以下、本発明に係る車両の制動制御装置SCの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
<構成要素の記号等>
以下の説明において、「CW」等の如く、同一記号を付された部材、信号、値等の構成要素は同一機能のものである。車輪に係る各種記号の末尾に付された添字「f」、「r」は、それが前輪、後輪の何れに関する要素であるかを示す包括記号である。具体的には、「f」は前輪に係る要素を、「r」は後輪に係る要素を、夫々示す。例えば、ホイールシリンダCWにおいて、「前輪ホイールシリンダCWf、後輪ホイールシリンダCWr」というように表記される。更に、添字「f」、「r」は省略されることがある。これらが省略される場合には、各記号は、その総称を表す。
<制動制御装置SCを搭載した車両JV>
図1の概略図を参照して、制動制御装置SCを搭載した車両JVの全体構成について説明する。ここで、制動制御装置SCを搭載した車両を、他の車両(例えば、先行車両SV)と区別するため、「自車両JV」とも称呼する。
車両JVは、駆動用の電気モータGNを備えたハイブリッド車両、又は、電気自動車である。駆動用の電気モータGNは、エネルギ回生用のジェネレータ(発電機)としても機能する。例えば、ジェネレータGNは、前輪WHfに備えられる。ジェネレータGNは、ジェネレータ用のコントローラEGによって制御(駆動)される。ここで、ジェネレータGN、及び、そのコントローラEGを含んで構成される装置が、「回生制動装置KC」と称呼される。車両JVには、回生制動装置KC用に蓄電池BT(「走行用蓄電池」ともいう)が備えられる。つまり、回生制動装置KCには、走行用蓄電池BTも含まれる。
電気モータ/ジェネレータGNが駆動用の電気モータとして作動する場合(例えば、車両JVの加速時)には、回生制動装置用のコントローラEG(単に、「回生コントローラ」ともいう)を介して、蓄電池BTから電気モータ/ジェネレータGNに電力が供給される。一方、電気モータ/ジェネレータGNが発電機として作動する場合(車両JVの減速時)には、ジェネレータGNからの電力が、回生コントローラEGを介して、蓄電池BTに蓄えられる(所謂、回生制動が行われる)。回生制動では、前輪ジェネレータGNによって、回生制動力Fgが発生される。
車両JVには、制動装置SXが備えられる。制動装置SXによって、前輪WHf、及び、後輪WHrには、前輪、後輪摩擦制動力Fmf、Fmrが発生される。制動装置SXは、回転部材(例えば、ブレーキディスク)KT、及び、ブレーキキャリパCPを含んで構成される。回転部材KTは、車輪WHに固定され、回転部材KTを挟み込むようにブレーキキャリパCPが設けられる。ブレーキキャリパCPには、ホイールシリンダCWが設けられている。ホイールシリンダCWには、制動制御装置SCから、制動液圧Pwに調整された制動液BFが供給される。制動液圧Pwによって、摩擦部材(例えば、ブレーキパッド)MSが、回転部材KTに押し付けられる。回転部材KTと車輪WHとは、一体的に回転するよう固定されているため、このときに生じる摩擦力によって、車輪WHに摩擦制動力Fmが発生される。
車両JVには、制動操作部材BP、及び、各種センサ(BA等)が備えられる。制動操作部材(例えば、ブレーキペダル)BPは、運転者が車両を減速するために操作する部材である。車両JVには、制動操作部材BPの操作量(制動操作量)Baを検出する制動操作量センサBAが設けられる。制動操作量センサBAとして、入力室Rn(後述)の液圧Pn(「入力液圧」という)を検出する入力液圧センサPN、制動操作部材BPの操作変位Spを検出する操作変位センサSP、及び、制動操作部材BPの操作力Fpを検出する操作力センサFPのうちの少なくとも1つが採用される。つまり、操作量センサBAによって、制動操作量Baとして、入力液圧Pn、制動操作変位Sp、及び、制動操作力Fpのうちの少なくとも1つが検出される。制動操作量Baは、制動制御装置SC用のコントローラECU(単に、「制動コントローラ」ともいう)に入力される。車両JVには、車輪WHの回転速度(車輪速度)Vwを検出する車輪速度センサVWを含む各種センサが備えられる。これらセンサの検出信号(Ba、Vw等)は、制動コントローラECUに入力される。制動コントローラECUでは、車輪速度Vwに基づいて、車体速度Vxが演算される。
車両JVには、所謂、回生協調制御(回生制動力Fgと摩擦制動力Fmとを協同して作動させる制御)が実行されるよう、制動制御装置SCが備えられる。例えば、制動制御装置SCとして、ブレーキ・バイ・ワイヤ型のものが採用される。制動制御装置SCは、制動操作部材BPの操作量Baに応じて、実際の制動液圧Pwを調節する。そして、制動制御装置SCは、前輪、後輪連絡路HSf、HSrを介して、制動装置SX(特に、ホイールシリンダCW)に制動液圧Pwを供給する。
制動制御装置SCは、マスタシリンダCMを含む流体ユニットHU(「アクチュエータ」ともいう)、及び、制動制御装置SC用のコントローラECU(制動コントローラ)にて構成される。流体ユニットHU(後述)は、制動コントローラECUによって制御される。制動制御装置SC用のコントローラECUは、信号処理を行うマイクロプロセッサMP、及び、電磁弁、電気モータを駆動する駆動回路DDにて構成される。
車両JVには、運転者に代わって、或いは、運転者を補助するように、自動制動を行う運転支援装置UCが設けられる。運転支援装置UCは、自車両JVの前方の物体OJ(自車両JVの前方を走行する先行車両SVを含む)までの距離Ds(相対距離)を検出する物体検出センサOB、及び、運転支援装置用のコントローラECAにて構成される。例えば、物体検出センサOBとして、レーダセンサ、ミリ波センサ、画像センサ等が採用される。運転支援コントローラECAにて、物体検出センサOBの検出結果Ds(相対距離)に基づいて、自車両JVの目標減速度Gd(自車両JVの前後方向における車体加速度の目標値)が演算される。目標減速度(目標車体前後加速度)Gdは、通信バスBSを介して、運転支援コントローラECAから制動コントローラECUに伝達される。そして、制動制御装置SCによって、目標減速度Gdに応じた制動力Fg、Fmが発生される。
制動コントローラECU、回生制動装置用のコントローラEG、運転支援装置用のコントローラECAの夫々は、通信バスBSに接続されている。従って、これらのコントローラの間では、通信バスBSを介して情報(検出値、演算値)が共有されている。例えば、車体速度Vxが、制動コントローラECUにて演算され、通信バスBSを通して、運転支援装置用のコントローラECA(単に、「運転支援コントローラ」ともいう)に送信される。目標減速度Gdが、運転支援コントローラECAにて演算され、通信バスBSを介して、制動コントローラECUに送信される。制動コントローラECUには、制動操作量Ba、車輪速度Vw、目標減速度Gd等が入力される。これら信号に基づいて、制動コントローラECUによって、流体ユニットHUが制御される。ここで、制動操作量Ba、及び、目標減速度Gdは、車両JVを減速させるために要求値であるため、「減速要求値Bs」と総称される。なお、制動コントローラECU、及び、運転支援コントローラECAには、走行用蓄電池BTとは別の蓄電池BU(「補機用蓄電池」という)から電力供給が行われる。
