JP7631797B2 - 硬化性樹脂、硬化性樹脂組成物、及び、硬化物 - Google Patents
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Description
本発明は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする硬化性樹脂に関する。
また、前記架橋基であるXは、極性基でもあるが、置換基である前記Ra、及び、Rbが隣接(特に前記Ra)することにより、立体障害となり、Xの分子運動性が抑制され、得られる硬化物の誘電正接が低くなり、好ましい態様となる。また、前記硬化性樹脂の中央に配置される架橋基(X)もまた、隣接する置換基であるRdやこれを含む構造により、Xの分子運動性が抑制され、得られる硬化物の誘電正接が低くなり、好ましい態様となる。
前記硬化性樹脂の製造方法として、まずは、前記硬化性樹脂の原料(前駆体)である中間体フェノール化合物の製造方法を以下に説明する。
前記硬化性樹脂の製造方法(中間体フェノール化合物へのビニルベンジルエーテル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、又は、アリルエーテル基の導入)について、以下に説明する。
本発明は、前記硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物に関する。前記硬化性樹脂は耐熱性、及び、低誘電特性に寄与することができるため、前記硬化性樹脂を含む硬化性樹脂組成物を用いて得られる硬化物は、耐熱性、及び、低誘電特性に優れ、好ましい態様となる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、前記硬化性樹脂に加えて、その他樹脂、硬化剤、硬化促進剤等を、本発明の目的を損なわない範囲で特に限定なく使用できる。前記硬化性樹脂は、後述するが、硬化剤を配合することなく、加熱等により硬化物を得ることができるが、例えば、その他樹脂等を併せて配合する際には、硬化剤や硬化促進剤などを配合して、使用することができる。
なお、本発明の硬化性樹脂組成物には、前記硬化性樹脂を含むが、前記硬化性樹脂の中で、Xがアリルエーテル基の場合、Xがビニルベンジルエーテル基や(メタ)アクリロイルオキシ基の場合と異なり、単独重合(架橋)することができない(単独では硬化物を得ることができない)ため、前記Xがアリルエーテル基の場合は、硬化剤や硬化促進剤などを使用することが必要となる。
前記その他樹脂としては、例えば、アルケニル基含有化合物、例えば、ビスマレイミド類、アリルエーテル系化合物、アリルアミン系化合物、トリアリルシアヌレート、アルケニルフェノール系化合物、ビニル基含有ポリオレフィン化合物等を添加することもできる。また、その他の熱硬化性樹脂、例えば、熱硬化性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、活性エステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シアネート樹脂等も目的に応じて適宜配合することも可能である。
前記硬化剤としては、例えば、アミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、フェノ-ル系化合物、シアネートエステル化合物などが挙げられる。これらの硬化剤は、単独でも2種類以上の併用でも構わない。
前記硬化促進剤としては、種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール類、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。特に半導体封止材料用途として使用する場合には、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、トリフェニルフォスフィン等のリン系化合物、又は、イミダゾール類が好ましい。これらの硬化促進剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、難燃性を発揮させるために、難燃剤を配合することができ、中でも、実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤を配合することが好ましい。前記非ハロゲン系難燃剤として、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、これらの難燃剤は、単独でも2種類以上の併用でも構わない。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、無機質充填剤を配合することができる。前記無機質充填剤として、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられる。前記無機充填剤の配合量を特に大きくする場合は溶融シリカを用いることが好ましい。前記溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め、かつ、成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。また、前記硬化性樹脂組成物を以下に詳述する導電ペーストなどの用途に使用する場合は、銀粉や銅粉等の導電性充填剤を用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、シランカップリング剤、離型剤、顔料、乳化剤等の種々の配合剤を添加することができる。
