以下、図面等を参照して、本開示の表示端末の一例について説明する。ただし、本開示の表示端末は、以下に説明する実施形態や実施例には限定されない。
なお、以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、各図において、部材の断面を示すハッチングを適宜省略する。本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
1.第1実施形態
本開示の表示端末の第1実施形態について説明する。第1実施形態に係る表示端末1は、書籍、雑誌あるいは新聞等の情報が電子データ化されたコンテンツを閲覧可能な電子機器である。表示端末1は図4に示すように、主として操作受付部32および表示制御部31を有する制御部3、通信部2、記憶部4、表示部5、操作部6および電源部7を備える。特に操作受付部32、表示制御部31および表示部5を備えることが表示端末1として好ましい。
表示端末1は専用の電子書籍リーダーであってもよく、スマートフォンやパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であってもよい。表示端末1は通信部2を介して通信ネットワークに接続でき、この通信ネットワークを通じてあらかじめ契約されたアプリケーションサーバ等から所望のコンテンツをダウンロードし、これを記憶部4に保存する。これにより、ユーザは任意の場所やタイミングで、ダウンロードしたコンテンツを表示端末1の操作部6の操作等により表示部5に表示させ、これを見たり読むことができる。
なお、コンテンツとは、文書やデータを構成する文字、英数字、記号、マーク、符号、パターン等、およびこれらの集合体である文章等の情報並びに漫画、イラストあるいは写真等の非文章の情報を総称するものである。コンテンツは、表示部5の中の1箇所または複数箇所に規則的または不規則的に配置されているものもあれば、縦並びまたは横並びの単一または複数の行(列も含む)を形成するものもある。このような行を形成するコンテンツには、文字、英数字、記号の文字等から構成されるものやバーコードのように非文字コードから構成されるものもある。
表示端末1が備える表示部5は、ユーザの要望に応じた様々な表示態様によるコンテンツを表示できる。図1(a)は、文字等から構成される文章の画面201を含む、表示部5に表示された表示画面101を示す図である。
図1(b)は、図1(a)の表示画面101について第1操作を行ったときの変化した表示画面102を示す図である。第1操作の例示としては、例えば図1(a)の表示画面101の画面上の所定位置を指で短時間だけ接触させるタップ操作としてもよい。なお、この第1操作や以後に説明する第2乃至第8操作、その他の各種操作で例示する操作内容はあくまで一例にすぎない。これらはタッチパネル上のいかなる他の操作に置き換えられてもよく、押しボタンや切り換えスイッチ、さらにはジェスチャーによる加速度検知や傾き検知に置き換えられてもよい。
図1(b)の表示画面102は、表示画面101の画面201に強調表示領域301が重畳されたものである。強調表示領域301は、画面201のコンテンツの行方向である上下方向に延びる帯状のハイライトスリット301aと、当該ハイライトスリット301aを挟むように隣接してその左右に配置された、上下方向に延びる帯状の一対のマスキングスリット301bおよび301cと、を含む。ハイライトスリット301aは第1領域の一例であり、マスキングスリット301bおよび301cは第2領域の一例である。
ハイライトスリット301aは、画面201の背景色と同色またはこれとは異なる色彩を有し、これと重畳する画面201の文字等が視認できるように構成された領域である。一方、マスキングスリット301bおよび301cは、本実施形態では画面201の背景色やハイライトスリット301aとは異なる色彩を有し、これと重畳する画面201の文字等が視認できないように構成された領域である。
これは、あたかもハイライトスリット301aが透明または半透明の無着色の、または着色されたフィルムであり、マスキングスリット301bおよび301cが不透明の着色されたフィルムであることに例えることができる。そして、ハイライトスリットと重畳する画面201の文字等が当該ハイライトスリットを透過して視認できる状況が疑似的に表示部5に表示される。このようにハイライトスリット301aに重畳する行の文字等が、着色される等して他の行の文字等よりも視認し易く強調された表示であることを単にハイライト表示と称することがある。
また、マスキングスリットと重畳する画面201の文字等が当該マスキングスリットに隠蔽されて視認できない状況が疑似的に表示部5に表示される。このようにマスキングスリット301bおよび301cに重畳する行の文字等が、着色される等して視認できない、または他の行の文字等よりも視認し難くされた表示であることを単にマスキング表示と称することがある。
また、図1(b)に示すように、初期状態における、すなわち第1操作によって最初に強調表示領域301が表示部5に表示された場合における強調表示領域301が、表示画面102の左右方向の略中心付近に配置されている。ここで、ユーザが表示画面102のおおむね中央付近の点A1に指を触れ、このまま右方向であるX1方向にスライドして点A2まで達したとする。このようなスワイプ操作は第2操作のひとつの例示である。
第2操作を、操作部6を介して操作受付部32で受け付けた場合は、後述する表示制御部31が生成した制御情報に基づいて以下のようになる。すなわち、強調表示領域301が表示画面102の位置から第2操作の方向に沿って右方向に移動する。その結果、図2(a)に示すように、所定頁のコンテンツの右端の行にハイライトスリット301aが重畳する位置に強調表示領域301が配置された表示画面103が表示部5に表示される。
このように、第1実施形態の表示端末1は、複数行の文字等から構成されるコンテンツを表示し、複数行の少なくとも1行をハイライト表示するか、または当該1行の両隣の領域をマスキングして表示する。その結果、表示端末1を使って電子書籍等の電子情報であるコンテンツを読む場合においても、紙媒体の書籍等の読書補助具であるリーディングトラッカーと同様の効果が得られる。すなわち、ユーザの嗜好やディスレクシアの程度、コンテンツの読み位置等のユーザの状況に合わせたコンテンツの読み易さの向上が図れる。以下に、第1実施形態の表示端末1の構成の詳細を説明する。
(a)表示端末の構成
(i)通信部
通信部2は、表示端末1が無線または有線LANや、インターネット、携帯電話網等の広域通信網と接続して各種サーバからコンテンツをダウンロードしたり、各種サーバが提供するウェブ画面を通じてコンテンツを閲覧するための通信機能を有している。通信部2は無線通信のためのアンテナやA/DおよびD/A変換器等の通信インターフェースを備え、制御部3からデータバスを通じて送信された指示信号に従い送信用データを所定の交流波形の電波に変換して出力する。
また、外部から送信された電波を受信し、これをデジタルデータとしてデータバスを通じて制御部3に送信する。出力された電波は付近に設置されたWi-Fi(登録商標)のアクセスポイントやLTE(Long Term Evolution)の基地局等を中継して広域通信網に伝達される。なお、表示端末1が、電子書籍データをUSBメモリや通信ケーブルを接続してダウンロードできる構成であれば、表示端末1は通信部2を備えていなくてもよい。
(ii)記憶部
記憶部4は、各種データを記憶する機能を有し、固定データを記憶するROMや一時的な記憶のためのRAM、および可変情報であるアプリケーションデータやパラメータを記憶するフラッシュメモリ等の書き換え可能な不揮発性メモリ等から構成される。記憶部4のうち、コンテンツに関係するデータとして、例えばコンテンツ41、コンテンツ表示アプリ42および表示属性データ43等が記憶されている。
コンテンツ41は、表示端末1が上述の広域通信網等を経由して各種サーバからダウンロードした電子書籍等のコンテンツデータである。表示端末1は、操作部6の操作により記憶部4からコンテンツ41を読み出して、これを頁単位等で表示部5に表示させることができる。ただし、表示端末1が各種サーバの提供するウェブ画面を通じてコンテンツを閲覧する方式を採用している場合は、コンテンツ41を記憶部4に格納する必要はない。
