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JP7639663B2 - 全固体電池の製造方法 - Google Patents
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JP7639663B2 - 全固体電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、全固体電池の製造方法に関する。
全固体電池は、正極と負極の間に介在する電解質として、有機溶媒を含む電解液に替えて固体電解質を用いるという点で注目されている。
特許文献1には、集電体と、集電体に隣接して積層された電池ユニットとを接着するための接着手段を有する全固体電池が開示されている。
特開2017-204377号公報
全固体電池のエネルギー密度の向上が求められる。負極と固体電解質層と正極を積層した電極積層体において、電極積層体を一括裁断して側面を面一にした後に側面をテープ等の絶縁層で固定しようとすると絶縁層が正極の面上にはみ出して、正極の面上の余分な絶縁層により電極積層体に局所荷重がかかる場合がある。
また、正極の面上の余分な絶縁層により、全固体電池の寸法が大きくなり全固体電池のエネルギー密度が低下する。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、全固体電池のエネルギー密度を向上させることができる全固体電池の製造方法を提供することを主目的とする。
本開示の全固体電池の製造方法は、第1集電体の両面に、第1電極層、固体電解質層、第2電極層、第2集電体をこの順に有する全固体電池の製造方法であって、
前記第1集電体の両面に、前記第1電極層、前記固体電解質層、前記第2電極層をこの順で積層した積層体を得る工程と、
前記積層体の積層方向の少なくとも1つの側面を裁断により面一とする工程と、
前記第2集電体の面上の前記積層体を配置する予定の領域に隣接する領域に絶縁層を配置し、当該第2集電体と当該絶縁層の接合体を形成する工程と、
前記第2集電体の面上の前記積層体を配置する予定の領域に前記第2電極層が当該第2集電体と接するように前記積層体を配置し、且つ、前記絶縁層と前記積層体の面一である側面と、を接着する工程と、を備えることを特徴とする。
本開示は、全固体電池のエネルギー密度を向上させることができる全固体電池の製造方法を提供することができる。
図1は、本開示の全固体電池の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図2は裁断工程前の積層体の一例を示す図である。 図3は裁断工程後の積層体の一例を示す図である。 図4は、実施例1の(3)接合体形成工程、(4)接着工程の概略を示す図である。 図5は、実施例2の(3)接合体形成工程、(4)接着工程の概略を示す図である。 図6は、実施例3の(3)接合体形成工程、(4)接着工程の概略を示す図である。 図7は、比較例1の(3)接合体形成工程、(4)接着工程の概略を示す図である。 図8は、比較例2の(3)接合体形成工程、(4)接着工程の概略を示す図である。
本開示の全固体電池の製造方法は、第1集電体の両面に、第1電極層、固体電解質層、第2電極層、第2集電体をこの順に有する全固体電池の製造方法であって、
前記第1集電体の両面に、前記第1電極層、前記固体電解質層、前記第2電極層をこの順で積層した積層体を得る工程と、
前記積層体の積層方向の少なくとも1つの側面を裁断により面一とする工程と、
前記第2集電体の面上の前記積層体を配置する予定の領域に隣接する領域に絶縁層を配置し、当該第2集電体と当該絶縁層の接合体を形成する工程と、
前記第2集電体の面上の前記積層体を配置する予定の領域に前記第2電極層が当該第2集電体と接するように前記積層体を配置し、且つ、前記絶縁層と前記積層体の面一である側面と、を接着する工程と、を備えることを特徴とする。
図1は、本開示の全固体電池の製造方法の一例を示すフローチャートである。11は、第1集電体、12は、第1電極層、13は、固体電解質層、14は、第2電極層、15は、第2集電体、16は、絶縁層を示す。
本開示の全固体電池の製造方法は、図1に示すように、(1)積層体取得工程と、(2)裁断工程と、(3)接合体形成工程と、(4)接着工程と、を備える。
なお、(3)接合体形成工程は、(4)接着工程前に行えばよく、(1)積層体取得工程よりも前に行ってもよく、同時であってもよく、後に行ってもよく、(2)裁断工程よりも前に行ってもよく、同時であってもよく、後に行ってもよい。
(1)積層体取得工程
