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JP7632405B2 - 情報処理装置、情報処理方法、プログラム - Google Patents
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JP7632405B2 - 情報処理装置、情報処理方法、プログラム - Google Patents

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Description

本技術は情報処理装置、情報処理方法、プログラムに関し、例えば仮想映像を用いた映像制作の際などに用いることのできる技術に関する。
映画等の映像コンテンツの制作のための撮影手法として、いわゆるグリーンバックにより演者が演技を行い、後に背景映像を合成する技術が知られている。
また近年はグリーンバック撮影に代わって、大型の表示装置を設置したスタジオにおいて、表示装置に背景映像を表示させ、その前で演者が演技を行うことで、演者と背景を撮影できる撮影システムも開発され、いわゆるバーチャルプロダクション(Virtual Production)、インカメラVFX(In-Camera VFX)、またはLEDウォールバーチャルプロダクション(LED Wall Virtual Production)として知られている
下記特許文献1には、背景映像の前で演技する演者を撮影するシステムの技術が開示されている。
また下記特許文献2には、大型の表示装置を撮影する場合にモアレを防止するためにフィルム状などの光学部材を配置する技術が開示されている。
米国特許出願公開第2020/0145644号明細書 特開2014-202816号公報
大型のディスプレイに背景映像を表示させたうえで、演者及び背景映像をカメラで撮影することによれば、撮影後に背景映像を別途合成しなくてもよいことや、演者やスタッフがシーンを視覚的に理解して演技や演技良否の判断ができるなど、グリーンバック撮影に比べて利点が多い。
ところがディスプレイの映像を撮影するため、カメラのイメージセンサの画素とディスプレイパネルの画素の干渉によりモアレ等のアーティファクトが発生する。これを避けるには、カメラは、ディスプレイにフォーカスを合わせずにぼかす必要がある。
ところが、そのモアレ等の発生条件が不明なため、実際に撮影現場でカメラや演者の位置を変えたり、レンズを調節したりして試行錯誤する必要があった。これは映像制作の効率を悪化させる。
そこで本開示では、モアレ等のアーティファクトの発生を、より的確に判定できるようにする技術を提案する。
本技術に係る情報処理装置は、ディスプレイの映像をカメラで撮影する撮影システムにおける前記ディスプレイの発光素子の間隔と、前記カメラのイメージセンサの画素間隔と、前記カメラの光学ローパスフィルタの特性と、前記カメラのレンズの焦点距離、F値、合焦距離と、前記ディスプレイと前記カメラの距離と、を用いて、前記カメラの撮影映像にモアレが発生するか否かの判定処理を行う判定部を備える。
即ち情報処理装置は、上掲の発光素子の間隔等の値を用い、撮影前や撮影中などに、ディスプレイの映像をカメラで撮影した場合に、撮影映像にモアレが発生するか否かを判定する。
本技術の実施の形態の撮影システムの説明図である。 実施の形態の撮影システムのカメラ位置に応じた背景映像の説明図である。 実施の形態の撮影システムのカメラ位置に応じた背景映像の説明図である。 実施の形態の映像コンテンツ制作工程の説明図である。 実施の形態の撮影システムのブロック図である。 実施の形態の撮影システムの背景映像生成のフローチャートである。 実施の形態の複数カメラを用いた撮影システムのブロック図である。 実施の形態の情報処理装置のブロック図である。 実施の形態のプレビジュアライゼーションの説明図である。 実施の形態の判定部を備えた構成例のブロック図である。 実施の形態のカメラ位置操作映像の説明図である。 実施の形態のモアレアラートの説明図である。 実施の形態のカメラ位置操作映像における操作の説明図である。 実施の形態のモアレアラート処理のフローチャートである。 実施の形態の撮影時のモアレアラート処理のフローチャートである。 イメージセンサ上の像の説明図である。 光学LPF(Low Pass Filter)の説明図である。 光学LPFの特性の説明図である。 画素の幅の説明図である。 イメージセンサ上の像のぼけの説明図である。 正十二角形の近似の説明図である。 LED(Light Emitting Diode)の像の説明図である。 LEDの像が光学LPFで4つに分かれた様子の説明図である。 LEDの像がさらに直径δでぼけた様子の説明図である。 イメージセンサの画素の説明図である。 イメージセンサの各画素が感じた明るさの説明図である。 振幅特性の説明図である。 包絡線で近似させた振幅特性の説明図である。 カメラがパネル面を斜め方向から撮影している様子の説明図である。 カメラに写る範囲の説明図である。 カメラに写る範囲の最短距離と最長距離の説明図である。 イメージセンサ上の距離の説明図である。 サブカメラを用いた距離計算の説明図である。 サブカメラを用いた距離計算の説明図である。 実施の形態のモアレ判定処理のフローチャートである。 LEDウォール505の説明図である。 モアレを目立たせる配置の説明図である。 実施の形態のモアレ判定処理の他の例のフローチャートである。
以下、実施の形態を次の順序で説明する。
<1.撮影システム及びコンテンツ制作>
<2.情報処理装置の構成>
<3.アーティファクトの判定部を備える構成>
<4.判定処理>
<5.まとめ及び変型例>
なお、本開示において「映像」或いは「画像」とは静止画、動画のいずれをも含む。また「映像」とはディスプレイに表示されている状態を指すだけでなく、ディスプレイに表示されていない状態の映像データについても包括的に「映像」と表記する場合がある。
例えば実施の形態において、ディスプレイでの表示に至る前における背景映像、カメラによる撮影映像などは、実際に表示されている映像ではなく映像データであるが、便宜上「背景映像」「撮影映像」等と表記する。
<1.撮影システム及び映像コンテンツ制作>
本開示の技術を適用できる撮影システム及び映像コンテンツの制作について説明する。
図1は撮影システム500を模式的に示している。この撮影システム500はバーチャルプロダクションとしての撮影を行うシステムで、図では撮影スタジオに配置される機材の一部を示している。
撮影スタジオにおいては演者510が演技その他のパフォーマンスを行うパフォーマンスエリア501が設けられる。このパフォーマンスエリア501の少なくとも背面、さらには左右側面や上面には、大型の表示装置が配置される。表示装置のデバイス種別は限定されないが、図では大型の表示装置の一例としてLEDウォール505を用いる例を示している。
1つのLEDウォール505は、複数のLEDパネル506を縦横に連結して配置することで、大型のパネルを形成する。ここでいうLEDウォール505のサイズは特に限定されないが、演者510の撮影を行うときに背景を表示するサイズとして必要な大きさ、或いは十分な大きさであればよい。
パフォーマンスエリア501の上方、或いは側方などの必要な位置に、必要な数のライト580が配置され、パフォーマンスエリア501に対して照明を行う。
パフォーマンスエリア501の付近には、例えば映画その他の映像コンテンツの撮影のためのカメラ502が配置される。カメラ502は、カメラマン512が位置を移動させることができ、また撮影方向や、画角等の操作を行うことができる。もちろんリモート操作によってカメラ502の移動や画角操作等が行われるものも考えられる。またカメラ502が自動的もしくは自律的に移動や画角変更を行うものであってもよい。このためにカメラ502が雲台や移動体に搭載される場合もある。
カメラ502によって、パフォーマンスエリア501における演者510と、LEDウォール505に表示されている映像がまとめて撮影される。例えばLEDウォール505に背景映像vBとして風景が表示されることで、演者510が実際にその風景の場所に居て演技をしている場合と同様の映像を撮影できることになる。
パフォーマンスエリア501の付近にはアウトプットモニタ503が配置される。このアウトプットモニタ503にはカメラ502で撮影されている映像がモニタ映像vMとしてリアルタイム表示される。これにより映像コンテンツの制作を行う監督やスタッフが、撮影されている映像を確認することができる。
このように、撮影スタジオにおいてLEDウォール505を背景にした演者510のパフォーマンスを撮影する撮影システム500では、グリーンバック撮影に比較して各種の利点がある。
例えば、グリーンバック撮影の場合、演者が背景やシーンの状況を想像しにくく、それが演技に影響するということがある。これに対して背景映像vBを表示させることで、演者510が演技しやすくなり、演技の質が向上する。また監督その他のスタッフにとっても、演者510の演技が、背景やシーンの状況とマッチしているか否かを判断しやすい。
またグリーンバック撮影の場合よりも撮影後のポストプロダクションが効率化される。これは、いわゆるクロマキー合成が不要とすることができる場合や、色の補正や映り込みの合成が不要とすることができる場合があるためである。また、撮影時にクロマキー合成が必要とされた場合においても、緑や青の映像を表示するだけで済むため物理的な背景用スクリーンを追加不要とされることも効率化の一助となっている。
グリーンバック撮影の場合、演者の身体、衣装、物にグリーンの色合いが増してしまうため、その修正が必要となる。またグリーンバック撮影の場合、ガラス、鏡、スノードームなどの周囲の光景が映り込む物が存在する場合、その映り込みの画像を生成し、合成する必要があるが、これは手間のかかる作業となっている。
これに対し、図1の撮影システム500で撮影する場合、グリーンの色合いが増すことはないため、その補正は不要である。また背景映像vBを表示させることで、ガラス等の実際の物品への映り込みも自然に得られて撮影されているため、映り込み映像の合成も不要である。
ここで、背景映像vBについて図2、図3で説明する。背景映像vBを、LEDウォール505に表示させて、演者510とともに撮影を行うにしても、単純に背景映像vBを表示させるのみでは、撮影された映像は背景が不自然になる。実際には立体で奥行きもある背景を平面的に背景映像vBとしているためである。
例えばカメラ502は、パフォーマンスエリア501の演者510に対して、多様な方向から撮影することができ、またズーム操作も行うことができる。演者510も一カ所に立ち止まっているわけではない。するとカメラ502の位置、撮影方向、画角などに応じて、演者510の背景の実際の見え方は変化するはずであるが、平面映像としての背景映像vBではそのような変化が得られない。そこで背景が、視差を含めて、実際の見え方と同様になるように背景映像vBを変化させる。
図2はカメラ502が図の左側の位置から演者510を撮影している様子を示し、また図3はカメラ502が図の右側の位置から演者510を撮影している様子を示している。各図において、背景映像vB内に撮影領域映像vBCを示している。
なお背景映像vBのうちで撮影領域映像vBCを除いた部分は「アウターフラスタム」と呼ばれ、撮影領域映像vBCは「インナーフラスタム」と呼ばれる。
ここで説明している背景映像vBとは、撮影領域映像vBC(インナーフラスタム)を含んで背景として表示される映像全体を指す。
この撮影領域映像vBC(インナーフラスタム)の範囲は、LEDウォール505の表示面内で、カメラ502によって実際に撮影される範囲に相当する。そして撮影領域映像vBCは、カメラ502の位置、撮影方向、画角等に応じて、実際にそのカメラ502の位置を視点としたときに見える光景を表現するような映像となっている。
具体的には、撮影領域映像vBCは、背景としての3D(three dimensions)モデルである3D背景データを用意し、その3D背景データに対して、リアルタイムで逐次、カメラ502の視点位置に基づいてレンダリングする。
なお、実際には撮影領域映像vBCの範囲は、その時点でカメラ502によって撮影される範囲よりも少し広い範囲とされる。これはカメラ502のパン、チルトやズームなどにより撮影される範囲が若干変化したときに、描画遅延によってアウターフラスタムの映像が映り込んでしまうことを防止するためや、アウターフラスタムの映像からの回折光による影響を避けるためである。
このようにリアルタイムでレンダリングされた撮影領域映像vBCの映像は、アウターフラスタムの映像と合成される。背景映像vBで用いられるアウターフラスタムの映像は、予め3D背景データに基づいてレンダリングされたものである場合や、毎フレーム或いは間欠的なフレーム毎に、リアルタイムにレンダリングされる場合があるが、そのアウターフラスタムの映像の一部に、撮影領域映像vBC(インナーフラスタム)の映像を組み込むことで、全体の背景映像vBを生成している。
なお、アウターフラスタムの映像もインナーフラスタムと同様に毎フレームレンダリングするケースがあるが、ここでは静止した映像を例にとり、以降の説明では主にアウターフラスタムの映像は先頭フレームのみレンダリングする場合を例として説明する。
これにより、カメラ502を前後左右に移動させたり、ズーム操作を行ったりしても、演者510とともに撮影される範囲の背景は、実際のカメラ502の移動に伴う視点位置やFOV(Field of View(視野))の変化に応じた映像として撮影されることになる。
図2、図3に示すように、アウトプットモニタ503には、演者510と背景を含むモニタ映像vMが表示されるが、これが撮影された映像である。このモニタ映像vMにおける背景は、撮影領域映像vBCである。つまり撮影された映像に含まれる背景は、リアルタイムレンダリングされた映像となる。
