上流側へ向かう方向であり、前記第2位置から前記第3位置に前記ブラシ部材が移動する場合において、前記ブラシ部材の前記感光ドラムからの離脱方向は、前記感光ドラムの回転方向の下流側から上流側へ向かう方向であることを特徴とする画像形成装置である。

本発明は、回転可能な感光ドラムと、
支持部材と、前記感光ドラムの表面に接触する繊維糸と、を有し、前記繊維糸を前記支持部材に支持する回転不能なブラシ部材と
前記支持部材を支持し、前記繊維糸が前記感光ドラムの表面から離間する第1位置と、前記繊維糸が前記感光ドラムの表面に当接する第2位置と、前記繊維糸が前記感光ドラムの表面からすべて離間する前記第1位置とは異なる第3位置と、に前記ブラシ部材を移動させる移動機構と
を有し、
前記感光ドラムの回転方向において、前記第1位置における前記ブラシ部材の位置は前記第2位置における前記ブラシ部材の位置より下流側にあり、かつ、前記第3位置における前記ブラシ部材の位置は前記第2位置における前記ブラシ部材の位置より上流側にあることを特徴とする画像形成装置である。

本発明によれば、回転部材に対し少なくとも一部が当接可能なブラシ部材を有する画像形成装置において、画像不良の発生を抑制することができる。
実施例1のブラシ部材の当接、離間動作説明図 実施例1の画像形成装置を示す図 実施例1のカートリッジ説明図 実施例1のブラシ部材説明図 実施例1のブラシ部材のクラーク-エバンス指数測定方法図 実施例1の当接圧測定方法の説明図 実施例2の感光ドラムユニットの説明図 実施例2の感光ドラムの当接離間動作説明図 実施例2の感光ドラムの離間動作説明図 発明が解決する課題の説明図 実施例3の画像形成装置を示す図 実施例3の感光ドラムの当接離間動作説明図
本発明を実施するための例示的な形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施例1)
実施例1においては、回転可能な回転部材として像担持体たる感光ドラム、清掃部材としてブラシ部材を用いている。以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更可能であり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
(画像形成装置の構成)
図2において、電子写真方式の画像形成装置100は、カートリッジBを装置本体Aに着脱自在とした電子写真技術を利用したレーザビームプリンタである。カートリッジBが装置本体Aに装着されたとき、カートリッジBの上側に露光装置1(レーザスキャナユニット)が配置される。
また、カートリッジBの下側に画像形成対象となる記録媒体(以下、記録材Pと記載する)を収容したシートトレイ2が配置されている。
さらに、装置本体Aには、記録材Pの搬送方向Dに沿って、ピックアップローラ3、搬送ローラ対4、転写ローラ5、定着装置6、排出ローラ対8、排出トレイ9等が順次配置されている。なお、定着装置6は、加熱ローラ7a及び加圧ローラ7bを有する。
(画像形成プロセス)
次に、画像形成プロセスの概略を図2、図3を用いて説明する。印刷スタート信号に基づいて、φ24の像担持体たる感光ドラム10は矢印R方向に所定の周速度(プロセススピード100mm/sec)をもって回転駆動される。バイアス電圧が印加され矢印R’方向に回転する帯電ローラ12は、感光ドラム10の外周面に接触し、感光ドラム10の外周面を均一に帯電する。なお、帯電ローラ12は感光ドラム10の回転に従動して感光ドラム10と同速度で回転するような構成でもよいし、帯電ローラ12を回転駆動する駆動手段を設けて感光ドラム10と異なる速度で回転するような構成でもよい。このときの印加バイアスは-1100Vの直流電圧であり、感光ドラム10上を-500Vに帯電する。露光装置1は、画像情報に応じたレーザ光Lを出力する。そのレーザ光LはカートリッジBの上面の露光窓部13を通り、感光ドラム10の外周面を走査露光する。これにより、感光ドラム10の外周面には画像情報に対応した静電潜像が形成される。
一方、図3のカートリッジ断面図に示すように、現像装置としての現像ユニット20において、トナー室21内のトナーTは正規極性が負極性である非磁性一成分現像剤からなり、搬送部材22の回転によって撹拌、搬送され、トナー供給室23に送り出される。その後、トナーTはスポンジ状からなるφ10の供給ローラ24によって担持搬送され、φ12の弾性体の導電性ゴムからなる現像ローラ25の表面に担持される。現像ローラ25は本体からの駆動ギアを介して対感光ドラム周速比140%で140mm/secで矢印R’’の方向に回転駆動されている。そして、トナーTを現像ブレード26によって負極性に摩擦帯電しつつ、現像ローラ25周面の層厚が規制される。現像ローラ25には現像バイアス(-350V)が印加され、トナーTは静電潜像に応じて感光ドラム10へ転移しトナー像として可視像化される。
また、図2に示すように、レーザ光Lの出力タイミングとあわせて、ピックアップローラ3、搬送ローラ対4によって、装置本体Aの下部に収納された記録材Pがシートトレイ2から給送される。そして、その記録材Pが、感光ドラム10と転写ローラ5との間の転写位置へ供給される。この転写位置において、トナー像は感光ドラム10から記録材Pに順次転写されていく。トナー像が転写された記録材Pは、感光ドラム10から分離されて定着装置6に搬送される。そして記録材Pは、定着装置6を構成する加熱ローラ7aと加圧ローラ7bとのニップ部を通過する。このニップ部で加圧・加熱定着処理が行われてトナー像は記録材Pに定着される。トナー像の定着処理を受けた記録材Pは、排出ローラ対8まで搬送され、排出トレイ9に排出される。
一方、転写後の感光ドラム10に残された転写残トナーは転写ローラ5に印加された転写バイアス(+1kV)の放電で正規極性とは逆の極性の正極性になったトナーや転写できなかった負極性の転写残トナーである。転写残トナーは、感光ドラム10の回転に伴い、ブラシ部材11の当接位置に送られる。ブラシ部材11には不図示の電源によりブラシ部材バイアス(-350V)が印加され、ブラシ部材11は正極性のトナーを内部に保持しつつ負極性のトナーは通過させ、帯電ローラ12当接位置に送る。ブラシ部材11に保持されなかった正極性トナーは、帯電ローラ12の当接位置近傍で、帯電ローラ12に印加された帯電バイアス(-1100V)による放電によって負極性のトナーTになる。そして、感光ドラム10の回転に伴い、現像ローラ25と感光ドラム10が対向する現像領