コンテンツ表示アプリ42は、ダウンロードしたコンテンツ41を、ユーザが表示端末1の表示部5に表示し、読書や各種操作ができるようにするためのアプリケーションプログラムや各種パラメータから構成される。ただし、表示端末1が各種サーバの提供するウェブ画面を通じてコンテンツを閲覧する方式を採用している場合は、コンテンツ表示アプリ42の代わりに閲覧用のウェブブラウザを有してもよい。
表示属性データ43は、広い意味ではコンテンツ表示アプリ42に含まれてもよいが、電子書籍等のコンテンツや文章等の属性情報、すなわち書体情報やコンテンツサイズ情報、コンテンツの間隔情報、行間隔情報、コンテンツ色と背景色、背景デザイン等の各種情報を示す。なお、表示属性データ43には、コンテンツの表示形態を参照するための各種のコンテンツの表示形態仕様テーブルを含めてもよい。
(iii)制御部
制御部3は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって構成され、表示端末1の各部からの情報収集や各種判断、各部への動作指示等を行う。制御部3はまた、表示端末1の各部との信号入出力のためのインターフェースを備え、通信部2、表示部5、操作部6、記憶部4および電源部7との信号や情報の入出力およびその動作を制御する。制御部3はこのように様々な制御機能を有しているが、特にコンテンツの表示に関係するものとして、表示制御部31や操作受付部32を備えている。
表示制御部31は、表示部5へのコンテンツの表示態様およびその表示内容を操作受付部32が受け付けたユーザの操作内容等に応じて判断する。そして、所定の表示態様や表示内容で表示部にコンテンツを表示するように所定の制御情報を生成し、これを表示部5に伝達する。所定の制御情報は、記憶部4等から読み出した具体的な表示態様や表示内容に相当するデータであってもよく、この情報を表示制御部31が表示部5の表示ドライバに対して直接送信してもよい。あるいは、所定の制御情報はあらかじめ具体的な表示態様や表示内容と紐づけられた特定のコード情報から構成されてもよい。
この場合は、制御情報を表示制御部31から受け取った表示部5の表示ドライバが、この内容を解読して対応する具体的な表示態様や表示内容を記憶部4等から読み出して表示部5に表示させる。表示制御部31は初期状態において、例えば図1(a)に示すように、文書体の頁単位のコンテンツとして縦書きの文章から構成される画面201を含む表示画面101を表示部5に表示することを指示する制御情報を生成する。表示画面101の左上に表示される「13」は当該頁の頁番号251である。
図1(a)の表示画面101について画面をタップする等の第1操作を行ったとき、表示制御部31が生成する制御情報に基づき、表示部5に表示される表示画面101は、図1(b)に示すような表示画面102に遷移する。前述したように、表示画面102は、表示制御部31が生成する制御情報に基づき、表示部5に表示される表示画面101の文章の画面201に強調表示領域301が重畳されたものである。ここで、表示制御部31が生成する制御情報に基づいて表示部5に表示される強調表示領域301並びにこれを構成するハイライトスリット301aおよびマスキングスリット301b、301cの詳細を説明する。
ハイライトスリット301aは前述のとおり、画面201の背景色と同色の、またはこれとは異なる色彩を有し、これと重畳する画面201の文字等が視認できるように構成された領域である。コンテンツの行の配列方向である左右方向に沿ったハイライトスリット301aの幅Wh1は、少なくともこれと重畳する画面201の文字等が欠けることなく視認できる程度に調整されている。言い換えると当該幅Wh1は、画面201の文字等の幅と同一か、これよりも大きい状態に調整できることが好ましい。これにより、ハイライトスリット301aに重畳するコンテンツの1行分の文字等を明確に視認できる。
また、初期状態におけるハイライトスリット301aの幅Wh1は、上記の条件を満たした上で、例えば表示部5の表示画面の左右方向の幅W1の5%以上かつ15%以下の大きさを有することが好ましい。ハイライトスリット301aの幅Wh1がこのような大きさであることにより、複雑な計算を要せずに第1操作後に早急に強調表示領域301を表示部5に表示させることができ、ハイライトスリット301aと重畳する文字等を良好に読めることが期待できる。表示部5に表示されるコンテンツの標準的な文字等の横幅は、表示画面の横幅の5%以上かつ15%以下であると考えられるからである。
また、例示的には画面201の背景色は白色であり、文字等の色が黒色であり、ハイライトスリット301aは黄色に着色されている。このように、ハイライトスリット301aの色彩を他のコンテンツの背景色や文字色とは異なる色とすることで、ハイライトスリット301aと重畳するコンテンツの特定の行の文字等が周囲の文字等よりも強調され、ユーザにとって読み易くなることがある。ただし、ユーザにとっての適切なハイライトスリット301aの着色は、ユーザの嗜好やディスレクシアの程度等により個人差がある。例えば、オレンジ、赤、青、水色、茶色、紫等、様々な色彩に着色してもよい。また、無彩色としてもよく、元々のコンテンツの背景色と同色としてもよい。
さらには、ハイライトスリット301aを構成する表示部5の各画素の輝度値が、画面201の背景部分の各画素の輝度値よりも高くなるようにしてもよい。なお、ユーザが表示端末1の操作部6への操作により、ハイライトスリット301aの色彩や輝度レベルを選択できることが好ましい。当該操作は第4操作の例示である。すなわち、操作受付部32が第4操作を受け付けた場合は、表示制御部31が生成した前記制御情報に基づいて、重畳するいずれかの行のコンテンツが視認できる程度の第1領域であるハイライトスリット301aの色彩または輝度を変更可能であってもよい。
一方、マスキングスリット301bおよび301cは一例では画面201の背景色やハイライトスリット301aとは異なる色彩を有し、これと重畳する画面201の文字等が視認し難くなるように構成された領域である。左右方向に沿ったマスキングスリット301bおよび301cの幅Wm1は、少なくともこれと重畳する画面201の文字等、特にハイライトスリット301aと重畳する行に隣接する行の文字等の一部が欠ける程度に調整されている。
言い換えると当該幅Wm1は、画面201の文字等の幅と同一か、これよりも大きい状態に固定されており、または調整可能となっている。マスキングスリット301bおよび301cがハイライトスリット301aと重畳する行の隣接行の文字等の視認を困難にすることで、ユーザの視点をハイライトスリット301aと重畳する行の文字等に集中させることができ、当該文字等を読み易くできる。
例示的にはマスキングスリット301bおよび301cはグレー色である。ただし、マスキングスリットの着色もハイライトスリット301aと同様、ユーザの嗜好やディスレクシアの程度等を考慮して、任意の色彩としてもよい。ただし、マスキングスリットの機能がユーザの視点をハイライトスリット301aと重畳する行の文字等に集中させることである点に鑑み、マスキングスリットはなるべく目立ちにくい無彩色とすることが好ましい。また、マスキングスリットを構成する表示部5の各画素の輝度値を、ハイライトスリット301aや画面201の背景部分のそれよりも低めに設定することが好ましい。
また、初期状態におけるマスキングスリット301bおよび301cの幅Wm1は、上記の条件を満たした上で、例えばハイライトスリット301aの幅Wh1と同一とするか、またはこれより大きくしてもよい。マスキングスリット301bおよび301cの幅Wm1がこのような大きさであることにより、複雑な計算を要せずに第1操作後に早急に強調表示領域301を表示部5に表示させることができる。よって、ユーザの視線をハイライトスリット301aと重畳する行の文字等に集中させる効果が期待できる。なお、マスキングスリット301bおよび301cの幅をそれぞれ同一とせず、異なる大きさとしてもよい。
図1(b)の表示画面102に示すように、強調表示領域301は、コンテンツが縦書きの文章を表示する場合、表示画面102の上端から下端にかけて配置されてもよい。強調表示領域301は、少なくとも対象とする行の上端および下端の文字等の略全域と重畳する範囲に配置されることが好ましい。一方、ユーザの第1操作直後の強調表示領域301の左右方向の配置は、その左右方向の中心が表示画面102の左右方向の略中心付近に来る位置としているが、これ以外の位置に配置されてもよい。
