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JP7635507B2 - 壁紙及びその製造方法 - Google Patents
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Description

この発明は、環境に配慮した、耐汚染性・耐傷性の高い壁紙及びその製造方法に関する。
従来、エチレンと酢酸ビニルのランダム共重合体をケン化して得られる結晶性ポリマーで作られたフィルムを、基材上に貼り合わせ被膜処理した汚れ防止壁紙が知られている(特許文献1の7頁3~10行及び第4図参照)。
また、従来、基材層上に、オレフィン系熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂層と、絵柄層とナイロン樹脂からなる表面層を順に積層し、表面層側から発泡樹脂層にかけて凹凸模様を施した壁紙が知られている(特許文献2の段落[0013]及び図1参照)。
また、上記従来の発泡樹脂層を形成するオレフィン系熱可塑性樹脂として、エチレン-酢酸ビニル共重合体が例示されている(特許文献2の段落[0015]参照)。
従来、紙基材上に、無機酸化物からなる蒸着薄膜層、ガスバリア性被膜層を順次積層し、ガスバリア性被膜層上に、接着剤層を介して、ポリ塩化ビニルもしくは発泡ポリ塩化ビニルからなる表面材を形成した揮発性有害物質を遮断する壁紙が知られている(特許文献3の段落[0018]及び図1参照)。
実開昭59-172797号公報 特開2002-52665号公報 特開2005-171446号公報
上記した従来の壁紙には、発泡樹脂層の表面にナイロンフィルム層や、エチレン・ビニルアルコール共重合体のフィルム層を有するものがある。
これらは水拭きや中性洗剤を使用して汚れを落とすことができ、又、耐傷性にも優れているため、汚れやすい玄関廊下、キッチンスペース、洗面トイレなど幅広い住居空間で使用されている。
また、一般的な住宅においては、発泡樹脂層からなる壁紙を使用した場合、ガス透過率が高いため、壁面の木質系基材等の下地材に使用する接着剤や、接着剤から遊離するモノマー、残留溶剤、化学物質などの揮発性有害物質が居室側へ浸透するという課題があるが、エチレン・ビニルアルコール共重合体のフィルム層を有する壁紙では、その高いガスバリア性でそれら課題を解決することができる。
しかし、エチレン・ビニルアルコール共重合体フィルム層を有する壁紙は、現在、塩ビ系樹脂のものしか存在しない。
塩ビ系樹脂の壁紙は、焼却時にその主材料である塩ビが環境や人体に有毒な塩素ガスを発生するため、近年では非塩ビ樹脂系の壁紙の需要が高まりつつある。
しかし、非塩ビ系の樹脂とエチレン・ビニルアルコール共重合体フィルム層の密着性の低さが原因で、十分な密着強度が得られないだけでなく、エンボス模様の意匠性の乏しさなどの課題があり、現在そのような壁紙は市場には存在していない。
また、ナイロンフィルム層を有する壁紙は、不完全燃焼時にシアン化水素が発生するため、室内など閉鎖空間での火災の際に、一酸化炭素中毒だけでなくシアン中毒も合併し、重症化する可能性がある。
そこで、本発明の一態様は、上記課題を解決すべく、環境に配慮した、耐汚染性・耐傷性の高い壁紙及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明の一態様に係る壁紙は、紙基材と、樹脂成分、発泡剤及び充填剤を少なくとも含有する発泡樹脂層と、印刷による絵柄模様を有する絵柄層と、エチレン・ビニルアルコール共重合体の表面フィルム層と、が順次積層されている壁紙であって、前記発泡樹脂層には、エチレン-酢酸ビニル共重合体と、エチレン-不飽和カルボン酸共重合体との少なくとも一方の樹脂を含有する非塩ビ系の樹脂を使用し、前記発泡樹脂層の坪量を、80g/m2以上100g/m2以下に設定することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る壁紙は、前記紙基材の秤量を、50g/m2以上70g/m2以下に設定することを特徴とする。
本発明の一態様に係る壁紙は、前記発泡剤の添加量が、前記発泡樹脂層の樹脂成分100質量部に対し、5質量部以上20質量部以下であることを特徴とする。
