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JP7637585B2 - 伸線加工方法 - Google Patents
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JP7637585B2 - 伸線加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、伸線加工方法及び伸線加工装置に関する。
高温超伝導線材は、混合粉末を金属管に詰め、混合粉末を詰めた複数の金属管を更に管に導入し、伸線加工方法で細長い線材に加工することにより製造される。この手法は、一般的に金属管あるいは金属棒に使用される伸線加工方法が適用されている。伸線加工方法の一例である引抜加工法は、例えば、特許文献1に記載されている。
上記引抜加工法は、伸線される素材の最大径より小さい穴径を持つダイス穴に素材を通すことにより、穴径と同様に素材の断面径が小さくなる加工方法である。目的とする断面径になるまで、ダイス穴径が徐々に小さくなるダイス穴に素材を通す工程を複数回行う。
特開2013-252565号公報
例えば、高温超伝導線は、銅管やアルミ管あるいは鉄管などの変形抵抗が異なる複数の金属管で構成されており、複数の金属管で構成された素材を伸線加工する。
引抜加工法を用いる場合、ダイス穴に素材を通す工程を繰り返し行うことにより細長い線材が製造される。複数の管材で構成された管の伸線加工では、最外周側に位置する金属管から変形が開始する。このため、金属管を断面方向の中央部に配置するほど変形開始が遅い傾向となる。
この結果、最外周側に位置する素材の変形が先に発生するため、長手方向の長さは長くなる。一方、断面中央部に位置する素材の変形の発生は遅く生じるため、長手方向の長さは短くなる。
例えば、高温超伝導線のように変形抵抗が異なる金属材で構成されている場合、金属材毎の変形量が異なるため、長手方向の長さも金属材毎に異なることになる。高温超伝導線に必要な形状特性を得るためには、線材の長手方向の断面形状を均一にする必要がある。
本発明の目的は、伸線加工方法において、線材の長手方向の断面形状を均一にすることにある。
本発明の一態様の伸線加工方法は、伸線加工により、少なくとも第1の管材と前記第1の管材の周囲に設けられた第2の管材を有する線材の断面径を縮小する伸線加工方法であって、第1の長手方向長さを有する前記第1の管材と、前記第1の長手方向長さとは異なる第2の長手方向長さを持つ前記第2の管材と、を有する第1の線材を用意し、前記伸線加工により、前記第1の線材の前記断面径を縮小して、第3の長手方向長さを持つ前記第1の管材と、前記第3の長手方向長さとは異なる第4の長手方向長さを持つ前記第2の管材をと、を有する第2の線材を作成し、前記第2の線材における前記第3の長手方向長さと前記第4の長手方向長さとの第1の差分を、前記第1の線材における前記第1の長手方向長さと前記第2の長手方向長さとの第2の差分よりも小さくすることを特徴とする。
本発明の一態様の伸線加工装置は、少なくとも第1の管材と前記第1の管材の周囲に設けられた第2の管材を有する線材の最大径より小さい穴径を持つダイスと、前記線材の一方の端部をつかんで所定方向に所定の引張力により引っ張るつかみ部と、を有し、前記ダイスの穴に前記線材を通して、前記線材の端部をつかんだ前記つかみ部を前記所定方向に前記所定の引張力により引っ張ることにより、前記線材の断面径を縮小する伸線加工装置であって、第1の長手方向長さを有する前記第1の管材と前記第1の長手方向長さとは異なる第2の長手方向長さを持つ前記第2の管材とを有する第1の線材を用意し、前記ダイスの前記穴に前記第1の線材を通して、前記第1の線材の端部をつかんだ前記つかみ部を前記所定方向に前記所定の引張力により引っ張ることにより、前記第1の線材の前記断面径を縮小して、第3の長手方向長さを有する前記第1の管材と前記第3の長手方向長さとは異なる第4の長手方向長さを持つ前記第2の管材とを有する第2の線材を作成し、前記第2の線材における前記第3の長手方向長さと前記第4の長手方向長さとの第1の差分を、前記第1の線材における前記第1の長手方向長さと前記第2の長手方向長さとの第2の差分よりも小さくすることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、伸線加工方法において、線材の長手方向の断面形状を均一にすることができる。