域Gに送られる。現像領域Gにおいては、感光ドラム10と現像ローラ25の電位差によって負極性のトナーTは感光ドラム10から現像ローラ25側に回収され再利用される。
(カートリッジBの構成)
次にカートリッジBの全体構成について図3を用いて説明する。カートリッジBは少なくとも感光ドラム10と帯電ローラ12からなる潜像を形成するための潜像ユニットB1と、トナーTや現像ローラ25、現像ブレード26等からなる潜像を現像するための現像ユニットB2と、を有する。カートリッジBは潜像ユニットB1と現像ユニットB2をそれぞれ装置本体A内に挿入し、位置決めすることで構成される。なお、潜像ユニットB1にはブラシ部材11が含まれていてもよい。
潜像ユニットB1と現像ユニットB2に備わる被駆動部材はそれぞれ装置本体Aの駆動手段から入力される駆動力によって回転駆動される。
(ブラシ部材11の構成)
図4(a)は、単体の状態のブラシ部材11をその長手方向(感光ドラム10の回転軸線方向と略平行)に沿って見た模式図である。また、図4(b)は、感光ドラム10に当接させた状態のブラシ部材11をその長手方向に沿って見た模式図である。
ブラシ部材11は平板状の固定ブラシでブラシ部が構成されている。板状固定ブラシは回転可能なブラシローラに比べ安価であり設置面積を少なくすることができ、カートリッジBを低コスト化、小型化することができるというメリットがある。
ブラシ部材11は、図4に示すように、感光ドラム10の表面を摺擦する複数の毛材である6ナイロン製のパイル糸11aと、パイル糸11aを支持する基布11bで構成される。なお、パイル糸11aの材料としては、ナイロンの他に、レーヨン、アクリル、ポリエステル等を用いてもよい。
図4(a)に示すように、ブラシ部材11が単体の状態、すなわち、パイル糸11aを屈曲させようとする力が外部からかかっていない状態で、基布11bから露出しているパイル糸11aの先端までの距離をL1とする。実施例1では、L1は5.75mmである。ブラシ部材11は、基布11bが、両面テープ等の固定手段によって、容器枠体の所定の位置に設置された支持部材(図示せず)に固定され、パイル糸11aの先端が感光ドラム10に対して侵入するようにして配置される。
図4(b)に示すように上記支持部材に固定されたブラシ部材11の基布11bから感光ドラム10までの最短距離をL2とする。図4(b)では感光ドラム10の表面と基布11bは略平行で示されているが、特に平行である必要はなく、ある角度をもって配設される場合がある。この場合においても基布11bから感光ドラム10までの最短距離をL2とする。
また、L2とL1との差分をブラシ部材11の感光ドラム10に対する侵入量と定義する。実施例1では、図4(a)に示すように、ブラシ部材11が単体の状態で、ブラシ部材11の感光ドラム10の周方向(以下、「短手方向」という。)の長さL3は4mmである。また、実施例1では、ブラシ部材11の長手方向の長さは216mmである。ブラシ部材11の長手方向の長さは、感光ドラム10の回転軸線方向に関して、感光ドラム10上の画像形成領域(トナー像が形成されうる領域)の長さ以上であり、これにより、ブラシ部材11は画像形成領域の全域に接触可能である。
実施例1におけるブラシ部材11の感光ドラム10の短手方向の長さL3は上記の例に
限定されるものではない。例えば、画像形成装置100やプロセスカートリッジの寿命に応じて適宜変更してもよい。また、実施例1におけるブラシ部材11の長手方向の長さは上記の例に限定されるものではない。例えば、画像形成装置100の最大通紙幅に応じて適宜変更してもよい。なお、ブラシ部材11の短手方向の長さは、長寿命対応の観点から3mm以上であることが好ましい。また、実施例1では、パイル糸11aの太さは2デニール、密度は240kF/inchである。ここで、kF/inchはブラシの密度の単位であり、1平方インチ当たりのフィラメントの数を示す。パイル糸11aの太さと密度は、トナーの通過性を考慮して適宜決定すればよい。具体的には、パイル糸11aの太さが太すぎると通過を阻害するため、スジ状に抜けやすくなり、また、パイル糸11aの密度が高すぎるとトナーを通過させず、ブラシ部材11でせき止められたトナーが飛散し機内汚れの要因となる。よって、パイル糸11aの太さ、密度は、トナーの通過性の観点からそれぞれ1~6デニール、150~350kF/inchであることが好ましい。
また、ブラシ部材11のブラシの粗密具合を表す数値として、クラーク-エバンス指数を用いる。これは、点iから最近隣点までの距離をdi、点の個数n、各点から最も近い点までの距離の平均値Wとすると、平均値Wは次の式1で表される。
Figure 0007631282000001
ここで、各分布への分類基準として、点が面積Sの平面上でランダムに分布している(一様ポアソン分布に従っている)場合を考えた場合に、そのときの平均最近隣距離Wの期待値E(W)は、次の式2で表される。
Figure 0007631282000002
期待値E(W)を用いて点の個数や密度の異なる場合を比較するために基準化したwをクラーク-エバンス指数と呼び、次の式3で表される。
Figure 0007631282000003
実際には図5(a)にあるように、ブラシ部材11をガラス面gに押し当て、ブラシ部材11を押し当てた反対側のガラス面から観察した時のブラシの先端位置を点で表すことで、図5(b)のようなある一定面積(1mm)中のブラシの分布を得ることになる。そのブラシの分布から、式1~式3を用いてクラーク-エバンス指数を計算で求めることに
なる。実施例1におけるブラシの分布のクラーク-エバンス指数wの条件としてはw≧1である。
(ブラシ部材11の当接圧)
このときのブラシ部材11の当接状態を制御するパラメータである最大当接圧を求める方法を説明する。図6(a)にあるように、島津小型卓上試験機EZTest用圧縮試験治具71(株式会社島津製作所製)を用いて、ブラシ部材11の感光ドラム10への侵入量に応じた垂直抗力を測定する。また、図6(b)にあるように移動方向Dに動く透明なガラスドラム72にブラシ部材11を圧接させて、ガラスドラム72側から観察することで短手方向の当接幅73を測定する。ここで平均圧を、

