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JP7632178B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description

本発明は、車両などに搭載される燃料電池システムに関するものである。
従来、アノードガスとしての燃料ガスとカソードガスとしての酸化剤ガスがそれぞれ電解質膜を含めたMEAの一方の面と他方の面に供給されて発電する複数の燃料電池セルを積層して構成された燃料電池が知られている。なお、MEAは、電解質膜と電極触媒層とを含む膜電極接合体であり、Membrane Electrode Assemblyの略である。
特許文献1には、燃料電池の性能劣化状態を判定する判定装置に関する技術が開示されている。この判定装置は、燃料電池に対して所定の高周波を印加したときのインピーダンスと、燃料電池の運転状態に応じて定められる判定基準値とを比較することで、燃料電池の性能劣化状態を判定するものである。
特開2007-48559号公報
上記特許文献1に記載の技術では、燃料電池の性能劣化判定を行う際に、燃料電池の運転状態として、例えば、燃料電池の内部温度、MEAの湿潤状態、触媒の活性状態、供給ガスの加湿量、流量、圧力および拡散状態などを適切に検出しなければならない。しかしながら、一般に、燃料電池の性能劣化判定に必要となる燃料電池の運転状態をすべて検出することは困難である。そのため、特許文献1に記載の判定装置は、燃料電池の性能劣化判定の精度が低くなることが懸念される。
本発明は上記点に鑑みて、燃料電池の性能劣化判定の精度を向上することの可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、燃料電池システムにおいて、
アノードガスとしての燃料ガスとカソードガスとしての酸化剤ガスがそれぞれ電解質膜を含めた膜電極接合体(以下、「MEA」という)の一方の面と他方の面に供給されて発電する複数の燃料電池セル(C)が積層された燃料電池(10)と、
燃料電池が出力する電圧値を検出する電圧検出部(31)と、
燃料電池から取り出される電流値を検出する電流検出部(32)と、
燃料電池が所定の負荷の発電を実行する直前の所定時間内に電流検出部により検出された電流値のうち最大値である「直前最大電流値」と、燃料電池が所定の負荷の発電を実行する時に電圧検出部により検出される電圧値である「実行時電圧値」との関係に基づいて燃料電池の劣化を検出する電池劣化検出部(100)と、を備える。
これによれば、発明者らは鋭意研究の結果、初期状態の燃料電池では「直前最大電流値」と「実行時電圧値」とが何ら傾向を有しないが、燃料電池が経年劣化するに従い「直前最大電流値」が小さいほど「実行時電圧値」が小さくなる傾向が次第に生じることを見出した。
具体的には、「直前最大電流値」が小さい場合、所定の負荷の発電が実行される直前の所定時間内(以下、単に「直前の所定時間内」という)に低負荷発電が実行されていたことになる。低負荷発電時にはカソードガスの流量が少ないことから、燃料電池の劣化状態によっては、MEAに水が溜まりやすい発電状態となることがある。
しかし、初期状態の燃料電池はMEAの排水性が良好であるので、低負荷発電時のようなカソードガスの流量が少ない場合でも、MEAが適度に湿潤した状態となる。そのため、初期状態の燃料電池では、直前最大電流値に関わらず、所定の負荷の発電が実行される際に、MEAが適度に湿潤した状態となっており、プロトンの伝導性が良く、電圧値が比較的高い良好な発電状態となる。したがって、初期状態の燃料電池は、「直前最大電流値」と「実行時電圧値」とが何ら傾向を有しないものとなる。
それに対し、燃料電池が経年劣化するに従い、MEAの排水性が次第に悪化する。そのため、低負荷発電時のようなカソードガスの流量が少ない場合、燃料電池の経年劣化によりMEAの排水性が悪化していると、発電により発生した水がMEAから排水されず、MEAに水が溜まった状態(すなわち、フラッディング状態)となりやすい。このように、経年劣化した燃料電池では、「直前最大電流値」が小さいほどMEAに水が溜まりやすいので、その後、所定の負荷の発電が実行される際に、MEAに溜まった水によりカソードガスの触媒への供給が阻害され、「実行時電圧値」が低い発電状態となる。
一方、「直前最大電流値」が大きい場合には、直前の所定時間内に高負荷発電が実行されていたことになる。高負荷発電時にはカソードガスの流量が多いことから、燃料電池の経年劣化によりMEAの排水性が悪化していても、発電時に生成された水はカソードガスによりMEAから排出され、MEAが適度に湿潤している状態となる。そのため、経年劣化した燃料電池であっても、「直前最大電流値」が大きい場合には、その後、所定の負荷の発電が実行される際に、MEAのプロトンの伝導性が良くなっており、「実行時電圧値」が高い良好な発電状態となる。したがって、燃料電池は初期状態から経年劣化するに従い、「直前最大電流値」が小さいほど「実行時電圧値」が小さくなるといった傾向が次第に生じるようになる。