複数の金属管材および金属棒材に構成する素材の断面および側面図である。 引抜加工装置の簡易図である。 (a)は、複数の金属管材及び金属棒材で構成される素材の引抜加工前の側面図であり、(b)及び(c)は、引抜加工後の側面図である。 (a)は、複数の金属管材及び金属棒材で構成される素材の引抜加工前の側面図であり、(b)は、引抜加工後の側面図である。 (a)は、変形抵抗が同じ複数の金属管材及び金属棒材で構成される素材の引抜加工前の側面図であり、(b)は、引抜加工後の側面図である。 (a)は、変形抵抗が異なる複数の金属管材及び金属棒材で構成され最外周に位置する金属管材の変形抵抗が小さい素材の引抜加工前の側面図であり、(b)は、引抜加工後の側面図である。 (a)は引抜加工装置の簡易図であり、(b)は金型の簡易図である。 (a)は、変形抵抗が異なる複数の金属管材及び金属棒材で構成され最外周に位置する金属管材の変形抵抗が大きい素材の引抜加工前の側面図であり、(b)は、引抜加工後の側面図である。
以下、実施の形態により本発明を詳細に説明する。
実施形態は、高温超伝導線材あるいは複数の金属管材で構成された素材の伸線加工に関する。例えば、引抜加工法では金属管材により長手方向の長さが異なるため、断面形状が異なる両端部は切断作業が行う必要がある。
この結果、複数の伸線加工を行う場合、切断作業も複数行う必要がある。高温超伝導線材の性能を得るためには長手方向の断面形状を均一化して、伸線加工の工程数を低減する必要がある。
このため、実施形態では、複数金属管あるいは金属棒で構成している素材に対して、変形抵抗及び素材の配置により各金属管及び金属棒の加工前の長さを均一にせずに、異なる長さ及び異なる肉厚を持つ形状とする。
例えば、金属管の変形抵抗および配置による加工前の長さはCAE(Computer Aided Engineering)により検討した結果を用いる。CAEの検討では、伸線加工前の素材の最大断面径を10%以上縮小する伸線加工をCAEにより検討する。
各金属管の断面径が初期の断面径より10%以上小さくなった際の金属管毎の長手方向の長さを測定し、金属管の長手方向の最小の長さを基準に各金属管材の長手方向の長さとの差分を計算し、その差分だけ伸線加工前の金属管の長さを短くする。
上記実施形態により、伸線加工において長さ方向の断面変形の均一化によって素材端部の切断部が減る。これにより、素材のロスを低減することができる。さらに、切断工程数の低減によって伸線加工における工程数低減が可能となり、製造コストを低減することができる。
以下、図面を用いて実施例について説明する。
図1を参照して、複数の金属管及び一つの金属棒で構成された素材である線材の例について説明する。
図1に示すように、金属管110の内径側に金属管120が配置され、金属管120の内径側に金属棒130が配置されて線材が構成されている。金属管110、金属管120及び金属棒130の長さは同じ長さであり、内外径がそれぞれ異なり、断面形状は円弧である。線材の長手方向の長さは、H1である。
線材を伸線加工する加工方法としては、引抜加工、カセットロール加工、溝ロール加工などがあり、これらの加工方法の内、実施例1では引抜加工を例にして説明する。
図2を参照して、伸線加工装置の一例である引抜加工装置の構成について説明する。
図2に示すように、引抜加工装置は、穴230を有するダイス210及びつかみ部(チャック部)220を有する。端部B5の初期径がD1の線材100は、線材100の端部B6をつかみ部220によりつかんだ状態で、つかみ部220をB4方向に所定の引張力により引張ることにより進展させる。これにより、端部B5の断面径D1が、端部B6の断面径D2に縮小される。
具体的には、線材100をつかみ部220によりB4方向に引張ることにより、線材100をダイス210の穴230に通す。ダイス210の穴230に通った線材100は、初期径D1がダイス径B7より小さくって、断面径D2に縮小される。この結果、穴230に通った線材100の断面径が縮小しながら、長手方向の長さが長くなる。