平均圧=垂直抗力/(当接幅×長手幅)(gf/mm) (式4)

とする。また、感光ドラム10に対するブラシ部材11の侵入量が最も大きい部分が最大当接圧になる部分である。最大侵入量と最小侵入量から得られる平均侵入量を、

平均侵入量=(最大侵入量+最小侵入量)/2 (式5)

として、感光ドラム10上のブラシ部材11の最大当接圧は、

最大当接圧=平均圧×最大侵入量/平均侵入量 (gf/mm) (式6)

とすることで式4、式5、式6の換算式から求める。この換算式で算出できるのはブラシ部材11の密度や太さが一様に作製されている場合である。ただし、ブラシ部材11の密度や太さが短手方向等で一様に作製されていない場合は、短手方向に対して単位長さに切断することで式4を用いて得られた平均圧が最大当接圧となる。最大当接圧は0.7~3.5gf/mmが好適である。
次に、実施例1におけるブラシ部材11の感光ドラム10に対する配置を図1を用いて説明する。ブラシ部材11は基布11bに接着されたベース部材11cで支持されている。ベース部材11cは、画像形成装置100の装置本体Aに設けられた移動機構110によって支持され、これにより移動機構110はブラシ部材11を感光ドラム10に対して相対的に移動可能である。ブラシ部材11と感光ドラム10とは、パイル糸11aの先端が感光ドラム10の表面から離間する第1位置及び第1位置とは異なる第3位置と、パイル糸11aの先端が感光ドラム10の表面に当接する第2位置と、に相対的に移動可能である。図1(a)は、感光ドラム10及びブラシ部材11の相対位置が第1位置である状態を示している。図1(b)は、感光ドラム10及びブラシ部材11の相対位置が第2位置である状態を示している。図1(c)は、感光ドラム10及びブラシ部材11の相対位置が第3位置である状態を示している。
移動機構110は、図1に示すように、感光ドラム10及びブラシ部材11の相対位置が、第1位置から第2位置へ、また、第2位置から第3位置へ移動するように、感光ドラム10及びブラシ部材11を相対的に移動させることが可能である。
(ブラシ部材11と感光ドラム10の当接)
静止時には、図1(a)に示されるように、ブラシ部材11と感光ドラム10は離間しており、ブラシ部材11は退避位置に位置している。画像形成時には、ベース部材11cは、移動機構110の有する押圧機構によって矢印N1(図1(b)参照)の方向に押圧される。これによってブラシ部材11は図1(a)の退避位置から、図1(b)の感光ドラム10に対する当接位置に移動し所定の当接圧(前述の最大当接圧=0.7~3.5g
f/mm)をもって感光ドラム10に当接する。
図1(b)に示すように、感光ドラム10及びブラシ部材11の第1位置から第2位置への相対的な移動において、ブラシ部材11の感光ドラム10への相対的な接近方向N1は、感光ドラム10の回転方向Rの下流側から上流側へ向かう方向である。
感光ドラム10の回転軸10dに垂直の仮想面において、感光ドラム10及びブラシ部材11の相対位置が第2位置にあるときのパイル糸11aの先端と感光ドラム10の表面との当接範囲内(11eで示す)の点Tとする。ここでは点Tは当接範囲11eの短手方向の中央部にある点とする。また、点Tにおける感光ドラム10表面の接線Sに平行の方向をX方向とする。このとき、接近方向N1のX方向成分N1xの向きは、感光ドラム10の点Tにおける回転方向Rと逆方向である。言い換えると、接近方向のベクトル(矢印N1で表す)と、感光ドラム10の点Tにおける回転方向のベクトル(矢印Rで表す)と、の内積は負値である。
実施例1においては、押圧機構によるブラシ部材11への押圧方向N1が、感光ドラム10の回転中心10dと当接位置におけるブラシ部材11の短手中心11dを結ぶ直線Pよりも感光ドラム10の回転方向Rで上流側に向いている。この押圧方向N1にブラシ部材11を押圧することで、パイル糸11aは感光ドラム10の回転方向Rに力を受けながら感光ドラム10表面に当接し始める。その状態でさらに同方向に押圧されながら所定の当節位置まで移動するため、結果としてパイル糸11aは感光ドラム10の回転方向Rに揃って倒れる。
感光ドラム10の回転軸10dに垂直の仮想面において、点Tを通り接近方向N1に平行な直線と、点Tを通り点Tにおける回転方向Rに平行な直線(接線S)と、のなす角θ1とする。θ1が小さくなるほどパイル糸11aはより感光ドラム10の回転方向に力を受けやすくなる。そのためパイル糸11aが感光ドラム10の回転方向Rに揃って倒れる効果が得られやすい。逆に、θ1が大きくなるほどパイル糸11aの向きはランダムになりやすくなるため、パイル糸11aが感光ドラム10の回転方向Rに揃って倒れる効果は小さくなる。発明者らの検討によれば、0°≦θ1≦60°の範囲が好適である。
また、ブラシ部材11の当接動作開始タイミングと感光ドラム10の回転動作開始タイミングとの時間的関係に関しては、感光ドラム10の回転が開始された後にブラシ部材11の当接が行われることによって、上記の効果がより得られやすくなる。
(ブラシ部材11と感光ドラム10の離間)
画像形成が終了するとブラシ部材11の感光ドラム10からの離間動作が開始される。離間を行って当接圧を下げることでパイル糸11aのクリープ変形を抑制できる。また、当接時にパイル糸11aに付着していたトナーや他の異物が押圧解除によってパイル糸11aの同じ場所に留まらなくなることからパイル糸11aにトナーや異物が固着することを抑制することができる。
また、押圧解除時にブラシ部材11が押圧時(第1位置から第2位置への移動時)と同じ軌跡で押圧方向N1と逆方向に動くとパイル糸11aは感光ドラム10の回転方向と逆向きの力を受けながら押圧解除されることになる。この場合、パイル糸11aの倒れる向きに乱れが生じ、パイル糸11aの先端部の密度に粗密が生じる可能性がある。そこで、実施例1では、ブラシ部材11の押圧解除時に図1(c)に示されるように、第2位置から、第1位置とは異なる第3位置に向けて移動する。