このように実施の形態の撮影システム500においては、単に背景映像vBを平面的に表示させるだけではなく、実際に風景を撮影した場合と同様の映像を撮影することができるように、撮影領域映像vBCを含む背景映像vBをリアルタイムに変化させるようにしている。
なお、LEDウォール505に表示させた背景映像vBの全体ではなく、カメラ502によって映り込む範囲としての撮影領域映像vBCのみをリアルタイムにレンダリングすることで、システムの処理負担も軽減するような工夫を行ってもよい。
ここで、撮影システム500で撮影を行うバーチャルプロダクションとしての映像コンテンツの制作工程を説明しておく。図4に示すように、映像コンテンツ制作工程は3つの段階に大別される。アセットクリエイションST1、プロダクションST2、ポストプロダクションST3である。
アセットクリエイションST1は、背景映像vBを表示するための3D背景データを制作する工程である。上述のように背景映像vBは、撮影の際に3D背景データを用いてリアルタイムでレンダリングを行って生成する。そのために予め3Dモデルとしての3D背景データを制作しておく。
3D背景データの制作手法の例として、フルCG(Full Computer Graphics)、点群データ(Point Cloud)スキャン、フォトグラメトリ(Photogrammetry)という例がある。
フルCGは、3Dモデルをコンピュータグラフィックスで制作する手法である。3つの手法の中で最も工数や時間を要する手法となるが、非現実的な映像や、実際には撮影が困難な映像などを背景映像vBとしたい場合に用いられることが好適となる。
点群データスキャンは、ある位置から例えばライダー(LiDAR)を用いて距離測定を行うとともに、同じ位置からカメラで360度の画像を撮影し、ライダーで測距した点の上にカメラで撮影した色データを載せることで点群データによる3Dモデルを生成する手法である。フルCGに比較して、短い時間で3Dモデル制作ができる。またフォトグラメトリより高精細の3Dモデルを制作しやすい。
フォトグラメトリは、物体を複数視点から撮影して得た2次元画像から、視差情報を解析して寸法・形状を求める写真測量の技術である。3Dモデル制作を短時間で行うことができる。
なお、フォトグラメトリによる3Dデータ生成において、ライダーで取得した点群情報を用いても良い。
アセットクリエイションST1では、例えばこれらの手法を用いて3D背景データとなる3Dモデルを制作する。もちろん上記手法を複合的に用いてもよい。例えば点群データスキャンやフォトグラメトリで制作した3Dモデルの一部をCGで制作し、合成するなどである。
プロダクションST2は、図1に示したような撮影スタジオにおいて撮影を行う工程である。この場合の要素技術として、リアルタイムレンダリング、背景表示、カメラトラッキング、照明コントロールなどがある。
リアルタイムレンダリングは、図2、図3で説明したように各時点(背景映像vBの各フレーム)で撮影領域映像vBCを得るためのレンダリング処理である。これはアセットクリエイションST1で制作した3D背景データに対して、各時点のカメラ502の位置等に応じた視点でレンダリングを行うものである。
このようにリアルタイムレンダリングを行って撮影領域映像vBCを含む各フレームの背景映像vBを生成し、LEDウォール505に表示させる。
カメラトラッキングは、カメラ502による撮影情報を得るために行われ、カメラ502の各時点の位置情報、撮影方向、画角などをトラッキングする。これらを含む撮影情報を各フレームに対応させてレンダリングエンジンに提供することで、カメラ502の視点位置等に応じたリアルタイムレンダリングが実行できる。
撮影情報はメタデータとして映像と紐づけられたり対応づけられたりする情報である。
撮影情報としては各フレームタイミングでのカメラ502の位置情報、カメラの向き、画角、焦点距離、F値(絞り値)、シャッタースピード、レンズ情報などを含むことが想定される。
照明コントロールとは、撮影システム500における照明の状態をコントロールすることで、具体的にはライト580の光量、発光色、照明方向などの制御を行う。例えば撮影するシーンの時刻設定や場所の設定などに応じた照明コントロールが行われる。
ポストプロダクションST3は、撮影後に行われる各種処理を示している。例えば映像の補正、映像の調整、クリップ編集、映像エフェクトなどが行われる。
映像の補正としては、色域変換や、カメラや素材間の色合わせなどが行われる場合がある。
映像の調整として色調整、輝度調整、コントラスト調整などが行われる場合がある。
クリップ編集として、クリップのカット、順番の調整、時間長の調整などが行われる場合がある。
映像エフェクトとして、CG映像や特殊効果映像の合成などが行われる場合がある。
続いてプロダクションST2で用いられる撮影システム500の構成を説明する。
図5は、図1、図2、図3で概要を説明した撮影システム500の構成を示すブロック図である。
図5に示す撮影システム500は、上述した、複数のLEDパネル506によるLEDウォール505、カメラ502、アウトプットモニタ503、ライト580を備える。そしてさらに撮影システム500は、図5に示すように、レンダリングエンジン520、アセットサーバ530、シンクジェネレータ540、オペレーションモニタ550、カメラトラッカー560、LEDプロセッサ570、ライティングコントローラ581、ディスプレイコントローラ590を備える。
LEDプロセッサ570のそれぞれは、1又は複数のLEDパネル506に対応して設けられ、それぞれ対応する1又は複数のLEDパネル506の映像表示駆動を行う。
シンクジェネレータ540は、LEDパネル506による表示映像のフレームタイミングと、カメラ502による撮像のフレームタイミングの同期をとるための同期信号を発生し、各LEDプロセッサ570、カメラ502、及びレンダリングエンジン520に供給する。
カメラトラッカー560は、各フレームタイミングでのカメラ502による撮影情報を生成し、レンダリングエンジン520に供給する。例えばカメラトラッカー560は撮影情報の1つとして、LEDウォール505の位置或いは所定の基準位置に対する相対的なカメラ502の位置情報や、カメラ502の撮影方向を検出し、これらをレンダリングエンジン520に供給する。
カメラトラッカー560による具体的な検出手法としては、天井にランダムに反射板を配置して、それらに対してカメラ502に組み付けられたカメラトラッカー560から照射された赤外光の反射光から位置を検出する方法がある。また検出手法としては、カメラ502の雲台やカメラ502の本体に搭載されたジャイロ情報や、カメラ502の撮影映像の画像認識によりカメラ502の自己位置推定する方法もある。
またカメラ502からレンダリングエンジン520に対しては、撮影情報として画角、焦点距離、F値、シャッタースピード、レンズ情報などが供給される場合もある。
アセットサーバ530は、アセットクリエイションST1で制作された3Dモデル、即ち3D背景データを記録媒体に格納し、必要に応じて3Dモデルを読み出すことができるサーバである。即ち3D背景データのDB(data Base)として機能する。
レンダリングエンジン520は、LEDウォール505に表示させる背景映像vBを生成する処理を行う。このためレンダリングエンジン520は、アセットサーバ530から必要な3D背景データを読み出す。そしてレンダリングエンジン520は、3D背景データをあらかじめ指定された空間座標から眺めた形でレンダリングしたものとして背景映像vBで用いるアウターフラスタムの映像を生成する。
またレンダリングエンジン520は、カメラトラッカー560やカメラ502から供給された撮影情報を用いて3D背景データに対する視点位置等を特定して撮影領域映像vBC(インナーフラスタム)のレンダリングを行う。
さらにレンダリングエンジン520は、アウターフラスタムに対し、カメラ502の動きに応じて動的に変化する撮影領域映像vBCを合成して1フレームの映像データとしての背景映像vBを生成する。そしてレンダリングエンジン520は、生成した1フレームの映像データをディスプレイコントローラ590に送信する。
ディスプレイコントローラ590は、1フレームの映像データを、各LEDパネル506で表示させる映像部分に分割した分割映像信号nDを生成し、各LEDパネル506に対して分割映像信号nDの伝送を行う。このときディスプレイコントローラ590は、表示部間の発色などの個体差/製造誤差などに応じたキャリブレーションを行っても良い。
なお、ディスプレイコントローラ590を設けず、これらの処理をレンダリングエンジン520が行うようにしてもよい。つまりレンダリングエンジン520が分割映像信号nDを生成し、キャリブレーションを行い、各LEDパネル506に対して分割映像信号nDの伝送を行うようにしてもよい。
各LEDプロセッサ570が、それぞれ受信した分割映像信号nDに基づいてLEDパネル506を駆動することで、LEDウォール505において全体の背景映像vBが表示される。その背景映像vBには、その時点のカメラ502の位置等に応じてレンダリングされた撮影領域映像vBCが含まれている。
カメラ502は、このようにLEDウォール505に表示された背景映像vBを含めて演者510のパフォーマンスを撮影することができる。カメラ502の撮影によって得られた映像は、カメラ502の内部又は図示しない外部の記録装置において記録媒体に記録されるほか、リアルタイムでアウトプットモニタ503に供給され、モニタ映像vMとして表示される。
オペレーションモニタ550では、レンダリングエンジン520の制御のためのオペレーション画像vOPが表示される。エンジニア511はオペレーション画像vOPを見ながら背景映像vBのレンダリングに関する必要な設定や操作を行うことができる。
ライティングコントローラ581は、ライト580の発光強度、発光色、照射方向などを制御する。ライティングコントローラ581は、例えばレンダリングエンジン520とは非同期でライト580の制御を行うものとしてもよいし、或いは撮影情報やレンダリング処理と同期して制御を行うようにしてもよい。そのためレンダリングエンジン520或いは図示しないマスターコントローラ等からの指示によりライティングコントローラ581が発光制御を行うようにしてもよい。またレンダリングエンジン520からライト580の制御を行うようにしてもよい。
このような構成の撮影システム500におけるレンダリングエンジン520の処理例を図6に示す。
レンダリングエンジン520は、ステップS10でアセットサーバ530から、今回使用する3D背景データを読み出し、内部のワークエリアに展開する。
この段階でアウターフラスタムとして用いる映像を生成する場合もある。
その後レンダリングエンジン520は、ステップS20で、読み出した3D背景データに基づく背景映像vBの表示終了と判定するまで、ステップS30からステップS60の処理を繰り返す。
ステップS30でレンダリングエンジン520は、カメラトラッカー560やカメラ502からの撮影情報を取得する。これにより、現フレームで反映させるカメラ502の位置や状態を確認する。
ステップS40でレンダリングエンジン520は、撮影情報に基づいてレンダリングを行う。即ち現在のフレームに反映させるカメラ502の位置、撮影方向、或いは画角等に基づいて3D背景データに対する視点位置を特定してレンダリングを行う。このとき、焦点距離、F値、シャッタースピード、レンズ情報などを反映した映像処理を行うこともできる。このレンダリングによって撮影領域映像vBC(インナーフラスタム)としての映像データを得ることができる。アウターフラスタムについては、ステップS10で予め固定的な映像として生成する他、ステップS40でフレーム毎に生成することもある。
ステップS50でレンダリングエンジン520は、全体の背景映像であるアウターフラスタムと、カメラ502の視点位置を反映した映像、即ち撮影領域映像vBCを合成する処理を行う。例えばある特定の基準視点でレンダリングした背景全体の映像に対して、カメラ502の視点を反映して生成した映像を合成する処理である。これにより、LEDウォール505で表示される1フレームの背景映像vB、つまり撮影領域映像vBCを含む背景映像vBが生成される。
ステップS60の処理は、レンダリングエンジン520又はディスプレイコントローラ590で行う。ステップS60でレンダリングエンジン520又はディスプレイコントローラ590は、1フレームの背景映像vBについて、個別のLEDパネル506に表示される映像に分割した分割映像信号nDを生成する。キャリブレーションを行う場合もある。そして各分割映像信号nDを各LEDプロセッサ570に送信する。
以上の処理により、各フレームタイミングで、カメラ502で撮像される撮影領域映像vBCを含む背景映像vBがLEDウォール505に表示されることになる。
ところで図5では1台のカメラ502のみを示したが、複数台のカメラ502で撮影を行うこともできる。図7は複数のカメラ502a,502bを使用する場合の構成例を示している。カメラ502a,502bは、それぞれ独立してパフォーマンスエリア501における撮影を行うことができるようにされる。また各カメラ502a,502b及び各LEDプロセッサ570は、シンクジェネレータ540により同期が維持される。
カメラ502a,502bに対応して、アウトプットモニタ503a,503bが設けられ、それぞれ対応するカメラ502a,502bによって撮影された映像を、モニタ映像vMa,vMbとして表示するように構成される。
またカメラ502a,502bに対応して、カメラトラッカー560a,560bが設けられ、それぞれ対応するカメラ502a,502bの位置や撮影方向を検出する。カメラ502a及びカメラトラッカー560aからの撮影情報や、カメラ502b及びカメラトラッカー560bからの撮影情報は、レンダリングエンジン520に送信される。
レンダリングエンジン520は、カメラ502a側、或いはカメラ502b側のいずれか一方又は両方の撮影情報を用いて、各フレームの背景映像vBを得るためのレンダリングを行うことができる。
