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JP7639466B2 - インク、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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JP7639466B2 - インク、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

インク、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、インク、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
近年、印刷された記録媒体(以下、「印刷物」と称することもある)には、オフィス用、商用などの幅広い分野において用途の多様化が進んでおり、それに伴って、従来の色材(シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラック等)で表現される印刷物に加え、金属光沢等の従来にない視覚効果を有する色材で表現される印刷物が求められている。
金属光沢を有する色材としては、高い光沢性及び写像性を発揮することができる点から、銀色の色材が広く用いられている。さらに、銀色の色材と従来の色材とを混色させることにより、光沢性及び写像性の高いフルカラー画像を有する印刷物を得ることができ、様々な用途に供することができる。
近年、分散媒中に金属コロイドと、他の着色剤とを含むインク組成物を用いることで、調色されたメタリック色が得られる印刷方法が提案されている(特許文献1を参照)。さらに、色度にムラがなく、黄色みを抑えたメタリックを呈色する画像を形成する目的で、平均粒径が100nm以下の銀粒子と、特定の化合物とを含有するインクが提案されている(特許文献2~3を参照)。また、銀の変色を防止する目的で、変色防止剤と銀コロイドとを含有する水系インク組成物が提案されている(特許文献4を参照)。
本発明は、高い光沢度を保持し、保存性を向上させ、色度にムラがなく、黄色みを抑えたメタリックを呈色する画像を形成することができるインクを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のインクは、
銀粒子と、染料とを含むインクであって、
前記銀粒子の平均粒子径が、100nm以下であり、
前記染料の吸収極大波長が、600nm以上680nm以下であり、
前記染料の含有量が、インク全質量に対して、0.01質量%以上0.1質量%未満であることを特徴とするインク。
本発明によると、高い光沢度を保持し、保存性を向上させ、色度にムラがなく、黄色みを抑えたメタリックを呈色する画像を形成することができるインクを提供することができる。
図1は、記録装置の一例を示す斜視説明図である。 図2は、メインタンクの一例を示す斜視説明図である。
(インク)
本発明のインクは、銀粒子と、染料とを含むインクであって、前記銀粒子の平均粒子径が100nm以下であり、前記染料の吸収極大波長が、600nm以上680nm以下であり、前記染料の含有量が、インク全質量に対して、0.01質量%以上0.1質量%未満であり、更に必要に応じて、その他の成分を有する。
本発明において「インク」は、銀インクと称することがある。
上記特許文献1(特許第4165860号)に記載の従来技術では、金属コロイド(銀コロイド)と他の着色剤とを混合すると、色度にムラが生じ、また光沢度の低下も生じるという問題があった。
また、一般的に着色剤として銀(銀コロイド)を含有するインク組成物を用いて形成した画像の表面は、比較的短期間で変色してしまうという問題があった。これは、銀粒子が空気中の硫化ガス(硫黄ガス)と反応することにより、画像表面に硫化銀の被膜が生成されるためである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、平均粒子径が100nm以下の銀粒子を含有するインクに、吸収極大波長が600nm以上680nm以下である染料を、インク全質量に対して、0.01質量%以上0.1質量%未満加えたインクを用いることにより、高い光沢度を保持し、保存性を向上させ、色度にムラがなく、黄色みを抑えたメタリックを呈色する画像を形成することができることを見出した。
したがって、本発明においては、銀粒子と、染料とを含むインクであって、前記銀粒子の平均粒子径が100nm以下であり、前記染料の吸収極大波長が、600nm以上680nm以下であり、前記染料の含有量が、インク全質量に対して、0.01質量%以上0.1質量%未満であることによって、高い光沢度を保持し、保存性を向上させ、色度にムラがなく、黄色みを抑えたメタリックを呈色する画像を形成することができるインクを提供することができる。
[銀粒子]
本発明のインクは、銀粒子を含有する。
一般的に、銀は、各種金属の中でも白色度が高い金属であり、他色の色材又は他色の色材を含むインクと組み合わせることで、様々な金属色を実現することができる。また、銀は、水との反応性が弱いため水中でも安定である。その結果、環境負荷が低減できる水系光輝性インクへの展開が可能であり好ましい。
本発明における銀粒子の平均粒子径は100nm以下である。
前記銀粒子の平均粒子径が100nm以下であることで、前記インク中において高い分散安定性が得られ、また優れた光沢度及び写像性を示す画像を形成するインクを得ることができる。
さらに、前記銀粒子の平均粒子径は、高い光沢度を得られるという観点から、50nm以下であることが好ましく、5nm以上50nm以下であることがより好ましい。
なお、本発明における「銀粒子の平均粒子径」は、次のような測定方法によって求められた値を指す。
まず、銀粒子分散体又はインクを数μl採取し、高圧凍結法により凍結体を作製する。前記凍結体を割断後、断面のカーボンレプリカ膜を作製する。前記カーボンレプリカ膜を透過型顕微鏡(TEM)用グリッドに設置し、TEMで観察する。5μm×5μmの範囲のTEM画像における銀粒子20個の最大径を測定し、その測定値の平均を平均粒子径とする。
本発明における銀粒子の含有量は、インク全質量に対して、1.0質量%以上15.0質量%以下が好ましく、2.0質量%以上13質量%以下がより好ましい。前記銀粒子の含有量が、インク全質量に対して、1.0質量%以上であると、インクを用いて記録媒体上に形成された印刷層の写像性が向上するため好ましい。また前記銀粒子の含有量が、インク全質量に対して、15.0質量%以下であると、インク中における銀粒子の分散安定性、保存安定性が向上し、前記インクをインクジェット方式で吐出する場合における吐出安定性が優れるため好ましい。
<銀粒子の分散形態>
前記銀粒子は、表面に保護コロイドが付着した銀コロイドとして、水系分散媒中に分散していることが好ましい。その様にすることで、水系分散媒における前記銀粒子の分散性が優れたものとなり、インクの保存安定性が向上する。
前記銀コロイドの調製方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、銀イオンを含む溶液を用意し、前記銀イオンを保護コロイドの存在下で還元剤を用いて還元する方法(例えば、特開2006-299329号公報を参照)などが挙げられる。これらの方法によって前記銀コロイドを製造する際、還元反応を行う前後の任意の時点で、水溶液に界面活性剤等を加えると、前記銀粒子(銀コロイド)の分散安定性はさらに向上する。
前記保護コロイドとしては、前記銀粒子の表面を保護する有機物であれば特に制限はなく、目的に応じて選択することができるが、安定性という観点から、カルボキシル基を有する有機化合物、高分子分散剤が好ましい。これらは、単独で使用してもよく、複数を併用してもよいが、相乗効果が得られる観点から、複数を併用することが好ましい。
-カルボキシル基を有する有機化合物-
前記カルボキシル基を有する有機化合物は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、カルボン酸などが挙げられる。
前記カルボン酸としては、前記銀粒子を被覆可能なものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、脂肪族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等のモノカルボン酸:脂肪族ポリカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸等のポリカルボン酸:ヒドロキシモノカルボン酸、ヒドロキシポリカルボン酸等のヒドロキシカルボン酸(又はオキシカルボン酸)などが挙げられる。これらの中でも、ヒドロキシカルボン酸が好ましい。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ヒドロキシカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸などが好ましい。
前記脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、脂環族骨格を有するヒドロキシカルボン酸などが好ましい。
前記脂環族骨格を有するヒドロキシカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、コール酸等の炭素数6~34脂環族ヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、炭素数10~34の脂環族ヒドロキシカルボン酸が好ましく、炭素数16~30の脂環族ヒドロキシカルボン酸がより好ましい。
特に、コール酸などの多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸は、嵩高い構造を有しており、銀粒子の凝集を抑制する効果が大きいため、好ましい。
前記カルボン酸は、塩を形成していてもよく、無水物、水和物などであってもよい。
前記カルボン酸は、塩(特に、アミン等の塩基性化合物との塩など)を形成していない有機化合物であることが好ましい。
前記カルボキシル基を有する有機化合物の分子量は、特に制限はないが、扱いやすさという観点から、1,000以下であることが好ましく、800以下であることがより好ましく、600以下であることが更に好ましい。
前記カルボキシル基を有する有機化合物のpKa値は、特に制限はないが、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましい。
-高分子分散剤-
前記高分子分散剤としては、前記銀粒子を被覆可能であれば特に制限はなく、目的に応じて選択することができ、例えば、塗料、インキ分野等で着色剤の分散に用いられている一般的な高分子分散剤などが挙げられる。
前記高分子分散剤の具体例としては、スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体等のスチレン系樹脂:(メタ)アクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸共重合体等のアクリル系樹脂:水溶性ウレタン樹脂、水溶性アクリルウレタン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、エチルセルロース等のアルキルセルロース:エチルヒドロキシエチルセルロース等のアルキル-ヒドロキシアルキルセルロース:ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース:カルボキシメチルセルロース等のカルボキシアルキルセルロース等のセルロース誘導体:ポリビニルアルコール、液状のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングルコール:ゼラチン、デキストリン等の天然高分子:ポリエチレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物などが挙げられる。
前記高分子分散剤は、両親媒性の高分子分散剤(又はオリゴマー型分散剤)を好適に使用することができ、例えば、親水性モノマーで構成された親水性ユニットを含む樹脂(水溶性樹脂、又は水分散性樹脂)などが挙げられる。
前記高分子分散剤は、官能基を有していてもよい。
前記官能基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、酸基、酸性基などが挙げられる。
前記官能基の具体例としては、カルボキシル基(又は酸無水物基)、スルホ基(スルホン酸基)、ヒドロキシル基などが挙げられる。これらの中でも、前記高分子分散剤は、酸基を有していることが好ましく、カルボキシル基を有していることがより好ましい。
前記高分子分散剤は、これらの官能基を1種単独で有していてもよいし、2種以上を有していてもよい。
前記高分子分散剤が酸基(カルボキシル基等)を有している場合、前記高分子分散剤の少なくとも一部の酸基、又は全ての酸基が、塩(アミンとの塩、金属塩など)を形成していてもよい。
ただし、本発明において、カルボキシル基等の酸基が、塩(特に、塩基性化合物との塩)を形成していない高分子分散剤であることが好ましい。
前記高分子分散剤の数平均分子量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、1,500以上100,000以下が好ましく、2,000以上80,000以下がより好ましく、3,000以上50,000以下が更に好ましく、7,000以上20,000以下が特に好ましい。
前記高分子分散剤は、適宜合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
前記高分子分散剤の市販品としては、例えば、ソルスパース13240、ソルスパース13940、ソルスパース32550、ソルスパース31845、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース41090等のソルスパースシリーズ(以上、アビシア(株)製):ディスパービック160、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック164、ディスパービック166、ディスパービック170、ディスパービック180、ディスパービック182、ディスパービック184、ディスパービック190、ディスパービック191、ディスパービック192、ディスパービック193、ディスパービック194、ディスパービック2001、ディスパービック2050等のディスパービックシリーズ(以上、ビックケミー(株)製):EFKA-46、EFKA-47、EFKA-48、EFKA-49、EFKA-1501、EFKA-1502、EFKA-4540、EFKA-4550、ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453(以上、EFKAケミカル(株)製):アジスパーPB711、アジスパーPAl11、アジスパーPB811、アジスパーPB821、アジスパーPW911等のアジスパーシリーズ(以上、味の素(株)製):フローレンDOPA-158、フローレンDOPA-22、フローレンDOPA-17、フローレンTG-700、フローレンTG-720W、フローレン-730W、フローレン-740W、フローレン-745Wなどのフローレンシリーズ(以上、共栄社化学(株)製):ジョンクリル678、ジョンクリル679、ジョンクリル62等のジョンクリルシリーズ(以上、ジョンソンポリマー(株)製)などが挙げられる。これらの中でも、酸基を有する高分子分散剤であるディスパービック190、ディスパービック194が好ましい。
[染料]
本発明のインクは、吸収極大波長が600nm以上680nm以下である染料を含有する。なお、本発明において「吸収極大波長が600nm以上680nm以下である染料」を「染料」と称することがある。
前記染料を含有するインクを用いると、高い光沢度を保持し、色度ムラがなく、保存性が向上し、黄色みを抑えたメタリック色を呈する画像を形成することができる。
<吸収極大波長>
本発明において「吸収極大波長」とは、波長と吸光度との関係を表す吸収スペクトルにおける吸収ピークの波長を意味する。なお、前記吸収スペクトルは、横軸に波長を、縦軸に吸光度を表した二次元グラフである。
前記吸収ピークは、前記吸収スペクトルにおいて、吸光度が増加から減少に転じる頂点を指す。なお、前記吸収スペクトルにおいて、前記吸収ピークが2個以上現れる場合には、これらの吸収ピークのうち、最大の吸光度を有する吸収ピークの波長を吸収極大波長とする。
また、前記吸収極大波長は、可視光波長領域(400~800nm)における吸収ピークを意味する。
前記染料の吸収極大波長が600nm以上680nm以下であると、適正な銀色を示すインクが得られるため好適である。
前記染料の吸収極大波長の測定方法としては、特に制限はなく、例えば、前記インクを吸光度(Abs.)が1.0付近になるように溶解、又は希釈した後、分光光度計(U3900;(株)日立ハイテクサイエンス製)を用いて吸収スペクトルを測定する方法などが挙げられる。
本発明のインクは、吸収極大波長が600nm以上680nm以下である染料を、インク全質量に対して、0.01質量%以上0.1質量%未満含有する。
前記染料の含有量が、インク全質量に対して、0.01質量%以上であると、高光沢を示すインクが得られるため好適である。前記染料の含有量が、インク全質量に対して、0.1質量%未満であると、十分な銀色を示すインクが得られるため好適である。
前記染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、反応性染料、酸性染料、その他の染料などが挙げられる。
