以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、図中、理解を容易にするために、三次元直交座標系のX軸、Y軸、およびZ軸を適宜図示している。また、図3、図8、図11、図16、および、図18では、図面を見易くするために、断面を示すハッチングを省略する。
(実施形態1)
図1~図5を参照して、本発明の実施形態1に係る苗マットMTおよび苗移植機100を説明する。まず、図1および図2を参照して苗マットMTを説明する。図1は、実施形態1に係る苗マットMTを示す斜視図である。図2は、苗マットMTを示す平面図である。
図1および図2に示される苗マットMTには、複数の種子(不図示)が播種される。種子は、例えば、野菜の種子である。なお、種子は、例えば、水稲種子であってもよい。種子から成長した苗は、苗移植機100(図4(a))の植付爪機構300(図4(b))によって苗マットMTから掻き取られ、苗移植機100によって圃場に植え付けられる。例えば、植付爪機構300は、種子から成長した苗とともに、苗マットMTの一部分をブロック状に掻き取る。以下、苗を含むブロック状の部分を「苗ブロックSB」と記載する場合がある。苗ブロックSBについては後述する。
図1および図2の例では、苗マットMTは、略直方体形状(例えば、略矩形平板形状)を有する。苗マットMTは、苗床部1と、複数の播種穴列5と、複数の第1溝7とを備える。なお、図1および図2では、理解を容易にするために、1つの播種穴列5を破線で囲んでいる。複数の播種穴列5の各々には複数の種子が配置される。
苗床部1は、略直方体形状(例えば、略矩形平板形状)を有する。苗床部1は、種子からの根が伸びることを許容する。従って、苗床部1は、種子から伸びる根を収容する。具体的には、苗床部1は、種子からの根が伸びることを許容する素材で構成されている。苗床部1は、例えば、少なくとも有機質繊維資材を含む。有機質繊維資材とは、有機物によって構成される繊維材料のことである。有機質繊維資材は、例えば、ココピート、ピートモス、または、籾殻である。また、例えば、苗床部1は、バインダー、土壌改良資材、肥料、および/または、土を含んでいてもよい。
苗床部1は、第1主面部F1と、第2主面部F2とを含む。第1主面部F1および第2主面部F2は、互いに対向しており、略平行である。例えば、苗床部1の表面部と裏面部とのうち、第1主面部F1は表面部に相当し、第2主面部F2は裏面部に相当する。
複数の播種穴列5は、第1主面部F1の側に設けられ、第1方向D1に沿って延びる。第1方向D1は、例えば、苗マットMTの短辺に沿った方向である。複数の播種穴列5は、第2方向D2に沿って間隔をあけて配置される。第2方向D2は、第1方向D1に交差する。実施形態1では、第2方向D2は、第1方向D1に直交する。第2方向D2は、例えば、苗マットMTの長辺に沿った方向である。複数の播種穴列5の各々は、種子を配置するための複数の播種穴31を含む。各播種穴列5において、複数の播種穴31は、第1方向D1に沿って間隔をあけて配置される。
複数の第1溝7は、第1主面部F1の側に設けられ、第1方向D1に沿って延びる。複数の第1溝7は、第2方向D2に沿って間隔をあけて配置される。実施形態1によれば、第1溝7を設けることで、切り込みであるスリットを設ける場合と比較して、植付爪機構300(図4(b))は、苗マットMTから苗ブロックSBを円滑に掻き取ることができる。なぜなら、切り込みであるスリットに植付爪320(図4(b))を進入させる場合と比較して、第1溝7には、植付爪320が進入し易いからである。苗マットMTから苗ブロックSBを掻き取ることは、苗マットMTから苗ブロックSBを分離することを示す。この点の詳細は後述する。
第1溝7と播種穴列5とは、第2方向D2に沿って交互に配置される。具体的には、第1主面部F1は、複数の播種穴配置面3を有する。複数の播種穴配置面3の各々は、第1方向D1に沿って延びる。また、複数の播種穴配置面3は、第2方向D2に沿って間隔をあけて配置される。各播種穴配置面3は、略矩形形状を有する。
複数の播種穴列5は、それぞれ、複数の播種穴配置面3に対応して配置される。つまり、播種穴列5は、対応する播種穴配置面3に配置される。第1溝7と播種穴配置面3とは、第2方向D2に沿って交互に配置される。さらに具体的には、苗床部1は、複数の行ブロック10を含む。複数の行ブロック10は、第1方向D1に沿って延びる。各行ブロック10は、略直方体形状を有する。各行ブロック10は、苗床部1の第1方向D1の一方端部から他方端部まで延びる。また、複数の行ブロック10は、第2方向D2に沿って間隔をあけて配置される。第1主面部F1の側における行ブロック10の表面が、播種穴配置面3である。第1溝7と行ブロック10とは、第2方向D2に沿って交互に配置される。なお、図1では、理解を容易にするために、一例として、1つの行ブロック10の端面の境界を破線で示している。
行ブロック10のうち、1つの播種穴31に対応する1ブロックが、苗ブロックSBに相当する。図1では、理解の容易のために、1つの行ブロック10において作製される苗ブロックSBに相当するブロックを破線で示している。播種穴31に播種された種子が育生されることにより、苗が育ち、苗ブロックSBが作製される。
苗床部1は、複数の第1端部9Aをさらに含む。苗床部1は、複数の第2端部9Bをさらに含むことが好ましい。
複数の第1端部9Aは、複数の第1溝7にそれぞれ対応して配置される。第1端部9Aは、対応する第1溝7の第1方向D1の一方端に接続される。複数の第1端部9Aは、第2方向D2に沿って間隔をあけて配置される。具体的には、第1端部9Aは、苗床部1の第1方向D1の一方端部において、第2方向D2に隣り合う行ブロック10と行ブロック10との間の部分である(図2)。複数の第1端部9Aの各々は、凹部91を含むことが好ましい。第1端部9Aおよび凹部91の詳細は図3を参照して後述する。なお、図1では、理解を容易にするために、一例として、1つの第1端部9Aの境界を破線で示している。
複数の第2端部9Bは、複数の第1溝7にそれぞれ対応して配置される。第2端部9Bは、対応する第1溝7の第1方向D1の他方端に接続される。複数の第2端部9Bは、第2方向D2に沿って間隔をあけて配置される。具体的には、第2端部9Bは、苗床部1の第1方向D1の他方端部において、第2方向D2に隣り合う行ブロック10と行ブロック10との間の部分である(図2)。複数の第2端部9Bの各々は、凹部91を含むことが好ましい。第2端部9Bの構成は、第1端部9Aの構成と同様である。
複数の播種穴列5の各々は、播種穴31Aおよび播種穴31Bを含む。図2に示すように、平面視において、播種穴31Aは、互いに第2方向D2に隣り合う第1端部9Aと第1端部9Aとの間に配置される。播種穴31Aは、播種穴列5の複数の播種穴31のうち、第1方向D1の一方端に位置する播種穴31である。また、平面視において、播種穴31Bは、互いに第2方向D2に隣り合う第2端部9Bと第2端部9Bとの間に配置される。播種穴31Bは、播種穴列5の複数の播種穴31のうち、第1方向D1の他方端に位置する播種穴31である。
次に、図3を参照して、第1溝7および第1端部9Aの詳細を説明する。図3(a)は、図2のIIIA-IIIA線に沿った断面図である。
図3(a)に示すように、第1溝7は、第1主面部F1に対して、第3方向D3に窪んでいる。従って、実施形態1によれば、植付爪320(図4(b))は、第1溝7の上方から、第1溝7に進入し易い。その結果、苗マットMTから苗ブロックSBを更に円滑に掻き取ることができる。具体的には、第1溝7は、播種穴配置面3に対して、第3方向D3に窪んでいる。第3方向D3は、第1主面部F1から第2主面部F2に向かう方向である。つまり、第3方向D3は、第1方向D1および第2方向D2に交差する。実施形態1では、第3方向D3は、第1方向D1および第2方向D2に直交する。
第1溝7は、第3方向D3に向かって先細りの形状を有することが好ましい。図3(a)の例では、第1溝7は、断面視において、略V字形状を有する。つまり、第1溝7は、一対の傾斜面71を有する。一対の傾斜面71は、第3方向D3に向かって互いに近づく。ただし、第1溝7が第3方向D3に窪んでいる限りは、第1溝7の形状は特に限定されない。
播種穴31は、第1主面部F1に対して、第3方向D3に窪んでいる。具体的には、播種穴31は、播種穴配置面3に対して、第3方向D3に窪んでいる。播種穴31は、例えば、略円柱形状を有する。ただし、播種穴31に種子を配置できる限りにおいては、播種穴31の形状は特に限定されない。