<流体ユニットHUの第1の構成例>
図2の概略図を参照して、流体ユニットHUの第1の構成例について説明する。流体ユニットHUは、4つのホイールシリンダCWの液圧(制動液圧)Pwを増加し、調整するための加圧源である。例では、流体ユニットHUは、シングル型のマスタシリンダCMと一体化されている。そして、制動系統として、前後型(「II型」ともいう)のものが採用されている。流体ユニットHUは、アプライユニットAU(マスタシリンダCMを含む)、及び、加圧ユニットKUにて構成される。流体ユニットHU、及び、ホイールシリンダCWは、連絡路HS、入力路HN、リザーバ路HR、還流路HK、サーボ路HVにて接続される。これらは、制動液BFが移動される流体路であり、流体配管、流体ユニットHU内の流路、ホース等が該当する。アプライユニットAU、及び、加圧ユニットKUは、制動コントローラECUによって制御される。
≪アプライユニットAU≫
アプライユニットAUは、マスタリザーバRV、マスタシリンダCM,マスタピストンNM、マスタばねDM、入力シリンダCN、入力ピストンNN、入力ばねDN、入力弁VN、開放弁VR、ストロークシミュレータSS、及び、入力液圧センサPNにて構成される。アプライユニットAUには、入力室Rn、サーボ室Ru、後方室Ro、及び、マスタ室Rmの各種の液圧室が設けられる。ここで、「液圧室」は、制動液BFが満たされ、シール部材SLによって封止されたチャンバである。なお、夫々の液圧室の体積は、入力ピストンNN、マスタピストンNMの移動によって変化される。
マスタリザーバ(「大気圧リザーバ」ともいう)RVは、作動液体用のタンクであり、その内部に制動液BFが貯蔵されている。マスタリザーバRVは、マスタシリンダCM(特に、マスタ室Rm)に接続されている。
マスタシリンダCMは、底部を有するシリンダ部材である。マスタシリンダCMの内部には、マスタピストンNMが挿入され、その内部が、シール部材SLによって封止されて、マスタ室Rmが形成されている。マスタシリンダCMは、所謂、シングル型である。マスタ室Rmは、前輪連絡路HSf、及び、液圧モジュレータMJを介して、最終的には前輪ホイールシリンダCWfに接続される。マスタピストンNMが前進方向Ha(マスタ室Rmの体積が減少する方向)に移動されると、流体ユニットHU(特に、マスタシリンダCM)から液圧モジュレータMJ(最終的には、前輪ホイールシリンダCWf)に対して、液圧Pm(「供給液圧」という)の制動液BFが供給される。
マスタピストンNMには、つば部(フランジ)Tpが設けられている。このつば部Tpによって、マスタシリンダCMの内部は、更に、サーボ室Ruと後方室Roとに仕切られている。サーボ室Ruは、マスタピストンNMを挟んで、マスタ室Rmに相対するように配置される。また、後方室Roは、マスタ室Rmとサーボ室Ruとに挟まれ、それらの間に配置されている。サーボ室Ru、及び、後方室Roも、上記同様に、シール部材SLによって封止されている。
例えば、つば部Tpの受圧面積(即ち、サーボ室Ruの受圧面積)ruは、マスタピストンNMの受圧面積(即ち、マスタ室Rmの受圧面積)rmと等しくなるように設定されている。この場合、サーボ室Ru内に導入された液圧Pa(後述)と、供給液圧Pmとは、定常状態では同一である(即ち、「ru=rm」であるため、「Pa=Pm」である)。
入力シリンダCNは、マスタシリンダCMに固定されている。入力シリンダCNの内部には、入力ピストンNNが挿入され、シール部材SLによって封止されて、入力室Rnが形成されている。入力ピストンNNは、クレビス(U字リンク)を介して、制動操作部材BPに機械的に接続されている。入力ピストンNNには、つば部(フランジ)Tnが設けられる。入力シリンダCNのマスタシリンダCMへの取付面と、入力ピストンNNのつば部Tnとの間には、入力ばねDNが設けられる。入力ばねDNは、マスタシリンダCMの中心軸に沿って、つば部Tnを入力シリンダCNの底部に対して押し付けている。
非制動時には、入力シリンダCNの内部にて、マスタピストンNM(特に、端面Mp)と入力ピストンNN(特に、端面Mn)とは、隙間Ks(「離間距離」ともいう)を有している。非制動時には、ピストンNM、NNは、最も後退方向Hbの位置(各ピストンの「初期位置」という)にある。該状況での隙間Ksが、「所定距離ks(「初期隙間」ともいう)」と称呼される。入力室Rn内で、マスタピストンNMと入力ピストンNNとが離間距離Ksだけ離れていることによって、制動操作部材BPが操作されているにもかかわらず、制動液圧Pwが発生されない状況が生み出される。即ち、離間距離Ksによって、回生協調制御の実行が可能にされる。なお、離間距離Ksは、サーボ液圧Pa(後述)によって制御(調節)される。
入力室Rnと後方室Roとは、入力路HNを介して接続されている。そして、入力路HNには、入力弁VNが設けられる。入力路HNは、後方室Roと入力弁VNとの間で、開放弁VR、及び、リザーバ路を介して、マスタリザーバRVに接続される。入力弁VN、及び、開放弁VRは、開位置(連通状態)と閉位置(遮断状態)とを有する2位置の電磁弁(「オン・オフ弁」ともいう)である。入力弁VNとして常閉型の電磁弁が採用される。また、開放弁VRとして常開型の電磁弁が採用される。
後方室Roには、ストロークシミュレータ(単に、「シミュレータ」ともいう)SSが接続されている。シミュレータSSによって、制動操作部材BPの操作力Fpが発生される。シミュレータSSの内部には、ピストン、及び、弾性体(例えば、圧縮ばね)が備えられる。制動液BFがシミュレータSSに流入する際に、制動液BFによってピストンが押される。ピストンには、弾性体によって制動液BFの流入を阻止する方向に力が加えられるため、制動操作部材BPの操作力Fpが発生される。つまり、制動操作部材BPの操作特性(操作変位Spと操作力Fpとの関係)は、シミュレータSSによって形成される。
入力室Rnの液圧Pn(「入力液圧」という)を検出するよう、入力液圧センサPNが設けられる。入力液圧Pnは、シミュレータSS、及び、後方室Roの液圧でもある。入力液圧センサPNは、上記の制動操作量センサBAの1つであり、入力液圧Pnは、制動操作量Baとして、制動用のコントローラECUに入力される。