ここで、前述したとおり、ユーザが表示画面102の点A1に指で触れ、このままX1方向にスワイプする第1操作を行った場合、表示制御部31は、以下の表示を表示部5にするよう指示する制御情報を生成する。すなわち、表示画面102のうちの強調表示領域301が、スワイプする程度、すなわち指の速度や移動量に応じて、スワイプ方向である右方向に移動する。そして、図2(a)に示すように、13頁のコンテンツである画面201の右端の行にハイライトスリット301aが重畳する位置に強調表示領域301が配置された表示画面103に、表示部5の表示が変化する。なお、このとき、ハイライトスリット301aの幅Wh1やマスキングスリット301bおよび301cの幅Wm1は変化しない。
このように、強調表示領域301が表示部5に表示されているときにユーザが第2操作を行うことによって、ハイライトスリット301aと重畳するコンテンツの行位置を行の配列方向に沿って任意に移動できる。よって、ユーザが、表示部5に表示された所定頁のコンテンツを先頭行から1行ずつ読み進める際に、読む対象の行にハイライトスリット301aが重畳するよう、順次、強調表示領域301の配置をずらすことにより、ユーザの状況に合わせたコンテンツの読みやすさが向上する。
なお、第2操作としてスワイプをする場合、ハイライトスリット301aは指の速度や移動量に応じて連続的にスワイプ方向に移動してもよいが、ハイライトスリット301aが間欠的に一定量だけステップ移動することとしてもよい。このようにすることで、ハイライトスリット301aが連続的に移動する場合よりも、ユーザにハイライトスリット301aの移動を認識し易くでき、特定行とハイライトスリット301aとの位置合わせが容易になる場合がある。
また、ユーザが表示画面101において、図2(b)の表示画面104の点A3および点A5に対応する2点に2本の指で触れ、それぞれ左方向であるX2方向の点A4まで、および右方向であるX3方向の点A6まで同時に指をずらすとする。この操作をピンチアウトともいい、第3操作の例示である。ユーザが表示画面101に対してこのような第3操作を行った場合、表示制御部31は、以下の表示を表示部5にするよう指示する制御情報を生成する。すなわち、表示画面101のうちの強調表示領域301の左右方向の幅が拡大される。
具体的には、強調表示領域301のハイライトスリット301aが、図2(b)に示すように、ピンチアウトする程度に応じて幅Wh1からWh2に拡大されたハイライトスリット302aに変化する。その結果、強調表示領域301は、ハイライトスリット302aと、これの両端に配置された幅が変化しないマスキングスリット301bおよび301cとが配置された強調表示領域302に変化する。元の文章の画面201に横幅の拡大された強調表示領域302が重畳配置されたものが表示画面104となる。
このように、強調表示領域301が表示部5に表示されているときにユーザが第3操作を行うことによって、ハイライトスリット301aの左右方向の幅を自由に拡張できる。これにより、拡張されたハイライトスリット302aと重畳するコンテンツの領域が拡大し、コンテンツの文字等を拡大させたとしてもこれをハイライトスリット302aの領域の範囲内で見ることができる。また、文字等を拡大しない場合は、複数行の文字等を一度にハイライトスリット302aの領域の範囲内で見ることができる。これにより、ユーザの視点をハイライトスリット302aと重畳する行の文字等に集中させつつ、まだ読んでいない先の行が視界に入ることでユーザの文章展開の予測性を向上させ、読み進む速度を向上させることができる。
一方、図3(a)に示すように、コンテンツが文章である画面201に強調表示領域301が重畳された表示画面102において、ユーザが強調表示領域301以外の表示画面102の領域である左端の点A7から右方向であるX4方向の点A8までスワイプしたとする。このとき、ユーザによる頁めくりのための操作が操作部6で検知され、操作受付部32で受け付けられると、図3(b)に示すように、それまで表示部5に表示されていた13頁のコンテンツが、紙媒体の文書体の頁めくりと同様のイメージで3次元的にめくられる。
すなわち、めくられる13頁は、その右側が表面側画面201pとして表示され、その左側が反対側にめくられて裏面側画面201qとして表示される。また、裏面側画面201qには反転した13頁の文書の文字等が紙媒体の頁を透過して視認できる。表示画面105がこのような表示であることにより、ユーザに紙媒体の書籍等の頁をめくっているような臨場感を与えることができる。
さらに13頁がめくり終わると、図3(c)の表示画面106のように、ほぼ全域に14頁だけが表示部5に表示される状態となる。このとき、強調表示領域301は、頁をめくる前の13頁の表示画面102における配置に対応した、14頁の表示画面106の所定位置に配置される。この所定位置は、13頁の表示画面102における配置と同一でもよく、14頁の表示画面106のもっとも右側に寄せた位置でもよい。
紙媒体の書籍等でリーディングトラッカーを使用する場合は、所定頁を読み終えた後で一旦、リーディングトラッカーを取り外して頁をめくり、その後、改めてリーディングトラッカーを所定の位置に配置する必要がある。しかし、本実施形態の表示端末1では、頁めくりをしても、その後の頁の所定位置に、強調表示領域301が自動的に配置されるのでユーザにとっての利便性が高い。
一方、操作受付部32は、ユーザが操作部6に対して行った操作を受け付け、その受け付けた操作内容を表示制御部31に伝達する。操作受付部32は、受け付けたユーザの操作を表示制御部31に対する特定のコマンド情報に変換して表示制御部31に伝達してもよい。または、単に操作部6に対して行われた操作信号をそのまま表示制御部31に伝達してもよい。さらには、あらかじめ操作部6に対して行われた操作内容と表示制御部31に対するコマンド情報との関連付けがされたデータテーブルを記憶部4等に記憶しておいてもよい。そして、操作受付部32または表示制御部31が、当該データテーブルを参照して表示制御部31に対するコマンド情報を特定してもよい。
なお、コマンド情報は、表示制御部31が表示部5に対する制御情報を生成する上での条件付けとなる命令または指示を示す情報である。例えば、コマンド情報が表示部5に強調表示領域301を重畳表示させる命令である場合は、表示制御部31は当該表示のための表示部5に対する制御情報を生成する。
(iv)表示部および操作部
表示部5は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、電子ペーパー等により構成され、表示素子への電圧駆動を制御する表示ドライバを備える。表示部5はコンテンツの情報である文章情報や非文章情報等を制御部3からの指示に基づき、ユーザに視認できるように画面上に表示させる機能を有している。また、表示部5は、各種操作を受け付けるためのメニュー画面を表示させることができ、表示部5を構成するタッチパネルを操作部6として、これをユーザの指で触ることにより様々な操作入力が行える。
操作部6であるタッチパネルは静電容量方式、電磁誘導方式、赤外線方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式等の公知の技術により形成できる。よって、タッチパネルを通じて操作を行う場合、表示部5がその一部として操作部6の機能を兼ね備える。ただし、表示端末1は表示部5のタッチパネルではなく、あるいはタッチパネルの機能に加えて別個にプッシュボタンや切り替えスイッチ等の操作部6を備えてもよい。また、手で操作するものに限らず、ジェスチャー等による加速度検知や傾き検知を操作入力とする操作部6を備えてもよい。
(v)電源部
表示端末1は、さらに各部を駆動するための電力を供給するために電源部7を有する。電源部7は、例えばリチウムイオン二次電池や二次固体電池等、繰り返し充電できるものであることが好ましい。
(b)第1実施形態の表示端末について
以上、説明したように、第1実施形態のコンテンツを表示する表示端末1は、複数行のコンテンツを表示し、複数行の少なくとも1行をハイライト表示するか、または当該1行の両隣の領域をマスキングして表示する。これにより、コンテンツを読む場合において、ユーザの嗜好やディスレクシアの程度、コンテンツの読み位置等のユーザの状況に合わせたコンテンツの読み易さの向上が図れる。
また、このときの複数行のコンテンツは、複数行の文字等から構成されるコンテンツであってもよい。ハイライト表示するか、または両隣の領域がマスキング表示される対象の行が文字等であることにより、ユーザの状況に合わせたコンテンツの読み易さの向上は一層高まる。