積層体取得工程は、前記第1集電体の両面に、前記第1電極層、前記固体電解質層、前記第2電極層をこの順で積層した積層体を得る工程である。
第1電極層は正極層又は負極層であることができる。第1電極層が正極層であるとき、その対極層である第2電極層は負極層であり、第1電極層が負極層であるときの第2電極層は正極層である。
第1集電体の両面に、前記第1電極層、前記固体電解質層、前記第2電極層をこの順で積層する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を適宜採用することができる。
(2)裁断工程
裁断工程は、前記積層体の積層方向の少なくとも1つの側面を裁断により面一とする工程である。
裁断方法は特に限定されず、レーザー照射等が挙げられる。
面一とする側面は、少なくとも1つの側面であればよく、1つの側面のみであってもよい。
(3)接合体形成工程
接合体形成工程は、前記第2集電体の面上の前記積層体を配置する予定の領域に隣接する領域に絶縁層を配置し、当該第2集電体と当該絶縁層の接合体を形成する工程である。
接合方法は、特に限定されず、絶縁層が接着性を有する場合は、第2集電体と絶縁層を接着してもよい。
全固体電池において、第2集電体は、積層体と対向しない領域と積層体と対向する領域を有する。すなわち、第2集電体の面方向の寸法は、積層体の面方向の寸法よりも大きい。
絶縁層を配置する位置は、第2集電体の面上の前記積層体を配置する予定の領域に隣接する領域であれば特に限定されず、後述する接着工程において、積層体の面一とした側面と接着可能な位置であってもよい。
絶縁層の厚み(積層方向の高さ)は、積層体の厚み(積層方向の高さ)と同じであってもよく、異なっていてもよいが、積層体の厚み±第2電極層の厚みの範囲であってもよい。絶縁層の厚みが積層体の厚みよりも大きい場合、プレス及び加熱等によって、絶縁層の厚みが積層体の厚みと同程度となるようにしてもよい。これにより、積層体と絶縁層の高さを合わせることができる。
絶縁層の材料は、絶縁性を有する材料であればよく、接着性を有する材料であってもよく、接着剤であってもよい。絶縁層に用いられる接着剤は、固体で、接着機能を有するものであれば特に限定されない。接着剤の種類は、例えば、タック性を有する樹脂、及び、ホットメルト剤等が挙げられる。タック性を有する樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、及び、ウレタン系樹脂等が挙げられる。ホットメルト剤としては、融点が140℃以下の樹脂であれば特に限定されず、例えば、エチレン-酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等が挙げられる。
(4)接着工程
接着工程は、前記第2集電体の面上の前記積層体を配置する予定の領域に前記第2電極層が当該第2集電体と接するように前記積層体を配置し、且つ、前記絶縁層と前記積層体の面一である側面と、を接着する工程である。
絶縁層は、第2集電体の面上に積層体を配置する際の位置決め部材として用いることができる。
接着方法は、特に限定されず、絶縁層と積層体を、接着剤を介して接着してもよいし、絶縁層自体が接着性を有する場合は、そのまま積層体と絶縁層を接着してもよい。
[電極層]
電極層は、電極活物質を含み、必要に応じて固体電解質、導電材、結着材等を含む。
電極層は、正極層又は負極層である。電極活物質の種類が互いに異なる2つの電極層を用意することにより、一方を正極層、もう一方を負極層として用いてもよい。
電極活物質としては、全固体電池の活物質として使用可能な材料をいずれも採用可能であり、後述する正極活物質及び負極活物質として例示するものと同様のものを採用することができる。
固体電解質としては、後述する固体電解質層において例示するものと同様のものを例示することができる。
導電材及び結着剤としては、後述する正極層において例示するものと同様のものを例示することができる。
電極層の厚みについては特に限定されるものではないが、例えば、10~100μmであってもよく、10~20μmであってもよい。
[集電体]
集電体としては、後述する正極集電体及び負極集電体として例示するものと同様のものを採用することができる。
[全固体電池]
本開示の全固体電池は、正極層及び正極集電体を含む正極、固体電解質層、負極層及び負極集電体を含む負極を備えていてもよい。
全固体電池は、第1集電体の両面に第1電極層と、固体電解質層と、第2電極層と、第2集電体をこの順に有する。
第1電極層と第2電極層は、一方が正極層であり、もう一方が負極層である。第1集電体は、第1電極層が正極層であれば正極集電体であり、負極層であれば、負極集電体である。第2集電体は、第2電極層が正極層であれば正極集電体であり、負極層であれば、負極集電体である。