図3(b)は、図2のIIIB-IIIB線に沿った断面図である。なお、図3(b)では、理解を容易にするために、第1端部9Aの境界を破線で示している。
図3(b)に示すように、第1端部9Aは、第1主面部F1の側から第2主面部F2の側まで延びている。
ここで、特許文献1(特開2019-146537号公報)に記載されている育苗マット(以下、「従来の育苗マット」と記載)と比較して、第1端部9Aを設けることの有用性を説明する。
従来の育苗マットにおいて、植付爪機構は、横方向に沿って順番に苗ブロックを掻き取る。そして、1行分の苗ブロックが掻き取られると、育苗マットが縦送りされて、新たな1行分の苗ブロックが、横方向に沿って順番に掻き取られる。1行分の苗ブロックは「行ブロック」である。
従来の育苗マットでは、全領域においてスリットの深さが同一である。従って、行ブロックに含まれる全ての苗ブロックにおいてスリットの深さは同一である。その結果、行ブロックの端に位置する苗ブロックを掻き取る際に、植付爪機構による苗ブロックの保持が不十分になる場合があり得る。この理由は後述する。行ブロックの端に位置する苗ブロックは、1行分の苗ブロックの最後の苗ブロックを示す。植付爪機構による苗ブロックの保持が不十分であると、例えば、植付爪機構による苗ブロックの植付精度が低下する可能性がある。
植付爪機構による苗ブロックの保持が不十分になる理由は、例えば、次の通りである。
すなわち、植付爪機構の植付爪が従来の育苗マットのスリットに挿入されると、スリットに応力が集中して、育苗マットから苗ブロックが掻き取られる。この場合、植付爪による掻き取り抵抗が発生する。
特に、掻き取り対象の行ブロックの端に位置する苗ブロックを掻き取る直前では、当該苗ブロック1つで、次の掻き取り対象の行ブロックと繋がっている。従って、掻き取り対象の行ブロックの端に位置する苗ブロックでは、当該行ブロックの他の苗ブロックを掻き取る場合と比較して、次の掻き取り対象の行ブロックとの繋がりの強度が弱い。具体的には、行ブロックに含まれる全ての苗ブロックにおいてスリットの深さは同一であるため、掻き取り対象の行ブロックの端に位置する苗ブロックでは、当該行ブロックの他の苗ブロックを掻き取る場合と比較して、次の掻き取り対象の行ブロックとの繋がりの強度が特に弱い。
その結果、行ブロックの端に位置する苗ブロックを掻き取る際に、植付爪機構によって苗ブロックが分離および保持される前に、植付爪による掻き取り抵抗によって苗ブロックがスリット部分で折れ曲がる可能性がある。よって、植付爪機構による苗ブロックの保持が不十分になり、苗ブロックが植付爪機構から外れる可能性がある。
そこで、実施形態1では、図3(b)に示すように、苗マットMTは、第1端部9Aを有する。第1端部9Aを設けることで、行ブロック10(図1)の第1方向D1の一方端に位置する苗ブロックSBと苗床部1との繋がりの強度を向上できる。その結果、行ブロック10の一方端に位置する苗ブロックSBを掻き取る際に、植付爪機構300による苗ブロックSBの保持を良好に行うことができる。この点の詳細は図5を参照して後述する。同様に、第2端部9Bを設けることで、行ブロック10(図1)の第1方向D1の他方端に位置する苗ブロックSBと苗床部1との繋がりの強度を向上できる。その結果、行ブロック10の他方端に位置する苗ブロックSBを掻き取る際に、植付爪機構300による苗ブロックSBの保持を良好に行うことができる。
具体的には、図3(a)および図3(b)に示すように、第1端部9Aの第3方向D3の厚みd10は、第1溝7の最下部73から第2主面部F2までの長さd1よりも大きい。従って、実施形態1によれば、行ブロック10(図1)の第1方向D1の一方端に位置する苗ブロックSBと苗床部1との繋がりの強度を更に向上できる。その結果、行ブロック10の一方端に位置する苗ブロックSBを掻き取る際に、植付爪機構300による苗ブロックSBの保持を更に良好に行うことができる。この点の詳細は図5を参照して後述する。なお、図3(b)の例では、第1端部9Aの厚みd10は、第1端部9Aのうち第3方向D3に最も薄い部分の厚みを示す。
同様に、第2端部9Bは、第1主面部F1の側から第2主面部F2の側まで延びている。そして、第2端部9Bの第3方向D3の厚みd10は、第1溝7の最下部73から第2主面部F2までの長さd1よりも大きい。従って、実施形態1によれば、行ブロック10の第1方向D1の他方端に位置する苗ブロックSBと苗床部1との繋がりの強度を更に向上できる。その結果、行ブロック10の他方端に位置する苗ブロックSBを掻き取る際に、植付爪機構300による苗ブロックSBの保持を更に良好に行うことができる。この点は、第1端部9Aと同様である。なお、図3(b)の例では、第2端部9Bの厚みd10は、第2端部9Bのうち第3方向D3に最も薄い部分の厚みを示す。
第1端部9Aは、凹部91を含むことが好ましい。この場合、第1主面部F1に対する凹部91の深さd20は、第1主面部F1に対する第1溝7の深さd2よりも浅い。つまり、播種穴配置面3に対する凹部91の深さd20は、播種穴配置面3に対する第1溝7の深さd2よりも浅いことが好ましい。この好ましい例によれば、行ブロック10(図1)の第1方向D1の一方端に位置する苗ブロックSBと苗床部1との繋がりの強度を確保しつつも、第1端部9Aが凹部91を有しない場合と比較して、行ブロック10の一方端に位置する苗ブロックSBの掻き取りが容易になる。
同様に、第2端部9Bは、凹部91を含むことが好ましい。この好ましい例によれば、行ブロック10の第1方向D1の他方端に位置する苗ブロックSBと苗床部1との繋がりの強度を確保しつつも、第2端部9Bが凹部91を有しない場合と比較して、行ブロック10の他方端に位置する苗ブロックSBの掻き取りが容易になる。
具体的には、凹部91は、一対の傾斜面911と、平坦な底面913とを有する。一対の傾斜面911は、第3方向D3に向かって互いに近づく。一対の傾斜面911の第3方向D3の端部は、底面913の第2方向D2の両端部にそれぞれ接続される。図3(a)および図3(b)の例では、第1主面部F1(具体的には播種穴配置面3)に対する傾斜面911の傾斜角度は、第1主面部F1(具体的には播種穴配置面3)に対する傾斜面71の傾斜角度と略同一である。ただし、凹部91が第3方向D3に窪んでいる限りは、凹部91の形状は特に限定されない。なお、厚みd10は、凹部91の底面913から第2主面部F2までの長さを示す。
次に、図4を参照して、苗移植機100を説明する。図4(a)は、実施形態1に係る苗移植機100を示す斜視図である。
図4(a)に示した苗移植機100は、オペレータが苗移植機100に乗車して運転しながら苗移植を行う乗用型である。例えば、苗移植機100は、野菜の苗を順次移植するために用いられる。
図4(a)に示すように、苗移植機100は、走行機体110と、苗植付作業機200とを備える。苗植付作業機200は、走行機体110の後部に装着される。苗移植機100は、走行機体110によって走行しつつ苗植付作業機200によって苗の植付作業を行う。
走行機体110は、機体フレーム112と、前輪114と、後輪116とを備える。機体フレーム112の内部には、エンジンおよびエンジンからの動力を変速するトランスミッションが収容される。前輪114および後輪116は、エンジンおよびトランスミッションに伝達される動力によって駆動される。エンジンおよびトランスミッションの動力は、それぞれフロントアクスルケース114aおよびリアアクスルケース116aに伝達される。また、エンジンおよびトランスミッションからの動力は、苗植付作業機200に伝達される。
フロントアクスルケース114aは、機体フレーム112の前部に支持されるとともに、その左右両端部に前輪114が支持される。同様に、リアアクスルケース116aは、機体フレーム112の後部に支持されるとともに、その左右両端部に後輪116が支持される。機体フレーム112の上部には、ステップ120が配置されており、オペレータは、ステップ120上を移動可能である。
走行機体110の前方中央部には、運転席122が配置され、運転席122の前方には、操向ハンドル124、操作ペダル126、および、ダッシュボード128が配置される。ダッシュボード128には、操向ハンドル124に加えて各種操作用の操作具、および表示装置が配置される。