なお図7では2台のカメラ502a、502bを用いる例を示したが、3台以上のカメラ502を用いて撮影を行うことも可能である。
但し、複数のカメラ502を用い、それぞれの撮影情報を用いて、それぞれのカメラ502に対応した撮影領域映像vBC(インナーフラスタム)のレンダリングを行い、表示させると、それぞれの撮影領域映像vBCが互いに干渉するという事情がある。例えば図7のように2台のカメラ502a、502bを用いる例では、カメラ502aに対応する撮影領域映像vBCを示しているが、カメラ502bの映像を用いる場合、カメラ502bに対応する撮影領域映像vBCも必要になる。その場合に単純に各カメラ502a、502bに対応するそれぞれの撮影領域映像vBCを表示させると、それらが互いに干渉する。このため撮影領域映像vBCの表示に関する工夫が必要とされる。
<2.情報処理装置の構成>
次に、アセットクリエイションST1、プロダクションST2、ポストプロダクションST3で用いることができる情報処理装置70の構成例を図8で説明する。
情報処理装置70は、コンピュータ機器など、情報処理、特に映像処理が可能な機器である。この情報処理装置70としては、具体的には、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、スマートフォンやタブレット等の携帯端末装置、ビデオ編集装置等が想定される。また情報処理装置70は、クラウドコンピューティングにおけるサーバ装置や演算装置として構成されるコンピュータ装置であってもよい。
本実施の形態の場合、具体的には情報処理装置70は、アセットクリエイションST1において3Dモデルを制作する3Dモデル制作装置として機能できる。
また情報処理装置70は、プロダクションST2で用いる撮影システム500を構成するレンダリングエンジン520やアセットサーバ530としても機能できる。
また情報処理装置70は、ポストプロダクションST3における各種映像処理を行う映像編集装置としても機能できる。
さらに情報処理装置70は、図10等で後述するプレビジュアライゼーションにおけるシミュレーション映像vSMの生成を行う情報処理装置(レンダリングエンジン31)としても機能できる。
図8に示す情報処理装置70のCPU71は、ROM72や例えばEEP-ROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの不揮発性メモリ部74に記憶されているプログラム、または記憶部79からRAM73にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM73にはまた、CPU71が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
映像処理部85は各種の映像処理を行うプロセッサとして構成される。例えば3Dモデル生成処理、レンダリング、DB処理、色・輝度調整処理を含む映像処理、映像編集処理、映像解析・検出処理などのいずれか、或いは複数の処理を行うことができるプロセッサとされる。
この映像処理部85は例えば、CPU71とは別体のCPU、GPU(Graphics Processing Unit)、GPGPU(General-purpose computing on graphics processing units)、AI(artificial intelligence)プロセッサ等により実現できる。
なお映像処理部85はCPU71内の機能として設けられてもよい。
CPU71、ROM72、RAM73、不揮発性メモリ部74、映像処理部85は、バス83を介して相互に接続されている。このバス83にはまた、入出力インタフェース75も接続されている。
入出力インタフェース75には、操作子や操作デバイスよりなる入力部76が接続される。例えば入力部76としては、キーボード、マウス、キー、トラックボール、ダイヤル、タッチパネル、タッチパッド、グレーティング用パネル、リモートコントローラ等の各種の操作子や操作デバイスが想定される。
入力部76によりユーザの操作が検知され、入力された操作に応じた信号はCPU71によって解釈される。
入力部76としてはマイクロフォンも想定される。ユーザの発する音声を操作情報として入力することもできる。
また入出力インタフェース75には、LCD(Liquid Crystal Display)或いは有機EL(electro-luminescence)パネルなどよりなる表示部77や、スピーカなどよりなる音声出力部78が一体又は別体として接続される。
表示部77は各種表示を行う表示部であり、例えば情報処理装置70の筐体に設けられるディスプレイデバイスや、情報処理装置70に接続される別体のディスプレイデバイス等により構成される。
表示部77は、CPU71の指示に基づいて表示画面上に各種の画像、操作メニュー、アイコン、メッセージ等、即ちGUI(Graphical User Interface)としての表示を行う。
入出力インタフェース75には、HDD(Hard Disk Drive)や固体メモリなどにより構成される記憶部79や通信部80が接続される場合もある。
記憶部79は、各種のデータやプログラムを記憶することができる。記憶部79においてDBを構成することもできる。
例えば情報処理装置70がアセットサーバ530や後述のレンダリングエンジン31として機能する場合、記憶部79を利用して3D背景データ群を格納するDBを構築できる。
通信部80は、インターネット等の伝送路を介しての通信処理や、外部のDB、編集装置、情報処理装置等の各種機器との有線/無線通信、バス通信などによる通信を行う。
例えば情報処理装置70がレンダリングエンジン520や後述のレンダリングエンジン31として機能する場合、通信部80によりアセットサーバ530としてのDBにアクセスしたり、カメラ502やカメラトラッカー560からの撮影情報を受信したりすることができる。
またポストプロダクションST3に用いる情報処理装置70の場合も、通信部80によりアセットサーバ530としてのDBにアクセスすることなども可能である。
入出力インタフェース75にはまた、必要に応じてドライブ81が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体82が適宜装着される。
ドライブ81により、リムーバブル記録媒体82からは映像データや、各種のコンピュータプログラムなどを読み出すことができる。読み出されたデータは記憶部79に記憶されたり、データに含まれる映像や音声が表示部77や音声出力部78で出力されたりする。またリムーバブル記録媒体82から読み出されたコンピュータプログラム等は必要に応じて記憶部79にインストールされる。
この情報処理装置70では、例えば本実施の形態の処理のためのソフトウェアを、通信部80によるネットワーク通信やリムーバブル記録媒体82を介してインストールすることができる。或いは当該ソフトウェアは予めROM72や記憶部79等に記憶されていてもよい。
<3.アーティファクトの判定部を備える構成>
以下では、モアレ等のアーティファクトの発生を判定する判定部を備える情報処理装置70の構成例を説明する。
そのような情報処理装置70は、図5,図7のような撮影システム500におけるレンダリングエンジン520等の情報処理装置70でもよいし、図10で述べるプレビジュアライゼーションシステム700で用いられる情報処理装置70でもよい。
撮影システム500においてLEDウォール505をカメラ502で撮影することで、カメラ502のイメージセンサの画素とLEDパネル506の画素の干渉によりモアレ等(モアレ、グリッド、カラーシフト等)のアーティファクトが発生する。
モアレ等を避けるには、カメラ502は、LEDパネル506にフォーカスを合わせずにぼかす必要がある。ところが、実際の撮影現場でカメラ502や演者510の位置を変えたり、レンズを調節したりすることは、映像制作の効率を悪化させる。
そこで本実施の形態では、モアレ等の発生を判定する処理を行う判定部を備えた情報処理装置70を、撮影システム500やプレビジュアライゼーションシステム700で用いるようにする。
まず映像制作過程におけるプレビジュアライゼーションの位置づけを図9で説明する。
図9には先に図4で説明したアセットクリエイション(ST1)、プロダクション(ST2)、ポストプロダクション(ST3)という流れを示している。
プロダクション(ST2)は、実際にスタジオで撮影を行う段階であるが、これは撮影準備と撮影に分けられる。
プレビジュアライゼーションは、主に撮影準備よりも前の段階で行われることが想定される。なお、必ずしも時系列的な順序は限定されないが、プレビジュアライゼーションは、アセットクリエイション(ST1)において背景映像vBをレンダリングするための3Dモデルが制作された後の段階で行われればよい。
その意味で、プレビジュアライゼーションは、アセットクリエイション(ST1)の最終段階で行われるととらえてもよいし、プロダクション(ST2)における撮影準備の前の段階で行われるととらえてもよい。
プレビジュアライゼーションでは、映像確認、モアレ判定という処理が行われる。映像確認とは、撮影に先立って、撮影により得られる撮影映像vCを監督やスタッフが確認できるようにする処理である。主に撮影映像vCの色合いを含む確認をシミュレーション映像により可能とする。
モアレ判定は、例えば映像確認をしながらスタッフが仮想的にカメラ位置を操作している際に行う処理である。モアレ判定によりモアレ等が出ると予測される場合に、その警告を発することもできる。これにより、その後の撮影の際のアーティファクト発生を回避できるようにする。
撮影準備の段階では、撮影システム500におけるLEDやカメラ等各種の設定とともに、色キャリブレーションが行われる。具体的にはLEDウォール505をカメラ502で撮影したときに生ずる色変化をキャンセルするキャリブレーションLUT(Look Up Table)を生成する。キャリブレーションLUTは例えば3D-LUTとされる。
なお3D-LUTの代わりに、マトリックスと1D-LUTの組み合わせや他の映像信号処理で行うキャリブレーションのための準備を行ってもよい。
撮影準備の段階でも、モアレ判定やそれに応じたモアレアラートを行うことができる。即ち撮影準備の段階で実際のLEDパネル506やカメラ502の機種が特定され、またカメラ502の位置や方向が設定されることで、モアレ判定を行うことができる。
撮影の段階では、モアレ判定、キャリブレーションLUT、on-setカメラ設定が行われる。
この場合のモアレ判定とは、レンダリングエンジン520によるモアレ判定である。判定に応じてリアルタイムにカメラマン512等にモアレアラートを出力することもできる。
キャリブレーションLUTとは、撮影準備の際の色キャリブレーションで生成したLUTを適用してLEDウォール505やカメラ502等による背景映像表示に関する色変化をキャンセルする処理である。
on-setカメラ設定とは、プレビジュアライゼーションで設定したカメラ設定を例えばクラウドサーバ等から取得し、スタジオのカメラ502に反映させる処理である。
実施の形態としての構成例を図10で説明する。なお図10では、撮影システム500の構成と、プレビジュアライゼーションのための構成とを並記している。
図面上方は、図5等で説明した撮影システム500の構成を簡略化して示しており、図面下方は、プレビジュアライゼーションで使用する構成(プレビジュアライゼーションシステム700)を示している。
図10において撮影システム500に関しては、レンダリングエンジン520、LEDプロセッサ570、複数のLEDパネル506によるLEDウォール505、カメラ502、カメラ信号処理部515、オペレーションモニタ550又はアウトプットモニタ503を示している。
この図におけるオペレーションモニタ550又はアウトプットモニタ503は、撮影現場であるスタジオにおいて撮影映像vCやモニタ映像vMを表示するモニタを包括的に示している。以下では説明上「モニタ550等」と略称する。
レンダリングエンジン520はレンダリング部520aと、CGカメラ設定部520cと、判定部520dを含むものとして示している。
レンダリング部520aは先に説明したとおり、アウターフラスタムやカメラ502の位置や撮影方向に応じたインナーフラスタム(撮影領域映像)vBCのレンダリングを行い、LEDウォール505に表示させる背景映像vBを生成する機能を示している。即ちレンダリング部520aは図6の処理を行う機能である。
レンダリングエンジン520におけるCGカメラ設定部520cと、判定部520dについては後述する。
なお、レンダリングエンジン520は、色キャリブレーション機能を備える場合がある。色キャリブレーション機能とは、LEDプロセッサ570の処理やLEDウォール505を構成するLEDパネル506のLED発光特性及びカメラの受光特性や処理などにより生ずる色変化をキャンセルするための色変換を行う機能である。
即ちレンダリング部520aは、レンダリングした背景映像vBについて、撮影準備の段階の色キャリブレーションにより生成したLUTを用いて色変換を行う場合がある。
このようにレンダリングエンジン520においてキャリブレーションLUTを用いた色変換を行う場合は、例えば背景映像vBの表示側における色変化は生じないものとすることもできる。
なお、ここでいう色変化とは、レンダリングされた背景映像vBがLEDウォール505で表示されるまでの処理や発光特性や、カメラの受光特性や処理などにより生ずる色変化のことである。
レンダリングエンジン520において色キャリブレーション機能を備えていない場合、或いは当該機能を備えていても有効化しない場合は、3Dモデルからレンダリングした状態の色と、LEDウォール505で表示された状態の色に、色合い、つまり色の濃淡やRGBバランスなどによる変化が生ずる場合がある。