また、第1実施形態の表示端末1は、表示部5と、表示部5の表示を変化させる操作を受け付ける操作受付部32と、操作受付部32が受け付けた操作に対応する、表示部5の表示に関する制御情報を生成する表示制御部31と、を備える。コンテンツが表示部5に表示されるときに、操作受付部32が操作を受け付けた場合は、表示制御部31が生成した制御情報に基づいた表示態様で表示部5に表示可能となる。
一例としては、コンテンツが表示部5に表示されるときに、操作受付部32が第1操作を受け付けた場合は、表示部5には以下のような表示態様で表示がされる。すなわち、表示制御部31が生成した前記制御情報に基づいて、強調表示領域301が所定頁の画面201に重畳される。さらに重畳する前記第1領域を透過して所定頁の画面が視認できる状態で表示部5に表示され得る。強調表示領域301は、帯状の第1領域であるハイライトスリット301aと、第1領域を挟むように隣接して配置された帯状の一対の第2領域であるマスキングスリット301bおよび301cと、を含む。
これにより、ユーザは、通常のコンテンツを読むモードと特定行を強調表示、すなわちハイライト表示または両隣の領域をマスキング表示して読むモードとを自由に切り替えることができ、読書等の利便性を向上できる。
さらに、強調表示領域301が表示部5に表示されているときに操作受付部32が第2操作を受け付けた場合は、以下のようになる。すなわち、表示制御部31が生成した制御情報に基づいて、第1領域と重畳するいずれかの行のコンテンツが視認できるように強調表示領域301の位置を行配列方向に沿って移動可能な表示態様で表示部5に表示可能である。これにより、ユーザは、強調表示したい行位置を自由に選択することができ、読書等の利便性を一層向上できる。
また、強調表示領域301が表示部5に表示されている場合において、操作受付部32が第3操作を受け付けることにより、表示制御部31が生成した制御情報に基づいて、第1領域の行の配列方向に沿った幅を行の配列方向に沿って変更可能な表示態様で表示部5に表示可能である。
これにより、コンテンツの文字等を拡大させた場合であっても、これに合わせて第1領域の幅を拡張して当該文字等を第1領域の範囲内で見ることができ、拡大文字等の視認性をさらに向上できる。また、文字等を拡大しない場合は、複数行の文字等を一度に第1領域の範囲内で見ることができる。これにより、ユーザの視点を第1領域と重畳する行の文字等に集中させつつ、まだ読んでいない先の行が視界に入ることでユーザの文章展開の予測性を向上させ、読み進む速度を向上させることができる。
また、強調表示領域301が表示部5に表示されている場合において、操作受付部32が第4操作を受け付けることにより、以下が可能である。すなわち、表示制御部31が生成した制御情報に基づいて、重畳するいずれかの行のコンテンツが視認できる程度で第1領域の色彩または輝度を変更可能な表示態様で表示部5に表示可能である。これにより、ユーザの嗜好やディスレクシアの程度等の個人差を考慮した、最適な第1領域の色彩または輝度の調整ができ、ユーザの状況に合わせたコンテンツの読み易さの一層の向上が図れる。
2.第2実施形態
次に、本開示の表示端末の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る表示端末は、第1実施形態の表示端末1の機能に加えて、以下の追加の機能を備える点が第1実施形態とは異なる。すなわち、強調表示領域301が表示部5に表示されている場合において、操作受付部32が第5操作を受け付けた場合に以下が可能となる。第5操作が受け付けられると、表示制御部31が生成した制御情報に基づいて、一対の第2領域であるマスキングスリットの色彩または輝度を変更可能である。また、その変更の程度は、重畳するいずれかの行のコンテンツが視認できる程度から、このコンテンツが視認できない程度までである。
例えば、図5(a)に示す表示画面107は、表示部5に図3(a)の表示画面102が表示されているときに、ユーザが強調表示領域301のマスキングスリット301bと重なる点A9に一定時間、指を長押しした場合の画面の変化を示す図である。このような長押し操作は、第5操作の例示である。この第5操作により、強調表示領域301のマスキングスリット301bは、これと重畳する画面201の文字等が視認できない状態からかすかに視認できる程度であるマスキングスリット303bに遷移し、これらが強調表示領域303を構成する。
一方、図5(b)に示す表示画面108は、表示部5に図3(a)の表示画面102が表示されているときに、ユーザが強調表示領域301のマスキングスリット301cと重なる点A10に一定時間、指を長押しした場合の画面の変化を示す図である。この操作も第5操作の例示である。この第5操作により、強調表示領域301のマスキングスリット301cは、これと重畳する画面201の文字等が視認できない状態からかすかに視認できる程度であるマスキングスリット304cに遷移し、これらが強調表示領域304を構成する。
図5(c)に示す表示画面109は、上述の表示画面102に対するマスキングスリット303bへの第5操作とマスキングスリット304cへの第5操作とを同時に、または別々に続けて実施した結果、表示されるものである。この場合、ハイライトスリット301aを挟む2箇所のマスキングスリット303bおよび304cは、ともにこれと重畳する画面201の文字等がかすか視認できる程度であり、これらが強調表示領域305を構成する。
さらに、図5(d)に示す表示画面110は、表示画面109と同様、2箇所のマスキングスリット306bおよび306cを、これと重畳する画面201の文字等がかすかに視認できる程度であり、これらが強調表示領域306を構成する。しかし、マスキングスリット306bおよび306cは、表示画面109のマスキングスリット303bおよび304cよりも、これと重畳する画面201の文字等がより見づらい程度となっている。
このような、強調表示領域305および306についてのマスキングスリットの色彩や輝度の調整は、例えば第5操作の指を長押しする時間に応じてできるとしてもよい。すなわち、長押しの時間が短いほどマスキングスリットによる文字等の視認性が低くなり、長押しの時間が長くなるにつれてマスキングスリットよる文字等の視認性が高くなるように調整可能な表示態様で表示部5に表示可能としてもよい。このように簡単な操作でマスキングスリットの透明度の調整ができることにより、ユーザの嗜好やディスレクシアの程度、コンテンツの読み位置等のユーザの状況に合わせたコンテンツの読み易さの一層の向上が図れる。
第5操作によるマスキングスリットの色彩や輝度の調整は、これと重畳するコンテンツの文字等の視認性を調整するために行う。しかし、第5操作により、文字等の視認性の調整とは無関係にマスキングスリットの色彩または輝度の変更のみを行うこともできる。
図5(a)の表示画面107のように、強調表示領域303の一対のマスキングスリットのうち、ハイライトスリット301aの左側のマスキングスリット303bが画面201の文字等を視認できる程度のとき、以下のことがいえる。すなわち、ユーザは、ハイライトスリット301aに重畳する画面201の文字等を集中して読める。さらに、ユーザは現在読んでいる文字等の行よりも先行位置にある行の文字等がかすかに視認できるため、ユーザによる文章展開の予測性を向上させ、読み進む速度を向上させることができる。
また、図5(b)の表示画面108のように、強調表示領域304の一対のマスキングスリットのうち、ハイライトスリット301aの右側のマスキングスリット304cが画面201の文字等を視認できる程度のとき、以下のことがいえる。まず、ユーザは、ハイライトスリット301aに重畳する画面201の文字等を集中して読める。さらに、ユーザは現在読んでいる文字等の行を遡る行の文字等が視認できるため、直前に読み終えた行が再度視界に入る。この復習効果により、ユーザによる文章の理解度が高まり、その結果として読み進む速度を向上させることができる。
一方、図5(c)の表示画面109のように、強調表示領域304の一対のマスキングスリットの両方のマスキングスリット306bおよび306cが画面201の文字等を視認できる程度のとき、上述の効果を併せ持った効果が得られる。なお、マスキングスリットの透明性が高すぎる場合、すなわちマスキングスリットを通した文字の視認性が高すぎる場合は、上述のユーザによる文章展開の予測性や復習効果による文章理解度の向上につながる。しかしその反面、ユーザの視点をハイライトスリットに重畳する文字等に集中させる効果は低下する。したがって、ユーザの嗜好やディスレクシアの程度等、ユーザの状況に合わせて、一対のマスキングスリットの各々の透明性をユーザが自由に調整できることが有効である。