全固体電池は、正極集電体、正極層、固体電解質層、負極層、負極集電体、負極層、固体電解質層、正極層及び、正極集電体がこの順に積層された電池ユニットであってもよい。
全固体電池は、負極集電体、負極層、固体電解質層、正極層、正極集電体、正極層、固体電解質層、負極層、及び負極集電体がこの順に積層された電池ユニットであってもよい。
全固体電池は、2つ以上の電池ユニットの積層体であってもよい。
[正極]
正極は、正極層、及び正極集電体を含む。
[正極層]
正極層は、正極活物質を含み、任意成分として、固体電解質、導電材、及びバインダー等が含まれていてもよい。
正極活物質の種類について特に制限はなく、全固体電池の活物質として使用可能な材料をいずれも採用可能である。正極活物質は、例えば、金属リチウム(Li)、リチウム合金、LiCoO、LiNi0.8Co0.15Al0.05、LiNiCo1-x(0<x<1)、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiMnO、異種元素置換Li-Mnスピネル、チタン酸リチウム、リン酸金属リチウム、LiCoN、LiSiO、及びLiSiO、遷移金属酸化物、TiS、Si、SiO、Si合金及びリチウム貯蔵性金属間化合物等を挙げることができる。異種元素置換Li-Mnスピネルは、例えばLiMn1.5Ni0.5、LiMn1.5Al0.5、LiMn1.5Mg0.5、LiMn1.5Co0.5、LiMn1.5Fe0.5、及びLiMn1.5Zn0.5等である。チタン酸リチウムは、例えばLiTi12等である。リン酸金属リチウムは、例えばLiFePO、LiMnPO、LiCoPO、及びLiNiPO等である。遷移金属酸化物は、例えばV、及びMoO等である。リチウム貯蔵性金属間化合物は、例えばMgSn、MgGe、MgSb、及びCuSb等である。
リチウム合金としては、Li-Au、Li-Mg、Li-Sn、Li-Si、Li-Al、Li-B、Li-C、Li-Ca、Li-Ga、Li-Ge、Li-As、Li-Se、Li-Ru、Li-Rh、Li-Pd、Li-Ag、Li-Cd、Li-In、Li-Sb、Li-Ir、Li-Pt、Li-Hg、Li-Pb、Li-Bi、Li-Zn、Li-Tl、Li-Te、及びLi-At等が挙げられる。Si合金としては、Li等の金属との合金等が挙げられ、その他、Sn、Ge、及びAlからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属との合金であってもよい。
正極活物質の形状は特に限定されるものではないが、粒子状であってもよい。正極活物質が粒子状である場合、正極活物質は一次粒子であってもよく、二次粒子であってもよい。
正極活物質の表面には、Liイオン伝導性酸化物を含有するコート層が形成されていても良い。正極活物質と、固体電解質との反応を抑制できるからである。
Liイオン伝導性酸化物としては、例えば、LiNbO、LiTi12、及び、LiPO等が挙げられる。コート層の厚さは、例えば、0.1nm以上であり、1nm以上であっても良い。一方、コート層の厚さは、例えば、100nm以下であり、20nm以下であっても良い。コート層は、例えば、正極活物質の表面の70%以上を被覆していてもよく、90%以上を被覆していてもよい。
固体電解質としては、固体電解質層において例示するものと同様のものを例示することができる。
正極層における固体電解質の含有量は、特に限定されないが、正極層の総質量を100質量%としたとき、例えば1質量%~80質量%の範囲内であってもよい。
導電材としては、公知のものを用いることができ、例えば、炭素材料、及び金属粒子等が挙げられる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、VGCF、カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーからなる群より選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。中でも、電子伝導性の観点から、VGCF、カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーからなる群より選ばれる少なくとも一種であってもよい。金属粒子としては、Ni、Cu、Fe、及びSUS等の粒子が挙げられる。
正極層における導電材の含有量は特に限定されるものではない。
結着剤(バインダー)としては、アクリロニトリルブタジエンゴム(ABR)、ブタジエンゴム(BR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等を例示することができる。正極層におけるバインダーの含有量は特に限定されるものではない。