前記反応性染料の具体例としては、リアクティブブルー2、リアクティブブルー4、リアクティブブルー5、リアクティブブルー13、リアクティブブルー14、リアクティブブルー15、リアクティブブルー19、リアクティブブルー21、リアクティブブルー25、リアクティブブルー27、リアクティブブルー28、リアクティブブルー38、リアクティブブルー39、リアクティブブルー41、リアクティブブルー49、リアクティブブルー52、リアクティブブルー63、リアクティブブルー72、リアクティブブルー77、リアクティブブルー79、リアクティブブルー104、リアクティブブルー119、リアクティブブルー122、リアクティブブルー147、リアクティブブルー160、リアクティブブルー162、リアクティブブルー166、リアクティブブルー176、リアクティブブルー182、リアクティブブルー184、リアクティブブルー187、リアクティブブルー190、リアクティブブルー191、リアクティブブルー194、リアクティブブルー195、リアクティブブルー198、リアクティブブルー203、リアクティブブルー204、リアクティブブルー207、リアクティブブルー209、リアクティブブルー211、リアクティブブルー214、リアクティブブルー216、リアクティブブルー217、リアクティブブルー220、リアクティブブルー221、リアクティブブルー222、リアクティブブルー227、リアクティブブルー228、リアクティブブルー230、リアクティブブルー231、リアクティブブルー235などが挙げられる。
前記酸性染料の具体例としては、アシッドブルー1、アシッドブルー3、アシッドブルー7、アシッドブルー9、アシッドブルー20、アシッドブルー25、アシッドブルー29、アシッドブルー193、アシッドブルー199、アシッドブルー260などが挙げられる。
前記その他の染料として、ダイレクトブルー199などが挙げられる。
これらの中でも、リアクティブブルー2、リアクティブブルー4、リアクティブブルー13、リアクティブブルー15、リアクティブブルー21、リアクティブブルー49、リアクティブブルー72、アシッドブルー20、アシッドブルー25、アシッドブルー193、ダイレクトブルー199が好ましい。
前記染料は、ビニルスルフォン基又はクロロトリアジン基を有することが好ましい。
前記ビニルスルフォン基を有する染料としては、例えば、リアクティブブルー2などが挙げられる。
前記クロロトリアジン基を有する染料としては、例えば、リアクティブブルー21などが挙げられる。
[その他の成分]
前記その他の成分としては、有機溶剤、水、樹脂、添加剤などを挙げることができる。
<有機溶剤>
前記有機溶剤としては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性有機溶剤などを用いることができる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類等のエーテル類:含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、その他の有機溶剤などが挙げられる。
-エーテル類-
--多価アルコール類--
前記多価アルコール類の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオールなどが挙げられる。
--多価アルコールアルキルエーテル類--
前記多価アルコールアルキルエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類などが挙げられる。
--多価アルコールアリールエーテル類--
前記多価アルコールアリールエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
-含窒素複素環化合物-
前記含窒素複素環化合物の具体例としては、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトンなどが挙げられる。
-アミド類-
前記アミド類の具体例としては、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド等が挙げられる。
-アミン類-
前記アミン類の具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
-含硫黄化合物類-
前記含硫黄化合物類の具体例としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどが挙げられる。
-その他の有機溶剤-
前記その他の有機溶剤としては、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。
前記有機溶剤は上記の他に、炭素数8以上のポリオール化合物、グリコールエーテル化合物、及びオキセタン化合物も好適に使用することができる。
前記炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールなどが挙げられる。
前記グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類:エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
前記オキセタン化合物の具体例としては、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタンなどが挙げられる。
前記有機溶剤の沸点は、250℃以下であることが好ましい。前記有機溶剤の沸点が250℃以下であることにより、湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られるため好適である。
<水>
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記水の含有量は、インクの乾燥性及び吐出信頼性の観点から、インク全質量に対して、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<樹脂>
本発明のインクは、樹脂を含有することが好ましい。
前記樹脂を含有するインクを用いて記録媒体上に印刷層を形成すると、前記銀粒子が凝集せずに敷き詰められている構造を安定して維持することができ、また仮に前記銀粒子が凝集しても凝集する領域を少なくすることができる。そのため、記録物を高温で長期間保管した場合に、画像の色度(色彩値)であるb値が大きく変化しない点で優れる。
前記樹脂は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することできるが、水に可溶な水溶性樹脂、水に分散可能な水分散性樹脂が好ましい。
-水溶性樹脂-
前記水溶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することでき、例えば、ゼラチン、カゼイン等のタンパク質:アラビアゴム等の天然ゴム:サボニン等のグルコキシド:メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体:リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子:ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、スチレン-アクリル酸共重合物塩、ビニルナフタレン-アクリル酸共重合物塩、スチレン-マレイン酸共重合物塩、ビニルナフタレン-マレイン酸共重合物塩、β-ナフタレンスルホン酸ホリマリン縮合物のナトリウム塩、ポリリン酸等のイオン性高分子:ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水溶性樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
-水分散性樹脂-
前記水分散性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することでき、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。また、これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いてもよい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、銀粒子や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることができる。
前記水分散性樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記樹脂粒子の平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な写像性及び光沢度を得る点から、10nm以上30nm以下であることが好ましい。
平均粒子径が10nm以上30nm以下である樹脂粒子を含むインクを用いて記録媒体上に形成された印刷層は、銀粒子が凝集せずに敷き詰められている構造を安定して維持することができ、また仮に銀粒子が凝集しても凝集する領域を少なくすることができる。そのため、記録物を高温で長期間保管した場合に、画像の色度(色彩値)であるb値が大きく変化しない点で優れる。
本発明のインク中に存在する樹脂粒子の平均粒子径は、例えば、以下のように測定することができる。