図10では、カメラ502に対しては、撮像映像信号の信号処理を行うカメラ信号処理部515を示している。図5,図7では省略したが、このカメラ信号処理部515は、カメラ502内のプロセッサ等により形成されてもよいし、カメラ502とは別体ユニットの装置として設けられても良い。
カメラ502で撮影された映像信号はカメラ信号処理部515で輝度処理、色処理等を含む現像処理やリサイズ処理などをされて、撮影映像vCやモニタ映像vMとして出力される。
撮影映像vCは本線映像とされて記録媒体に記録されたり、放送や配信のために他機器に送信されたりする。また撮影映像vCはモニタ映像vMとして用いられてモニタ550等で表示される。
以上のような撮影システム500に対して、例えばスタジオ外のシステムとしてプレビジュアライゼーションシステム700が構成される。プレビジュアライゼーションシステム700ではレンダリングエンジン31として機能する情報処理装置70と、モニタ40を少なくとも備える。
レンダリングエンジン31は例えばレンダリングエンジン520とは別体の情報処理装置70により構成される。
レンダリングエンジン31はレンダリング部32、映像処理部33を備える。
レンダリング部32は、上述のレンダリングエンジン520におけるレンダリング部520aと同様のレンダリング機能であり、3Dモデルに基づいて背景映像vBPを生成することができる。
このレンダリング部32は、少なくともアセットクリエイション(ST1)の工程で制作された3Dモデルを用いて背景映像vBのレンダリングを行うことができる。つまりプロダクション(ST2)の工程で用いるものと同じ3Dモデルを例えばアセットサーバ530(図5,図7参照)から取得し、それを用いてレンダリングを行う。
そしてレンダリング部32は、当該3Dモデルを用いて例えばインナーフラスタムのレンダリングを行う。なお、インナーフラスタム(撮影領域映像vBC)を生成する場合は、任意のカメラ位置や方向が入力され、それに応じた3Dモデルに対する視点位置でレンダリングを行うことができる。
これら、レンダリング部32で生成する背景映像を、撮影時にレンダリングエンジン520で生成する撮影領域映像vBCと説明上、区別する意味で、「背景映像vBP」と表記する。
映像処理部33は、背景映像vBPに対する各種の映像処理を行う機能を示している。
映像処理の1つとして映像処理部33は実撮影映像化処理を行う。実撮影映像化処理とは、実際に撮影に用いるカメラ502を模したシミュレーション映像vSMを生成する処理である。この実撮影映像化処理では、背景映像vBPに対して、少なくとも撮影システム500で使用するカメラ502の撮影時の輝度又は色の特性を実現する処理パラメータを用いてシミュレーション映像vSMを生成する。
輝度又は色に関するパラメータを、撮影時のカメラ502と同じとすることで、撮影映像vCと同じ色合いのシミュレーション映像vSMが生成されるようにし、そのシミュレーション映像vSMがモニタ40に表示されるようにする。
モニタ40は、レンダリングエンジン31としての情報処理装置70から出力される映像を表示するモニタ装置を示しており、例えば撮影スタジオとは別の場所にあるモニタ装置でもよいし、撮影スタジオにあるモニタ装置でもよい。モニタ40は、少なくともプレビジュアライゼーションの段階でシミュレーション映像vSMを表示させるものであればどのような形態でもよい。
レンダリングエンジン31においてレンダリング部32で背景映像vBPを生成し、映像処理部33で実撮影映像化処理を行ってシミュレーション映像vSMを生成する。これをモニタ40に表示させることで、スタッフは、撮影時の撮影映像vCに含まれる背景の映像と同じ色合いとされたシミュレーション映像vSMを確認することができる。これにより、撮影に先立って、色の確認を行い、必要に応じて撮影準備段階でのカメラ502やカメラ信号処理部515での色の調整などを行うことができるようになる。
本実施の形態のバーチャルプロダクションのような仮想的な背景映像vBを用いる撮影システム500の場合は、実際にカメラ502で撮影した撮影映像vCの色合いなどが、監督やスタッフの思い描いていたものと異なる場合がある。そのような場合、撮影現場であるスタジオなどで、各種の設定変更などを行って色合いを調整することが必要になり、現実には極めて面倒かつ時間を要する作業となる。これは映像制作の効率を悪化させる。そこで、撮影に先立って、プレビジュアライゼーションシステム700で、実際の撮影映像vCと同じ色あいの映像を確認できるようにすることは、極めて有用である。
映像処理部33の実撮影映像化処理としては、レンダリング部32でレンダリングされた背景映像vBPについて、少なくとも色合いを、実際の撮影時の撮影映像vCに含まれる背景の映像と同等とする。
このために具体的には映像処理部33は、RGBゲインやホワイトバランス値、ガンマ値、オフセット値等のパラメータをカメラ502に合わせる。
例えば映像処理部33は、背景映像vBPに対し、カメラ502におけるイメージセンサから読み出された各色の画素信号に対するゲインの値と同様のR、G、Bゲインを与える処理を行う。
また映像処理部33は、背景映像vBPに対し、実撮影映像化処理においてカメラ502の撮影時のホワイトバランス値と同じホワイトバランス値でホワイトバランス処理を行う。
さらには、光路に置かれている光学部品、例えばレンズや色変換フィルタ、NDフィルタ、光学ローパスフィルタ、色分解プリズム等の分光透過率、イメージセンサのオンチップカラーフィルタやオンチップレンズ等の分光透過率、イメージセンサのフォトダイオードの分光感度特性等パラメータについても加味されるようにする。具体的にはパラメータは、LEDパネル506のLEDの分光特性と、LEDパネルに拡散板や反射防止フィルム、保護フィルム等が貼ってあればその分光透過率、更に上記各分光透過率、分光感度特性の積を波長で積分して求める。そしてパラメータに応じた色処理を行う。
これらにより、撮影映像vCにおける背景と同じ色合いの背景となるシミュレーション映像vSMが得られるようにする。これによりモニタ40では、撮影時にモニタ550等で撮影映像vCを見る場合と同じ色合いの映像を確認できる。
さらに映像処理部33は、実撮影映像化処理として、背景映像vBPに対し、カメラ502のイメージセンサからの切り出し範囲やズーム倍率設定などによる画角も同一とする処理を行ってもよい。
また映像処理部33は、実撮影映像化処理として、背景映像vBPに対し、カメラ502のレンズ歪特性を反映させる処理を行ってもよい。これにより、シミュレーション映像vSMをより撮影映像vCに近づける。
ところで、撮影時にレンダリングエンジン520での色キャリブレーション処理でLEDウォール505までの色変化がキャンセルされる場合には、実撮影映像化処理としては、カメラ側の色変化等を反映させる処理でよい。LEDウォール505に表示される背景映像vBはレンダリングされた状態から色変化が生じないとされるためである。
一方で、上記のような色キャリブレーションが行われない場合は、LEDウォール505に表示される背景映像vBにおいても既に色変化が生じている場合がある。そのような場合は、映像処理部33における実撮影映像化処理では、LED側の各色の輝度(強度)特性などを反映する処理も行うようにする。これにより、シミュレーション映像vSMを撮影映像vCに近づけることができる。
なお、以上の実撮影映像化処理の前提として、レンダリングエンジン31がシミュレーション映像vSMをレンダリングする際に想定する仮想的なカメラのフレームレート、シャッタースピード、露出値などのカメラ設定は、実際のカメラ502と同様の設定とする。即ち映像処理部33は、背景映像vBPについて、フレームレート、シャッタースピード、露出値、ND(Neutral Density)設定、などの各種のカメラ設定に応じたRGB値となるようにした上で、RGBゲインやホワイトバランス値等の色処理を行うことで、実際の撮影映像vCの色合いを模したシミュレーション映像vSMを生成する。
またLEDウォール505の明るさについてもカメラ設定と同様に反映させるとよい。
レンダリングエンジン31は、スタッフ等のユーザが色調整操作に用いることのできる調整操作部35を備える。
例えばレンダリングエンジン31とされる情報処理装置70の表示部77や入力部76を利用したGUIなどをユーザに提供する。これによりユーザは、モニタ40を見ながら映像の色合いを操作することができる。
即ち、スタッフが、実撮影映像化処理によるシミュレーション映像vSMを見て、考えていた色合いとは異なっていると感じた場合に、色調整を行い、望みの色が得られるようにする。
また、調整の内容を色変換情報Icとして、例えばクラウドサーバ41を経由してカメラ502やカメラ信号処理部515に提供することで、調整した色を、撮影時に反映できるようにもする。色変換情報Icは、例えばLUTやCDL(Color Decision List)などである。
なお、映像処理部33は色変換情報Icを、クラウドサーバ41を経由せずにカメラ502やカメラ信号処理部515に送信してもよい。
また調整操作部35により、ユーザは、各種のカメラ設定を変更、設定する操作を行うことができるようにしても良い。映像処理部33は、入力に応じてシミュレーション映像vSMに反映するカメラ設定の変更処理を行い、カメラ設定情報CSを出力可能とする。
ここでいうカメラ設定情報CSとは、例えばカメラ502のイメージセンサからの読み出しサイズ設定、シャッタースピード設定、露出設定、ND設定、レンズ特性、フォーカス/アイリス/ズーム動作設定、ホワイトバランス値、RGBゲインなどを指す。
上述の実撮影映像化処理では、基本的にはこれらの設定値は、撮影に用いるカメラ502の設定に合わせることで、実際の撮影映像vCをシミュレートする。
その上で、これらのカメラ設定を調整操作することで、各種のカメラ設定を予め用意できるようにする。
そして映像処理部33は、操作に応じて変更したカメラ設定を示すカメラ設定情報CSの記憶や送信ができるようにする。例えばオペレータの調整操作に応じたカメラ設定情報CSをクラウドサーバ41にアップロードしておき、後に撮影時にカメラ502等に反映させることができるようにする。
さらにレンダリングエンジン31は、判定部36、位置操作部37、通信部38を備え、モアレ判定やモアレアラートの処理を行うことができる。
位置操作部37は、仮想的なカメラ位置をユーザが任意に操作できるようにしたインタフェース機能である。
判定部36は、設定されているカメラ位置の状態で、モアレが発生するか否かを特定のアルゴリズムにより判定する機能である。
当該アルゴリズムは、詳しくは後述するが、実際に撮影を行うとモアレやスキャンライン等のアーティファクトが発生するということを判定するアルゴリズムである。
判定部36は、通信部38によって取得した各種の情報や、位置操作部37で操作される仮想的なカメラ位置の情報や、調整操作部35からユーザが入力した情報を用いて判定処理を行う。
具体的には、判定部36は、撮影で用いるLEDパネル506の発光素子であるLEDの間隔(互いに隣接するLEDの間隔)と、撮影で用いるカメラ502のイメージセンサの画素間隔(互いに隣接する画素の間隔)、光学LPFの特性、レンズの焦点距離、F値、合焦距離と、LEDパネル506とカメラ502の距離の値を用いて、モアレ等のアーティファクトの発生の判定を行う。
なおプレビジュアライゼーション段階では、実際のLEDパネル506とカメラ502が存在しないため、LEDパネル506とカメラ502の距離の値とは、位置操作部37の操作に応じた仮想的な値である。
このため通信部38は、例えば実際に撮影に用いるLEDパネル506やカメラ502等と通信して、LEDの間隔、イメージセンサの画素間隔、光学LPFの特性などの値を取得し、判定部36に提供する。このLEDの間隔、イメージセンサの画素間隔、光学LPFの特性などは、通信部38はLEDパネル506やカメラ502と通信して機種、型番などの情報を得るようにし、判定部36が内部DBを参照し、機種に応じた上記各値を取得するようにしてもよい。
またユーザが具体的な値や、機種を入力することに応じて判定部36が上記各値を取得するようにしてもよい。
また焦点距離、F値、合焦距離については、判定部36は、ユーザによる仮想的なカメラについてのカメラ設定や操作などに応じて取得して判定処理に用いる。
また判定部36は、位置操作部37の操作に応じたカメラ位置に応じてLEDパネル506とカメラ502の距離の値を求め、判定に用いることができる。
判定部36は、判定処理でモアレ発生を予測した場合は、そのモアレ発生の情報や、発生位置の情報などを映像処理部33に通知する。
映像処理部33は、例えばモアレの警告や、モアレ位置を示す映像をモニタ40に表示させるようにする。
例えば図11は、背景映像vBPのシミュレーション映像vSMを含む映像であるが、さらに仮想的なLEDウォール54や仮想的なカメラ51を示した映像である。
映像処理部33は、単に背景映像vBPのシミュレーション映像vSMを表示させるだけでなく、例えば視点位置をスタジオ内の或る位置に設定したような映像を表示させることもできるようにする。
図11の映像では、さらに、LEDウォール54の位置情報52や、カメラの位置情報52を表示させている。
また原点情報50として、空間内での各位置の基準となる原点位置やX、Y、Zの3軸方向を示している。
図12は、モアレアラート53が表示されるとともに、モアレ位置57が示されている例である。
例えばカメラ51の位置が図11と変更されているが、この状態でモアレ発生予測がなされたとする。その場合、モアレアラート53が表示され、またモアレが発生する位置がモアレ位置57として表示される。
この映像上でのカメラ51の位置は、ユーザが任意に変更させることができるようにする。例えばユーザがカメラ51を指定する操作を行うと、図13に示すようにX、Y、Z方向の移動軸55が表示される。ユーザはカーソル56を或る移動軸55に合わせた状態で、ドラッグ等の操作を行うと、仮想空間内のカメラ51の位置が変更される。例えば以上のようなユーザインタフェースが位置操作部37の機能により提供されるようにする。