流体ユニットHUには、入力液圧センサPNの他に、制動操作量センサBAとして、制動操作部材BPの操作変位Spを検出する操作変位センサSP、及び/又は、制動操作部材BPの操作力Fpを検出する操作力センサFPが設けられる。つまり、制動操作量センサBAとしては、入力液圧センサPN、操作変位センサSP(ストロークセンサ)、及び、操作力センサFPのうちの少なくとも1つが採用される。従って、制動操作量Baは、入力液圧Pn、操作変位Sp、及び、操作力Fpのうちの少なくとも1つである。
≪加圧ユニットKU≫
加圧ユニットKUは、電気モータMA、流体ポンプQA、調圧弁UA、供給液圧センサPM、及び、サーボ液圧センサPAにて構成される。加圧ユニットKUでは、電気モータMAによって駆動される流体ポンプQAが吐出する制動液BFの圧力が、調圧弁UAによって調節される。ここで、調圧弁UAによって調整された液圧が、「サーボ液圧Pa」と称呼される。サーボ液圧Paは、アプライユニットAU(特に、サーボ室Ru)、及び、後輪ホイールシリンダCWrに供給され、最終的には、前輪、後輪制動液圧Pwf、Pwr(=Pw)が発生される。
「1つの電気モータMA」と「電気モータMAによって駆動される1つの流体ポンプQA」との組み合わせによって、電動ポンプが構成される。電気モータMAは、制動時に、ホイールシリンダCWの液圧(制動液圧)Pwを発生し、調整するための動力源である。電気モータMAには、電気モータMAの回転数Nsを検出するよう、モータ回転数センサNSが備えられる。また、電気モータMAの回転角Kaを検出するよう、回転角センサ(図示省略)が備えられてもよい。この場合、モータ回転数Nsは、モータ回転角Kaが時間微分されることによって演算される。
流体ポンプQAにおいて、吸込部Qsと吐出部Qtとは、還流路HKを介して接続されている。また、流体ポンプQAの吸込部Qsは、リザーバ路HRを介して、マスタリザーバRVに接続されている。電気モータMAが駆動され、流体ポンプQAが回転されると、制動液BFは、還流路HK内を循環する。また、還流路HK、アプライユニットAU、ホイールシリンダCW等で制動液BFの量が不足している場合には、制動液BFがリザーバ路HRを経由して、マスタリザーバRVから吸入される。なお、流体ポンプQAが逆転されないよう、還流路HKには、逆止弁が配置されている。
流体ポンプQAが吐出する制動液BFの圧力Pa(サーボ液圧)を調整するよう、還流路HKには、調圧弁UAが設けられる。調圧弁UAは、その通電状態(例えば、供給電流)に応じて開弁量(リフト量)が連続的に制御されるリニア型の電磁弁(「比例弁」、又は、「差圧弁」ともいう)である。調圧弁UAとして、常開型の電磁弁が採用される。
電気モータMAが作動している場合、還流路HKには、破線矢印で示すような、制動液BFの循環流KN(流体の流れが、再び元の流れに戻ることであり、単に、「還流」ともいう)が発生される。調圧弁UAによって、還流KNが絞られること(所謂、オリフィス効果)によって、サーボ液圧Pa(流体ポンプQAの吐出部Qtと調圧弁UAとの間の圧力)が調整される。なお、調圧弁UAは、常開型であるため、非通電時には全開状態にあり、サーボ液圧Paは「0」である。
還流路HKは、吐出部Qtと調圧弁UAとの間で、サーボ路HVを介して、サーボ室Ruに接続される。従って、サーボ液圧Paは、サーボ室Ruに供給される。サーボ室Ruの受圧面積ruと、マスタ室Rmの受圧面積rmとが等しい構成では、サーボ室Ruにサーボ液圧Paが供給されると、マスタ室Rmからは、サーボ液圧Paと同圧である供給液圧Pmが出力される(即ち、「Pm=Pa」)。更に、受圧面積ru、rmが異なっている構成でも、それらの関係(例えば、受圧面積の比率)は既知であるため、供給液圧Pmとサーボ液圧Paとは相互変換が可能である。
マスタシリンダCMのマスタ室Rmは、前輪連絡路HSf、及び、液圧モジュレータMJを介して、前輪ホイールシリンダCWfに接続される。液圧モジュレータMJは、アンチロックブレーキ制御、車両安定性制御等で、各ホイールシリンダCWの液圧Pwを、独立、且つ、個別に調整するためのものである。前輪連絡路HSfは、液圧モジュレータMJ内で2つに分岐される。分岐された前輪連絡路HSfは、前輪ホイールシリンダCWfの夫々に接続される。前輪連絡路HSfには、マスタ室Rmから供給される制動液BFの液圧Pmを検出するよう、供給液圧センサPMが設けられる。例えば、供給液圧センサPMは、液圧モジュレータMJ内に含まれている。ここで、液圧モジュレータMJが作動されていない場合には、供給液圧Pmは、前輪ホイールシリンダCWf内の液圧(前輪制動液圧)Pwfに等しい。
前輪制動液圧Pwfの調整(例えば、加圧)では、「Ru→Rm→CWf」の順で、サーボ液圧Paが、マスタシリンダCMを介して伝達される。一方、後輪制動液圧Pwrの調整(例えば、加圧)は、サーボ液圧Paが、直接、後輪ホイールシリンダCWrに供給されることで行われる。具体的には、後輪連絡路HSrは、吐出部Qtと調圧弁UAとの間で、還流路HKに接続される。更に、後輪連絡路HSrは、液圧モジュレータMJ内で2つに分岐され、後輪ホイールシリンダCWrの夫々に接続される。後輪連絡路HSrには、サーボ液圧Paを検出するよう、サーボ液圧センサPAが設けられる。なお、アプライユニットAUが「ru=rm」で構成されている場合には、サーボ液圧Paと供給液圧Pmとの間には時間的なズレは存在するが、実質的(定常的)には等しいため、サーボ液圧センサPA、及び、供給液圧センサPMのうちの一方が省略されてもよい。上記同様に、液圧モジュレータMJが作動されていない場合には、サーボ液圧Paは、後輪ホイールシリンダCWr内の液圧(後輪制動液圧)Pwrに等しい。
≪制動コントローラECUによる流体ユニットHUの駆動≫
制動コントローラECUには、減速要求値Bs(制動操作量Ba、目標減速度Gdの総称)の信号が入力される。ここで、制動操作量Baは、制動操作部材BPの操作の程度を表示する信号であり、入力液圧Pn、操作変位Sp、及び、操作力Fpのうちの少なくとも1つである。コントローラECUには、流体ユニットHUに設けられた各種センサ(PA等)からの信号(Pa等)が入力される。これらの信号、及び、コントローラECUに備えられたマイクロプロセッサMPにプログラムされた制御アルゴリズムに基づいて、入力弁VNの駆動信号Vn、開放弁VRの駆動信号Vr、調圧弁UAの駆動信号Ua、及び、電気モータMAの駆動信号Maが演算される。コントローラECUには、蓄電池BUから電力が供給される。この電力供給を元に、駆動信号「Vn、Vr、Ua、Ma」に応じて、流体ユニットHUを構成する電磁弁「VN、VR、UA」、及び、電気モータMAが制御(駆動)される。
具体的には、制動コントローラECUには、電磁弁「VN、VR、UA」、及び、電気モータMAを駆動するよう、駆動回路DDが備えられる。駆動回路DDには、補機用蓄電池BUから電力が供給される。駆動回路DDには、電気モータMAを駆動するよう、スイッチング素子(MOS-FET、IGBT等のパワー半導体デバイス)によってブリッジ回路が形成される。モータ駆動信号Maに基づいて、各スイッチング素子の通電状態が制御され、電気モータMAの出力が制御される。また、駆動回路DDでは、電磁弁「VN、VR、UA」を駆動するよう、駆動信号「Vn、Vr、Ua」に基づいて、それらの通電状態(即ち、励磁状態)が制御される。