苗植付作業機200は、走行機体110に対して、昇降リンク機構を介して連結されている。昇降リンク機構は、左右一対の上リンク、下リンク、および、昇降シリンダを備える。上リンクおよび下リンクは、昇降シリンダによって回動して苗植付作業機200を昇降させる。
苗植付作業機200は、苗載台210と、植付ロータケース220と、植付爪機構300とを備える。苗載台210には、複数の苗マットMTが載置される。図4(a)では、図面の簡略化のために、苗マットMTを省略している。植付爪機構300は、植付ロータケース220に取り付けられる。植付爪機構300は、苗載台210に載置された苗マットMTから苗ブロックSBを掻き取って、苗ブロックSBを順次植え付ける。詳細は後述するが、植付爪機構300は、植付爪320(図4(b))を備える。植付爪機構300は、植付爪320を用いて、苗載台210に載置された苗マットMTから苗ブロックSBを掻き取って、苗ブロックSBを圃場に植え付ける。
苗植付作業機200は、トランスミッションから後方に向けて延出されるPTO軸によって駆動される。より詳細には、PTO軸から植付センターケースを介して苗植付作業機200に設けられる植付伝動ケースに動力が伝達されて、植付伝動ケースから植付ロータケース220および植付爪機構300に動力が分配される。植付センターケースには、植付クラッチが設けられる。植付クラッチは、エンジンから苗植付作業機200への動力の伝達を断接するように構成される。
植付ロータケース220は、植付伝動ケースから伝達される動力によって、回転軸を中心に回転する。植付爪機構300は、植付ロータケース220の回転に伴って植付ロータケース220とともに回転する。具体的には、植付爪機構300は、回転軸を中心に回転することにより、苗載台210と圃場との間を往復する。
植付爪機構300には、苗載台210から苗マットMTが供給される。植付ロータケース220の回転運動に伴って、植付爪機構300の植付爪320(図4(b))が苗ブロックSBとともに圃場(例えば、地面)内に挿入され、所定の植え付け深さとなるように苗ブロックSBが植え付けられる。
苗載台210は、板状の部材によって構成される。苗載台210の後面には、苗マットMTを載置する載置面が植付ロータケース220の数に応じて走行機体110の幅方向に並べて配置される。苗載台210には、苗マットMTが載置される。
具体的には、苗植付作業機200は、送出ベルト212と、レール214とを備える。送出ベルト212は、レール214に対して略垂直である。レール214は直線状に延びている。つまり、レール214は、方向DBに沿って延びている。方向DBは、第1方向D1(図1)に略平行である。つまり、苗載台210(送出ベルト212)には、第1溝7(図1)とレール214とが略平行になるように、苗マットMTが載置される。
送出ベルト212は、苗載台210に配置される無端ベルトである。送出ベルト212は、周回方向DAに周回する。従って、苗載台210において送出ベルト212上の苗マットMTは、送出ベルト212によってレール214に向けて送り出される。また、苗載台210は、駆動機構(不図示)によって、送出ベルト212とともに、レール214に沿って移動される。従って、送出ベルト212上の苗マットMTは、レール214に沿って移動される。
具体的には、植付爪機構300によって苗マットMTの行ブロック10から1つの苗ブロックSBが掻き取られるたびに、苗マットMTは、1つの苗ブロックSB分の距離だけレール214に沿って移動される。その結果、新たな苗ブロックSBが、植付爪機構300による掻き取り位置に配置される。そして、植付爪機構300によって新たな苗ブロックSBが掻き取られる。
また、送出ベルト212は、苗マットMTの行ブロック10を構成する全ての苗ブロックSBの掻き取りが完了するたびに、苗マットMTをレール214に向けて送り出す。その結果、新たな行ブロック10が掻き取り対象としてレール214に配置される。
図4(b)は、苗移植機100の植付爪機構300を示す斜視図である。図4(b)に示すように、植付爪機構300は、アーム部310と、植付爪320と、押出部材330と、保持部材340と、取付部材350とを備える。植付爪320は、アーム部310に固定される。植付爪320により、苗マットMTから1つの苗ブロックSBを掻き取りできる。つまり、植付爪320は、苗マットMTの第1溝7(図1)に進入し、苗マットMTから1つの苗ブロックSBを掻き取る。
押出部材330は、押出方向に苗ブロックSBを押出できる。押出方向は、植付爪320が向いている方向である。押出部材330は、アーム部310の先端から伸縮可能である。具体的には、押出部材330は、押出位置と保持位置との間で伸縮可能である。押出位置は、押出部材330の先端部が植付爪320の先端部と並ぶ位置、または、押出部材330の先端部が植付爪320の先端部よりも突き出る位置である。保持位置は、苗ブロックSBを保持するための位置であり、植付爪320の先端部よりもアーム部310に近い位置である。図4(b)では、押出部材330は保持位置に位置する。
植付爪320が苗マットMTから1つの苗ブロックSBを掻き取る場合、押出部材330は、保持位置に位置する。植付爪320によって掻き取られた苗ブロックSBを圃場まで運んだ場合、押出部材330は、保持位置から押出位置まで伸び、苗ブロックSBを圃場に向けて押し出す。これにより、苗ブロックSBを圃場に植え付けできる。
植付爪機構300が苗ブロックSBを掻き取る際に、保持部材340は、植付爪320の下方に位置する。苗ブロックSBは、植付爪320および保持部材340によって挟み込まれる。
保持部材340は、植付爪320と対向する。保持部材340は、アーム部310に支持される。保持部材340は、取付部材350を介してアーム部310に取り付けられる。取付部材350は、アーム部310に取り付けられる。保持部材340は、板金から形成されてもよい。
植付爪320は、略U字形状である。植付爪320は、第1突起部322と、第2突起部324と、連結部326とを有する。第1突起部322および第2突起部324は、押出方向(+x方向)に延びる。第1突起部322および第2突起部324は、-x方向側において連結部326と連結されており、第1突起部322および第2突起部324は、連結部326を介して一体化される。植付爪320は、連結部326においてアーム部310に取り付けられる。
例えば、第1突起部322の-y方向外側の側面と第2突起部324の+y方向外側の側面との間の距離は、苗ブロックSBの幅に応じて設定される。本明細書において、第1突起部322の-y方向外側の側面と第2突起部324の+y方向外側の側面との間の距離を植付爪320の幅と記載することがある。一例では、植付爪320の幅は、取り出される苗ブロックSBの幅とほぼ等しい。
押出部材330は、プッシュロッド332と、押付片334とを有する。プッシュロッド332は、アーム部310から延びており、アーム部310に対して伸縮する。押付片334は、プッシュロッド332の先端に取り付けられる。押付片334は、プッシュロッド332の伸縮とともに移動する。押付片334を+x方向側から-x方向側に見た場合、押付片334は、U字形状である。
植付爪320が苗ブロックSBを掻き取って苗ブロックSBを圃場まで運ぶと、プッシュロッド332は、苗ブロックSBとともに押付片334を押し出す。これにより、苗ブロックSBは圃場に植え付けられる。
次に、図5を参照して、苗マットMTからの苗ブロックSBの掻き取り動作を説明する。図5は、植付爪機構300が苗ブロックSBを掻き取る直前の状態を示す斜視図である。なお、図5では、図面の簡略化のために、苗載台210および送出ベルト212を省略している。同様の理由により、播種穴31から延びる苗の図示を省略している。また、理解を容易にするために、いくつかの苗ブロックSBの境界を破線で示している。
図5に示すように、苗マットMTの複数の行ブロック10のうち、最下部の行ブロック10Aが、植付爪機構300による掻き取り対象の行ブロック10である。つまり、レール214上の行ブロック10Aが、植付爪機構300による掻き取り対象の行ブロック10である。特に、図5では、行ブロック10Aの第1方向D1の端に位置する苗ブロックSBが、植付爪機構300による掻き取り対象である。掻き取り対象の苗ブロックSBは、掻き取り位置PSに配置される。図5では、行ブロック10Aの最後の1つの苗ブロックSBだけが残っている。植付爪320は、苗ブロックSBに接続している第1端部9A(具体的には凹部91)に進入して、苗マットMTから苗ブロックSBを掻き取る。