そこで、請求項1に係る発明では、「直前最大電流値」と「実行時電圧値」との関係に基づいて燃料電池の劣化を検出する。すなわち、上述したように、燃料電池は初期状態から経年劣化するに従い、「直前最大電流値」が小さいほど「実行時電圧値」が小さくなるといった傾向が次第に生じることから、燃料電池の劣化を検出することが可能である。したがって、この請求項1に記載の燃料電池システムは、特許文献1に記載の判定装置のように燃料電池の様々な運転状態を検出することなく、燃料電池の劣化判定を精度良く行うことができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を示す図である。 燃料電池システムの制御系を模式的に示す図である。 燃料電池の初期状態における所定期間中に燃料電池が所定の中負荷発電を行う際の「実行時電圧値」とその「直前最大電流値」とを複数回検出したデータである。 燃料電池の初期状態から所定時間経過した所定期間中に燃料電池が所定の中負荷発電を行う際の「実行時電圧値」とその「直前最大電流値」とを複数回検出したデータである。 図3および図4のデータの作成方法を説明するためのグラフである。 第1実施形態に係る燃料電池システムが備える電子制御装置が実行する劣化判定および劣化回復処理のフローチャートである。 図4のグラフの傾きとフラッディングが生じる発電の負荷との関係を示すグラフである。 第2実施形態に係る燃料電池システムが備える電子制御装置が実行する劣化判定および劣化回復処理のフローチャートである。 第2実施形態に係る燃料電池システムが備える電子制御装置が実行する劣化判定および劣化回復処理において、図8Aに続くフローチャートである。 第2実施形態に係る燃料電池システムが備える電子制御装置が実行する劣化判定および劣化回復処理において、図8Aに続くフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態について図1~図6を参照して説明する。本実施形態では、本開示の燃料電池システムを、燃料電池10から車両走行用のモータへ供給する電力を得る車両FCEVに適応した例について説明する。FCEVは、Fuel Cell Electric Vehicleの略称である。
燃料電池システムは、反応ガスである水素および酸素の電気化学反応を利用して電力を発生させる燃料電池10を備えている。燃料電池10は、インバータ11やDC-DCコンバータ12などの電力変換機器13に電力を供給する。インバータ11は、燃料電池10から供給される直流電流を交流電流に変換して走行用モータ等の負荷機器14に供給し、その負荷機器14を駆動する。
DC-DCコンバータ12は蓄電機器15と接続されている。燃料電池システムは、燃料電池10から出力される電力のうち余剰となる電力がDC-DCコンバータ12を経由して蓄電機器15に蓄積されるように構成されている。
燃料電池10は、最小単位となる燃料電池セルCが複数積層されたセルスタックCSとして構成されている。燃料電池セルCは、燃料電池セルCの積層方向に直交する方向に拡がるセル面を有する。燃料電池セルCは、電解質膜、触媒層、ガス拡散層、セパレータを有する固体高分子電解質型のセル(いわゆる、PEFC)で構成されている。なお、電解質膜、触媒層、ガス拡散層は、MEAを構成している。燃料電池セルCは、MEAがセパレータで挟持されている。燃料電池セルCは、MEAのアノード電極側にアノードガスとしての燃料ガス(具体的には、水素)が供給され、カソード電極側にカソードガスとしての酸化剤ガス(具体的には、空気に含まれる酸素)が供給されると、以下の反応式F1、F2に示す電気化学反応が起きて電気エネルギが発生する。
・アノード電極側:H→2H+2e・・・(F1)
・カソード電極側:2H+1/2O+2e→HO・・・(F2)
上記の電気化学反応が起きるためには、燃料電池セルCのMEAは、水を含んだ湿潤状態になっている必要がある。燃料電池システムは、燃料電池10の内部のMEAを加湿する。MEAの加湿は、燃料ガスである水素または酸化剤ガスである空気の供給経路に加湿装置等を配置することで実現可能である。
燃料電池システムは、燃料電池10に向けて酸素を含む空気を供給するカソードガス供給経路20と、燃料電池10で使用されたオフ空気を排出するカソードガス排出経路21とを備えている。カソードガス供給経路20には、エアポンプ22が設けられている。エアポンプ22は、例えばターボコンプレッサにより構成されている。エアポンプ22は、後述する電子制御装置100からの制御信号に基づいて、燃料電池10への空気の供給能力が制御される。カソードガス排出経路21には、エアバルブ23が設けられている。