駆動回路DDには、補機用蓄電池BU(電源)からの供給電圧値Vm(「電源電圧」ともいう)を検出するよう、電圧センサVMが設けられる。また、駆動回路DDには、電気モータMA、及び、電磁弁「VN、VR、UA」の実際の電流値Idを検出する電流センサIDが設けられる。なお、電流センサIDは、複数の電流センサの総称である。具体的には、電流センサIDには、電気モータMAの電流値Im(モータ電流値)を検出するモータ電流センサIM、調圧弁UAの電流値Ia(調圧弁電流値)を検出する調圧弁電流センサIA等が含まれている。
駆動回路DDには、駆動回路DD(特に、スイッチング素子)の温度Tdを検出するよう、回路温度センサTDが備えられている。また、電気モータMAには、電気モータMAの温度Tmを検出するよう、モータ温度センサTMが備えられている。回路温度Td、及び、モータ温度Tmは、負荷状態量Jm(後述)に基づく判定に採用される。
制動操作部材BPが操作される制動時には、入力弁VNが開弁され、開放弁VRが閉弁されている。従って、制動操作部材BPの動きに連動して、入力室Rnから排出される制動液BFは、シミュレータSSに移動される。これにより、制動操作部材BPの操作力Fpが形成される。また、制動時には、電気モータMA、及び、調圧弁UAが駆動される。流体ポンプQAから吐出される制動液BFが、調圧弁UAにて絞られることで、サーボ液圧Paが調整される。サーボ液圧Paは、マスタピストンNMを介して、サーボ室Ruからマスタ室Rmに伝達され、供給液圧Pmとして、前輪ホイールシリンダCWfに供給される。一方、後輪ホイールシリンダCWrには、サーボ液圧Paが、直接供給される。
<調圧制御の第1の処理例>
図3のフロー図を参照して、流体ユニットHU(特に、加圧ユニットKU)における調圧制御の第1の処理例について説明する。「調圧制御」は、電気モータMAを駆動して制動液BFの還流KNを形成し、調圧弁UAにて該還流KNを絞ることで、サーボ液圧Pa(最終的には、制動液圧Pw)を調整するものである。ここで、電気モータMAを動力源に生み出される還流KNを利用してサーボ液圧Paを調圧する流体ユニットHUが、「還流型」と称呼される。調圧制御には、電気モータMAの負荷状態量Jmを考慮して、電気モータMAのストール(即ち、過大な負荷に起因して、電気モータが、失速、又は、停止する現象)を回避する特定制御が含まれている。調圧制御のアルゴリズムは、制動コントローラECU内のマイクロプロセッサMPにプログラムされている。
説明では、以下の事項が前提とされている。車両JVは電動車両であり、前輪WHfに回生制動力Fgを発生できる回生制動装置KCを備える。調圧制御には、回生協調制御が含まれている。「回生協調制御」は、制動制御装置SCの流体ユニットHUによる摩擦制動力Fmと、回生制動装置KCによる回生制動力Fgとを連携させて、車両JVを減速する制動制御である。
ステップS110にて、減速要求値Bs、供給液圧Pm、サーボ液圧Pa、モータ温度Tm、回路温度Td(例えば、素子温度)、モータ電流値Im、調圧弁電流値Ia、モータ回転数Ns、電源電圧Vm等を含む各種信号が読み込まれる。ここで、減速要求値Bsは、車両JVを減速するための要求値であり、制動操作量Ba、及び、目標減速度Gdの総称である。供給液圧Pm、及び、サーボ液圧Paは、供給液圧センサPM、及び、サーボ液圧センサPAによって検出される。モータ温度Tm、及び、回路温度Tdは、モータ温度センサTM、及び、回路温度センサTDによって検出される。モータ電流値Im、及び、調圧弁電流値Iaは、電流センサID(総称)によって検出される。モータ回転数Nsは、モータ回転数センサNSによって検出される。電源電圧Vm(電源BUの実際の電圧)は、電源電圧センサVMによって検出される。
ステップS120にて、減速要求値Bs(制動操作量Ba、又は、目標減速度Gd)に基づいて、目標車体制動力Fvが演算される。「目標車体制動力Fv」は、車体に作用する制動力Fb(即ち、車両JVの全体としての制動力)に対応する目標値である。目標車体制動力Fvは、減速要求値Bs、及び、演算マップZfvに基づいて、減速要求値Bsが所定量bo未満の場合には「0」に演算される。そして、減速要求値Bsが所定量bo以上の場合には、減速要求値Bsの増加に従い、目標車体制動力Fvが「0」から増加するように演算される。ここで、所定量boは、予め設定された所定値(定数)である。
ステップS130にて、限界回生制動力Fxが取得される。「限界回生制動力Fx」は、回生制動装置KCが発生し得る回生制動力Fgの最大値(限界値)である。換言すれば、限界回生制動力Fxは、回生制動力Fgの限度を表す状態量(変数)である。限界回生制動力Fxは、回生制動装置KCの作動状態に基づいて定まる。具体的には、回生制動装置KCの作動状態は、ジェネレータGNの回転速度Ng(即ち、前輪車輪速度Vwf)、回生コントローラEG(特に、IGBT等のパワートランジスタ)の状態(温度等)、及び、走行用蓄電池BTの状態(充電受入量、温度等)のうちの少なくとも1つに該当する。限界回生制動力Fxは、回生コントローラEGにて決定(演算)され、通信バスBSを介して、制動コントローラECUに入力される。
ステップS140にて、目標車体制動力Fv、及び、限界回生制動力Fxに基づいて、目標回生制動力Fh、及び、目標摩擦制動力Fnが演算される。「目標回生制動力Fh」は、回生制動装置KCによって発生される実際の回生制動力Fgに対応する目標値である。また、「目標摩擦制動力Fn」は、制動制御装置SCによって発生される実際の摩擦制動力Fmに対応する目標値である。
ステップS140では、「目標車体制動力Fvが限界回生制動力Fxよりも大きいか、否か」が判定される。目標車体制動力Fvが限界回生制動力Fx以下の場合(即ち、「Fv≦Fx」の場合)には、目標回生制動力Fhは、目標車体制動力Fvに演算されるとともに、目標摩擦制動力Fnは「0」に演算される(即ち、「Fh=Fv、Fn=0」)。一方、目標車体制動力Fvが限界回生制動力Fxよりも大きい場合(即ち、「Fqf>Fxf」の場合)には、目標回生制動力Fhは、限界回生制動力Fxに演算されるとともに、目標摩擦制動力Fnは、目標車体制動力Fvから限界回生制動力Fxを減じた値に演算される(即ち、「Fh=Fx、Fn=Fv-Fx」)。
ステップS140にて演算された目標回生制動力Fhは、制動コントローラECUから回生コントローラEGに送信される。そして、回生コントローラEGによって、実際の回生制動力Fgが、目標回生制動力Fhに近付き、一致するように、ジェネレータGNが制御される。
