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JP7632345B2 - レーザ加工装置 - Google Patents
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本発明は、加工物に対してアシストガスを噴射してデブリの排出や加工部の冷却を行うレーザ加工装置に関する。
例えば金属等の加工物に対する切断、穴あけ、溶接、表面マーキング加工などを行うためのレーザ加工装置が知られている。この種のレーザ加工装置は、レーザ発振器、光学系、加工ヘッド等を備え、レーザ発振器から出力されたレーザ光を光学系を介して加工ヘッド導き、ノズル口から加工物に照射する。また、これと共に、加工ヘッドのノズル口からレーザ光と同軸にアシストガスを噴射し、デブリの排出や加工部分の冷却を行うように構成されている(例えば特許文献1参照)。
ところで、例えば加工物のマーキング加工や溝加工等を行うレーザ加工装置においては、光学系にガルバノスキャナ及びfθレンズを組み合わせた、例えば20φ以上の大面積光学系を備えるものがある。この場合、加工ヘッドの先端のノズル口の開口径も大きくなるため、アシストガスの流速を十分に高くすることができない事情がある。そのため、特許文献1では、ノズルの先端部に、レーザ光が出力される口の周囲に別にガス噴出用の口を設けた、いわゆる二重ノズルを採用するようにしている。
特開平7-223086号公報
ところが、上記のように、二重ノズルを設けるものでは、ノズルの構成が複雑となると共に、高速で噴出されるアシストガスによって、その内側に負圧領域が形成されてしまう。この負圧領域の形成によって、加工点からノズルの中心部の噴射中央部に上昇気流が発生し、デブリ等の噴出物のノズル内部への巻き込みの不具合がある。この噴出物の巻き込みにより、光学部品の汚損やレーザ出力の減衰といった問題が発生する。また、噴射位置ごとの流速のむらが発生する問題点もある。尚、主アシストガスに加えて、主アシストガスの周囲に側方から補助アシストガスを噴射するものもあるが、レーザ光と同軸上に高速でアシストガスを噴射する場合と比べて、加工品質の低下を招いてしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、大面積の光学系を備えノズル口が比較的大型となるものにあっても、簡単な構成で高速のアシストガスを供給することが可能なレーザ加工装置を提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明のレーザ加工装置(1)は、レーザ発振器(2)からのレーザ光(L)を、光学系(4)を通して加工ヘッド(3)の先端のノズル口(10)から照射すると共に、アシストガス供給機構(5)により、前記ノズル口からアシストガス(A)をレーザ光と同軸に噴射するものであって、前記加工ヘッドは、先端側に、内壁部が前記ノズル口に向けて縮径するノズル部(9)を有すると共に、基端側に、前記ノズル部側に開口するガスパージエリア(11)を気密状に有し、前記ノズル部の基端部に位置してガスを該ノズル部の内壁面に沿って前記ノズル口に向けて高速で流すスリット状の噴出口(13)を備え、前記アシストガス供給機構は、前記ガスパージエリアに第1のアシストガスを正圧状態で供給する第1のガス供給部(12)と、前記噴出口に第2のアシストガスを供給する第2のガス供給部(15)とを含んでいる。
上記構成によれば、レーザ光は、レーザ発振器から光学系を通して加工ヘッドの先端のノズル口から加工物に照射される。これと共に、アシストガス供給機構により、ノズル口からアシストガスがレーザ光と同軸に噴射される。このとき、アシストガス供給機構のうち、第2のガス供給部により比較的高圧で供給された第2のアシストガスは、ノズル部の基端部のスリット状の噴出口から、ノズル部の内壁面に沿ってノズル口に向けて高速で噴射される。併せて、ガスパージエリアには、第1のアシストガスが第1のガス供給部により正圧で供給されている。
ここで、大面積の光学系を備える場合には、ノズル口の開口径も大きくなる事情があるが、第2のアシストガスがノズル口の内側の外周寄り部分を高速で流れることにより、その内側部が負圧になり、ノズル部内に連通しているガスパージエリア内の第1のアシストガスを引き込むようになる。ガスパージエリア内の第1のアシストガスを正圧で保持することにより、負圧領域に第1のアシストガスを積極的に導入できる。これにて、第1及び第2のアシストガスが混合された状態のアシストガスが、レーザ光と同軸に比較的高速でノズル口から噴出される。これにより、ノズル内部の不安定な負圧領域を解消しつつ、第1のアシストガスを積極的に引き込んだ安定的な噴射が可能となる。結果として、ノズル内部のガス流速の均一化が図られると共に、負圧領域の形成に伴う上記不具合を解消することができる。従って、大面積の光学系を備えノズル口が比較的大型となるものにあっても、簡単な構成で高速のアシストガスを供給することが可能となり、ひいては高品質のレーザ加工が可能となる。