図5の例では、行ブロック10Aの端に位置する苗ブロックSBは、第1端部9Aを介して、次の掻き取り対象の行ブロック10Bと繋がっている。そして、図3(a)および図3(b)に示すように、第1端部9Aの第3方向D3の厚みd10は、第1溝7の最下部73から第2主面部F2までの長さd1よりも大きい。従って、第1端部9Aまで第1溝7が延びている場合と比較して、苗ブロックSBと次の掻き取り対象の行ブロック10Bとの繋がりの強度が強い。その結果、行ブロック10Aの端に位置する苗ブロックSBを掻き取る際に、植付爪320による掻き取り抵抗によって苗ブロックSBが第1端部9Aで折れ曲がることを抑制できる。よって、押出部材330(具体的には押付片334)の先端部が苗ブロックSBの上面SFに接触するまで植付爪320が苗ブロックSBの奥まで進入することができて、植付爪機構300による苗ブロックSBの保持を良好に行うことができる。この点は、行ブロック10における最後の掻き取り対象である苗ブロックSBが、第2端部9Bを介して次の行ブロック10と繋がっている場合も同様である。
植付爪機構300による苗ブロックSBの保持を良好に行うことができると、例えば、植付爪機構300による苗ブロックSBの圃場への植付精度を向上できる。
また、第1端部9Aは凹部91を含む。従って、第1端部9Aが凹部91を含まない場合と比較して、植付爪320は、行ブロック10Aの端の苗ブロックSBを容易に掻き取りことができる。この点は、行ブロック10における最後の掻き取り対象である苗ブロックSBが、第2端部9Bを介して次の行ブロック10と繋がっている場合も同様である。
一方、図3(a)および図3(b)に示すように、第1主面部F1に対する凹部91の深さd20は、第1主面部F1に対する第1溝7の深さd2よりも浅い。従って、行ブロック10Aの端に位置する苗ブロックSBと次の行ブロック10Bとの繋がりの強度を確保できる。
また、植付爪機構300は、図3(a)に示す第1溝7に植付爪320を進入させて苗ブロックSBを掻き取ることで、複数の苗ブロックSB間で、掻き取り後の苗ブロックSBの形状を揃えることができる。また、植付爪機構300は、第1溝7に植付爪320を進入させることで、苗マットMTから苗ブロックSBを容易に掻き取ることができる。さらに、第1溝7に植付爪320を進入させて苗ブロックSBを掻き取ることで、1つの行ブロック10Aを構成する全ての苗ブロックSBを掻き取った後において、次の行ブロック10Bのレール214側の側面EGに比較的大きな掻き取り残りが発生することを抑制できる。従って、行ブロック10Bを含む苗マットMTをレール214に沿って円滑に移動させることができる。その結果、苗ブロックSBを掻き取り位置PSに精度良く配置できて、苗マットMTから苗ブロックSBを精度良く掻き取ることができる。
特に、実施形態1では、図3(a)に示すように、第1溝7は略V字形状を有する。従って、植付爪320が第1溝7に進入した状態において、第2方向D2における植付爪320の先端の位置が、1つの行ブロック10において一意に定まる。その結果、複数の苗ブロックSB間で、掻き取り後の苗ブロックSBの形状をより良好に揃えることができる。加えて、1つの行ブロック10Aを構成する全ての苗ブロックSBを掻き取った後において、次の行ブロック10Bのレール214側の側面EGに比較的大きな掻き取り残りが発生することをさらに効果的に抑制できる。
なお、行ブロック10Aの端に位置する苗ブロックSBを掻き取る際には、1つの苗ブロックSBだけが次の掻き取り対象の行ブロック10Bと繋がっている。従って、凹部91の深さd20が第1溝7の深さd2よりも浅い場合でも、端に位置する苗ブロックSBを植付爪320によって容易に掻き取ることができる。
以上、図3および図5を参照して説明したように、実施形態1によれば、苗マットMTが第1端部9Aおよび第1溝7を備えることで、苗ブロックSBの円滑な掻き取りを可能としつつ、行ブロック10の端に位置する苗ブロックSBを掻き取る際に、植付爪機構300による苗ブロックSBの保持を良好に行うことができる。
また、苗マットMTが第1端部9Aに加えて第2端部9Bを備えることで、次の利点がある。すなわち、行ブロック10における最後の掻き取り対象が、行ブロック10の第1方向D1の一方端に位置する苗ブロックSBであっても、行ブロック10の第1方向D1の他方端に位置する苗ブロックSBであっても、掻き取り時の植付爪機構300による苗ブロックSBの保持を良好に行うことができる。
例えば、各行ブロック10を周回方向DAに移動しながら苗ブロックSBを掻き取る際に、苗マットMTをレール214に沿って往復移動することで苗ブロックSBを掻き取る場合には、第1方向D1の一方端の苗ブロックSBと他方端の苗ブロックSBとが、行ブロック10ごとに交互に最後の掻き取り対象となる。従って、この場合は、苗マットMTが第1端部9Aおよび第2端部9Bの双方を備えることは、より効果的である。
また、第1溝7を設けることで、次のメリットがある。すなわち、第1メリットとして、第1溝7に溜まった水が、潅水量の目安になる。例えば、第1溝7に水が満たされるまで潅水する。また、第2メリットとして、第1溝7に水を満たすことができるので、苗マットMTに吸水可能な水量が増える。その結果、育苗が促進される。また、水が第1溝7に保持されるため、苗マットMTからの水の流失を抑制できて、節水効果がある。
なお、行ブロック10の第1方向D1の一方端に位置する苗ブロックSBは、播種穴31Aを含む。同様に、行ブロック10の第1方向D1の他方端に位置する苗ブロックSBは、播種穴31Bを含む。
(実施形態2)
図6~図8を参照して、本発明の実施形態2に係る苗マットMTXを説明する。実施形態2に係る苗マットMTXの第1端部9XAおよび第2端部9XBが凹部91を有しない点で、実施形態2は実施形態1と主に異なる。実施形態2に係る苗移植機100は、図4を参照して説明した苗移植機100と同じである。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
まず、図6および図7を参照して苗マットMTXを説明する。図6は、実施形態2に係る苗マットMTXを示す斜視図である。図7は、苗マットMTXを示す平面図である。
図6および図7に示すように、苗マットMTXの苗床部1は、複数の第1端部9XAを含む。苗床部1は、複数の第2端部9XBをさらに含むことが好ましい。
複数の第1端部9XAは、複数の第1溝7にそれぞれ対応して配置される。第1端部9XAは、対応する第1溝7の第1方向D1の一方端に接続される。複数の第1端部9XAは、第2方向D2に沿って間隔をあけて配置される。具体的には、図7に示すように、第1端部9XAは、苗床部1の第1方向D1の一方端部において、第2方向D2に隣り合う行ブロック10と行ブロック10との間の部分である。なお、図6および図7では、理解を容易にするために、一例として、いくつかの第1端部9XAの境界を破線で示すとともに、いくつかの行ブロック10の境界を破線で示す。
複数の第2端部9XBは、複数の第1溝7にそれぞれ対応して配置される。第2端部9XBは、対応する第1溝7の第1方向D1の他方端に接続される。複数の第2端部9XBは、第2方向D2に沿って間隔をあけて配置される。具体的には、図7に示すように、第2端部9XBは、苗床部1の第1方向D1の他方端部において、第2方向D2に隣り合う行ブロック10と行ブロック10との間の部分である。第2端部9XBの構成は、第1端部9XAの構成と同様である。
複数の播種穴列5の各々は、播種穴31Aおよび播種穴31Bを含む。図7に示すように、平面視において、播種穴31Aは、互いに第2方向D2に隣り合う第1端部9XAと第1端部9XAとの間に配置される。また、平面視において、播種穴31Bは、互いに第2方向D2に隣り合う第2端部9XBと第2端部9XBとの間に配置される。
次に、図8を参照して、第1溝7および第1端部9XAの詳細を説明する。図8(a)は、図7のVIIIA-VIIIA線に沿った断面図である。
図8(a)に示すように、苗マットMTXは、図3(a)に示す苗マットMTと同様に、第1溝7および播種穴31を備える。
図8(b)は、図7のVIIIB-VIIIB線に沿った断面図である。なお、図8(b)では、理解を容易にするために、第1端部9XAの境界を破線で示している。