本発明の一態様に係る壁紙の製造方法は、紙基材と、樹脂成分、発泡剤及び充填剤を少なくとも含有する発泡樹脂層と、印刷による絵柄模様を有する絵柄層と、エチレン・ビニルアルコール共重合体の表面フィルム層と、を順次積層し、前記発泡樹脂層の加熱発泡直後、前記絵柄層の表面に、フィルムを一定の温度と、所定の圧力とをかけながらラミネートし、その後、冷却することで前記表面フィルム層を形成することを特徴とする。
本発明の一態様に係る壁紙の製造方法は、前記発泡樹脂層に、エチレン-酢酸ビニル共重合体と、エチレン-不飽和カルボン酸共重合体との少なくとも一方の樹脂を含有する非塩ビ系の樹脂を使用し、前記発泡樹脂層の坪量を、80g/m2以上100g/m2以下に設定することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、環境に配慮した、耐汚染性・耐傷性の高い壁紙及びその製造方法を提供できる。
第1実施形態に関わる壁紙の断面図である。
(壁紙10)
図1中、10は、壁紙10であり、壁紙10は、非塩ビ系の発泡樹脂層12の表面に、エチレン・ビニルアルコール共重合体の表面フィルム層14を有するものである。壁紙10は、水拭きや中性洗剤を使用して汚れを落とすことができ、又、耐傷性にも優れているため、汚れやすい玄関廊下、キッチンスペース、洗面トイレなど幅広い住居空間で使用可能である。
壁紙10の層構成は、次の通りであり、4層である。
なお、次の(1)~(4)については、後述する。
(1)紙基材11
(2)発泡樹脂層12
(3)絵柄層13
(4)表面フィルム層14
なお、壁紙10の層構成は、上記した(1)~(4)に限定されず、壁紙10の表面に、凹凸模様を構成するエンボス模様15を形成しても良い。また、絵柄層13と表面フィルム層14との間に、図示しないが、アンカーコート層を設けても良い。
(紙基材11)
紙基材11は、例えば、壁紙用の裏打紙等、紙基材として通常使用されている材料であれば、特に限定されずに使用可能である。例えば、水溶性難燃剤を含浸させたパルプ主体の難燃紙や、無機質剤を混抄した無機質紙等を用いることが可能である。
裏打ち紙の秤量は、50g/m2以上70g/m2以下に設定する。これは、壁紙10としての強度を維持しつつ、不燃性能を付与するためである。
(発泡樹脂層12)
発泡樹脂層12は、非塩ビ系であり、紙基材11上に積層される。
発泡樹脂層12は、樹脂成分と、充填剤と、発泡剤と、発泡助剤と、樹脂分と、添加剤を含有している。そして、発泡剤が発泡することで発泡樹脂層12となる。
発泡樹脂層12の坪量を、80g/m2以上100g/m2以下に設定する。これは、不燃性能を付与しつつ、意匠性を維持するためである。
発泡樹脂層12の樹脂成分として、エチレン-酢酸ビニル共重合体と、エチレン-不飽和カルボン酸共重合体との少なくとも一方の樹脂を含有する非塩ビ系の樹脂を使用する。
エチレン共重合体に含有されるエチレン以外のモノマーの含有量としては、例えば、5質量%以上25質量%以下の範囲内が好ましく、9質量%以上20質量%以下の範囲内がより好ましい。このような共重合比率を採用することにより、押出し製膜性を向上させることが可能となる。
具体例としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルの共重合比率(VA量)としては9質量%以上25質量%以下の範囲内が好ましく、9質量%以上20質量%以下の範囲内がより好ましい。また、エチレン-メチルメタクリレート共重合体は、メチルメタクリレートの共重合比率(MMA量)としては5質量%以上25質量%以下の範囲内が好ましく、5質量%以上15質量%以下の範囲内がより好ましい。
また、エチレン-メタクリル酸共重合体は、アクリル酸の共重合比率(MAA量)としては2質量%以上15質量%以下の範囲内が好ましく、5質量%以上11質量%以下の範囲内がより好ましい。
(充填剤)
充填剤としては、例えば、無機充填剤を用いることが可能である。
無機充填剤は、一種を単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることも可能である。無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、二酸化チタン、カオリン等を用いることが可能である。
充填剤の含有量は、樹脂層の樹脂成分100質量部に対し60質量部以上120質量部以下含有することが好ましい。この範囲で充填剤を添加することで、単位面積当たりの燃焼カロリーが低減して、より壁紙10の不燃性が向上する。
