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JP7632853B2 - 6,3’-ジヒドロキシエクオールの産生のための組成物 - Google Patents
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JP7632853B2 - 6,3’-ジヒドロキシエクオールの産生のための組成物 - Google Patents

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Description

本開示は、6,3’-ジヒドロキシエクオールの産生のための組成物に関する。
エクオールは、大豆に含まれるイソフラボン類の代謝産物の中で最もエストロゲン活性が高いことが知られている(非特許文献1、2)。
また、エクオールと同様に、5-ヒドロキシエクオールのようなエクオール誘導体もエストロゲン様活性を有し、かつ、3β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害活性を有することが報告されており(特許文献1)、アルドステロン及び糖質コルチコイドの生合成を阻害することにより、これらのホルモンの過剰症に対する予防もしくは治療への利用が期待されている。
さらに、o-キノンメチドベースの手法によるイソフラバン誘導体の合成法の報告において、3’-ヒドロキシエクオールが化学的合成法により得られることが開示されている(非特許文献3)。
一方で、フラビン依存性酸化酵素という酵素が知られている。該酵素は、その種類によって基質特異性や作用が異なる。例えば、Pseudomonas aeruginosa PAO1株が保有するHpaB及びHpaCは、ヒドロキシスチルベン(レスベラトロール)に対して活性を示すことが報告されている。基質となる化合物に、Pseudomonas aeruginosa PAO1株由来のHpaB及びHpaCと、アミノ酸レベルで50%以上の相同性を有するタンパク質を作用させてヒドロキシスチルベンを製造する方法が報告されている(特許文献2、3)。
また、本出願の発明者らは、所定の酵素又は微生物を用いて、エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオール又は6-ヒドロキシエクオールに変換できる技術を開発している(特許文献4)。
特開2003-81875号公報 特開2015-130819号公報 特開2017-074019号公報 特開2020-092690号公報
Adlercreutz, H., The Lancet Oncol., 3, 364-373 (2002) Duncan, A. M. et al., Best Pract. Res. Clin. Endocrinol. Metab., 17, 253-271 (2003) Tetrahedron Letters, 49(18), 2974-2978 (2008)
本開示の課題は、少なくとも、6,3’-ジヒドロキシエクオールの産生のための組成物の提供である。
<1>エクオール含有組成物、
該エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる、第一の酵素又は第一の微生物、及び
該エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる、第二の酵素又は第二の微生物
を含む、組成物。
<2>前記エクオール含有組成物が、エクオール、大豆胚芽エキス発酵物、大豆胚軸発酵物、大豆発酵物、又はアルファルファ発酵物である、<1>に記載の組成物。
<3>前記第一の酵素及び前記第二の酵素がフラビン依存性酸化酵素であり、前記第一の微生物及び前記第二の微生物がエクオール酸化活性を有する微生物である、<1>又は<2>に記載の組成物。
<4>エクオール含有組成物に、該エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる、第一の酵素又は第一の微生物と、該エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる、第二の酵素又は第二の微生物とを作用させる作用工程を含む、6,3’-ジヒドロキシエクオールの製造方法。
<5>前記作用工程が、前記エクオール含有組成物を含有する培地で前記第一の微生物と前記第二の微生物とを培養して、6,3’-ジヒドロキシエクオールを生産させる工程である、<4>に記載の製造方法。
<6>前記第一の酵素及び前記第二の酵素がフラビン依存性酸化酵素であり、前記第一の微生物及び前記第二の微生物がエクオール酸化活性を有する微生物である、<4>又は<5>に記載の製造方法。
<7>エクオール含有組成物に、該エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる、第一の酵素又は第一の微生物と、該エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる、第二の酵素又は第二の微生物とを作用させて、6,3’-ジヒドロキシエクオールを生産する工程、及び
該6,3’-ジヒドロキシエクオールと飲食品の素材とを配合する工程
を含む、6,3’-ジヒドロキシエクオールを含有する飲食品の製造方法。
<8>エクオール含有組成物に、該エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる、第一の酵素又は第一の微生物と、該エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる、第二の酵素又は第二の微生物とを作用させて、6,3’-ジヒドロキシエクオールを生産する工程、及び
該6,3’-ジヒドロキシエクオールと医薬品の素材とを配合する工程
を含む、6,3’-ジヒドロキシエクオールを含有する医薬品の製造方法。
本開示は、少なくとも、6,3’-ジヒドロキシエクオールの産生のための組成物の提供という効果を奏しうる。
本開示の一実施態様である実施例2の結果を示すHPLCクロマトグラム。図中の1は(S)-エクオールを示し、2は(S)-3’-ヒドロキシエクオールを示し、3は(S)-6-ヒドロキシエクオールを示し、4は(S)-6,3’-ジヒドロキシエクオールを示す。 本開示の一実施態様である実施例3の結果を示すグラフ。図中の白丸は(S)-エクオールを示し、黒三角は(S)-3-ヒドロキシエクオールを示し、黒四角は(S)-6-ヒドロキシエクオールを示し、黒丸は(S)-6,3’-ジヒドロキシエクオールを示す。 特許文献4で示された、HpaBro-3を発現する大腸菌により、(S)-エクオールが(S)-3’-ヒドロキシエクオールに変換される際の経時変化を示すグラフ。図中の白丸は (S)-エクオールを示し、黒丸は(S)-3’-ヒドロキシエクオールを示す。 特許文献4で示された、HpaBpl-1を発現する大腸菌により、(S)-エクオールが(S)-6-ヒドロキシエクオールに変換される際の経時変化を示すグラフ。図中の白丸は(S)-エクオールを示し、黒丸は(S)-6-ヒドロキシエクオールを示す。
各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は、一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲内で、適宜、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本開示は、実施形態によって限定されることはなく、クレームの範囲によってのみ限定される。
本開示の組成物は、混合物を含む概念であり、その成分が均一であるか不均一であるかを問わない。
(組成物)
本開示の一態様は、エクオール含有組成物、該エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる、第一の酵素又は第一の微生物、及び該エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる、第二の酵素又は第二の微生物を含む、組成物である。
前記エクオール含有組成物は、該エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる、第一の酵素又は第一の微生物、及び、該エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる、第二の酵素又は第二の微生物によって、6,3’-ジヒドロキシエクオールが生産される組成物である限り、その態様は制限されない。
前記エクオール含有組成物としては、例えば、大豆、インゲンマメ、ソラマメ、ラッカセイ、ヒヨコマメ、クズ、レッドクローバー、アルファルファ、カンゾウ等のマメ科植物そのものの発酵物が挙げられる。すなわち、前記マメ科植物が大豆であれば、大豆そのものの発酵物(大豆発酵物)である。
また、前記エクオール含有組成物としては、前記マメ科植物のうち大豆を例に挙げれば、大豆胚芽部分の発酵物(大豆胚芽発酵物)や大豆胚軸部分の発酵物(大豆胚軸発酵物)のように、大豆の一部分の発酵物でもよい。さらに、大豆胚芽発酵物を例に挙げれば、大豆胚芽部分から得られるエキスを発酵して得られる発酵物(大豆胚芽エキス発酵物)であってもよい。
尚、大豆発酵物とは、大豆全体を用いて発酵して得られた発酵物であり、大豆胚芽部分を用いて得られた前記大豆胚芽発酵物や、大豆胚軸部分を用いて得られた前記大豆胚軸発酵物のように、大豆の一部を用いて発酵して得られた発酵物とは異なる。
発酵の態様としては、例えば、大豆そのものの発酵物(大豆発酵物)を得る場合であれば、常法に従い、大豆そのものを準備し、これに麹菌を加えて発酵させ、発酵物とすることなどが挙げられる。前記準備の態様としては、大豆そのものを生のまま準備してもよいし、加熱処理、乾燥処理、又は蒸煮処理等に供した後にすり潰したものを準備してもよいし、すり潰した後で加熱処理、乾燥処理、又は蒸煮処理等したものを準備してもよい。
