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JP7632266B2 - バイオ燃料混合比率推定装置およびバイオ燃料混合比率推定方法 - Google Patents
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JP7632266B2 - バイオ燃料混合比率推定装置およびバイオ燃料混合比率推定方法 - Google Patents

バイオ燃料混合比率推定装置およびバイオ燃料混合比率推定方法 Download PDF

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Description

本開示は、バイオ燃料混合比率推定装置およびバイオ燃料混合比率推定方法に関する。
脱炭素社会に向けて、カーボンニュートラルで環境負荷の少ないバイオ燃料の使用が拡大している。たとえば、菜種油や廃食用油を原料としたバイオディーゼル燃料を軽油に混合した、バイオ燃料混合軽油がディーゼルエンジンの燃料として用いられている。
バイオディーゼル燃料は、軽油に比べて発熱量が小さい。このため、軽油に混合されたバイオディーゼル燃料の比率(混合比率)に応じて、燃料噴射量や燃料噴射時期等の制御を行うことが望ましい。
排気ガス中の煤等のPM(Particulate Matter)を捕集するDPF(Diesel Particulate Filter)を備える場合には、DPFに堆積するPMの量を燃料噴射量等の運転条件から推定し、DPFの推定PM堆積量が所定量に達する毎に、DPFの再生制御を行う。DPFの再生制御は、燃料のポスト噴射を実行することにより、未燃焼燃料をDPFの上流に設置した酸化触媒等で燃焼することにより行われる。バイオディーゼル燃料の混合比率が大きいほど、燃焼による煤の発生量が少なくなる。このため、軽油の使用を前提に適合を行った場合、バイオディーゼル燃料の混合比率が大きい燃料が使用されると、実際のPM堆積量が所定量に達する前に推定PM堆積量が所定量に達して、余剰な再生制御が実行される。バイオディーゼル燃料は、軽油に比べて揮発し難いため、ポスト噴射に起因したオイル希釈が進行する可能性がある。このため、余剰な再生制御を抑制して、燃費の向上を図るとともにオイル希釈の進行を抑制することが望まれ、バイオディーゼル燃料の混合比率に応じて、PM堆積量を推定する際の制御定数(適合定数)を変更することが好ましい。
特開2011-149297号公報(特許文献1)には、燃料圧力センサ(筒内圧センサ)を用いて検出した筒内圧から熱発生量を求め、バイオディーゼル燃料の混合比率を特定することが開示されている。
特開2011-149297号公報
特許文献1では、筒内圧から熱発生量を求め、バイオディーゼル燃料の混合比率を特定しており、筒内圧センサを備えない内燃機関(エンジン)においては、混合比率を特定することができない。しかし、一般的な電子制御式の内燃機関では、内燃機関の回転速度を検出するため、クランク角センサを備えている。
本開示は、クランク角センサを用いて、バイオ燃料の混合比率を推定することを目的とする。
本開示のバイオ燃料混合比率推定装置は、内燃機関に供給される燃料に混合されたバイオ燃料の混合比率を推定するものである。バイオ燃料混合比率推定装置は、内燃機関のクランク角を検出するクランク角センサと、クランク角に基づいてクランク角加速度を算出するクランク角加速度算出部と、クランク角加速度のうち正のクランク角加速度を積分した角加速度積分値を算出する積分値算出部と、基準燃料における角加速度積分値である基準値を記憶する基準値記憶部と、積分値算出部で算出した角加速度積分値と基準値との差である積分値偏差を算出する偏差算出部と、積分値偏差に基づいて発熱量差を算出する発熱量差算出部と、発熱量差に基づいて混合比率を算出する混合比率算出部と、を備える。