正極層の厚みについては特に限定されるものではないが、例えば、10~100μmであってもよく、10~20μmであってもよい。
正極層は、従来公知の方法で形成することができる。
例えば、正極活物質、及び、必要に応じ他の成分を溶媒中に投入し、撹拌することにより、正極層用スラリーを作製し、当該正極層用スラリーを支持体の一面上に塗布して乾燥させることにより、正極層が得られる。
溶媒は、例えば酢酸ブチル、酪酸ブチル、メシチレン、テトラリン、ヘプタン、及びN-メチル-2-ピロリドン(NMP)等が挙げられる。
支持体の一面上に正極層用スラリーを塗布する方法は、特に限定されず、ドクターブレード法、メタルマスク印刷法、静電塗布法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、及びスクリーン印刷法等が挙げられる。
支持体としては、自己支持性を有するものを適宜選択して用いることができ、特に限定はされず、例えばCu及びAlなどの金属箔等を用いることができる。
また、正極層の形成方法の別の方法として、正極活物質及び必要に応じ他の成分を含む正極合剤の粉末を加圧成形することにより正極層を形成してもよい。正極合剤の粉末を加圧成形する場合には、通常、1MPa以上2000MPa以下程度のプレス圧を負荷する。
加圧方法としては、特に制限されないが、例えば、平板プレス、及びロールプレス等を用いて圧力を付加する方法等が挙げられる。
[正極集電体]
正極集電体としては、全固体電池の集電体として使用可能な公知の金属を用いることができる。そのような金属としては、Cu、Ni、Al、V、Au、Pt、Mg、Fe、Ti、Co、Cr、Zn、Ge、及びInからなる群から選択される一又は二以上の元素を含む金属材料を例示することができる。正極集電体としては、例えばSUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボン等が挙げられる。
正極集電体の形態は特に限定されるものではなく、箔状、及びメッシュ状等、種々の形態とすることができる。正極集電体の厚さは、形状によって異なるものであるが、例えば1μm~50μmの範囲内であってもよく、5μm~20μmの範囲内であってもよい。
[負極]
負極は、負極層、及び、負極集電体を含む。
[負極層]
負極層は、少なくとも負極活物質を含有し、必要に応じ、固体電解質、導電材、及び、結着剤等を含有する。
負極活物質としては、グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性熱分解グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン、リチウム単体、リチウム合金、Si単体、Si合金、及びLiTi12等が挙げられる。リチウム合金及びSi合金としては、正極活物質において例示したものと同様のものを用いることができる。
負極活物質の形状は特に限定されず、粒子状、及び板状等が挙げられる。負極活物質が粒子状である場合、負極活物質は一次粒子であってもよく、二次粒子であってもよい。
負極層に用いられる導電材、及び、結着剤は、正極層において例示したものと同様のものを用いることができる。負極層に用いられる固体電解質は、固体電解質層において例示するものと同様のものを例示することができる。
負極層の厚さは、特に限定されないが、例えば、10~100μmであってもよく、10~20μmであってもよい。
負極層における負極活物質の含有量は、特に限定されないが、例えば、20質量%~90質量%であってもよい。
[負極集電体]
負極集電体の材料は、Liと合金化しない材料であってもよく、例えばSUS及び、銅及び、ニッケル等を挙げることができる。負極集電体の形態としては、例えば、箔状及び、板状等を挙げることができる。負極集電体の平面視形状は、特に限定されるものではないが、例えば、円状、楕円状、矩形状及び、任意の多角形状等を挙げることができる。また、負極集電体の厚さは、形状によって異なるものであるが、例えば1μm~50μmの範囲内であってもよく、5μm~20μmの範囲内であってもよい。
[固体電解質層]
固体電解質層は、少なくとも固体電解質を含む。