大豆胚芽発酵物や大豆胚軸発酵物、大豆胚芽エキス発酵物を得る態様についても、常法に従うことができる。
また、前記エクオール含有組成物は、前記マメ科植物由来のイソフラボン類に酵素を作用させて得られたものや、微生物を用いて発酵して得られた発酵物であってもよい。大豆を例に挙げれば、大豆由来のイソフラボンに、β-グルコシダーゼ等の酵素を作用させて得られたイソフラボンアグリコン等や、大豆由来のイソフラボンに対してβ-グルコシダーゼ等の活性を有する微生物を用いて発酵して得られたイソフラボンアグリコン等が挙げられる。
また、前記エクオール含有組成物は、エクオールであってもよい。また、エクオールは、(R)-エクオールでも(S)-エクオールでもよい。
本態様における、前記エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる第一の酵素としては、前記エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる限り、その態様は制限されない。
尚、該酵素は、基質がエクオールではなく6-ヒドロキシエクオールである場合にも同様に3’位を水酸化できるものである。すなわち、該酵素は、前記エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換することもできるし、6-ヒドロキシエクオールを6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換することもできるものである。
該酵素は、微生物が産生した酵素でも、微生物による産生に依らないで得られた酵素(例えば、化学合成法で得られた酵素)であってもよい。
微生物が産生した酵素の場合、該微生物としては、元来、該酵素を発現する微生物であってもよいし、遺伝子組換え等の公知の技術により該酵素を発現するようにした微生物であってもよい。
微生物が産生した酵素であってそれを回収する場合、その回収方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、微生物を培養した後、該微生物をろ過や遠心分離等の方法で集め、緩衝液や生理食塩水等で該微生物を洗浄し、例えば、物理的処理(例えば、凍結融解処理、超音波処理、加圧処理、浸透圧差処理、磨砕処理等)、生化学的処理(例えば、リゾチーム等の細胞壁溶解酵素による処理等)、化学的処理(例えば、界面活性剤との接触処理等)を、単独又は組み合わせて、酵素を回収することができる。回収した酵素は、その後、分離や精製の処理が施されてもよい。
前記エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる第一の酵素としては、例えば、酸化還元酵素(デヒドロゲナーゼ、シトクロム、カタラーゼ、オキシダーゼ、オキシゲナーゼ(例えば、フラビン依存性酸化酵素等)、脂肪酸不飽和化酵素等)、転移酵素(アシル転移酵素、リン酸転移酵素、アミノトランスフェラーゼ等)、タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)、脂質分解酵素(リパーゼ)、糖質分解酵素(アミラーゼ、リゾチーム、β-ガラクトシダーゼ等)、リン酸分解酵素(ヌクレアーゼ、ホスファターゼ、制限酵素)、加水分解酵素(ウレアーゼ、ラクトナーゼ、ATP加水分解酵素等)、脱離酵素(炭酸ヒドラターゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ等)、異性化酵素(ラセマーゼ、ホスホグリセリン酸ホスホムターゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ等)、合成酵素(DNAリガーゼ、アミノアシルtRNA合成酵素、アシルCoAシンテターゼ、カルボキシラーゼ等)が挙げられる。
好ましくはオキシゲナーゼであり、より好ましくはフラビン依存性酸化酵素である。
フラビン依存性酸化酵素としては、例えば、特許文献4に記載されているものが挙げられる。すなわち、Pseudomonas aeruginosa PAO1由来のHpaBpa(配列番号1);Escherichia coli BL21 (DE3)由来のHpaBec(配列番号2);Photorhabdus luminescens sub sp. laumondii TTO1由来のHpaBpl-2(配列番号4)、及びHpaBpl-3(配列番号5);ならびに、Rhodococcus opacus B4由来のHpaBro-1(配列番号6)、HpaBro-2(配列番号7)、及びHpaBro-3(配列番号8)が挙げられる。
また、前記フラビン依存性酸化酵素に還元型フラビンを供給するフラビン還元酵素としては、例えば、特許文献4に記載されているものが挙げられる。すなわち、Pseudomonas aeruginosa PAO1由来のHpaCpa(配列番号17)が挙げられる。
尚、Pseudomonas aeruginosa PAO1由来のHpaBpaのアミノ酸配列は、エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる限り、配列番号1で表されるアミノ酸配列と80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の同一性を有するアミノ酸配列であってもよい。
このことは、上記したHpaBpa以外の各HpaB、及びHpaCpaについても同様である。
前記エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる第一の微生物としては、前記エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる限り、その態様は制限されない。該微生物は、好ましくはエクオール酸化活性(エクオールオキシゲナーゼ)を有する微生物であり、より好ましくは前記フラビン依存性酸化酵素を発現する微生物である。
尚、該微生物は、基質がエクオールではなく6-ヒドロキシエクオールである場合にも同様に3’位を水酸化できるものである。すなわち、該微生物は、前記エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換することもできるし、6-ヒドロキシエクオールを6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換することもできるものである。
該微生物としては、元来、エクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる微生物であってもよいし、エクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できるように、遺伝子組換え等の公知の技術により改変された微生物であってもよい。このような微生物であれば、分類、属、種等は制限されないが、好ましくは細菌(大腸菌等)、真菌(酵母、糸状菌等)等が挙げられる。
本態様における、前記エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる第二の酵素としては、前記エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる限り、その態様は制限されない。
尚、該酵素は、基質がエクオールではなく3’-ヒドロキシエクオールである場合にも同様に6位を水酸化できるものである。すなわち、該酵素は、前記エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換することもできるし、3’-ヒドロキシエクオールを6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換することもできるものである。
該酵素は、微生物が産生した酵素でも、微生物による産生に依らないで得られた酵素(例えば、化学合成法で得られた酵素)であってもよい。
微生物が産生した酵素の場合、該微生物としては、元来、該酵素を発現する微生物であってもよいし、遺伝子組換え等の公知の技術により該酵素を発現するようにした微生物であってもよい。
微生物が産生した酵素であってそれを回収する場合、その回収方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、微生物を培養した後、該微生物をろ過や遠心分離等の方法で集め、緩衝液や生理食塩水等で該微生物を洗浄し、例えば、物理的処理(例えば、凍結融解処理、超音波処理、加圧処理、浸透圧差処理、磨砕処理等)、生化学的処理(例えば、リゾチーム等の細胞壁溶解酵素による処理等)、化学的処理(例えば、界面活性剤との接触処理等)を、単独又は組み合わせて、酵素を回収することができる。回収した酵素は、その後、分離や精製の処理が施されてもよい。
前記エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる酵素は、例えば、酸化還元酵素(デヒドロゲナーゼ、シトクロム、カタラーゼ、オキシダーゼ、オキシゲナーゼ(例えば、フラビン依存性酸化酵素等)、脂肪酸不飽和化酵素等)、転移酵素(アシル転移酵素、リン酸転移酵素、アミノトランスフェラーゼ等)、タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)、脂質分解酵素(リパーゼ)、糖質分解酵素(アミラーゼ、リゾチーム、β-ガラクトシダーゼ等)、リン酸分解酵素(ヌクレアーゼ、ホスファターゼ、制限酵素)、加水分解酵素(ウレアーゼ、ラクトナーゼ、ATP加水分解酵素等)、脱離酵素(炭酸ヒドラターゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ等)、異性化酵素(ラセマーゼ、ホスホグリセリン酸ホスホムターゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ等)、合成酵素(DNAリガーゼ、アミノアシルtRNA合成酵素、アシルCoAシンテターゼ、カルボキシラーゼ等)が挙げられる。