まずインク又は分散液を数μl採取し、高圧凍結法により凍結体を作製する。前記凍結体を割断後、断面のカーボンレプリカ膜を作製する。前記カーボンレプリカ膜をTEM(透過型電子顕微鏡)用グリッドに設置し、TEMで観察する。5μm×5μmの範囲のTEM画像における樹脂粒子20個の最大径を測定し、その測定値の平均を平均粒子径とする。
前記樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な耐擦過性、写像性、及び金属光沢が得られる点から、インク全質量に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が更に好ましく、10.0質量%以下が好ましく、4.0質量%以下がより好ましく、2.0質量%以下が更に好ましい。
前記銀粒子の含有量に対する前記樹脂の含有量の質量比(前記樹脂の含有量/前記銀粒子の含有量)は、0.001以上0.2以下が好ましく、0.01以上0.1以下がより好ましい。
<界面活性剤>
本発明のインクは界面活性剤を含有することが好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤などが挙げられる。
-シリコーン系界面活性剤-
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記側鎖変性ポリジメチルシロキサンは、例えば、以下の一般式(S-1)式で表わされるポリジメチルシロキサンのSi部側鎖に変性基を導入することを示す。
前記両末端変性ポリジメチルシロキサンは、例えば、以下の一般式(S-1)式で表わされるポリジメチルシロキサンの両末端に変性基を導入することを示す。
前記片末端変性ポリジメチルシロキサンは、例えば、以下の一般式(S-1)式で表わされるポリジメチルシロキサンのどちらか一方の末端に変性基を導入することを示す。
前記側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンは、例えば、以下の一般式(S-1)式で表わされるポリジメチルシロキサンのSi部側鎖及び両末端に変性基を導入することを示す。
一般式(S-1)
(但し、一般式(S-1)式中、m及びnは、それぞれ独立に整数を表わし、Xは側鎖を表す。)
例えば、前記側鎖変性ポリジメチルシロキサンは、一般式(S-1)式で表わされるジメチルポリシロキサンのSi部側鎖Xに、以下の一般式(S-2)式で表わされるポリアルキレンオキシド構造を導入することで、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤とすることができる。
一般式(S-2)
(但し、一般式(S-2)式中a、及びbは、それぞれ独立に整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
前記変性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基、ポリアルキレンオキシド構造などが挙げられる。これらの中でも、水系界面活性剤として良好な性質を示す点で、ポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基が好ましい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF-618、KF-642、KF-643(いずれも、信越化学工業株式会社):EMALEX-SS-5602、EMALEX-SS-1906EX(いずれも、日本エマルジョン株式会社):DOWSIL FZ-2105、DOWSIL FZ-2118、DOWSIL FZ-2154、DOWSIL FZ-2161、DOWSIL FZ-2162、FZ-2163、DOWSIL FZ-2164(いずれも、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社):BYK-33、BYK-387(いずれも、ビックケミー株式会社):TSF4440、TSF4452、TSF4453(いずれも、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
-フッ素系界面活性剤-
前記フッ素系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、起泡性が小さい観点から、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が好ましい。
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸などが挙げられる。
パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記フッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)などが挙げられる。
-両性界面活性剤-
前記両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
-ノニオン系界面活性剤-
前記ノニオン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
-アニオン系界面活性剤-
前記アニオン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明のインク中における前記界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する観点から、インク全質量に対して、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
本発明のインク中における前記シリコーン系界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インク全質量に対して、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上1.0質量%以下が更に好ましい。
<添加剤>
前記添加剤としては、例えば、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などを挙げることができる。
-消泡剤-
前記界面活性剤は、消泡剤として使用することができる。
前記消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
-防腐防黴剤-
前記防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。
-防錆剤-
前記防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
-pH調整剤-
前記pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
[インクの物性]
前記インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pHなどが以下の範囲であることが好ましい。
前記インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。
前記粘度の測定は、例えば、回転式粘度計(東機産業社製RE-80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
前記インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
前記インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7以上12以下が好ましく、8以上11以下がより好ましい。
[記録媒体]
本明細書中における「記録媒体」とは、本発明のインクを用いて記録される対象物のことである。
また、前記記録媒体とは、本発明のインクや後述する各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
前記記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、非浸透性基材、表面に受容層を有する光沢紙などを用いてもよい。
前記受容層を有する光沢紙は、記録媒体表面に、予め受容層(多孔質等)が形成されていても、形成されていなくてもよい。
前記記録媒体としては、一般的に記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革などを適宜使用することができる。また、前記記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれる。より定量的には、ブリストー(Bristow)法において、接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムなどが挙げられる。
前記受容層を有する光沢紙(記録媒体)としては、市販品を用いることができる。
