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JP7639744B2 - 検査装置および検査方法 - Google Patents
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JP7639744B2 - 検査装置および検査方法 - Google Patents

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Description

本開示は、検査装置および検査方法に関する。
サンプル画像に対して良否の判断結果を関連付けた結果に基づいて各サンプル画像から特徴量を算出し、算出された特徴量についてニューラルネットワークによる学習を行って良否判定基準を生成する良否判定装置が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2007-114843号公報
学習モデルを用いた検査装置では、検査精度の向上が望まれている。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本開示の一形態によれば、検査装置が提供される。この検査装置は、検査対象の撮像画像を取得する撮像画像取得部と、正常な前記検査対象を示す正常画像を用いて学習済みの学習モデルであって、前記正常画像に近似する比較画像を生成するための学習モデルを格納する記憶装置と、前記撮像画像と前記比較画像とを用いて前記検査対象の異常の有無を判定する検査部と、を備える。前記学習モデルは、第一ノイズおよび第二ノイズの入力により前記比較画像を生成する生成器であって、前記第一ノイズを非線形変換して第三ノイズを生成するマッピングネットワーク層と、前記第二ノイズおよび生成した前記第三ノイズを用いて画像を生成し、生成した画像のアップサンプリングを複数回繰り返すことによって前記比較画像を生成するシンセシスネットワーク層と、を備える生成器、を備える。
この形態の検査装置によれば、高解像度の画像データを用いて異常の有無を判定することができ、検査装置の検査精度を向上させることができる。
(2)上記形態の検査装置において、前記学習モデルは、前記撮像画像と前記比較画像とを識別するための識別器を備えなくてもよい。
この形態の検査装置によれば、撮像画像と比較画像とを簡易な構成で比較することができ、検査装置の生産性を高くすることができる。
(3)上記形態の検査装置において、前記学習モデルは、さらに、前記撮像画像に対する前記比較画像の違いの度合いを示す数値を出力する識別器を備える敵対的生成ネットワークであってよい。
この形態の検査装置によれば、既知の構成を利用して、撮像画像と比較画像とを用いて異常の有無を判定することができる。
(4)上記形態の検査装置において、前記検査部は、前記撮像画像と前記比較画像とが近似しないと判定した場合に、前記第一ノイズおよび前記第二ノイズの少なくともいずれかを変更して生成した新たな前記比較画像を用いて前記検査対象の異常の有無を判定する再判定を、予め定められた回数だけ繰り返してよい。
この形態の検査装置によれば、比較画像の特徴を複数回変更することにより、異常の看過を抑制することができ、検査精度を向上することができる。
(5)上記形態の検査装置において、前記再判定は、前記第二ノイズを固定し、前記第一ノイズを変化させて生成した前記比較画像を用いる前記再判定を予め定められた回数だけ行う第一再判定と、前記第一再判定を行ったあとに、前記第一ノイズを固定し、前記第二ノイズを変化させて生成した前記比較画像を用いる前記再判定を予め定められた回数だけ行う第二再判定と、を含んでよい。
この形態の検査装置によれば、画像中の特徴を大きく変更する第一ノイズを変更する第一再判定を先に行うことにより、第二再判定を先に行う場合と比較して早期に異常判定を終了することができる。
(6)上記形態の検査装置において、前記生成器は、さらに、前記マッピングネットワーク層に入力する前記第一ノイズを、前記撮像画像と前記比較画像との差が小さくなるように変更させる重み調整層を備えてよい。
この形態の検査装置によれば、第一ノイズの変更という簡易な方法により、生成器の学習を検査中に行うことなく撮像画像に近似する比較画像を生成することができる。
(7)上記形態の検査装置において、前記検査部は、前記撮像画像に含まれる第一画素の階調値と、前記比較画像において前記第一画素に対応する位置の第二画素の階調値との差分の積算値が予め定められた閾値よりも大きい場合に前記検査対象に異常ありと判定してよい。
この形態の検査装置によれば、平均二乗誤差を利用して尤度を算出する場合に比べて、人間が認識しやすいRGB階調値の差分値が過剰に大きくなることを抑制できる。