好ましくはオキシゲナーゼであり、より好ましくはフラビン依存性酸化酵素である。
フラビン依存性酸化酵素としては、例えば、特許文献4に記載されているものが挙げられる。すなわち、Photorhabdus luminescens sub sp. laumondii TTO1由来のHpaBpl-1(配列番号3)が挙げられる。
また、前記フラビン依存性酸化酵素に還元型フラビンを供給するフラビン還元酵素としては、例えば、特許文献4に記載されているものが挙げられる。すなわち、Pseudomonas aeruginosa PAO1由来のHpaCpa(配列番号17)が挙げられる。
尚、Photorhabdus luminescens sub sp. laumondii TTO1由来のHpaBpl-1のアミノ酸配列は、エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる限り、配列番号3で表されるアミノ酸配列と80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の同一性を有するアミノ酸配列であってもよい。
このことは、HpaCpaについても同様である。
前記エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる第二の微生物としては、前記エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる限り、その態様は制限されない。該微生物は、好ましくはエクオール酸化活性(エクオールオキシゲナーゼ)を有する微生物であり、より好ましくは前記フラビン依存性酸化酵素を発現する微生物である。
尚、該微生物は、基質がエクオールではなく3’-ヒドロキシエクオールである場合にも同様に6位を水酸化できるものである。すなわち、該微生物は、前記エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換することもできるし、3’-ヒドロキシエクオールを6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換することもできるものである。
該微生物としては、元来、エクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる微生物であってもよいし、エクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できるように、遺伝子組換え等の公知の技術により改変された微生物であってもよい。このような微生物であれば、分類、属、種等は制限されないが、好ましくは細菌(大腸菌等)、真菌(酵母、糸状菌等)等が挙げられる。
(製造方法)
本開示の他の態様は、エクオール含有組成物に、該エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる、第一の酵素又は第一の微生物と、該エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる、第二の酵素又は第二の微生物とを作用させる作用工程を含む、6,3’-ジヒドロキシエクオールの製造方法である。
本態様におけるエクオール含有組成物と、該エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる、第一の酵素又は第一の微生物と、該エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる、第二の酵素又は第二の微生物とについては、既出の説明を援用する。
本態様における、エクオール含有組成物に、該エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる第一の酵素を作用させる工程は、エクオール含有組成物を含む溶液中で、エクオール含有組成物中のエクオールと該酵素とを反応させる工程を含む。
尚、ここでは、エクオール含有組成物に、該エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる第一の酵素を作用させる工程について記載するが、このことは、エクオール含有組成物に、該エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる第二の酵素を作用させる工程においても同様である。
前記エクオール含有組成物を含む溶液の例としては、例えば、水、有機溶媒、有機溶媒と水性媒体との2相混合系等が挙げられる。
有機溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、クロロホルム、n-ヘキサン等が挙げられる。
水性媒体としては、例えば、エタノールやアセトン等が挙げられる。
また、基質であるエクオールの溶解度を上げるために、前記溶液に包摂化合物を添加してもよい。
包摂化合物としては、例えば、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、クラスターデキストリン(高度分岐環状デキストリン)のほか、これらの類縁体でもよい。例えば、メチル-β-シクロデキストリン、トリメチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン等を挙げることができる。
前記包摂化合物の前記溶液への添加量としては、エクオール含有組成物中のエクオールに対して、モル比の総量で、通常0.1当量以上、好ましくは0.5当量以上、より好ましくは1.0当量以上であり、一方、通常5.0当量以下、好ましくは2.5当量以下、より好ましくは2.0当量以下である。
反応温度は、好ましくは20℃~45℃、より好ましくは25℃~40℃、さらに好ましくは30℃~37℃である。
反応時間としては、好ましくは8~340時間、より好ましくは12~170時間、さらも好ましくは16~120時間である。
反応液のpHは、好ましくは4~10、より好ましくは6~8である。
本態様では、エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる第一の酵素として、微生物が産生した酵素であってそれを取得したものを用いる場合には、エクオール含有組成物に該酵素を作用させる工程の前に、該酵素を産生する微生物から該酵素を回収する工程を含んでもよく、その前に、該酵素を産生する微生物を培養する工程を含んでもよい。
該酵素を産生する微生物を培養する工程は、該微生物が該酵素を産生できる条件で行われれば、その態様は特に制限されない。例えば、後述する、エクオール含有組成物を含む培地で該微生物を培養する場合の条件が挙げられる。
該酵素を産生する微生物から該酵素を回収する工程は、該微生物をろ過や遠心分離等の方法で集める工程を含んでよく、加えて、その後、緩衝液や生理食塩水等で該微生物を洗浄する工程を含んでよい。さらに、その後、例えば、物理的処理(例えば、凍結融解処理、超音波処理、加圧処理、浸透圧差処理、磨砕処理等)、生化学的処理(例えば、リゾチーム等の細胞壁溶解酵素による処理等)、化学的処理(例えば、界面活性剤との接触処理等)をする工程を含んでよく、これらは単独又は組み合わせて該酵素を回収してよい。また、その後に、該酵素を精製する工程や濃縮する工程等を含んでもよい。
本態様における、エクオール含有組成物に、該エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる第一の微生物を作用させる工程は、エクオール含有組成物を含む溶液中で、該微生物に、該エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換させる工程を含む。例えば、エクオール含有組成物を含む培地で前記微生物を培養し、該エクオール含有組成物中のエクオールから3’-ヒドロキシエクオールを発酵により生産させる工程である。
尚、ここでは、エクオール含有組成物に、該エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる第一の微生物を作用させる工程について記載するが、このことは、エクオール含有組成物に、該エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる第二の微生物を作用させる工程においても同様である。
エクオール含有組成物を含む溶液とは、前記微生物が増殖できる溶液であっても増殖できない溶液であってもよい。
前記微生物が増殖できる溶液としては、例えば培地が挙げられ、培地は、最少培地でも合成培地でもよい。市販の培地であれば、例えば、Oxoid社製のANAEROBE BASAL BROTH(ABB培地)、Oxoid社製のWilkins-Chalgren Anaerobe Broth(CM0643)、日水製薬株式会社製のGAM培地、変法GAM培地、ブレインハートインヒュージョン培地、LB培地等が挙げられる。
また、培地には水溶性の有機物を炭素源として加えることができる。水溶性の有機物としては、例えば、グルコース、アラビノース、ソルビトール、フラクトース、マンノース、スクロース、トレハロース、キシロース、ガラクトース、デンプン、デンプン加水分解物、糖蜜、廃糖蜜等の糖類;麦、とうもろこし等の天然炭水化物;グリセロール、メタノール、エタノール等のアルコール類;ノルマルパラフィン等の炭化水素類;吉草酸、酪酸、プロピオン酸、酢酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ピルビン酸、クエン酸等の有機酸類;グリシン、グルタミン、アスパラギン等のアミノ酸類等を挙げることができる。