前記受容層を有する光沢紙(記録媒体)の市販品としては、例えば、IJ用フィルムRM-1GP01(多孔質の平均孔径:230nm)(以上、株式会社リコー製):NB-WF-3GF100(多孔質の平均孔径:210nm)、NB-RC-3GR120(多孔質の平均孔径:250nm)(以上、三菱製紙株式会社製):PT-201A420(多孔質の平均孔径:270nm)、SD-101A450(多孔質の平均孔径:250nm)、GL-101A450(多孔質の平均孔径:240nm)、GP501A450(多孔質の平均孔径:250nm)、SP-101A450(多孔質の平均孔径:210nm)、PT-101A420(多孔質の平均孔径:240nm)、PR101(多孔質の平均孔径:270nm)(以上、キヤノン株式会社製):EJK-QTNA450(多孔質の平均孔径:200nm)、EJK-EPNA450(多孔質の平均孔径:210nm)、EJK-CPNA450(多孔質の平均孔径:220nm)、EJK-RCA450(多孔質の平均孔径:240nm)、EJK-CGNA450(多孔質の平均孔径:190nm)、EJK-GANA450(多孔質の平均孔径:180nm)、EJK-NANA450(多孔質の平均孔径:170nm)、EJK-EGNA450(多孔質の平均孔径:200nm)(以上、エレコム株式会社製):WPA455VA(多孔質の平均孔径:200nm)、WPA450PRM(多孔質の平均孔径:210nm)、G3A450A(多孔質の平均孔径:220nm)、G3A450A(多孔質の平均孔径:210nm)、WPA420HIC(多孔質の平均孔径:280nm)(以上、富士フイルム株式会社製):KA420SCKR(多孔質の平均孔径:240nm)、KA450PSKR(多孔質の平均孔径:230nm)、KA450SLU(多孔質の平均孔径:210nm)(以上、セイコーエプソン株式会社製):BP71GAA4(多孔質の平均孔径:220nm)(ブラザー工業株式会社製)などが挙げられる。
[記録装置及び記録方法]
本明細書における「記録装置」は、本発明のインクを収容する収容部と、前記記録媒体に対して前記インクを吐出する吐出部と有し、必要に応じて、その他の手段を有する。
前記記録装置は、本発明のインクを用いて画像を形成することにより画像形成装置とすることができる。
本明細書における「記録方法」は、前記記録装置を用いて行うことができる。
前記記録方法は、前記画像形成装置を用いて画像を形成することで画像形成方法とすることができる。
前記画像形成方法は、本発明のインクを用いて画像を形成する工程を有し、必要に応じて、その他の工程を有する。
<収容部>
前記収容部は、前記インクを収容する手段である。
前記収容部としては、特に制限はなく、例えば、公知のインクジェットプリンタ用インクカートリッジなどが挙げられる。
前記収容部は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れるため、インクカートリッジや画像形成装置等に着脱可能に取り付け、インクの補給に使用することができる。
前記収容部としては、特に限定されず、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、容器本体とキャップを有するものなどが挙げられる。
前記収容部の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、円筒状であることが好ましい。さらに、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるインクが排出口側に移行することが可能であり、スパイラル状の凹凸の一部又は全てが蛇腹機能を有することが好ましい。
前記収容部の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、寸法精度がよいという観点から、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂成分ABS樹脂、ポリアセタール樹脂などの樹脂が好ましい。
前記収容部の構造、及び大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる
<吐出部>
前記吐出部は、前記インクを吐出する手段である。
前記インク吐出部としては、特に制限はなく、公知のインク吐出手段を用いることができ、例えば、インクジェット方式などが挙げられる。
<その他の手段及びその他の工程>
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前処理手段、後処理手段、加熱乾燥手段、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段などが挙げられる。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前処理工程、後処理工程、加熱乾燥工程、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる工程などが挙げられる。
-前処理手段及び前処理工程-
前記前処理手段は、前記インクを付与する前に記録媒体に前処理液を付与する手段である。
前記前処理工程は、前記インクを付与する前に記録媒体に前処理液を付与する工程である。
前記前処理工程は前記前処理手段により好適に実施することができる。
前記前処理手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、通常のインクと同様にインク収容手段に前記前処理液を収容し、インクジェット方式で記録媒体へ付与する手段や、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
--前処理液--
前記前処理液は、凝集剤、有機溶剤、水を含有し、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等を含有してもよい。
前記有機溶剤、前記界面活性剤、前記消泡剤、前記pH調整剤、前記防腐防黴剤、前記防錆剤は、インクに用いる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の処理液に用いられる材料を使用できる。
前記凝集剤の種類は、特に限定されず、水溶性カチオンポリマー、酸、多価金属塩等が挙げられる。
-後処理手段及び後処理工程-
前記後処理手段は、前記インクを付与した後に記録媒体に後処理液を付与する手段である。
前記前処理工程は、前記インクを付与した後に記録媒体に後処理液を付与する工程である。
前記後処理工程は前記後処理手段により好適に実施することができる。
前記後処理手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、通常のインクと同様にインク収容手段に前記後処理液を収容し、インクジェット方式で記録媒体へ付与する手段や、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
--後処理液--
前記後処理液は、透明な層を形成することが可能であれば、特に限定されない。前記後処理液は、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等から必要に応じて選択し、混合して得られる。また、後処理液は、記録媒体に形成された記録領域の全域に塗布してもよいし、画像が形成された領域のみに塗布してもよい。
前記加熱手段は、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱する手段が含まれる。
前記乾燥手段は、例えば、記録媒体の印字面や裏面を乾燥する手段が含まれる。
前記加熱手段及び前記乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターなどを用いることができる。加熱及び乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
前記記録装置及び前記記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
前記記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
前記記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタなども含まれる。
以下、記録装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではない。
図1は記録装置の一例を示す斜視説明図である。図2はメインタンクの一例を示す斜視説明図である。記録装置の一例である画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。シルバー(S)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410s、410c、410m、410y)の各インク収容容器411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。収容部であるインク収容容器411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出部である吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