本発明は、前記硬化性樹脂組成物を硬化反応させて得られることを特徴とする硬化物に関する。前記硬化性樹脂組成物は、前記硬化性樹脂単独、もしくは、前記硬化性樹脂に加えて、上述した硬化剤などの各成分を均一に混合することにより得られ、従来知られている方法と同様の方法で容易に硬化物とすることができる。前記硬化物としては、積層物、注型物、接着層、塗膜、フィルム等の成形硬化物が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物により得られる硬化物が、耐熱性、及び、低誘電特性に優れることから、耐熱部材や電子部材に好適に使用可能である。特に、プリプレグ、回路基板、半導体封止材、半導体装置、ビルドアップフィルム、ビルドアップ基板、接着剤やレジスト材料などに好適に使用できる。また、繊維強化樹脂のマトリクス樹脂にも好適に使用でき、高耐熱性のプリプレグとして特に適している。また、前記硬化性樹脂組成物に含まれる前記硬化性樹脂は、各種溶剤への優れた溶解性を表すことから塗料化が可能である。こうして得られる耐熱部材や電子部材は、各種用途に好適に使用可能であり、例えば、産業用機械部品、一般機械部品、自動車・鉄道・車両等部品、宇宙・航空関連部品、電子・電気部品、建築材料、容器・包装部材、生活用品、スポーツ・レジャー用品、風力発電用筐体部材等が挙げられるが、これらに限定される物ではない。
1H-NMR:JEOL RESONANCE製「JNM-ECA400」
磁場強度:400MHz
積算回数:16回
溶媒:chloroform-d1
試料濃度:1質量%
前記1H―NMRチャートの結果より、目的生成物由来のピークが確認でき、各反応における目的生成物が得られたことを確認した(実施例1の図1、実施例2の図2参照)。なお、実施例3~10、及び、比較例1~3についても、同様に1H-NMR測定を行い、目的生成物の合成確認を行った(図面なし)。
温度計、冷却管、攪拌機を取り付けた200mLフラスコに2,6-ジメチルフェノール34.5g(0.28mol)、メタノール15g、水6.5gおよび96%硫酸1.83gを仕込み、攪拌しながら45℃まで加熱した。その後2,6-ビス(ヒドロキシメチル)-p-クレゾール9.6g(0.57mol)を1時間添加した後、45℃、5時間反応させた。反応終了後、得られた反応混合物を室温まで冷却し、反応液に水90gを加えて、ついでに水酸化ナトリウム水溶液で中和させた。その後混合物を40℃、4時間攪拌して、析出した固体を濾別し、お湯を洗浄した後、真空乾燥させた。中間体フェノール化合物15.4g(0.041mol)を得た。
温度計、冷却管、攪拌機を取り付けた1Lフラスコに、得られた中間体フェノール化合物15.4g(0.041mol)、N,N-ジメチルホルムアミド40g、4-クロロメチルスチレン34.3g(0.228mol)、48%水酸化カリウム水溶液22.4gを仕込み、攪拌しながら60℃に昇温し20時間反応させた。反応液をメタノール300gに注ぎ、析出した固体を濾別し、真空乾燥させた。下記構造式の硬化性樹脂を得た。1H-NMR測定を行い、生成物の構造を判断した(図1参照)。
温度計、冷却管、攪拌機を取り付けた200mLフラスコに2,6-ジメチルフェノール34.5g(0.28mol)、メタノール15g、水6.5gおよび96%硫酸1.83gを仕込み、攪拌しながら45℃まで加熱した。その後2,6-ビス(ヒドロキシメチル)-p-クレゾール9.6g(0.57mol)を1時間添加した後、45℃、5時間反応させた。反応終了後、得られた反応混合物を室温まで冷却し、反応液に水90gを加えて、ついでに水酸化ナトリウム水溶液で中和させた。その後混合物を40℃、4時間攪拌して、析出した固体を濾別し、お湯を洗浄した後、真空乾燥させた。中間体フェノール化合物15.4g(0.041mol)を得た。
温度計、冷却管、攪拌機を取り付けた200mLフラスコに、トルエン20g及び前記中間体15.4g(0.041mol)を混合して約85℃に加熱した。ジメチルアミノピリジン0.92g(0.0075mol)を添加した。固体がすべて溶解したと思われる時点で、無水メタクリル酸38.5g(0.25mol)を徐々に添加した。得られた溶液を連続混合しながら85℃に3時間維持した。次に、溶液を室温に冷却して、1Lのビーカー中マグネチックスターラーで激しく撹拌したヘキサン360g中に30分かけて滴下した。得られた沈殿物を減圧濾過後乾燥し、下記構造式の硬化性樹脂11.6gを得た。1H-NMR測定を行い、生成物の構造を判断した(図2参照)。
前記実施例2における無水メタクリル酸を無水アクリル酸31.5g(0.25mol)に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法で合成を実施し、下記構造式の硬化性樹脂を得た。
前記実施例1における2,6-ジメチルフェノールをo-フェニルフェノール47.7g(0.28mol)に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法で合成を実施し、下記構造式の硬化性樹脂を得た。
前記実施例1における2,6-ジメチルフェノールを2-シクロヘキシルフェノール49.3g(0.28mol)に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法で合成を実施し、下記構造式の硬化性樹脂を得た。