該有機物の濃度は、効率的に発育させるために適宜調節することができる。一般的には、0.1~10wt/vol%の範囲である。
前記の炭素源に加えて、培地には窒素源を加えることができる。窒素源としては通常の発酵に用いうる各種の窒素化合物を用いることができる。
好ましい無機窒素源として、アンモニウム塩、硝酸塩、尿素等を、より好ましくは、硫安、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム及び硝酸ソーダ等を挙げることができる。
また、有機窒素源としては、アミノ酸類、ミルクカゼイン、カザミノ酸、コーンスティープリカー、酵母エキス、ペプトン類(例えばポリペプトンN、大豆ペプトン等)、肉エキス(例えばエールリッヒカツオエキス、ラブ-レムコ末、ブイヨン等)、魚介類エキス、肝臓エキス、消化血清末、魚油等を挙げることができる。
さらに、炭素源や窒素源に加えて、例えば、ビタミン等の補因子や各種の塩類等の無機化合物を培地に加えることによって、増殖や活性を増強できる場合もある。たとえば無機化合物、ビタミン類、脂肪酸等、動植物由来の微生物増殖補助因子として以下のものを挙げることができる。
無機化合物 ビタミン類
リン酸二水素カリウム ビオチン
硫酸マグネシウム 葉酸
硫酸マンガン ピリドキシン
塩化ナトリウム チアミン
塩化コバルト リボフラビン
塩化カルシウム ニコチン酸
硫酸亜鉛 パントテン酸
硫酸銅 ビタミンB12
明ばん チオオクト酸
モリブデン酸ソーダ p-アミノ安息香酸
塩化カリウム ビタミンK
ホウ酸等
塩化ニッケル
タングステン酸ナトリウム
セレン酸ナトリウム
硫酸第一鉄アンモニウム
酢酸ナトリウム三水和物
硫酸マグネシウム七水和物
硫酸マンガン四水和物
また、培地中に、L-システイン(塩酸塩)、チオグリコール酸、アスコルビン酸、メルカプト酢酸、チオール酢酸、グルタチオン、硫化ソーダ、硫化ナトリウム、亜硫酸塩、チオグリコール酸、ルチン等の公知の還元剤やL-シスチン等の還元活性剤、カタラーゼ、スーパーオキシドムターゼ等の活性酸素種を分解する酵素を添加することにより生育が良好になる可能性がある。
培養方法としては、例えば、振とう培養、通気攪拌培養、連続培養、流加培養等の通常の培養方法を用いることができる。
培養中の気相及び水相は、空気又は酸素を含まないことが好ましく、例えば、窒素及び/又は水素を任意の比率で含むことや、窒素及び/又は二酸化炭素を任意の比率で含むことが挙げられ、水素を含む気相や水相であることが好ましい。気相における水素の割合は、3’位の酸化が促進されることから、通常0.5%以上、好ましくは1.0%以上、より好ましくは2.0%以上であり、一方、通常100%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下である。
培養中の気相及び水相をこのような環境にする方法は特に制限されないが、例えば、培養前に前記ガスで気相を置換する方法、これに加えて、培養中も培養器の底部から前記ガスを供給する及び/又は培養器の気相部に前記ガスを供給する方法、培養前に前記ガスで水相をバブリングするなどの方法をとることが出来る。前記水素は、水素ガスをそのまま用いてもよい。また、培地にギ酸及び/又はその塩などの水素の原料を添加し、微生物の作用により培養中に水素を生成してもよい。
通気量としては、例えば0.005~2vvmが挙げられ、0.05~0.5vvmが好ましい。また、混合ガスはナノバブルとして供給することもできる。
培養温度は、好ましくは20℃~45℃、より好ましくは25℃~40℃、さらに好ましくは30℃~37℃である。
培養器の加圧条件は、生育できる条件であれば特に限定されず、例えば0.001~1MPa、好ましくは0.01~0.5MPaである。
培養時間は、通常8~340時間、好ましくは12~170時間、より好ましくは16~120時間である。
培養開始時の培地のpHは、通常4~10、好ましくは6~8である。
また、培地に界面活性剤、吸着剤、包摂化合物等を添加することにより、3’位の酸化を促進できる場合がある。
界面活性剤としては、例えば、SDS、TritonX-100、Tween80、アデカノール等が挙げられ、0.001g/L以上10g/L以下程度添加することができる。
吸着剤としては、例えば、セルロース及びその誘導体;デキストリン;三菱化学株式会社製の疎水吸着剤であるダイアイオンHPシリーズやセパビーズシリーズ;オルガノ株式会社製のアンバーライトXADシリーズ等を挙げることができる。
包摂化合物としては、例えば、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、クラスターデキストリン(高度分岐環状デキストリン)のほか、これらの類縁体でもよい。例えば、メチル-β-シクロデキストリン、トリメチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン等を挙げることができる。
包摂化合物の添加量としては、エクオール含有組成物中のエクオールに対して、モル比の総量で、通常0.1当量以上、好ましくは0.5当量以上、より好ましくは1.0当量以上であり、一方、通常5.0当量以下、好ましくは2.5当量以下、より好ましくは2.0当量以下である。
前記微生物が増殖できない溶液としては、例えば、塩溶液や緩衝液が挙げられる。塩溶液の例としては、生理食塩水等が挙げられる。緩衝液の例としては、リン酸緩衝液、トリス-塩酸緩衝液、クエン酸-リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、MOPS緩衝液、酢酸緩衝液、グリシン緩衝液等が挙げられる。緩衝液のpHや濃度は、常法に従い適宜調製できる。
前記微生物が増殖できない場合のこのような溶液は、例えば、該微生物が静止体である場合に利用することができる。静止体とは、培養した微生物から遠心分離等の操作により培地成分を取り除き、塩溶液や緩衝液で洗浄し、該洗浄液と同一の液に懸濁した微生物体であって、増殖しない状態の微生物体を指し、本態様においては、少なくとも、エクオールから3’-ヒドロキシエクオールを生成できる代謝系を有している微生物体をいう。
前記微生物が増殖できる溶液であっても増殖できない溶液であってもよい場合とは、例えば、前記微生物として、固定化された微生物を用いる場合である。固定化された微生物とは、公知の方法である、ポリアクリルアミドゲル法、含硫多糖ゲル法(カラギーナンゲル法)、アルギン酸ゲル法、寒天ゲル法等を用いて固定化された微生物のことである。
尚、本開示では、微生物を固定するこのようなゲル等も溶液と定義する。
本態様は、例えば、得られた6,3’-ジヒドロキシエクオールを定量する工程を含んでもよい。定量方法は常法に従うことができる。たとえば、培養液の一部を採取して適宜希釈し、よく撹拌した後、ポリテロラフルオロエチレン(PTFE)膜などの膜を使用して濾過し、不溶物を除去したものを高速液体クロマトグラフィーで定量することなどが挙げられる。
また、本態様は、得られた6,3’-ジヒドロキシエクオールを回収する工程を含んでもよい。当該回収工程は、精製工程や濃縮工程等を含む。精製工程における精製処理としては、熱などによる微生物の殺菌;精密濾過(MF)、限外濾過(UF)などによる除菌;固形物、高分子物質の除去;有機溶媒やイオン性液体などによる抽出;疎水性吸着剤、イオン交換樹脂、活性炭カラム等を用いた吸着、脱色といった処理を行うことができる。また、濃縮工程における濃縮処理としては、エバポレーター、逆浸透膜等による濃縮が挙げられる。
さらに、6,3’-ジヒドロキシエクオールを含む溶液は、凍結乾燥、噴霧乾燥などにより粉末化することができる。粉末化において、ラクトース、デキストリン、コーンスターチ等の賦形剤を添加することもできる。
本開示の他の態様は、エクオール含有組成物に、該エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる、第一の酵素又は第一の微生物と、該エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる、第二の酵素又は第二の微生物とを作用させて、6,3’-ジヒドロキシエクオールを生産する工程、及び該6,3’-ジヒドロキシエクオールと飲食品の素材とを配合する工程を含む、6,3’-ジヒドロキシエクオールを含有する飲食品の製造方法である。
前記6,3’-ジヒドロキシエクオールを生産する工程については、既に説明した、6,3’-ジヒドロキシエクオールの製造方法の説明を援用する。尚、本態様では、6,3’-ジヒドロキシエクオールを生産する工程の後に、生産された6,3’-ジヒドロキシエクオールを回収する工程を含み、回収した6,3’-ジヒドロキシエクオールと飲食品の素材とを配合する工程とすることが好ましい。
飲食品の原料は、通常用いられる飲食品の原料を用いることができ、その配合時期は特に制限されない。
製造される飲食品は、水、タンパク質、糖質、脂質、ビタミン類、ミネラル類、有機酸、有機塩基、果汁、フレーバー類等を主成分とするものであってよい。
タンパク質としては、例えば、全脂粉乳、脱脂粉乳、部分脱脂粉乳、カゼイン、大豆タンパク質、鶏卵タンパク質、肉タンパク質等の動植物性タンパク質、及びこれらの加水分解物、バターなどが挙げられる。
糖質としては、糖類、加工澱粉(デキストリンのほか、可溶性澱粉、ブリティッシュスターチ、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル等)、食物繊維などが挙げられる。