図8(b)に示すように、第1端部9XAは、第1主面部F1の側から第2主面部F2の側まで延びている。図8(b)の例では、第1端部9XAは、第1主面部F1の側および第2主面部F2の側の双方において、凹部および溝のような窪みを有しない。
そして、第1主面部F1の側における第1端部9XAの表面93は、第1主面部F1に対して略面一である。つまり、第1主面部F1の側における第1端部9XAの表面93は、播種穴配置面3に対して略面一である。
従って、図8(a)および図8(b)に示すように、第1端部9XAの第3方向D3の厚みd11は、第1溝7の最下部73から第2主面部F2までの長さd1よりも大きい。その結果、実施形態2によれば、行ブロック10(図6)の第1方向D1の一方端に位置する苗ブロックSBと苗床部1との繋がりの強度を向上できる。その結果、行ブロック10の一方端に位置する苗ブロックSBを掻き取る際に、植付爪機構300による苗ブロックSBの保持を良好に行うことができる。この点は、図5を参照して説明した実施形態1と同様である。
同様に、第2端部9XBは、第1主面部F1の側から第2主面部F2の側まで延びている。図8(b)の例では、第2端部9XBは、第1主面部F1の側および第2主面部F2の側の双方において、凹部および溝のような窪みを有しない。
そして、第1主面部F1の側における第2端部9XBの表面93は、第1主面部F1に対して略面一である。つまり、第1主面部F1の側における第2端部9XBの表面93は、播種穴配置面3に対して略面一である。
従って、図8(a)および図8(b)に示すように、第2端部9XBの第3方向D3の厚みd11は、第1溝7の最下部73から第2主面部F2までの長さd1よりも大きい。その結果、実施形態2によれば、行ブロック10の第1方向D1の他方端に位置する苗ブロックSBと苗床部1との繋がりの強度を向上できる。よって、行ブロック10の他方端に位置する苗ブロックSBを掻き取る際に、植付爪機構300による苗ブロックSBの保持を良好に行うことができる。この点は、第1端部9XAの場合と同様である。
なお、図5に示すように、行ブロック10Aの端に位置する苗ブロックSBを掻き取る際には、1つの苗ブロックSBだけが次の掻き取り対象の行ブロック10Bと繋がっている。従って、第1端部9XAおよび第2端部9XBが、凹部および溝のような窪みを有しない場合でも、端に位置する苗ブロックSBを植付爪320によって容易に掻き取ることができる。
以上、図8を参照して説明したように、実施形態2によれば、苗マットMTXが第1端部9XAおよび第1溝7を備えることで、苗ブロックSBの円滑な掻き取りを可能としつつ、行ブロック10の端に位置する苗ブロックSBを掻き取る際に、植付爪機構300による苗ブロックSBの保持を良好に行うことができる。また、苗マットMTXが第1端部9XAに加えて第2端部9XBを備えることの利点は、実施形態1と同様である。
(実施形態3)
図9~図13を参照して、本発明の実施形態3に係る苗マットMTYを説明する。実施形態3に係る苗マットMTYが第2溝11を有する点で、実施形態3は実施形態1と主に異なる。実施形態3に係る苗移植機100は、図4を参照して説明した苗移植機100と同じである。以下、実施形態3が実施形態1と異なる点を主に説明する。
まず、図9および図10を参照して、苗マットMTYを説明する。図9は、実施形態3に係る苗マットMTYを示す斜視図である。図10は、苗マットMTYを示す底面図である。
図9および図10に示すように、苗マットMTYは、複数の第2溝11を備える。複数の第2溝11は、第2主面部F2の側に設けられ、第1方向D1に沿って延びる。複数の第2溝11は、第2方向D2に沿って間隔をあけて配置される。第2溝11を設けることで、苗移植機100の送出ベルト212(図4(a))は、苗マットMTYを周回方向DAに容易に送り出すことができる。この点の詳細は、図12および図13を参照して後述する。
具体的には、第2溝11は、第1溝7に沿って延びている。また、第2溝11は、第2主面部F2の側において、苗床部1の第1方向D1の一方端部から他方端部まで延びている。
次に、図11を参照して、第2溝11の詳細を説明する。図11(a)は、苗マットMTYにおいて第1溝7および第2溝11を含む部分の断面図である。例えば、図2の苗マットMTが実施形態3に係る苗マットMTYであると仮定すると、図11(a)は、図2のIIIA-IIIA線に沿った断面に相当する。
図11(a)に示すように、第2溝11は、第2主面部F2に対して、方向D4に窪んでいる。方向D4は、第3方向D3の反対の方向である。第2溝11は、苗マットMTYの第1端部9Aおよび第2端部9B以外の部分において、第1溝7に対して第3方向D3に対向する。
第2溝11は、一対の側壁面11Aと、天壁面11Bとを有することが好ましい。一対の側壁面11Aは、互いに第2方向D2に対向する。そして、一対の側壁面11Aは、略平行である。また、一対の側壁面11Aは、第2主面部F2に対して略垂直である。天壁面11Bは、方向D4における一対の側壁面11Aの両端部を接続する。天壁面11Bは、方向D4に向かって凸状に湾曲している。従って、図11(a)の例では、第2溝11は、断面視において、略U字形状を有する。ただし、第2溝11が方向D4に窪んでいる限りは、第2溝11の形状は特に限定されない。
図11(b)は、苗マットMTYにおいて第1端部9Aおよび第2溝11を含む部分の断面図である。例えば、図2の苗マットMTが実施形態3に係る苗マットMTYであると仮定すると、図11(b)は、図2のIIIB-IIIB線に沿った断面に相当する。
図11(b)に示すように、第2溝11は、苗マットMTYの第1方向D1(図9)の一方端部において、苗マットMTYの第1端部9Aに対して第3方向D3に隣接する。つまり、第1端部9Aは、第1主面部F1の側から第2溝11(具体的には天壁面11B)まで延びている。また、第2溝11は、苗マットMTYの第1方向D1の一方端部において、第1端部9Aの凹部91に対して第3方向D3に対向する。
同様に、第2溝11は、苗マットMTYの第1方向D1(図9)の他方端部において、苗マットMTYの第2端部9Bに対して第3方向D3に隣接する。つまり、第2端部9Bは、第1主面部F1の側から第2溝11(具体的には天壁面11B)まで延びている。また、第2溝11は、苗マットMTYの第1方向D1の他方端部において、第2端部9Bの凹部91に対して第3方向D3に対向する。
次に、図12を参照して、図4(a)に示す送出ベルト212の詳細を説明する。図12は、苗移植機100の送出ベルト212を示す斜視図である。図12に示すように、苗移植機100の送出ベルト212は、上下方向に対して傾斜している。上下方向は、鉛直方向に平行である。
送出ベルト212は、複数の凸部216を有する。凸部216は、送出ベルト212の表面217から突出している。一例として、凸部216は、送出ベルト212の表面217から垂直に起立している。また、一例として、凸部216は略直方体形状を有する。
複数の凸部216は、周回方向DAに間隔をあけて配置される。複数の凸部216の各々は、方向DBに沿って延びる。換言すれば、複数の凸部216の各々は、第1方向D1(図9、図10)に沿って延びる。さらに換言すれば、複数の凸部216の各々は、第2溝11(図9、図10)に沿って延びる。また、周回方向DAに隣り合う凸部216の間隔L2は、第2方向D2に隣り合う第2溝11の間隔L1(図10)と略同一である。
次に、図13を参照して、送出ベルト212による苗マットMTYの送り出し動作を説明する。図13は、送出ベルト212および苗マットMTYを示す側面図である。
図13に示すように、送出ベルト212に苗マットMTYが載置されると、送出ベルト212の凸部216が苗マットMTYの第2溝11に係合する。従って、苗マットMTYが送出ベルト212上で滑ることを抑制できる。その結果、実施形態3によれば、送出ベルト212は、苗マットMTYを周回方向DAに確実に送り出すことができる。つまり、送出ベルト212は、苗マットMTYをレール214(図12)に向けて確実に送り出すことができる。
特に、実施形態3では、第2溝11は、第2方向D2に対向する一対の側壁面11Aを有する。従って、第2溝11に対して、送出ベルト212の凸部216を円滑に係合させることができる。また、送出ベルト212が周回方向DAに周回すると、周回方向DAにおける凸部216の端面218が、第2溝11の側壁面11Aと接触する。その結果、より円滑に苗マットMTYを周回方向DAに送り出すことができる。つまり、より円滑に苗マットMTYをレール214に向けて送り出すことができる。