本開示は、検査装置、検査方法、以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、検査用プログラム、学習済みモデル、学習モデルの学習方法、検査対象としての部品の製造方法、検査装置の製造方法、検査装置の制御方法、機械学習モデルの学習用プログラム、これらのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
検査システムの全体構成を模式的に示す説明図。 検査装置の内部機能構成を示すブロック図。 機械学習モデルの構成を概念的に示す説明図。 機械学習モデルの詳細な構成を示す説明図。 検査装置によって実行される検査方法を示すフローチャート。 検査対象の一例としてのコネクタを示す説明図。 正常なコネクタを示す正常画像としての撮像画像の例を示す説明図。 異常を有するコネクタを示す異常画像としての撮像画像の例を示す説明図。 正常画像としての撮像画像を用いて生成された比較画像を示す説明図。 異常画像としての撮像画像を用いて生成された比較画像を示す説明図。 撮像画像と比較画像とのRGB階調値の差分を用いて生成された差分画像を示す説明図。 差分の算出方法を模式的に示す説明図。 第2実施形態としての検査装置に備えられる機械学習モデルの概略構成を示す説明図。
A.第1実施形態:
図1は、検査システム100の全体構成を模式的に示す説明図である。検査システム100は、本開示の第1実施形態としての検査装置60と、カメラ70とを備えている。検査装置60は、カメラ70と協働し、製造ラインLnで処理された検査対象の撮像画像を用いて、検査対象の異常の有無を検査する。検査装置60は、学習済みの機械学習モデルを利用する。検査対象は、例えば、前工程PR1で製造された自動車用の部品WKである。本実施形態では、自動車用の部品WKとして、後述するコネクタを例に説明する。コネクタは、自動車の燃料や冷媒などを流通させる配管同士を連結するために用いられる部材である。検出すべき異常は、例えば、コネクタの接続不良、コネクタの破損、コネクタのロック部の嵌合不良、配管の破損などであり、多数の種類の異常が含まれ得る。本実施形態では、異常を有する検査対象の画像をそれぞれ準備することが困難であるとの理由から、教師なし学習の機械学習モデルが用いられている。
カメラ70は、検査対象を撮像し、検査対象の撮像画像を検査装置60へと送信する。カメラ70は、撮像部72と、通信部74とを備えている。撮像部72は、前工程PR1から後工程PR2へと送り出された搬送途中の部品WKを撮像する。本実施形態では、撮像部72は、自動車に搭載された状態の部品WKを撮像する。撮像部72により撮像された撮像画像は、通信部74へと出力される。カメラ70は、検査装置60とは別体に限らず、検査装置60と一体とされてもよい。
本実施形態では、撮像部72による撮像画像は、R(赤)、G(緑)、B(青)で表される各画像信号成分によって構成されるRGB入力画像信号で構成されている。各画像信号には、例えば、各8ビット、計24ビットの情報量が割り当てられている。本実施形態では、撮像部72は、部品WK全体に対して、横4000画素×縦3000画素とするいわゆる1200万画素の撮像画像を取得する。撮像部72が取得する撮像画像の解像度は、検査装置60に要求される検査範囲や不良の検出精度、検出すべき不良のサイズ、学習モデルで処理可能な画像サイズ等を考慮して決定されることが好ましい。また、検査装置60の検査精度の向上や検査範囲の拡大のために、検査対象の撮像画像が高い解像度を有することが好ましい。例えば、自動車に搭載された状態の部品WKを検査するためには、例えば、カメラ70と自動車との接触を回避するためにカメラ70を自動車から離間させるために、検査対象を離れた位置から撮像することがある。また、撮像範囲が小さい場合や大きい撮像範囲に対して小さい不良を検出することがある。これらの場合にも、検査対象の撮像画像が高い解像度を有することが好ましい。
通信部74は、任意の通信プロトコルに従い、無線通信によって検査装置60に対して撮像画像を送信する。通信部74は、検査装置60からの実行命令を受信してもよい。
本実施形態では、検査装置60およびカメラ70は、無線通信によって互いにデータの送受信ができるとともに、図1に示す情報処理装置PC、端末装置PD1,PD2ともデータを送受信することが可能である。例えば、検査装置60は、情報処理装置PC、端末装置PD1,PD2からの要求に応じて、検査結果を情報処理装置PCおよび端末装置PD1,PD2に送信することができる。なお、検査装置60は、ローカルサーバとして製造ラインLn近傍のエリアに配置されていてもよく、リモートサーバとして製造ラインLnから離れた場所に配置されていてもよい。検査装置60がリモートサーバとして設置される場合には、カメラ70からの撮像画像、ならびに端末装置PD1,PD2および情報処理装置PCへの検査結果は、工場内の無線アクセスポイントおよびイントラネットまたはインターネットといったネットワークを介して検査装置60によって送受信される。