一実施形態を示すもので、レーザ加工装置の全体構成を概略的に示す図 加工ヘッド部分を示す図 加工ヘッドの内部構成を概略的に示す断面図
(一実施形態)
以下、一実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態では、例えば金属板からなるワークWに対して、表面のマーキング加工を行う場合を具体例として説明する。図1は、本実施形態に係るレーザ加工装置1の全体構成を概略的に示している。このレーザ加工装置1は、周知のレーザ発振器2、加工ヘッド3、前記レーザ発振器2から出力されたレーザ光を前記加工ヘッド3に導く光学系4とを備えている。また、前記ワークWに対してアシストガスGを噴射するアシストガス供給機構5を備えている。尚、図示はしないが、ワークWに対し前記加工ヘッド3を相対的に移動させるための移動機構も設けられている。
前記光学系4は、レーザ光Lの光路を折曲げるためのミラー4aを備えると共に、加工ヘッド3の基端側である上部に位置して、ガルバノスキャナ6及びfθレンズ7を備えている。これにて、光学系4は大面積光学系とされている。尚、大面積光学系とは、例えばレンズの直径が20mmφ以上の光学系をいう。前記ガルバノスキャナ6は、コンピュータを含んで構成される制御装置8により制御される。また、前記制御装置8は、レーザ加工装置1全体を制御するように構成されている。
ここで、前記加工ヘッド3について、図2及び図3も参照して詳述する。図2に示すように、加工ヘッド3は、例えば円筒状のボディ3aを備え、そのボディ3a内の上部に、上記した光学系4を構成するガルバノスキャナ6及びfθレンズ7が組込まれている。前記ボディ3aの先端部である下端部には、ノズル部9が設けられている。このノズル部9の底面部には、レーザ光L及びアシストガスGを噴射するノズル口10が設けられている。この場合、ノズル口10についても、レーザ光Lの走査のため比較的大形、例えば直径が8mmφ以上に構成されている。
さて、図2、図3にも示すように、前記ボディ3内の、前記fθレンズ7と前記ノズル部9との間には、ガスパージエリア11が設けられている。このガスパージエリア11は、ノズル部9側に開口していると共に、その周壁部に1個又は複数個の供給口11aを有しており、ノズル部9側以外にガスの漏れの生じることのない気密状に構成されている。図1に示すように、このガスパージエリア11の供給口11aは、第1のガス供給部12に接続されており、第1のガス供給部12から、第1のアシストガスが正圧で供給されるようになっている。第1のアシストガスとしては、例えばヘリウムガス、アルゴンガス等の不活性ガスが採用されている。
図3に示すように、前記ノズル部9は、その内壁面が、図で上端部から前記ノズル口10に向けて全体として縮径する形状、この場合テーパ面状に構成されている。ノズル部9の上端部は、前記ガスパージエリア11に連通するように円形に開口している。そして、このノズル部9には、基端側即ち上部寄り部位に位置して、ノズル部9内に第2のアシストガスを高速で流すためのスリット状の噴出口13が全周に渡って設けられている。この噴出口13は、ノズル部9の内壁面のテーパに沿うような下向きに設けられており、例えば図で左右両端の2箇所に設けられた供給口14に連通している。
このとき、図3に示すように、ノズル部9は、軸方向つまり上下方向に2つの部品9a、9bを突き合わせて連結することにより構成され、それらの突き合わせ部分に位置して前記噴出口13及び供給口14が構成されるようになっている。図1に示すように、前記2つの供給口14は、第2のガス供給部15に接続されており、第2のガス供給部15から、第2のアシストガスが高圧、例えば0.1MPa以上の圧力で供給されるようになっている。第2のアシストガスとしては、前記第1のアシストガスとは異なる種類の不活性ガス例えば窒素ガスが採用されている。
これにて、第2のアシストガスが、第2のガス供給部15から供給口14に高圧で供給され、スリット状の噴出口13から下向き即ち図3で矢印A2方向に高速で噴出される。その第2のアシストガスは、ノズル部9の内壁面に沿って高速で流れ、ノズル口10からワークWの加工位置に向けて噴射される。前記ガスパージエリア11、第1のガス供給部12、噴出口13、第2のガス供給部15等から、アシストガス供給機構5が構成されている。尚、詳しく図示はしないが、レーザ発振器2、第1のガス供給部12、第2のガス供給部15も、前記制御装置8により制御される。