脂質としては、例えば、ラード、サフラワー油、コーン油、ナタネ油、ヤシ油、魚油、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の植物性油脂などが挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、カロチン類、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD群、ビタミンE、ビタミンK群、ビタミンP、ビタミンQ、ナイアシン、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、イノシトール、コリン、葉酸などが挙げられる。
ミネラル類としては、例えば、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、セレン、乳清ミネラルなどが挙げられる。
有機酸としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸などが挙げられる。
これらの成分は、2種以上を組み合わせて使用してもよく、合成品であってもよい。
製造される飲食品の具体例としては、一般の飲食品の他、特定保健用食品、栄養補助食品、機能性食品、病者用食品等が挙げられる。これらの飲食品の形態は特に制限されないが、具体的には、パン類、麺類等の主菜;チーズ、ハム、ウィンナー、魚介加工品等の副菜;果汁飲料、炭酸飲料、乳飲料等の飲料;クッキー、ケーキ、ゼリー、プリン、キャンディー、ヨーグルト等の嗜好品;カプセル剤(ソフトカプセル剤、ハードカプセル剤)、錠剤、顆粒剤、粉剤、ゼリー剤、リポソーム製剤、栄養ドリンク等のサプリメント等が例示される。
製造される飲食品の全量に対する6,3’-ジヒドロキシエクオールの含有量は、特に制限されないが、該飲食品を摂取した場合に、6,3’-ジヒドロキシエクオールによる効果を得ることできる含有量であることが好ましい。飲食品全量に対する6,3’-ジヒドロキシエクオールの含有量は、通常0.0001~50質量%、好ましくは0.001~50質量%、更に好ましくは0.01~50質量%である。
飲食品がサプリメントである場合、その形態は、固形物、ゲル状物、液状物の何れの形態であってもよく、例えば、各種加工飲食品、粉末、錠剤、丸剤、カプセル、ゼリー、顆粒等の形態にすることができる。
また、サプリメントには、デキストリン等の賦形剤、ビタミンC等の保存剤、バニリン等の嬌味剤、ベニバナ色素等の色素、単糖、オリゴ糖および多糖類(例、グルコース、フルクトース、スクロース、サッカロース、およびこれらを含有する糖質)、酸味料、香料、油脂、乳化剤、全脂粉乳、または寒天などの添加剤を配合していてもよい。これらの成分は、2種以上を組み合わせて使用してもよく、合成品であってもよい。
本開示の他の態様は、エクオール含有組成物に、該エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる、第一の酵素又は第一の微生物と、該エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる、第二の酵素又は第二の微生物とを作用させて、6,3’-ジヒドロキシエクオールを生産する工程、及び該6,3’-ジヒドロキシエクオールと医薬品の素材とを配合する工程を含む、6,3’-ジヒドロキシエクオールを含有する医薬品の製造方法である。
前記6,3’-ジヒドロキシエクオールを生産する工程については、既に説明した、6,3’-ジヒドロキシエクオールの製造方法の説明を援用する。尚、本態様では、6,3’-ジヒドロキシエクオールを生産する工程の後に、生産された6,3’-ジヒドロキシエクオールを回収する工程を含み、回収した6,3’-ジヒドロキシエクオールと医薬品の素材とを配合する工程とすることが好ましい。
医薬品の原料は、通常用いられる医薬品の原料を用いることができ、その配合時期は特に制限されない。
製造される医薬品は、6,3’-ジヒドロキシエクオールの摂取又は投与により予防又は治療をし得る疾患の予防又は治療のための医薬品として使用することができる。また、その剤形は、予防又は治療しようとする疾患や医薬品の使用形態、投与経路等に応じて選択することができる。例えば、錠剤、顆粒剤、粉剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤、シロップ剤等の内服用医薬品;乳液剤、懸濁液剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、噴霧剤、貼付剤、パップ剤、リニメント剤、エアゾール剤、軟膏剤、パック剤、吸入剤、坐剤等の外用医薬品;注射剤等が挙げられる。これらの各種製剤は、常法に従って主薬に対して必要に応じて充填剤、増量剤、賦形剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用し得る既知の補助剤を用いて製剤化することができる。また、この医薬品中に着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有させてもよい。
医薬品の全量に対する6,3’-ジヒドロキシエクオールの含有量は、特に制限されないが、該医薬品を摂取又は投与した場合に6,3’-ジヒドロキシエクオールによる所望の効果を得ることできる含有量であることが好ましい。医薬品全量に対する6,3’-ジヒドロキシエクオールの含有量は、通常0.0001~50質量%、好ましくは0.001~50質量%、更に好ましくは0.01~50質量%である。
本開示における、フラビン依存性酸化酵素遺伝子の塩基配列と、前記フラビン依存性酸化酵素に還元型フラビンを供給するフラビン還元酵素遺伝子の塩基配列、並びに、それぞれがコードする酵素のアミノ酸配列の情報は下記の通りである。
配列番号1は、Pseudomonas aeruginosa PAO1由来のフラビン依存性酸化酵素の遺伝子hpaBpa(ORF No. PA4091)がコードする酵素HpaBpaのアミノ酸配列である。
配列番号2は、Escherichia coli BL21 (DE3)由来のフラビン依存性酸化酵素の遺伝子hpaBpa(ORF No. B21_04188)がコードする酵素HpaBecのアミノ酸配列である。
配列番号3は、Photorhabdus luminescens sub sp. laumondii TTO1由来のフラビン依存性酸化酵素の遺伝子hpaBpl-1(ORF No. plu0246)がコードする酵素HpaBpl-1のアミノ酸配列である。
配列番号4は、Photorhabdus luminescens sub sp. laumondii TTO1由来のフラビン依存性酸化酵素の遺伝子(ORF No. plu0975)がコードする酵素HpaBpl-2のアミノ酸配列である。
配列番号5は、Photorhabdus luminescens sub sp. laumondii TTO1由来のフラビン依存性酸化酵素の遺伝子(ORF No. plu4027)がコードする酵素HpaBpl-3のアミノ酸配列である。
配列番号6は、Rhodococcus opacus B4由来のフラビン依存性酸化酵素の遺伝子(ORF No. ROP_20940)がコードする酵素HpaBro-1のアミノ酸配列である。
配列番号7は、Rhodococcus opacus B4由来のフラビン依存性酸化酵素の遺伝子(ORF No. ROP_22410)がコードする酵素HpaBro-2のアミノ酸配列である。
配列番号8は、Rhodococcus opacus B4由来のフラビン依存性酸化酵素の遺伝子(ORF No. ROP_37410)がコードする酵素HpaBro-3のアミノ酸配列である。
配列番号17は、Pseudomonas aeruginosa PAO1由来であってフラビン依存性酸化酵素に還元型フラビンを供給するフラビン還元酵素の遺伝子(ORF no. PA4092)がコードする酵素HpaCpaのアミノ酸配列である。
配列番号9は、Pseudomonas aeruginosa PAO1由来のフラビン依存性酸化酵素の遺伝子であって、ORF No. PA4091に対応する遺伝子hpaBpaの塩基配列である。
配列番号10は、Escherichia coli BL21 (DE3)由来のフラビン依存性酸化酵素の遺伝子であって、ORF No. B21_04188に対応する遺伝子hpaBecの塩基配列である。
配列番号11は、Photorhabdus luminescens sub sp. laumondii TTO1由来のフラビン依存性酸化酵素の遺伝子であって、ORF No. plu0246に対応する遺伝子hpaBpl-1の塩基配列である。
配列番号12は、Photorhabdus luminescens sub sp. laumondii TTO1由来のフラビン依存性酸化酵素の遺伝子であって、ORF No. plu0975に対応する遺伝子hpaBpl-2の塩基配列である。
配列番号13は、Photorhabdus luminescens sub sp. laumondii TTO1由来のフラビン依存性酸化酵素の遺伝子であって、ORF No. plu4027に対応する遺伝子hpaBpl-3の塩基配列である。
配列番号14は、Rhodococcus opacus B4由来のフラビン依存性酸化酵素の遺伝子であって、ORF No. ROP_20940対応する遺伝子hpaBro-1の塩基配列である。
配列番号15は、Rhodococcus opacus B4由来のフラビン依存性酸化酵素の遺伝子であって、ORF No. ROP_22410に対応する遺伝子hpaBro-2の塩基配列である。
配列番号16は、Rhodococcus opacus B4由来のフラビン依存性酸化酵素の遺伝子であって、ORF No. ROP_37410に対応する遺伝子hpaBro-3の塩基配列である。