断面径が縮小される引抜加工において、線材100の外径側から変形が発生し、断面縮小率が大きくなるほど、つまり断面径が小さくなるほど断面中央部側に変形が移動する。
また、変形抵抗が小さい金属管110、120あるいは金属棒130の変形速度は速い。このため、引抜加工後の長手方向の長さは、引抜加工前の変形抵抗が小さい金属管110、120あるいは金棒130より長くなる。
図1に示す金属管110、120及び金属棒130で構成している線材100を対象に、各金属管110、120及び金属棒130の変形抵抗が同じ素材を又は変形抵抗が異なる素材を用いた場合、図2に示す引抜加工装置のダイス210の穴230を通った金属管毎の長さは異なる。
図3に引抜加工前後の線材100の長手方向の長さH1、H2を示す。
図3(a)に示すように、金属管110、120及び金属棒130の長さは同じ長さH1であり、初期径はD1である。
図3(a)に示す線材100を、図2の引抜加工装置により断面径をD1からD2まで縮小した後の線材100は、図3(b)又は図3(c)に示す断面形状を有する。
図3(b)に示すように、金属棒130の長手方向の長さは、最短長さH2である。金属管110の長手方向の長さは、最長長さである。金属管110の長手方向の長さは、H2に対してH11だけ長い。金属管120の長手方向の長さは、H2に対してH12だけ長い。
また、図3(c)に示すように、金属棒130の長手方向の長さは、最短長H2である。金属管120の長手方向の長さは、最長長さである。金属管110の長手方向の長さは、H2に対してH12だけ長い。金属管120の長手方向の長さは、H2に対してH11だけ長い。
図3(b)に示すように、金属管110、120及び金属棒130の変形抵抗が同じ線材100において、引抜加工前の長手方向の長さがH1で径がD1の線材100を引抜加工すると、引抜加工後の長手方向の長さが異なる。
具体的には、図3(b)においては、断面中央部に位置する金属棒130の引抜加工後の長さH2に対して、最外周側に位置した金属管110の長さは、H2よりH11だけ長くなる。金属管110の内径側に位置する金属管120の長さは、金属棒130の長さH2よりH12だけ長くなる。
一方、図3(c)に示すように、金属管110、120及び金属棒130の変形抵抗が異なる線材100においては、断面中央部に位置する金属棒130の引抜加工後の長さH2に対して、最外周側に位置した金属管110の長さは、H2よりH12だけ長くなる。金属管110の内径側に位置する金属管120の長さは、金属棒130の長さH2よりH11だけ長くなる。
図5を参照して、引抜加工後の線材100の長手方向の断面形状を一致させるため、変形抵抗が同じ素材を用いて、引抜加工後の線材100の長さを均一にするための条件について検討する。この検討は、例えば、CAE(ComputeD Aided EngineeDing)を用いて行っても良い。
図5(a)に示すように、金属管110、金属管120及び金属棒130で構成された素材100において、金属棒130の長さはH1で最長である。金属管120の長さは、H1-H11である。金属管110の長さは、H1-H12である。
図5(a)に示す線材100を、図2の引抜加工装置により断面径をD1からD2まで縮小した後の線材100は、図5(b)に示す断面形状を有する。
図5(b)に示すように、金属棒130の長手方向の長さは、最短長さH2である。金属管110、120の長手方向の長さは最長長さであり、H2に対してH16だけ長い。
例えば、変形抵抗が同じ低炭素鋼からなる金属管110、金属管120及び金属棒130で構成された長さH1の線材100を、引抜加工により初期断面径D1を10~15%だけ縮小して断面径D2とした引抜加工後の長さH11、H12(図3(b)参照)を測定した。この結果、引抜加工後の金属棒130の最短長さH2に対して、金属管110の長さは20%に相当するH11だけ長く、金属管120の長さは10%に相当するH12だけ長くなることを確認した。
金属棒130の長さH1に対してH11の差分を持つ金属管120、金属棒130の長さH1に対してH12の差分を持つ金属管110から構成される線材100を、図2の引抜加工装置により断面径をD1からD2まで縮小した後の線材100(図5(b)参照)の差分H16を検討した。この結果、図5(b)に示す引抜加工後の長さの差分H16は、図3(b)に示す引抜加工後の長さの差分H11、H12より十分小さくなることを確認した。