また、燃料電池システムは、燃料電池10に向けて水素を供給するアノードガス供給経路40と、燃料電池10で使用された水素のオフガス(すなわち、オフ燃料)を排出するアノードガス排出経路41と、アノードガス排出経路41を流れるオフ燃料をアノードガス供給経路40に循環させる循環経路42とを備えている。アノードガス供給経路40の最上流部には水素供給源である高圧水素タンク43が設けられている。アノードガス供給経路40には、燃料バルブ44が設けられている。アノードガス排出経路41の途中に設けられた気液分離器45は、オフ燃料から液水を分離して貯水する。気液分離器45内の貯留水はアノードガス排出経路41から排出される。アノードガス排出経路41には、排気バルブ46が設けられている。なお、アノードガス排出経路41の下流側とカソードガス排出経路21の下流側は、車両のマフラに接続されている。
次に、燃料電池システムの制御系について図1および図2を参照しつつ説明する。燃料電池システムは、電子制御装置100(以下、「ECU100」という)を備えている。ECU100は、プロセッサ、メモリを含むマイクロコンピュータとその周辺回路を備えている。ECU100のメモリは、非遷移的実体的記憶媒体である。
ECU100は、メモリに記憶された制御プログラムに基づいて、出力側に接続される制御対象機器を動作させて、燃料電池10の運転を制御する。具体的に、ECU100の出力側には、上述したエアポンプ22、エアバルブ23、燃料バルブ44、排気バルブ46などの制御対象機器が接続されている。ECU100は発電制御部として機能し、燃料電池10に指示される負荷(具体的には、電流値)に応じて制御対象機器の作動を制御することで、アノードガスの供給量およびカソードガスの供給量などを制御することが可能である。
本実施形態の燃料電池システムでは、走行用モータなどの負荷機器14からの要求電力に応じた電力が出力されるように、出力側に接続される制御対象機器の作動がECU100により制御される。具体的には、燃料電池10の負荷に応じて燃料電池10から掃引する目標電流が設定され、燃料電池10から掃引される電流が目標電流に維持されるように、制御対象機器の作動が制御される。すなわち、本明細書において、燃料電池10の負荷とは、負荷機器14などから燃料電池10に要求される要求電力または当該要求電力を満足するのに必要な掃引電流に相当する。
ECU100の入力側には、電圧検出部31、電流検出部32、温度検出部33などが接続されている。電圧検出部31は、燃料電池10が出力する電圧を検出する電圧計である。電圧検出部31は、燃料電池10の両端子間に設けられている。電流検出部32は、燃料電池10から取り出される(すなわち、掃引される)電流を検出する電流計である。電流検出部32は、燃料電池10とインバータ11との接続ラインに設けられている。
温度検出部33は、燃料電池10の温度を検出する温度計である。温度検出部33は、燃料電池10を冷却する図示しない冷却水回路に設けられており、燃料電池10を通過した直後の冷却水の温度を検出する。温度検出部33が検出する冷却水の温度は、燃料電池10の温度に相当する。
電圧検出部31、電流検出部32、温度検出部33などの各センサから出力される信号は、ECU100に入力される。本実施形態のECU100は、燃料電池10の劣化を検出する電池劣化検出部として機能するように構成されている。具体的に、ECU100は、燃料電池10が所定の中負荷発電を実行する直前の所定時間内に電流検出部32により検出された電流値のうち最大値(以下、「直前最大電流値」という)と、燃料電池10がその所定の中負荷発電を実行する時に電圧検出部31により検出される電圧値(以下、「実行時電圧値」という)との関係に基づいて燃料電池10の劣化を検出する。
なお、本明細書において、燃料電池10の最大負荷(すなわち、燃料電池10に指示される最大電流値)に対して0より大きく30%以下の範囲の発電を低負荷発電といい、燃料電池10の最大負荷に対して30%から80%の範囲の発電を中負荷発電といい、燃料電池10の最大負荷に対して80%以上の発電を高負荷発電という。また、所定の中負荷発電とは、中負荷発電の範囲内の所定の電流値が取り出される発電をいう。
ここで、発明者らが、実際の車両に搭載した燃料電池システムにより測定した実車データを図3および図4に示す。
図3は、燃料電池10が初期状態にある所定の期間(例えば1か月間)中に燃料電池10が所定の中負荷発電を実行する直前の所定時間(例えば60秒)内における「直前最大電流値」と、燃料電池10がその所定の中負荷発電を実行した時の「実行時電圧値」とを複数回(全て)検出したデータである。本明細書において、燃料電池10の初期状態とは、燃料電池10が車両搭載された直後の一定期間をいう。また、複数回検出したデータとは、実際には、所定の期間中に中負荷発電の範囲内の所定の電流値が取り出された際の全てのデータである。
図4は、図3のデータを測定した期間から所定時間(例えば、数年~数十年)経過した所定の期間(例えば1か月間)中に燃料電池10が所定の中負荷発電を実行する直前の所定時間(例えば60秒)内における「直前最大電流値」と、燃料電池10がその所定の中負荷発電を実行した時の「実行時電圧値」とを複数回(全て)検出したデータである。なお、以下の説明では、図3のデータを測定した期間を第1期間と呼び、図4のデータを測定した期間を第2期間と呼ぶことがある。
