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JP7635451B2 - バケット式流量計 - Google Patents
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Description

本発明の実施形態はバケット式流量計に関する。
バケット式流量計の基本原理は、流入部から流入する液体を、左右に2分割されたバケット(転倒枡)で受け、液体が貯まると貯まった側に転倒を開始し、もう一方で液体を受ける動作を繰り返している。転倒動作を磁力や位置センサ等で検出し、パルス信号として出力して、転倒回数と1 転倒当たりの排液量から流量を算出している。
バケットに一度液体を貯めるため微少流量の測定に適しているが、様々な要因で誤差が生じる。このため、従来では、バケットの1転倒当たりの排液量と流量との相関に基づいて流量・転倒回数の相関関数を作成し、転倒回数から流量を求めたり、バケットに転倒時のみ開く蓋を設けて零れを防止したり、転倒間隔とバケット容量と試験から算出した定数とから零れ量を補正したりする等の方法で、流量の測定精度を確保している。
特開2010-237056号公報
バケット式流量計は一般産業向けの雨量計のほか、原子力発電所の漏洩検知に使用されており、現在、低流量域での測定精度の見直しが計画されている。従来の方法で担保されている精度では十分な信頼性を確保できないことから、測定精度の更なる向上が必要になっている。また、バケットの転倒回数をサンプリングして流量を算出しており連続監視ではないため、測定流量の更新までに時間がかかる。
本発明の実施形態は、上述の事情を考慮してなされたものであり、液体の特定流量域における流量の測定精度を向上できるバケット式流量計を提供することを目的とする。
本発明の実施形態におけるバケット式流量計は、一対の枡部が支点に対する両側に形成されると共に前記支点回りに回動して転倒可能に設けられ、前記枡部に流入部から液体が流入して所定量貯溜したときに転倒して排液するバケットと、前記バケットの転倒時における衝撃を検出する衝撃センサと、前記衝撃センサの検出信号から求めた衝撃力と、液体の流量と衝撃力との関係を定めた流量・衝撃力相関関数とに基づいて前記液体の流量を算出する流量算出手段と、を有することを特徴とするものである。
本発明の実施形態によれば、液体の特定流量域における流量の測定精度を向上できる。
第1実施形態に係るバケット式流量計を示す正面断面図。 図1のバケット式流量計のバケット及び検出ユニットを示す斜視図。 図1のバケット流量計の動作状況を説明する動作図。 図1のバケット式流量計におけるデータ処理の流れを示すブロック図。 図1のバケット式流量計における測定対象の水の流量とバケットの1転倒当たりの排水量との相関関数を示すグラフ。 図4の流量算出回路で用いられる流量・転倒回数相関関数を示すグラフ。 図1のバケット式流量計における流量特性とバケットの1転倒排水量の調整との関係を示すグラフ。 石突部調整機構の一例を示す構成図。 第2実施形態に係るバケット式流量計におけるデータ処理の流れを示すブロック図。 図9のタイマが検出する転倒時間間隔を説明するタイムチャート。 図9の流量算出回路で用いられる流量・転倒時間間隔相関関数を示すグラフ。 第3実施形態に係るバケット式流量計におけるデータ処理の流れを示すブロック図。 図12の残量算出回路がバケット内の水の残量を算出するために必要な残時間と転倒時間間隔を説明するためのタイムチャート。 第4実施形態に係るバケット式流量計におけるデータ処理の流れを示すブロック図。 図14の判定回路が判定する流量・転倒回数相関関数を示し、(A)が全体流量域の同関数を、(B)が特定流量域の同関数をそれぞれ示すグラフ。 図14の判定回路が判定する流量・転倒時間間隔相関関数を示し、(A)が全体流量域の同関数を、(B)が特定流量域の同関数をそれぞれ示すグラフ。 第5実施形態に係るバケット式流量計におけるデータ処理の流れを示すブロック図。 図17の加速度センサから出力されるセンサ信号を示すタイムチャート。 図17の流量算出回路で用いられる流量・衝撃力相関関数を示すグラフ。 第6実施形態に係るバケット式流量計におけるデータ処理の流れを示すブロック図。 図20の転倒方向確認回路がバケットの転倒方向を確認するためのリードスイッチの動作時間を説明するためのタイムチャート。 図20の流量算出回路に入力されるリードスイッチの動作時間を説明するためのタイムチャート。 図20の流量算出回路で用いられる流量・動作時間相関関数を示すグラフ。 第7実施形態に係るバケット式流量計におけるデータ処理の流れを示すブロック図。 図24の判定回路が判定する流量・衝撃力相関関数を示し、(a)が全体流量域の同関数を、(B)が特定流量域の同関数をそれぞれ示すグラフ。 図24の判定回路が判定する流量・動作時間相関関数を示し、(a)が全体流量域の同関数を、(B)が特定流量域の同関数をそれぞれ示すグラフ。 第8実施形態に係るバケット式流量計におけるデータ処理の流れを主に示すブロック図。