図1に示す金属管110、120及び金属棒130で構成している線材100を対象に、各金属管110、120及び金属棒130の変形抵抗が異なり金属管110の変形抵抗が小さい素材を用いた場合、図2に示す引抜加工装置のダイス210の穴230を通った金属管毎の長さは異なる。
図4に引抜加工前後の線材100の長手方向の長さH1、H2を示す。
図4(a)に示す金属管110、金属管120及び金属棒130の変形抵抗が異なる。例えば、変形抵抗が金属管130、金属棒110、金属管120の順に大きい線材100の場合、金属管120の変形抵抗が最小のため、変形が早く生じる。
図4(a)に示すように、金属管110、120及び金属棒130の長さは同じ長さH1であり、初期径はD1である。
図4(a)に示す線材100を、図2の引抜加工装置により断面径をD1からD2まで縮小した後の線材100は、図4(b)に示す断面形状を有する。
図4(b)に示すように、金属棒130の長手方向の長さは、最短長さH2である。金属管110、120の長手方向の長さは、最長長さである。金属管110、120の長手方向の長さは、H2に対してH15だけ長い。
実施例2で示したように、最外周に位置する金属管110の変形が速いことと、同じ条件で加工が行う場合に変形抵抗が小さいほど変形が速いことから、変形抵抗が最小の金属管120と最外周に位置する金属管110の変形速度が速くなる。ただし、最外周に位置する金属管110は変形抵抗が大きいため、変形速度が抑えられ金属管110と金属管120の引抜加工後の長さが同程度となる。
このように、金属管110、120及び金属棒130の変形抵抗が同じ線材100において、引抜加工前の長手方向の長さがH1で径がD1の線材100を引抜加工すると、引抜加工後の長手方向の長さが異なる。
具体的には、断面中央部に位置する金属棒130の引抜加工後の長さH2に対して、最外周側に位置した金属管110の長さ及び金属管110の内径側に位置する金属管120の長さは、金属棒130の長さH2よりH15だけ長くなる。
図6を参照して、引抜加工後の線材100の長手方向の断面形状を一致させるため、変形抵抗が異なる素材を用いて、引抜加工後の線材100の長さを均一にするための条件について検討する。この検討は、例えば、CAEを用いて行っても良い。
図6(a)に示すように、金属管110、金属管120及び金属棒130で構成された素材100において、金属棒130の長さはH1で最長である。金属管110、120の長さは、H1-H15である。
図6(a)に示す線材100を、図2の引抜加工装置により断面径をD1からD2まで縮小した後の線材100は、図6(b)に示す断面形状を有する。
図6(b)に示すように、金属棒130の長手方向の長さは、最短長さH2である。金属管110、120の長手方向の長さは最長長さであり、H2に対してH19だけ長い。
例えば、変形抵抗が異なる金属材として、図6(a)の金属管110は低炭素鋼の管、金属管120は純アルミ管、金属棒130は純鉄棒とし、3つの金属材の内、金属管110の変形抵抗が最大、金属管120の変形抵抗が最小とした。
このような金属管110、金属管120及び金属棒130で構成された長さH1の線材100を、引抜加工により初期断面径D1を10~15%だけ縮小して断面径D2とした引抜加工後の長さH15(図4(b)参照)を測定した。この結果、引抜加工後の金属棒130の最短長さH2に対して、金属管110、120の長さは16%に相当するH15だけ長くなることを確認した。
金属棒130の長さH1に対してH15の差分を持つ金属管110、120及び金属棒130から構成される線材100を、図2の引抜加工装置により断面径をD1からD2まで縮小した後の線材100(図6(b)参照)の差分H19を検討した。この結果、図6(b)に示す引抜加工後の長さの差分H19は、図4(b)に示す引抜加工後の長さの差分H15より十分小さくなることを確認した。
図7を参照して、前記実施例1、実施例2の長さ方向の長さを均一化するための引抜加工装置の構成について説明する。