この構成によれば、クランク角加速度算出部は、クランク角センサで検出したクランク角に基づいて、クランク角加速度を算出する。積分値算出部は、クランク角加速度のうち正のクランク角加速度を積分した角加速度積分値を算出する。基準値記憶部は、基準燃料における角加速度積分値である基準値を記憶している。偏差算出部は、積分値算出部で算出した角加速度積分値と基準値記憶部から読み出した基準値との差である積分値偏差を算出する。発熱量差算出部は、積分値偏差に基づいて発熱量差を算出する。混合比率算出部は、発熱量差に基づいて混合比率を算出する。
内燃機関の筒内で燃焼する燃料の発熱量が小さくなると、出力トルクが低下するので、クランク角加速度のうち正のクランク角加速度を積分した角加速度積分値が小さくなる。積分値算出部で算出した角加速度積分値は、燃料の発熱量を表すパラメータと見做すことができる。積分値算出部で算出した角加速度積分値と基準値記憶部から読み出した基準値との差である積分値偏差は、内燃機関に供給された燃料と基準燃料との発熱量差に相当するパラメータである。発熱量差算出部は、偏差算出部で算出した積分値偏差から発熱量差を算出する。この発熱量差に基づいて、混合比率算出部は、混合比率を算出することができる。したがって、クランク角センサで検出したクランク角から、バイオ燃料の混合比率を推定することができる。
好ましくは、バイオ燃料混合比率推定装置は、内燃機関の回転速度と燃料噴射量と積分値偏差とをパラメータとした発熱量差マップを備え、発熱量差算出部は、発熱量差マップを用いて発熱量差を算出するようにしてもよい。
また、バイオ燃料混合比率推定装置は、燃料噴射量と発熱量差をパラメータとした混合比率マップを備え、混合比率算出部は、混合比率マップを用いて混合比率を算出するようにしてもよい。
これらの構成によれば、回転速度や燃料噴射量が異なる運転状態においても、精度よく混合比率を算出することが可能になる。
好ましくは、バイオ燃料混合比率推定装置は、回転速度の変化量が所定範囲内にあるか否かを判定する定常状態判定部を備え、定常状態判定部で変化量が所定範囲内にあると判定されたとき、積分値算出部が角加速度積分値を算出するようにしてもよい。
この構成によれば、角加速度積分値の変動が少ない運転状態において混合比率を算出するので、混合比率の算出精度を高めることができる。
好ましくは、バイオ燃料混合比率推定装置は、燃料タンクへの給油が行われた後、最初に内燃機関が運転されたとき、積分値算出部が角加速度積分値を算出するようにしてもよい。
給油が行われると、次回の給油時まで、内燃機関に供給される燃料の混合比率が変化することはない。この構成によれば、燃料タンクへの給油が行われた後、最初に内燃機関が運転された際の角加速度積分値に基づいて、混合比率を算出するので、混合比率を算出するための負荷を低減することができる。
好ましくは、内燃機関の筒内における空気過剰率が1より大きい所定値以上のとき、積分値算出部が角加速度積分値を算出するようにしてもよい。
筒内における空気過剰率が小さいときには、筒内の燃料が完全燃焼し難くなる。特に、空気過剰率が1より小さいときには、燃料の燃焼に必要な空気が不足する。このため、空気過剰率が小さい場合には、精度よく発熱量差を求めることができない。この構成によれば、空気過剰率が1より大きい所定値以上のとき、角加速度積分値を算出するので、精度よく混合比率を算出することができる。
好ましくは、基準燃料はバイオ燃料が混合されていない燃料であり、基準値記憶部は、バイオ燃料が混合されていない燃料における角加速度積分値である基準値を記憶していてよい。
この構成によれば、通常の(バイオ燃料が混合されていない)燃料を用いて基準値を設定(適合)することができるので、基準値の設定が比較的容易になる。
本開示のバイオ燃料混合比率推定方法は、内燃機関に供給される燃料に混合されたバイオ燃料の混合比率を推定する。バイオ燃料混合比率推定方法は、内燃機関のクランク角からクランク角加速度を算出するステップと、正のクランク角加速度を積分し角加速度積分値を算出するステップと、基準燃料における角加速度積分値である基準値を読み出すステップと、算出した角加速度積分値と読み出した基準値との差である積分値偏差を算出するステップと、積分値偏差を用いて発熱量差を算出するステップと、発熱量差から混合比率を算出するステップと、を含む。