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(図1~図8)
図1は、第1実施形態に係るバケット式流量計を示す正面断面図である。また、図2は、図1のバケット式流量計のバケット及び検出ユニットを示す斜視図である。これらの図1及び図2に示すバケット式流量計10は、給水配管20内を流れる液体としての水の流量を測定するものであり、図1、図2及び図4に示すように、バケット11、規制手段としての規制ユニット12、検出手段としての検出ユニット13、積算カウント手段としての積算カウンタ14、流量算出手段としての流量算出回路15、及びケース16を有して構成される。
ケース16は、略円筒形状のケース本体16Aの両端に蓋板16B(図1では一方のみを示す)が固着されてなる。ケース本体16Aの上部から内側へ向かって流入部17が突設され、この流入部17に給水配管20の下流端が接続されている。給水配管20から供給された水は、流入部17からバケット11の枡部18または19(共に後述)に流入(流下)される。また、ケース本体16Aの下部に排水配管21の上流端が接続される。
ケース16の両蓋板16Bには、席板22(図1では一方のみを示す)がボルトなどを用いて固着される。このうち、一方の席板22にバケット11の一方の支点23Aが枢支され、他方の席板22(不図示)に固着された取付板24に、バケット11の他方の支点23Bが枢支される。
このバケット11は、同軸の支点23A及び23Bに対する左右両側に一対の枡部18、19がそれぞれ形成されている。これらの枡部18または19に、流入部17から水が流入して所定量貯溜される。ここで、枡部18と枡部19は同一容量に設定されている。バケット11は、枡部18または19に所定量の水が貯溜されたときに、貯溜した水への重力の作用で支点23A及び23B回りに回動し転倒して、貯溜した水を排出する。また、バケット11から排出された水は、ケース16のケース本体16Aに流れ落ちた後、排水配管21に導かれる。
規制ユニット12は、バケット11の転倒停止位置を規制するものであり、長さ調整可能な石突部25及び26とストッパ27及び28とを有して構成される。バケット11における枡部18の下部に石突部25が、枡部19の下部に石突部26がそれぞれ取り付けられる。また、ストッパ27及び28は席板22に植設される。石突部25がストッパ27に、石突部26がストッパ28にそれぞれ当接することで、バケット11の左右の転倒停止位置が規制される。
図3に示すように、バケット11の枡部19に流入部17から水が流入し所定量貯溜されたときに、バケット11は支点23A及び23Bを中心に図3における時計方向に回動して転倒し、石突部26がストッパ28に当接して転倒動作を停止し、バケット11の枡部19から水を排水する。このとき、バケット11の枡部18が流入部17に対向した位置になるので、次に、流入部17から枡部18に水が流入する。
枡部18に所定量の水が貯溜されたとき、バケット11は支点23A及び23Bを中心に図3における反時計方向に回動して転倒し、石突部25がストッパ27に当接して転倒動作を停止し、バケット11の枡部18から水を排水する。このように、バケット11は、枡部18と枡部19に水を交互に貯溜し、転倒して排水する。
図2に示す検出ユニット13は、バケット11の転倒を検出するものであり、バケット11の支点23A及び23Bの近傍に設置された磁石30と、この磁石30の接近によりON動作し、離反によりOFF動作するリードスイッチ31と、リードスイッチ31に接続された検出回路32と、を有して構成される。
リードスイッチ31は取付板24に設置され、バケット11における支点23A及び23Bの下方に位置づけられる。従って、バケット11が転倒する際には、磁石30もバケット11と共に移動し、この移動する磁石30の磁力によってリードスイッチ31がOFF動作からON動作してパルス信号を出力する。このパルス信号は、バケット11が1回転倒する間に1パルス出力される。このリードスイッチ31からのパルス信号は、検出回路32にて例えばノイズ等が除去されて、図4に示す積算カウンタ14へ出力される。