図7に示す引抜加工装置が図2に示す引抜加工装置と異な点は、新たに金型240を追加配置した点である。
引抜加工装置において、線材100の両端部B5、B9がある場合、端部B9にはつかみ部220を設置し、B4方向に引張る。また、端部B5には、線材100の端部B5の変形を制限するための金型240を設置する。
金型240は、線材100の端部B5の長さ方向の変形を制限又は調整するための金型であり、引張方向B4と同様な方向B8に線材100の引張力と異なる動力を用いて押力を加える。
図7(b)に示すように、金型240には線材100の最大径より大きい溝部250が設けられており、溝部250に線材100の端部B5を設置する。方向B8の押力は方向B4の引張力の100%~300%とする。その他の構成等は、図2に示す引抜加工装置と同じなのでその説明は省略する。
上記実施例によれば、伸線加工において長さ方向の断面変形の均一化によって素材端部の切断部が減る。これにより、素材のロスを低減することができる。さらに、切断工程数の低減によって伸線加工における工程数低減が可能となり、製造コストを低減することができる。
図1に示す金属管110、120及び金属棒130で構成している線材100を対象に、各金属管110、120及び金属棒130の変形抵抗が異なり金属管110の変形抵抗が高い素材を用いた場合、図2に示す引抜加工装置のダイス210の穴230を通った金属管毎の長さは異なる。
図3(a)、図3(c)に引抜加工前後の線材100の長手方向の長さH1、H2を示す。
図3(a)に示す金属管110、金属管120及び金属棒130の変形抵抗が異なる。例えば、変形抵抗が金属管110、金属棒130、金属管120の順に大きい線材100の場合、金属管110の変形抵抗が最大のため、変形が遅く生じる。
図3(a)に示すように、金属管110、120及び金属棒130の長さは同じ長さH1であり、初期径はD1である。
図3(a)に示す線材100を、図2の引抜加工装置により断面径をD1からD2まで縮小した後の線材100は、図3(c)に示す断面形状を有する。
図3(c)に示すように、金属棒130の長手方向の長さは、最短長H2である。金属管120の長手方向の長さは、最長長さである。金属管110の長手方向の長さは、H2に対してH12だけ長い。金属管120の長手方向の長さは、H2に対してH11だけ長い。
実施例2で示したように、最外周に位置する金属管110の変形が速いこと、同じ条件で加工を行う場合に変形抵抗が小さいほど変形が速いことから、変形抵抗が最小の金属管120と最外周に位置する金属管110の変形速度が速くなる。ただし、最外周に位置する金属管110は変形抵抗が大きいため、変形速度が抑えられ金属管110の引抜加工後の長さが金属管120の引抜加工後の長さより短くなる。
このように、金属管110、120及び金属棒130の変形抵抗が異なる線材100において、引抜加工前の長手方向の長さがH1で径がD1の線材100を引抜加工すると、引抜加工後の長手方向の長さが異なる。
具体的には、図3(c)において、断面中央部に位置する金属棒130の引抜加工後の長さH2に対して、最外周側に位置した金属管110の長さは、H2よりH12だけ長くなる。金属管110の内径側に位置する金属管120の長さは、金属棒130の長さH2よりH11だけ長くなる。
図8を参照して、引抜加工後の線材100の長手方向の断面形状を一致させるため、変形抵抗が異なる素材を用いて、引抜加工後の線材100の長さを均一にするための条件について検討する。この検討は、例えば、CAEを用いて行っても良い。
図8(a)に示すように、金属管110、金属管120及び金属棒130で構成された素材100において、金属棒130の長さはH1で最長である。金属管110の長さは、H1-H12である。金属管120の長さはH1-H11である。
また、金属管の肉厚も変形抵抗が大きい金属管110の肉厚はT1で、変形抵抗が小さい金属管120の肉厚はT2である。このように、金属管110の肉厚T1を金属管120の肉厚T2より必ず厚くする。
図8(a)に示す線材100を、図2の引抜加工装置により断面径をD1からD2まで縮小した後の線材100は、図8(b)に示す断面形状を有する。
図8(b)に示すように、金属棒130の長手方向の長さは、最短長さH2である。金属管110、120の長手方向の長さは最長長さであり、H2に対してH19だけ長い。