図2は、検査装置60の内部機能構成を示すブロック図である。検査装置60は、中央演算処理装置としてのCPU62、記憶装置64、ならびに通信部66を備えている。CPU62、記憶装置64、通信部66は、バス61を介して互いに接続されており、双方向に通信可能である。検査装置60は、さらに、例えば、液晶ディスプレイやタッチパネルなど、検査結果を表示するための表示部を備えてもよい。
通信部66は、ネットワークを介して、カメラ70との間で、検査に用いるための撮像画像を受信する通信制御を行うインターフェースである。本実施形態では、通信部66は、カメラ70を介して検査対象の撮像画像を取得する撮像画像取得部として機能する。本実施形態では、通信部66は、さらに、端末装置PD1,PD2ならびに情報処理装置PCに対して検査結果や検査結果の表示用データを送信する。通信部66は、さらに、端末装置PD1,PD2や情報処理装置PCからの各種処理の実行を要求する指令信号を受信してもよい。なお、検査装置60がカメラ70と一体である場合など、検査装置60が撮像部72を備える場合には、撮像部72が撮像画像取得部として機能する。
記憶装置64は、たとえば、RAM、ROM、ハードディスクドライブ(HDD)である。HDDまたはROMには本実施形態において提供される機能を実現するための各種プログラムが格納されている。HDDまたはROMから読み出された各種プログラムは、RAM上に展開されて、CPU62によって実行される。記憶装置64には、機械学習モデルを格納するための学習モデル記憶部642を備えている。なお、記憶装置64には、撮像画像取得部によって取得された画像データ、検査部622によって生成された各種の画像や演算結果などが一時的に格納される。記憶装置64には、光ディスク、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられてもよい。
CPU62は、記憶装置64に格納されているプログラムを実行することによって、検査部622として機能する。検査部622は、学習モデル記憶部642に格納された機械学習モデルを利用して検査対象に異常があるか否かの検査を行う。
図3は、学習モデル記憶部642に格納された機械学習モデル80の構成を概念的に示す説明図である。本実施形態において、学習モデル記憶部642には、正常な前記検査対象を示す正常画像を用いて学習済みの機械学習モデル80が格納されている。機械学習モデル80は、重み調整層82と、生成器(Generator)84とを備えている。
生成器84は、正常な検査対象の撮像画像(以下、「正常画像」とも呼ぶ)を用いて充分に学習された状態である。生成器84は、潜在変数としての第一ノイズZ1および第二ノイズZ2の入力により、撮像画像に近似する画像データ(以下、「比較画像」とも呼ぶ)を生成する。本実施形態では、生成器84には、後述するように、StyleGANとも呼ばれる機械学習モデルが適用されている。
第一ノイズZ1および第二ノイズZ2は、例えば、100次元程度の各要素が0~1までの変数で構成される潜在変数である。第一ノイズZ1および第二ノイズZ2は、検査部622によって、例えば、一様分布や正規分布からランダムサンプリングにより決定されて、生成器84に入力される。
検査部622は、比較画像PRと、撮像部72によって取得された撮像画像PTとを取得すると、撮像画像PTと比較画像PRとを比較することにより検査対象に異常があるか否かを判定する。検査部622は、撮像画像PTと比較画像PRとが近似する場合には、検査対象に異常なしと判定する。検査部622は、撮像画像PTと比較画像PRとが近似しないと判定すると、第一ノイズZ1および第二ノイズZ2の少なくともいずれかを変更して新たな比較画像PRを生成し、再び検査対象の異常の有無を判定する再判定を実行する。
重み調整層82は、生成器84に入力する第一ノイズZ1の重みを調節する。本実施形態では、重み調整層82は、活性化関数を利用した全結合層(Fully Connected layer)を適用している。重み調整層82は、再判定では、撮像画像PTと比較画像PRとの差が小さくなるように第一ノイズZ1を変更させる。この結果、生成器84は、検査中に新たに学習することなく、再判定のたびに、より撮像画像PTに近似する比較画像PRを生成することができるようになる。
図4は、機械学習モデル80の詳細な構成を示す説明図である。図4に示す構成は、図3の範囲ARの構成に相当する。図4に示すように、生成器84にはStyleGANのモデルが用いられている。これにより、例えば64画素x64画素程度の解像度の画像データを生成するDCGANと比較して高解像度の比較画像PRを生成することができる。