次に、上記構成のレーザ加工装置1の作用について述べる。レーザ加工装置1において、ワークWの表面マーキング加工を行う場合、制御装置8は、レーザ発振器2を駆動すると共に、ガルバノスキャナ6を制御する。これにより、図1に示すように、レーザ発振器2から出力されたレーザ光Lは、光学系4を通して、加工ヘッド3のノズル口10からワークWに対して照射され、所定のマーキングが行われる。これと共に、制御装置8は、第1のガス供給部12及び第2のガス供給部15を駆動制御し、アシストガス供給機構5により、ノズル口10からアシストガスAがレーザ光Lと同軸に噴射される。
これにより、ワークWの加工部分にアシストガスAが吹付けられ、発生したデブリの排出やワークWの加工部分の冷却が行われる。このとき、具体的には、図3に示すように、第2のガス供給部15により加工ヘッド3の供給口14に比較的高圧で供給された第2のアシストガスが、ノズル部9のスリット状の噴出口13から、ノズル部9の内壁面に沿って矢印A2方向に高速で流れ、ノズル口10から下方に向けて高速で噴射される。併せて、加工ヘッド3内のガスパージエリア11には、第1のガス供給部12から第1のアシストガスが正圧で供給されている。
ここで、ガルバノスキャナ6及びfθレンズ7といった大面積の光学系4を備える場合には、ノズル口10の開口径も大きくなる事情がある。ところが、図3に示すように、第2のアシストガスがノズル口10の内側の外周寄り部分を矢印A2方向に高速で流れることにより、その内側部が負圧になり、ノズル部9内に連通しているガスパージエリア11内の第1のアシストガスを、矢印A1方向に引き込むようになる。ガスパージエリア11内の第1のアシストガスが正圧で保持されていることにより、負圧領域に第1のアシストガスを積極的に導入することができる。
これにて、第1及び第2のアシストガスが混合された状態のアシストガスAが、レーザ光Lと同軸に比較的高速でノズル口10から噴出され、ワークWの加工部分に高速で吹付けられるようになる。従って、アシストガスAによるデブリの排出や加工部分の冷却が効果的に行われる。この場合、ノズル部9の内部の不安定な負圧領域を解消しつつ、第1のアシストガスを積極的に引き込んだ安定的な噴射が可能となる。結果として、ノズル部9の内部のガス流速の均一化が図られると共に、負圧領域の形成に伴うデブリ等の噴出物のノズル部9の内部への巻き込み等の不具合を解消することができる。
このように本実施形態によれば、加工ヘッド3に、ノズル部9側に開口するガスパージエリア11を気密状に設け、第1のアシストガスを正圧状態で供給すると共に、ノズル部9に設けられたスリット状の噴出口13から、第2のアシストガスを該ノズル部9の内壁面に沿ってノズル口10に向けて高速で流す構成とした。これにより、大面積の光学系4を備えノズル口10が比較的大型となるものにあっても、簡単な構成で高速のアシストガスAを供給することが可能となり、ひいては高品質のレーザ加工が可能となるという優れた効果を得ることができる。
特に本実施形態では、前記ノズル部9を構成する、2つの部品9a、9bを突き合わせてスリット状の噴出口13を形成するように構成した。これにより、スリット状の噴出口13を容易に形成することができ、部品9a、9bの交換によって噴出口13の形状や隙間寸法などを容易に変更することが可能となる。また、部品9bの交換によって、ノズル部9の内壁面の形状、例えばテーパの角度等も容易に変更することができる。噴出口のスリット幅の調整によって、アシストガスの流速の調整も容易となる。
また、本実施形態では、前記第1のガス供給部12と第2のガス供給部15とを、別の種類のアシストガスを供給することが可能となるように構成した。この構成により、第1のアシストガスと、第2のアシストガスとを使い分けることができる。本実施形態では、例えば、より多く使用する第2のアシストガスに、比較的安価な窒素ガスを採用し、第1のアシストガスに、コストが比較的高いが冷却等の効果が高いヘリウムガスを採用した。これにより、アシストガス全体としてのコストを抑制しながら、高品質の加工を行うことが可能となる。
(他の実施形態)