図1(c)に示すように、感光ドラム10及びブラシ部材11の第2位置から第3位置
への相対的な移動において、ブラシ部材11の感光ドラム10からの相対的な離脱方向N2は、感光ドラム10の回転方向Rの下流側から上流側へ向かう方向である。言い換えると、離脱方向N2のX方向成分N2xの向きは、感光ドラム10の回転方向Rと逆方向である。さらに言い換えると、離脱方向のベクトル(矢印N2で表す)と、感光ドラム10の回転方向のベクトル(矢印Rで表す)と、の内積は負値である。
点Tを通り離脱方向N2に平行な直線と、点Tを通り点Tにおける回転方向Rに平行な直線と、のなす角θ2とする。θ2は、直角又は鈍角であり、好ましくは90°≦θ2≦180°である。言い換えると、実施例1においては離間動作においてもブラシ部材11に対して当接時の押圧方向N1と同じ方向に離間動作を行っている。こうすることで、パイル糸11aは押圧解除動作中も感光ドラム10の回転方向Rと同方向に力を受け続けるため、パイル糸11aの方向は揃ったまま維持される。押圧解除動作が終了した後ブラシ部材11は退避位置(第1位置)に戻り、次の画像形成動作を待つ。
押圧解除時に、ブラシ部材11と感光ドラム10は互いに当接箇所が存在しないような態様で離間しているとパイル糸11aの方向が揃ったまま維持される効果がより有効に得られる。なお、ブラシ部材11と感光ドラム10とが一部でも離間していれば上記効果はある。
図1に示すように、実施例1では、感光ドラム10の回転方向Rにおいて、第1位置におけるブラシ部材11の位置(図1(a))は第2位置におけるブラシ部材11の位置(図1(b))より下流側にある。また、第3位置におけるブラシ部材11の位置(図1(c))は第2位置におけるブラシ部材11の位置(図1(b))より上流側にある。
実施例1では、移動機構110はブラシ部材11を感光ドラム10に対して移動させることにより、感光ドラム10及びブラシ部材11を相対的に移動させる例を示すが、これに限られない。移動機構110は、感光ドラム10をブラシ部材11に対して移動させる構成でもよいし、感光ドラム10及びブラシ部材11の両方を移動させる構成でもよい。
移動機構110は、感光ドラム10及びブラシ部材11の相対位置を第3位置から第1位置へ移動させることが可能に構成されてもよい。これにより、いったん感光ドラム10とブラシ部材11とを第2位置から第3位置へ移動させて離間させた後、再度、感光ドラム10とブラシ部材11とを当接させる場合に、第1位置に戻してから第2位置に移動させることができる。そのため、ブラシ部材11を感光ドラム10に当接させる場合には常に、ブラシ部材11を感光ドラム10に接近方向N1で近づけながら当接させることができる。これにより、パイル糸11aをより確実に一様に一定の向きに傾いた状態で感光ドラム10に当接させることができ、当接位置におけるパイル糸11aの密度に粗密が生じることを抑制できる。これにより、当接位置より感光ドラム10の回転方向で下流側における画像不良の発生をより確実に抑制することができる。
(実施例2)
実施例2では、ブラシ部材11と感光ドラム10の当接離間に関して、ブラシ部材11は固定されて動かず、現像ユニット20の押圧によって感光ドラム10が動いてブラシ部材11との当接離間を行うことが特徴である。装置本体A、カートリッジBの基本構成、ブラシ部材11の構成で実施例1と同様であるものについては同じ符号及び名称を用いて詳細な説明は省略する。実施例2では主に当接離間に関する構成について説明する。
(感光ドラムの構成)
感光ドラム10の支持構成に関して説明する。図7に示すように、感光ドラム10は、感光層が塗布されたシリンダ10aと、シリンダ10aの長手方向一端側と他端側とに設
けられたシリンダ10aを支持するための軸部10bを有する。
シリンダ10aの両端にはシリンダ10aの外径よりも径の小さい円柱形状をした軸部10bが突出している。そして、感光ドラム10の軸部10bは、支持部材としての軸受部材(不図示)に設けられた穴部(不図示)の内面に対して摺動可能に支持される。軸受部材は潜像ユニットB1を構成する枠体に設けられる。
実施例2におけるブラシ部材11の感光ドラム10に対する配置を説明する。
以下は、感光ドラム10が画像形成時に位置しているときの回転中心を原点Oとし、この原点Oに対して、ブラシ部材11の短手中心11dが12時の位置にあるものとして説明を行う。また、原点Oに対しブラシ部材11と同じ側の領域を第1象限、第2象限とし、反対側を第3象限、第4象限とする。また、第1象限から第4象限へ向かう方向、第4象限から第3象限に向かう方向、第3象限から第2象限へ向かう方向、第2象限から第1象限に向かう方向が、感光ドラム10の回転方向Rと同方向であるとする。実施例2では、ブラシ部材11は画像形成装置100の装置本体Aに固定され、感光ドラム10がブラシ部材11に対し相対的に移動可能に構成される。実施例2では、感光ドラム10の表面に対して現像ローラ25を当接させ押圧させることで、感光ドラム10がブラシ部材11に対して移動するよう構成された移動機構110を有する。感光ドラム10の表面に対して現像ローラ25を当接離間させ、感光ドラム10に向けて押圧するための移動機構110の具体的構成は、ギアや弾性部材等を用いた公知の駆動伝達機構や付勢機構を適宜用いることができるため、ここでは詳細な説明は省略する。
ブラシ部材11と感光ドラム10とは、パイル糸11aの先端が感光ドラム10の表面から離間する第1位置及び第1位置とは異なる第3位置と、パイル糸11aの先端が感光ドラム10の表面に当接する第2位置と、に相対的に移動可能である。図8(a)、図8(b)は、感光ドラム10及びブラシ部材11の相対位置が第1位置である状態を示している。図8(c)は、感光ドラム10及びブラシ部材11の相対位置が第2位置である状態を示している。図8(d)は、感光ドラム10及びブラシ部材11の相対位置が第3位置である状態を示している。
(感光ドラム10とブラシ部材11の当接)
静止時には、図8(a)に示されるように、ブラシ部材11と感光ドラム10との相対位置は、ブラシ部材11のパイル糸11aの先端が感光ドラム10の表面から離間する第1位置(退避位置)にある。このとき、感光ドラム10と、第4象限に位置する現像ローラ25とは、離間している。