前記実施例2における2,6-ジメチルフェノールを2-シクロヘキシルフェノール49.3g(0.28mol)に変更した以外は、前記実施例2と同様の方法で合成を実施し、下記構造式の硬化性樹脂を得た。
前記実施例1における2,6-ジメチルフェノールを2-ベンジルフェノール51.6g(0.28mol)に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法で合成を実施し、下記構造式の硬化性樹脂を得た。
前記実施例1における2,6-ビス(ヒドロキシメチル)-p-クレゾールを5-シクロヘキシル-2-ヒドロキシ-1,3-フェニレンジメタノール134.7g(0.57mol)に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法で合成を実施し、下記構造式の硬化性樹脂を得た。
前記実施例1における2,6-ビス(ヒドロキシメチル)-p-クレゾールを(2,6-ジビニル-4-メチル)フェノール91.3g(0.57mol)に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法で合成を実施し、下記構造式の硬化性樹脂を得た。
前記実施例1における4-クロロメチルスチレンを塩化アリル17.4g(0.228mol)に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法で合成を実施し、下記構造式の硬化性樹脂を得た。
前記実施例1における2,6-ジメチルフェノールをフェノール26.4g(0.28mol)に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法で合成を実施し、下記構造式の硬化性樹脂を得た。
前記実施例2における2,6-ジメチルフェノールをフェノール26.4g(0.28mol)に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法で合成を実施し、下記構造式の硬化性樹脂を得た。
上記実施例1における中間体フェノール化合物15.4g(0.041mol)を、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン11.7g(0.041mol)に変更した以外は、前記実施例1と同様の方法で合成を実施し、下記構造式の硬化性樹脂を得た。
実施例、及び、比較例で得られた硬化性樹脂(固体粉末)を5cm角の正方形の型枠に入れ、ステンレス板で挟み、真空プレスにセットした。常圧常温下で1.5MPaまで加圧した。次に10torrまで減圧後、熱硬化温度より50℃高い温度まで30分かけて加温した。さらに2時間静置後、室温まで徐冷した。その結果、平均膜厚が100μmの均一な樹脂フィルム(硬化物)を作製した。なお、実施例10で得られた硬化性樹脂(Xがアリルエーテル基)においては、硬化性樹脂単独での単独重合(架橋)が進行しないため、硬化性樹脂の製造確認のみを行い、以下の樹脂フィルム(硬化物)に基づく評価は行っていない。
得られた樹脂フィルム(硬化物)の面内方向の誘電特性について、キーサイト・テクノロジー社のネットワークアナライザーN5247Aを用いて、スプリットポスト誘電体共振器法により、周波数10GHzについて誘電率、及び、誘電正接を測定した。なお、誘電正接としては、10.0×10-3以下であれば、実用上問題がなく、好ましくは、5.0×10-3以下であり、より好ましくは3.0×10-3以下であり、更に好ましくは2.5×10-3以下である。また、誘電率としては、3以下であれば、実用上問題がなく、好ましくは、2.7以下であることが好ましく、より好ましくは、2.5以下である。
得られた樹脂フィルム(硬化物)について、パーキンエルマー製DSC装置(Pyris Diamond)を用い、室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される発熱ピーク温度(熱硬化温度)の観測後、それより50℃高い温度で30分間保持した。ついで、20℃/分の降温条件で室温まで試料を冷却し、さらに、再度20℃/分の昇温条件で昇温し、樹脂フィルム(硬化物)のガラス転移点温度(Tg)(℃)を測定した。なお、ガラス転移点温度(Tg)としては、100℃以上であれば、実用上問題がなく、好ましくは、150℃以上である。
Claims (4)
- 下記一般式(1)で表されることを特徴とする硬化性樹脂。
(式中、Ra、及び、Rbは、それぞれ独立に、炭素数1~12のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又は、シクロアルキル基を表す。Rc、及び、Rdは、それぞれ独立に、水素、炭素数1~12のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又は、シクロアルキル基を表す。Xは、ビニルベンジルエーテル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、又は、アリルエーテル基を表す。mは、0~3の整数を示す。) - 上記一般式(1)が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂。
- 請求項1又は2に記載の硬化性樹脂を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
- 請求項3に記載の硬化性樹脂組成物を硬化反応させて得られることを特徴とする硬化物。
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