以下、図示は省略するが、いくつかの他の実施形態について述べる。上記実施形態では、第1のアシストガスと第2のアシストガスとを別の種類のガスとしたが、第1のガス供給部と第2のガス供給部とを、同じ種類のガスが供給されるように構成することができる。これによれば、使用すべきアシストガスを1種類で済ませることができ、2種類のガスを用いる場合と比べて、構成の簡単化を図ることができる。アシストガスの種類としても、上記した以外にも二酸化炭素など各種の不活性ガスを採用することができる。
また、エアクーラなどで冷却した第1のアシストガスを、ガスパージエリアに供給する構成とすることもでき、これよれば、加工部の冷却効果をより高めることができる。噴出口13に第2のアシストガスを供給する供給口14を、接線方向からガスを供給する構成とすれば、噴出口13から流れる第2のアシストガスを、螺旋状に回転させながら噴射することができる。ノズル口の形状としては、円形に限らず、他の形状例えば四角形などとすることができる。ノズル口部分をいわゆるラバル形状として、流れ方向や流速を変化させることもできる。加工ヘッドの先端部分とワークの加工面との間を、例えば遮蔽板で囲うようにすることで、ガスパージ状態での加工が可能となる。
さらに、加工ヘッドとワークの加工面との間の部分からデブリ等を吸引する吸引機構を付加するようにすれば、デブリの排出をより確実に行うことが可能となる。ワークWとしては、プラスチックなど金属以外のものでもよく、また、マーキング加工以外でも、切断、穴開け、溝加工等の加工を行うものでも良い。ガルバノスキャナ及びfθレンズを備えるものに限らず、大形のレンズなど大面積の光学系を備えるもの全般に適用することができる。
その他、上記実施形態で説明したレーザ加工装置の全体構成についても、一例を示したに過ぎず、例えばロボット装置による加工ヘッドと加工物との間の相対移動を伴うものであっても良い等、様々な変更が可能である。本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することにより提供された専用コンピュータにより実現されても良い。或いは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によりプロセッサを構成することにより提供された専用コンピュータにより実現されても良い。若しくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路により構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより実現されても良い。又、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていても良い。
図面中、1はレーザ加工装置、2はレーザ発振器、3は加工ヘッド、4は光学系、5はアシストガス供給機構、6はガルバノスキャナ、7はfθレンズ、8は制御装置、9はノズル部、10はノズル口、11はガスパージエリア、12は第1のガス供給部、13は噴射口、14は供給口、15は第2のガス供給部、Wはワーク(加工物)、Lはレーザ光、Aはアシストガスを示す。

Claims (4)

  1. レーザ発振器(2)からのレーザ光(L)を、光学系(4)を通して加工ヘッド()の先端のノズル口(10)から照射すると共に、アシストガス供給機構(5)により、前記ノズル口からアシストガス(A)をレーザ光と同軸に噴射するレーザ加工装置(1)であって、
    前記加工ヘッドは、先端側に、内壁部が前記ノズル口に向けて縮径するノズル部(9)を有すると共に、基端側に、前記ノズル部側に開口するガスパージエリア(11)を気密状に有し、前記ノズル部の基端部に位置してガスを該ノズル部の内壁面に沿って前記ノズル口に向けて高速で流すスリット状の噴出口(13)を備え、
    前記アシストガス供給機構は、前記ガスパージエリアに第1のアシストガスを正圧状態で供給する第1のガス供給部(12)と、前記噴出口に第2のアシストガスを供給する第2のガス供給部(15)とを含み、
    前記ノズル口から噴射される前記アシストガスは、前記第1のアシストガスと前記第2のアシストガスとが混合して構成されている、
    レーザ加工装置。
  2. 前記噴出口は、前記ノズル部を構成する部品のうち、2部品を突き合わせて形成される請求項1記載のレーザ加工装置。
  3. 前記第1のガス供給部と第2のガス供給部とは、別の種類のガスを供給することが可能に構成されている請求項1又は2記載のレーザ加工装置。
  4. 前記第1のガス供給部と第2のガス供給部とは、同じ種類のガスが供給されるように構成されている請求項1又は2記載のレーザ加工装置。
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