この構成によれば、内燃機関のクランク角からクランク角加速度を算出し、正のクランク角加速度を積分した角加速度積分値と基準値の偏差である積分値偏差を算出する。そして、積分値偏差を用いて算出した発熱量差から混合比率を算出する。したがって、内燃機関のクランク角から、バイオ燃料の混合比率を推定することができる。
好ましくは、発熱量差を算出するステップは、内燃機関の回転速度と燃料噴射量と積分値偏差とから発熱量差を算出し、混合比率を算出するステップは、燃料噴射量と発熱量差とから混合比率を算出するようにしてもよい。
この構成によれば、回転速度や燃料噴射量が異なる運転状態においても、精度よく混合比率を算出することが可能になる。
本開示によれば、クランク角センサを用いて、バイオ燃料の混合比率を推定することができる。
本実施の形態に係るエンジン1の全体構成図である。 エンジンECU200に構成されたバイオ燃料混合比率推定部100の機能ブロックを示す図である。 クランク角加速度αの一例を示した図である。 基準値記憶部107に記憶されている基準値ΣαRのマップの例を示した図である。 発熱量差マップ109の一例を示す図である。 混合比率マップ112の一例を示す図である。 エンジンECU200で実行される、混合比率推定制御の処理を示すフローチャートである。 エンジンECUで実行される、混合比率推定制御の割り込み要求処理を示すフローチャートである。 変形例2において、エンジンECU200で実行される、混合比率推定制御の処理を示すフローチャートである。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本実施の形態に係るエンジン1の全体構成図である。エンジン1は、圧縮自己着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)であり、エンジン本体10のシリンダ(気筒)12に形成された燃焼室に、燃料噴射弁(インジェクター)14から燃料を噴射し、圧縮自己着火を行う内燃機関である。本実施の形態において、エンジン1は4気筒である。エンジン1の吸気通路20には、エアクリーナ22、インタークーラ24、および吸気絞り弁(電子制御スロットル)26が設けられており、エアクリーナ22で異物が除去された新気(空気)は、ターボ過給機30のコンプレッサ32で過給(圧縮)され、インタークーラ24で冷却されて、吸気マニホールド28に供給され、吸気ポートから各燃焼室に供給される。
燃焼室から排出される排気(排気ガス)は、排気マニホールド50に集められ、排気通路52を介して、外気に放出される。また、排気の一部は、EGR(Exhaust Gas Recirculation)通路60を介して、吸気マニホールド28に還流される。EGR通路60には、EGRクーラ62とEGR弁64が設けられる。
排気通路52には、上流側から、ターボ過給機30のタービン34、酸化触媒70、DPF(Diesel Particulate Filter)72が設けられている。DPF72は、排気中の微粒子(PM)を捕集し、捕集した微粒子を適宜燃焼除去することにより浄化する。また、図示しないが、DPF72の下流に、NOx吸蔵還元触媒(NSR(NOx Storage-Reduction)触媒)が設けられる。なお、NOx吸蔵還元触媒に代えて、尿素添加弁および選択還元触媒を設けてもよい。
燃料タンク40には、燃料が貯留されている。燃料タンク40内の燃料は、高圧燃料ポンプ41によって、燃料通路42を介してコモンレール43に圧送される。コモンレール43に蓄えられた高圧の燃料が、インジェクター14から燃焼室(筒内)に噴射される。
エンジン1は、さらに、エンジンECU200(Electronic Control Unit)を備える。エンジンECU200は、CPU(Central Processing Unit)220、処理プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)およびデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等からなるメモリ240、各種信号を入出力するための入出力ポート(図示せず)等を含み、メモリ240に記憶された情報、各種センサからの情報に基づいて所定の演算処理を実行し、インジェクター14、吸気絞り弁26、高圧燃料ポンプ41等を制御する。