固体電解質層に含有させる固体電解質としては、全固体電池に使用可能な公知の固体電解質を適宜用いることができ、硫化物系固体電解質、酸化物系固体電解質、水素化物系固体電解質、ハロゲン化物系固体電解質、及び、窒化物系固体電解質等の無機固体電解質が挙げられる。硫化物系固体電解質は、アニオン元素の主成分として、硫黄(S)を含有してもよい。酸化物系固体電解質は、アニオン元素の主成分として、酸素(O)を含有してもよい。水素化物系固体電解質は、アニオン元素の主成分として、水素(H)を含有してもよい。ハロゲン化物系固体電解質は、アニオン元素の主成分として、ハロゲン(X)を含有してもよい。窒化物系固体電解質は、アニオン元素の主成分として、窒素(N)を含有してもよい。
硫化物系固体電解質は、硫化物ガラスであってもよく、結晶化硫化物ガラス(ガラスセラミックス)であってもよく、原料組成物に対する固相反応処理により得られる結晶質材料であってもよい。
硫化物系固体電解質の結晶状態は、例えば、硫化物系固体電解質に対してCuKα線を使用した粉末X線回折測定を行うことにより確認することができる。
硫化物ガラスは、原料組成物(例えばLiSおよびPの混合物)を非晶質処理することにより得ることができる。非晶質処理としては、例えば、メカニカルミリングが挙げられる。
ガラスセラミックスは、例えば、硫化物ガラスを熱処理することにより得ることができる。
熱処理温度は、硫化物ガラスの熱分析測定により観測される結晶化温度(Tc)よりも高い温度であればよく、通常、195℃以上である。一方、熱処理温度の上限は特に限定されない。
硫化物ガラスの結晶化温度(Tc)は、示差熱分析(DTA)により測定することができる。
熱処理時間は、ガラスセラミックスの所望の結晶化度が得られる時間であれば特に限定されるものではないが、例えば1分間~24時間の範囲内であり、中でも、1分間~10時間の範囲内が挙げられる。
熱処理の方法は特に限定されるものではないが、例えば、焼成炉を用いる方法を挙げることができる。
酸化物系固体電解質としては、例えば、Li元素、Y元素(Yは、Nb、B、Al、Si、P、Ti、Zr、Mo、W、Sの少なくとも一種である)、および、O元素を含有する固体電解質が挙げられる。酸化物系固体電解質の具体例としては、LiLaZr12、Li7-xLa(Zr2-xNb)O12(0≦x≦2)、LiLaNb12等のガーネット型固体電解質;(Li,La)TiO、(Li,La)NbO、(Li,Sr)(Ta,Zr)O等のペロブスカイト型固体電解質;Li(Al,Ti)(PO、Li(Al,Ga)(POのナシコン型固体電解質;LiPO、LIPON(LiPOのOの一部をNで置換した化合物)等のLi-P-O系固体電解質;LiBO、LiBOのOの一部をCで置換した化合物等のLi-B-O系固体電解質が挙げられる。
水素化物系固体電解質は、例えば、Liと、水素を含有する錯アニオンと、を有する。錯アニオンとしては、例えば、(BH、(NH、(AlH、および(AlH3-等が挙げられる。
ハロゲン化物系固体電解質としては、例えば、Li6-3z(XはClおよびBrの少なくとも一種であり、zは0<z<2を満たす)等が挙げられる。
窒化物系固体電解質としては、例えばLiN等が挙げられる。
固体電解質の形状は、取扱い性が良いという観点から粒子状であってもよい。
固体電解質の粒子の平均粒径は、特に限定されないが、例えば10nm以上であり、100nm以上であってもよい。一方、固体電解質の粒子の平均粒径は、例えば25μm以下であり、10μm以下であってもよい。
本開示において、粒子の平均粒径は、特記しない限り、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定により測定される体積基準のメディアン径(D50)の値である。また、本開示においてメディアン径(D50)とは、粒径の小さい粒子から順に並べた場合に、粒子の累積体積が全体の体積の半分(50%)となる径(体積平均径)である。
固体電解質は、1種単独で、又は2種以上のものを用いることができる。また、2種以上の固体電解質を用いる場合、2種以上の固体電解質を混合してもよく、又は2層以上の固体電解質それぞれの層を形成して多層構造としてもよい。
固体電解質層中の固体電解質の割合は、特に限定されるものではないが、例えば50質量%以上であり、60質量%以上100質量%以下の範囲内であってもよく、70質量%以上100質量%以下の範囲内であってもよく、100質量%であってもよい。
固体電解質層には、可塑性を発現させる等の観点から、結着剤を含有させることもできる。そのような結着剤としては、正極層に用いられる結着剤として例示した材料等を例示することができる。ただし、高出力化を図り易くするために、固体電解質の過度の凝集を防止し且つ均一に分散された固体電解質を有する固体電解質層を形成可能にする等の観点から、固体電解質層に含有させる結着剤は5質量%以下としてもよい。
固体電解質層の厚みは特に限定されるものではなく、通常0.1μm以上1mm以下である。