3.第3実施形態
次に、本開示の表示端末の第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る表示端末1aは、図7に示すように、制御部3aが行配置特定部33をさらに備えていることが第1実施形態とは異なる。なお、図7ではさらに制御部3aが読取時間計算部34を備えているが、この態様については第4実施形態として後述する。
行配置特定部33は制御部3aに含まれる部位であり、表示部5に表示された所定頁の文章領域の行配置を特定するものである。文章領域の行配置とは、表示部5の表示画面の中で文章領域を構成する文字等の行がどの位置に配置されているかを示す情報である。例えば、表示端末1aがコンテンツをアプリケーションサーバ等からダウンロードする際に、コンテンツ41とは別に、これを表示部5に表示させるための属性情報である表示属性データ43を記憶部4に格納しておくことができる。表示属性データ43には、具体的に頁を表示させたときの文字等のサイズや行配置する際の行ごとのピッチ情報や配置座標の情報等が含まれてもよい。
この場合は、行配置特定部33が記憶部4の表示属性データ43を読み出すことにより、所定頁に配列されるコンテンツの文字等の各行の位置を特定できる。あるいは、行配置特定部33は、直接、表示画面のイメージ情報を取得してOCR処理等の画像処理を施すことにより、所定頁に配列されるコンテンツの文字等の各行の位置を特定してもよい。
本実施形態における表示端末1aの動作について、主として図6乃至図8に基づいて説明する。まず、ユーザは第1実施形態の表示端末1と同様に、表示端末1aに対して第1操作を行い、操作受付部32が第1操作を受け付ける(図8のステップS401)。ここで、図6(a)に示すように表示部5に表示している所定頁である13頁のコンテンツの画面201に強調表示領域301を重畳表示させる前に、まず行配置特定部33が13頁の文章領域の行配置を特定する(ステップS402)。
次に、表示制御部31は、行配置特定部33が特定した13頁の文章領域の行配置の情報に基づいて、表示部5に表示すべき内容に関する指示として制御情報を生成する。本実施形態では、第1操作を受け付けたときの初期状態では、表示された頁の先頭行の文字等に第1領域が重畳するように強調表示領域301を配置する。この制御情報を受けて、表示部5には図6(a)に示すような、強調表示領域301が右端に寄った状態の表示画面111が表示される(ステップS403)。ここで頁をめくる操作をした場合は、次の頁、すなわち14頁について、再度、上述のステップS402およびS403が実行される(ステップS404)。
続いて、頁めくりをせずに第6操作をした場合は、以下のフローとなる。第6操作は、例えば図6(a)の表示画面111に示すように、ハイライトスリット301aのいずれかの場所である点A11をタップすることとして例示できる。このとき、行配置特定部33は、第1領域であるハイライトスリット301aが重畳する行に先行する行、すなわち本実施形態では先頭行に対して左側の行が文章領域内に存在するか否かを確認する(ステップS406)。そして、第1領域が重畳する行に先行する行が存在する場合は、表示制御部31は、この情報に基づいて、当該先行する行の文字等に第1領域が重畳する位置に強調表示領域301を移動させて表示部5に表示する旨の制御情報を生成する。その結果、表示部5には図6(b)に示すような、強調表示領域301が1行分左側にシフトした状態の表示画面112が表示される(ステップS409)。
その後は、図8の処理Aが行われる。すなわち、処理Aは、ステップS404からのフローを繰り返すものである。一方、ステップS406で行配置特定部33が文章領域内に第1領域が重畳する行に先行する行が存在しないことを確認した場合、すなわち、第1領域が重畳する行がすでに最終行である場合は、現状の表示部5への表示内容を維持する(ステップS407)。図6(c)の表示画面113のように第1領域が重畳する行がすでに最終行である場合は、これ以上、先行する行への強調表示領域301の移動が不可能なため、この場合は第6操作に対して無反応とすることができる。ただし、表示制御部31が生成する制御情報により、強調表示領域301の移動が不可能である旨の表示を表示部5にすることで、ユーザに誤操作を知らせてもよい(ステップS407)。
この状態で、図6(c)に示すように、強調表示領域301以外のコンテンツの画面201の点A13から右方向であるX5方向に沿って点A14までスワイプする等の頁めくり操作をした場合は(ステップS404)、ステップS402からのフローを繰り返す。すなわち、図6(d)に示すように、頁がめくられて次の頁である14頁が表示され、第1領域が先頭行となるように強調表示領域301が移動して重畳された表示画面114が表示部5に表示される。なお、終了処理をした場合は、表示を終了する(ステップS408)。
本実施形態の例示は、ユーザが操作部6を兼ねる表示部5に第6操作を繰り返し行うことにより、強調表示領域301の第1領域と重畳する対象行が、順次先行する行にシフトするように強調表示領域301がステップ移動可能である。ただし、行配置特定部33は、表示部5に表示された所定頁の文章領域内の行配置情報を特定している。よって、第6操作に対して強調表示領域301を最終行側に向けて行間隔ごとのステップ移動をさせるだけではなく、先頭行側に向けて行間隔ごとのステップ移動をさせることもできる。
すなわち、本実施形態では、重畳する第1領域を通していずれかの行である第1行のコンテンツが視認できる位置に強調表示領域301が配置されている場合において、操作受付部32が第6操作を受け付けることにより以下が可能となる。表示制御部31が生成した制御情報に基づいて、行配置特定部33が文章領域の範囲で特定した第1行に隣接する第2行のコンテンツが、これと重畳する第1領域を通して視認できる位置に強調表示領域301が移動可能である。
例えば13頁が1行目から7行目までの文章領域から構成され、現在、強調表示領域301の第1領域が5行目に重畳しているとする。このとき、第6操作をすることで、第1行を5行目とし、第2行を6行目とすること、さらには第1行を6行目とし、第2行を7行目として強調表示領域301を最終行に向けてステップ移動させることができる。また、これとは異なる第6操作をすることで、第1行を5行目とし、第2行を4行目とすること、さらには第1行を4行目とし、第2行を3行目として強調表示領域301を先頭行に向けてステップ移動させることもできる。
このように、本実施形態では、コンテンツに強調表示領域301が重畳配置されている表示部5の表示画面に対して、所定の第6操作を行うことでユーザが容易にこれと隣接する行に強調表示領域301をステップ移動させることができる。すなわち、ユーザはコンテンツの現在読んでいる文字等の行に第1領域が重畳するように強調表示領域301の配置を微妙に調整する必要がなくなる。よって、ユーザは強調表示領域301の移動に気を使うことなく、コンテンツを読むことに専念できるため、ユーザのコンテンツの読み易さの一層の向上が図れる。
なお、第6操作のタップ操作以外の例として、例えば図6(a)の表示画面111において、ハイライトスリット301aのいずれかの場所である点A11を起点にして、ハイライトスリット301aを移動させたい方向にむけてスワイプすることとしてもよい。このとき、スワイプ操作は左右方向に沿って指が連続的に移動する動作となるが、ハイライトスリット301aは、指の移動量または移動速度に応じて1行ずつ、隣接行にステップ移動させることができてもよい。このようにすることで、連続的なタップ操作よりもユーザの操作負担を軽減できる場合がある。
4.第4実施形態
次に、本開示の表示端末の第4実施形態について説明する。第4実施形態に係る表示端末1aは、前述の第3実施形態の表示端末1aに対して、制御部3aが読取時間計算部34をさらに備えていることが異なる。
読取時間計算部34は制御部3aに含まれる部位であり、所定のコンテンツにおけるユーザの頁めくりの時間間隔の情報を取得し、1行あたりのコンテンツを読むのに要する時間を計算する。さらに、読取時間計算部34は、1行あたりのコンテンツを読むのに要する時間に対応する改行時間を定める。まず、読取時間計算部34がユーザの頁めくりの時間間隔の情報を表示端末1aから収集し、記憶部4に記憶させる。このような情報は、例えば表示部5に表示される頁画面の切り替わり時間の情報、または表示部5に表示される頁ごとの表示開始から表示終了までの時間情報等の頁表示に関するログデータを収集することにより可能である。頁めくりの時間間隔の情報は、現在読んでいるコンテンツに関するものが好ましいが、データが少ない場合は、過去に読み終えた別のコンテンツに関する情報を流用してもよい。