積算カウンタ14は、検出ユニット13の検出回路32からのパルス信号を単位時間当たり(例えば1分間)でカウントし積算して、バケット11の転倒回数Nをカウントする。ここで、図5に示すように、バケット11の1転倒当たりの排出量(以下、「1転倒排出量」と称する)は、流入部17からバケット11の枡部18または19に流入する水の流量が増加すると、主に増加する。そこで、このような流入部17からバケット11の枡部18または19に流入する水の流量とバケット11の1転倒排出量との関係を定めた図5に示す流量・1転倒排出量相関関数を考慮して、流入部17からバケット11の枡部18または19に流入する水の流量とバケット11の転倒回数との関係を定める流量・転倒回数相関関数が、図6に示すように予め算出されている。
流量算出回路15は、転倒回数を流量計算用パラメータとし、この流量計算用パラメータに基づいて水の流量を算出する。つまり、流量算出回路15は、上述の流量・転倒回数相関関数(図6)に基づいて、積算カウンタ14がカウントしたバケット11の転倒回数Nから、流入部17からバケット11に流入する水の流量、即ち給水配管20内を流れる水の流量を算出し、流量信号として外部へ出力する。
ところで、前述の如く、流入部17からバケット11に流入する水の流量が増加すると、バケット11の1転倒排出量が主に増加する(図5)。また、図1示す規制ユニット12の石突部25、26の長さを長く調整して、バケット11の転倒停止位置を高く(上昇して)設定すると、図7に示すように、バケット11の1転倒排出量が減少する。そこで、例えば警報発生用の設定値X(図7)近傍の特定流量域Yにおける流量の変化に対するバケット11の1転倒排出量の変化が小さくなる(即ち、1転倒排出量が略一定になる)ように石突部25及び26の長さを調整(例えば図7の実線表示)して、バケット11の転倒停止位置が設定される。ここで、特定流量域Yは、例えば設定値Xを含み、全流量域に対して20%か、それよりも狭い範囲として設定する。
上述のように、石突部25及び26の長さが調整されたときの流量・1転倒排水量相関関数(図5参照)から算出された流量・転倒回数相関関数(図6参照)を用いて、バケット11の転倒回数から、流入部17からバケット11に流入する水の流量が流量算出回路15によって算出される。
なお、規制ユニット12における石突部25及び26の長さ調整は、手動でなされるほか、図8に示す石突部調整機構33を用いて、外部信号iにより自動で調整されてもよい。例えば、バケット11に取付可能な筒体24内に可動バー35が配設され、この可動バー35の下端に石突部25または26が設置される。また、筒体34内に設けられる可動バー35の上端に、磁石(電磁石または永久磁石)36が設置される。筒体34の上端には電磁石37が設置され、この電磁石37が外部信号iにより磁力を変化させることで、磁石36を介して可動バー35が移動し、石突部25及び26の位置が調整される。
以上のように構成されたことから、本第1実施形態によれば、次の効果(1)及び(2)を奏する。
(1)流入部17からバケット11に流入する水の特定流量域Yにおける流量の変化に対してバケット11の1転倒排水量の変化が小さくなる(即ち1転倒排水量が略一定になる)ように、規制ユニット12の石突部25及び26の長さを調整してバケット11の転倒停止位置を設定し、このときの流量・1転倒排水量相関関数から算出された流量・転倒回数相関関数に基づき、積算カウンタ14がカウントした転倒回数Nから流量算出手段15が流量を算出して測定する。これにより、水の特定流量域Yにおける流量の測定精度を向上させることができ、この結果、警報の誤発生も防止できる。
(2)石突部25及び26の長さ(バケット11の転倒停止位置)が、石突部調整機構33を用いて外部信号iにより調整されるので、作業員が容易に立ち寄れない箇所にバケット式流量計10が設置された場合においても、石突部調整機構33を用いることでバケット11の1転倒排水量を容易に変更できる。このため、バケット11による水の流量の測定精度を向上させることができる。
[B]第2実施形態(図9~図11)
図9は、第2実施形態に係るバケット式流量計におけるデータ処理の流れを示すブロック図である。この第2実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第2実施形態のバケット式流量計40が第1実施形態と異なる点は、積算カウンタ14及び流量算出回路15に代えて、バケット11の転倒時間間隔を検出するタイマ手段としてのタイマ41と、複数の転倒時間間隔を記憶する記憶回路42と、複数の転倒時間間隔から平均値を算出する平均値算出手段としての平均回路43と、転倒時間間隔または平均値からバケット11に流入する水の流量を算出する流量算出手段としての流量算出回路44と、を有する点である。
