JP7638697B2 - 液体吐出装置 - Google Patents
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[液体吐出ヘッドの説明]
図1は、本発明の一実施形態に係る液体吐出装置の液体吐出ヘッド1の構成と液体の流れを模式的に示すブロック図である。各ユニット間をつなぐ線は液体の流れ(流路)を示しており、矢印は液体が流れる方向を示している。図1において、通常の液体の流れは実線で示され、切替弁220を動作させた時の液体の流れは破線で示されている。
バルブユニット200は、ダイヤフラムポンプ230と、2つの切替弁220と、2つの差圧弁210と、を有している。
(ダイヤフラムポンプ)
ダイヤフラムポンプ230は、タンク101に収容されている液体を、吐出モジュール400の素子基板401へ供給し、さらに液体を素子基板401からタンク101へ戻す液体の流れを発生させる。このような液体の流れ(循環流)は、ダイヤフラムポンプ230が作動して液体の圧力差が発生することで生じる。すなわち、ダイヤフラムポンプ230は循環ポンプとして機能する。本実施形態では、1種類(1色)の液体に対して3つのダイヤフラムポンプ230が設けられている。但し、図1では、3つのダイヤフラムポンプ230を一括して模式的に示している。各ダイヤフラムポンプ230の位相をずらして駆動することで、液体の流量のばらつきの抑制を図っている。ダイヤフラムポンプ230の詳細な構造については後述する。
切替弁220は、通常は開いている(ノーマリーオープンの)切替弁221と、通常は閉じている(ノーマリークローズの)切替弁222と、を含む。ノーマリーオープンの切替弁221が開きノーマリークローズの切替弁222が閉じている状態で、タンク101と素子基板401とを繋ぐ循環路が形成される。この状態の液体の循環方向を順方向とする。そして、ノーマリーオープンの切替弁221が閉じてノーマリークローズの切替弁222が開くと、タンク101と素子基板401とを繋ぐもう1つの循環路が形成される。この状態の液体の循環方向は順方向と反対向きであり、これを逆方向とする。
液体吐出ヘッド1において、吐出モジュール400に供給される液体の圧力が適切に管理されていないと、素子基板401の吐出口(図示せず)等から液体が漏れる可能性がある。そこで、液体の圧力を適切に管理して液体の漏れを防ぐために、タンク101と素子基板401との間に差圧弁210が設けられている。差圧弁210は、タンクユニット100側の液体の圧力と、素子基板401に液体を供給する液体フローユニット300側の液体の圧力との差が一定以上になると開く構造である。素子基板401から液体が吐出されて液体が消費されると、液体フローユニット300内の液体量が減少して圧力が低下する。差圧弁210の上流と下流との圧力差が一定値以上に達すると、差圧弁210が開いて液体が供給される。このように、本実施形態では差圧弁210を使用して、適切な圧力に達しないと素子基板401に液体が供給されない構造になっている。
以上説明した構成によって、液体吐出ヘッド1において液体を循環させる。通常時は、タンク2内の液体が、ダイヤフラムポンプ230の作動によって、弱圧の差圧弁211および液体供給流路304を通じて素子基板401へ流れる。さらに、素子基板401から液体還流流路305およびノーマリーオープンの切替弁221を通じてタンク101へ戻る。このように順方向の液体の循環流(図1に実線で図示)が生じる。前述したように流路内、例えば液体供給流路304内や素子基板401の流路内に気泡が発生した場合などに、その気泡を素子基板401から離れた位置に移動させるために、液体の循環方向を変更する。すなわち、ノーマリーオープンの切替弁221を閉じて、ノーマリークローズの切替弁222を開く。それによって、タンク2内の液体が、ダイヤフラムポンプ230の作動によって、強圧の差圧弁212および液体還流流路305を通じて素子基板401へ流れる。液体は、さらに、素子基板401から液体供給流路304およびノーマリークローズの切替弁222を通じて、タンク101へ戻る。このように逆方向の液体の循環流(図1に破線で図示)が生じる。素子基板401への液体の流入方向を反転させることで、例えば素子基板401内に滞留している気泡を素子基板401外へ排出する。
本発明の液体吐出ヘッド1のより詳細な実施例について具体的に説明する。図2は、本実施例の液体吐出ヘッド1の分解斜視図である。本実施例の液体吐出ヘッド1は4色の液体(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインク)を吐出する、カラー記録可能なインクジェット記録ヘッドである。この液体吐出ヘッド1は、タンクユニット100と、バルブユニット200と、気体フローユニット500と、液体フローユニット300と、吐出モジュール400と、を有する。本実施例の液体吐出ヘッド1は、これらのユニットが積層されて一体化した構成となっているが、このような構成に限定されない。各ユニットのうちの少なくとも1つを離れた位置に配置してもよい。