従ってユーザは、仮想的なカメラ51を任意に動かしながら、モアレが生ずるか否かを確認していくことができる。
これにより、実際の撮影時のカメラ位置やカメラパスを、モアレが生じないように設定することも可能となる。
図14はレンダリングエンジン31によるモアレ等の判定に関する処理を示している。
ステップS401でレンダリングエンジン31は判定機会であるか否かを監視する。
例えばカメラ位置操作がなされたか否かを監視する。
ユーザが位置操作部37の機能でカメラ位置操作を行った場合は、レンダリングエンジン31はステップS402に進み、変更したカメラ位置及び撮影方向の情報を用いて判定処理を行う。即ちその時点で取得したLEDの間隔、イメージセンサの画素間隔、光学LPFの特性、焦点距離、F値、合焦距離、LEDパネル506とカメラ502の距離の値を用いて判定処理を行う。LEDパネル506とカメラ502の距離は、ユーザのカメラ位置操作に応じて仮想的な位置関係を計算し、距離を求める。
またステップS401で監視する判定機会は、カメラ位置操作の際だけに限らない。例えば仮想的なカメラ操作としてズーム操作、フォーカス操作、露出調整操作などが行われた場合にもステップS402に進むようにするとしてもよい。
即ち判定処理に用いる要素として、LEDの間隔、イメージセンサの画素間隔、光学LPFの特性は通常は変化しないが、焦点距離、F値、合焦距離、LEDパネル506とカメラ502の距離などのいずれかが変化するような機会を、判定機会としてもよい。
ステップS403でレンダリングエンジン31は判定処理の結果を確認し、モアレ等が発生すると判定された場合は、ステップS404でモアレアラートを出力させる処理を行う。
以上により、図12で示したようなモアレアラート53が表示され、これによりスタッフは撮影前の段階で、モアレ等の発生を知ることができる。従ってモアレ等が発生しないようなカメラ位置やカメラパスを考えることなどを本番撮影前に行うことができる。
ところで、図10ではレンダリングエンジン520側において、レンダリング部520aに加えてCGカメラ設定部520cと判定部520dを示した。
これにより撮影準備の際や、実際の撮影時においてレンダリングエンジン520がモアレ判定を行うこともできる。
CGカメラ設定部520cは、カメラトラッカー560からの撮影情報、例えばカメラ502の位置、撮影方向、画角、焦点距離、F値、シャッタースピード、レンズ情報などを受け、それに応じたレンダリングをレンダリング部520aに実行させる。
判定部520dは、レンダリングされた撮影領域映像vBCに対して、今、モアレ等が発生しているか否かの判定処理を、CGカメラ設定部520cが得た情報を利用して行う。つまり判定部520dは、上述の判定部36と同様のアルゴリズムで現在のモアレ等の発生の判定を行う。
そしてモアレ等の発生と判定した場合は、例えばその情報をカメラ502に送信し、ビューファインダーなどにおいてモアレアラートが表示されるようにする。
図15にそのようなリアルタイムのモアレアラートを行う処理例を示している。なお、図15は図6で説明したステップS10からステップS60に加えて、ステップS70以降が行われるようにしたものである。
上述したようにレンダリングエンジン520はフレームタイミング毎にステップS30からステップS60までの処理を行う。これにより背景映像vBがLEDウォール505に表示される。
レンダリングエンジン520はステップS70で判定機会であるか否かを監視する。先の図14のステップS401と同様であるが、この場合は、例えば実際のカメラトラッカー560から取得したカメラ502の位置や、撮影情報を取得することで、判定機会であるか否かをチェックする。
そして判定機会であればステップS71に進み判定処理を行う。
なお、ステップS70のチェックを行わず、毎フレームで判定処理を行ってもよい。
ステップS72でレンダリングエンジン520は判定処理の結果を確認し、モアレ等が発生していると判定した場合は、ステップS73でモアレアラートを出力させる処理を行う。例えばレンダリングエンジン520はモアレアラートの情報をカメラ502に送信し、ビューファインダーなどにおいてモアレアラートが表示されるようにする。或いはモニタ550等にモアレアラートが表示されるようにしてもよい。
以上により、カメラマン512は、撮影中に現在モアレが発生していると認識して対処することができる。例えばカメラ位置を移動させたり、フォーカス調整を行ったりして対処できる。
以上は撮影中の判定処理であるが、撮影システム500において撮影準備中も、同様の処理が可能である。また撮影準備中などで、背景映像vBのレンダリングを行っていない期間、即ちLEDウォール505に背景映像vBを表示させていない期間でも、カメラ502の位置に応じてモアレ等が発生するか否かの判定を行うこともできる。LEDパネル506のLEDの間隔、カメラ502のイメージセンサの画素間隔、光学LPFの特性は予め取得でき、またカメラ502のレンズの焦点距離、F値、合焦距離、LEDパネル506とカメラ502の距離は、カメラトラッカー560からの撮影情報として取得できるためである。
<4.判定処理>
以上のような判定部36や判定部520dで実行する判定処理について詳述する。
まずカメラのイメージセンサ上にできる像の大きさの計算について説明する。
図16には、レンズ21の光軸、被写体AA’、実像BB’の関係を示している。レンズ21は例えばカメラ502の1又は複数のレンズを概念的に示すものとする。
光軸に平行にレンズ21に入射した光(図の線分A’O’)はレンズ21の焦点Cを通る。一方、レンズ21の中心Oを通った光(図の線分A’O)はそのまま直進する。この両者の交わった点B’に実像ができる。
レンズ21と被写体の距離を「s」、レンズ21の焦点距離を「f」、レンズ21と実像の距離を「i」とする。
△AOA’と△BOB’が相似であるので、次の(数1)が成り立つ。なお「△」は三角形を表し、例えば「△AOA’」は図におけるA点、O点、A’点を頂点とする三角形である。
Figure 0007632405000001
また、△OCO’と△BCB’が相似であるので(数2)が成り立つ。
Figure 0007632405000002
そして線分AOと線A’O’が平行であるので
AA’=OO’
であり、以上からiを消去すると次のようになる。
Figure 0007632405000003
従って、カメラ502のイメージセンサ上にできる像の倍率はレンズ21から被写体までの距離sとレンズ21の焦点距離fから上記(数3)で計算できる。
また、(数1)(数2)の相似の関係式からレンズの公式である(数4)が導かれる。
Figure 0007632405000004
なお、s<fの場合は実像を結ばない。s→fでi→∞となるため、物理的な制約からs>fとなる。
次に像のぼけについて説明する。
一般に、固体撮像素子を用いたカメラでは、レンズとイメージセンサの間に光学LPFを挿入し、イメージセンサの画素での標本化による折り返し歪を抑制している。
図17にはレンズ21、イメージセンサ20の間に光学LPF22が配置される様子を示している。
光学LPF22は方解石や水晶等の様に偏光によって屈折率が異なる物質を用いて、複屈折により像を2重にしてぼかすものである。
図18は光学LPF22による複屈折を示している。「b」で示す幅は、光学LPF22の特性により像がずれる量(ボケ量)であり、説明上「ずらし量b」と表記する。
被写体の像が図18のようにずらし量bの2重像になったとすると、その周波数特性は、フーリエ変換をして次のようになる。
Figure 0007632405000005
振幅特性は√{(実数部)^2+(虚数部)^2 }であるので、次のようになる。なお、「^」はべき乗を表し、「^2」は2乗の意味である。
ωは角周波数で、2π×空間周波数である。
Figure 0007632405000006
一般的には、画素の標本化周波数に零点を入れる為にずらし量bは画素の幅の1/2とするが、帯域幅を狭めたり広めたりしているカメラもある。また、光学LPF22を重ねて、二つの周波数に零点を持たせることもある。例えばずらし量bとずらし量b’の2つの光学LPF22が重なっている場合の振幅特性は積の形となり、次のようになる。
Figure 0007632405000007
イメージセンサ20のフォトダイオードは、感度を稼ぐためにオンチップレンズ(On Chip Lens)で集光させている。配線等でのけられは無視できて、図19のように幅Wsの画素20Pに入射した光がすべてフォトダイオードに集められるとすると、周波数特性はフーリエ変換して次のようになる。
Figure 0007632405000008
ここで、像をぼかして、レンズ21を通った光が一点に集まらずに直径δの円状に広がっているとする。
図20ではレンズ21と絞り23とともに、像のぼかしの様子を示している。
被写体が位置Aにあり、その実像が位置Bにできるとする(実線)。
また図示のように、レンズ21から被写体までの距離を「s」、レンズ21から実像までの距離を「i」、レンズ21の焦点距離を「f」、絞り23で絞られたレンズ21の口径を「d」(OO’の長さ)とする。
一点鎖線で示したように、被写体よりも距離Δsfだけ後方の位置Afに焦点を合わせると、実像は位置Bよりも距離Δifだけ前方の位置Bfにでき、位置Bでは直径δにぼける。
また、破線で示したように被写体よりも距離Δsnだけ前方の位置Anに焦点を合わせると、実像は位置Bよりも距離Δinだけ後方の位置Bnにでき、位置Bでは直径δにぼける。
以上の実線、一点鎖線、破線で示したそれぞれの場合の、被写体までの距離と実像までの距離と焦点距離の関係式は、先の(数4)を元に次のようになる。
Figure 0007632405000009
そして△OBfO’と△B’BfB”が相似なので次のようになる。
Figure 0007632405000010
また、△OBnO’と△B’BnB”が相似なので次のようになる。
Figure 0007632405000011
レンズ21のF値を「F」とすると、定義から次のようになる。
Figure 0007632405000012
そこで以上からi、Δif、Δin、dを消去すると直径δは次のように表される。
Figure 0007632405000013
レンズ21の合焦距離lを考えると次の様に書き換えられる。なお合焦距離は撮影距離という言い方もあるが、被写体に焦点を合わせたときのレンズと被写体の間の距離の事である。以下、合焦距離で統一する。
Figure 0007632405000014
実際の被写体までの距離sに対して、レンズ21の焦点をずらして合焦距離を「l」にしたときのぼけの直径δは、上記(数14)の通り、距離s、合焦距離lに加えてレンズ21の焦点距離f、レンズ21のF値Fから計算することができる。(数4)の説明で述べたようにs>fで、またl>fであり、さらにF値Fも零にならないので、f>0であれば(数14)の分母は零になることはない。
直径δの円状にぼけたときの周波数特性は、フーリエ変換により次のように計算できる。
Figure 0007632405000015
但しこの積分を解くのが難しいので、図21の破線の様に正十二角形で近似させると、次の様に部分積分の公式で計算することができる。
Figure 0007632405000016
ここでは直径δの円の中は均一な明るさにぼけているとして計算しているが、実際には光束がレンズの内部でけられたりして丸くならない場合もある。しかしながら、芸術作品を撮る様な高額なレンズでは奇麗に丸くぼけるものが多いので、この計算式を適用することとする。
LEDパネル506は、なるべくLEDの面積を狭くして、黒い下地の面積を広くしてコントラスト比を稼いでいる。このため、LEDパネル506を撮影すると、図22の様に写る。図は、LEDパネル506をカメラ502で撮影したときのイメージセンサ20上のLEDの像として、6個のLEDのが並んでいる部分を示している。図の白い正方形がLEDの像であるとしている。
今、LEDパネル506の実際のLEDの間隔を「Wp」、カメラ502とLEDパネル506の距離を「p」、レンズ21の焦点距離を「f」とすると、カメラ502のイメージセンサ20上にできるLEDの像の間隔は、上述の(数3)をもとに次の(数17)のように表される。
Figure 0007632405000017
このような間隔の像が、光学LPF22によるずらし量bだけ離れた2重像になる。但し実際の画素は2次元に配列されているため、実際には縦横に分割されて、図23に示すように、上下左右の4重の像となる。
これが直径δでぼけると四角いLEDの像が俵型になる。そしてLEDのぼけた像どうしがいくつ重なるかで、図24の様に明るさのムラが生じ、それがモアレ等のアーティファクトの原因となる。
これを図25のように画素の間隔Wsのイメージセンサ20で撮像する。画素の範囲内に入った光の積分値が画素の出力となる。
その結果が図26の様に各画素が感じた明るさの差となる。LEDの像とイメージセンサの画素の位置関係で微妙な明るさが変わるのでLEDの像の間隔よりも長い低周波のモアレが観測される。
このLEDの像が光学LPF22と、画素での積分効果、レンズ21でのぼけによってどの程度抑圧されるかを考える。
LEDの像の繰り返し周波数はLEDの像の間隔の逆数であるので、角周波数ωは以下の式で計算できる。
Figure 0007632405000018
光学LPF22による2重像の間隔(ずらし量b)を考えると、光学LPF22の振幅Afは上述の(数6)より次の(数19)で計算できる。
Figure 0007632405000019
イメージセンサ20の画素の間隔Wsにより、画素での積分効果による振幅Apは上述の(数8)より次の(数20)で計算できる。
Figure 0007632405000020