画像形成時には、図8(b)に示されるように、移動機構110により、まず現像ローラ25が矢印M1方向に押圧され感光ドラム10に対して当接する。感光ドラム10はこの押圧力によって第1方向M1(押圧方向)に移動し、これによって感光ドラム10の軸部10bは第2象限に位置する第1突き当て面30に接触する。感光ドラム10の回転軸Oに垂直の仮想面において、第1方向M1は第4象限から第2象限へ向かう方向であり、第2象限において感光ドラム10の軸部10bと接触する第1突き当て面30と第1方向M1とのなす角度θは90度以上である。言い換えると、第1方向M1の、第1突き当て面30と平行な方向の成分M1aは、ブラシ部材11に向かう方向、すなわち、原点Oに対して離れる向きである。この接触によって、現像ローラ25を介して移動機構110により第1方向M1の向きに押圧される感光ドラム10の移動方向は、図8(c)に示されるように、第1方向M1とは平行ではない第2方向(矢印M2方向)に変わる。第2方向M2は、第1方向M1の、第1突き当て面30と平行な方向の成分M1aに平行な方向である。
さらに現像ローラ25を介して移動機構110により第1方向M1の向きに感光ドラム10が押圧されると、感光ドラム10は第2方向M2にさらに移動し、感光ドラム10の表面はブラシ部材11と当接する。このとき、感光ドラム10とブラシ部材11との相対位置は、パイル糸11aの先端が感光ドラム10の表面に当接する第2位置(当接位置)にある。図8(c)に示すように、第1位置から第2位置への相対的な移動において、ブラシ部材11の感光ドラム10への相対的な接近方向M20は、感光ドラム10がブラシ部材11に接近する第2方向M2と逆向きである。そして、この接近方向M20は、感光ドラム10の回転方向Rの下流側から上流側へ向かう方向である。ここで、感光ドラム10の回転軸Oに垂直の仮想面において、感光ドラム10及びブラシ部材11の相対位置が第2位置にあるときのパイル糸11aの先端と感光ドラム10の表面との当接範囲内の点Iとする。ここでは点Iは当接範囲の短手方向の中央部にある点とする。また、点Iにおける感光ドラム10表面の接線Hに平行の方向を接線方向という。このとき、接近方向M20の接線方向成分M20aの向きは、感光ドラム10の点Iにおける回転方向Rと逆方向である。言い換えると、接近方向M20のベクトルと、感光ドラム10の点Iにおける回転方向Rのベクトルと、の内積は負値である。
当接時の感光ドラム10の移動方向M2は感光ドラム10の原点Oとブラシ部材11の短手中心11dを結ぶ直線Lに対して感光ドラム10の回転方向Rの下流側を向いている。これによって、パイル糸11aの向きは感光ドラム10の回転方向Rに揃う。感光ドラム10がブラシ部材11に当接した後、感光ドラム10の軸部10bは第1象限に位置する第2の突き当て面31に接触して当接動作が終了する。このように感光ドラム10とブラシ部材11との相対位置が第1位置(退避位置)から第2位置(当接位置)へ移動する際に、常にブラシ部材11の感光ドラム10への相対的な接近方向M20が回転方向Rの下流側から上流側へ向かっている。これにより、パイル糸11aの倒れ方向が一様に同じ方向になるため、パイル糸11aの密度に粗密が生じることを抑制できる。
図9(a)は、感光ドラム10とブラシ部材11とが第2位置(当接位置)にある状態を示す。図9(a)に示すように、感光ドラム10の回転軸Oに垂直の仮想面において、点Iを通り接近方向M20に平行な直線と、点Iを通り点Iにおける回転方向Rに平行な直線(接線H)と、のなす角θ3とする。θ3が小さくなるほどパイル糸11aはより感光ドラム10の回転方向に力を受けやすくなる。そのためパイル糸11aが感光ドラム10の回転方向Rに揃って倒れる効果を得られやすい。逆に、θが大きくなるほどパイル糸11aの向きはランダムになりやすくなるため、パイル糸11aが感光ドラム10の回転方向Rに揃って倒れる効果は小さくなる。発明者らの検討によれば、0°≦θ3≦60°の範囲が好適である。
(感光ドラム10とブラシ部材11の離間)
画像形成が終了すると、図9(b)に示すように、ブラシ部材11の感光ドラム10からの離間動作が開始される。このとき、感光ドラム10が第1位置(離間位置)から第2位置(当接位置)へ移動する際の経路と同じ経路を逆向きに移動すると、パイル糸11aは感光ドラム10の回転方向Rと逆向きの力を受けながら押圧解除されることになる。この場合、パイル糸11aの向きを乱す可能性がある。そこで、実施例2では、ブラシ部材11の押圧解除時に、第2位置から、第1位置から第2位置へ向かう経路とは異なる経路で、第3位置(第1位置とは異なる離間位置)に向けて移動する。図9(b)に示すように、感光ドラム10及びブラシ部材11の第2位置から第3位置への相対的な移動において、移動機構110は、感光ドラム10が第3方向M3でブラシ部材11から離脱するように、感光ドラム10を移動させる。図9(a)に示す第2位置から図9(b)に示す第3位置への相対的な移動において、ブラシ部材11の感光ドラム10からの相対的な離脱方向M30は、感光ドラム10がブラシ部材11から離脱する第3方向M3と逆向きであ
る。そして、この離脱方向M30は、感光ドラム10の回転方向Rの下流側から上流側へ向かう方向である。言い換えると、離脱方向M30の接線方向成分M30aの向きは、感光ドラム10の点Iにおける回転方向Rと逆方向である。言い換えると、離脱方向M30のベクトルと、感光ドラム10の点Iにおける回転方向Rのベクトルと、の内積は負値である。
図9(a)の第2位置(当接位置)において点Iにおいて感光ドラム10に当接していた、点Iに対応するブラシ部材11の位置を点Uとする。図9(b)に示すように、感光ドラム10の回転軸Oに垂直の仮想面において、点Uを通り離脱方向M30に平行な直線と、点Uを通り接線Hと平行な直線と、のなす角θ4とすると、90°≦θ4≦180°の範囲が好ましい。こうすることで、パイル糸11aは押圧解除動作中も感光ドラム10の回転方向Rと同方向に力を受け続けるため、パイル糸11aの方向は揃ったまま維持される。