(実施形態4)
図14を参照して、本発明の実施形態4に係る苗マットMTZを説明する。実施形態4に係る苗マットMTZが第2溝11を有する点で、実施形態4は実施形態2と主に異なる。実施形態4に係る苗移植機100は、図4を参照して説明した苗移植機100と同じである。以下、実施形態4が実施形態2と異なる点を主に説明する。
図14は、実施形態4に係る苗マットMTZを示す斜視図である。図14に示すように、苗マットMTZは、複数の第2溝11を備える。実施形態4に係る第2溝11の構成は、図9~図13を参照して説明した実施形態3に係る第2溝11の構成と同様である。従って、送出ベルト212の凸部216が第2溝11に係合する。その結果、実施形態4では、実施形態2と同様に、送出ベルト212は、苗マットMTYをレール214に向けて確実に送り出すことができる。
(実施形態5)
図3、図15、および、図16を参照して、本発明の実施形態5に係る苗マットMTAを説明する。実施形態5に係る苗マットMTAの第1端部9YAが第3溝8を有する点で、実施形態5は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態5が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図15は、実施形態5に係る苗マットMTAを示す平面図である。図16(a)は、図15のXVIA-XVIA線に沿った断面図である。図16(b)は、図15のXVIB-XVIB線に沿った断面図である。
図15に示すように、苗マットMTAにおいて、第1端部9YAは、凹部91に加えて、第3溝8をさらに有する。第3溝8は、第1主面部F1の側に設けられる。また、第3溝8は、第1端部9YAの第1方向D1の端面ESから第1溝7に向かって所定距離L20だけ延びている。所定距離L20は、第1端部9YAの第1方向D1の長さL20よりも短い。さらに、図16(a)に示すように、第3溝8は、第3方向D3に窪む。
また、図16(b)に示すように、第1端部9YAにおいて第3溝8の形成されていない部分915の第3方向D3の厚みd10は、図16(a)に示す第3溝8の最下部83から第2主面部F2までの長さよりも大きい。実施形態5では、「第1端部9YAにおいて第3溝8の形成されていない部分915」は、「第1端部9YAにおいて凹部91の形成されている部分915」である。加えて、第1端部9YAにおいて第3溝8の形成されていない部分915の第3方向D3の厚みd10は、図3(a)に示す第1溝7の最下部73から第2主面部F2までの長さd1よりも大きい。
従って、実施形態1によれば、行ブロック10(図15)の第1方向D1の一方端に位置する苗ブロックSBと苗床部1との繋がりの強度を向上できる。その結果、行ブロック10の一方端に位置する苗ブロックSBを掻き取る際に、植付爪機構300による苗ブロックSBの保持を良好に行うことができる。この点は、実施形態1と同様である。その他、実施形態4に係る苗マットMTAは、実施形態1に係る苗マットMTと同様の効果を有する。なお、図16(b)の例では、厚みd10は、凹部91の底面913から第2主面部F2までの長さを示す。
また、図15に示すように、苗マットMTAにおいて、第2端部9YBは、凹部91に加えて、第3溝8をさらに有する。第3溝8は、第1主面部F1の側に設けられる。また、第3溝8は、第2端部9YBの第1方向D1の端面ESから第1溝7に向かって所定距離L20だけ延びている。所定距離L20は、第2端部9YBの第1方向D1の長さL20よりも短い。さらに、図16(a)に示すように、第3溝8は、第3方向D3に窪む。
また、図16(b)に示すように、第2端部9YBにおいて第3溝8の形成されていない部分915の第3方向D3の厚みd10は、図16(a)に示す第3溝8の最下部83から第2主面部F2までの長さよりも大きい。実施形態5では、「第2端部9YBにおいて第3溝8の形成されていない部分915」は、「第2端部9YBにおいて凹部91の形成されている部分915」である。加えて、第2端部9YBにおいて第3溝8の形成されていない部分915の第3方向D3の厚みd10は、図3(a)に示す第1溝7の最下部73から第2主面部F2までの長さd1よりも大きい。従って、第2端部9YBの構造によっても、第1端部9YAの場合と同様に、行ブロック10(図15)の第1方向D1の一方端に位置する苗ブロックSBと苗床部1との繋がりの強度を向上できる。
なお、図16(a)および図16(b)に示すように、第1端部9YAおよび第2端部9YBにおいて、第1主面部F1に対する第3溝8の深さd200は、凹部91の深さd20よりも深い。また、第3溝8の深さd200は、図3(a)に示す第1溝7の深さd20と略同一である。なお、第3溝8の深さd200は、第1溝7の深さd20と異なっていてもよい。
また、一例として、第3溝8の断面形状は、第1溝7の断面形状と同様である。つまり、第3溝8は、第3方向D3に向かって先細りの形状を有する。図16(a)の例では、第3溝8は、断面視において、略V字形状を有する。つまり、第3溝8は、一対の傾斜面81を有する。一対の傾斜面81は、第3方向D3に向かって互いに近づく。ただし、第3溝8が第3方向D3に窪んでいる限りは、第3溝8の形状は特に限定されない。
なお、図9の第1端部9A、第2端部9Bが、図15の第3溝8を有していてもよい。また、図6および図14の第1端部9XA、第2端部9XBが、図15の第3溝8を有していてもよい。この場合は、第1端部9XAおよび第2端部9XBにおいて第3溝8の形成されていない部分915(図8(b))の第3方向D3の厚みd11は、第1溝7の最下部73から第2主面部F2までの長さd1(図8(a))よりも大きい。図8(b)の例では、厚みd11は、表面93から第2主面部F2までの長さを示す。さらに、第1端部9XAおよび第2端部9XBにおいて第3溝8の形成されていない部分915の第3方向D3の厚みd11は、第3溝8の最下部83から第2主面部F2までの長さd100(図16(a))よりも大きい。
以上、図15および図16を参照して説明したように、第1端部9YAのうちの少なくとも一部(ここでは、部分915)の第3方向D3の厚みd10は、第1溝7の最下部73から第2主面部F2までの長さd1(図3(a))よりも大きい。この点は、第1端部9A、9XAについても同様である。また、第2端部9YBのうちの少なくとも一部の第3方向D3の厚みd10は、第1溝7の最下部73から第2主面部F2までの長さd1よりも大きい。この点は、第2端部9B、9XBについても同様である。
(実施形態6)
図2、図17、および、図18を参照して、本発明の実施形態6に係る補植苗マットMTQを説明する。実施形態5に係る補植苗マットMTQが補植のための苗を育成するマットである点で、実施形態1に係る苗マットMTと主に異なる。以下、実施形態6が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図17は、実施形態6に係る補植苗マットMTQを示す平面図である。図17に示される補植苗マットMTQには、複数の種子(不図示)が播種される。種子から成長した苗は、補植苗マットMTQから掻き取られる。例えば、種子から成長した苗とともに、補植苗マットMTQの一部分がブロック状に掻き取られる。以下、苗を含むブロック状の部分を「補植苗ブロックSBQ」と記載する場合がある。なお、補植苗マットMTQからの補植苗ブロックSBQの掻き取りは、例えば、植付爪機構300によって行ってもよいし、植付爪機構300と同様の構造を有する補植用爪機構(不図示)によって行ってもよい。以下、必要に応じて、補植用爪機構を例に挙げる。
図17の例では、補植苗マットMTQは、略直方体形状(例えば、略矩形平板形状)を有する。補植苗マットMTQは、苗床部1Qと、複数の播種穴31Qと、複数の窪み20とを備える。
苗床部1Qは、略直方体形状(例えば、略矩形平板形状)を有する。苗床部1Qは、種子からの根が伸びることを許容する。その他、苗床部1Qの構成は、図1に示す苗床部1の構成と同様である。
苗床部1Qは、第1主面部F1Qと、第2主面部F2Q(図18(a))とを含む。第1主面部F1Qおよび第2主面部F2Qは、互いに対向しており、略平行である。例えば、苗床部1Qの表面部と裏面部とのうち、第1主面部F1Qは表面部に相当し、第2主面部F2Qは裏面部に相当する。