レンズ21のぼけによる振幅Abは、レンズ21のF値F、レンズ21の合焦距離lにより、上述の(数14)(数15)より、凡そ以下の式で計算できる。
Figure 0007632405000021
画素の間隔Ws、ずらし量bはカメラ502の機種によって決まる定数、LEDパネル506のLEDの間隔WpはLEDパネル506の機種によって決まる定数である。従って光学LPF22の振幅Af、及び画素での積分効果による振幅Apはカメラ502とLEDパネル506の距離p、レンズ21の焦点距離fによって変わる。
レンズ21のぼけによる振幅Abはωδ(ω:角周波数、δ:ぼけの直径)の関数になる。上述の(数18)(数21)よりωδは以下の式で計算できる。
Figure 0007632405000022
従って振幅Abは、カメラ502とLEDパネル506の距離pと焦点距離fに加えて更にレンズ21のF値F、レンズ21の合焦距離lによっても変わる。
LEDの像の振幅Aは、次のように計算できる。
Figure 0007632405000023
この振幅Aが十分に減衰して、ある閾値よりも小さくなればモアレ等のアーティファクトは発生しない判定できる。
ぼけによる振幅Abは上述の(数21)(数22)より、次のとおり(ωδ)の関数として表せる。
Figure 0007632405000024
横軸にωδ、縦軸に振幅Abをとったグラフを書くと、図27の様に単調に減少せず、極大値と極小値がいくつもあるグラフとなる。
撮影の現場でレンズ21の焦点をずらしてモアレ等のアーティファクトを消そうとするときに、例えばフォーカスリングをまわしてレンズ21の合焦距離lが変わるのにつれて振幅Abが減ったり増えたりする(極小値、極大値が繰り返される)と混乱のもととなる。また振幅Abの計算式は前述のとおり近似式であり、厳密な計算ではない。
そこでωδに応じて振幅Abが単調に減衰する様な関数に置き換える方が現場では使いやすくなる。
振幅は大きめに見積もるほうがモアレ等のアーティファクト発生の警告の用途としては余裕が出るので、図28の実線の様に極大値をなぞる様な包絡線の形で近似させることを考える。
具体的には次のように、ωδ<6.487887の場合から、86.34829≦ωδの場合までの各範囲の近似式で求めるようにする。なお、6.487887?ωδ<17.240423から63.501086≦ωδ<86.34829までの各範囲は一次式で近似している。
Figure 0007632405000025
なお、経験上、0.5%以下に抑圧すればだいたいモアレ等は見えなくなるので、この程度で打ち切って良いと考えられる。
ところで、カメラ502とLEDパネル506の相対的な位置関係を考えると、パネル面とイメージセンサ面が互いに並行となるように正対していることは稀であり、実際には図29の様にカメラ502がLEDパネル506を斜めの方向から撮影していることが多い。このような場合、カメラ502とLEDパネル506の距離pはパネル内の場所によって変わる。
通常はLEDパネル506よりも手前側の被写体(演者510等)に焦点を合わせるので、レンズ21の合焦距離lは距離pよりも短くなる。そのため、ぼけによる振幅Abはカメラ502に写っている範囲の最短の距離pで最大になることが予想される。
しかしながら、浅い角度で広角レンズを使っている場合はl>pとなる場合も考えられ、振幅Af、振幅Apは距離pの増加に対して単調に減少するのではないので、必ずしも最短の距離pでLEDの像の振幅Aが最大になるとは限らない。
そこで図29のようにカメラ502がLEDパネル506を斜め方向から撮影している場合は、カメラ502に写っている範囲の最短の距離pと、カメラ502に写っている範囲の最長の距離pの間を細かく刻んでLEDの像の振幅Aを計算し、その最大値を用いてモアレ等のアーティファクトが出るかどうかの判定に用いるようにする。
LEDパネル506が平面でなく、曲面であっても同様に、カメラ502に写っている範囲の最短の距離pと、カメラ502に写っている範囲の最長の距離pの間を細かく刻んでLEDの像の振幅Aを計算し、その最大値を用いてモアレ等のアーティファクトが出るかどうかの判定に用いる。
図30は、先に図16と概略同様にレンズ21を介した像を示している。被写体側のカメラに映る範囲rは、レンズ21の合焦距離l、レンズ21の焦点距離f、イメージセンサ20の撮像面の幅wにより、上述の(数3)を用いて次の(数26)のようになる。
Figure 0007632405000026
従って、図21の角度θは以下の式で計算できる。
そしてカメラ502に写る範囲は、レンズ21の光軸から±θの角度の範囲となる。
Figure 0007632405000027
図31の様に、カメラ502に写る範囲が光軸に対して±θの角度で、LEDパネル506が光軸に対してΦ(≦90°)の角度で傾いている場合、光軸に沿ったカメラ502とLEDパネル506の距離ADと、カメラ502に写る範囲の端の距離AB、ACの長さの関係式は次の様になる。
Figure 0007632405000028
カメラ502からLEDパネル506におろした垂線の足を「H」とすると、カメラ502とLEDパネル506の最短距離はAHとなる。
Figure 0007632405000029
Φ≧90°-θの場合、垂線の足Hはカメラ502に写る範囲内に入るので、カメラ502とLEDパネルの最短距離は距離AHとなる。
ぼけの直径δの計算では、図16や図20の様に光軸上の距離を用いるので、垂線の足Hから光軸におろした垂線の足Gまでの距離AGを使う。距離AGは次のようになる。
Figure 0007632405000030
Φ<90°-θの場合は、垂線の足Hはカメラ502に写る範囲外になるので、カメラ502とLEDパネル506の最短距離は距離ABとなる。ぼけの直径δの計算では光軸上の距離を用いるので、点Bから光軸におろした垂線の足Eまでの距離AEとなる。
Figure 0007632405000031
そしてカメラ502とLEDパネル506の最長距離は距離ACとなる。ぼけの直径δの計算では光軸上の距離を用いるので点Cから光軸におろした垂線の足Fまでの距離AFとなる。
Figure 0007632405000032
イメージセンサ20上の距離は、画素の寸法がわかっていれば画像から測ることができる。
図32の様に、イメージセンサ20上で光軸から距離dsの位置に写っている点をレンズ21から見た線(図の破線)と光軸のなす角度θは、レンズ21の合焦距離l、焦点距離fから、上述の(数3)を用いて次の(数33)のようになる。
Figure 0007632405000033
ここで撮影のためのカメラ502に加えて、距離測定のための補助カメラ502Sを備えると仮定する。補助カメラ502Sは、カメラ502に固定又は内蔵された付加的な撮像光学系によるものでもよいし、別体のカメラでもよい。
図33の様に、互いに光軸が平行で距離dcだけ離れたカメラ502と補助カメラ502Sで同じ点Pを撮像した時、それぞれのカメラ(502,502S)と点Pを結ぶ線AP、線BPと、それぞれのカメラの光軸のなす角度がα、βであったとする。
点Pから2台のカメラ(502,502S)を結んだ線ABにおろした垂線の足Hまでの距離PHは以下の様に計算できる。
Figure 0007632405000034
カメラ502と点Pの距離AP、補助カメラ502Sと点Pの距離BPはそれぞれ以下の様に計算できる。
Figure 0007632405000035
この様に、2台のカメラを用いて、撮像した画像から、任意の点までの距離を測定することができる。
図34の様に点Pがカメラ502の光軸の外側に位置している場合は、角度が図33と逆方向になるので負の値になるとして計算すればよい。
なお、ここまでは2台のカメラを用いた測距の例を示したが、測距センサを用いて測定することも可能である。またカメラトラッカー560の情報により距離の値を得ることも可能である。
さらにカメラ502の位置が固定的である場合は、実際に撮影現場において巻き尺等で距離を測って入力することもできる。
ここまで、モアレ等の発生の判定処理の考え方を説明してきた。以上の考え方によって情報処理装置70が実行する判定処理の流れを図35に示す。
ここでいう情報処理装置70とは、例えば図10の判定部36或いは判定部520dとしての機能を備えた情報処理装置のことである。具体的には、図10の例でいえばレンダリングエンジン31とされる情報処理装置70や、レンダリングエンジン520とされる情報処理装置70である。他の情報処理装置であってもよい。
そして図35の処理は、情報処理装置70のCPU71がモアレ等の判定のためのプログラムに従って実行する処理例である。
ステップS501でCPU71は、LEDパネル506のLEDの間隔Wpを取得する。LEDの間隔Wpは機種に応じて固定の値になる。CPU71は、他の機器との通信やオペレータ入力などにより、LEDパネル506の機種の情報を得て、機種に応じてDBを参照してLEDの間隔Wpを取得することができる。このため例えば不揮発性メモリ部74や記憶部79などに、LEDパネル506の機種に応じたLEDの間隔Wpを記憶するDBが備えられているようにする。
或いはCPU71は、オペレータ等の入力や機器間の通信により、間隔Wpの値を直接取得することも考えられる。
ステップS502でCPU71は、カメラ502のイメージセンサ20の画素間隔Ws、光学LPFのずらし量bを取得する。
これらはカメラ502の機種によって固定の値になる。CPU71は、他の機器との通信やオペレータ入力などにより、カメラ502の機種の情報を得て、機種に応じてDBを参照して画素間隔Wsやずらし量bを取得することができる。このため例えば不揮発性メモリ部74や記憶部79などに、カメラ502の機種に応じたLEDの間隔Wpを記憶するDBが備えられているようにする。
或いはCPU71は、オペレータ等の入力や機器間の通信により、画素間隔Wsやずらし量bの値を直接取得することも考えられる。
ステップS503でCPU71は、カメラ502のレンズ21の焦点距離f、F値F、合焦距離lを取得する。
例えばCPU71は、カメラ502(レンズ鏡筒)との通信により、これらの値を取得できる場合もあるし、鏡筒に表示された数値などについてのオペレータ入力によるものとすることもできる。
ステップS504でCPU71は、カメラ502とLEDパネル506の距離pを取得する。例えば上述の最短距離pminと最長距離pmaxを取得する。
先の図33のようにカメラ502と光軸が平行で距離dcだけ離れて設置された補助カメラ502Sを用いて、カメラ502の光軸に沿った距離を測定する手順を以下(i)から(v)として示す。
図33で、α=0とすると、線分APの長さがカメラ502の光軸に沿った距離となる。
(i)
カメラ502から光軸中心付近の何画素かの画素値を取得する。
(ii)
補助カメラ502Sの全画素の画素値を取得する。
カメラ502のレンズ21の焦点距離を「fmain」、合焦距離を「lmain」、イメージセンサ20の画素寸法を「Wsmain」とする。
補助カメラ502Sのレンズ21の焦点距離を「fsub」、合焦距離を「lsub」、イメージセンサ20の画素寸法を「Wssub」とする。
カメラ502の画像は上述の(数3)から実際の寸法のfmain/(lmain-fmain)倍になり、画素寸法Wsmainの間隔で標本化されている。
補助カメラ502Sの画像は(数3)から実際の寸法のfsub/(lsub-fsub)倍になり、画素寸法Wssubの間隔で標本化されている。
従って、補助カメラ502Sから取得した画像を次の倍率で拡大若しくは縮小しなくてはならない。
Figure 0007632405000036
逆に、上記(i)で取得した部分的な画像を補助カメラ502Sに合わせて拡大若しくは縮小しても構わないが、その場合は上記の倍率の逆数を用い、下記(iii)以降の計算に用いる焦点距離、合焦距離、画素寸法は補助カメラ502Sのものを使う。
(iii)
補助カメラ502Sの画素値に対して画面左上から右下に向かって、カメラ502から取得した光軸中心付近の画素値との相互相関関数を計算し、最大となる座標を探索する。
(iv)
補助カメラ502Sの光軸中心の画素位置と相互相関関数が最大となる座標との距離を求め、イメージセンサ20の画素寸法Wsmainを乗じて距離dsを求める。
(v)
上述の(数34)(数35)でα、βについて次のように代入する。
Figure 0007632405000037
以上のα、βを(数35)の線分APの計算式に代入し、カメラ502の光軸に沿ったLEDパネル506までの距離paを次の計算式で求める。
Figure 0007632405000038
同様に(i)~(v)の手順でカメラ502と補助カメラ502Sの双方から見える範囲で、カメラ502の光軸からなるべく大きな角度θ’で見えているLEDパネル506上の点までの距離pbを求める。
LEDパネル506とカメラ502の光軸のなす角度Φにより距離pbは次のようになる。
Figure 0007632405000039
従って角度Φは以下の式で計算できる。
Figure 0007632405000040
カメラ502から見える範囲が光軸に対して±θの角度の範囲であるとすると、カメラ502とLEDパネル506の最短距離pinと最長距離pmaxは以下の式で計算できる。角度Φは図31では90°以下であるが、90°を超える場合でも最大値、最小値は同じ式で計算できる。しかし角度を測る方向を間違える恐れも考慮して以下の様に計算する。
Figure 0007632405000041
例えば以上の処理で、図35のステップS504においてCPU71は、カメラ502とLEDパネル506の最短距離pminと最長距離pmaxを取得する。
但しこの最短距離pminと最長距離pmaxは、測距センサの検出によってもよいし、カメラトラッカー560の情報に基づいて取得してもよい。さらにはオペレータ入力によってもよい。