なお、実施例2では、図8(a)の第1位置から図8(c)の第2位置へ移動する際には、図8(b)に示すように、感光ドラム10が第1突き当て面30に付き当たる経路で感光ドラム10が移動した。これに対し、図8(c)の第2位置から図8(d)の第3位置への離間動作では、感光ドラム10が第1突き当て面30に付き当たらない経路で感光ドラム10はブラシ部材11から離脱する。具体的には、 画像形成が終了すると、移動機構110は、現像ローラ25が感光ドラム10から離間するように動作する。この離間動作によって、感光ドラム10への押圧がなくなるため、感光ドラム10は自重でブラシ部材11から離脱する。この場合、θ4=90°である。この構成を採用することで、図9に示した離間動作を実現するために必要な移動機構110の構成と比較して移動機構110の構成を簡単化できる。この構成では、図8(d)の第3位置と図8(a)の第1位置とは同一の位置とすることもできる。この場合、感光ドラム10とブラシ部材11との相対位置が第1位置から第2位置へ移動する際の経路と、第2位置から第3位置(=第1位置)へ移動する際の経路とが異なるように、移動機構110は相対移動を行わせる。具体的には、上記のように、ブラシ部材11が感光ドラム10に相対的に接近する際の接近方向M20が感光ドラム10の回転方向Rの上流側に向かう。そして、ブラシ部材11が感光ドラム10から相対的に離脱する際の離脱方向M30が少なくとも感光ドラム10の回転方向Rの下流側には向かないようにする。こうすることで、パイル糸11aは押圧解除動作中に感光ドラム10の回転方向Rと同方向に力を受け続けないものの、回転方向Rと逆方向にも力を受けないため、パイル糸11aに乱れが生じることを抑制できる。したがってパイル糸11aの密度に粗密が生じることを抑制できる。
押圧解除動作が終了した後、感光ドラム10は退避位置に戻り、次の画像形成動作を待つ。以降は同じ動作を繰り返す。
(実施例3)
実施例1、2においては、回転可能な回転部材及び当該回転部材に対して相対的に移動可能なブラシ部材として感光ドラム10及びブラシ部材11を例にとって当接離間方法に関して説明したが、回転可能な回転部材は感光ドラム10に限らない。回転可能な回転部材としては、電子写真方式の他の回転部材(転写ローラ、帯電ローラ(帯電部材))にも同様に本発明を適用して上記の効果を得ることが可能である。また、本発明は、移動可能な移動部材及び当該移動部材に対して相対的に移動可能なブラシ部材の当接離間方法にも適用して上記の実施例1、2と同様の効果を得ることができる。そのような移動部材としては、感光ベルトや転写ベルト(転写部材)を例示できる。以下、転写ベルトとブラシ部材との当接離間方法に本発明を適用した実施例を説明する。
図11は、感光ドラムから転写ベルトへトナー像を一次転写した後、転写ベルトから記
録材へトナー像を二次転写する構成の画像形成装置に本発明を適用した実施例を示す。図11において、実施例1と同等の構成要素には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。図11に示す画像形成装置200は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)によるトナー像を転写ベルト15上に転写する4個の画像形成部を有する。図11では、各画像形成部を色を表す符号Y、M、C、Kによって区別している。例えばイエローのトナー像の形成及び転写を行う画像形成部は、感光ドラム10Y、帯電ローラ12Y、現像ローラ25Y、転写ローラ5Yを有する。感光ドラム10Yの表面にはイエローの画像に応じた静電潜像が形成され、現像ローラ25Yを含む現像装置によってイエローのトナー像が感光ドラム10Y上(像担持体上)に現像される。画像形成装置200は、複数のローラに掛け回され、回転可能に支持される無端状ベルトである転写ベルト15を有する。転写ベルト15は矢印R方向に移動する。感光ドラム10Y上に形成されたイエローのトナー像は、転写ローラ5Yと感光ドラム10Yとの間に形成される一次転写部において転写ベルト15に一次転写される。転写ベルト15には、同様にマゼンタのトナー像、シアンのトナー像、ブラックのトナー像が順次一次転写され、フルカラーのトナー像が形成される。転写ベルト15上に形成されたフルカラーのトナー像は二次転写ローラ50,51で構成される二次転写部において記録材Pに二次転写される。二次転写後の工程は実施例1と同様である。二次転写後に転写ベルト15上に残存する転写残トナーは、転写ベルト15に当接可能なブラシ部材11によってクリーニングされる。ブラシ部材11の構成は実施例1と同様である。
画像形成装置200は、ブラシ部材11と移動部材である転写ベルト15とを相対的に移動させる移動機構110を有する。図11では、ブラシ部材11と転写ベルト15の相対位置が、転写ベルト15の表面にブラシ部材11の繊維糸の先端が当接する第2位置にある状態を示している。この他に、転写ベルト15及びブラシ部材11の相対位置は、ブラシ部材11の繊維糸の先端が転写ベルト15の表面から離間する第1位置と、ブラシ部材11の繊維糸の先端が転写ベルト15の表面から離間する第1位置とは異なる第3位置と、をとり得る。図12(a)は、転写ベルト15及びブラシ部材11の相対位置が第1位置である状態を示している。図12(b)は、転写ベルト15及びブラシ部材11の相対位置が第2位置である状態を示している。図12(c)は、転写ベルト15及びブラシ部材11の相対位置が第3位置である状態を示している。
移動機構110は、図12に示すように、転写ベルト15及びブラシ部材11の相対位置が、第1位置から第2位置へ、また、第2位置から第3位置へ移動するように、転写ベルト15及びブラシ部材11を相対的に移動させることが可能である。
図12(b)に示すように、転写ベルト15及びブラシ部材11の第1位置から第2位置への相対的な移動において、ブラシ部材11の転写ベルト15への接近方向N1は、転写ベルト15の移動方向Rの下流側から上流側へ向かう方向である。つまり転写ベルト15の表面に平行かつ転写ベルト15を移動可能に支持する二次転写ローラ5、51等(図11参照)の回転軸方向に垂直な方向をX方向とした場合に、接近方向N1のX方向成分N1xの向きは、転写ベルト15の移動方向Rと逆方向である。さらに言い換えると、接近方向のベクトル(矢印N1で表す)と、転写ベルト15の移動方向のベクトル(矢印Rで表す)と、の内積は負値である。転写ベルト15とブラシ部材11との相対位置が第2位置であるときのパイル糸11aの先端と転写ベルト15の表面との当接範囲11e内の点11fを通り接近方向N1に平行な直線と、点11fを通り移動方向Rに平行な直線と、のなす角θ1とする。θ1は鋭角であり、好ましくは0°≦θ1≦60°である。