次に読取時間計算部34は、ユーザの頁めくりの時間間隔の情報をもとに、1行あたりのコンテンツを読むのに要する時間を計算する。例えば、あるコンテンツの頁めくりの時間間隔が平均で140秒であるとし、1頁あたり20行の書式で記載されているとすると、1行あたりのコンテンツを読むのに要する時間は7秒と計算できる。なお、この計算にあたっては、ユーザが休憩などにより一定時間以上、読書等を中断した時間を差し引くことにより、正確な時間を算出できる。さらに、読取時間計算部34は、1行あたりのコンテンツを読むのに要する時間に対応する改行時間を定めることができる。これは、計算された1行あたりのコンテンツを読むのに要する時間そのものであってもよく、これを複数の時間範囲に場合分けし、各時間範囲に応じた時間としてもよい。
本実施形態における表示端末1aの動作について、主として図7、図9および図10に基づいて説明する。第1操作から最初の強調表示領域301の表示部5への表示までのステップ(図9のステップS421~ステップS423)は、第3実施形態で説明したステップS401からステップS403に至るフローと同様である。また、ここで頁をめくる操作をした場合の処理も前述のステップS404と同様である(ステップS424)。
一方、頁めくりをせずに第7操作をした場合は、以下の動作となる。第7操作は、例えば前述の第6操作と同様の操作としてもよく、これとは異なる操作としてもよい。このとき、行配置特定部33は、第1領域であるハイライトスリット301aが重畳する行に先行する行、すなわち本実施形態では先頭行に対して左側の行が文章領域内に存在するか否かを確認する(ステップS426)。そして、第1領域が重畳する行に先行する行が存在する場合は、図9の処理Bすなわち、図10の処理に移る。
このとき、まずは読取時間計算部34が、ユーザの頁めくりの時間間隔の情報を表示端末1aから収集し、記憶部4に記憶させる。次に読取時間計算部34は、ユーザの頁めくりの時間間隔の情報をもとに、1行あたりのコンテンツを読むのに要する時間を計算する。さらに、読取時間計算部34は、1行あたりのコンテンツを読むのに要する時間に対応する改行時間を定める(ステップS431)。
その後、読取時間計算部34は、最初の第7操作がされてからの経過時間、または強調表示領域301が移動されてからの経過時間を測定し、この時間が上記の改行時間に達した場合、以下のとおりとなる(ステップS432)。すなわち、表示制御部31は、この読取時間計算部34からの情報に基づいて、当該先行する行の文字等に第1領域が重畳する位置に強調表示領域301を移動させて表示部5に表示する旨の制御情報を生成する。その結果、表示部5には強調表示領域301が1行分左側にシフトした状態の表示画面が表示される(ステップS433)。
その後は、頁めくりが行われた場合は処理Cに移り(ステップS434)、頁めくりが行われずに終了処理がされた場合は処理Eに移る(ステップS435)。処理CはステップS422に戻る処理であり、処理Eは終了処理である。また、これらが行われない場合は、行配置特定部33が第1領域の重畳する行に先行する行の存在を確認する(ステップS436)。そして、先行する行が存在する場合は、以前のステップS433において強調表示領域301の新たな表示がされてからの経過時間を測定するステップS432以降のフローを繰り返す。また、先行する行が存在しない場合は処理Dに移る。処理Dは、ステップS427に戻る処理である。ステップS427以降の処理は前述のステップS407以降の処理と同様である。
本実施形態では、重畳する第1領域を透過していずれかの行である第1行の前記コンテンツが視認できる位置に強調表示領域301が配置されている場合において、操作受付部32が第7操作を受け付けた場合に以下が可能となる。ユーザの頁めくりの時間間隔から、前記読取時間計算部34が1行あたりのコンテンツを読むのに要する時間に対応する改行時間を計算する。そして、この改行時間の経過に伴って、第3行に隣接する、行配置特定部33が特定した第4行のコンテンツが、これと重畳する第1領域を透過して視認できる位置に強調表示領域301が移動可能である。第3行および第4行は、第3実施形態で説明した第1行および第2行に対応するものである。
このように、本実施形態では、コンテンツに強調表示領域301が重畳配置されている表示部5の表示画面に対して、所定の第7操作を行うことで、ユーザが容易にこれと隣接する行に強調表示領域301をステップ移動させることができる。すなわち、ユーザがコンテンツの現在読んでいる文字等の行に第1領域が重畳するように強調表示領域301の配置を微妙に調整する必要がなくなる。さらに、ユーザは、強調表示領域301をステップ移動させるための操作を逐次行う必要がなく、当該コンテンツを読むユーザの読書時間から推定された1行ずつの文字等の読み込み時間に応じて、強調表示領域301を自動的にステップ移動できる。このため、ユーザは強調表示領域301の移動操作を考慮せずにコンテンツを読むことに集中できるため、ユーザのコンテンツの読み易さの一層の向上が図れる。
5.第5実施形態
次に、本開示の表示端末の第5実施形態について説明する。第5実施形態に係る表示端末1bは、図11に示すように、視点検出部8をさらに備え、制御部3bが読取位置特定部35をさらに備えていることが第1実施形態とは異なる。ただし、視点検出部8が読取位置特定部35の機能を兼ね備えることにより、制御部3bを第1実施形態の制御部3と同様の構成としてもよい。
視点検出部8は、例えばユーザの視点の位置を検出する視点検出センサであり、一例として角膜反射方式のものが考えられる。この場合、視点検出センサはユーザの眼球の黒目と白目の反射率の違いを利用して視点の位置を検出する。角膜反射方式で用いられるセンサは発光素子と受光素子を有し、発光素子から赤外光を読者の眼球に照射し、眼球からの反射光を受光素子で受光する。ここで、眼球の白目の部分は黒目の部分よりも反射率が高いため、受光素子をユーザの眼球配列に沿って左右方向に2個設ければ、それぞれの受光素子の受光反射率の違いから眼球の上下、左右の移動を検出できる。
例えば、黒目が右側の受光素子側に移動した場合、右側の受光素子が受光する反射光の光量は左側の受光素子が受光する反射光の光量よりも少なくなる。また、眼球が上下に移動した場合も、発光素子と眼球との高低差によって、左右2個の受光素子の反射光の光量の和が増減するため、その増減量により、眼球が上下いずれに移動したかを検出できる。
また、読取位置特定部35は制御部3bに含まれる部位であり、視点検出部8が検出したユーザの視点位置の情報を受けて、すでに配置されている強調表示領域301の第1領域が重畳している文字等の行に、当該視点位置が含まれるか否かを確認する。さらには、当該視点位置が表示部5に表示された所定頁の文章領域の範囲内であるか否かを確認する。そして、これらを確認した結果の情報を表示制御部31に伝達する。
次に、本実施形態における表示端末1bの動作について、主として図11および図12に基づいて説明する。まず、ユーザは第1実施形態の表示端末1と同様に、表示端末1bに対して第1操作を行い、操作受付部32が第1操作を受け付ける(図12のステップS441)。ここで、表示制御部31は、表示部5に表示すべき内容に関する指示として制御情報を生成する。例えば本実施形態では、第1操作を受け付けたときの初期状態では、表示された頁の先頭行の文字等に第1領域が重畳するように強調表示領域301を配置してもよい。この制御情報を受けて、表示部5に先頭行等の所定位置に第1領域が重畳するように強調表示領域が表示される(ステップS442)。
続いて、頁めくりをせずにユーザがコンテンツの所定頁を読み進めるとする。このとき、表示端末1の視点検出部8が、読んでいるユーザの視点を検出し、その視点位置を特定するための情報を逐次、読取位置特定部35に伝達する。読取位置特定部35は、視点検出部8からの情報に基づき、ユーザが現在見ている視点位置を特定する(ステップS444)。ここで、読取位置特定部35は、すでに配置されている強調表示領域301の第1領域が重畳している文字等の行に、当該視点位置が含まれるか否かを確認する(ステップS445)。当該視点位置が含まれる場合は、その旨の情報を受け付けた表示制御部31は制御情報を生成せず、表示部5には現状の表示が維持され、ステップS443に戻る(ステップS445)。