つまり、タイマ41は、検出ユニット13の検出回路32から出力された隣接するパルス信号PS(図10)の各立上り時刻S…の時間間隔から、バケット11の転倒から次の転倒までの1転倒当たりの転倒時間間隔Tを検出する。
記憶回路42は、タイマ41から出力されるバケット11の転倒時間間隔Tを保持する。また、バケット11に流入する水は、流量が瞬間的に変動して、図10に示すように、パルス信号PSの転倒時間間隔がTとは異なる値のT1に変化することがある。これを考慮して、平均回路43は、記憶回路42に保持されたバケット11の複数の転倒時間間隔T、T1…を平均して平均値を算出する。
流量算出回路44は、転倒時間間隔を流量計算用パラメータとし、また、平均回路43が算出した転倒時間間隔の平均値を流量計算用パラメータとし、これらの流量計算用パラメータに基づいて水の流量を算出する。つまり、流量算出回路44は、まず、流入部17からバケット11に流入する水の流量とバケット11の転倒時間間隔Tとの関係を定めた図11に示す流量・転倒時間間隔相関関数を備える。次に、流量算出回路44は、この流量・転倒時間間隔相関関数に基づいて、タイマ41から出力されたバケット11の転倒時間間隔Taからバケット11に流入する水の流量Vaを算出し、平均回路43から出力されたバケット11の転倒時間間隔Tの平均値Tbからバケット11に流入する水の流量Vbを算出する。
以上のように構成されたことから、本第2実施形態によれば、次の効果(3)及び(4)を奏する。
(3)タイマ41が、バケット11の1転倒当たりの転倒時間間隔Tを検出し、流量算出回路44が、この1転倒当たりの転倒時間間隔Tを用いてバケット11に流入する水の流量を算出するので、流量の測定をバケット11の1回の転倒毎に実施できる。この結果、流量の測定情報を、第1実施形態のように一定時間毎ではなく、バケット11の1転倒毎に更新することができる。
(4)流量算出回路44が、平均回路43により算出された複数の転倒時間間隔Tの平均値から流量を算出する場合には、バケット11に流入する水の流量の瞬間的な変動に拘わらず、バケット11に流入する水の流量を安定して正確に測定できる。
[C]第3実施形態(図12、図13)
図12は、第3実施形態に係るバケット式流量計におけるデータ処理の流れを示すブロック図である。図13は、図12の残量算出回路がバケット内の水の残量を算出するために必要な残時間Mと転倒時間間隔Tの関係を示すタイムチャートである。この第3実施形態において第1及び第2実施形態と同様な部分については、第1及び第2実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第3実施形態のバケット式流量計50が第1及び第2実施形態と異なる点は、流量算出手段としての流量算出回路51が、積算カウンタ14にてカウントされたバケット11の転倒回数Nと流量・転倒回数相関関数とを用いてバケット11に流入する水の流量を算出する第1機能と、タイマ41にて検出されたバケット11の転倒時間間隔Tと流量・転倒時間間隔相関関数とを用いてバケット11に流入する水の流量を算出する第2機能とを、選択してまたは同時に実行すると共に、残時間検出手段としての残時間検出回路52、残量算出手段としての残量算出回路53、及び補正手段としての流量加減算回路54を有する点である。
残時間検出回路52は、リードスイッチ31及び検出回路32からのパルス信号を用いて積算カウンタ14がバケット11の転倒回数Nをカウントするための1周期内におけるバケット11の最後の転倒の立上り時刻Sから、上記1周期の終了時刻Seまでの残時間Mを検出する。
残量算出回路53は、まず、残時間検出回路52が検出した残時間Mと、タイマ41が検出したバケット11の転倒時間間隔Tとの比(M/T)を求める。次に、残量算出回路53は、流量算出回路51が流量を算出した時点でのバケット11の1転倒排水量に上記比(M/T)を乗算することで、上記1周期内においてバケット11から排出されずにバケット11に残溜した水の残量を算出する。