各種センサとしては、たとえば、クランク角センサ121、アクセルペダルセンサ122、吸入空気量センサ123、燃料レベルゲージ124、等である。クランク角センサ121は、エンジン1のクランク角θを検出する。アクセルペダルセンサ122は、ユーザによるアクセルペダル操作量(以下「アクセル開度」ともいう)APを検出する。吸入空気量センサ123は、吸入空気量Gaを検出する。燃料レベルゲージ124は、燃料タンク40に貯留された燃料量を検出する。
上記のように構成されたエンジン1では、たとえば、菜種油や廃食用油を原料としたバイオディーゼル燃料を軽油に混合した、バイオ燃料混合軽油を燃料として用いられることがある。バイオディーゼル燃料は、軽油に比べて発熱量が小さい。また、バイオディーゼル燃料は、燃焼による煤の発生量が少なくなる。このため、軽油に混合されたバイオディーゼル燃料の比率(混合比率)に応じて、燃料噴射量や燃料噴射時期等の制御、DPFのPM堆積量の推定等を行うことが望ましい。本実施の形態では、クランク角センサ121で検出したクランク角θを用いて、バイオディーゼル燃料の混合比率を算出する。
図2は、エンジンECU200に構成されたバイオ燃料混合比率推定部100の機能ブロックを示す図である。バイオ燃料混合比率推定部100は、本開示のバイオ燃料混合比率推定装置に相当する。
回転速度算出部(NE算出部)101は、クランク角センサ121で検出したクランク角θに基づいて、エンジン1の回転速度(回転数(rpm))NEを算出する。燃料噴射量算出部(Qf算出部)102は、回転速度NEとアクセル開度APに基づいて、燃料噴射量Qf(1噴射当たりの噴射量(mm/st))を算出する。なお、算出された燃料噴射量Qfは、インジェクター駆動部に送信され、燃料噴射量Qfに相当する燃料が、インジェクター14から噴射される。
定常状態判定部103は、回転速度NEの変化量ΔNEが所定範囲内にあるか否かを判定する。たとえば、「|回転速度NEの前回値-回転速度NEの今回値|<閾値T1」であるとき、定常状態であると判定する。
クランク角加速度算出部(α算出部)104は、クランク角センサ121で検出したクランク角θに基づいて、クランク角加速度αを算出する。たとえば、クランク角θからクランク角速度ωを算出し、クランク角速度ωを時間微分することにより、クランク角加速度αを算出する。
積分値算出部(Σα算出部)105は、定常状態判定部103が定常状態であると判定しているとき、正のクランク角加速度αを積分し、角加速度積分値Σαを算出する。図3は、クランク角加速度αを示した図である。なお、本実施の形態において、エンジン1は4気筒/4サイクルエンジンであり、180°CA(180度クランク角)毎に、燃焼行程が行われる。図3において、実線は、バイオ燃料混合軽油を使用した場合におけるクランク角加速度αを示しており、積分値算出部105において算出される角加速度積分値Σαは、図3における斜線部の面積に相当する。本実施の形態では、10回の燃焼行程(燃焼+膨張行程)における平均値を、角加速度積分値Σαとして算出しているが、所定時間における燃焼行程の平均値であってもよい。
偏差算出部(DΣα算出部)106は、角加速度積分値Σαと基準値ΣαRとの差である積分値偏差DΣαを算出する。基準値ΣαRは、基準燃料における角加速度積分値であり、基準値記憶部(ΣαR記憶部)107に記憶されている。図4は、基準値記憶部107に記憶されている基準値ΣαRのマップの例を示した図である。なお、基準値記憶部107は、メモリ240内に構成される。本実施の形態において、基準燃料は、(バイオディーゼル燃料が混合されていない)軽油である。基準値ΣαRは、基準燃料を使用してエンジン1を作動した場合における、正のクランク角加速度αを積分した値である。軽油の発熱量はバイオ燃料混合軽油より発熱量が大きいので、基準値ΣαRは、図3に示す破線で囲まれた面積に相当し、予め実験等によって求められる。図4に示すように、本実施の形態では、基準値ΣαRは、燃料噴射量Qfと回転速度NEをパラメータとしたマップとして基準値記憶部107に記憶されているが、燃料噴射量Qfのみをパラメータとしたマップであってもよい。