なお、上記のシルバー(S)のインクは本発明のインクである。また、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のカラーインクは、特に制限はなく、目的に応じて公知のインクを適宜選択することができる。また、上記のシルバー(S)以外の3色に加えて、ブラック(K)、ホワイト(W)等のインクを追加で使用してもよい。追加のインクを使用する場合は、追加のインクを有する液体収容部と液体吐出ヘッドを記録装置に追加する。本発明のシルバーインクを付与した記録媒体上の位置に、これらのシルバー以外の色材を含むインクを付与することで、銀色以外の様々な金属光沢を有する色を再現することができる。
前記記録装置には、インクを吐出する部分だけでなく、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前記前処理装置及び前記後処理装置の一態様として、シルバー(S)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前記前処理液や前記後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前記前処理装置及び前記後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の装置、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
本発明のインクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。
前記インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
[印刷物]
本明細書中における「印刷物」とは、前記記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された印刷層を有してなる。なお、前記印刷層には、前記画像が含まれていてもよい。
前記印刷層は、前記樹脂を含むことが好ましい。前記印刷層が樹脂を含むことにより、印刷層の写像性、耐擦過性をより向上させることができる。
前記印刷層における前記樹脂の含有量としては、印刷層全質量に対して、0.01質量%以上50質量%以下が好ましく、0.01質量%以上20質量%以下がより好ましい。
前記印刷層における前記樹脂の含有量が、印刷層全質量に対して、0.01質量%以上50質量%以下である場合、印刷層の写像性、金属光沢、耐擦過性が向上する。
前記印刷層に含まれる樹脂は、平均粒子径が10nm以上30nm以下の樹脂粒子であることが好ましい。
<印刷層の厚み>
前記印刷層の平均厚みとしては、少なくとも1粒の銀粒子の粒子径以上の平均厚みが必要である。前記銀粒子が前記記録媒体上に1層分以上、平面方向に並ぶことで、前記銀粒子間の相互作用が増加し、金属様の写像性に優れた印刷層を形成することができる。
前記印刷層の平均厚みは、50nm以上300nm以下であることが好ましく、50nm以上250nm以下であることがより好ましく、50nm以上200nm以下であることが更に好ましく、50nm以上180nm以下であることが特に好ましい。
前記印刷層の平均厚みが50nm以上300nm以下であることにより、前記銀粒子のプラズモン吸収に由来する構造色調が低くなり、金属光沢及び写像性に優れた印刷層を形成することができる。
前記印刷層の平均厚みが50nm以上300nm以下となるインク付与量であれば、前記記録媒体が多孔質構造を有する場合に、前記インクのビヒクルを直ちに吸収することができ、金属光沢及び写像性に優れた印刷層を形成することができる。
また、前記印刷層の平均厚みは、印刷層における任意の点を10点測定した値の平均値である。なお、前記印刷層の平均厚みは、前記記録媒体に付与されたインクが十分に乾燥した後に測定される。
<印刷層の平均厚みの測定方法>
前記印刷層の平均厚みを測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物を切断し、切断面を光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、SEM(走査型電子顕微鏡)、TEM等の顕微鏡で観察する方法などが挙げられる。
また、前記印刷物上の銀粒子や樹脂粒子の平均粒子径は、SEMで観察及び解析することで測定することができる。
前記印刷層における銀粒子及び樹脂粒子の平均粒子径は、10μm×10μmの範囲のTEM画像中における銀粒子及び樹脂粒子20個の最大径を測定し、その測定値の平均を平均粒子径とする。
<印刷層の色度>
前記印刷層の色度(b値)は、CIE(Commission International del‘Eclairage)により規格化されているL表色系による色差表示法に基づく。
前記印刷層が高い写像性を有し、銀色であるためには、b値が-7以上0以下であることが好ましい。
前記b値は、マイナス側に行くほど青味が強くなり、逆にプラス側に行くほど黄色味が強くなる。黄色が強くなると印刷層は金色に近づき、b値が0を超えてくると金色が強く発現して銀色とは言いがたい色調となる。また、逆にb値が-7を下回ると青味が強くなり暗い色調で銀色とは異なる色調となる。
前記b値の測定方法については、分光測色計で簡便に測定することができる。
<カラーインク印刷層>
前記印刷物は、前記記録媒体上に形成された前記印刷層の上に、更にカラーインク印刷層を形成してもよい。
前記カラーインク印刷層は、銀粒子以外の色材を含むインクを付与することにより形成され、銀粒子以外の色材を含む層である。
前記カラーインク印刷層の平均厚みは、1nm以上300nm以下が好ましく、2nm以上250nm以下がより好ましい。前記印刷層の呈する銀色を調色する場合、銀色を隠蔽しないことが必要であり、その際、前記カラーインク印刷層の平均厚みとしては3nm以上100nm以下であることが好ましい。
前記カラーインク印刷層の平均厚みが1nm以上300nm以下であると、有色メタリック画像が得られ、写像性、及び色調ともに風合いのよい記録物を得ることができる。
前記カラーインク印刷層を形成する場合、調色の順序としては、本発明のインクで印刷層を形成した後、前記印刷層上にカラーインク印刷層を形成することが好ましい。
前記カラーインク印刷層の平均厚さを測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、印刷物を切断し、切断面を光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、SEM、TEM等の顕微鏡で観察する方法などが挙げられる。
[用途]
本発明のインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。さらに、インクとして用いることで、2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
前記立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段などを備えるものを使用することができる。
前記立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。
前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(樹脂粒子を含む樹脂分散液の調製)
<ポリエステルウレタン樹脂分散液1の調製>
温度計、窒素ガス導入管、及び撹拌器を備えた窒素置換された容器中で、以下の材料を反応させた。なお、ジブチルスズジラウレート(DMTDL)は触媒として使用した。
-材料-
・ポリエステルポリオール(商品名:PTMG1000、三菱化学株式会社製、平均分子量:1,000) 200.4g
・2,2-ジメチロールプロピオン酸 15.7g
・イソホロンジイソシアネート 48.0g
・メチルエチルケトン 77.1g
・ジブチルスズジラウレート(DMTDL、東京化成工業株式会社製) 0.06g
前記反応を4時間継続した後、希釈溶剤としてメチルエチルケトン30.7gを供給し、更に反応を継続した。前記反応が合計6時間となるように行った後、メタノール1.4gを投入し、前記反応を終了することによって、ウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に48質量%水酸化カリウム水溶液を13.4g加えることにより、ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和した。次に、水715.3gを加え、十分に撹拌した後、エージング及び脱溶剤することによって、固形分濃度が30質量%の樹脂粒子を含む、ポリエステルウレタン樹脂分散液1を得た。
<ポリエステルウレタン樹脂分散液2の調製>
前記ポリエステルウレタン樹脂分散液1の調製において、DMTDLの含有量を0.06gから0.12gに変更し、全反応時間を15時間に変更した以外は、前記ポリエステルウレタン樹脂分散液1と同様の方法によって、固形分濃度が30質量%の樹脂粒子を含むポリエステルウレタン樹脂分散液2を得た。