ステップS505でCPU71は、計算に用いる変数としての距離pに最短距離pminを代入する。また振幅最大値Amaxに「0」を代入する。
ステップS506からステップS510では、CPU71は、距離pが最長距離pmaxを越えるまで、距離pの値を漸増させながら、振幅特性を計算する処理を行う。
先ずステップS506でCPU71は振幅特性(振幅A)を計算する。
このためCPU71は角周波数ωを上述の(数18)により計算する。
またCPU71は光学LPF22による振幅特性(振幅Af)、画素での積分効果による振幅特性(振幅Ap)をそれぞれ上述の(数19)(数20)の式で計算する。
またCPU71は、焦点をぼかしたことによるぼけの直径δを上述の(数14)の式で計算する。
そしてCPU71は、(ωδ)の値に応じて、ぼけによる振幅Abを上述の(数25)により計算する。
振幅特性(振幅A)はそれぞれの積(A=Af・Ap・Ab)となる。
最初は、距離p=最短距離pminであるので、最短距離pminにおける振幅Aが求められる。
ステップS507でCPU71は、算出した振幅Aが、その時点の振幅最大値Amaxより大きければ、ステップS508で今回算出した振幅Aを振幅最大値Amaxに代入する。
ステップS509でCPU71は、距離pを漸増させる。
ステップS510でCPU71は、距離pが最長距離pmaxを越えたか否かを判定し、越えていなければステップS506に戻る。そして漸増させた距離pで振幅Aを計算する。
ステップS510で距離pが最長距離pmaxを越えていればステップS510からステップS511に進む。
従って、ステップS506からステップS510で、最短距離pminから最長距離pmaxの範囲で、ある刻み幅の距離毎に振幅Aが求められ、その中の最大値が振幅最大値Amaxとされる。
ステップS511でCPU71は、振幅最大値Amaxと閾値Athを比較する。
振幅最大値Amaxが閾値Athを越えていなければ、CPU71は、モアレ等は発生しないとして判定処理を終える。
振幅最大値Amaxが閾値Athを越えていれば、CPU71はモアレ等が発生すると判定して、ステップS512でモアレ発生判定処理を行う。
例えばモアレ発生判定としてのデータ、フラグ等の情報をセットする。これらの情報は、撮影映像vCやシミュレーション映像vSMなどの映像データやカメラ設定情報CSなどに対応づけて、記憶媒体に保存してもよいし、例えばクラウドサーバ41等に送信されるようにしてもよい。また撮影映像vCとしての映像データに対してメタデータとして付加されるようにしてもよい。
例えば図14のステップS402や図15のステップS71で、この図35の処理が行われることで、その後、図14のステップS404や図15のステップS73でモアレアラート制御が行われる場合がある。
なお図35のステップS511で用いる閾値Athは、現場で調整した上で決めることが考えられる。編集の際にコントラストが強まったり弱まったりすることがあるし、出来上がった作品を鑑賞する環境によっても変わる。最終形態でモアレ等が目立たない値になるように閾値Athを決めればよい。
ところで、LEDウォール505は曲面上に設置されている様にみえる場合もあるが、そのようなLEDウォール505も、実際には図36の様に小さな平面状のLEDパネル506を組み合わせて設置されている。
従って、LEDパネル506ごとに上述の計算をすればモアレ等のアーティファクトの発生を予測することができる。
またモアレは鑑賞用途には妨害にしかならないが、図37の様に、LEDパネル506の継ぎ目における微妙なLEDの位置のずれがモアレによって拡大されて見える。これを活用することで、LEDウォール505の設営の際のLEDパネル506の継ぎ目の位置調整には大いに役立つ。
即ち設営時に、図のようにLEDウォール505をカメラ502で撮影し、例えばアウトプットモニタ503で観察する。するとモアレによって、LEDパネル506のずれが明確に現れる。これはイメージセンサ20上にできるLEDの像の間隔とイメージセンサ20の画素の間隔が微妙に違っている場合、ノギスの主尺と副尺の関係と同様に微小なずれが拡大されて見えるためである。
このような使用を考えた場合、敢えてモアレを発生させるようにするための条件を探すために、上述の判定処理を行うことが好適となる。
図38は判定処理の他の例を示している。
先の図35の処理は、最短距離pminから最長距離pmaxまでの間で振幅最大値Amaxを求め、これを閾値Athと比較するため、単にモアレが発生するか否かの判定となっていた。これに対して図38は、最短距離pminから最長距離pmaxの範囲のうちで、どの距離の範囲でモアレが発生するかを判定する例である。これは撮影映像vCの面内のどの範囲にモアレ等が生ずるかを判定することにもなる。
図38においてステップS501からステップS504は図35と同様である。
図38のステップS520ではCPU71は、計算のための変数としての距離pに最短距離pminを代入する。
またCPU71は、モアレ発生を示すフラグFMに「0」を代入する。フラグFM=0はモアレ等が発生しないことを示し、フラグFM=1はモアレ等が発生することを示すこととする。
またCPU71は、変数PMminに最長距離pmaxを代入し、変数PMmaxに最短距離pminを代入する。変数PMminは、モアレが発生する範囲の最短距離を示す変数であるが、この初期値を最長距離pmaxとしておく。また変数PMmaxは、モアレが発生する範囲の最長距離を示す変数であるが、この初期値を最短距離pminとしておく。
以上のように初期値を設定した後、ステップS521からステップS529では、CPU71は、距離pが最長距離pmaxを越えるまで、距離pの値を漸増させながら、振幅特性を計算する処理を行う。
先ずステップS521でCPU71はその時点の距離pで振幅特性(振幅A)を計算する。振幅Aの計算は図35のステップS506と同様である。
ステップS522でCPU71は、計算した振幅Aを閾値Athと比較する。この閾値Athは、図35のステップS511で用いた閾値Athであり、これを越えるとモアレ等が発生すると判定する閾値である。
振幅Aが閾値Athを越えていなければ、CPU71はステップS528で距離pを漸増させ、さらにステップS529で距離pが最長距離pmaxを越えたか否かを判定し、越えていなければステップS521に戻る。
ステップS522で振幅Aが閾値Athを越えていた場合は、CPU71はステップS523に進み、フラグFM=1とする。
ステップS524でCPU71は、距離pが変数PMmin以下であるか否かを判定する。
p≦PMminであれば、CPU71はステップS525で変数PMminに距離pを代入する。変数PMminは初期値が最長距離pmaxとなっており、距離pは最短距離pminから漸増されるため、最初にA>Athとされたときの距離pが変数PMminに代入されることになる。そしてステップS526に進む。
p≦PMminでなければ、CPU71はステップS525をパスしてステップS526に進む。
ステップS526でCPU71は、距離pが変数PMmax以上であるか否かを判定する。
p≧PMmaxであれば、CPU71はステップS527で変数PMmaxに距離pを代入する。変数PMmaxは初期値が最短距離pminとなっており、距離pは最短距離pminから漸増されるため、最初にA>Athとされた以降、距離pが漸増されてA>Athの状態が継続している期間は、変数PMmaxは各時点の距離pに更新されていく。そしてステップS528に進む。
p≧PMmaxでなければ、CPU71はステップS527をパスしてステップS528に進む。
以上の処理をP>Pmaxとなるまで繰り返したら、CPU71はステップS529からステップS530に進む。この時点でフラグFM=0であれば、モアレ等は発生しないと判定されることになる。
一方、フラグFM=1であれば、モアレ等が発生すると判定される。この場合CPU71はステップS531に進み、モアレ発生判定処理を行う。
例えばモアレ発生判定及び発生範囲を示すデータ、フラグ等の情報をセットする。モアレが発生する範囲とは、変数PMminで示される距離から変数PMmaxで示される距離の範囲である。換言すれば、この距離範囲に該当する画像の面内の領域でモアレ等が発生する。
これらのモアレ発生判定及び発生範囲の情報は、映像データやカメラ設定情報CSなどに対応づけて、例えばクラウドサーバ41等に送信されるようにしてもよい。また撮影映像vCやシミュレーション映像vSMなどの映像データに対してメタデータとして付加されるようにしてもよい。
<5.まとめ及び変形例>
以上の実施の形態によれば次のような効果が得られる。
実施の形態におけるレンダリングエンジン31、520として機能する情報処理装置70は、LEDパネル506の発光素子であるLEDの間隔Wpと、カメラ502のイメージセンサ20の画素間隔Wsと、光学LPF22の特性(ずらし量b)と、レンズ21の焦点距離f、F値F、合焦距離lと、LEDパネル506とカメラ502の距離pと、を用いて、撮影映像vCにアーティファクトが発生するか否かの判定処理を行う判定部(36,520d)を備える。
これにより撮影の現場で、或いは撮影前の検討の段階で、取得可能な数値を元にしてモアレ等のアーティファクトが生じるかどうかを予測することができる。そして撮影の事前検討段階や撮影現場の準備段階でアーティファクトを予測するできることで、撮影時の作業を効率化できる。
モアレ等のアーティファクトとしては、モアレ、グリッド、カラーシフトなどについて判定できる。
また判定のためのLEDパネル506側の要素としてはLEDの間隔を用いるものであり映像内容に関わらない。従ってLEDウォール505に映像を表示させていない状態でも、例えばカメラ位置に応じてのモアレ判定が可能である。
実施の形態では、判定部(36,520d)は、イメージセンサ20上における発光素子の像の振幅Aを求め、求めた振幅Aと閾値Athを比較することでアーティファクト発生有無を判定するものとした(図35,図38参照)。
例えば被写体のぼけた像同士がいくつ重なるかで明るさのムラが生じ、それがモアレ等のアーティファクトの原因となる。そこでLEDパネル506の実際のLEDについてのイメージセンサ20上の像について振幅を求める。この振幅が大きければ、モアレ等が発生すると判定できる。
実施の形態では、判定部(36,520d)は、LEDパネル506とカメラ502の最短距離pminと最長距離pmaxを取得し、最短距離pminと最長距離pmaxを用いて判定処理を行う例を挙げた(図31,図35,図38参照)。
LEDパネル506とカメラ502は、必ずしも正対した位置関係ではなく、むしろ斜め方向に対峙していることの方が多い。その場合、LEDウォール505(LEDパネル506)の表示面に対するカメラ502の距離として最短距離と最長距離が生ずる。この範囲でモアレ判定を行うことで、カメラ502の位置や方向の状態に関わらず、モアレ等の発生を適切に判定できる。
実施の形態では、判定部(36,520d)は、撮影映像vCにおいてアーティファクトが発生する範囲の判定を行う例を挙げた(図38参照)。
即ち撮影映像vCの面内の範囲において、どのあたりにモアレが発生しているかを判定する。このような判定結果も、各種の設定変更や撮影準備などに生かすことができる。
図38のような処理によれば、最短距離pminから最長距離pmaxの間で、どの範囲でモアレが発生するかを判定できる。
実施の形態では、判定部(36,520d)は、アーティファクト発生と判定したことに応じて警告処理を行う例を挙げた(図14,図15参照)。
例えばプレビジュアライゼーション段階で視聴しているスタッフ等に警告処理を行うことで、事前準備においてモアレ等が生じないように対処できるようになる。また撮影準備の段階でスタッフに警告を行うことでも同様である。
さらに撮影中にモアレ発生と判定した場合に、カメラマン512等に警告を与える表示等を行うことで、カメラマン512がフォーカスをぼかすなどの対処を即座に実行できることにもなる。
実施の形態では、判定部(36,520d)は、判定処理の判定結果情報をプロジェクトに関連づける処理を行う例を挙げた。この場合のプロジェクトとは、映像コンテンツの制作プロジェクトのことである。つまり撮影システム500において撮影を行って制作する映像制作のプロジェクトである。なお、判定結果情報をプロジェクトに関連づけるとは、プロジェクトに対応する情報とすることや、当該プロジェクトの映像に関連づけた情報とすること等を含む。映像に関連づけるとは、映像コンテンツファイルの全体に対応する管理情報等として判定結果情報を関連づけることや、映像のフレームに対応する情報として判定結果情報を関連づけることを含む。
関連づける処理としては、関連づけた状態で記憶媒体に記憶する処理や、外部機器に送信する処理がある。
例えばモアレ発生の判定結果を示すデータ、フラグ等を映像に関連づけて記憶媒体に記憶する。或いはモアレ発生の判定結果を示すデータ、フラグ等が、カメラ設定に対応してクラウドサーバ41に送信し、記憶されるようにする。これにより、例えばプレビジュアライゼーション段階でのモアレ判定結果を撮影準備などの際に参照できる。
実施の形態では、判定部(36,520d)は LEDの間隔Wp、イメージセンサ20の画素間隔Ws、光学LPF22のずらし量b、焦点距離f、F値F、合焦距離l、距離pとしての値の全部又は一部を、他の機器との通信により受信した情報に基づいて取得する例を述べた。
例えば判定部36,520dは、これらのモアレ判定に必要な値を、LEDパネル506やカメラ502、或いはシステム上の情報処理装置との通信により取得する。或いは判定部36,520dはLEDパネル506やカメラ502の型番等を通信により取得し、型番に応じて、各値を求めてもよい。
これらにより判定部36,520dは、自動的に必要な数値を得てモアレ判定を行うことができる。
実施の形態では、判定部(36,520d)は、最短距離pminと最長距離pmaxまでの複数の距離の値において、イメージセンサ20上におけるLEDの像の振幅最大値Amaxと閾値Athを比較し、振幅最大値Amaxが閾値Athを越えた場合に、アーティファクト発生と判定する例を挙げた(図35参照)。