ステップS150にて、目標摩擦制動力Fnに基づいて、目標液圧Ptが演算される。「目標液圧Pt」は、サーボ液圧Pa(結果、実際の制動液圧Pw)に対応する目標値である。具体的には、制動装置SX等の諸元(ホイールシリンダCWの受圧面積、回転部材KTの有効制動半径、摩擦部材MSの摩擦係数、車輪(タイヤ)の有効半径等)に基づいて、目標摩擦制動力Fnが目標液圧Ptに変換される。
ステップS160にて、負荷状態量Jmが演算される。負荷状態量Jmは、電気モータMAの負荷状態(負荷の程度)を表現する状態量(変数)である。例えば、負荷状態量Jmは、以下に列挙する方法のうちの少なくとも1つによって演算(決定)される。
(1)負荷状態量Jmは、電気モータMAの温度Tmに基づいて演算される。例えば、電気モータMAの温度Tmが、負荷状態量Jmとして決定される(即ち、「Jm=Tm」)。ここで、モータ温度Tmは、電気モータMAに備えられたモータ温度センサTMによって検出される、
(2)負荷状態量Jmは、電気モータMAを駆動する駆動回路DD(特に、スイッチング素子)の温度Tdに基づいて演算される。例えば、駆動回路DDの温度Tdが、負荷状態量Jmとして決定される(即ち、「Jm=Td」)。ここで、回路温度Tdは、駆動回路DDに備えられた回路温度センサTDによって検出される。
(3)負荷状態量Jmが、電気モータMAに供給される実際の電流値Im(モータ電流センサIMの検出値)に対する電気モータMAの出力の比率Hmに基づいて演算される。例えば、比率Hmが、負荷状態量Jmとして決定される(即ち、「Jm=Hm」)。ここで、電気モータMAの出力として、電気モータMAの回転数Ns(回転数センサNSの検出値)が採用される。また、電気モータMAの出力として、制動液圧Pw(即ち、サーボ液圧Pa、供給液圧Pm)が採用されてもよい。
つまり、負荷状態量Jm(電気モータMAの負荷の大きさ)は、モータ温度Tm、駆動回路温度Td、及び、モータ電流Im(即ち、電気モータMAに対する入力)に対する出力(例えば、実際のサーボ液圧Pa、実際の供給液圧Pm、実際のモータ回転数Ns)の少なくとも1つに基づいて決定される。
ステップS170にて、「電気モータMAの負荷が過大であるか、否か(「過負荷判定」という)」が判定される。過負荷判定は、電気モータMAのストールの蓋然性を予測するものである。具体的には、過負荷判定は、負荷状態量Jmに基づいて、「負荷状態量Jmが所定量jm以上であるか、否か」が判定される。所定量jmは、過負荷判定における判定しきい値であり、予め設定された所定値(定数)である。「Jm<jm」であり、モータ負荷が相対的に小さく、モータストールの蓋然性が低い場合には、過負荷判定は否定され、処理はステップS180に進められる。一方、「Jm≧jm」であり、モータ負荷が大であり、モータストールの蓋然性が高い場合には、過負荷判定は肯定され、処理はステップS190に進められる。
ステップS180にて、通常時の調圧制御(「常用制御」という)が実行される。常用制御では、目標液圧Ptに基づいて、電気モータMAが駆動される。具体的には、目標液圧Ptに基づいて目標回転数Nt(実際のモータ回転数Nsに対応する目標値)が演算され、目標回転数Ntに基づいて電気モータMAへの供給電流Imが調整される。例えば、電気モータMAの駆動制御では、目標液圧Ptの時間変化量dP(即ち、目標液圧Ptの時間微分値)の増加に伴って、目標回転数Ntが増加されるように演算される。そして、実際のモータ回転数Nsが目標回転数Ntに、近づき、一致するように、パルス幅変調制御(所謂、PWM制御)が実行される。つまり、電気モータMAの駆動制御において、回転数フィードバック制御が行われる。
回転数フィードバック制御では、目標回転数Nt、及び、実際の回転数Ns(モータ回転数センサNSの検出値、或いは、回転角センサの検出値の時間微分値)に基づいて、その偏差hNが演算される(即ち、「hN=Nt-Ns」)。そして、回転数偏差hNが「0」に近付き、一致するよう、電気モータMAへの電流値Im(例として、PWM制御におけるデューティ比)が調整される。詳細には、回転数偏差hNが所定回転数hnよりも大きい場合には、電気モータMAの電流値Imが増加され、電気モータMAは増速される。一方、回転数偏差hNは所定回転数「-hn」未満の場合には、電気モータMAの電流値Imが減少され、電気モータMAは減速される。ここで、所定回転数hnは、制御の不感帯であり、予め設定された所定値(正符号の定数)である。なお、目標回転数Ntは、目標液圧Ptの関数ではなく、予め設定された所定値(定数)であってもよい。
更に、ステップS180の常用制御では、目標液圧Ptに基づいて、調圧弁UAが駆動される。具体的には、サーボ液圧Paが、目標液圧Ptに近付き、一致するように、調圧弁UAの供給電流Iaが調整される。例えば、調圧弁UAを駆動するための電流制御では、目標液圧Pt、及び、演算マップZip(後述のIP特性)に基づいて、目標液圧Ptの増加に伴って、目標電流値It(実際の電流値Iaに対応する目標値)が増加されるように演算される。そして、実際の電流値Iaが目標電流値Itに、近づき、一致するように制御される(所謂、電流フィードバック制御)。
更に、調圧弁UAの駆動制御では、サーボ液圧Paが、目標液圧Ptに近付き、一致するように、目標電流値Itが調整されてもよい。具体的には、目標液圧Pt、及び、サーボ液圧Paに基づいて、その偏差hPが演算される(即ち、「hP=Pt-Pa」)。そして、液圧偏差hPが「0」に近付き、一致するよう、調圧弁UAへの電流値Ia(例として、PWM制御におけるデューティ比)が調整される。詳細には、液圧偏差hPが所定液圧hpよりも大きい場合には、調圧弁UAの目標電流値It(結果、実電流値Ia)が増加され、調圧弁UAの開弁量が減少される。一方、液圧偏差hPが所定液圧「-hp」未満の場合には、調圧弁UAの電流値It、Iaが減少され、調圧弁UAの開弁量が増加される。ここで、所定液圧hpは、制御の不感帯であり、予め設定された所定値(正符号の定数)である。
ステップS190にて、電気モータMAの負荷が過大である場合の調圧制御(「第1の特定制御」と称呼され、単に、「特定制御」ともいう)が実行される。第1の特定制御では、電気モータMAが、失速し、停止しないよう、調圧弁UAへの通電制限が行われる。ステップS190では、ステップS180と同様の方法で、電気モータMAが駆動される。一方、調圧弁UAへの供給電流Iaが後述の方法で制限される。
<調圧弁UAの通電制限>
図4の特性図を参照して、ステップS190の第1の特定制御における調圧弁UAの通電制限について説明する。「通電制限」は、過負荷判定が肯定された場合に、電気モータMAのストールが回避されるよう、調圧弁UAへの供給電流Iaを制限して、電気モータMAの負荷を軽減するものである。特性図は、調圧弁UAにおいて、供給される電流値と、出力される液圧との関係を表現する演算マップであり、「IP特性」と称呼される。演算マップ(IP特性)Zipにおいて、横軸は目標電流値It(結果、電流値Ia)を、縦軸は目標液圧Pt(結果、実際のサーボ液圧Pa)を、夫々表示している。