図3に本実施例のタンクユニット100の分解斜視図を示している。図4は、図3のA-A線断面図である。タンクユニット100は、中空のタンクブロック103が、タンクカバー102とプレート104とに挟まれた構成である。タンクブロック103は複数(本実施例では4つ)のタンク(液体収容部)101と液体供給部106とが一体化した構成であり、複数のタンク101および液体供給部106は、タンクカバー102によって一括して塞がれている。タンクカバー102には、液体供給部106に連通する外部供給口105が設けられている。図示されていないカートリッジに接続されているチューブが、外部供給口105に接続されている。カートリッジからチューブおよび外部供給口105を介して液体供給部106に供給された液体が、タンクブロック103とプレート104との間に設けられた流路を通ってタンク101に導入される。
図5はバルブユニット200の分解斜視図である。バルブユニット200は、下側バルブシート202と、薄い金属板203と、上側バルブシート201との積層体であり、図1に示す差圧弁210と切替弁220とダイヤフラムポンプ230が形成されている。上側バルブシート201の拡大平面図が図6に示され、下側バルブシート202の拡大平面図が図7に示されている。金属板203の下方からの斜視図が図8に示されている。本実施例の上側バルブシート201と下側バルブシート202は、薄い金属フレーム204と弾性部材205とのインサート成形品である。本実施例の金属フレーム204は厚さ0.1mmのステンレス材(SUS304)からなる。金属フレーム204の表裏に形成される弾性部材205はそれぞれ厚さ0.5mmのEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)からなる。上側バルブシート201と下側バルブシート202には開口部206が設けられ、開口部206の内周部にはリブ207が形成されている。上側バルブシート201と下側バルブシート202が他の部材により表裏から挟まれて圧縮されると、開口部206がリブ207で封止されて液体が通過する流路になる。上側バルブシート201には節208が形成され、この節208はダイヤフラムポンプ230の一部を構成する逆止弁として機能する。また、上側バルブシート201と下側バルブシート202には、差圧弁210および切替弁220の一部を構成する風車状板ばね213a,213b,214a,214b,215a,215b,216が形成されている。図6,7に示す上側バルブシート201および下側バルブシート202には、2種類(2色)の液体の流路が設けられている。各色の液体の流路が、上側バルブシート201および下側バルブシート202の中心を挟んで点対称に配置されている。この上側バルブシート201および下側バルブシート202の組が2組設けられて、4色の液体を流通させる流路が構成されている。
本実施例の差圧弁の構成についてさらに詳細に説明する。図6に示す上側バルブシート201の部分A1~A4が金属板203および下側バルブシート202と積層されると、差圧弁210が構成される。この差圧弁210のうちの一方の差圧弁211の構成が、図6のB-B線断面図である図9に模式的に示されている。図9(a)は閉じた状態の差圧弁211を示し、図9(b)は開いた状態の差圧弁211を示している。図9には一方の差圧弁211のみが示されているが、他方の差圧弁212も実質的に同じ構成である。本実施例の一方の差圧弁211は弱圧の差圧弁であり、強圧の差圧弁である他方の差圧弁212よりも開弁力(弁を開くために必要な力)が小さい。
本実施例の切替弁の構成についてさらに詳細に説明する。図7に示す下側バルブシート202の部分B1~B4が金属板203および上側バルブシート201と積層されると、切替弁が構成される。通常時のノーマリーオープンの切替弁221が、図7のC1-C1線断面図である図11(a)に模式的に示され、通常時のノーマリークローズの切替弁222が、図7のC2-C2線断面図である図11(b)に模式的に示されている。