偏差算出部106は、燃料噴射量Qfと回転速度NEに基づいて、図4のマップから基準値ΣαRを読み出す。そして、偏差算出部106は、角加速度積分値Σαと基準値ΣαRの差である積分値偏差DΣαを算出する。本実施の形態では、基準値ΣαRから角加速度積分値Σαを減算することにより、積分値偏差DΣα(=ΣαR-Σα)を算出する。
発熱量差算出部(Cd算出部)108は、発熱量差マップ(Cdマップ)109を用いて発熱量差Cdを算出する。図5は、発熱量差マップ109の一例を示す図である。発熱量差マップ109は、所謂、三次元マップであり、回転速度NE、燃料噴射量Qf、および、積分値偏差DΣαをパラメータとしたマップである。本実施の形態では、図5に示すように、燃料噴射量Qfと積分値偏差DΣαをパラメータとした二次元マップが、回転速度NE毎に、メモリ240へ記憶されている。発熱量差算出部108は、回転速度NE、燃料噴射量Qf、および、積分値偏差DΣαから、発熱量差マップ109を用いて発熱量差Cdを算出する。なお、発熱量差マップ109に無い点(数値)に関しては、線形補間によって発熱量差Cdを算出するようにしてよい。発熱量差マップ109は、シミュレーションや実験等によって予め設定される。
混合比率算出部(Mr算出部)111は、混合比率マップ(Mrマップ)112を用いて混合比率Mrを算出する。図6は、混合比率マップ112の一例を示す図である。混合比率マップ112は、燃料噴射量Qfと発熱量差Cdをパラメータとしたマップである。混合比率算出部111は、燃料噴射量Qfおよび発熱量差Cdから、混合比率マップ112を用いて混合比率Mrを算出する。なお、混合比率は、軽油に混合したバイオディーゼル燃料の割合であり、たとえば、「%」で表すことができる。混合比率マップ112は、シミュレーションや実験等によって予め設定される。
定数変更部113は、混合比率算出部111で算出した混合比率Mrを用いて、燃料噴射量Qf、燃料噴射時期、PM堆積量推定制御の制御定数(適合定数)を変更する。
図7は、エンジンECU200で実行される、混合比率推定制御の処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、エンジン1の作動中に、所定期間毎に割り込み処理される。ステップ(以下、ステップを「S」と略す)10では、定常状態判定部103で、エンジン1の運転状態が定常状態であるか否かを判定する。「|回転速度NEの前回値-回転速度NEの今回値|<閾値T1」であれば、定常状態であり肯定判定され、S11へ進む。「|回転速度NEの前回値-回転速度NEの今回値|≧閾値T1」であれば、否定判定され、今回のルーチンを終了する。
S11において、積分値算出部105は、正のクランク角加速度αを積分し、角加速度積分値Σαを算出したあと、S12へ進む。なお、クランク角加速度αは、図示しないルーチン(たとえば、回転速度NE算出ルーチン)において、クランク角加速度算出部104で、クランク角センサ121で検出したクランク角θからクランク角速度ωを算出し、クランク角速度ωを時間微分することにより算出される。
積分値算出部(Σα算出部)105は、定常状態判定部103が定常状態であると判定しているとき、正のクランク角加速度αを積分し、角加速度積分値Σαを算出する。
S12において、偏差算出部106は、基準値記憶部107(メモリ240)に記憶されている基準値ΣαRを読み出し、角加速度積分値Σαと基準値ΣαRとの差である積分値偏差DΣαを算出する。
続くS13で、発熱量差算出部108は、発熱量差マップ109を用いて、回転速度NEと燃料噴射量Qfと積分値偏差DΣαとから発熱量差Cdを算出し、S14へ進む。
S14において、混合比率算出部111は、燃料噴射量Qfおよび発熱量差Cdから、混合比率マップ112を用いて混合比率Mrを算出し、今回のルーチンを終了する。