ここで、図3および図4のデータを取得する際に使用した「直前最大電流値」と「実行時電圧値」について図5のグラフを参照して説明しておく。図5のグラフにおいて、燃料電池10は、時刻t2以降、負荷機器14からの要求に応じて所定の中負荷発電(すなわち、中負荷発電の範囲内の所定の電流値が取り出される発電)を実行するものとする。このとき、ECU100は、時刻t2から所定時間(例えば60秒)遡った時刻t1から時刻t2の間に電流検出部32が検出した電流値のうち最大値である「直前最大電流値」を検出する。また、ECU100は、時刻t2以降に燃料電池10が所定の中負荷発電を実行する時の電圧値である「実行時電圧値」を検出する。図3および図4は、このようにして得られたデータについて、横軸を「直前最大電流値」とし、縦軸を「実行時電圧値」としてプロットしたものである。
図3および図4では、所定の期間中に燃料電池10が所定の中負荷発電を実行する際の「直前最大電流値」と「実行時電圧値」を示す点が同一の場所に付された頻度が多いほど、丸印が大きく、且つ、濃い色で示されている。
図3に示されるように、燃料電池10が初期状態にある第1期間では、「直前最大電流値」と「実行時電圧値」とが何ら傾向を有していない。その理由は、次のように考えられる。すなわち、「直前最大電流値」が小さい場合、所定の中負荷発電が実行される直前の所定時間内(以下、単に「直前の所定時間内」という)に低負荷発電が実行されていたことになる。低負荷発電時にはカソードガスの流量が少ないことから、燃料電池10の劣化状態によっては、MEAに水が溜まりやすい発電状態となることがある。しかし、初期状態の燃料電池10はMEAの排水性が良好であるので、低負荷発電時のようなカソードガスの流量が少ない場合でも、MEAが適度に湿潤した状態となる。そのため、初期状態の燃料電池10では、直前最大電流値に関わらず、所定の中負荷発電が実行される際に、MEAが適度に湿潤した状態となっており、プロトンの伝導性が良く、電圧値が比較的高い良好な発電状態となる。したがって、初期状態の燃料電池10は、「直前最大電流値」と「実行時電圧値」とが何ら傾向を有しないものとなる。なお、詳細には、図3に示されるように、「実行時電圧値」は、電圧値が比較的高い中で、燃料電池10のMEAの乾湿の影響を除いた種々の運転条件によりばらつきが生じている。
それに対し、図4に示されるように、燃料電池10が初期状態から所定時間(例えば、数年~数十年)経過した第2期間では、「直前最大電流値」が小さいほど「実行時電圧値」が小さくなる傾向が見られる。その理由は、次のように考えられる。すなわち、燃料電池10が初期状態から所定時間(例えば、数年~数十年)経過した第2期間では、初期状態に比べてMEAの排水性が悪化している。MEAの排水性の悪化とは、初期状態に比べてMEAが乾きにくくなった、もしくはMEAに水が溜まりやすくなったことを意味している。そのため、低負荷発電時のようなカソードガスの流量が少ない場合、燃料電池10の経年劣化によりMEAの排水性が悪化していると、発電により発生した水がMEAから排水されず、MEAに水が溜まった状態(すなわち、フラッディング状態)となりやすい。このように、経年劣化した燃料電池10では、「直前最大電流値」が小さいほどMEAに水が溜まりやすいので、その後、所定の中負荷発電が実行される際に、MEAに溜まった水によりカソードガスの触媒への供給が阻害され、「実行時電圧値」が低い発電状態となる。
一方、「直前最大電流値」が大きい場合には、直前の所定時間内に高負荷発電が実行されていたことになる。高負荷発電時にはカソードガスの流量が多いことから、燃料電池10の経年劣化によりMEAの排水性が悪化していても、発電時に生成された水はカソードガスによりMEAから排出され、MEAが適度に湿潤している状態となる。そのため、経年劣化した燃料電池10であっても、「直前最大電流値」が大きい場合には、その後、所定の中負荷発電が実行される際に、MEAのプロトンの伝導性が良くなっており、「実行時電圧値」が高い良好な発電状態となる。したがって、燃料電池10は初期状態から経年劣化するに従い、「直前最大電流値」が小さいほど「実行時電圧値」が小さくなる傾向が次第に見られるようになる。図4では、その傾向を実線Aで示している。
そこで、本実施形態のECU100は、電池劣化検出部として、「直前最大電流値」と「実行時電圧値」との関係に基づいて燃料電池10の劣化を検出する。すなわち、上述したように、燃料電池10は初期状態から経年劣化するに従い、「直前最大電流値」が小さいほど「実行時電圧値」が小さくなるといった傾向が次第に生じることから、燃料電池10の劣化を検出することが可能である。
次に、本実施形態のECU100が実行する劣化判定処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。
図6に示すように、ステップS110にて、ECU100は、所定時間(例えば60秒)サイクルで、電流検出部32により検出された電流値のうち最大値である最大電流値を算出し、記憶しておく。