本実施例のダイヤフラムポンプ230の構成について説明する。図7に示す下側バルブシート202の部分Cが金属板203および上側バルブシート201と積層されると、ダイヤフラムポンプ230が構成される。このダイヤフラムポンプ230が、図7のD-D線断面図である図12に模式的に示されている。ダイヤフラムポンプ230を構成するダイヤフラム231が、下側バルブシート202に形成されている。下側バルブシート202の下に位置する気体フローユニット500の吸引部501から吸引すると、ダイヤフラム231が変形して液体を送り出すポンプとして機能する。なお、バルブユニット200内に形成されている流路においてダイヤフラムポンプ230の前後に逆止弁が配置され、それによってダイヤフラムポンプ230が液体を逆流させることなく送ることができる。本実施例では1種類(1色)の液体に対して3つのダイヤフラム231が形成されている。従って、図7に示す下側バルブシート202には、部分Cと同様にダイヤフラムポンプ230を構成する部分が、部分Cを含めて6箇所設けられている。
分解斜視図である図13に示すように、気体フローユニット500は、主に上側気体フローブロック503と下側気体フローブロック504とが貼り合わせられた構成であり、下側バルブシート202の裏面に当接するように配置されている。気体フローユニット500の、下側バルブシート202と当接する面には、ダイヤフラム231と差圧弁用の板ばね213b,214bと切替弁用の板ばね215b,216のそれぞれの変形を許容する、凹状の受け部分が形成されている。気体フローユニット500の内部であって、上側気体フローブロック503と下側気体フローブロック504との間に、気体吸引用の流路が形成されている。気体フローユニット500は、前述したようにダイヤフラム231の下方に位置するすり鉢状の吸引部501を有している。吸引機構、例えば液体吐出装置本体(図示せず)に搭載されたエアポンプ219により流路の吸引口502を吸引すると、流路および吸引部501からダイヤフラム231に吸引力が伝わりダイヤフラム231が変形する。その結果、前述したようにダイヤフラムポンプ230が作動する。また、吸引口502からの吸引により、ダイヤフラム231とともに、差圧弁用の板ばね213b,214bと切替弁用の板ばね215b,216がそれぞれ変形し、前述したように差圧弁210と切替弁220が開閉する。このように、ダイヤフラムポンプ230と差圧弁210と切替弁220との動作の制御が、気体の吸引、特に1つのエアポンプ219の作動で一括して同時に行えるため、動作効率が良く、かつ構成が簡略化できる。
分解斜視図である図14に示すように、液体フローユニット300は、主に液体フローブロック301とサポートブロック302とゴムシート303とを有する。液体フローブロック301には、吐出モジュール400に対応する長さの流路、すなわち、図1に示す液体供給流路304および液体還流流路305が形成されている。この液体フローブロック301は、バルブユニット200の差圧弁210を通過した液体を吐出モジュール400の素子基板401へ供給する働きをする。液体フローブロック301の上面に接するようにゴムシート303が配置され、流路間で液体の漏れがないように封止している。本実施例のゴムシート303は厚さ0.5mmのシリコン材からなる。液体フローブロック301の下部はサポートブロック302の凹部に挿入されている。サポートブロック302は液体フローブロック301よりも剛性が高く線膨張が小さい材質、例えばA5052等のアルミニウム合金やステンレス材からなる。このサポートブロック302を基準として、各ユニットおよび吐出モジュール400が配置される。
分解斜視図である図15に示すように、本実施例の吐出モジュール400の支持板403には、複数種類の液体を吐出可能な素子基板401と、素子基板401を駆動するための電気配線部材402とが配置されている。素子基板401の液体フローユニット300側に当接するようにシール部材404が配置され、シール部材404がサポートブロック302に固定されている。
200 バルブユニット(流路形成部材)
210,211,212 差圧弁(弁)
213a,213b,214a,214b 板ばね
401 素子基板
Claims (17)
- 液体を吐出する素子基板と、前記液体を収容するタンクと、前記タンクから前記素子基板への前記液体の供給を制御する弁と、前記タンクと前記素子基板との間に位置する流路の一部を形成する流路形成部材と、を含む液体吐出装置であって、
前記弁は前記流路形成部材の内部に設けられており、前記弁は、前記流路形成部材の一部と一体的に形成された板ばねを含み、
前記流路形成部材には、前記弁の一部を構成する孔部が設けられており、
前記流路形成部材は、金属フレームと前記金属フレームに一部が固定された弾性部材とを有するバルブシートを含み、