エンジン1の燃焼室(筒内)で燃焼する燃料の発熱量が小さくなると、出力トルクが低下するので、クランク角加速度αのうち正のクランク角加速度αを積分した角加速度積分値Σα(図3における斜線部の面積)が小さくなる。積分値算出部105で算出した角加速度積分値Σαは、燃料の発熱量を表すパラメータと見做すことができる。積分値算出部105で算出した角加速度積分値Σαと基準値記憶部107から読み出した基準値ΣαRとの差である積分値偏差DΣαは、エンジン1に供給された燃料と基準燃料との発熱量差に相当するパラメータである。発熱量差算出部108は、発熱量差マップ109を用いて、偏差算出部106で算出した積分値偏差DΣαから発熱量差Cdを算出する。この発熱量差Cdに基づいて、混合比率算出部111は、混合比率マップ112を用いて、混合比率Mrを算出することができる。
上記の実施形態によれば、クランク角センサ121で検出したクランクθから、バイオ燃料混合軽油の混合比率Mrを推定することができる。上記の実施形態において、クランク角センサ121は、回転速度NEを検出(算出)するために、エンジン1に設けられたものであり、新たに燃焼圧センサ(筒内圧センサ)等を設けることなく、バイオ燃料混合軽油の混合比率Mrを推定することができる。
(変形例1)
燃料タンク40への給油が行われると、次回の給油時まで、エンジン1に供給される燃料(バイオ燃料混合軽油)の混合比率が変化することはない。したがって、燃料タンク40に給油が行われたあと、最初にエンジン1の運転が行われた際に、図7の混合比率推定制御の処理を実行することによって、エンジンECU200の処理負荷(演算負荷)を低減することができる。
上記実施の形態では、図7の混合比率推定制御の処理(フローチャート)は、エンジン1の作動中に所定期間毎に割り込み処理していた。変形例1では、混合比率推定制御は割り込み要求によって処理される。図8は、エンジンECU200で実行される、混合比率推定制御の割り込み要求処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、エンジン1が始動されたときに実行される。たとえば、イグニッションスイッチ(始動スイッチ)がONされ、エンジン1が始動されると、S20において、燃料タンク40への給油が行われたか否かを判定する。本実施の形態では、燃料レベルゲージ124で検出した、燃料タンク40の燃料量を用いて、給油が行われたか否かを判定する。たとえば、前回、エンジン1が停止したとき(イグニッションスイッチがOFFされたとき)の燃料量よりも、今回のエンジン1始動時の燃料量の方が多いとき、給油が行われたと判定する。なお、エンジン1の停止から今回のエンジン1の始動までの間に、燃料リッド(フェールリッド)が開かれた履歴がある場合、給油が行われたと判定してよい。S20において、燃料タンク40への給油が行われたと判定されるとS21へ進む。燃料タンク40への給油が行われていないと判定されると、今回のルーチンを終了する。
S21では、エンジン1の始動後、所定期間が経過したか否かを判定する。所定期間は、給給油前に燃料タンク40に貯留されていた燃料と給油されたバイオ燃料混合軽油が、混ざり合うのに十分な時間とされる。エンジン1が車両に搭載されている場合、走行時の振動によって、燃料タンク40内の燃料の攪拌が期待できるので、所定期間は、エンジン1の始動後の数分間であってよい。エンジン1の始動後、所定期間が経過するまで、S21が繰り返し処理され、エンジン1の始動後、所定期間が経過すると、S21で肯定判定されS22へ進む。
S22では、混合比率推定制御の割り込み要求を行い、今回のルーチンを終了する。この変形例1では、S22の割り込み要求が行われると、図7の混合比率推定制御の処理が実行される。
この変形例1によれば、燃料タンク40への給油が行われた後、最初にエンジン1が運転された際の角加速度積分値Σαに基づいて、混合比率Mrを算出するので、混合比率Mrを算出するための演算負荷を低減することができる。
(変形例2)
エンジン1の燃焼室(筒内)における空気過剰率が小さいときには、燃焼室の燃料が完全燃焼し難くなる。特に、空気過剰率が1より小さいときには、燃料の燃焼に必要な空気が不足する。このため、空気過剰率が小さい場合には、バイオ燃料混合軽油と基準燃料の発熱量差Cdを精度よく求めることができない。