調圧弁UAは、常開型であるため、供給電流Iaが増加されるに従って、開弁量が減少され、サーボ液圧Pa(結果、供給液圧Pm、制動液圧Pw)が増加される。演算マップZipにおいて、点Xは、制動制御装置SCに要求される最大の作動点である。従って、供給電流の定格値ix(「定格電流」という)は、制動制御装置SCに要求されるサーボ液圧Paの定格値px(「定格液圧」という)に対応している。ステップS180の常用制御では、調圧弁UAには、「0」から定格電流ixまでの範囲で、電流値Iaが調整されることで、サーボ液圧Paが、「0」から定格液圧pxまでの範囲で調整され得る(図中の二点鎖線で示す範囲)。「定格液圧px」は、制動制御装置SCが継続的に発生し得るサーボ液圧Pa(結果、制動液圧Pw)の最大値に対応している。
電気モータMAの負荷が過大である場合(即ち、ステップS170の過負荷判定が肯定される場合)には、ステップS190の特定制御にて、作動点Sで示すように、調圧弁UAに対して供給される電流値It(目標値)、Ia(実際値)が、制限電流値Izを超えないよう、限度が設けられる。電流値It、Iaが、制限電流値Izに制限されることにより、加圧ユニットKUからの出力(液圧)Pt、Paは、制限液圧Pzに制限される。ここで、目標液圧Pt(目標値)の制御結果が、サーボ液圧Pa(実際値)である。第1の特定制御では、演算マップZipにおいて、制動制御装置SCの作動点が、原点(0,0)から点S(Iz,Pz)までの範囲に制限される(図中の破線で示す範囲)。
例えば、電気モータMAの負荷の程度(過負荷の度合い)を表す負荷状態量Jmは、電気モータMAの温度Tm、及び/又は、電気モータMAの駆動回路DDの温度Tdに基づいて決定(演算)される。これは、負荷が高いほど、温度Tm(電気モータMAの本体の温度)、Td(駆動回路DDの温度)が上昇することに基づく。また、負荷状態量Jmは、電気モータMAにおいて、入力(即ち、モータ電流値Im)と出力(即ち、サーボ液圧Pa、供給液圧Pm、モータ回転数Ns)との関係に基づいて演算されてもよい。具体的には、入力に対する出力の比率Hmが演算され、該比率Hmに応じて、負荷状態量Jmが決定される。なお、「電気モータMAが過負荷状態であること(過負荷判定の肯定条件)」は、「負荷状態量Jm(変数)が、予め設定された所定量jm(定数)以上であること」に基づいて判定される。
過負荷判定が肯定される場合には、第1の特定制御によって、目標電流値It(結果、実電流値Ia)が、制限電流値Iz以下になるように制限される。該制限により、調圧弁UAには制限電流値Izよりも大きい電流は供給されないので、結果、サーボ液圧Paは、制限液圧Pz以下に制限される。制限電流値Iz(変数)は、ブロックX190に示すように、負荷状態量Jm、及び、演算マップZjmに基づいて演算される。具体的には、演算マップZjmに応じて、負荷状態量Jmが大きいほど、制限電流値Izが小さくなるように決定される。従って、負荷状態量Jmが大きいほど、制限液圧Pzは低く設定される。また、制限電流値Iz(結果、制限液圧Pz)は、予め設定された所定値(定数)として設定されてもよい。第1の特定制御によって、電気モータMAの負荷が制限されるので、電気モータMAのストールが回避され得る。そして、調圧弁UAによる制動液圧Pwの調圧が継続可能にされる。
例えば、調圧弁UAの駆動制御では、パルス幅変調制御(PWM制御)が実行される。PWM制御では、目標電流値It、及び、予め設定された演算マップに基づいて、パルス幅のデューティ比Du(周期的なパルス波において、その周期に対するオン状態のパルス幅の割合)が決定される。調圧弁UAにおける、入力電圧(電源電圧であり、蓄電池BUの電圧)、及び、デューティ比Dtによって、調圧弁UAに供給される最終的な電圧が定まり、その結果、調圧弁UAの電流値Iaが決まる。従って、調圧弁UAの駆動において、PWM制御が採用される場合には、制限電流値Izに基づく制限において、デューティ比Duが制限されてもよい。即ち、デューティ比Duが制限されることによって、実質的には、電流値Iaが制限される。
更に、負荷状態量Jmに基づく電流制限は、目標液圧Ptが制限されることによって行われてもよい。これは、調圧弁UAでは、目標液圧Ptに応じた目標電流値Itに基づき実電流Iaが制御されるためである。つまり、負荷状態量Jmに基づいて、目標液圧Ptが制限されることで、実際の電流値Iaが制限され得る。
<調圧制御の第2の処理例>
図5のフロー図を参照して、調圧制御の第2の処理例について説明する。第1の処理例では、電気モータMAの過負荷状態を表す負荷状態量Jmに基づいて、電流値Iaの制限が行われた。これに代えて、第2の処理例では、電気モータMAの電源電圧Vm(即ち、蓄電池BUの電圧)に基づいて、電流値Iaが制限される。第2の処理例において、第1の処理例と同じ記号が付された演算ステップ(即ち、ステップS110~S150、及び、ステップS180)では、第1の処理例と同じ演算処理が行われる。従って、これらの演算ステップでの処理についての説明は省略される。以下、第1の処理例との相違点について説明する。
ステップS200にて、「補機用蓄電池BU(電源)の電圧Vmが低下しているか、否か(「電圧低下判定」という)」が判定される。電源電圧Vmは、電気モータMAを駆動するために、蓄電池BUから駆動回路DDに入力(供給)される電圧である。例えば、電源電圧Vmは、駆動回路DDに設けられた電源電圧センサVMによって検出される。具体的には、電圧低下判定は、「電源電圧Vmが、所定電圧vm未満であるか、否か」に基づいて判定される。ここで、所定電圧vmは、予め設定された所定値(定数)である。「Vm≧vm」である場合には、ステップS200の電圧低下判定は否定され、処理はステップS180に進められ、常用制御が実行される。一方、「Vm<vm」である場合には、電源電圧Vmは低下しているので、ステップS200の電圧低下判定は肯定され、処理はステップS210に進められる。
ステップS210にて、電気モータMAの電源電圧Vmが低下している場合の調圧制御(「第2の特定制御」と称呼され、単に、「特定制御」ともいう)が実行される。第2の特定制御でも、第1の特定制御と同様に、電気モータMAが、失速し、停止しないよう、調圧弁UAへの通電制限が行われる。ステップS210でも、ステップS180と同様の方法で、電気モータMAが駆動される。一方、調圧弁UAへの供給電流Iaが、ステップS190と同様の方法で制限される。