次に、ステップS120にて、ECU100は、燃料電池10が初期状態にある所定の期間(例えば1か月間)中に燃料電池10が所定の中負荷発電を実行する直前の所定時間(例えば60秒)内における「直前最大電流値」と、燃料電池10がその所定の中負荷発電を実行した時の「実行時電圧値」とを複数回検出したデータを取得する。そして、そのデータに基づき、「直前最大電流値」と「実行時電圧値」との関係を算出し、記憶する。具体的に、ECU100は、図3に示したようなデータを算出し、記憶する。
次に、ステップS130にて、ECU100は、一定期間単位で、ステップS120と同様に、所定の期間(例えば1か月間)中に燃料電池10が所定の中負荷発電を実行する直前の所定時間(例えば60秒)内における「直前最大電流値」と、燃料電池10がその所定の中負荷発電を実行した時の「実行時電圧値」とを複数回検出したデータを取得する。そして、そのデータに基づき、「直前最大電流値」と「実行時電圧値」との関係を算出し、記憶する。具体的に、ECU100は、図4に示したようなデータを算出し、記憶する。
続いて、ステップS140にて、ECU100は、ステップS120で記憶した「直前最大電流値」と「実行時電圧値」との関係と、ステップS130で記憶した「直前最大電流値」と「実行時電圧値」との関係を比較する。すなわち、ECU100は、ステップS120で取得したデータと比較して、ステップS130で取得したデータに「直前最大電流値」が小さいほど「実行時電圧値」が小さくなるといった傾向が生じたか否かを見る。さらに、ECU100は、ステップS130で取得したデータにおいて、「直前最大電流値」が小さいほど「実行時電圧値」が小さくなるといった傾向を、図4で実線Aに示したようなグラフの傾きとして算出し、記憶する。なお、グラフの傾きは、「直前最大電流値」の増加に対する「実行時電圧値」の増加率と言い換えることもできる。
続いて、ステップS150にて、ECU100は、ステップS140で算出したグラフの傾きが、ECU100に予め記憶された所定の傾きより大きいか否かを判定する。具体的には、ECU100は、「直前最大電流値」の増加に対する「実行時電圧値」の増加率が、ECU100に予め記憶された所定の閾値より大きいか否かを判定する。なお、所定の閾値は実験などにより設定され、ECU100に予め記憶されたものである。ECU100は、ステップS140で算出したグラフの傾きが、ECU100に予め記憶された所定の傾きより大きくない場合(すなわち、ステップS150の判定NO)、処理をステップS130に戻す。それに対し、ECU100は、ステップS140で算出したグラフの傾きが、ECU100に予め記憶された所定の傾きより大きい場合(すなわち、ステップS150の判定YES)、処理をステップS160に進める。
ステップS160にて、ECU100は、燃料電池10においてフラッディングに関する経年劣化が生じていると判定し、処理をステップS170に進める。
ステップS170にて、ECU100は、燃料電池10の劣化回復制御を実行する。劣化回復制御では、例えば、燃料電池10の劣化具合に応じてエアストイキ比を上げる処理が実行される。具体的に、ECU100は、低負荷発電または中負荷発電において、発電に必要とされるカソードガスの流量を、燃料電池10の劣化具合に応じて増加することで、MEAに溜まった水を排出し、MEAを適度に湿潤した状態とすることが可能である。
以上説明した本実施形態の燃料電池システムは、次の作用効果を奏する。すなわち、燃料電池システムは、電池劣化検出部としてのECU100が、燃料電池10が所定の負荷の発電を実行する直前の所定時間内における「直前最大電流値」と、燃料電池10がその所定の負荷の発電を実行した時の「実行時電圧値」との関係に基づいて燃料電池10の劣化を検出する。したがって、この燃料電池システムは、上述した特許文献1に記載の判定装置のように燃料電池10の様々な運転状態を検出することなく、燃料電池10の劣化判定を精度良く行うことができる。
(1)本実施形態では、ECU100は、燃料電池10の劣化を検出するために用いる「所定の負荷の発電」として、「中負荷発電の範囲内において所定の電流値が取り出される発電」を用いる。
これによれば、発明者らの鋭意研究により、燃料電池10が経年劣化した場合、中付加発電時における「実行時電圧値」が、「直前最大電流値」の影響を大きく受けることがわかった。その理由は、燃料電池10が経年劣化した場合、燃料電池10が低負荷発電を実行する際には、直前の所定時間内の発電に関わらず、MEAに水が溜まった状態(すなわち、フラッディング状態)となりやすいので、「実行時電圧値」が低い発電状態となる。一方、燃料電池10が経年劣化した場合であっても、燃料電池10が高負荷発電を実行する際には、直前の所定時間内の発電に関わらず、発電時に生成される水がカソードガスによりMEAから排出されるので、「実行時電圧値」が高い発電状態となる。それに対し、燃料電池10が経年劣化した場合、燃料電池10が中負荷発電を実行する際には、直前の所定時間内の発電負荷に応じてMEAの湿潤状態が変わるため、「実行時電圧値」に影響が生じる。このように、中付加発電時における「実行時電圧値」は、「直前最大電流値」の影響を大きく受けることになる。そのため、本実施形態では、中負荷発電の「実行時電圧値」と、その直前の所定時間内の「直前最大電流値」との関係に基づいて燃料電池10の劣化を検出する。これにより、この燃料電池システムは、燃料電池10の劣化判定を精度良く行うことができる。