固体電解質層を形成する方法としては、固体電解質を含む固体電解質層用スラリーを支持体上に塗布して乾燥する方法、及び、固体電解質を含む固体電解質材料の粉末を加圧成形する方法等が挙げられる。支持体は、正極層において例示したものと同様のものを挙げることができる。固体電解質材料の粉末を加圧成形する場合には、通常、1MPa以上2000MPa以下程度のプレス圧を負荷する。
加圧方法としては、特に制限されないが、正極層の形成において例示した加圧方法が挙げられる。
全固体電池は、必要に応じ、積層体を収容する外装体及び拘束部材等を備える。
外装体の材質は、電解質に安定なものであれば特に限定されないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、及び、アクリル樹脂等の樹脂等が挙げられる。
拘束部材は、積層体に、積層方向の拘束圧力を与えることができればよく、全固体電池の拘束部材として使用可能な公知の拘束部材を用いることができる。例えば、積層体の両表面を挟む板状部と、2つの板状部を連結する棒状部と、棒状部に連結され、ねじ構造等により拘束圧力を調整する調整部を有する拘束部材が挙げられる。調整部によって、積層体に所望の拘束圧力を与えることができる。
拘束圧力は、特に限定されるものではないが、例えば、0.1MPa以上であってもよく、1MPa以上であってもよく、5MPa以上であってもよい。拘束圧力を大きくすることで、各層の接触を良好にしやすいという利点があるためである。一方、拘束圧力は、例えば、100MPa以下であってもよく、50MPa以下であってもよく、20MPa以下であってもよい。拘束圧力が大きすぎると、拘束部材に高い剛性が求められ、拘束部材が大型化する可能性があるためである。
全固体電池としては、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも二次電池であってもよい。二次電池は繰り返し充放電が可能である。二次電池は、例えば車載用電池として有用である。また、全固体電池は、全固体リチウム二次電池、全固体リチウムイオン二次電池であってもよい。
全固体電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型、及び角型等を挙げることができる。
全固体電池の用途は、特に限定されないが、例えば、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、電気自動車(BEV)、ガソリン自動車、ディーゼル自動車等の車両の電源が挙げられる。特に、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車または電気自動車の駆動用電源に用いられてもよい。また、本開示における全固体電池は、車両以外の移動体(例えば、鉄道、船舶、航空機)の電源として用いられてもよく、情報処理装置等の電気製品の電源として用いられてもよい。
(実施例1)
[正極層の作製]
転動流動式コーティング装置(パウレック社製)を用いて、大気雰囲気下において正極活物質粒子(Li1.15Ni1/3Co1/3Mn1/3を主相とする粒子)にニオブ酸リチウムをコーティングし、大気雰囲気下で焼成を行うことで、ニオブ酸リチウムの被覆層を有する正極活物質粒子を得た。
ポリプロピレン製容器に、PVdF、上記正極活物質粒子、硫化物系固体電解質(LiS-P系ガラスセラミック)、及び、VGCF(昭和電工社製)を加え、得られた正極層用スラリーを超音波分散装置(エスエムテー社製UH-50)で30秒間攪拌した。
次に、容器を振とう機(柴田科学社製TTM-1)で3分間振とうさせ、正極層用スラリーをさらに超音波分散装置で30秒間攪拌した。容器を振とう機で3分間振とうさせた後、アプリケーターを使用してブレード法にて正極層用スラリーをアルミニウム箔上に塗工した。その後、正極層用スラリーを自然乾燥させ、100℃のホットプレート上で30分間乾燥させることにより、アルミニウム箔(基材)上に正極合剤を得た。アルミニウム箔(基材)と正極合剤の積層体を4t/cmで緻密化してアルミニウム箔(基材)上に正極層を得た。なお、正極合剤を4t/cmで緻密化した際に得られる正極層の厚さが15μmになるように正極層用スラリーの塗布量を調整した。
[負極の作製]
ポリプロピレン製容器に、PVdF、負極活物質粒子(LiTi12(LTO)粒子)、及び、上記と同様の硫化物系固体電解質(LiS-P系ガラスセラミック)を加え、得られた負極層用スラリーを超音波分散装置で30分間攪拌した。アプリケーターを使用してブレード法にて負極層用スラリーを銅箔上に塗工した。その後、負極層用スラリーを自然乾燥させ、100℃のホットプレート上で30分間乾燥させることにより、銅箔(負極集電体)上に負極層を有する負極を得た。その後銅箔(負極集電体)の裏面も同様に負極層用スラリーを塗工し乾燥させ銅箔(負極集電体)の裏面にも負極層を形成した。