流量加減算回路54は、残量算出回路53にて算出された水の残量を用いて、流量算出回路51が第1機能で算出した水の流量を補正する。例えば、上記1周期内においてバケット11に水が残溜している場合には、この残溜量(残量)を、流量算出手段51が算出した流量に加算して流量を補正する。また、上記1周期に連続する次の1周期において流量算出回路51が算出した水の流量からは、前の1周期においてバケット11内に残溜した水の残量が加算されているので、これを減算して流量を補正する。なお、流量算出回路51が第1機能のみを選択している場合においても、タイマ41は動作状態にあるものとする。
以上のように構成されたことから、本第3実施形態によれば、第1及び第2実施形態の効果(1)~(4)と同様な効果を奏するほか、次の効果(5)を奏する。
(5)バケット11の転倒回数Nをカウントするための1周期においてバケット11に残溜する水の残量を残量算出回路53が算出し、この残量を用いて流量加減算回路54が、流量算出回路51の第1機能により算出された流量を補正する。このため、バケット11の転倒回数Nを用いて算出される流量の測定精度を向上させることができる。
[D]第4実施形態(図14~図16)
図14は、第4実施形態に係るバケット式流量計におけるデータ処理の流れを示すブロック図である。この第4実施形態において第1~第3実施形態と同様な部分については、第1~第3実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第4実施形態のバケット式流量計60が第1~第3実施形態と異なる点は、流量計算用パラメータと流量との相関関数(即ち、流量・転倒回数相関関数または流量・転倒時間間隔相関関数)のそれぞれについて全体流量域(図15(A)、図16(A))と、特定流量域(図15(B)、図16(B))の2種類の関数を用意し、流量算出回路51が2種類の関数のいずれを使用すべきかを判定する判定手段としての判定回路61と、を有する点である。
ここで、特定流量域は、例えば警報を発生させる設定値X(図15(B)、図16(B))近傍の特定流量域Yである。全体流量域は、特定流量域Yを含む広範囲の流量域である。特に、特定流量域Yの関数(流量・転倒回数相関関数、流量・転倒時間間隔相関関数)は、全体流量域の相関関数に比べてプロット数が密であり、予め計測された実際の特性に近似したものになっている。
流量・転倒回数相関関数における特定流量域Yの関数は、バケット11の転倒回数Nがn1~n2の範囲に対応する。また、流量・転倒時間間隔相関関数における特定流量域Yは、バケット11の転倒時間間隔Tがt1~t2の範囲に対応する。
判定回路61は、流量算出回路51によるバケット11に流入する水の流量算出時に、流量算出手段51に入力される流量計算用パラメータの値、即ち、積算カウンタ14から流量算出回路51に入力されるバケット11の転倒回数Nの値がn1~n2の範囲であれば、図15(B)に示す特定流量域Yの流量・転倒回数相関関数を流量算出回路51が使用すべきであると判定する。また、判定回路61は、積算カウンタ14から流量算出回路51に入力されるバケット11の転倒回数Nの値がn1~n2の範囲以外であれば、図15(A)に示す全体流量域の流量・転倒回数相関関数を流量算出回路51が使用すべきであると判定する。
また、判定回路61は、流量算出回路51によるバケット11に流入する水の流量算出時に、流量算出手段51に入力される流量計算用パラメータの値、即ち、タイマ41から流量算出回路51に入力されるバケット11の転倒時間間隔Tの値がt1~t2の範囲であれば、図16(B)に示す特定流量域Yの流量・転倒時間間隔相関関数を流量算出回路51が使用すべきであると判定する。また、判定回路61は、タイマ41から流量算出回路51に入力されるバケット11の転倒時間間隔Tの値がt1~t2の範囲以外であれば、図16(A)に示す全体流量域の流量・転倒時間間隔相関関数を流量算出回路51が使用すべきであると判定する。
以上のように構成されたことから、本第4実施形態によれば、第1~第3実施形態の効果(1)~(5)と同様な効果を奏するほか、次の効果(6)を奏する。
(6)判定回路61は、流量・転倒回数相関関数または流量・転倒時間間隔相関関数のそれぞれについて用意された全体流量域と特定流量域Yの2種類の関数のいずれを流量算出回路図11が使用すべきかを、流量算出回路51に入力される転倒回数Nまたは転倒時間間隔Tによって判定している。このため、特に特定流量域Yの相関関数を流量算出回路51が使用する場合には、この特定流量域Yの相関関数が実際の特性と近似したものであることから、この特定流量域Yでの流量の測定精度を向上させることができる。
[E]第5実施形態(図17~図19)