図4の特性図を再度参照して、ステップS210の特定制御における調圧弁UAの通電制限について説明する。第2の特定制御による通電制限は、電源電圧Vmの低下判定が肯定された場合に、電気モータMAのストールが回避されるよう、調圧弁UAへの供給電流Iaを制限して、電気モータMAの負荷を軽減するものである。電気モータMAの電源電圧Vmが低下している場合(即ち、ステップS200の判定が肯定される場合)には、ステップS210の特定制御にて、調圧弁UAに対して供給される電流It(目標値)、Ia(実際値)が、制限電流値Izによって制限される。これにより、加圧ユニットKUからの液圧Pt(目標値)、Pa(実際値)は、制限液圧Pz以下になるように制限される(作動点Sを参照)。即ち、第2の特定制御では、第1の特定制御と同様に、演算マップZipにおいて、制動制御装置SCの作動点が、原点(0,0)から点S(Iz,Pz)までの範囲に制限される(図中の破線で示す範囲)。なお、電源電圧Vmは、駆動回路DDに備えられた電源電圧センサVMによって検出される。
電圧低下判定が肯定される場合には、第2の特定制御によって、目標電流値It(結果、電流値Ia)が、制限電流値Izを超えないように制限される。該制限により、調圧弁UAには制限電流値Izよりも大きい電流は供給されないので、サーボ液圧Pa(結果、供給液圧Pm、制動液圧Pw)は、制限液圧Pzまでの範囲に制限される。制限電流値Iz(変数)は、ブロックX190に示すように、電源電圧Vm、及び、演算マップZvmに基づいて演算される。具体的には、演算マップZvmに応じて、電源電圧Vmが小さいほど、制限電流値Izが小さくなるように決定される。従って、電源電圧Vmの低下度合いが大きいほど、制限液圧Pzは低く設定される。また、制限電流値Iz(結果、制限液圧Pz)は、予め設定された所定値(定数)として設定されてもよい。第2の特定制御によって、電気モータMAの負荷が制限されるので、電気モータMAのストールが回避されるとともに、調圧弁UAによる制動液圧Pwの調圧制御が継続され得る。なお、上述したように、調圧弁UAが、PWM制御によって駆動される場合には、電流制限において、デューティ比Duが制限されてもよい。これは、デューティ比Duが制限されることで、実質的には、電流値Iaが制限されるもとに基づく。
上記同様、電流制限は、目標液圧Ptの制限によって行われてもよい。調圧弁UAの電流制御は、目標液圧Ptに基づいて演算される目標電流値Itに応じて行われる。従って、電源電圧Vmに基づいて、目標液圧Ptが制限されることにより、実際の電流値Iaが制限され得る。
<流体ユニットHUの第2の構成例>
図6の概略図を参照して、流体ユニットHUの第2の構成例について説明する。第2の構成例に係る流体ユニットHUも、前輪WHfに回生制動装置KCを備える車両JVに適用される。第2の構成例において、第1の構成例と同じ記号を付された部材(MA等)は、第1の構成例と同じ機能のものである。従って、第1の構成例との相違点について説明する。なお、例では、受圧面積ru、rmは同じになるよう、流体ユニットHUが構成されている。
第2の構成例では、還流路HKにおいて、流体ポンプQAと調圧弁UA(「第1調圧弁」ともいう)との間に、第2調圧弁UBが設けられる。第2調圧弁UBは、第1調圧弁UAと同様の、常開型のリニア電磁弁である。第2の構成例では、流体ポンプQAが吐出する制動液BFが、2段で絞られることで調整される。ここで、第1調圧弁UAと第2調圧弁UBとの間の液圧Paが、「第1サーボ液圧」と称呼される。また、第2調圧弁UBと流体ポンプQAとの間の液圧Pbが、「第2サーボ液圧」と称呼される。第2サーボ液圧Pbは、第2調圧弁UBによって、第1サーボ液圧Paから増加するように調節される。従って、第1サーボ液圧Paと第2サーボ液圧Pbとの大小関係においては、第2サーボ液圧Pbは、常に第1サーボ液圧Pa以上である(即ち、「Pb≧Pa」)。なお、第2調圧弁UBは、駆動信号Ubによって制御される。また、流体ユニットHUには、第1、第2サーボ液圧Pa、Pbを検出するよう、第1、第2サーボ液圧センサPA、PBが設けられる。
還流路HKは、第1調圧弁UAと第2調圧弁UBとの間の部位Xaにて、サーボ路HVを介して、サーボ室Ruに接続される。従って、第1サーボ液圧Paは、サーボ室Ruに供給され、マスタ室Rmから、供給液圧Pmとして出力される(即ち、「ru=rm」であるため、「Pm=Pa=Pwf」)。また、還流路HKは、流体ポンプQAと第2調圧弁UBとの間の部位Xbにて、後輪連絡路HSrを介して、後輪ホイールシリンダCWrに接続される。従って、第2サーボ液圧Pbは、後輪ホイールシリンダCWrに供給される(即ち、「Pb=Pwr」)。第2の構成例では、「Pwf≦Pwr」の範囲で、前輪制動液圧Pwfと後輪制動液圧Pwrとが個別に調整されるので、前輪WHfに回生制動装置KCを備えた車両JVにおいて、前輪制動力Fxfと後輪制動力Fxrとの比率(所謂、前後制動力配分)が一定に維持された上で、回生協調制御の実行が可能である。
第2の構成例でも、第1の構成例と同様に、過負荷判定(ステップS170を参照)、及び、電圧低下判定(ステップS200を参照)のうちの少なくとも1つが肯定された場合には、図3~5を参照して説明した、第1、第2調圧弁UA、UBの通電制限が行われる。これにより、モータストールが回避され、第1、第2調圧弁UA、UBによる調圧制御が、モータストールによって中断されることなく、継続され得る。
なお、後輪WHrに回生制動装置KCを備える車両JVに、第2の構成例に係る流体ユニットHUが適用される場合には、第1サーボ液圧Paが後輪ホイールシリンダCWrに供給され、第2サーボ液圧Pbがサーボ室Ruに供給される。該構成でも、上述した通電制限が行われることで、上記同様の効果を奏する。
<流体ユニットHUの他の構成例>
本発明に係る制動制御装置SCの流体ユニットHUとして、シングル型マスタシリンダCMでCNを備える構成例(図2を参照)、2段階で調圧できる加圧ユニットKUを備える構成例(図6を参照)について説明した。これらに代えて、本発明に係る制動制御装置SCでは、流体ユニットHUとして、タンデム型マスタシリンダCMを備える構成(例えば、特開2020-032833号を参照)、ホイールシリンダCWと加圧ユニットKUとが電磁弁を介して接続される構成(例えば、特開2021-014157号を参照)等が採用されてもよい。何れにしても、本発明に係る制動制御装置SCに含まれる流体ユニットHUでは、電気モータMAで駆動される流体ポンプQAが吐出する制動液BFが、調圧弁(UA等)によって調節される。
更に、上記の構成例は、ストロークシミュレータSSにて制動操作部材BPの操作力Fpを発生するブレーキ・バイ・ワイヤ型であって、還流型の加圧ユニットKUによって、サービスブレーキ(「常用ブレーキ」ともいう)の機能を実現するものである。これに代えて、加圧ユニットKUが、サービスブレーキには使用されず、車両安定性制御の実行、或いは、回生協調制御(特に、車両停止直前のすり替え作動)の実行に限って作動されてもよい(例えば、特開2014-213854号、特開2015-095966号を参照)。