生成器84は、マッピングネットワーク(Mapping network)部842と、複数のシンセシスネットワーク(Synthesis network)部844とを備えている。マッピングネットワーク層842は、例えば8層の複数の全結合層(FC layer)を備えている。マッピングネットワーク層842は、この8層の全結合層によって潜在変数としての第一ノイズZ1を非線形変換することによって、潜在空間としての第三ノイズW1を生成する。生成した第三ノイズW1は、シンセシスネットワーク層844に入力される。
シンセシスネットワーク層844は、4x4x512のテンソルとしての固定値CVから比較画像PRを生成する。シンセシスネットワーク層844は、画像に対して複数回のアップサンプリングを行い、解像度を段階的に上げることにより、高解像度の比較画像PRを生成する。シンセシスネットワーク層844には、アップサンプリングされる解像度ごとに畳み込み処理層と、正規化層(AdaIN:Adaptive Instance Normalization)ALとが備えられている。シンセシスネットワーク層844は、アップサンプリングを行うたびに、スタイル情報とノイズ情報とを取り込む。具体的には、畳み込み処理層のあとに第二ノイズZ2を入力することで確率的な変動を付与するノイズ情報として取り入れるとともに、マッピングネットワーク層842により生成された潜在空間としての第三ノイズW1を、正規化層ALを介して多次元のスタイル情報として取り入れている。潜在空間としての第三ノイズW1および第三ノイズW1を生成するための第一ノイズZ1は、画像中の大きな特徴に影響を与え得る因子であり、ノイズ情報としての第二ノイズZ2は、細部の特徴に影響を与え得る因子である。
図5は、検査装置60によって実行される検査方法を示すフローチャートである。本フローは、前工程PR1から払い出された部品WKが検査工程に到達したことにより開始する。部品WKが検査工程に到達したか否かは、例えば、カメラ70等により検査工程に到達した部品WKを画像認識することにより判定することができる。
ステップS10では、検査装置60は撮像画像PTを取得する。本実施形態では、カメラ70の撮像部72が、検査対象としての部品WKを撮像することにより撮像画像PTを取得する。撮像部72により取得された撮像画像PTは、通信部74を介して検査装置60へと送信される。検査装置60は、通信部66を介して撮像画像PTを取得する。
図6は、検査対象の一例としてのコネクタ30を示す説明図である。図6に示すように、コネクタ30は、本体36を備えている。本体36には、嵌合部38が備えられている。本体36に第一管路32と第二管路34とを挿通した状態で嵌合部38を第一管路32と第二管路34との接続部分に向かって押し込むことにより、第一管路32と第二管路34とが接続された状態で固定される。
図7は、正常なコネクタ30を示す正常画像としての撮像画像PTgの例を示す説明図である。図8は、異常を有するコネクタ30を示す異常画像としての撮像画像PTnの例を示す説明図である。図7に示すように、撮像画像PTgでは、嵌合部38が第一管路32と第二管路34との接続部分に向かって完全に押し込まれた状態であり、第一管路32と第二管路34とが固定された正常な状態のコネクタ30が示されている。図8に示すように、撮像画像PTnでは、嵌合部38が完全に押し込まれず本体36から突出された状態のコネクタ30が示されている。撮像画像PTnでは、本体36から突出した嵌合部38の突出部分P1と、正常な状態のコネクタ30とは異なる位置の切り欠き部分P2が撮像されている。以下の説明では、検査装置60がコネクタ30の嵌合部38の押し込み不足を異常として判定する例を用いて説明する。
ステップS20では、検査部622は、機械学習モデル80の生成器84に、ランダムサンプリングされた第一ノイズZ1および第二ノイズZ2を入力して比較画像PRを生成する。第一ノイズZ1は、重み調整層82を介して生成器84に入力され、図4に示すマッピングネットワーク層842を介して潜在空間としての第三ノイズW1に非線形変換される。シンセシスネットワーク層844は、固定値CVから画像を生成し、第三ノイズW1をスタイル情報として取り込むとともに、第二ノイズZ2をノイズ情報として取り込みながら、画像のアップサンプリングを繰り返して、1024画素×1024画素の比較画像PRを生成する。