図17は、第5実施形態に係るバケット式流量計におけるデータ処理の流れを示すブロック図である。この第5実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第5実施形態のバケット式流量計70が第1~第4実施形態と異なる点は、バケット11の転倒時における衝撃を検出する衝撃センサとしての加速度センサまたは力センサ(本第5実施形態では加速度センサ71)と、加速度センサ71のセンサ信号からバケット11の転倒時における衝撃力を算出する衝撃力算出手段としての衝撃力算出回路72と、バケット11の転倒時における衝撃力を用いてバケット11に流入する水の流量を算出する流量算出手段としての流量算出回路73と、を有する点である。
加速度センサ71は、図1に2点鎖線で示すように、ケース16及び席板22の少なくの一方に設置される。流入部17からバケット11に流入する水の流量が多いほどバケット11が勢いよく転倒するため、バケット11の転倒時の衝撃を検出する加速度センサ71からのセンサ信号(検出信号)は、図18に示すように、バケット11に流入する水が低流量のときの振幅J1よりも、高流量のときの振幅J2の方が大きい。このセンサ信号の振幅J1、J2の値から、衝撃力算出回路72が衝撃力を算出する。
流量算出回路73は、加速度センサ71のセンサ信号から求めた衝撃力を流量計算用パラメータとし、この流量計算用パラメータに基づいて水の流量を算出する。つまり、流量算出回路73は、流入部17からバケット11に流入する水の流量と加速度センサ71のセンサ信号から衝撃力算出回路72が算出した衝撃力との関係を定めた図19に示す流量・衝撃力相関関数に基づいて、衝撃力算出回路72が求めた衝撃力からバケット11に流入する水の流量を算出する。
以上のように構成されたことから、本第5実施形態によれば、次の効果(7)を奏する。
(7)バケット11の1転倒時の衝撃を加速度センサ71が検出し、この加速度センサ71のセンサ信号から衝撃力算出回路72が衝撃力を算出し、この衝撃力を用いて、流量算出回路73が流量・衝撃力相関関数に基づき、バケット11に流入する水の流量を算出する。このため、バケット11の1転倒毎に流量の測定情報を更新することができる。更に、加速度センサ71には、リードスイッチ31と異なり駆動部がないので、加速度センサ71のメンテナンスを不要にできる。
[F]第6実施形態(図20~図23)
図20は、第6実施形態に係るバケット式流量計におけるデータ処理の流れを示すブロック図である。この第6実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第6実施形態のバケット式流量計80が第1実施形態と異なる点は、図20及び図21に示すように、検出ユニット13のリードスイッチ31から検出回路32を経て出力されるパルス信号の幅Ua、Ubを動作時間として検出する動作時間検出回路81と、この動作時間検出回路81が検出した動作時間Ua、Ubの差cから、バケット11の転倒方向を確認する転倒方向確認手段としての転倒方向確認回路82と、動作時間検出回路81が検出した動作時間Ua、Ubを用いてバケット11に流入する水の流量を算出する流量算出手段としての流量算出回路83と、を有する点である。
検出ユニット13は、磁石30とリードスイッチ31との距離を調整すること等によって、図21に示すように、バケット11が左方向に転倒している場合の動作時間Uaと、右方向に転倒している場合の動作時間Ubとに差cを生じさせることが可能である。転倒方向確認回路82は、このリードスイッチ31から出力される隣接した動作時間Ua、Ubに差cが存在することで、バケット11が左右に交互に転倒していることを確認する。
リードスイッチ31の動作時間は、図22に示すように、流入部17からバケット11に流入する水の流量が低流量である場合には動作時間Ua、Ubであるが、高流量になると、左右の転倒方向で同時間dだけ減少して、Ua1、Ub1(Ua1<Ua、Ub1<Ub)に変化する。なお、これらの高流量の動作時間Ua1、Ub1においても、バケット11の左右の転倒方向における時間差cは維持されている。
図20に示す流量算出回路83は、リードスイッチ31の動作時間を流量計算用パラメータとし、この流量計算用パラメータに基づいて水の流量を算出する。つまり、流量算出回路83は、流入部17からバケット11に流入する水の流量とリードスイッチ31の動作時間Ua(Ua1)、Ub(Ub1)との関係を定めた図23に示す流量・動作時間相関関数に基づいて、動作時間検出回路81が検出したリードスイッチ31の動作時間Ua(Ua1)、Ub(Ub1)からバケット11に流入する水の流量を算出する。