一方、読取位置特定部35が、現在の強調表示領域301の第1領域が重畳している文字等の行に当該視点位置が含まれないことを確認した場合は、その視点位置が文章領域に含まれるかどうかを確認する(ステップS446)。当該視点位置が文章領域に含まれる場合はその旨の情報が表示制御部31に伝達される。これを受けて表示制御部31は、表示部5に表示すべき内容に関する指示として、当該視点位置に第1領域が重畳するように強調表示領域301の配置を変更する旨の制御情報を生成する。これに従い、表示部5には強調表示領域301の配置が変更された表示画面が表示され、その後、処理FとしてステップS443に戻る(ステップS449)。
また、当該視点位置が文章領域に含まれない場合はその旨の情報が表示制御部31に伝達される。これを受けた表示制御部31は、表示部5に対する制御情報を生成せず、現状の表示が維持される(ステップS447)。なお、終了処理をした場合は、表示を終了する(ステップS448)。
このように、本実施形態では、コンテンツに強調表示領域301が重畳配置されている表示部5の表示画面に対して、視点検出部8が検出した情報に基づき、ユーザの視点位置に追従して自動的に強調表示領域301を連続移動またはステップ移動させることができる。すなわち、ユーザの視点位置に、または当該視点位置にもっとも近いいずれかの行に第1領域が重畳するように強調表示領域301の配置が変更されて表示部5に表示できる。このため、ユーザは強調表示領域301の移動操作を気にする必要がなく、コンテンツを読むことに集中できる。また、自己の視点位置に追従し、強調表示領域301の第1領域によって強調された文字等を常に読めるため、ユーザのコンテンツの読み易さの一層の向上が図れる。
6.第6実施形態
次に、本開示の表示端末の第6実施形態について説明する。第6実施形態に係る表示端末は、基本的に第1実施形態の表示端末1と同様の構成である。しかしながら、強調表示領域301の第1領域と重畳する行の文字等が、ユーザの行う第8操作により所定倍率で拡大されて表示部5に表示される機能、または、異なる別の書体に変換されて表示部5に表示される機能を付加した点が異なる。この機能は、制御部3の表示制御部31またはそれ以外の制御部3のいずれかの部位により実現され得る。
例えば、図13(a)は、図3(a)のように強調表示領域301が重畳表示された表示画面102に対して、ユーザが第8操作をした結果、強調表示領域301のハイライトスリット301aに重畳する画面201の所定行の文字等が拡大された状態の表示画面115を示す図である。このような表示画面の変更は、表示制御部31が生成した制御情報に基づいて行われる。
この所定行の文字等は左右方向に引き伸ばされるように所定倍率で拡大されており、ハイライトスリット301aが幅の広がったハイライトスリット307aに変換された強調表示領域307に変更されている。第8操作は、例えば強調表示領域301のハイライトスリット301aを1回または複数回タップすること、またはハイライトスリット301aを左右方向にピンチアウトもしくはスワイプすることとして例示できる。
ハイライトスリット301aと重畳する文字等の拡大は、このような左右方向の引き延ばしに限らず、上下左右に均等倍率で拡大してもよく、上下方向のみに引き伸ばすように拡大してもよい。なお、本実施形態のように文字等を左右方向に引き伸ばすようにすれば、表示部5の上下方向に文字等がはみ出してしまい、上下方向のスクロールをせずに行単位で文字等を読むことが困難になることが回避できる。なお、文字等を上下左右に均等倍率で拡大する場合は、表示部5の上下方向に文字等がはみ出さないよう、文章の改行位置を変更して表示部5に表示することが好ましい。また、図13(a)の表示画面115は、ハイライトスリット301aと重畳する行の文字等のみを拡大表示しているが、これに限らず、ハイライトスリット301aと重畳しない他の行の文字等も含めて同一の倍率で拡大表示してもよい。
一方、図13(b)は、図3(a)の強調表示領域301が重畳表示された表示画面102に対してユーザが第8操作をした結果、強調表示領域301のハイライトスリット301aに重畳する画面201の所定行の文字等が別の書体に変換された状態の表示画面116を示す図である。この表示画面の変更も、表示制御部31が生成した制御情報に基づいて行われる。本実施形態では、明朝体で表示されている文字等が行書体に変換されている。
一般的にユーザにとって読みやすい文字等の書体は様々であり、強調表示領域301の第1領域に重畳する文字等をどの書体に変換すべきかについては、ユーザが表示端末の操作部6等への選択入力をすることで任意に決定できることが好ましい。また、図13(b)の表示画面116は、ハイライトスリット301aと重畳する行の文字等のみを書体変換しているが、これに限らず、ハイライトスリット301aと重畳しない他の行の文字等も含めて同一書体に変換してもよい。なお、上述した文字の拡大と書体変換の機能は、第8操作をしたときにどちらの機能が実行されるかをあらかじめ表示端末に設定できるようにしてもよく、第8操作の内容を区別して、操作の仕方によっていずれの機能も実行できるようにしてもよい。
このように、本実施形態では、コンテンツに強調表示領域301が重畳配置されている表示部5の表示画面に対して、操作受付部32が第8操作を受け付けた場合に以下のようになる。すなわち、表示制御部31が生成した制御情報に基づいて、第1領域と重畳する行のコンテンツが所定倍率で拡大されて表示部5に表示される。または、表示制御部31が生成した制御情報に基づいて、第1領域と重畳する行のコンテンツの文字等の書体が別の書体に変換されて表示部5に表示される。このため、ユーザは強調表示領域301の第1領域に重畳する文字等を、より自己の読み易い文字サイズまたは書体で読むことができ、ユーザのコンテンツの読み易さの一層の向上が図れる。
7.第7実施形態
次に、本開示の表示端末の第7実施形態について説明する。第7実施形態に係る表示端末は、基本的に第1実施形態の表示端末1と同様の構成である。しかしながら、本実施形態の表示端末は、強調表示領域が縦書きの文章であるコンテンツに限らず、横書きの文章であるコンテンツにも対応できる。なお、前述した第1乃至第8操作およびその他の操作は、横書きの文章であるコンテンツを表示する表示端末についても同様に当てはまることは言うまでもない。
また、コンテンツに、文字等の文章から構成される文章領域と、漫画やイラスト、写真等から構成される非文章領域とが混在している場合に、強調表示領域が当該非文章領域の視認性を阻害しないように配置される。この機能は、制御部3の表示制御部31またはそれ以外の制御部3のいずれかの部位により実現され得る。
例えば、図14(a)は、横書きの文章であるコンテンツの画面203が表示部5に表示された表示画面117を示す図である。この場合、ユーザが表示画面117に対して第1操作を行うと、制御部3の表示制御部31等が表示画面のコンテンツの縦書きまたは横書きの文章種別を自動的に判別して、この文章種別に対応した向き、形状の強調表示領域をもとの表示画面に重畳して表示する。図14(b)は、第1操作を経て表示制御部31が生成した制御情報に基づいて表示部5に表示された、強調表示領域309が画面203に重畳された表示画面118を示す図である。
一方、図15(a)は、横書きの文章である文章領域の画面204と、文字およびイラストから構成される非文章領域の画面205とが混在配置される表示画面119を示す図である。ここでは、左右方向に文字等だけが配置される上段の領域に、左右方向の全域に延びる強調表示領域310が重畳されている。ここで、強調表示領域310の配置を、左右方向に非文章領域である画面205が配置される領域まで第2操作等により下方にずらすとする。この場合、強調表示領域の左右方向の幅は、画面205を回避するように縮小されて表示部5に表示される。すなわち、表示画面119は、画面205と重畳しない範囲に横幅が縮小された強調表示領域311に変更表示された表示画面120となる。ハイライトスリット310aおよびマスキングスリット310b、310cは、それぞれ左右方向について同一の長さに縮小されたハイライトスリット311aおよびマスキングスリット311b、311cに変更される。
これは、例えば制御部が第3実施形態で説明した行配置特定部33またはこれと同等の部位を備えることにより、容易に実現できる。すなわち、行配置特定部33は、表示部5に表示された所定頁の文章領域の行配置を特定できる。このため、表示制御部31が行配置特定部33からの文章領域の行配置の情報に基づいて、強調表示領域311が文章領域の行の存在する領域にのみ表示されるように制御情報を生成することができる。この制御情報に基づいて表示部5への表示を行うことで、非文章領域の画面205を避けた箇所に強調表示領域311を重畳表示した表示画面120を得ることができる。