図12(c)に示すように、転写ベルト15及びブラシ部材11の第2位置から第3位置への相対的な移動において、ブラシ部材11の転写ベルト15からの離脱方向N2は、転写ベルト15の移動方向Rの下流側から上流側へ向かう方向である。言い換えると、離
脱方向N2のX方向成分N2xの向きは、転写ベルト15の移動方向Rと逆方向である。さらに言い換えると、離脱方向のベクトル(矢印N2で表す)と、転写ベルト15の移動方向のベクトル(矢印Rで表す)と、の内積は負値である。さらに言い換えると、点11fを通り離脱方向N2に平行な直線と、点11fを通り移動方向Rに平行な直線と、のなす角θ2は、直角又は鈍角であり、好ましくは90°≦θ2≦180°である。
実施例3では、移動機構110はブラシ部材11を転写ベルト15に対して移動させることにより、転写ベルト15及びブラシ部材11を相対的に移動させる例を示すが、これに限られない。移動機構110は、転写ベルト15をブラシ部材11に対して移動させる構成でもよいし、転写ベルト15及びブラシ部材11の両方を移動させる構成でもよい。
また、転写ベルト15及びブラシ部材11の相対位置を第3位置から第1位置へ移動させることが可能に構成されてもよい。これにより、いったん転写ベルト15とブラシ部材11とを第2位置から第3位置へ移動させて離間させた後、再度、転写ベルト15とブラシ部材11とを当接させる場合に、第1位置に戻してから第2位置に移動させることができる。そのため、ブラシ部材11を転写ベルト15に当接させる場合には常に、ブラシ部材11を転写ベルト15に接近方向N1で近づけながら当接させることができる。これにより、パイル糸11aをより確実に一様に一定の向きに傾いた状態で転写ベルト15に当接させることができ、当接位置におけるパイル糸11aの密度に粗密が生じることを抑制できる。これにより、当接位置より転写ベルト15の移動方向で下流側における画像不良の発生をより確実に抑制することができる。
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
回転可能な回転部材と、
繊維糸を有する平板状のブラシ部材と、
を有し、
前記回転部材と前記ブラシ部材とは、前記繊維糸の先端が前記回転部材の表面から離間する第1位置と、前記繊維糸の先端が前記回転部材の表面に当接する第2位置と、に相対的に移動可能であり、
前記第1位置から前記第2位置への相対的な移動において、前記ブラシ部材の前記回転部材への相対的な接近方向は、前記回転部材の回転方向の下流側から上流側へ向かう方向であることを特徴とする画像形成装置。
(構成2)
前記回転部材の回転軸に垂直の仮想面において、
前記回転部材及び前記ブラシ部材の相対位置が前記第2位置にあるときの前記繊維糸の先端と前記回転部材の表面との当接範囲内の点を通り前記接近方向に平行な直線と、前記点を通り前記点における前記回転方向に平行な直線と、のなす角θ1は、
0°≦θ1≦60°
を満たす構成1に記載の画像形成装置。
(構成3)
回転可能な回転部材と、
繊維糸を有する平板状のブラシ部材と、
を有し、
前記回転部材と前記ブラシ部材とは、前記繊維糸の先端が前記回転部材の表面に当接する第2位置と、前記繊維糸の先端が前記回転部材の表面から離間する第3位置と、に相対的に移動可能であり、
前記第2位置から前記第3位置への相対的な移動において、前記ブラシ部材の前記回転部材からの相対的な離脱方向は、前記回転部材の回転方向の下流側から上流側へ向かう方向であることを特徴とする画像形成装置。
(構成4)
前記回転部材の回転軸に垂直の仮想面において、
前記回転部材及び前記ブラシ部材の相対位置が前記第2位置にあるときの前記繊維糸の先端と前記回転部材の表面との当接範囲内の点を通り前記離脱方向に平行な直線と、前記点を通り前記点における前記回転方向に平行な直線と、のなす角θ2は、
90°≦θ2≦180°
を満たす構成3に記載の画像形成装置。
(構成5)
回転可能な回転部材と、
繊維糸を有する平板状のブラシ部材と、
を有し、
前記回転部材と前記ブラシ部材とは、前記繊維糸の先端が前記回転部材の表面から離間する第1位置と、前記繊維糸の先端が前記回転部材の表面に当接する第2位置と、前記繊維糸の先端が前記回転部材の表面から離間する前記第1位置とは異なる第3位置と、に相対的に移動可能であり、
前記回転部材の回転方向において、前記第1位置における前記ブラシ部材の位置は前記第2位置における前記ブラシ部材の位置より下流側にあり、かつ、前記第3位置における前記ブラシ部材の位置は前記第2位置における前記ブラシ部材の位置より上流側にあることを特徴とする画像形成装置。
(構成6)
回転可能な回転部材と、
繊維糸を有する平板状のブラシ部材と、
を有し、
前記回転部材と前記ブラシ部材とは、前記繊維糸の先端が前記回転部材の表面から離間する第1位置と、前記繊維糸の先端が前記回転部材の表面に当接する第2位置と、前記繊維糸の先端が前記回転部材の表面から離間する前記第1位置とは異なる第3位置と、に相対的に移動可能であり、
前記第1位置から前記第2位置への相対的な移動における前記ブラシ部材の前記回転部材への相対的な接近方向と、前記第2位置から前記第3位置への相対的な移動における前記ブラシ部材の前記回転部材からの相対的な離脱方向とは、ともに前記回転部材の回転方向の下流側から上流側へ向かう方向であることを特徴とする画像形成装置。
(構成7)
前記回転部材は、静電潜像が形成される像担持体である構成1~6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成8)
前記回転部材は、静電潜像が形成される像担持体を帯電する帯電部材であることを特徴とする構成1~7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成9)