以上のように構成されたことから、本第6実施形態によれば、次の効果(8)を奏する。
(8)転倒方向確認回路82がバケット11の左右の転倒方向における動作時間Ua(Ua1)、Ub(Ub1)の差cからバケット11の転倒方向を確認するので、バケット11が左右交互に転倒していることを判定できる。また、流量算出回路83が、バケット11の左右それぞれ1回の転倒時間Ua(Ua1)、Ub(Ub1)の変化から、バケット11に流入する水の流量を算出するので、バケット11の1転倒毎に流量の測定情報を更新することができる。
[G]第7実施形態(図24~図26)
図24は、第7実施形態に係るバケット式流量計におけるデータ処理の流れを示すブロック図である。この第7実施形態において第5及び第6実施形態と同様な部分については、第5及び第6実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第7実施形態のバケット式流量計90が第5及び第6実施形態と異なる点は、流量計算用パラメータと流量との相関関数(即ち、流量・衝撃力相関関数または流量・動作時間相関関数)のそれぞれについて全体流量域(図25(A)、図26(A))と、特定流量域(図25(B)、図26(B))の2種類の関数を用意し、流量算出回路73、83が2種類の関数のいずれを使用すべきかを判定する判定手段としての判定回路91と、を有する点である。
ここで、特定流量域は、例えば警報を発生させる設定値X(図25(B)、図26(B))近傍の特定流量域Yである。全体流量域は、特定流量域Yを含む広範囲の流量域である。特に、特定流量域Yの関数(流量・衝撃力相関関数、流量・動作時間相関関数)は、全体流量域の相関関数に比べてプロット数が密であり、予め計測された実際の特性に近似したものになっている。
流量・衝撃力相関関数における特定流量域Yの関数は、バケット11への衝撃力がp1~p2の範囲に対応する。また、流量・動作時間相関関数における特定流量域Yは、リードスイッチ31の動作時間がq1~q2の範囲に対応する。
判定回路91は、流量算出回路73によるバケット11に流入する水の流量算出時に、流量算出回路73に入力される流量計算用パラメータの値、即ち、衝撃力算出回路72から流量算出回路73に入力されるバケット11への衝撃力の値がp1~p2の範囲であれば、図25(B)に示す特定流量域Yの流量・衝撃力相関関数を流量算出回路73が使用すべきであると判定する。また、判定回路91は、衝撃力算出回路72から流量算出回路73に入力されるバケット11への衝撃力の値がp1~p2の範囲以外であれば、図25(A)に示す全体流量域の流量・衝撃力相関関数を流量算出回路73が使用すべきであると判定する。
また、判定回路91は、流量算出回路83によるバケット11に流入する水の流量算出時に、流量算出回路83に入力される流量計算用パラメータの値、即ち、動作時間検出回路81から流量算出回路83に入力されるリードスイッチ31の動作時間の値がq1~q2の範囲であれば、図26(B)に示す特定流量域Yの流量・動作時間相関関数を流量算出回路83が使用すべきであると判定する。また、判定回路91は、動作時間検出回路81から流量算出回路83に入力されるリードスイッチ31の動作時間の値がq1~q2の範囲以外であれば、図26(A)に示す全体流量域の流量・動作時間相関関数を流量算出回路83が使用すべきであると判定する。
以上のように構成されたことから、本第7実施形態によれば、第5及び第6実施形態の効果(7)及び(8)と同様な効果を奏するほか、次の効果(9)を奏する。
(9)判定回路91は、流量・衝撃力相関関数または流量・動作時間相関関数のそれぞれについて用意された全体流量域と特定流量域Yの2種類の関数のいずれを流量算出回路73、83が使用すべきかを、流量算出回路73に入力されるバケット11への衝撃力、流量算出回路83に入力されるリードスイッチ31の動作時間によってそれぞれ判定している。このため、特に特定流量域Yの相関関数を流量算出回路73、83が使用する場合には、この特定流量域Yの相関関数が実際の特性と近似したものであることから、この特定流量域Yでの流量の測定精度を向上させることができる。
[H]第8実施形態(図27)
図27は、第8実施形態に係るバケット式流量計におけるデータ処理の流れを主に示すブロック図である。この第8実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第8実施形態のバケット式流量計100が第1実施形態と異なる点は、水が流れる給水配管20に設けられて水の温度を検出する温度センサ101と、この温度センサ101が検出した水の温度から流量測定時間内の水の蒸発量を求め、この蒸発量を、流量算出回路15が算出した水の流量に加算して補正する温度補正手段としての温度補正回路102と、を有する点である。