<ポリエステルウレタン樹脂分散液3の調製>
前記ポリエステルウレタン樹脂分散液1の調製において、DMTDLの含有量を0.06gから0.2gに変更し、全反応時間を8時間に変更した以外は、前記ポリエステルウレタン樹脂分散液1と同様の方法によって、固形分濃度が30質量%の樹脂粒子を含むポリエステルウレタン樹脂分散液3を得た。
<ポリエステルウレタン樹脂分散液4の調製>
前記ポリエステルウレタン樹脂分散液1の調製において、DMTDLの含有量を0.06gから0.2gに変更し、反応時間を5時間に変更した以外は、前記ポリエステルウレタン樹脂分散液1と同様の方法によって、固形分濃度が30質量%の樹脂粒子を含むポリエステルウレタン樹脂分散液4を得た。
<ポリエステルウレタン樹脂分散液5の調製>
前記ポリエステルウレタン樹脂分散液1の調製において、DMTDLの含有量を0.06gから0.12gに変更し、反応時間を10時間に変更した以外は、前記ポリエステルウレタン樹脂分散液1と同様の方法によって、固形分濃度が30質量%の樹脂粒子を含むポリエステルウレタン樹脂分散液5を得た。
<ポリカーボネートウレタン樹脂分散液の調製>
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、以下の材料を窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。
-材料-
・ポリカーボネートジオール(1,6-ヘキサンジオールとジメチルカーボネートとの反応生成物(数平均分子量(Mn):1,200)) 1,500g
・2,2-ジメチロールプロピオン酸(DMPA) 220g
・N-メチルピロリドン(NMP) 1,347g
次に、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート1,445g(5.5モル)、及びジブチルスズジラウリレート(触媒)1.8gを加えて90℃まで加熱し、3時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。
次に、これら反応混合物を80℃まで冷却した後、トリエチルアミン149gを添加及び混合したものの中から4,340gを抜き出し、強撹拌下にて、水5,400g、及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。次いで、氷1,500gを投入した後、35質量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30質量%となるように溶媒を留去することで、脂環式ジイソシアネートに由来する構造を有するポリカーボネートウレタン樹脂分散液を得た。
前記ポリエステルウレタン樹脂分散液1~5及び前記ポリカーボネートウレタン樹脂分散液から数μl採取し、高圧凍結法により凍結体を作製した。前記凍結体を割断後、断面のカーボンレプリカ膜を作製した。前記カーボンレプリカ膜をTEM用グリッドに設置し、TEMで観察した。5μm×5μmの範囲のTEM画像における樹脂粒子20個の最大径を測定し、測定値から樹脂粒子の平均粒子径を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 0007639466000003
(銀粒子分散液の調製)
<銀粒子分散液1の調製>
以下の材料を激しく攪拌し、懸濁液を得た。
-材料-
・硝酸銀 66.8g
・カルボキシル基を有する分散剤ポリマー(商品名:ディスパービック190、ビックケミー・ジャパン株式会社製、溶媒:水、不揮発成分40質量%、酸価:10mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g) 7.2g
・コール酸(和光純薬工業株式会社製) 2.2g
・イオン交換水 100g
得られた懸濁液に対して、ジメチルアミノエタノール(和光純薬工業株式会社製)100gを水温が50℃を超えないように徐々に加えた後、水温50℃のウォーターバス中で3時間加熱撹拌し、反応液を得た。得られた反応液を、ガラスフィルタ(商品名:GC-90、ADVANTEC社製、平均孔径:0.8μm)で濾過し、銀粒子を20質量%含む銀粒子分散液1を得た。
得られた銀粒子分散液1から数μl採取し、高圧凍結法により凍結体を作製した。前記凍結体を割断後、断面のカーボンレプリカ膜を作製した。前記カーボンレプリカ膜をTEM用グリッドに設置し、TEMで観察した。5μm×5μmの範囲のTEM画像における銀粒子20個の最大径を測定し、測定値から銀粒子の平均粒子径を求めた。その結果を表2に示す。また、TEMにて銀粒子の形状を確認したところ、球状であった。
<銀粒子分散液2~6の調製>
前記銀粒子分散液1の調製において、ジメチルアミノエタノールの加える速度と、水温を調節することにより、銀粒子の平均粒子径を下記表2のように変更した以外は、前記銀粒子分散液1の調製と同様の方法によって、銀粒子を15質量%含む銀粒子分散液2~6を得た。得られた銀粒子分散液2~6について、銀粒子分散液1と同様にして銀粒子の平均粒子径を求めた。その結果を表2に示す。
<銀粒子分散液7の調製>
前記銀粒子分散液1の調製において、コール酸をプロピオン酸(富士フィルム和光純薬株式会社製)に換えた以外は、前記銀粒子分散液1の調製と同様の方法によって、銀粒子分散液7を得た。得られた銀粒子分散液7について、銀粒子分散液1と同様にして銀粒子の平均粒子径を求めた。結果を表2に示す。
<銀粒子分散液8の調製>
1Lの蒸留水に50gの硝酸銀を溶解させて、第1の溶液を得た。次に、1Lの蒸留水に22.2gのシュウ酸を溶解させて、第2の溶液を得た。前記第1の溶液と前記第2の溶液とを混合し、シュウ酸銀を含む混合液1を得た。得られた混合液1から、濾別することによって不純物を除去した混合液2を得た。1Lの混合液2に対して、3gのポリエチレングリコール(分散剤)を添加し、超音波を加えつつ、50分間撹拌することでシュウ酸銀を分散させた混合液3を得た。得られた混合液3を、オートクレーブ(ジャケット付きAC型;日東高圧(株)製)に投入し、0.5MPaの圧力で加圧することで混合液4を得た。得られた混合液4を1300rpmの速度で撹拌しつつ、140℃まで加熱し、温度を維持したまま、30分間の撹拌を行い、銀を主成分とする微小粒子を含む液体を得た。前記微小粒子の算術平均粗さRaの平均値は、2.0nmであった。
得られた銀を主成分とする微小粒子を含む液体を遠心分離機にかけ、沈殿物1と上清とに分離し、余剰なポリエチレングリコール(上清)を除去した。さらに、前記沈殿物1をエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(ECA)に投入し、攪拌後、遠心分離機にかけることで、沈殿物2と上清とに分離し、余剰のエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(上清)を除去した。遠心分離によって得られた沈殿物2に所定時間の熱乾燥を施し、微小銀粒子含有組成物である銀粒子分散液8を得た。得られた銀粒子分散液8は、90質量%の銀粒子と、10質量%のその他物質(主にエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)を含んでいる。
得られた銀粒子分散液8について、銀粒子分散液1と同様にして銀粒子の平均粒子径を求めた。その結果を表2に示す。また、TEMにて銀粒子の形状を確認したところ、薄片状であった。
<銀粒子分散液9の調製>
銀粒子分散液8の調製において、オートクレーブに投入した混合液4の攪拌条件を1000rpmとした以外は、前記銀粒子分散液8の調製と同様の方法によって、銀粒子分散液9を得た。その結果を表2に示す。また、TEMにて銀粒子の形状を確認したところ、薄片状であった。
Figure 0007639466000004
(銀ベースインクの調製)
<銀ベースインク1の調製>
以下の材料を添加し、合計が100質量%となるようにイオン交換水を残量添加後、混合、攪拌し、平均孔径が0.2μmのポリプロピレンフィルター(商品名:シリンジフィルター、ザルトリウス社製)で濾過して銀ベースインク1を得た。
-材料-
・銀粒子分散液1 20.0質量%
・ジメチルアミノエタノール(富士フィルム和光純薬株式会社製) 0.01質量%
・1,2-プロパンジオール(東京化成工業株式会社製) 36.0質量%
・3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン(東京化成工業株式会社製)7.0質量%
・LS-106(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル;花王社製) 1.0質量%
・プロキセルLV(アビシア社製) 0.1質量%
なお、LS-106は界面活性剤として、プロキセルLVは防腐防黴剤として使用した。
<銀ベースインク2の調製>