前記弁は、前記弾性部材の一部が前記板ばねの弾性変形とともに変位して前記孔部に接する位置と前記孔部から離れた位置との間を移動することにより開閉することを特徴とする液体吐出装置。 - 液体を吐出する素子基板と、前記液体を収容するタンクと、前記タンクから前記素子基板への前記液体の供給を制御する弁と、前記タンクと前記素子基板との間に位置する流路の一部を形成する流路形成部材と、を含む液体吐出装置であって、
前記弁は前記流路形成部材の内部に設けられており、前記弁は、前記流路形成部材の一部と一体的に形成された板ばねを含み、
前記弁は差圧弁であり、前記板ばねによって開弁力が決まっており、
少なくとも2つの前記差圧弁を有し、一方の前記差圧弁は他方の前記差圧弁よりも開弁力が小さいことを特徴とする液体吐出装置。 - 液体を吐出する素子基板と、前記液体を収容するタンクと、前記タンクから前記素子基板への前記液体の供給を制御する弁と、前記タンクと前記素子基板との間に位置する流路の一部を形成する流路形成部材と、を含む液体吐出装置であって、
前記弁は前記流路形成部材の内部に設けられており、前記弁は、前記流路形成部材の一部と一体的に形成された板ばねを含み、
前記タンクと前記素子基板との間で前記流路形成部材を通る前記液体の循環流を生じさせる循環ポンプを含むことを特徴とする液体吐出装置。 - 前記弁は差圧弁であり、前記板ばねによって開弁力が決まっている、請求項1または3に記載の液体吐出装置。
- 少なくとも2つの前記差圧弁を有し、一方の前記差圧弁は他方の前記差圧弁よりも開弁力が小さい、請求項4に記載の液体吐出装置。
- 前記タンクと前記素子基板との間で前記流路形成部材を通る前記液体の循環流を生じさせる循環ポンプを含む、請求項1または2に記載の液体吐出装置。
- 前記循環ポンプは、前記流路形成部材に設けられているダイヤフラムポンプである、請求項3または6に記載の液体吐出装置。
- 前記流路形成部材の内部には、前記液体の循環方向を決める切替弁がさらに設けられており、前記切替弁は、前記流路形成部材の一部と一体的に形成された板ばねを含む、請求項3,6,7のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記流路形成部材には、前記弁の一部を構成する孔部が設けられており、
前記流路形成部材は、金属フレームと前記金属フレームに一部が固定された弾性部材とを有するバルブシートを含み、
前記弁は、前記弾性部材の一部が前記板ばねの弾性変形とともに変位して前記孔部に接する位置と前記孔部から離れた位置との間を移動することにより開閉する、請求項2から8のいずれか1項に記載の液体吐出装置。 - 前記タンクと前記素子基板との間で前記流路形成部材を通る前記液体の循環流を生じさせる循環ポンプを含み、
前記流路形成部材の内部には、前記液体の循環方向を決める切替弁がさらに設けられており、前記切替弁は、前記流路形成部材の一部と一体的に形成された板ばねを含み、
前記切替弁は、前記弾性部材の一部が前記板ばねの弾性変形とともに変位して、前記流路形成部材に形成された他の孔部に接する位置と前記他の孔部から離れた位置との間を移動することにより開閉する、請求項1または9に記載の液体吐出装置。 - 前記切替弁は、通常は開いている切替弁と、通常は閉じている切替弁とを含む、請求項10に記載の液体吐出装置。
- 前記板ばねを弾性変形させるための吸引力を前記流路形成部材に加える吸引機構を有する、請求項1から11のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記素子基板と前記流路形成部材とが直接または間接的に積層されて液体吐出ヘッドを構成している、請求項1から12のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記流路形成部材はバルブユニットであり、前記バルブユニットと前記素子基板との間に、液体供給流路と液体還流流路とを有する液体フローユニットが設けられており、前記弁は前記液体供給流路または前記液体還流流路に接続されている、請求項13に記載の液体吐出装置。
- 前記流路形成部材と前記素子基板との間に、前記弁を作動させるための吸引力または加圧力を発生させる気体フローユニットが設けられている、請求項13または14に記載の液体吐出装置。
- 前記タンクを含むタンクユニットが、前記素子基板および前記流路形成部材に直接または間接的に積層されて液体吐出ヘッドを構成している、請求項13から15のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 複数の前記素子基板を有する、請求項1から16のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
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