(発泡剤)
発泡剤は、揮発性膨張剤であり、2種類以上のニトリル系モノマーを構成単位とするポリマー、若しくは2種類以上のニトリル系モノマー及び非ニトリル系モノマーを構成単位とするポリマーの一方からなるシェルに内包して、熱膨張性マイクロカプセルの形で樹脂層の樹脂成分に添加するのが、性能(発泡倍率、強度)の観点から好ましい。発泡剤としては、その他、アゾ系、ヒドラジッド系、ニトロソ系等が使用可能である。
発泡剤は、樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下、好ましくは5質量部以上15質量部以下程度が良い。これは、1重量部でも、壁紙として機能するが、発泡樹脂層の厚み不足でエンボスが十分に入らず、意匠性に劣るため、5重量部以上の添加が好ましい。
(顔料等)
樹脂層には、必要に応じて顔料等を添加して着色しても良い。顔料としては、例えば、酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔料、アニリンブラック、フタロシアニンブルー等の有機顔料等を用いることが可能である。
顔料の添加量は、樹脂層全量を基準として、無機顔料であれば、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上30質量%以下がより好ましい。有機顔料であれば、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
(樹脂組成物)
樹脂組成物には、必要に応じて、難燃剤、セル調整剤、安定剤、滑剤等の周知の添加剤を用いることが可能である。
難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属酸化物系難燃剤、リン酸エステル系等のリン系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA等の臭素系難燃剤等を用いることが可能である。
(絵柄層13)
絵柄層13は、発泡樹脂層12上に積層される。絵柄層13は、木目模様等の絵柄模様により表層側を加飾して発泡壁紙の意匠性を向上するために形成される。
絵柄層13は、樹脂層2の表面に印刷されることで形成される塗膜からなる。
絵柄層13は、壁紙10として一般的に求められるような耐光性、発色性、及び使用される成分の安全性の要件(顔料や添加剤として重金属や硫黄化合物を含まない等)を満たしていれば特に限定されるものではないが、アクリル重合体をベースレジンとする水系のインキであることが特に好ましい。
(アンカーコート層)
アンカーコート層は、図示しないが、絵柄層13と表面フィルム層14との間に設けられ、発泡樹脂層12と表面フィルム層14との密着性を向上するためのものである。アンカーコート層は、例えば、アクリル重合体をベースとするインキのレジウサーや、アクリル系コート剤などを使用する。
(表面フィルム層14)
表面フィルム層14は、エチレン・ビニルアルコール共重合体であり、絵柄層13上に積層される。表面フィルム層14は、高いガスバリア性から、住宅基材などから発生するVOCなどの有害物質の居室内への入り込みを防止し、居室の生活臭が吸着せず、環境だけでなく人体にやさしい壁紙10を得ることができる。
(エンボス模様15)
エンボス模様15は、壁紙10の表面に形成され、凹凸模様を構成するものである。
(製造方法)
上記構成を有する壁紙10は、紙基材11、発泡樹脂層12、絵柄層13の順に積層する。なお、絵柄層13の表面に、アンカーコート層(図示せず。)を設けても良い。
発泡樹脂層12の加熱発泡直後、エンボスロール加圧によるエンボス模様15を付与する際に、絵柄層13或いはアンカーコート層の表面に、フィルムを一定の温度と所定の圧力とをかけながら、ラミネートする。
その後、冷却することで、絵柄層13或いはアンカーコート層の表面に、表面フィルム層14及びエンボス模様15を形成し、壁紙10を製造する。
エンボス加工時の圧力については、9800N/m以上24500N/m以下の範囲内とし、可能であれば、14700N/m以上19600N/m以下の範囲内とする。
(実施形態の作用・効果)
実施形態に係る壁紙10によれば、非塩ビ系の発泡樹脂層12の表面に、エチレン・ビニルアルコール共重合体の表面フィルム層14を有することで、焼却時に有毒ガスが発生しない壁紙を提供できる、