配列番号18は、Pseudomonas aeruginosa PAO1由来であってフラビン依存性酸化酵素に還元型フラビンを供給するフラビン還元酵素の遺伝子であり、ORF no. PA4092に対応する遺伝子hpaCpaの塩基配列である。
以下に実施例を記載するが、いずれの実施例も、限定的な意味として解釈される実施例ではない。
[実施例1]フラビン依存性酸化酵素を発現する組換え大腸菌の作製
2種のフラビン依存性酸化酵素をコードする遺伝子を用いた。具体的には、Photorhabdus luminescens sub sp. laumondii TTO1由来の遺伝子hpaBpl-1(ORF No. plu0246に対応する遺伝子である。アミノ酸配列は配列番号3に示すアミノ酸配列である。)と、Rhodococcus opacus B4由来の遺伝子hpaBro-3(ORF No. ROP_37410に対応する遺伝子、アミノ酸配列は配列番号8に示すアミノ酸配列である。)を合成した。
hpaBpl-1については、配列番号19、20のプライマーを用いてPCRで増幅後、制限酵素PciIおよびBamHIで切断し、pETDuet-1ベクター(Novagen社製)に連結してpETDhpaBpl-1を作製した。
hpaBro-3については、配列番号21、22のプライマーを用いてPCRで増幅後、制限酵素NdeIおよびMunIで切断し、pETDuet-1ベクターに連結してpETDhpaBro-3を作製した。
また、フラビン依存性酸化酵素に還元型フラビンを供給するフラビン還元酵素をコードする遺伝子も用いた。具体的には、Pseudomonas aeruginosa PAO1由来の遺伝子hpaCpa(ORF no. PA4092に対応する遺伝子である。アミノ酸配列は配列番号17に示すアミノ酸配列である。)をpCDFDuet-1ベクター(Novagen社製)に連結したプラスミドpCDFDhpaCpaを用いた。
さらに、pETDhpaBpl-1、pETDhpaBro-3のそれぞれをpCDFDhpaCpaとともに、ヒートショック法によりEscherichia coli BL21 Star (DE3)に導入した。pETDhpaBpl-1を導入する際は、タンパク質の可溶化発現を促進するためにシャペロニンをコードする遺伝子を連結したプラスミドpGro7(Takarabio社製)も導入した。
[実施例2]フラビン依存性酸化酵素と(S)-エクオールの反応の解析
pETDhpaBpl-1、pCDFDhpaCpaおよびpGro7を保持する大腸菌は以下のように培養、発現誘導を行った。作製した組換え大腸菌をアンピシリン50 μg/ml、ストレプトマイシン50 μg/ml、クロラムフェニコール30 μg/ml、アラビノース4 mg/mlを含むLB培地(トリプトン1%、イーストエクストラクト0.5%、NaCl 1% (pH 7.0))に植菌し、30℃で6時間培養した。6時間後にイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド1 mMを添加してさらに15℃で15時間培養し、遺伝子の発現を誘導した。集菌後、グリセロール10% (v/v)を含むリン酸カリウム緩衝液50 mM (pH 7.5)で洗菌し、回収した菌体を反応に用いた。
pETDhpaBro-3およびpCDFDhpaCpaを保持する大腸菌は以下のように培養、発現誘導を行った。作製した組換え大腸菌をアンピシリン50 μg/mlとストレプトマイシン50 μg/mlを含むLB培地に植菌し、30℃で6時間培養した。6時間後にイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド1 mMを添加してさらに25℃で15時間培養し、遺伝子の発現を誘導した。集菌後、グリセロール10% (v/v)を含むリン酸カリウム緩衝液50 mM (pH 7.5)で洗菌し、回収した菌体を反応に用いた。
反応では、pETDhpaBpl-1、pCDFDhpaCpaおよびpGro7を保持する大腸菌の菌体250 g/l(終濃度、湿菌体重量換算)と、pETDhpaBro-3およびpCDFDhpaCpaを保持する大腸菌の菌体125 g/l(終濃度、湿菌体重量換算)を同時に添加し、(S)-エクオール10 mM、ジメチルスルホキシド4% (v/v)、グリセロール10% (v/v)、Tween 80 1.5% (v/v)、リン酸カリウム緩衝液200 mM (pH 7.5)を組成とする反応液20 mlを調製後、30℃で振とうした。
反応後、上記の反応液250 μlに5N HCl 5 μl、H2O 250 μl、メタノール500 μlを添加し、HPLC分析用サンプルとした。HPLC分析は島津社製の装置(Prominence、LC-20 system)とウォーターズ社製のカラム(XTerra MS C18 IS、カラム長4.6×20 mm、粒子径3.5μm)を用いて行った。展開溶媒は0.1%ギ酸水溶液(A液)とメタノール(B液)を用い、流速0.5 ml/minで0分から3分までB液5%で流した後、3分から4分にかけてB液を40%まで、4分から14分にかけてB液を80%まで、14分から15分にかけてB液を100%まで直線勾配により上昇させた。さらに、15分から18分までB液100%で流した後、18分から19分にかけてB液を5%まで直線勾配により下降させ、19分から22分までB液5%で流し、サンプルを溶出させた。
その結果、反応4時間後にHPLC分析において基質の(S)-エクオールのピーク(保持時間14.5 分、ピーク1)に加えて3つのピークが検出された(図1)。特許文献4の通り、HpaBro-3は(S)-エクオールの3’位を水酸化する活性を有することがわかっており、13.6分のピーク(ピーク2)は(S)-3’-ヒドロキシエクオールの保持時間と一致した。また、特許文献4の通り、HpaBpl-1は(S)-エクオールの6位を水酸化する活性を有することがわかっており、13.2分のピーク(ピーク3)は(S)-6-ヒドロキシエクオールの保持時間と一致した。さらに、保持時間12.5分に新たな変換産物に相当するピーク(ピーク4)が検出された。
この変換産物をLC-MSにより分析したところ、(S)-エクオールの二水酸化体であることが示唆された。さらに、変換産物を精製してNMRにより分析したところ、6位と3’位が水酸化された(S)-6,3’-ジヒドロキシエクオールと同定された。NMR分析とLC-MS分析の結果を以下に示す。
1H NMR (400 MHz, methanol-d4): δ=2.78 (m, 2H, H-4), 2.96 (m, 1H, H-3), 3.81 (m, 1H, H-2), 4.12 (m, 1H, H-2), 6.24 (s, 1H, H-8), 6.47 (s, 1H, H-5), 6.57 (dd, J=8.1, 1.9 Hz, 1H, H-6’), 6.67 (d, J=1.9 Hz, 1H, H-2’), 6.71 (d, J=8.1 Hz, 1H, H-5’); 13C NMR (400 MHz, methanol-d4): δ=148.7 (C-8a), 146.4 (C-3’), 145.4 (C-7), 145.2 (C-4’), 140.1 (C-6), 134.9 (C-1’), 119.6 (C-6’), 116.5 (C-5), 116.5 (C-5’), 115.4 (C-2’), 113.8 (C-4a), 104.4 (C-8), 72.1 (C-2), 39.8 (C-3), 33.2 (C-4); MS (ESI) (m/z): calculated for C15H14O5[M-H]-: 273.076; found: 273.068.
[実施例3]フラスコスケールでの(S)-6,3’-ジヒドロキシエクオール生産
実施例2で示した方法により、フラスコスケールでの(S)-6,3’-ジヒドロキシエクオール生産を試みた。その結果、(S)-エクオールは(S)-3’-ヒドロキシエクオール又は(S)-6-ヒドロキシエクオールを経由して、(S)-6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換された(図2)。(S)-6,3’-ジヒドロキシエクオールの生産量は24時間で8.7 mM(2.4 g/l)に達した。また、副生物は検出されなかった(図1)。以上より、フラスコスケールで(S)-6,3’-ジヒドロキシエクオールを効率的に生産可能なことが明らかとなった。
特許文献4では、HpaBro-3を発現する大腸菌を(S)-エクオールと反応させると(S)-3’-ヒドロキシエクオールを生成し(図3)、HpaBpl-1を発現する大腸菌を(S)-エクオールと反応させると(S)-6-ヒドロキシエクオールを生成したが(図4)、片方の酵素のみで(S)-6,3’-ジヒドロキシエクオールを生成することはなかった。今回、HpaBro-3を発現する大腸菌とHpaBpl-1を発現する大腸菌を同時に(S)-エクオールと反応させることにより(S)-6, 3’-ジヒドロキシエクオールの生産が可能となった。酵素の基質特異性は一般に厳密であるが、今回の結果は、HpaBro-3が(S)-6-ヒドロキシエクオールにも作用すること、HpaBpl-1が(S)-3’-ヒドロキシエクオールにも作用することを示している。この予想外に広い基質特異性を活用することにより(S)-6,3’-ジヒドロキシエクオールの生産が可能となった。また、片方の酵素のみを(S)-エクオールと反応させると基質の(S)-エクオールが残存してしまい(図3、4)、原料の無駄となってしまう。一方、HpaBro-3を発現する大腸菌とHpaBpl-1を発現する大腸菌を同時に(S)-エクオールと反応させた場合には、(S)-エクオールが残存することなく全てを(S)-6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換することが可能であり(図1)、本反応は原料の無駄を排除した効率的かつ画期的な合成手法と言える。