種子を配置するための複数の播種穴31Qは、第1主面部F1Qの側に設けられる。図17の例では、複数の播種穴31Qは、正方格子状に配置される。具体的には、所定数Kの播種穴31Qが第1方向D10に沿って間隔をあけて配置される。Kは2以上の整数を示す。さらに、所定数Kの播種穴31Qからなる播種穴列19が、第2方向D20に沿って間隔をあけて配置される。第1方向D10は、例えば、補植苗マットMTQの短辺に沿った方向である。第2方向D20は、第1方向D10に交差する。実施形態6では、第2方向D20は、第1方向D10に直交する。第2方向D20は、例えば、補植苗マットMTQの長辺に沿った方向である。
複数の窪み20は、第1主面部F1Qの側に設けられる。平面視において、4つの窪み20が1つの播種穴31Qを囲む。4つの窪み20のうち、一対の第1窪み20Aは、互いに略平行であり、第1方向D10に沿って延びる。また、一対の第1窪み20Aは、播種穴31Qを挟んで、互いに第2方向D20に対向する。4つの窪み20のうち、一対の第2窪み20Bは、互いに略平行であり、第2方向D20に沿って延びる。また、一対の第2窪み20Bは、播種穴31Qを挟んで、互いに第1方向D10に対向する。窪み20を設けることで、補植用爪機構によって、補植苗マットMTQから補植苗ブロックSBQを円滑に掻き取ることができる。補植苗マットMTQから補植苗ブロックSBQを掻き取ることは、補植苗マットMTQから補植苗ブロックSBQを分離することを示す。
所定数Kの第1窪み20Aが、第1方向D10に沿って間隔をあけて配置される。さらに、所定数Kの第1窪み20Aからなる第1窪み列21が、第2方向D20に沿って間隔をあけて配置される。また、所定数Kの第2窪み20Bが、第2方向D20に沿って間隔をあけて配置される。さらに、所定数Kの第2窪み20Bからなる第2窪み列22が、第1方向D10に沿って間隔をあけて配置される。
1つの播種穴31Qに対応する1ブロックが、補植苗ブロックSBQに相当する。播種穴31Qに播種された種子が育生されることにより、苗が育ち、補植苗ブロックSBQが作製される。
次に、図18(a)を参照して、補植苗マットMTQを説明する。図18(a)は、補植苗マットMTQの一部を示す底面図である。図18(a)に示すように、補植苗マットMTQは、複数の裏面窪み25をさらに備える。
複数の裏面窪み25は、第2主面部F2Qの側に設けられる。複数の裏面窪み25は、それぞれ、複数の窪み20(図17)に対応して配置される。平面視において、4つの裏面窪み25が略四角形状に配置される。4つの裏面窪み25のうち、一対の第1裏面窪み25Aは、互いに略平行であり、第1方向D10に沿って延びる。また、一対の第1裏面窪み25Aは、互いに第2方向D20に対向する。4つの裏面窪み25のうち、一対の第2裏面窪み25Bは、互いに略平行であり、第2方向D20に沿って延びる。また、一対の第2裏面窪み25Bは、互いに第1方向D10に対向する。裏面窪み25を設けることで、補植用爪機構によって、補植苗マットMTQから補植苗ブロックSBQを更に円滑に掻き取ることができる。
所定数Kの第1裏面窪み25Aが、第1方向D10に沿って間隔をあけて配置される。さらに、所定数Kの第1裏面窪み25Aからなる第1裏面窪み列227が、第2方向D20に沿って間隔をあけて配置される。また、所定数Kの第2裏面窪み25Bが、第2方向D20に沿って間隔をあけて配置される。さらに、所定数Kの第2裏面窪み25Bからなる第2裏面窪み列28が、第1方向D10に沿って間隔をあけて配置される。
次に、図18(b)を参照して、窪み20および裏面窪み25を説明する。図18(b)は、図17のXVIIIB-XVIIIB線に沿った断面図である。図18(b)に示すように、窪み20と裏面窪み25とは、第3方向D30に対向する。窪み20は、第1主面部F1Qに対して、第3方向D3に窪んでいる。第3方向D30は、第1主面部F1Qから第2主面部F2Qに向かう方向である。つまり、第3方向D30は、第1方向D10および第2方向D20に交差する。実施形態6では、第3方向D30は、第1方向D10および第2方向D20に直交する。
窪み20は、第3方向D3に向かって先細りの形状を有する。図18(b)の例では、窪み20は、断面視において、略V字形状を有する。ただし、窪み20が第3方向D30に窪んでいる限りは、窪み20の形状は特に限定されない。
裏面窪み25は、第3方向D3の反対方向に向かって先細りの形状を有する。図18(b)の例では、裏面窪み25は、断面視において、略逆V字形状を有する。ただし、裏面窪み25が第3方向D30の反対方向に窪んでいる限りは、裏面窪み25の形状は特に限定されない。
播種穴31Qは、第1主面部F1に対して、第3方向D3に窪んでいる。播種穴31Qは、例えば、略円柱形状を有する。ただし、播種穴31Qに種子を配置できる限りにおいては、播種穴31Qの形状は特に限定されない。
次に、図1、図2および図15を参照して、補植について説明する。図1に示す苗マットMTにおいて、例えば、育苗段階から植付作業までの間で局所的な育苗不足が発生することがある。一例として、図2に示す苗マットMTの苗ブロックSBXにおいて、育苗不足が発生した場合を説明する。この場合、補植用爪機構を第1溝7に差し込んで、苗マットMTから、育苗不足になっている種子が配置された苗ブロックSBXを切り離す。その結果、苗マットMTには、苗ブロックSBXが存在していた位置に穴(以下、「穴HL」と記載)が形成される。
一方、補植用爪機構を、図15に示す窪み20に差し込んで、補植苗マットMTQから、育苗が良好な補植苗ブロックSBQを切り離す。そして、補植苗ブロックSBQを、図2に示す苗マットMTの穴HLに差し込むことで補植を行う。つまり、苗マットMTにおいて、苗ブロックSBXに代えて、補植苗ブロックSBQを嵌めることで補植を行う。
実施形態6では、苗マットMTに第1溝7を設けることで、苗マットMTから苗ブロックSBXを容易に切り離すことができる。加えて、補植苗マットMTQに窪み20を設けることによって、補植苗マットMTQから補植苗ブロックSBQを容易に切り離すことができる。その結果、補植作業を円滑に実行できる。
なお、図6の苗マットMTX、図9の苗マットMTY、図14の苗マットMTZ、および、図15の苗マットMTAにおいても、図17の補植苗マットMTQを用いて容易に補植作業を行うことができる。
(実施形態7)
図19、図20A~図20Dおよび図21を参照して、本発明の実施形態7に係る苗マットMTBを説明する。実施形態7に係る苗マットMTBは、第1端部9A、第2端部9Bおよび凹部91を有しない点で、実施形態1~実施形態6と主に異なる。以下、実施形態7が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図19は、実施形態7に係る苗マットMTBを示す斜視図である。図20Aは、苗マットMTBを示す平面図である。図20Bは、苗マットMTBを第1方向D1の一方側D11から示す図(正面図)である。図20Cは、苗マットMTBを第2方向D2の一方側D21から示す図(右側面図)である。図20Dは、苗マットMTBを示す底面図である。なお、苗マットMTBを第1方向D1の他方側D12から示す図(背面図)は、苗マットMTBを第1方向D1の一方側D11から示す図(正面図)と同一であるため省略する。また、苗マットMTBを第2方向D2の他方側D22から示す図(左側面図)は、苗マットMTBを第2方向D2の一方側D21から示す図(右側面図)と同一であるため省略する。
図19および図20A~図20Dに示すように、苗マットMTBは、苗床部1と、複数の播種穴列5と、複数の第1溝7と、複数の第2溝11とを備える。複数の第2溝11は、複数の第1溝7に対して第3方向D3にそれぞれ対向する。つまり、複数の第2溝11は、第2方向D2において複数の第1溝7とそれぞれ同じ位置に配置される。
第1溝7は、第1主面部F1の側において、苗床部1の第1方向D1の一方端部から他方端部まで延びる。第2溝11は、第2主面部F2の側において、苗床部1の第1方向D1の一方端部から他方端部まで延びる。本実施形態では、第1溝7は、苗床部1の第1方向D1の一方側D11の端面から、第1方向D1の他方側D12の端面まで延びる。第2溝11は、苗床部1の第1方向D1の一方側D11の端面から、第1方向D1の他方側D12の端面まで延びる。なお、苗マットMTBには、例えば実施形態1と同様、第1端部9Aおよび第2端部9Bが設けられていてもよい。また、苗マットMTBには、例えば実施形態5と同様、第3溝8が設けられていてもよい。