(2)本実施形態では、ECU100は、所定の期間中に燃料電池10が発電を行う際の「直前最大電流値」と「実行時電圧値」とを複数回検出したデータに基づいて燃料電池10の劣化を検出する。これによれば、所定の期間中に燃料電池10が発電を行う際の「直前最大電流値」と「実行時電圧値」とを複数回検出したデータから、「直前最大電流値」が小さいほど「実行時電圧値」が小さくなるといった傾向を見ることが可能である。そのため、所定の期間中に複数回検出したデータに基づいて、燃料電池10の劣化判定を精度良く行うことができる。
(3)本実施形態では、ECU100は、「第1期間中に複数回検出した「直前最大電流値」と「実行時電圧値」との関係」と、「第1期間から所定時間経過した第2期間中に複数回検出した「直前最大電流値」と「実行時電圧値」との関係」とを比較して燃料電池10の劣化を検出する。これによれば、第1期間中に複数回検出したデータと、第2期間中に複数回検出したデータとを比較することで、「直前最大電流値」が小さいほど「実行時電圧値」が小さくなるといった傾向が現れ、その傾向が次第に大きくなることを見ることができる。そのため、第1期間中に複数回検出したデータと、第2期間中に複数回検出したデータとを比較することで、燃料電池10の劣化判定を精度良く行うことができる。
(4)本実施形態では、第1期間は、燃料電池10の初期状態における所定の期間である。これによれば、燃料電池10の初期状態では「直前最大電流値」と「実行時電圧値」とが何ら傾向を有することなく、燃料電池10が経年劣化するに従って「直前最大電流値」が小さいほど「実行時電圧値」が小さくなるといった傾向が次第に生じてくる。そのため、燃料電池10が初期状態にある第1期間中に複数回検出したデータと、初期状態から所定時間経過した第2期間中に複数回検出したデータとを比較することで、燃料電池10の劣化判定を精度良く行うことができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について図7および図8A~図8Cを参照して説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して燃料電池10の劣化判定後における処理を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
まず、第2実施形態の説明では、図7のグラフを参照しつつ、経年劣化した燃料電池10にフラッディングが生じる条件について説明する。
図7のグラフの縦軸は、燃料電池10の劣化状態を示している。燃料電池10の劣化状態は、図4で実線Aに示した「直前最大電流値」と「実行時電圧値」との関係におけるグラフの傾きの大きさに相関する。なお、図4で実線Aに示したグラフの傾きは、「直前最大電流値」の増加に対する「実行時電圧値」の増加率と言い換えることもできる。また、図7のグラフの横軸は、燃料電池10が所定時間継続して発電を行った際にフラッディングが生じる可能性のある負荷閾値を示したものである。
図7のグラフに示されるように、燃料電池10の劣化度合いが進むほど、燃料電池10がフラッディングを生じる可能性のある負荷閾値が大きくなる。例えば、図7のD1、F1のように、燃料電池10の劣化度合いが低い場合には、燃料電池10が低負荷発電を所定時間継続して行った場合にフラッディングを生じる可能性が有る。それに対し、例えば、図7のD2、F2のように、燃料電池10の劣化度合いが高い場合には、燃料電池10が低負荷発電を所定時間継続して行った場合だけでなく、中負荷発電を所定時間継続して行った場合にもフラッディングを生じる可能性が生じる。すなわち、燃料電池10にフラッディングが生じる条件(すなわち、負荷閾値)は、燃料電池10の劣化状態に応じて変化する。このことから、次に説明する第2実施形態のECU100が実行する劣化判定処理では、第1実施形態で説明した劣化判定処理に対して燃料電池10の劣化判定後における処理を変更している。
以下、第2実施形態のECU100が実行する劣化判定処理について、図8A~図8Cのフローチャートを参照して説明する。
図8Aに示すように、ステップS210にて、ECU100は、所定時間(例えば60秒)サイクルで、電流検出部32により検出された電流値のうち最大値である最大電流値を算出し、記憶しておく。
次に、ステップS220にて、ECU100は、燃料電池10が初期状態にある所定の期間(例えば1か月間)中に燃料電池10が所定の中負荷発電を実行する直前の所定時間(例えば60秒)内における「直前最大電流値」と、燃料電池10がその所定の中負荷発電を実行した時の「実行時電圧値」とを複数回検出したデータを取得する。そして、そのデータに基づき、「直前最大電流値」と「実行時電圧値」との関係を算出し、記憶する。具体的に、ECU100は、図3に示したようなデータを算出し、記憶する。