Claims (10)

  1. エクオール含有組成物、
    該エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる、第一の酵素又は第一の微生物、及び
    該エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる、第二の酵素又は第二の微生物
    を含む、組成物であって、
    該第一の酵素が、配列番号1~2及び4~8からなる群から選択されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素であって、該エクオールを該3’-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ該6-ヒドロキシエクオールを該6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    該第二の酵素が、配列番号3で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素であって、該エクオールを該6-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ該3’-ヒドロキシエクオールを該6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    該第一の微生物が、配列番号1~2及び4~8からなる群から選択されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素を発現する微生物であって、該酵素が、該エクオールを該3’-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ該6-ヒドロキシエクオールを該6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    該第二の微生物が、配列番号3で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素を発現する微生物であって、該酵素が、該エクオールを該6-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ該3’-ヒドロキシエクオールを該6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素である、組成物(ただし、第一の酵素及び/又は第二の酵素がシトクロムP450である態様を除く)。
  2. 前記エクオール含有組成物が、エクオール、大豆胚芽エキス発酵物、大豆胚軸発酵物、大豆発酵物、又はアルファルファ発酵物である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記第一の酵素が、配列番号8で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素であって、前記エクオールを前記3’-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ前記6-ヒドロキシエクオールを前記6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    前記第二の酵素が、配列番号3で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素であって、前記エクオールを前記6-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ前記3’-ヒドロキシエクオールを前記6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    前記第一の微生物が、配列番号8で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素を発現する微生物であって、該酵素が、前記エクオールを前記3’-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ前記6-ヒドロキシエクオールを前記6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    前記第二の微生物が、配列番号3で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素を発現する微生物であって、該酵素が、前記エクオールを前記6-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ前記3’-ヒドロキシエクオールを前記6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. エクオール含有組成物に、該エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる、第一の酵素又は第一の微生物と、該エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる、第二の酵素又は第二の微生物とを作用させる作用工程を含む、6,3’-ジヒドロキシエクオールの製造方法であって、
    該第一の酵素が、配列番号1~2及び4~8からなる群から選択されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素であって、該エクオールを該3’-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ該6-ヒドロキシエクオールを該6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    該第二の酵素が、配列番号3で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素であって、該エクオールを該6-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ該3’-ヒドロキシエクオールを該6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    該第一の微生物が、配列番号1~2及び4~8からなる群から選択されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素を発現する微生物であって、該酵素が、該エクオールを該3’-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ該6-ヒドロキシエクオールを該6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    該第二の微生物が、配列番号3で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素を発現する微生物であって、該酵素が、該エクオールを該6-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ該3’-ヒドロキシエクオールを該6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素である、製造方法(ただし、第一の酵素及び/又は第二の酵素がシトクロムP450である態様を除く)。
  5. 前記作用工程が、前記エクオール含有組成物を含有する培地で前記第一の微生物と前記第二の微生物とを培養して、6,3’-ジヒドロキシエクオールを生産させる工程である、請求項に記載の製造方法。
  6. 前記第一の酵素が、配列番号8で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素であって、前記エクオールを前記3’-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ前記6-ヒドロキシエクオールを前記6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    前記第二の酵素が、配列番号3で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素であって、前記エクオールを前記6-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ前記3’-ヒドロキシエクオールを前記6,3’-ジヒドロキシエクオールに変
    換できる酵素であり、
    前記第一の微生物が、配列番号8で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素を発現する微生物であって、該酵素が、前記エクオールを前記3’-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ前記6-ヒドロキシエクオールを前記6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    前記第二の微生物が、配列番号3で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素を発現する微生物であって、該酵素が、前記エクオールを前記6-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ前記3’-ヒドロキシエクオールを前記6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素である、請求項4又は5に記載の製造方法。