これにより実際の距離関係において比較的シンプルな処理で、アーティファクト発生有無を判定できる。
実施の形態の撮影システム500は、3Dモデルを用いたレンダリングにより得た仮想映像(背景映像vB)を表示するLEDパネル506の映像をカメラ502で撮影するシステムである。
そして実施の形態の情報処理装置70であるレンダリングエンジン31は、判定部36を備えることに加えて、レンダリング部32と、映像処理部33を備える。レンダリング部32は、撮影システム500で用いる3Dモデルを用いてレンダリングを行って仮想映像を生成する。映像処理部33はレンダリング部32で生成した仮想映像に対して、撮影システム500で使用するカメラ502の撮影時の輝度又は色の特性を実現する処理パラメータを用いてシミュレーション映像vSMを生成する。
即ちこれはプレビジュアライゼーションシステム700におけるレンダリングエンジン31について本技術を適用する場合の構成であり、レンダリングエンジン31がレンダリング部32、映像処理部33に加えて判定部36を備える構成である。これにより、プレビジュアライゼーション段階で、本番撮影の場合と同じ条件の映像においてモアレ等が発生するか否かを判定できることになる。
また実施の形態の情報処理装置70であるレンダリングエンジン520は、レンダリング部520aを備える。
即ちこれは撮影システム500におけるレンダリングエンジン520について本技術を適用する場合の構成であり、レンダリングエンジン520が判定部520dを備える構成である。これにより、撮影準備や撮影の段階で、モアレ等が発生するか否かを判定できることになる。
なお撮影システム500において、判定部520dのようなモアレ等を判定する判定部は、レンダリングエンジン520以外の情報処理装置内に設けられても良い。
例えば判定部は、図7のカメラ502内、ディスプレイコントローラ590内、オペレーションモニタ550側の制御ユニット内、或いは図示していない各種の制御・演算ユニット内などに設けられてもよい。
実施の形態のプログラムは、上述の図14,図15,図35,図38のような処理を、例えばCPU、DSP等のプロセッサ、或いはこれらを含むデバイスに実行させるプログラムである。
即ち実施の形態のプログラムは、発光素子であるLEDの間隔Wpと、カメラ502のイメージセンサ20の画素間隔Wsと、光学LPF22のずらし量bと、レンズ21の焦点距離f、F値F、合焦距離lと、LEDパネル506とカメラ502の距離pと、を用いて、撮影映像vCにアーティファクトが発生するか否かを判定する処理を情報処理装置70に実行させるプログラムである。
このようなプログラムにより、実施の形態の判定処理を行う情報処理装置70を、各種のコンピュータ装置により実現できる。
このようなプログラムはコンピュータ装置等の機器に内蔵されている記録媒体としてのHDDや、CPUを有するマイクロコンピュータ内のROM等に予め記録しておくことができる。また、このようなプログラムは、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto Optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))、磁気ディスク、半導体メモリ、メモリカードなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
また、このようなプログラムは、リムーバブル記録媒体からパーソナルコンピュータ等にインストールする他、ダウンロードサイトから、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることもできる。
またこのようなプログラムによれば、実施の形態のレンダリングエンジン31、520となる情報処理装置70などのように判定処理を行う情報処理装置70の広範な提供に適している。例えばパーソナルコンピュータ、通信機器、スマートフォンやタブレット等の携帯端末装置、携帯電話機、ゲーム機器、ビデオ機器、PDA(Personal Digital Assistant)等にプログラムをダウンロードすることで、これらの装置を本開示の情報処理装置70として機能させることができる。
なお、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
なお本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)
ディスプレイの映像をカメラで撮影する撮影システムにおける前記ディスプレイの発光素子の間隔と、前記カメラのイメージセンサの画素間隔と、前記カメラの光学ローパスフィルタの特性と、前記カメラのレンズの焦点距離、F値、合焦距離と、前記ディスプレイと前記カメラの距離と、を用いて、前記カメラの撮影映像にアーティファクトが発生するか否かの判定処理を行う判定部を備えた
情報処理装置。
(2)
前記判定部は、前記判定処理では、イメージセンサ上における前記発光素子の像の振幅を求め、求めた振幅と閾値を比較することでアーティファクト発生有無を判定する
上記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記判定部は、前記ディスプレイと前記カメラの最短距離と最長距離を取得し、最短距離と最長距離を用いて前記判定処理を行う
上記(1)又は(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記判定部は、前記判定処理では、撮影映像においてアーティファクトが発生する範囲の判定を行う
上記(1)から(3)のいずれかに記載の情報処理装置。
(5)
前記判定部は、アーティファクト発生と判定したことに応じて警告処理を行う
上記(1)から(4)のいずれかに記載の情報処理装置。
(6)
前記判定部は、前記判定処理の判定結果情報をプロジェクトに関連づける処理を行う
上記(1)から(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
(7)
前記判定部は、前記判定結果情報をプロジェクトに関連づけて記憶媒体に記憶する処理を行う
上記(1)から(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8)
前記判定部は、前記判定結果情報をプロジェクトに関連づけて外部機器に送信する処理を行う
上記(1)から(7)のいずれかに記載の情報処理装置。
(9)
前記判定部は、前記ディスプレイの発光素子の間隔、前記カメラのイメージセンサの画素間隔、前記カメラの光学ローパスフィルタの特性、前記カメラのレンズの焦点距離、F値、合焦距離、前記ディスプレイと前記カメラの距離、としての値の全部又は一部を、他の機器との通信により受信した情報に基づいて取得する
上記(1)から(8)のいずれかに記載の情報処理装置。
(10)
前記判定部は、
前記ディスプレイと前記カメラの最短距離と最長距離を取得し、
最短距離から最長距離までの複数の距離の値において、イメージセンサ上における前記発光素子の像の振幅の最大値と閾値を比較し、最大値が閾値を越えた場合に、アーティファクト発生と判定する
上記(1)から(9)のいずれかに記載の情報処理装置。
(11)
前記撮影システムは、3Dモデルを用いたレンダリングにより得た仮想映像を表示するディスプレイの映像をカメラで撮影するシステムであり、
前記3Dモデルを用いてレンダリングを行って仮想映像を生成するレンダリング部と、
前記レンダリング部で生成した仮想映像に対して、前記撮影システムで使用するカメラの撮影時の輝度又は色の特性を実現する処理パラメータを用いてシミュレーション映像を生成する映像処理部と、を備える
上記(1)から(10)のいずれかに記載の情報処理装置。
(12)
前記撮影システムは、3Dモデルを用いたレンダリングにより得た仮想映像を表示するディスプレイの映像をカメラで撮影するシステムであり、
前記3Dモデルを用いてレンダリングを行って前記ディスプレイで表示させる仮想映像を生成するレンダリング部を備える
上記(1)から(10)のいずれかに記載の情報処理装置。
(13)
情報処理装置が、
ディスプレイの映像をカメラで撮影する撮影システムにおける前記ディスプレイの発光素子の間隔と、前記カメラのイメージセンサの画素間隔と、前記カメラの光学ローパスフィルタの特性と、前記カメラのレンズの焦点距離、F値、合焦距離と、前記ディスプレイと前記カメラの距離と、を用いて、前記カメラの撮影映像にアーティファクトが発生するか否かの判定処理を行う
情報処理方法。
(14)
ディスプレイの映像をカメラで撮影する撮影システムにおける前記ディスプレイの発光素子の間隔と、前記カメラのイメージセンサの画素間隔と、前記カメラの光学ローパスフィルタの特性と、前記カメラのレンズの焦点距離、F値、合焦距離と、前記ディスプレイと前記カメラの距離と、を用いて、前記カメラの撮影映像にアーティファクトが発生するか否かを判定する処理を
情報処理装置に実行させるプログラム。
20 イメージセンサ
21 レンズ
22 光学LPF
31 レンダリングエンジン
32 レンダリング部
33 映像処理部
35 調整操作部
36 判定部
37 位置操作部
38 通信部
70 情報処理装置、
71 CPU
500 撮影システム
502 カメラ
502S 補助カメラ
505 LEDウォール
506 LEDパネル
520 レンダリングエンジン
520d 判定部

Claims (14)

  1. ディスプレイの映像をカメラで撮影する撮影システムにおける前記ディスプレイの発光素子の間隔と、前記カメラのイメージセンサの画素間隔と、前記カメラの光学ローパスフィルタの特性と、前記カメラのレンズの焦点距離、F値、合焦距離と、前記ディスプレイと前記カメラの距離と、を用いて、前記カメラの撮影映像にモアレが発生するか否かの判定処理を行う判定部を備えた
    情報処理装置。
  2. 前記判定部は、前記判定処理では、イメージセンサ上における前記発光素子の像の振幅を求め、求めた振幅と閾値を比較することでモアレ発生有無を判定する
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記判定部は、前記ディスプレイと前記カメラの最短距離と最長距離を取得し、最短距離と最長距離を用いて前記判定処理を行う
    請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 前記判定部は、前記判定処理では、撮影映像においてモアレが発生する範囲の判定を行う
    請求項1に記載の情報処理装置。
  5. 前記判定部は、モアレ発生と判定したことに応じて警告処理を行う
    請求項1に記載の情報処理装置。
  6. 前記判定部は、前記判定処理の判定結果情報をプロジェクトに関連づける処理を行う
    請求項1に記載の情報処理装置。
  7. 前記判定部は、前記判定結果情報をプロジェクトに関連づけて記憶媒体に記憶する処理を行う
    請求項6に記載の情報処理装置。
  8. 前記判定部は、前記判定結果情報をプロジェクトに関連づけて外部機器に送信する処理を行う
    請求項6に記載の情報処理装置。
  9. 前記判定部は、前記ディスプレイの発光素子の間隔、前記カメラのイメージセンサの画素間隔、前記カメラの光学ローパスフィルタの特性、前記カメラのレンズの焦点距離、F値、合焦距離、前記ディスプレイと前記カメラの距離、としての値の全部又は一部を、他の機器との通信により受信した情報に基づいて取得する
    請求項1に記載の情報処理装置。
  10. 前記判定部は、
    前記ディスプレイと前記カメラの最短距離と最長距離を取得し、
    最短距離から最長距離までの複数の距離の値において、イメージセンサ上における前記発光素子の像の振幅の最大値と閾値を比較し、最大値が閾値を越えた場合に、モアレ発生と判定する
    請求項1に記載の情報処理装置。
  11. 前記撮影システムは、3Dモデルを用いたレンダリングにより得た仮想映像を表示するディスプレイの映像をカメラで撮影するシステムであり、
    前記3Dモデルを用いてレンダリングを行って仮想映像を生成するレンダリング部と、
    前記レンダリング部で生成した仮想映像に対して、前記撮影システムで使用するカメラの撮影時の輝度又は色の特性を実現する処理パラメータを用いてシミュレーション映像を生成する映像処理部と、を備える
    請求項1に記載の情報処理装置。
  12. 前記撮影システムは、3Dモデルを用いたレンダリングにより得た仮想映像を表示するディスプレイの映像をカメラで撮影するシステムであり、
    前記3Dモデルを用いてレンダリングを行って前記ディスプレイで表示させる仮想映像を生成するレンダリング部を備える
    請求項1に記載の情報処理装置。
  13. 情報処理装置が、
    ディスプレイの映像をカメラで撮影する撮影システムにおける前記ディスプレイの発光素子の間隔と、前記カメラのイメージセンサの画素間隔と、前記カメラの光学ローパスフィルタの特性と、前記カメラのレンズの焦点距離、F値、合焦距離と、前記ディスプレイと前記カメラの距離と、を用いて、前記カメラの撮影映像にモアレが発生するか否かの判定処理を行う
    情報処理方法。
  14. ディスプレイの映像をカメラで撮影する撮影システムにおける前記ディスプレイの発光素子の間隔と、前記カメラのイメージセンサの画素間隔と、前記カメラの光学ローパスフィルタの特性と、前記カメラのレンズの焦点距離、F値、合焦距離と、前記ディスプレイと前記カメラの距離と、を用いて、前記カメラの撮影映像にモアレが発生するか否かを判定する処理を
    情報処理装置に実行させるプログラム。
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