図9は、正常画像としての撮像画像PTgを用いて生成された比較画像PRgを示す説明図である。図10は、異常画像としての撮像画像PTnを用いて生成された比較画像PRnを示す説明図である。図9に示すように、比較画像PRgは、正常画像と近似する状態で生成されていることが理解できる。なお、図10に示す比較画像PRnは、上限回数に達するまで再判定を実行した場合に生成された比較画像の一例である。図10に示すように、比較画像PRnには、図8で示した撮像画像PTnにおける突出部分P1が正常画像に近似するように生成された生成部位P3と、切り欠き部分P2が正常画像に近似するように生成された生成部位P4が生成されていることが理解できる。
ステップS30では、検査部622は、撮像画像PTと、生成した比較画像PRとを比較する。本実施形態では、検査部622は、撮像画像PTの画素のRGB階調値の合計値と、撮像画像PTの画素に対応する位置の比較画像PRの画素のRGB階調値の合計値との差分の積算値を用いて比較する。撮像画像PTの画素を「第一画素」とも呼び、比較画像PRの画素を「第二画素」とも呼ぶ。
図11は、撮像画像PTnと比較画像PRnとのRGB階調値の差分を用いて生成された差分画像CPを示す説明図である。図11によれば、差分画像CPには、RGB階調値の差分が大きい箇所として、例えば、突出部分P1と生成部位P3との差分となる差分部位P5と、切り欠き部分P2と生成部位P4との差分となる差分部位P6とを有していることを理解できる。
図12は、撮像画像PTnと比較画像PRnとの差分の算出方法を模式的に示す説明図である。図12では、技術の理解を容易にするために、画素の数は、実際の画像の画素数よりも少ない状態で示されている。図12に示す表TB1は、撮像画像PTnに含まれる各画素のRGB階調値を概念的に示している。表TB2は、比較画像PRnに含まれる各画素のRGB階調値を概念的に示し、表TB3は、差分画像CPに含まれる各画素のRGB階調値を概念的に示している。表TB1に示す各数値は、撮像画像PTnの各画素のRGB階調値の合計値を示している。同様に、表TB2に示す各数値は、比較画像PRnの各画素のRGB階調値の合計値を示している。表TB3に示す各数値は、表TB1と表TB2との画素ごとでのRGB階調値の合計値の差分値を示している。
検査部622は、表TB3に示すように、撮像画像PTnのRGB階調値の合計値と、生成した比較画像PRnのRGB階調値の合計値との差分を画素ごとに計算する。撮像画像PTが異常画像である場合には、比較画像は、生成器84によって生成されたあと、再判定が繰り返されることにより、異常画像としての撮像画像PTnに近似するように再生成される。そのため、表TB3に示すように、例えば、撮像画像と、比較画像との差異は、RGB階調値の差分として残存する。検査部622は、算出した画素ごとのRGB階調値を全画素において積算する。図12における表TB3の例では、RGB階調値の積算値は、11である。
図5に戻り、ステップS40では、検査部622は、算出した全画素のRGB階調値の積算値を用いて検査対象の異常の有無を判定する。本実施形態では、検査部622は、算出した全画素のRGB階調値の積算値と、記憶装置64に格納された予め定められた閾値とを比較することにより、検査対象の異常を判定する。積算値が閾値よりも低ければ(S40:YES)、ステップS42に移行し、検査部622は、検査対象に異常なしと判定して処理を終了する。積算値が閾値以上である場合には(S40:NO)、ステップS50に移行する。
ステップS50では、検査部622は、検査回数Nが予め定められた上限回数に達したか否かを判定する。検査回数は、再判定を行った回数に1を加えた数に相当する。検査回数Nの上限回数は、検査装置60に要求されるタクトタイムなどに基づいて任意に設定可能であり、本実施形態では、100回で設定されている。検査回数Nが100回に達した場合には(S50:YES)、ステップS52に移行して、検査部622は、検査対象に異常ありと判定して処理を終了する。検査回数Nが100回に達する場合とは、第一ノイズZ1および第二ノイズZ2を変更して生成された100枚の比較画像PRのいずれもが撮像画像PTに近似しないと判定された場合に相当する。検査回数Nが100回未満である場合には(S50:NO)、ステップS60に移行する。
ステップS60では、検査部622は、検査回数Nが予め定められた切替回数に達したか否かを判定する。切替回数は、第一ノイズZ1と、第二ノイズZ2との組み合わせ方法を切り替えるか否かを判定するために用いられる閾値である。切替回数は、任意に設定可能であり、本実施形態では、切替回数は、上限回数の半分である50回で設定されている。検査回数Nが50回未満である場合には(S60:YES)、ステップS62に移行し、検査部622は、第二ノイズZ2をステップS20で入力された値で固定し、第一ノイズZ1をランダムサンプリングにより新たに決定する。検査回数Nが50回以上である場合には(S60:NO)、ステップS64に移行し、検査部622は、第一ノイズZ1を検査回数Nが50回の時点の値で固定し、第二ノイズZ2をランダムサンプリングにより新たに決定する。再判定のうち、第二ノイズZ2を固定し、第一ノイズZ1を変化させて新たに生成した比較画像PRを用いた再判定を、「第一再判定」とも呼び、第一ノイズZ1を固定し、第二ノイズZ2を変化させて新たに生成した比較画像PRを用いた再判定を、「第二再判定」とも呼ぶ。ステップS62あるいはステップS64で第一ノイズZ1と第二ノイズZ2とを新たに決定すると、検査部622は、検査回数Nを1だけインクリメントしてステップS20に戻る。