移動可能な移動部材と、
繊維糸を有する平板状のブラシ部材と、
を有し、
前記移動部材と前記ブラシ部材とは、前記繊維糸の先端が前記移動部材の表面から離間する第1位置と、前記繊維糸の先端が前記移動部材の表面に当接する第2位置と、に相対的に移動可能であり、
前記第1位置から前記第2位置への相対的な移動において、前記ブラシ部材の前記移動部材への相対的な接近方向は、前記移動部材の移動方向の下流側から上流側へ向かう方向であることを特徴とする画像形成装置。
(構成10)
移動可能な移動部材と、
繊維糸を有する平板状のブラシ部材と、
を有し、
前記移動部材と前記ブラシ部材とは、前記繊維糸の先端が前記移動部材の表面から離間する第1位置と、前記繊維糸の先端が前記移動部材の表面に当接する第2位置と、前記繊維糸の先端が前記移動部材の表面から離間する前記第1位置とは異なる第3位置と、に相対的に移動可能であり、
前記移動部材の移動方向において、前記第1位置における前記ブラシ部材の位置は前記第2位置における前記ブラシ部材の位置より下流側にあり、かつ、前記第3位置における前記ブラシ部材の位置は前記第2位置における前記ブラシ部材の位置より上流側にあることを特徴とする画像形成装置。
(構成11)
移動可能な移動部材と、
繊維糸を有する平板状のブラシ部材と、
を有し、
前記移動部材と前記ブラシ部材とは、前記繊維糸の先端が前記移動部材の表面から離間する第1位置と、前記繊維糸の先端が前記移動部材の表面に当接する第2位置と、前記繊維糸の先端が前記移動部材の表面から離間する前記第1位置とは異なる第3位置と、に相対的に移動可能であり、
前記第1位置から前記第2位置への相対的な移動における前記ブラシ部材の前記移動部材への相対的な接近方向と、前記第2位置から前記第3位置への相対的な移動における前記ブラシ部材の前記移動部材からの相対的な離脱方向とは、ともに前記移動部材の移動方向の下流側から上流側へ向かう方向であることを特徴とする画像形成装置。
(構成12)
前記移動部材は、静電潜像が形成される像担持体上の現像剤が転写される転写部材であることを特徴とする構成9~11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
10:感光ドラム、11:ブラシ部材、11a:パイル糸、100:画像形成装置

Claims (6)

  1. 回転可能な感光ドラムと、
    支持部材と、前記感光ドラムの表面に接触する繊維糸と、を有し、前記繊維糸を前記支持部材に支持する回転不能なブラシ部材と
    前記支持部材を支持し、前記繊維糸が前記感光ドラムの表面から離間する第1位置と、前記繊維糸が前記感光ドラムの表面に当接する第2位置と、前記繊維糸が前記感光ドラムの表面からすべて離間する前記第1位置とは異なる第3位置と、前記ブラシ部材を移動させる移動機構と
    を有し、
    前記第1位置から前記第2位置に前記ブラシ部材が移動する場合において、前記ブラシ部材の前記感光ドラムの接近方向は、前記感光ドラムの回転方向の下流側から上流側へ向かう方向であり、前記第2位置から前記第3位置に前記ブラシ部材が移動する場合において、前記ブラシ部材の前記感光ドラムからの離脱方向は、前記感光ドラムの回転方向の下流側から上流側へ向かう方向であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記感光ドラムの回転軸に垂直の仮想面において、
    記ブラシ部材が前記第2位置にあるときの前記繊維糸と前記感光ドラムの表面との当接範囲内の点を通り前記接近方向に平行な直線と、前記点を通り前記点における前記回転方向に平行な直線と、のなす角θ1は、
    0°≦θ1≦60°
    を満たす請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記感光ドラムの回転軸に垂直の仮想面において、
    記ブラシ部材が前記第2位置にあるときの前記繊維糸と前記感光ドラムの表面との当接範囲内の点を通り前記離脱方向に平行な直線と、前記点を通り前記点における前記回転方向に平行な直線と、のなす角θ2は、
    90°≦θ2≦180°
    を満たす請求項に記載の画像形成装置。
  4. 回転可能な感光ドラムと、
    支持部材と、前記感光ドラムの表面に接触する繊維糸と、を有し、前記繊維糸を前記支持部材に支持する回転不能なブラシ部材と
    前記支持部材を支持し、前記繊維糸が前記感光ドラムの表面から離間する第1位置と、前記繊維糸が前記感光ドラムの表面に当接する第2位置と、前記繊維糸が前記感光ドラムの表面からすべて離間する前記第1位置とは異なる第3位置と、に前記ブラシ部材を移動させる移動機構と
    を有し、
    前記感光ドラムの回転方向において、前記第1位置における前記ブラシ部材の位置は前記第2位置における前記ブラシ部材の位置より下流側にあり、かつ、前記第3位置における前記ブラシ部材の位置は前記第2位置における前記ブラシ部材の位置より上流側にあることを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記感光ドラムの回転軸に垂直の仮想面において、
    前記ブラシ部材が前記第2位置にあるときの前記繊維糸と前記感光ドラムの表面との当接範囲内の点を通り前記第1位置から前記第2位置に前記ブラシ部材が移動する場合における前記ブラシ部材の前記感光ドラムへの接近方向に平行な直線と、前記点を通り前記点における前記回転方向に平行な直線と、のなす角θ1は、
    0°≦θ1≦60°
    を満たす請求項4に記載の画像形成装置
  6. 前記感光ドラムの回転軸に垂直の仮想面において、
    前記ブラシ部材が前記第2位置にあるときの前記繊維糸と前記感光ドラムの表面との当接範囲内の点を通り前記第2位置から前記第3位置に前記ブラシ部材が移動する場合における前記ブラシ部材の前記感光ドラムからの離脱方向に平行な直線と、前記点を通り前記点における前記回転方向に平行な直線と、のなす角θ2は、
    90°≦θ2≦180°
    を満たす請求項4に記載の画像形成装置
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