第1、第2の特定制御による通電制限は、サービスブレーキを実現する制動制御装置SCに適用されることが、より効果的である。例えば、サービスブレーキが作動している最中に、電気モータMAが停止すると、制動液圧Pwの調整は、加圧ユニットKUによるものから、マニュアル制動(運転者の筋力のみによる制動)による加圧に切り替えざるを得ない。しかしながら、制動制御装置SCでは、加圧ユニットKUが発生し得る定格液圧pxは制限されるものの、電気モータMAの駆動が継続されるので、加圧ユニットKUによる調圧制御が継続され得る。つまり、電気モータMAの過負荷状態等が発生した際に、直ちにはマニュアル制動に切り替えられない。このため、制動制御装置SCの不調時において、急な性能低下が発生せず、調圧制御の連続性が担保されるので、運転者への違和感が低減され得る。
<制動制御装置SCの実施形態のまとめ>
以下、本発明に係る制動制御装置SCの実施形態をまとめる。制動制御装置SCは、「電気モータMAで駆動される流体ポンプQAが吐出する制動液BFの圧力Pa(サーボ液圧)を調圧弁UAによって調節する加圧ユニットKU」、及び、「加圧ユニットKUを制御することでホイールシリンダCWの制動液圧Pwを調整するコントローラECU」にて構成される。
制動制御装置SCでは、コントローラECUによって、電気モータMAの負荷の程度(大きさ)を表す負荷状態量Jmに基づいて、上記の調圧弁(UA等)に供給される電流値(Ia等)の制限が行われる。この電流制限は、負荷状態量Jmが所定量jm未満の場合には実行されないが、負荷状態量Jmが所定量jm以上の場合には実行される。具体的には、負荷状態量Jmは、電気モータMAの温度Tmに基づいて演算される。また、負荷状態量Jmは、電気モータMAを駆動する回路DD(特に、電気モータMAの駆動素子)の温度Tdに基づいて演算され得る。更に、負荷状態量Jmは、電気モータMAにおいて、供給電流値Imに対するモータ出力の比率Hmに基づいて演算されてもよい。ここで、電気モータMAの出力に係る状態量として、サーボ液圧Pa、Pb、供給液圧Pm、及び、モータ回転数Nsのうちの少なくとも1つが採用される。
還流型の加圧ユニットKUでは、流体ポンプQAから吐出される制動液BFが、調圧弁UA等によって絞られる際のオリフィス効果で、サーボ液圧Pa等が調整される。詳細には、(第1)調圧弁UA(以下、第2調圧弁UBも同様)は、常開型のリニア電磁弁であり、制動コントローラECUによって制御される。調圧弁UAは、ソレノイドで駆動される弁体を含んでいて、ソレノイドに通電が行われると、ソレノイドにおいて、固定コイル内にプランジャを引き込もうとする推力(「吸引力」という)が発生される。この吸引力は、ソレノイドに固定された弁体に対して、流体ポンプQAからの制動液BFが調圧弁UA内に流れ込むのを阻止するように作用する。ここで、制動液BFによって、弁体に対して作用する力が、「流体力」と称呼される。調圧弁UAの弁体の吸引力と、制動液BFの流れ(即ち、還流KN)による流体力とは、互いに向き合い、対抗している。吸引力と流体力とが均衡した状態で、調圧弁UAの開弁量(即ち、弁体と弁座との隙間)が定まり、サーボ液圧Paが決まる。
電気モータMAは、定格液圧px(継続的に達成され得る最大液圧)を発生できるように設計されている。つまり、電気モータMAは、定格液圧pxを発生させるために十分な出力を備えている。しかしながら、電気モータMAの負荷状態量Jmが過大となると、電気モータMAの出力が相対的に低下する状況が生じ得る。例えば、以下に列挙するような状況が想定される。
-電気モータMA、及び/又は、流体ポンプQAの軸受(例えば、ベアリング)での摩擦増加に起因するトルク損失の増大。
-電気モータMAと流体ポンプQAとの継ぎ手での摩擦増加に起因するトルク損失の増大。
-流体ポンプQA内への異物混入によるトルク損失の増大。
-電気モータMAの過熱による出力の低下。
上述したように、制動液BFの流体力は、電気モータMAを動力源にして発生される。トルク損失増大の影響を受け、電気モータMAの出力が相対的に低下し、調圧弁UAの吸引力に対応する流体力が発生できなくなると、サーボ液圧Pa(結果、制動液圧Pw)の調整が困難となる。また、トルク損失が、更に増加すると、モータストール(電気モータMAが失速し、停止に至る現象)の発生の蓋然性が高まる。万一、モータストールが発生すると、循環流KNを発生させる動力が失われるので、サーボ液圧Pa(結果、制動液圧Pw)は発生され得なくなる。この状況下では、制動制御装置SCによる制動から、マニュアル制動(運転者の筋力のみによる制動)に切り替えられる。
本発明に係る制動制御装置SCでは、負荷状態量Jmが過大になる場合(即ち、「Jm≧jm」の場合)には、調圧弁UAへの電流値It(目標値)、Ia(実際値)が、制限電流値Izに制限される。これにより、調圧弁UAにおける吸引力(即ち、還流KNの流体力の抵抗として作用する力)に制限が設けられる。このため、電気モータMAでのストール発生が回避され得る。結果、制動制御装置SC(特に、加圧ユニットKU)による制動液圧Pwの調整制御が、中断されることなく、維持され得る。つまり、電気モータMAの負荷が過大となる場合でも、定格液圧が制限された調圧制御が継続される。従って、電気モータMAの過負荷状態が発生しても、直ちにはマニュアル制動に切り替えられないので、運転者の違和感が抑制される。
負荷が増加することに基づく、電気モータMAの相対的な出力低下の度合いは、負荷状態量Jmに依存する。従って、負荷状態量Jmが大きいほど、制限電流Izが小さくなるように設定されることが望ましい(ブロックX190の演算マップZjmを参照)。しかしながら、制限電流Izが、所定値(定数)として予め設定されても、モータストール防止は図られる。
制動制御装置SCでは、コントローラECUによって、電気モータMAの電源電圧Vmに基づいて、上記の調圧弁(UA等)に供給される電流値(Ia等)の制限が行われる。ここで、電源電圧Vmは、蓄電池BUの出力電圧であり、駆動回路DDへの入力電圧である。電流制限は、電源電圧Vmが所定電圧vm以上の場合には実行されないが、電源電圧Vmが所定電圧vm未満の場合には実行される。
電源電圧Vmが低下した状況で、上述した負荷状態量Jmが過大となる状況と同様の現象(即ち、電気モータMAの出力が相対的に低下し、モータストールの発生確率が高まること)が発生し得る。制動制御装置SCでは、電源電圧Vmが低下した場合(即ち、「Vm<vm」の場合)には、調圧弁UAへの電流値It(目標値)、Ia(実際値)が制限される。更に、制限電流Izは、所定値(定数)として予め設定されてもよいが、電源電圧Vmが小さいほど、制限電流Izが小さくなるように設定されることが好ましい(ブロックX190の演算マップZvmを参照)。調圧弁の電流制限により、上記同様の効果(即ち、モータストールの未然防止)を奏する。