また、実施形態に係る壁紙10によれば、汚れや傷に強いだけでなく、臭気成分の付着や、構造材から発生する有害物質の浸透を防止できる。
さらに、実施形態に係る壁紙10によれば、発泡樹脂層12の坪量を、80g/m2以上100g/m2以下に設定することで、不燃性能を付与しつつ、意匠性を維持できる。
実施形態に係る壁紙10によれば、紙基材11の秤量を、50g/m2以上70g/m2以下に設定することで、壁紙10としての強度を維持しつつ不燃性能を付与できる。
実施形態に係る壁紙10によれば、発泡剤の添加量が、発泡樹脂層12の樹脂成分100質量部に対し、5質量部以上20質量部以下であることで、好ましい厚みと、意匠性を付与できる。
実施形態に係る壁紙10の製造方法によれば、表面フィルム層14と下の発泡樹脂層12とが密着した壁紙10を得ることができる。また、表面フィルム層14を押し出し成形する製造方法と比較し、より均一な表面フィルム層14を有する壁紙10を得ることができる。
また、実施形態に係る壁紙10の製造方法によれば、表面フィルム層14にエチレン・ビニルアルコール共重合体フィルムを使用することにより、汚れや傷に強いだけでなく、臭気成分の付着や、構造材から発生する有害物質の浸透を防止する壁紙を得ることができる。
以下に、本発明の第1実施形態に係る壁紙の実施例1~3、並びに比較例1~6について説明する。なお、本発明は、下記の実施例1~3に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1の層構成及び製造方法は、次の通りである。
(1)紙基材
紙基材は、壁紙用裏打紙(繊維質シート)を使用、その坪量は65g/mである。
(2)発泡樹脂層
発泡樹脂層は、EVA樹脂ベース100質量部(以後、簡略の為に「部」と表記)に対して、充填剤(炭酸カルシウム)90部、カプセル発泡剤10部のペーストをコーティング法により塗布し、その坪量は80g/mである。
(3)絵柄層
絵柄層は、アクリル樹脂系インキを使用、グラビア印刷法にて形成し、その坪量は2g/mである。
(4)アンカーコート層
アンカーコート層は、アクリル樹脂系コート剤を絵柄印刷の上に形成し、乾燥後の坪量が5g/mとなるようにグラビア印刷法により塗布する。
(5)製造方法
加熱発泡直後、エンボスロール加圧によるエンボス模様の付与の際にエチレン・ビニルアルコール共重合体のフィルム(株式会社クラレ製:HF-ME12)をラミネートし、その後、冷却し、表面フィルム層を形成する。
(実施例2~3、比較例1~2)
実施例2~3、比較例1~2は、発泡樹脂層の坪量を変更している。なお、発泡樹脂層の坪量以外は、実施例1と同じである。
(実施例2)
実施例2は、実施例1において、発泡樹脂層の坪量が80g/mであるのに対し、坪量90g/mに増加している。
(実施例3)
実施例3は、実施例1において、発泡樹脂層の坪量が80g/mであるのに対し、坪量100g/mに増加している。
(比較例1)
比較例1は、実施例1において、発泡樹脂層の坪量が80g/mであるのに対し、坪量70g/mに減少している。
(比較例2)
比較例2は、実施例3において、発泡樹脂層の坪量が100g/mであるのに対し、坪量110g/mに増加している。
(比較例3)
比較例3では、表面フィルム層を15μmのPVDCコートONYに変更している。
(ユニチカ株式会社製:「エンブレム」(登録商標)DCR15)
(比較例4)
比較例4では、表面フィルム層を15μmのONYに変更している
(三菱ケミカル株式会社製:サントニールSNR)
(比較例5)
比較例5では、表面フィルム層を20μmのOPPに変更している。
(株式会社東洋紡製:パイレンフィルム SL P3162)
(比較例6)
比較例6では、表面フィルム層を19μmPETに変更している。
(株式会社東洋紡製:東洋紡エステルフイルムE5101)
(評価方法、評価基準)
壁材の評価方法、すなわち物性評価は、次の6種類である。
(1)フィルム密着性
(2)意匠性
(3)ガスバリア性(酸素透過度)
(4)耐傷性
(5)環境
(6)不燃性
(フィルム密着性)
フィルム密着性は、テンシロン万能材料試験機にて、表面フィルム層の密着強度を測定した。
フィルム密着性の評価基準は、次の通り、「○」、「△」、「×」の3段階とし、「○」を合格、それ以外の「△」及び「×」を不合格と評価した。