次に、ステップS230にて、ECU100は、一定期間単位で、ステップS220と同様に、所定の期間(例えば1か月間)中に燃料電池10が所定の中負荷発電を実行する直前の所定時間(例えば60秒)内における「直前最大電流値」と、燃料電池10がその所定の中負荷発電を実行した時の「実行時電圧値」とを複数回検出したデータを取得する。そして、そのデータに基づき、「直前最大電流値」と「実行時電圧値」との関係を算出し、記憶する。具体的に、ECU100は、図4に示したようなデータを算出し、記憶する。
続いて、ステップS240にて、ECU100は、ステップS220で記憶した「直前最大電流値」と「実行時電圧値」との関係と、ステップS230で記憶した「直前最大電流値」と「実行時電圧値」との関係を比較する。すなわち、ECU100は、S220で取得したデータと比較して、ステップS230で取得したデータに「直前最大電流値」が小さいほど「実行時電圧値」が小さくなるといった傾向が生じたか否かを見る。さらに、ECU100は、S230で取得したデータにおいて、「直前最大電流値」が小さいほど「実行時電圧値」が小さくなるといった傾向を、図4で実線Aに示したようなグラフの傾きとして算出し、記憶する。なお、グラフの傾きは、「直前最大電流値」の増加に対する「実行時電圧値」の増加率と言い換えることもできる。
続いて、ステップS250にて、ECU100は、ステップS240で算出したグラフの傾きが、ECU100に予め記憶された所定の傾きより大きいか否かを判定する。具体的には、ECU100は、「直前最大電流値」の増加に対する「実行時電圧値」の増加率が、ECU100に予め記憶された所定の閾値より大きいか否かを判定する。なお、所定の閾値は実験などにより設定され、ECU100に予め記憶されたものである。ECU100は、ステップS240で算出したグラフの傾きが、ECU100に予め記憶された所定の傾きより大きいと判定した場合(すなわち、ステップS250の判定YES)、処理をステップS260に進める。
図8Bに示すように、ステップS260にて、ECU100は、燃料電池10においてフラッディングに関する経年劣化が生じていると判定し、処理をステップS270に進める。
ステップS270にて、ECU100は、低負荷発電および中負荷発電の少なくとも一方が実行された場合、その継続時間を計測し、処理をステップS280に進める。
ステップS280にて、ECU100は、ステップS270で計測している継続時間が、ECU100に予め記憶された所定時間以上となったか否かを判定する。これは、経年劣化していると判定された燃料電池10において、低負荷発電および中負荷発電の少なくとも一方が所定時間以上継続して実行されると、MEAがフラッディング状態になることがあるからである。ECU100は、ステップS270で計測している継続時間が所定時間以上となると、処理をステップS290に進める。
ステップS290にて、ECU100は、高負荷発電を一時的に実施する。高負荷発電では、カソードガスの流量が多いので、MEAに溜まった水をそのカソードガスにより排出し、MEAをフラッディング状態から適度に湿潤している状態に変えることができる。
一方、上記ステップS250で説明した判定処理において、ECU100は、ステップS240で算出したグラフの傾きが、ECU100に予め記憶された所定の傾きより大きくないと判定した場合(すなわち、ステップS250の判定NO)、処理をステップS230に戻し、それと共にステップS300以降の処理を進める。
図8Cに示すように、ステップS300にて、ECU100は、燃料電池10においてフラッディングに関する経年劣化が生じていないと判定し、処理をステップS310に進める。
ステップS310にて、ECU100は、低負荷発電が実行された場合、その継続時間を計測し、処理をステップS320に進める。
ステップS320にて、ECU100は、ステップS310で計測している継続時間が、ECU100に予め記憶された所定時間以上となったか否かを判定する。これは、経年劣化が生じていないと判定された燃料電池10であっても、燃料電池10が低負荷発電を所定時間以上継続して実行すると、カソードガスの流量が少ないので、MEAがフラッディング状態になることがあるからである。ECU100は、ステップS320で計測している継続時間が所定時間以上となると、処理をステップS330に進める。
ステップS330にて、ECU100は、高負荷発電を一時的に実施する。高負荷発電では、カソードガスの流量が多いので、MEAに溜まった水をそのカソードガスにより排出し、MEAをフラッディング状態から適度に湿潤している状態に変えることができる。
以上説明した第2実施形態の燃料電池システムは、次の作用効果を奏する。すなわち、第2実施形態では、ECU100は、燃料電池10が劣化状態であると判定した場合、低負荷発電および中負荷発電の少なくとも一方が所定時間以上継続すると、高負荷発電を一時的に実施する。また、ECU100は、燃料電池10が劣化状態では無いと判定した場合でも、低負荷発電が所定時間以上継続すると、高負荷発電を一時的に実施する。