たとえば、NSR触媒に吸蔵されたNOxを還元浄化するとき、吸気絞り弁26を閉じるとともに燃料噴射量Qfを増量することにより、吸気過剰率を1より小さくして、還元雰囲気を生成する。この場合、燃焼室に供給された燃料の一部は、NOx還元用の未燃燃料として排出されるため、角加速度積分値Σαを元いて発熱量差Cdを精度よく求めることができない。また、空気過剰率が1より大きい場合であっても、空気過剰率が小さい場合には、完全燃焼し難く、角加速度積分値Σαを元いて発熱量差Cdを精度よく求めることができない。
変形例2では、燃料が良好に完全燃焼する空気過剰率以上のとき、角加速度積分値Σαを用いて混合比率Mrを算出することにより、精度よく混合比率Mrを算出する。図9は、変形例2において、エンジンECU200で実行される、混合比率推定制御の処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、エンジン1の作動中に、所定期間毎に割り込み処理される。このフローチャートは、上記の実施形態における図7のフローチャートに対して、S40を追加したものであり、S10~S14は図7のフローチャートと同様であるので、その説明を省略する。
定常状態(|回転速度NEの前回値-回転速度NEの今回値|<閾値T1)であり、S10で肯定判定されると、S40では、空気過剰率λが所定値Aより大きいか否かを判定する。空気過剰率λは、たとえば、吸入空気量センサ123で検出した吸入空気量Gaと燃料噴射量Qfから求める。また、排気通路52にλセンサ(全域空燃比センサ)を設けて、空気過剰率λを検出するようにしてもよい。空気過剰率λが所定値A(たとえば、1.2)より小さいときには、否定判定され今回のルーチンを終了する。空気過剰率λが所定値Aより大きいときには、肯定判定されS11へ進む。
この変形例2によれば、空気過剰率が1より大きい所定値以上のとき、角加速度積分値Σαを算出し混合比率Mrを算出するので、精度よく混合比率Mrを推定することができる。
上記の実施の形態では、基準燃料として軽油を用いていた。しかし、基準燃料として、所定の混合比率を有するバイオディーゼル燃料混合軽油を、基準燃料としてもよい。たとえば、5%のバイオディーゼル燃料を混合した、所謂、B5と表記されたバイオディーゼル燃料混合軽油を基準燃料とし、基準値ΣαR(図4)、発熱量差マップ(図5)、混合比率マップ(図6)を設定し、混合比率を推定するようにしてもよい。
上記の実施の形態では、エンジン1としてディーゼルエンジンを説明したが、エンジン1はガソリンエンジン(火花点火式エンジン)であってもよい。ガソリンエンジンでは、ガソリンに、バイオエタノール、あるいは、バイオETBE(ethyl tertiary-butyl ether)を混合した、バイオ燃料混合ガソリンが用いられる。バイオエタノール、バイオETBEの発熱量は、ガソリンに比較して小さく、上記の実施の形態と同様に、バイオ燃料混合ガソリンにおいても、バイオ燃料(バイオエタノール、バイオETBE)の混合比率を推定することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 エンジン、10 エンジン本体、12 シリンダ(気筒)、14 インジェクター、20 吸気通路、22 エアクリーナ、24 インタークーラ、26 吸気絞り弁、28 給気マニホールド、30 ターボ過給機、32 コンプレッサ、34 タービン、40 燃料タンク、41 高圧燃料ポンプ、42 燃料通路、43 コモンレール、50 排気マニホールド、52 排気通路、60 ERG通路、62 EGRクーラ、64 EGR弁、70 酸化触媒、72 DPF、100 バイオ燃料混合比率推定部、101 回転速度算出部、102 燃料噴射量算出部、103 定常状態判定部、 104 クランク角加速度算出部、105 積分値算出部、106 偏差算出部、107 基準値記憶部、108 発熱量差算出部、109 発熱量差マップ、111 混合比率算出部、112 混合比率マップ、121 クランク角センサ、122 アクセルベダルセンサ、123 吸入空気量センサ、124 燃料レベルゲージ、200 エンジンECU、210 CPU、220 メモリ。