このように、本実施形態では、第1乃至第6実施形態で説明した縦書きの文章であるコンテンツに関する種々の操作や表示画面に関する説明が、横書きの文章であるコンテンツを表示部5に表示する表示端末にも同様に適用できることを確認的に示している。また、表示部5に表示された表示画面に文章領域の画面と非文章領域の画面とが混在している場合は、強調表示領域が、当該非文章領域の画面の視認性を阻害しないように縦横の長さ等が適宜縮小されて配置される。これにより、ユーザは、非文章領域の画面の視認性を損なうことなく文章領域の文字等を強調表示領域によって強調しながら文章を読むことができ、ユーザの読み易さの一層の向上が図れる。
8.第8実施形態
次に、本開示の表示端末を用いたコンテンツ表示システムに係る第8実施形態について説明する。図16および図17に示すように、第8実施形態に係るコンテンツ表示システム10は、複数台の表示端末1cが通信ネットワーク20を介して管理サーバ11と通信可能に接続されて構成される。本実施形態は、例えば第1実施形態と比べた場合、表示端末1cが表示制御部31や操作受付部32を備えていない点で異なっている。一方、これらの機能は、管理サーバ11の制御部3cに表示制御部31aおよび操作受付部32aが設けられることにより代替される。なお、図16で表示端末を3台接続しているのは単なる例示であり、通信ネットワーク20に接続できる表示端末の台数は任意である。
(a)管理サーバの構成
管理サーバ11は、例えば図17に示すように制御部3c、記憶部4aおよび通信部12を備える情報処理装置である。管理サーバ11は、制御部3cや記憶部4aの機能の実現のため、最低限、CPUやMPU等の制御ユニットと、各種メモリ素子等を備えているが、例えばパーソナルコンピュータやスマートフォンを用いて構成することもできる。通信部12は管理サーバ11をネットワーク接続するための手段に過ぎず、必須の構成要素ではない。
制御部3cは表示制御部31aおよび操作受付部32aを備えており、第1実施形態等の表示制御部31や操作受付部32と同様の機能を果たす。また、表示制御部31aおよび操作受付部32aが、適切なコンテンツの表示を指示できるためのアプリケーションプログラムやデータベース、パラメータとして、記憶部4aにコンテンツ41a、コンテンツ表示アプリ42aおよび表示属性データ43aが格納されている。これも第1実施形態等の記憶部4に設けられる内容と同様のものである。
管理サーバ11は、これ以外にも、表示端末1cにコンテンツを送信したり、ウェブブラウザを介して表示端末1cからコンテンツを閲覧させる機能を有してもよい。また、このような機能を管理サーバ11とは別個のアプリケーションサーバに設けてもよい。
(b)表示端末の構成
一方、表示端末1cは主として制御部3d、通信部2、表示部5、操作部6および電源部7を備える。表示端末1cは、上述のとおり、制御部3dに表示制御部や操作受付部を備えていないが、記憶部や操作受付部を備えていてもよい。
(c)コンテンツの表示形態の変更方法
本実施形態に係る表示端末1c等を含むコンテンツ表示システム10を利用した場合のコンテンツの表示形態の変更方法について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。まず、ユーザは表示端末1cをコンテンツが読める状態にする。このとき、表示端末1cは、操作部6からの入力信号を、通信部2を介して管理サーバ11に送信する。管理サーバ11は、通信部12を介して表示端末1cからの信号を受信し、操作受付部32aにて当該信号を解読し、操作内容を表示制御部31aに伝達する。
ここで、表示制御部31aの指示により、例えば記憶部4aから電子書籍データ等であるコンテンツ41aを読み出して、コンテンツ41aとその表示態様に関する制御情報とを表示端末1cに向けて送信する。これらの情報を受信した表示端末1cは、表示制御部31aが生成した制御情報に基づいて、文書体の頁単位の文字等による、例えば図1(a)の表示画面101を表示部5に表示させる。
次に、ユーザが第1操作を実施するとする。この操作信号を表示端末1cが管理サーバ11に送信し、管理サーバ11の操作受付部32aがこの信号を受け付けることにより、表示制御部31aが生成した制御情報を管理サーバ11から表示端末1cに向けて送信する。表示端末1cは、当該制御情報を受信し、これに基づいて、図1(b)に示すように、強調表示領域301が所定位置、例えば左右方向の略中央に元の画面201に重畳されて配置された表示画面102が表示部5に表示される。
次に、ユーザが第2操作を実施するとする。この操作信号を表示端末1cが管理サーバ11に送信し、管理サーバ11の操作受付部32aがこの信号を受け付けることにより、表示制御部31aが生成した制御情報を管理サーバ11から表示端末1cに向けて送信する。表示端末1cは、当該制御情報を受信し、これに基づいて、図2(a)に示すように、強調表示領域301が所定位置に移動された表示画面103が表示部5に表示される。第1実施形態やその他の実施形態で説明した各種操作をした場合も、同様の流れで処理がされ、表示部5の表示内容に反映される。
(d)第8実施形態のコンテンツ表示システムについて
以上のように、本実施形態のコンテンツ表示システムは、表示部5を備える表示端末1cと、表示端末1cとの通信が可能な管理サーバ11とを備える。管理サーバ11は、表示部5の表示を変化させる操作を受け付ける操作受付部32aと、操作受付部32aが受け付けた操作に対応する、表示部5の表示に関する制御情報を生成する表示制御部31aと、を備える。
表示部5にコンテンツの仮想的な文書体の頁単位の情報である所定頁が表示されるときに、操作受付部32aが第1操作を受け付けた場合は、以下のようになる。すなわち、表示端末1cが管理サーバ11から受信した、表示制御部31aが生成した制御情報に基づいて、帯状の第1領域と、当該第1領域を挟むように隣接する帯状の一対の第2領域と、を含む強調表示領域301が表示部5に表示可能である。強調表示領域301は、所定頁に重畳された状態で、かつ、第1領域と重畳する所定頁のコンテンツが視認できる状態である。
強調表示領域301が表示部5に表示されているときに操作受付部32aが第2操作を受け付けた場合は、以下のようになる。すなわち、表示端末1cが管理サーバ11から受信した、表示制御部31aが生成した制御情報に基づいて、強調表示領域301の位置を行の配列方向に沿って移動可能となる。
その結果、電子書籍等の電子情報であるコンテンツを読む場合においても、ユーザの嗜好やディスレクシアの程度、コンテンツの読み位置等のユーザの状況に合わせたコンテンツの読み易さの向上が図れる。
さらに、本実施形態では、操作受付部32aや表示制御部31aが、表示端末1cとは無関係に管理サーバ11の機能として設けられている。したがって、表示端末1c自体の機能を極力単純化でき、かつ多数の表示端末1cに対して1台の管理サーバ11が対応可能なため、表示端末等の装置コストが低減できる。さらに、表示態様の変更等の使用変更に対しても、個々の表示端末1cの対応が不要なため、メンテナンスも容易である。
なお、本実施形態は第1実施形態の機能を管理サーバ11も含めたコンテンツ表示システム10として実現するものとして説明したが、これに限定されず、第2乃至第7実施形態の機能を実現するものであってもよい。また、第1乃至第8実施形態の実施態様において、その組合せに矛盾が生じない限り、それぞれの実施形態の一部また全部を相互に組み合わせた実施態様を新たな実施形態や変形例としてもよい。これらの実施形態や変形例も当然に本開示の範囲に含まれる。
また、上述のように説明した、本開示の各実施形態に係る表示端末や管理サーバといった情報処理装置による制御部等の制御処理その他の処理は、当該実施形態の各機能の実現を図るためのソフトウェアを構成する表示プログラム等のプログラムコードを、当該情報処理装置が読み出して実行することによっても達成できる。
したがって、当該プログラムコードそれ自体や、当該プログラムコードが記録された記憶媒体も本開示を構成する。当該プログラムコードが記録される記憶媒体として、例えばハードディスク、USBメモリ、SD(登録商標)カード、CD-ROM、CD-R、ICカード等を例示することができるが、これらに限定するものではない。