以上、説明したように、本実施形態の検査装置60は、検査対象の撮像画像PTを取得する撮像画像取得部と、正常な検査対象を示す正常画像を用いて学習済みの機械学習モデル80であって、正常画像に近似する比較画像PRを生成するための機械学習モデル80を格納する記憶装置64と、撮像画像PTと比較画像PRとを用いて検査対象の異常の有無を判定する検査部622と、を備えている。機械学習モデル80は、第一ノイズZ1および第二ノイズZ2の入力により比較画像PRを生成する生成器84を備える。生成器84は、第一ノイズZ1を非線形変換して第三ノイズW1を生成するマッピングネットワーク層842と、第二ノイズZ2および生成した第三ノイズW1を用いて画像を生成し、生成した画像のアップサンプリングを複数回繰り返すことによって比較画像PRを生成するシンセシスネットワーク層844と、を備える。機械学習モデル80の生成器84は、StyleGANを利用し、入力された第一ノイズZ1を非線形変換して第三ノイズW1を生成するマッピングネットワーク層842と、第二ノイズZ2と第三ノイズW1とを用いて画像を生成し、生成した画像の解像度を大きくするアップサンプリングを複数回繰り返すことによって比較画像PRを生成するシンセシスネットワーク層844と、を備える。したがって、機械学習モデル80を利用した検査装置60において、生成器84にStyleGANのネットワーク構造を採用することにより、高解像度の画像データを用いて異常の有無を判定することができる。
本実施形態の検査装置60によれば、機械学習モデル80は、撮像画像PTと比較画像PRとを識別するための識別器86を備えていない。したがって、撮像画像PTと比較画像PRとを簡易な構成で比較することができ、検査装置60の生産性を高くすることができる。
本実施形態の検査装置60によれば、検査部622は、検査対象に異常なしと判定した場合に、第一ノイズZ1および第二ノイズZ2の少なくともいずれかを変更して生成した新たな比較画像PRを用いて検査対象の異常の有無を判定する再判定を、予め定められた回数だけ繰り返す。比較画像PRの特徴を複数回変更することにより、異常の看過を抑制することができ、検査精度を向上することができる。
本実施形態の検査装置60によれば、検査部622が行う再判定は、第一ノイズZ1を固定し、第二ノイズZ2を変化させて生成した比較画像PRを用いる再判定を予め定められた切替回数だけ行う第一再判定と、第一再判定を行ったあとに、第二ノイズZ2を固定し、第一ノイズZ1を変化させて生成した比較画像PRを用いる再判定を予め定められた上限回数まで行う第二再判定と、を含んでいる。第一ノイズZ1と第二ノイズZ2との一方のみを変更して新たな比較画像PRを生成して再判定を行うことにより、再判定時に撮像画像PTの特徴と比較画像PRの特徴とが大きく乖離することを抑制することができる。また、画像中の大きな特徴を変更する第一ノイズZ1を先に変更した第一再判定を行った後で、細部の特徴を変更する第二ノイズZ2を変更した第二再判定を行うことにより、切替回数内に異常なしと判定できる可能性が高くなり、早期に異常判定を終了することができ、検査工程の生産性を高くすることができる。
本実施形態の検査装置60によれば、生成器84は、さらに、マッピングネットワーク層842に入力する第一ノイズZ1を、撮像画像PTと比較画像PRとの差が小さくなるように変更させる重み調整層82を備える。したがって、検査装置60による検査の過程において、第一ノイズZ1の変更という簡易な方法により、生成器84の学習を検査中に行うことなく撮像画像PTに近似する比較画像PRを生成することができる。
本実施形態の検査装置60によれば、検査部622は、撮像画像PTに含まれる第一画素のRGB階調値と、比較画像PRにおいて第一画素に対応する位置の第二画素のRGB階調値との差分を算出し、算出されたRGB階調値の差分の積算値が予め定められた閾値よりも大きい場合に検査対象に異常ありと判定する。したがって、例えば、撮像画像PTと比較画像PRとの各画素におけるRGB階調値の平均二乗誤差(MSE:Mean Squared Error)を利用して差分値を算出する場合に比べて、人間が認識しやすいRGB階調値の差分値が過剰に大きくなることを抑制し、RGB階調値の色味の変化が適正に考慮された状態で異常を判定することができ、人為的な検査と略同等の検査結果を得ることができる。