以下の材料を添加し、合計が100質量%となるようにイオン交換水を残量添加後、混合、攪拌し、平均孔径が0.2μmのポリプロピレンフィルター(商品名:シリンジフィルター、ザルトリウス社製)で濾過して銀ベースインク2を得た。
-材料-
・銀粒子分散液2 14.0質量%
・ジメチルアミノエタノール(富士フィルム和光純薬株式会社製) 0.01質量%
・1,2-プロパンジオール(東京化成工業株式会社製) 25.0質量%
・3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン(東京化成工業株式会社製)7.0質量%
・BYK-33(ビックケミー社製) 1.0質量%
・プロキセルLV(アビシア社製) 0.1質量%
なお、BYK-33は界面活性剤として、プロキセルLVは防腐防黴剤として使用した。
<銀ベースインク3~9の調製>
銀ベースインク2の調製において、銀粒子分散液2を銀粒子分散液3~9に変更した以外は、銀ベースインク2の調製と同様の方法によって、銀ベースインク3~9を得た。
得られた銀ベースインク1~9について、銀粒子分散液1と同様に、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)にて銀粒子の平均粒子径を確認したところ、用いた銀粒子分散液中における銀粒子の平均粒子径と同一であることを確認した。
銀ベースインク1~9における組成を表3及び表4に示す。
Figure 0007639466000005
Figure 0007639466000006
(実施例1~33及び比較例1~13)
<インクの作製>
リアクティブブルー2、リアクティブブルー4、リアクティブブルー13、リアクティブブルー15、リアクティブブルー21、リアクティブブルー49、リアクティブブルー72、アシッドブルー20、アシッドブルー25、アシッドブルー193、ダイレクトブルー199、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、ナフトールグリーンB、及びアシッドレッド52を、銀ベースインク1~9に対して、表5及び表6に示すように添加し、実施例1~33及び比較例1~13のインクを作製した。
また、実施例1~32及び比較例1~13のインクは、ポリエステルウレタン樹脂分散液1~5又はポリカーボネートウレタン樹脂分散液が、表3及び表4に示した銀粒子分散液の数値(質量%)に対して、1.7質量%(樹脂固形分:0.5質量%)含有するように作製した。
Figure 0007639466000007
Figure 0007639466000008
得られた各インクを充填したインクジェットプリンタ(株式会社リコー製IPSiO GXe5500)を用いて、記録媒体(EJK-EGNA450;エレコム株式会社製)に対し、25℃の環境下で、各インクを吐出しベタ画像を形成した。
得られたベタ画像に対し、光沢度、色度(b値)、色度ムラ、耐擦過性、保存性の評価を下記評価基準に従って行った。
<光沢度の評価>
得られたベタ画像の20°光沢度を光沢度計(BYK Gardener社製、マイクロトリグロス)により測定し、下記の基準で評価した。その結果を表7及び表8に示した。所望するレベルはランクS以上とする。
-評価基準-
SS:20°光沢度が500以上
S:20°光沢度が400以上500未満
A:20°光沢度が300以上400未満
B:20°光沢度が100以上300未満
C:20°光沢度が100未満
<色度(b値)の評価>
CIE L色座標の「色度(色彩値(b値))」を、X-Rite938 分光測色濃度計(X-Rite社製)を用いて測定し、下記の基準で評価した。その結果を表7及び表8に示した。所望するレベルはランクAとする。
-評価基準-
ランクA:b値が-3以下
ランクB:b値が-3を超えて0以下
ランクC:b値が0を超える
<色度ムラの評価>
前記色度ムラとは、b値のばらつきのことである。縦横15cm×4cmのベタ画像の横方向を均等に10分割し、X-Rite938 分光測色濃度計(X-Rite社製)を用いてb値を10点測定し、得られた測定値における最大値と最小値との差で評価した。その結果を表7及び表8に示した。所望するレベルはランクB以上とする。
-評価基準-
ランクA:測定値の最大値と最小値との差が0.5以下
ランクB:測定値の最大値と最小値との差が0.5を超え、1以下
ランクC:測定値の最大値と最小値との差が1を超える
<耐擦過性の評価>
乾燥後の印刷物を学振型磨耗堅牢度試験機AB-301(テスター産業株式会社製)にセットし、接触部に白綿布(JIS L 0803準拠)を取り付けた摩擦子(荷重;300g)にて10回擦り、その劣化具合を目視にて観察し、下記の基準で評価した。その結果を表7及び表8に示した。所望するレベルはランクA以上とする。
-評価基準-
S:傷の数が5本未満であり、下地も見えない。
A:傷の数が5本以上10本未満であり、下地も見えない。
B:傷の数が10本以上あり、下地の露出がある。
<保存性の評価>
実施例1~33及び比較例1~13のインクを60℃で2週間保存し、保存前後の粘度値から粘度変化率を算出し、粘度変化率を下記の基準で評価した。その結果を表7及び表8に示した。なお、粘度値はE型粘度計「ELD型粘度計」(東機産業社製)を用いて測定することができる。所望するレベルはランクA以上とする。
-評価基準-
S:粘度変化率が±3%以内
A:粘度変化率が±5%以内
B:粘度変化率が±10%以内
C:粘度変化率が±10%を超える
Figure 0007639466000009
Figure 0007639466000010
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1>銀粒子と、染料とを含むインクであって、
前記銀粒子の平均粒子径が、100nm以下であり、
前記染料の吸収極大波長が、600nm以上680nm以下であり、
前記染料の含有量が、インク全質量に対して、0.01質量%以上0.1質量%未満であることを特徴とするインクである。
<2>前記染料が、ビニルスルフォン基又はクロロトリアジン基を有する、前記<1>に記載のインクである。
<3>前記染料が、リアクティブブルー2、リアクティブブルー4、リアクティブブルー13、リアクティブブルー15、リアクティブブルー21、リアクティブブルー49、リアクティブブルー72、アシッドブルー20、アシッドブルー25、アシッドブルー193、及びダイレクトブルー199から選択される少なくとも一種を含む、前記<1>に記載のインクである。
<4>平均粒子径が10nm以上30nm以下である樹脂粒子を含有する、前記<1>から前記<3>のいずれかに記載のインクである。
<5>前記<1>から前記<4>のいずれかに記載のインクと、
前記インクを収容する収容部と、
前記インクを吐出する吐出部を備えることを特徴とする画像形成装置である。
<6>前記<1>から前記<4>のいずれかに記載のインクを用いて画像を形成する工程を含むことを特徴とする画像形成方法である。
前記<1>から前記<4>のいずれかに記載のインク、前記<5>に記載の画像形成装置、前記<6>に記載の画像形成方法によれば、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410s シルバー(S)用のメインタンク
410c シアン(C)用のメインタンク
410m マゼンタ(M)用のメインタンク
410y イエロー(Y)用のメインタンク
411 インク収容容器
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特許第4165860号 特開2020-125396号公報 特開2020-075981号公報 特許第4078283号

Claims (6)

  1. 銀粒子と、染料とを含むインクであって、
    前記銀粒子の平均粒子径が、100nm以下であり、
    前記染料の吸収極大波長が、600nm以上680nm以下であり、
    前記染料の含有量が、インク全質量に対して、0.01質量%以上0.1質量%未満であることを特徴とするインク。
  2. 前記染料が、ビニルスルフォン基又はクロロトリアジン基を有する、請求項1に記載のインク。
  3. 前記染料が、リアクティブブルー2、リアクティブブルー4、リアクティブブルー13、リアクティブブルー15、リアクティブブルー21、リアクティブブルー49、リアクティブブルー72、アシッドブルー20、アシッドブルー25、アシッドブルー193、及びダイレクトブルー199から選択される少なくとも一種を含む、請求項1に記載のインク。
  4. 平均粒子径が10nm以上30nm以下である樹脂粒子を含有する、請求項1から3のいずれかに記載のインク。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のインクと、
    前記インクを収容する収容部と、
    前記インクを吐出する吐出部を備えることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載のインクを用いて画像を形成する工程を含むことを特徴とする画像形成方法。

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