これによれば、燃料電池10が劣化状態となっている場合、低負荷発電だけでなく中負荷発電を所定時間以上継続しても、MEAがフラッディング状態になることがある。その際に、発電制御部としてのECU100が高負荷発電を一時的に実施することで、MEAに溜まった水をカソードガスにより排出し、MEAが適度に湿潤している状態にすることができる。
また、燃料電池10が劣化状態となっていない場合でも、低負荷発電が所定時間以上継続すると、MEAがフラッディング状態になることがある。その際にも、発電制御部としてのECU100が高負荷発電を一時的に実施することで、MEAに溜まった水をカソードガスにより排出し、MEAが適度に湿潤している状態にすることができる。すなわち、発電制御部は、燃料電池10が劣化状態であるか否かによってMEAがフラッディング状態になるか否かの判定基準である負荷閾値を切り替え、そのフラッディング状態を解消する処理を実行することができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、所定の期間中に燃料電池10が低負荷発電を行う時に複数回検出したデータとして、所定の期間中に低負荷発電の範囲内の所定の電流値が取り出される際の全てのデータを考慮したが、これに限らない。例えば、日中においても運転状態によっては電圧にバラつきが存在するため、電圧頻度を考慮して近似線(線形)を引くことで、運転状態によらず精度よく劣化を判定できる。また、例えば、中負荷発電中に所定の電流値が所定時間(例えば1秒以上)連続したデータのみを抽出することで、運転状態によらず精度よく劣化を判定できる。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
本発明に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本発明に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本発明に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
10 燃料電池
31 電圧検出部
32 電流検出部
100 電子制御装置(電池劣化検出部)

Claims (6)

  1. 燃料電池システムにおいて、
    アノードガスとしての燃料ガスとカソードガスとしての酸化剤ガスがそれぞれ電解質膜を含めた膜電極接合体の一方の面と他方の面に供給されて発電する複数の燃料電池セル(C)が積層された燃料電池(10)と、
    前記燃料電池が出力する電圧値を検出する電圧検出部(31)と、
    前記燃料電池から取り出される電流値を検出する電流検出部(32)と、
    前記燃料電池が所定の負荷の発電を実行する直前の所定時間内に前記電流検出部により検出された電流値のうち最大値である直前最大電流値と、前記燃料電池が前記所定の負荷の発電を実行する時に前記電圧検出部により検出される電圧値である実行時電圧値との関係に基づいて前記燃料電池の劣化を検出する電池劣化検出部(100)と、を備える燃料電池システム。
  2. 前記所定の負荷の発電とは、中負荷発電の範囲内において所定の電流値が取り出される発電である、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記電池劣化検出部は、所定の期間中に前記燃料電池が発電を行う際の前記直前最大電流値と前記実行時電圧値とを複数回検出したデータに基づいて前記燃料電池の劣化を検出する、請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記電池劣化検出部は、「第1期間中に複数回検出した前記直前最大電流値と前記実行時電圧値との関係」と、「前記第1期間から所定時間経過した第2期間中に複数回検出した前記直前最大電流値と前記実行時電圧値との関係」とを比較して前記燃料電池の劣化を検出する、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  5. 前記第1期間は、前記燃料電池の初期状態における所定の期間である、請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記電池劣化検出部により前記燃料電池が劣化状態では無いと判定されている場合、低負荷発電が所定時間以上継続すると、高負荷発電を一時的に実施し、
    前記電池劣化検出部により前記燃料電池が劣化状態であると判定されている場合、低負荷発電および中負荷発電の少なくとも一方が所定時間以上継続すると、高負荷発電を一時的に実施する、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
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