流入部17からバケット11に流入する水は、高温である場合、バケット11が転倒するまでの間に蒸発して、バケット11の転倒による水の流量測定に反映されない。そこで、温度補正回路102は、流入部17からバケット11に水が流入してからバケット11が転倒するまでの間に蒸発する水の蒸発量を、温度センサ101が検出した水の温度から求め、この蒸発量にバケット11の転倒回数Nを乗算した値を、流量算出回路15が算出した水の流量に加算して流量を補正している。
以上のように構成されたことから、本第8実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)及び(2)と同様な効果を奏するほか、次の効果(9)を奏する。
(9)温度補正回路102は、バケット11に流入する水の蒸発量を、温度センサ101が検出した水の温度から算出し、この蒸発量を、流量算出回路15が算出した水の流量に加算して補正している。このため、水の温度が高く一部が蒸発してしまう場合であっても、流量の測定精度を向上させることができる。
なお、本第8実施形態は第1実施形態への適用に限定されず、第2~第7の各実施形態に適用可能である。従って、これらの場合には、第8実施形態の効果(9)に加えて、第2~第7の各実施形態の効果も奏する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、第1~第8実施形態では、流量を測定する対象の液体が水の場合を述べたが、例えばアルコールなどのように水以外の他の液体であってもよい。
10…バケット式流量計、11…バケット、12…規制ユニット(規制手段)、13…検出ユニット(検出手段)、14…積算カウンタ(積算カウント手段)、15…流量算出回路(流量算出手段)、17…流入部、18、19…枡部、23A、23B…支点、25、26…石突部、30…磁石、31…リードスイッチ、33…石突部調整機構、40…バケット式流量計、41…タイマ(タイマ手段)、43…平均回路(平均値算出手段)、44…流量算出回路(流量算出手段)、50…バケット式流量計、51…流量算出回路(流量算出手段)、52…残時間検出回路(残時間検出手段)、53…残量算出回路(残量算出手段)、54…流量加減算回路(補正手段)、60…バケット式流量計、61…判定回路(判定手段)、70…バケット式流量計、71…加速度センサ(衝撃センサ)、73…流量算出回路(流量算出手段)、80…バケット式流量計、82…転倒方向確認回路(転倒方向確認手段)、83…流量算出回路(流量算出手段)、90…バケット式流量計、91…判定回路(判定手段)、100…バケット式流量計、101…温度センサ、102…温度補正回路(温度補正手段)、i…外部信号、M…残時間、N…転倒回数、Se…終了時刻、T…転倒時間間隔、Ua、Ub…動作時間、Y…特定流量域

Claims (3)

  1. 一対の枡部が支点に対する両側に形成されると共に前記支点回りに回動して転倒可能に設けられ、前記枡部に流入部から液体が流入して所定量貯溜したときに転倒して排液するバケットと、
    前記バケットの転倒時における衝撃を検出する衝撃センサと、
    前記衝撃センサの検出信号から求めた衝撃力と、液体の流量と衝撃力との関係を定めた流量・衝撃力相関関数とに基づいて前記液体の流量を算出する流量算出手段と、を有することを特徴とするバケット式流量計。
  2. 前記流量・衝撃力相関関数について全体流量域と特定流量域の2種類の関数を用意し、流量算出手段による流量の算出時に、前記流量算出手段に入力される衝撃力の値から、前記流量算出手段が前記2種類の関数のいずれを使用すべきかを判定する判定手段を、更に有することを特徴とする請求項に記載のバケット式流量計。
  3. 前記流体が流れる配管に設けられて前記液体の温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサが検出した前記液体の温度から流量測定時間内に蒸発する前記液体の蒸発量を求め、この蒸発量を、流量算出手段が算出した前記液体の流量に加算して補正する温度補正手段と、を更に有することを特徴とする請求項1または2に記載のバケット式流量計。
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