B.第2実施形態:
図13は、第2実施形態としての検査装置60に備えられる機械学習モデル80bの概略構成を示す説明図である。図13に示すように、機械学習モデル80bは、敵対的生成ネットワーク(GAN:Generative Adversarial Networks)を利用した異常検知手法として利用可能なモデルである。機械学習モデル80bは、AnoGAN(Anomaly Detection with Generative Adversarial Networks)とも呼ばれ得る。機械学習モデル80bは、第1実施形態で示した機械学習モデル80とは、さらに、識別器(Discriminator)86と、判定器88とを備えている点において相違する。なお、本実施形態では、検査部622は、判定器88からの出力結果を用いて異常の有無を判定する。
識別器86は、正常な検査対象を示す正常画像と、生成した比較画像PRとを識別できる程度に充分に学習された状態である。識別器86は、撮像画像PTに対する比較画像PRの違いの度合いを示す尤度を出力する。識別器86は、比較画像PRと、撮像部72によって取得された撮像画像PTとを取得すると、撮像画像PTと比較画像PRとを比較して、撮像画像PTに対する比較画像PRの違いの度合いを数値化した尤度を判定器88に出力する。本実施形態において、尤度は撮像画像PTが異常を有している確率を示す値であり、例えば尤度が高い値である場合に検査対象に異常ありと判定することができる。本実施形態では、識別器86は、例えば、撮像画像PTと比較画像PRとの差分である第一差分値と、比較画像PRを識別器86に入力したときの中間層の出力値と、撮像画像PTを識別器86に入力したときの中間層の出力値との差分である第二差分値との総和を算出して尤度として出力する。ただし、尤度が正常品である確率値を示す場合には、値が低い場合に異常として検知されてもよい。
判定器88は、識別器86から出力された尤度を用いて検査対象の異常の有無を判定する。ステップS40では、判定器88は、尤度が予め定められた閾値よりも低ければ、撮像画像PTと比較画像PRとが近似するとしてステップS42に移行し、尤度が閾値以上であれば、撮像画像PTと比較画像PRとが近似しないとしてステップS50に移行してよい。機械学習モデル80bの判定器88による異常有無の判定結果は、検査部622に出力され、検査部622は、判定器88の結果に基づいて検査対象の異常の有無を判定する。なお、機械学習モデル80bにおいて、生成器84および識別器86は、検査が行われている間には学習を行わなくてもよい。
本実施形態の検査装置60によれば、機械学習モデル80bは、さらに、撮像画像PTに対する比較画像PRの違いの度合いを示す数値を出力する識別器86を備える敵対的生成ネットワークである。したがって、既知の構成を利用して、撮像画像PTと比較画像PRとを用いて異常の有無を判定することができる。
C.他の実施形態:
(C1)上記第1実施形態では、検査対象が自動車用の部品WKとしてのコネクタを例に説明した。これに対して、検査対象は、自動車に用いられるコネクタには限定されず自動車の車体や部品などの自動車に含まれる種々の部品であってよい。検査対象は、自動車用部品のみには限らず、鉄道車両、航空機、船舶などの種々の移動体に用いられる部品であってよく、移動体以外の種々の製造物であってもよい。
(C2)上記第1実施形態では、検査部622は、撮像画像PTnのRGB階調値の合計値と、生成した比較画像PRnのRGB階調値の合計値との差分を画素ごとに計算する例を示した。これに対して、検査部622は、撮像画像PTnのRGB階調値の合計値と生成した比較画像PRnのRGB階調値の合計値との差分と、予め定められた閾値とを比較し、当該差分が閾値以上離れている画素の数を積算して、当該画素の数が所定値以上である場合に異常ありと判定し、所定値未満であれば異常なしと判定してもよい。また、検査部622は、撮像画像PTと比較画像PRとの各画素において、RGB階調値のR,G,Bの各階調値それぞれの差分を算出してから、算出したR,G,Bの各階調値それぞれの差分が積算された値を用いてもよい。検査部622は、撮像画像PTと比較画像PRとの各画素におけるRGB階調値の平均二乗誤差(MSE:Mean Squared Error)を利用して尤度を算出してもよい。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