Claims (9)

  1. 内燃機関に供給される燃料に混合されたバイオ燃料の混合比率を推定する、バイオ燃料混合比率推定装置であって、
    前記内燃機関のクランク角を検出するクランク角センサと、
    前記クランク角に基づいてクランク角加速度を算出するクランク角加速度算出部と、
    前記クランク角加速度のうち正の前記クランク角加速度を積分した、角加速度積分値を算出する積分値算出部と、
    基準燃料における前記角加速度積分値である基準値を記憶する基準値記憶部と、
    前記積分値算出部で算出した前記角加速度積分値と前記基準値との差である積分値偏差を算出する偏差算出部と、
    前記積分値偏差に基づいて、発熱量差を算出する発熱量差算出部と、
    前記発熱量差に基づいて、前記混合比率を算出する混合比率算出部と、を備えるバイオ燃料混合比率推定装置。
  2. 前記内燃機関の回転速度と燃料噴射量と前記積分値偏差とをパラメータとした発熱量差マップを備え、
    前記発熱量差算出部は、前記発熱量差マップを用いて前記発熱量差を算出する、請求項1に記載のバイオ燃料混合比率推定装置。
  3. 前記内燃機関の燃料噴射量と前記発熱量差をパラメータとした混合比率マップを備え、
    前記混合比率算出部は、前記混合比率マップを用いて前記混合比率を算出する、請求項1または請求項2に記載のバイオ燃料混合比率推定装置。
  4. 前記内燃機関の回転速度の変化量が所定範囲内にあるか否かを判定する定常状態判定部を備え、
    前記定常状態判定部で前記変化量が前記所定範囲内にあると判定されたとき、前記積分値算出部が前記角加速度積分値を算出する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のバイオ燃料混合比率推定装置。
  5. 燃料タンクへの給油が行われた後、最初に前記内燃機関が運転されたとき、前記積分値算出部が前記角加速度積分値を算出する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のバイオ燃料混合比率推定装置。
  6. 前記内燃機関の筒内における空気過剰率が1より大きい所定値以上のとき、前記積分値算出部が前記角加速度積分値を算出する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のバイオ燃料混合比率推定装置。
  7. 前記基準燃料は、バイオ燃料が混合されていない燃料であり、
    前記基準値記憶部は、バイオ燃料が混合されていない燃料における前記角加速度積分値である基準値を記憶している、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のバイオ燃料混合比率推定装置。
  8. 内燃機関に供給される燃料に混合されたバイオ燃料の混合比率を推定する、バイオ燃料混合比率推定方法であって、
    前記内燃機関のクランク角からクランク角加速度を算出するステップと、
    正のクランク角加速度を積分し、角加速度積分値を算出するステップと、
    基準燃料における前記角加速度積分値である基準値を読み出すステップと、
    算出した前記角加速度積分値と読み出した前記基準値との差である積分値偏差を算出するステップと、
    前記積分値偏差を用いて発熱量差を算出するステップと、
    前記発熱量差から前記混合比率を算出するステップと、を含むバイオ燃料混合比率推定方法。
  9. 前記発熱量差を算出するステップは、前記内燃機関の回転速度と燃料噴射量と前記積分値偏差とから、前記発熱量差を算出し、
    前記混合比率を算出するステップは、前記燃料噴射量と前記発熱量差とから、前記混合比率を算出する、請求項8に記載のバイオ燃料混合比率推定方法。
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