例えば、変形抵抗が異なる金属材として、図8(a)の金属管110はニッケル合金の管、金属管120は純アルミ管、金属棒130は純アルミ棒とし、3つの金属材の内、金属管110の変形抵抗が最大、金属管120と金属棒130の変形抵抗を最小とした。
このような金属管110、金属管120及び金属棒130で構成された長さH1の線材100を、引抜加工により初期断面径D1を10~15%だけ縮小して断面径D2とした引抜加工後の長さ(図3(c)参照)を測定した。この結果、引抜加工後の金属棒130の最短長さH2に対して、金属管110の長さは10%に相当するH12だけ長くなり、金属管120の長さは16%に相当するH11だけ長くなることを確認した。
金属棒130の長さH1に対して、H12の差分を持つ肉厚T1の金属管110、H11の差分を持つ肉厚T2の金属管120及び金属棒130から構成される線材100(図8(a)参照)を、図2の引抜加工装置により断面径をD1からD2まで縮小した後の線材100(図8(b)参照)の差分H19を検討した。この結果、図8(b)に示す引抜加工後の長さの差分H19は、図3(c)に示す引抜加工後の長さの差分H11、H12より十分小さくなることを確認した。
100 線材
110 金属管
120 金属管
130 金属棒
210 ダイス
220 つかみ部
230 穴
240 金型

Claims (7)

  1. 伸線加工により、少なくとも金属棒と前記金属棒の外周に設けられた第1の金属管を有する線材の断面径を縮小する伸線加工方法であって、
    第1の長手方向長さを有する前記金属棒と、前記第1の長手方向長さとは異なる第2の長手方向長さを持つ前記第1の金属管と、を有する第1の線材を用意し、
    前記伸線加工により、前記第1の線材の前記断面径を縮小して、第3の長手方向長さを持つ前記金属棒と、前記第3の長手方向長さとは異なる第4の長手方向長さを持つ前記第1の金属管と、を有する第2の線材を作成し、
    前記第2の線材における前記第3の長手方向長さと前記第4の長手方向長さとの第1の差分を、前記第1の線材における前記第1の長手方向長さと前記第2の長手方向長さとの第2の差分よりも小さくすることを特徴とする伸線加工方法。
  2. 長手方向の長さがそれぞれ等しい前記金属棒と前記第1の金属管とを有する第3の線材を用意し、
    前記伸線加工により、前記第3の線材の前記断面径を縮小して、第5の長手方向長さを持つ前記金属棒と、前記第5の長手方向長さとは異なる第6の長手方向長さを持つ前記第1の金属管を有する第4の線材を作成し、
    前記第4の線材における前記第5の長手方向長さと前記第6の長手方向長さとの第3の差分を、前記第1の線材における前記2の差分として設定して、前記伸線加工により前記第1の線材から前記第2の線材を作成することを特徴とする請求項1に記載の伸線加工方法。
  3. 前記第1の線材における前記金属棒の前記第1の長手方向長さは、前記第1の金属管の前記第2の長手方向長さより前記第2の差分だけ長く、
    前記第2の線材における前記金属棒の前記第3の長手方向長さは、前記第1の金属管の前記第4の長手方向長さより前記第1の差分だけ短いことを特徴とする請求項1に記載の伸線加工方法。
  4. 前記第4の線材における前記金属棒の前記第5の長手方向長さは、前記第1の金属管の前記第6の長手方向長さより前記第3の差分だけ短いことを特徴とする請求項2に記載の伸線加工方法。
  5. 前記第2の線材の長手方向の断面形状を、端部と中央部において均一化するように、前記第1の差分を前記第2の差分よりも小さくすることを特徴とする請求項1に記載の伸線
    加工方法。
  6. 前記線材は、断面が円筒形状を有する超伝導線材で構成されることを特徴とする請求項1に記載の伸線加工方法。
  7. 前記第1の線材は、前記第1の金属管の外周に、前記第2の長手方向長さよりも短い第2の金属管を有し、
    前記第1の金属管の第1の肉厚は、前記第2の金属管の第2の肉厚より薄いことを特徴とする請求項1に記載の伸線加工方法。
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