〇:密着強度0.5kgf/25mm以上、若しくは材破
△:密着強度0.3~0.5kgf/25mm以上
×:密着強度0.3kgf/25mm以下
(意匠性)
意匠性は、壁紙の断面において、エンボスで形成された凹凸の高低差をマイクロスコープで観察した。
意匠性の評価基準は、次の通り、「○」、「△」、「×」の3段階とし、「○」を合格、それ以外の「△」及び「×」を不合格と評価した。
○:エンボス高低差が30~60μm
△:エンボス高低差が20~30μm
×:フィルムの密着不足により測定不可
(ガスバリア性(酸素透過度))
ガスバリア性は、25℃50%RHにて酸素透過度を測定した。
なお、酸素透過度の測定値を、表1の下段に併記した。
ガスバリア性の評価基準は、次の通り、「○」、「×」、「-」の3段階とし、「○」を合格、それ以外の「×」及び「-」を不合格と評価した。
〇:10cc/m・day・atm以下
×:10cc/m・day・atm以上
-:密着力不足の為試験不可
(耐傷性)
耐傷性は、壁紙工業会で規定されている表面強化試験にて実施した。
耐傷性の評価基準は、次の通り、「○」、「×」、「-」の3段階とし、「○」を合格、それ以外の「×」及び「-」を不合格と評価した。
○:発泡樹脂層の露出が無い
×:僅かに発泡樹脂層の露出が有る
-:密着力不足の為試験不可
(環境)
環境は、表面フィルム層において「塩素」を含むか否かにより判定した。
環境の評価基準は、次の通り、「○」、「×」の2段階とし、「○」を合格、それ以外の「×」を不合格と評価した。
〇:表面フィルム層に塩素を含まない
×:表面フィルム層に塩素を含む
(不燃性)
不燃性は、コーンカロリーメータC3(東洋精機製)を用いて、建築基準法で定められた発熱性試験法(ISO 5660)に基づく不燃材料の発熱性試験(50kW/mで20分加熱)を実施した。
不燃性の評価基準は、次の通り、「○」、「×」の2段階とし、「○」を合格、それ以外の「×」を不合格と評価した。
○:燃焼カロリーが7.2MJ以下
×:燃焼カロリーが7.2MJ超
(評価結果)
壁紙の評価結果は、次の表1の通りである。
Figure 0007635507000001
(実施例1~3及び比較例1~6)
実施例1~3及び比較例1~6のうち、6種類の評価方法のすべてが「合格」であったのは、実施例1~3の3件であった。
(フィルム密着性の評価結果)
フィルム密着性については、比較例3~6の4件が不合格であった。
これは、表面フィルム層を、実施例1で用いた、エチレン・ビニルアルコール共重合体の表面フィルム層(株式会社クラレ製:HF-ME12)以外の種類を使用したことが原因と推測できる。
(意匠性の評価)
意匠性の評価については、比較例1及び比較例3~6の5件が不合格であった。
比較例1については、発泡樹脂層の坪量が少なすぎたことが原因と推測できる。また、比較例3~6については、表面フィルム層を、実施例1で用いた以外の種類を使用したことが原因と推測できる。
(ガスバリア性の評価結果)
ガスバリア性の評価については、比較例3~6の4件が不合格であった。
これは、表面フィルム層を、実施例1で用いた以外の種類を使用したことが原因と推測できる。
(耐傷性の評価結果)
耐傷性の評価については、比較例3~6のうち、比較例4を除いた3件が不合格であった。
比較例3、比較例5及び比較例6の3件については、表面フィルム層を、実施例1で用いた以外の種類を使用したことが原因と推測できる。
(環境の評価結果)
環境の評価については、比較例3の1件だけが不合格であった。
比較例3の1件については、表面フィルム層を、実施例1で用いた以外の種類を使用したことが原因と推測できる。
(不燃性の評価結果)
不燃性については、比較例2、比較例5及び比較例6の3件が不合格であった。
比較例2については、発泡樹脂層の坪量が多すぎたことが原因と推測できる。また、比較例5及び比較例6の2件については、表面フィルム層を、実施例1で用いた以外の種類を使用したことが原因と推測できる。
(総合の評価結果)
実施例1~3と、比較例1及び比較例2とを比較すると、発泡樹脂層の坪量のみが変更されている。
実施例1~3は、6種類の評価方法のすべてが「合格」である。
これに対し、比較例1では、発泡樹脂層の坪量が少なすぎたことから、意匠性の評価が不合格となった。
また、比較例2では、発泡樹脂層の坪量が多すぎたことから、不燃性の評価が不合格となった。