30…コネクタ、32…第一管路、34…第二管路、36…本体、38…嵌合部、60…検査装置、61…バス、62…CPU、64…記憶装置、66…通信部、70…カメラ、72…撮像部、74…通信部、80,80b…機械学習モデル、82…重み調整層、84…生成器、86…識別器、88…判定器、100…検査システム、622…検査部、642…学習モデル記憶部、842…マッピングネットワーク層、844…シンセシスネットワーク層、AL…正規化層、AR…範囲、CP…差分画像、CV…固定値、Ln…製造ライン、P1…突出部分、P2…切り欠き部分、P3,P4…生成部位、P5,P6…差分部位、PC…情報処理装置、PD1,PD2…端末装置、PR,PRg、PRn…比較画像、PR1…前工程、PR2…後工程、PT,PTg、PTn…撮像画像、TB1~TB3…表、W1…第三ノイズ、WK…部品、Z1…第一ノイズ、Z2…第二ノイズ

Claims (7)

  1. 検査装置であって、
    検査対象の撮像画像を取得する撮像画像取得部と、
    正常な前記検査対象を示す正常画像を用いて学習済みの学習モデルであって、前記正常画像に近似する比較画像を生成するための学習モデルを格納する記憶装置と、
    前記撮像画像と前記比較画像とを用いて前記検査対象の異常の有無を判定する検査部と、を備え、
    前記学習モデルは、
    第一ノイズおよび第二ノイズの入力により前記比較画像を生成する生成器であって、
    前記第一ノイズを非線形変換して第三ノイズを生成するマッピングネットワーク層と、
    前記第二ノイズおよび生成した前記第三ノイズを用いて画像を生成し、生成した画像のアップサンプリングを複数回繰り返すことによって前記比較画像を生成するシンセシスネットワーク層と、を備える生成器、を備え、
    前記検査部は、前記撮像画像と前記比較画像とが近似しないと判定した場合に、前記第一ノイズおよび前記第二ノイズの少なくともいずれかを変更して生成した新たな前記比較画像を用いて前記検査対象の異常の有無を判定する再判定を、予め定められた回数だけ繰り返す、
    検査装置。
  2. 請求項1に記載の検査装置であって、
    前記学習モデルは、前記撮像画像と前記比較画像とを識別するための識別器を備えない、
    検査装置。
  3. 請求項1に記載の検査装置であって、
    前記再判定は、
    前記第二ノイズを固定し、前記第一ノイズを変更して生成した前記比較画像を用いる前記再判定を予め定められた回数だけ行う第一再判定と、
    前記第一再判定を行ったあとに、前記第一ノイズを固定し、前記第二ノイズを変化させて生成した前記比較画像を用いる前記再判定を予め定められた回数だけ行う第二再判定と、を含む、
    検査装置。
  4. 請求項1に記載の検査装置であって、
    前記検査部は、前記撮像画像に含まれる第一画素の階調値と、前記比較画像において前記第一画素に対応する位置の第二画素の階調値との差分の積算値が予め定められた閾値よりも大きい場合に前記検査対象に異常ありと判定する、
    検査装置。
  5. 請求項1に記載の検査装置であって
    前記学習モデルは、
    前記生成器と、
    前記撮像画像に対する前記比較画像の違いの度合いを示す尤度を出力する識別器と、
    前記識別器から出力された前記尤度を用いて前記検査対象の異常の有無を判定する判定器と、を備える敵対的生成ネットワークであり、
    前記検査部は、前記判定器の結果に基づいて前記検査対象の異常の有無を判定する、
    検査装置。
  6. 請求項1に記載の検査装置であって
    前記生成器は、さらに、前記マッピングネットワーク層に入力する前記第一ノイズを、前記撮像画像と前記比較画像との差が小さくなるように変更させる重み調整層を備える、
    検査装置。
  7. 検査方法であって、
    検査対象の撮像画像を取得し、
    正常な前記検査対象を示す正常画像を用いて学習済みの学習モデルを用いて、前記正常画像に近似する比較画像を生成し、
    前記撮像画像と前記比較画像とを用いて前記検査対象の異常の有無を判定し、
    前記学習モデルは、
    第一ノイズおよび第二ノイズの入力により前記比較画像を生成する生成器であって、
    前記第一ノイズを非線形変換して第三ノイズを生成するマッピングネットワーク層と、
    前記第二ノイズおよび生成した前記第三ノイズを用いて画像を生成し、生成した画像のアップサンプリングを複数回繰り返すことによって前記比較画像を生成するシンセシスネットワーク層と、を備える生成器、を備え、
    前記撮像画像と前記比較画像とが近似しないと判定した場合に、前記第一ノイズおよび前記第二ノイズの少なくともいずれかを変更して生成した新たな前記比較画像を用いて前記検査対象の異常の有無を判定する再判定を、予め定められた回数だけ繰り返す、
    検査方法。
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