[固体電解質層の作製]
ポリプロピレン製容器に、ヘプタン、BR、及び、硫化物系固体電解質(LiS-P系ガラスセラミック)を加え、得られた固体電解質層用スラリーを超音波分散装置で30秒間攪拌した。次に、容器を振とう機(柴田科学社製TTM-1)で30分間振とうさせ、固体電解質層用スラリーをさらに超音波分散装置で30秒間攪拌した。容器を振とう機で3分間振とうさせた後、アプリケーターを使用してブレード法にて固体電解質層用スラリーをアルミニウム箔上に塗工した。その後、固体電解質層用スラリーを自然乾燥させ、100℃のホットプレート上で30分間乾燥させることにより、基材としてのアルミニウム箔上に固体電解質層を形成した。
[積層体の作製]
(1)積層体取得工程
各負極層と、各固体電解質層とが直接接触するように、負極の両面に固体電解質層を張合わせ、1.6t/cmでプレスし、その後、基材であるアルミニウム箔を各固体電解質層から剥がした。続いて、正極層と固体電解質層とが直接接触するように、各固体電解質層に正極層を張合わせ、1.6t/cmでプレスした。その後各正極層から基材であるアルミニウム箔をはがし積層体を得た。
(2)裁断工程
得られた積層体を5t/cm、170℃でプレスした。
その後、正極層サイズが70.0mm×71.0mmになるように、レーザートリミングし、負極サイズが72.0mm×72.0mmになるように積層体を裁断した。そして、積層体の1つの側面に負極端子を溶接した。
図2は裁断工程前の積層体の一例を示す図である。
図3は裁断工程後の積層体の一例を示す図である。
図3に示すように正極層サイズが70.0mm×70.0mmになるように、積層体の負極端子を溶接した側面とは反対側の側面が面一となるように図2に示す裁断ラインで積層体を裁断し、総厚みが130μmの積層体を得た。
(3)接合体形成工程
図4は、実施例1の(3)接合体形成工程、(4)接着工程の概略を示す図である。20は正極集電箔、21は、両面テープNo.5605、22は、Q51、30は、正極層、40は、固体電解質層-負極層-負極集電体+負極端子-負極層-固体電解質層の積層体、41は、負極端子、50は、正極層-固体電解質層-負極層-負極集電体+負極端子-負極層-固体電解質層-正極層の積層体を示す。
帝人ディポン社製ポリエチレンナフタレートフィルムQ51(厚み50μm)と日東電工社製両面テープNo.5605(厚み50μm)との2層の積層体(厚み100μm)であって、Q51の奥行きが正極集電箔の奥行よりも大きく、両面テープNo.5605の奥行きが正極集電箔の奥行きよりも小さい絶縁層を準備した。絶縁層の厚み(100μm)は積層体の厚み(130μm)よりも小さい。
絶縁層を3mm幅に裁断し、当該絶縁層を、両面テープNo.5605が第2集電体としての正極集電箔と接するように正極集電箔の面上の積層体を配置する予定の領域に隣接する領域(負極端子側から面方向に70~72mmの位置)に貼合わせ、正極集電箔と絶縁層の接合体を形成した。
(4)接着工程
正極集電箔上にホットメルト材を塗布した。その後、正極集電箔の面上において、絶縁層(テープ)を積層体の配置の位置決めの基準として、正極集電箔の面上の積層体を配置する予定の領域に第2電極層が正極集電箔と接するように積層体を配置し、且つ、絶縁層に積層体の面一である側面を接触させ、絶縁層と積層体の面一である側面と、を接着し、且つ、これらを140℃で加熱し、正極集電箔と積層体をホットメルト材により接着して固定した。
その後、積層体の正極集電箔側とは積層方向の反対側に別の正極集電箔をホットメルト材を介して配置し、これらを140℃、5MPaの条件でプレスして貼り合わせ、正極端子を溶接し、その後、これらを真空シールし、全固体電池を得た。
その後、全固体電池の抵抗を測定し、短絡しているか否かを確認した。
(実施例2)
図5は、実施例2の(3)接合体形成工程、(4)接着工程の概略を示す図である。図5に示す数字の意味は図4と同じである。
上記(3)接合体形成工程において、日東電工社製両面テープNo.5605(厚み50μm)と帝人ディポン社製ポリエチレンナフタレートフィルムQ51(厚み50μm)と日東電工社製両面テープNo.5605(厚み50μm)との3層の積層体(厚み150μm)であって、Q51の奥行きが正極集電箔の奥行よりも大きく、両面テープNo.5605の奥行きが正極集電箔の奥行きよりも小さい絶縁層を準備した。絶縁層の厚み(150μm)は積層体の厚み(130μm)よりも大きい。