  7. エクオール含有組成物に、該エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる、第一の酵素又は第一の微生物と、該エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる、第二の酵素又は第二の微生物とを作用させて、6,3’-ジヒドロキシエクオールを生産する工程、及び
    該6,3’-ジヒドロキシエクオールと飲食品の素材とを配合する工程
    を含む、6,3’-ジヒドロキシエクオールを含有する飲食品の製造方法であって、
    該第一の酵素が、配列番号1~2及び4~8からなる群から選択されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素であって、該エクオールを該3’-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ該6-ヒドロキシエクオールを該6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    該第二の酵素が、配列番号3で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素であって、該エクオールを該6-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ該3’-ヒドロキシエクオールを該6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    該第一の微生物が、配列番号1~2及び4~8からなる群から選択されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素を発現する微生物であって、該酵素が、該エクオールを該3’-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ該6-ヒドロキシエクオールを該6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    該第二の微生物が、配列番号3で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素を発現する微生物であって、該酵素が、該エクオールを該6-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ該3’-ヒドロキシエクオールを該6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素である、製造方法(ただし、第一の酵素及び/又は第二の酵素がシトクロムP450である態様を除く)。
  8. 前記第一の酵素が、配列番号8で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素であって、前記エクオールを前記3’-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ前記6-ヒドロキシエクオールを前記6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    前記第二の酵素が、配列番号3で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素であって、前記エクオールを前記6-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ前記3’-ヒドロキシエクオールを前記6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    前記第一の微生物が、配列番号8で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素を発現する微生物であって、該酵素が、前記エクオールを前記3’-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ前記6-ヒドロキシエクオールを前記6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    前記第二の微生物が、配列番号3で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素を発現する微生物であって、該酵素が、前記エクオールを前記6-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ前記3’-ヒドロキシエクオールを前記6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素である、請求項に記載の製造方法。
  9. エクオール含有組成物に、該エクオール含有組成物中のエクオールを3’-ヒドロキシエクオールに変換できる、第一の酵素又は第一の微生物と、該エクオール含有組成物中のエクオールを6-ヒドロキシエクオールに変換できる、第二の酵素又は第二の微生物とを作用させて、6,3’-ジヒドロキシエクオールを生産する工程、及び
    該6,3’-ジヒドロキシエクオールと医薬品の素材とを配合する工程
    を含む、6,3’-ジヒドロキシエクオールを含有する医薬品の製造方法であって、
    該第一の酵素が、配列番号1~2及び4~8からなる群から選択されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素であって、該エクオールを該3’-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ該6-ヒドロキシエクオールを該6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    該第二の酵素が、配列番号3で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素であって、該エクオールを該6-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ該3’-ヒドロキシエクオールを該6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    該第一の微生物が、配列番号1~2及び4~8からなる群から選択されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素を発現する微生物であって、該酵素が、該エクオールを該3’-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ該6-ヒドロキシエクオールを該6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    該第二の微生物が、配列番号3で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素を発現する微生物であって、該酵素が、該エクオールを該6-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ該3’-ヒドロキシエクオールを該6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素である、製造方法(ただし、第一の酵素及び/又は第二の酵素がシトクロムP450である態様を除く)。
  10. 前記第一の酵素が、配列番号8で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素であって、前記エクオールを前記3’-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ前記6-ヒドロキシエクオールを前記6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    前記第二の酵素が、配列番号3で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素であって、前記エクオールを前記6-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ前記3’-ヒドロキシエクオールを前記6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    前記第一の微生物が、配列番号8で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素を発現する微生物であって、該酵素が、前記エクオールを前記3’-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ前記6-ヒドロキシエクオールを前記6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素であり、
    前記第二の微生物が、配列番号3で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列の酵素を発現する微生物であって、該酵素が、前記エクオールを前記6-ヒドロキシエクオールに変換でき、かつ前記3’-ヒドロキシエクオールを前記6,3’-ジヒドロキシエクオールに変換できる酵素である、請求項に記載の製造方法。
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