このことから、実施例1~3より、発泡樹脂層の坪量は、80g/m2以上100g/m2以下が適切であることが推測できる。
また、発泡樹脂層の坪量は、意匠性及び不燃性に影響することが推測できる。
一方、実施例1~3と、比較例3~6とを比較すると、表面フィルム層は、実施例1で用いた、エチレン・ビニルアルコール共重合体の表面フィルム層(株式会社クラレ製:HF-ME12)が最適であることが推測できる。
また、表面フィルム層の種類は、6種類の評価結果のいずれか少なくとも1種類以上に影響することが推測できる。
10 壁紙
11 紙基材
12 発泡樹脂層
13 絵柄層
14 表面フィルム層
15 エンボス模様

Claims (8)

  1. 紙基材と、
    樹脂成分、発泡剤及び充填剤を少なくとも含有する発泡樹脂層と、
    印刷による絵柄模様を有する絵柄層と、
    アクリル樹脂を含むアンカーコート層と、
    エチレン・ビニルアルコール共重合体の表面フィルム層と、
    が順次積層されている壁紙であって、
    前記発泡樹脂層には、エチレン-酢酸ビニル共重合体と、エチレン-不飽和カルボン酸共重合体との少なくとも一方の樹脂を含有する非塩ビ系の樹脂を使用し、
    前記発泡樹脂層の坪量を、80g/m2以上100g/m2以下に設定することを特徴とする壁紙。
  2. 前記紙基材の秤量を、50g/m2以上70g/m2以下に設定することを特徴とする請求項1に記載の壁紙。
  3. 前記発泡剤の添加量が、前記発泡樹脂層の樹脂成分100質量部に対し、5質量部以上20質量部以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の壁紙。
  4. 前記発泡樹脂層には、前記エチレン-不飽和カルボン酸共重合体を含有する非塩ビ系の樹脂を使用することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の壁紙。
  5. 前記エチレン-不飽和カルボン酸共重合体は、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、またはエチレン-メタクリル酸共重合体であり、
    前記エチレン-メチルメタクリレート共重合体におけるメチルメタクリレートの共重合比率(MMA量)は、5質量%以上25質量%以下の範囲内であり、
    前記エチレン-メタクリル酸共重合体におけるアクリル酸の共重合比率(MAA量)は、2質量%以上15質量%以下の範囲内であることを特徴とする請求項4に記載の壁紙。
  6. 紙基材と、
    樹脂成分、発泡剤及び充填剤を少なくとも含有する樹脂層と、
    印刷による絵柄模様を有する絵柄層と、
    アクリル樹脂を含むアンカーコート層と、
    を順次積層し、
    前記樹脂層の加熱発泡直後、前記絵柄層の表面に、フィルムを一定の温度と、所定の圧力とをかけながらラミネートし、その後、冷却することで表面フィルム層を形成する工程を有し、
    前記発泡した前記樹脂層には、エチレン-酢酸ビニル共重合体と、エチレン-不飽和カルボン酸共重合体との少なくとも一方の樹脂を含有する非塩ビ系の樹脂を使用し、
    前記発泡した前記樹脂層の坪量を、80g/m 2 以上100g/m 2 以下に設定し、
    前記表面フィルム層は、エチレン・ビニルアルコール共重合体のフィルムであることを特徴とする壁紙の製造方法。
  7. 前記発泡した前記樹脂層には、前記エチレン-不飽和カルボン酸共重合体を含有する非塩ビ系の樹脂を使用することを特徴とする請求項に記載の壁紙の製造方法。
  8. 前記エチレン-不飽和カルボン酸共重合体は、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、またはエチレン-メタクリル酸共重合体であり、
    前記エチレン-メチルメタクリレート共重合体におけるメチルメタクリレートの共重合比率(MMA量)は、5質量%以上25質量%以下の範囲内であり、
    前記エチレン-メタクリル酸共重合体におけるアクリル酸の共重合比率(MAA量)は、2質量%以上15質量%以下の範囲内であることを特徴とする請求項に記載の壁紙の製造方法。
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