絶縁層を3mm幅に裁断し、当該絶縁層を、一方の両面テープNo.5605が第2集電体としての正極集電箔と接するように正極集電箔の面上の積層体を配置する予定の領域に隣接する領域に貼合わせ、正極集電箔と絶縁層の接合体を形成したこと以外は実施例1と同様の方法で全固体電池を得た。
(実施例3)
図6は、実施例3の(3)接合体形成工程、(4)接着工程の概略を示す図である。23は、ハイボンZH234-1を示し、それ以外の図6に示す数字の意味は図4と同じである。
上記(3)接合体形成工程において、絶縁層として、日立化成社製ハイボンZH234-1を厚み140μmのスペーサーと一緒に120℃の条件でプレスして得たものを準備した。絶縁層の厚み(140μm)は積層体の厚み(130μm)よりも大きい。
絶縁層を3mm幅に裁断し、当該絶縁層を結着剤としてのPVDFを含む酪酸ブチル溶液を用いて、正極集電箔の面上の積層体を配置する予定の領域に隣接する領域に貼合わせ、正極集電箔と絶縁層の接合体を形成した。これら以外は実施例1と同様の方法で全固体電池を得た。
(比較例1)
図7は、比較例1の(3)接合体形成工程、(4)接着工程の概略を示す図である。図7に示す数字の意味は図4と同じである。
上記(4)接着工程において、積層体の負極端子側側面の正極層端部から面方向中心部に向かって1mmの位置を正極集電体と張り合わせる基準位置として設定し、積層体の負極端子側側面の正極層端部から面方向中心部に向かって1mmまでの領域が正極集電箔と対向しないように、正極集電箔上に積層体を配置し、正極集電箔と積層体を固定した。すなわち、上記(3)接合体形成工程において、絶縁層の一部(幅1mm)を正極集電箔の面上の積層体を配置する予定の領域(負極端子側から面方向に70~72mmの位置ではなく69~71mmの位置)に配置した。これ以外は実施例1と同様の方法で全固体電池を得た。
(比較例2)
図8は、比較例2の(3)接合体形成工程、(4)接着工程の概略を示す図である。図8に示す数字の意味は図4と同じである。
上記(4)接着工程において、積層体の負極端子側側面の正極層端部から面方向中心部に向かって2mmの位置を正極集電体と張り合わせる基準位置として設定し、積層体の負極端子側側面の正極層端部から面方向中心部に向かって2mmまでの領域が正極集電箔と対向しないように、正極集電箔上に積層体を配置し、正極集電箔と積層体を固定した。すなわち、上記(3)接合体形成工程において、絶縁層の一部(幅2mm)を正極集電箔の面上の積層体を配置する予定の領域(負極端子側から面方向に70~72mmの位置ではなく68~70mmの位置)に配置した。これ以外は実施例1と同様の方法で全固体電池を得た。
[評価方法]
実施例1~3、比較例1~2の全固体電池のサンプルをそれぞれ10個作製し、それぞれ抵抗を測定し、短絡の発生したサンプルの個数及び、正極層と絶縁層との重なりが発生したサンプルの個数を確認した。これらの結果を表1に示す。
Figure 0007639663000001
[評価結果]
表1に示すように、実施例1~3の全固体電池は、短絡が発生せず、正極層と絶縁層の重なりも発生しないことがわかる。したがって、本開示の製造方法によれば、全固体電池のエネルギー密度を向上させることできる。
11 第1集電体
12 第1電極層
13 固体電解質層
14 第2電極層
15 第2集電体
16 絶縁層
20 正極集電箔
21 両面テープNo.5605
22 Q51
23 ハイボンZH234-1
30 正極層
40 固体電解質層-負極層-負極集電体+負極端子-負極層-固体電解質層の積層体
41 負極端子
50 正極層-固体電解質層-負極層-負極集電体+負極端子-負極層-固体電解質層-正極層の積層体

Claims (1)

  1. 第1集電体の両面に、第1電極層、固体電解質層、第2電極層、第2集電体をこの順に有する全固体電池の製造方法であって、
    前記第1集電体の両面に、前記第1電極層、前記固体電解質層、前記第2電極層をこの順で積層した積層体を得る工程と、
    前記積層体の積層方向の少なくとも1つの側面を裁断により面一とする工程と、
    前記第2集電体の面上の前記積層体を配置する予定の領域に隣接する領域に絶縁層を配置し、当該第2集電体と当該絶縁層の接合体を形成する工程と、
    前記第2集電体の面上の前記積層体を配置する予定の領域に前記第2電極層当該第2集電体と対向する面の全ての領域が当該第2集電体と接するように前記積層体を配置し、且つ、前記絶縁層と前記積層体の面一である側面と、を接着する工程と、を備えることを特徴とする全固体電池の製造方法。
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