本実施形態では、第1溝7および第2溝11は、第2方向D2に沿った断面において、互いに異なる形状を有する。従って、第1溝7の形状を、第1主面部F1の側に適した形状にできるとともに、第2溝11の形状を、第2主面部F2の側に適した形状にできる。
例えば、第1溝7は、第3方向D3に向かって先細りの形状を有する。本実施形態では、第1溝7は、断面視において、略V字形状を有する。従って、例えば第1溝7を断面視においてU字形状に形成する場合に比べて、植付爪320を第1溝7に進入させた際に第1溝7の先端(第3方向D3の端部)に応力が集中しやすいので、苗ブロックSBを円滑に掻き取ることができる。
また、例えば、第2溝11は、断面視において、略U字形状を有する。具体的には、実施形態3と同様、複数の第2溝11の各々は、一対の側壁面11Aと、天壁面11Bとを有する。天壁面11Bは、方向D4における一対の側壁面11Aの両端部を接続する。天壁面11Bは、方向D4に向かって凸状に湾曲している。従って、例えば第2溝11を断面視においてV字形状に形成する場合に比べて、苗ブロックSBと苗床部1との繋がりの強度が低くなり過ぎることを抑制できる。よって、第2溝11を断面視において略U字形状に形成することによって、苗マットMTBの透水性および通気性を向上させながら、苗マットMTBの強度が低くなり過ぎることを抑制できる。
ここで、苗マットMTBは、第1主面部F1の側で、かつ、第2方向D2の端部に配置される第1形状部13をさらに備える。本実施形態では、苗マットMTBは、2つの第1形状部13を備える。第1形状部13は、第2方向D2の両端部に配置される。
第1形状部13は、第1溝7の少なくとも一部の形状を有する。従って、複数の苗マットMTBを送出ベルト212に載置した状態で、第2方向D2に隣接する苗マットMTB同士の境界部分には、第1溝7の少なくとも一部の形状を有する溝が形成される。よって、隣接する苗マットMTB同士の境界部分に植付爪320を進入させた際に、植付爪320による掻き取り抵抗が大きくなることを抑制できる。
本実施形態では、第1形状部13は、第1溝7を第2方向D2に略均等に分割した形状を有する。従って、複数の苗マットMTBを送出ベルト212に載置した状態で、第2方向D2に隣接する苗マットMTB同士の境界部分には、第1溝7と略同形状の溝が形成される。よって、隣接する苗マットMTB同士の境界部分に植付爪320を進入させた際における植付爪320による掻き取り抵抗を、苗マットMTBの他の部分に植付爪320を進入させた際における植付爪320による掻き取り抵抗と略同じ大きさにできる。
また、苗マットMTBは、第2主面部F2の側で、かつ、第2方向D2の端部に配置される第2形状部14をさらに備える。本実施形態では、苗マットMTBは、2つの第2形状部14を備える。第2形状部14は、第2方向D2の両端部に配置される。
第2形状部14は、第2溝11の少なくとも一部の形状を有する。従って、複数の苗マットMTBを送出ベルト212に載置した状態で、第2方向D2に隣接する苗マットMTB同士の境界部分には、第2溝11の少なくとも一部の形状を有する溝が形成される。よって、送出ベルト212の凸部216が苗マットMTBの第2主面部F2に接触することを抑制できるので、第2主面部F2の一部が浮き上がることを抑制できる。
本実施形態では、第2形状部14は、第2溝11を第2方向D2に略均等に分割した形状を有する。従って、複数の苗マットMTBを送出ベルト212に載置した状態で、第2方向D2に隣接する苗マットMTB同士の境界部分には、第2溝11と略同形状の溝が形成される。よって、送出ベルト212の凸部216が苗マットMTBの第2主面部F2に接触することを容易に抑制できるので、第2主面部F2の一部が浮き上がることを容易に抑制できる。
また、播種穴31は、苗ブロックSBの中心部に配置される。具体的には、行ブロック10において、複数の播種穴31は、第1方向D1にピッチP31(図20A参照)で配列される。行ブロック10において、第1方向D1の一方側D11の端部に位置する播種穴31の中心と苗マットMTBの第1方向D1の一方側D11の側面との距離L31aは、ピッチP31の略半分の大きさである。また、行ブロック10において、第1方向D1の他方側D12の端部に位置する播種穴31の中心と苗マットMTBの第1方向D1の他方側D12の側面との距離L31bは、ピッチP31の略半分の大きさである。
図21は、図20AのXXI-XXI線に沿った断面図である。図21に示すように、各播種穴31は、円筒部31aと、底部31bとを有する。円筒部31aは、第3方向D3に延びる。円筒部31aは、略円筒形状を有する。底部31bは、第3方向D3における円筒部31aの先端部において、円筒部31aに繋がる。底部31bは、第3方向D3に向かって先細りになっている。本実施形態では、底部31bは、略円錐形状を有する。
また、本実施形態では、各播種穴31は、播種を容易にするための縁部31cを有する。縁部31cは、円筒部31aと第1主面部F1とを接続する。縁部31cは、円筒部31aから第1主面部F1に向かって径方向に広がるように形成される。従って、種子を播種穴31に容易に入れることができる。
(実施形態8)
図22、図23A~図23Dおよび図24を参照して、本発明の実施形態8に係る苗マットMTCを説明する。実施形態8に係る苗マットMTCは、複数の第2溝111を備える点で、実施形態7と主に異なる。以下、実施形態8が実施形態7と異なる点を主に説明する。
図22は、実施形態8に係る苗マットMTCを示す斜視図である。図23Aは、苗マットMTCを示す平面図である。図23Bは、苗マットMTCを第1方向D1の一方側D11から示す図(正面図)である。図23Cは、苗マットMTCを第2方向D2の一方側D21から示す図(右側面図)である。図23Dは、苗マットMTCを示す底面図である。図24は、図23AのXXIV-XXIV線に沿った断面図である。なお、苗マットMTCを第1方向D1の他方側D12から示す図(背面図)は、苗マットMTCを第1方向D1の一方側D11から示す図(正面図)と同一であるため省略する。また、苗マットMTCを第2方向D2の他方側D22から示す図(左側面図)は、苗マットMTCを第2方向D2の一方側D21から示す図(右側面図)と同一であるため省略する。
図22および図23A~図23Dに示すように、苗マットMTCは、苗床部1と、複数の播種穴列5と、複数の第1溝7と、複数の第2溝11と、複数の第2溝111とを備える。第2溝111は、第2方向D2に第2溝11と交互に配置される。複数の第2溝111は、複数の播種穴列5に対して第3方向D3にそれぞれ対向する。つまり、複数の第2溝111は、第2方向D2において複数の播種穴列5とそれぞれ同じ位置に配置される。従って、種子の周囲における苗マットMTCの透水性および通気性が向上するので、発芽を促進できるとともに徒長を抑制できる。
第2溝111は、第2溝11と同様の形状を有する。具体的には、第2溝111は、第2主面部F2の側において、苗床部1の第1方向D1の一方端部から他方端部まで延びる。本実施形態では、第2溝111は、苗床部1の第1方向D1の一方側D11の端面から、第1方向D1の他方側D12の端面まで延びる。
また、図24に示すように、第2溝111は、断面視において、略U字形状を有する。複数の第2溝111の各々は、第2溝11と同様、一対の側壁面11Aと、天壁面11Bとを有する。従って、例えば第2溝111を断面視においてV字形状に形成する場合に比べて、苗ブロックSBと苗床部1との繋がりの強度が低くなり過ぎることを抑制できる。よって、第2溝111を断面視において略U字形状に形成することによって、苗マットMTCの透水性および通気性を向上させながら、苗マットMTCの強度が低くなり過ぎることを抑制できる。
実施形態8のその他の構造及び効果は、実施形態7と同様である。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、または、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
図1、図9、および、図15では、第1端部9A、9YAおよび第2端部9B、9YBは凹部91を有していた。ただし、第1端部9A、9YAおよび第2端部9B、9YBは、凹部91に代えて、切り込みを有していてもよい。この場合、例えば、第1主面部F1に対する切り込みの深さは、第1主面部F1に対する第1溝7の深さd2よりも浅い。